(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】MRI互換装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20241224BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20241224BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20241224BHJP
A61M 25/095 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
A61B5/055 390
A61M25/00 620
A61M25/09
A61M25/095
(21)【出願番号】P 2021521378
(86)(22)【出願日】2019-10-21
(86)【国際出願番号】 US2019057297
(87)【国際公開番号】W WO2020082091
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-10-07
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518088392
【氏名又は名称】トランスミュラル システムズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Transmural Systems LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】コカトゥルク, オズギュル
(72)【発明者】
【氏名】ラフィー, ナセル
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-522021(JP,A)
【文献】特表2006-517838(JP,A)
【文献】特表2004-514485(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0064176(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路を有するインターベンション核磁気共鳴画像法(iMRI)医療装置であって、生体内に挿入される構成の装置において、
前記MRI医療装置は、前記MRIスキャナの共鳴周波数に合致するように適応及び構成される共鳴周波数を有し、前記MRI医療装置に沿って第1の送信線を画定し、
前記第1の送信線は、
第1の組織タイプの電気インピーダンスに合致するように構成される第1の電気インピーダンスを有する第1の回路セグメントであって、前記第1の回路セグメントから前記第1の組織タイプへと流れる電流を低減する、第1の回路セグメントと、
前記第1の回路セグメントに動作可能に接続される第2の回路セグメントであって、前記第1の電気インピーダンスとは異なる第2の電気インピーダンスを有する、第2の回路セグメントと、
から少なくとも形成され、
前記第2の電気インピーダンスは、前記第1の組織タイプとは異なる第2の組織タイプの電気インピーダンスと合致するように構成され、前記第2の回路セグメントから前記第2の組織タイプへと流れる電流を低減する、
MRI医療装置。
【請求項2】
前記第1の回路セグメントと前記第2の回路セグメントとは、異なるジオメトリを有する、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項3】
前記第1の回路セグメントと前記第2の回路セグメントとは、異なる厚さを有する、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項4】
前記第1の回路セグメントと前記第2の回路セグメントとは、異なる幅を有する、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項5】
前記第1の回路セグメントと前記第2の回路セグメントとは、同じ材料から作られる、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項6】
前記第1の回路セグメントと前記第2の回路セグメントとは、異なる材料から作られる、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項7】
前記第1の回路セグメントと前記第2の回路セグメントとは、基板上に堆積された少なくとも1種の導電インクから形成される、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項8】
前記第1の回路セグメントと前記第2の回路セグメントとは、基板上に堆積された異なる導電インクから形成される、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項9】
前記第1の回路セグメント及び前記第2の回路セグメントの少なくとも一方は、MRスキャナの背景磁場B
0に対応する適用されるRF信号の波長の約4分の1未満の長さを有する、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項10】
前記第1の回路セグメント及び前記第2の回路セグメントの少なくとも一方は、約0.55テスラの背景磁場B
0に対応する適用されるRF信号の波長の約4分の1未満の長さを有する、請求項9に記載のMRI医療装置。
【請求項11】
前記第1の回路セグメント及び前記第2の回路セグメントの少なくとも一方は、それぞれ、約1.5テスラから約3.0テスラの間の背景磁場B
0に対応する適用されるRF信号の波長の約4分の1未満の長さを有する、請求項9に記載のMRI医療装置。
【請求項12】
インプラントを含む、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項13】
軟性カテーテルを含む、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項14】
内視鏡を含む、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項15】
ガイドワイヤを含む、請求項1に記載のMRI医療装置。
【請求項16】
前記第1の送信線に動作可能に接続されるアクティブマーカコイルをさらに備え、
前記アクティブマーカコイルは、周囲の組織から磁気共鳴信号を受信し、前記磁気共鳴信号を前記第1の送信線に沿って前記MRIスキャナへと向けるように構成され、周囲の臓器に対する前記アクティブマーカコイルの物理的な位置の可視化を容易にする、
請求項1のMRI医療装置。
【請求項17】
前記アクティブマーカコイルは、ソレノイドコイルを含む、請求項16のMRI医療装置。
【請求項18】
前記アクティブマーカコイルは、サドルコイルを含む、請求項17のMRI医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2018年10月19日に出願された米国特許出願番号62/748,026に対する優先権を請求する。上記の特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、インターベンション核磁気共鳴画像法の処置において、埋込式の高周波(RF)アンテナを介して能動的に視覚化されるように設計されるインターベンション装置に関する。
【背景技術】
【0003】
介入的核磁気共鳴画像法は、インターベンション処置中に使用される従来のX線透視法の代替として大きな可能性がある。しかしながら、MRIによるインターベンション装置の視覚化は、X線型の処置に使用される市販のv装置と比較して、より複雑である。本開示は、これら及び他の問題を解決するために提供される。
【発明の概要】
【0004】
本開示の利点は、以下の説明により記載され、明らかとなる。本開示のさらなる利点は、記載される説明、請求の範囲、及び付される図面において具体的に示される方法及びシステムにより実現及び達成される。
【0005】
経皮的心血管手術等の手術を実行する際には、血管構造内を案内し、心臓診断又は治療カテーテル法等のインターベンション処置、心臓アブレーション、胸、肺、脳、又は前立腺バイオプシー等の腫瘍学的処置、薬剤/造影剤注入、及びその他を安全に実行するために、装置のカテーテルの遠端位置及びシャフト全体を視覚化する必要がある。
【0006】
MRIにおける装置の視覚化には、パッシブビジュアライゼーション及びアクティブビジュアライゼーションの2つの技術がある。パッシブビジュアライゼーションは、核磁気共鳴画像法においてシグナル・ボイドを引き起こす金属成分の内在性感受性アーチファクトに依存する。パッシブビジュアライゼーション装置は、主磁場に対する装置の配置に依存してコントラストが乏しく、実際の装置のプロファイルよりも大きい画像アーチファクトをしばしば生成する。アクティブビジュアライゼーション装置には、高周波受信アンテナが組み込まれている。MRIスキャナのRFボディコイルを介したRF励起の後、身体内の励起した水素陽子は遷移して戻り、RF波を放射する。これらのRF波は、これらの金属陽子の近接するRF受信アンテナにより受信され得る。アンテナのSNR(信号対雑音比)は、MRIスキャナのラーモア周波数(共鳴周波数)へのアンテナのチューニングに密接に関わっており、また、スキャナのRFコイルプラグのインピーダンスと合致する。一般的に、ループ又はコイルアンテナは、インターベンションMRI(iMRI)における遠端の視覚化に使用され、リアルタイムMRIガイダンスにおいて「輝点」として現れる。典型的には、モノポール又はバイポールアンテナがシャフト全体の視覚化に使用される。
【0007】
しかしながら、受信した信号のプロファイル及び受信した信号の信号対雑音比(SNR)は、RF受信アンテナのジオメトリ並びに導電層の間の導電材料及び絶縁材料に依存する。従来のRF受信アンテナは、ワイヤ、ロッド、シート、ツイストペア、同軸ケーブル又はチューブの形状を有する絶縁又は裸導体を使用して製造される。従って、受信した信号のプロファイルに影響を与える各アンテナ部品の特有のインピーダンス値の微調整は、現実的ではない。
【0008】
本開示は、1つのアンテナ部品の特定部分のインピーダンス値を制御することができる実施形態を提供する。アンテナ全体の特有のインピーダンスは誘導的であるが、アンテナ部品のプロファイルを変更することにより、アンテナに受信された信号のプロファイルを調整するための容量性サブセクションを形成することができる。これは、例えば、アンテナの異なる部分を広い/狭い及び/又は厚い/薄い導電材料を有するサブセクションから作ることにより達成可能である。さらに、アンテナ全体の受信した信号のプロファイルを正確に制御するために、導体の導電性自体が選択されてよい。これにより、物理装置自体よりも小さい信号プロファイルを有する、改善されたMRI装置を得ることができる。これにより、重要な身体構造の画像は不明瞭となることを防止できる。
【0009】
医師は、通常、先端及びシャフトの両方の視覚化を同時に求める。腫瘍バイオプシー等の特定の応用において、医師は、挿入された針全体の長さをリアルタイムで知る必要がある。従って、周知のアクティブインターベンションMRI装置は、装置全体のプロファイルを増加させ、また、機械的性能に悪影響を与える複数のRF受信アンテナ部品が組み込まれているという不備がある。
【0010】
さらに、金属成分が組み込まれるアクティブ装置は、MRIスキャンの間、RFに起因する熱のリスクにさらされる。通常、金属部分の電気的な長さがラーモア周波数に匹敵する(すなわち、スキャナRF送信システムの4分の1波長)時、熱の量は、国際標準(ASTM2182)に基づく許容される範囲(胴体周辺において2℃)を超えることがある。
【0011】
装置による視覚化のために、従来のアクティブMRI装置は、高導電性のアンテナ部品及び送信線を有し、最小限の信号ロスで受信したRF信号をMRスキャナに送る。しかしながら、これらの導電構造は、また、MRIスキャン中はRF送信電力に接続されてよく、RF誘導電流が装置に流れる。インターベンション処置中のアクティブMRI装置の周囲の血管及び組織は、高い電気抵抗を有する。RF誘導電流がアクティブ装置から周囲の組織に(すなわち、装置に沿って最も高い電流密度を有するアクティブ装置の遠端から)流れると、その後、装置と組織との接点に抵抗加熱が生成され、患者にとって危険な急激な温度増加が起こる。インピーダンス差を減少させることで抵抗加熱を低減させることができるため、装置の電気特性が周囲の身体構造のインピーダンスに合致又はほぼ合致するように構成することにより、上記の問題を解決できると出願人は認識した。
【0012】
従って、本開示の1つの目的は、装置の機械的性能を変化させずに1つのアンテナ設計を使用して装置プロファイル上の全ての望まれる位置を視覚化し、また、導電構造の特定部分の特性インピーダンスをシームレスに変更することにより装置本体のRF誘導加熱を最小化するように使用できる装置を構築することが可能なRF受信アンテナの製造方法を提供する。
【0013】
本明細書に記載される本開示の目的に従ってこれら及び他の利点を達成するために、1つの実施形態において、本開示は、iMRI処置において装置が拡大プロファイルを投影しない限り、その位置を決定することができるMRI互換回路を有する医療装置を提供する。そのような装置を示す実施形態は、基面と、基面上に配置される第1の導電層と、第1の導電層の少なくとも一部上に配置される第1の絶縁層と、第1の絶縁層の少なくとも一部上に配置される第2の導電層と、を備える。
【0014】
いくつかの実装例において、第1の導電層及び第2の導電層の一方又は両方は、個別の複数の導電材料から形成されてよい。例えば、第1の導電層及び第2の導電層は、異なる厚さ及び/又は異なる幅を有する等の異なるジオメトリを有する導電材料で交互に構成することにより、異なるインピーダンスを有する導電材料により交互に形成されてよい。例えば、個別の複数の導電材料は、同じバルク電気特性、同じ材料を有する材料から、又は異なる材料から作られてよい。第1の導電層及び第2の導電層の一方又は両方は、それぞれ、例えばインピーダンスの不一致による身体構造周辺の境界で起こる熱を防止又は最小化するために、医療装置に隣接する身体構造とほぼ一致するインピーダンスを有するように選択的に形成されてよい。
【0015】
いくつかの実装例において、第1の導電層は、第1の送信線の少なくとも一部を形成してよく、さらに、第2の導電層は、第2の送信線の少なくとも一部を形成してよい。
【0016】
必要に応じて、交互の導電材料は、それぞれ、MRスキャナの背景磁場B0に対応する適用されるRF信号の波長の約4分の1未満の長さを有し、それにより、導電材料における定常波の加熱効果を低減、最小化、又は防止する。例えば、交互の導電材料は、0.1T単位の0.1T~約10Tの適用されるRF信号の背景磁場の波長の約4分の1未満であってよい。
【0017】
必要に応じて、第1の導電層及び第2の導電層の一方又は両方は、医療装置上にプリントされてよい。例えば、第1の導電層及び第2の導電層は、異なる材料を使用して医療装置上にプリントされてよく、また、異なるジオメトリを有する構成で医療装置上にプリントされてよい。必要に応じて、第1の導電層が医療装置上にプリントされる。あるいは、第1の導電層、第2の導電層、及び第1の絶縁層の少なくとも1つは、プリント以外の技術を使用して形成されてよい。例えば、第1の導電層、第2の導電層、及び第1の絶縁層の少なくとも1つは、特に、化学蒸着、プラズマ化学蒸着、化学エッチング、及びレーザーアブレーションの1つ以上を使用することにより、少なくとも部分的に形成されてよい。必要に応じて、第1の導電層及び第2の導電層は、医療装置上にシート状の平面導体を接着することにより形成されてよい。第1の絶縁層は、医療装置の少なくとも一部の周りにポリマー体を熱収縮させることにより、少なくとも部分的に形成されてよい。
【0018】
いくつかの実装例において、その上に第1の導電層が形成される基面は、絶縁材料により形成されてよい。必要に応じて、装置は、基面の表面の少なくとも一部の上及び第1の導電層の少なくとも一部の下に配置される絶縁材料の層を備えてよい。必要に応じて、層は、さらに、第2の導電層の上に配置される絶縁材料の層を備えてよい。
【0019】
いくつかの実装例において、装置は、さらに、第1の導電層及び第2の導電層の少なくとも一方に電気的に接続される、医療装置上に配置される少なくとも1つの導電巻線を備えてよい。必要に応じて、第1の導電層は、第1の絶縁層がない位置において、第2の導電層に電気的に接続されてよい。いくつかの実装例において、基面は、装置の少なくとも一部上に被せられるように構成される絶縁スリーブを備えてよい。
【0020】
いくつかの実装例において、医療装置は、インターベンションMRI(iMRI)医療装置であってよい。例えば、iMRI装置は、特に、針、カテーテル、装置デリバリカテーテル、ガイドワイヤ、内視鏡、軟性カテーテル、インプラント、シャント、ステント、ペースメーカー、及びペースメーカーリード等の心血管医療装置であってよい。iMRI装置は、脊椎ロッド、椎弓根スクリュー、骨板、ピン、椎体間固定装置、その他等の整形外科医療装置であってよい。iMRI装置は、バイオプシー針、プローブ、染料導入カテーテル、その他等の診断医療装置であってよい。いくつかの実装例において、iMRI装置は、内視鏡、電気外科切開器具、超音波切開装置、外科用メッシュ、その他等の腹腔鏡手術装置であってよい。いくつかの実施形態において、iMRI装置は、子宮マニピュレータ、組織切開装置、プローブ、電気メス装置、その他等の婦人科医療装置であってよい。必要に応じて、iMRI装置は、インプラント、ニューロモデュレーション装置、パッチ、その他等の治療医療装置であってよい。いくつかの実施形態において、iMRI装置は、インプラント、RFIDタグ、可食ピル、その他等の吸収性医療装置であってよい。
【0021】
いくつかの実装例において、基面上にプリントされる導電層を備えるMRIマーカ及びその製造方法が提供される。
【0022】
さらなる実装例において、本開示に係る装置の製造方法が提供される。
【0023】
また、本開示は、MRI互換回路を有する医療装置の実装例を提供する。医療装置は、押出体により少なくとも部分的に形成される延伸本体を備え、延伸本体は、少なくとも1つの送信線を備える。少なくとも1つの送信線は、互いに電気的に絶縁された導体の編組ツイストペアにより少なくとも部分的に形成されてよい。
【0024】
必要に応じて、医療装置は、複数の送信線を備えてよい。各送信線は、、互いに電気的に絶縁された導体の編組ツイストペアにより少なくとも部分的に形成されてよい。必要に応じて、医療装置は、さらに、押出体に接続される針を備えてよい。導体の編組ツイストペアの少なくとも1つの導体は、絶縁コーティングを備えてよい。いくつかの実装例において、導体の編組ツイストペアは、ポリマー材料の2つの共押出層の間に配置されてよい。別の実施形態において、編組層は、内側シャフト又は内側管状部材と、ポリマーの浸漬層により形成される若しくは内側シャフト又は内側管状部材及び編組材料の周囲において収縮する収縮チューブの層により形成される外側環状部材との間に配置されてよい。本開示は、さらに、編組装置を提供し、少なくとも一対の導体をツイストペア配置に編組して、医療装置の少なくとも一部を形成することを備える、装置の製造方法を提供する。
【0025】
上記の概略的な記載及び下記の詳細な説明は例であり、本開示の実施形態についてさらなる説明を提供することを意図するものであることが理解される。添付される図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本開示の方法及びシステムを図示し、さらなる理解を提供するために含まれる。図面は、説明と共に本開示の原理を説明するために供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】
図2は、本開示に係る、装置表面に直接プリントされるRFアンテナ設計の複層構造を示す。
【
図3】
図3は、本開示に係る、iMRI装置のアイソメトリックレンダリングの例を示す。
【
図4】
図4は、本開示に係る、複数のヘッドを備える導電及び絶縁インクプリントシステムの図の第1のセットを示す。
【
図5】
図5は、本開示に係る、アンテナプリントシステムのさらなる図を示す。
【
図6】
図6は、カテーテル上へのRF受信アンテナのプリントの例を示す。
【
図7】
図7は、RF誘導加熱を最小化するための、その周囲とインピーダンスが一致する送信線設計の例を示す。
【
図8】
図8は、マンドレル上に設置されたポリマーライナー上に形成される編組層を示す実施形態を示す。
【
図9】
図9は、マンドレル上に設置されたポリマーライナー上に形成される編組層を示す実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の好適な実施形態について、添付される図面を参照にして詳細に説明する。本実施形態の方法及び対応する手順は、システムの詳細な説明と共に説明される。
【0028】
本開示は、インターベンションMRI(いわゆるiMRI)処置に有用な装置の実施形態を提供する。出願人は、よりMRIとの互換性が強い、手術器具及びインプラント等の装置を製造するために様々な試みがあったと認識している。しかしながら、そのような装置は欠点を有していた。
【0029】
参照のために、
図1は、核磁気共鳴システムの例を示し、核磁気共鳴システムは、装置の中心穴12の縦軸又はZ軸に沿って均一、一時的、一定の磁場B
0を生成する複数の一次磁気コイル10を備える。超伝導の好適な実施形態において、一次磁気コイルは、型14により支持され、環状ヘリウム容器又はカン16に受けられる。一次磁気コイルを超伝導温度に維持するために、容器はヘリウムで満たされる。カンは、魔法瓶20において支持される一連の冷シールド18により囲まれている。もちろん、環状抵抗性の磁石、C磁石、その他が考慮されてもよい。
【0030】
全体勾配磁場コイルアセンブリ30は、勾配磁場Gx、Gy、Gzを生成するために、穴12に取り付けられるx、y、zコイルを備える。好適には、勾配コイルアセンブリ30は、誘電型に入れられる一次x、y、zコイルアセンブリ32及び魔法瓶20の円筒を画定する穴に支持される二次x、y、zコイルを備える自己遮蔽勾配コイルである。全体高周波コイル36は、勾配コイルアセンブリ30の内部に取り付けられる。銅メッシュ等の全体高周波シールド38は、全体高周波コイル36及び勾配コイルアセンブリ30に取り付けられてよい。必要に応じて、挿入可能高周波コイル40が、磁石10のアイソセンタの周囲に画定される試験領域内の穴に着脱可能に取り付けられてよい。
図2の実施形態において、挿入可能高周波コイル40は、患者の頭及び首の一方又は両方を画像化するための頭コイル及び首コイルであるが、膝コイル、肩コイル、胸コイル、手首コイル、脊椎を画像化するための後コイル、その他等の他の四肢コイルであってよい。
【0031】
図1を続けて参照すると、ビデオモニタ52等のヒトが読めるディスプレイと、キーボード54、マウス56、トラックボール、ライトペン、その他等のオペレータ入力装置とを備えるオペレータインターフェース制御ステーションが提供される。また、RFパルスが画像化調査の一部で使用される場合にシーケンス制御メモリに保存される複数の予めプログラムされた核磁気共鳴シーケンスからオペレータが選択できるようにするためのハードウェア及びソフトウェアを備えるコンピュータ制御及び再構築モジュール58が提供される。シーケンス制御部60は、選択された勾配シーケンスの間の適切な時間に勾配磁場Gx、Gy、Gzを生成するための、勾配コイルアセンブリに接続される勾配増幅器62と、RFパルスが調査に使用される場合に選択されたシーケンスの通りの時間に高周波場パルスB
1を生成するように全体及び挿入可能高周波コイルの選択された一方を動かすデジタル送信機64と、を制御する。
【0032】
コイル40により受信されたMR信号は、デジタル受信機66により復調され、データメモリ68に保存される。データメモリからのデータは、再構築又はアレイプロセッサ70により、画像メモリ72に保存される容量画像表示に再構築される。位相配列が受信コイルアセンブリとして使用される場合、画像は、コイル信号から再構築されてよい。オペレータの制御下のビデオプロセッサ74は、従来技術におけるビデオモニタ上での表示のように、容量画像表示の選択された部分をスライス画像、投影画像、斜視図、その他に変換する。
【0033】
さらに、本開示によれば、MRI互換回路を有する医療装置が提供される。装置の例は、基面と、基面上に配置される第1の導電層と、第1の導電層の少なくとも一部上に配置される第1の絶縁層と、第1の絶縁層の少なくとも一部上に配置される第2の導電層と、を備える。
【0034】
本開示の実施形態は、アクティブインターベンションMRI装置、システム、及び方法を含む。いくつかの実施形態において、装置は、基板上に導体及び/又は絶縁層をプリントすることにより、少なくとも部分的に形成されるアンテナを備える。特に、本開示は、本明細書に記載されるように、プリント又は他の手段で形成された、インターベンション装置に埋め込まれた複層RFアンテナアセンブリと、RF信号一致/離調回路と、を備える。
【0035】
実施形態の例において、本開示は、先端及びシャフトを視覚化し、従来のアンテナ部品を使用せず、また、機械的性能を妥協せずにMRI下のRF誘導加熱を最小化するために、駆動シャフト又は部品上に直接プリントされる(単一アンテナ設計等の)RF受信アンテナ設計を提供する。これらの一体化された機能を備えるアクティブインターベンションMRI装置は、安全な臨床操作を保証することにより、インターベンションMRIの分野において飛躍的な進歩をもたらす。
【0036】
図2は、表面を有する裸針202の基層を示すMRI針の例を示す分解図である。第2の絶縁層204は、基層上にプリント、あるいは体積される。例えば、層204は、熱収縮チュービング、202の表面上への絶縁材料のプリント、ポリマーへの浸漬、その他により形成される。導電材料の第1の層は、本明細書に記載される任意の方法により、送信線の下地層206として、層204の上に形成される。次に、第2の絶縁層208は、任意の好適な技術を使用して下地層206上に堆積される。次に、導電材料210の第2の層は、さらなる送信線及びループコイルとして図示される1つ以上のアンテナコイルを備え、任意の好適な技術を使用して形成される。次に、最後の絶縁層212は、例えば、層212上に形成又は熱収縮される。
【0037】
図2に示される装置の全ての層は、本明細書に記載及び/又は言及される方法を含む任意の好適な方法を使用して形成されてよいが、それらには限定されない。例えば、1つ以上の層を形成するために、本明細書に記載される方法の組み合わせが使用されてよい。1つの実施形態において、絶縁層は、熱収縮、浸漬、プリント、その他を使用して形成され、当該層は、その下の導体を露出するようにエッチング又は切除されてよく、その後、次の導電層と電気的に接触するように配置されてよい。任意の好適な回路を形成するために、任意の好適な数の導電材料及び絶縁材料の層が使用されてよい。さらに、装置の表面上に、任意の層が完全又は部分的に形成されてよい。
図3は、
図2に示される構成要素の最終的なアセンブリを示す。
【0038】
実施形態の例において、
図4乃至6に示されるように、RFアンテナプリントシステムは、インターベンション装置シャフト(例えば、
図2の202)等の基板上にRFアンテナ設計の各層をプリントするように構成される4軸CNCシステムの形態で図示される。図示される実装例において、インターベンション装置シャフトは、中空シャフト回転軸に取り付けられてよく(
図4、Detail”B”)、プリンティングヘッドは、直線軸(例えば、Z軸)の1つに取り付けられてよく、また、プリンティングヘッドは、回転軸を中心にシャフトを回転させ、Z(縦)軸に沿ったワークピース及び/又はプリンティングヘッドの高さを調節することでプリント動作を達成するために、他の2つの軸(X及びY軸)動いてよい。
【0039】
単一チャンネルRFアンテナ設計は、例えば、3D設計ソフトウェアを使用して複数の層から形成されてよい。アンテナ及び/又は送信線の特定の部分は、高インピーダンスインク(すなわち、隣接する組織又は解剖学的構造の複素インピーダンスにほぼ合致する)によりプリントされるようにマークされてよい。この製図は、後処理ソフトウェアを使用して標準Gコードに変換されてよく、アンテナ部品の複素インピーダンスを変更し、また、駆動シャフトにRFアンテナをプリントする間に2つの隣接する導電層の間に絶縁層を含むためにインク源を変更するために、特殊Mコードが割り当てられてよい。その全長にわたって均質なプロファイルを有する従来の送信線(すなわち、同軸ケーブル又はツイストペア)を使用する代わりに、開示される新規のRFアンテナは、プリント及び/又は蒸着、箔、化学エッチング、レーザーアブレーション、その他を含む他の方法により全てが形成されているか又は部分的に形成されているかに関わらず、MRIスキャン中のアンテナに沿った容量性及び誘導性カップリング効果の制御を可能にし、また、RFトラップ、バラン、LCタンク、その他等のあらゆる大きいRF回路要素を追加せずに、RFアンテナ上のRF誘導加熱の制限を補助する。
【0040】
図2乃至7に示される実施形態において、開示されるRFアンテナプリントシステムは、アンテナのプリント中に導電又は絶縁インクの特性を制御可能に調整することを可能にする、複数の印刷用インクカートリッジ及びノズルを収容する回転プリントヘッドを有する。回転プリントヘッドの位置は、ステッピング/サーボモータを通じて制御されてよい。ノズルは、特に、分配、噴射、又はプレスすることにより、装置のシャフトの表面にインクを塗布してよい。
【0041】
1つの実施形態において、RFアンテナ設計プリントシステムは、4軸CNCコントローラの1つの軸(X、Y、Z、及びA(回転)軸)上に取り付けられた、導電及び絶縁インクノズルの両方が組み込まれる分配ユニットを有する。性能を発揮するためのRF設計データ及びシミュレーションの結果に基づいて、デジタルRFアンテナ設計は、複数の層に分割されてよく、デジタル設計ファイルは、Gコード(CNC機械用の汎用プログラム言語)に変換されてよく、Gコードは、目標のRFアンテナジオメトリがCNCユニットにより装置シャフト又は部品上にプリントされるように、後処理ソフトウェアにより作成される。これは、開示されるマルチヘッド分配ユニットによりアンテナ部品をプリントすることで達成される。分配ユニットは、ユーザが準備した設計ファイルに基づいて装置表面上に異なる導電及び絶縁インクをプリントするための複数のノズルを有してよい。従って、システムは、例えば設計に従う好適な電気的及び機械的特性を達成するために、2つの異なるインクを混合してよい。
【0042】
回転スイッチ機構は、例えば分配ヘッドを回転させることにより、導電インクのプリントと絶縁インクのプリントとを切り替えてよい。導電及び絶縁インクノズルは、プリントヘッドに取り付けられてよく、回転ヘッド上のアクティブノズルを変更することにより好適な導電性を達成可能であり、プリント速度を変更することにより(軸が早く動くほどプリントされる構造が薄くなる)好適なジオメトリ(例えば、線、幅、厚さ、及び配列)を達成可能である。アンテナ部品のジオメトリ(例えば、線、幅、厚さ、及び配列)及び絶縁層の厚さを変更することにより、アンテナインピーダンス全体の誘導特性を大幅に変更せずにアンテナ全体の信号プロファイルを変更できる、目標の小さな部分における高い容量性インピーダンスを達成できる。これは、従来のRFアンテナ製造方法では現実的ではなかったが、ユーザは、この柔軟性により、医療同意シャフト又は部品上に、想定されるアンテナ設計とほぼ同一のRF受信アンテナを設計及び製造することができるようになる。
【0043】
さらなる実施形態において、RF受信アンテナの導電要素のインピーダンス値は、プリント中に、アクティブ医療装置の装置全体のプロファイルを変更せずに調整可能あり、それにより、誘導磁場を増幅させるように設計される部分が低インピーダンスインクによりプリント可能となり、長い送信線の特定の部分が薄いコーティングで絶縁されたより幅の広い線でプリント可能となり、送信線及びその周囲環境の容量性カップリングが向上する。これは、導電インクの種類を交互に変更することで各アンテナ部品の特性インピーダンス及び幾何学的形状をシームレスに変更すること、及び製造中に通常の導電送信線材料(すなわち、絶縁ワイヤ、ツイストペア、又はマイクロ同軸ケーブル)を使用する代わりにプリントヘッドの移動速度を変更することにより達成される。
【0044】
導電材料の層は、所定の位置に混合された導電インクをプリントすることにより、並びに/又は異なる導電インクをそれぞれの上及び/若しくは横に直接積層することにより、形成されてよい。所定の回路経路は、例えば、基板の表面に沿った絶縁材料及び/又は空間的な分離により他の位置と分離される選択された位置の導電材料の層を結合させることにより、層の経路上に形成されてよい。
【0045】
別の実施形態において、MRI下で1つに位置の空間的位置を見つけるため補助のためのRF共鳴マーカが形成されてよい。例えば、そのようなマーカは、LCタンク回路を形成するための隣接する層の導電構造の幅及び絶縁材料の厚さを調整することにより、駆動シャフト又は部品上にプリント可能である。これにより、受信したRF信号をアクティブインターベンション装置用のスキャナに送信するために必要な長い送信線を無くすことができる。
【0046】
さらなる別の実施形態において、RFアンテナは、RFアンテナ全体及びその送信線の電気的な長さが複数のサブセクションに分割できるように駆動シャフト上にプリント可能であり、各サブセクションの長さは、スキャナの背景磁場B
0に対応する波長(例えば、1.5テスラにおいて64MHz)における水素のラーモア周波数の4分の1の波長に相当し(又はそれ以下であり)、その複素インピーダンスは、隣接する組織又は解剖学的構造(
図7)に相当するように構成されてよい。これは、所定の間隔で導電インクを変更し、各セグメントがその周囲の解剖学的構造と合致するインピーダンスを有するようにすることで達成できる。それにより、誘導電流密度は、シャフトに沿って均質となり、駆動シャフト沿いに発生するあらゆる「熱い場所」を抑止することができる。また、この設計は、アクティブ装置全体のプロファイル及び機械的性能の両方に悪影響を与え得る送信線沿いのRFトラップ又はバランを形成させる大きなアナログで電気的な部品を備える必要を排除する。
【0047】
これらの開示された実施形態は、MRI中の放射されたRF信号とインターベンション装置に埋め込まれたRF受信アンテナの特定の配置との間の容量性カップリングを可能にする。この特徴は、1つのアンテナのみを使用してより優れたアクティブMRI装置のシャフト視覚化を提供する。また、1つの金属部品に沿って変化するインピーダンスの特性は、MRIスキャン中の患者の安全に重要なアクティブ装置にわたるRF誘導加熱の量を制御することを可能にする。例えば、図に示されるように、シャフト沿いの特定の点及び全体長の両方を同時に提供できる針シャフト上にプリントされる1つ以上のRF受信アンテナを有するアクティブMRI針が提供される。
【0048】
開示される実施形態の導電及び絶縁層は、異なる材料を使用して医療装置上にプリントされてよく、また、異なるジオメトリを有する構成により医療装置上にプリントされてよいことが理解される。あるいは、層の1つ以上(又は層の全て)は、プリント以外の技術を使用して形成されてよい。例えば、導電層及び絶縁層の少なくとも1つは、特に、化学蒸着、プラズマ化学蒸着、化学エッチング、及びレーザーアブレーションの1つ以上を使用することにより、少なくとも部分的に形成されてよい。必要に応じて、層の1つは、医療装置上にシート状の平面導体を接着することにより形成されてよい。第1の絶縁層は、医療装置の少なくとも一部の周りにポリマー体を熱収縮させることにより、少なくとも部分的に形成されてよい。
【0049】
図面においてMRI針が具体的に描かれているが、開示される技術及びシステムは、多数の異なる種類の装置を形成するために使用されてよいことが理解される。
【0050】
例えば、iMRI装置が形成されてよい。当該装置は、特に、針、カテーテル、装置デリバリカテーテル、ガイドワイヤ、内視鏡、軟性カテーテル、インプラント、シャント、ステント、ペースメーカー、及びペースメーカーリード等の心血管医療装置であってよい。
【0051】
iMRI装置は、脊椎ロッド、椎弓根スクリュー、骨板、ピン、椎体間固定装置、その他等の整形外科医療装置であってよい。
【0052】
iMRI装置は、バイオプシー針、プローブ、染料導入カテーテル、その他等の診断医療装置であってよい。
【0053】
いくつかの実装例において、iMRI装置は、内視鏡、電気外科切開器具、超音波切開装置、外科用メッシュ、その他等の腹腔鏡手術装置であってよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、iMRI装置は、子宮マニピュレータ、組織切開装置、プローブ、電気メス装置、その他等の婦人科医療装置であってよい。
【0055】
必要に応じて、iMRI装置は、インプラント、ニューロモデュレーション装置、パッチ、その他等の治療医療装置であってよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、iMRI装置は、インプラント、RFIDタグ、可食ピル、その他等の吸収性医療装置であってよい。
【0057】
本明細書に記載されるように、さらなる実装例において、1つ以上の送信線が、編組された導体を装置に組み込む工程において医療装置に提供される。本明細書に記載されるように、概して、RF送信線は、機器により検出されたRF信号を信号プロセッサ及び/又は演算装置に持ち出し、信号減衰を最小化するために有用である。
【0058】
本明細書に記載されるようなインターベンション装置は、アクティブビジュアライゼーション又はパッシブビジュアライゼーション技術を使用することにより、MRI下で視覚化を行うことができる。アクティブビジュアライゼーション技術に関して、血管内装置は、装置本体に埋め込まれるRF受信アンテナを組み込んでいてよい。MRスキャナのRF送信コイルにより患者の関心領域(ROI)、ROIにおける患者の水素陽子を励起させた後、医療装置におけるアンテナは、患者の励起された陽子が低エネルギー状態に戻る時に放射される弱RF信号を拾うことができる。信号を受信した後、信号は、医療装置により、最低限の信号減衰でMRスキャナに送信されなければならず、それにより、信号は、必要に応じて、例えば、ROIの周囲の他の画像化コイルにより受信されたデータから構築されるMRI画像に、医療装置の画像又はその一部を重畳することにより、画像化又は装置の追跡目的のために使用されてよい。
【0059】
トルク伝達性、押し込み性、柔軟性等の(経血管カテーテル等の)医療装置の必要な機械的特性に応じて、(16ヘッド組ひも機、32ヘッド組ひも機、その他等の)様々な異なる編組機器におけるフルロード、ハーフロード、及びダイヤモンドパターン等の様々な異なる編組パターンの1つ以上が、医療装置の構築に使用されてよい。好適な機械的特性用に編組ヘッド及びパターンをファイナライズした後、2つの編組繊維(及び、必要に応じて、追加の編組繊維)は、(エナメル塗装された銅ワイヤ等の)絶縁された導体ワイヤに置換されてよく、2つの共押出されたポリマー管状層の間に位置する編組繊維の層等の編組層に一体化されるツイストペアの送信線を形成する。当該ツイストペアを形成する各導体ワイヤの反対の巻きは、放射状のE界成分を互いに打ち消すための補助であってよく、MRI下の長い導体にわたるRF誘導加熱を最小化できる。また、受信した信号をMRスキャナに送信する際のツイストペア送信ペアを通した送信線における信号減衰を最小化できる
【0060】
図8は、マンドレル上に設置されたPTFEライナー上に形成されるハイブリッド編組層の例を示す。本実施例における2つの編組繊維は、例えば編組層に沿ってツイストペアを形成するエナメル塗装された銅ワイヤにより置換される。銅ワイヤの遠端は、装置の遠端へといかないように位置的に切断されている。また、ワイヤの近端も切断されている。これにより、編組層にわたってワイヤを配置する際に、送信線の自由端がソレノイドループコイルアンテナの2つの端部に位置することを可能にする。
図9は、編組層と一体化したフルツイストペアを示す。
【0061】
本出願において、その利点及び特徴は、実施形態の代表的な例のみが記載されており、網羅されているわけではない及び/又は排他的であるわけではない。これらは、単に請求される原理への理解及び教示を補助するものである。これらは、開示される全ての実施形態の代表というわけではないことが理解される。従って、本開示のいくつかの様態は、本明細書に記載されていない。本明細書の特定の部分については代替的な実施形態は記載されておらず、また、ある部分について代替的な実施の形態が記載されていないことは、その部分の代替的な実施形態を否定するものではない。記載されていない多数の実施形態は、本開示及びその他の同等の範囲と同じ原理が組み込まれていることが理解される。従って、その他の実施形態が利用されてもよく、機能的、論理的、構成的、構造的、及び/又は形態的な変更が本開示の範囲及び/又は精神から逸脱することなく行われてよい点が理解される。そのため、本開示を通して、全ての実施例及び/又は実施形態は、非限定的なものとして扱われる。また、空間及び反復を減らすためのものを除き、本明細書に記載される実施形態から本明細書に記載されていない実施形態に対する推測はなされるべきではない。例えば、図面及び/又は全体にわたって記載される任意のプログラム部品(部品の集合)の任意の組み合わせの論理的及び/又は形態的な構造、その他の部品、及び/又は任意の現在の特徴は、固定された動作順及び/又は配置に限定されず、むしろ、任意の順番は例であり、順番に関わらず、全ての同等の範囲が本開示において考慮されることが理解される。さらに、そのような特徴はその順番による実行に限定されず、むしろ、非同期的に、同時に、並行に、共に、同期的に、及び/又はその他で実行され得るスレッド、プロセス、サービス、サーバ、及び/又はその他について、あらゆる数が本開示において考慮される。従って、これらの特徴のいくつかは、それらが1つの実施形態において同時に存在できないという点について、互いに矛盾し得る。同様に、いくつかの特徴は、本開示の1つの様態に適用可能であり、その他には適用できない。加えて、本開示は、ここに請求される以外の実施形態を含む。出願人は、現在請求されていない実施形態について、当該実施形態を請求する権利、追加出願を行う権利、継続出願を行う権利、一部継続出願を行う権利、分割出願を行う権利、及び/又はその他等の全ての権利を保有する。従って、本開示の利点、実施形態、実施例、機能的、特徴的、論理的、構成的、構造的、形態的、及び/又はその他の様態は、請求の範囲により画定される本開示に対する限定、又は請求の範囲と同等の範囲に対する限定であると考慮されるべきではない。
【0062】
本開示の原理、様態、及び実施形態、並びにその具体的な例を示す本明細書の全ての記載は、構造的及び機能的に同等な範囲の両方を包含するように意図される。さらに、そのような同等の範囲は、既知の同等の範囲及び将来開発される同等の範囲、すなわち、構造に関わらず同じ機能を有するように開発されるあらゆる要素、の両方を含むように意図される。
【0063】
本明細書において説明される回路、方法、工程、及びコンピュータプログラムは、開示される実施形態の原理を実装する回路及びソフトウェアの例の概念的な実施形態を表す。従って、本明細書に示される及び説明される様々な要素の機能は、専用ハードウェア、及び本明細書に記載される適当なソフトウェアに関連するソフトウェアを実行可能なハードウェアの使用により提供されてよい。
【0064】
本開示において、特定の機能を実行するための方法として表現されるあらゆる要素は、例えば、a)当該機能を実行する回路要素及びその関連ハードウェアの組む合わせ、又はb)機能を実行するためのソフトウェアを実行するための適当な回路に組み合わされた、本明細書に記載されるファームウェア、マイクロコード又はその他を含む、任意の形態のソフトウェアを含む、機能を実行する任意の方法を包含する。従って、出願人は、それらの機能を提供可能な任意の方法を、本明細書に示されるものと同等のものとみなす。
【0065】
同様に、本明細書に記載されるシステム及びプロセスフローは、コンピュータ読み取り可能媒体において実質的に表され、明示的に示されているかを問わず、コンピュータ又はプロセッサにより実行される様々なプロセスを表すことが理解される。さらに、様々なプロセスは、処理及び/又は別の機能のみをあらわすのではなく、そのような処理又は機能を実行するプログラムコードのブロックとして理解されてもよい。
【0066】
特に、上記に説明される及び図面に示される、本開示の方法、システム、コンピュータプログラム、及びモバイル装置は、改善された核磁気共鳴画像法、並びにそれを実行するためのシステム及び機械読み取り可能なプログラムを提供する。本開示の装置、方法、ソフトウェアプログラム、及びモバイル装置に対して、本開示の精神又は範囲から逸脱せずに、様々な変更及び変形を行うことができる点、当業者にとって明らかである。従って、本開示は、本開示の主題の範囲内の変更例及び変形例並びにその同等の範囲を含む。