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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/109 20230101AFI20241224BHJP
   G06Q 10/0631 20230101ALI20241224BHJP
【FI】
G06Q10/109
G06Q10/0631
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024041692
(22)【出願日】2024-03-15
【審査請求日】2024-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】北川 新也
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-060070(JP,A)
【文献】特開2023-170136(JP,A)
【文献】特許第7448077(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第112660267(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行可能なロボットがエレベータを利用できない利用不可期間を示す情報を取得する取得部と、
前記ロボットが前記エレベータの利用を伴う作業を予定している作業予定期間を示す情報および当該作業の所要時間を示す情報を記憶する記憶部と、
前記利用不可期間を示す情報と、前記作業予定期間を示す情報と、前記作業の所要時間を示す情報と、に基づき、前記ロボットが前記作業予定期間において、前記利用不可期間に前記エレベータを利用することなく前記作業を完了するか否かを予測する予測部と、
前記作業が完了しないと予測される場合、前記ロボットの管理者が使用する装置に所定の通知情報を通知する通知部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記予測部は、
前記作業予定期間の始点から前記作業を開始すると、前記作業の完了時刻が前記作業予定期間の終点を超えると予測される場合、または、
前記作業予定期間の終点までに前記作業を完了するためには、前記作業の開始時刻を前記作業予定期間の始点より早めることを要すると予測される場合、
前記作業が完了しないと予測する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記通知情報は、
前記利用不可期間に応じて前記作業予定期間の始点を早める提案、
前記利用不可期間に応じて前記作業予定期間の終点を遅らせる提案、および、
前記作業を中止する提案、の少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記利用不可期間は、前記エレベータの点検実施期間、および前記エレベータを所定の利用者に利用させる専用運転期間の少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
情報処理システムに含まれるコンピュータが実行する制御方法であって、
自律走行可能なロボットがエレベータを利用できない利用不可期間を示す情報を取得する取得ステップと、
前記利用不可期間を示す情報と、記憶部に記憶されている前記ロボットが前記エレベータの利用を伴う作業を予定している作業予定期間を示す情報および前記作業の所要時間を示す情報と、に基づき、前記ロボットが前記作業予定期間において、前記利用不可期間に前記エレベータを利用することなく前記作業を完了するか否かを予測する予測ステップと、
前記作業が完了しないと予測される場合、前記ロボットの管理者が使用する装置に所定の通知情報を通知する通知ステップと、
を含む情報処理システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータを利用するロボットを備える情報処理システム、および情報処理システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自律走行可能なロボットがエレベータを利用して階床間を移動し、作業する場合がある。例えば、ロボットによるエレベータの利用を制限する期間がある場合、ロボットの作業効率が低下する可能性がある。
【0003】
特許文献1には、ロボット呼び登録一時制限時間帯をロボットに通知し、当該ロボットからのロボット呼び登録一時制限待機要求に応じてロボット呼び登録一時制限時間帯を調整可能なエレベータシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第7151865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エレベータ制御装置は、エレベータの定期点検期間、運転休止期間(例えば、夜間などのパーキング休止を含む期間)、所定の利用者(例えば、VIPおよび引っ越し業者)向けに運転する専用運転期間などの登録を受け付ける。これらの期間は、ロボットがエレベータを利用できない利用不可期間となる。利用不可期間をロボットの作業スケジュールに合わせて調整したり変更したりすることは一般的に困難であり、ロボットの作業スケジュールに変更を加える必要が生じる。
【0006】
ロボットの作業スケジュールは、当該ロボットを管理するロボット管理者によって策定され、その遂行の責任はロボット管理者が負う。それゆえ、エレベータを利用できない利用不可期間によって当初の作業スケジュールが影響を受ける場合、ロボットは、ロボット管理者にその旨を遅滞なく連絡し、ロボット管理者が、当該ロボットの作業スケジュールの変更または中止を決定することが望ましい。
【0007】
本発明の一態様は、ロボットがエレベータを利用できない利用不可期間によって、ロボットの作業スケジュールが影響を受ける場合に、ロボット管理者にその旨を遅滞なく連絡することが可能な情報処理システムおよび情報処理方法等の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理システムは、自律走行可能なロボットがエレベータを利用できない利用不可期間を示す情報を取得する取得部と、前記ロボットが、前記エレベータの利用を伴う作業を予定している作業予定期間において、前記利用不可期間に前記エレベータを利用することなく前記作業を完了するか否かを予測する予測部と、前記作業が完了しないと予測される場合、前記ロボットの管理者が使用する装置に所定の通知情報を通知する通知部と、を備える。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理システムの制御方法は、自律走行可能なロボットがエレベータを利用できない利用不可期間を示す情報を取得する取得ステップと、前記ロボットが、前記エレベータの利用を伴う作業を予定している作業予定期間において、前記利用不可期間に前記エレベータを利用することなく前記作業を完了するか否かを予測する予測ステップと、前記作業が完了しないと予測される場合、前記ロボットの管理者が使用する装置に所定の通知情報を通知する通知ステップと、を含む。
【0010】
本発明の各態様に係る情報処理システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記情報処理システムが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記情報処理システムをコンピュータにて実現させる情報処理システムの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、ロボットがエレベータを利用できない利用不可期間によって、ロボットの作業スケジュールが影響を受ける場合に、ロボット管理者にその旨を遅滞なく連絡することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】エレベータ情報の一例を示す図である。
図3】スケジュール情報の一例を示す図である。
図4】乗場呼び情報の一例を示す図である。
図5】かご呼び情報の一例を示す図である。
図6】ロボット呼び情報の一例を示す図である。
図7】作業情報の一例を示す図である。
図8】情報処理システムにおいて行われる処理の流れの例を示すシーケンス図である。
図9】利用不可期間と変更前の作業予定期間と変更後の作業予定期間との関係の例を示す図である。
図10】利用不可期間と変更前の作業予定期間と変更後の作業予定期間との関係の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施形態1〕
<情報処理システム100>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る情報処理システム100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理システム100は、エレベータ制御装置1、ロボット2、エレベータ3および端末装置4(装置)を備える。情報処理システム100において、エレベータ制御装置1は、エレベータ3を制御する装置であり、ロボット2は自律走行可能なロボットであり、端末装置4は、ロボット2の管理者が使用する装置である。
【0014】
情報処理システム100は、ロボット2がエレベータ3を利用できない利用不可期間を示す情報を取得する。また、情報処理システム100は、ロボット2が、エレベータ3の利用を伴う作業を予定している作業予定期間において、利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業を完了するか否かを予測する。また、情報処理システム100は、作業が完了しないと予測される場合、ロボット2の管理者が使用する端末装置4に所定の通知情報を通知する。
【0015】
上述の構成によれば、情報処理システム100は、自律走行可能なロボット2がエレベータ3の利用を伴う作業を予定している作業予定期間において、ロボット2がエレベータ3を利用できない利用不可期間にエレベータ3を利用することなく当該作業を完了しないと予測される場合、ロボット2を管理する管理者が使用する端末装置4に所定の通知情報を通知する。これにより、情報処理システム100は、利用不可期間がロボット2の作業スケジュールに影響することを、ロボット2の管理者に遅滞なく通知し、ロボット2の作業スケジュールの変更または中止を指示することを促すことができる。
【0016】
<エレベータ3>
図1に示すように、エレベータ3は、かご31および扉32を備える。また、エレベータ3は、例えば各階床の乗場に、利用者が乗場呼びを登録するための操作盤(不図示)を備える。また、エレベータ3は、かご31内に、利用者がかご呼びを登録するための操作盤(不図示)を備える。
【0017】
かご31は、エレベータ制御装置1のかご制御部114の制御に基づき動作し、階床間を移動する。扉32は、エレベータ制御装置1の扉制御部113の制御に従って開閉する。なお、かご31の扉32の開閉に連動して、乗場の扉も開閉する。
【0018】
<エレベータ制御装置1>
エレベータ制御装置1は、呼び登録を受け付け、受け付けた呼び登録に基づき、エレベータ3の動作を制御する。例えば、エレベータ制御装置1は、人間である利用者による乗場呼びまたはかご呼びに基づき、エレベータ3の動作を制御する。また、エレベータ制御装置1は、ロボット2による呼び登録が行われた場合、エレベータ3をロボット専用運転モードで運行させ、受け付けた呼び登録に基づきエレベータ3を制御する。
【0019】
また、エレベータ制御装置1は、予め登録されたスケジュール情報122に基づき、エレベータ3を、特定の利用者のみが利用可能な運行モードである特別運転モードで運行させる。
【0020】
図1に示すように、エレベータ制御装置1は、制御部11、記憶部12および入出力インターフェース13を備える。入出力インターフェース13は、エレベータ制御装置1がロボット2およびエレベータ3と通信を行うための通信モジュールである。
【0021】
[記憶部12]
記憶部12は、エレベータ制御装置1において用いられる各種情報を記憶している。図1に示すように、記憶部12は、エレベータ情報121、スケジュール情報122および呼び登録情報123を記憶している。
【0022】
(エレベータ情報121)
図2は、エレベータ情報121の一例を示す図である。エレベータ情報121は、エレベータ3の状態に関する情報である。図2に示すように、エレベータ情報121には、かご31の現在の位置を示す現在階、かご31の現在の移動方向、およびエレベータ3の現在の運転モードを示す情報が含まれる。図2に示す例では、かご31の移動方向が上方階床への移動方向であることを上向き矢印「↑」で示している。
【0023】
エレベータ3の運転モードには、通常運転モードとロボット専用運転モードとが存在する。通常運転モードは、利用者からの乗場呼びおよびかご呼びと、ロボット2からの呼びを受け付け可能な状態でエレベータ3を運行させる運転モードである。ロボット専用運転モードは、ロボット2からの呼びが登録された場合における運転モードであり、利用者からの乗場呼びおよびかご呼びを受け付けず、ロボット2のみがエレベータ3を利用可能な状態でエレベータ3を運行させる。
【0024】
さらに、エレベータ3の運転モードには、特別運転モードが存在する。特別運転モードは、スケジュール情報122に基づく運転モードであり、スケジュール情報122として予め登録された開始時刻から終了時刻までの期間中に行われる。特別運転モードの期間中は、作業員または所定の利用者等、スケジュール情報122に基づきエレベータ3を利用することが予定されている者のみがエレベータ3を利用して階床間を移動可能である。以下では、特別運転モード中にエレベータ3を利用可能である者を特定利用者と称する。特別運転モードの期間中は、利用不可期間とも称され、特定利用者以外の利用者およびロボット2はエレベータ3を利用できない。
【0025】
(スケジュール情報122)
スケジュール情報122は、エレベータ3の利用予定に関する情報である。スケジュール情報122は、例えば、エレベータ3の点検を行う作業員等によって、エレベータ制御装置1に対して指示を行うことが可能な端末装置等を用いて登録される。
【0026】
図3は、スケジュール情報122の一例を示す図である。図3に示すように、スケジュール情報122には、利用予定の内容を示す項目と、エレベータ3を利用予定である特定利用者がエレベータ3を占有して利用する期間であり、他の利用者がエレベータ3を利用できない期間である利用不可期間と、を示す情報が含まれる。ここで、利用不可期間は、エレベータ3の点検実施期間、およびエレベータ3を所定の利用者に利用させる専用運転期間の少なくともいずれかを含む。
【0027】
例えば、図3に示すように、スケジュール情報122として、エレベータ3の点検が実施されること、および当該点検が2024年3月1日の9:00に開始し、同日の9:40に終了予定であることを示す情報が記憶されている。このようなスケジュール情報122が記憶されている場合、当該点検の期間中(点検実施期間)は利用不可期間であり、点検を行う作業員等以外はエレベータ3を利用できない。
【0028】
また、図3に示すように、スケジュール情報122として、所定の利用者(特定利用者)がエレベータ3を利用予定であること、および当該利用者の利用期間が2024年3月1日の10:00から同日の10:10までであることを示す情報が記憶されている。このようなスケジュール情報122が記憶されている場合、所定の利用者の利用期間中(専用運転期間)は、当該利用者のみがエレベータ3を利用可能であり、他の利用者はエレベータ3を利用できない。
【0029】
(呼び登録情報123)
呼び登録情報123は、利用者およびロボット2による呼びに関する情報である。呼び登録情報123には、乗場呼び情報124、かご呼び情報125、およびロボット呼び情報126が含まれる。
【0030】
図4は、乗場呼び情報124の一例を示す図である。乗場呼び情報124は、利用者による乗場呼びに関する情報である。図4に示すように、乗場呼び情報124には、乗場呼びが行われた階床(乗場呼び階)、すなわち利用者の出発階、および乗場呼びによって指定された移動方向を示す情報が含まれる。図5は、かご呼び情報125の一例を示す図である。かご呼び情報125は、利用者によるかご呼びに関する情報である。図5に示すように、かご呼び情報125には、利用者の行先階(かご呼び階)を示す情報が含まれる。
【0031】
図6は、ロボット呼び情報126の一例を示す図である。ロボット呼び情報126は、ロボット2による乗場行先階呼びに関する情報である。図6に示すように、ロボット呼び情報126には、ロボット2の出発階および行先階を示す情報が含まれる。
【0032】
[制御部11]
制御部11は、エレベータ制御装置1において行われる各種処理を実行する。図1に示すように、制御部11は、特定部111、受付部112、扉制御部113、かご制御部114、および切替部115を備える。
【0033】
(特定部111)
特定部111は、スケジュール情報122を特定し、ロボット2に送信する。特定部111は、スケジュール情報122が更新(変更または追加)される度に、更新後のスケジュール情報122をロボット2に送信してもよい。また、特定部111は、所定の期間毎、例えば1時間毎、または1日毎にスケジュール情報122を送信してもよい。また、特定部111は、ロボット2からスケジュール情報122の取得を依頼する旨の情報を受信したときにスケジュール情報122を送信してもよい。
【0034】
特定部111は、記憶部12に記憶されているスケジュール情報122を全て送信してもよいし、一部のみを送信してもよい。例えば、特定部111は、スケジュール情報122を送信する時点から所定期間、例えば1時間、または24時間のうちに予定されている利用予定に関するスケジュール情報122を送信してもよい。また、既に送信済のスケジュール情報122が更新されたときには、特定部111は、スケジュール情報122のうち更新された情報のみを送信してもよい。
【0035】
(受付部112)
受付部112は、利用者およびロボット2からの呼び登録依頼を受信する。なお、利用者からの呼び登録依頼は、エレベータ3の乗場またはかご31内に設けられている操作盤(不図示)を用いて行われ得る。
【0036】
利用者からの呼び登録依頼を受け付けた場合、受付部112は、記憶部12の呼び登録情報123に利用者の出発階および移動方向、または利用者の行先階を記憶し、利用者の乗場呼びまたはかご呼びを登録する。
【0037】
ロボット2からの呼び登録依頼を受け付けた場合、受付部112は、記憶部12のロボット呼び情報126にロボット2の出発階および行先階を記憶し、ロボット2の乗場行先階呼びを登録する。また、ロボット2の乗場行先階呼びを登録した場合、受付部112は、ロボット専用運転の開始を指示する信号を切替部115に出力する。これにより、ロボット専用運転が開始し、エレベータ3はロボット専用運転モードで運転する。ロボット専用運転モードの間、受付部112は、利用者からの呼び登録依頼を受け付けない。
【0038】
また、スケジュール情報122に示される利用期間中、受付部112は特定利用者以外の利用者およびロボット2からの呼び登録依頼を受け付けない。
【0039】
(扉制御部113)
扉制御部113は、かご31の扉32の開閉を制御する。かご31がいずれかの階床に到着すると、扉制御部113は、かご制御部114からかご31が停止したことを示す情報を取得する。当該情報を取得すると、扉制御部113は、戸開を指示する信号をエレベータ3の扉32に送信する。これにより、かご31の扉32が開き、かご31の扉32に連動して乗場の扉も開く。また、扉制御部113は、戸開から所定時間後(例えば、戸開が完了してから20秒後)に、戸閉を指示する信号を扉22に送信する。これにより、かご31の扉32および乗場の扉が閉じる。
【0040】
また、扉制御部113は、エレベータ3がロボット専用運転モードで運行している場合において、扉32が開いている期間中に、ロボット2から戸開保持指令を受信すると、扉32の戸開状態を保持する。
【0041】
扉制御部113は、ロボット2から戸開保持指令を受信した後、当該ロボット2から所定時間以内に乗車完了信号を受信した場合、戸閉を指示する信号を扉32に送信する。扉制御部113がロボット2から戸開保持指令を受信した後、当該ロボット2から所定時間以内に乗車完了信号を受信した場合、ロボット2はかご31への乗車を完了した状態である。したがって、扉制御部113は、乗車完了信号を受信した後に戸閉を指示することで、ロボット2がかご31への乗車を完了した後、速やかに扉32を閉鎖させることができる。また、扉制御部113は、受付部112から戸開保持信号を受信した後、乗車完了信号を受信しないまま所定時間が経過した場合、戸閉を指示する信号を扉32に送信する。
【0042】
戸閉完了後、扉制御部113は、戸閉したことを示す情報をかご制御部114に出力する。ロボット2から戸開保持指令または乗車完了信号を受信した場合、エレベータ3はロボット専用運転モードで運行しているため、かご31はロボット2の行先階に移動する。
【0043】
なお、扉制御部113は、エレベータ3が通常運転モードで運行しているときの戸開時間よりも、エレベータ3がロボット専用運転モードで運行している場合の戸開時間を長く、たとえば3分程度としてもよい。
【0044】
(かご制御部114)
かご制御部114は、登録済みの乗場呼び、かご呼び、およびロボット2による乗場行先階呼びに基づき、かご31を移動させる。かご31がロボット2の出発階に到着すると、かご制御部114は、かご31の停止階を示す情報を扉制御部113に出力する。
【0045】
かご制御部114は、呼び登録情報123に記録されている利用者およびロボット2の出発階および行先階、並びにエレベータ3の運転モードに基づき、かご31の行先階を決定する。
【0046】
例えば、エレベータ3の運転モードが通常運転モードである場合、かご制御部114は、乗場呼び情報124およびかご呼び情報125を参照してかご31の行先階を決定し、決定した階床に移動することを指示する信号をかご31に送信する。これにより、エレベータ3のかご31は、利用者の乗場呼びおよびかご呼びに基づく行先階に移動する。
【0047】
また、エレベータ3の運転モードがロボット専用運転モードである場合、かご制御部114は、ロボット呼び情報127を参照してかご31の行先階を決定し、決定した階床に移動することを指示する信号をかご31に送信する。これにより、エレベータ3のかご31は、ロボット2の乗場行先階呼びに基づく出発階および行先階に移動する。
【0048】
なお、ロボット専用運転を開始した場合、かご制御部114は、エレベータ3を登録済みのかご呼びに応答させてから、ロボット2の出発階への移動を指示してもよい。これにより、ロボット2を乗車させる前に、ロボット専用運転が開始したときにかご31に乗車していた利用者を降車させることができる。また、ロボット専用運転が開始した場合、かご制御部114は、登録済みの乗場呼びを削除してもよいし、ロボット専用運転が終了した後に登録済みの乗場呼びにエレベータ3を応答させてもよい。
【0049】
また、エレベータ3の運転モードが特別運転モードである場合、かご制御部114は、乗場呼び情報124およびかご呼び情報125を参照してかご31の行先階を決定し、決定した階床に移動することを指示する信号をかご31に送信する。ここで、エレベータ3の運転モードが特別運転モードである場合、記憶部12には、乗場呼び情報124およびかご呼び情報125として、特定利用者の出発階および行先階を示す情報が記憶されている。したがって、エレベータ3の運転モードが特別運転モードである場合、かご制御部114は、特定利用者の出発階および行先階にかご31を移動させることができる。
【0050】
(切替部115)
切替部115は、エレベータ3の運転モードを切り替える。例えば、切替部115は、受付部112からロボット専用運転の開始を指示する信号を受信すると、エレベータ情報121に記憶されているエレベータ3の運転モードを通常運転モードからロボット専用運転モードに切り替える。これにより、エレベータ3のロボット専用運転が開始される。
【0051】
また、切替部115は、受付部112からロボット専用運転の終了を指示する信号を受信すると、エレベータ情報121に記憶されているエレベータ3の運転モードをロボット専用運転モードから通常運転モードに切り替える。これにより、エレベータ3のロボット専用運転が終了する。
【0052】
また、スケジュール情報122に示される利用予定の開始時刻になったとき、切替部115は、特別運転モードを開始する。具体的には、切替部115は、エレベータ3の運転モードを特別運転モードに切り替える。なお、エレベータ3の運転モードがロボット専用運転モードである場合、切替部115は、ロボット2のエレベータ3利用が完了した後にエレベータ3の運転モードを特別運転モードに切り替える。
【0053】
<ロボット2>
ロボット2は、自律走行可能な情報処理装置であり、エレベータ3を利用して階床間を移動可能である。図1に示すように、ロボット2は、制御部21、記憶部22および動作部23を備える。動作部23は、例えば車輪等の部材であり、動作制御部216の制御に基づき動作し、所望の位置へロボット2を移動させる。また、ロボット2が配達等、所定の動作を行うロボットである場合、動作部23は、当該動作を行うための部材を含む。
【0054】
[記憶部22]
記憶部22は、制御部21において利用される情報を記憶している。図1に示すように、記憶部22は、作業情報221を記憶している。
【0055】
作業情報221は、ロボット2が予定している作業を示す情報である。図7は、作業情報221の一例を示す図である。図7に示すように、作業情報221には、作業の項目、移動区間、作業予定時間、および所要時間を示す情報が対応付けられて記憶されている。
【0056】
移動区間とは、作業が移動を伴う作業である場合においてロボット2が移動する範囲を示す情報である。例えばエレベータ3を利用して階床間を移動する場合、移動区間として出発階および行先階を示す情報が記憶されている。作業予定期間は、ロボット2が作業を行う期間を示す情報であり、始点と終点とによって規定される。ロボット2は、作業予定期間の始点以降に作業を開始し、終点までに当該作業を完了させる。なお、予定通りに作業が進行するとは限らないため、作業予定期間は作業に要する時間よりも長い期間となるよう設定されてもよい。所要時間は、ロボット2が作業に要することが予想される時間である。
【0057】
作業情報221として記憶されるロボット2が行う作業とは、複数の動作を含んだ一連の作業であってもよい。例えば、待機位置からエレベータ3を利用して集荷する階床へ移動し、集荷を行い、再度エレベータ3を利用して配達先の階床へ移動し、配達を行う動作が1つの作業として作業情報221に記憶されていてもよい。なお、配達を行った後にエレベータ3を利用して待機位置へ戻る動作は一連の動作を含む作業と同じ作業として記憶されていてもよいし、別の作業として記憶されていてもよい。
【0058】
また、作業とは、一連の作業のうちの一部の動作であってもよい。例えば、待機位置からエレベータ3を利用して移動する動作、移動先の階床で集荷を行う動作、エレベータ3を利用して移動する動作、移動先の階床で配達を行う動作、および配達を行った後にエレベータ3を利用して待機位置へ戻る動作、のそれぞれが別の作業として記憶されていてもよい。
【0059】
また、待機位置からエレベータ3を利用して集荷する階床へ移動する動作、および集荷を行う動作が1つの作業として記憶部22に記憶されていてもよい。この場合、エレベータ3を利用して配達先の階床へ移動する動作、および配達を行う動作が別の作業、エレベータ3を利用して待機位置へ戻る動作がさらに別の作業として記憶されていてもよい。
【0060】
また、ロボット2が行う作業は集荷および配達に限られない。作業は、ロボット2の機能に応じて設定されればよい。例えばロボット2が清掃を行うロボットである場合、作業は清掃場所へ移動する動作、および移動先で清掃を行う動作等であってもよい。
【0061】
[制御部21]
制御部21は、ロボット2において行われる各処理を実行する。図1に示すように、制御部21は取得部211、予測部212、通知部213、変更部214、呼び依頼部215、および動作制御部216を備える。
【0062】
(取得部211)
取得部211は、自律走行可能なロボット2がエレベータ3を利用できない利用不可期間を示す情報を取得する。具体的には、取得部211は、エレベータ制御装置1から、利用不可期間を示す情報を含むスケジュール情報122を受信する。ここで、利用不可期間は、エレベータ3の点検実施期間、およびエレベータ3を所定の利用者に利用させる専用運転期間の少なくともいずれかを含む。取得部211は、受信したスケジュール情報122を予測部212に出力する。
【0063】
取得部211は、エレベータ制御装置1においてスケジュール情報122が更新される度に、エレベータ制御装置1から送信された新たなスケジュール情報122を受信してもよい。また、エレベータ制御装置1から、所定期間毎にスケジュール情報122が送信されてもよい。ここで、所定期間とは、例えば1時間、12時間、または1日であってもよい。また、取得部211は作業情報221に登録されている作業開始前などのタイミングでエレベータ制御装置1にスケジュール情報122の提供を依頼してもよい。この場合、エレベータ制御装置1は、当該依頼を受信するとスケジュール情報122を送信してもよい。
【0064】
(予測部212)
予測部212は、取得部211からスケジュール情報122を取得すると、記憶部22の作業情報221を参照する。予測部212は、ロボット2が、エレベータ3の利用を伴う作業を予定している作業予定期間において、利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業を完了するか否かを予測し、予測結果を通知部213に出力する。予測部212は、予定している作業の全てが完了可能か否かを予測してもよいし、直近の1つの作業が完了可能か否かを予測してもよい。以下では、予測部212が、ロボット2が予定している作業のうち、直近の1つの作業について予測を行う例について説明する。
【0065】
予測部212は、(1)作業予定期間の始点から作業を開始すると、作業の完了時刻が作業予定期間の終点を超えると予測される場合、作業が完了しないと予測する。また、予測部212は、(2)作業予定期間の終点までに作業を完了するためには、作業の開始時刻を作業予定期間の始点より早めることを要すると予測される場合、作業が完了しないと予測する。
【0066】
予測部212の予測について、建物の1階から4階まで移動する作業を予定しており、当該作業の作業予定期間が10:00から10:20分までの間であり、所要時間が約5分である場合を例に挙げて説明する。
【0067】
この例において、エレベータ3の利用不可期間が10:00から10:30分までである場合、ロボット2が10:00に作業を開始したとしてもエレベータ3は利用できないため、10:20までに作業を完了することができない。そして、ロボット2が利用不可期間終了後の10:30からエレベータ3を利用して5分で移動を完了したとしても、作業の完了時刻は10:35であり、本来予定していた作業予定期間の終点を超える。また、上述の例において、作業予定期間の終点までに作業を完了するためには、作業の開始時刻を9:40またはそれよりも前の時刻とすることを要する。このような場合、予測部212は、ロボット2が、エレベータ3の利用を伴う作業を予定している作業予定期間において、利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業を完了できないと予測する。
【0068】
一方、上述の例において、エレベータ3の利用不可期間が9:00から10:00までである場合、ロボット2が10:00に作業を開始したときにはエレベータ3は利用可能であり、10:20までに作業を完了することができる。このような場合、予測部212は、ロボット2が、エレベータ3の利用を伴う作業を予定している作業予定期間において、利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業を完了することが可能であると予測する。
【0069】
また、上述の例において、エレベータ3の利用不可期間が10:00から10:10までである場合、ロボット2が10:00に作業を開始したときにはエレベータ3は利用不可である。ただし、ロボット2の作業の所要時間は5分程度であるため、利用不可期間終了後の10:10からエレベータ3を利用することで、10:20までに作業を完了することができる。このような場合にも、予測部212は、ロボット2が、エレベータ3の利用を伴う作業を予定している作業予定期間において、利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業を完了することが可能であると予測する。
【0070】
(通知部213)
通知部213は、作業が完了しないと予測される場合、ロボット2の管理者が使用する端末装置4に所定の通知情報を通知する。具体的には、通知部213は、予測部212から予測結果を示す情報を取得する。予測部212から、作業情報221に示される作業が完了しないことを示す場合、通知部213は、端末装置4に通知情報を生成し、生成した通知情報を端末装置4に通知する。
【0071】
通知情報は、ロボット2の作業とエレベータ3の利用予定との関係に関する情報である。例えば、通知情報は、ロボット2の作業の作業予定期間の少なくとも一部が利用不可期間に重複し、作業の完了時刻までにロボット2が作業を完了できないことが予測されることを示す情報を含む。また、通知情報は、完了できないことが予測される作業、該作業の作業予定期間中に予定されているエレベータ3の利用予定、および該利用予定に対応する利用不可期間を示す情報を含んでいてもよい。
【0072】
また、通知情報は、作業予定の変更に関する提案である提案情報を含む。例えば、通知情報は、提案情報として、利用不可期間に応じて作業予定期間の始点を早める提案、利用不可期間に応じて予定期間の終点を遅らせる提案、および、作業を中止する提案、の少なくともいずれかを示す情報を含む。
【0073】
例えば、通知部213は、利用不可期間の終了後に作業を開始させること、利用不可期間の開始までに作業を終えること、または作業を中止することを提案情報として決定する。具体的には、ロボット2の作業が10:00に開始し、10:20に完了予定である場合であって、エレベータ3の利用不可期間が10:00から11:00までの間の期間である場合、通知部213は、提案情報として、以下の(1)~(3)の提案のうち少なくともいずれかを示す情報を通知情報に含めることを決定する。
【0074】
(1)作業の開始時刻を9:40とし、完了時刻を10:00とする提案
(2)作業の開始時刻を11:00とし、完了時刻を11:20とする提案
(3)作業を中止する提案
提案情報によって示される変更後の作業予定期間は、利用不可期間に重複していないか、重複したとしても作業予定期間中に作業を完了可能であればよく、上述の例に限られない。例えば、作業予定期間の始点および終点を早める場合、変更後の作業予定期間の始点および終点は、より早い時刻であってもよい。また、作業予定期間の始点および終点を遅くする場合、変更後の作業予定期間の始点および終点は、より遅い時刻であってもよい。
【0075】
また、提案情報として、作業予定期間の始点および終点を変更する複数の提案が通知情報に含まれていてもよい。例えば、上述の(1)の提案が通知情報に含まれる場合、(1)の提案に加えて作業の開始時刻および完了時刻をさらに早める提案が通知情報に含まれていてもよい。
【0076】
(変更部214)
変更部214は、端末装置4から変更指示信号を受信する。変更指示信号には、作業情報221に含まれる作業の変更を指示する情報が含まれる。変更部214は、変更指示信号を受信すると、該変更指示信号に含まれる指示に基づき、作業情報221を変更する。
【0077】
例えば、変更指示信号に、ある作業の作業予定期間の始点を10分早めることを指示する情報が含まれている場合、変更部214は、作業情報221として記憶されている当該作業の作業予定期間の始点および終点を10分早める。これにより、ロボット2は当該作業を予定していたよりも10分早く開始する。
【0078】
(呼び依頼部215)
呼び依頼部215は、作業情報221に基づき、エレベータ制御装置1に呼び登録を依頼する。具体的には、呼び依頼部215は、作業情報221を参照し、エレベータ3を利用する作業の開始時刻になると、ロボット2の出発階および行先階を示す情報を含む呼び登録依頼を生成し、エレベータ制御装置1に送信する。これにより、エレベータ制御装置1においてロボット2の呼びが登録され、ロボット2はエレベータ3を利用して階床間を移動できる。
【0079】
なお、作業開始時刻が利用不可期間内であり、エレベータ制御装置1がロボット2の呼び登録依頼を受け付けなかった場合、呼び依頼部215は所定期間待機してから再度呼び登録依頼を送信する。
【0080】
(動作制御部216)
動作制御部216は、動作部23の動作を制御する。例えば、動作制御部216は、動作部23を制御することで、作業情報221として記憶されているロボット2が予定している動作を行わせる。例えば、作業情報221としてロボット2が存在している階床から別の階床へ移動する作業が記憶されている場合、動作制御部216は動作部23を動作させ、エレベータ3の乗場までロボット2を移動させる。また、作業情報221として、ある階床で集荷を行うことが予定されている場合、動作制御部216は、動作部23を動作させ、当該階床へロボット2を移動させてから集荷作業を行わせる。
【0081】
また、ロボット2がエレベータ3を待機している状態において、エレベータ制御装置1から、エレベータ3がロボット2の出発階で戸開したことを示す情報を受信した場合、動作制御部216はエレベータ制御装置1に戸開保持指令を送信する。その後、動作制御部216が動作部23を動作させることでロボット2がかご31に乗車する。ロボット2のかご31への乗車動作が完了した後、動作制御部216は、エレベータ制御装置1に乗車完了信号を送信する。
【0082】
また、ロボット2がかご31に乗車中である場合において、エレベータ制御装置1から、ロボット2の行先階で戸開したことを示す情報を受信した場合、動作制御部216は、エレベータ制御装置1に戸開保持指令を送信する。その後、動作制御部216が動作部23を動作させることでロボット2がかご31から降車する。ロボット2のかご31からの降車動作が完了した後、動作制御部216は、エレベータ制御装置1に降車完了信号を送信する。
【0083】
<端末装置4>
端末装置4は、ロボット2の管理者が使用するパソコン、タブレット、またはスマートフォン等の装置であり、ロボット2と通信可能に接続されている。図1に示すように、端末装置4は、制御部41、出力部42、および入力部43を備える。出力部42は、ディスプレイ等の表示装置であってよく、制御部41の制御に従って情報を出力する。入力部43は、出力部42の機能を兼ね備えたタッチパネル等であってよく、管理者による入力を受け付け、受け付けた入力の内容を示す信号を制御部41に出力する。
【0084】
ロボット2において、利用不可期間中にエレベータ3を利用することなく作業予定期間内に作業を完了できないと予測された場合、制御部41は、ロボット2から通知情報を受信する。通知情報を受信すると、制御部41は出力部42に通知情報を出力させる。通知情報には、作業予定期間内に作業を完了できないことが予測されることを示す情報、および作業の変更を提案する提案情報が含まれる。これにより、ロボット2の管理者は、ロボット2が作業予定期間内に作業を完了できないこと、および作業予定期間の提案内容を把握することができる。提案情報は、利用不可期間に応じて作業予定期間の始点を早める提案、利用不可期間に応じて作業予定期間の終点を遅らせる提案、および、作業を中止する提案、の少なくともいずれかを含んでいてもよい。
【0085】
入力部43は、通知情報を確認した管理者による変更指示入力を受け付ける。変更指示入力とは、作業の変更を指示する入力であり、変更後の作業予定期間の始点または終点を指定する入力が含まれる。管理者は、変更後の作業予定期間の始点または終点を示す任意の値を入力することで変更指示入力を行ってもよい。また、管理者は、出力部42において提案情報として表示される選択肢から希望する作業予定期間の始点または終点を選択することで変更指示入力を行ってもよい。
【0086】
制御部41は、入力部43が受け付けた変更指示入力の内容に基づき、変更後の作業予定期間を示す情報を含む変更指示信号をロボット2に送信する。これにより、管理者が入力部43に対して変更指示入力を行った場合、ロボット2において作業情報221の変更が行われ、ロボット2は変更後の作業情報221に基づき作業を行う。
【0087】
<情報処理システム100の処理の流れの例>
図8は、情報処理システム100において行われる処理の流れの例を示すシーケンス図である。以下、図8を用いて、情報処理システム100において行われる処理の流れについて説明する。
【0088】
まず、エレベータ制御装置1の特定部111は、記憶部12を参照し、利用不可期間を示す情報を含むスケジュール情報122を取得する。特定部111によるスケジュール情報122の取得は、例えば所定の期間毎、具体的には1時間、または1日毎に行われてもよい。また、スケジュール情報122の取得は、エレベータ制御装置1においてスケジュール情報122が更新される度に行われてもよい。さらに、スケジュール情報122の取得は、エレベータ制御装置1がロボット2からのスケジュール情報122の要求を受け付けたときに行われてもよい。
【0089】
特定部111は、取得したスケジュール情報122をロボット2に送信する(S1)。これにより、ロボット2の取得部211は、利用不可期間を示す情報を含むスケジュール情報122を取得する(S11:取得ステップ)。取得部211は、取得したスケジュール情報122を予測部212に出力する。
【0090】
予測部212は、スケジュール情報122を取得すると、記憶部22の作業情報221を参照する。予測部212は、スケジュール情報122および作業情報221に基づき、利用不可期間にエレベータ3を利用せずに作業を完了可能か否か、を予測する(S12:予測ステップ)。なお、作業情報221として複数の作業に関する情報が記憶されている場合、予測部212は、エレベータ3を利用する直近の1つの作業について予測を行ってもよいし、エレベータ3を利用する全ての作業について予測を行ってもよい。
【0091】
利用不可期間にエレベータ3を利用せずに作業を完了可能である場合(S12でYES)、予測部212は利用不可期間にエレベータ3を利用せずに作業を完了可能であることを示す予測結果を通知部213に出力する。通知部213は、当該予測結果を取得すると、処理を終了する。ステップS12でYESの場合、ロボット2は、作業情報221の開始時刻および完了時刻のいずれも変更せずに完了時刻までに作業を完了することができる。そのため、ステップS12でYESの場合、ロボット2はステップS13以降の処理を行わずに処理を終了し、開始時刻になると作業を開始する。
【0092】
一方、作業予定期間の始点から作業を開始すると、作業の完了時刻が作業予定期間の終点を超えると予測される場合、予測部212は、利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業を完了できないと予測する(S12でNO)。また、作業予定期間の終点までに作業を完了するためには、作業の開始時刻を作業予定期間の始点より早めることを要すると予測される場合、予測部212は、利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業を完了できないと予測する(S12でNO)。ステップS12でNOの場合、予測部212は、利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業を完了できないことを示す予測結果を通知部213に出力する。
【0093】
通知部213は、予測部212から利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業を完了できないことを示す予測結果を取得すると、通知情報を生成する。通知情報は、ロボット2の作業の作業予定期間の少なくとも一部が利用不可期間に重複し、作業の完了時刻までにロボット2が作業を完了できないことが予測されることを示す情報を含む。また、通知情報は、完了できないことが予測される作業、該作業の作業予定期間中に予定されているエレベータ3の利用予定、および該利用予定に対応する利用不可期間を示す情報を含んでいてもよい。
【0094】
さらに、通知部213は、管理者に対して通知する通知情報に含める提案情報を決定する(S13)。提案情報には、利用不可期間に応じて作業予定期間の始点を早める提案、利用不可期間に応じて予定期間の終点を遅らせる提案、および、作業を中止する提案、の少なくともいずれかを示す情報が含まれる。例えば、通知部213は、利用不可期間の終了後に作業を開始させること、利用不可期間の開始までに作業を終えること、または作業を中止することを提案情報として決定する。通知部213は、提案情報を含む通知情報を生成し、端末装置4に通知する(S14:通知ステップ)。
【0095】
端末装置4の制御部41は、通知情報を受信すると、出力部42を制御し、受信した通知情報に含まれる情報を提示する(S21)。これにより、端末装置4を使用するロボット2の管理者は、ロボット2の作業が予定通り完了しないことが予測されること、および作業を完了させるための作業予定期間の変更の提案を把握することができる。
【0096】
端末装置4の制御部41は、入力部43に対して行われた作業予定期間の変更を指示する変更指示入力を受け付けると(S22でYES)、入力内容に基づく変更指示信号をロボット2に送信する。変更指示信号には、変更対象の作業を示す情報と、変更後の作業予定期間を示す情報または作業を中止することを示す情報と、が含まれる。
【0097】
ロボット2の変更部214は、変更指示信号を受信すると(S15)、変更指示信号に基づき、作業情報221を変更する(S16)。
【0098】
その後、ロボット2の呼び依頼部215および動作制御部216は、変更後の作業情報221に基づき作業を行う、または中止する。作業予定期間が変更された場合、変更後の作業予定期間は、利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業予定期間中に作業を完了できるように設定される。したがって、ロボット2は、作業予定通りに作業を開始および完了させることができる。
【0099】
<予測および作業変更の具体例>
以下、図9および図10を用いて、利用不可期間にエレベータ3を利用せずにロボット2の作業が完了するか否かの予測、および作業が完了しない場合の作業予定期間の変更の例について説明する。
【0100】
図9および図10は、利用不可期間と変更前の作業予定期間と変更後の作業予定期間との関係の例を示す図である。図9および図10において、1目盛りは5分を示す。図9および図10に示す例では、スケジュール情報122として、3月1日の9:00から9:40までの期間に点検作業が予定されており、当該期間(符号901)が利用不可期間(第1利用不可期間)である。また、図9および図10に示す例では、スケジュール情報122として、3月1日の10:00から10:10までの期間に特定利用者による利用が予定されており、当該期間(符号902)が利用不可期間(第2利用不可期間)である。また、図9および図10に示す例では、スケジュール情報122として、3月2日の10:00から11:00までの期間に点検作業が予定されており、当該期間(符号903)が利用不可期間(第3利用不可期間)である。なお、「変更前の作業予定期間」とは、作業が設定された当初の作業予定期間でもよいし、今回の予測が行われる直前の作業予定期間でもいい。
【0101】
(第1の例)
まず、ロボット2が10:00を始点とし、10:20を終点とする作業予定期間(符号904)中にエレベータ3を利用して建物の1階から4階まで移動する、所要時間5分の作業を予定している例について、図9を用いて説明する。
【0102】
ロボット2の作業が3月1日に行われる予定である場合、図9に示すように、第1利用不可期間(符号901)は、ロボット2の作業予定期間(符号904)の始点よりも前の時間である。また、図9に示すように、第2利用不可期間(符号902)は、ロボット2の作業予定期間と重複する。しかしながら、ロボット2の作業の所要時間は5分であるため、第2利用不可期間が終了した後に作業を行うことで、作業予定期間の終点までに作業を完了することができる。
【0103】
したがって、3月1日に作業を行う場合、ロボット2は、利用不可期間中にエレベータ3を利用せずに作業を完了できる。この場合、予測部212は作業を完了できると予測し、通知部213は通知情報の通知を行わない。
【0104】
(第2の例)
次に、第1の例と同じ作業が3月2日に行われる予定である場合について説明する。図9に示すように、ロボット2の作業が3月2日に行われる予定である場合、第3利用不可期間(符号903)は、ロボット2の作業予定期間(符号904)と重複する。また、第3利用不可期間は、作業予定期間の終点よりも後まで継続する。したがって、ロボット2が予定通りに作業を開始した場合、利用不可期間中はエレベータ3を利用できないため、ロボット2がエレベータ3を利用できるのは11:00以降であり、作業の完了時刻が作業予定期間の終点を超える。また、ロボット2が作業予定期間の終点までに作業を完了するには、作業の開始時刻を作業予定期間の始点より早めることを要すると予測される。
【0105】
以上のように、3月2日に作業を行う場合、ロボット2が利用不可期間中にエレベータ3を利用せずに作業を完了することができない。この場合、予測部212は作業を完了できないと予測し、通知部213は通知情報を通知する。
【0106】
例えば、通知部213は、作業予定期間の始点を早める提案を通知情報に含めて通知する。具体的には、通知部213は、作業予定期間の始点を9:40とする提案を通知情報に含めて通知する。当該提案に基づき、管理者が作業予定期間の始点を早めることを指示する変更指示入力を行った場合、ロボット2の作業情報221が変更される。これにより、作業予定期間が9:40分から10:00までの期間(符号905)となり、ロボット2は第3利用不可期間中にエレベータ3を利用せずに作業を完了することができる。
【0107】
または、通知部213は、作業予定期間の終点を遅らせる提案を通知情報に含めて通知する。具体的には、通知部213は、作業予定期間の終点を11:20とする提案を通知情報に含めて通知する。当該提案に基づき、管理者が作業予定期間の終点を遅らせることを指示する変更指示入力を行った場合、ロボット2の作業情報221が変更される。これにより、作業予定期間が11:00から11:20での期間(符号906)となり、ロボット2は第3利用不可期間中にエレベータ3を利用せずに作業を完了することができる。
【0108】
または、通知部213は、作業を中止する提案を通知情報に含めて通知してもよい。当該提案に基づき、管理者が作業を中止することを指示する変更指示入力を行った場合、ロボット2の作業情報221が変更され、ロボット2がエレベータ3を利用する必要がなくなる。
【0109】
(第3の例)
次に、ロボット2が9:25を始点とし、10:25を終点とする作業予定期間(符号1001)中にエレベータ3を利用して建物の1階から4階まで移動する動作を含む、所要時間40分の作業を予定している例について、図10を用いて説明する。
【0110】
ロボット2の作業が3月1日に行われる予定である場合、図10に示すように、第1利用不可期間(符号901)および第2利用不可期間(符号902)は、ロボット2の作業予定期間(符号1001)と重複する。また、第1利用不可期間の終了後から第2利用不可期間の開始までの間の時間は、ロボット2の作業の所要時間である40分よりも短い。そのため、ロボット2が予定通りに作業を開始した場合、利用不可期間中はエレベータ3を利用できず、さらに、第1利用不可期間の終了後から第2利用不可期間の開始までの間にもエレベータ3を利用できない。したがって、ロボット2が予定通りに作業を開始した場合、ロボット2がエレベータ3を利用できるのは10:10以降であり、作業の完了時刻が作業予定期間の終点を超える。また、ロボット2が作業予定期間の終点までに作業を完了するには、作業の開始時刻を作業予定期間の始点より早めることを要すると予測される。
【0111】
以上のように、3月1日に作業を行う場合、ロボット2が利用不可期間中にエレベータ3を利用せずに作業を完了することができない。この場合、予測部212は作業を完了できないと予測し、通知部213は通知情報を通知する。
【0112】
例えば、通知部213は、作業予定期間の始点を早める提案を通知情報に含めて通知する。具体的には、通知部213は、作業予定期間の始点を8:00とする提案を通知情報に含めて通知する。当該提案に基づき、管理者が作業予定期間の始点を早めることを指示する変更指示入力を行った場合、ロボット2の作業情報221が変更される。これにより、作業予定期間が8:00:から9:00までの期間(符号1002)となり、ロボット2は第1利用不可期間および第2利用不可期間中にエレベータ3を利用せずに作業を完了することができる。
【0113】
または、通知部213は、作業予定期間の終点を遅らせる提案を通知情報に含めて通知する。具体的には、通知部213は、作業予定期間の終点を11:10とする提案を通知情報に含めて通知する。当該提案に基づき、管理者が作業予定期間の終点を遅らせることを指示する変更指示入力を行った場合、ロボット2の作業情報221が変更される。これにより、作業予定期間が10:10から11:10までの期間(符号1003)となり、ロボット2は第1利用不可期間および第2利用不可期間中にエレベータ3を利用せずに作業を完了することができる。
【0114】
または、通知部213は、作業を中止する提案を通知情報に含めて通知してもよい。当該提案に基づき、管理者が作業を中止することを指示する変更指示入力を行った場合、ロボット2の作業情報221が変更され、ロボット2がエレベータ3を利用する必要がなくなる。
【0115】
(第4の例)
次に、第3の例と同じ作業が3月2日に行われる予定である場合について説明する。ロボット2の作業が3月2日に行われる予定である場合、図10に示すように、第3利用不可期間(符号903)は、ロボット2の作業予定期間(符号1001)と重複する。また、作業予定期間の始点から数えて、作業の所要時間が経過するよりも前に第3利用不可期間が開始するため、ロボット2は作業予定期間の始点から作業を開始することはできない。そのため、ロボット2が予定通りに作業を開始した場合、ロボット2がエレベータ3を利用できるのは11:00以降であり、作業の完了時刻が作業予定期間の終点を超える。また、ロボット2が作業予定期間の終点までに作業を完了するには、作業の開始時刻を作業予定期間の始点より早めることを要すると予測される。
【0116】
以上のように、3月2日に作業を行う場合、ロボット2が利用不可期間中にエレベータ3を利用せずに作業を完了することができない。この場合、予測部212は作業を完了できないと予測し、通知部213は通知情報を通知する。
【0117】
例えば、通知部213は、作業予定期間の始点を早める提案を通知情報に含めて通知する。具体的には、通知部213は、作業予定期間の始点を9:00とする提案を通知情報に含めて通知する。当該提案に基づき、管理者が作業予定期間の始点を早めることを指示する変更指示入力を行った場合、ロボット2の作業情報221が変更される。これにより、作業予定期間が9:00から10:00までの期間(符号1004)となり、ロボット2は第3利用不可期間中にエレベータ3を利用せずに作業を完了することができる。
【0118】
または、通知部213は、作業予定期間の終点を遅らせる提案を通知情報に含めて通知する。具体的には、通知部213は、作業予定期間の終点を12:00とする提案を通知情報に含めて通知する。当該提案に基づき、管理者が作業予定期間の終点を遅らせることを指示する変更指示入力を行った場合、ロボット2の作業情報221が変更される。これにより、作業予定期間が11:00から12:00までの期間(符号1005)となり、ロボット2は第3利用不可期間中にエレベータ3を利用せずに作業を完了することができる。
【0119】
または、通知部213は、作業を中止する提案を通知情報に含めて通知してもよい。当該提案に基づき、管理者が作業を中止することを指示する変更指示入力を行った場合、ロボット2の作業情報221が変更され、ロボット2がエレベータ3を利用する必要がなくなる。
【0120】
以上のように、情報処理システム100は、ロボット2が利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業を完了できない場合、端末装置4に通知情報を通知し、管理者に対して作業の予定の変更を提案する。したがって、情報処理システム100は、ロボット2の作業予定が影響を受ける場合に、ロボット2の管理者にその旨を遅滞なく連絡することが可能である。また、通知情報が通知されることで、管理者は作業が予定通りに完了できないことを把握し、必要に応じて作業の予定を変更させることができる。これにより、ロボット2は変更後の作業情報221に基づき、利用不可期間にエレベータ3を利用することなく作業を行う、あるいは作業を中止することができる。
【0121】
〔変形例〕
上述の実施形態では、通知部213は、ロボットの作業予定期間が利用不可期間と重複したとしても、作業予定期間中に作業を完了できるのであれば通知情報を通知しなかった。ここで、通知部213は、作業予定期間中に作業を完了可能であっても、ロボット2の作業予定期間が利用不可期間と重複する場合には通知情報の通知を行ってもよい。この場合、通知部213は、ロボット2が作業を完了可能であること、およびロボット2の作業予定期間が利用不可期間と重複することを示す情報等を通知情報に含めて端末装置4に通知する。
【0122】
例えば、図9に示す例において、3月1日にロボット2が作業を行う場合、ロボット2は利用不可期間中にエレベータ3を利用せずに作業を完了することができる。この場合、ロボット2は、作業予定期間の始点からエレベータ3を利用するのではなく、第2利用不可期間の完了後にエレベータ3を利用して作業を行う。このような状況において通知部213は、ロボット2の作業予定期間が第2利用不可期間に重複すること、およびロボット2の実際の作業開始が第2利用不可期間の終了後である10:10となることを示す情報を通知情報として端末装置4に通知してもよい。
【0123】
〔変形例2〕
上述の実施形態では、ロボット2が取得部211、予測部212および通知部213を備えていたが、この構成に限られない。例えば、情報処理システム100は、エレベータ制御装置1およびロボット2と通信可能に接続され、ロボット2の管理を行う管理装置を備え、管理装置が予測部212および通知部213を備えていてもよい。
【0124】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理システム100(以下、「システム」と呼ぶ)の機能は、当該システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該システムの各制御ブロック(特に制御部11、21に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0125】
この場合、上記システムは、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0126】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0127】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0128】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0129】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0130】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る情報処理システムは、自律走行可能なロボットがエレベータを利用できない利用不可期間を示す情報を取得する取得部と、前記ロボットが、前記エレベータの利用を伴う作業を予定している作業予定期間において、前記利用不可期間に前記エレベータを利用することなく前記作業を完了するか否かを予測する予測部と、前記作業が完了しないと予測される場合、前記ロボットの管理者が使用する装置に所定の通知情報を通知する通知部と、を備える。
【0131】
本発明の態様2に係る情報処理システムは、前記態様1において、前記予測部は、前記作業予定期間の始点から前記作業を開始すると、前記作業の完了時刻が前記作業予定期間の終点を超えると予測される場合、または、前記作業予定期間の終点までに前記作業を完了するためには、前記作業の開始時刻を前記作業予定期間の始点より早めることを要すると予測される場合、前記作業が完了しないと予測してもよい。
【0132】
本発明の態様3に係る情報処理システムは、前記態様1または2において、前記通知情報は、前記利用不可期間に応じて前記作業予定期間の始点を早める提案、前記利用不可期間に応じて前記作業予定期間の終点を遅らせる提案、および、前記作業を中止する提案、の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0133】
本発明の態様4に係る情報処理システムは、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記利用不可期間は、前記エレベータの点検実施期間、および前記エレベータを所定の利用者に利用させる専用運転期間の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0134】
本発明の態様5に係る情報処理システムの制御方法は、自律走行可能なロボットがエレベータを利用できない利用不可期間を示す情報を取得する取得ステップと、前記ロボットが、前記エレベータの利用を伴う作業を予定している作業予定期間において、前記利用不可期間に前記エレベータを利用することなく前記作業を完了するか否かを予測する予測ステップと、前記作業が完了しないと予測される場合、前記ロボットの管理者が使用する装置に所定の通知情報を通知する通知ステップと、を含む。
【符号の説明】
【0135】
2 ロボット
3 エレベータ
4 端末装置(装置)
100 情報処理システム
211 取得部
212 予測部
213 通知部
S11 取得ステップ
S12 予測ステップ
S14 通知ステップ
【要約】
【課題】ロボットがエレベータを利用できない利用不可期間によって、ロボットの作業スケジュールが影響を受ける場合に、ロボット管理者にその旨を遅滞なく連絡する。
【解決手段】情報処理システム(100)は、自律走行可能なロボット(2)がエレベータ(3)を利用できない利用不可期間を示す情報を取得する取得部(211)と、ロボットが、エレベータの利用を伴う作業を予定している作業予定期間において、利用不可期間にエレベータを利用することなく作業を完了するか否かを予測する予測部(212)と、作業が完了しないと予測される場合、ロボットの管理者が使用する装置(4)に所定の通知情報を通知する通知部(213)と、を備える。
【選択図】図1
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