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特許7609464モジュール式指固定装置並びに関連するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】モジュール式指固定装置並びに関連するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/64 20060101AFI20241224BHJP
【FI】
A61B17/64
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022513573
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 US2020048145
(87)【国際公開番号】W WO2021041634
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】62/892,222
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522075036
【氏名又は名称】サージカル デザイン イノベーションズ ツー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SURGICAL DESIGN INNOVATIONS II,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ボフェリ、トロイ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュ、シャノン エム.
(72)【発明者】
【氏名】カワリク、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】リー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン、ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】ハーディ、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン、グラハム
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0135766(US,A1)
【文献】国際公開第2013/005130(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0317966(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/60 - 17/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式指固定システムであって、
(a)少なくとも1つの第1の指固定用モジュールであって、
(i)モジュール体であって、
(A)フランジと、
(B)その中に画成された第1の管腔を具備する第1のシリンダと、を具備する、モジュール体と、
(ii)前記フランジに摺動可能に連結されたクランプと、を具備する、少なくとも1つの第1の指固定用モジュールと、
(b)その中に画成された第2の管腔を具備する第2のシリンダを具備する、第2の指固定用モジュールと、
(c)少なくとも2つの固定ロッドであって、前記少なくとも2つの固定ロッドの第1のロッドは、前記第1の管腔内に配置可能であり、前記少なくとも2つの固定ロッドの第2のロッドは、前記第2の管腔内に配置可能である、少なくとも2つの固定ロッドと、を具備
前記第1の指固定用モジュールの前記クランプは、別の前記第1の指固定用モジュールの前記第1のシリンダ、又は前記第2のシリンダに取り付け可能である、モジュール式指固定システム。
【請求項2】
前記フランジは、その中に画成されたチャネルを具備し、前記クランプは、前記チャネルに沿って摺動可能である、請求項1に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項3】
前記少なくとも2つの固定ロッドの各々は、
(a)第1の長さ部分と、
(b)前記第1の長さ部分の軸に対して、約90度~約180度の範囲の角度で配置された軸を有する第2の長さ部分と、を含み、
前記第1の長さ部分及び第2の長さ部分は、接合部で取り付けられる、請求項に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項4】
前記第1の長さ部分は、患者の指の骨に埋め込み可能である、請求項に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項5】
(a)前記第1のシリンダを前記少なくとも2つの固定ロッドの前記第1のロッドに操作可能に連結する第1の連結機構と、
(b)前記クランプの第1のクランプアームと第2のクランプアームとを互いに操作可能に連結する第1の取付機構と、
(c)前記第2のシリンダを前記少なくとも2つの固定ロッドの前記第2のロッドに操作可能に連結する第2の連結機構と、をさらに具備する、請求項1に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項6】
モジュール式指固定システムであって、
(a)少なくとも2つの髄内固定ロッドであって、前記少なくとも2つの髄内ロッドの各々は、患者の伸長骨に埋め込み可能である、少なくとも2つの髄内固定ロッドと、
(b)少なくとも1つの第1の指固定用モジュールであって、
(i)モジュール体であって、
(A)フランジと、
(B)その中に画成された第1の管腔を具備する第1のシリンダであって、前記少なくとも2つの髄内固定ロッドの第1のロッドは、前記第1の管腔内に位置決め可能である、第1のシリンダと、を具備する、モジュール体と、
(ii)クランプであって、前記クランプが、前記フランジの長さに沿って摺動可能なように、前記フランジに摺動可能に連結され、
(A)第1のクランプアームと、
(B)第2のクランプアームと、
(C)前記第1及び第2のクランプアームにより画成されたクランプ管腔と、を具備する、クランプと、を具備する、少なくとも1つの第1の指固定用モジュールと、
(c)その中に画成された第2の管腔を具備する第2のシリンダを具備する、第2の指固定用モジュールであって、前記少なくとも2つの髄内固定ロッドの第2のロッドは、前記第2の管腔内に位置決め可能である、第2の指固定用モジュールと、を具備
前記第1の指固定用モジュールの前記クランプは、別の前記第1の指固定用モジュールの前記第1のシリンダ、又は前記第2のシリンダに取り付け可能である、モジュール式指固定システム。
【請求項7】
前記第1のシリンダは、前記少なくとも2つの髄内固定ロッドの前記第1のロッドの長さに沿って調整可能に位置決め可能で、前記第2のシリンダは、前記少なくとも2つの髄内固定ロッドの前記第2のロッドの長さに沿って調整可能に位置決め可能である、請求項に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項8】
前記第1及び第2のシリンダは、前記患者の矢状面に沿って調整可能に位置決め可能である、請求項に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項9】
前記クランプは、前記第1のシリンダと前記第2のシリンダとの間の距離が、前記患者の横断面に沿って調整可能であるように、前記第2のシリンダに取り付け可能である、請求項に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項10】
前記第2のシリンダは、前記クランプが、前記第2のシリンダに取り付け可能なように、前記クランプ管腔内に位置決め可能である、請求項に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項11】
前記フランジは、その中に画成されたチャネルを具備し、前記クランプは、前記チャネルに沿って摺動可能である、請求項に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項12】
前記少なくとも2つの固定ロッドの各々は、
(a)第1の長さ部分と、
(b)前記第1の長さ部分の軸に対して、約90度~約180度の範囲の角度で配置された軸を有する第2の長さ部分と、を含み
前記第1の長さ部分及び第2の長さ部分は、接合部で取り付けられる、請求項に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項13】
前記第1の長さ部分は、前記患者の指の骨に埋め込み可能で、前記第1のシリンダは、前記少なくとも2つの髄内固定ロッドの前記第1のロッドの前記第2の長さ部分に沿って調整可能に位置決め可能で、前記第2のシリンダは、前記少なくとも2つの髄内固定ロッドの前記第2のロッドの前記第2の長さ部分に沿って調整可能に位置決め可能である、請求項12に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項14】
(a)前記第1のシリンダを前記少なくとも2つの髄内固定ロッドの前記第1のロッドに操作可能に連結する第1の連結機構と、
(b)前記第1のクランプアームと前記第2のクランプアームとを互いに操作可能に連結する第1の取付機構と、
(c)前記第2のシリンダを前記少なくとも2つの髄内固定ロッドの前記第2のロッドに操作可能に連結する第2の連結機構と、をさらに具備する、請求項に記載のモジュール式指固定システム。
【請求項15】
モジュール式指固定システムであって、
(a)少なくとも2つの髄内固定ロッドであって、前記少なくとも2つの髄内ロッドの各々は、患者の伸長骨に埋め込み可能である、少なくとも2つの髄内固定ロッドと、
(b)少なくとも1つの第1の指固定用モジュールであって、
(i)モジュール体であって、
(A)フランジと、
(B)その中に画成された第1の管腔を具備する第1のシリンダであって、前記少なくとも2つの髄内固定ロッドの第1のロッドは、前記第1の管腔内に位置決め可能である、第1のシリンダと、を具備する、モジュール体と、
(ii)前記フランジに摺動可能に連結されたクランプと、を具備する、少なくとも1つの第1の指固定用モジュールと、を具備し、
前記クランプは、前記少なくとも2つの髄内固定ロッドの第2のロッドに取り付け可能である、モジュール式指固定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月27日出願の、「Modular Digit Fixation Device and Related System and Devices(モジュール式指固定装置並びに関連するシステム及び装置)」を発明の名称とする、米国仮特許出願第62/892,222に対する利益を、米国特許法第119条第(e)項に基づいて主張し、その記載内容すべてを本明細書に引用することで組み込む。
【0002】
本明細書の様々な実施形態は、骨固定装置、より詳しくは、再建、再統合、又は外傷手術後に、外部から指に添着されるモジュール式指固定装置に関する。
【背景技術】
【0003】
内部及び外部からの固定は、骨の手術後に、重要な治癒段階であり得る。例えば、槌状足指症又は腱膜瘤の手術後の最良の転帰は、趾骨を固定する結果生じ、治癒中に、そのような趾骨を確実に適切にアラインする。公知の手法において、外科医は、各足指を適切な位置に手作業で配置するが、典型的に、包帯の使用に頼ることで、数週間の初期治癒中にアラインメントを維持する。このような手法の1つの不具合として、足指の変形が頻繁に再発するため、望ましくない結果が生じる。
【0004】
代替手法として、ピンを、足指の骨(趾骨)を通過して、足の骨(中足骨)に送り込むことがある。この手法は、数本の足指には適用できるが、中央の3本以外の足指に使用されることはまれであって、より侵襲的で、治癒中に追加の保護が必要となり、ピンの破損が起きやすい。槌状足指症及び腱膜瘤の手術は、1つの手術環境下で複数の足指を対象に、一般的に行われるさらなる手法で、1本の足指を他の足指へ長期にわたり多断面アラインメントすることを目標とする。これらの従来の手法は、短期と長期両方での指のアラインメントで、不十分な場合が多い。
【0005】
術後に適切な指のアラインメントを維持するための改良型指固定方法、システム、及び装置へのニーズが、当業に存在する。
【発明の概要】
【0006】
本明細書において、少なくとも1つの伸長モジュール、円筒モジュールを有する装置を具備するモジュール式指固定装置、並びに他の関連する装置、方法、及び技術の様々な実施形態について説明する。
【0007】
実施例1において、モジュール式指固定システムは、モジュール体と、フランジに摺動可能に連結されたクランプと、を具備する、少なくとも1つの第1の指固定用モジュールを具備する。モジュール体は、フランジと、その中に画成された第1の管腔を具備する第1のシリンダと、を具備する。該システムは、その中に画成された第2の管腔を具備する第2のシリンダを具備する、第2の指固定用モジュールをさらに具備する。
【0008】
実施例2は、クランプが、第2のシリンダに取り付け可能である、実施例1に係るモジュール式指固定システムに関する。
実施例3は、フランジが、その中に画成されたチャネルを具備し、クランプが、チャネルに沿って摺動可能である、実施例1に係るモジュール式指固定システムに関する。
【0009】
実施例4は、少なくとも2つの固定ロッドをさらに具備し、少なくとも2つの固定ロッドの第1のロッドが、第1の管腔内に配置可能で、少なくとも2つの固定ロッドの第2のロッドが、第2の管腔内に配置可能である、実施例1に係るモジュール式指固定システムに関する。
【0010】
実施例5は、少なくとも2つの固定ロッドの各々が、第1の長さ部分と、第1の長さ部分の軸に対して、約90度~約180度の範囲の角度で配置された軸を有する第2の長さ部分と、を含み、第1の長さ部分と第2の長さ部分とが、接合部で取り付けられる、実施例4に係るモジュール式指固定システムに関する。
【0011】
実施例6は、第1の長さ部分が、患者の指の骨に埋め込み可能である、実施例5に係るモジュール式指固定システムに関する。
実施例7は、第1のシリンダに操作可能に連結された第1の連結機構と、クランプに操作可能に連結された第1の取付機構と、第2のシリンダに操作可能に連結された第2の連結機構と、をさらに具備する、実施例1に係るモジュール式指固定システムに関する。
【0012】
実施例8において、モジュール式指固定システムは、少なくとも2つの髄内固定ロッドであって、少なくとも2つの髄内ロッドの各々が、患者の伸長骨に埋め込み可能である、少なくとも2つの髄内固定ロッドと、モジュール体とクランプとを具備する少なくとも1つの第1の指固定用モジュールと、を具備する。モジュール体は、フランジと、その中に画成された第1の管腔を具備する第1のシリンダと、を具備し、少なくとも2つの髄内固定ロッドの第1のロッドは、第1の管腔内に位置決め可能である。クランプは、クランプが、フランジの長さに沿って摺動可能なように、フランジに摺動可能に連結され、クランプは、第1のクランプアームと、第2のクランプアームと、第1及び第2のクランプアームにより画成されたクランプ管腔と、を具備する。該システムは、その中に画成された第2の管腔を具備する第2のシリンダを具備する、第2の指固定用モジュールをさらに具備し、少なくとも2つの髄内固定ロッドの第2のロッドは、第2の管腔内に位置決め可能である。
【0013】
実施例9は、第1のシリンダが、少なくとも2つの髄内固定ロッドの第1のロッドの長さに沿って調整可能に位置決め可能で、第2のシリンダが、少なくとも2つの髄内固定ロッドの第2のロッドの長さに沿って調整可能に位置決め可能である、実施例8に係るモジュール式指固定システムに関する。
【0014】
実施例10は、第1及び第2のシリンダが、患者の矢状面に沿って調整可能に位置決め可能である、実施例9に係るモジュール式指固定システムに関する。
実施例11は、クランプが、第1のシリンダと第2のシリンダとの間の距離が、患者の横断面に沿って調整可能であるように、第2のシリンダに取り付け可能である、実施例8に係るモジュール式指固定システムに関する。
【0015】
実施例12は、第2のシリンダが、クランプが、第2のシリンダに取り付け可能なように、クランプ管腔内に位置決め可能である、実施例11に係るモジュール式指固定システムに関する。
【0016】
実施例13は、フランジが、その中に画成されたチャネルを具備し、クランプが、チャネルに沿って摺動可能である、実施例8に係るモジュール式指固定システムに関する。
実施例14は、少なくとも2つの固定ロッドの各々が、第1の長さ部分と、第1の長さ部分の軸に対して、約90度~約180度の範囲の角度で配置された軸を有する第2の長さ部分と、を含み、第1の長さ部分と第2の長さ部分とが、接合部で取り付けられる、実施例8に係るモジュール式指固定システムに関する。
【0017】
実施例15は、第1の長さ部分が、患者の指の骨に埋め込み可能で、第1のシリンダが、少なくとも2つの髄内固定ロッドの第1のロッドの第2の長さ部分に沿って調整可能に位置決め可能で、第2のシリンダは、少なくとも2つの髄内固定ロッドの第2のロッドの第2の長さ部分に沿って調整可能に位置決め可能である、実施例14に係るモジュール式指固定システムに関する。
【0018】
実施例16は、第1のシリンダに操作可能に連結された第1の連結機構と、クランプに操作可能に連結された第1の取付機構と、第2のシリンダに操作可能に連結された第2の連結機構と、をさらに具備する、実施例8に係るモジュール式指固定システムに関する。
【0019】
実施例17において、少なくとも2つの指の固定方法は、第1の髄内固定ロッドを第1の指の骨に埋め込むこと、第2の髄内固定ロッドを第2の指の骨に埋め込むこと、及び第1の指固定用モジュールを、第1の髄内固定ロッドの上方に位置決めすることを含む。第1の指固定用モジュールは、モジュール体とクランプとを具備する。モジュール体は、フランジと、その中に画成された第1の管腔を具備する第1のシリンダと、を具備する。クランプは、クランプが、フランジの長さに沿って摺動可能なように、フランジに摺動可能に連結され、第1のクランプアームと、第2のクランプアームと、第1及び第2のクランプアームにより画成されたクランプ管腔と、を具備し、第1の指固定用モジュールを、第1の髄内固定の上方に位置決めすることは、第1の髄内固定ロッドを第1の管腔内に位置決めすることを含む。該方法は、第2の指固定用モジュールを、第2の髄内固定ロッドの上方に位置決めすることをさらに含み、第2の指固定用モジュールは、その中に画成された第2の管腔を具備する第2のシリンダを含み、第2の指固定用モジュールを、第2の髄内固定の上方に位置決めすることは、第2の髄内固定ロッドを第2の管腔内に位置決めすること、及び第1の指固定用モジュールを、クランプにより、第2の指固定用モジュールに取り付けることを含む。
【0020】
実施例18は、第1の指固定用モジュールを、クランプにより、第2の指固定用モジュールに取り付けることが、第2のシリンダをクランプ管腔内に位置決めすることを含む、実施例17に係る方法に関する。
【0021】
実施例19は、第1及び第2の髄内固定ロッドの長さに沿って、第1及び第2の指固定用モジュールの位置を調整することで、患者の矢状面に沿って、第1及び第2の指固定用モジュールの位置を調整することをさらに含む、実施例17に係る方法に関する。
【0022】
実施例20は、フランジの長さに沿って、クランプの位置を調整することで、患者の横断面に沿って、第1及び第2のシリンダ間の距離を調整することをさらに含む、実施例17に係る方法に関する。
【0023】
特定の追加の実施例は、少なくとも1つの伸長モジュールと円筒モジュールとを具備する指固定装置を含む。伸長及び円筒モジュールの両方は、指から突出するKワイヤを受けるように設計された内部管腔を画成するシリンダを具備する。止めねじは、シリンダを所望の高さと角度でKワイヤに添着し、確実にアラインメントを適正にするために使用される。伸長モジュールは、フランジとクランプとをさらに具備する。フランジは、シリンダに固定して取り付けられ、クランプに摺動可能に取り付けられる。クランプは、フランジの周りを摺動し得、モジュール間の距離を変更可能にするように設計される。クランプはまた、隣接するモジュールのシリンダと一対になるように設計され、止めねじで固定される。
【0024】
1つの実施形態を開示するものの、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例示の実施形態を表示・説明する以下の詳細な説明から当業者には明らかである。本発明は、様々な自明の態様において、すべて本発明の意図及び範囲から逸脱することなく、変更可能であるとみなされるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、その性質が例示であって、限定するものとみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、1つの実施形態に係る、患者の足指に取り付けられたモジュール式指固定システムの正面斜視図である。
図2図2は、1つの実施形態に係る、伸長モジュールの斜視図である。
図3図3は、1つの実施形態に係る、円筒モジュールの斜視図である。
図4A図4Aは、1つの実施形態に係る、患者の足指に埋め込まれたロッドと、1つのロッド上に配置された伸長モジュールの正面斜視図である。
図4B図4Bは、1つの実施形態に係る、2つの追加のモジュールが2つの追加のロッドに配置された、図4Aのシステムの正面斜視図である。
図5A図5Aは、1つの実施形態に係る、患者の足指に取り付けられたモジュール式指固定システムの接写正面斜視図である。
図5B図5Bは、1つの実施形態に係る、図5Aのシステムの上面図である。
図5C図5Cは、1つの実施形態に係る、図5Aのシステムの後方斜視図である。
図5D図5Dは、1つの実施形態に係る、より低い角度からの図5Aの別の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書に開示又は想定される様々な実施形態は、外部の多断面接合部の固定用の改良型システム、装置、方法、及びその様々な構成要素に関する。このようなシステム、装置、及び方法は、患者の手の2本以上の指及び/又は患者の足の2本以上の足指を含む、患者の四肢の任意の指に使用又は実施され得る。さらに詳しくは、該実施は、多断面の調整を可能にするように設計されたモジュール式固定装置及び関連するシステム及び方法に関する。さらに、特定の実施形態は、少なくとも1つの伸長モジュールと円筒モジュールとを含む、少なくとも2つのモジュールを有するモジュール式指固定システムに特に関する。モジュールの各々は、モジュールが、患者の指の骨に埋め込まれた2つ以上の髄内ロッドに取り付けられる調整可能な外部装置を形成するように、縦方向の髄内ロッド及び互いに取り付け可能である。すなわち、ロッドは、骨に埋め込まれる一方、モジュールは、システムが、各指用の各髄内ロッドを捕捉し、それによって、指の安定して正確な固定アラインメントを提供するように、患者の指の外部の位置で、外部装置又はシステムを形成するために、ロッド及び互いに調整可能に連結する。特定の典型的な実施において、最大4つの伸長モジュールと1つの円筒モジュールは、最大5本の指が、多断面の調整可能な性質により、互いに対して固定され、手術後の指の適切な治癒とアラインメントを容易にするように、使用され得る。
【0027】
図1は、1つの実施形態に係る、患者の右足2上で使用されるモジュール式指固定装置(又はシステム)1を示す。この典型的な実施において、装置1は、5つの指固定用モジュール10を具備し、各モジュール10は、患者の5本の指のうち異なる指に取り付けられている。その代わりとして、アラインメントを要する指の数によって、使用するモジュール10の数を減らし得る。図示の特定の実施例において、4つのモジュール10は、より具体的には伸長指固定用モジュール12である一方、他のモジュール10は、円筒指固定用モジュール14である。
【0028】
以下でさらに詳細に説明する通り、各モジュール10は、指の骨内に配置され、その遠位端から延伸するロッド(例えば、図4A及び図4Bに示すロッド66等)を介して、指に取外し可能で調整可能に連結可能である。すなわち、各モジュール10は、足指の骨の縦軸を横断するロッド(ロッド66等)の部分(すなわち、矢印Aで示す矢状面に配置されたロッドの部分)の長さに沿って、調整可能に任意に位置決め可能である。以下でさらに詳細に説明する通り、各モジュール10はまた、各モジュール10が、矢印Bで示す横断面内でモジュール10の移動や調整が可能な方法で、それに調整可能に取り付けられ得るように、隣接するモジュール10に調整可能に連結可能である。したがって、連結可能なモジュールのこのシステムの多断面調整可能な性質(以下でさらに詳細に説明する通り)は、矢印Aの矢状面内のロッド66のモジュール10の調整可能な性質や矢印Bの横断面内におけるモジュール10の互いの連結の調整可能な性質により実現される。
【0029】
本明細書の様々な装置1の構成に組み込み可能な2つの別個のモジュール12、14を、図2及び図3に示す。より具体的には、図2は、さらに詳細に、伸長指固定用モジュール12の1つの実施形態を示す。図示の通り、この典型的な伸長指固定用モジュール12は、互いに移動可能に連結される2つの構成要素である、モジュール体20とそれに摺動可能に連結された摺動可能なクランプ22を有する。伸長モジュール12はまた、本明細書では、「第1のモジュール」又は「内側モジュール」と称されるが、それは、以下でさらに詳細に記載する通り、患者の足上の円筒モジュール14の内側に典型的に配置されるためである。
【0030】
モジュール体20は、円筒構成要素(さらに本明細書では、「シリンダ」と称される)24と円筒構成要素24から延伸するフランジ(さらに、「突出部」と称される)26とを有する。シリンダ24は、完全な円筒形状を持たないが、それは、フランジ26が、それから延伸するためであることは理解されるものとする。1つの実施形態において、モジュール体20(シリンダ24とフランジ26とを具備する)26は、1つの一体型部分である。その代わりとして、シリンダ24及びフランジ26は、ともに固定して連結される別個の部分であり得る。シリンダ24は、ロッド(例えば、図4A及び図4Bに示すロッド66等)が、管腔28内に配置可能で、又はより厳密には、モジュール体20が、管腔28を介して、ロッド66の上方/の上に配置可能なように、その中に画成された管腔28を有する。
【0031】
モジュール体20はまた、図示のシリンダ24に関連する連結機構30を有する。この特定の実施形態において、より具体的には、連結機構30は、シリンダ24の側面のねじ式開口部(図示せず)を通過して位置決め可能な止めねじ30である。以下でさらに詳細に記載する通り、連結機構30は、モジュール12をロッド(例えば、図4A及び図4Bに示すロッド66等)に取外し可能に又は調整可能に取り付けるために使用可能である。
【0032】
さらに、モジュール体20は、図示のフランジ26の側面に画成されたチャネル32を有する。さらに、モジュール体20はまた、フランジ26の対向側面に画成された整合チャネル(図示せず)を有する。チャネル32(さらに、フランジ26の対向側面の対向チャネル)は、クランプ22が、チャネル32に沿って摺動するように、クランプ22を受けるように構成される。したがって、クランプ22は、フランジ26の長さに平行で、シリンダ24の縦軸を略横断する軸に沿って、前後に摺動可能である。その代わりとして、チャネル32(さらに、図示されない対向チャネル)は、クランプ22が、本明細書記載のモジュール体20に対して摺動可能なように、クランプ22を受けることができる任意の公知の機能又は機構であり得る。
【0033】
摺動可能なクランプ22は、モジュール体20に摺動可能に連結可能な任意の公知の摺動可能な固定用構成要素であり得る。この特定の実施において、摺動可能なクランプ22は、取付機構34により、互いに操作可能に連結される、前方クランプ構成要素22Aと後方クランプ構成要素22Bとを有する。図示の典型的な実施形態において、取付機構34は、止めねじ34である。その代わりとして、任意の公知の調整可能な取付機構34は、摺動可能なクランプ22と使用するために組み込み可能である。クランプ22は、上述の通り、フランジ26上のチャネル32に、第1の端部で摺動可能に連結される。クランプ22は、第2の端部で、その中に画成された管腔36を有する(或いは図示の典型的な実施形態において、より具体的には、2つのクランプの片半分又は部分22A、22Bは、その間で管腔36を画成する)。さらに、クランプ22は、その第2の端部に沿って画成されたスロット38を有するため、スロット38が、管腔36と流体連通する。管腔36は、シリンダ24が、スロット38を介して、管腔36に挿入可能であるように、隣接するモジュールのシリンダ(モジュール12のシリンダ24等)を受ける大きさに作製される。このため、クランプ22は、以下でさらに詳細に記載の通り、フランジ26及び隣接するシリンダ24の両方に対して一旦、適切に位置決めされると、クランプ22が、2つのクランプ構成要素22A、22Bを互いに付勢することで、取付機構34で固定可能なように、フランジ26に対する第1の端部及び隣接するモジュールシリンダ(例えば、シリンダ24等)に対する第2の端部で調整可能である。
【0034】
図3は、1つの実施形態に係る、円筒指固定用モジュール14をさらに詳細に示す。円筒指固定用モジュール14は、それを通過して画成された管腔52を有する略円筒体(さらに、本明細書では「シリンダ」と称する)50である。上述の伸長モジュール12と同様に、管腔28は、それがロッド(例えば、図4A及び図4Bに示すロッド66等)を受けることができるように、構成される。さらに、略円筒体50はまた、図示のシリンダ50に関連する連結機構54を有する。この特定の実施形態において、より具体的には、連結機構54は、シリンダ50の側面のねじ式開口部(図示せず)を通過して位置決め可能な止めねじ54である。以下でさらに詳細に記載の通り(さらに、モジュール12に類似の方法で)、連結機構54は、モジュール14をロッド(例えば、図4A及び図4Bに示すロッド66等)に取外し可能に又は調整可能に取り付けるために使用可能である。円筒モジュール14はまた、本明細書では、「第2のモジュール」又は「横方向モジュール」と称されるが、それは、以下でさらに詳細に記載の通り、患者の足上の伸長モジュール14の横方向に典型的に配置されるためである。
【0035】
図4A及び図4Bに最良に示す1つの実施形態によれば、各別個のモジュール(別個のモジュール60、62、64等)は、使用の際に、図1に示す装置1又は図5A図5Dに示す装置80等の固定装置を作成するために、患者の別個の指に取り付けられ、ともに連結される。より具体的には、ロッド(図4A及び図4Bに示すロッド66等)は、最初に、各指に埋め込まれ、その後、モジュール(モジュール60、62、64等)は、各ロッド66に取り付けられる。
【0036】
ロッド66は、骨固定装置で使用するためのKワイヤ66又は他の任意の公知のロッド様又はワイヤ様の構成要素であり得る。本実施において、各ロッド66は、任意の指又は中足骨/手根骨の手術後に、各標的足指の骨や軟組織を内部に固定するために、指に埋め込まれる。このような公知の手術は、関節形成術、関節固定、腱切離、被膜切開、骨切り術、骨折又は脱臼の整復、腱の修復又は移植等を含み得るが、これらに限定されない。インプラント時に、ロッド66は、図4A及び図4Bに示す通り、このような各足指の先端から突出する。図示の通り、ロッド66は、その間に接合部66Cを備えた2つの部分66A、66Bを有するため、ロッド66の第1の部分(又は「埋め込み部分」)66Aの縦軸が、略90度である角度で、ロッド66の第2の部分(又は「モジュール取付部分」)66Bの縦軸を横断する。したがって、第1の部分66Aは、第1の部分66Aが、足指の縦軸に略平行で同心に配置され、接合部66Cを図示の足指のちょうど遠位に配置するように、上述の通り、患者の足指内に配置される。各ロッド66の第2の部分66Bは、1つの実施形態によれば、第1の部分66Aに対して(さらに、足指に対して)、略90度の角度で、接合部66Cから延伸するため、指固定用モジュール(モジュール60、62、64等)は、以下さらに詳細に記載の通り、第2の部分66Bに連結可能である。その代わりとして、第2の部分66Bは、2つ以上のロッド66の各々の第2の部分66Bが、略同一角度で配置される限り、約90度~約180度の範囲である、第1の部分66Aに対する角度で配置される。
【0037】
ロッド66が一旦、所望の通り埋め込まれ、配置されると、モジュール(モジュール60、62、64等)は、その後、ロッド66に連結可能である。より具体的には、モジュール60のシリンダ68は、ロッド66が、シリンダ68の管腔(図示せず)内に配置されるように、母趾に埋め込まれたロッド66の上方に位置決めされる。同様に、モジュール62及び64はまた、図示のそれぞれのロッド66の上方に配置可能である。モジュール(モジュール60、62、64を含む)のすべてが一旦、所望の通りロッド66に取り付けられ、上述の通り、互いに連結されると、調整機構(例えば、モジュール60上の機構70、72等)は、本明細書記載の両方の平面に沿って、モジュールの位置を調整し、その後、所望の通りモジュールを固定して(しかし、取外し可能に)取付けるために使用可能である。
【0038】
より具体的には、モジュール60に関して(しかし、モジュール62にも同様に適用可能で)、モジュール60は、所望の通り、ロッド60に配置可能である。より具体的には、モジュール60は、モジュール60が、所望の通り、位置決めされるまで、ロッド60に沿って(図1の矢印Aで示す方向にロッド60に沿って「上方」又は「下方」のいずれかで)移動可能である。その時点で、調整機構70は、モジュール60をロッド60に固定して取り付けるために利用可能である。さらに、別のモジュール(図示せず)が一旦、モジュール60の隣のロッド60に配置されると、モジュール60は、第2のモジュールに対して、所望の通り、位置決め可能で、その後、それに取り付け可能である。より具体的には、モジュール(図示せず)のシリンダは、モジュール60の管腔74内に位置決めされ、クランプ76は、上述の通り、図1の矢印Bで示す方向に、モジュール60のシリンダ68と第2のモジュールのシリンダとの間の距離を設定する(それによって、2本の足指の間の所望の距離を確定する)ように調整される。第2のモジュールのシリンダが一旦、所望の通り、管腔74内に配置され、クランプ76が所望の通り、位置決めされれば、調整機構72は、モジュール60を第2のモジュール(図示せず)に固定して取付け、クランプ76をその上に固定して取付け、それによって、所望の通り、モジュール60を固定するために利用可能である。このプロセスは、装置のすべてのモジュールが、所望の通り、位置決めされ、取り付けられるまで、あらゆるモジュール(例えば、モジュール62を含む)で繰り返される。任意のモジュールが、調整を要すれば、調整機構は、所望の通り、このようなモジュールを外して再び取付けるために、利用可能である。したがって、固定装置(例えば、装置1又は装置80等)全体は、組立後に調整可能である。この多断面の調整可能な性質により、指の互いに対する多断面の位置決めが可能になり、それによって、調整及びその後の固定により、それらの指を所望の通り、確実に位置決めすることは理解される。
【0039】
1つの実施に従って、モジュール式指固定装置(例えば、装置1又は装置80等)を組み立てるために、外科医は、最も内側の足指から手術を開始し、横方向に進める。したがって、このプロセスを、図4Aに示す通り、足の母趾から始められるが、必ずしもこの通りでなくてよい。特定の実施形態において、アラインメントを要する足指は5本未満で、外科医は、中間の3本の足指のみをアラインすることが多いのが一般的である。このような場合、モジュール式指固定装置(装置1又は80等)を母趾から組み立て始める代わりに、このプロセスは、第2趾、又は第5趾を除く他の任意の足指から開始する。代わりとなる実施によれば、モジュール式指固定装置は、第1のモジュール(円筒モジュール)が、第5趾に取り付けられ、その後、シリンダとフランジを有する追加のモジュールが、第4趾、第3趾等に連続的に取り付けられるように、逆方向に(横方向から内側に)取り付け可能である。
【0040】
内側から横方向に手術する際に、特定のモジュール式指固定装置(例えば、装置1又は装置80を含む)を組み立てるためには、外科医は、第1の伸長(又は内側)指固定用モジュール(モジュール60等)を、最も内側の足指に配置する。追加の伸長指固定用モジュール(モジュール62、64等)は、その後、円筒指固定用モジュール(モジュール64等)が配置される最も側方の足指まで配置される。指固定用モジュール(60、62、64等)がアラインメントを要するあらゆる足指に配置された後、指固定用モジュールは、ロッド66及び他の指固定用モジュールに対して、所望の位置に設置・固定される。各指固定用モジュールが、詳細に上述の通り、調整機構を使用して適切にアライン・固定された後、モジュール式指固定装置(装置1又は80等)の組立は完了する。
【0041】
モジュール式指固定装置(装置10又は80等)の組立後、装置が、患者の可動性に干渉する可能性が低く、患者の足指に取付けられた装置と重量負担面を使用することで生じる合併症を防ぐように、装置は、重量負担面から離れて配置される。さらに、調整機構は、外方に面し、回復期中、外科医がアクセス可能である。調整機構が、術後にアクセス可能なため、外科医は、経時的に必要に応じて、アラインメントを変更する場合がある。
【0042】
上述の通り、簡略化目的で、本明細書に示す装置の実施形態は、右足での使用を意図する。しかしながら、略類似の装置が、左足での使用で想定されることは理解される。さらに、他の四肢の指又は骨で使用するための実施形態も存在し得る。
【0043】
図5A図5Dは、右足で使用されるモジュール式指固定装置80の別の実施形態の代わりの図を示す。より具体的には、図5Aは、モジュール式指固定装置80の正面図を示し、図5Bは、上方から見た装置80を示す。図5Bは、指固定用モジュール82がロッド84に取り付けられる方法をより明瞭に示す。すなわち、図5Bは、各指固定用モジュール82の管腔(図示せず)内に配置されたロッド84を示す。さらに、図5Bは、モジュール82のクランプ86、より具体的には、モジュール82上の前方クランプ構成要素86A及び後方クランプ構成要素86Bの配置を示す。調整機構90は、クランプ86の2つの構成要素が、操作可能に連結されるように、前方クランプ86A及び後方クランプ86Bの間を通過して延伸する。クランプ86はまた、前方クランプ86A及び後方クランプ86Bが、フランジ88に沿って、一致して動く一対として摺動するように、フランジ88の周りに配置される。
【0044】
図5Bはまた、1つの実施によれば、指固定用モジュール82が配列され得る異なる配向を例証する。例えば、図5Bは、フランジ88に沿う様々な距離で、モジュール82のシリンダがロッド84に固定可能な異なる角度で固定されたクランプ86を示す。指固定用モジュール82が固定される様々な角度と距離により、確実に術後の指を適切にアラインできる。
【0045】
図5Cは、指固定装置80の背面図を示す。この図は、調整機構90の後方クランプ86Bとの相互作用を最良に示す。図5Cはまた、ロッド84の接合部が足指の遠位端に対して配置可能な、異なる長さを示す。特定の実施形態によれば、ロッド84の接合部は、ロッド84やモジュール82のいずれも、足指の先端の皮膚に接触しないように、足指の先端からある程度の距離をとって位置決めされる。さらに、患者の足の足指の長さが異なることを考慮して、任意の所定の足指の任意の所定のロッド84の接合部は、必要に応じて、足指の正面からある程度の距離をとって位置決め可能で、確実に指固定用モジュール82を適切にアラインする。より具体的には、隣接する足指よりも略短い足指に対して、その短い足指のロッド84の接合部は、隣接する、長い足指のロッド84の接合部に対して、その足指の先端から距離をより大きくとって配置され、各々の足指のモジュール82を、その間の角度が大きくなりすぎることなく、確実にともに連結可能とする。
【0046】
図5Dはさらに、若干低い正面斜視からのモジュール式指固定装置80を示す。図5Dは、指固定用モジュール80が、ロッド84上で異なる高さで、互いに対して配列可能である方法を示す。すなわち、ロッド84の各々は、他の任意のロッド84と比較して異なる高さ及び/又は位置で、そのそれぞれの足指の先端から外側に延伸し得、それによって、各ロッド84が、隣接するロッド84と比較して高さが異なり得る。この予想される変化と、モジュール82が略類似の高さで互いに連結される要件を考慮すると、各モジュール82が、隣接するモジュール82が隣接するロッド84に取り付けられる高さと比較して、異なる高さでロッド84に取り付けられる可能性があり得ることは理解されるものとする。
【0047】
本発明が、好ましい実施形態を参照して記載されたものの、当業者は、本発明の意図及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細が変更され得るとみなすであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D