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  • 特許-レコメンドシステム 図1
  • 特許-レコメンドシステム 図2
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  • 特許-レコメンドシステム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】レコメンドシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20241224BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241224BHJP
   G06F 16/9035 20190101ALI20241224BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06Q50/10
G06F16/9035
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020210702
(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公開番号】P2022097238
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】520502385
【氏名又は名称】合同会社 behavioral design
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】小松 洋一
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-055269(JP,A)
【文献】特開2006-099722(JP,A)
【文献】特開2011-060059(JP,A)
【文献】特開2005-333379(JP,A)
【文献】特開2008-186048(JP,A)
【文献】特開2017-073043(JP,A)
【文献】特開2018-190263(JP,A)
【文献】特開2020-154670(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0101903(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの各種属性に関する個人データ及びこれに付帯するメタデータを記憶する第1データベースと、情報提供者の提供データを記憶する第2データベースと、前記第1及び第2データベースに記憶されたデータに基づいて演算処理するサーバーと、ネットワークを通じて前記サーバーと通信する前記ユーザーのユーザー端末及び前記情報提供者の情報提供者端末と、行動予測装置と、を備え、
前記ユーザーにより操作された前記ユーザー端末が前記サーバーと初めて通信を行った際、前記サーバーにより駆動された個人データ取得プログラムに従って、前記ユーザー端末が操作され、前記ユーザーにより入力された前記個人データ及び前記メタデータが前記ユーザーの特定符号と共に前記サーバーに送信されて前記第1データベースに一時的に記憶され、前記ユーザーの初期登録処理が前記サーバーにより実行され、
初期登録処理後の前記ユーザーにより操作された前記ユーザー端末が前記サーバーと通信を行い、前記サーバーにより駆動されたプログラムを前記ユーザー端末が利用すると、前記サーバーは、前記第1データベースから読み込んだ前記個人データ及び前記メタデータに基づき前記行動予測装置により演算を行って、前記ユーザーの次の行動を予測し、
予測データと前記第2データベースに登録された前記提供データとをマッチングする演算を行って、前記ユーザーに対して最適な前記提供データを抽出し、前記ユーザー端末に通知してレコメンドサービスを実行し、
前記ユーザー端末を通じて、表示された前記提供データのレコメンドに対応した操作がなされると、前記サーバーは、表示された前記提供データに対する前記ユーザーの行動データと前記行動予測装置の予測データとを、前記メタデータとして前記個人データに付帯させて、前記ユーザー端末に格納して蓄積させ、前記第1データベースに一時記憶された前記個人データ及び前記メタデータは、後に前記第1データベースから消去される、
レコメンドシステム。
【請求項2】
表示された前記提供データのレコメンドに対応した行動が終了した後、前記ユーザー端末には、前記情報提供者の評価及び前記情報提供者から提供されたサービスの評価のうち少なくとも一方を含む感情データが入力され、当該感情データを、前記メタデータとして前記個人データに付帯させて、前記ユーザー端末に格納して蓄積させ、前記第1データベースに一時記憶された前記個人データ及び前記メタデータは、後に前記第1データベースから消去される、
請求項1に記載したレコメンドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーが真に又は潜在的に求めている情報を、ユーザーに関する各種情報に応じて推奨して提示するレコメンドシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーの様々なニーズを把握するため、WEBサイトの閲覧履歴や位置情報、購買履歴といった個人データを取得することは行われている。この種の個人データは、各事業者によってレコメンドサービスやターゲティング広告に用いられている。
【0003】
例えば特許文献1には、ユーザーに対して施設情報のレコメンド通知を行うシステムが開示されている。特許文献1に記載のシステムでは、ユーザーのカレンダー情報や属性情報に基づいて、ユーザーに予約を促すべき施設が判定され、当該施設に関する所定のレコメンドがユーザー端末に通知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-174166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の通り、従来は、各事業者が独自に個人データを収集して、当該個人データをレコメンドに活用している。しかし、昨今は、個人情報保護法に代表される個人情報保護の観点から、各事業者が独自収集した個人データには利用制限が課されていて、一の事業者が収集した個人データを他の事業者が利用することは想定されていない。このため、複数の事業者が提供するサービスを同一個人が利用する場合、個人データが分散してしまい、紐付けて利用できないという問題があった。
【0006】
また、いずれの事業者も個人データを総合的に収集できないから、個人データが当該個人に関する部分的なものになりがちであり、部分的な個人データに基づき生成されたレコメンドは、ユーザーから見て興味を惹かないものであったり、不要なものであったりすることが多いという問題があった。さらに、ユーザーのニーズを満たさない情報を多く配信したのでは、各事業者にとって情報配信のコストが嵩んでしまうという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような現状を検討して改善を施し、ユーザーのニーズを高精度で満たすレコメンドを生成できるレコメンドシステムを提供することを技術的課題とするものである。
【0008】
本発明のレコメンドシステムは、ユーザーの各種属性に関する個人データ及びこれに付帯するメタデータを記憶する第1データベースと、情報提供者の提供データを記憶する第2データベースと、前記第1及び第2データベースに記憶されたデータに基づいて演算処理するサーバーと、ネットワークを通じて前記サーバーと通信する前記ユーザーのユーザー端末及び前記情報提供者の情報提供者端末と、行動予測装置と、を備え、前記ユーザーにより操作された前記ユーザー端末が前記サーバーと初めて通信を行った際、前記サーバーにより駆動された個人データ取得プログラムに従って、前記ユーザー端末が操作され、前記ユーザーにより入力された前記個人データ及び前記メタデータが前記ユーザーの特定符号と共に前記サーバーに送信されて前記第1データベースに一時的に記憶され、前記ユーザーの初期登録処理が前記サーバーにより実行され、初期登録処理後の前記ユーザーにより操作された前記ユーザー端末が前記サーバーと通信を行い、前記サーバーにより駆動されたプログラムを前記ユーザー端末が利用すると、前記サーバーは、前記第1データベースから読み込んだ前記個人データ及び前記メタデータに基づき前記行動予測装置により演算を行って、前記ユーザーの次の行動を予測し、予測データと前記第2データベースに登録された前記提供データとをマッチングする演算を行って、前記ユーザーに対して最適な前記提供データを抽出し、前記ユーザー端末に通知してレコメンドサービスを実行し、前記ユーザー端末を通じて、表示された前記提供データのレコメンドに対応した操作がなされると、前記サーバーは、表示された前記提供データに対する前記ユーザーの行動データと前記行動予測装置の予測データとを、前記メタデータとして前記個人データに付帯させて、前記ユーザー端末に格納して蓄積させ、前記第1データベースに一時記憶された前記個人データ及び前記メタデータは、後に前記第1データベースから消去されるというものである。
【0010】
本発明のレコメンドシステムにおいて、表示された前記提供データのレコメンドに対応した行動が終了した後、前記ユーザー端末には、前記情報提供者の評価及び前記情報提供者から提供されたサービスの評価のうち少なくとも一方を含む感情データが入力され、当該感情データを、前記メタデータとして前記個人データに付帯させて、前記ユーザー端末に格納して蓄積させ、前記第1データベースに一時記憶された前記個人データ及び前記メタデータは、後に前記第1データベースから消去されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のレコメンドシステムによると、当該レコメンドシステムを利用するユーザーの個人データ及びメタデータが、体験・行動を積み重ねるごとに、感情・満足度を含めて蓄積され、繰り返されるため、ユーザーにとって最適な提供データをレコメンドする精度を向上でき、ユーザーにとって満足度の高いサービスの提供を図れる。複数の事業者や広告提供者が提供するサービスを同一個人が利用する場合であっても、個人データ及びメタデータがユーザー端末に記憶されれば、分散してしまうことがなく、複数の事業者や情報提供者が提供するサービスに紐付けて利用することが可能になる。
【0013】
また、ユーザーの行動・感情の特徴、癖等を収集することによって、過去の行動及び感情を判断基準にでき、これに基づく意思決定の結果を個人データ及びメタデータとして蓄積していくことに、大きな価値が生まれる。例えば、過去の行動・感情の記録を確認できるから、同じような判断を要するケースでは、ユーザーの判断基準の一助になる。
【0014】
ユーザーの行動予測による適時・適切・適量な情報表示のほか、不必要な情報はほとんど表示されなくなり、情報取捨選択、探索時間の短縮といった利便性がある。さらに、情報提供者側からみても、不必要な情報を大量発信して情報通信のコストが嵩む問題を解消できるし、ブランドイメージの低下といったネガティブな要素の抑制にも効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】基本実施形態のレコメンドシステムの構成を示す機能ブロック図である。
図2】第1実施例におけるレコメンドシステムの動作を示すチャート図である。
図3】第2実施例におけるレコメンドシステムの動作を示すチャート図である。
図4】レコメンドシステムにおけるデータの関係を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面(図1図4)に基づいて説明する。
【0017】
基本実施形態のレコメンドシステム10は、ユーザーの各種属性に関する個人データ及びこれに付帯するメタデータを記憶する第1データベースD1と、提供データの一例である広告データを記憶する第2データベースD2とを備えている。また、第1及び第2データベースD1,D2に記憶された各種データに基づいて演算処理する事務局サーバー1は、ネットワークNT(インターネット回線)を通じて、ユーザー端末2や広告提供者端末3に通信可能に構成されている。
【0018】
事務局サーバー1は、ソーシャルネットワークサービス(以下適宜、SNSという)を提供する事業者によって運営されるサーバー装置である。当該事務局サーバー1は、一例として、SNSの提供を受けるクライアント側のコミュニケーションアプリケーションがインストールされたユーザー端末2に対して、各種サービスを提供する。例えば事務局サーバー1は、チャット形式のメッセージ交換サービスを始め、自分のプロフィールやアバター等を公開するマイページ機能、マイページを訪問したユーザーの履歴を参照できる訪問履歴の参照機能、ブログのように簡単にエントリーを更新できる日記帳機能、さらには、後述するレコメンドサービスといったサービスを提供できる。
【0019】
ユーザーにより操作されたユーザー端末2が事務局サーバー1と初めて通信を行った場合、まず、事務局サーバー1により駆動された個人データ取得プログラムに従って、ユーザー端末2が操作される。そうすると、ユーザーにより入力された個人データ及びメタデータがユーザーの特定符号(ユーザーID)と共に事務局サーバー1に送信されて、第1データベースD1に格納(一時的に記憶)される。事務局サーバー1とユーザー端末2との間で上記通信を行うことによって、ユーザーの初期登録処理が事務局サーバー1により実行される。
【0020】
基本実施形態の個人データとしては、例えばユーザーの性別や年齢、在住地域、学歴、職業、所得、家族構成といった人口統計学的属性に関する属性データ(デモグラフィックデータ)、ユーザーの行動範囲や現在位置といった地理的属性に関する属性データ(ジオグラフィックデータ)、並びに、ユーザーのライフスタイルや嗜好、価値観、購買動機といった心理的属性に関する属性データが含まれる。各属性データの種類は、適宜設定したり変更したりすることが可能である。
【0021】
特に基本実施形態では、心理的属性データのうちライフスタイル等に関連するデータに着目し、ユーザーの生活習慣やTODOリスト、定例会議といった普段の予定や、日々ルーティン化していることをユーザー自身が入力することによって、これら個人データが、ユーザーにとって有用な広告データを適時に届けることに活用される。例えば不眠症に悩むユーザーのユーザー端末2に対して、安眠できる枕の広告データを会議中に表示したりしないし、恋人と過ごしているユーザーのユーザー端末2に対して、マッチングアプリで出会った女性からのメッセージを表示したりすることもない。
【0022】
ユーザー端末2から事務局サーバー1に送られる個人データ及びメタデータは、ユーザー端末2の端末記憶部5に記憶された全部であっても一部であってもよい。当該個人データ及びメタデータは、所定の広告データをレコメンドするにおいて、第1データベースD1に一時的に記憶させ、使用後に第1データベースD1から消去し、ユーザー端末2の端末記憶部5には格納して蓄積される設定にするのが好ましい。
【0023】
上記のように構成すると、複数の事業者や広告提供者が提供するサービスを同一個人が利用する場合であっても、個人データ及びメタデータがユーザー端末2の端末記憶部5に記憶されていれば分散してしまうことがなく、複数の事業者や広告提供者が提供するサービスに紐付けて利用することが可能になる(図4参照)。
【0024】
端末記憶部5には、ユーザー又はユーザーに認証された者だけがアクセスできるように、個人データ及びメタデータを格納してもよい。例えば端末記憶部5は、個人データ及びメタデータを秘匿化(個人データ及びメタデータへのアクセスを困難にすること)してもよい。秘匿化の例としては、暗号化や秘密分散等がある。
【0025】
広告提供者により操作された広告提供者端末3が事務局サーバー1と通信を行った場合、事務局サーバー1より駆動された広告登録プログラムに従って、広告提供者端末3が操作される。これにより、広告提供者による広告データが事務局サーバー1に送信されて第2データベースD2に格納(一時的に記憶)される。このような通信がサーバー1と広告提供者端末3との間で行われることによって、各広告提供者の広告データが事務局サーバー1に登録され、事務局サーバー1は、第2データベースD2を確認することによって、各広告提供者が提供した広告データの中からユーザーにとって有用なものを選択し把握できる。
【0026】
次に、図1図2とを参照しながら、マッチングされたユーザー同士(以下適宜、ペアという)の個人データ及びメタデータを収集して特徴を学習することによって、当該ペアに対して所定の広告データをレコメンドする第1実施例について説明する。
【0027】
初期登録処理後のユーザーにより操作されたユーザー端末2が事務局サーバー1と通信を行い、事務局サーバー1により駆動されたSNSプログラムを利用してユーザー同士がマッチングされると、事務局サーバー1は、マッチングされたペアをマッチング結果から特定する。ここで、マッチング結果とは、ユーザー同士が相互に好意を有してマッチングされた結果である。事務局サーバー1は、相互のユーザー端末2にマッチング相手の写真を表示し、相互に好意ありとする操作(例えばクリックやタップ等)を受け付けた場合、相互に好意があると推定して、当該ユーザー同士をペアと特定する。
【0028】
事務局サーバー1は、行動予測装置4を備えている。行動予測装置4は、多数のユーザーの個人データ及びメタデータから、教師モデル及びカスタマージャーニー(ユーザーの行動、思考、感情等のプロセス)を生成し、ユーザーの次の行動を予測する。そして、ユーザーの行動が予測通りだった場合や異なった場合のデータを蓄積し、行動予測の修正を行う。
【0029】
ここで、教師モデルは、ユーザーの行動をできるだけ高精度に予測するためのモデルであり、ユーザーの行動の的中率向上を目指すものではない。個々のユーザーが教師モデルと違う行動をするのは当然であり、むしろ異なる行動データやSNS内の感情データを蓄積することによって、各個人データ及びメタデータをよりユーザーに適合させるためのものである。
【0030】
従って、ユーザーの行動・感情の特徴、癖等を収集することによって、過去の行動及び感情を判断基準にでき、これに基づく意思決定の結果を個人データ及びメタデータとして、ユーザー端末2の端末記憶部5に蓄積していくことに、大きな価値が生まれる。例えば、過去の行動・感情の記録を確認できるから、同じような判断を要するケースでは、ユーザーの判断基準の一助になる。
【0031】
事務局サーバー1は、ペアを特定すると、ペアを構成する各ユーザーの個人データ及びメタデータを、各ユーザー端末2の端末記憶部5又は第1データベースD1から読み込み、行動予測装置4によりペアの各々の個人データ及びメタデータ、教師モデル並びにカスタマージャーニーに基づく演算を行って、ペア(又は各ユーザー)の次の行動を予測する。そして、事務局サーバー1は、予測データと第2データベースD2に登録された各広告データとをマッチングする演算を行って、ペアに対して最適な広告データを抽出し、ペアの各々のユーザー端末2に通知する。つまり、ペアの各々のユーザー端末2に対してレコメンドサービスを実行する。
【0032】
これにより、ペアの各々のユーザー端末2は、ペアに対して最適な広告データを表示画面に表示する。従って、ペアの各々は、ユーザー端末2の表示を通じて、ペアの各々の属性データ(特に心理的属性データ)に対応した広告データを検索することなく確認でき、広告データの内容が気に入れば購入したり予約したりできるから、ユーザーにとって満足度の高いサービスの提供が可能になる。興味を惹かない無駄な広告データをユーザーに見せることがなく、ユーザーにとって利便性向上を図れる。
【0033】
ペアのいずれかのユーザー端末2を通じて、表示された広告データのレコメンドに対応した購入操作や予約操作(例えばクリックやタップ等)がなされると、事務局サーバー1は、表示された広告データに対する購入や予約というユーザー(ペア)の行動データと行動予測装置4の予測データとを、ペアの各々のユーザー端末2における端末記憶部5に、個人データに対するメタデータ(付帯データ)として格納し蓄積(更新・上書きともいえる)させる。
【0034】
ユーザーの行動データと行動予測装置4の予測データとは、個人データに対するメタデータとして、第1データベースD1に格納(一時的に記憶)させてもよい。ユーザーの行動データと行動予測装置4の予測データとは、行動予測装置4における教師モデル及びカスタマージャーニーの更新にも利用される。事務局サーバー1や広告提供者端末3は、ユーザーの行動データと行動予測装置4の予測データとを取得することによって、表示された広告データのコンバージョン率を求めたりしてもよい。
【0035】
表示された広告データのレコメンドに対応した購入や予約・来店が終了した後、ペアの各々のユーザー端末2には、広告提供者の評価及び広告提供者から提供されたサービスの評価のうち少なくとも一方を含む評価データ(感情データ)が入力される。評価データに関しても、各ユーザー端末2の端末記憶部5に、個人データに対するメタデータとして格納し蓄積される。事務局サーバー1は、表示された広告データのレコメンドに対応した購入や予約・来店が終了した後、ユーザー端末2を通じて評価データを受信し、個人データに対するメタデータとして、第1データベースD1に格納(一時的に格納)させてもよい。
【0036】
上記のような個人データ及びこれに付帯するメタデータの収集並びに特徴の学習は、繰り返し行われて蓄積(更新・上書き)される。これにより、ユーザーにとって最適な広告データをレコメンドする精度を向上でき、ユーザーにとって満足度の高いサービスの提供を図れる。個人データ及びメタデータは、第1データベースD1には一時的に記憶可能であるが、ユーザー端末2の端末記憶部5には格納して蓄積されるのが望ましい。
【0037】
次に、図1図3とを参照しながら、ユーザーの個人データ及びメタデータを収集して特徴を学習することによって、当該ユーザーに対してライフサイクルに則した所定の広告データをレコメンドする第2実施例について説明する。
【0038】
初期登録処理後のユーザーにより操作されたユーザー端末2が事務局サーバー1と通信を行い、事務局サーバー1により駆動されたSNSプログラムをユーザー端末2が利用すると、事務局サーバー1は、ユーザーの個人データ及びメタデータをユーザー端末2の端末記憶部5又は第1データベースD1から読み込み、行動予測装置4により個人データ及びメタデータ、教師モデル並びにカスタマージャーニーに基づく演算を行って、ユーザーの次の行動を予測する。そして、事務局サーバー1は、予測データと第2データベースD2に登録された各広告データとをマッチングする演算を行って、ユーザーに対して最適な広告データを抽出し、対応するユーザー端末2に通知する。つまり、対応するユーザー端末2に対してレコメンドサービスを実行する。
【0039】
例えばユーザーの帰宅・移動中に、ユーザーの次の行動(帰宅後の夕食準備等)を予測して、近くを通る最寄りの店舗(スーパーマーケット等での安売りデータ等)に関する広告データをユーザー端末2に表示するのである。
【0040】
これにより、ユーザー端末2は、ユーザーに対して最適な広告データを表示画面に表示する。従って、ユーザーは、ユーザー端末2の表示を通じて、ユーザーの属性データ(特に心理的属性データ)に対応した広告データを検索することなく確認でき、広告データの内容が気に入れば購入したり予約したりできる。このため、第1実施例の場合と同様に、ユーザーにとって満足度の高いサービスの提供が可能になる。興味を惹かない無駄な広告データをユーザーに見せることがなく、ユーザーにとって利便性向上を図れる。
【0041】
ユーザー端末2を通じて、表示された広告データのレコメンドに対応した購入操作や予約操作(例えばクリックやタップ等)がなされると、事務局サーバー1は、表示された広告データに対する購入や予約というユーザーの行動データと行動予測装置4の予測データとを、ユーザー端末2の端末記憶部5に、個人データに対するメタデータ(付帯データ)として格納し蓄積(更新・上書きともいえる)させる。
【0042】
この場合も、ユーザーの行動データと行動予測装置4の予測データとは、個人データに対するメタデータとして、第1データベースD1に格納(一時的に記憶)させることが可能である。第1実施例の場合と同様に、ユーザーの行動データと行動予測装置4の予測データとは、行動予測装置4における教師モデル及びカスタマージャーニーの更新にも利用される。事務局サーバー1や広告提供者端末3は、ユーザーの行動データと行動予測装置4の予測データとを取得することによって、表示された広告データのコンバージョン率を求めたりしてもよい。
【0043】
表示された広告データのレコメンドに対応した購入や予約・来店が終了した後、ペアの各々のユーザー端末2には、広告提供者の評価及び広告提供者から提供されたサービスの評価のうち少なくとも一方を含む評価データ(感情データ)が入力される。評価データに関しても、各ユーザー端末2の端末記憶部5に、個人データに対するメタデータとして格納し蓄積される。事務局サーバー1は、表示された広告データのレコメンドに対応した購入や予約・来店が終了した後、ユーザー端末2を通じて評価データを受信し、個人データに対するメタデータとして、第1データベースD1に格納(一時的に記憶)させてもよい。
【0044】
上記のような個人データ及びこれに付帯するメタデータの収集並びに特徴の学習は、繰り返し行われて蓄積(更新・上書き)される。これにより、ユーザーにとって最適な広告データをレコメンドする精度を向上でき、ユーザーにとって満足度の高いサービスの提供を図れる。この場合も、個人データ及びメタデータは、第1データベースD1には一時的に記憶可能であるが、ユーザー端末2の端末記憶部5には格納して蓄積されるのが望ましい。
【0045】
なお、本発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例えば提供データとしては、広告データに限定されるものではなく、本発明のレコメンドシステムを教育事業に用いる場合は、学習進度等によって様々な難易度の問題データを採用すればよいし、ジョブ型タスクの管理事業に用いる場合は、上司からの指示、課題、同僚からのヘルプ、会議議事録、取引先からのオーダーといったタスクデータを採用することができる。
【符号の説明】
【0046】
D1 第1データベース
D2 第2データベース
NT ネットワーク
1 事務局サーバー
2 ユーザー端末
3 広告提供者端末
4 行動予測装置
5 端末記憶部
10 レコメンドシステム
図1
図2
図3
図4