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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】光通信用コネクタ、及び光モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/32 20060101AFI20241224BHJP
【FI】
G02B6/32
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023213910
(22)【出願日】2023-12-19
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】加茂 亜月
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-522690(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0082417(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0241675(US,A1)
【文献】特開2014-081606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24, 6/255-6/27, 6/30-6/34, 6/36-6/43
H01L 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲面を有するレンズと、
前記レンズを支持し、揺動軸を有する支持部材と、
前記支持部材に対し、前記曲面に沿って、前記揺動軸を中心に揺動可能な揺動部材と、
前記揺動部材に連動して、前記揺動軸を中心に揺動可能な被押圧部材と、
前記被押圧部材を揺動させるように、前記被押圧部材を押圧可能な押圧部材と、
を備え
光ケーブルとの接続により、前記押圧部材は、前記被押圧部材に向かって前記光ケーブルの先端に押圧され
光通信用コネクタ。
【請求項2】
前記押圧部材に向かって、前記被押圧部材に付勢を与える弾性部材をさらに備える
請求項に記載の光通信用コネクタ。
【請求項3】
前記レンズを被覆可能な被覆材をさらに備え、
前記被覆材の一端は、前記支持部材に固定され、
前記被覆材の他端は、前記揺動部材に固定され、
前記被押圧部材に向かって、前記押圧部材が押圧されることで、前記被覆材は前記レンズを露出させ、
前記押圧部材に向かって、前記被押圧部材に付勢が与えられることで、前記被覆材は前記レンズを被覆する
請求項に記載の光通信用コネクタ。
【請求項4】
前記支持部材は、
前記揺動部材と接触可能な当たり面を有する
請求項1からのいずれか1項に記載の光通信用コネクタ。
【請求項5】
前記揺動部材は、前記曲面に沿う円弧形状を有する
請求項1からのいずれか1項に記載の光通信用コネクタ。
【請求項6】
前記揺動部材は、前記曲面に接触しているマイクロファイバーを含んでいる
請求項1からのいずれか1項に記載の光通信用コネクタ。
【請求項7】
前記揺動部材は、前記曲面に対し、隙間を有した状態で揺動する
請求項1からのいずれか1項に記載の光通信用コネクタ。
【請求項8】
前記揺動部材を揺動可能な電動機構と、
前記電動機構を動作させるスイッチと、
を備える
請求項1に記載の光通信用コネクタ。
【請求項9】
曲面を有するレンズと、
前記レンズを支持し、揺動軸を有する支持部材と、
前記支持部材に対し、前記曲面に沿って、前記揺動軸を中心に揺動可能な揺動部材と、
を備え、
前記揺動部材は、前記曲面に沿う円弧形状を有する
光通信用コネクタ。
【請求項10】
請求項1からのいずれか1項に記載の光通信用コネクタと、
前記レンズが受け取る伝送光を電気信号に変換する変換器と、
を備える
光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光通信用コネクタ、及び光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光ケーブル同士、或いは光ケーブルと光モジュール間とを接続するために光コネクタが用いられることが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、光ファイバと対向する光受光面を有するコネクタの内部に気流を生じさせ、光受光面の埃を除去する光通信用コネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-159654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された光通信用コネクタは、特にソケットとプラグとを接続する際に、光ケーブル連結面の埃を除去することができる光通信用コネクタについてである。ソケットの外部に連通される連通穴が設けられており、この連通穴は光受光面の近傍にある。
ゴムシールを有するプラグがソケットに挿入されることで、プラグとソケットとの間の空気が密閉状態になり、光受光面の近傍に設けられた連通穴に空気が流れる。空気の風力で光受光面の埃が吹き飛ばされ、光受光面の埃は空気と一緒に排出される。
こうして、光受光面を有するコネクタの内部に気流を生じさせ、光受光面の埃を除去する光通信用コネクタが開示されている。
しかしながら、光受光面の形状によっては、光受光面の埃を除去しにくいことがある。
【0006】
本開示の目的は、上述した課題を解決する光通信用コネクタ、光モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の光通信用コネクタは、曲面を有するレンズと、前記レンズを支持し、揺動軸を有する支持部材と、前記支持部材に対し、前記曲面に沿って、前記揺動軸を中心に揺動可能な揺動部材と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る、光通信用コネクタ、及び光モジュールによれば、光受光面の埃を除去しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示に係る光モジュールの構成の一例を示す部分断面図Iである。
図2】本開示に係る光モジュールの構成の一例を示す部分断面図IIである。
図3】本開示に係る光通信用コネクタの一例を示す平面図である。
図4】本開示に係る光モジュールの構成の一例を示す簡略図Iである。
図5】本開示に係る光モジュールの構成の一例を示す簡略図IIである。
図6】本開示に係る光通信用コネクタの構成の一例を示す部分断面図Iである。
図7】本開示に係る光通信用コネクタの構成の一例を示す部分断面図IIである。
図8】本開示に係る光モジュールの構成の一例を示す部分断面図IIIである。
図9】本開示に係る光モジュールの構成の一例を示す部分断面図IVである。
図10】本開示に係る光モジュールの構成の一例を示す部分断面図Vである。
図11】本開示に係る光通信コネクタの構成の一例を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る各実施形態について、図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において用いられた図面および具体的な構成を、開示の解釈に用いてはならない。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
なお、本開示において図面は、1以上の実施の形態に関連付けられる。
【0011】
<第一実施形態>
以下、本開示における光通信用コネクタの構成の一例を、図1図5を用いて説明する。
【0012】
(光モジュールの構成)
光モジュール1は、光ファイバから伝送される伝送光を電気信号に変更する。
光モジュール1は、光通信用コネクタ11と、変換器12とを備える。
変換器12は、レンズが受け取る伝送光を電気信号に変換する。
なお、本開示の光通信用コネクタ11は、光ケーブル5と光モジュール1との接続に限らず、光ケーブル5同士を接続するためにも用いられる。
光ケーブル5は、光ファイバを有している。
【0013】
(光通信用コネクタの構成)
図1に示すように、光通信用コネクタ11は、レンズ111と、支持部材112と、揺動部材113と、被押圧部材114と、押圧部材115と、外筒116と、弾性部材117と、を備える。
【0014】
(レンズの構成)
レンズ111は、光ファイバから伝送光を受け取る。レンズ111は、受け取った伝送光を、収束させる或いは、平行光として伝送することが可能である。
レンズ111は、曲面CUSを有する。例えば、レンズ111はボールレンズである。
【0015】
(支持部材の構成)
支持部材112は、レンズ111を支持する。
支持部材112は揺動部材113と接触可能な当たり面COSを有する。当たり面COSは、レンズ111の周囲に存在する。なお、支持部材112の有する当たり面は、図1~2に示すように平坦であってもよいし、傾斜していてもよい。
また、支持部材112は、揺動軸Axを有する。
支持部材112は外筒116内に位置している。外筒116は、光ケーブル5の位置を決めるガイドとしての機能を有する。
なお、外筒116と、光ケーブル5との間には隙間が存在してもよい。
【0016】
(揺動部材の構成)
揺動部材113は、揺動軸Axを中心に揺動可能である。本開示における揺動部材113は、支持部材112に対し、曲面CUSに沿って、揺動軸Axを中心に揺動可能である。
また、揺動部材113は、揺動軸Axを中心とした揺動により当たり面COSに接触してもよい。加えて、揺動部材113は、光ケーブル5との接続の前に、当たり面COSに接触していてもよい。すなわち、図3に示すように、揺動部材113は光ケーブル5との接続の前に、支持部材112の端に寄っており、光ケーブルとの接続によって行われる光通信に干渉しにくくなっている。例えば、揺動部材113は直径0.3mm程度の太さである。
揺動部材113は、曲面CUSに接触しているマイクロファイバーを含んでいる。なお、揺動部材113は、曲面CUSに接触している部分以外を硬い材質で構成されてもよい。
揺動部材113は、曲面CUSに沿う円弧形状を有してもよい。
【0017】
(被押圧部材の構成)
被押圧部材114は、揺動軸Axを中心に揺動可能である。被押圧部材114は、揺動部材113に連動して揺動可能である。
すなわち被押圧部材114の揺動と、揺動部材113の揺動とは連動可能となっている。
図3に示すように、被押圧部材114は、支持部材112と、外筒116との間に位置している。揺動軸Axを中心に揺動することにより被押圧部材114が描く軌跡は、支持部材112の外周面OSと、外筒116との間に位置している。
被押圧部材114は、支持部材112の外周面OSに沿った形状を有していてもよい。
【0018】
(押圧部材の構成)
押圧部材115は、被押圧部材114を押圧可能である。押圧部材115は、被押圧部材114を揺動させるように、被押圧部材114を押圧可能である。
光ケーブル5との接続により、押圧部材115は、被押圧部材114に向かって押圧される。押圧部材115は、光ケーブル5の先端により押圧されてもよい。
図3に示す通り、押圧部材115は、被押圧部材114を押圧可能なように、支持部材112の外周面OSと、外筒116との間に位置している。
図1~3に示す通り、押圧部材115は、円柱状であってもよい。
【0019】
(弾性部材の構成)
弾性部材117は、押圧部材115に向かって、被押圧部材114に付勢を与える。すなわち、弾性部材117は、押圧部材115の押圧方向と反対の方向に付勢を与える。
弾性部材117は、被押圧部材114に付勢を与えることが可能なように、支持部材112の外周面OSと、外筒116との間に位置している。
弾性部材117は、被押圧部材114を跨いで、押圧部材115に対向していてもよい。
【0020】
(動作説明)
図4から図5に遷移するように、光ケーブル5との接続により、押圧部材115は、被押圧部材114に向かって光ケーブル5の先端に押圧される。揺動軸Axを中心に被押圧部材が揺動し、連動して揺動部材113も揺動軸Axを中心にROT方向に揺動する。これにより、揺動部材113は曲面に沿って揺動する。揺動部材113の揺動は、支持部材112が有する当たり面COSとの接触によって終了する。こうして、揺動部材113は、レンズ111を清掃し、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去する。
なお、光ケーブル5との接続中、押圧部材115は光ケーブル5の先端に押圧されたままの状態となり、図5の位置に揺動部材113は固定される。
【0021】
光ケーブル5との接続の解除により、すなわち、光ケーブル5の先端による押圧部材115への押圧が解除されることにより、弾性部材117は、押圧部材115に向かって、被押圧部材114に付勢を与える。揺動軸Axを中心に被押圧部材114が揺動し、連動して揺動部材113も揺動軸Axを中心に、今度はROT方向と反対方向に揺動する。これにより、揺動部材113は曲面CUSに沿って揺動する。揺動部材113の揺動は、支持部材112が有する当たり面COSとの接触によって終了する。光ケーブル5との接続の解除により、揺動部材113に連動する被押圧部材114は弾性部材117に付勢を与えられたままの状態となり、図4の位置に揺動部材113は位置する。光ケーブル5との接続の前に、揺動部材113は当たり面COSに接触しているとすると、接続の前と同様の位置に戻ることになる。こうして、揺動部材113は、レンズ111を再度清掃し、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去するとともに、光ケーブル5との接続によって揺動部材113に付着している埃を払う。
【0022】
光ケーブル5との接続及び接続の解除を繰り返すことで、揺動部材113は曲面CUSを往復する。これにより、揺動部材113は、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去するとともに、揺動部材113に付着した埃を払う。揺動部材113によって払われた埃は光ケーブル5を差し込む外筒116から排出される。また、外筒116と、光ケーブル5との間の隙間から排出されてもよい。その他の例として、外筒116や光ケーブル5に設けられた排出孔から埃が排出されてもよい。
【0023】
なお、作業者は、レンズ111と、光ケーブル5の先端との距離を調整することで、光ケーブル5との接続又は接続の解除、あるいはその両方において、揺動部材113は、光ケーブル5の先端にある埃を除去することも可能である。
【0024】
(作用及び効果)
本実施形態の光通信用コネクタ11によれば、揺動軸Axを有する支持部材に対し、レンズの曲面CUSに沿って、揺動軸Axを中心に揺動部材113が揺動可能となっている。レンズの曲面CUSに沿った揺動部材113の揺動により、揺動部材113は、レンズ111の曲面CUSに付着した埃を除去することができる。
したがって、本開示に係る光通信用コネクタ11は、光受光面(レンズ111の曲面CUS)の埃を除去しやすい。
【0025】
以下に、比較例を示す。
光通信の分野では、基板上の電気信号と光ファイバ上の光信号を相互に変換する光モジュールが用いられる。この光モジュールは伝送光の受信部にボールレンズを備え、ボールレンズに埃が付着すると受信光量が低下し光通信が不安定となる。
比較例1とするソケットとプラグとを接続する構成の光通信用コネクタではレンズに埃が付着した場合、エアダスターなど風による除去が主流である。エアダスターは消耗品の道具であるため、SANストレージといった、大量の光モジュールを用いた光通信の環境を構築する際には、消耗品の消費量が増え、保守のコストが増加してしまう。
【0026】
また、光モジュールは一般的に寿命が5年程度と短いため、上記のストレージ装置を長く運用すると高確率で光モジュールに故障が起こる。しかしながら、ユーザの依頼によっては、作業者は故障の疑いがある光モジュールについての調査をその都度行わなくてはならない。調査の結果、光通信のエラーが再現した場合には、コネクタ内部のボールレンズに埃が付着しているという物理的な要因が一つの可能性として考えられる。作業者は専用の顕微鏡を用いてボールレンズの確認を行い、要因となっている埃を除去する。
したがって、ボールレンズへの埃の付着といった物理的な要因を除外することができれば、顕微鏡を用いたボールレンズの確認にかかる工数を削減でき、保守のコストを削減できる。
以上、保守のコストの面から、コネクタのレンズ部分に埃が付着しない光モジュールの存在が求められる。
【0027】
比較例1に対し、光モジュール1が備える本開示の光通信用コネクタ11によれば、光ケーブル5との接続により、押圧部材115は、被押圧部材114に向かって光ケーブル5の先端に押圧される。揺動軸Axを中心に被押圧部材114が揺動し、連動して揺動部材113も揺動軸Axを中心にROT方向に揺動する。これにより、揺動部材113は曲面CUSに沿って揺動する。こうして、揺動部材113は、レンズ111を清掃し、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去することができる。
そのため、レンズ表面の清掃に、エアダスターといった特別な道具を必要とせず、本開示の光通信用コネクタが正しく動作していれば専用の顕微鏡でレンズ111の表面を確認する必要もないため、保守にかかるコストの削減が見込める。
【0028】
また比較例2として、コネクタに埃が入らないようにする構成では、光ケーブル5の抜き差し時にコネクタがむき出しになる際には、埃の付着を避けることができない。
入ってしまった埃を除去できる構成は少ないため、光モジュールを用いる光通信の分野では、コネクタの機能によって自動で埃を除去できることが求められている。
光ケーブル5と、光モジュール1とを接続する光通信用のコネクタは、接続時に物理的な接触を伴わない。そのため、光通信用のコネクタは、光ケーブル5との接続動作でごみを押し退けることができない。USBケーブルのコネクタなどは物理的に接触する必要があるため、コネクタへの抜き差しの際に埃などは払われる。したがって、コネクタ内部のレンズ111に埃の付着があるというのは光通信用コネクタ特有の問題であり、USBケーブルのコネクタといった接続用コネクタ全般に言える問題ではない。
【0029】
比較例2に対し、本開示の光通信用コネクタ11によれば、光ケーブル5との接続により、押圧部材115は、被押圧部材114に向かって光ケーブル5の先端に押圧される。揺動軸Axを中心に被押圧部材が揺動し、連動して揺動部材113も揺動軸Axを中心にROT方向に揺動する。これにより、揺動部材113は曲面CUSに沿って揺動する。こうして、揺動部材113は、レンズ111を清掃し、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去することができる。
また、光ケーブル5との接続の解除により、すなわち、光ケーブル5の先端による押圧部材115への押圧が解除されることにより、弾性部材117は、押圧部材115に向かって、被押圧部材114に付勢を与える。揺動軸Axを中心に被押圧部材114が揺動し、連動して揺動部材113も揺動軸Axを中心に、今度はROT方向と反対方向に揺動する。これにより、揺動部材113は曲面CUSに沿って揺動する。こうして、揺動部材113は、レンズ111を再度清掃し、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去するとともに、光ケーブル5との接続によって揺動部材113に付着している埃を払うことができる。
光ケーブル5との接続及び接続の解除を繰り返すことで、揺動部材113は曲面CUSを往復する。これにより、揺動部材113は、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去するとともに、揺動部材113に付着した埃を払うことができる。
そのため、本開示の光通信用コネクタ11によれば、光ケーブル5との接続及び接続解除によって、レンズ111の曲面CUSに付着した埃を除去することができる。
【0030】
また、本開示の光通信用コネクタ11は、「曲面CUSを有するレンズ111と、レンズ111を支持し、揺動軸Axを有する支持部材112と、支持部材112に対し、曲面CUSに沿って、揺動軸Axを中心に揺動可能な揺動部材113と、を備える」ことによって次の効果を得ることができる。
本開示の光通信用コネクタ11においては、揺動軸Axを有する支持部材112に対し、レンズの曲面CUSに沿って、揺動軸Axを中心に揺動部材113が揺動可能となっている。
これにより、「本開示の光通信用コネクタ11は、レンズ111の曲面CUSに沿った揺動部材113の揺動により、レンズ111の曲面CUSに付着した埃を除去することができる。」という効果を得ることができる。そのため、光通信用コネクタ11は、光受光面(レンズ111)の埃を除去しやすい。
【0031】
加えて、本開示の光通信用コネクタ11では、さらに「揺動部材Axに連動して、揺動軸Axを中心に揺動可能な被押圧部114材と、被押圧部材114を揺動させるように、被押圧部材114を押圧可能な押圧部材115と、をさらに備え、光ケーブル5との接続により、押圧部材115は、前記被押圧部材114に向かって光ケーブル5の先端に押圧される」ことによって次の効果を得ることができる。
光ケーブル5との接続により、押圧部材115は、被押圧部材114に向かって光ケーブル5の先端に押圧される。揺動軸Axを中心に被押圧部材が揺動し、連動して揺動部材113も揺動軸Axを中心にROT方向に揺動する。これにより、揺動部材113は曲面CUSに沿って揺動する。こうして、揺動部材113は、レンズ111を清掃し、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去することができる。
これにより、「本開示の光通信用コネクタ11において、揺動部材113は、ケーブルとの接続によって、レンズ111の曲面CUSに付着した埃を除去することができる」という効果を得ることができる。
【0032】
加えて、本開示の光通信用コネクタ11では、さらに「押圧部材115に向かって、被押圧部材114に付勢を与える弾性部材117をさらに備える」ことによって次の効果を得ることができる。
光ケーブル5との接続の解除により、すなわち、光ケーブル5の先端による押圧部材115への押圧が解除されることにより、弾性部材117は、押圧部材115に向かって、被押圧部材114に付勢を与える。揺動軸Axを中心に被押圧部材が揺動し、連動して揺動部材113も揺動軸Axを中心に、今度はROT方向と反対方向に揺動する。これにより、揺動部材113は曲面CUSに沿って揺動する。こうして、揺動部材113は、レンズ111を再度清掃し、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去するとともに、光ケーブル5との接続によって揺動部材113に付着している埃を払うことができる。
光ケーブル5との接続及び接続の解除を繰り返すことで、揺動部材113は曲面CUSを往復する。これにより、揺動部材113は、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去するとともに、揺動部材113に付着した埃を払うことがきる。
したがって、「本開示の光通信用コネクタ11において、揺動部材113は、光ケーブル5との接続及び接続の解除によって、レンズ111の曲面CUSに付着した埃を除去することができる」という効果を得ることができる。
【0033】
加えて、本開示の光通信用コネクタ11では、さらに「支持部材112は、揺動部材113と接触可能な当たり面COSを有する」ことによって次の効果を得ることができる。
揺動部材113の揺動は、支持部材112が有する当たり面COSとの接触によって終了する。当たり面COSは、レンズ111の周囲に存在することから、揺動部材113の揺動範囲を規制し、曲面CUSを有する範囲で揺動部材113を揺動させることができる。
これにより、「本開示の光通信用コネクタ11において、伝送光を受け取る部分に特化した清掃が可能である。」という効果を得ることができる。
【0034】
加えて、本開示の光通信用コネクタ11では、さらに「揺動部材113は、接続の前に、当たり面COSに接触している」ことによって次の効果を得ることができる。
揺動部材113の揺動は、支持部材112が有する当たり面COSとの接触によって終了する。接続前に、揺動部材113が当たり面に接触していることで、曲面CUSを有する範囲で揺動部材113の揺動を開始させることができる。
これにより、「本開示の光通信用コネクタ11において、揺動部材113は、伝送光を受け取る部分に特化した清掃が可能である。」という効果を得ることができる。
【0035】
加えて、本開示の光通信用コネクタ11では、さらに「揺動部材113は、曲面CUSに沿う円弧形状を有する」ことによって次の効果を得ることができる。
揺動部材113は、曲面CUSに沿う円弧形状を有していると、曲面CUSに付着した埃を払いやすくすることができる。
これにより、「本開示の光通信用コネクタ11において、揺動部材113は、曲面CUSに付着した埃を払いやすい。」という効果を得ることができる。
【0036】
<変形例>
上記開示の一例において、揺動部材113は、曲面CUSに沿った形状となるようにひも状の部材であってもよい。例として、ひも状のマイクロファイバーが挙げられる。
曲面CUSを揺動部材113によってこする場合、こする力を弱くできる。そのため、レンズ111の摩耗を防ぐことができる。
また、揺動部材113はひも状の部材であることで、レンズの表面に対して均一に力を加えることができる。
【0037】
上記開示の一例において、揺動部材113は、曲面CUSに対し、隙間を有した状態で揺動してもよい。すなわち、作業者は、曲面CUSと揺動部材113の動作経路との間に僅かに隙間を作り、レンズ111に直接触れないように揺動部材113を揺動させてもよい。揺動部材113がレンズ111に接触しないため、揺動部材113がレンズ111を傷つけにくい。埃のサイズに合わせて、隙間の大きさが変更されてもよい。
【0038】
上記開示の一例において、光ケーブル5との接続の前に、弾性部材117による付勢によって、揺動部材113は、当たり面COSに接触していてもよい。
【0039】
上記開示の一例において、二つの光通信用コネクタ11が対向していてもよい。その場合、オプティカルコリメータとして機能する。それぞれの光通信用コネクタが備える被押圧部材114に向かって、押圧部材115が押圧することになり、揺動部材113が曲面CUSに沿って揺動する。なお、作業者は、オプティカルコリメータとして二つの光通信用コネクタ11を利用する際には、二本の押圧部材115の代わりに、一本の押圧部材を用いてもよい。
【0040】
<第二実施形態>
上記開示における光通信用コネクタ11では、光ケーブル5との接続により、押圧部材115は、被押圧部材114に向かって光ケーブル5の先端に押圧される。揺動軸Axを中心に被押圧部材が揺動し、連動して揺動部材113も揺動軸Axを中心にROT方向に揺動する。これにより、揺動部材113は曲面CUSに沿って揺動する。こうして、揺動部材113は、レンズ111を清掃し、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去することができる。
これにより、揺動部材113は、ケーブルとの接続によって、レンズ111の曲面CUSに付着した埃を除去することができるため、光受光面(レンズ111の曲面CUS)の埃を除去しやすいことを開示している。
これに対し、以下の開示における光通信用コネクタ11Bは、レンズ111を被覆可能な被覆材118をさらに備えることで、光ケーブル5の抜き差し時にコネクタがむき出しになったとしても、埃が曲面CUSに付着しにくいことに着目している。
以下、本開示における光通信用コネクタ11Bの構成の一例について、図6図7を用いて説明する。
なお、上記開示と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0041】
(構成)
図6に示すように、光通信用コネクタ11Bは、レンズ111と、支持部材112と、揺動部材113と、被押圧部材114と、押圧部材115と、外筒116と、弾性部材117と、を備え、さらに、被覆材118を備える。
【0042】
(被覆材の構成)
被覆材118は、レンズを被覆可能である。
被覆材118の一端は、支持部材112に固定されており、被覆材118の他端は、揺動部材113に固定されている。
被覆材118は、布であってもよく、特に限定されない。
【0043】
(動作説明)
図6から図7に遷移するように、光ケーブル5との接続により、押圧部材115は、被押圧部材114に向かって光ケーブル5の先端に押圧される。揺動軸Axを中心に被押圧部材が揺動し、連動して揺動部材113も揺動軸Axを中心にROT方向に揺動する。これにより、揺動部材113は曲面に沿って揺動する。
被覆材118の一端は、支持部材112に固定されており、被押圧部材114に向かって、押圧部材115が押圧されることで、被覆材118はレンズ111を露出させる。
こうして、揺動部材113は、レンズ111を清掃し、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去するとともに、被覆材118で覆われたレンズ111を露出する。
【0044】
光ケーブル5との接続の解除により、すなわち、光ケーブル5の先端による押圧部材115への押圧が解除されることにより、弾性部材117は、押圧部材115に向かって、被押圧部材114に付勢を与える。揺動軸Axを中心に被押圧部材114が揺動し、連動して揺動部材113も揺動軸Axを中心に、今度はROT方向と反対方向に揺動する。これにより、揺動部材113は曲面CUSに沿って揺動する。
被覆材118の一端は、支持部材112に固定されており、押圧部材115に向かって、被押圧部材114に付勢が与えられることで、被覆材118はレンズ111を被覆する。
こうして、揺動部材113は、レンズ111を再度清掃し、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去するとともに、光ケーブル5との接続によって揺動部材113に付着している埃を払う。加えて、ROT方向と反対方向への揺動に合わせて、被覆材118はレンズ111を被覆する。
【0045】
なお、光ケーブル5との接続の前に、レンズ111は被覆材118によって被覆されてもよい。
【0046】
(作用及び効果)
本開示の光通信用コネクタ11Bにおいて、被覆材118は、光ケーブル5との接続の解除に合わせて、埃が除去された曲面CUSを被覆できる。
したがって、本開示の光通信用コネクタ11Bは、光通信の安定化を図りやすい。
【0047】
<第三実施形態>
以下、本開示における光通信用コネクタ11Cの構成の一例を、図8~9を用いて説明する。
【0048】
(構成)
図8に示すように、光通信用コネクタ11Cは、レンズ111と、支持部材112と、揺動部材113と、被押圧部材114と、押圧部材115と、外筒116と、弾性部材117と、を備え、さらに、電動機構119Acと、スイッチ119Sを備える。
【0049】
電動機構119Acは、揺動部材113を揺動可能である。
電動機構119Acは、モータあるいはアクチュエータである。
スイッチ119Sは、電動機構119Acを動作させる。
スイッチ119Sは、支持部材112の外周面OSと、外筒116との間に位置している。
【0050】
(動作説明)
図8から図9に遷移するように、スイッチ119Sが押圧されることで、電動機構119Acが動作し、揺動部材113が電気的に動作する。揺動軸Axを有する支持部材に対し、レンズ111の曲面CUSに沿って、揺動軸Axを中心に揺動部材113が揺動する。レンズの曲面CUSに沿った揺動部材113の揺動により、レンズ111の曲面CUSに付着した埃を押し退けて除去することができる。
【0051】
また、スイッチ119Sへの押圧が解除されることで、電動機構119Acが動作し、揺動部材113が電気的に動作する。揺動軸Axを有する支持部材に対し、レンズ111の曲面CUSに沿って、揺動軸Axを中心に揺動部材113が揺動する。こうして、揺動部材113は、レンズ111を再度清掃し、レンズ111に付着した埃を押し退けて除去するとともに、スイッチ119Sへの押圧によって揺動部材113に付着している埃を払うことができる。
【0052】
(作用及び効果)
本開示の光通信用コネクタ11Cによれば、電気的に、揺動部材113を曲面CUSに沿って、揺動させることができる。
したがって、本開示の光通信用コネクタ11Cは、省スペース化を図りやすい。
【0053】
スイッチ119Sは、例として光ケーブル5によって押圧されるとしたが、これに限られない。
【0054】
スイッチ119Sは、外筒116に取り付けられてもよい。
また、図10に示すように、スイッチ119Sの代わりに、外部から操作可能なスイッチ119SINSが、光通信用コネクタ11Dに備えられていてもよい。これにより、光ケーブル5等によるスイッチ119Sへの押圧がなくても、光通信用コネクタ11D単体で電動機構119Acの操作が行われ、揺動部材113を揺動させることができる。
【0055】
電動機構119Acは、光通信用コネクタ11Cを備えた光モジュールに流れる電気を使用して、揺動部材113を動かしてもよい。
【0056】
<第四実施形態>
以下、本開示における光通信用コネクタ11mの構成の一例を、図11を用いて説明する。
【0057】
(構成)
光通信用コネクタ11mは、曲面CUSを有するレンズ111mと、レンズ111mを支持し、揺動軸Axmを有する支持部材112mと、支持部材112mに対し、曲面CUSに沿って、揺動軸Axmを中心に揺動可能な揺動部材113mと、を備える。
【0058】
(作用及び効果)
本開示の光通信用コネクタ11mによれば、揺動軸Axを有する支持部材に対し、レンズの曲面CUSに沿って、揺動軸Axを中心に揺動部材113が揺動可能となっている。
これにより、本開示の光通信用コネクタ11mは、レンズ111の曲面CUSに沿った揺動部材113の揺動により、レンズ111の曲面CUSに付着した埃を除去することができる。
したがって、本開示の光通信用コネクタ11mは、光受光面(レンズ111)の埃を除去しやすい。
【0059】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0060】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0061】
(付記1)
曲面を有するレンズと、
前記レンズを支持し、揺動軸を有する支持部材と、
前記支持部材に対し、前記曲面に沿って、前記揺動軸を中心に揺動可能な揺動部材と、
を備える
光通信用コネクタ。
(付記2)
前記揺動部材に連動して、前記揺動軸を中心に揺動可能な被押圧部材と、
前記被押圧部材を揺動させるように、前記被押圧部材を押圧可能な押圧部材と、
をさらに備え、
光ケーブルとの接続により、前記押圧部材は、前記被押圧部材に向かって前記光ケーブルの先端に押圧される
付記1に記載の光通信用コネクタ。
(付記3)
前記押圧部材に向かって、前記被押圧部材に付勢を与える弾性部材をさらに備える
付記2に記載の光通信用コネクタ。
(付記4)
前記レンズを被覆可能な被覆材をさらに備え、
前記被覆材の一端は、前記支持部材に固定され、
前記被覆材の他端は、前記揺動部材に固定され、
前記被押圧部材に向かって、前記押圧部材が押圧されることで、前記被覆材は前記レンズを露出させ、
前記押圧部材に向かって、前記被押圧部材に付勢が与えられることで、前記被覆材は前記レンズを被覆する
付記3に記載の光通信用コネクタ。
(付記5)
前記支持部材は、
前記揺動部材と接触可能な当たり面を有する
付記1から4のいずれか1つに記載の光通信用コネクタ。
(付記6)
前記揺動部材は、前記接続の前に、前記当たり面に接触している
付記5に記載の光通信用コネクタ。
(付記7)
前記揺動部材は、前記曲面に沿う円弧形状を有する
付記1から6のいずれか1つに記載の光通信用コネクタ。
(付記8)
前記揺動部材は、前記曲面に接触しているマイクロファイバーを含んでいる
付記1から7のいずれか1つに記載の光通信用コネクタ。
(付記9)
前記揺動部材は、前記曲面に対し、隙間を有した状態で揺動する
付記1から8のいずれか1つに記載の光通信用コネクタ。
(付記10)
前記揺動部材を揺動可能な電動機構と、
前記電動機構を動作させるスイッチと、
を備える
付記1に記載の光通信用コネクタ。
(付記11)
付記1から10のいずれか1つに記載の光通信用コネクタと、
前記レンズが受け取る伝送光を電気信号に変換する変換器と、
を備える
光モジュール。
【符号の説明】
【0062】
1 光モジュール
11 光通信用コネクタ
111 レンズ
112 支持部材
113 揺動部材
114 被押圧部材
115 押圧部材
116 外筒
117 弾性部材
12 変換器
11B 光通信用コネクタ
118 被覆材
11C 光通信用コネクタ
119Ac 電動機構
119S スイッチ
11D 光通信用コネクタ
119SINS スイッチ
11m 光通信用コネクタ
111m レンズ
112m 支持部材
113m 揺動部材
5 光ケーブル
Ax 揺動軸
Axm 揺動軸
COS 当たり面
CUS 曲面
OS 外周面
【要約】
【課題】光受光面の埃を除去しやすい光通信用コネクタ及び光モジュールを提供する。
【解決手段】光通信用コネクタは、曲面を有するレンズと、レンズを支持し、揺動軸を有する支持部材と、支持部材に対し、曲面に沿って、揺動軸を中心に揺動可能な揺動部材と、を備える。
【選択図】図11
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11