(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】水素ガス圧縮装置
(51)【国際特許分類】
F04B 9/02 20060101AFI20241224BHJP
【FI】
F04B9/02 C
(21)【出願番号】P 2021539955
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(86)【国際出願番号】 KR2020000365
(87)【国際公開番号】W WO2020159094
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-07-07
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】10-2019-0012458
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521299983
【氏名又は名称】セムチャン エナジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SAEMCHAN ENERGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1204-ho,Queens Park 9,247,Gonghang-daero Gangseo-gu Seoul 07803,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】アン、クァン チャン
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】関口 哲生
【審判官】永冨 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-155487(JP,A)
【文献】国際公開第2015/159763(WO,A1)
【文献】特開2017-223139(JP,A)
【文献】国際公開第2017/195557(WO,A1)
【文献】実開平5-73347(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B9/02
F04B31/00
F16H21/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの圧縮室内に導入された低圧水素ガスを高圧水素ガスに変換させて排出する水素ガス圧縮装置であって、
動力部によって回転運動するピニオン部材と、
一端部が前記ピニオン部材と噛合され、前記ピニオン部材の前記回転運動によって往復直線運動する
2つのラック部材と、
中心部が前記
2つのラック部材の各々の他端部側に具備され、前記
2つのラック部材の各々の前記往復直線運動によって往復運動して前記
2つの圧縮室の各々の体積を縮小又は拡大する
2つの圧縮部材と、
前記
2つの圧縮部材が往復運動が可能な状態で挿入される
2つの孔部を有し、前記
2つの孔部のうち前記
2つの圧縮部材の各々の先端部側の領域に前記低圧水素ガスが導入される前記
2つの圧縮室が形成されたハウジングと、を含み、
前記
2つのラック部材の各々は、
前記他端部が前記
2つの圧縮部材の各々の中心部に連結されるように前記一端部と前記他端部の高低差を補償するための高さ調整区間を含み、
前記ハウジングは、1つの略円筒状であり、前記ピニオン部材は、前記ハウジングの内部の略中央部に1つ備わり、前記ラック部材は、前記ピニオン部材の両側に位置する2つの略直線板状であり、
前記ピニオン部材の回転運動に従い、前記2つのラック部材は前記ハウジングの軸方向に往復直線運動すると共に前記2つのラック部材及び前記圧縮部材の移動方向は正反対であり、
前記ハウジングの両端部に、前記圧縮部材の収容される孔部と圧縮室とがそれぞれ位置し、前記ピニオン部材の両側に対称的に2つの前記圧縮部材及び前記圧縮室が前記ハウジングの軸に沿って同一直線上に設けられる
ことを特徴とする水素ガス圧縮装置。
【請求項2】
前記
2つの圧縮部材の各々は、
前記
2つのラック部材の各々の他端部と連結されるピストンを含む
請求項1に記載の水素ガス圧縮装置。
【請求項3】
前記
2つの圧縮部材の各々は、
前記
2つのラック部材の各々の他端部と連結される加圧部と、前記加圧部によって加圧されるダイヤフラムと、を含む
請求項1に記載の水素ガス圧縮装置。
【請求項4】
前記
2つの圧縮部材の各々に具備された加圧部は、
前記
2つのラック部材の各々と前記
2つの圧縮部材の各々に具備されたダイヤフラムの間に形成される加圧空間と、前記加圧空間に充填される流体と、を含む
請求項3に記載の水素ガス圧縮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ガス圧縮装置に関し、さらに詳細には水素ガス圧縮装置の全体サイズを相対的に減らすことができ、オイルのキャリーオーバー(carry-over)がほぼ発生しない水素ガス圧縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水素ガス圧縮装置は製油及び化学工程で発生した水素をガス排管を通してガス供給企業に輸送しガス供給企業で水素輸送用カートリッジ車両に圧縮貯蔵するものであって、1段吸入圧力(20~25kg/cm2・g)のガスを受けて2段圧縮圧(200kg/cm2・g)に昇圧させ、水素ガス製造施設から供給された水素を高圧で圧縮して自動車や燃料電池などに供給する役割を行う。かかる水素ガス圧縮装置は地球環境の変化に対する化石燃料埋蔵量の減少と消費量増加によるエネルギー価格の上昇と、エネルギー需給の危機性による代替エネルギー開発の必要性及び国内エネルギー需要の多くを占める輸送用エネルギーによる環境汚染指数の増加を防ぐために開発される代替エネルギーである水素ガスの効率増加のための装置である。
【0003】
かかる水素ガス圧縮装置の従来技術の一例が
図1及び
図2に示された。
図1及び
図2を参照すると、従来技術の一例による水素ガス圧縮装置は、自動車のエンジンのようにクランク軸と上記クランク軸が回転時に行程室内で往復駆動するピストン11からなる駆動部と、上記ピストン11との間に位置するオイル(oil)の圧力が上昇するにつれ水素ガスを圧縮するダイヤフラム12からなる圧縮部で構成され得る。
【0004】
具体的には、
図1に示したように、ピストン11が最高点まで上昇した時はダイヤフラム12とピストン11の間にあるオイル(oil)の圧力が上昇するようになると流入された低圧水素ガスの圧縮が行われ、
図2のようにピストン11が最低点まで下降した時は逆の現象が起きるようになる。
【0005】
しかし、
図1及び
図2に示した従来技術の一例による水素ガス圧縮装置は、駆動部がクランク軸からなることにより水素ガス圧縮装置の全体サイズが大型化し、クランク軸を持続的に回転させるためには相対的に大容量の電動機を必要とするため、原価上昇の要因となり、電力消費量も増えるなどの問題点があった。
【0006】
一方、図には示していないが、油圧シリンダによって駆動するシリンダーロッドを用いて水素ガスを圧縮する方法が開示されたことがあるが、この場合、所定量のオイルのキャリーオーバー(carry-over)が生じる場合があり、このようなキャリーオーバーオイルの露出はオイルを凝固させ、最終的には水素ガス圧縮装置システムの故障に繋がる問題点があった。
【0007】
よって、水素ガス圧縮装置の全体サイズを相対的に減らすことができ、オイルのキャリーオーバー(carry-over)がほぼ発生しない水素ガス圧縮装置が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、水素ガス圧縮装置の全体サイズを相対的に減らすことができ、オイルのキャリーオーバー(carry-over)がほぼ発生しない水素ガス圧縮装置を提供することにある。
【0009】
本発明の技術的課題は以上で言及したものに制限されず、言及していない他の技術的課題は下記の記載から当業者に明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を達成するために、本発明の一実施例による水素ガス圧縮装置は、少なくとも1つの圧縮室内に導入された低圧水素ガスを高圧水素ガスに変換させて排出する水素ガス圧縮装置であって、動力部によって回転運動するピニオン部材と、一端部が上記ピニオン部材と噛合され、上記ピニオン部材の上記回転運動によって往復直線運動する少なくとも1つのラック部材と、上記少なくとも1つのラック部材の各々の他端部側に具備され、上記少なくとも1つのラック部材の各々の上記往復直線運動によって往復運動して上記少なくとも1つの圧縮室の各々の体積を縮小又は拡大する少なくとも1つの圧縮部材と、上記少なくとも1つの圧縮部材が往復運動が可能な状態で挿入される少なくとも1つの孔部を有し、上記少なくとも1つの孔部のうち上記少なくとも1つの圧縮部材の各々の先端部側の領域に上記低圧水素ガスが導入される上記少なくとも1つの圧縮室が形成されたハウジングと、を含むことを特徴とする。
【0011】
ここで、上記少なくとも1つのラック部材は、上記一端部と上記他端部の高低差を補償するための高さ調整区間を含むことができる。
【0012】
また、上記少なくとも1つの圧縮部材の各々は、上記少なくとも1つのラック部材の各々の他端部と連結されるピストンを含むことができる。
【0013】
また、上記少なくとも1つの圧縮部材の各々は、上記少なくとも1つのラック部材の各々の他端部と連結される加圧部及び上記加圧部によって加圧されるダイヤフラムを含むことができる。
【0014】
また、上記少なくとも1つの圧縮部材の各々に具備された加圧部は、上記少なくとも1つのラック部材の各々と上記少なくとも1つの圧縮部材の各々に具備されたダイヤフラムの間に形成される加圧空間及び上記加圧空間に充填される流体を含むことができる。
【0015】
その他の実施例らの具体的な事項は詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施例による水素ガス圧縮装置によれば、水素ガス圧縮装置の全体サイズを相対的に減らすことができ、オイルのキャリーオーバー(carry-over)がほぼ発生しない水素ガス圧縮装置を提供できる。
【0017】
本発明の効果は以上で言及したものに制限されず、言及していない他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】従来技術の一例による水素ガス圧縮装置の駆動メカニズム(ピストンが最高点の時)を概略的に示す図である。
【
図2】従来技術の一例による水素ガス圧縮装置の駆動メカニズム(ピストンが最低点の時)を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置を示す斜視断面図である。
【
図5】本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置を示す正面図である。
【
図6】本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置の動作を説明するための図である。
【
図7】本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置の変形例を示す正面図である。
【
図8】本発明の第2実施例による水素ガス圧縮装置を示す正面図である。
【
図9】本発明の第2実施例による水素ガス圧縮装置の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できる程度に本発明の好ましい実施例を添付された図面を参照して詳細に説明すると、次のとおりである。
【0020】
実施例を説明するにあたり、本発明の属する技術分野で周知であり、本発明と直接的な関連のない技術内容については説明を省略する。これは不要な説明を省略することにより本発明の要旨を不明瞭にすることなくより明確に伝達するためである。
【0021】
同様の理由から添付した図面における一部の構成要素は誇張されたり省略されたり概略的に図示された。また、各構成要素の大きさは実際の大きさを全的に反映するものではない。各図面で同一の又は対応する構成要素には同一の参照番号を付した。
【0022】
また、装置又は要素方向(例えば、“前(front)”、“後(back)”、“上(up)”、“下(down)”、“頂部(top)”、“底部(bottom)”、“左(left)”、“右(right)”、“横(lateral)”)などといった用語に関して本願で用いられた表現及び述語は単に本発明の説明を単純化するために用いられ、関連する装置又は要素が単純に特定の方向を有するべきであると示したり意味するものではない。
【0023】
本発明は、水素ガス圧縮装置の全体サイズを相対的に減らすことができ、オイルのキャリーオーバー(carry-over)がほぼ発生しない水素ガス圧縮装置を提供するために案出された。
【0024】
そのために、本発明の一実施例による水素ガス圧縮装置は、圧縮室内に導入された低圧水素ガスを高圧水素ガスに変換させて排出する水素ガス圧縮装置であって、動力部によって回転運動するピニオン部材、一端部が上記ピニオン部材と噛合され、上記ピニオン部材の上記回転運動によって往復直線運動するラック部材、上記ラック部材の他端部側に具備され、上記ラック部材の上記往復直線運動によって往復運動して上記圧縮室の体積を縮小又は拡大する圧縮部材及び上記圧縮部材が軸方向に上記往復運動が可能な状態で挿入される孔部を有し、上記孔部のうち上記圧縮部材の先端部側の領域に上記低圧水素ガスが導入される上記圧縮室が形成されたハウジングを含むことを特徴とする。
【0025】
以下、本発明の実施例によって水素ガス圧縮装置を説明するための図面を参照して本発明について説明をする。
【0026】
以下、
図3乃至
図7を参照して本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置を説明すると、次のとおりである。
【0027】
図3は本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置を示す斜視図で、
図4は本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置を示す斜視断面図で、
図5は本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置を示す正面図である。
【0028】
図3乃至
図5を参照すると、本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置1は圧縮室420内に導入された低圧水素ガスを高圧水素ガスに変換させて排出する水素ガス圧縮装置1であって、ピニオン部材100、ラック部材200、圧縮部材300及びハウジング400を含んで構成され得る。
【0029】
まず、本発明の第1実施例でピニオン部材100は動力部と連結されて上記動力部によって回転運動し、かかる回転運動を後述されるラック部材200の往復直線運動のための駆動力として提供するための構成である。
【0030】
ここで、動力部はピニオン部材100を正方向又は逆方向に回転させる駆動モータ120と減速機110などからなることができ、駆動モータ120が動作されるとピニオン部材100が減速機110によって減速されながら回転する。
【0031】
本発明の第1実施例でラック部材200は後述される圧縮部材300が圧縮室420内に導入された低圧水素ガスを高圧水素ガスに変換させるために要求される往復運動のための駆動力を提供するための構成である。
【0032】
具体的には、ラック部材200は一端部がピニオン部材100と噛合され、他端部が圧縮部材300の中心部と連結され、ピニオン部材100の回転運動によって往復直線運動することにより圧縮部材300を往復運動させる。
【0033】
ここで、ラック部材200は一端部がピニオン部材100に連結され、他端部が後述されるハウジング400の孔部410に挿入されるか、又は隣接した位置に位置する状態で圧縮部材300に往復運動のための駆動力を提供できる。
【0034】
ここで、ラック部材200の一端部と噛合されるピニオン部材100の高さと孔部410の高さが異なる場合、ラック部材200はピニオン部材100に噛合される一端部と圧縮部材300の中心部に連結される他端部の高低差を補償するための高さ調整区間201を含むことができる。
【0035】
例えば、高さ調整区間201は
図3乃至
図5に示したように斜線形状をなす場合もあり、図には示していないが、凹状又は凸状に湾曲されるか、又は曲がった形状をなす場合もある。ただし、これに限定されない。
【0036】
ラック部材200は
図3乃至
図5に示したように2つで構成され2つのラック部材200が1つのピニオン部材100と噛合駆動してもよいし、図には示していないが、ラック部材200が1つで構成されてピニオン部材100と噛合駆動してもよい。ただし、これに限定されない。
【0037】
本発明の第1実施例で圧縮部材300は圧縮室420を体積を縮小又は拡大することにより、圧縮室420内に導入された低圧水素ガスを高圧水素ガスに変換するための構成である。
【0038】
図3乃至
図5を参照すると、圧縮部材300はピストン(又は、シリンダ)の形態をなすことができ、ラック部材200の他端部に連結されてラック部材200の往復直線運動によって往復運動することができる。
【0039】
具体的には、圧縮部材300でラック部材200の他端部に連結される部分を圧縮部材300の後端部とした場合、圧縮部材300は先端部を介して圧縮室420内に導入された低圧水素ガスを圧縮させることができる。
【0040】
ここで、圧縮部材300は
図3乃至
図5に示したようにラック部材200が2つで構成されて1つのピニオン部材100に2つのラック部材200が噛合駆動する場合、2つのラック部材200の各々の他端部に連結されるように2つで構成されてもよい。ただし、これに限定されない。
【0041】
本発明の第1実施例でハウジング400は圧縮部材300の先端部とともに低圧水素ガスが導入される閉空間である圧縮室420を形成するための構成である。
【0042】
具体的には、ハウジング400は圧縮部材300が軸方向に往復運動が可能な状態で挿入される孔部410を有し、上記孔部410のうち圧縮部材300の先端部側の領域に低圧水素ガスが導入される圧縮室420が形成される。
【0043】
ここで、ハウジング400は
図3乃至
図5に示したように圧縮部材300が2つのラック部材200の各々の他端部に連結されるように2つで形成される場合、2つの圧縮部材300の各々が挿入される2つの孔部410と2つの圧縮室420を含むことができる。また、2つの圧縮室420にはそれぞれ低圧水素ガス流入口4201と高圧水素ガス流出口4202が形成され得る。
【0044】
一方、
図3乃至
図5では、ハウジング400がピニオン部材100、ラック部材200及び圧縮部材300をすべて内蔵していると図示されたが、これに限定されず、圧縮部材300の先端部とともに圧縮室420を形成する多様な構造で設計変形され得る。
【0045】
図6は本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置の動作を説明するための図である。
【0046】
図6を参照すると、ピニオン部材100が時計回り方向に回転することを正方向回転とした場合、ピニオン部材100が
図6Aに示したように位置した状態で正方向に回転する際には
図6Bに示したようにラック部材200と上記ラック部材200に連結された圧縮部材300が圧縮室420方向に前進するようになり、圧縮室420内に導入された低圧水素ガスを圧縮して高圧水素ガスに変換させて排出できる。
【0047】
これとは逆に、ピニオン部材100が反時計回り方向である逆方向に回転する際には
図6Aに示したように圧縮室420の反対方向に後進するようになり、圧縮室420には新しい低圧水素ガスが導入され得る。
【0048】
図7は本発明の第1実施例による水素ガス圧縮装置の変形例を示す正面図である。
【0049】
図7に示した水素ガス圧縮装置1’は
図3乃至
図6に示した水素ガス圧縮装置1と他の構成は同一であるが、ハウジング400とラック部材200’の形態において異なる。
【0050】
図7を参照すると、ハウジング400の孔部410はラック部材200’の一端部と噛合されるピニオン部材100の高さと同じ高さに形成されることができ、これによりラック部材200’は高低差を補償するための高さ調整区間201なしで一直線に形成され得る。
【0051】
以下、
図8及び
図9を参照して本発明の第2実施例による水素ガス圧縮装置1”を説明すると、次のとおりである。説明の便宜上、
図1乃至
図7に示した水素ガス圧縮装置1と同一の構造に対する説明は省略し、以下、相異点のみを中心に説明する。
【0052】
図8は本発明の第2実施例による水素ガス圧縮装置を示す正面図である。
【0053】
図8に示した水素ガス圧縮装置1”は
図1乃至
図7に示した水素ガス圧縮装置1と他の構成は同一であるが、圧縮部材300”の細部構成において異なる。
【0054】
図8を参照すると、本発明の第2実施例による水素ガス圧縮装置1”で圧縮部材300”は加圧部301”とダイヤフラム302”を含んで構成され得る。
【0055】
まず、加圧部301”はラック部材200の他端部に連結されてラック部材200の往復直線運動をダイヤフラム302”の往復運動のための駆動力として伝達する役割を行う。
【0056】
一例として、加圧部301”はラック部材200と上記ダイヤフラム302”の間に形成される加圧空間3011”と上記加圧空間3011”に充填されるオイル(oil)などのような流体3012”からなることができ、オイルなどのような流体3012”の圧力が上昇するにつれダイヤフラム302”を加圧できる。
【0057】
他の例として、加圧部301”はラック部材200の往復直線運動を伝達されて揺動運動をするように構成された揺動構造物からなることもできる。
【0058】
このように構成された圧縮部材300”はラック部材200の他端部に連結される部分を圧縮部材300”の後端部とした場合、圧縮部材300”は先端部を介して圧縮室420内に導入された低圧水素ガスを圧縮させることができる。
【0059】
ここで、圧縮部材300”は
図3乃至
図5に示したようにラック部材200が2つで構成されて1つのピニオン部材100に2つのラック部材200が噛合駆動する場合、2つのラック部材200の各々の他端部に連結されるように2つで構成されてもよい。ただし、これに限定されない。
【0060】
図9は本発明の第2実施例による水素ガス圧縮装置の動作を説明するための図である。
【0061】
図9を参照すると、ピニオン部材100が時計回り方向に回転することを正方向回転とした場合、ピニオン部材100が
図9Aに示したように位置した状態で正方向に次第に回転する際には
図9B及び
図9Cに示したようにラック部材200が圧縮室420方向に前進するようになり、これにより加圧部301”、すなわち、加圧空間3011”内に位置する流体3012”が圧縮されてダイヤフラム302”を加圧することにより、圧縮室420の体積を縮小させ、圧縮室420内に導入され低圧水素ガスを圧縮して高圧水素ガスに変換させて排出できる。
【0062】
これとは逆に、ピニオン部材100が反時計回り方向である逆方向に回転する際には
図9Aに示したように圧縮室420の反対方向に後進するようになり、圧縮室420には新しい低圧水素ガスが導入され得る。
【0063】
このように、本発明の一実施例による水素ガス圧縮装置1、1’、1”によれば、水素ガス圧縮装置の全体サイズを相対的に減らすことができ、オイルのキャリーオーバー(carry-over)がほぼ発生しない水素ガス圧縮装置を提供できるようになる。
【0064】
一方、本明細書と図面には本発明の好ましい実施例について開示しており、特定の用語が用いられたが、これは単に本発明の技術内容を分かりやすく説明し発明の理解を助けるための一般的な意味で用いられたにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図しない。ここに開示された実施例の他にも本発明の技術的思想に基づく他の変形例が実施可能であることは本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者にとって自明である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、水素ガス圧縮装置に関し、さらに詳細には水素ガス圧縮装置の全体サイズを相対的に減らすことができ、オイルのキャリーオーバー(carry-over)がほぼ発生しない水素ガス圧縮装置と関連する技術分野に適用可能である。