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特許7609568情報処理装置、ネットワークシステム、情報処理方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、ネットワークシステム、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/16 20220101AFI20241224BHJP
【FI】
H04L41/16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020078807
(22)【出願日】2020-04-28
(65)【公開番号】P2021175121
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】西橋 友理子
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0109533(US,A1)
【文献】特開2000-076166(JP,A)
【文献】特開2020-036097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されている通信装置における通信の設定に関連する情報と、通信装置の製造会社、機種、及び、Operating SyStemの版数を含む装置情報とを含む設定情報を受信する設定受信手段と、
前記設定情報を保存、追加、変更、及び抽出する設定処理手段と、
前記設定処理手段が保存、追加、及び変更した前記設定情報を用いて機械学習を実行し、通信装置の装置情報に対応した設定を算出するモデルを生成する設定学習手段と、
前記設定学習手段における前記機械学習の結果である前記モデルと新規の通信装置の装置情報とを用いて新規の通信装置の設定に用いる情報を出力する設定分析手段と
含み、
前記設定処理手段は、複数の前記設定情報を、前記設定情報を識別するための設定名と関連付けて、履歴として保存し、さらに、
初期の設定情報の保存が選択された場合、
前記設定処理手段は、初期の設定情報として、受信した前記設定情報と前記設定名とを保存し、
前記設定学習手段は、初期の設定情報として保存された前記設定情報を用いて機械学習を実行し、
設定情報の追加が選択された場合、
前記設定処理手段は、前記設定情報と前記設定名とを履歴として追加し、
前記設定学習手段は、前記設定情報が追加された履歴を用いて機械学習を実行する
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置に前記設定情報を送信する通信装置と、
前記情報処理装置が出力する情報を表示する表示装置と
を含むネットワークシステム。
【請求項3】
ネットワークに接続されている通信装置における通信の設定に関連する情報と、通信装置の製造会社、機種、及び、Operating SyStemの版数を含む装置情報とを含む設定情報を受信し、
前記設定情報を保存、追加、変更、及び抽出し、
保存、追加、及び変更した前記設定情報を用いて機械学習を実行し、通信装置の装置情報に対応した設定を算出するモデルを生成し、
前記機械学習の結果である前記モデルと新規の通信装置の装置情報とを用いて新規の通信装置の設定に用いる情報を出力し、
前記設定情報の保存は、複数の前記設定情報を、前記設定情報を識別するための設定名と関連付けて、履歴として保存し、さらに、
初期の設定情報の保存が選択された場合、
前記設定情報の保存は、初期の設定情報として、受信した前記設定情報と前記設定名とを保存し、
機械モデルの生成は、初期の設定情報として保存された前記設定情報を用いて機械学習を実行し、
設定情報の追加が選択された場合、
前記設定情報の保存は、前記設定情報と前記設定名とを履歴として追加し、
前記モデルの生成は、前記設定情報が追加された履歴を用いて機械学習を実行する
情報処理方法。
【請求項4】
ネットワークに接続されている通信装置における通信の設定に関連する情報と、通信装置の製造会社、機種、及び、Operating SyStemの版数を含む装置情報とを含む設定情報を受信する処理と、
前記設定情報を保存、追加、変更、及び抽出する処理と、
保存、追加、及び変更した前記設定情報を用いて機械学習を実行し、通信装置の装置情報に対応した設定を算出するモデルを生成する処理、
前記機械学習の結果である前記モデルと新規の通信装置の装置情報とを用いて新規の通信装置の設定に用いる情報を出力する処理と
をコンピュータに実行させ、
前記設定情報の保存の処理、複数の前記設定情報を、前記設定情報を識別するための設定名と関連付けて、履歴として保存し、さらに、
初期の設定情報の保存が選択された場合、
前記設定情報の保存の処理は、初期の設定情報として、受信した前記設定情報と前記設定名とを保存し、
機械モデルの生成の処理は、初期の設定情報として保存された前記設定情報を用いて機械学習を実行し、
設定情報の追加が選択された場合、
前記設定情報の保存の処理は、前記設定情報と前記設定名とを履歴として追加し、
前記モデルの生成の処理は、前記設定情報が追加された履歴を用いて機械学習を実行する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置の設定に関する情報を処理する情報処理装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理システムにおけるネットワークを構成するネットワーク機器(ファイアウォール、ルータ、及びスイッチ等)は、地理的に離れた場所に設置される場合もある。そこで、ネットワーク機器の設定は、ネットワーク機器に設定用の情報を送信することで実現されている。なお、ネットワーク機器は、機器間の通信を用いてネットワークを構成する装置でもあるため、通信装置と呼ばれる場合もある。
【0003】
なお、ネットワーク機器の設定には、所定のプログラム言語、又は、スクリプト言語が用いられる場合が多い。
【0004】
図16は、ネットワーク機器の設定項目の一例を示す図である。
【0005】
ネットワーク機器の設定は、図16の設定の欄に示したような設定を所定の言語を用いて表したファイル(以下、「コンフィグレーションファイル」と呼ぶ)を、ネットワーク機器に送信することで実現される。
【0006】
このようなネットワーク機器を設定するための技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【0007】
特許文献1に記載のネットワーク設計支援システムは、ネットワークの各構成要素の関係を予め定義したオブジェクトモデルを格納する。そして、特許文献1に記載のネットワーク設計支援システムは、格納しているオブジェクトモデルに基づいて、オブジェクトモデルに対応するネットワーク機器の設定情報を生成する。
【0008】
特許文献2に記載のネットワーク機器設定装置は、予め、ネットワーク機器の設定用の入力コマンドファイルと、ネットワーク機器が正常に処理を実行したときに送信してくる応答文字列群とを用意する。そして、特許文献2に記載のネットワーク機器設定装置は、入力コマンドファイルのコマンドをネットワーク機器に送信する。そして、特許文献2に記載のネットワーク機器設定装置は、ネットワーク機器から受信した応答文字列と、用意しておいた応答文字列群とを照合して、設定が成功したか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2002-368743号公報
【文献】特開2009-271640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ネットワーク機器の設定は、一般的に、ネットワーク機器の製造会社、機種、及び/又は、Operating SyStem(OS)の版数(バージョン)が異なると、互換性がない場合が多い。
【0011】
例えば、ネットワーク機器を更新する場合、更新後のネットワーク機器のコマンドが、更新前のネットワーク機器のコマンドと、異なる場合が発生する。
【0012】
このような場合、ネットワーク機器の更新において、更新前におけるネットワーク機器の設定の洗い出し、洗い出した設定を参照した更新後のネットワーク機器における設定のためのコマンドの作成、及び、作成したコマンドの整合性の確認が必要である。
【0013】
そして、ネットワーク機器は、常に機能及び性能が向上している。ネットワーク機器の高機能及び高性能の進展に伴い、設定する項目が多くなっている。
【0014】
そのため、ネットワーク機器の担当者は、ネットワーク機器の更新において、マニュアルなどを参照しながら、多くの項目を洗い出し、洗い出した項目を設定するためのコマンドを作成し、及び、作成したコマンドの整合性を確認することが必要となっている。
【0015】
このように、ネットワーク機器における設定作業の専門性が、高くなっている。それに伴い、例えば、初心者でのネットワーク機器の設定が、難しくなっている。あるいは、一人の担当者では全ての項目を設定することが難しく、ネットワーク機器の更新において、複数の担当者を必要とする場合も発生している。
【0016】
このように、ネットワーク機器の設定は、設定項目が多く、専門性が高くなっているため、ネットワーク機器の更新において、作業時間が多くなっている。さらに、ネットワーク機器の設定において、設定における矛盾、及び、設定のもれの発生が、多くなっている。
【0017】
そこで、ネットワーク機器の設定を支援することが望まれている。特に、新規のネットワーク機器における設定を支援することが望まれている。
【0018】
特許文献1に記載のネットワーク設計支援システムは、ネットワークの各構成要素の関係を予め定義したオブジェクトモデルを必要とする。つまり、特許文献1に記載のネットワーク設計支援システムは、新規のネットワーク機器の設定には対応できないという問題点があった。
【0019】
特許文献2に記載のネットワーク機器設定装置は、予め保存している応答文字列群と、受信した応答文字列との比較結果を出力するものである。つまり、特許文献2に記載のネットワーク機器設定装置は、予め正しい応答文字列群を必要とする。また、特許文献2に記載のネットワーク機器設定装置は、機器の設定を提供するものではない。つまり、特許文献2に記載のネットワーク機器設定装置は、新規のネットワーク機器の設定には対応できないという問題点があった。
【0020】
本発明の目的は、上記問題を解決し、新規の通信装置を設定するための情報を提供する情報処理装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一形態における情報処理装置は、
ネットワークに接続されている通信装置の設定情報を受信する設定受信手段と、
設定情報を保存、追加、変更、及び抽出する設定処理手段と、
設定処理手段が保存、追加、及び変更した設定情報を用いて機械学習を実行する設定学習手段と、
設定学習手段における機械学習の結果と設定処理手段が抽出した設定情報とを用いて通信装置の設定に用いる情報を出力する設定分析手段と
を含む。
【0022】
本発明の一形態におけるネットワークシステムは、
上記の情報処理装置と、
情報処理装置に設定情報を送信する通信装置と、
情報処理装置が出力する参照情報を表示する表示装置と
を含む。
【0023】
本発明の一形態における情報処理方法は、
ネットワークに接続されている通信装置の設定情報を受信し、
設定情報を保存、追加、変更、及び抽出し、
保存、追加、及び変更した設定情報を用いて機械学習を実行し、
機械学習の結果と抽出した設定情報とを用いて通信装置の設定に用いる情報を出力する。
【0024】
本発明の一形態におけるプログラムは、
ネットワークに接続されている通信装置の設定情報を受信する処理と、
設定情報を保存、追加、変更、及び抽出する処理と、
保存、追加、及び変更した設定情報を用いて機械学習を実行する処理、
機械学習の結果と抽出した設定情報とを用いて通信装置の設定に用いる情報を出力する処理と
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に基づけば、新規の通信装置を設定するための情報を提供するとの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、第1の実施形態にかかる情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、情報処理装置を含むネットワークシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、設定分析部が出力する設定項目の一例を示す図である。
図4図4は、動作の選択の表示の一例を示す図である。
図5図5は、「初期の設定情報の保存」の動作の一例を示すフロー図である。
図6図6は、「設定情報の追加」の動作の一例を示すフロー図である。
図7図7は、「設定情報の変更」の動作の一例を示すフロー図である。
図8図8は、「参照情報の出力」の動作の一例を示すフロー図である。
図9図9は、「参照情報の修正」の動作の一例を示すフロー図である。
図10図10は、会社名を選択する場合の表示の一例を示す図である。
図11図11は、機種を選択する場合の表示の一例を示す図である。
図12図12は、設定名を選択する場合の表示の一例を示す図である。
図13図13は、初期の設定情報を優先的に使用する場合の表示の一例を示す図である。
図14図14は、第2の実施形態にかかる情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図15図15は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図16図16は、ネットワーク機器の設定項目の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明における実施形態について図面を参照して説明する。
【0028】
各図面は、本発明の実施形態を説明するためのものである。ただし、本発明は、各図面の記載に限られるわけではない。また、各図面の同様の構成には、同じ番号を付し、その繰り返しの説明を、省略する場合がある。また、以下の説明に用いる図面において、本発明の説明に関係しない部分の構成については、記載を省略し、図示しない場合もある。
【0029】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明における第1の実施形態について説明する。
【0030】
[構成の説明]
まず、第1の実施形態にかかる情報処理装置2の説明として、情報処理装置2を含むネットワークシステム10の一例を説明する。ただし、以下の説明に用いるネットワークシステム10は、情報処理装置2を含むシステムの一例である。情報処理装置2は、当業者が理解し得る範囲で異なるシステムに含まれてもよい。
【0031】
図2は、情報処理装置2を含むネットワークシステム10の構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
ネットワークシステム10は、通信装置1と、情報処理装置2と、表示装置3とを含む。
【0033】
通信装置1は、図示しないコンピュータを、所定のネットワークに接続する。
【0034】
なお、ネットワークシステム10が含む通信装置1の数及び構成は、任意である。
【0035】
図2は、通信装置1の一例として、3階層となっているファイアウォール、ルータ、及びスイッチを示している。例えば、図示しないコンピュータは、スイッチに接続され、ルータ及びファイアウォールを介して、ネットワークに接続する。
【0036】
情報処理装置2は、通信装置1における通信の設定に関連する情報(以下、「設定情報」と呼ぶ)を受信し、受信した設定情報を用いて、通信装置1における設定のための情報を出力する。なお、以下の説明では、情報処理装置2が出力する情報を、通信装置1から受信する「設定情報」と区別するため、「参照情報」と呼ぶ。
【0037】
第1の実施形態において、設定情報は、任意である。例えば、設定情報は、通信装置1の初期値、通信装置1の設定に用いられるコマンド、及び/又は、コマンドに基づいて設定された設定値を含んでもよい。
【0038】
さらに、設定情報は、通信装置1の設定に関する情報に加え、通信装置1に関連する情報(以下、「装置情報」と呼ぶ)を含む。
【0039】
装置情報は、任意である。例えば、装置情報は、通信装置1の製造会社、機種、型番、仕様、性能、及び/又は、ソフトウェア(例えば、OS)の版数でよい。あるいは、装置情報は、通信装置1において装置全体の動作、並びに、機能の追加及び変更を制御するソフトウェアパッケージに関連する情報(例えば、名称及び版数)でもよい。
【0040】
また、情報処理装置2が取得する設定情報の形式は、任意である。例えば、設定情報は、コンフィグレーションファイルでもよい。
【0041】
また、参照情報は、任意である。例えば、参照情報は、直接的に、通信装置1に送信される情報(例えば、コンフィグレーションファイル)でもよい。あるいは、参照情報は、通信装置1を設定する担当者が通信装置1を設定する際に利用する情報(例えば、表形式の情報)でもよい。
【0042】
なお、情報処理装置2が通信装置1から設定情報を受信する通信路は、任意である。例えば、情報処理装置2は、通信装置1が図示しないコンピュータをネットワークに接続する通信路を介して、通信装置1から設定情報を受信してもよい。あるいは、情報処理装置2は、専用の通信路を介して、通信装置1から設定情報を受信してもよい。
【0043】
また、設定情報を情報処理装置2に送信する送信元は、任意である。通信装置1が、設定情報を情報処理装置2に送信してもよい。あるいは、図示しない装置が、通信装置1から所定の情報を受信し、受信した情報を用いて設定情報を生成し、生成した設定情報を情報処理装置2に送信してもよい。なお、以下の説明では、説明の便宜のため、通信装置1が設定情報を送信するとして説明する。
【0044】
表示装置3は、情報処理装置2が出力する参照情報を表示する。例えば、利用者は、表示装置3が表示する参照情報を用いて、通信装置1を設定する。
【0045】
なお、表示装置3が情報処理装置2から参照情報を受信する通信路は、任意である。例えば、表示装置3は、通信装置1が図示しないコンピュータをネットワークに接続する通信路を介して、情報処理装置2から参照情報を受信してもよい。あるいは、表示装置3は、専用の通信路を介して、情報処理装置2から参照情報を受信してもよい。
【0046】
次に、第1の実施形態にかかる情報処理装置2の構成について、図面を参照して説明する。
【0047】
図1は、第1の実施形態にかかる情報処理装置2の構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
情報処理装置2は、設定受信部4と、設定処理部5と、設定保存部6と、設定学習部7と、設定分析部8と、学習データ保存部9とを含む。
【0049】
なお、情報処理装置2は、以下で説明する動作を、利用者などからの指示に対応して動作する。情報処理装置2において、利用者などからの指示に基づいて各構成要素を制御する構成要素は、任意である。以下の説明では、動作の一例として、設定処理部5が、所定の装置から指示を受けて、各構成要素を制御する。つまり、各構成要素は、設定処理部5に制御されて動作する。なお、以下の説明では、説明の便宜のため、必要がある場合を除いて、設定処理部5からの制御についての説明を省略する。
【0050】
ただし、情報処理装置2における各構成要素の制御は、これに限定されない。例えば、情報処理装置2は、各構成要素を制御する構成として、図示しない制御部を含んでいてもよい。
【0051】
設定受信部4は、所定のネットワークに接続されている通信装置1から設定情報を受信する。なお、ここにおける「接続」とは、直接的な接続、及び、間接的な接続のどちらでもよい。例えば、通信装置1がファイアウォールの場合、通信装置1は、直接的に、ネットワークに接続する。通信装置1がスイッチの場合、通信装置1は、ルータ及びファイアウォールを介して、間接的にネットワークに接続する。なお、通信装置1は、ネットワークに含まれていてもよい。
【0052】
設定受信部4が、設定情報を受信するタイミングは、任意である。例えば、設定受信部4は、所定の周期で、通信装置1から設定情報を受信してもよい。あるいは、通信装置1の設定が変更されたときに、通信装置1が、設定受信部4に設定情報を送信してもよい。
【0053】
なお、情報処理装置2は、後ほど説明するように、複数の設定情報を保存する。そこで、設定受信部4は、保存する設定情報を識別するために、設定情報に名称又は識別子(以下、まとめて「設定名」と呼ぶ)を付す。
【0054】
例えば、設定受信部4は、所定の規則に沿って、設定情報に設定名を付す。例えば、設定受信部4は、設定情報に、設定情報を送信した通信装置1に関連する設定名を付してもよい。
【0055】
ただし、設定名の設定元は、設定受信部4に限定されない。
【0056】
例えば、情報処理装置2の利用者が、情報処理装置2に設定名を指定してもよい。
【0057】
あるいは、通信装置1が、設定情報に合わせて設定名を送信してもよい。
【0058】
なお、通信装置1の設定は、製造会社、機種、及び、OSの違いにより異なる場合が多い。そのため、設定名は、製造会社、機種、及び、OSを判別可能であること望ましい。
【0059】
さらに、設定受信部4は、設定情報の受信に関連する情報を、設定名に含ませてもよい。例えば、設定受信部4は、設定名に、受信した順番を示す情報(例えば、「初期」、「2回目」、・・・)を含ませてもよい。
【0060】
なお、外部から設定名を受信する場合、設定受信部4は、受信した設定名を修正してもよい。
【0061】
設定受信部4は、設定情報と設定名とを設定処理部5に送る。
【0062】
設定処理部5は、受信した設定情報と設定名とを関連付けて、設定保存部6に保存する。
【0063】
詳細には、設定処理部5は、次に説明するように、受信した設定情報を、設定保存部6に保存する。
【0064】
なお、情報処理装置2は、複数の通信装置1に関連する設定情報を保存してもよい。その場合、情報処理装置2は、以下で説明する動作を、通信装置1ごとに実行する。
【0065】
(1)初期の設定情報の保存
最初に通信装置1から設定情報を受信した場合、設定処理部5は、設定情報と設定名とを、初期の設定情報として、設定保存部6に保存する。
【0066】
この場合、設定保存部6は、設定情報と設定名とを、初期の設定情報として保存する。具体的には、設定保存部6は、その他の設定情報を保存していない状態となる。
【0067】
なお、設定処理部5は、既に設定情報を保存した後でも、初期の設定情報を保存する動作を実行してもよい。例えば、利用者などからの指示に基づいて、設定処理部5は、受信した設定情報と設定名とを、初期の設定情報として設定保存部6に保存してもよい。この場合、それまで保存されていた設定情報と設定名とは、廃棄される。
【0068】
(2)設定情報の追加
初期の設定情報を保存後に設定情報を受信した場合(例えば、通信装置1の設定を変更した場合など)、設定処理部5は、設定情報と設定名とを、関連付けて設定保存部6に追加する。つまり、設定保存部6は、複数の設定情報を記憶する。
【0069】
なお、以下の説明では、複数の設定情報の全体を「履歴」と呼ぶ場合もある。履歴の中から所定の設定情報を抽出する場合、設定処理部5は、設定名を用いて、設定情報を抽出する。
【0070】
(3)設定情報の変更
設定処理部5は、設定保存部6に保存されている設定情報を変更してもよい。例えば、通信装置1の設定に誤りがあった場合、又は、通信装置1の設定に追加が発生した場合、設定処理部5は、受信した設定情報に基づいて、設定保存部6に保存されている設定情報の一部または全てを入れ替えてもよい。あるいは、設定処理部5は、受信した設定情報に基づいて、設定保存部6に保存されている設定情報に、情報を追加してもよい。あるいは、設定処理部5は、受信した設定情報に基づいて、設定情報に含まれる一部の情報を削除してもよい。
【0071】
あるいは、設定処理部5は、設定保存部6に保存されている履歴の中から設定情報を削除してもよい。この場合、設定処理部5は、対応する設定名も削除する。
【0072】
さらに、設定処理部5は、設定名を変更してもよい。
【0073】
このように、設定処理部5は、設定情報を保存、追加、及び変更する。
【0074】
なお、設定処理部5は、設定情報を保存、追加、及び変更した場合、設定学習部7に設定情報を保存、追加、及び変更したことを通知してもよい。
【0075】
さらに、設定処理部5は、所定の指示などに基づいて、設定保存部6が保存する設定情報を抽出し、抽出した設定情報を設定分析部8に送る。
【0076】
設定保存部6は、設定処理部5の指示に基づいて、設定情報と設定名とを関連付けて保存する。さらに、設定保存部6は、設定処理部5の指示に基づいて、保存している設定情報などを変更する。
【0077】
設定学習部7は、設定保存部6が保存する設定情報を用いて、通信装置1における設定についての機械学習を実行し、機械学習の結果として、通信装置1の設定を算出するモデルを生成する。
【0078】
設定保存部6が保存する設定情報は、既に動作している通信装置1における設定に関する情報である。つまり、設定情報は、正常に動作している通信装置1に関する情報であるとみなすことができる。そのため、情報処理装置2は、設定情報を、通信装置1を対象とした機械学習における教師データとして用いることができる。
【0079】
そこで、設定学習部7は、設定保存部6が保存する設定情報を、機械学習の教師データとして用いて機械学習を実行し、通信装置1の設定に関するモデルを生成する。このように、設定学習部7は、既に動作している通信装置1における設定を教師データとして用いて、通信装置1の設定に関するモデルを生成する。
【0080】
例えば、設定学習部7は、設定情報の含まれる性能及び仕様と、その性能及び仕様に対応した通信の設定(例えば、コマンド及びパラメータ)を機械学習し、性能及び仕様に基づいて設定を出力するモデルを生成する。
【0081】
なお、製造会社、機種、及び、OSが異なると、通信装置1の設定(例えば、設定用のコマンド)が異なる場合もある。そこで、設定学習部7は、設定情報に含まれる製造会社、機種、及び、OSに対応した設定(例えば、製造会社に特有の設定用のコマンド及びパラメータ)を学習し、製造会社、機種、及び、OSに対応した設定を出力するモデルを生成してもよい。
【0082】
さらに、設定学習部7は、機械学習の結果として、設定情報のクラス(例えば、装置情報のクラス)、及び/又は、近似度(例えば、クラス内での装置情報間の距離)を算出してもよい。これらの情報は、情報処理装置2が出力する参照情報の確認において、参考となる情報である。そのため、情報処理装置2は、参照情報に加え、クラスなどを出力してもよい。
【0083】
設定受信部4が、通信装置1における設定の変更に対応して設定情報を受信する場合、設定処理部5は、変更に対応して、設定保存部6が保存している設定情報を追加又は変更する。この場合、通信装置1の設定が更新されると、設定保存部6は、更新後の設定情報を保存する。そのため、設定学習部7は、機械学習に用いる教師データとして、通信装置1の更新にも対応した設定情報を用いることができる。
【0084】
なお、設定学習部7における機械学習のタイミングは任意である。
【0085】
設定学習部7は、設定処理部5から設定情報の保存、追加、及び、変更の通知を受けると、機械学習を実行してもよい。
【0086】
あるいは、設定学習部7は、所定の周期で、機械学習を実行してもよい。
【0087】
このように、設定学習部7における機械学習の動作は、設定処理部5における設定情報の保存の動作と、同期していない場合がある。例えば、設定保存部6に保存されている設定情報は、設定学習部7が機械学習の実行中に、変更される場合がある。
【0088】
そこで、設定学習部7は、機械学習に用いる設定情報を、設定保存部6とは異なる構成要素に保存し、その構成要素に保存された情報を用いて機械学習を実行してもよい。
【0089】
本実施形態の情報処理装置2は、設定学習部7が機械学習に用いるデータを保存する学習データ保存部9を含む。設定学習部7は、機械学習に用いる設定情報を、機械学習に用いるデータとして、学習データ保存部9に保存する。そして、設定学習部7は、学習データ保存部9が保存するデータを用いて機械学習を実行する。
【0090】
ただし、情報処理装置2は、学習データ保存部9を含まなくてもよい。例えば、設定学習部7が、機械学習を実行する前に、機械学習に用いる設定情報を選択してその設定名を保存し、保存した設定名を用いて設定情報の機械学習を実行してもよい。
【0091】
あるいは、設定保存部6が、データベースなどのデータ管理技術を用いて、設定学習部7の動作に矛盾が発生しないデータを、設定学習部7に提供してもよい。
【0092】
設定学習部7が用いる機械学習は、任意である。例えば、設定学習部7は、教師あり学習を用いてもよい。この場合、設定学習部7は、設定情報を用いた機械学習の前に、利用者などの指示基づいて、初期の教師データを取得し、取得した初期の教師データを用いた機械学習(事前学習)を実行してもよい。この場合、設定学習部7は、事前学習用の教師データを、学習データ保存部9に保存してもよい。
【0093】
あるいは、設定学習部7は、半教師あり学習を用いてもよい。
【0094】
また、設定学習部7が用いる機械学習の手法は、任意である。例えば、設定学習部7は、機械学習として、サポートベクタマシンを用いてもよい。さらに、設定学習部7は、所定の人工知能(例えば、ニューラルネットワーク)の技術を用いてもよい。
【0095】
なお、設定学習部7は、上記のような機械学習の手法に加え、所定の補間手法(例えば、放射既定関数を用いる補間)又は予測手法(例えば、多変量解析)を用いて、設定情報から機械学習に用いる情報を生成してもよい。
【0096】
学習データ保存部9は、設定学習部7が機械学習に用いるデータを保存する。さらに、学習データ保存部9は、設定学習部7が事前学習に用いる教師データを保存してもよい。
【0097】
設定分析部8は、設定情報を分析し、分析の結果に基づいて通信装置1の設定に用いられる参照情報を生成し、生成した参照情報を所定の装置(例えば、表示装置3又は通信装置1)に出力する。
【0098】
さらに、設定分析部8は、参照情報の生成において、設定学習部7が生成したモデルを用いてもよい。
【0099】
例えば、利用者が、情報処理装置2が設定情報を保存している通信装置1を設定する場合、設定分析部8は、参照情報として、保存されている設定情報から設定に関連する情報(例えば、設定のコマンド)を抽出して出力すればよい。
【0100】
しかし、利用者が、新規の通信装置1を利用する場合、その設定に関連する情報は、設定保存部6に保存されていない。この場合、一般的には、利用者が、マニュアルなどを参照して、設定を行う。
【0101】
しかし、情報処理装置2は、新規の通信装置1に関連する情報(例えば、装置情報)を、設定学習部7が生成したモデルに適用して、設定に関連する情報を生成できる。
【0102】
例えば、設定分析部8は、新規の通信装置1の装置情報と、設定学習部7が生成したモデルとを用いて、新規の通信装置1の設定に関連する情報(参照情報)を出力できる。
【0103】
例えば、設定分析部8は、新規の通信装置1の設定の出力として、次のように動作してもよい。
【0104】
なお、設定学習部7は、以下の動作の前に、装置情報を基に設定を出力するモデルを生成しているとする。
【0105】
設定分析部8は、新規の通信装置1の装置情報を受信する。そして、設定分析部8は、受信した装置情報を、設定学習部7が生成したモデルに適用する。そして、設定分析部8は、モデルの出力である設定に関連する情報の中から、受信した装置情報に対応した設定(例えば、装置情報の仕様に含まれる設定項目)を抽出し、抽出した設定を参照情報として出力する。
【0106】
なお、設定分析部8が出力する参照情報の形式は、任意である。
【0107】
設定分析部8は、参照情報として、コンフィグレーションファイルを出力してもより。あるいは、設定分析部8は、所定の順番に沿って、表形式とした設定項目を出力してもよい。
【0108】
あるいは、設定分析部8は、利用者から出力する設定項目の指定を受信し、指定された設定項目を出力してもよい。
【0109】
図3は、設定分析部8が出力する設定項目の一例を示す図である。
【0110】
図3において、「host情報」は、ホストコンピュータに関連する情報である。「telnet-server情報」は、telnetを管理するサーバに関連する情報である。「inf-stack情報」は、情報(information)のスタックに関連する情報である。「link-aggregation情報」は、通信リンクの統合(aggregation)に関連する情報である。「dldp情報」は、デバイスのリンクの検出(Device Link Detection Protocol(dldp))に関連する情報である。「loopback-detection情報」は、ループの検出に関連する情報である。
【0111】
なお、図3に示す情報は、設定項目の一例である。本実施形態の動作は、図3に示されている設定項目に限定されない。設定分析部8は、図3に示す項目とは異なる項目を出力してもよい。
【0112】
なお、設定分析部8の出力先は、任意である。例えば、設定分析部8は、表示装置3又は通信装置1に、参照情報を出力してもよい。あるいは、情報処理装置2が図示しない表示機器を含む場合、設定分析部8は、その表示機器に参照情報を表示してもよい。
【0113】
なお、情報処理装置2は、設定保存部6及び学習データ保存部9として、外部の記憶装置を用いてもよい。この場合、情報処理装置2は、設定保存部6及び学習データ保存部9を含まなくてもよい。
【0114】
また、設定保存部6及び学習データ保存部9は、異なる装置に含まれてもよく、同じ装置に含まれていてもよい。
【0115】
[動作の説明]
次に、第1の実施形態にかかる情報処理装置2の動作について、図面を参照して説明する。
【0116】
なお、各動作において、情報処理装置2の各構成要素は、直接的に情報を送信及び受信してもよい。例えば、設定受信部4は、直接的に、設定情報を設定処理部5に送信してもよい。
【0117】
ただし、各構成要素は、間接的に情報を送信及び受信してもよい。例えば、情報処理装置2が図示しない記憶部を含み、各構成要素は、その記憶部に保存された情報を用いてもよい。
【0118】
そのため、以下の説明において、構成要素間の情報の送信及び受信の説明は、適宜省略する。
【0119】
情報処理装置2の動作として、4つの動作(「初期の設定情報の保存」の動作、「設定情報の追加」の動作、「設定情報の変更」の動作、及び、「参照情報の出力」の動作)を説明する。
【0120】
なお、情報処理装置2は、図示しない装置からの指示に基づいて、各動作を実行する。例えば、情報処理装置2は、図示しない利用者が操作する装置から指示を受信して動作を開始してもよい。この場合、情報処理装置2は、その装置に参照情報を出力してもよい。
【0121】
あるいは、情報処理装置2は、図示しない表示機器及び入力機器を含み、動作の選択肢を表示機器に表示し、入力機器における指示の入力を検出して、動作を選択して実行してもよい。以下の動作の説明は、一例として、情報処理装置2が表示機器及び入力機器を備える場合を用いて説明する。
【0122】
図4は、動作の選択の表示の一例を示す図である。
【0123】
なお、「初期の設定情報の保存」の動作を実行していない場合、情報処理装置2は、「設定情報の追加」の動作、「設定情報の変更」の動作、及び、「参照情報の出力」の動作を実行できない。そのため、情報処理装置2が「初期の設定情報の保存」の動作を実行していない場合、表示機器は、「設定情報の追加」の動作、「設定情報の変更」の動作、及び、「参照情報の出力」の動作の選択肢を表示しなくてもよい。
【0124】
あるいは、情報処理装置2が「初期の設定情報の保存」の動作を実行していない場合、入力機器が、「設定情報の追加」の動作、「設定情報の変更」の動作、及び、「参照情報の出力」の動作の選択肢の検出を停止してもよい。
【0125】
なお、「初期の設定情報の保存」の動作が終了すると、設定保存部6は、初期の設定情報として、設定情報を保存する。つまり、設定保存部6が、設定情報を保存後、表示機器又は入力機器は、「設定情報の追加」の動作、「設定情報の変更」の動作、及び、「参照情報の出力」の動作を選択可能となるように動作してもよい。
【0126】
そこで、情報処理装置2は、「初期の設定情報の保存」の動作の終了を示す情報(例えば、フラグ)を保持してもよい。この場合、情報処理装置2は、初期状態でフラグを「オフ」に初期化し、「初期の設定情報の保存」の動作後に、フラグを「オン」とする。この場合、表示機器及び/又は入力機器は、フラグを参照して動作すればよい。
【0127】
ただし、情報処理装置2は、上記のフラグとは異なる情報を用いてもよい。例えば、表示機器及び/又は入力機器が、設定保存部6に設定情報が保存されているか否かを確認してもよい。
【0128】
(1)初期の設定情報の保存
図5は、「初期の設定情報の保存」の動作の一例を示すフロー図である。
【0129】
図5示す動作は、例えば、図4における「初期の設定情報の保存」が選択された場合における動作である。
【0130】
なお、設定情報の送信元となる通信装置1は、既に、コマンドなどを用いて設定されているものとする。
【0131】
設定受信部4は、通信装置1から、設定情報を受信する(ステップS511)。
【0132】
設定受信部4は、設定情報と設定名とを、設定処理部5に出力する。
【0133】
設定処理部5は、初期の設定情報として、設定情報と設定名とを設定保存部6に保存する(ステップS512)。
【0134】
設定学習部7は、設定保存部6に保存された設定情報を、学習用のデータ(例えば、教師データ)として、学習データ保存部9に保存する。そして、設定学習部7は、学習データ保存部9が保存する学習用のデータを用いて機械学習を実行する(ステップS513)。
【0135】
なお、通信装置1が複数の場合、情報処理装置2は、ステップS511からS513の動作を繰り返す。
【0136】
このように、設定学習部7は、通信装置1から取得した設定情報を用いた機械学習を実行する。
【0137】
なお、情報処理装置2は、設定情報を受信した場合に、受信した設定情報を参照情報として出力してもよい。例えば、利用者は、出力された参照情報に基づいて、情報処理装置2が受信した初期の設定情報を確認できる。
【0138】
そこで、図5は、一例として、参照情報の出力を含む。
【0139】
設定処理部5は、初期の設定情報として保存した設定情報を、設定分析部8に送る。
【0140】
設定分析部8は、受信した設定情報を分析し、分析の結果に基づいて参照情報を生成し、生成した参照情報を出力する(ステップS514)。
【0141】
ただし、情報処理装置2は、初期の設定情報の保存の動作において、参照情報を出力しなくてもよい。この場合、情報処理装置2は、ステップS514を実行しなくてもよい。
【0142】
(2)設定情報の追加
図6は、「設定情報の追加」の動作の一例を示すフロー図である。
【0143】
図6に示す動作は、例えば、図4における「設定情報の追加」が選択された場合における動作である。
【0144】
設定受信部4は、通信装置1から、設定情報を受信する(ステップS521)。
【0145】
設定受信部4は、設定情報と設定名とを、設定処理部5に出力する。
【0146】
設定処理部5は、設定情報と設定名とを、設定保存部6に追加する(ステップS522)。
【0147】
この動作の結果、複数の設定情報が保存される。つまり、履歴が、保存される。
【0148】
設定学習部7は、追加された設定情報を、学習用のデータとして、学習データ保存部9に追加する。そして、設定学習部7は、学習データ保存部9が保存する学習用のデータを用いて機械学習を実行する(ステップS523)。
【0149】
なお、通信装置1が複数の場合、情報処理装置2は、ステップS521からS523の動作を繰り返す。
【0150】
なお、情報処理装置2は、設定情報を追加した場合に、追加した設定情報を参照情報として出力してもよい。例えば、利用者は、出力された参照情報に基づいて、追加した設定情報を確認できる。
【0151】
そこで、図6は、一例として、参照情報の出力を含む。
【0152】
設定処理部5は、追加した設定情報を、設定分析部8に送る。
【0153】
設定分析部8は、受信した設定情報を分析し、分析の結果に基づいて参照情報を生成し、生成した参照情報を出力する(ステップS524)。
【0154】
ただし、情報処理装置2は、設定情報の追加の動作において、参照情報を出力しなくてもよい。この場合、情報処理装置2は、ステップS524を実行しなくてもよい。
【0155】
このように、情報処理装置2は、設定情報を追加、つまり、設定情報を蓄積する。さらに、情報処理装置2は、蓄積した設定情報を用いて、機械学習を実行する。その結果、情報処理装置2は、より正確な機械学習を実行できる。
【0156】
例えば、ネットワークに通信装置1が追加された場合でも、設定受信部4が追加された通信装置1の設定情報を取得すれば、設定学習部7は、追加された設定情報を用いて、機械学習を実行できる。このように、情報処理装置2は、通信装置1の設定の追加に対応可能である。
【0157】
(3)設定情報の変更
図7は、「設定情報の変更」の動作の一例を示すフロー図である。
【0158】
図7示す動作は、例えば、図4における「設定情報の変更」が選択された場合における動作である。例えば、設定情報の変更の動作は、通信装置1の利用者が通信装置1の設定を変更した場合などに必要となる動作である。
【0159】
設定受信部4は、設定情報を受信する(ステップS531)。
【0160】
なお、設定受信部4は、通信装置1の設定において、変更された設定に関連する設定情報を受信すればよい。つまり、設定受信部4は、変更されなかった設定に関連する設定情報を受信しなくてもよい。ただし、設定受信部4は、変更されなかった設定を含む設定情報を受信してもよい。
【0161】
設定受信部4は、設定情報と設定名とを、設定処理部5に出力する。
【0162】
設定処理部5は、設定名を参照して、受信した設定情報で、設定保存部6が保存している設定情報を更新する(ステップS532)。
【0163】
設定学習部7は、更新された設定情報を参照して、学習データ保存部9が保存する学習用のデータを更新する。そして、設定学習部7は、学習データ保存部9が保存する学習用のデータを用いて機械学習を実行する(ステップS533)。
【0164】
なお、通信装置1が複数の場合、情報処理装置2は、ステップS531からS533の動作を繰り返す。
【0165】
通信装置1の設定には、誤りが発生する場合がある。例えば、通信装置1の設定に不備がある場合、又は、設定の漏れがある場合、通信装置1は、設定の修正が必要である。
【0166】
このように設定が修正された場合でも、設定受信部4が修正後の設定情報を取得すれば、設定学習部7は、修正後の設定情報を用いて、機械学習を実行できる。このように、情報処理装置2は、通信装置1における設定の修正に対応可能である。
【0167】
なお、情報処理装置2は、設定情報を更新した場合に、更新した設定情報を参照情報として出力してもよい。例えば、利用者は、出力された参照情報に基づいて、更新した設定情報を確認できる。
【0168】
そこで、図7は、一例として、参照情報の出力を含む。
【0169】
設定処理部5は、更新した設定情報を、設定分析部8に送る。
【0170】
設定分析部8は、受信した設定情報を分析し、分析の結果に基づいて参照情報を生成し、生成した参照情報を出力する(ステップS534)。
【0171】
ただし、情報処理装置2は、設定情報の変更の動作において、参照情報を出力しなくてもよい。この場合、情報処理装置2は、ステップS534を実行しなくてもよい。
【0172】
(4)参照情報の出力
次に、情報処理装置2における機械学習の結果であるモデルを用いて生成した参照情報を、通信装置1などに出力する動作について説明する。
【0173】
なお、情報処理装置2は、参照情報を通信装置1に送信してもよい。
【0174】
ただし、モデルを用いて生成した参照情報は、ある程度の誤差を含む場合がある。また、利用者が、設定内容を事前に確認したい場合もある。
【0175】
そこで、情報処理装置2は、モデルを用いて生成した参照情報を通信装置1に送信せずに、所定の装置(例えば、表示装置3)に送信してもよい。
【0176】
また、以下の説明では、設定処理部5は、設定情報の選択に関する情報を取得する。ただし、これは一例である。他の構成要素が、設定情報の選択に関する情報を取得してもよい。例えば、設定分析部8が、設定情報の選択に関する情報を取得してもよい。
【0177】
図8は、「参照情報の出力」の動作の一例を示すフロー図である。
【0178】
図8示す動作は、例えば、図4における「参照情報の出力」が選択された場合における動作である。
【0179】
なお、以下で説明する動作は、一例として、会社名と機種とを用いた選択を含む。そのため、設定情報は、会社名及び機種を含むとする。
【0180】
また、情報処理装置2は、新規の通信装置1の参照情報を出力するため、利用者などから、新規の通信装置1に近い通信装置1の会社名と機種を取得するとする。例えば、以下の説明において、利用者は、新規の通信装置1に近い機種(例えば、同じ製造会社の同じシリーズの機種)を選択する。
【0181】
ただし、これは、設定情報を選択の一例である。情報処理装置2は、その他の情報に対応した動作を実行してもよい。
【0182】
まず、設定処理部5は、会社名を取得する(ステップS541)。
【0183】
図10は、会社名を選択する場合の表示の一例を示す図である。
【0184】
利用者は、図10に対応する表示において、希望する会社名を選択する。
【0185】
なお、設定処理部5は、保存されている設定情報に含まれる会社名を抽出して、抽出した会社名を所定の規則に沿って整理し、整理後の会社名を表示機器に表示すればよい。
【0186】
設定処理部5は、取得した会社名に対応する通信装置1の機種を取得する(ステップS542)。
【0187】
図11は、機種を選択する場合の表示の一例を示す図である。なお、図11は、機種の表示の一例として、シリーズ名と機種とを表示している。利用者は、例えば、所望の機種を含むシリーズ名を選択すればよい。
【0188】
なお、設定処理部5は、選択された会社名を含む設定情報に含まれる機種を抽出して、抽出した機種を所定の規則に沿って整理し、整理後の機種を表示機器に表示すればよい。
【0189】
次に、設定処理部5は、選択された機種に対応した履歴(つまり、複数の設定情報)が保存されている場合、履歴に含まれる設定情報の設定名を取得する(ステップS543)。
【0190】
図12は、設定名を選択する場合の表示の一例を示す図である。なお、図12は、利用者への参考として、設定名に加え受信した順番を表示している。
【0191】
なお、設定処理部5は、選択された会社名と機種とを含む設定情報の履歴から設定名を抽出して、抽出した設定名を所定の規則に沿って整理し、整理後の設定名を表示機器に表示すればよい。
【0192】
なお、初期の設定情報は、基本的な設定である。そのため、初期の設定情報は、他の設定情報に比べ、参照される場合が多い。
【0193】
そのため、履歴の選択は、最初に、初期の設定情報と、その他の設定情報との選択を含んでもよい。
【0194】
図13は、初期の設定情報を優先的に使用する場合の表示の一例を示す図である。図13において、「初期の設定情報を使用する」が選択された場合、情報処理装置2は、履歴の中から初期の設定情報を取得して動作する。一方、「履歴を使用する」が選択された場合、情報処理装置2は、図12を参照して説明した設定名を取得する動作に進む。
【0195】
設定処理部5は、取得した会社名、機種、及び設定名を用いて、設定保存部6から設定情報を抽出する(ステップS544)。
【0196】
そして、設定処理部5は、抽出した設定情報を設定分析部8に送る。
【0197】
設定分析部8は、受信した設定情報を、設定学習部7が生成したモデルに適用して設定に関する情報を生成し、生成した情報を用いて参照情報を生成し、生成した参照情報を出力する(ステップS545)。
【0198】
情報処理装置2は、参照情報を通信装置1に送信してもよい。
【0199】
ただし、利用者は、参照情報を通信装置1に送る前に、確認したい場合もある。そこで、情報処理装置2は、通信装置1に参照情報を送る前に、参照情報を表示装置3又は表示機器に送信してもよい。この場合、情報処理装置2は、参照情報を確認した利用者からの修正の依頼に対応してもよい。つまり、情報処理装置2は、参照情報を修正してもよい。
【0200】
図9は、「参照情報の修正」の動作の一例を示すフロー図である。
【0201】
情報処理装置2は、表示機器に参照情報を表示する(ステップS551)。
【0202】
なお、表示機器における参照情報の表示形式は、任意である。例えば、表示機器は、表形式を用いてもよい。
【0203】
設定処理部5は、入力機器を介して、指示を受信する。そして、設定処理部5は、指示が、参照情報を変更するか指示か否かを判定する(ステップS552)。
【0204】
入力機器における指示の取得方法は、任意である。入力機器は、メニュー方式を用いてもよい。あるいは、入力機器は、キーボードを用いたコマンドの入力として、指示を受け取ってもよい。
【0205】
変更の指示の場合(ステップS552でYes)、設定処理部5は、入力機器を介して変更内容を取得する(ステップS553)。設定処理部5は、取得した変更内容を設定分析部8に送る。
【0206】
設定分析部8は、変更内容に対応して、参照情報を修正する(ステップS554)。
【0207】
そして、情報処理装置2は、ステップS551に戻る。
【0208】
変更の指示でない場合(ステップS552でNo)、設定処理部5は、変更がないことを設定分析部8に通知する。
【0209】
設定分析部8は、参照情報を通信装置1などに出力する(ステップS555)。
【0210】
[効果の説明]
次に、第1の実施形態にかかる情報処理装置2の効果について説明する。
【0211】
第1の実施形態にかかる情報処理装置2は、新規の通信装置1を設定するための情報を提供するとの効果を得ることができる。
【0212】
その理由は、次の通りである。
【0213】
情報処理装置2は、設定受信部4と、設定処理部5と、設定学習部7と、設定分析部8とを含む。設定受信部4は、ネットワークに接続されている通信装置の設定情報を受信する。設定処理部5は、設定情報を保存、追加、変更、及び抽出する。設定学習部7は、設定処理部5が保存、追加、及び変更した設定情報を用いて機械学習を実行する。設定分析部8は、設定学習部7における機械学習の結果と設定処理部5が抽出した設定情報とを用いて通信装置の設定に用いる情報を出力する。
【0214】
情報処理装置2は、通信装置1の設定情報を用いた機械学習を実行する。つまり、情報処理装置2は、動作している通信装置1の設定を用いた機械学習を実行する。さらに、情報処理装置2は、機械学習の結果(モデル)を用いて、通信装置1の設定に用いる情報(参照情報)を出力する。このような動作に基づいて、情報処理装置2は、新規の通信装置1を設定するための情報を提供できる。
【0215】
さらに、情報処理装置2は、複数の設定情報を履歴として保存する。そのため、情報処理装置2は、複数の設定情報を用いて、より適切な機械学習を実行できる。
【0216】
このように構成された情報処理装置2の利用者は、例えば、コンフィグレーションファイルの作成のためのマニュアルを参照する時間を軽減できる。また、情報処理装置2の出力を参照すると、利用者は、設定における矛盾及び見落としを削減できる。
【0217】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態として、第1の実施形態の概要を説明する。
【0218】
図14は、第2の実施形態にかかる情報処理装置21の構成の一例を示すブロック図である。
【0219】
情報処理装置21は、設定受信部4と、設定処理部5と、設定学習部7と、設定分析部8とを含む。設定受信部4は、ネットワークに接続されている通信装置の設定情報を受信する。設定処理部5は、設定情報を保存、追加、変更、及び抽出する。設定学習部7は、設定処理部5が保存、追加、及び変更した設定情報を用いて機械学習を実行する。設定分析部8は、設定学習部7における機械学習の結果と設定処理部5が抽出した設定情報とを用いて通信装置1の設定に用いる情報(参照情報)を出力する。
【0220】
情報処理装置21の各構成要素は、情報処理装置2における同様の構成要素と同様に動作する。
【0221】
情報処理装置21は、通信装置1の設定情報を用いた機械学習を実行する。つまり、情報処理装置21は、動作している通信装置1の設定を用いた機械学習を実行する。さらに、情報処理装置21は、機械学習の結果(モデル)を用いて、通信装置1の設定に用いる情報(参照情報)を出力する。このような動作に基づいて、情報処理装置21は、新規の通信装置1を設定するための情報を提供できる。
【0222】
このように構成された情報処理装置21は、情報処理装置2と同様の効果を得ることができる。
【0223】
その理由は、情報処理装置21の各構成要素が、情報処理装置2における同様の構成要素と同様に動作するためである。
【0224】
なお、情報処理装置21は、第1の実施形態における最小構成である。
【0225】
<ハードウェア構成>
次に、情報処理装置2及び21のハードウェア構成について、情報処理装置2を用いて説明する。
【0226】
情報処理装置2の各構成要素は、ハードウェア回路で構成されてもよい。
【0227】
あるいは、情報処理装置2において、各構成要素は、ネットワークを介して接続した複数の装置を用いて、構成されてもよい。
【0228】
あるいは、情報処理装置2において、複数の構成要素は、1つのハードウェアで構成されてもよい。
【0229】
あるいは、情報処理装置2は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを含むコンピュータ装置として実現されてもよい。情報処理装置2は、上記構成に加え、さらに、入出力接続回路(IOC:Input and Output Circuit)を含むコンピュータ装置として実現されてもよい。情報処理装置2は、上記構成に加え、さらに、ネットワークインターフェース回路(NIC:Network Interface Circuit)を含むコンピュータ装置として実現されてもよい。
【0230】
図15は、情報処理装置2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0231】
情報処理装置2は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、内部記憶装置640と、IOC650と、NIC680とを含み、コンピュータ装置を構成している。
【0232】
CPU610は、ROM620及び/又は内部記憶装置640からプログラムを読み込む。そして、CPU610は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM630と、内部記憶装置640と、IOC650と、NIC680とを制御する。そして、CPU610を含むコンピュータは、これらの構成を制御し、図1に示されている、設定受信部4と、設定処理部5と、設定保存部6と、設定学習部7と、設定分析部8と、学習データ保存部9としての各機能を実現する。
【0233】
CPU610は、各機能を実現する際に、RAM630又は内部記憶装置640を、プログラムの一時記憶媒体として使用してもよい。
【0234】
また、CPU610は、コンピュータで読み取り可能にプログラムを記憶した記憶媒体690が含むプログラムを、図示しない記憶媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。あるいは、CPU610は、NIC680を介して、図示しない外部の装置からプログラムを受け取り、RAM630又は内部記憶装置640に保存して、保存したプログラムを基に動作してもよい。
【0235】
ROM620は、CPU610が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM620は、例えば、P-ROM(Programmable-ROM)又はフラッシュROMである。
【0236】
RAM630は、CPU610が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM630は、例えば、D-RAM(Dynamic-RAM)である。
【0237】
内部記憶装置640は、情報処理装置2が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。内部記憶装置640は、設定保存部6及び学習データ保存部9として動作する。また、内部記憶装置640は、CPU610の一時記憶装置として動作してもよい。内部記憶装置640は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)又はディスクアレイ装置である。
【0238】
ROM620と内部記憶装置640とは、不揮発性(non-transitory)の記憶媒体である。一方、RAM630は、揮発性(transitory)の記憶媒体である。そして、CPU610は、ROM620、内部記憶装置640、又は、RAM630に記憶されているプログラムを基に動作可能である。つまり、CPU610は、不揮発性記憶媒体又は揮発性記憶媒体を用いて動作可能である。
【0239】
IOC650は、CPU610と、入力機器及び表示機器のデータを仲介する。IOC650は、例えば、IOインターフェースカード又はUSB(Universal Serial Bus)カードである。さらに、IOC650は、USBのような有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0240】
NIC680は、ネットワークを介した図示しない外部の装置とのデータのやり取りを中継する。NIC680は、設定受信部4及び設定分析部8の一部として動作する。NIC680は、例えば、LAN(Local Area Network)カードである。さらに、NIC680は、有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0241】
このように構成された情報処理装置2は、図1に示されている情報処理装置2と同様の効果を得ることができる。
【0242】
その理由は、図15の情報処理装置2のCPU610が、プログラムに基づいて図2に示されている情報処理装置2と同様の機能を実現できるためである。
【0243】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0244】
本発明は、ネットワーク機器を設定する分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0245】
1 通信装置
2 情報処理装置
3 表示装置
4 設定受信部
5 設定処理部
6 設定保存部
7 設定学習部
8 設定分析部
9 学習データ保存部
10 ネットワークシステム
21 情報処理装置
610 CPU
620 ROM
630 RAM
640 内部記憶装置
650 IOC
680 NIC
690 記憶媒体
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