IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋自動機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図1
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図2
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図3
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図4
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図5
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図6
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図7
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図8
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図9
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図10
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図11
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図12
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図13
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図14
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図15
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図16
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図17
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図18
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図19
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図20
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図21
  • 特許-袋取出方法及び袋取出装置 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】袋取出方法及び袋取出装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/16 20060101AFI20241224BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
B65B43/16
B65B57/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021072012
(22)【出願日】2021-04-21
(65)【公開番号】P2022166656
(43)【公開日】2022-11-02
【審査請求日】2024-01-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 尚之
(72)【発明者】
【氏名】福永 一生
(72)【発明者】
【氏名】森野 学
(72)【発明者】
【氏名】梶原 将太
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-117310(JP,A)
【文献】特開2007-039113(JP,A)
【文献】特開昭55-052839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00 - 43/62
B65B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の袋の高さ位置を示す高さ位置情報を、高さ位置情報取得装置によって取得する工程と、
前記高さ位置情報取得装置が取得した前記高さ位置情報に基づいて位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方が調整された保持部により、前記1以上の袋を保持する工程と、
を含み、
前記高さ位置情報を高さ位置情報取得装置によって取得する工程では、高さ方向に積み重ねられている複数の袋束であって前記高さ方向に隣り合う位置に配置される袋束同士が部分的に重なる複数の袋束のうち、最上位に位置する第1袋束と隣り合う第2袋束の表面の高さ位置を示す前記高さ位置情報を、前記高さ位置情報取得装置によって取得し、
前記保持部により前記1以上の袋を保持する工程では、
前記高さ位置情報に基づいて導き出される準備位置であって、前記第2袋束のうち前記第1袋束のエッジに対応する部分の表面の高さ位置に応じて決まる準備位置に、前記保持部の保持下方部を移動させ、
前記保持下方部を、前記準備位置から、前記第1袋束と前記第2袋束との間の保持位置に移動させ、
前記高さ位置情報取得装置は、前記第2袋束の前記高さ位置情報に基づいて、前記第2袋束の表面の勾配を示す勾配情報を取得し、
前記準備位置は、前記勾配情報に基づいて導き出される、袋取出方法。
【請求項2】
1以上の袋の高さ位置を示す高さ位置情報を、高さ位置情報取得装置によって取得する工程と、
前記高さ位置情報取得装置が取得した前記高さ位置情報に基づいて位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方が調整された保持部により、前記1以上の袋を保持する工程と、
を含み、
前記高さ位置情報を高さ位置情報取得装置によって取得する工程では、高さ方向に積み重ねられている複数の袋束であって前記高さ方向に隣り合う位置に配置される袋束同士が部分的に重なる複数の袋束のうち、最上位に位置する第1袋束と隣り合う第2袋束の表面の高さ位置を示す前記高さ位置情報を、前記高さ位置情報取得装置によって取得し、
前記保持部により前記1以上の袋を保持する工程では、
前記高さ位置情報に基づいて導き出される準備位置であって、前記第2袋束のうち前記第1袋束のエッジに対応する部分の表面の高さ位置に応じて決まる準備位置に、前記保持部の保持下方部を移動させ、
前記保持下方部を、前記準備位置から、前記第1袋束と前記第2袋束との間の保持位置に移動させ、
前記高さ位置情報取得装置は、前記第1袋束の表面の高さ位置を示す高さ位置情報を取得し、
前記準備位置は、前記第1袋束の前記高さ位置情報及び前記第2袋束の前記高さ位置情報に基づいて導き出される、袋取出方法。
【請求項3】
前記高さ位置情報取得装置は、前記保持部に取り付けられ、前記保持下方部とともに移動される請求項1又は2に記載の袋取出方法。
【請求項4】
前記高さ位置情報取得装置は、前記第1袋束の第1測定ポイント及び前記第2袋束の第2測定ポイントのうちの一方から他方に向かう測定経路に沿って、前記第1袋束の前記高さ位置情報及び前記第2袋束の前記高さ位置情報を取得し、
前記保持下方部は、保持移動経路に沿って前記準備位置に移動し、
前記保持移動経路の少なくとも一部は、前記測定経路に対応する請求項に記載の袋取出方法。
【請求項5】
前記保持下方部は、前記第2袋束の表面を押し下げつつ移動して前記準備位置に移動される請求項のいずれか一項に記載の袋取出方法。
【請求項6】
保持下方部を有し、高さ方向に積み重ねられている複数の袋束のうちの1つを保持する保持部であって、前記高さ方向に隣り合う位置に配置される袋束同士は部分的に重なり、前記複数の袋束のうち最上位に位置する第1袋束を保持する保持部と、
前記複数の袋束のうち前記第1袋束に隣り合う第2袋束の表面の高さ位置を示す高さ位置情報を取得する高さ位置情報取得装置と、
前記保持部を駆動する保持駆動部と、を備え、
前記保持駆動部は、
前記保持下方部を、前記高さ位置情報に基づいて導き出される準備位置であって、前記第2袋束のうち前記第1袋束のエッジに対応する部分の表面の高さ位置に応じて決まる準備位置に、移動させ、
前記保持下方部を、前記準備位置から、前記第1袋束と前記第2袋束との間の保持位置に移動させ、
前記高さ位置情報取得装置は、前記第2袋束の前記高さ位置情報に基づいて、前記第2袋束の表面の勾配を示す勾配情報を取得し、
前記準備位置は、前記勾配情報に基づいて導き出される、袋取出装置。
【請求項7】
保持下方部を有し、高さ方向に積み重ねられている複数の袋束のうちの1つを保持する保持部であって、前記高さ方向に隣り合う位置に配置される袋束同士は部分的に重なり、前記複数の袋束のうち最上位に位置する第1袋束を保持する保持部と、
前記複数の袋束のうち前記第1袋束に隣り合う第2袋束の表面の高さ位置を示す高さ位置情報を取得する高さ位置情報取得装置と、
前記保持部を駆動する保持駆動部と、を備え、
前記保持駆動部は、
前記保持下方部を、前記高さ位置情報に基づいて導き出される準備位置であって、前記第2袋束のうち前記第1袋束のエッジに対応する部分の表面の高さ位置に応じて決まる準備位置に、移動させ、
前記保持下方部を、前記準備位置から、前記第1袋束と前記第2袋束との間の保持位置に移動させ、
前記高さ位置情報取得装置は、前記第1袋束の表面の高さ位置を示す高さ位置情報を取得し、
前記準備位置は、前記第1袋束の前記高さ位置情報及び前記第2袋束の前記高さ位置情報に基づいて導き出される、袋取出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、袋取出方法及び袋取出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボールなどの収容箱の内側から袋束を取り出す装置が知られている(例えば特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-117310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
積層された複数の袋束から1つずつ袋束を取り出す際には、取出対象の袋束をグリッパー等の保持部によって適切に保持するだけではなく、袋束の姿勢を崩したり、傷等のダメージを袋束に与えたりしないようにすることが求められる。
【0005】
特に、各袋束に含まれる各袋が柔軟な袋(例えば平袋)の場合、各袋の反り等によって、各袋束の厚みや各袋束の最上位の袋の位置及び傾斜が一定しない。また、各袋が局所的に厚みの大きい部分(例えばスパウト)を含む場合、袋相互間の位置が安定し難く、各袋束の厚みが変わりやすい。
【0006】
このような厚みが安定しない袋束を、袋束の姿勢を崩したり袋束にダメージを与えたりしないようにしつつ、保持部によって的確に保持することは簡単ではない。
【0007】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、1以上の袋を適切に保持するのに有利な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、1以上の袋の高さ位置を示す高さ位置情報を、高さ位置情報取得装置によって取得する工程と、高さ位置情報取得装置が取得した高さ位置情報に基づいて位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方が調整された保持部により、1以上の袋を保持する工程と、を含む袋取出方法に関する。
【0009】
高さ位置情報を高さ位置情報取得装置によって取得する工程では、高さ方向に積み重ねられている複数の袋束であって高さ方向に隣り合う位置に配置される袋束同士が部分的に重なる複数の袋束のうち、最上位に位置する第1袋束と隣り合う第2袋束の表面の高さ位置を示す高さ位置情報を、高さ位置情報取得装置によって取得し、保持部により1以上の袋を保持する工程では、高さ位置情報に基づいて導き出される準備位置であって、第2袋束のうち第1袋束のエッジに対応する部分の表面の高さ位置に応じて決まる準備位置に、保持部の保持下方部を移動させ、保持下方部を、準備位置から、第1袋束と第2袋束との間の保持位置に移動させてもよい。
【0010】
高さ位置情報取得装置は、保持部に取り付けられ、保持下方部とともに移動されてもよい。
【0011】
高さ位置情報取得装置は、第2袋束の高さ位置情報に基づいて、第2袋束の表面の勾配を示す勾配情報を取得し、準備位置は、勾配情報に基づいて導き出されてもよい。
【0012】
高さ位置情報取得装置は、第1袋束の表面の高さ位置を示す高さ位置情報を取得し、準備位置は、第1袋束の高さ位置情報及び第2袋束の高さ位置情報に基づいて導き出されてもよい。
【0013】
高さ位置情報取得装置は、第1袋束の第1測定ポイント及び第2袋束の第2測定ポイントのうちの一方から他方に向かう測定経路に沿って、第1袋束の高さ位置情報及び第2袋束の高さ位置情報を取得し、保持下方部は、保持移動経路に沿って準備位置に移動し、保持移動経路の少なくとも一部は、測定経路に対応してもよい。
【0014】
保持下方部は、第2袋束の表面を押し下げつつ移動して準備位置に移動されてもよい。
【0015】
本開示の他の態様は、保持下方部を有し、高さ方向に積み重ねられている複数の袋束のうちの1つを保持する保持部であって、高さ方向に隣り合う位置に配置される袋束同士は部分的に重なり、複数の袋束のうち最上位に位置する第1袋束を保持する保持部と、複数の袋束のうち第1袋束に隣り合う第2袋束の表面の高さ位置を示す高さ位置情報を取得する高さ位置情報取得装置と、保持部を駆動する保持駆動部と、を備え、保持駆動部は、保持下方部を、高さ位置情報に基づいて導き出される準備位置であって、第2袋束のうち第1袋束のエッジに対応する部分の表面の高さ位置に応じて決まる準備位置に、移動させ、保持下方部を、準備位置から、第1袋束と第2袋束との間の保持位置に移動させる、袋取出装置に関する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、1以上の袋を適切に保持するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、複数の袋束を収容する収容箱の一例を示す図である。
図2図2は、収容箱における複数の袋束の収容例を説明するための平面図である。
図3図3は、収容箱における複数の袋束の収容例を説明するための平面図である。
図4図4は、収容箱における複数の袋束の収容例を説明するための平面図である。
図5図5は、収容箱における複数の袋束の収容例を説明するための平面図である。
図6図6は、収容箱から袋束を取り出す袋取出装置の一例を示す図である。
図7図7は、制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
図8図8は、保持ユニットの水平方向の移動距離(mm;X軸)と、高さ位置情報取得装置の検出結果から導き出される測定対象部位の高さ位置(すなわち「測定高さ位置」;mm;Y軸)との間の関係例を示す図である。
図9図9は、袋取出方法の一例を説明する図である。
図10図10は、袋取出方法の一例を説明する図である。
図11図11は、袋取出方法の一例を説明する図である。
図12図12は、袋取出方法の一例を説明する図である。
図13図13は、袋取出方法の一例を説明する図である。
図14図14は、袋取出方法の一例を説明する図である。
図15図15は、袋取出方法の一例を説明する図である。
図16図16は、袋取出方法の一例を説明する図である。
図17図17は、第1変形例に係る袋取出方法を説明する図である。
図18図18は、第1変形例に係る袋取出方法を説明する図である。
図19図19は、第2変形例に係る袋取出装置の平面図である。
図20図20は、第2変形例に係る袋取出装置の側方図である。
図21図21は、距離検出センサの検出結果の一例を示すグラフである。
図22図22は、第2変形例に係る保持部による袋の保持例を示す側方図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の一実施形態に係る装置及び方法を説明する。
【0019】
図1は、複数の袋束81を収容する収容箱70の一例を示す図である。図1には、収容箱70の断面状態が示され、収容箱70の内側に配置された複数の袋束81の概略状態が示されている。
【0020】
図1に示す例では、収容箱70の内側において、複数の袋束81が高さ方向に積み重ねられている。収容箱70に収容される複数の袋束81の各々は1以上の袋80を含み、各収容箱70に収容されている複数の袋束81は、2以上の袋80から成る袋束81を2以上含む。各収容箱70において、複数の袋束81の各々は、積層方向(高さ方向)に隣り合う位置に配置される他の袋束81と部分的に重なる。すなわち、積層方向に隣り合って配置される2つの袋束81は、お互いに幅方向(後述の第1水平方向Dh1(図2図5参照))にずらされた状態で、収容箱70に収容されている。
【0021】
ここで言う「積層方向に隣り合って配置される2つの袋束81」は、積層方向に連続して並べられる2つの袋束81を意味し、接触の有無は関係ない。複数の袋束81を幅方向にずらしながら積み重ねる場合、積み重ねる順番が1番目である袋束81と2番目である袋束81とは、ここで言う「積層方向に隣り合って配置される2つの袋束81」に該当する。一方、積み重ねる順番が1番目である袋束81と3番目である袋束81とは、たとえお互いに接触していても、ここで言う「積層方向に隣り合って配置される2つの袋束81」には該当しない。このように、積み重ねる順番が連続する袋束81は、積層方向に隣り合って配置される2つの袋束81」に該当するが、積み重ねる順番が不連続な袋束81は、積層方向に隣り合って配置される2つの袋束81」に該当しない。
【0022】
図1に示す収容箱70では、蓋部が開かれており、天面が開放されて開口部を形成する。収容箱70は、収容箱70の内側から外側にわたって延在するビニール体PLにより覆われている。収容箱70内の複数の袋束81は、収容箱70の内側を覆うビニール体PL上に配置されている。収容箱70内において高さ方向の最下方に位置する袋束81は、ビニール体PL上に載せられている。
【0023】
2以上の袋80を含む袋束81の各々において、当該2以上の袋80の各々は積層方向に隣り合って配置される他の袋80と部分的に重なった状態で収容箱70に収容されている。特に、収容箱70内において隣り合う位置に配置される2つの袋束81がずらされる方向とは直角を成す方向(後述の第2水平方向Dh2(図2図5参照))に、袋束81に含まれる2以上の袋80をずらすことが好ましい。このように積層方向に隣り合って配置される袋束81同士をお互いにずらして配置し、また同じ袋束81に含まれ且つ積層方向に隣り合って配置される袋80同士をお互いにずらして配置することによって、多数の袋80をスペース効率良く収容箱70に収容することができる。
【0024】
各袋束81は、高さ方向(積層方向)に積み重ねられた複数の袋80を含む。図1に示す例では、各収容箱70に収容されている全ての袋束81の各々が2以上の袋80を含む。また各収容箱70に収容されている全ての袋束81はお互いに同数の袋80を含む。各袋80は、局所的に他の部分よりも大きな厚みを有する厚み部84を有する。図示の厚み部84は、いわゆるスパウトにより構成されており、平面形状が概ね長方形である各袋80(特に各袋80の本体部)の4つのコーナー部分のうちの1つに位置する。複数の袋80を含む袋束81において、積層方向に隣り合って配置される袋80間において厚み部84がお互いに重ならないように、各収容箱70には複数の袋束81(すなわち複数の袋80)が積み重ねられている。
【0025】
図1に示す例では、2以上の袋80を含む袋束81において、当該2以上の袋80はお互いに同じ向きを有する。収容箱70において、各袋80の表面及び裏面の各々が袋80間で共通の積層方向に向けられている。例えば、収容箱70内の全ての袋80の表面が上方に向けられ且つ裏面が下方に向けられていてもよいし、全ての袋80の表面が下方に向けられ且つ裏面が上方に向けられていてもよい。
【0026】
図2図5は、収容箱70における複数の袋束81の収容例を説明するための平面図である。図2~5において、ビニール体PLの図示は省略されている。
【0027】
図3は、図2に示す収容箱70から最上位置の袋束81(すなわち第1袋束81a)を取り出した後の状態を示す。図4は、図3に示す収容箱70から最上位置の袋束81を取り出した後の状態を示す。図5は、図4に示す収容箱70から最上位置の袋束81を取り出した後の状態を示す。図5に示す収容箱70から最上位置の袋束81を取り出した後の状態は、図2に示すようになる。
【0028】
本実施形態では、4種類の態様(第1態様P1~第4態様P4)の袋束81を1セットとする。このセット(すなわち4種類の態様)が積層方向(すなわち高さ方向)に繰り返し規則的に積み重ねられることにより、複数の袋束81が収容箱70に収容されている。
【0029】
収容箱70に収容されている複数の袋束81のうち、積層方向に連続して積み重ねられている4つの袋束81は、それぞれ第1態様P1、第2態様P2、第3態様P3及び第4態様P4を有する。
【0030】
第1態様P1の袋束81に含まれている各袋80は、第2態様P2の袋束81に含まれている各袋80に対して、第1水平方向Dh1に関する位置がずれており、且つ、第1水平方向Dh1と直角を成す第2水平方向Dh2に関する向きが同じである(図2及び図3参照)。第2態様P2の袋束81に含まれている各袋80は、第3態様P3の袋束81に含まれている各袋80に対して、第1水平方向Dh1に関する位置がずれており且つ第2水平方向Dh2に関する向きが反対である(図3及び図4参照)。
【0031】
第3態様P3の袋束81に含まれている各袋80は、第4態様P4の袋束81に含まれている各袋80に対して、第1水平方向Dh1に関する位置がずれており且つ第2水平方向Dh2に関する向きが同じである(図4及び図5参照)。第4態様P4の袋束81に含まれている各袋80は、第1態様P1の袋束81に含まれている各袋80に対して、第1水平方向Dh1に関する位置がずれており且つ第2水平方向Dh2に関する向きが反対である(図5及び図2参照)。
【0032】
図2図5に示す例において、第1態様P1の袋束81及び第3態様P3の袋束81は、第1水平方向Dh1及び第2水平方向Dh2に関して実質的に同じ位置(図2図5の右側位置)に配置されている。また第2態様P2の袋束81及び第4態様P4の袋束81は、第1水平方向Dh1及び第2水平方向Dh2に関して実質的に同じ位置(図2図5の左側位置)に配置されている。また第1態様P1と第2態様P2との間で、厚み部84はそれぞれの袋80において同じ方向位置(図2図5の右上位置)に配置されている。また第3態様P3と第4態様P4との間で、厚み部84はそれぞれの袋80において同じ方向位置(図2図5の左下位置)に配置されている。
【0033】
図示の各収容箱70の内側の空間は、長方形の平面形状を有する。また各袋80は、概ね長方形の平面形状を有する。第1態様P1~第4態様P4の各々の袋束81に含まれる複数の袋80は、第2水平方向Dh2に関して実質的に同じ範囲にわたって収容箱70内に配置されており、図示の例では収容箱70の内側スペースの第2水平方向Dh2の実質的に全体にわたって配置されている。
【0034】
したがって収容箱70に収容されている複数の袋束81のうち、積層方向に関して最上位に位置する袋束81(すなわち第1袋束81a)と、第1袋束81aに対して積層方向に隣り合う位置に配置されている袋束81(すなわち第2袋束81b)とは、以下のように配置される。すなわち第1袋束81aは、収容箱70の内側において、第2袋束81b上に積み重ねられつつ、第1水平方向Dh1に関して第2袋束81bからずらされている。また第1袋束81a及び第2袋束81bの各々は、第2水平方向Dh2に関してお互いにずらされるように積み重ねられた2以上の袋80を含む。
【0035】
上述のように図示の例において各収容箱70内には、積層方向に隣り合う2つの態様の袋束81(例えば第3態様P3の袋束81及び第4態様P4の袋束81)の上に、これらの2つの袋束81とは第2水平方向Dh2に関する向きが逆である他の2つの態様の袋束81(例えば第1態様P1の袋束81及び第2態様P2の袋束81)が載せられている。これにより厚み部84の水平方向位置を、第1態様P1~第4態様P4の袋束81間でずらすことができ、複数の袋束81(すなわち複数の袋80)を収容箱70にスペース効率良く収容することができる。
【0036】
その一方で、収容箱70の収容スペースにおいて厚み部84が存在する箇所と、厚み部84が存在しない箇所(図2の符号「Q」で示される箇所参照)とが生じる。このように各袋束81の厚み及び積層される袋束81全体の厚みが一定せず、収容箱70内において積層される袋束81の高さ位置に偏りが生じる。
【0037】
図6は、収容箱70から袋束81を取り出す袋取出装置10の一例を示す図である。図6には、水平方向に移動する前の保持ユニット29(点線部参照)と、水平方向に移動した後の保持ユニット29とが示されている。
【0038】
袋取出装置10は、保持部30、位置検出部31及び高さ位置情報取得装置32を備える。図6に示す例において、保持部30、位置検出部31及び高さ位置情報取得装置32は一体的に設けられており、移動機構22(図2参照)によって一体的に移動され、向き調整機構23(図2参照)によって一体的に向きが変えられる。一体構成を有する保持部30、位置検出部31及び高さ位置情報取得装置32は、全体として、保持ユニット29とも称される。
【0039】
保持部30は、収容箱70に収容され且つ積層方向に積み重ねられている複数の袋束81の各々を、保持可能に設けられている。図示の保持部30は、各袋束81を積層方向(すなわち高さ方向)に挟んで把持するチャック構造を有する。
【0040】
保持部30には、向き調整機構23を介して移動機構22が取り付けられている。移動機構22及び向き調整機構23は、制御装置(図7参照)の制御下で、保持ユニット29を動かすことができる。
【0041】
図6に示す移動機構22は、多関節ロボットによって構成されており、複数のアーム部と、隣り合うアーム部同士を揺動可能に連結する複数の関節部とを含む。先端側アーム部には向き調整機構23が取り付けられている。基端側アーム部は土台により支持されている。各関節部及び土台にはサーボモータ等の駆動デバイスが設けられている。各関節部に設けられる駆動デバイスによって、隣り合うアーム部間の角度を調整することができる。土台に設けられる駆動デバイスによって、鉛直方向に沿って延びる旋回軸を中心に、移動機構22を回転させることができる。これらの駆動デバイスが制御装置の制御下で駆動されることによって、移動機構22は保持ユニット29を3次元的に移動させる。移動機構22の構成は図示の例には限定されない。例えば他の多関節ロボット(例えば他の水平多関節ロボット(スカラロボット)等)、パラレルリンクロボット、或いは直交ロボットによって、移動機構22の全体又は一部が構成されてもよい。
【0042】
向き調整機構23は、保持ユニット29が取り付けられており、制御装置(図7参照)の制御下で保持ユニット29の水平方向に関する向きを変えることができる。図示の向き調整機構23は回転体を含む。この回転体は、保持ユニット29に対して固定的に取り付けられており、保持ユニット29と一体的に回転する。一方、この回転体は、移動機構22(特に先端側アーム部)に対しては回転可能に取り付けられている。向き調整機構23の回転体が制御装置の制御下で回転させられることによって、移動機構22を回転させることなく保持ユニット29を回転させて、保持ユニット29の向きを変えることができる。
【0043】
位置検出部31は、保持ユニット29(保持部30を含む)の積層方向(すなわち高さ方向)に関する位置を検出する。具体的には、位置検出部31は、収容箱70内における袋束81に対する保持ユニット29(保持部30)の位置を、直接的又は間接的に検出する。図6に示す位置検出部31は、後述のように、収容箱70内における最上位置の袋束81の高さ位置を基準として、保持ユニット29(保持部30)の高さ位置を検出する。
【0044】
移動機構22の先端側アーム部には、向き調整機構23を介して連結プレート38が取り付けられている。連結プレート38には取付フレーム36が固定されている。取付フレーム36は、水平方向(すなわち図6の紙面の奥行き方向)に並んで設けられる対称構造の第1取付フレーム及び第2取付フレームを有する。第1取付フレーム及び第2取付フレームの各々は、高さ方向に延在する鉛直部と、当該鉛直部の下方端部から水平方向に延在する水平部とを有する。
【0045】
第1取付フレーム及び第2取付フレーム(特に鉛直部)には、共通の開閉駆動部33が固定されている。開閉駆動部33は、エアシリンダによって好適に構成され、制御装置の制御下で高さ方向に進退する駆動軸を有する。駆動軸には保持可動部34が固定されている。保持可動部34の高さ位置は、駆動軸の高さ方向への進退に応じて決められる。
【0046】
第1取付フレーム及び第2取付フレーム(特に水平部)には、保持固定部(保持下方部)35が取り付けられている。保持固定部35は、高さ方向に関して保持可動部34と対向する位置に配置されている。図示の保持固定部35は、第1保持固定部及び第2保持固定部を有する。第1保持固定部は、第1取付フレームと一体的に設けられ、水平方向に延在する。第2保持固定部は、第2取付フレームと一体的に設けられ、水平方向に延在する。なお第1保持固定部及び第1取付フレームは同一部材によって構成されていてもよい。また第2保持固定部及び第2取付フレームは同一部材によって構成されていてもよい。
【0047】
保持部30は、保持可動部34及び保持固定部35をチャック構造体として含む。収容箱70に収容されている各袋束81は、保持可動部34及び保持固定部35により積層方向(すなわち高さ方向)に挟まれることによって、移動可能に保持される。
【0048】
第1取付フレーム及び第2取付フレームの水平部の先端部には、第1袋束81aを保持固定部35上に誘導する誘導面40bが形成されている。誘導面40bは高さ方向位置がスムーズに変化する傾斜面によって構成されている。保持部30が後述の準備位置から保持位置に移動する際、第1袋束81aは、誘導面40b上に乗り上げた後、保持固定部35上に向けてスムーズに案内される。
【0049】
第1取付フレーム(特に鉛直部)には取付プレート37が固定されている。図示の取付プレート37は、高さ方向に延在する鉛直プレート部と、当該鉛直プレート部の下方端部から水平方向に延在する水平プレート部とを有する。例えば、1枚のプレートを部分的に折り曲げることによって、鉛直プレート部及び水平プレート部を有する取付プレート37を形成することが可能である。取付プレート37の鉛直プレート部が第1取付フレーム(特に鉛直部)に対して固定されている。取付プレート37の水平プレート部には、揺動検出センサ39が固定されている。
【0050】
第1取付フレーム及び第2取付フレームには揺動軸41が固定されている。揺動軸41は、第1取付フレームと第2取付フレームとの間に位置する。図示の例では、第1取付フレーム及び第2取付フレームの各々のうちの鉛直部と水平部とが接続する部位に、揺動軸41が接続されている。この揺動軸41を介し、揺動体40が、第1取付フレーム及び第2取付フレームに対して揺動自在に支持されている。
【0051】
揺動体40は、高さ方向に作用する力を受けることによって、揺動軸41を中心に揺動する。揺動体40の一部として検出プレート40aが設けられている。検出プレート40aは、水平方向に関して揺動軸41を基準とした一方側に位置しており、高さ方向に関して揺動検出センサ39と対向する。検出プレート40aと揺動検出センサ39との間の距離は、揺動体40の揺動状態(すなわち揺動軸41を中心とした揺動体40の揺動角度)に応じて変わる。揺動体40が外力を受けていない状態において、検出プレート40aは重力の影響下で相対的に上方に位置し、検出プレート40aと揺動検出センサ39との間の距離は比較的小さくなる。一方、揺動体40(特に揺動体40のうち揺動軸41を基準として検出プレート40aとは水平方向に関して反対側の部分)が下方から力を受けた場合、検出プレート40aが揺動検出センサ39から遠ざかるように揺動体40は揺動し、検出プレート40aは相対的に下方に位置し、検出プレート40aと揺動検出センサ39との間の距離は大きくなる。
【0052】
このように揺動体40は、保持部30(例えば保持可動部34及び保持固定部35)と一体的に移動し、積層方向(すなわち高さ方向)に作用する力に応じて揺動するレバー構造を有する。
【0053】
揺動検出センサ39は、揺動体40の揺動状態を検出する。上述のように、揺動体40の揺動状態に応じて、揺動検出センサ39と検出プレート40aとの間の距離が変わる。本実施形態の揺動検出センサ39は、揺動検出センサ39と検出プレート40aとの間の距離に応じてオン及びオフが切り替えられる。すなわち揺動検出センサ39は、検出プレート40aと揺動検出センサ39との間の距離が所定の大きさ以上になるとオン状態となり、所定の大きさよりも小さくなるとオフ状態になる。したがって揺動検出センサ39のオン-オフ状態から、揺動体40の揺動状態を検出することができる。なお揺動検出センサ39のオン-オフ状態に関する情報は、揺動検出センサ39から制御装置に送られる。
【0054】
第1取付フレームの水平部と第2取付フレームの水平部との間には、第1回転体42a、第2回転体42b及び揺動ストッパー43が設けられている。第1回転体42aは、第1取付フレーム及び第2取付フレームに固定された第1回転支持軸42cによって、回転自在に支持されている。第2回転体42bは、第1取付フレーム及び第2取付フレームに固定された第2回転支持軸42dによって、回転自在に支持されている。揺動ストッパー43は、第1回転体42aと第2回転体42bとの間において、第1取付フレーム及び第2取付フレームに対して直接的に固定されている。第1回転体42a、第2回転体42b及び揺動ストッパー43は、水平方向に関し、揺動軸41を介して検出プレート40aとは反対側に位置する。
【0055】
後述のように保持部30を準備位置から保持位置に移動させる際、第1回転体42a及び/又は第2回転体42bは、袋束81(すなわち後述の第2袋束)に圧力をかけつつ回転する。このように揺動体40が袋束81上をスライド移動する際に、第1回転体42a及び/又は第2回転体42bの回転を許容しつつ第1回転体42a及び/又は第2回転体42bを袋束81に押し付けることによって、揺動体40によって袋束81が傷つけられることを効果的に回避できる。
【0056】
揺動体40には、第1回転支持軸42c、第2回転支持軸42d及び揺動ストッパー43のそれぞれに対応する位置に、第1回転体孔44a、第2回転体孔44b及びストッパー孔45が形成されている。第1回転体孔44a、第2回転体孔44b及びストッパー孔45は、水平方向に関し、揺動軸41を介して検出プレート40aとは反対側に位置する。第1回転体孔44aには第1回転支持軸42cが配置可能であり、第2回転体孔44bには第2回転支持軸42dが配置可能であり、ストッパー孔45には揺動ストッパー43が配置可能である。第1回転体孔44a、第2回転体孔44b及びストッパー孔45の各々は、全体が揺動体40に囲まれていてもよいし、一部が切り欠かれて一部のみが揺動体40に囲まれていてもよい。図示の第1回転体孔44aは、一部が切り欠かれた溝形状を有し、第1回転支持軸42cは、揺動体40の揺動状態に応じて第1回転体孔44aの内側及び/又は外側に配置される。図示の第2回転体孔44b及びストッパー孔45の各々は、切り欠きを持たず、全体が揺動体40に囲まれている。第2回転支持軸42d及び揺動ストッパー43は、揺動体40の揺動状態に関わらず常に、第2回転体孔44b及びストッパー孔45に配置されている。
【0057】
予め想定されている揺動可能範囲において揺動体40が揺動する際、揺動体40は、第1回転支持軸42c、第2回転支持軸42d及び揺動ストッパー43と衝突することなく、揺動することができる。揺動体40の揺動可能範囲は、ストッパー孔45に配置された揺動ストッパー43が揺動体40と衝突する位置を境界位置として定められている。
【0058】
位置検出部31は上述の揺動体40(検出プレート40aを含む)及び揺動検出センサ39を有し、揺動体40が接触する物体に対する保持部30の積層方向(すなわち高さ方向)の位置を、揺動検出センサ39のオン-オフ状態に応じて検出することができる。
【0059】
なお、本実施形態の保持部30及び位置検出部31の構成及び作用については、特開2020-117310号公報に記載の保持部及び位置検出部が参照される。
【0060】
高さ位置情報取得装置32は、測定対象部位(袋束81)の高さ位置を示す高さ位置情報を取得する。図6に示す高さ位置情報取得装置32は、測定光の出射及び反射測定光の受光を行う光入出射面32aを有する。測定光は、光入出射面32aから鉛直方向に沿ってまっすぐに進行し、測定対象部位で反射される。そして、測定対象部位で反射された測定光の一部又は全部が、光入出射面32aで受光される。高さ位置情報取得装置32は、光入出射面32aでの測定光の出射状態及び受光状態(例えば出射から受光までの時間)に応じて、光入出射面32aから測定対象部位までの距離を検出する。そして高さ位置情報取得装置32は、この検出結果に基づいて、測定対象部位(本実施形態では第1袋束81a及び第2袋束81b)の高さ位置情報を取得する。
【0061】
図7は、制御装置60の一例を示す機能ブロック図である。
【0062】
本実施形態の制御装置60は、移動位置導出部61、移動制御部62、向き制御部63及び保持制御部64を有し、位置検出部31(特に揺動検出センサ39)、高さ位置情報取得装置32、移動機構22、向き調整機構23及び開閉駆動部33が接続されている。
【0063】
移動位置導出部61は、保持ユニット29(すなわち保持部30、位置検出部31及び高さ位置情報取得装置32)の移動位置を導出する。本実施形態では、1つの袋束81(特に第1袋束81a)を収容箱70から取り出すために、保持ユニット29が複数の移動位置(後述の準備位置及び保持位置を含む)を経由して移動させられる。移動位置導出部61は、保持ユニット29が移動させられるこれらの移動位置を、位置検出部31の検出結果と、高さ位置情報取得装置32が取得する収容箱70内の袋束81の高さ位置情報とに基づいて導き出す。
【0064】
移動位置導出部61によって導出される移動位置は、本実施形態では、移動前後の高さ方向距離及び水平方向距離に基づいて定められるが、他の情報に基づいて定められてもよい。例えば、3次元座標等の座標情報に基づいて移動位置の各々が定められてもよい。
【0065】
移動制御部62は、移動位置導出部61により導出される複数の移動位置の情報に基づいて移動機構22を制御し、保持ユニット29を移動させる。これにより、保持ユニット29は、複数の移動位置を経由して移動する。保持ユニット29は、各移動位置において停止してもよいし、停止することなく各移動位置を通過してもよい。
【0066】
向き制御部63は、向き調整機構23を制御し、保持ユニット29の向きを調整する。すなわち向き調整機構23は、向き制御部63の制御下で、収容箱70内の取出対象の袋束81(すなわち第1袋束81a)に対して保持ユニット29の向きを適応させる。
【0067】
本実施形態では、上述のように収容箱70内の取出対象の袋束81の向きが規則的に変わるため、取出対象の袋束81に適応した保持ユニット29の向きも規則的に変わる。そのため、収容箱70からの袋束81の取り出しに応じた保持ユニット29の最適な向き(特に第1水平方向Dh1に関する向き)は、予め決められることができる。本実施形態の向き制御部63は、予め定められたプログラムに従って向き調整機構23を制御し、袋束81を取り出す保持ユニット29の動作に応じて保持ユニット29の第1水平方向Dh1に関する向きを規則的に変えることで、保持ユニット29の向きを取出対象の袋束81に適応させる。
【0068】
保持制御部64は開閉駆動部33を制御し、保持可動部34を移動させる。保持可動部34を移動させて保持可動部34と保持固定部35との間の間隔を調整することにより、保持可動部34及び保持固定部35によって袋束81を保持したり、保持可動部34及び保持固定部35から袋束81を解放したりすることができる。
【0069】
本実施形態の保持部30は、横臥姿勢の袋束81を上方及び下方から把持することによって保持する。具体的には、取出対象の袋束81の上方に保持可動部(保持上方部)34を位置づけつつ下方に保持固定部(保持下方部)35を位置づけた状態で、保持可動部34及び保持固定部35によって当該袋束81を把持する。そのため、取出対象の袋束81を把持するステップ(把持ステップ)に先だって、当該袋束81の上方及び下方のそれぞれに保持可動部34及び保持固定部35を位置づけるステップ(把持準備ステップ)が行われる。
【0070】
上述の把持準備ステップにおいて、保持制御部64は、開閉駆動部33を制御して保持可動部34を解放位置に配置し、保持可動部34と保持固定部35との間の間隔が取出対象の袋束81の高さ方向の厚みよりも大きくなるように、保持可動部34と保持固定部35との間の間隔を相対的に大きくする。一方、上述の把持ステップにおいて、保持制御部64は、開閉駆動部33を制御して保持可動部34を把持位置に配置し、取出対象の袋束81に保持可動部34及び保持固定部35から把持力が作用するように、保持可動部34と保持固定部35との間の間隔を相対的に小さくする。
【0071】
上述のように、本実施形態の移動機構22、向き調整機構23及び開閉駆動部33は、保持部30(保持可動部34及び保持固定部35を含む)を駆動する保持駆動部として働く。
【0072】
制御装置60は、単一のデバイスにより構成されてもよいし、複数のデバイスが組み合わされて構成されてもよい。したがって、移動位置導出部61、移動制御部62、向き制御部63及び保持制御部64のうちの2以上が共通のデバイスによって実現されてもよい。また、それぞれ別個のデバイスによって移動位置導出部61、移動制御部62、向き制御部63及び保持制御部64が実現されてもよい。移動位置導出部61、移動制御部62、向き制御部63及び保持制御部64は、必要に応じてお互いに送受信可能に接続されており、各種情報(データ)を共有することができる。
【0073】
また制御装置60は、袋取出装置10を構成する他の要素を制御してもよく、図示しないセンサ及び装置との間で情報(データ)の送受信を行ってもよい。
【0074】
次に、上述の袋取出装置10によって行われる袋取出方法の一例について説明する。
【0075】
以下で説明する袋取出方法は、袋取出装置10を構成する各種デバイス(例えば移動機構22、向き調整機構23及び開閉駆動部33)が制御装置60の制御下で適宜駆動されることで行われる。
【0076】
図8は、保持ユニット29の水平方向の移動距離(mm;X軸)と、高さ位置情報取得装置32の検出結果から導き出される測定対象部位の高さ位置(すなわち「測定高さ位置」;mm;Y軸)との間の関係例を示す図である。図9図16は、袋取出方法の一例を説明する図である。
【0077】
図8に表されている関係例は、図9及び図10に示される状態が対応しており、図11図16に示されている状態は図8に表されていない。また図11図16において、第1袋束81a及び第2袋束81bは図示されているが、他の袋束81の図示は省略されている。また図11図16において、第1袋束81aについては最上位袋80a及び最下位袋80bのみが図示され、第2袋束81bについては最上位袋80aのみが図示され、厚み部84の図示は省略されている。
【0078】
まず図9に示すように、保持ユニット29が移動機構22によって降下され、収容箱70内の最上位置に配置されている第1袋束81a(特に、最上位置に配置されている露出状態の最上位袋80a)に揺動体40が接触される。図9に示す例において、保持ユニット29は、水平基準位置(すなわち「水平移動距離(図8の横軸)=0mm」)において、第1袋束81aに向かってまっすぐに鉛直方向に沿って移動し、第1袋束81aに接触する。
【0079】
そして、第1袋束81aに接触した揺動体40が揺動軸41を中心に揺動し、検出プレート40aと揺動検出センサ39との間の距離が所定の大きさ以上になると、揺動検出センサ39がオフ状態からオン状態に切り替わる。移動機構22は、制御装置60(特に移動制御部62)の制御下で、揺動検出センサ39がオフ状態からオン状態に切り替わったタイミングで、保持ユニット29の降下を止める。
【0080】
このようにして揺動検出センサ39がオフ状態からオン状態に切り替わったタイミングで取得される高さ位置情報取得装置32の検出結果から導き出される第1袋束81aの高さ位置(すなわち「測定高さ位置」)が、図8において符号「A1」で示される。
【0081】
本実施形態では、高さ位置情報取得装置32から出射される測定光が照射される部位の高さ位置が「測定高さ位置」として取得される。図9に示す例では、第1袋束81aの最上位袋80a上の第1測定ポイントM1の高さ位置が、図8において符号「A1」で示される「測定高さ位置」として取得される。
【0082】
図8の縦軸に示す「測定高さ位置」に関し、揺動検出センサ39がオフ状態からオン状態に切り替わったタイミングで、高さ位置情報取得装置32の光入出射面32aから鉛直方向下方へ所定距離離れている基準高さ位置が「測定高さ位置=0mm」で表される。この基準高さ位置からの高さ方向距離によって、測定対象部位の高さ位置(すなわち「測定高さ位置」)が表される。基準高さ位置よりも上方の位置はプラス(+)の「測定高さ位置」として表され、基準高さ位置よりも下方の位置はマイナス(-)の「測定高さ位置」として表される。
【0083】
第1袋束81aの高さ位置は、第1袋束81a自体の状態や第1袋束81aよりも下方に位置する袋束81の状態に応じて変わり、必ずしも基準高さ位置(すなわち「測定高さ位置=0mm」)には一致しない。図8に示す例において符号「A1」で示される第1袋束81a(特に第1測定ポイントM1)の高さ位置は、マイナス(-)の数値で表されている。
【0084】
なお、袋束81の取り出しのために保持ユニット29を効率良く移動させる観点からは、本工程において、保持ユニット29を、第1袋束81aのエッジの近傍の端部に向けて降下させることが好ましい。この場合、後述の工程において保持ユニット29を第1袋束81aの直上範囲から第2袋束81bの直上範囲に移動させる際に、保持ユニット29の移動量を小さく抑えることができる。
【0085】
その後、図10に示すように、保持ユニット29は、移動機構22によって、高さ方向に沿ってまっすぐ所定距離だけ上昇され(図10において一点鎖線で示される保持ユニット29参照)、続いて、水平方向にまっすぐに所定距離だけ移動される(図10において実線で示される保持ユニット29参照)。
【0086】
この保持ユニット29の一連の動きが行われている間に高さ位置情報取得装置32によって取得される「測定高さ位置」(すなわち収容箱70内の袋束81の高さ位置情報)は、図8において符号「A1」、「A2」、「A3」及び「A4」によって示される箇所を順次たどる。
【0087】
すなわち、揺動検出センサ39がオフ状態からオン状態に切り替わった後に保持ユニット29が高さ方向に所定距離だけ上昇する間、高さ位置情報取得装置32の測定結果から導き出される「測定高さ位置」は、図8において符号「A1」で示される箇所にとどまったままである。これは、保持ユニット29が上昇する間、高さ位置情報取得装置32による測定対象部位は第1袋束81aの同一箇所(すなわち第1測定ポイントM1)であり、当該箇所の高さ位置が変わらないためである。
【0088】
なお、保持ユニット29が上昇するにつれて、高さ位置情報取得装置32によって測定される「光入出射面32aと第1袋束81a(第1測定ポイントM1)との間の距離」は増大する。高さ位置情報取得装置32の測定結果から導き出される「測定高さ位置」は、測定光によって照射される箇所の高さ位置を表すが、測定光により照射される箇所と光入出射面32aとの間の距離には必ずしも依存しない。高さ位置情報取得装置32は、高さ位置情報取得装置32(本実施形態では保持ユニット29)が高さ方向に沿ってまっすぐに上昇又は降下する場合、「測定光が照射される箇所と光入出射面32aとの間の距離」に対して「高さ位置情報取得装置32の高さ方向への移動距離」を減算又は加算することで、「測定高さ位置」を導出することができる。
【0089】
保持ユニット29が高さ方向に上昇した後に水平方向に移動する間、高さ位置情報取得装置32から発せられる測定光が第1袋束81aに照射される段階と、当該測定光が第2袋束81bに照射される段階とが存在する。
【0090】
測定光が第1袋束81a(特に最上位袋80a)に照射されている間、高さ位置情報取得装置32の測定結果から導き出される「測定高さ位置」は、図8において「A1」から「A2」に向かう。図9に示すように、図8の「A1」は第1測定ポイントM1に対応し、「A2」は第1袋束81aの最上位袋80aのエッジ部分に対応する。図8及び図9に示す例では、第1袋束81a(特に最上位袋80a)の高さ位置は、保持ユニット29の水平移動方向に関して徐々に大きくなる。
【0091】
測定光が第1袋束81aの最上位袋80aのエッジに到達後、当該最上位袋80aの下方に位置する第1袋束81aの袋80のエッジ部分に照射されている間、高さ位置情報取得装置32の測定結果から導き出される「測定高さ位置」は、図8において「A2」から「A3」に向かう。すなわち、高さ位置情報取得装置32によって取得される第1袋束81aの高さ位置は、保持ユニット29の水平移動方向に関して徐々に小さくなる。これは、保持ユニット29の水平方向への移動にともなって、高さ位置情報取得装置32から発せられる測定光の照射箇所が、第1袋束81aのうちのより下位に位置する袋80に順次移るためである。
【0092】
そして、測定光が照射される箇所が第1袋束81aから第2袋束81bに移るタイミングが、図8の「A3」に対応する。なお、理解を容易にするため図9及び図10では、第1袋束81aの最下位袋80bのエッジ部分は第2袋束81bの最上位袋80aから上方に離れた位置に示されているが、図8に示す例では、第1袋束81aの最下位袋80bのエッジ部分が、第2袋束81bの最上位袋80aに接触している状態が示されている(図8の「A3」参照)。
【0093】
そして、測定光が第2袋束81bの最上位袋80aに照射されつつ保持ユニット29が水平方向に移動する間、高さ位置情報取得装置32の測定結果から導き出される「測定高さ位置」は、図8において「A3」から「A4」に向かう。図8に示す例では、第2袋束81b(特に最上位袋80a)の高さ位置は、保持ユニット29の水平移動方向に関して徐々に小さくなる。
【0094】
上述の保持ユニット29の水平方向移動が停止した際に測定光が照射されている第2袋束81b(特に最上位袋80a)の箇所は、第2測定ポイントM2であり、図8の符号「A4」に対応する。このように、第1測定ポイントM1(「A1」に対応)と第2測定ポイントM2(「A4」に対応)との間に位置し且つ上方に露出している第1袋束81a及び第2袋束81bの部分が、高さ位置情報取得装置32による測定範囲となる。
【0095】
その後、図11に示すように、保持ユニット29は移動機構22によって降下され、保持ユニット29(特に第1回転体42a)によって第2袋束81bが下方に押し下げられる。図11において、保持ユニット29によって押し下げられる前の第2袋束81bの最上位袋80aの位置が一点鎖線により示されており、保持ユニット29によって押し下げられた後の第2袋束81bの最上位袋80aの位置が実線により示されている。
【0096】
保持ユニット29の降下距離は、高さ位置情報取得装置32の測定結果から導出される「測定高さ位置」に基づいて、制御装置60(特に移動位置導出部61)により決定される。
【0097】
一例として、第2袋束81bに保持ユニット29が接触していない状態で高さ位置情報取得装置32により導出される第2測定ポイントM2の高さ位置(図8の「A4」参照)からある距離(例えば2~3mm程度)だけ下方に、第2測定ポイントM2が位置するように、保持ユニット29は降下される。この際、高さ位置情報取得装置32により導出される「測定高さ位置」をフィードバック情報としても用いてもよく、第2袋束81bのうち測定光が照射される箇所の高さ位置を、高さ位置情報取得装置32により導出される「測定高さ位置」に基づいて監視しつつ、所望位置まで押し下げてもよい。或いは、保持ユニット29による第2袋束81bの押し下げとは無関係に、第2袋束81bに保持ユニット29が接触していない状態で導出される第2測定ポイントM2の高さ位置から、保持ユニット29の降下距離が決められてもよい。
【0098】
その後、図12に示すように、保持ユニット29は移動機構22によって水平方向に移動され、保持固定部35及び揺動体40が第1袋束81aのエッジ部分の下方の準備位置に移動される。この際、保持ユニット29は、第2袋束81bを押し下げつつ、第1袋束81aのエッジ部分の下方に向かって進行する。これにより、保持ユニット29の進行方向前方において、第1袋束81a(特に最下位袋80b)と第2袋束81b(特に最上位袋80a)との間にはスペースが形成され、当該スペースに保持ユニット29が進入することができる。その結果、第1袋束81a及び第2袋束81bの姿勢の崩れ及びダメージを抑えつつ、保持固定部35及び揺動体40を第1袋束81aの下方にスムーズに進入させることができる。
【0099】
本例の保持ユニット29は、実際には、図11に示す位置(押し下げスタート位置)から、水平方向及び高さ方向に対して傾斜する斜め方向に移動され、図12に示す位置(準備位置)に配置される。すなわち、保持ユニット29の移動方向は、第2袋束81bの表面の勾配に応じて決められる。上述のように、保持ユニット29が第1袋束81aの直上範囲から第2袋束81bの直上範囲に移動する間に、高さ位置情報取得装置32によって第1袋束81aの表面及び第2袋束81bの表面の高さ位置情報が取得される(図8参照)。この高さ位置情報は、図8に示すように、第1袋束81aの表面の勾配を示す勾配情報(図8の「A1」と「A2」との間の傾斜情報)及び第2袋束81bの表面の勾配を示す勾配情報(図8の「A3」と「A4」との間の傾斜情報)を含む。
【0100】
保持ユニット29は、制御装置60(例えば移動位置導出部61)によって取得される第2袋束81bの勾配情報に基づいて、第2袋束81bの表面の勾配に応じて移動される。これにより、保持ユニット29が準備位置に向かって移動する際、保持ユニット29から第2袋束81bに過度な押し下げ力が加えられるのを避けることができる。
【0101】
このようにして保持ユニット29を水平方向に移動させる際、高さ位置情報取得装置32により導出される「測定高さ位置」をフィードバック情報としても用いてもよい。すなわち、測定光が照射される箇所の高さ位置を、高さ位置情報取得装置32により導出される「測定高さ位置」に基づいて監視しつつ、この高さ位置に応じて保持ユニット29の高さ位置が移動機構22により調整されてもよい。これにより保持ユニット29は、第2袋束81bを精度良く所望位置まで押し下げつつ、準備位置に向かって移動することができる。
【0102】
その後、図13に示すように、保持ユニット29は移動機構22によって水平方向に移動され、保持固定部35が第1袋束81a(特に最下位袋80b)の下方に位置づけられ、保持ユニット29は保持位置で停止される。これにより、解放位置に配置されている保持可動部34と、保持固定部35との間に第1袋束81aが位置づけられる。なお保持可動部34が解放位置に配置されるタイミングは限定されず、本例では、保持ユニット29が第1袋束81aに向かって降下する時点で(図9参照)、既に保持可動部34が解放位置に配置されている。
【0103】
保持ユニット29が図12に示す位置(準備位置)から図13に示す位置(保持位置)に移動する際、保持ユニット29の移動方向は限定されず、保持ユニット29は、水平方向に沿って移動されてもよいし、水平方向及び高さ方向に対して傾斜する斜め方向に移動されてもよい。第1袋束81aと第2袋束81bとの間に保持固定部35を確実に進入させる観点からは、保持固定部35が準備位置(図12参照)に配置されている状態で、保持固定部35と第1袋束81a(特に最下位袋80b)との間の高さ方向の間隔は大きい方が好ましい。一方、第1袋束81aを保持部30により適切に把持させる観点からは、保持固定部35が保持位置(図13参照)に配置されている状態で、保持固定部35と第1袋束81a(特に最下位袋80b)との間の間隔は小さい方が好ましく、保持固定部35は第1袋束81a(特に最下位袋80b)に接触していてもよい。
【0104】
したがって、保持固定部35を準備位置(図12参照)から保持位置(図13)に移動させる際に、保持固定部35を斜め方向に移動させることによって、第1袋束81aと第2袋束81bとの間に保持固定部35を確実に進入させることと、第1袋束81aを保持部30により適切に把持させることとを、両立させることが可能である。
【0105】
その後、図14に示すように、保持可動部34が開閉駆動部33により降下されて把持位置に配置され、第1袋束81aが保持可動部34及び保持固定部35(すなわち保持部30)によって把持される。
【0106】
その後、図15に示すように、保持部30が第1袋束81aを保持している状態(すなわち保持可動部34が把持位置に配置されている状態)を維持しつつ、保持ユニット29が移動機構22によって上昇される。これにより第1袋束81aは、保持ユニット29とともに上昇し、第2袋束81bから離れる。
【0107】
このようにして第2袋束81bから離れた第1袋束81aは、保持ユニット29とともに収容箱70の外側に移動し、収容箱70の外側に設けられている後段装置(例えば搬送装置や貯留装置(図示省略))に保持ユニット29から渡される。保持ユニット29から後段装置に袋束81(すなわち第1袋束81a)を渡す方法は限定されない。典型的には、保持部30により保持されている状態の袋束81が後段装置によっても保持され、その後、保持可動部34が解放位置に配置されて袋束81が保持部30による保持から解放されることで、袋束81が保持ユニット29から後段装置に渡される。
【0108】
その後、保持ユニット29は、次の袋束81(すなわち、この時点で収容箱70内において最上位に位置する第1袋束81a)の取り出しための位置及び姿勢に配置される。本実施形態では、向き調整機構23によって保持ユニット29が180度回転され、保持ユニット29は、収容箱70内の第1袋束81aの真上に位置づけられる(図16参照)。
【0109】
その後、保持ユニット29は移動機構22によって降下され、上述の一連の処理(図9図15参照)が行われて、第1袋束81aが後段装置に渡される。
【0110】
上述の一連の処理(図9図16参照)が繰り返し行われることによって、収容箱70内の袋束81が1つずつ収容箱70から取り出されて後段装置に渡される。
【0111】
以上説明したように本実施形態の袋取出方法は、複数の袋束81のうち、最上位に位置する第1袋束81aと隣り合う第2袋束81bの表面の高さ位置を示す高さ位置情報を、高さ位置情報取得装置32によって取得する工程と、当該高さ位置情報に基づいて導き出される準備位置であって、第2袋束81bのうち第1袋束81aのエッジに対応する部分の表面の高さ位置に応じて決まる準備位置(図12参照)に、保持部30の保持固定部35(保持下方部)を移動させる工程と、保持固定部35を、準備位置(図12参照)から、第1袋束81aと第2袋束81bとの間の保持位置(図13参照)に移動させる工程と、を含む。
【0112】
また本実施形態の袋取出装置10は、保持固定部35を有し、高さ方向に積み重ねられている複数の袋束81のうち最上位に位置する第1袋束81aを保持する保持部30と、複数の袋束81のうち第1袋束81aに隣り合う第2袋束81bの表面の高さ位置を示す高さ位置情報を取得する高さ位置情報取得装置32と、保持部30を駆動する保持駆動部(移動機構22、向き調整機構23及び開閉駆動部33)と、を備える。保持駆動部(特に移動機構22)は、保持固定部35を、第2袋束81bの高さ位置情報に基づいて導き出される準備位置であって、第2袋束81bのうち第1袋束81aのエッジに対応する部分の表面の高さ位置に応じて決まる準備位置に、移動させ、保持固定部35を、準備位置から、第1袋束81aと第2袋束81bとの間の保持位置に移動させる。
【0113】
上述の袋取出方法及び袋取出装置によれば、保持固定部35を、第1袋束81aと第2袋束81bとの間のスペースに正確に進入させることができる。特に、準備位置が、第2袋束81bのうちの第1袋束81aのエッジに対応する部分の表面の高さ位置に応じて決められる。そのため、第1袋束81aと第2袋束81bとの間に保持固定部35を確実に進入及び配置させるのに適した位置を、準備位置として決めることができる。
【0114】
なお、ここで言う「第2袋束81bのうち第1袋束81aのエッジに対応する部分の表面」は、第1袋束81aのエッジの位置に対応づけられる第2袋束81bの表面部分である。典型的には、第1袋束81aのエッジの真下に位置する第2袋束81bの部分の表面が、「第2袋束81bのうち第1袋束81aのエッジに対応する部分の表面」に該当する。ただし、第1袋束81aのエッジの真下ではないが当該エッジの近傍に位置する第2袋束81bの部分の表面も、「第2袋束81bのうち第1袋束81aのエッジに対応する部分の表面」に該当しうる。
【0115】
また、高さ位置情報取得装置32は、連結プレート38、開閉駆動部33及び取付フレーム36を介して保持部30(保持可動部34及び保持固定部35を含む)に取り付けられ、保持固定部35とともに移動される。
【0116】
これにより、保持部30及び高さ位置情報取得装置32の移動駆動系を簡素化することができる。また保持部30に対する高さ位置情報取得装置32の相対位置を固定化することができ、高さ位置情報取得装置32によって行われる測定を保持部30の位置に常に関連付けて行うことができ、測定対象部位(すなわち第1袋束81a及び第2袋束81b)の高さ位置情報を高精度に取得できる。
【0117】
また、高さ位置情報取得装置32は、第2袋束81bの高さ位置情報に基づいて、第2袋束81bの表面の勾配を示す勾配情報を取得し、準備位置は、勾配情報に基づいて導き出される。本実施形態の高さ位置情報取得装置32は、第1袋束81aの高さ位置情報及び第2袋束81bの高さ位置情報に基づいて、第1袋束81aの第1測定ポイントM1と、第2袋束81bの第2測定ポイントM2と、の間における、第2袋束81bの表面の勾配を示す勾配情報を取得し、準備位置は、勾配情報に基づいて導き出される。
【0118】
これにより、第2袋束81bの表面(特に最上位袋80aの上面)が傾斜している場合であっても、適切な位置を準備位置として導き出すことが可能である。また、第2袋束81bの表面の傾斜に応じて保持固定部35を水平方向及び高さ方向に移動させることも可能であり、保持ユニット29から第2袋束81bに対して過度な押し下げ力が働くことを効果的に回避できる。
【0119】
また、高さ位置情報取得装置32は、第1袋束81aの表面の高さ位置を示す高さ位置情報を取得し、準備位置は、第1袋束81aの高さ位置情報及び第2袋束81bの高さ位置情報に基づいて導き出される。
【0120】
このように、第2袋束81bの高さ位置情報だけではなく、第1袋束81aの高さ位置情報も考慮して準備位置を導出することで、より適切な位置を準備位置に割り当てうる。
【0121】
また、高さ位置情報取得装置32は、第1袋束81aの第1測定ポイントM1及び第2袋束81bの第2測定ポイントM2のうちの一方から他方に向かう測定経路に沿って、第1袋束81aの高さ位置情報及び第2袋束81bの高さ位置情報を取得し、保持固定部35は、保持移動経路に沿って準備位置に移動し、保持移動経路の少なくとも一部は、測定経路に対応する。
【0122】
これにより、保持固定部35は、測定経路をたどるようにして準備位置に移動し、所望の準備位置に向かって精度良く移動することができる。また、第2袋束81bのうち高さ位置情報取得装置32によって直接的に高さ位置情報が取得された箇所に沿って保持固定部35を移動させることで、保持ユニット29から第2袋束81bに対して過度な押し下げ力が働くことを回避することができる。
【0123】
なお、ここで言う「保持移動経路の少なくとも一部は、測定経路に対応する」関係は、例えば、保持移動経路の少なくとも一部の投影(特に下向きの投影)と、測定経路の投影(特に下向きの投影)とが一致する関係を指しうる。
【0124】
また、保持固定部35は、第2袋束81bの表面を押し下げつつ移動して準備位置に移動される。
【0125】
これにより、第2袋束81bの表面のうち保持固定部35により直接的に押し下げられている箇所の周辺も押し下げられ、第1袋束81aと第2袋束81bとの間に保持固定部35が進入可能なスペースを作り出すことができる。したがって、保持固定部35は、第1袋束81aに対して過度な力やダメージをもたらすことなく、第1袋束81aと第2袋束81bとの間にスムーズに進入することが可能である。
【0126】
このように本実施形態によれば、高さ位置情報を高さ位置情報取得装置32によって取得する工程では、高さ方向に積み重ねられている複数の袋束81であって高さ方向に隣り合う位置に配置される袋束81同士が部分的に重なる複数の袋束81のうち、最上位に位置する第1袋束81aと隣り合う第2袋束81bの表面の高さ位置を示す高さ位置情報を、高さ位置情報取得装置32によって取得し、保持部30により1以上の袋80を保持する工程では、高さ位置情報に基づいて導き出される準備位置であって、第2袋束81bのうち第1袋束81aのエッジに対応する部分の表面の高さ位置に応じて決まる準備位置に、保持部30の保持固定部35(保持下方部)を移動させ、保持固定部35を、準備位置から、第1袋束81aと第2袋束81bとの間の保持位置に移動させる。
【0127】
[第1変形例]
本変形例において、上述の実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0128】
図17及び図18は、第1変形例に係る袋取出方法を説明する図である。
【0129】
図17及び図18に示す袋取出装置10の構成は、上述の実施形態に係る袋取出装置10の構成と同様である。
【0130】
本変形例に係る袋取出方法においても、上述の実施形態と同様に、まず保持ユニット29が降下され、第1袋束81aに接触した揺動体40が揺動し、揺動検出センサ39がオフ状態からオン状態に切り替わったタイミングで保持ユニット29の降下が停止される(図17参照)。
【0131】
その後、保持ユニット29は、移動機構22によって水平方向へ所定距離移動され、第1袋束81aの直上範囲から出て、第2袋束81bの直上範囲に位置づけられる(図18参照)。
【0132】
その後、保持ユニット29は、移動機構22によって鉛直方向に沿ってまっすぐに所定距離降下され、第2袋束81b(特に最上位袋80a)に接触しつつ第2袋束81bを押し下げる位置に配置される。
【0133】
その後、保持ユニット29は、移動機構22によって水平方向にまっすぐに所定距離移動され、第1袋束81a(特に最下位袋80b)と第2袋束81b(特に最上位袋80a)との間に保持固定部35を配置する。
【0134】
その後、上述の実施形態と同様に、保持部30(保持可動部34及び保持固定部35)によって第1袋束81aが保持され、当該第1袋束81aとともに保持ユニット29が上昇され、当該第1袋束81aが保持部30から後段装置に渡される。
【0135】
[第2変形例]
図19は、第2変形例に係る袋取出装置100の平面図である。図20は、第2変形例に係る袋取出装置100の側方図である。
【0136】
本変形例に係る袋取出装置100は、袋搬送装置110、トリガーセンサ111、距離検出センサ112、及び保持部120(後述の図22参照)を備える。
【0137】
袋搬送装置110は袋190を搬送する。本例の袋搬送装置110は、2以上の袋190を搬送することができる。2以上の袋190は、積み重ねられることなく1つずつ袋搬送装置110に載せられ、袋搬送装置110上において隣り合う袋190同士は間隔が開けられる。
【0138】
図19に示す袋190は、矩形状の表側シート部材及び裏側シート部材を有する。表側シート部材は袋190の露出表面(上方面)を成し、裏側シート部材は袋搬送装置110に接触する下方面を成す。表側シート部材及び裏側シート部材は、口部以外の周縁部においてお互いにシール固着(例えば融着)されており、口部ではお互いに固着されていない。表側シート部材及び裏側シート部材のうち袋190の口部を構成する部分は、開閉自在である。なお、表側シート部材及び裏側シート部材は、同一材料により一体的に構成されてもよく、本来的にお互いにつながっていてもよい。
【0139】
袋190の内側空間(すなわち表側シート部材及び裏側シート部材により包囲される空間)には、収容物199(図19に示す例では矩形状の複数の固体物)が配置されている。収容物199の厚みのために、袋190のうち内側空間に対応する部分は、袋190の周縁部よりも大きな厚みを有する。そのため袋190が袋搬送装置110に載せられている状態で、袋190の周縁部は、少なくとも部分的に、袋搬送装置110よりも上方に位置づけられ、袋搬送装置110によって直接的には支持されない。
【0140】
本変形例では、袋190の周縁部の一部(特に口部の近傍における両側方周縁部)によって、保持予定箇所195が構成される。本例の保持予定箇所195は、袋190の端部においてシート形状を有し、袋搬送装置110によって直接的には支持されない。そのため、保持予定箇所195の位置及び姿勢(傾斜角度等)は袋190間で一定せず、各袋190における保持予定箇所195の位置及び姿勢は、様々な影響を受けて変化しうる。
【0141】
図19及び図20に示す袋搬送装置110は、ベルトコンベアにより構成され、無端状ベルトが2つのローラによって支持される。当該2つのローラの一方又は両方がモーター等の駆動装置(図示省略)によって能動的に回転させられることで、無端状ベルトは走行し、無端状ベルトの上方に向けられた面に載せられている袋190が搬送方向に搬送される。
【0142】
袋搬送装置110は、継続的に袋190を搬送してもよいし、間欠的に袋190を搬送してもよい。継続的に袋190を搬送する場合、袋190は、搬送中に、保持部120により保持されて且つ袋搬送装置110から取り出される。一方、間欠的に袋190を搬送する場合、袋搬送装置110上の袋190は、停止している状態で、保持部120により保持されて且つ袋搬送装置110から取り出されてもよい。
【0143】
本変形例では、トリガーセンサ111及び距離検出センサ112の組み合わせによって、「袋190の露出表面(上方に露出される面)の高さ位置を示す高さ位置情報を取得する高さ位置情報取得装置」が構成される。
【0144】
トリガーセンサ111は、袋190の搬送方向に関し、距離検出センサ112よりも上流に位置する。袋搬送装置110によって搬送される袋190(特に保持予定箇所195)は、トリガーセンサ111の検出ポイント(第1検出ポイント)を通った後に、距離検出センサ112の検出ポイント(第2検出ポイント)を通る。
【0145】
図19及び図20に示す例では、トリガーセンサ111の検出ポイント及び距離検出センサ112の検出ポイントは、袋搬送装置110とは高さ方向に重ならない。袋搬送装置110により搬送される各袋190は、部分的に、袋搬送装置110から水平方向に飛び出ており、各袋190は、口部及び保持予定箇所195が袋搬送装置110と高さ方向に重ならないように、袋搬送装置110によって搬送される。
【0146】
トリガーセンサ111は、第1検出ポイントを袋190が通ったか否かを検出するセンサであり、検出結果を制御装置60(図7参照)に送る。トリガーセンサ111の具体的な構成は限定されず、典型的には、発光器及び受光器の組み合わせによりトリガーセンサ111を構成可能である。
【0147】
距離検出センサ112は、第2検出ポイントを通過する袋190の露出表面(上方に露出される面)の高さ位置を示す高さ位置情報を取得する。距離検出センサ112の具体的な構成は限定されないが、例えば上述の高さ位置情報取得装置32(図6等参照)と同様の構成を有することができる。
【0148】
本変形例の距離検出センサ112は、制御装置60の制御下で、トリガーセンサ111によって袋190を検出したタイミングに応じて検出を開始する。距離検出センサ112の検出終了のタイミングの決め方は限定されない。例えば、距離検出センサ112は、距離検出センサ112が検出を開始してから所定時間経過後に検出を終了してもよいし、トリガーセンサ111及び/又は距離検出センサ112の検出結果に応じて検出を終了してもよい。
【0149】
なお、距離検出センサ112は、検出を終了することなく、検出を続けてもよい。この場合、トリガーセンサ111の設置は不要である。
【0150】
図21は、距離検出センサ112の検出結果の一例を示すグラフである。図21において、横軸は、袋搬送装置110によって搬送される袋190の水平移動距離(mm)を示し、縦軸は、距離検出センサ112の検出結果から導き出される測定対象部位の高さ位置(すなわち「測定高さ位置」;mm;Y軸)を示す。
【0151】
図21に示す、水平移動距離(横軸)は、1つの袋190に対する距離検出センサ112の検出の開始から終了までを示す。図21に示す測定高さ位置(縦軸)は、袋搬送装置110(特に袋190が載せられる載置面(すなわち無端状ベルトの上方面))からの測定対象部位の高さ方向距離を表す。
【0152】
本例の距離検出センサ112は、袋搬送装置110上の袋190の露出表面(上方に露出される面)の高さ位置を検出する。特に、図21に示すグラフのうち測定高さ位置(縦軸)がゼロ(0)以外の値を示す1つの線の両端部(点線で示された丸印参照)は、検出対象の袋190の保持予定箇所195の高さ位置を示し、当該両端部の傾きは保持予定箇所195の傾斜を示す。
【0153】
本変形例の制御装置60は、図21に例示されるような距離検出センサ112の検出結果を解析して各袋190の保持予定箇所195の傾斜を導きだす。
【0154】
そして制御装置60は、導出した各保持予定箇所195の傾斜に応じて、対応の保持部120の位置及び姿勢のうちの少なくともいずれかを調整する(図22参照)。これにより、各保持部120は、対応の保持予定箇所195の実際の位置及び/又は姿勢に適応された状態で、対応の保持予定箇所195を適切に保持することができる。
【0155】
保持部120の具体的な構成は限定されず、保持部120が袋190を保持する具体的な方法も限定されない。図22に示す保持部120は、袋190の両側縁部におけるシート形状の保持予定箇所195を把持するが、把持以外の手段(例えば袋面の吸引(負圧に基づく保持)等)を利用して袋190を保持してもよい。保持部120の保持力は任意の方法で生み出すことができる。例えば、保持部120は、空気圧を利用したチャック構造(例えばエアシリンダを利用した把持機構)を有してもよい。
【0156】
上述のように各袋190の保持予定箇所195は、高さ方向に袋搬送装置110とは重ならない。そのため各保持部120は、保持位置において、袋搬送装置110とぶつかることなく、移動されることができ、各保持部120の位置及び姿勢が自由に変えられる。制御装置60の制御下で各保持部120の位置及び姿勢を調整する装置は限定されず、ロボット(例えば多関節ロボットやパラレルリンクロボット)によって各保持部120の位置及び姿勢が調整されてもよい。
【0157】
本変形例では、図19において二点鎖線で示される袋190が配置されている位置(すなわち袋190の搬送方向に関し、トリガーセンサ111及び距離検出センサ112よりも下流の位置)が保持位置(すなわち取出位置)である。各袋190は、この保持位置において、保持部120により保持されて持ち上げられ、下流の装置(図示省略)に送られる。
【0158】
[他の変形例]
上述の袋取出方法は、1以上の袋80、190の高さ位置を示す高さ位置情報を、高さ位置情報取得装置32、112によって取得する工程と、高さ位置情報取得装置32、112が取得した高さ位置情報に基づいて位置及び姿勢のうちの少なくともいずれか一方が調整された保持部30、120により、1以上の袋80、190を保持する工程と、を含む。ただし、袋取出方法及び袋取出装置は上述の例には限定されない。
【0159】
上述の高さ位置情報取得装置32は、測定光を使って測定対象部位の高さ位置情報を得するが、高さ位置情報取得装置32の構成及び測定方法は限定されない。例えば、高さ位置情報取得装置32は、撮像デバイス(図示省略)を具備し、撮像デバイスが取得する撮影画像に基づいて測定対象部位の高さ位置情報を取得してもよい。高さ位置情報取得装置32及び/又は制御装置60は、撮像デバイスが取得した撮影画像を解析し、収容箱70内の袋束81(特に第1袋束81a及び第2袋束81b)の高さ位置情報を取得することができる。ここで行われる画像解析の具体的な手法は限定されず、任意の画像処理メソッドを使って、撮影画像から袋束81の高さ位置情報を取得しうる。
【0160】
上述の実施形態の高さ位置情報取得装置32は保持部30と一体的に設けられているが、高さ位置情報取得装置32の設置態様は限定されず、保持部30から独立して高さ位置情報取得装置32が設けられてもよい。また高さ位置情報取得装置32は、1箇所にのみ設けられてもよいし、複数箇所に設けられてもよい。複数箇所に設けられるそれぞれの高さ位置情報取得装置32の検出結果に基づいて、測定対象部位の高さ位置情報が取得されてもよい。
【0161】
収容箱70(特に内側の収容スペース)の形状及びサイズ、各袋80の形状及びサイズ、及び各袋束81の形状及びサイズは限定されない。また収容箱70内における袋80(袋束81)の収容態様は限定されない。
【0162】
上述の実施形態では、第1測定ポイントM1から第2測定ポイントM2に向かう測定経路が直線であるが、当該測定経路は、曲線や他の任意の線(例えば直線部分及び曲線部分を含む線)であってもよい。また上述の実施形態では、保持固定部35が押し下げスタート位置から準備位置に向かう経路(すなわち保持移動経路)が直線であるが、当該保持移動経路は、曲線や他の任意の線であってもよい。また上述の実施形態では、保持固定部35が準備位置から保持位置に向かう経路が直線であるが、当該経路は、曲線や他の任意の線であってもよい。
【0163】
本開示は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよいし、上述の実施形態及び変形例間において部分的に又は全体的に構成が組み合わせられてもよい。また、本開示によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本開示の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書、要約書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0164】
10 袋取出装置、22 移動機構、23 向き調整機構、29 保持ユニット、30 保持部、31 位置検出部、32 高さ位置情報取得装置、32a 光入出射面、33 開閉駆動部、34 保持可動部、35 保持固定部、36 取付フレーム、37 取付プレート、38 連結プレート、39 揺動検出センサ、40 揺動体、41 揺動軸、42a 第1回転体、42b 第2回転体、42c 第1回転支持軸、42d 第2回転支持軸、43 揺動ストッパー、44a 第1回転体孔、44b 第2回転体孔、45 ストッパー孔、60 制御装置、61 移動位置導出部、62 移動制御部、63 向き制御部、64 保持制御部、70 収容箱、80 袋、80a 最上位袋、80b 最下位袋、81 袋束、81a 第1袋束、81b 第2袋束、84 厚み部、Dh1 第1水平方向、Dh2 第2水平方向、M1 第1測定ポイント、M2 第2測定ポイント、P1 第1態様、P2 第2態様、P3 第3態様、P4 第4態様、PL ビニール体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22