(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】シート供給装置及びそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/06 20060101AFI20241224BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
B65H3/06 350A
G03G15/00 405
(21)【出願番号】P 2021007412
(22)【出願日】2021-01-20
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨田 教夫
【審査官】西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-225173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 3/06
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート積載トレイに積載される複数のシートを1枚ずつ供給する供給ローラと、前記供給ローラから供給されてくる前記シートを画像形成部に搬送する搬送ローラと、を備えたシート供給装置であって、
前記シートを供給するにあたり、所定の第1回転駆動力を前記供給ローラに伝達し、前記シートが前記搬送ローラに搬送されている状態において、前記シート積載トレイに積載される前記シートのサイズに関わらず、前記画像形成部にて画像形成される供給方向における最小サイズの前記シートの後端が前記供給ローラを通過するタイミングで、前記第1回転駆動力よりも小さい第2回転駆動力を前記供給ローラに伝達した後、前記供給ローラへの前記第2回転駆動力の伝達を遮断する第1遮断動作を行う、シート供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート供給装置であって、
前記複数のシートのうち1枚目のシートを供給するときに、前記第1遮断動作を行う、シート供給装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシート供給装置であって、
前記供給ローラと前記搬送ローラとの間に搬送される前記シートの有無を検知するシート検知部を備え、
前記シート検知部の検知結果に基づいて前記1枚目のシートの前記供給方向における検出サイズを検出し、前記検出サイズに応じたタイミングで前記供給ローラと前記搬送ローラの回転タイミングを制御する、シート供給装置。
【請求項4】
請求項3に記載のシート供給装置であって、
前記搬送ローラは、先端が当接した状態で停止している前記シートを所定のタイミングで搬送するレジストローラであり、
前記レジストローラによる前記1枚目のシートの搬送の開始から、前記シート検知部が前記1枚目のシートの後端を検知するまでの時間から前記検出サイズを検出する、シート供給装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のシート供給装置であって、
前記複数のシートのうち2枚目以降のシートを供給するときに、前記第1回転駆動力を前記供給ローラに伝達し、前記シートが前記搬送ローラに搬送されている状態において、前記検出サイズのシートの後端が前記供給ローラを通過するタイミングで、前記供給ローラへの前記第1回転駆動力の伝達を遮断する第2遮断動作を行う、シート供給装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までの何れか1つに記載のシート供給装置であって、
前記供給ローラは、電磁クラッチを介して回転駆動力が伝達され、
前記電磁クラッチに対してパルス幅変調制御を行うことにより前記第2回転駆動力を前記供給ローラへ伝達する、シート供給装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5までの何れか1つに記載のシート供給装置であって、
前記供給ローラは、電磁クラッチを介して回転駆動力が伝達され、
前記電磁クラッチに対して電力制御を行うことにより前記第2回転駆動力を前記供給ローラへ伝達する、シート供給装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載のシート供給装置であって、
前記第1遮断動作において、前記供給ローラへの前記第2回転駆動力の伝達を徐々に遮断する、シート供給装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までの何れか1つに記載のシート供給装置であって、
前記第1遮断動作において、前記シート積載トレイに積載されるべき予め設定された前記供給方向における
前記最小サイズよりも大きい設定サイズの前記シート、又は、前記画像形成部にて画像形成される前記供給方向における最大サイズの前記シートの後端が前記供給ローラを通過するタイミングで前記供給ローラへの前記第2回転駆動力の伝達を遮断する、シート供給装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までの何れか1つに記載のシート供給装置を備えた、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート供給装置及びそれを備えた複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に備えられるシート供給装置は、通常、シート積載トレイに積載される複数の記録用紙や原稿等のシートを1枚ずつ供給する供給ローラと、供給ローラから供給されてくるシートを画像形成部に搬送する搬送ローラ(例えばレジストローラ)と、を備えている。
【0003】
このようなシート供給装置のなかには、搬送ローラに回転駆動力を伝達して搬送ローラで駆動搬送しているシートが供給ローラを通過しているときに、供給ローラにも回転駆動力を伝達して搬送ローラ及び供給ローラの双方で駆動搬送するものがある〔例えば特許文献1(特に
図5のステップS315)参照〕。
【0004】
従来のシート供給装置では、連続してシートを供給するにあたり、次のシートが供給ローラにて連続して供給されて重送してしまうことを防ぐために、通常は、シートの後端が供給ローラを通過するタイミングで供給ローラへの回転駆動力の伝達を遮断する。しかし、シートが供給ローラを通過したことを検知する検知部がない場合には、シート積載トレイに積載されるべき予め設定された供給方向における設定サイズに基づいてシートの後端が供給ローラを通過するタイミングを判断し、供給ローラへの回転駆動力の伝達を遮断していた。ここで、設定サイズとは、サイズであり、シート積載トレイに設けられたサイズ検知部により設定されたサイズや、使用者による操作部への入力操作により設定されたサイズを例示できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、何らかの原因で設定サイズ(例えばA3縦サイズ)よりも小さいサイズ(例えばA4横サイズやA5横サイズ)のシートがシート積載トレイに積載されている場合には、小さいサイズのシートが供給ローラを通過した後も供給ローラに回転駆動力が伝達されてしまうことになる。そうすると、次のシートが供給ローラにて連続して供給されて重送してしまう。
【0007】
かかる観点から、シート積載トレイに積載されるシートのサイズ(例えばA3縦サイズ、A4横サイズやA5横サイズ)に関わらず、画像形成部にて画像形成される供給方向における最小サイズ(例えばA5横サイズ)のシートの後端が供給ローラを通過するタイミングで供給ローラへの回転駆動力の伝達を遮断することが考えられる。
【0008】
こうすることで、シート積載トレイに積載されるシートのサイズに関わらず、シートの後端が供給ローラを通過するときには、供給ローラへの回転駆動力の伝達を遮断しているので、次のシートが供給ローラにて連続して供給されて重送してしまうことを効果的に防止することができる。ところが、その反面、供給方向における最小サイズ(例えばA5横サイズ)よりも大きいサイズ(例えばA3縦サイズやA4横サイズ)のシートでは、供給ローラへの回転駆動力の伝達を遮断するときには、シートが供給ローラを通過中であるため、供給ローラを通過している途中で供給ローラへの回転駆動力の伝達を遮断する際に衝撃を受ける(シートの突っ張りが発生する)。そうすると、その衝撃による振動が供給ローラや搬送ローラから感光体や画像の書き込み系に伝わり、画像抜け等の画像不良を招くといった不都合がある。
【0009】
そこで、本発明は、画像形成部にて画像形成される供給方向における最小サイズのシートの後端が供給ローラを通過するタイミングで供給ローラへの回転駆動力の伝達を遮断しても、画像抜け等の画像不良を招くといった不都合を抑制することができるシート供給装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明に係るシート供給装置は、シート積載トレイに積載される複数のシートを1枚ずつ供給する供給ローラと、前記供給ローラから供給されてくる前記シートを画像形成部に搬送する搬送ローラと、を備えたシート供給装置であって、前記シートを供給するにあたり、所定の第1回転駆動力を前記供給ローラに伝達し、前記シートが前記搬送ローラに搬送されている状態において、前記シート積載トレイに積載される前記シートのサイズに関わらず、前記画像形成部にて画像形成される供給方向における最小サイズの前記シートの後端が前記供給ローラを通過するタイミングで、前記第1回転駆動力よりも小さい第2回転駆動力を前記供給ローラに伝達した後、前記供給ローラへの前記第2回転駆動力の伝達を遮断する第1遮断動作を行う。また、本発明に係る画像形成装置は、前記本発明に係るシート供給装置を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、画像形成部にて画像形成される供給方向における最小サイズのシートの後端が供給ローラを通過するタイミングで供給ローラへの回転駆動力の伝達を遮断しても、画像抜け等の画像不良を招くといった不都合を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係るシート供給装置を備えた画像形成装置を正面から視た概略断面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るシート供給装置の駆動系部分を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るシート供給装置の駆動系のシステムブロック図である。
【
図4】シート供給装置によるシート供給動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5A】最小サイズのシートでのシート供給動作の流れを示すタイミングチャートである。
【
図5B】最小サイズのシートでのシート供給動作の流れを示すタイミングチャートである。
【
図5C】最小サイズのシートでのシート供給動作の流れを示すタイミングチャートである。
【
図6A】最小サイズよりも大きいサイズのシートでのシート供給動作の流れを示すタイミングチャートである。
【
図6B】最小サイズよりも大きいサイズのシートでのシート供給動作の流れを示すタイミングチャートである。
【
図6C】最小サイズよりも大きいサイズのシートでのシート供給動作の流れを示すタイミングチャートである。
【
図7】第1遮断動作を行わない場合での不都合を説明するためのタイミングチャートである。
【
図8A】第1電磁クラッチに対してパルス幅変調制御を行う一例を示すタイミングチャートである。
【
図8B】第1電磁クラッチに対してパルス幅変調制御を行う他の例を示すタイミングチャートである。
【
図9A】第1電磁クラッチに対して電力制御を行う一例を示すタイミングチャートである。
【
図9B】第1電磁クラッチに対して電力制御を行う他の例を示すタイミングチャートである。
【
図10A】シートの後端が供給ローラを抜ける際にシートが受ける衝撃を抑制することを説明するために第1電磁クラッチに対してパルス幅変調制御を行う一例を示すタイミングチャートである。
【
図10B】シートの後端が供給ローラを抜ける際にシートが受ける衝撃を抑制することを説明するために第1電磁クラッチに対して電力制御を行う一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0014】
[画像形成装置]
図1は、本発明の実施の形態に係るシート供給装置200を備えた画像形成装置100を正面から視た概略断面図である。画像形成装置100は、モノクロ画像形成装置である。なお、画像形成装置100は、カラー画像形成装置であってもよい。図において、符号Xは正面から視て左右方向を表している。符号Yは左右方向Xに直交する奥行方向を表している。符号Zは上下方向、鉛直方向を表している。
【0015】
画像形成装置100は、画像読取装置106により読み取られた画像データ、又は、外部から伝達された画像データに応じて、画像形成処理を行う。なお、画像形成装置100は、記録用紙等のシートPに対して多色及び単色の画像を形成するカラー画像形成装置であってもよい。
【0016】
画像形成装置100における画像形成装置本体110には、画像形成部102とシート搬送系103とが設けられている。
【0017】
画像形成部102は、露光装置1(露光ユニット)、現像装置2(現像ユニット)、トナー収容容器21、静電潜像担持体として作用する感光体ドラム3、クリーニング部4、帯電装置5及び定着装置7(定着ユニット)を備えている。また、シート搬送系103は、シート供給装置200、本体側のシート積載トレイ81(80)(給紙トレイ)、手差し側のシート積載トレイ82(80)(手差し給紙トレイ)、排出ローラ31及び排出トレイ14を備えている。
【0018】
画像形成装置本体110の上部には、原稿Gの画像を読み取るための画像読取装置106が設けられている。画像読取装置106は、原稿Gが載置される原稿載置台107を備えている。原稿載置台107は、透明の強化ガラスからなる四角形状ものとされている。画像形成装置100では、画像読取装置106で読み取られた原稿Gの画像は、画像データとして画像形成装置本体110に送られ、シートP上に画像が記録される。
【0019】
画像形成装置本体110にはシート搬送路W1が設けられている。シート供給装置200は、シート積載トレイ81,82(80)に積載されたシートP~Pのうち最上位のシートPをシート搬送路W1に供給する。シート搬送路W1は、シートPを転写ローラ10及び定着装置7を経て排出トレイ14に導く。定着装置7は、シートP上に形成されたトナー像をシートPに加熱定着する。シート搬送路W1の近傍には、本体側の供給ローラ220a(220)、手差し側の供給ローラ220b(220)、搬送ローラ12a、レジストローラ230、転写ローラ10、定着装置7における定着ローラ71及び加圧ローラ72、排出ローラ31が配設されている。本例の画像形成装置100では、シート積載トレイ81,82(80)にて積載されたシートP~Pを1枚ずつ呼び込む呼び込みローラ(ピックアップローラ)は設けられておらず、供給ローラ220a,220b(220)(給紙ローラ)が呼び込みローラを兼ねている。また、供給ローラ220a,220b(220)に対向する位置には分離部材222a,222b(222)が設けられている。分離部材222a,222b(222)は、シート積載トレイ81,82(80)にて積載されたシートP~Pのうち2枚目以降のシートPの供給を規制する。分離部材222としては、代表的には分離ローラ及び分離パッドを例示でき、この例では、分離部材222は分離ローラとされている。
【0020】
画像形成装置100では、シート供給装置200においてシート積載トレイ81,82(80)にて積載されたシートP~Pのうち最上位のシートPがレジストローラ230まで搬送される。次に、シートPはレジストローラ230によりシートPと感光体ドラム3上のトナー像とを整合するタイミングで転写ローラ10に搬送される。感光体ドラム3上のトナー像は転写ローラ10によりシートP上に転写される。その後、シートPは定着装置7における定着ローラ71及び加圧ローラ72に通過し、搬送ローラ12a及び排出ローラ31を経て排出トレイ14上に排出される。シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、シートPは排出ローラ31から反転シート搬送路W2へ逆方向に搬送される。シートPは反転搬送ローラ12bを経てシートPの表裏を反転してレジストローラ230へ再度導かれる。そして、シートPは、表面と同様にして、裏面にトナー像が形成されて定着された後、排出トレイ14へ向けて排出される。
【0021】
[シート供給装置]
次に、本発明の実施の形態に係るシート供給装置200について、
図2Aから
図10Bを参照しながら以下に説明する。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態に係るシート供給装置200の駆動系部分を示す斜視図である。なお、
図2において手差し側の供給ローラ220bは図示を省略している。また、
図3は、本発明の実施の形態に係るシート供給装置200の駆動系のシステムブロック図である。
【0023】
図2に示すように、シート供給装置200は、駆動部210(駆動モータ)と、本体側の供給ローラ220a(220)と、本体側供給ローラ用の第1電磁クラッチ221a(221)(電磁クラッチ)と、手差し側の供給ローラ220b(220)と、手差し側供給ローラ用の第1電磁クラッチ221b(221)(電磁クラッチ)と、レジストローラ230(搬送ローラの一例)と、レジストローラ用の第2電磁クラッチ231と、第1駆動伝達機構240と、第2駆動伝達機構250と、シート検知部260とを備えている。
【0024】
駆動部210は、回転駆動力を発生させる駆動源であり、制御部120の出力系に電気的に接続されている(
図3参照)。駆動部210は、第1駆動伝達機構240及び第2駆動伝達機構250に連結されている。これにより、駆動部210は、制御部120の指示の下、回転駆動力を第1駆動伝達機構240及び第2駆動伝達機構250に伝達することができる。
【0025】
本体側の供給ローラ220aは、本体側のシート積載トレイ81に積載される複数のシートP~Pのうち最上位のシートPから1枚ずつレジストローラ230に供給する。供給ローラ220aは、第1駆動伝達機構240からの回転駆動力が本体側供給ローラ用の第1電磁クラッチ221aを介して伝達される。手差し側の供給ローラ220bは、手差し側のシート積載トレイ82に積載される複数のシートP~Pのうち最上位のシートPから1枚ずつレジストローラ230に供給する。供給ローラ220bは、第1駆動伝達機構240からの回転駆動力が手差し側供給ローラ用の第1電磁クラッチ221bを介して伝達される。
【0026】
本体側供給ローラ用の第1電磁クラッチ221a及び手差し側供給ローラ用の第1電磁クラッチ221bは、それぞれ、供給ローラ220a,220bに設けられており、制御部120の出力系に電気的に接続されている(
図3参照)。これにより、第1電磁クラッチ221a,221bは、制御部120の指示の下、第1駆動伝達機構240からの回転駆動力を供給ローラ220a,220bに伝達することができる。
【0027】
なお、供給ローラ220a、220bは、第1電磁クラッチ221a,221bが第1駆動伝達機構240からの回転駆動力を供給ローラ220a,220bに伝達していない状態において、外力が作用すると回転可能な状態に支持されている。そのため、後述するように、レジストローラ230によってシートPが搬送されている状態で、かつ搬送されているシートPの搬送方向における下流側が供給ローラ220a,220bと当接している状態において、供給ローラ220a,220bは、搬送されているシートPと当接している間、回転する(連れ回りする)。この状態において、供給ローラ220a,220bはシートPと所定の荷重で当接しているため、供給ローラ220a,220bを連れ回りさせる分だけシートPの搬送負荷は増加する。
【0028】
レジストローラ230は、供給ローラ220a,220bから供給されてくるシートPを画像形成部102に搬送する。レジストローラ230は、先端が当接した状態で停止しているシートPを所定のタイミング(感光体ドラム3上の画像と合わせるタイミング)で搬送する。供給ローラ220a,220bとレジストローラ230との間の距離は、最小サイズ(この例ではA5横サイズ)のシートPの長さよりも小さい。
【0029】
第2電磁クラッチ231は、レジストローラ230に設けられており、制御部120の出力系に電気的に接続されている(
図3参照)。これにより、第2電磁クラッチ231は、制御部120の指示の下、第1駆動伝達機構240からの回転駆動力をレジストローラ230に伝達することができる。
【0030】
図2に示すように、第1駆動伝達機構240は、駆動部210からの回転駆動力を第1電磁クラッチ221a,221b(221)及び第2電磁クラッチ231に伝達する。第1駆動伝達機構240は、複数のギヤ(第1ギヤ241から第5ギヤ245)を備えている。第1電磁クラッチ221aは、駆動部210からの回転駆動力が第1ギヤ241及び第2ギヤ242を介して伝達される。第1電磁クラッチ221bは、駆動部210からの回転駆動力が第1ギヤ241から第5ギヤ245を介して伝達される。第2電磁クラッチ231は、駆動部210からの回転駆動力が第1ギヤ241から第3ギヤ243を介して伝達される。また、感光体ドラム3は、駆動部210からの回転駆動力が第2駆動伝達機構250の複数のギヤ(第1ギヤ251及び第2ギヤ252)を介して伝達される。
【0031】
シート検知部260は、供給ローラ220a,220b(220)とレジストローラ230との間に搬送されるシートPの有無を検知する。すなわち、シート検知部260は、シートPがレジストローラ230を通過したことを検知することができる。シート検知部260は、供給ローラ220a,220b(220)とレジストローラ230との間に設けられており、制御部120の入力系に電気的に接続されている(
図3参照)。これにより、シート検知部260は、制御部120に検知信号を送信することができる。
【0032】
図3に示すように、画像形成装置100は、制御部120を備えている。制御部120は、CPU等のマイクロコンピュータからなる処理部121と、ROM等の不揮発性メモリー、RAM等の揮発性メモリーを含む記憶部122とを有している。制御部120は、処理部121が記憶部122のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部122のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行う。なお、シート供給装置200が制御部120を備えていてもよい。
【0033】
図4は、シート供給装置200によるシート供給動作の流れを示すフローチャートである。
図5Aから
図5Cは、最小サイズのシートPでのシート供給動作の流れを示すタイミングチャートである。
【0034】
次に、
図4に示すフローチャートを説明しながら、
図5Aから
図5Cにおいて、シート積載トレイ80に積載される最小サイズ(この例ではA5横)のシートPでのシート供給動作の流れを説明する。なお、画像形成部102にて画像形成される供給方向Hにおける最小サイズ(この例ではA5横)のシートPの供給方向Hにおける寸法Lm(この例では148mm)は、記憶部122に予め記憶されている。
【0035】
図4に示すように、制御部120は、シートPを供給するにあたり、先ず、第1電磁クラッチ221をオンし(S1、
図5AのS1参照)、供給ローラ220(220a,220b)に所定の第1回転駆動力を伝達する。次に、制御部120は、シート検知部260にてシートPの先端を検出するまで待機し(S2:No)、シートPの先端を検出すると(S2:Yes、
図5AのS2参照)、シートPの先端がレジストローラ230に当接するタイミングで第1電磁クラッチ221をオフする(S3、
図5AのS3参照)。
【0036】
次に、制御部120は、シートPの搬送開始信号が送られてくるまで(シートPがレジストローラ230に到達してからの所定の待機時間)待機し(S4:No)、シートPの搬送開始信号が送られてきたと判断した場合(S4:Yes)、シートPがジョブの1枚目か否かを判断する(S5)。次に、制御部120は、シートPがジョブの1枚目であると判断した場合(S5:Yes)、シートPを感光体ドラム3上の画像と合わせるタイミングで第1電磁クラッチ221及び第2電磁クラッチ231をオンする。このとき、制御部120は、シートPの供給方向Hにおける検出サイズ(実際のサイズ)が不明であるから、第1遮断動作を行う(S6、
図5AのS6参照)。第1遮断動作では、シートPがレジストローラ230に搬送されている状態において、記憶部122に記憶している最小サイズのシートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングで、第1回転駆動力よりも小さい第2回転駆動力を供給ローラ220に伝達した後、供給ローラ220への第2回転駆動力の伝達を遮断する。ここで、最小サイズのシートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングは、この例では、レジストローラ230の回転開始から第1時間t1経過後(第1距離L1通過後)のタイミングであり、記憶部122に記憶している寸法Lmと、レジストローラ230と供給ローラ220との間の長さ(の差分である第1距離L1の移動時間)とにより求めている。
図5AのS6では、搬送されるシートPのサイズは最小サイズ(この例ではA5横)であり、シートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングは最小サイズ(この例ではA5横)のタイミングであるので、供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際にシートPが受ける衝撃(シートPの突っ張り)はない。
【0037】
次に、制御部120は、シート検知部260にてシートPの後端を検出するまで待機し(S7:No)、シートPの後端を検出したと判断した場合(S7:Yes、
図5BのS7参照)、シートPの供給方向Hにおける検出サイズを検出し、検出した検出サイズを記憶部122に記憶する。ここで、検出サイズは、シート積載トレイ80に実際に積載されるシートPの供給方向Hにおけるサイズである。この例では、検出サイズは、レジストローラ230の回転を開始させるために第2電磁クラッチ231をオンしてからシート検知部260にてシートPの後端を検出するまでの第2時間t2(第2距離L2)と、シートPの先端がシート検知部260を通過してからレジストローラ230に到達するまでの時間である第3時間t3(第3距離L3)とを加算した時間(=t2+t3)〔距離(L2+L3)〕である。
図5Aから
図5Cに示す例での検出サイズは、最小サイズの供給方向Hにおける寸法Lm(この例ではA5横サイズ:148mm)である。
【0038】
次に、制御部120は、ジョブが1枚のジョブである場合には(S8:No)、処理を終了する一方、ジョブが複数枚のジョブである場合には(S8:Yes)、第1電磁クラッチ221をオンし(S9、
図5BのS9参照)、供給ローラ220に第1回転駆動力を伝達し、S2からS4(
図5BのS2~S4参照)に移行する。
【0039】
次に、制御部120は、シートPがジョブの2枚目以降であると判断し(S5:No)、かつ、ジョブの枚数が最終枚数でないと判断した場合(S10:No)、シートPを感光体ドラム3上の画像と合わせるタイミングで第1電磁クラッチ221及び第2電磁クラッチ231をオンし、第2遮断動作を行う(S11、
図5BのS11参照)。第2遮断動作では、シートPがレジストローラ230に搬送されている状態において、検出サイズのシートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングで、供給ローラ220への第1回転駆動力の伝達を遮断する。
図5AのS11では、シートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングは検出サイズ(実際のサイズ)のタイミングであるので、シートPが何れのサイズであっても供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際にシートPが受ける衝撃(シートPの突っ張り)はない。
【0040】
次に、制御部120は、3枚目以降のシートPが供給ローラ220を通過してから所定の第4時間t4経過後(第4距離L4通過後)に、第1電磁クラッチ221をオンし(S12、
図5CのS12参照)、供給ローラ220に第1回転駆動力を伝達し、S2からS4(
図5CのS2~S4参照)に移行する。ここで、第4時間t4(第4距離L4)は、1枚目のシートPと2枚目のシートPとの間の時間(距離)よりも小さい時間(距離)である。
【0041】
次に、制御部120は、シートPがジョブの2枚目以降であると判断し(S5:No)、かつ、ジョブの枚数が最終枚数であると判断した場合(S10:Yes)、S13に移行する。
【0042】
次に、制御部120は、シートPを感光体ドラム3上の画像と合わせるタイミングで第1電磁クラッチ221及び第2電磁クラッチ231をオンし、第2遮断動作を行う(S13)。S13では、S11と同様、シートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングは検出サイズ(実際のサイズ)のタイミングであるので、シートPが何れのサイズであっても供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際にシートPが受ける衝撃(シートPの突っ張り)はない。
【0043】
次に、制御部120は、シート検知部260にてシートPの後端を検出するまで待機し(S14:No)、シートPの後端を検出したと判断した場合(S14:Yes)、処理を終了する。
【0044】
図6Aから
図6Cは、最小サイズよりも大きいサイズのシートPでのシート供給動作の流れを示すタイミングチャートである。
【0045】
次に、
図4に示すフローチャートを説明しながら、
図6Aから
図6Cにおいて、シート積載トレイ80に積載される最小サイズ(この例ではA5横)よりも大きいサイズ(この例ではA3縦サイズ)のシートPでのシート供給動作の流れを説明する。
【0046】
図6Aから
図6Cに示すシート供給動作において、S11以外は
図5Aから
図5Cに示すシート供給動作と同様であり、
図5Aから
図5Cに示すシート供給動作とは異なる点を中心に以下に説明する。
【0047】
S7において、検出サイズは、最小サイズよりも大きいサイズの供給方向Hにおける寸法Ln(この例では最大サイズであるA3縦サイズ:420mm)である。制御部120は、最小サイズよりも大きいサイズ(この例ではA3縦サイズ)の検出サイズを記憶部122に記憶する。
【0048】
S11,S13において、シートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングは検出サイズ(実際のサイズ、この例ではA3縦サイズ)のタイミングであるので、シートPが何れのサイズであっても供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際にシートPが受ける衝撃(シートPの突っ張り)はない。
【0049】
一方、S5において、制御部120は、シートPがジョブの1枚目であると判断した場合(S5:Yes)、第1遮断動作を行う(S6、
図6AのS6参照)。これについて
図7を参照しながら以下に詳述する。
【0050】
図7は、第1遮断動作を行わない場合での不都合を説明するためのタイミングチャートである。
【0051】
図7に示すように、シートPのサイズが最小サイズ(この例ではA5横)である場合には、供給ローラ220を通過した後に供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断するので、衝撃を受けることはない(シートPの突っ張りが発生することはない)。ところが、シートPのサイズが最小サイズ(この例ではA5横)よりも大きいサイズ(この例ではA3縦サイズ)である場合、第1遮断動作を行わないと、供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断するときには、シートPが供給ローラ220を通過中であるため、供給ローラ220を通過している途中で供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際に衝撃を受ける(供給ローラ220への回転駆動力がない状態に切り替わるため、搬送中のシートPに供給ローラ220を回転させるための負荷が加わるため、シートPに瞬間的な突っ張りが発生する)。そうすると、その衝撃による振動が供給ローラ220やレジストローラ230から感光体(3)や画像の書き込み系(露光装置1)に伝わり、画像抜け等の画像不良を招くといった不都合がある。
【0052】
(本実施の形態について)
この点、本実施の形態に係るシート供給装置200において、制御部120は、シートPを供給するにあたり、所定の第1回転駆動力を供給ローラ220(220a,220b)に伝達し、シートPが搬送ローラ(レジストローラ230)に搬送されている状態において、シート積載トレイ80(81,82)に積載されるシートPのサイズに関わらず、画像形成部102にて画像形成される供給方向Hにおける最小サイズのシートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングで、第1回転駆動力fpよりも小さい第2回転駆動力fkを供給ローラ220に伝達した後、供給ローラ220への第2回転駆動力fkの伝達を遮断する第1遮断動作を行う。
【0053】
本実施の形態によれば、第1遮断動作では、第1回転駆動力fpよりも小さい第2回転駆動力fkを供給ローラ220に伝達した後、供給ローラ220への第2回転駆動力fkの伝達を遮断するので、供給方向Hにおける最小サイズ(例えばA5横サイズ)よりも大きいサイズ(例えばA3縦サイズやA4横サイズ)のシートPにおいて、供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断するときに、供給ローラ220を通過していても、シートPが供給ローラ220を通過している途中での供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際のシートPの衝撃(突っ張り)を緩和させることができる。これにより、その衝撃による振動を供給ローラ220や搬送ローラ(230)から感光体(3)や画像の書き込み系(露光装置1)に伝わり難くすることができ、画像抜け等の画像不良を招くといった不都合を抑制することができる。
【0054】
ここで、第2回転駆動力fkは、最小サイズよりも大きいサイズのシートPが供給ローラ220を通過している途中での供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際のシートPの衝撃を緩和させることができ、かつ、供給ローラ220が次のシートPを供給することができない程度の所定の回転駆動力である。
【0055】
また、最小サイズのシートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングには、該シートPの後端が通過する時点だけでなく、該シートPの後端が通過する時点から所定時間(例えは搬送バラツキ等による誤差を許容する程度の時間)経過後の時点を含む概念である。
【0056】
本実施の形態において、制御部120は、複数のシートP~Pのうち1枚目のシートPを供給するときに、第1遮断動作を行う。
【0057】
こうすることで、1枚目のシートPが供給ローラ220を通過している途中での供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際のシートPの衝撃(突っ張り)を緩和させることができ、ひいては、1枚目のシートPにおいて画像抜け等の画像不良を招くといった不都合を抑制することができる。
【0058】
本実施の形態において、制御部120は、シート検知部260の検知結果に基づいて1枚目のシートPの供給方向Hにおける検出サイズを検出する。記憶部122は、検出サイズを記憶する。制御部120は、記憶部122に記憶した検出サイズに応じたタイミングで供給ローラ220と搬送ローラ(230)の回転タイミングを制御する。
【0059】
こうすることで、制御部120は、実際に供給されるシートPの供給方向Hにおけるサイズを認識することができ、これにより、2枚目以降のシートPについて、シートPの後端が実際に供給ローラ220を通過するタイミングで供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断することができる。従って、2枚目以降のシートPについて第1遮断動作を行うことなく3枚目以降のシートPが供給ローラ220にて連続して供給されて重送してしまうことを効果的に防止することができる。
【0060】
本実施の形態において、搬送ローラは、先端が当接した状態で停止しているシートPを所定のタイミングで搬送するレジストローラ230である。制御部120は、レジストローラ230による1枚目のシートPの搬送の開始から、シート検知部260が1枚目のシートPの後端を検知するまでの時間から検出サイズを検出する。
【0061】
こうすることで、シート検知部260を、レジストローラ230に当接させてシートPを停止するタイミングを検出するための検知部と兼用することができる。すなわち、レジストローラ230に当接させてシートPを停止するタイミングを検出するための検知部を利用して検出サイズを検出することができる。
【0062】
本実施の形態において、制御部120は、複数のシートP~Pのうち2枚目以降のシートPを供給するときに、第1回転駆動力fpを供給ローラ220に伝達し、シートPが搬送ローラ(230)に搬送されている状態において、検出サイズのシートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングで、供給ローラ220への第1回転駆動力fpの伝達を遮断する第2遮断動作を行う。
【0063】
こうすることで、2枚目以降の何れのサイズのシートPに対して第2遮断動作を行っても供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際のシートPの衝撃(突っ張り)を回避することができる。
【0064】
<第1実施形態>
図8A及び
図8Bは、それぞれ、第1電磁クラッチ221に対してパルス幅変調制御を行う一例及び他の例を示すタイミングチャートである。
【0065】
本実施の形態において、制御部120は、
図8A及び
図8Bに示すように、第1電磁クラッチ221(電磁クラッチ)に対してパルス幅変調制御〔PWM(Pulse Width Modulation)制御〕を行うことにより第2回転駆動力fkを供給ローラ220へ伝達する。
【0066】
こうすることで、第1回転駆動力fpから第2回転駆動力fkへの回転駆動力の切り替えを簡単な制御構成で実現させることができる。
【0067】
図8Aに示す例では、制御部120は、第1遮断動作において、第1電磁クラッチ221に供給するパルス信号のパルス幅が一定になるようにパルス幅変調制御を行うようにしている。
【0068】
こうすることで、シートPが供給ローラ220を通過している途中での供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際のシートPの衝撃(突っ張り)を確実に緩和させることができる。
【0069】
図8Bに示す例では、制御部120は、第1遮断動作において、供給ローラ220への第2回転駆動力fkの伝達を徐々に遮断する。詳しくは、制御部120は、第1電磁クラッチ221に供給するパルス信号のパルス幅が次第に小さくなるようにパルス幅変調制御を行うようしている。なお、制御部120は、第1電磁クラッチ221に供給するパルス信号のパルス幅が段階的に小さくなるようにパルス幅変調制御を行うようしてもよい。
【0070】
こうすることで、シートPが供給ローラ220を通過している途中での供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際のシートPの衝撃(突っ張り)をさらに緩和させることができる。
【0071】
<第2実施形態>
図9A及び
図9Bは、それぞれ、第1電磁クラッチ221に対して電力制御を行う一例及び他の例を示すタイミングチャートである。
図9A及び
図9B並びに後述する
図10A及び
図10BにおいてImは第1電磁クラッチ221の定格電流を示している。
【0072】
本実施の形態において、制御部120は、
図9A及び
図9Bに示すように、第1電磁クラッチ221(電磁クラッチ)に対して電力制御(この例では電流制御)を行うことにより第2回転駆動力を供給ローラ220へ伝達する。
【0073】
こうすることで、第1回転駆動力fpから第2回転駆動力fkへの回転駆動力の切り替えを簡単な制御構成で実現させることができる。
【0074】
図9Aに示す例では、制御部120は、第1遮断動作において、第1電磁クラッチ221へ供給する電流が一定になるように電力制御を行うようにしている。
【0075】
こうすることで、シートPが供給ローラ220を通過している途中での供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際のシートPの衝撃(突っ張り)を確実に緩和させることができる。
【0076】
図9Bに示す例では、制御部120は、第1遮断動作において、供給ローラ220への第2回転駆動力fkの伝達を徐々に遮断する。詳しくは、制御部120は、第1電磁クラッチ221へ供給する電流が次第に小さくになるように電力制御を行うようしている。なお、制御部120は、第1電磁クラッチ221へ供給する電流が段階的に小さくになるように電力制御を行うようしてもよい。
【0077】
こうすることで、シートPが供給ローラ220を通過している途中での供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断する際のシートPの衝撃(突っ張り)をさらに緩和させることができる。
【0078】
<第3実施形態>
ところで、供給方向Hにおける最小サイズよりも大きいサイズのシートPは、供給ローラ220への回転駆動力の伝達を遮断した後、搬送ローラ(レジストローラ230)だけで搬送されており、回転駆動力(第2回転駆動力fk)の伝達が遮断された状態の供給ローラ220により負荷がかかった状態になっている。この状態で、シートPの後端が供給ローラ220を抜けると、シートPの後端が供給ローラ220を抜ける際にシートPが衝撃を受ける(シートPの突っ張り解除が発生する)。そうすると、その衝撃による振動が供給ローラ220や搬送ローラ(レジストローラ230)から感光体(3)や画像の書き込み系に伝わり、画像抜け等の画像不良を招くといった不都合がある。
【0079】
図10A及び
図10Bは、それぞれ、シートPの後端が供給ローラ220を抜ける際にシートPが受ける衝撃を抑制することを説明するために第1電磁クラッチ221に対してパルス幅変調制御及び電力制御を行う一例を示すタイミングチャートである。
【0080】
本実施の形態において、制御部120は、
図10A及び
図10Bに示すように、第1遮断動作において、シート積載トレイ80に積載されるべき予め設定された供給方向Hにおける設定サイズのシートP、又は、画像形成部102にて画像形成される供給方向にHおける最大サイズ(この例ではA3縦サイズ)のシートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングで供給ローラ220への第2回転駆動力fkの伝達を遮断する。
【0081】
詳しくは、制御部120は、第1遮断動作において、最小サイズ(この例ではA5横サイズ)のシートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングで第2回転駆動力fkを供給ローラ220に伝達した後、設定サイズのシートP又は最大サイズ(この例ではA3縦サイズ)のシートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングまで供給ローラ220への第2回転駆動力fkの伝達を継続し、設定サイズのシートP又は最大サイズのシートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングで供給ローラ220への第2回転駆動力fkの伝達を遮断する。
【0082】
ここで、設定サイズとは、シート積載トレイ80に設けられたサイズ検知部により設定されたサイズ、及び/又は、使用者による操作部への入力操作により設定されたサイズを例示できる。また、設定サイズのシートP又は最大サイズのシートPの後端が供給ローラ220を通過するタイミングとは、該シートPの後端が通過する時点だけでなく、該シートPの後端が通過する時点から所定時間(例えは搬送バラツキ等による誤差を許容する程度の時間)経過後の時点を含む概念である。
【0083】
こうすることで、たとえ供給方向Hにおける最小サイズよりも大きいサイズのシートPの後端が供給ローラ220を抜けたとしても、シートPの後端の供給ローラ220を抜ける際のシートPの衝撃(突っ張り解除)を緩和させることができる。これにより、その衝撃による振動を供給ローラ220や搬送ローラ(レジストローラ230)から感光体(3)や画像の書き込み系に伝わり難くすることができ、画像抜け等の画像不良を招くといった不都合を抑制することができる。
【0084】
(その他の実施の形態)
以上説明した第1実施形態から第3実施形態では、シートを用紙等の記録シートとしたが、原稿Gであってもよい。例えば、この例では図示を省略したが、原稿Gを原稿読取部に搬送する原稿送り装置に本実施の形態に係るシート供給装置を適用してもよい。
【0085】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、係る実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0086】
1 露光装置
10 転写ローラ
100 画像形成装置
102 画像形成部
120 制御部
121 処理部
122 記憶部
200 シート供給装置
210 駆動部
220 供給ローラ
220a 本体側の供給ローラ
220b 手差し側の供給ローラ
221 供給ローラ用の第1電磁クラッチ
221a 本体側供給ローラ用の第1電磁クラッチ
221b 手差し側供給ローラ用の第1電磁クラッチ
230 レジストローラ
231 レジストローラ用の第2電磁クラッチ
240 第1駆動伝達機構
250 第2駆動伝達機構
260 シート検知部
3 感光体ドラム
80 シート積載トレイ
81 本体側のシート積載トレイ
82 手差し側のシート積載トレイ
H 供給方向
P シート
X 左右方向
Y 奥行方向
Z 上下方向
fp 第1回転駆動力
fk 第2回転駆動力