IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本ピラー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-滑り支承装置 図1
  • 特許-滑り支承装置 図2
  • 特許-滑り支承装置 図3
  • 特許-滑り支承装置 図4
  • 特許-滑り支承装置 図5
  • 特許-滑り支承装置 図6
  • 特許-滑り支承装置 図7
  • 特許-滑り支承装置 図8
  • 特許-滑り支承装置 図9
  • 特許-滑り支承装置 図10
  • 特許-滑り支承装置 図11
  • 特許-滑り支承装置 図12
  • 特許-滑り支承装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】滑り支承装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/02 20060101AFI20241224BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20241224BHJP
   E04H 9/14 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
F16F15/02 L
F16F15/02 Z
E04H9/02 331E
E04H9/14 G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021134976
(22)【出願日】2021-08-20
(65)【公開番号】P2023028967
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2024-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000229737
【氏名又は名称】株式会社PILLAR
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】津田 知英
(72)【発明者】
【氏名】林 哲也
(72)【発明者】
【氏名】間鍋 祟之
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-019923(JP,A)
【文献】特開2018-146076(JP,A)
【文献】特開2000-193029(JP,A)
【文献】特開2020-169712(JP,A)
【文献】特開平10-339053(JP,A)
【文献】特開平10-339051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/02
E04H 9/02
E04H 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1構造物及び第2構造物におけるそれぞれの対向部分に配設した第1沓及び第2沓で構成され、
前記第1沓及び前記第2沓との対向部分における摺動面同士が摺動する滑り支承装置の前記第1沓に、前記摺動面を構成する合成樹脂製の滑り材と、該滑り材を保持する保持部材とが備えられるとともに、
前記第2沓に、前記摺動面を構成するとともに、前記滑り材が摺動する被摺動材が備えられ、
前記第1沓に、
前記保持部材及び前記滑り材の少なくとも一方に当接する当接部と、当接部から外側に向かって延びる放熱部とを有する放熱部材が備えられ
前記保持部材は、
前記滑り材を保持するホルダーと、
前記第1構造物に固定されるとともに、支持方向へ移動可能に前記ホルダーの一部を収容する収容部を有する固定保持部材とが備えられ、
前記放熱部材の前記当接部が前記ホルダー及び前記滑り材の少なくとも一方に当接する構成であり、
前記当接部は、
前記ホルダーの外周面に当接し、
前記放熱部は、前記ホルダーに対して放射方向に延びる
滑り支承装置。
【請求項2】
前記固定保持部材に、
前記ホルダーに対して放射方向に延びる前記放熱部が前記支持方向へ移動可能に遊嵌する遊嵌溝が設けられた
請求項に記載の滑り支承装置。
【請求項3】
第1構造物及び第2構造物におけるそれぞれの対向部分に配設した第1沓及び第2沓で構成され、
前記第1沓及び前記第2沓との対向部分における摺動面同士が摺動する滑り支承装置の前記第1沓に、前記摺動面を構成する合成樹脂製の滑り材と、該滑り材を保持する保持部材とが備えられるとともに、
前記第2沓に、前記摺動面を構成するとともに、前記滑り材が摺動する被摺動材が備えられ、
前記第1沓に、
前記保持部材及び前記滑り材の少なくとも一方に当接する当接部と、当接部から外側に向かって延びる放熱部とを有する放熱部材が備えられ、
前記保持部材は、
前記滑り材を保持するホルダーと、
前記第1構造物に固定されるとともに、支持方向へ移動可能に前記ホルダーの一部を収容する収容部を有する固定保持部材とが備えられ、
前記放熱部材の前記当接部が前記ホルダー及び前記滑り材の少なくとも一方に当接する構成であり、
前記ホルダーに、前記滑り材の一部を収容する収容凹部が備えられ、
前記当接部は、前記滑り材における前記収容凹部に収容された被収容部分に当接し、
前記放熱部は、前記ホルダーを貫通して、前記滑り材に対して放射方向に延びる
滑り支承装置。
【請求項4】
前記固定保持部材に、
前記滑り材に対して放射方向に延び、前記ホルダーを貫通する前記放熱部が前記支持方向へ移動可能に遊嵌する遊嵌溝が設けられた
請求項に記載の滑り支承装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、免震機構として構造物の上部構造体と下部構造体の間に配置され、上部構造物を支持する支持構造における滑り支承装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、特許文献1に示すように、免震構造物、橋梁、あるいは固定構造物同士を接続する接続部分等の振動や相対変位が生じる構造物において、可動支持する滑り支承装置がある。このような滑り支承装置は、主桁等の被支持構造物と、橋脚等の支持構造物との間に配設され、被支持構造物に固定された上沓と、支持構造物に固定された下沓との境界面、つまり摺動面が摺動することで、境界面における面内方向に変位可能に支持することができる。
【0003】
具体的には、支持構造物の上面に固定された下沓の滑り面と、被支持構造物の底面に固定された滑り面とが摺動する特許文献1に記載された滑り支承装置は、下沓の滑り面がステンレス製の滑り板材で構成され、上沓の滑り面が合成樹脂製の滑り材で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-170829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように構成された滑り支承装置において、ステンレス製の滑り板材上を合成樹脂製の滑り材が摺動するが、滑り板材に対する滑り材の摺動による摩擦熱によって加熱される。
このように、滑り材と滑り板材とが摩擦熱によって加熱されると、滑り材の摩擦係数が変化し、摺動性が変化することとなる。そのため、滑り支承装置として所望の摺動性が確保できなくなるといった問題があった。
【0006】
そこで本発明では、滑り板材に対する滑り材の摺動に伴う摩擦熱による摺動性の変化を抑制できる滑り支承装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、第1構造物及び第2構造物におけるそれぞれの対向部分に配設した第1沓及び第2沓で構成され、前記第1沓及び前記第2沓との対向部分における摺動面同士が摺動する滑り支承装置の前記第1沓に、前記摺動面を構成する合成樹脂製の滑り材と、該滑り材を保持する保持部材とが備えられるとともに、前記第2沓に、前記摺動面を構成するとともに、前記滑り材が摺動する被摺動材が備えられ、前記第1沓に、前記保持部材及び前記滑り材の少なくとも一方に当接する当接部と、当接部から外側に向かって延びる放熱部とを有する放熱部材が備えられた滑り支承装置であることを特徴とする。
【0008】
上記第1構造物及び第2構造物は、例えば、橋脚を第1構造物とし、主桁を第2構造物とする橋梁、ビルを第1構造物とし、ビルとビルとを連絡する渡り廊下を第2構造物とする連絡通路、柱を第1構造物とし、トラス屋根を第2構造物とする屋根構造、あるいは、ビルを第1構造物とし、別のビルを第2構造物とするエキスパンション構造における構造物としてもよい。あるいは、サーバを載置するラックを第1構造物とし、ラックを設置する床版を第2構造物とする構造物であってもよい。
上記第1沓及び第2沓は、第1構造物及び第2構造物を上下方向に配置した場合における下沓と上沓とで構成してもよい。
【0009】
この発明により、被摺動材に対する滑り材の摺動に伴う摩擦熱による摺動性の変化を抑制することができる。
詳述すると、合成樹脂製の滑り材と、該滑り材を保持する保持部材とが備えられた前記第1沓が、前記滑り材が摺動する被摺動材が備えられた前記第2沓に対して相対移動すると、第1沓に設けた滑り材と第2沓に設けた被摺動材とが摺動し、摺動に伴う摩擦熱で加熱される。
【0010】
しかしながら、前記保持部材及び前記滑り材の少なくとも一方に当接する当接部と、当接部から外側に向かって延びる放熱部とを有する放熱部材が第1沓に備えられているため、摩擦によって生じた熱を、当接部を介して放熱部材に熱伝導する。
当接部を介して熱伝導された放熱部材は、当接部から外側に向かって延びる放熱部によって熱を放熱することができる。
【0011】
上述のように、被摺動材に対して滑り材が摺動することによって生じる摩擦熱を放熱部材によって外部に放熱できるため、被摺動材に対する滑り材の摺動に伴う摩擦熱による摺動性の変化を抑制することができる。
【0012】
この発明の態様として、前記保持部材は、前記滑り材を保持するホルダーと、前記第1構造物に固定されるとともに、支持方向へ移動可能に前記ホルダーの一部を収容する収容部を有する固定保持部材とが備えられ、前記放熱部材の前記当接部が前記ホルダー及び前記滑り材の少なくとも一方に当接する構成であってもよい。
上記支持方向は、滑り支承装置を介して、第1構造物及び第2構造物の一方が他方を支持する方向であり、一般的に鉛直方向となる。
【0013】
この発明により、効率よく放熱部材から放熱することができる。
詳述すると、滑り材、及び滑り材を保持するホルダーのうち少なくとも一方に当接部が直接当接するため、被摺動材に対して滑り材が摺動することによって生じる摩擦熱を効率よく放熱部材に熱伝導して放熱することができる。
【0014】
またこの発明の態様として、前記当接部は、前記ホルダーの外周面に当接し、前記放熱部は、前記ホルダーに対して放射方向に延びてもよい。
この発明により、ホルダーの外周面に当接する当接部を介して効率よく放熱部材に熱伝導して放熱することができる。
【0015】
また、当接部から外側に向かって延びる前記放熱部は、前記ホルダーに対して放射方向に延びるため、被摺動材と滑り材との摺動に支障することなく、大きく形成し、つまり大きな放熱面を確保し、さらに効率よく放熱部材から放熱することができる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記当接部は、前記ホルダーの外周面に当接するリング状に形成されてもよい。
この発明により、ホルダーと当接部との当接面積を大きく確保できるため、より効率よく、放熱部材に熱伝導して放熱することができる。
【0017】
また、当接部が前記ホルダーの外周面に当接するリング状であるため、ホルダーに当接部を装着することで、放熱部材が不用意にホルダーから脱落することなく、安全に使用することができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記固定保持部材に、前記ホルダーに対して放射方向に延びる前記放熱部が前記支持方向へ移動可能に遊嵌する遊嵌溝が設けられてもよい。
この発明により、当接部から外側に向かって延びる前記放熱部は、前記固定保持部材に設けた遊嵌溝に遊嵌するため、前記固定保持部材に対するホルダーの前記支持方向の移動に支障することなく、前記放熱部を大きく形成し、つまり大きな放熱面を確保し、さらに効率よく放熱部材から放熱することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記ホルダーに、前記滑り材の一部を収容する収容凹部が備えられ、前記当接部は、前記滑り材における前記収容凹部に収容された被収容部分に当接し、前記放熱部は、前記ホルダーを貫通して、前記滑り材に対して放射方向に延びてもよい。
【0020】
この発明により、被摺動材に対する摺動に伴う摩擦熱で直接加熱される滑り材に当接部が当接するため、当接部を介して放熱部材により一層熱伝導することができる。したがって、放熱部材からより一層放熱することができる。
また、滑り材において、ホルダーの収容部に収容され、放熱されにくい被収容部分に当接部が当接しているため、放熱部材によって滑り材の温度低下を促進することができる。
【0021】
さらに、前記放熱部は、前記ホルダーを貫通して、前記滑り材に対して放射方向に延びているため、被摺動材と滑り材との摺動に支障することなく、放熱部を大きく形成し、つまり大きな放熱面を確保し、さらに効率よく放熱部材から放熱することができる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記当接部は、前記被収容部分に覆い被せる形状で形成されてもよい。
この発明により、被収容部分に当接部を覆い被せるため、滑り材と当接部との当接面積を大きく確保でき、より効率よく、放熱部材に熱伝導して放熱することができる。
【0023】
また、収容凹部に収容される被収容部分に当接部を覆い被せるため、つまり、収容凹部と被収容部分との間に当接部が介在するため、滑り材からホルダーへの熱伝導を抑制し、当接部を介して放熱部材に熱伝導して、効率よく放熱することができる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記固定保持部材に、前記滑り材に対して放射方向に延び、前記ホルダーを貫通する前記放熱部が前記支持方向へ移動可能に遊嵌する遊嵌溝が設けられてもよい。
この発明により、前記滑り材に対して放射方向に延び、前記ホルダーを貫通する前記放熱部は、前記固定保持部材に設けた遊嵌溝に遊嵌するため、前記固定保持部材に対するホルダーの前記支持方向の移動に支障することなく、前記放熱部を大きく形成し、つまり大きな放熱面を確保し、さらに効率よく放熱部材から放熱することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、滑り板材に対する滑り材の摺動に伴う摩擦熱による摺動性の変化を抑制できる滑り支承装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施例の滑り支承装置の説明図。
図2】第1実施例の滑り支承装置の説明図。
図3】第1実施例の滑り支承装置の分解斜視図。
図4】第2実施例の滑り支承装置の説明図。
図5】第2実施例の滑り支承装置の説明図。
図6】第2実施例の滑り支承装置の分解斜視図。
図7】第3実施例の滑り支承装置の説明図。
図8】第3実施例の滑り支承装置の説明図。
図9】第3実施例の滑り支承装置の分解斜視図。
図10】第4実施例の滑り支承装置の説明図。
図11】第4実施例の滑り支承装置の説明図。
図12】第4実施例の滑り支承装置の分解斜視図。
図13】第4実施例の滑り支承装置の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0027】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は第1実施例の滑り支承装置1の説明図を示し、図2は第1実施例の滑り支承装置1の説明図を示し、図3は第1実施例の滑り支承装置1の分解斜視図を示している。
【0028】
詳しくは、図1(a)は滑り支承装置1の正面図を示し、図1(b)は滑り支承装置1の縦断面図を示している。図2(a)は滑り支承装置1の上方からの斜視図を示し、図2(b)は滑り支承装置1の下方からの斜視図を示している。なお、図2(b)においてソールプレート21を透過状態で図示している。また、図1乃至図3における上下方向を上下方向Hとしている。
【0029】
滑り支承装置1は、上部構造物と下部構造物との間に配設されて免震構造を構成する免震装置であり、上部構造物に固定された上沓10と、下部構造物に固定された下沓20とで構成され、上沓10と下沓20の境界面、つまり摺動面(10a,20a)が摺動することで、境界面(摺動面)における面内方向に変位可能に支持し、例えば、地震や強い風等による振動エネルギを吸収し、免震することができる。
【0030】
詳しくは、滑り支承装置1は、図1に示すように、上部構造物100の底面101に固定された上沓10と、下部構造物200の上面201に固定された下沓20とで構成している。
詳しくは、下沓20は、下部構造物200の上面201に固定されたソールプレート21と、ソールプレート21に装着されたスライドプレート22とで構成し、スライドプレート22の上面で、後述する上沓10の上沓摺動面10aと摺動する下沓摺動面20aを構成している。なお、スライドプレート22は、ステンレス板で構成している。
【0031】
上沓10は、上部構造物100の底面101に固定される鋼製のベースポット11と、ベースポット11の底面側中央の装着凹部113に配置した平面視円形状の摺動部30とで構成している。
ベースポット11は、平面視円形の台座部111と、台座部111の下面側に配置され、台座部111より小径である円形状の小径部112とで構成されている。なお、小径部112の底面側において、下方が開口された円筒状空間である装着凹部113を設けている。
【0032】
ベースポット11の装着凹部113に装着される摺動部30は、図2に示すように、弾性プレート31及び組付ベアリング32と、組付ベアリング32に装着される放熱部材40とを備えている。
なお、摺動部30において、弾性プレート31と組付ベアリング32との間にシムやシールリングを設けてもよい。また、弾性プレート31を備えなくてもよい。
【0033】
弾性プレート31は、平面視円形のゴム製のプレートである。
弾性プレート31は上述するように、組付ベアリング32におけるベアリングホルダー33の上部とともに、台座部111の装着凹部113に収容され、装着凹部113よりわずかに小径な円盤状に形成されている。
【0034】
組付ベアリング32は、装着凹部113に収容されるとともに上沓摺動面10aを構成するものであり、後述するベアリングホルダー33とスライドベアリング34を組み付けて構成している。
【0035】
ベアリングホルダー33は、ステンレス製の略円柱形状であり、弾性プレート31と同径に形成している。
ベアリングホルダー33は、上述したように、弾性プレート31とともにベースポット11の装着凹部113に装着されるが、装着凹部113の深さより高く形成している。
【0036】
また、ベアリングホルダー33は、スライドベアリング34を装着して保持する装着凹部331を底面側に設けている。
装着凹部331は、スライドベアリング34の厚みより浅く、下方が開口された円筒状空間である。
【0037】
スライドベアリング34は、自己潤滑性を有するとともに、表面が低摩擦係数のPTFE製の平面視円形の板状体であり、底面341(図2(b),図3参照)が、下沓20のスライドプレート22の表面である下沓摺動面20aと摺動する上沓摺動面10aを構成している。
【0038】
なお、スライドベアリング34は、ベアリングホルダー33の装着凹部331に装着された際に装着凹部331より下方に突出する高さで形成された円盤状に形成しており、装着凹部331に収容される部分を被収容部分342としている。
上述のように構成したベアリングホルダー33とスライドベアリング34とは、装着凹部331に収容したスライドベアリング34の上面と接着して固定し、組付ベアリング32を構成している。
【0039】
放熱部材40は、ベアリングホルダー33の外周面332に取り付けられ、摺動部30に生じる熱を放熱するものである。
具体的には、ベアリングホルダー33の外周面332に当接する当接板部41と、当接板部41から延びる放熱板部42とで平面視略T字状に形成している。
【0040】
当接板部41は、平面視円形のベアリングホルダー33の外周面332に沿うように、平面視円弧状となる、所定の厚みを有する金属板で形成している。
【0041】
放熱板部42は、当接板部41の幅方向中央から外側に向かって延びる所定の厚みを有する金属板で構成している。なお、放熱板部42は、ベアリングホルダー33の外周面332に当接板部41を装着した状態において、ベアリングホルダー33の径方向に沿って延びるように配置される。
【0042】
また、放熱部材40は、小径部112の装着凹部113に装着された状態において、小径部112の下端より下方にベアリングホルダー33が突出する高さ、つまりベアリングホルダー33の高さに対して2/3程度の高さに形成している。
【0043】
このように構成された放熱部材40は、ベアリングホルダー33の外周面332に対して、ベアリングホルダー33の底面と放熱部材40の下端部分が略一致するように取り付ける。
なお、放熱部材40は複数設けられ、複数の放熱部材40のそれぞれが周方向に所定間隔を隔てて配置されることとなる。
【0044】
各要素が上述のように構成された滑り支承装置1は、ベアリングホルダー33の装着凹部331にスライドベアリング34を配置して接着固定するとともに、放熱部材40の当接板部41をベアリングホルダー33の外周面332に当接させて装着する。
そして、ベアリングホルダー33の上面に弾性プレート31を配置し、ベースポット11の装着凹部113に配置して上沓10を組み付ける。
【0045】
また、ソールプレート21の上面にスライドプレート22を装着して下沓20を組み付ける。
このように構成された上沓10のベースポット11の台座部111を上部構造物100の底面101に固定して上沓10を上部構造物100に配置し、下沓20のソールプレート21を下部構造物200の上面201に固定して下沓20を下部構造物200に配置する。これにより、上部構造物100に設けた上沓10の上沓摺動面10aと、下部構造物200に設けた下沓20の下沓摺動面20aとが摺動可能に構成された滑り支承装置1を組み付けることができる。
【0046】
上述のように、滑り支承装置1は、上部構造物100及び下部構造物200におけるそれぞれの対向部分に配設した上沓10及び下沓20で構成され、上沓10及び下沓20との対向部分における摺動面10a,20a同士が摺動する滑り支承装置1の上沓10に、上沓摺動面10aを構成する合成樹脂製のスライドベアリング34と、スライドベアリング34を保持するベースポット11及びベアリングホルダー33とが備えられるとともに、下沓20に、下沓摺動面20aを構成するとともに、スライドベアリング34が摺動するスライドプレート22が備えられ、上沓10に、ベアリングホルダー33に当接する当接板部41と、当接板部41から外側に向かって延びる放熱板部42とを有する放熱部材40が備えられているため、スライドプレート22に対するスライドベアリング34の摺動に伴う摩擦熱による摺動性の変化を抑制することができる。
【0047】
詳述すると、合成樹脂製のスライドベアリング34と、スライドベアリング34を保持するベースポット11及びベアリングホルダー33とが備えられ上沓10が、スライドベアリング34が摺動するスライドプレート22が備えられた下沓20に対して相対移動すると、上沓10に設けたスライドベアリング34と下沓20に設けたスライドプレート22とが摺動し、摺動に伴う摩擦熱で加熱される。
【0048】
しかしながら、ベアリングホルダー33に当接する当接板部41と、当接板部41から外側に向かって延びる放熱板部42とを有する放熱部材40が上沓10に備えられているため、摩擦によって生じた熱を、当接板部41を介して放熱部材40に熱伝導する。
当接板部41を介して熱伝導された放熱部材40は、当接板部41から外側に向かって延びる放熱板部42によって熱を放熱することができる。
【0049】
上述のように、スライドプレート22に対してスライドベアリング34が摺動することによって生じる摩擦熱を放熱部材40によって外部に放熱できるため、スライドプレート22に対するスライドベアリング34の摺動に伴う摩擦熱による摺動性の変化を抑制することができる
【0050】
また、上沓10は、スライドベアリング34を保持するベアリングホルダー33と、上部構造物100に固定されるとともに、上下方向Hへ移動可能にベアリングホルダー33の一部を収容する装着凹部113を有するベースポット11とが備えられ、放熱部材40の当接板部41がベアリングホルダー33に当接する構成であるため、効率よく放熱部材40から放熱することができる。
【0051】
詳述すると、当接板部41がスライドベアリング34を保持するベアリングホルダー33に直接当接するため、スライドプレート22に対してスライドベアリング34が摺動することによって生じる摩擦熱を効率よく放熱部材40に熱伝導して放熱することができる。
【0052】
また、当接板部41は、ベアリングホルダー33の外周面332に当接し、放熱板部42は、ベアリングホルダー33に対して放射方向に延びているため、ベアリングホルダー33の外周面332に当接する当接板部41を介して効率よく放熱部材40に熱伝導して放熱することができる。
【0053】
また、当接板部41から外側に向かって延びる放熱板部42は、ベアリングホルダー33に対して放射方向に延びるため、スライドプレート22とスライドベアリング34との摺動に支障することなく、大きく形成し、つまり大きな放熱面を確保し、さらに効率よく放熱部材40から放熱することができる。
【実施例2】
【0054】
続いて、第2実施例の滑り支承装置1aについて、図4乃至図6とともに、以下で説明する。なお、第2実施例の滑り支承装置1aにおいて上述の滑り支承装置1と同様の構成については同じ符号を付してその構成の説明を省略する。
【0055】
図4は第2実施例の滑り支承装置1aの説明図を示し、図5は第2実施例の滑り支承装置1aの説明図を示し、図6は第2実施例の滑り支承装置1aの分解斜視図を示している。
詳しくは、図4(a)は滑り支承装置1aの正面図を示し、図4(b)は滑り支承装置1aの縦断面図を示している。図5(a)は滑り支承装置1aの上方からの斜視図を示し、図5(b)は滑り支承装置1aの下方からの斜視図を示している。なお、図5(b)においてソールプレート21を透過状態で図示している。
【0056】
上述の滑り支承装置1では、当接板部41と放熱板部42とで構成した放熱部材40を複数、ベアリングホルダー33の外周面332に取り付けていたが、滑り支承装置1aは、ひとつの放熱部材40aを備えている。なお、滑り支承装置1aは、滑り支承装置1に対して放熱部材40の代わりに放熱部材40aを備えているだけであり、その他の構成は滑り支承装置1と同じであるため、その説明を省略する。
【0057】
具体的には、放熱部材40aは、ベアリングホルダー33の外周面332に外嵌するリング体43を備え、リング体43に対して周方向に所定間隔を隔てて放熱板部42を複数配置して構成している。
このように構成した放熱部材40aは、ベアリングホルダー33の外周面332に外嵌することでベアリングホルダー33に装着することができる。
【0058】
このように放熱部材40aを備えた滑り支承装置1aは、上述の滑り支承装置1と同様の効果を奏するとともに、リング体43が、ベアリングホルダー33の外周面332に当接するリング状に形成されているため、ベアリングホルダー33とリング体43との当接面積を大きく確保でき、より効率よく、放熱部材40aに熱伝導して放熱することができる。
【0059】
また、リング体43がベアリングホルダー33の外周面332に当接するリング状であるため、ベアリングホルダー33にリング体43を装着することで、放熱部材40aが不用意にベアリングホルダー33から脱落することなく、安全に滑り支承装置1aを使用することができる。
【実施例3】
【0060】
続いて、第3実施例の滑り支承装置1bについて、図7乃至図9とともに、以下で説明する。なお、上述の滑り支承装置1と同様の構成については同じ符号を付してその構成の説明を省略する。
【0061】
図7は第3実施例の滑り支承装置1bの説明図を示し、図8は第3実施例の滑り支承装置1bの説明図を示し、図9は第3実施例の滑り支承装置1bの分解斜視図を示している。
詳しくは、図7(a)は滑り支承装置1bの正面図を示し、図7(b)は滑り支承装置1bの縦断面図を示している。図8(a)は滑り支承装置1bの上方からの斜視図を示し、図8(b)は滑り支承装置1bの下方からの斜視図を示している。なお、図8(b)においてソールプレート21を透過状態で図示している。
【0062】
上述の滑り支承装置1では、放熱部材40を、小径部112の装着凹部113に装着された状態において、小径部112の下端より下方にベアリングホルダー33が突出する高さ、つまりベアリングホルダー33の高さに対して2/3程度の高さに形成したが、滑り支承装置1bにおける放熱部材40bは、ベアリングホルダー33と略同じ高さで形成している。
【0063】
ベアリングホルダー33の底面と放熱部材40bの下端とが一致するように放熱部材40bを外周面332に装着すると、放熱部材40bの放熱板部42は、ベアリングホルダー33を装着凹部113に収容するベースポット11における小径部112に食い込むこととなる。そのため、小径部112に放熱板部42の嵌め込みを許容するスライド溝114を設けている。
スライド溝114は、ベアリングホルダー33の外周面332に対して所定間隔を隔てて複数配置される放熱部材40bの放熱板部42に対応して設けている。
【0064】
上部が装着凹部113に収容される組付ベアリング32は、ベースポット11に対して上下方向Hにスライド可能に収容されている。そのため、組付ベアリング32を構成するベアリングホルダー33の外周面332に取り付けられた放熱部材40bも、組付ベアリング32のスライドに伴ってベースポット11に対して上下方向Hにスライドすることとなる。
そのため、スライド溝114は、嵌め込まれる放熱板部42が上下方向Hにスライドできるように、つまり、放熱板部42が遊嵌する溝幅で形成している。
【0065】
なお、上述のように、放熱部材40bが滑り支承装置1の放熱部材40より高く形成するとともに、小径部112にスライド溝114を設けていること以外、滑り支承装置1bにおけるその他の構成は滑り支承装置1と同様であるため、その説明は省略する。
【0066】
上述のように、放熱部材40bが滑り支承装置1の放熱部材40より高く形成するとともに、小径部112にスライド溝114を設けている滑り支承装置1bは、上述の滑り支承装置1と同様の効果を奏するとともに、ベースポット11に、ベアリングホルダー33に対して放射方向に延びる放熱板部42が上下方向Hへ移動可能に遊嵌するスライド溝114が設けられているため、当接板部41から外側に向かって延びる放熱板部42は、ベースポット11に設けたスライド溝114に遊嵌できる。そのため、ベースポット11に対するベアリングホルダー33の上下方向Hの移動に支障することなく、放熱板部42を大きく形成し、つまり大きな放熱面を確保し、さらに効率よく放熱部材40bから放熱することができる。
【実施例4】
【0067】
続いて、第4実施例の滑り支承装置1cについて、図10乃至図12とともに、以下で説明する。なお、上述の滑り支承装置1,1a,1bと同様の構成については同じ符号を付してその構成の説明を省略する。
【0068】
図10は第4実施例の滑り支承装置1cの説明図を示し、図11は第4実施例の滑り支承装置1cの説明図を示し、図12は第4実施例の滑り支承装置1cの上方からの分解斜視図を示し、図13は第4実施例の滑り支承装置1cの下方からの分解斜視図を示している。
【0069】
詳しくは、図10(a)は滑り支承装置1cの正面図を示し、図10(b)は滑り支承装置1cの縦断面図を示している。図11(a)は滑り支承装置1cの上方からの斜視図を示し、図11(b)は滑り支承装置1cの下方からの斜視図を示している。なお、図11(b)においてソールプレート21を透過状態で図示している。
【0070】
上述の滑り支承装置1,1a,1bでは、放熱部材40,40a,40bにおける当接板部41やリング体43を、ベアリングホルダー33の外周面332に装着し、下沓20に対する上沓10の摺動によって生じた摩擦熱を、放熱部材40,40a,40bから放熱した。これに対し、滑り支承装置1cでは、上述の摺動によって加熱されたスライドベアリング34の熱を放熱部材40cから放熱するように構成している。
【0071】
具体的には、放熱部材40cは、スライドベアリング34においてベアリングホルダー33cの装着凹部331に収容される被収容部分342に被せるように当接する被覆部44と、被覆部44から外側に向かって延びる放熱板部42cとで構成している。
【0072】
被覆部44は、スライドベアリング34の上面と対向する平面円形の上面部441と、上面部441の外縁から下方に延び、スライドベアリング34の側周面と対向する側部442とで構成している。
【0073】
放熱板部42cは、図12に示すように被覆部44の上面部441と側部442とを跨いで、上方且つ径方向外側に延びる板状に形成している。なお、放熱板部42cは、上述の滑り支承装置1における放熱部材40の放熱板部42と同様の高さで形成している、
このように構成した放熱板部42cは、被覆部44に対して、放射状となるように周方向に等間隔で複数配置している。
【0074】
なお、上述のように構成した放熱部材40cを被収容部分342に被せたスライドベアリング34を、ベアリングホルダー33cの装着凹部331に配置すると、放熱板部42cがベアリングホルダー33cを径方向に貫通するため、ベアリングホルダー33cには、放熱板部42cが貫通するためのスリット333を設けている。
スリット333は、放熱部材40cの放熱板部42cの数と配置に応じた位置に設けている。
【0075】
このように構成した放熱部材40cを用いる滑り支承装置1cは、スライドベアリング34の被収容部分342に対して放熱部材40cを予め装着してから、スライドベアリング34をベアリングホルダー33cの装着凹部331に装着する。あるいは、放熱部材40cをベアリングホルダー33cの装着凹部331に装着してから、放熱部材40cが配置されたスリット333にスライドベアリング34を装着することで組み付けることができる。なお、このとき、放熱部材40cの放熱板部42cがベアリングホルダー33cに設けたスリット333に装着するように周方向の向きを合わせることとなる。
【0076】
上述のように、装着凹部331に装着するスライドベアリング34の被収容部分342に被せる被覆部44を有する放熱部材40cを備えた滑り支承装置1cは、上述の滑り支承装置1と同様の効果を奏するとともに、ベアリングホルダー33cに、スライドベアリング34の被収容部分342を収容する装着凹部331が備えられ、被覆部44は、スライドベアリング34における装着凹部331に収容された被収容部分342に当接し、放熱板部42cは、ベアリングホルダー33cを貫通して、スライドベアリング34に対して放射方向に延びる形状であるため、スライドプレート22に対する摺動に伴う摩擦熱で直接加熱されるスライドベアリング34に被覆部44が当接し、被覆部44を介して放熱部材40cにより一層熱伝導することができる。したがって、放熱部材40cからより一層放熱することができる。
【0077】
また、スライドベアリング34において、ベアリングホルダー33cの装着凹部113に収容され、放熱されにくい被収容部分342に被覆部44が当接しているため、放熱部材40cによってスライドベアリング34の温度低下を促進することができる。
【0078】
さらに、放熱板部42cは、ベアリングホルダー33cのスリット333を貫通して、スライドベアリング34に対して放射方向に延びているため、スライドプレート22とスライドベアリング34との摺動に支障することなく、放熱板部42cを大きく形成し、つまり大きな放熱面を確保し、さらに効率よく放熱部材40cから放熱することができる。
【0079】
また、被覆部44は、被収容部分342に覆い被せる形状で形成されているため、被収容部分342に被覆部44を覆い被せ、スライドベアリング34と被覆部44との当接面積を大きく確保できる。したがって、より効率よく、放熱部材40cに熱伝導して放熱することができる。
【0080】
また、装着凹部331に収容される被収容部分342に被覆部44を覆い被せるため、つまり、装着凹部331と被収容部分342との間に被覆部44が介在するため、スライドベアリング34からベアリングホルダー33cへの熱伝導を抑制し、被覆部44を介して放熱部材40cに熱伝導して、効率よく放熱することができる。
【0081】
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、本発明の第1構造物は実施形態の上部構造物100に対応し、
以下同様に、
第2構造物は下部構造物200に対応し、
第1沓は上沓10に対応し、
第2沓は下沓20に対応し、
摺動面は摺動面10a,20a、上沓摺動面10a、下沓摺動面20aに対応し、
滑り材はスライドベアリング34に対応し、
保持部材はベースポット11及びベアリングホルダー33に対応し、
被摺動材はスライドプレート22に対応し、
当接部は当接板部41、リング体43、被覆部44に対応し、
放熱部は放熱板部42,42cに対応し、
放熱部材は放熱部材40,40a,40b,40cに対応し、
滑り支承装置は滑り支承装置1,1a,1b,1cに対応し、
ホルダーはベアリングホルダー33,33cに対応し、
固定保持部材はベースポット11に対応し、
収容部は装着凹部113に対応し、
遊嵌溝はスライド溝114に対応し、
収容凹部は装着凹部331に対応し、
被収容部分は被収容部分342に対応し、
支持方向は上下方向Hに対応するも、上記実施形態に限定するものではない。
【0082】
例えば、上述の説明において、滑り支承装置1cにおける放熱部材40cの放熱板部42cを上述の滑り支承装置1における放熱部材40の放熱板部42と同様の高さで形成したが、滑り支承装置1bの放熱部材40bにおける放熱板部42と同程度の高さに形成してもよい。この場合、滑り支承装置1bと同様に、ベースポット11にスライド溝114を設けることとなる。
【0083】
この場合も、スライドベアリング34に対して放射方向に延びる放熱板部42cが上下方向Hへ移動可能に遊嵌するスライド溝114がベースポット11に設けられているため、被覆部44から外側に向かって延びる放熱板部42cは、ベースポット11に設けたスライド溝114に遊嵌できる。そのため、ベースポット11に対する組付ベアリング32の上下方向Hの移動に支障することなく、放熱板部42cを大きく形成し、つまり大きな放熱面を確保し、さらに効率よく放熱部材40cから放熱することができる。
【0084】
また、滑り支承装置1cにおける放熱部材40cの被覆部44の代わりに放熱部材40aのリング体43のようにリング状に形成し、スライドベアリング34の外周面に外嵌して装着するように構成してもよい。
【0085】
また、滑り支承装置1aにおける放熱部材40aも、滑り支承装置1bの放熱部材40bにおける放熱板部42と同程度の高さに形成するとともに、ベースポット11にスライド溝114を設けてもよい。これにより、ベアリングホルダー33に対して放射方向に延びる放熱板部42が上下方向Hへ移動可能に遊嵌するスライド溝114がベースポット11に設けられているため、リング体43から外側に向かって延びる放熱板部42は、ベースポット11に設けたスライド溝114に遊嵌できる。そのため、ベースポット11に対する組付ベアリング32の上下方向Hの移動に支障することなく、放熱板部42を大きく形成し、つまり大きな放熱面を確保し、さらに効率よく放熱部材40bから放熱することができる。
【符号の説明】
【0086】
1,1a,1b,1c…滑り支承装置
10…上沓
10a…上沓摺動面
11…ベースポット
20…下沓
20a…下沓摺動面
22…スライドプレート
33,33c…ベアリングホルダー
34…スライドベアリング
40,40a,40b,40c…放熱部材
41…当接板部
42,42c…放熱板部
43…リング体
44…被覆部
100…上部構造物
113…装着凹部
114…スライド溝
342…被収容部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13