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特許7609803信号処理装置、画像表示装置、および信号処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】信号処理装置、画像表示装置、および信号処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/438 20110101AFI20241224BHJP
   H04N 5/91 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
H04N21/438
H04N5/91
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021562514
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(86)【国際出願番号】 JP2020041221
(87)【国際公開番号】W WO2021111793
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】P 2019219588
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】林 将嗣
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/065378(WO,A1)
【文献】特開2010-220156(JP,A)
【文献】特開2015-189038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/85
H04N 5/91 - 5/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号に対して第1処理を実施する第1処理部と、
前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する第2処理部と、
前記第1処理の終了を検知する検知部と、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する判定部と、
を備え、
前記第2処理部が、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始し、
前記検知部が、前記第1処理の終了および前記第2処理の開始を検知して、前記判定部に通知し、
前記判定部が、前記第1処理の終了の通知を受信してから前記第2処理の開始の通知を受信するまでに所定時間が経過した場合に、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施を決定する
信号処理装置。
【請求項2】
画像信号に対して第1処理を実施する第1処理部と、
前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する第2処理部と、
前記第1処理の終了を検知する検知部と、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する判定部と、
を備え、
前記第2処理部が、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始し、
前記第1処理の開始タイミングから前記第1処理の終了タイミングまでの所要時間の長さを算出する算出部
をさらに備え、
前記検知部が、前記第1処理の開始および終了を検知して、前記算出部に通知し、
前記判定部が、前記所要時間に基づいて、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する
信号処理装置。
【請求項3】
画像信号に対して第1処理を実施する第1処理部と、
前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する第2処理部と、
前記第1処理の終了を検知する検知部と、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する判定部と、
を備え、
前記第2処理部が、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始し、
前記検知部が、前記第1処理の開始および終了を検知して、前記判定部に通知し、
前記判定部が、前記第1処理の開始の通知を受信してから所定時間が経過する前に、前記第1処理の終了の通知を受信した場合に、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施を決定する
信号処理装置。
【請求項4】
画像信号に対して第1処理を実施する第1処理部と、
前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する第2処理部と、
前記第1処理の終了を検知する検知部と、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する判定部と、
を備え、
前記第2処理部が、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始し、
前記第2処理の開始タイミングを決定するタイミング決定部
をさらに備え、
前記第2処理部が、決定された開始タイミングに前記第2処理を開始し、
前記タイミング決定部が、前記第1処理の予定開始タイミングから所定時間が経過したタイミングと、前記第2処理の予定開始タイミングと、の間に、前記第2処理の開始タイミングを決定する
信号処理装置。
【請求項5】
画像信号に対して第1処理を実施する第1処理部と、
前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する第2処理部と、
前記第1処理の終了を検知する検知部と、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する判定部と、
を備え、
前記第2処理部が、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始し、
前記画像信号に基づく画像を表示する際に用いられる画像信号情報を前記画像信号から検出する情報検出部
をさらに備え、
前記判定部が、前記画像信号情報にさらに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する
信号処理装置。
【請求項6】
信号処理装置であって、
画像信号に対して第1処理を実施する第1処理部と、
前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する第2処理部と、
前記第1処理の終了を検知する検知部と、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する判定部と、
を備え、
前記第2処理部が、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始し、
前記信号処理装置に対して行われた操作に関する操作情報を生成または受信するユーザインターフェイス部
をさらに備え、
前記判定部が、前記操作情報にさらに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する
信号処理装置。
【請求項7】
画像信号に対して第1処理を実施する第1処理部と、
前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する第2処理部と、
前記第1処理の終了を検知する検知部と、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する判定部と、
を備え、
前記第2処理部が、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始し、
前記第2処理の開始タイミングを決定するタイミング決定部
をさらに備え、
前記第2処理部が、決定された開始タイミングに前記第2処理を開始し、
前記タイミング決定部は、前記第1処理の今周期の処理時間が、前記第1処理の前周期の処理時間よりも伸びた場合において、所定の条件を満たすときは、前記第2処理の今周期の開始予定タイミングを、前記第2処理の前周期の開始予定タイミングと同じにする
信号処理装置。
【請求項8】
画像信号に対して第1処理を実施する第1処理部と、
前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する第2処理部と、
前記第1処理の終了を検知する検知部と、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する判定部と、
を備え、
前記第2処理部が、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始し、
前記第2処理の後に、前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第3処理を実施する第3処理部
をさらに備え、
前記検知部が、前記第2処理の終了を検知し、
前記判定部が、少なくとも前記第2処理の終了タイミングに基づき、前記第3処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定し、
前記第3処理部が、前記第3処理の予定開始タイミングの前倒しの実施が決定された場合に、前記第3処理の予定開始タイミングよりも前に前記第3処理を開始する
信号処理装置。
【請求項9】
前記第2処理の予定開始タイミングが、前記第1処理の予定開始タイミングから所定の固定時間ほど離れており、
前記第2処理部が、前記前倒しを実施しないと決定された場合に、前記第2処理の予定開始タイミングに前記第2処理を開始する
請求項1~8のいずれか一項に記載の信号処理装置。
【請求項10】
前記第1処理の終了タイミングから前記第2処理の予定開始タイミングまでの差分時間の長さを算出する算出部
をさらに備え、
前記判定部が、前記差分時間の長さに基づき、前記前倒しの実施是非を判定する
請求項1~9のいずれか一項に記載の信号処理装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に係る信号処理装置と、
前記第2処理が実施された画像信号を表示する表示部と、
を備えた
画像表示装置。
【請求項12】
画像信号に対して実施される第1処理の終了を検知するステップと、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定するステップと、
前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始するステップと、
信号処理装置が実行し
前記検知するステップは、前記第1処理の終了および前記第2処理の開始を検知し、
前記判定するステップは、前記第1処理の終了が検知されてから前記第2処理の開始が検知されるまでに所定時間が経過した場合に、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施を決定する
信号処理方法。
【請求項13】
画像信号に対して実施される第1処理の終了を検知するステップと、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定するステップと、
前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始するステップと、
信号処理装置が実行し
前記検知するステップが、前記第1処理の開始および終了を検知し、
前記第1処理の開始タイミングから前記第1処理の終了タイミングまでの所要時間の長さを算出するステップをさらに前記信号処理装置が実行し
前記判定するステップが、前記所要時間に基づいて、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する
信号処理方法。
【請求項14】
画像信号に対して実施される第1処理の終了を検知するステップと、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定するステップと、
前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始するステップと、
信号処理装置が実行し
前記検知するステップが、前記第1処理の開始および終了を検知し、
前記判定するステップが、前記第1処理の開始が検知されてから所定時間が経過する前に、前記第1処理の終了が検知された場合に、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施を決定する
信号処理方法。
【請求項15】
画像信号に対して実施される第1処理の終了を検知するステップと、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定するステップと、
前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始するステップと、
信号処理装置が実行し
前記第2処理の開始タイミングを決定するステップ
をさらに前記信号処理装置が実行し
前記開始するステップが、決定された開始タイミングに前記第2処理を開始し、
前記開始タイミングを決定するステップが、前記第1処理の予定開始タイミングから所定時間が経過したタイミングと、前記第2処理の予定開始タイミングと、の間に、前記第2処理の開始タイミングを決定する
信号処理方法。
【請求項16】
画像信号に対して実施される第1処理の終了を検知するステップと、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定するステップと、
前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始するステップと、
信号処理装置が実行し
前記画像信号に基づく画像を表示する際に用いられる画像信号情報を前記画像信号から検出するステップ
をさらに前記信号処理装置が実行し
前記判定するステップが、前記画像信号情報にさらに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する
信号処理方法。
【請求項17】
画像信号に対して実施される第1処理の終了を検知するステップと、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定するステップと、
前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始するステップと、
信号処理装置が実行し
前記判定するステップは、操作情報を生成または受信するユーザインターフェイス部により生成または受信された前記操作情報にさらに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する
信号処理方法。
【請求項18】
画像信号に対して実施される第1処理の終了を検知するステップと、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定するステップと、
前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始するステップと、
信号処理装置が実行し
前記第2処理の開始タイミングを決定するステップ
をさらに前記信号処理装置が実行し
前記第2処理を開始するステップが、決定された開始タイミングに前記第2処理を開始し、
前記開始タイミングを決定するステップは、前記第1処理の今周期の処理時間が、前記第1処理の前周期の処理時間よりも伸びた場合において、所定の条件を満たすときは、前記第2処理の今周期の開始予定タイミングを、前記第2処理の前周期の開始予定タイミングと同じにする
信号処理方法。
【請求項19】
画像信号に対して実施される第1処理の終了を検知するステップと、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定するステップと、
前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始するステップと、
信号処理装置が実行し
前記第2処理の後に、前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第3処理を実施するステップ
をさらに前記信号処理装置が実行し
前記検知するステップが、前記第2処理の終了を検知し、
前記判定するステップが、少なくとも前記第2処理の終了タイミングに基づき、前記第3処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定し、
前記第3処理を実施するステップが、前記第3処理の予定開始タイミングの前倒しの実施が決定された場合に、前記第3処理の予定開始タイミングよりも前に前記第3処理を開始する
信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号処理装置、画像表示装置、および信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン受像機などの画像表示装置では、高画質な画像を表示するために、フレーム制御、画質制御といった制御が行われている。近年では、画像に対する制御に加え、インターネットへの接続などといった多種多様な機能が追加され、画像表示装置が対応すべき信号パスも膨大になっている。このように、画像表示装置の処理が多様化かつ複雑化しているため、これらの制御および機能を実現するソフトウェアがますます重要となっている。
【0003】
画像を乱れなく出力するためには、入力画像に対する処理が確実に完了してから画像出力に関する処理を実施する必要がある。そのため、画像出力に関する処理は、入力画像に対する処理の開始タイミングから固定時間経過後に開始されるように設定されており、当該固定時間の長さは、入力画像に対する処理が最も遅れた場合を想定して決定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-252585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ソフトウェアにより実施される処理が多様化かつ複雑化したため、入力画像に対する処理の時間が長くなり、固定時間の長さもより長くなる傾向にある。
【0006】
しかし、画像表示装置の応答性も重要となってきている。例えば、ゲーム画像が表示される場合では、ゲームに対する操作に対する応答性が重視される。また、機能の実施が指示されてから、当該指示が実施されるまでの応答性も重視される。すなわち、固定時間の長さが長い程、応答性が失われ、画像表示装置に対する評価が下がることになる。
【0007】
本開示は、高画質と応答性を両立するための信号処理装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一側面の信号処理装置は、第1処理部と、画像信号記憶部と、第2処理部と、検知部と、判定部と、を備える。前記第1処理部は、画像信号に対して第1処理を実施する。前記画像信号記憶部は、前記第1処理が実施された画像信号を記憶する。前記第2処理部は、前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する。前記検知部は、前記第1処理の終了を検知する。前記判定部は、少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する。また第2処理部は、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始する。
【0009】
前記第2処理の予定開始タイミングは、前記第1処理の予定開始タイミングから所定の固定時間ほど離れており、前記第2処理部が、前記前倒しを実施しないと決定された場合に、前記第2処理の予定開始タイミングに前記第2処理を開始する、といったように前記信号処理装置が構成されていてもよい。
【0010】
前記第1処理の終了タイミングから前記第2処理の予定開始タイミングまでの差分時間の長さを算出する算出部をさらに備え、前記判定部が、前記差分時間の長さに基づき、前記前倒しの実施の是非を判定する、といったように前記信号処理装置が構成されていてもよい。
【0011】
前記検知部が、前記第1処理の終了および前記第2処理の開始を検知して、前記判定部に通知し、前記判定部が、前記第1処理の終了の通知を受信してから前記第2処理の開始の通知を受信するまでに所定時間が経過した場合に、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施を決定する、といったように前記信号処理装置が構成されていてもよい。
【0012】
前記第1処理の開始タイミングから前記第1処理の終了タイミングまでの所要時間の長さを算出する算出部をさらに備え、前記検知部が、前記第1処理の開始および終了を検知して、前記算出部に通知し、前記判定部が、前記所要時間に基づいて、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する、といったように前記信号処理装置が構成されていてもよい。
【0013】
前記検知部が、前記第1処理の開始および終了を検知して、前記判定部に通知し、前記判定部が、前記第1処理の開始の通知を受信してから所定時間が経過する前に、前記第1処理の終了の通知を受信した場合に、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施を決定する、といったように前記信号処理装置が構成されていてもよい。
【0014】
前記第2処理の開始タイミングを決定するタイミング決定部をさらに備え、前記第2処理部が、決定された開始タイミングに前記第2処理を開始する、といったように前記信号処理装置が構成されていてもよい。
【0015】
前記タイミング決定部が、前記第1処理の予定開始タイミングから所定時間が経過したタイミングと、前記第2処理の予定開始タイミングと、の間に、前記第2処理の開始タイミングを決定する、といったように前記信号処理装置が構成されていてもよい。
【0016】
前記画像信号に基づく画像を表示する際に用いられる画像信号情報を前記画像信号から検出する情報検出部をさらに備え、前記判定部が、前記画像信号情報にさらに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する、といったように前記信号処理装置が構成されていてもよい。
【0017】
前記信号処理装置に対して行われた操作に関する操作情報を生成または受信するユーザインターフェイス部をさらに備え、前記判定部が、前記操作情報にさらに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する、といったように前記信号処理装置が構成されていてもよい。
【0018】
前記タイミング決定部は、前記第1処理の今周期の処理時間が、前記第1処理の前周期の処理時間よりも伸びた場合において、所定の条件を満たすときは、前記第2処理の今周期の開始予定タイミングを、前記第2処理の前周期の開始予定タイミングと同じする、といったように前記信号処理装置が構成されていてもよい。
【0019】
前記第2処理の後に、前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第3処理を実施する第3処理部をさらに備え、前記検知部が、前記第2処理の終了を検知し、前記判定部が、少なくとも前記第2処理の終了タイミングに基づき、前記第3処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定し、前記第3処理部が、前記第3処理の予定開始タイミングの前倒しの実施が決定された場合に、前記第3処理の予定開始タイミングよりも前に前記第3処理を開始する、といったように前記信号処理装置が構成されていてもよい。
【0020】
本開示の他の一態様では、
画像信号に対して第1処理を実施する第1処理部と、
前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する第2処理部と、
前記第2処理が実施された画像信号を表示する表示部と、
前記第1処理の終了を検知する検知部と、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する判定部と、
を備え、
前記第2処理部が、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始する
画像表示装置が提供される。
【0021】
本開示の他の一態様では、
画像信号に対して実施される第1処理の終了を検知するステップと、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定するステップと
前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始するステップと、
を備える信号処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の一実施形態に係る画像表示装置の構成例を示すブロック図。
図2】入力タスクおよび出力タスクの開始タイミングについて説明する図。
図3】出力タスクの予定開始タイミングの前倒しについて説明する図。
図4】入力タスクの終了タイミングと、出力タスクの開始タイミングと、の推移の一例を示す図。
図5】出力タスクの開始タイミングの調整の一例のフローチャート。
図6】さらに割り込みの出力がある場合の出力タスクの予定開始タイミングの前倒しを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。
【0024】
図1は、本開示の一実施形態に係る画像表示装置の構成例を示すブロック図である。図1の画像表示装置100は、UI(ユーザインターフェイス)部110と、入力処理部(第1処理部)120と、画像信号記憶部130と、出力処理部(第2処理部)140と、制御部150と、同期信号生成部160と、を備える。入力処理部120は、画像信号受信部121と、情報検出部122と、前処理部123と、を備える。出力処理部140は、画像処理部141と、表示部142と、を備える。制御部150は、検知部151と、算出部152と、判定部153と、タイミング決定部154と、を備える。
【0025】
なお、本開示の実施形態には、図示または説明されていない構成要素または機能が存在し得る。以下の説明は、図示または説明されていない構成要素または機能を除外するものではない。例えば、選択可能な画質設定など、画像表示装置100が永続的に保持すべき情報を記憶する第1記憶部、画像表示装置100に入力された情報を一時的に記憶する第2記憶部などを備えていることが考えられる。
【0026】
画像表示装置100は、入力された画像信号が表す画像に対して画像処理を実施し、画像処理された画像を表示する装置である。例えば、画像表示装置100は、各放送局からの放送波を受信して画像を表示するテレビジョン受像機により実現される。また、例えば、画像表示装置100は、通信ネットワークから画像信号を受信して画像を表示するコンピュータ、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなど、により実現される。
【0027】
なお、本開示において、「画像」という用語は、静止画および動画の両方を包括する概念である。ゆえに、本開示中の「画像」は、特に問題がなければ、静止画または動画に置き換えられてもよい。つまり、画像表示装置100に表示される画像は、動画でも静止画でもよい。また、「映像」という概念も「画像」に含まれる。また、画像表示装置100に表示される画像は、立体視画像、3D画像などと称される、閲覧者に立体的と感じさせることが可能な画像でもよい。
【0028】
なお、本開示では、一般的な態様として、画像表示装置100が画像を表示することを想定している。しかし、本開示の画像表示装置100の一連の処理が、複数の装置に分散されて行われてもよい。例えば、画像信号に対する一連の処理がパーソナルコンピュータで行われるが、最終的に、モニタなどの表示装置に画像が表示される場合もあり得る。このように、画像表示装置100が、画像を処理する装置と、画像を表示する装置と、に分けられていてもよい。このような場合、画像表示装置100は、画像を処理するコンピュータと、画像を表示するモニタと、の両方を含むシステムに該当する。
【0029】
また、画像表示装置100および前述の画像を処理する装置は、画像に関する信号を処理するという観点からすれば信号処理装置と言え、画像に対し加工などの処理を実施するという観点からすれば画像処理装置と言える。
【0030】
UI部110は、画像表示装置100に対して行われた操作に関する情報を生成するユーザインターフェイスである。生成された情報は、制御部150に出力される。当該情報を操作情報と記載する。
【0031】
UI部110は、例えば、キーボード、ボタン、ダイヤル、タッチパネルなどの操作部材により実現される。これらの操作部材が画像表示装置100のユーザにより操作されることにより、操作情報が生成される。
【0032】
あるいは、UI部110は、操作情報を生成せず、操作部材から操作情報を受信するだけでもよい。例えば、ワイヤレスキーボード、リモートコントローラなど、画像表示装置100から分離している操作部材から、操作情報を含む無線信号を受信する受信器も、UI部110に該当し得る。
【0033】
例えば、複数の画質設定が画像表示装置100に予め登録されおり、ユーザは、UI部110を介して、所望の画質設定を選択することが有り得る。この場合、所望の画質設定が操作情報に該当する。あるいは、UI部110が備える複数のボタンのうちのいずれのボタンが押下されたかが操作情報に該当し、所望の画質設定は、操作情報と、表示画面と、に基づいて制御部150により判断されてもよい。
【0034】
入力処理部(第1処理部)120は、入力された画像信号に対して処理を実施し、画像信号記憶部130に書き込む。以下に、入力処理部120に含まれる構成要素の一例を記載する。
【0035】
画像信号受信部121は、画像信号を受信する。例えば、画像信号受信部121は、テレビ受像機のチューナなどにより実現される。なお、画像信号受信部121は、有線回線および無線回線のいずれを介して画像信号を受信してもよい。なお、画像表示装置100内に図示されていない画像生成部が存在し、画像信号受信部121は、当該画像生成部により生成された画像に関する画像信号を受信してもよい。すなわち、画像信号の送信源は、画像表示装置100の内部にあってもよいし、画像表示装置100の外部にあってもよい。
【0036】
情報検出部122は、画像信号受信部121により受信された画像信号から、当該画像信号に関する画像の情報を検出する。例えば、4K放送、8K放送といったフォーマットに関する情報が画像信号に含まれており、画像表示装置100が当該フォーマットに適した画質設定に変更することが有り得る。また、最適なフレームレートに関する情報が画像信号に含まれており、画像信号記憶部130に対する画像信号の書き込みおよび読み出しを、当該フレームレートに合わせることが有り得る。画像信号から検出された情報を画像信号情報と記載する。このように、画像信号情報は、様々な情報であることが想定される。本開示では、画像信号情報が制御部150に送られ、制御部150、または、制御部150により指示された構成要素が、画像信号情報に基づく処理を実施するものとする。但し、情報検出部122から直接画像信号情報に基づく処理を実施する構成要素に画像信号情報が送られてもよい。
【0037】
前処理部123は、画像信号に対して処理を行った上で、処理が行われた画像信号を画像信号記憶部130に書き込む。前処理部123により行われる処理は、画像処理部141の処理を実施するためのものであり、画像処理部141の処理の前に行われる。ゆえに、当該処理を前処理と記載する。なお、前処理部123は、画像信号を、画像信号受信部121から直に受け取ってもよいし、情報検出部122などを介して受け取ってもよい。
【0038】
入力処理部120による画像信号の書き込みなどの処理は、画像を乱れなく出力するために、出力処理部140による画像信号の読み出しなどの処理が開始する前に完了する必要がある。このように、画像出力に関する処理と連携を取る必要がある入力処理部120の処理を、入力タスク(第1処理)と規定する。なお、入力タスクは、入力処理部120だけが実施するとは限らず、制御部150が実施するものも存在する。なお、入力タスクは複数あることが想定されるが、複数の入力タスクがある場合は、複数の入力タスクをまとめてその全体を入力タスク(第1処理)と規定する。まとめられた各入力タスクは、入力タスク内の一部のタスクとして説明する。
【0039】
入力タスクに含まれるタスクは状況に応じて異なる。例えば、画像信号情報により画像のフォーマットの変更が判明した場合、変更後のフォーマットに係るタスクが実施される。また、入力タスクの所要時間も状況に応じて異なる。例えば、画像を高画質に表示する画質設定が設定されている場合、通常の画質設定が設定されている場合に比べて、各タスクの処理時間が増加する。
【0040】
画像信号記憶部130は、前処理部123による前処理が施された画像信号をフレーム単位で保持する(キャプチャする)メモリである。画像信号記憶部130は、一般には、フレームメモリ、フレームバッファ、VRAM(Video Random Acess Memory)といった名称で表されるが、これらに限られるわけではない。画像信号記憶部130に保持された画像信号は、出力処理部140により読み出される。
【0041】
出力処理部(第2処理部)140は、画像信号記憶部130から画像信号を読み出し、読み出された画像信号に対して処理を行った上で当該画像を表示する。以下に、出力処理部140に含まれる構成要素の一例を記載する。
【0042】
画像処理部141は、画像信号記憶部130に保持された画像信号を読み出し、当該画像信号に対して各種の処理を実施する。画像処理部141により実施される画像処理としては、例えば、I/P(Interlace/Progressive)変換、拡大縮小表示処理、切り出し処理、カラリメトリ処理、画質制御処理などが挙げられる。また、画像処理の一種である、画像処理が施された画像信号にOSD(On Screen Display)画像を重畳させるといった重畳処理も行われてもよい。
【0043】
表示部142は、画像処理部141からの画像信号に対応する画像を表示する。表示部142は、例えば、表示パネルにより実現される。入力された画像は、表示部142の処理遅延はあるものの、画像信号が画像処理部141から表示部142に入力されたタイミングで、表示される。
【0044】
出力処理部140による画像信号の読み出しなどの処理は、画像を乱れなく出力するために、入力処理部120による画像信号の書き込みなどの処理が完了してから開始する必要がある。このように、入力画像に対する処理と連携を取る必要がある出力処理部140の処理を、出力タスク(第2処理)と規定する。なお、出力タスクも、出力処理部140だけが実施するとは限らず、制御部150が実施するものも存在する。なお、複数の出力タスクがある場合は、複数の出力タスクをまとめてその全体を出力タスク(第2処理)と規定する。まとめられた各出力タスクは、出力タスク内の一部のタスクとして説明する。また、その場合、画像信号を読み出す処理は、少なくとも出力タスクに含まれる。
【0045】
出力タスクは、垂直同期信号(Vsync)などの信号に基づくタイミングで開始される。つまり、出力タスクの開始タイミングは、垂直同期信号(Vsync)などの信号により指定される。出力タスクの開始タイミングは、入力タスクの予定開始タイミングから所定の固定時間ほど離れている。言い換えると、入力タスクの予定開始タイミングから固定時間経過したタイミングに、出力タスクの予定開始タイミングが設定される。当該固定時間を固定遅延と記載する。固定遅延の長さは、画像表示装置100のスペック、入力タスクの内容などを考慮して、適宜に定められる。
【0046】
図2は、入力タスクおよび出力タスクの開始タイミングについて説明する図である。ブロックA、B、およびCは、入力タスク内の各タスクである。図2に示すように、入力タスクは、1フレームに相当する期間が経過する度に、周期的に実施される。また、ブロックDおよびEは、出力タスク内の各タスクである。出力タスクも、入力タスクと同様、周期的に実施される。同一周期内の、入力タスクの予定開始タイミングと出力タスクの予定開始タイミングとの間の期間が固定遅延に該当する。
【0047】
なお、図2では、入力タスクおよび出力タスク内の各タスクは、次の周期(次のフレーム)においても同じであるが、必ず同じであるわけではない。例えば、画質設定の切り替えなどが暫くない安定状態の場合には、定期的に実施されるタスクだけが行われるため、図2のように同じタスクの場合もあり得る。例えば、画質設定の切り替え直後などでは、切り替えに関する一時的なタスクが行われるため、異なるタスクの場合もある。
【0048】
入力タスク内のタスクは状況に応じて異なり、入力タスクの終了タイミングも各周期で同じとは限らない。そのため、入力タスクの終了タイミングが出力タスクの開始タイミングよりも後にならないように、固定遅延の長さが十分に取られている。これにより、画像を乱れなく出力することができる。その一方で、固定遅延が経過するまで出力タスクが開始されないため、応答性は低下する。
【0049】
制御部150は、画像表示装置100の他の構成要素に対する各種制御を実施する。当該制御の一つとして、制御部150は、出力タスクの予定開始タイミングの前倒しを決定する。出力タスクの予定開始タイミングの前倒しは、出力タスクが、その予定開始タイミングよりも前に、実施されることを意味する。前倒しにより、画像表示装置100の応答性が向上する。以下に、前倒しに関する制御を実施するための構成要素について記載する。
【0050】
検知部151は、入力タスクを監視し、入力タスクの終了を検知する。なお、必要に応じて、入力タスクの開始を検知してもよい。また、必要に応じて、出力タスクも監視対象とし、出力タスクの開始または終了を検知してもよい。
【0051】
入力タスクおよび出力タスクの監視は、例えば、画像表示装置100がコンピュータにより実現される場合、コンピュータ上で起動するOSの機能を用いることにより実現できる。また、タスクの開始または終了の検知は、一般的な手法を用いればよい。例えば、当該検知が、タスクが開始または終了する際の特定のイベントに基づいて行われてもよいし、OS上の監視対象のタスクに対応するプロセスの生成または消滅に基づいて行われてもよい。
【0052】
なお、検知部151が入力タスクの終了を検知する処理も、入力タスク内のタスクに該当する。そのため、入力タスクの終了を検知するタイミングは、実際には、入力タスクの終了よりも前に行われる。例えば、検知のためのタスクが、他のタスクと並行して、または、定期的に実施され、検知のタスク以外のタスクの終了(図2ではタスクCの終了)が検知される。そして、検知が判定部153などに通知されてから、検知のためのタスクが終了することにより、入力タスクが終了する。
【0053】
算出部152は、検知された入力タスクの終了タイミングから出力タスクの予定開始タイミングまでの差分時間の長さを算出する。出力タスクの予定開始タイミングは、検知部151により検知されたものを用いてもよい。あるいは、予め定められている、固定遅延の長さまたは入力タスクの終了タイミングから、求められてもよい。
【0054】
また、算出部152は、入力タスクの予定開始タイミングから検知された入力タスクの終了タイミングまでの時間、つまり、入力タスクの所要時間を算出してもよい。
【0055】
判定部153は、出力タスクの予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する。当該判定は、少なくとも、入力タスクの終了タイミングに基づいて行われる。
【0056】
例えば、判定部153は、差分時間の長さに基づき、前倒しの実施是非を判定してもよい。例えば、差分時間の長さが閾値以上であれば、前倒しを実施すると決定してもよい。あるいは、判定部153は、入力タスクの所要時間に基づいて判定してもよい。入力タスクの所要時間が閾値以下であれば、差分時間の長さが十分にあるとして、前倒しを実施すると決定してもよい。差分時間の長さおよび所要時間は、入力タスクの終了タイミングに基づいて算出されるため、差分時間の長さまたは所要時間に基づく判定も、入力タスクの終了タイミングに基づく判定と言える。
【0057】
また、判定部153は、検知部151から、入力タスクの終了の通知と、出力タスクの開始の通知と、を受け取ってもよい。そして、入力タスクの終了の通知を受け取ってから、出力タスクの開始の通知を受け取る前に、所定時間が経過した場合は、差分時間の長さが十分にあるとして、前倒しを実施すると決定してもよい。その場合、算出部152の処理結果を用いないため、算出部152は省略されてもよい。
【0058】
また、判定部153は、UI部110からの操作情報、および、画像信号受信部121からの画像信号情報、の少なくともいずれかにさらに基づいて、前倒しの実施是非を判定してもよい。例えば、判定部153は、操作情報または画像信号情報から設定変更の指示を受け取った場合に、設定変更に伴い入力タスクの所要時間が増加すると判断し、前倒しを行わないと判定してもよい。あるいは、設定変更Aが行われる場合は前倒しを実施しないが、設定変更Bが行われる場合は前倒しを実施してもよい、とするルールが予め定められていてもよい。また、複数のタスクが発生する場合、複数のタスクそれぞれに予め定められた値を足し合わせ、値の総和が閾値を超える場合は、実施しないと判定してもよい。
【0059】
図3は、出力タスクの予定開始タイミングの前倒しについて説明する図である。検知部151が入力タスクの終了を検知することにより、差分時間の長さが判明する。差分時間の長さは、前倒しが可能な時間の最大長となる。但し、入力タスクに予期しないタスクが発生し、入力タスクの終了が予想よりも遅れることも考えられる。そのため、実際には、マージンを設け、前倒しに係る時間の長さ、つまり出力タスクの開始タイミングから出力タスクの予定開始タイミングまでの長さを、差分時間の長さよりも短くするほうが好ましい。
【0060】
タイミング決定部154は、前倒しを実施すると判定された場合に、出力タスクの開始タイミングを決定する。前倒しを実施すると判定された場合に、前倒しに係る時間の長さは、適宜に変えてよい。例えば、差分時間よりも所定のマージンだけ短い時間を前倒し可能な時間と決定してもよい。すなわち、入力タスクの予想終了タイミングから所定のマージンが経過した時点を、出力タスクの開始タイミングとして決定してもよい。図3では、入力タスクの予想終了タイミングから所定のマージンを経過した時点まで、出力タスクが前倒しされている。なお、出力タスクの開始タイミング上にある黒い太線は、出力の割り込み処理を表す。出力の割り込みのタイミングで出力タスクが登録されて実施されるため、出力の割り込みのタイミングも出力タスクと同様に前倒しされる。そのため、出力タスクの開始タイミングから出力タスクの予定開始タイミングまでの長さを、差分時間の長さよりも短くするほうが好ましいと上述したが、正確には、出力タスクの開始タイミングから出力タスクの割り込みまでの長さを、差分時間の長さよりも短くするほうが好ましい。あるいは、所定の固定時間だけ前倒しを実施するとしてもよい。また、タイミング決定部154は、操作情報および画像信号情報の少なくともいずれかに基づいて、前倒しに係る時間の長さを調整してもよい。
【0061】
あるいは、過去の前倒しの実績から、前倒しに係る時間の長さを決定してもよい。例えば、前周期において前倒しを実施した場合は、今周期では、前倒しの時間を前回よりも短くするなど、前倒しの時間が周期ごとに異なっていてもよい。また、今周期の入力タスクが前周期と同じ入力タスクであった場合、今周期の入力タスクの所要時間が前周期の入力タスクの所要時間と同じであった場合などでは、今周期の前倒しの長さを、前周期の前倒しの長さと同じにするとしてもよい。このようにして決定された前倒しの時間に応じて、出力タスクの開始タイミングが決定される。
【0062】
図4は、入力タスクの終了タイミングと、出力タスクの開始タイミングと、の推移の一例を示す図である。横軸はフレーム(周期)の番号を示し、縦軸が入力タスクの開始タイミングからの経過時間を示す。点線のグラフが入力タスクの終了タイミングを示す。実線のグラフが出力タスクの開始タイミングを示す。
【0063】
図4の原点において様々な処理が開始されており、入力タスクの終了タイミングは当初遅いが、徐々にタスクが減少していくため、入力タスクの終了タイミングは早まる。言い換えると、入力タスクの終了タイミングのグラフは、当初大きいが徐々に小さくなる。また、出力タスクの開始タイミングも、前倒しによって徐々に早くなる。そして、図4の安定期間では、出力タスクは、入力タスクの終了タイミングから所定のマージンαだけ遅れて開始されている。なお、ここでは、設定変更があるレジスタしか制御しないようにし、不要なタスクは生成されないようにしている。
【0064】
なお、入力タイミングの終了タイミングが前周期より遅れても、突発的である、または、マージンに比べて十分に小さい、といった場合では、前倒しの長さを前周期と同じままにしてもよい。例えば、図4に示す安定期間において、入力タスクの終了タイミングが一瞬上昇したフレームがあるが、対応する出力タスクの開始タイミングは、前フレームと同じままである。このように、タイミング決定部は、入力タスクの今周期の所要時間が、入力タスクの前周期の所要時間よりも伸びた場合においても、所定の条件を満たすときは、出力タスクの今周期の開始予定タイミングを、出力タスクの前周期の開始予定タイミングと同じにしてもよい。所定の条件は、例えば、今周期の差分時間、または、入力タスクの今周期の処理時間が所定閾値以下であるというものでもよい。あるいは、今周期と前周期の差分時間の差分、または、入力タスクの今周期と前周期との所要時間の差分が所定閾値以下であるというものでもよい。
【0065】
同期信号生成部160は、タイミング決定部154により決定された出力タスクの開始タイミングを示す信号を生成し、出力処理部140に送信する。これにより、前倒しを実施する場合でも実施しない場合でも、出力処理部140は出力タスクの開始タイミングを認識することができる。すなわち、出力処理部140は、前倒しの実施が決定された場合に、出力タスクの予定開始タイミングよりも前に出力タスクを開始することができる。また、出力処理部140は、前倒しを実施しないと決定された場合に、出力タスクの予定開始タイミングに出力タスクを開始することができる。
【0066】
次に、各構成要素による処理の流れについて説明する。図5は、出力タスクの開始タイミングの調整の一例のフローチャートである。ここでは、差分時間に基づいて予定開始タイミングを決定する場合が示されている。
【0067】
検知部151が入力タスクの終了を検知する(S101)。その後、検知部151が出力タスクの開始を検知する(S102)。これらの検知を受けて、算出部152が差分時間を算出する(S103)。
【0068】
一方、制御部150は、UI部110から操作情報を受信し(S104)、情報検出部122から画像信号情報を受信する(S105)。そして、判定部153が、差分時間、操作情報、画像信号情報などに基づいて、前倒しの実施是非を判定する(S106)。
【0069】
前倒しを実施すると判定された場合(S107のYES)は、タイミング決定部154が、タスク開始タイミングを予定開始タイミングよりも前のタイミングに決定する(S108)。前倒しを実施しないと判定された場合(S107のNO)は、タイミング決定部154は、タスク開始タイミングを当初の予定開始タイミングに決定する(S109)。
【0070】
同期信号生成部160は、決定されたタスク開始タイミングを示す同期信号を生成する(S110)。同期信号は出力処理部140に送信され、出力処理部140が同期信号に基づいて出力タスクを開始する(S111)。このようにして、出力タスクの開始タイミングが調整される。
【0071】
なお、このフローチャートは一例であり、前倒しの処理が本フローの通りに必ず行われる必要はない。例えば、差分時間に基づかずに前倒しを決定する場合では、S103の処理は省略されてよい。また、操作情報または画像信号情報を判定部153が用いない場合は、S104またはS105の処理が省略されてよい。また、各処理の処理結果は、図示されていないが、画像信号記憶部130とは異なる他の記憶部に逐次記憶され、各構成要素は当該記憶部を介して処理結果を取得してもよい。
【0072】
なお、さらに割り込みの出力がある場合も考えられる。図6は、さらなる割り込みの出力がある場合の出力タスクの予定開始タイミングの前倒しを説明する図である。以降では、さらなる割り込み出力を単に割り込み出力と記載し、図3の出力を通常の出力と記載する。割り込み出力は、通常の出力よりも前に実施される。そのため、入力タスクの予定開始タイミングから第1の固定遅延が経過したタイミングを、割り込みの出力に関する出力タスクの予定開始タイミングと定めておく。また、割り込みの出力に関する出力タスクの予定開始タイミングから第2の固定遅延が経過したタイミングを通常の出力タスクの予定開始タイミングと定める。以降、割り込みの出力に関する出力タスクを割込出力タスクと記載する。
【0073】
なお、割り込みの出力は、出力処理部140が処理してもよい。あるいは、図示しないが、画像表示装置100が、出力処理部140とは別に、割り込みの出力を実施する割込出力処理部(第3処理部)を備えていてもよい。
【0074】
割込出力タスクの前倒しは、割込出力タスクを図3の通常の出力タスクとみなした場合と同じである。一方、通常の出力タスクの前倒しは、割込出力タスクを入力タスクとみなした場合と同じである。ゆえに、割り込みの出力がある場合、制御部150の検知部151は、出力処理部140または割込出力処理部のタスクに対しても監視を行う。なお、割込出力タスクの前倒しと出力タスクの前倒しとは独立して行われ、前倒しの実施是非、前倒しの長さを同じにする必要はない。
【0075】
以上のように、本実施形態によれば、ソフトウェアによって様々な処理を実施可能な画像表示装置100において、高画質な画像を乱れなく出力することができ、かつ、応答性を改善することができる。
【0076】
また、画像出力に関する処理の開始タイミングを決定するために複雑な処理を行わせると、ソフトウェアにさらなる負荷をかけることになり、好ましくないが、本開示の画像表示装置100は、負荷を掛けることなく、出力タスクの開始タイミングを決定することもできる。例えば、差分時間を算出する場合、入力タスクの終了タイミングおよび出力タスクの開始タイミングを検知するが、これらの処理は、画像表示装置100を実現するコンピュータ上で起動するOSの機能を用いるだけでよい。例えば、画像信号をライン単位で監視し、書き込みが完了していないラインを検出するといった複雑な処理は必要としない。そのため、画像表示装置100の負荷の観点からも、本開示の画像表示装置100は優れている。
【0077】
本開示の実施形態における装置の処理は、CPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)等が実行するソフトウェア(プログラム)により実現できる。なお、当該装置の全ての処理をソフトウェアで実行するのではなく、一部の処理が、専用の回路などのハードウェアにより実行されてもよい。
【0078】
なお、上述の実施形態は本開示を具現化するための一例を示したものであり、その他の様々な形態で本開示を実施することが可能である。例えば、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形、置換、省略またはこれらの組み合わせが可能である。そのような変形、置換、省略等を行った形態も、本開示の範囲に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0079】
また、上述の実施の形態において説明した処理の手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよい。あるいは、これら一連の手順をコンピュータに実施させるためのプログラム、または、当該プログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。記録媒体の種類は、本開示の実施形態に影響を及ぼすものではないため、特に限られるものではない。
【0080】
なお、本開示は以下のような構成を取ることもできる。
[1]
画像信号に対して第1処理を実施する第1処理部と、
前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する第2処理部と、
前記第1処理の終了を検知する検知部と、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する判定部と、
を備え、
前記第2処理部が、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始する
信号処理装置。
[2]
前記第2処理の予定開始タイミングが、前記第1処理の予定開始タイミングから所定の固定時間ほど離れており、
前記第2処理部が、前記前倒しを実施しないと決定された場合に、前記第2処理の予定開始タイミングに前記第2処理を開始する
上記[1]に記載の信号処理装置。
[3]
前記第1処理の終了タイミングから前記第2処理の予定開始タイミングまでの差分時間の長さを算出する算出部
をさらに備え、
前記判定部が、前記差分時間の長さに基づき、前記前倒しの実施是非を判定する
上記[1]または[2]に記載の信号処理装置。
[4]
前記検知部が、前記第1処理の終了および前記第2処理の開始を検知して、前記算出部に通知し、
前記算出部が、前記検知部からの通知に基づいて前記差分時間の長さを算出する
上記[3]に記載の信号処理装置。
[5]
前記検知部が、前記第1処理の終了を検知して、前記判定部に通知し、
前記判定部が、検知された前記第1処理の終了のタイミングと、予め与えられた前記第2処理の予定開始タイミングと、に基づいて、前記差分時間の長さを算出する
上記[3]に記載の信号処理装置。
[6]
前記検知部が、前記第1処理の終了および前記第2処理の開始を検知して、前記判定部に通知し、
前記判定部が、前記第1処理の終了の通知を受信してから、または、前記第1処理の終了タイミングから、前記第2処理の開始の通知を受信するまでに、所定時間が経過した場合に、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施を決定する
上記[1]または[2]に記載の信号処理装置。
[7]
前記第1処理の開始タイミングから前記第1処理の終了タイミングまでの所要時間の長さを算出する算出部
をさらに備え、
前記検知部が、前記第1処理の開始および終了を検知して、前記算出部に通知し、
前記判定部が、前記所要時間に基づいて、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する
上記[1]または[2]に記載の信号処理装置。
[8]
前記検知部が、前記第1処理の開始および終了を検知して、前記判定部に通知し、
前記判定部が、前記第1処理の開始の通知を受信してから所定時間が経過する前に、前記第1処理の終了の通知を受信した場合に、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施を決定する
上記[1]または[2]に記載の信号処理装置。
[9]
前記第2処理の開始タイミングを決定するタイミング決定部
をさらに備え、
前記第2処理部が、決定された開始タイミングに前記第2処理を開始する
上記[1]から[8]のいずれかに記載の信号処理装置。
[10]
前記タイミング決定部が、前記第1処理の予定開始タイミングから所定時間が経過したタイミングと、前記第2処理の予定開始タイミングと、の間に、前記第2処理の開始タイミングを決定する
上記[9]に記載の信号処理装置。
[11]
決定された開始タイミングを示す同期信号を生成する同期信号生成部をさらに備え、
前記第2処理部が、前記同期信号に基づき、前記第2処理または第2処理部に関するタスクを開始する
上記[9]または[10]のいずれかに記載の信号処理装置。
[12]
前記画像信号に基づく画像を表示する際に用いられる画像信号情報を前記画像信号から検出する情報検出部
をさらに備え、
前記判定部が、前記画像信号情報にさらに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する
上記[1]ないし[11]のいずれかに記載の信号処理装置。
[13]
前記信号処理装置に対して行われた操作に関する操作情報を生成または受信するユーザインターフェイス部
をさらに備え、
前記判定部が、前記操作情報にさらに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する
上記[1]ないし[12]のいずれかに記載の信号処理装置。
[14]
前記タイミング決定部は、前記第1処理の今周期の処理時間が、前記第1処理の前周期の処理時間よりも伸びた場合において、所定の条件を満たすときは、前記第2処理の今周期の開始予定タイミングを、前記第2処理の前周期の開始予定タイミングと同じにする
上記[1]ないし[13]のいずれかに記載の信号処理装置。
[15]
前記第2処理の後に、前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第3処理を実施する第3処理部
をさらに備え、
前記検知部が、前記第2処理の終了を検知し、
前記判定部が、少なくとも前記第2処理の終了タイミングに基づき、前記第3処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定し、
前記第3処理部が、前記第3処理の予定開始タイミングの前倒しの実施が決定された場合に、前記第3処理の予定開始タイミングよりも前に前記第3処理を開始する
上記[1]ないし[14]のいずれかに記載の信号処理装置。
[16]
画像信号に対して第1処理を実施する第1処理部と、
前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理を実施する第2処理部と、
前記第2処理が実施された画像信号を表示する表示部と、
前記第1処理の終了を検知する検知部と、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定する判定部と、
を備え、
前記第2処理部が、前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始する
画像表示装置。
[17]
画像信号に対して実施される第1処理の終了を検知するステップと、
少なくとも前記第1処理の終了タイミングに基づき、前記第1処理が実施された画像信号を記憶する画像信号記憶部から記憶された画像信号を読み出す処理を少なくとも含む第2処理の予定開始タイミングの前倒しの実施是非を判定するステップと
前記前倒しの実施が決定された場合に、前記予定開始タイミングよりも前に前記第2処理を開始するステップと、
を備える信号処理方法。
【符号の説明】
【0081】
100 画像表示装置
110 UI部
120 入力処理部(第1処理部)
121 画像信号受信部
122 情報検出部
123 前処理部
130 画像信号記憶部
140 出力処理部(第2処理部)
141 画像処理部
142 表示部
150 制御部
151 検知部
152 算出部
153 判定部
154 タイミング決定部
160 同期信号生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6