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特許7609525表示制御システム、表示方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】表示制御システム、表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20241224BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20241224BHJP
   G09G 5/373 20060101ALI20241224BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20241224BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241224BHJP
   B60K 35/22 20240101ALI20241224BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
G09G5/00 550H
G09G5/00 550C
G09G5/00 510A
G09G5/10 B
G09G5/373
G06F3/14 350A
G06F3/0481
B60K35/22
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021060039
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022156384
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直史
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-036451(JP,A)
【文献】特開2020-126318(JP,A)
【文献】特開2018-116633(JP,A)
【文献】特開2020-173686(JP,A)
【文献】特開2009-216809(JP,A)
【文献】特開2009-069310(JP,A)
【文献】特開2017-187758(JP,A)
【文献】特開2007-010978(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0097651(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
G06F 3/14
G06F 3/0481
B60K 35/22-35/235
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示装置のそれぞれに関する情報である表示装置情報と、複数の表示装置を同一の表示座標系で扱った際の位置及びサイズの関係の情報である描画領域の対応関係情報を取得する取得部と、
前記表示装置情報と、前記描画領域の対応関係情報と、に基づいて前記複数の表示装置のそれぞれに応じた補正値を算出する算出部と、
前記複数の表示装置のうちの2つ以上の表示装置への表示画像を生成する表示部とを備え、
前記表示部は、
前記2つ以上の表示装置のそれぞれの前記補正値に基づいて、前記2つ以上の表示装置に表示する画像を補正し、
補正された前記画像を、前記2つ以上の表示装置に跨って表示し、
前記画像の補正では、物理サイズまたは解像度が異なる、接していない前記2つ以上の表示装置のそれぞれの物理サイズ及び解像度に基づいて算出された前記補正値を用いて、前記2つ以上の表示装置のそれぞれに表示する前記画像の位置及び前記画像のサイズが合うように前記2つ以上の表示装置に表示する前記画像の縦幅及び前記画像の横幅を補正する
表示制御システム。
【請求項2】
前記算出部は、前記画像を前記2つ以上の表示装置に跨って表示した際に、前記2つ以上の表示装置のそれぞれに表示された前記画像の間で差異が現れないように、前記補正値を算出する
請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記表示装置情報は、輝度、及び、色調の少なくとも1つを含み、
前記取得部は、前記表示装置情報を前記複数の表示装置のそれぞれから自動的に、又は、外部からの入力によって取得する
請求項1又は2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記2つ以上の表示装置は、第1表示装置及び第2表示装置を含み、
前記表示部は、前記第1表示装置と対応する第1表示部と、前記第2表示装置と対応する第2表示部とを含み
前記算出部は、
前記第1表示装置及び前記第2表示装置のそれぞれの前記表示装置情報に基づいて前記第1表示装置に応じた第1補正値を算出し、
前記第1表示装置及び前記第2表示装置のそれぞれの前記表示装置情報に基づいて前記第2表示装置に応じた第2補正値を算出し、
前記第1表示部は、前記第1表示装置に表示するために、前記第1表示装置に応じた前記第1補正値に基づいて、第1画像を補正し、
前記第2表示部は、前記第2表示装置に表示するために、前記第2表示装置に応じた前記第2補正値に基づいて、第2画像を補正し、
前記第1表示部は、補正された前記第1画像を、前記第1表示装置に表示し
前記第2表示部は、補正された前記第2画像を、前記第2表示装置に表示する
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示制御システム。
【請求項5】
前記表示制御システムは、車両に搭載され、
前記取得部は、前記車両の走行速度を示す情報である車速情報を取得し、
前記算出部は、前記車速情報に示される前記車両の走行速度に応じて、前記2つ以上の表示装置に跨って表示する前記画像の大きさを変更するように前記補正値を変更する
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示制御システム。
【請求項6】
前記算出部は、前記車速情報に示される前記車両の走行速度が大きくなればなるほど、前記2つ以上の表示装置に跨って表示する前記画像の大きさが大きくなるように前記補正値を変更する
請求項5に記載の表示制御システム。
【請求項7】
前記表示制御システムは、車両に搭載され、
前記車両は、自動運転状態と手動運転状態とを切り替え可能であり、
前記算出部は、前記車両の状態が前記自動運転状態である場合と前記手動運転状態である場合とで、前記2つ以上の表示装置に跨って表示する前記画像の大きさを異ならせるように前記補正値を変更する
請求項1~6のいずれか1項に記載の表示制御システム。
【請求項8】
前記算出部は、前記車両の状態が前記自動運転状態である場合、前記車両の状態が前記手動運転状態である場合よりも、前記2つ以上の表示装置に跨って表示する前記画像の大きさが小さくなるように前記補正値を変更する
請求項7に記載の表示制御システム。
【請求項9】
前記取得部は、前記表示制御システムの周囲の明るさを示す情報である明るさ情報を取得し、
前記算出部は、前記明るさ情報に示される周囲の明るさに応じて、前記2つ以上の表示装置に跨って表示する前記画像の輝度を変更するように前記補正値を変更する
請求項1~8のいずれか1項に記載の表示制御システム。
【請求項10】
複数の表示装置のそれぞれに関する情報である表示装置情報を取得し、
前記表示装置情報に基づいて前記複数の表示装置のそれぞれに応じた補正値を算出し、
前記複数の表示装置のうちの2つ以上の表示装置への表示画像を生成し、
前記2つ以上の表示装置のそれぞれの前記補正値に基づいて、前記2つ以上の表示装置に表示する画像を補正し、
補正された前記画像を、物理サイズまたは解像度が異なる、接していない前記2つ以上の表示装置に跨って表示し、
前記画像の補正では、前記2つ以上の表示装置のそれぞれの物理サイズ及び解像度に基づいて算出された前記補正値を用いて、前記2つ以上の表示装置のそれぞれに表示する前記画像の位置及び前記画像のサイズが合うように前記2つ以上の表示装置に表示する前記画像の縦幅及び前記画像の横幅を補正する
表示方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法をコンピュータに実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御システム、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の表示装置を制御する表示制御システムが開示されている。この表示制御システムは、車両内に設置される複数の表示装置と、運転者の頭部から複数の表示ディスプレイまでの距離に応じて、複数の表示ディスプレイに表示される文字の大きさが、複数の表示ディスプレイ間で統一して表示されるように調整する表示制御手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5998348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の表示制御システムでは、文字サイズの統一感は向上するが、複数の表示装置全体の統一感を実現することはできていない。
【0005】
そこで、本開示では、複数の表示装置全体の統一感を実現することができる表示制御システム、表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示制御システムは、複数の表示装置のそれぞれに関する情報である表示装置情報と、複数の表示装置を同一の表示座標系で扱った際の位置及びサイズの関係の情報である描画領域の対応関係情報を取得する取得部と、前記表示装置情報と、前記描画領域の対応関係情報と、に基づいて前記複数の表示装置のそれぞれに応じた補正値を算出する算出部と、前記複数の表示装置のうちの2つ以上の表示装置への表示画像を生成する表示部とを備え、前記表示部は、前記2つ以上の表示装置のそれぞれの前記補正値に基づいて、前記2つ以上の表示装置に表示する画像を補正し、補正された前記画像を、接していない前記2つ以上の表示装置に跨って表示し、前記画像の補正では、物理サイズまたは解像度が異なる、接していない前記2つ以上の表示装置のそれぞれの物理サイズ及び解像度に基づいて算出された前記補正値を用いて、前記2つ以上の表示装置のそれぞれに表示する前記画像の位置及び前記画像のサイズが合うように前記2つ以上の表示装置に表示する前記画像の縦幅及び前記画像の横幅を補正する。
【0007】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の表示制御システム、表示方法及びプログラムは、複数の表示装置全体の統一感を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態における表示制御システムを搭載した車室の一例を示す図である。
図2図2は、実施の形態における表示制御システムの一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態における表示制御システムの処理動作を示すフローチャートである。
図4図4は、実施の形態における表示制御システムが複数の表示装置に画像を表示させた場合の一例を示す説明図である。
図5図5は、複数の表示装置に画像を表示させた場合の不具合の一例を示す説明図である。
図6図6は、実施の形態の変形例1における表示制御システムの一例を示すブロック図である。
図7図7は、実施の形態の変形例1における表示制御システムの処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0013】
(実施の形態)
<構成:表示制御システム1>
図1は、実施の形態における表示制御システム1を搭載した車室の一例を示す図である。図2は、実施の形態における表示制御システム1の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1及び図2に示すように、表示制御システム1は、物理的に分離した複数の表示装置10に対し、その全てを又は2つ以上の表示装置10を連携して画像を表示させるように制御する。また、表示制御システム1は、複数の表示装置10のそれぞれを個別に制御することも可能である。ここで、画像は、動画像及び静止画像等である。
【0015】
このような表示制御システム1は、車両2等の移動体に搭載されている。本実施の形態では、車両2に搭載された表示制御システム1を用いて説明する。表示制御システム1は、複数の表示装置10と、複数の制御装置とを有する。
【0016】
複数の表示装置10は、車両2に搭載されるカーナビゲーションシステム、電子ミラーシステム、マルチインフォメーションディスプレイ又はヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)等の表示器である。本実施の形態では、複数の表示装置10として、車幅の中央部分に配置されたカーナビゲーションシステム10aと、左サイドミラー10b及び右サイドミラー10cとして機能する電子ミラーシステムと、複数のマルチインフォメーションディスプレイ10d、10e、10fとを例示している。これら表示装置10は、車両2の乗員が一度に複数の表示装置10を纏めて見ることができるように、並べられて配置されている。本実施の形態では、表示装置10は、車幅方向に沿って並べられている。乗員は、車両2に搭乗している人であり、運転者及び運転者以外の人を含む。
【0017】
複数の表示装置10のそれぞれは、例えば、ナビゲーション情報、撮像画像、車速情報、歩行者情報、周辺車両情報、車線逸脱情報、及び、車両コンディション情報等の種々の運転支援情報等を含む画像を、乗員に対して表示する。ナビゲーション情報は、運転者に対して車両2の走行時に現在位置及び目的地への経路案内等を行なうための情報である。撮像画像は、車両2に搭載された撮像装置が車両2の周囲又は車室内を撮像した画像である。車速情報は、走行する車両2の速度を示す情報である。歩行者情報は、車両2の周囲に存在している歩行者の有無、歩行者の数及び自車両から歩行者までの距離等を示す情報である。周辺車両情報は、車両2の周囲に存在している車両2の有無、台数、速度及び自車両から他車両までの距離等を示す情報である。車線逸脱情報は、車両2が車線から逸脱の有無(はみ出ているか否か)等を示す情報である。車両コンディション情報は、車両2の走行距離、型式、燃費、燃料等を示す情報である。
【0018】
複数の表示装置10のうちの2つ以上の表示装置10は、表示制御システム1によって連携されて制御されることで単一の画像を表示したり、それぞれが個別に画像を表示したりすることができる。この2つ以上の表示装置10は、互いに隣り合う、又は、隣接している。本実施の形態における図2では、複数の表示装置10のうちの2つ以上の表示装置10は、第1表示装置11及び第2表示装置12を含む。第1表示装置11と第2表示装置12とは、機種、性能(解像度、応答速度、コントラスト比等)、表示画面の大きさ、設定等のうちの少なくともいずれかが異なる。また、複数の表示装置10のうちの2つ以上の表示装置10は、複数の制御装置によって連携されて制御されることで、それぞれの表示装置10の物理サイズ、解像度、輝度、及び、色調の少なくとも1つが異なっていても、全体的に統一感のある画像を表示させる。
【0019】
上述したように、複数の制御装置のそれぞれは、複数の表示装置10のうちの2つ以上の表示装置10への表示画像を生成する。
【0020】
制御装置は、複数の表示装置10に跨って表示させる画像を、フレームメモリに書き込むことが可能に構成されている。フレームメモリは、OS(Operating System)等が、1つ以上の物理的なメモリ(非一時的な記録媒体)を用いて、連続した記憶領域を持つように設定する仮想的なメモリである。
【0021】
また、制御装置は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムである。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御装置の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよく、インターネット等の通信回線を介して提供されてもよく、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供されてもよい。
【0022】
本実施の形態における図2に示すように、複数の制御装置は、第1表示装置11と対応する第1制御装置110と、第2表示装置12と対応する第2制御装置120とを含む。第1制御装置110及び第2制御装置120のそれぞれは、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)を含むECU(Electronic Control Unit)を主構成としている。第1制御装置110及び第2制御装置120のGPUは、例えば、OpenGL(Open Graphics Library)に準拠した描画処理を実行することができる。
【0023】
第1制御装置110は、第1表示装置11、第2表示装置12及び第2制御装置120と通信可能に接続されている。第1制御装置110は、第1表示装置11から第1表示装置情報を取得したり、第1表示装置11に対して画像を出力したり、第2制御装置120に対して補正値を送信したり、第2表示装置12から直接もしくは第2制御装置120を経由して第2表示装置情報を取得したりする。
【0024】
制御装置は、取得部111と、管理部111aと、算出部112と、アプリケーションと、表示部104と、フレームメモリとを有する。本実施の形態における図2に示すように、第1制御装置110は、取得部111と、管理部111aと、算出部112と、第1アプリケーション113と、コマンド生成部113aと、第1表示部114と、第1フレームメモリ115とを有する。また、第2制御装置120は、第2アプリケーション123と、コマンド生成部123aと、第2表示部124と、第2フレームメモリ125とを有する。
【0025】
取得部111は、複数の表示装置10のそれぞれに関する情報である表示装置情報を取得する。つまり、取得部111は、表示装置情報を複数の表示装置10のそれぞれから自動的に、又は、外部からの入力によって取得する。ここで、表示装置情報は、表示装置10の物理サイズ、解像度、輝度、及び、色調の少なくとも1つを含む。
【0026】
例えば、取得部111は、複数の表示装置10と通信可能に接続され、複数の表示装置10のそれぞれに対して表示装置情報の出力を要求することで、複数の表示装置10のそれぞれから表示装置情報(図2では第1表示装置情報及び第2表示装置情報)を自動的に取得する。また、取得部111は、外部からの入力として乗員が操作入力部(不図示)を介して表示装置10の表示装置情報(図2では第3表示装置情報)を入力することで、表示装置10の表示装置情報を取得することができる。
【0027】
また、取得部111は、複数の表示装置10の描画領域の対応関係を外部からの入力によって取得する。ここで、複数の表示装置10の描画領域の対応関係とは、第1表示装置11の表示画面の描画領域、及び第2表示装置12の表示画面の描画領域を同一の表示座標系で扱った際の位置及びサイズの関係を表す。
【0028】
取得部111は、取得した複数の表示装置10のそれぞれの表示装置情報、及び複数の表示装置の描画領域の対応関係を管理部111aに出力する。
【0029】
管理部111aは、取得部111から出力された複数の表示装置10のそれぞれの表示装置情報、複数の表示装置10の描画領域の対応関係、及び複数のアプリケーションのウィンドウの表示位置、サイズ、表示優先度を管理し、これらの情報を算出部112に出力する。ここで、表示優先度は複数のアプリケーションのウィンドウの表示が重なった場合にどのウィンドウを優先して表示するかを表す値であり、表示が重なった場合は優先度が高いものを手前に表示する。また、管理部111aが管理する情報は、記憶部(不図示)に記憶される。記憶部は、それぞれの表示装置情報を一時的に記憶するためのメモリ、ハードディスク等の記録媒体(記憶媒体)である。
【0030】
算出部112は、管理部111aから複数の表示装置10のそれぞれの表示装置情報、複数の表示装置10の描画領域の対応関係、及び複数のアプリケーションのウィンドウの表示位置、サイズ及び表示優先度の情報を取得し、取得した情報に基づいて、複数の表示装置10のそれぞれに応じた補正値を算出する。算出部112は、画像を2つ以上の表示装置10に跨って表示される際に、2つ以上の表示装置10のそれぞれに表示された画像の間で差異が現れないように、補正値を算出する。本実施の形態では、第1表示装置11及び第2表示装置12に跨って1つの又は複数のアプリケーションを表示する際に、表示装置情報に示される複数の表示装置10のそれぞれの物理サイズ、解像度、輝度、及び、色調等の違いによって生じる表示の差異を小さくし、複数の表示装置10全体の統一感を持たすことができるように、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12のそれぞれの補正値を算出する。具体的には、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12のそれぞれの表示装置情報に基づいて第1表示装置11に応じた第1補正値を算出する。また、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12のそれぞれの表示装置情報に基づいて第2表示装置12に応じた第2補正値を算出する。ここで、補正値とは、第1表示装置11及び第2表示装置12に跨って画像を表示する際に、第1表示装置11と第2表示装置12との物理サイズの差異、解像度の差異、輝度の差異、及び、色調の差異等が現れないようにするための加減値である。本実施の形態では、補正値を輝度及び色調の差異を補正するための補正値Aとサイズ及び解像度の差異を補正するための補正値Bに分類する。
【0031】
算出部112は、算出した補正値を第1制御装置110及び第2制御装置120のそれぞれの表示部104に出力する。具体的には、算出部112は、算出した第1補正値を第1制御装置110の第1表示部114に出力し、算出した第2補正値を第2制御装置120の第2表示部124に出力する。
【0032】
より具体的には、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12の間で輝度、色調の差異が現れないようにするための第1制御装置110側の第1補正値Aを算出し、算出した第1補正値Aを第1描画部114aに出力する。また、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12の間で輝度及び色調の差異が現れないようにするための第2制御装置120側の第2補正値Aを算出し、算出した第2補正値Aを第2描画部124aに出力する。また、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12の間でサイズ及び解像度による差異が現れないようにするための補正済みの複数のアプリケーションウィンドウの表示位置及びサイズを補正値とした第1制御装置110側の第1補正値Bを算出し、算出した第1補正値Bを第1合成部114bに出力する。また、算出部112は、第1補正値Bの算出と同様に第2制御装置120側の第2補正値Bを算出し、算出した第2補正値Bを第2合成部124bに出力する。
【0033】
ここで、第1補正値A及び第2補正値Aは表示装置が決まれば一意に決定するが、第1補正値B及び第2補正値Bはアプリケーションウィンドウの位置、サイズの変化に応じて再計算する必要がある。
【0034】
表示部104は、2つ以上の表示装置10のそれぞれの補正値に基づいて、2つ以上の表示装置10に表示する画像を補正する。第1表示部114は、第1描画部114aと、第1合成部114bとを有する。また、第2表示部124は、第2描画部124aと、第2合成部124bとを有する。
【0035】
第1制御装置110側において、具体的には、第1表示部114の第1描画部114aは、第1コマンド生成部113aで生成した第1アプリケーション113を描画するための描画コマンド、及び第2コマンド生成部123aで生成した第2アプリケーション123を描画するための描画コマンドを取得する。第1描画部114aは、コマンド生成部113a、123aから取得した描画コマンド、及び算出部112から取得した第1補正値Aに基づいて、明るさ(明度)、コントラスト、ガンマ値、色調等を調整した描画処理を実行する。ここで、描画コマンドとは、GPUが描画処理を行ってフレームメモリへの書き込み(記憶)を実行させるための命令である。
【0036】
ここで、第1アプリケーション113は、第1制御装置110において、ハードウェアとしてのECUのOS上で動作する。第1アプリケーション113は、アプリケーションに含まれる。
【0037】
ここで、コマンド生成部113aは、第1アプリケーション113の動作によって第1表示部114及び第2表示部124に描画処理を実行させるための描画コマンドを生成し、生成した描画コマンドを第1表示部114及び第2表示部124に出力する。
【0038】
また、第1表示部114の第1合成部114bは、算出部112から出力された第1補正値B、及び表示優先度に従って、第1描画部114aで描画を行った複数のアプリケーションのウィンドウの切出し、及び合成処理を実行し、第1表示装置11に表示する第1画像を第1フレームメモリ115に出力する。
【0039】
第2制御装置120側において、具体的には、第2表示部124の第2描画部124aは、第1コマンド生成部113aで生成した第1アプリケーション113を描画するための描画コマンド、及び第2コマンド生成部123aで生成した第2アプリケーション123を描画するための描画コマンドを取得する。第2描画部124aは、コマンド生成部113a、123aから取得した描画コマンド、及び算出部112から取得した第2補正値Aに基づいて、明るさ(明度)、コントラスト、ガンマ値、色調等を調整した描画処理を実行する。
【0040】
ここで、第2アプリケーション123は、第2制御装置120において、ハードウェアとしてのECUのOS上で動作する。第2アプリケーション123も、アプリケーションに含まれる。
【0041】
ここで、コマンド生成部123aは、第2アプリケーション123の動作によって第1表示部114及び第2表示部124に描画処理を実行させるための描画コマンドを生成し、生成した描画コマンドを第1表示部114及び第2表示部124に出力する。
【0042】
また、第2表示部124の第2合成部124bは、算出部112から出力された第2補正値B、及び表示優先度に従って、第2描画部124aで描画を行った複数のアプリケーションのウィンドウの切出し、及び合成処理を実行し、第2表示装置12に表示する第2画像を第2フレームメモリ125に出力する。
【0043】
フレームメモリには、表示部104によって生成された画像であって、複数の表示装置10の表示画面に表示するための画像が書き込まれる。本実施の形態における図2に示すように、フレームメモリは、第1表示装置11と対応する第1フレームメモリ115と、第2表示装置12と対応する第2フレームメモリ125とを含む。
【0044】
第1フレームメモリ115は、第1表示装置11の表示画面に表示される第1画像の表示内容を記憶するためのフレームバッファである。第1フレームメモリ115には、表示部114によって補正済みの描画及び合成を実行した後の第1画像が書き込まれる。第1フレームメモリ115は、専用のメモリであってもよいし、コンピュータシステムのメモリのうちの一部の領域で構成されていてもよい。第1フレームメモリ115に記憶された第1画像は、出力されることで第1表示装置11に表示される。
【0045】
また、第2フレームメモリ125は、第2表示装置12の表示画面に表示される第2画像の表示内容を記憶するためのフレームバッファである。第2フレームメモリ125には、表示部124によって補正済みの描画及び合成を実行した後の第2画像が書き込まれる。第2フレームメモリ125も、専用のメモリであってもよいし、コンピュータシステムのメモリのうちの一部の領域で構成されていてもよい。第2フレームメモリ125に記憶された第2画像は、出力されることで第2表示装置12に表示される。
【0046】
これにより、第1制御装置110及び第2制御装置120は、補正された画像を、2つ以上の表示装置10に跨って表示させることができる。具体的には、第1制御装置110は、補正された第1画像を第1表示装置11に表示させ、第2制御装置120は、補正された第2画像を、第2表示装置12に表示させる。このように、表示制御システム1は、2つ以上の表示装置10を全体として纏まりのある1つの表示装置10に見立てることができるような、全体として統一感のある画像を表示する。
【0047】
<処理動作>
本実施の形態に係る表示制御システム1、表示方法及びプログラムの処理動作について図3を用いて説明する。
【0048】
図3は、実施の形態における表示制御システム1の処理動作を示すフローチャートである。
【0049】
まず、取得部111は、表示装置情報を複数の表示装置10のそれぞれから自動的に、又は、外部からの入力によって取得する(S11)。
【0050】
また、取得部111は、複数の表示装置の描画領域の対応関係(描画領域情報)を外部からの入力によって取得する(S12)。取得部111は、取得した複数の表示装置10のそれぞれの表示装置情報、及び複数の表示装置10の描画領域の対応関係を管理部111aに出力する。
【0051】
管理部111aは、取得部111から出力された複数の表示装置10のそれぞれの表示装置情報、複数の表示装置10の描画領域の対応関係、及び複数のアプリケーションのウィンドウの表示位置、サイズ及び表示優先度を管理し、これらの情報を算出部112に出力する。
【0052】
次に、算出部112は、管理部111aから出力された複数の表示装置10のそれぞれの表示装置情報、複数の表示装置10の描画領域の対応関係、及び複数のアプリケーションのウィンドウの表示位置、サイズ及び表示優先度を取得し、取得した情報に基づいて、複数の表示装置10のそれぞれに応じた補正値を算出する。
【0053】
具体的には、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12のそれぞれの表示装置情報に基づいて第1表示装置11に応じた第1補正値を算出し、算出した第1補正値を第1制御装置110の第1表示部114に出力する。また、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12のそれぞれの表示装置情報に基づいて第2表示装置12に応じた第2補正値を算出し、算出した第2補正値を第2制御装置120の第2表示部124に出力する。
【0054】
より具体的には、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12の間で輝度及び色調の差異が現れないようにするための第1制御装置110側の第1補正値Aを算出し、算出した第1補正値Aを第1描画部114aに出力する。また、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12の間で輝度及び色調の差異が現れないようにするための第2制御装置120側の第2補正値Aを算出し、算出した第2補正値Aを第2描画部124aに出力する(S13)。
【0055】
さらに、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12の間でサイズ及び解像度による差異が現れないようにするための補正済みの複数のアプリケーションウィンドウの表示位置及びサイズを補正値とした第1制御装置110側の第1補正値Bを算出し、算出した第1補正値Bを第1合成部114bに出力する。また、算出部112は、第1補正値Bの算出と同様に第2制御装置120側の第2補正値Bを算出し、算出した第2補正値Bを第2合成部124bに出力する(S14)。
【0056】
ここで、S13は表示装置が決まれば一意に決定するため初期化時に1度処理すればよいが、S14はアプリケーションウィンドウの位置、サイズの変化に応じて再計算する必要があるため、毎フレーム実行する。
【0057】
コマンド生成部113aは、第1アプリケーション113の動作によって第1表示部114及び第2表示部124に描画処理を実行させるための描画コマンドを生成する。また、コマンド生成部123aは、第2アプリケーション123の動作によって第1表示部114及び第2表示部124に描画処理を実行させるための描画コマンドを生成する(S15)。
【0058】
コマンド生成部113aは、生成した描画コマンドを第1表示部114及び第2表示部124に出力する。また、コマンド生成部123aは、生成した描画コマンドを第1表示部114及び第2表示部124に出力する(S16)。
【0059】
第1表示部114及び第2表示部124のそれぞれは、コマンド生成部113a、123aから描画コマンドを取得する(S17)。
【0060】
表示部104は、第1表示装置11及び第2表示装置12のそれぞれの補正値に基づいて、補正値を反映した描画、及び合成を実施する。
【0061】
第1表示装置11において、具体的には、第1表示部114の第1描画部114aは、コマンド生成部から取得した描画コマンド、及び第1補正値Aに従って、第1表示装置11に表示する第1アプリケーション113、及び第2アプリケーション123に対して、明るさ(明度)、コントラスト、ガンマ値、色調等を調整した描画処理(補正値反映)を実行する(S18)。
【0062】
また、第1表示部114の第1合成部114bは、算出部112から出力された第1補正値B、及び表示優先度に従って、第1描画部114aで描画を行った複数のアプリケーションのウィンドウの切出し、及び合成処理を実行し、第1表示装置11に表示する第1画像を第1フレームメモリ115に出力する(S19)。
【0063】
第2表示装置12において、具体的には、第2表示部124の第2描画部124aは、コマンド生成部から取得した描画コマンド、及び第2補正値Aに従って、第2表示装置12に表示する第1アプリケーション113、及び第2アプリケーション123に対して、明るさ(明度)、コントラスト、ガンマ値、色調等を調整した描画処理(補正値反映)を実行する(S18)。
【0064】
また、第2表示部124の第2合成部124bは、算出部112から出力された第2補正値B、及び表示優先度に従って、第2描画部124aで描画を行った複数のアプリケーションのウィンドウの切出し、及び合成処理を実行し、第2表示装置12に表示する第2画像を第2フレームメモリ125に出力する(S19)。
【0065】
第1フレームメモリ115には、表示部114によって補正済みの描画及び合成を実行した後の第1画像が書き込まれ、第2フレームメモリ125には、表示部124によって補正済みの描画及び合成を実行した後の第2画像が書き込まれる(S20)。
【0066】
第1表示装置11には、第1フレームメモリ115から出力された第1画像が表示画面に表示され、第2表示装置12には、第2フレームメモリ125から出力された第2画像が表示画面に表示される(S21)。
【0067】
そして、表示制御システム1は、ステップS21の処理を実行した後、次のフレームでステップS14に処理を戻すことで、毎フレーム補正値を反映した描画処理及び合成処理を行う。
【0068】
なお、図3の表示制御システム1の処理動作を停止させたり、表示制御システム1の電源をOFFにしたりすること等によって、図3のフローチャートは終了する。
【0069】
本実施の形態の表示制御システム1を用いることで、全体として統一感のある画像を表示した例を図4に示す。図4は、実施の形態における表示制御システム1が複数の表示装置10に画像を表示させた場合の一例を示す説明図である。
【0070】
例えば、図4のaでは、第1表示装置と第2表示装置の物理サイズが同じで解像度が異なる場合に、同一のアプリケーション画像を表示させた場合を例示している。ここで、第1表示装置の解像度は1920×1080(pix)、第2表示装置の解像度は960×540(pix)とする。このとき、第1表示装置と第2表示装置とを跨いで同一画像を表示すると、表示サイズが変わってしまう。
【0071】
図4のaの場合であっても、本実施の形態の表示制御システム1によれば、図4のbの場合のように、第1表示装置11の表示画像の位置、サイズを補正して表示画像を拡大することで、第1表示装置11に表示された時の画像と第2表示装置12に表示された時の画像の大きさを同様に合わせることができる。また、図4のcの場合のように、第2表示装置12の表示画像の位置、サイズを補正して表示画像を縮小することで、第1表示装置11に表示された時の画像と第2表示装置12に表示された時の画像の大きさを同様に合わせることもできる。また、図4のdの場合のように、第1表示装置11の表示画像を拡大し、かつ、第2表示装置12の表示画像を縮小することで、第1表示装置11に表示された時の画像と第2表示装置12に表示された時の画像の大きさを同様に合わせることもできる。
【0072】
このように、第1表示装置11及び第2表示装置12が互いに異なる表示装置10であっても、表示制御システム1は、補正値に基づいて第1表示装置11及び第2表示装置12のそれぞれの物理サイズ、解像度、輝度、及び、色調等の差異を小さくするように画像を補正することで、2つ以上の表示装置10を全体として纏まりのある1つの表示装置10に見立てることができるような、全体として統一感のある画像を表示することができる。
【0073】
<作用効果>
次に、本実施の形態に係る表示制御システム1、表示方法及びプログラムの作用効果について説明する。
【0074】
上述したように、本実施の形態に係る表示制御システム1は、複数の表示装置10のそれぞれに関する情報である表示装置情報を取得する取得部111と、表示装置情報に基づいて複数の表示装置10のそれぞれに応じた補正値を算出する算出部112と、複数の表示装置10のうちの2つ以上の表示装置10への表示画像を生成する表示部104とを備える。そして、表示部104は、2つ以上の表示装置10のそれぞれの補正値に基づいて、2つ以上の表示装置10に表示する画像を補正し、補正された画像を、2つ以上の表示装置10に跨って表示する。
【0075】
例えば、従来の表示制御システムでは、異なる種類の表示装置に画像を表示させた場合、図5に示すようになる。図5は、複数の表示装置に画像を表示させた場合の不具合の一例を示す説明図である。図5のaでは、1つの表示装置に2つの画像(第1画像と第2画像と呼ぶことがある)を表示している場合を例示している。図5のaの2つの画像を2つの表示装置(第1表示装置と第2表示装置と呼ぶことがある)に跨いで表示させる場合、図5のbに示すように、2つの表示装置が同じ種類及び同じ設定であれば、第1表示装置に表示された第1画像と、第2表示装置に表示された第2画像との解像度、画像の大きさ、アスペクト比、明るさ、色調等が同等になって表示される。
【0076】
しかしながら、2つの画像を互いに異なる2つの表示装置に表示させた場合、第1表示装置に表示された第1画像と、第2表示装置に表示された第2画像との解像度、画像の大きさ、アスペクト比、明るさ、色調等が互いに異なって表示されてしまうことがある。
【0077】
そこで本実施の形態によれば、2つ以上の表示装置10に表示するために、2つ以上の表示装置10のそれぞれに応じた補正値に基づいて、互いの画像に合うように、画像を補正することができる。これにより、2つ以上の表示装置10には、例えば図4のb、c、dに示すように、補正した画像を跨って表示することができる。
【0078】
したがって、この表示制御システム1では、複数の表示装置10全体の統一感のある表示を実現することができる。その結果、複数の表示装置10における運転者の視認性の低下を抑制することができる。
【0079】
また、本実施の形態に係る表示方法は、複数の表示装置10のそれぞれに関する情報である表示装置情報を取得し、表示装置情報に基づいて複数の表示装置10のそれぞれに応じた補正値を算出し、複数の表示装置10のうちの2つ以上の表示装置10への表示画像を生成し、2つ以上の表示装置10のそれぞれの補正値に基づいて、2つ以上の表示装置10に表示する画像を補正し、補正された画像を、2つ以上の表示装置10に跨って表示する。
【0080】
この表示方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0081】
また、本実施の形態に係るプログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【0082】
このプログラムにおいても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0083】
また、本実施の形態に係る表示制御システム1において、算出部112は、画像を2つ以上の表示装置10に跨って表示した際に、2つ以上の表示装置10のそれぞれに表示された画像の間で差異が現れないように、補正値を算出する。
【0084】
これによれば、複数の表示装置10全体において、より統一感のある表示を実現することができる。このため、乗員が複数の表示装置10全体を見た場合に、乗員は、表示された画像に違和感を覚えず、画像が見やすくなる。
【0085】
また、本実施の形態に係る表示制御システム1において、表示装置情報は、表示装置10の物理サイズ、解像度、輝度、及び、色調の少なくとも1つを含む。そして、取得部111は、表示装置情報を複数の表示装置10のそれぞれから自動的に、又は、外部からの入力によって取得する。
【0086】
これによれば、自動的に取得できない表示装置10であっても、取得部111は、その表示装置10の表示装置情報を取得することができる。このため、互いに種類の異なる表示装置10であっても、複数の表示装置10全体が統一感のある表示を実現することができる。
【0087】
また、自動的に取得できた表示装置10の表示装置情報であっても、その表示装置情報を修正したりすることもできるようになる。このため、複数の表示装置10間の微妙な違いがあっても、その違いを加味した補正値を生成することができるようになるため、この表示制御システム1では、複数の表示装置10全体のより統一感のある表示を実現することができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る表示制御システム1において、2つ以上の表示装置10は、第1表示装置11及び第2表示装置12を含む。また、表示部104は、第1表示装置11と対応する第1表示部114と、第2表示装置12と対応する第2表示部124とを含む。また、算出部112は、第1表示装置11及び第2表示装置12のそれぞれの表示装置情報に基づいて第1表示装置11に応じた第1補正値を算出し、第1表示装置11及び第2表示装置12のそれぞれの表示装置情報に基づいて第2表示装置12に応じた第2補正値を算出する。また、第1表示部114は、第1表示装置11に表示するために、第1表示装置11に応じた第1補正値に基づいて、第1画像を補正する。また、第2表示部124は、第2表示装置12に表示するために、第2表示装置12に応じた第2補正値に基づいて、第2画像を補正する。また、第1表示部114は、補正された第1画像を、第1表示装置11に表示する。そして、第2表示部124は、補正された第2画像を、第2表示装置12に表示する。
【0089】
これによれば、第1表示装置11と第2表示装置12とが互いに異なる表示装置10であっても、第1表示装置11に応じた第1補正値を算出し、かつ、第2表示装置12に応じ第2補正値を算出することができる。このため、第1表示装置11と第2表示装置12とが全体の統一感のある表示を実現することができる。
【0090】
(実施の形態の変形例1)
本変形例では、表示制御システム1aはコマンド生成部を備えていない点、第1表示部は第1描画部114aで構成(第1表示部は、第1描画部114aの一例)され、かつ、第2表示部は第2描画部124aで構成(第2表示部は、第2描画部124aの一例)されている点等で実施の形態の表示制御システムと相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0091】
<処理動作>
本実施の形態に係る表示制御システム1、表示方法及びプログラムの処理動作について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、実施の形態の変形例1における表示制御システム1aの一例を示すブロック図である。図7は、実施の形態の変形例1における表示制御システム1aの処理動作を示すフローチャートである。図3と同一の処理については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0092】
取得部111は、表示装置情報を複数の表示装置10のそれぞれから自動的に、又は、外部からの入力によって取得する(S11)。取得部111は、取得した複数の表示装置10のそれぞれの表示装置情報を算出部112に出力する。
【0093】
算出部112は、取得部111から出力された複数の表示装置10のそれぞれの表示装置情報を取得し、取得したそれぞれの表示装置情報に基づいて、複数の表示装置10のそれぞれに応じた補正値を算出する(S13)。
【0094】
第1描画部114aは、第1アプリケーション113から取得した描画コマンド、及び算出部112から取得した第1補正値に基づいて、明るさ(明度)、コントラスト、ガンマ値、色調等を調整した描画処理を実行する(S18)。また、第2描画部124aは、第2アプリケーション123から取得した描画コマンド、算出部112から取得した第2補正値に基づいて、明るさ(明度)、コントラスト、ガンマ値、色調等を調整する処理である描画処理を実行する(S18)。
【0095】
第1フレームメモリ115には、第1描画部114aによって補正済みの描画処理を実行した後の第1画像が書き込まれ、第2フレームメモリ125には、第2描画部124aによって補正済みの描画処理を実行した後の第2画像が書き込まれる(S20)。
【0096】
第1表示装置11には、第1フレームメモリ115から出力された第1画像が表示画面に表示され、第2表示装置12には、第2フレームメモリ125から出力された第2画像が表示画面に表示される(S21)。
【0097】
そして、表示制御システム1は、ステップS21の処理を実行した後、次のフレームでステップS18に処理を戻すことで、毎フレーム補正値を反映した描画処理及び合成処理を行う。
【0098】
本変形例においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0099】
(実施の形態の変形例2)
本変形例では、車両2の走行速度に応じて画像の大きさを変更する点等で実施の形態の表示制御システムと相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0100】
表示制御システム1を搭載する車両2には、速度センサ(不図示)が搭載されている。速度センサは、所定期間間隔で、車両2の走行速度を検出し、検出した結果として車両2の走行速度を示す情報である車速情報を出力する。
【0101】
取得部111は、速度センサが出力した車両2の走行速度を示す情報である車速情報を取得する。取得部111は、取得した車速情報を算出部112に出力する。
【0102】
算出部112は、車速情報に示される車両2の走行速度に応じて、2つ以上の表示装置10に跨って表示する画像の大きさを変更するように補正値を変更する。具体的には、算出部112は、車速情報に示される車両2の走行速度が大きくなればなるほど、2つ以上の表示装置10に跨って表示する画像の大きさが大きくなるように補正値を変更する。例えば、表示制御システム1では、車速が大きくなれば、画像だけでなく、複数の表示装置のそれぞれに表示される文字等も大きくしてもよく、車速が小さくなれば、画像だけでなく、複数の表示装置のそれぞれに表示される文字等も小さくしてもよい。
【0103】
このような、本変形例に係る表示制御システム1において、表示制御システム1は、車両2に搭載される。また、取得部111は、車両2の走行速度を示す情報である車速情報を取得する。そして、算出部112は、車速情報に示される車両2の走行速度に応じて、2つ以上の表示装置10に跨って表示する画像の大きさを変更するように補正値を変更する。
【0104】
これによれば、車両2の走行速度に応じて画像の大きさを変更することができるため、乗員は、複数の表示装置10に表示された画像が見やすくなる。
【0105】
また、本変形例に係る表示制御システム1において、算出部112は、車速情報に示される車両2の走行速度が大きくなればなるほど、2つ以上の表示装置10に跨って表示する画像の大きさが大きくなるように補正値を変更する。
【0106】
これによれば、車両2の走行速度が大きくなれば、画像を大きく表示することができるため、乗員、特に運転者は、画像に示される情報を容易に認識し易くなる。
【0107】
本変形例においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0108】
(実施の形態の変形例3)
本変形例では、自動運転状態と手動運転状態とを切り替えに応じて画像の大きさを変更する点等で実施の形態の表示制御システムと相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0109】
車両2は、自動運転状態を実行したり、手動運転状態を実行したりすることが可能な機能を有し、自動運転状態と手動運転状態とを切り替え可能である。自動運転状態は、走行データに従って車両2が自律的に走行することが可能な状態である。手動運転状態は、乗員が手動によって操作をすることで、車両2が走行することが可能な状態である。
【0110】
取得部111は、車両2に搭載されるECU等から、車両2の状態が自動運転状態か手動運転状態かを示す情報である車両状態情報を取得する。取得部111は、取得した車両状態情報を算出部112に出力する。
【0111】
算出部112は、車両状態情報に示される車両2の状態に応じて、つまり車両2の状態が自動運転状態である場合と手動運転状態である場合とで、2つ以上の表示装置10に跨って表示する補正された画像の大きさを異ならせるように補正値を変更する。具体的には、算出部112は、車両2の状態が自動運転状態である場合、車両2の状態が手動運転状態である場合よりも、2つ以上の表示装置10に跨って表示する画像の大きさが小さくなるように補正値を変更する。なお、表示制御システム1では、手動運転状態であれば、画像だけでなく、複数の表示装置のそれぞれに表示される文字等も大きくしてもよく、自動運転状態であれば、画像だけでなく、複数の表示装置のそれぞれに表示される文字等も小さくしてもよい。
【0112】
このような、本変形例に係る表示制御システム1において、表示制御システム1は、車両2に搭載される。また、車両2は、自動運転状態と手動運転状態とを切り替え可能である。そして、算出部112は、車両2の状態が自動運転状態である場合と手動運転状態である場合とで、2つ以上の表示装置10に跨って表示する画像の大きさを異ならせるように補正値を変更する。
【0113】
これによれば、自動運転状態と手動運転状態とのそれぞれの状態に応じて画像の大きさを変更することができるため、乗員は、複数の表示装置10に表示された画像が見やすくなる。
【0114】
また、本変形例に係る表示制御システム1において、算出部112は、車両2の状態が自動運転状態である場合、車両2の状態が手動運転状態である場合よりも、2つ以上の表示装置10に跨って表示する画像の大きさが小さくなるように補正値を変更する。
【0115】
これによれば、手動運転状態の場合に複数の表示装置10に表示される画像が大きくなるため、乗員は、複数の表示装置10に表示された画像が見やすくなる。特に運転者は、画像に示される情報を容易に認識し易くなる。
【0116】
本変形例においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0117】
(実施の形態の変形例4)
本変形例では、室内の周囲の明るさに応じて画像の大きさを変更する点等で実施の形態の表示制御システムと相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0118】
表示制御システム1を搭載する車両2には、明るさセンサ(不図示)が搭載されている。明るさセンサは、所定期間間隔で、車両2の車室内の明るさを検出し、検出した結果として車両2の車室内の周囲の明るさを示す情報である明るさ情報を出力する。
【0119】
取得部111は、明るさセンサが出力した表示制御システム1の周囲の明るさ(車室内の明るさ)を示す情報である明るさ情報を取得する。取得部111は、取得した明るさ情報を算出部112に出力する。
【0120】
算出部112は、明るさ情報に示される周囲の明るさに応じて、2つ以上の表示装置10に跨って表示する補正された画像の輝度を変更するように補正値を変更する。具体的には、算出部112は、明るさ情報に示される車両2の車室内の明るさが明るくなればなるほど、2つ以上の表示装置10に跨って表示する画像の明るさが明るくなるように補正値を変更する。
【0121】
なお、表示制御システム1では、画像だけでなく、車両2の車室内の明るさ(車内灯等の点消灯、天候、場所等に起因する明るさ)に応じて複数の表示装置のそれぞれに表示される文字等の大きさを変えてもよい。例えば、表示制御システム1では、車両2の車室内の明るさが明るくなればなるほど、複数の表示装置のそれぞれに表示される文字等の大きさを小さくしてもよく、車両2の車室内の明るさが暗くなればなるほど、複数の表示装置のそれぞれに表示される文字等の大きさを大きくしてもよい。なお、表示制御システム1では、周囲の明るさ、天候、場所等に起因する明るさ等の周囲の環境に応じて画像だけでなく文字等の大きさを適宜変更してもよい。
【0122】
また、本変形例に係る表示制御システム1において、取得部111は、表示制御システム1の周囲の明るさを示す情報である明るさ情報を取得する。そして、算出部112は、明るさ情報に示される周囲の明るさに応じて、2つ以上の表示装置10に跨って表示する補正された画像の輝度を変更するように補正値を変更する。
【0123】
これによれば、車室内の明るさに応じて、表示装置10が表示する画像の輝度を変更することができるため、乗員は、複数の表示装置10に表示された画像が見やすくなる。
【0124】
本変形例においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0125】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る表示制御システム、表示方法及びプログラムについて、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0126】
例えば、上記実施の形態に係る表示制御システム、表示方法及びプログラムにおいて、表示部は、車両の走行速度、自動運転状態か手動運転状態かを示す車両の状態、表示制御システムの周囲の明るさの少なくともいずれかに応じて、2つ以上の表示装置に表示する文字の大きさを変更するように補正値を変更してもよい。これによれば、車両の走行速度、車両の状態、表示制御システムの周囲の明るさ等に応じて文字の大きさを適宜変更して、2つ以上の表示装置に表示することができる。乗員は、複数の表示装置10に表示された文字が見やすくなる。
【0127】
また、上記実施の形態に係る表示制御システム、表示方法及びプログラムに含まれる各部は典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0128】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0129】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0130】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0131】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0132】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0133】
なお、上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本開示は、例えば複数の表示装置を搭載した車両、車両以外のその他の装置及びシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0135】
1、1a 表示制御システム
2 車両
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f 表示装置
11 第1表示装置
12 第2表示装置
104 表示部
111 取得部
112 算出部
114 第1表示部
114a 第1描画部
124 第2表示部
124a 第2描画部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7