(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】霧化コア及び貯液綿霧化装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20241224BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20241224BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20241224BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20241224BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/44
A24F40/46
A24F40/51
(21)【出願番号】P 2023573301
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(86)【国際出願番号】 CN2021143291
(87)【国際公開番号】W WO2023019863
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】202121959561.6
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521528698
【氏名又は名称】深▲ゼン▼市華誠達精密工業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】陳平
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105266204(CN,A)
【文献】中国実用新案第213549689(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/44
A24F 40/46
A24F 40/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
霧化コアであって、
管状の取付フレーム(341)を含み、前記取付フレーム(341)内には発熱霧化モジュール(342)が設けられており、
前記取付フレーム(341)には縦長の給液孔(3411)が設けられており、前記給液孔(3411)は、前記取付フレーム(341)の内外の表面を貫通し、且つ、前記取付フレーム(341)の高さ方向に沿って延伸するよう設けられ、前記給液孔(3411)の上方には導気孔(3412)が設けられており、
前記発熱霧化モジュール(342)は、柱状の導液綿(3421)及び発熱部材(3422)を含み、前記導液綿(3421)における軸方向の貫通孔が導気経路を形成しており、前記導液綿(3421)の周方向の外側面は吸液面を形成し、周方向の内側面は霧化面を形成し、前記発熱部材(3422)は、前記霧化面に嵌設されるか密着し、
前記導液綿(3421)は前記給液孔(3411)を閉塞するが、前記導気孔(3412)については全部又は一部を露出させることを特徴とする霧化コア。
【請求項2】
前記導気孔(3412)は間隔を置いて複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア。
【請求項3】
前記導気孔(3412)は前記給液孔(3411)と連通していることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア。
【請求項4】
前記導気孔(3412)は、長孔、丸孔又は角孔のうちの1種類又は複数種類であることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア。
【請求項5】
前記導液綿(3421)の高さ寸法は、前記給液孔(3411)の高さ寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の霧化コア。
【請求項6】
前記発熱部材(3422)は、発熱本体と、前記発熱本体に導電的に接続される電極リード線(34223)を含み、前記発熱本体は柱状構造をなしており、両端に設けられる導電部(34221)と、前記導電部(34221)に接続される発熱部(34222)を含み、前記電極リード線(34223)は、一端が前記導電部(34221)に設けられ、他端が下方に向かって延伸するよう設けられていることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア。
【請求項7】
前記霧化コアは、更に、前記取付フレーム(341)の下側の開口部分に収容される固定ベース(343)を含み、
前記固定ベース(343)は柱状構造をなしており、且つ、軸方向の対向面を貫通する給気孔(3431)が設けられており、前記固定ベース(343)の周方向の側面には、前記電極リード線(34223)を挿設するための位置決め溝(3432)が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の霧化コア。
【請求項8】
貯液綿霧化装置であって、
ハウジング(1)と、前記ハウジング(1)の上端に接続されるマウスピース(2)を含み、
前記ハウジング(1)内には霧化モジュール(3)が設けられており、前記霧化モジュール(3)は上記請求項1~7のいずれか1項に記載の霧化コアを含み、
前記貯液綿霧化装置は、更に、前記霧化コアに接続されて前記霧化コアに電気を供給する給電モジュール(4)を含むことを特徴とする装置。
【請求項9】
前記霧化モジュール(3)は、中空のケーシング(31)と、前記ケーシング(31)の上端の開口部分に収容される第1シール部材(32)と、前記ケーシング(31)の下端の開口部分に収容される第2シール部材(33)を含み、前記霧化コアは前記ケーシング(31)内に設けられ、且つ、前記霧化コアの電極リード線(34223)は、前記第2シール部材(33)に挿設されて前記給電モジュール(4)に電気的に接続され、
前記ケーシング(31)の内周、前記霧化コアの取付フレーム(341)の外周、前記第1シール部材(32)の下面及び前記第2シール部材(33)の上面が組み合わされて貯液タンクを形成し、前記霧化モジュール(3)は、更に、前記貯液タンク内に設けられる貯液綿(35)を含むことを特徴とする請求項8に記載の貯液綿霧化装置。
【請求項10】
前記第1シール部材(32)は第1本体部(321)を含み、前記第1本体部(321)の中心には第1貫通孔(3211)が設けられており、前記第1貫通孔(3211)の周縁には、導気筒(322)が下方に向かって延伸しており、前記導気筒(322)は前記取付フレーム(341)の上端に接続され、
前記第1本体部(321)の上端には取付溝(3212)が更に設けられており、前記霧化モジュール(3)は、更に、前記取付溝(3212)内に設けられる凝縮吸収綿(36)を含むことを特徴とする請求項9に記載の貯液綿霧化装置。
【請求項11】
前記マウスピース(2)は、前記ハウジング(1)の上端に設けられる嵌装部(21)と、前記嵌装部(21)に設けられるマウスピース部(22)を含み、前記マウスピース部(22)には排気孔(221)が設けられており、前記排気孔(221)の周縁には、前記第1貫通孔(3211)と対向して設けられる導気部(222)が下方に向かって延伸しており、前記導気部(222)の底端は、前記凝縮吸収綿(36)の上面を押圧していることを特徴とする請求項10に記載の貯液綿霧化装置。
【請求項12】
前記第2シール部材(33)は第2本体部(331)を含み、前記第2本体部(331)の中心には第2貫通孔(3311)が設けられており、前記第2本体部(331)には搭載溝(3312)が更に設けられており、前記霧化コアの固定ベース(343)が前記搭載溝(3312)内に取り付けられることを特徴とする請求項9に記載の貯液綿霧化装置。
【請求項13】
前記給電モジュール(4)は中空の筐体(41)を含み、前記第2本体部(331)の下端が前記筐体(41)の上端の開口部分に収容され、
前記給電モジュール(4)は、更に、前記筐体(41)の下端の開口部分に収容されるベース(42)を含み、前記筐体(41)の内周、前記第2本体部(331)の下面及び前記ベース(42)の上面が互いに組み合わされて取付スペースが形成され、前記給電モジュール(4)は、更に、前記取付スペース内に設けられるバッテリ(43)を含み、前記バッテリ(43)の外周と前記筐体(41)の内周は、気流経路を形成すべく予め定められた隙間を保持していることを特徴とする請求項12に記載の貯液綿霧化装置。
【請求項14】
前記ベース(42)には給気経路(424)が設けられており、前記給気経路(424)には、前記バッテリ(43)に接続される気流感知スイッチ(44)が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の貯液綿霧化装置。
【請求項15】
前記ハウジング(1)の底壁には給気貫通孔(122)が設けられており、前記給気貫通孔(122)は前記給気経路(424)と連通していることを特徴とする請求項14に記載の貯液綿霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化の技術分野に関し、特に、霧化コア及び貯液綿霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、貯液綿系のアトマイザーは、貯液綿を霧化用リキッドのキャリアとして使用しており、アトマイザーにおける液漏れの問題を効果的に解決している。しかし、貯液綿系の霧化コアは液圧が不足しているため、リキッドの伝達効率が低い。一方、霧化用リキッドの良好な吸い心地のためには高い霧化温度が必要となり、霧化時にはリキッドの伝達効率が高いことが求められる。霧化コアがタバコ用リキッドを消費するのと同時に、貯液綿内のリキッドが消費されて気圧を上昇させ、アトマイザーの貯液タンクの内外に気圧差が生じる。すると、外部の気圧が貯液タンク内の気圧よりも大きくなることで、外部の空気が導液材料の多孔質の空隙を通じて貯液タンク内に進入し、気圧を平衡化する。しかし、この空気が導液材料内の一部の空隙を占有する結果、導液材料の導液が不十分又は不均一となり、導液材料内のリキッドの伝達速度が遅くなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、改良した霧化コアを提供し、更に、貯液綿霧化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は以下の通りである。
【0005】
管状の取付フレームを含む霧化コアを構成する。前記取付フレーム内には発熱霧化モジュールが設けられている。
【0006】
前記取付フレームには縦長の給液孔が設けられている。前記給液孔は、前記取付フレームの内外の表面を貫通し、且つ、前記取付フレームの高さ方向に沿って延伸するよう設けられる。前記給液孔の上方には導気孔が設けられている。
【0007】
前記発熱霧化モジュールは、柱状の導液綿及び発熱部材を含む。前記導液綿における軸方向の貫通孔が導気経路を形成している。前記導液綿の周方向の外側面は吸液面を形成し、周方向の内側面は霧化面を形成する。前記発熱部材は、前記霧化面に嵌設されるか密着する。
【0008】
導液綿は給液孔を閉塞するが、前記導気孔については全部又は一部を露出させる。
【0009】
好ましくは、前記導気孔は間隔を置いて複数設けられる。
【0010】
好ましくは、前記導気孔は前記給液孔と連通している。
【0011】
好ましくは、前記導気孔は、長孔、丸孔又は角孔のうちの1種類又は複数種類である。
【0012】
好ましくは、前記導液綿の高さ寸法は、前記給液孔の高さ寸法よりも大きい。
【0013】
好ましくは、前記発熱部材は、発熱本体と、前記発熱本体に導電的に接続される電極リード線を含む。
【0014】
前記発熱本体は柱状構造をなしており、両端に設けられる導電部と、前記導電部に接続される発熱部を含む。前記電極リード線は、一端が前記導電部に設けられ、他端が下方に向かって延伸するよう設けられている。
【0015】
好ましくは、前記霧化コアは、更に、前記取付フレームの下側の開口部分に収容される固定ベースを含む。
【0016】
前記固定ベースは柱状構造をなしており、且つ、軸方向の対向面を貫通する給気孔が設けられている。前記固定ベースの周方向の側面には、前記電極リード線を挿設するための位置決め溝が設けられている。
【0017】
本発明は、更に、ハウジングと、前記ハウジングの上端に接続されるマウスピースを含む貯液綿霧化装置を構成する。
【0018】
前記ハウジング内には霧化モジュールが設けられている。前記霧化モジュールは霧化コアを含む。前記貯液綿霧化装置は、更に、前記霧化コアに接続されて前記霧化コアに電気を供給する給電モジュールを含む。
【0019】
好ましくは、前記霧化モジュールは、中空のケーシングと、前記ケーシングの上端の開口部分に収容される第1シール部材と、前記ケーシングの下端の開口部分に収容される第2シール部材を含む。前記霧化コアは前記ケーシング内に設けられる。且つ、前記霧化コアの電極リード線は、前記第2シール部材に挿設されて前記給電モジュールに電気的に接続される。
【0020】
前記ケーシングの内周、前記霧化コアの取付フレームの外周、前記第1シール部材の下面及び前記第2シール部材の上面が組み合わされて貯液タンクを形成する。前記霧化モジュールは、更に、前記貯液タンク内に設けられる貯液綿を含む。
【0021】
好ましくは、前記第1シール部材は第1本体部を含む。前記第1本体部の中心には第1貫通孔が設けられている。前記第1貫通孔の周縁には、導気筒が下方に向かって延伸している。前記導気筒は前記取付フレームの上端に接続される。
【0022】
前記第1本体部の上端には取付溝が更に設けられている。前記霧化モジュールは、更に、前記取付溝内に設けられる凝縮吸収綿を含む。
【0023】
好ましくは、前記マウスピースは、前記ハウジングの上端に設けられる嵌装部と、前記嵌装部に設けられるマウスピース部を含む。前記マウスピース部には排気孔が設けられている。前記排気孔の周縁には、前記第1貫通孔と対向して設けられる導気部が下方に向かって延伸している。前記導気部の底端は、前記凝縮吸収綿の上面を押圧している。
【0024】
好ましくは、前記第2シール部材は第2本体部を含む。前記第2本体部の中心には第2貫通孔が設けられている。前記第2本体部には搭載溝が更に設けられており、前記霧化コアの固定ベースが前記搭載溝内に取り付けられる。
【0025】
好ましくは、前記給電モジュールは中空の筐体を含み、前記第2本体部の下端が前記筐体の上端の開口部分に収容される。
【0026】
前記給電モジュールは、更に、前記筐体の下端の開口部分に収容されるベースを含む。前記筐体の内周、前記第2本体部の下面及び前記ベースの上面が互いに組み合わされて取付スペースが形成される。前記給電モジュールは、更に、前記取付スペース内に設けられるバッテリを含む。前記バッテリの外周と前記筐体の内周は、気流経路を形成すべく予め定められた隙間を保持している。
【0027】
好ましくは、前記ベースには給気経路が設けられており、前記給気経路には、前記バッテリに接続される気流感知スイッチが設けられている。
【0028】
好ましくは、前記ハウジングの底壁には給気貫通孔が設けられており、前記給気貫通孔は前記給気経路と連通している。
【発明の効果】
【0029】
本発明を実施することで、以下の有益な効果を有する。即ち、前記霧化コアの取付フレームには導気孔が設けられている。これにより、使用過程において、外部のガスは、導気孔を通じて貯液タンク又は貯液綿内に進入可能となるため、ガスが導液綿の多孔質の空隙を占有するとの事態を効果的に防止できる。結果として、導液綿の導液がより十分且つ均一となることから、霧化装置の吸い心地及び使用寿命が向上する。
【0030】
本発明を実施することで、以下の有益な効果を有する。前記貯液綿霧化装置は霧化コアを含み、当該霧化コアの取付フレームには導気孔が設けられている。これにより、使用過程において、外部のガスは、導気孔を通じて貯液タンク又は貯液綿内に進入可能となるため、ガスが導液綿の多孔質の空隙を占有するとの事態を効果的に防止できる。結果として、導液綿の導液がより十分且つ均一となることから、貯液綿霧化装置の吸い心地及び使用寿命が向上する。
【0031】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本発明における貯液綿霧化装置の概略構造図である。
【
図2】
図2は、本発明における貯液綿霧化装置の分解図である。
【
図3】
図3は、本発明における貯液綿霧化装置の断面図である。
【
図4】
図4は、本発明における第1シール部材の概略構造図である。
【
図5】
図5は、本発明における第2シール部材の概略構造図である。
【
図6】
図6は、本発明におけるベースの概略構造図である。
【
図7】
図7は、本発明における霧化コアの概略構造図である。
【
図10】
図10は、本発明の別の実施例における取付フレームの概略構造図である。
【
図11】
図11は、本発明の別の実施例における取付フレームの概略構造図である。
【
図12】
図12は、本発明における発熱本体の概略構造図である。
【
図13】
図13は、本発明の別の実施例における発熱本体の概略構造図である。
【
図14】
図14は、本発明の別の実施例における発熱本体の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の技術的特徴、目的及び効果がより明瞭に理解されるよう、図面を参照して本発明の具体的実施形態につき詳細に説明する。以下の記載において、理解すべき点として、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「縦」、「横」、「垂直」、「水平」、「天井」、「底」、「内」、「外」、「先頭」、「末尾」等で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、特定の方向による構成及び操作は本技術方案の記載の便宜上のものにすぎず、指摘する装置又は部材が特定の方向を有さねばならないことを指示するものではない。よって、本発明を制限するものと解釈すべきではない。
【0034】
更に、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「取り付ける」、「連なる」、「接続する」、「固定する」「設ける」等の用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体をなしていてもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。また、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよいし、2つの部材内部の連通であってもよいし、2つの部材の相互作用関係であってもよい。また、一方の部材が他方の部材の「上」又は「下」にあると称される場合、当該部材は、「直接的」又は「間接的」に他方の部材上に位置していてもよいし、1つ又はより多くの仲介部材が存在していてもよい。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、本技術方案の記載の便宜上のものにすぎず、相対的な重要性を明示又は暗示していると解釈すべきでも、指摘する技術的特徴の数を示唆していると解釈すべきでもない。従って、「第1」、「第2」、「第3」等の特徴が限定されている場合には、1つ又はより多くの当該特徴を明示的又は暗示的に含み得る。当業者であれば、具体的状況に応じて、本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0035】
図1~
図3に示すように、本発明の貯液綿霧化装置は、ハウジング1と、ハウジング1の上端に接続されるマウスピース2を含む。
【0036】
前記ハウジング1内には霧化モジュール3が設けられている。霧化モジュール3は霧化コア34を含む。貯液綿霧化装置は、更に、霧化コア34に接続されて霧化コア34に電気を供給する給電モジュール4を含む。
【0037】
本実施例において、前記ハウジング1は柱状構造となっており、例えば円柱状構造としてもよい。また、周壁11と、周壁11の底部に設けられる底壁12を含み得る。即ち、前記ハウジング1は、開口を有する柱状構造となっている。また、前記底壁12には給気貫通孔122が設けられていてもよい。好ましくは、前記ハウジング1は、硬質の絶縁材料を調製して製造可能である。例えば、フェノールプラスチック、ポリウレタンプラスチック、エポキシプラスチック、不飽和ポリエステルプラスチック、フランプラスチック、有機ケイ素樹脂、プロピレン系樹脂等や、それらの変性樹脂を基礎材料として調製してなる。当然ながら、ハウジング1は、管状の金属で製造してもよい。例えば、ステンレス、銅鉄、アルミニウム、アルミ合金等の金属の表面に電気めっきを施す。理解し得るように、前記ハウジング1の材質は、実際の必要性に応じて選択及び設定可能であり、ここでは具体的に限定しない。
【0038】
本実施例において、霧化モジュール3は、中空のケーシング31と、ケーシング31の上端の開口部分に収容される第1シール部材32と、ケーシング31の下端の開口部分に収容される第2シール部材33を含む。また、霧化コア34がケーシング31内に設けられる。
【0039】
本実施例において、前記ケーシング31は柱状構造となっており、例えば円柱状構造としてもよい。好ましくは、前記ケーシング31は、硬質の絶縁材料を調製して製造可能である。例えば、フェノールプラスチック、ポリウレタンプラスチック、エポキシプラスチック、不飽和ポリエステルプラスチック、フランプラスチック、有機ケイ素樹脂、プロピレン系樹脂等や、それらの変性樹脂を基礎材料として調製してなる。当然ながら、ケーシング31は、管状の金属で製造してもよい。例えば、ステンレス、銅鉄、アルミニウム、アルミ合金等の金属の表面に電気めっきを施す。好ましくは、前記ケーシング31は、食品レベルのプラスチックPCTGで製造される。
【0040】
本実施例では、前記ケーシング31の内周、霧化コア34の取付フレーム341の外周、第1シール部材32の下面及び第2シール部材33の上面が組み合わされて貯液タンクを形成する。霧化モジュール3は、更に、貯液タンク内に設けられる貯液綿35を含む。
【0041】
図4と図7を組み合わせて、本実施例において、前記第1シール部材32は第1本体部321を含む。当該第1本体部321は、ケーシング31の上端に締り嵌め可能である。好ましくは、当該第1本体部321の外周の一部には突起が設けられており、当該突起がケーシング31の内周に押し付けられて気密性を向上させる。更に、前記第1本体部321の中心には第1貫通孔3211が設けられている。第1貫通孔3211の周縁には、導気筒322が下方に向かって延伸している。導気筒322は取付フレーム341の上端に接続される。例えば、前記導気筒322は、前記取付フレーム341に締り嵌めされてもよい。また、例えば、前記導気筒322の底部は、取付フレーム341の上端の内部空間に押し込まれて収容される。
【0042】
好ましくは、前記第1本体部321の上端には取付溝3212が更に設けられており、霧化モジュール3は、更に、取付溝3212内に設けられる凝縮吸収綿36を含む。理解し得るように、前記第1本体部321の上面には取付溝3212が凹設されている。前記取付溝3212は第1貫通孔3211と連通している。凝縮吸収綿36は、例えば円柱状構造といった柱状構造をなしており、中心に通気孔が設けられている。当該通気孔は第1貫通孔3211と連通している。
【0043】
図3を組み合わせて、更に、マウスピース2は、ハウジング1の上端に設けられる嵌装部21と、嵌装部21に設けられるマウスピース部22を含む。マウスピース部22には排気孔221が設けられている。また、排気孔221の周縁には、第1貫通孔3211と対向して設けられる導気部222が下方に向かって延伸している。導気部222の底端は、凝縮吸収綿36の上面を押圧している。本実施例において、前記嵌装部21は、ハウジング1の上端に締り嵌めにより固定されてもよいし、フック接続又はネジ接続により固定されてもよい。前記マウスピース部22は、略柱状構造であってもよい。前記導気部222の底端は、凝縮吸収綿36の移動を規制するよう凝縮吸収綿36の上面を押圧している。
【0044】
更に、
図4を組み合わせて、第2シール部材33は第2本体部331を含む。当該第2本体部331は、ケーシング31の下端に締り嵌め可能である。好ましくは、当該第2本体部331の外周の一部には突起が設けられており、当該突起がケーシング31の内周に押し付けられて気密性を向上させる。第2本体部331の中心には、ガスを案内するための第2貫通孔3311が設けられている。
【0045】
図7~
図9に示すように、本発明の霧化コア34は管状の取付フレーム341を含む。取付フレーム341内には発熱霧化モジュール342が設けられている。
【0046】
取付フレーム341には縦長の給液孔3411が設けられている。給液孔3411は、取付フレーム341の内外の表面を貫通し、且つ、取付フレーム341の高さ方向に沿って延伸するよう設けられる。また、給液孔3411の上方には導気孔3412が設けられている。発熱霧化モジュール342は、柱状の導液綿3421及び発熱部材3422を含む。また、導液綿3421における軸方向の貫通孔が導気経路を形成している。導液綿3421の周方向の外側面は吸液面を形成し、周方向の内側面は霧化面を形成する。発熱部材3422は、霧化面に嵌設されるか密着する。
【0047】
導液綿3421は給液孔3411を閉塞するが、導気孔3412については全部又は一部を露出させる。
【0048】
例えば、前記導液綿3421の高さ方向の上端は、導気孔3412の高さ方向の底端より低くてもよいし、導液綿3421の高さ方向の上端は、導気孔3412の高さ方向の底端と整列してもよい。或いは、前記導液綿3421の高さ方向の上端は、導気孔3412の一部を遮蔽する。理解し得るように、前記導液綿3421は、導気孔3412を閉塞又は遮蔽又は被覆しない。或いは、前記導液綿3421は、導気孔3412を部分的に閉塞又は遮蔽又は被覆する。
【0049】
本実施例において、前記取付フレーム341は中空の管状構造となっており、円柱状構造であってもよい。好ましくは、前記取付フレーム341は、硬質の絶縁材料を調製して製造可能である。例えば、フェノールプラスチック、ポリウレタンプラスチック、エポキシプラスチック、不飽和ポリエステルプラスチック、フランプラスチック、有機ケイ素樹脂、プロピレン系樹脂等や、それらの変性樹脂を基礎材料として調製してなる。当然ながら、取付フレーム341は、管状の金属で製造してもよい。例えば、ステンレス、銅鉄、アルミニウム、アルミ合金等の金属の表面に電気めっきを施す。理解し得るように、前記取付フレーム341の材質は、実際の必要性に応じて選択及び設定可能であり、ここでは具体的に限定しない。
【0050】
好ましくは、取付フレーム341の壁厚は0.4mm以下とする。これにより、取付フレーム341の厚さが過度に厚いことで給液孔3411部分に空洞領域が形成され、導液効果に影響を及ぼすとの事態が回避される。好ましくは、前記取付フレーム341の壁厚は0.2mmとしてもよい。
【0051】
本実施例において、給液孔3411は間隔を置いて複数設けてもよく、例えば、周方向に3つ、4つ又は5つ等を配置してもよい。また、給液孔3411のサイズ及び数は必要に応じて選択及び設定すればよく、ここでは限定しない。好ましくは、導液綿3421により給液孔3411全体が被覆又は閉塞されるよう、導液綿3421の高さ寸法は給液孔3411の高さ寸法よりも大きくなっている。
【0052】
本実施例において、導気孔3412は間隔を置いて複数設けられる。例えば、同一水平面上に間隔を置いて複数設けてもよいし、高さ方向に間隔を置いて複数設けてもよい。また、整列するよう配置してもよいし、ずらして配置してもよい。
【0053】
図11に示すように、好ましくは、前記導気孔3412が給液孔3411と連通可能である。組み立て時には、導液綿3421が取付フレーム341に組み付けられて給液孔3411の全部を閉塞し、露出部分である
導気孔3412が通気を実現する。
【0054】
好ましくは、前記導気孔3412は、長孔、丸孔又は角孔のうちの1種類又は複数種類である。例えば、前記導気孔3412は長孔としてもよい。或いは、
図10に示すように、ガスをより円滑に取付フレーム341の内部から外側に案内し得るよう、前記導気孔3412は丸孔としてもよい。また、
図11に示すように、導気孔3412は、取付フレーム341の高さ方向に沿って延伸する長孔であってもよい。当該長孔は給液孔3411と連通可能である。理解し得るように、前記導気孔3412の形状、数及び位置は実際の必要性に応じて選択及び設定すればよく、ここでは具体的に限定しない。
【0055】
図8~
図9、
図12に示すように、好ましくは、発熱部材3422は、発熱本体と、発熱本体に導電的に接続される電極リード線34223を含む。
【0056】
発熱本体は柱状構造をなしており、両端に設けられる導電部34221と、導電部34221に接続される発熱部34222を含み得る。電極リード線34223は、一端が導電部34221に設けられ、他端が下方に向かって延伸するよう設けられている。理解し得るように、
図12に示すように、前記発熱本体はC型構造をなしていてもよい。また、
図13に示すように、前記発熱本体は螺旋構造をなしていてもよい。また、
図14に示すように、前記発熱本体は管状構造をなしていてもよい。理解し得るように、前記発熱本体の構造は必要に応じて選択及び設定すればよく、ここでは具体的に限定しない。
【0057】
更に、霧化コア34は、取付フレーム341の下側の開口部分に収容される固定ベース343も含む。
【0058】
固定ベース343は柱状構造をなしており、且つ、軸方向の対向面を貫通する給気孔3431が設けられている。固定ベース343の周方向の側面には、電極リード線34223を挿設するための位置決め溝3432が設けられている。当該位置決め溝3432は、周方向に間隔を置いて複数設けてもよい。また、発熱本体に面する側に傾斜案内面が設けられていてもよい。好ましくは、第2本体部331には搭載溝3312が更に設けられており、固定ベース343が搭載溝3312内に取り付けられる。好ましくは、電極リード線34223は、第2シール部材33に挿設されて給電モジュール4に電気的に接続される。
【0059】
理解し得るように、前記霧化コア34の取付フレーム341には導気孔3412が設けられている。これにより、使用過程において、外部のガスは、導気孔3412を通じて貯液タンク又は貯液綿35内に進入可能となるため、ガスが導液綿3421の多孔質の空隙を占有するとの事態を効果的に防止できる。結果として、導液綿3421の導液がより十分且つ均一となることから、貯液綿霧化装置の吸い心地及び使用寿命が向上する。
【0060】
図2、
図3、
図5、
図6を組み合わせて、給電モジュール4は中空の筐体41を含み、第2本体部331の下端が筐体41の上端の開口部分に収容される。本実施例において、前記第2本体部331は略円柱状構造となっており、周方向の側面に位置規制突起が設けられている。前記第2本体部331のうち前記位置規制突起の上部に位置する部分はケーシング31の下端に取り付けられ、前記第2本体部331のうち前記位置規制突起の下部に位置する部分は筐体41の上端に取り付けられる。
【0061】
更に、前記給電モジュール4は、筐体41の下端の開口部分に収容されるベース42も含む。筐体41の内周、第2本体部331の下面及びベース42の上面が互いに組み合わされて取付スペースが形成される。給電モジュール4は、更に、取付スペース内に設けられるバッテリ43を含む。バッテリ43の外周と筐体41の内周は、気流経路を形成すべく予め定められた隙間を保持している。好ましくは、前記第2本体部331の周縁には、ストッパアーム332が下方に向かって延伸している。当該ストッパアーム332は、バッテリ43の上縁を押圧することでバッテリ43を位置規制可能であり、且つ、これにより、給電モジュール4と霧化モジュール3に一定の空間を保持させる。
【0062】
本実施例において、前記ベース42は、ボトムプレート421と、前記ボトムプレート421の周縁から上向きに延伸して形成される環状部422を含み得る。前記ボトムプレート421の上面には、いくつかの搭載部423が間隔を置いて設けられている。当該搭載部423と環状部422が互いに連携することでバッテリ43の底部を搭載可能となる。
【0063】
更に、ベース42には給気経路424が設けられている。また、給気経路424には、バッテリ43に接続される気流感知スイッチ44が設けられている。前記給気経路424は、ボトムプレート421の上下の表面を貫通するよう形成可能であり、内壁に凹溝425が相対的に凹設されている。前記気流感知スイッチ44は凹溝425内に設けられる。更に、搭載部423は給気経路424を避けて設けられる。ユーザがマウスピース2を咥えて吸入すると、貯液綿霧化装置の内部に気圧の変化が生じ、気流感知スイッチ44がオンになる。これにより、バッテリ43と発熱部材3422の間に電気回路が形成され、霧化コア34が発熱を開始して、導液綿3421上の霧化用リキッドを蒸発させる。蒸発した蒸気は空気と混合されてエアロゾル混合物を形成し、ユーザの口内に進入する。
【0064】
更に、前記ベース42の底部には突起部が下方に向かって設けられている。また、ハウジング1の底壁12の中央部には、搭載突起121が上回きに突出するよう形成されており、当該搭載突起121に前記突起部が当接する。また、ハウジング1の底壁12には給気貫通孔122が設けられている。給気貫通孔122は給気経路424と連通している。好ましくは、前記給気貫通孔122は、搭載突起121に設けてもよいし、搭載突起121の両側に設けてもよい。本実施例において、第1シール部材32、第2シール部材33及びベース42はシリコーン部材としてもよい。
【0065】
理解し得るように、前記貯液綿霧化装置は霧化コア34を含み、当該霧化コア34の取付フレーム341に導気孔3412が設けられている。これにより、使用過程において、外部のガスは、導気孔3412を通じて貯液タンク又は貯液綿35内に進入可能となるため、ガスが導液綿3421の多孔質の空隙を占有するとの事態を効果的に防止できる。結果として、導液綿3421の導液がより十分且つ均一となることから、貯液綿霧化装置の吸い心地及び使用寿命が向上する。
【0066】
理解し得るように、以上の実施例は本発明の好ましい実施形態を示したにすぎず、記載は比較的具体的且つ詳細であるが、これにより本発明の権利範囲が制限されると解釈すべきではない。指摘すべき点として、当業者であれば、本発明の構想を逸脱しないことを前提に、上記の技術的特性を自由に組み合わせることも、若干の変形及び改良を行うことも可能であり、これらはいずれも本発明の保護の範囲に属する。従って、本発明の請求項の範囲で行われる等価の変形及び補足は、いずれも本発明の請求項がカバーする範囲に属するものとする。