(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】エレベータ制御システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
B66B 1/14 20060101AFI20241224BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
B66B1/14 L
B66B3/00 M
B66B3/00 L
(21)【出願番号】P 2024032375
(22)【出願日】2024-03-04
【審査請求日】2024-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】北川 新也
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-064076(JP,A)
【文献】特開2020-203752(JP,A)
【文献】特開2023-180368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-3/02
B66B 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータを利用する自律走行可能なロボットの行先階を示す行先階情報を含む混雑情報取得依頼を受け付ける依頼受付部と、
前記混雑情報取得依頼を受け付けた時点を含む所定期間における、前記行先階のエレベータ乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報および前記エレベータのかご内の混雑状況を示すかご混雑情報を算出する算出部と、
前記行先階混雑情報および前記かご混雑情報を含む混雑情報を
、前記ロボットまたは前記ロボットを管理する管理装置に通知する通知部と、
を備えるエレベータ制御システム。
【請求項2】
前記算出部は、
(1)前記行先階のエレベータ乗場を撮像した乗場画像、(2)前記行先階のエレベータ乗場に来た利用者を検知した検知信号、および(3)乗場行先階呼び登録を行った前記利用者の出発階および行先階を示す情報、の少なくともいずれかを用いて、前記行先階混雑情報を算出する、
請求項1に記載のエレベータ制御システム。
【請求項3】
前記算出部は、
(1)前記かご内の荷重を検知した荷重検知信号、および(2)前記かご内を撮像したかご内画像、の少なくともいずれかを用いて、前記かご混雑情報を算出する、
請求項1に記載のエレベータ制御システム。
【請求項4】
前記ロボットは、
前記行先階混雑情報が示す混雑状況が所定の第1基準以下であり、かつ、前記かご混雑情報が示す混雑状況が所定の第2基準以下である場合、前記エレベータの動作を制御するエレベータ制御装置に前記エレベータのかごの呼び登録依頼を送信する、
請求項1に記載のエレベータ制御システム。
【請求項5】
前記第1基準および前記第2基準は、前記ロボットの種類、および前記ロボットが前記エレベータを利用する目的の少なくともいずれかに応じて設定される、
請求項4に記載のエレベータ制御システム。
【請求項6】
前記混雑情報取得依頼は、前記ロボットの出発階を示す出発階情報をさらに含み、
前記算出部は、
前記受け付けた前記混雑情報取得依頼に応じて、前記所定期間における前記出発階のエレベータ乗場の混雑状況を示す出発階混雑情報をさらに算出し、
前記混雑情報は、さらに、前記出発階混雑情報を含む、
請求項1に記載のエレベータ制御システム。
【請求項7】
前記算出部は、
(1)前記出発階のエレベータ乗場を撮像した乗場画像、(2)前記出発階のエレベータ乗場に来た利用者を検知した検知信号、および(3)乗場行先階呼び登録を行った前記利用者の出発階および行先階を示す情報、の少なくともいずれかを用いて、前記出発階混雑情報を算出する、
請求項6に記載のエレベータ制御システム。
【請求項8】
前記ロボットは、前記行先階混雑情報が示す混雑状況が第1基準以下であり、かつ、前記かご混雑情報が示す混雑状況が第2基準以下であり、かつ、前記出発階混雑情報が示す混雑状況が第3基準以下である場合、前記エレベータの動作を制御するエレベータ制御装置に前記エレベータのかごの呼び登録依頼を送信する、
請求項6に記載のエレベータ制御システム。
【請求項9】
前記第1基準、前記第2基準、および前記第3基準は、前記ロボットの種類、および前記ロボットが前記エレベータを利用する目的の少なくともいずれかに基づいて設定される請求項8に記載のエレベータ制御システム。
【請求項10】
前記第1基準は、前記第3基準よりも低く設定される、
請求項8に記載のエレベータ制御システム。
【請求項11】
前記依頼受付部は、前記ロボットから前記混雑情報取得依頼を受け付け、
前記通知部は、前記混雑情報を前記ロボットに通知する、
請求項1に記載のエレベータ制御システム。
【請求項12】
前記依頼受付部は、前記ロボットを管理する管理装置から前記混雑情報取得依頼を受け付け、
前記通知部は、前記混雑情報を前記管理装置に通知する、
請求項1に記載のエレベータ制御システム。
【請求項13】
エレベータを利用する自律走行可能なロボットの行先階を示す行先階情報を含む混雑情報取得依頼を受け付ける依頼受付ステップと、
前記混雑情報取得依頼を受け付けた時点を含む所定期間における、前記行先階のエレベータ乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報および前記エレベータのかご内の混雑状況を示すかご混雑情報を算出する算出ステップと、
前記行先階混雑情報および前記かご混雑情報を含む混雑情報を
、前記ロボットまたは前記ロボットを管理する管理装置に通知する通知ステップと、
を含むエレベータ制御システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロボットがエレベータを利用するためのエレベータ制御システムおよびエレベータ制御システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータ乗場が混雑しているときに自律走行可能なロボットがエレベータの利用を開始すると、エレベータがさらに混雑してしまい、エレベータの利便性が低下する可能性がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、自律移動体を制御する自律移動体制御装置が、算出されたエレベータ乗場の混雑解消に要する混雑解消時間を用いて、自律移動体の運行計画を変更するか否かを決定するビル管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロボットの行先階の乗場が混雑している場合、当該階床で多数の利用者がかご内に乗車してくる可能性があり、ロボットがかごから円滑に降車できない可能性がある。また、かご内が混雑している場合、ロボットがかご内に乗車できない可能性がある。例えば、かご内が満員であれば、ロボットの出発階をかごが通過する可能性もある。
【0006】
本発明の一態様は、自律走行可能なロボットに対してエレベータ乗場およびかご内の混雑状況に関する情報をロボットに提供することが可能なエレベータ制御システムおよびエレベータ制御方法等の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るエレベータ制御システムは、エレベータを利用する自律走行可能なロボットの行先階を示す行先階情報を含む混雑情報取得依頼を受け付ける依頼受付部と、前記混雑情報取得依頼を受け付けた時点を含む所定期間における、前記行先階のエレベータ乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報および前記エレベータのかご内の混雑状況を示すかご混雑情報を算出する算出部と、前記行先階混雑情報および前記かご混雑情報を含む混雑情報を通知する通知部と、を備える。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るエレベータ制御システムの制御方法は、エレベータを利用する自律走行可能なロボットの行先階を示す行先階情報を含む混雑情報取得依頼を受け付ける依頼受付ステップと、前記混雑情報取得依頼を受け付けた時点を含む所定期間における、前記行先階のエレベータ乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報および前記エレベータのかご内の混雑状況を示すかご混雑情報を算出する算出ステップと、前記行先階混雑情報および前記かご混雑情報を含む混雑情報を通知する通知ステップと、を含む。
【0009】
本発明の各態様に係るエレベータ制御システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記エレベータ制御システムが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記エレベータ制御システムをコンピュータにて実現させるエレベータ制御システムの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、自律走行可能なロボットに対してエレベータ乗場およびかご内の混雑状況に関する情報をロボットに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態1に係るエレベータ制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図6】エレベータ制御システムにおいて行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態2に係るエレベータ制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態3に係るエレベータ制御システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
<エレベータ制御システム100の概要>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係るエレベータ制御システム100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、エレベータ制御システム100は、エレベータ制御装置1、ロボット2、エレベータ3、乗場カメラ4および検知装置5を備える。なお、
図1に示すように、乗場カメラ4および検知装置5は、各階床の乗場にそれぞれ設けられる。
【0013】
エレベータ制御システム100は、自律走行可能なロボット2または人間の利用者による呼び登録に基づきエレベータ3の動作を制御するシステムである。エレベータ制御システム100は、ロボット2の行先階を示す行先階情報を含む混雑情報取得依頼を受け付ける。また、エレベータ制御システム100は、ロボット2の依頼に基づき、ロボット2がエレベータ3を利用する時に該ロボット2が通過する場所がどの程度混雑しているかを示す混雑状況を特定し、該ロボット2に通知する。
【0014】
例えば、エレベータ制御システム100は、混雑情報取得依頼を受け付けた時点を含む所定期間における、行先階のエレベータ乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報およびエレベータ3のかご31内の混雑状況を示すかご混雑情報を算出する。さらに、エレベータ制御システム100は、行先階混雑情報およびかご混雑情報を含む混雑情報が、例えば混雑情報取得依頼を送信したロボット2に通知する。
【0015】
この構成によれば、エレベータ制御システム100は、エレベータ3を利用する自律走行可能なロボット2に、少なくとも行先階のエレベータ乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報、およびかご31内の混雑状況を示すかご混雑情報を通知する。これにより、ロボット2は、行先階の乗場の混雑状況およびかご31内の混雑状況に基づいて、エレベータ3を利用するか否かを判断することができる。
【0016】
また、エレベータ制御システム100は、ロボット2の出発階の乗場の混雑状況を示す出発階混雑情報をさらに算出し、行先階混雑情報およびかご混雑情報に加え、出発階混雑情報を通知してもよい。これにより、ロボット2は、行先階の乗場の混雑状況およびかご31内の混雑状況に加え、出発階の乗場の混雑状況も考慮して、エレベータ3を利用するか否かを判断することができる。
【0017】
以下では、エレベータ制御システム100が行先階混雑情報およびかご混雑情報に加え、出発階混雑情報も算出し、ロボット2に通知する構成を例に挙げて説明する。
【0018】
<エレベータ3>
図1に示すように、エレベータ3は、かご31、扉32、荷重検知装置33、およびかご内カメラ34を備える。また、エレベータ3は、例えば各階床の乗場に、利用者が乗場呼びを登録するための操作盤(不図示)を備える。また、エレベータ3は、かご31内に、利用者がかご呼びを登録するための操作盤(不図示)を備える。
【0019】
かご31は、エレベータ制御装置1のかご制御部116の制御に基づき動作し、階床間を移動する。扉32は、エレベータ制御装置1の扉制御部115の制御に従って開閉する。なお、かご31の扉32の開閉に連動して、乗場の扉も開閉する。
【0020】
荷重検知装置33は、かご31内の利用者またはロボット2等による荷重を検知可能な装置である。荷重検知装置33は、かご31内の荷重を検知した荷重検知信号をエレベータ制御装置1に送信する。
【0021】
かご内カメラ34は、かご31内を撮像可能なカメラである。かご内カメラ34は、かご31内を撮像したかご内画像をエレベータ制御装置1に送信する。
【0022】
<乗場カメラ4および検知装置5>
乗場カメラ4および検知装置5は、乗場の混雑状況を特定するための情報を取得可能な装置である。
図1に示すように、乗場カメラ4および検知装置5は、各階床の乗場に設けられる。
【0023】
乗場カメラ4は、該乗場カメラ4が設けられた階床の乗場を撮像可能なカメラである。乗場カメラ4は、エレベータ乗場を撮像した乗場画像をエレベータ制御装置1に送信する。
【0024】
検知装置5は、エレベータ乗場に来た利用者を検知可能な装置である。例えば、検知装置5は、エレベータ乗場に存在する利用者を検知可能な光電装置であってもよい。検知装置5は、エレベータ乗場に来た利用者を検知した検知信号をエレベータ制御装置1に送信する。
【0025】
<エレベータ制御装置1>
エレベータ制御装置1は、利用者およびロボット2からの呼びを受け付け、受け付けた呼びに応じてエレベータ3を制御する。また、エレベータ制御装置1は、ロボット2から受信した混雑状況取得依頼に基づき、ロボット2の出発階および行先階の乗場、並びにかご31内、の混雑状況を示す混雑情報を算出し、ロボット2に通知する。
【0026】
図1に示すように、エレベータ制御装置1は、制御部11、記憶部12および入出力インターフェース13を備える。入出力インターフェース13は、エレベータ制御装置1とロボット2およびエレベータ3との間で通信を行うための通信モジュールである。
【0027】
[記憶部12]
記憶部12は、エレベータ制御装置1が利用する各種情報を記憶している。
図1に示すように、記憶部12は、エレベータ情報121、呼び登録情報122、乗場画像情報123、検知情報124、荷重検知情報125、およびかご内画像情報126を記憶している。
【0028】
図2は、エレベータ情報121の一例を示す図である。エレベータ情報121は、エレベータ3の状態に関する情報である。エレベータ情報121には、かご31の現在の位置を示す現在階、かご31の現在の移動方向、およびエレベータ3の現在の運転モードを示す情報が含まれる。
図2に示す例では、かご31の移動方向が上方階床への移動方向であることを上向き矢印「↑」で示している。
【0029】
エレベータ3の運転モードには、通常運転モードとロボット専用運転モードとが存在する。通常運転モードは、利用者からの乗場呼びおよびかご呼びと、ロボット2からの乗場行先階呼びを受け付け可能な状態でエレベータ3を運行させる運転モードである。ロボット専用運転モードは、ロボット2からの呼びが登録された場合における運転モードであり、利用者からの乗場呼びおよびかご呼びを受け付けず、ロボット2のみがエレベータ3を利用可能な状態でエレベータ3を運行させる。
【0030】
呼び登録情報122は、利用者およびロボット2による呼びに関する情報である。呼び登録情報122には、乗場呼び情報127、かご呼び情報128、およびロボット呼び情報129が含まれる。
【0031】
図3は、乗場呼び情報127の一例を示す図である。乗場呼び情報127は、利用者による乗場呼びに関する情報である。
図3に示すように、乗場呼び情報127には、乗場呼びが行われた階床(乗場呼び階)、すなわち利用者の出発階、および乗場呼びによって指定された移動方向を示す情報が含まれる。
図4は、かご呼び情報128の一例を示す図である。かご呼び情報128は、利用者によるかご呼びに関する情報である。
図4に示すように、かご呼び情報128には、利用者の行先階(かご呼び階)を示す情報が含まれる。
【0032】
図5は、ロボット呼び情報129の一例を示す図である。ロボット呼び情報129は、ロボット2による乗場行先階呼びに関する情報である。
図5に示すように、ロボット呼び情報129には、ロボット2の出発階および行先階を示す情報が含まれる。
【0033】
乗場画像情報123は、エレベータ乗場を撮像した画像である乗場画像を示す情報。エレベータ制御装置1は、各階床に設けられる乗場カメラ4からそれぞれの階床の乗場画像を取得し、乗場画像情報123として記憶部12に記憶する。
【0034】
検知情報124は、乗場に来た利用者を検知した結果を示す情報である。エレベータ制御装置1は、各階床に設けられる検知装置5からそれぞれの階床における検知結果を示す検知信号を取得し、検知情報124として記憶部12に記憶する。
【0035】
荷重検知情報125は、かご31内の荷重を検知した結果を示す情報である。エレベータ制御装置1は、かご31内に設けられる荷重検知装置33からかご31内の荷重の検知結果を示す加重検知信号を取得し、荷重検知情報125として記憶部12に記憶する。
【0036】
かご内画像情報126は、かご31内を撮像した画像であるかご内画像を示す情報である。エレベータ制御装置1は、かご31内に設けられるかご内カメラ34からかご内画像を取得し、かご内画像情報126として記憶部12に記憶する。
【0037】
[制御部11]
制御部11は、エレベータ制御装置1において行われる各処理を実行する。
図1に示すように、制御部11は、依頼受付部111、算出部112、通知部113、呼び受付部114、扉制御部115、かご制御部116、および切替部117を備える。
【0038】
(依頼受付部111)
依頼受付部111は、ロボット2から混雑情報取得依頼を受け付ける。混雑情報取得依頼は、ロボット2の行先階を示す行先階情報を含む。また、混雑情報取得依頼は、ロボット2の出発階を示す出発階情報をさらに含む。依頼受付部111は、混雑情報取得依頼を受け付けると、受け付けた混雑情報取得依頼を算出部112に出力する。
【0039】
(算出部112)
算出部112は、混雑情報取得依頼を受け付けた時点を含む所定期間における、ロボット2の行先階のエレベータ乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報およびエレベータ3のかご31内の混雑状況を示すかご混雑情報を算出する。所定期間は、直近のエレベータ3の混雑状況を特定可能な期間であればよい。例えば、所定期間は、エレベータ制御装置1が混雑情報取得依頼を受信した時点から2分前の時点を始点とし、エレベータ制御装置1が混雑情報取得依頼を受信した時点を終点とする期間であってもよい。
【0040】
算出部112は、(1)行先階のエレベータ乗場を撮像した乗場画像、(2)行先階のエレベータ乗場に来た利用者を検知した検知信号、および(3)乗場行先階呼び登録を行った利用者の出発階および行先階を示す情報、の少なくともいずれかを用いて、行先階混雑情報を算出する。
【0041】
具体的には、算出部112は、混雑情報取得依頼に基づき、ロボット2の行先階を特定する。算出部112は記憶部12を参照し、混雑情報取得依頼を受け付けた時点を含む所定期間における、ロボット2の行先階の乗場の乗場画像情報123および検知情報124を取得する。算出部112は、当該乗場画像情報123および検知情報124からロボット2の行先階の乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報を算出する。
【0042】
一例として、算出部112は、行先階混雑情報として、ロボット2の行先階の乗場の混雑率を算出する。具体的には、算出部112は、乗場画像情報123および検知情報124に基づき、ロボット2の行先階の乗場に存在する利用者の人数を特定する。算出部112は、ロボット2の行先階の乗場において収容可能な最大人数に対する、乗場に存在する利用者の人数の割合を示す値を、行先階混雑情報として算出する。
【0043】
または、算出部112は、乗場画像情報123に基づき、ロボット2の行先階の乗場の床面積に対してロボット2の行先階の乗場に存在する利用者等が占有する面積の割合を、行先階混雑情報として算出する。
【0044】
算出部112は、(1)かご31内の荷重を検知した荷重検知信号、および(2)かご31内を撮像したかご内画像、の少なくともいずれかを用いて、かご混雑情報を算出する。
【0045】
具体的には、算出部112は記憶部12を参照し、混雑情報取得依頼を受け付けた時点を含む所定期間における、かご内画像情報126および荷重検知情報125を取得する。算出部112は、当該かご内画像情報126および荷重検知情報125から、かご31内の混雑状況を示すかご混雑情報を算出する。
【0046】
一例として、算出部112は、かご混雑情報として、かご31内の混雑率を算出する。具体的には、算出部112は、かご内画像情報126および荷重検知情報125に基づき、かご31内に存在する利用者の人数を特定する。算出部112は、かご31内に収容可能な最大人数に対する、かご31内に存在する利用者の人数の割合を示す値を、かご混雑情報として算出する。
【0047】
または、算出部112は、乗場画像情報123に基づき、ロボット2の行先階の乗場の床面積に対してロボット2の行先階の乗場に存在する利用者等が占有する面積の割合を、行先階混雑情報として算出する。また、算出部112は、荷重検知情報125に基づき、かご31内に積載可能な最大重量に対する、かご31内の積載重量の割合を示す値を、かご混雑情報として算出する。
【0048】
また、算出部112は、受け付けた混雑情報取得依頼に応じて、所定期間における出発階のエレベータ乗場の混雑状況を示す出発階混雑情報をさらに算出する。
【0049】
算出部112は、(1)出発階のエレベータ乗場を撮像した乗場画像、(2)出発階のエレベータ乗場に来た利用者を検知した検知信号、および(3)乗場行先階呼び登録を行った利用者の出発階および行先階を示す情報、の少なくともいずれかを用いて、前記出発階混雑情報を算出する。
【0050】
具体的には、算出部112は、混雑情報取得依頼に基づき、ロボット2の出発階を特定する。算出部112は記憶部12を参照し、混雑情報取得依頼を受け付けた時点を含む所定期間における、ロボット2の出発階の乗場の乗場画像情報123および検知情報124を取得する。算出部112は、当該乗場画像情報123および検知情報124からロボット2の出発階の乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報を算出する。
【0051】
一例として、算出部112は、出発階混雑情報として、ロボット2の出発階の乗場の混雑率を算出する。具体的には、算出部112は、乗場画像情報123および検知情報124に基づき、ロボット2の出発階の乗場に存在する利用者の人数を特定する。算出部112は、ロボット2の出発階の乗場において収容可能な最大人数に対する、乗場に存在する利用者の人数の割合を示す値を、出発階混雑情報として算出する。
【0052】
または、算出部112は、乗場画像情報123に基づき、ロボット2の出発階の乗場の床面積に対してロボット2の出発階の乗場に存在する利用者等が占有する面積の割合を、出発階混雑情報として算出する。
【0053】
算出部112は、算出した混雑情報を通知部113に出力する。ここで、混雑情報は、少なくとも行先階混雑情報とかご混雑情報と、を含む。また、混雑情報は、さらに出発階混雑情報を含んでいてもよい。
【0054】
(通知部113)
通知部113は、算出部112が算出した混雑情報を取得すると、当該混雑情報をロボット2に通知する。混雑情報には、出発階混雑情報、行先階混雑情報およびかご混雑情報が含まれる。
【0055】
(呼び受付部114)
呼び受付部114は、利用者およびロボット2からの呼び登録依頼を受信する。なお、利用者からの呼び登録依頼は、エレベータ3の乗場またはかご31内に設けられている操作盤(不図示)を用いて行われ得る。
【0056】
利用者からの呼び登録依頼を受け付けた場合、呼び受付部114は、記憶部12の呼び登録情報122に利用者の出発階および移動方向、または利用者の行先階を記憶し、利用者の乗場呼びまたはかご呼びを登録する。
【0057】
ロボット2からの呼び登録依頼を受け付けた場合、呼び受付部114は、記憶部12のロボット呼び情報129にロボット2の出発階および行先階を記憶し、ロボット2の乗場行先階呼びを登録する。また、ロボット2の乗場行先階呼びを登録した場合、呼び受付部114は、ロボット専用運転の開始を指示する信号を切替部117に出力する。これにより、ロボット専用運転が開始し、エレベータ3はロボット専用運転モードで運転する。ロボット専用運転モードの間、呼び受付部114は、利用者からの呼び登録依頼を受け付けない。ロボット2の乗場行先階呼びを登録すると、呼び受付部114は、呼び登録が完了したことを示す情報をロボット2に送信する。
【0058】
(扉制御部115)
扉制御部115は、かご31の扉32の開閉を制御する。かご31がいずれかの階床に到着すると、扉制御部115は、かご制御部116からかご31が停止したことを示す情報を取得する。当該情報を取得すると、扉制御部115は、戸開を指示する信号をエレベータ3の扉32に送信する。これにより、かご31の扉32が開き、かご31の扉32に連動して乗場の扉も開く。また、扉制御部115は、戸開から所定時間後(例えば、戸開が完了してから20秒後)に、戸閉を指示する信号を扉32に送信する。これにより、かご31の扉32および乗場の扉が閉じる。
【0059】
また、扉制御部115は、扉32が開いている期間中に、乗場またはかご31内の開閉ボタン等が操作された場合、操作内容に応じて戸開時間を延長、または短縮する。
【0060】
さらに、扉制御部115は、記憶部12のエレベータ情報121を参照し、エレベータ3がロボット専用運転モードで運行している場合、かご31の停止階を示す情報および戸開したことを示す情報を、ロボット2に送信する。
【0061】
また、扉制御部115は、エレベータ3がロボット専用運転モードで運行している場合において、扉32が開いている期間中に、ロボット2から戸開保持指令を受信すると、扉32の戸開状態を保持する。
【0062】
扉制御部115は、ロボット2の出発階で戸開してから、所定時間経過した場合、またはロボット2から乗車完了信号を受信した場合、戸閉を指示する信号を扉32に送信する。また、扉制御部115は、戸閉したことを示す情報をかご制御部116に出力する。これにより、かご21はロボット2の行先階に移動する。
【0063】
扉制御部115は、ロボット2の行先階で戸開してから、所定時間経過した場合、またはロボット2から降車完了信号を受信した場合、戸閉を指示する信号を扉32に送信する。また、扉制御部115は、ロボット専用運転の終了を指示する信号を切替部117に出力する。また、扉制御部115は、戸閉したことを示す情報をかご制御部116に出力する。これにより、切替部117の制御によりロボット専用運転は終了し、かご制御部116の制御によりかご31は呼び登録情報122に記憶された利用者の行先階に移動する。
【0064】
(かご制御部116)
かご制御部116は、登録済みの乗場呼び、かご呼び、およびロボット2による乗場行先階呼びに基づき、かご31を移動させる。かご31がロボット2の出発階に到着すると、かご制御部116は、かご31の停止階を示す情報を扉制御部115に出力する。
【0065】
かご制御部116は、呼び登録情報122に記録されている利用者およびロボット2の出発階および行先階、並びにエレベータ3の運転モードに基づき、かご31の行先階を決定する。
【0066】
例えば、エレベータ3の運転モードが通常運転モードである場合、かご制御部116は、乗場呼び情報127およびかご呼び情報128を参照してかご31の行先階を決定し、決定した階床に移動することを指示する信号をかご31に送信する。これにより、エレベータ3のかご31は、利用者の乗場呼びおよびかご呼びに基づく行先階に移動する。
【0067】
また、エレベータ3の運転モードがロボット専用運転モードである場合、かご制御部116は、ロボット呼び情報129を参照してかご31の行先階を決定し、決定した階床に移動することを指示する信号をかご31に送信する。これにより、エレベータ3のかご31は、ロボット2の乗場行先階呼びに基づく出発階および行先階に移動する。
【0068】
なお、ロボット専用運転を開始した場合、かご制御部116は、エレベータ3を登録済みのかご呼びに応答させてから、ロボット2の出発階への移動を指示してもよい。これにより、ロボット2を乗車させる前に、ロボット専用運転が開始したときにかご31に乗車していた利用者を降車させることができる。また、ロボット専用運転が開始した場合、かご制御部116は、登録済みの乗場呼びを削除してもよいし、ロボット専用運転が終了した後に登録済みの乗場呼びにエレベータ3を応答させてもよい。
【0069】
(切替部117)
切替部117は、エレベータ3の運転モードを切り替える。例えば、呼び受付部114は、ロボット2の呼びを登録すると、ロボット専用運転の開始を指示する信号を切替部117に出力する。切替部117は、当該信号を受信すると、エレベータ情報121に記憶されているエレベータ3の運転モードを通常運転モードからロボット専用運転モードに切り替える。これにより、エレベータ3のロボット専用運転が開始される。
【0070】
また、切替部117は、扉制御部115からロボット専用運転の終了を指示する信号を取得すると、記憶部12に記憶されているエレベータ3の運転モードをロボット専用運転モードから通常運転モードに切り替える。これにより、エレベータ3のロボット専用運転が終了する。
【0071】
<ロボット2>
ロボット2は、自律走行可能な情報処理装置であり、エレベータ3を利用して階床間を移動可能である。なお、
図1には1台のロボット2のみが図示されているが、エレベータ制御システム100には複数台のロボット2が含まれていてもよい。
【0072】
図1に示すように、ロボット2は、制御部21、記憶部22および動作部23を備え、エレベータ制御装置1と通信可能に接続されている。制御部21は、ロボット2において行われる処理を実行する。記憶部22は、ロボット2において用いられる情報を記憶している。動作部23は、動作制御部213の制御に従って動作し、ロボット2を所望の場所に移動させる。
【0073】
[記憶部22]
図1に示すように、記憶部22は、第1基準情報221、第2基準情報222および第3基準情報223を記憶している。第1基準情報221、第2基準情報222および第3基準情報223は、ロボット2が呼び登録を依頼するか否かを決定するための基準を示す情報である。
【0074】
第1基準情報221は、第1基準を示す情報である。第1基準は、ロボット2の行先階のエレベータ乗場が混雑している程度の上限を示す基準であり、例えば数値によって表される。行先階混雑情報によって表されるロボット2の行先階のエレベータ乗場の混雑状況を示す数値が第1基準以下である場合、当該エレベータ乗場はロボット2が利用しても問題ない程度に空いている状況であると言える。
【0075】
第1基準は、行先階混雑情報によって表される数値が第1基準を超えるとロボット2がかご31から乗場に降車できず、第1基準以下であればロボット2が降車できる程度の値に設定されていてもよい。また、第1基準はより余裕をもった値に設定されてもよい。例えば、第1基準は、行先階混雑情報によって表される数値が第1基準以下であれば、ロボット2がかご31から乗場に降車したときに利用者の邪魔になる可能性が低いことが予想される程度の値に設定されていてもよい。
【0076】
第2基準情報222は、第2基準を示す情報である。第2基準は、エレベータ3のかご31が混雑している程度の上限を示す基準であり、例えば数値によって表される。例えば、第2基準は、かご混雑情報によって表されるかご31の乗車率が第2基準以下であれば、当該かご31はロボット2が利用しても問題ない程度に空いている状況であると言える。第2基準は、ロボット2がかご31を占有したとしても利用者の移動効率に対して与える影響を看過できる程度の値に設定されてもよい。また、第2基準は、ロボット2がかご31に乗車したときの荷重の上限を示す値であってもよい。この場合、ロボット2の貨物を含む重量とかご31内の荷重との合計値が第2基準以下であれば、当該かご31はロボット2が利用しても問題ない程度に空いている状況であると言える。
【0077】
第3基準情報223は、第3基準を示す情報である。第3基準は、ロボット2の出発階のエレベータ乗場が混雑している程度の上限を示す基準であり、例えば数値によって表される。出発階混雑情報によって表されるロボット2の出発階のエレベータ乗場の混雑状況を示す数値が第3基準以下である場合、当該エレベータ乗場はロボット2が利用しても問題ない程度に空いている状況であると言える。
【0078】
第3基準は、出発階混雑情報によって表される数値が第3基準を超えるとロボット2が乗場からかご31に乗車できず、第3基準以下であればロボット2が乗車できる程度の値に設定されていてもよい。また、第3基準はより余裕をもった値に設定されてもよい。例えば、第3基準は、出発階混雑情報によって表される数値が第3基準以下であれば、ロボット2が乗場からかご31に乗車するときに利用者の邪魔になる可能性が低いことが予想される程度の値に設定されていてもよい。
【0079】
第1基準、第2基準、および第3基準は、ロボット2の種類、およびロボット2がエレベータ3を利用する目的の少なくともいずれかに基づいて設定される。
【0080】
例えば、ロボット2が救急用または消火用など、行先階に急行する必要がある種類のロボットである場合、当該ロボット2の第1基準、第2基準および第3基準はより高い値に設定される。これにより、出発階の乗場、行先階の乗場およびかご31内が多少混雑していたとしても、ロボット2はエレベータ3を利用することができる。
【0081】
一方、ロボット2が荷物の運搬用などの行先階に移動する必要性が比較的低い種類のロボットである場合、当該ロボット2の第1基準、第2基準および第3基準はより低い値に設定される。これにより、出発階の乗場、行先階の乗場およびかご31内が混雑している場合は、ロボット2よりも人間の利用者の利用を優先させることができる。
【0082】
なお、ロボット2が救急用または消火用などの種類のロボットであっても、目的によっては行先階に移動する必要性が低い場合がある。例えば、このようなロボット2が作業を完了して該ロボット2が待機する階床に移動するときには行先階に移動する必要性は低いと考えられる。そこで、ロボット2には、該ロボット2がエレベータ3を利用する目的に対応する複数の第1基準、第2基準、および第3基準が設定されていてもよい。決定部212(後述)は、自身がエレベータ3を利用する目的に応じた第1基準、第2基準、および第3基準を参照し、呼び登録を依頼するか否かを決定する。
【0083】
なお、第1基準は、第3基準よりも低く設定されていてもよい。ロボット2は、混雑情報取得依頼を送信するときには出発階の乗場に移動しているため、乗場に存在する利用者はロボット2の存在を把握することができる。そのため、出発階の乗場が多少混雑していたとしても、ロボット2が出発階で乗車できない可能性は比較的低いと考えられる。一方、行先階の乗場に存在する利用者は、かご31からロボット2が降車してくることを把握できない可能性が高く、行先階の乗場が混雑している場合にはロボット2がかご31から降車できない可能性がある。
【0084】
ここで、第1基準を第3基準よりも低く設定することで、決定部212は、行先階の乗場の混雑度が、出発階の乗場の混雑度以下である場合に呼び登録を依頼することができる。これにより、ロボット2が出発階でかご31に乗車した後、行先階で降車できない状況が発生する可能性を低減することができる。
【0085】
[制御部21]
図1に示すように、制御部21は、依頼部211、決定部212、および動作制御部213を備える。
【0086】
(依頼部211)
ロボット2にエレベータ3を利用する必要が生じた場合、依頼部211は、混雑情報取得依頼を生成し、エレベータ制御装置1に送信する。混雑情報取得依頼は、エレベータ制御装置1に対して混雑情報の取得を依頼するための情報であり、ロボット2の行先階を示す行先階情報を含む。また、混雑情報取得依頼は、ロボット2の出発階を示す出発階情報をさらに含む。
【0087】
(決定部212)
決定部212は、エレベータ制御装置1から混雑情報を受信する。混雑情報には、行先階の乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報、かご31内の混雑状況を示すかご混雑情報、および出発階の乗場の混雑状況を示す出発階混雑情報が含まれる。
【0088】
決定部212は、混雑情報を受信すると、記憶部22を参照し、第1基準情報221、第2基準情報222、および第3基準情報223を取得する。決定部212は、第1基準情報221、第2基準情報222、および第3基準情報223によって示される第1基準、第2基準および第3基準と、行先階混雑情報、かご混雑情報および出発階混雑情報と、を比較し、比較結果に基づき、エレベータ制御装置1に呼び登録を依頼するか否かを決定する。
【0089】
例えば、ロボット2の行先階の乗場、およびロボット2が乗車するかご31内が混雑していない場合、すなわち、算出された混雑状況によって示される混雑の程度が、予め設定された基準以下である場合、決定部212は呼び登録を依頼する事を決定する。
【0090】
具体的には、ロボット2の決定部212は、行先階混雑情報が示す混雑状況が第1基準以下であり、かつ、かご混雑情報が示す混雑状況が第2基準以下であり、かつ、出発階混雑情報が示す混雑状況が第3基準以下である場合、エレベータ制御装置1にエレベータ3のかごの呼び登録依頼を送信することを決定する。
【0091】
決定部212は、呼び登録依頼を送信することを決定すると、出発階および行先階を示す情報を含む呼び登録依頼を生成し、エレベータ制御装置1に送信する。これにより、エレベータ制御装置1においてロボット2の呼びが登録され、ロボット2がエレベータ3を利用して階床間を移動可能となる。
【0092】
一方、ロボット2の行先階の乗場、およびロボット2が乗車するかご31内が混雑している場合、すなわち、算出された混雑状況によって示される混雑の程度が、予め設定された基準を超える場合、決定部212は呼び登録を依頼しないことを決定する。
【0093】
なお、決定部212は、混雑状況に基づき呼び登録を依頼しないことを決定した場合、混雑がある程度解消されることが予想される所定時間が経過するまでロボット2をスリープさせてもよい。また、依頼部211は、ロボット2がスリープを開始してから所定時間、例えば2分程度の時間が経過した後、再度混雑状況取得依頼を送信してもよい。
【0094】
以上のように、決定部212は、エレベータ3の乗場およびかご31内の混雑状況に応じて呼び登録依頼を送信するか否かを決定する。これにより、混雑している出発階の乗場、行先階の乗場およびかご31をロボット2が利用して、エレベータ3を利用する他の利用者と互いに邪魔になるなどエレベータ3の利便性が低下する可能性を低減することができる。また、エレベータ3の乗場またはかご31内が混雑しているときにロボット2がエレベータ3を占有してしまい、利用者にとってのエレベータ3の利便性が低下する可能性を低減することができる。また、出発階の乗場またはかご31内が混雑していてロボット2がかご31に乗車できない、あるいは行先階の乗場が混雑していてロボット2が降車できないといった状況が発生する可能性を低減することができる。
【0095】
(動作制御部213)
動作制御部213は、動作部23を動作させ、ロボット2を所望の位置に移動させる。例えば、ロボット2にエレベータ3を利用する必要が生じた場合、動作制御部213は動作部23を動作させ、ロボット2が存在する階床の乗場にロボット2を移動させる。また、ロボット2は、エレベータ制御装置1から呼び登録が完了したことを示す情報を受信すると、乗場でかご31を待機する。このとき、動作制御部213は、混雑情報取得依頼を送信したときと同じ位置でロボット2を待機させてもよいし、かご31に乗車しやすい位置にロボット2を移動させてから待機させてもよい。
【0096】
また、動作制御部213は、エレベータ制御装置1から受信した情報に基づき、出発階の乗場からかご31への乗車動作、およびかご31から行先階への降車動作を行わせる。動作制御部213は、ロボット2が出発階の乗場からかご31への乗車を完了すると、エレベータ制御装置1に乗車完了信号を送信し、ロボット2がかご31から行先階の乗場への降車を完了すると、エレベータ制御装置1に乗車完了信号を送信する。
【0097】
<エレベータ制御システム100で行われる処理の例>
図6は、エレベータ制御システム100において行われる処理の流れの例を示すフローチャートおよびシーケンス図である。以下、
図6を用いて、エレベータ制御システム100において行われる処理の流れについて説明する。なお、
図6では、エレベータ制御システム100においてロボット2にエレベータ3を利用する必要が生じてからエレベータ制御装置1において当該ロボット2の呼び登録が完了するまでに行われる処理を示す。
【0098】
まず、ロボット2にエレベータ3を利用する必要が生じた場合、動作制御部213は動作部23を動作させ、乗場への移動を開始する(S1)。続いて、依頼部211は、ロボット2の出発階および行先階を示す情報を含む混雑情報取得依頼をエレベータ制御装置1に送信し、混雑情報の取得を依頼する(S2)。
【0099】
依頼受付部111は、ロボット2から混雑情報取得依頼を受け付ける(S11:依頼受付ステップ)。依頼受付部111は、受け付けた混雑情報取得依頼を算出部112に出力する。
【0100】
算出部112は、混雑情報取得依頼を取得すると、混雑情報を算出する。具体的には、算出部112は、混雑情報取得依頼を取得すると、ロボット2の出発階および行先階を特定する。算出部112は記憶部12を参照し、所定期間におけるロボット2の行先階の乗場の乗場画像情報123および検知情報124を取得する。算出部112は、取得した乗場画像情報123および検知情報124に基づき、所定期間中のロボット2の行先階の混雑状況を示す行先階混雑情報を算出する(S12:算出ステップ)。
【0101】
続いて、算出部112は記憶部12を参照し、所定期間におけるかご内画像情報126および荷重検知情報125を取得する。算出部112は、取得したかご内画像情報126および荷重検知情報125に基づき、所定期間中のかご31内の混雑状況を示すかご内混雑情報を算出する(S13:算出ステップ)。
【0102】
さらに、算出部112は記憶部12を参照し、所定期間におけるロボット2の出発階の乗場の乗場画像情報123および検知情報124を取得する。算出部112は、取得した乗場画像情報123および検知情報124に基づき、所定期間中のロボット2の出発階の混雑状況を示す出発階混雑情報を算出する(S14)。なお、ステップS14の処理も、ステップS12~S13の処理と共に算出ステップと称してもよい。
【0103】
算出部112は、算出した行先階混雑情報、かご混雑情報および出発階混雑情報を含む混雑情報を通知部113に出力する。通知部113は、算出部112から混雑情報を取得すると、当該混雑情報をロボット2に通知する(S15:通知ステップ)。
【0104】
決定部212は、エレベータ制御装置1から通知された混雑情報を取得すると、記憶部22を参照し、第1基準情報221、第2基準情報222および第3基準情報223を取得する。決定部212は、混雑情報と第1基準、第2基準および第3基準と、に基づき、呼び登録を依頼するか否かを決定する。
【0105】
具体的には、決定部212は、行先階混雑情報が示す混雑状況が第1基準以下であり、かつかご混雑情報が示す混雑状況が第2基準以下であり、かつ出発階混雑情報が示す混雑状況が第3基準以下であるか否かを判定する(S3)。
【0106】
ステップS3でYESの場合、決定部212は、エレベータ制御装置1に呼び登録を依頼する(S4)。具体的には、決定部212は、ロボット2の出発階および行先階を示す情報と呼び登録を依頼することを示す情報を含む呼び登録依頼を生成し、エレベータ制御装置1に送信する。
【0107】
呼び受付部114は、ロボット2からの呼び登録依頼に基づく呼び登録を受け付ける(S16)。その後、エレベータ制御装置1はロボット2の呼び登録依頼に基づきエレベータ3を制御し、ロボット2はエレベータ3を利用して階床間を移動する。
【0108】
ステップS3でNOの場合、すなわち、行先階混雑情報が示す混雑状況、かご混雑情報が示す混雑状況、および出発階混雑情報が示す混雑状況の少なくともいずれかが対応する基準を超える場合、決定部212は呼び登録を依頼しないことを決定する。
【0109】
この場合、決定部212は、所定時間ロボット2をスリープさせる(S5)。所定時間経過した後、依頼部211は、再度ステップS2の処理、すなわち混雑情報取得依頼を送信する処理を行う。
【0110】
以上のように、エレベータ制御システム100において、ロボット2は、混雑情報によって示される乗場およびかご31内の混雑状況が、第1基準、第2基準および第3基準によって示される基準値以下である場合に呼び登録を依頼する。したがって、ロボット2は、出発階および行先階の乗場、並びにかご31内がある程度混雑していない場合に呼び登録を依頼することができるため、他の利用者におけるエレベータ3の利便性が低下する可能性を低減することができる。
【0111】
また、ロボット2は、乗場およびかご31内の混雑状況が、第1基準、第2基準および第3基準によって示される基準値を超える場合には、呼び登録を依頼せずに所定時間スリープした後、混雑情報取得依頼を送信する。これにより、ロボット2は、1度目の混雑情報取得依頼の送信時に乗場またはかご31内が混雑しており、呼び依頼を行えなかったとしても、再度混雑情報を取得し、取得した混雑情報に基づき呼び依頼を行うか否かを判断することができる。したがって、ロボット2は、エレベータ3の乗場およびかご31内の混雑がある程度解消されたタイミングで呼び登録を依頼し、エレベータ3を利用することができる。
【0112】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0113】
図7は、本発明の実施形態2に係るエレベータ制御システム100Aの構成を示すブロック図である。
図7に示すように、エレベータ制御システム100Aは、実施形態1に係るエレベータ制御システム100が備える構成に加え、ロボット管理制御装置6(管理装置)を備える。ロボット管理制御装置6は、ロボット2を統括して管理する装置である。ロボット管理制御装置6は、エレベータ制御装置1およびロボット2と通信可能に接続されており、エレベータ制御装置1とロボット2との間における情報の授受を中継する。
【0114】
例えば、ロボット管理制御装置6は、ロボット2から送信された混雑情報取得依頼を受信し、エレベータ制御装置1に送信する。エレベータ制御装置1の依頼受付部111は、ロボット管理制御装置6から混雑情報取得依頼を受け付ける。また、エレベータ制御装置1の通知部113は、ロボット管理制御装置6に混雑情報を通知する。ロボット管理制御装置6は、エレベータ制御装置1から通知された混雑情報をロボット2に送信する。ロボット2は、ロボット管理制御装置6から受信した混雑情報に基づき、呼び登録を依頼するか否かを決定する。
【0115】
また、ロボット管理制御装置6は、ロボット2から送信された呼び登録依頼を受信し、エレベータ制御装置1に送信する。エレベータ制御装置1の呼び受付部114は、ロボット管理制御装置6から呼び登録依頼を受け付ける。
【0116】
さらに、エレベータ制御装置1は、ロボット管理制御装置6に呼び登録が完了したことを示す情報およびかご31がいずれかの階床に到着し戸開したことを示す情報等を送信し、ロボット管理制御装置6は受信したこれらの情報をロボット2に送信する。また、ロボット2は、ロボット管理制御装置6に乗車完了信号および降車完了信号等を送信し、ロボット管理制御装置6は受信したこれらの信号をエレベータ制御装置1に送信する。
【0117】
なお、上述の実施形態において、ロボット管理制御装置6がロボット2の制御の一部を行う構成であってもよい。例えば、エレベータ制御システム100Aでは、ロボット2に代えてロボット管理制御装置6が決定部212を備える構成であってもよい。この場合、ロボット管理制御装置6は、第1基準情報221、第2基準情報222、および第3基準情報を記憶している。
【0118】
ロボット管理制御装置6の決定部212は、エレベータ制御装置1から混雑情報を受信すると、呼び登録を依頼するか否かを決定する。決定部212は、呼び登録を依頼することを決定した場合、呼び登録依頼を生成し、エレベータ制御装置1に送信する。その後、ロボット管理制御装置6は、エレベータ制御装置1から呼び登録が完了したことを示す情報を受信すると、ロボット2に当該情報を送信する。これにより、ロボット2は乗場でかご31を待機する。
【0119】
〔実施形態3〕
図8は、本発明の実施形態3に係るエレベータ制御システム100Bの構成を示すブロック図である。
図8に示すように、エレベータ制御システム100Bは、エレベータ制御装置1B、ロボット2B、エレベータ3、乗場カメラ4および検知装置5を備える。
【0120】
エレベータ制御装置1Bは、算出部112を有する制御部11に代えて算出部112Bを有する制御部11Bを備える点において、エレベータ制御装置1と異なる。
【0121】
ロボット2Bは、制御部21B、および記憶部22Bを備える。制御部21Bは、依頼部211に代えて依頼部211Bを備え、決定部212に代えて決定部212Bを備える点において制御部21とは異なる。
図8に示すように、記憶部22Bは、第1基準情報221および第2基準情報222を記憶している。記憶部22Bは、第3基準情報223を記憶していない点において、記憶部22とは異なる。
【0122】
ロボット2Bの依頼部211Bは、エレベータ制御装置1Bに混雑情報取得依頼を送信する。ここで、依頼部211Bが送信する混雑情報取得依頼は、ロボット2Bの行先階を示す行先階情報を含み、ロボット2Bの出発階を示す出発階情報を含まない。
【0123】
エレベータ制御装置1Bの算出部112Bは、混雑情報として、行先階混雑情報およびかご混雑情報を算出する。なお、算出部112Bは、出発階混雑情報を算出しない。エレベータ制御装置1Bの通知部113は、算出部112Bが算出した混雑情報をロボット2Bに通知する。混雑情報は、行先階混雑情報およびかご混雑情報を含み、出発階混雑情報を含まない。
【0124】
ロボット2Bの決定部212Bは、エレベータ制御装置1Bから通知された混雑情報を取得すると、呼び登録依頼を行うか否かを決定する。ここで、混雑情報は行先階混雑情報およびかご混雑情報を含み、出発階混雑情報を含まないため、決定部212Bは、行先階混雑情報およびかご混雑情報と、第1基準および第2基準と、に基づき呼び登録依頼を行うか否かを決定する。
【0125】
具体的には、決定部212Bは、行先階混雑情報が示す混雑状況が所定の第1基準以下であり、かつ、かご混雑情報が示す混雑状況が所定の第2基準以下である場合、エレベータ制御装置1Bにエレベータ3のかご31の呼び登録依頼を送信する、
以上のように、エレベータ制御システム100Bでは、ロボット2Bの出発階の混雑状況を考慮せずに呼び登録を行うか否かの判断が行われる。
【0126】
〔変形例1〕
上述した各実施形態では、ロボット2がエレベータ3を利用するときにはエレベータ3がロボット専用運転モードで運転する構成を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、エレベータ制御システム100では、ロボット2と利用者とがかご31に同乗可能であってもよい。この場合、第2基準は、かご31にロボット2が乗車可能なスペースが存在するかを判定するための基準となる。ロボット2の決定部212は、第2基準およびかご混雑状況に基づき、ロボット2がかご31に乗車可能か否かを判定する。
【0127】
〔変形例2〕
上述した各実施形態では、依頼受付部111、算出部112および通知部113はエレベータ制御装置1に設けられていた。ここで、依頼受付部111、算出部112および通知部113は、エレベータ制御装置1以外の装置に設けられていてもよい。例えば、ロボット2またはロボット管理制御装置6と通信可能に接続された外部装置が依頼受付部111、算出部112および通知部113を備え、当該外部装置が混雑情報取得依頼の受け付け、混雑情報の算出、および混雑情報の通知を行ってもよい。この場合、外部装置は乗場カメラ4、検知装置5、荷重検知装置33およびかご内カメラ34から乗場画像、検知信号、荷重検知信号およびかご内画像を取得し、混雑情報の算出に用いる。ロボット2またはロボット管理制御装置6は、外部装置に混雑情報取得依頼を送信し、外部装置から通知された混雑情報を受信する。
【0128】
〔変形例3〕
上述した実施形態では、各階床に乗場カメラ4および検知装置5が設けられ、エレベータ制御装置1は乗場画像および検知信号を取得する構成について説明したが、これに限られない。例えば、各階床には、乗場カメラ4および検知装置5のうちいずれか一方のみが設けられていてもよい。各階床に乗場カメラ4のみが設けられる場合、算出部112は、乗場画像情報123に基づき出発階混雑情報または行先階混雑情報を算出する。各階床に検知装置5のみが設けられる場合、算出部112は、検知情報124に基づき出発階混雑情報または行先階混雑情報を算出する。
【0129】
〔変形例4〕
上述した実施形態では、かご31内にかご内カメラ34および荷重検知装置33が設けられ、エレベータ制御装置1はかご内画像および荷重検知信号を取得する構成について説明したが、これに限られない。例えば、かご31内には、かご内カメラ34および荷重検知装置33のうちいずれか一方のみが設けられていてもよい。かご31内にかご内カメラ34のみが設けられる場合、算出部112は、かご内画像情報126に基づきかご混雑情報を算出する。かご31内に荷重検知装置33のみが設けられる場合、算出部112は、荷重検知情報125に基づきかご混雑情報を算出する。
【0130】
〔変形例5〕
上述した実施形態では、エレベータ制御装置1は、ロボット2の出発階および行先階の混雑状況を示す情報を混雑情報として該ロボット2に通知していたが、これに限られない。例えば算出部112は、ロボット2の出発階と行先階との間の階床の乗場の混雑状況を示す情報である途中階混雑情報をさらに算出し、通知部113は途中階混雑情報を混雑情報に含めてロボット2に送信してもよい。
【0131】
ロボット2の決定部212は、出発階混雑情報、かご混雑情報および行先階混雑情報に加え、途中階混雑情報に基づき呼び登録を行うか否かを決定してもよい。例えば、行先階の乗場の混雑状況が第1基準を超える場合、決定部212は途中階混雑情報を参照し、所定の基準を下回る混雑状況の階床を行先階とする呼び登録依頼を送信してもよい。ロボット2は、当該階床で降車した後、ロボット2が存在する階床を出発階とし、本来の行先階を行先階として、混雑情報取得依頼を再度エレベータ制御装置1に送信してもよい。
【0132】
上記構成によれば、ロボット2は、元々の行先階が混雑している場合、行先階よりも手前の比較的混雑していない階床に降車する。これにより、ロボット2は、一度のエレベータ3の利用で行先階に到着できない場合であっても、途中の階床を経由して少しずつ元々の行先階へ移動することができる。
【0133】
〔変形例6〕
ロボット2は、混雑情報に基づき、呼び登録依頼を行うか否かの決定以外の処理を行ってもよい。例えば、ロボット2の動作制御部213は、出発階混雑情報によって示される出発階の混雑状況が、所定の閾値を超える場合、通常よりも速度を落として乗場を走行してもよい。
【0134】
〔変形例7〕
上述した実施形態では、エレベータ制御装置1は、エレベータ3の乗場およびかご31内の混雑率を算出し、算出された混雑率を混雑情報としてロボット2に通知していたが、これに限られない。例えば、エレベータ制御装置1は、所定期間における行先階の乗場画像情報123および検知情報124の少なくともいずれかを行先階混雑情報としてロボット2に通知してもよい。また、エレベータ制御装置1は、所定期間におけるかご内画像情報126および荷重検知情報125の少なくともいずれかをかご混雑情報としてロボット2に通知してもよい。また、エレベータ制御装置1は、所定期間における出発階の乗場画像情報123および検知情報124の少なくともいずれかを出発階混雑情報としてロボット2に通知してもよい。この場合、ロボット2は、取得した混雑情報を解析し、出発階および行先階の乗場、並びにかご31内の混雑率を算出し、算出した混雑率に基づき呼び登録を依頼するか否かを決定する。
【0135】
〔ソフトウェアによる実現例〕
エレベータ制御システム100、100A、100B(以下、「システム」と呼ぶ)の機能は、当該システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該システムの各制御ブロック(特に制御部11、11B、21、21Bに含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0136】
この場合、上記システムは、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0137】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0138】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0139】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0140】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0141】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るエレベータ制御システムは、エレベータを利用する自律走行可能なロボットの行先階を示す行先階情報を含む混雑情報取得依頼を受け付ける依頼受付部と、前記混雑情報取得依頼を受け付けた時点を含む所定期間における、前記行先階のエレベータ乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報および前記エレベータのかご内の混雑状況を示すかご混雑情報を算出する算出部と、前記行先階混雑情報および前記かご混雑情報を含む混雑情報を通知する通知部と、を備える。
【0142】
本発明の態様2に係るエレベータ制御システムは、上記態様1において、前記算出部は、(1)前記行先階のエレベータ乗場を撮像した乗場画像、(2)前記行先階のエレベータ乗場に来た利用者を検知した検知信号、および(3)乗場行先階呼び登録を行った前記利用者の出発階および行先階を示す情報、の少なくともいずれかを用いて、前記行先階混雑情報を算出してもよい。
【0143】
本発明の態様3に係るエレベータ制御システムは、上記態様1または2において、前記算出部は、(1)前記かご内の荷重を検知した荷重検知信号、および(2)前記かご内を撮像したかご内画像、の少なくともいずれかを用いて、前記かご混雑情報を算出してもよい。
【0144】
本発明の態様4に係るエレベータ制御システムは、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記ロボットは、前記行先階混雑情報が示す混雑状況が所定の第1基準以下であり、かつ、前記かご混雑情報が示す混雑状況が所定の第2基準以下である場合、前記エレベータの動作を制御するエレベータ制御装置に前記エレベータのかごの呼び登録依頼を送信してもよい。
【0145】
本発明の態様5に係るエレベータ制御システムは、上記態様4において、前記第1基準および前記第2基準は、前記ロボットの種類、および前記ロボットが前記エレベータを利用する目的の少なくともいずれかに応じて設定されていてもよい。
【0146】
本発明の態様6に係るエレベータ制御システムは、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記混雑情報取得依頼は、前記ロボットの出発階を示す出発階情報をさらに含み、前記算出部は、前記受け付けた前記混雑情報取得依頼に応じて、前記所定期間における前記出発階のエレベータ乗場の混雑状況を示す出発階混雑情報をさらに算出し、前記混雑情報は、さらに、前記出発階混雑情報を含んでいてもよい。
【0147】
本発明の態様7に係るエレベータ制御システムは、上記態様6において、前記算出部は、(1)前記出発階のエレベータ乗場を撮像した乗場画像、(2)前記出発階のエレベータ乗場に来た利用者を検知した検知信号、および(3)乗場行先階呼び登録を行った前記利用者の出発階および行先階を示す情報、の少なくともいずれかを用いて、前記出発階混雑情報を算出してもよい。
【0148】
本発明の態様8に係るエレベータ制御システムは、上記態様6または7において、前記ロボットは、前記行先階混雑情報が示す混雑状況が第1基準以下であり、かつ、前記かご混雑情報が示す混雑状況が第2基準以下であり、かつ、前記出発階混雑情報が示す混雑状況が第3基準以下である場合、前記エレベータの動作を制御するエレベータ制御装置に前記エレベータのかごの呼び登録依頼を送信してもよい。
【0149】
本発明の態様9に係るエレベータ制御システムは、上記態様8において、前記第1基準、前記第2基準、および前記第3基準は、前記ロボットの種類、および前記ロボットが前記エレベータを利用する目的の少なくともいずれかに基づいて設定されていてもよい。
【0150】
本発明の態様10に係るエレベータ制御システムは、上記態様8または9において、前記第1基準は、前記第3基準よりも低く設定されていてもよい。
【0151】
本発明の態様11に係るエレベータ制御システムは、上記態様1から10のいずれかにおいて、前記依頼受付部は、前記ロボットから前記混雑情報取得依頼を受け付け、前記通知部は、前記混雑情報を前記ロボットに通知してもよい。
【0152】
本発明の態様12に係るエレベータ制御システムは、上記態様1から10のいずれかにおいて、前記依頼受付部は、前記ロボットを管理する管理装置から前記混雑情報取得依頼を受け付け、前記通知部は、前記混雑情報を前記管理装置に通知してもよい。
【0153】
本発明の態様13に係るエレベータ制御システムの制御方法は、エレベータを利用する自律走行可能なロボットの行先階を示す行先階情報を含む混雑情報取得依頼を受け付ける依頼受付ステップと、前記混雑情報取得依頼を受け付けた時点を含む所定期間における、前記行先階のエレベータ乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報および前記エレベータのかご内の混雑状況を示すかご混雑情報を算出する算出ステップと、前記行先階混雑情報および前記かご混雑情報を含む混雑情報を通知する通知ステップと、を含む。
【符号の説明】
【0154】
1、1B エレベータ制御装置
2、2B ロボット
3 エレベータ
6 ロボット管理制御装置(管理装置)
31 かご
100、100A、100B エレベータ制御システム
111 依頼受付部
112、112B 算出部
113 通知部
S11 依頼受付ステップ
S12、S13 算出ステップ
S15 通知ステップ
【要約】
【課題】自律走行可能なロボットに対してエレベータ乗場およびかご内の混雑状況に関する情報をロボットに提供する。
【解決手段】エレベータ制御システム(100)は、エレベータ(3)を利用するロボット(2)の行先階を示す行先階情報を含む混雑情報取得依頼を受け付ける依頼受付部(111)と、所定期間における、行先階のエレベータ乗場の混雑状況を示す行先階混雑情報およびエレベータのかご(31)内の混雑状況を示すかご混雑情報を算出する算出部(112)と、行先階混雑情報およびかご混雑情報を含む混雑情報を通知する通知部(113)と、を備える。
【選択図】
図1