(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法、及び、そのプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0873 20220101AFI20241224BHJP
H04L 43/02 20220101ALI20241224BHJP
H04L 43/08 20220101ALI20241224BHJP
【FI】
H04L41/0873
H04L43/02
H04L43/08
(21)【出願番号】P 2023218028
(22)【出願日】2023-12-25
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】曽我 建支
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-000576(JP,A)
【文献】特開2003-337770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/0873
H04L 43/02
H04L 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を診断フレームに
設定し、送信先となる
通信装置を示すアドレス情報を含む前記診断フレームを
前記送信先となる通信装置あてに送信する送信手段と、
受信した診断フレームに設定される前記インタフェース設定情報と、
前記診断フレームを受信した通信装置に設定されるインタフェース設定情報と
の比較により、ネットワークの設定ミスがないか判断する受信手段と、
を備える通信装置。
【請求項2】
前記診断フレームはデータ部を備え、
前記送信手段は、送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を送信インタフェース設定情報として、前記データ部に登録する手段を備え、
前記受信手段は、受信装置となる際の自己装置に設定される前記インタフェース設定情報を受信インタフェース設定情報として前記データ部に登録し、前記診断フレームを前記送信装置あてに送信する手段をさらに備え、
前記受信手段は、前記設定ミスがないかの判断を、前記送信装置からの前記診断フレームの前記データ部に登録される前記送信インタフェース設定情報と前記受信インタフェース設定情報と
の比較により判断する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記送信装置となる際の自己装置のインタフェース番号を送信インタフェース番号として前記データ部にさらに登録し、
前記受信手段は、前記受信装置となる際の自己装置のインタフェース番号を受信インタフェース番号として前記データ部にさらに登録する、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記データ部には、前記受信インタフェース番号、前記受信インタフェース設定情報、前記送信インタフェース番号、前記送信インタフェース設定情報を含むフレーム通過情報が複数登録可能であり、
前記送信手段は、前記送信インタフェース番号、前記送信インタフェース設定情報を設定したフレーム通過情報を第1のフレーム通過情報として前記データ部に登録し、
前記受信手段は、前記受信インタフェース番号、前記受信インタフェース設定情報を設定したフレーム通過情報を前記第1のフレーム通過情報とは別に第2のフレーム通過情報として前記データ部に登録する、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記診断フレームを前記受信装置あてに送信する際、前記診断フレームのタイプを診断フレームのリクエストを示すタイプに設定し、
前記受信手段は、前記診断フレームを前記送信装置あてに送信する際、前記タイプを診断フレームのリプライを示すタイプに設定する、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
請求項2に記載の通信装置であって、該通信装置より前記診断フレームを受信すると、通信装置のアドレス情報と該通信装置ためのインタフェース番号とを対応付けたテーブルを用いて、前記診断フレームの前記受信装置のアドレス情報を用いて該受信装置のためのインタフェース番号を特定して、該特定したインタフェース番号を用いて前記診断フレームを前記受信装置に転送するよう前記診断フレームを変更するとともに、前記診断フレームを受信したインタフェースのインタフェース設定情報を受信インタフェース設定情報として前記データ部に追加登録するとともに、前記特定したインタフェース番号に係るンタフェース設定情報を送信インタフェース設定情報として前記データ部にさらに追加登録するフレーム変更手段と、
前記フレーム変更手段により変更された診断フレームを、送信先となる受信装置に送信するための送信手段と、
を備えるスイッチ機能を備えた通信装置。
【請求項7】
前記フレーム変更手段は、前記テーブルに前記診断フレームの前記受信装置のアドレス情報に対応するインタフェース番号がない場合、前記診断フレームの送信のため、前記テーブルに登録される前記送信装置のためのインタフェース番号以外のインタフェース番号にてフラッディングできるように、前記診断フレームを変更し、
前記送信手段は、前記フラッディングのために変更された前記診断フレームを送信する、
請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
請求項2に記載の通信装置と請求項6に記載の通信装置とをネットワーク構成装置として含む、通信装置。
【請求項9】
自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を診断フレームに
設定し、送信先となる
通信装置を示すアドレス情報を含む前記診断フレームを
前記送信先となる通信装置あてに送信し、
受信した診断フレームに設定される前記インタフェース設定情報と、
前記診断フレームを受信した通信装置に設定されるインタフェース設定情報と
の比較により、ネットワークの設定ミスがないか判断する、
通信方法。
【請求項10】
自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を診断フレームに
設定し、送信先となる
通信装置を示すアドレス情報を含む前記診断フレームを
前記送信先となる通信装置あてに送信し、
受信した診断フレームに設定される前記インタフェース設定情報と、
前記診断フレームを受信した通信装置に設定されるインタフェース設定情報と
の比較により、ネットワークの設定ミスがないか判断する、
ことをコンピュータに実行させる通信装置のためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信方法、及び、そのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
年々、デジタルトランスフォーメーション(DX)化が進み、ネットワークインフラの運用の停止は社会的に問題となっている。しかしながら、ネットワークインフラのためのシステム構成において、人手により設定が行われる場合がある。人手による設定が行われる可能性のあるものとして、通信により接続される装置間のインタフェースがある。この際、設定ミスがあってもその問題が表面化せず、突然、問題が顕在化するようなこともあり得る。
【0003】
例えば、特許文献1には、ネットワークを稼働させつつ、当該ネットワークを構成する通信装置の設定更新を行う設定装置が記載されている。より具体的には、特許文献1に記載の装置は、設定更新の対象である指定された通信装置を複数の通信装置からなるネットワークから除外し、除外後に設定更新の対象である通信装置の設定を更新し、更新後に除外された通信装置を前記ネットワークに復帰させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された装置は、ネットワークを稼働中における設定更新の対象となる通信装置の更新のための技術であって、設定ミスを検出するものではない。そのため、ネットワークインフラのために構成されるシステムに含まれる通信装置のネットワークの設定ミス、例えば、運用開始前でのミスの検出をすることができるものではない。
【0006】
本開示の目的は、上述の課題を解決する通信装置、通信方法、及び、そのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る通信装置は、送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を診断フレームのデータ部に登録し、送信先となる受信装置を示すアドレス情報を含む前記診断フレームを受信装置あてに送信する送信手段と、前記診断フレームを受信すると、前記診断フレームの前記データ部に設定される前記インタフェース設定情報と、取得した前記受信装置に設定されるインタフェース設定情報と用いて、ネットワークの設定ミスがないか判断する受信手段と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る通信方法は、送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を診断フレームのデータ部に登録し、送信先となる受信装置を示すアドレス情報を含む前記診断フレームを受信装置あてに送信し、 前記診断フレームを受信すると、前記診断フレームの前記データ部に設定される前記インタフェース設定情報と、取得した前記受信装置に設定されるインタフェース設定情報と用いて、ネットワークの設定ミスがないか判断する。
【0009】
本開示の一態様に係る通信装置のためのプログラムは、送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を診断フレームのデータ部に登録し、送信先となる受信装置を示すアドレス情報を含む前記診断フレームを受信装置あてに送信し、前記診断フレームを受信すると、前記診断フレームの前記データ部に設定される前記インタフェース設定情報と、取得した前記受信装置に設定されるインタフェース設定情報と用いて、ネットワークの設定ミスがないか判断する、ことをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
上記一態様によれば、ネットワークの設定ミスを検出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示に係るネットワーク構成装置を示すブロック図である。
【
図2】診断フレームおよびフレーム通過情報の構成例を示す図である。
【
図4】送信装置のコマンド生成処理のフローを示した図である。
【
図5】診断フレームの出力を受けた場合におけるレイヤ2スイッチのフレーム変更部によるフレーム変更処理のフローを示した図である。
【
図6】診断フレームの出力を受けた場合におけるレイヤ2スイッチのフレーム変更部によるフレーム変更処理のフローを示した図である。
【
図7】宛先MACアドレスをキーにMACテーブルを検索するMACテーブル検索処理のフローを示した図である。
【
図10】本開示に係るネットワーク構成装置を示すブロック図である。
【
図11】診断MACフレームの構成を示す図である。
【
図12】
図10に示す構成において、ネットワークインタフェースのコンフィグレーション設定ミス検出のための動作を説明する図である。
【
図13】
図10に示す構成において、ネットワークインタフェースのコンフィグレーション設定ミス検出のための動作を説明する図である。
【
図14】本開示に係る通信システムの構成を示す図である。
【
図16】
図14に示す構成において、ネットワークインタフェースのコンフィグレーション設定ミス検出のための動作を説明する図である。
【
図17】
図14に示す構成において、ネットワークインタフェースのコンフィグレーション設定ミス検出のための動作を説明する図である。
【
図18】本開示の一実施形態による通信装置の構成例を示す図である。
【
図19】通信装置におけるハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0013】
<第1実施形態>
以下、本開示に係る一実施形態について、図を用いて説明する。
図1は、本開示の実施形態に係るネットワーク構成装置を示すブロック図である。ネットワーク構成装置は送信装置(100)と、受信装置(300)、および、送信装置(100)と受信装置(300)とにLANケーブルで接続される通信措置の1種であるレイヤ2スイッチ(200)で構成される。以下では、送信装置(100)は、別途説明する診断フレームを送信する送信装置、受信装置(300)は、診断フレームの送信先となる受信装置として説明する。なお、送信装置(100)は送信装置(100)が受信装置になり得ること、また、受信装置(300)は送信装置になり得ることから、両装置とも同じ機能を備える。また、
図1では、送信装置(100)と、受信装置(300)のみを示しているが、レイヤ2スイッチ(200)に対して、送信装置(100)と、受信装置(300)となりうる複数の通信装置が接続され得る。
【0014】
送信装置(100)と受信装置(300)は、コマンド生成部(101)、フレーム受信部(102)、LANドライバ(103)、MAC制御部(104)、PHY(105)を備える。
【0015】
PHY(105)は、LANケーブルと接続され通信プロトコルにおける物理層(PHysical Layer)の機能を実装する。MAC制御部(104)は、PHY(105)からデータを送受信し、メディアアクセス制御(Medium Access Control)に関するデータリンク層の機能を実装する。LANドライバ(103)は、後述する診断フレーム(F100)のデータ部(F105)のためのフレーム通過情報を作成する。また、LANドライバ(103)は、診断フレーム(F100)をフレーム受信部(102)に渡す処理を行う。コマンド生成部(101)は、LANドライバ(103)に対して診断フレーム(F100)のEthernetフレームの生成指示をする。フレーム受信部(102)は、LANドライバ(103)から診断フレーム(F100)を受信すると後述する診断フレーム(F100)のタイプ(F104)を確認して、診断リクエストの場合、タイプ(F104)を送信リプライに変更してLANドライバを経由して送信する。また、フレーム受信部(102)は、診断フレーム(F100)のタイプ(F104)が診断リプライの場合、送受信装置間のインタフェース設定に誤りがないか検出する。
【0016】
ここで、診断フレーム(F100)およびフレーム通過情報について説明する。
図2は、診断フレーム(F100)およびフレーム通過情報の構成例を示す図である。診断フレーム(F100)は、プリアンブル(F101)、宛先MACアドレス(F102)、送信元MACアドレス(F103)、タイプ(F104)、データ部(F105)、フレームのFCS(F106)で構成される。ここで、プリアンブル(F101)は、診断フレーム(F100)におけるEthernetフレームの開始を示す。宛先MACアドレス(F102)は、受信装置(300)が持つMACアドレスを示す。送信元MACアドレス(F103)は、送信装置が持つMACアドレスを示す。タイプ(F104)は、診断フレームが送信装置からのリクエスト、または、受信装置からのリプライである事を示す。データ部(F105)は、1つまたは複数のフレーム通過情報より構成される。FCS(F106)はフレームの誤り検出記号(Frame Check Sequence)となる。
【0017】
フレーム通過情報は、号機番号(D101)、受信インタフェース番号(D102)、インタフェース設定情報(D103)、送信インタフェース番号(D104)、インタフェース設定情報(D105)により構成される。号機番号(D101)は、通信経路上の装置をユニークに判断する番号を示す。受信インタフェース番号(D102)は、診断フレームを受信した受信装置における受信インタフェース番号を示す。インタフェース設定情報(D103)は、受信インタフェースが固定か自動で設定されているかの情報を示す受信インタフェース設定情報である。送信インタフェース番号(D104)は、診断フレームを送信する送信装置における受信インタフェース番号を示す。インタフェース設定情報(D105)は、送信インタフェースが固定か自動で設定されているかの情報であるかを示す送信インタフェース設定情報である。前述のように、フレーム通過情報は、データ部(F105)に1つまたは複数登録される。
【0018】
上記に説明する診断フレーム(F100)に対して、LANドライバ(103)は、診断フレーム(F100)の送信時に、コマンド生成部(101)からの送信指示で装置に設定されている号機番号(D101)と、MAC制御部(104)に設定されているインタフェースのインタフェース設定情報(D105)と、LANドライバ(103)に設定されているインタフェース番号(D104)を読み取り、診断フレーム(F100)のデータ部(F105)のためのフレーム通過情報を作成する。また、LANドライバ(103)は、診断フレーム(F100)の受信時には、号機番号(D101)と、MAC制御部(104)に設定されているインタフェースのインタフェース設定情報(D103)とドライバに設定されているインタフェース番号(D102)をフレーム通過情報として診断フレーム(F100)のデータ部(F105)に追加してフレーム受信部(102)に渡す。
【0019】
レイヤ2スイッチ(200)は、通信プロトコルの第2層の処理機能を備え、送信装置(100)と受信装置(300)間で送受信される通信フレームのスイッチング処理を行う。レイヤ2スイッチ(200)は、受信用PHY(201)、受信用MAC制御部(202)、受信制御部(203)、フレーム変更部(204)、送信制御部(205)、送信用MAC制御部(206)、送信用PHY(207)、および、MACテーブル(T200)を備える。
【0020】
受信用PHY(201)は、LANケーブルを介して送信装置(100)と接続され、物理層の機能を実装する。受信用MAC制御部(202)は、受信用PHY(201)からデータを受信すると共に、データリンク層の機能を実装する。受信制御部(203)は、受信フレームと受信インタフェース番号(D102)とをフレーム変更部(204)に出力する。
【0021】
フレーム変更部(204)は、受信フレームのタイプ(F104)を確認して、診断リクエストの場合で、かつフレームの送信時には、装置に設定されている号機番号(D101)と、受信フレームを受信した受信インタフェース番号により特定される受信MAC制御部(202)を決定する。そして、フレーム変更部(204)は、特定された受信MAC制御部(202)に設定されているインタフェースのインタフェース設定情報(D103)を読み取る。そして、フレーム変更部(204)は、フレームの宛先MACアドレス(F102)をキーに後述するMACテーブル(T200)を検索して送信先のインタフェース番号(D104)を決定する。さらに、フレーム変更部(204)は、決定されたインタフェース番号(D104)に対応する送信用MAC制御部(206)に設定されているインタフェース設定情報(D105)を読み取り、フレームのデータ部(F105)に、これら情報をフレーム通過情報として追加し、送信制御部(205)に出力する。
【0022】
送信制御部(205)は、フレーム変更部(204)からのフレームを送信用MAC制御部(206)へ出力する。送信用MAC制御部(206)は、データリンク層の機能を実装し、送信制御部(205)からのフレームを送信用PHY(207)へ出力する。送信用PHY(207)は、LANケーブルを介して受信装置(300)と接続され、送信用MAC制御部(206)からのフレームを受信装置(300)へ送信する。
【0023】
なお、レイヤ2スイッチ(200)は、インタフェース毎に複数の受信用PHY(201)、受信用MAC制御部(202)、受信制御部(203)、送信制御部(205)、送信用MAC制御部(206)、送信用PHY(207)を持つ。また、レイヤ2スイッチ(200)のそれぞれの受信制御部(203)、送信制御部(205)は、フレーム変更部(204)に接続している。
【0024】
また、ネットワーク構成装置の運用前に、送信装置(100)、レイヤ2スイッチ(200)、受信装置(300)の各装置には、自装置の号機番号(D101)が設定される。LANドライバ(103)、受信制御部(203)、送信制御部(205)には、フレームを送受信する各インタフェースのインタフェース番号(D102、D104)が割り当てられる。MAC制御部(104)、受信用MAC制御部(202)、送信用MAC制御部(206)には、インフェース番号で特定されるインタエースにおける設定値であるインタフェース設定情報(D103、D105)が設定される。
【0025】
また、一般的に、レイヤ2スイッチ(200)では、送信装置(100)と受信装置(300)で送受信が行われると、受信フレームをどのインタフェースより転送するか決定するためMACアドレス(T201)と、MACアドレスに紐づくレイヤ2スイッチ(200)のインタフェース番号(T202)で構成したMACテーブル(T200)が作成される。
図3は、MACテーブル(T200)の一例を示した図である。図のように、MACテーブル(T200)は、MACアドレス(T201)とインタフェース番号(T202)を対応付けたテーブルとなる。
【0026】
次に
図4から
図9を用いて、ネットワークインタフェースのコンフィグレーション設定ミスの検出方法を説明する。
【0027】
図4は、送信装置(100)のコマンド生成部(101)とLANドライバ(103)で診断フレーム(F100)を生成するコマンド生成処理のフローを示した図である。送信装置(100)のユーザが診断のために診断フレーム(F100)の送信指示をするコマンドを発行する場合、コマンドのための引数として、一般的にはARPコマンド等で確認できる宛先MACアドレス(F102)、診断フレーム(F100)を送信するインタフェース番号(D104)、自装置のインタフェースに割り当てた送信MACアドレス(F103)をコマンド生成部(101)に入力する(S101)。ここで、「ARPコマンド」とは、ARP(Address Resolution Protocol)テーブルの表示/設定を行うためのコマンドで、ARPテーブルとは、イーサネット通信のために用いられるIPアドレスとMACアドレスの対照表である。
【0028】
ユーザからの入力を受けると、コマンド生成部(101)は、送信装置(100)に設定されている号機番号と、MAC制御部(104)に設定されているインタフェースのインタフェース設定情報を読み取り、自装置の号機番号を変数A1、インタフェース設定情報を変数A2に格納し(S102)、LANドライバ(103)に診断フレームの生成を指示する。次に、LANドライバ(103)は、診断フレーム(F100)のデータ部(F105)を作成するため、号機番号(D101)として変数A1を設定し、受信インタフェース番号(D102)として受信装置としてないインタフェース番号となる“0xFF”を設定し、インタフェース設定情報(D103)に設定値としてない値の“0xFF”を設定する。また、LANドライバ(103)は、送信インタフェース番号(D104)として入力された送信インタフェース番号を設定し、インタフェース設定情報(D105)として変数A2を設定する(S103) 。
【0029】
次に、LANドライバ(103)は、診断フレーム(F100)のヘッダとして、宛先MACアドレス(F102)に宛先MACアドレス、送信元MACアドレス(F103)に送信元MACアドレス、タイプ(F104)に診断フレームの診断リクエストと定義したタイプで、例えば“0xA100”を設定する(S104)。LANドライバ(103)は作成した診断フレームをMAC制御部(104)に出力する。
【0030】
MAC制御部(104)は、診断フレームに対して、プリアンブル(F101)とFCS(F106)を付け加えてPHY(105)から診断フレーム(F100)をLANケーブルに出力する(S105)。なお、「FCS」(Frame Check Sequence)とは、フレームにエラー検出のために付加されるコードである。
【0031】
レイヤ2スイッチ(200)の受信用PHY(201)では、LANケーブルを介して送信装置(100)からの診断フレーム(F100)を受信し、受信用MAC制御部(202)に出力する。受信用MAC制御部(202)は、診断フレーム(F100)を受信制御部(203)へ出力する。受信制御部(203)は診断フレーム(F100)と受信した受信インタフェース番号をフレーム変更部(204)に出力する。
【0032】
図5、
図6は、診断フレーム(F100)の出力を受けた場合における、レイヤ2スイッチ(200)のフレーム変更部(204)によるフレーム変更処理のフローを示した図である。フレーム変更処理において、フレーム変更部(204)は、受信フレームのタイプ(F104)が診断リクエストか確認する(S201)。診断リクエストでない場合(S201:No)、通常のレイヤ2スイッチ(200)の動作として、受信したフレームを送信制御部(205)に出力し、送信用MAC制御部(206)を経由して送信用PHY(207)からフレームを出力(S202)する。一方、診断リクエストの場合(S201:Yes)、レイヤ2スイッチ(200)に設定されている号機番号と、受信インタフェース番号に対応する受信MAC制御部(202)に設定されているインタフェース設定情報を読み取り、号機番号を変数A3へ、インタフェース設定情報を変数A4へ設定する(S203)。なお、診断リクエストか否かの判断は、フレームにおけるタイプ(F104)に基づき行われる。また、受信インタフェース番号は、送信装置(100)が接続されるレイア2スイッチ(200)のインタフェースの番号である。
【0033】
次に、フレーム変更部(204)は、宛先MACアドレス(F102)でMACテーブル(T200)を検索し、宛先MACアドレス(F102)に対応する送信インタフェース番号(T202)を変数A5へ設定する (S204) 。なお、フレーム変更部(204)によるMACテーブル(T200)を用いた検索処理の詳細は、別途説明する。
【0034】
フレーム変更部(204)は、MACテーブル(T200)の検索の結果、変数A5に宛先MACアドレスがMACテーブルに存在ないことを示す値である“0xFF”が設定されているか確認する(S205)。“0xFF”が設定されていた場合(S205:Yes)、フレーム変更部(204)は、レイヤ2スイッチ(200)において送信装置(100)から診断フレームを受信した受信インタフェース以外のすべてのインタフェース番号で特定されるインタフェースより診断フレーム(F100)を送信するフラッディング処理を行う。
【0035】
図6は、フレーム変更部(204)による「フラッディング」処理を示す図である。先に説明したようにレイヤ2スイッチ(200)は複数のインタフェースが設けられる。そして、
図1に示す送信装置(100)、受信装置(300)等の複数の通信装置がLANケーブを介してレイヤ2スイッチ(200)のそれぞれ別のインタフェースに接続される。「フラッディング」処理とは、前述のように、レイヤ2スイッチ(200)において、送信装置(100)から診断フレーム(F100)を受信した受信インタフェース以外の、レイヤ2スイッチ(200)に設けられたすべてのインタフェースより、診断フレーム(F100)を出力する処理を言う。
【0036】
「フラッディング」処理のため、フレーム変更部(204)は、
図6に示すように、変数Xに装置の最若番のインタフェース番号に設定する(S210)。
図3に示す例の場合、最若番のインタフェース番号は“1”となる。フレーム変更部(204)は、フラッディングのための診断フレームの変更のため、送信インタフェース番号が設定されている変数Xに対応する送信MAC制御部(206)よりインタフェース設定情報を読み取り、読み取ったインタフェース設定情報を変数A7へ設定する(S212)。次に、フレーム変更部(204)は、診断フレーム(F100)のデータ部(F105)を作成するため、レイヤ2スイッチ(200)の号機番号(D101)として変数A3を設定し、受信インタフェース番号(D102)として診断フレームを受信したレイヤ2スイッチ(200)の受信インタフェース番号を設定し、インタフェース設定情報(D103)として変数A4を設定する。さらに、フレーム変更部(204)は、送信インタフェース番号(D104)として変数Xを設定し、インタフェース設定情報(D105)として変数A7を設定して、フレーム通過情報を作成し、作成したフレーム通過情報をデータ部(F105)の最後に追加する(S213)。
【0037】
次に、フレーム変更部(204)は、診断フレーム(F100)のヘッダとして、宛先MACアドレス(F102)、送信元MACアドレス(F103)、タイプ(F104)は変更せず(S214)、診断フレーム(F100)を送信(S215)するため、送信制御部(205)に出力する。出力された診断フレーム(F100)は、送信制御部(205)、送信用MAC制御部(206)を経由して送信用PHY(207)から出力される。以上、S212からS215の処理をレイヤ2スイッチ(200)に設けられたすべてのインタフェースに対して行うため、変数Xをインクリメントし(S216)、S211に処理を移す。なお、変数Xの値が送信装置(100)から診断フレーム(F100)を受信したレイヤ2スイッチ(200)の受信インタフェースの番号に一致する場合、フレーム変更部(204)は、S212からS215の処理は行わない。また、変数Xをインクリメント(S216)した結果、レイヤ2スイッチ(200)に設けられたすべてのインタフェースから診断フレームの出力が完了したと判断すると、フレーム変更部(204)は、
図6に示す処理を終了するとともに、診断フレームのフラッディングの処理を終了する。
【0038】
図5に戻り、変数A5が0xFFでない場合(S205:No)、フレーム変更部(204)は、送信インタフェース番号が設定されている変数A5に対応する送信MAC制御部(206)よりインタフェース設定情報を読み取り、読み取ったインタフェース設定情報を変数A6へ設定する(S206)。そして、フレーム変更部(204)は、診断フレーム(F100)のデータ部(F105)を作成するため、レイヤ2スイッチ(200)の号機番号(D101)として変数A3を設定し、受信インタフェース番号(D102)として診断フレームを受信したレイヤ2スイッチ(200)の受信インタフェース番号を設定し、受信インタフェース番号に対応するインタフェース設定情報(D103)として変数A4を設定する。さらに、フレーム変更部(204)は、送信インタフェース番号(D104)として変数A5を設定し、インタフェース設定情報(D105)として変数A6を設定してフレーム通過情報を生成する。フレーム変更部(204)は、生成したフレーム通過情報を受信した診断フレームのデータ部(F105)の最後に追加する(S207) 。
【0039】
次に、フレーム変更部(204)は、診断フレーム(F100)のヘッダとして、宛先MACアドレス(F102)、送信元MACアドレス(F103)、タイプ(F104)はそのまま変更せず(S208)、診断フレームを送信(S209)するため、送信制御部(205)に出力する。送信制御部(205)の制御により、送信用MAC制御部(206) は、プリアンブル(F101)、FCS(F106)を追加し、最後に、フレームが送信用PHY(207)からLANケーブルより出力されるようにする。
【0040】
以上のようにして、送信装置(100)から出力された診断フレーム(F100)は、複数の通信装置と接続されるレイヤ2スイッチ(200)を介して、受信装置(300)に送信される。
【0041】
次に、MACテーブル(T200)を用いた検索処理について詳細に説明する。
図7は宛先MACアドレス(F102)をキーにMACテーブル(T200)を検索するMACテーブル検索処理(S500)のフローを示した図である。フレーム変更部(204)は、宛先MACアドレス(F102)を取得すると(S501)、インタフェース番号1番から検索するため変数Mを1とする(S502)。そして、フレーム変更部(204)は、インタフェース設定テーブルの変数M番目を読み出し(S503)し、宛先MACアドレス(F102)とインタフェース番号(T202)となる変数Mに設定されるMACアドレス(T201)が一致するか判断する(S504)。一致する場合(S504:Yes)、フレーム変更部(204)は、一致した番号のインタフェース番号(T202)を検索結果として、検索を終了する(S507)。不一致の場合(S504:No)、フレーム変更部(204)は、次のテーブルを検索するために変数Mに対して1を加算する(S505)。変数Mがインタフェース設定テーブルの最後まで検索しても一致しない場合(S506:No)、フレーム変更部(204)は、存在しないインタフェース番号を示す“0xFF”を検索結果とし(S508)、検索処理を終了する。なお、
図5から
図7に示すレイヤ2スイッチ(200)は、診断フレーム(F100)が診断リクエストの場合、および、診断リプライの場合の双方の場合における診断フレームの処理となる。
【0042】
レイヤ2スイッチ(200)を介して、送信された診断フレーム(F100)を、受信装置(300)のPHY(105)が受信すると、PHY(105)は診断フレーム(F100)をMAC制御部(104)に出力する。MAC制御部(104)はプリアンブル(F101)、FCS(F106)を除去し、LANドライバ(103)へ出力する。LANドライバ(103)は受信インタフェース番号と入力した受信フレームをフレーム受信部(102)へ出力する。
【0043】
図8、
図9は、フレーム受信部(102)やLANドライバ(103)によるフレーム受信処理(S300)の処理フローを示す図である。なお、図において、S301、S302、S303、S304、S305は受信装置(300)の診断リクエストを受信した際の処理となり、S306、S307、S308、S309、S310、S311、S312、S313、S315は送信装置(100)で診断リプライを受信した際の処理となる。
【0044】
受信装置(300)のフレーム受信部(102)ではフレームを受信すると、受信フレームのタイプ(F104)より診断リクエストか確認する(S301)。診断リクエストでも、診断リプライでもない場合(
図8のS301:No,
図9のS306:No)、受信したフレームに対しては通常の受信処理が行われる(
図9のS314)。
【0045】
診断リクエストの場合(S301:Yes)、フレーム受信部(102)は、受信装置(300)の号機番号と、受信装置(300)のMAC制御部(104)に設定されているインタフェースのインタフェース設定情報についてLANドライバを経由して読み取る。そして、フレーム受信部(102)は、号機番号を変数A8へ、インタフェース設定情報を変数A9へ設定する(S302)。LANドライバ(103)は、診断フレーム(F100)のデータ部(F105)に登録するフレーム通過情報を作成するため、号機番号(D101)として変数A8を設定し、受信インタフェース番号(D102)として受信インタフェース番号を設定し、インタフェース設定情報(D103)として変数A9を設定する。さらに、LANドライバ(103)は、送信インタフェース番号(D104)として送信装置としてないインタフェース番号である“0xFF”を設定し、インタフェース設定情報(D105)に設定値としてない値である“0xFF”を設定する(S303) 。
LANドライバ(103)は、診断フレーム(F100)のヘッダとして、宛先MACアドレス(F102)に受信フレームの送信元MACアドレスを設定し、送信元MACアドレス(F103)に受信フレームの宛先MACアドレスを設定し、タイプ(F104)に診断リプライと定義したタイプ例えば“0xA101”を設定する(S304)。LANドライバ(103)は、診断フレーム(F100)を送信(S305)ためにMAC制御部(104)に診断フレーム(F100)を出力する。MAC制御部(104)は、診断フレーム(F100)に対してプリアンブル(F101)とFCS(F106)を付け加えてPHY(105)から診断フレーム(F100)をLANケーブルに出力する(S305)。
【0046】
図9に示すように、送信装置(100)のフレーム受信部(102)が診断リプライと判断した場合(S306:Yes)、フレーム受信部(102)は、何番目のフレーム通過情報であるかを示す変数Yに1を設定する(S307)。フレーム受信部(102)は、変数Y番目の送信インタフェース番号(D104)と変数Y+1番目の受信インタフェース番号(D102)が存在しないインタフェース番号を示す“0xFF”でないか確認する。“0xFF”の場合(S308:Yes)、フレーム受信部(102)は不整合として検出する。“0xFF”でない場合(S308:No)、フレーム受信部(102)は、変数Y番目の送信インタフェース設定情報(D105)と変数Y+1番目の受信インタフェース設定情報(D103)を比較する(S310)。比較の結果がインタフェース設定情報不一致の場合(S311:Yes)、フレーム受信部(102)は、不整合としてエラー検出する。
【0047】
一方、不一致でない場合(S311:No)、フレーム受信部(102)は整合したと判断し、変数Yに1を加算し(S312)、次のフレーム通過情報の確認へ進む。受信した診断フレーム(F100)のフレーム通過情報のリストの確認がすべて完了した場合(S313:No)、フレーム受信部(102)は、処理を終了する。なおリストは送受信の対で行うため確認はY-1番目が最後の確認となる。
【0048】
もし不整合があった場合、フレーム受信部(102)は、Y番目とY+1番目のフレーム通過情報をユーザに出力する(S315)。
【0049】
通信装置や、通信装置が接続されるレイヤ2スイッチ(200)において、設定ミスをしても通信不可とならずに通信できることに着目し、フレームのデータ部(F105)を利用した以上の処理により、レイヤ2スイッチ(200)やそれに接続される通信装置との間での設定ミスを検出することができる。この結果、設定用装置や設定用ネットワークを用意する必要がなくなり、結果として、コスト面、省電力化を行える効果がある。また、運用する通信経路を一度に診断できるため、装置毎にログインして確認することがなくコスト面での効果もある。また、運用する通信経路上にある各機器を診断フレームが通過する際、各機器が診断フレーム(F100)のデータ部(F105)にフレーム通過情報を追加していくことで、物理的に接続される通信機器間、
図1の例では、受信装置(100)とレイヤ2スイッチ(200)間、および、送信装置(300)とレイヤ2スイッチ(200)間でのインタフェース設定情報の不一致を容易に特定することが可能となる。さらに、フレーム通過情報にインタフェース番号(D102,D104)を加えることで、インタフェース設定情報に不一致がある場合、対象となる通信装置のいずれのインタフェースでの不一致か生じているかを容易に特定することが可能となる。加えて、フレーム通過情報に号機番号(D101)を加えることで、いずれの通信装置での不一致か生じているかを容易に特定することが可能となる。
【0050】
<第2実施形態>
本開示に係る実施形態として、LANケーブルの両端の装置間のLANドライバでコンフィグレーション設定ミスを検出する別の方法について説明する。
図10は、本開示に係るネットワーク構成装置を示すブロック図である。ネットワーク構成装置は、フレームを通信する送信装置(400)と、フレームを受信する受信装置(500)と、それらを接続するLANケーブルにより構成される。
【0051】
送信装置(400)と受信装置(500)とは、PHY(405)と、MAC制御部(404)と、LANドライバ(401)と、LANドライバ(401)内に設けられるフレーム生成部(402)とフレーム受信部(403)とにより構成される。
【0052】
PHY(405)は、LANケーブルと接続され物理層の機能を実装する。MAC制御部(404)は、PHY(405)からデータを送受信し、データリンク層の機能を実装する。LANドライバ(401)は、MAC制御部(404)を制御する。フレーム生成部(402)は、LANドライバ(401)において診断MACフレーム(F200)のEthernetフレームを生成して発行する機能を有する。フレーム受信部(403)は、LANドライバ(401)においてMAC制御部(404)から診断MACフレーム(F200)を受信すると宛先MACアドレスを確認する処理を行う機能を有する。また、フレーム受信部(403)は、診断MACフレーム(F200)の場合、送受信装置間のインタフェース間でオートネゴシェーションと固定のインタフェース設定に誤りがないか検出する処理も有する。
【0053】
図11は、診断MACフレーム(F200)の構成を示す図である。診断MACフレーム(F200)は、プリアンブル(F201)、宛先MACアドレス(F202)、送信元MACアドレス(F203)、タイプ(F204)、データ部(F205)、フレームのFCS(F206)により構成される。ここで、プリアンブル(F201)は、Ethernetフレームの開始を示す。宛先MACアドレス(F202)は、診断MACフレーム(F200)として定義されたマルチキャストアドレスを設定する。送信元MACアドレス(F203)は、送信装置(400)が持つMACアドレスを示す。タイプ(F204)は、診断MACフレーム(F200)である事を示す。データ部(F205)は、インタフェースが固定か自動で設定されているかを表す情報であるインタフェース設定情報(D201)を備える。なお、マルチキャストアドレスも、送信先となる受信装置を特定するアドレスの一種となる。
【0054】
LANケーブルの両端の装置間のLANドライバでコンフィグレーション設定ミスを検出する方法について説明する。
図12、
図13は、
図10に示す構成において、ネットワークインタフェースのコンフィグレーション設定ミス検出のための動作を説明する図である。はじめに、
図12を用いて、送信装置(400)におけるコマンド生成処理のフローを説明する。
【0055】
一般的にLANドライバ(401)は装置起動時に通信に必要な自装置のインタフェースに紐づくMACアドレス、インタフェース設定情報を保持している。送信装置(400)を受信装置(500)とLANケーブルで接続するとリンクアップが完了し、通信可能な状態となると(S601)、フレーム生成部(402)は、LANドライバ(401)が保持しているMACアドレスを変数B1、インタフェース設定情報を変数B2に設定する(S602)。フレーム生成部(402)は、診断MACフレーム(F200)の生成のため、データ部(F205)にインタフェース設定情報(D201)として変数B2を設定する(S603)。また、フレーム生成部(402)は、宛先MACアドレス(F202)に診断MACフレーム(F200)として定義されたマルチキャストアドレス(例えば、0180:c200:3FFF)を設定し、送信元MACアドレス(F203)に変数B1を設定し、タイプ(F204)に診断MACフレーム(F200)の診断リクエストを表す“0xA100”を設定する(S604)。そして、フレーム生成部(402)は、生成した診断MACフレーム(F200)の出力のため、MAC制御部(404)に生成した診断MACフレーム(F200)を出力する(S605)。MAC制御部(404)は、診断MACフレーム(F200)にプリアンブル(F101)、FCS(F106)を加える。そして、診断MACフレーム(F200)は、PHY(405)を介してLANケーブルに送信される。
【0056】
受信装置(500)が診断MACフレーム(F200)をPHY(405)にて受信すると、PHY(405)は診断MACフレーム(F200)をMAC制御部(404)に出力する。MAC制御部(404)はプリアンブル(F101)、FCS(F106)を除去し、LANドライバ(401)へ診断MACフレーム(F200)を出力する。LANドライバ(401)のフレーム受信部(403)は、フレーム受信処理を開始する。
【0057】
図13は、フレーム受信部(403)によるフレーム受信処理のフローを示す図である。フレーム受信部(403)は、宛先MACアドレス(F202)が定義されたマルチキャストアドレスと一致しない場合(S701:No)、通常のフレーム受信として処理する(S702)。一方、一致する場合(S701:Yes)、フレーム受信部(403)は、データ部(F205)からインタフェース設定情報を取り出し、変数B3に格納する(S703)。次に、フレーム受信部(403)は受信装置(500)のLANドライバ(401)で自装置として保持している受信インタフェースのインタフェース設定情報を変数B4に格納し(S704)、変数B3と変数B4が一致するか確認する(S705)。一致しない場合(S705:No)、フレーム受信部(403)はエラーメッセージを出力(S706)し、ユーザに設定ミスを知らせて処理を終了する。一致する場合(S705:Yes)、フレーム受信部(403)は、正常終了する。
【0058】
以上のようにて、LANケーブルの両端の装置間のLANドライバでコンフィグレーション設定ミスを検出する。
【0059】
<第3実施形態>
本開示に係る実施形態として、LANケーブルの両端の装置間でコンフィグレーション設定ミスを検出する方法について説明する。
【0060】
図14は、本開示に係るネットワーク構成装置を示すブロック図である。通信システムは、フレームを通信する送信装置(600)と、フレームを受信する受信装置(700)と、それらを接続するLANケーブルとにより構成される。送信装置(600)と受信装置(700)とは、PHY(605)と、MAC制御部(604)と、LANドライバ(603)と、コマンド生成部(601)と、フレーム受信部(602)とにより構成される。PHY(605)は、LANケーブルと接続され物理層の機能を実装する。MAC制御部(604)は、PHY(605)からデータを送受信する共に、データリンク層の機能を実装する。LANドライバ(603)は、MAC制御部(604)を制御する。コマンド生成部(601)は、LANドライバ(603)に対して診断IPフレーム(F300)のEthernetフレームを生成して発行する。フレーム受信部(602)は、LANドライバ(603)から診断IPフレーム(F300)を受信するとUDPヘッダの宛先ポート番号(D302)を確認して、診断リクエストの場合は送受信装置間のインタフェース設定に誤りがないかを検出する。
【0061】
図15は、診断IPフレーム(F300)の構成を示す図である。診断IPフレーム(F300)は、EthernetフレームのMACヘッダ(F301)、IPヘッダ(F302)、UDPヘッダ(F303)、UDPデータ(F304)により構成される。ここで、IPヘッダ(F302)は、宛先IPアドレスと送信元IPアドレスを含むRFC791で定義されるIPヘッダである。なお、RFC791とはインターネット技術の標準的な仕様を記した文書の1つである。UDPヘッダ(F303)はRFC791で定義されるヘッダで、一般的な送信元ポート番号(D301)、診断リクエストとして定義した例えば0x3011の様な番号を格納する宛先ポート番号(D302)、セグメント長(D303)、チェックサム(D304)により構成される。UDPデータ(F304)は、インタフェースが固定か、あるいは、自動で設定されているかの情報であるインタフェース設定情報(D305)を含む。
【0062】
LANケーブルの両端の装置間でコンフィグレーション設定ミスを検出する方法について説明する。
図16、
図17は、
図14に示す構成において、ネットワークインタフェースのコンフィグレーション設定ミス検出のための動作を説明する図である。はじめに
図16を用いて、送信装置(600)のコマンド生成部(601)で診断IPフレーム(F300)を生成するコマンド生成処理のフローを説明する。
【0063】
図16において、ユーザが診断するために診断IPフレーム(F300)の送信指示をするコマンドを発行するために、引数として、診断リクエストとして定義する宛先ポート番号(D302)と、受信装置の受信インタフェースのIPアドレスである宛先IPアドレス、自装置の送信インタフェースのIPアドレスである送信元IPアドレスを入力する(S801)ことにより、動作が開始される。入力を受けたコマンド生成部(601)は、送信元IPアドレスが割り当てられているMAC制御部(604)を一般的なIOCTL関数等を利用してリードしてインタフェース設定情報を読み取って変数C1に格納する(S802)。ここで、IOCTL関数とはデバイスの制御を行なうための関数である。
【0064】
次に、LANドライバ(603)は、診断IPフレーム(F300)のUDPデータ(F304)を作成するため、インタフェース設定情報(D305)に変数C1を設定する(S803)。そしてLANドライバ(603)は、診断IPフレーム(F300)のUDPヘッダ(F303)として、任意の送信元ポート番号(D301)、診断リクエストとして定義したポート番号として例えば“0x3011”を宛先ポート番号(D302)として設定し、さらにセグメント長(D303)、チェックサム(D304)を設定する(S804)。LANドライバ(603)は、入力された宛先IPアドレスと送信元IPアドレスとでIPヘッダ(F302)を作成し、MACヘッダ(F301)を追加(S805)して、MAC制御部(604)に診断IPフレーム(F300)を送信する(S806) 。
【0065】
診断IPフレーム(F300)は、MAC制御部(604)の制御のもと、PHY(605)を経由して送信される。
【0066】
図17は、フレーム受信処理の処理フローを示した図である。受信装置(700)のフレーム受信部(602)は、フレームを受信すると、受信フレームの宛先ポート番号(D302)が診断リクエストか確認する(S901)。診断リクエストでない場合(S901:No)、フレーム受信部(602)はフレームの通常の受信処理を行う(S902)。
【0067】
診断リクエストの場合(S901:Yes)、フレーム受信部(602)は、受信インタフェースのIPアドレスである宛先IPアドレスが割り当てられているMAC制御部(604)を一般的なIOCTL関数等を利用してリードし、インタフェース設定情報を読み取って結果を変数C2へ設定する(S903)。フレーム受信部(602)は、受信した診断IPフレーム(F300)のUDPデータからインタフェース設定情報(D305)を取り出し変数C3へ設定する(S904)。そして、フレーム受信部(602)は、変数C2と変数C3が等しくないか確認し(S905)、等しくない場合(S905:Yes)はエラーメッセージを出力して(S906)、処理を終了する。等しい場合(S905:No)、フレーム受信部(602)は正常として処理を終了する。
【0068】
以上のようにして、LANケーブルの両端の装置間のLANドライバでコンフィグレーション設定ミスを検出する。
【0069】
<第4実施形態>
図18は、本開示の一実施形態による通信装置の構成例を示す図である。通信装置(10)は、送信手段(11)と受信手段(12)とを備える。送信手段(11)は、送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を診断フレームのデータ部に登録し、送信先となる受信装置を示すアドレス情報を含む前記診断フレームを受信装置あてに送信する。受信手段(12)は、前記診断フレームを受信すると、前記診断フレームの前記データ部に設定される前記インタフェース設定情報と、取得した前記受信装置に設定されるインタフェース設定情報と用いて、ネットワークの設定ミスがないか判断する。
【0070】
図19は、通信装置(1)におけるハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。ここで、通信装置(1)は、送信装置(100)、レイヤ2スイッチ(200)、受信装置(300)、送信装置(400)、受信装置(500)、送信装置(600)、受信装置(700)を示すものとする。通信装置(1)の制御部(2)は、CPU(Central Processing Unit)(21)、ROM(Read Only Memory)(22)、記録装置(23)、RAM(Random Access Memory)(24)等により構成される。ROM(22)および記録装置(23)には、通信装置(1)の機能を実現するコンピュータプログラム等が記録される。RAM(24)は、CPU(21)が稼働中に用いるデータ等を一時的に記憶する作業領域等として利用される。通信装置(1)は、PHY(4)を含む。PHY(4)は、PHY(105)、受信用PHY(201)、送信用(207)、PHY(405) 、PHY(605)に対応する。また、通信装置(1)は、キーボード、マウス、表示装置等の入出力装置を接続するための入出力ポート(5)を含んでもよい。これらは、バス等で接続される。なお、ROMは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)により構成され、制御部(2)の機能を実現するためのコンピュータプログラムを更新できるようにしてもよい。また、記録装置(23)は、ハードディスク、SSD等であり、同様に、制御部(2)の機能を実現するためのコンピュータプログラムを更新できるようにしてもよい。
【0071】
以上、本開示にして説明したように、ネットワークインフラのために構成されるシステムに含まれる通信装置のネットワークの設定ミスを検出することができるようになる。
【0072】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0073】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限らない。
【0074】
(付記1)
送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を診断フレームのデータ部に登録し、送信先となる受信装置を示すアドレス情報を含む前記診断フレームを受信装置あてに送信する送信手段と、
前記診断フレームを受信すると、前記診断フレームの前記データ部に設定される前記インタフェース設定情報と、取得した前記受信装置に設定されるインタフェース設定情報と用いて、ネットワークの設定ミスがないか判断する受信手段と、
を備える通信装置。
【0075】
(付記2)
前記送信手段は、前記送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を送信インタフェース設定情報として、前記データ部に登録する手段を備え、
前記受信手段は、前記受信装置となる際の自己装置に設定される前記インタフェース設定情報を受信インタフェース設定情報として前記データ部に登録し、前記診断フレームを前記送信装置あてに送信する手段をさらに備え、
前記受信手段は、前記設定ミスがないかの判断を、前記送信装置からの前記診断フレームの前記データ部に登録される前記送信インタフェース設定情報と前記受信インタフェース設定情報とにより判断する、
付記1に記載の通信装置。
【0076】
(付記3)
前記送信手段は、前記送信装置となる際の自己装置のインタフェース番号を送信インタフェース番号として前記データ部にさらに登録し、
前記受信手段は、前記受信装置となる際の自己装置のインタフェース番号を受信インタフェース番号として前記データ部にさらに登録する、
付記2に記載の通信装置。
【0077】
(付記4)
前記データ部には、前記受信インタフェース番号、前記受信インタフェース設定情報、前記送信インタフェース番号、前記送信インタフェース設定情報を含むフレーム通過情報が複数登録可能であり、
前記送信手段は、前記送信インタフェース番号、前記送信インタフェース設定情報を設定したフレーム通過情報を第1のフレーム通過情報として前記データ部に登録し、
前記受信手段は、前記受信インタフェース番号、前記受信インタフェース設定情報を設定したフレーム通過情報を前記第1のフレーム通過情報とは別に第2のフレーム通過情報として前記データ部に登録する、
付記3に記載の通信装置。
【0078】
(付記5)
前記送信手段は、前記診断フレームを前記受信装置あてに送信する際、前記診断フレームのタイプを診断フレームのリクエストを示すタイプに設定し、
前記受信手段は、前記診断フレームを前記送信装置あてに送信する際、前記タイプを診断フレームのリプライを示すタイプに設定する、
付記2から付記4のいずれかに記載の通信装置。
【0079】
(付記6)
付記2から付記5のいずれか記載の通信装置であって、該通信装置より前記診断フレームを受信すると、通信装置のアドレス情報と該通信装置ためのインタフェース番号とを対応付けたテーブルを用いて、前記診断フレームの前記受信装置のアドレス情報を用いて該受信装置のためのインタフェース番号を特定して、該特定したインタフェース番号を用いて前記診断フレームを前記受信装置に転送するよう前記診断フレームを変更するとともに、前記診断フレームを受信したインタフェースのインタフェース設定情報を受信インタフェース設定情報として前記データ部に追加登録するとともに、前記特定したインタフェース番号に係るンタフェース設定情報を送信インタフェース設定情報として前記データ部にさらに追加登録するフレーム変更手段と、
前記フレーム変更手段により変更された診断フレームを、送信先となる受信装置に送信するための送信手段と、
を備えるスイッチ機能を備えた通信装置。
【0080】
(付記7)
前記フレーム変更手段は、前記テーブルに前記診断フレームの前記受信装置のアドレス情報に対応するインタフェース番号がない場合、前記診断フレームの送信のため、前記テーブルに登録される前記送信装置のためのインタフェース番号以外のインタフェース番号にてフラッディングできるように、前記診断フレームを変更し、
前記送信手段は、前記フラッディングのために変更された前記診断フレームを送信する、
付記6に記載の通信装置。
【0081】
(付記8)
付記2に記載の通信装置と付記6に記載の通信装置とをネットワーク構成装置として含む、通信装置。
【0082】
(付記11)
送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を診断フレームのデータ部に登録し、送信先となる受信装置を示すアドレス情報を含む前記診断フレームを受信装置あてに送信し、
前記診断フレームを受信すると、前記診断フレームの前記データ部に設定される前記インタフェース設定情報と、取得した前記受信装置に設定されるインタフェース設定情報と用いて、ネットワークの設定ミスがないか判断する、
通信方法。
【0083】
(付記12)
前記送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を送信インタフェース設定情報として、前記データ部に登録し、
前記受信装置となる際の自己装置に設定される前記インタフェース設定情報を受信インタフェース設定情報として前記データ部に登録し、前記診断フレームを前記送信装置あてに送信し、
前記設定ミスがないかの判断を、前記送信装置からの前記診断フレームの前記データ部に登録される前記送信インタフェース設定情報と前記受信インタフェース設定情報とにより判断する、
付記11に記載の通信方法。
【0084】
(付記13)
前記送信装置となる際の自己装置のインタフェース番号を送信インタフェース番号として前記データ部にさらに登録し、
前記受信装置となる際の自己装置のインタフェース番号を受信インタフェース番号として前記データ部にさらに登録する、
付記12に記載の通信方法。
【0085】
(付記14)
前記データ部には、前記受信インタフェース番号、前記受信インタフェース設定情報、前記送信インタフェース番号、前記送信インタフェース設定情報を含むフレーム通過情報が複数登録可能であり、
前記送信インタフェース番号、前記送信インタフェース設定情報を設定したフレーム通過情報を第1のフレーム通過情報として前記データ部に登録し、
前記受信インタフェース番号、前記受信インタフェース設定情報を設定したフレーム通過情報を前記第1のフレーム通過情報とは別に第2のフレーム通過情報として前記データ部に登録する、
付記13に記載の通信方法。
【0086】
(付記15)
前記診断フレームを前記受信装置あてに送信する際、前記診断フレームのタイプを診断フレームのリクエストを示すタイプに設定し、
前記診断フレームを前記送信装置あてに送信する際、前記タイプを診断フレームのリプライを示すタイプに設定する、
付記12から付記14のいずれかに記載の通信方法。
【0087】
(付記16)
付記2から付記5のいずれか記載の通信装置であって、該通信装置より前記診断フレームを受信すると、通信装置のアドレス情報と該通信装置ためのインタフェース番号とを対応付けたテーブルを用いて、前記診断フレームの前記受信装置のアドレス情報を用いて該受信装置のためのインタフェース番号を特定して、該特定したインタフェース番号を用いて前記診断フレームを前記受信装置に転送するよう前記診断フレームを変更するとともに、前記診断フレームを受信したインタフェースのインタフェース設定情報を受信インタフェース設定情報として前記データ部に追加登録するとともに、前記特定したインタフェース番号に係るンタフェース設定情報を送信インタフェース設定情報として前記データ部にさらに追加登録し、
前記フレーム変更手段により変更された診断フレームを、送信先となる受信装置に送信する、
を備えるスイッチ機能を備えた通信装置における通信方法。
【0088】
(付記17)
前記テーブルに前記診断フレームの前記受信装置のアドレス情報に対応するインタフェース番号がない場合、前記診断フレームの送信のため、前記テーブルに登録される前記送信装置のためのインタフェース番号以外のインタフェース番号にてフラッディングできるように、前記診断フレームを変更し、
前記フラッディングのために変更された前記診断フレームを送信する、
付記16に記載の通信方法。
【0089】
(付記21)
送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を診断フレームのデータ部に登録し、送信先となる受信装置を示すアドレス情報を含む前記診断フレームを受信装置あてに送信し、
前記診断フレームを受信すると、前記診断フレームの前記データ部に設定される前記インタフェース設定情報と、取得した前記受信装置に設定されるインタフェース設定情報と用いて、ネットワークの設定ミスがないか判断する、
ことをコンピュータに実行させる通信装置のためのプログラム。
【0090】
(付記22)
前記送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を送信インタフェース設定情報として、前記データ部に登録し、
前記受信装置となる際の自己装置に設定される前記インタフェース設定情報を受信インタフェース設定情報として前記データ部に登録し、前記診断フレームを前記送信装置あてに送信し、
前記設定ミスがないかの判断を、前記送信装置からの前記診断フレームの前記データ部に登録される前記送信インタフェース設定情報と前記受信インタフェース設定情報とにより判断する、
付記21に記載のプログラム。
【0091】
(付記23)
前記送信装置となる際の自己装置のインタフェース番号を送信インタフェース番号として前記データ部にさらに登録し、
前記受信装置となる際の自己装置のインタフェース番号を受信インタフェース番号として前記データ部にさらに登録する、
付記22に記載のプログラム。
【0092】
(付記24)
前記データ部には、前記受信インタフェース番号、前記受信インタフェース設定情報、前記送信インタフェース番号、前記送信インタフェース設定情報を含むフレーム通過情報が複数登録可能であり、
前記送信インタフェース番号、前記送信インタフェース設定情報を設定したフレーム通過情報を第1のフレーム通過情報として前記データ部に登録し、
前記受信インタフェース番号、前記受信インタフェース設定情報を設定したフレーム通過情報を前記第1のフレーム通過情報とは別に第2のフレーム通過情報として前記データ部に登録する、
付記23に記載のプログラム。
【0093】
(付記25)
前記診断フレームを前記受信装置あてに送信する際、前記診断フレームのタイプを診断フレームのリクエストを示すタイプに設定し、
前記診断フレームを前記送信装置あてに送信する際、前記タイプを診断フレームのリプライを示すタイプに設定する、
付記22から付記24のいずれかに記載のプログラム。
【0094】
(付記26)
付記2から付記5のいずれか記載の通信装置であって、該通信装置より前記診断フレームを受信すると、通信装置のアドレス情報と該通信装置ためのインタフェース番号とを対応付けたテーブルを用いて、前記診断フレームの前記受信装置のアドレス情報を用いて該受信装置のためのインタフェース番号を特定して、該特定したインタフェース番号を用いて前記診断フレームを前記受信装置に転送するよう前記診断フレームを変更するとともに、前記診断フレームを受信したインタフェースのインタフェース設定情報を受信インタフェース設定情報として前記データ部に追加登録するとともに、前記特定したインタフェース番号に係るンタフェース設定情報を送信インタフェース設定情報として前記データ部にさらに追加登録し、
前記フレーム変更手段により変更された診断フレームを、送信先となる受信装置に送信する、
ことをコンピュータに実行させる、スイッチ機能を備えた通信装置のためのプログラム。
【0095】
(付記27)
前記テーブルに前記診断フレームの前記受信装置のアドレス情報に対応するインタフェース番号がない場合、前記診断フレームの送信のため、前記テーブルに登録される前記送信装置のためのインタフェース番号以外のインタフェース番号にてフラッディングできるように、前記診断フレームを変更し、
前記フラッディングのために変更された前記診断フレームを送信する、
付記26に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0096】
1 通信装置
2 制御部
4 PHY
5 入出力ポート
100 送信装置
101 コマンド生成部
102 フレーム受信部
103 LANドライバ
104 MAC制御部
105 PHY
200 レイヤ2スイッチ
201 受信用PHY
202 受信用MAC制御部
203 受信制御部
204 フレーム変更部
205 送信制御部
206 送信用MAC制御部
207 送信用PHY
300 受信装置
400 送信装置
401 LANドライバ
402 フレーム生成部
403 フレーム受信部
404 MAC制御部
405 PHY
500 受信装置
600 送信装置
601 コマンド生成部
602 フレーム受信部
603 LANドライバ
604 MAC制御部
605 PHY
700 受信装置
【要約】
【課題】ネットワークの設定ミスを検出可能な通信装置を提供する。
【解決手段】通信装置は、送信手段と受信手段とを備える。送信手段は、送信装置となる際の自己装置のネットワークの設定が自動か固定かを示すインタフェース設定情報を診断フレームのデータ部に登録し、送信先となる受信装置を示すアドレス情報を含む前記診断フレームを受信装置あてに送信する。受信手段は、前記診断フレームを受信すると、前記診断フレームの前記データ部に設定される前記インタフェース設定情報と、取得した前記受信装置に設定されるインタフェース設定情報と用いて、ネットワークの設定ミスがないか判断する。
【選択図】
図18