(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】膨張性電池パッド
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20241224BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20241224BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M50/293
(21)【出願番号】P 2021573240
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(86)【国際出願番号】 US2020036050
(87)【国際公開番号】W WO2020251825
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-04-10
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521138305
【氏名又は名称】ロジャーズ・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ブレット・キルヘニー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・デイグル
(72)【発明者】
【氏名】マーク・エスティー・ジーン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・チャーチル
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0325826(US,A1)
【文献】特開2007-044972(JP,A)
【文献】特開2013-256558(JP,A)
【文献】特開平05-190162(JP,A)
【文献】特開2000-230287(JP,A)
【文献】特開2004-027219(JP,A)
【文献】特開2018-206605(JP,A)
【文献】特表2013-514631(JP,A)
【文献】特開2018-060595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/204
H01M 50/293
H01M 10/52
H01M 10/60
C08G 18/00
C08J 7/04
C08J 9/00
C09D 5/18
C09K 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ASTM D3574-17に従って決定された25%たわみでの5~1,035キロパスカルの圧縮力たわみを有するポリウレタン発泡体と;
前記ポリウレタン発泡体の少なくとも外側表面上に25~250マイクロメートルの厚さを有するコーティング層であって、酸源、炭素源および発泡剤を含む膨張性材料
を含む、コーティング層と;
を含む、リチウムイオン電池用の膨張性電池パッドであって、
前記膨張性電池パッドが、1ミリメートルの厚さでUL-V0等級を有
し、
前記酸源が、有機もしくは無機リン化合物または硫酸塩(例えば、硫酸アンモニウム)のうちの少なくとも1つを含み;
前記有機または無機リン化合物が、トリス(2,3-ジブロモプロピル)リン酸塩、トリス(2-クロロエチル)リン酸塩、トリス(2,3-ジクロロプロピル)リン酸塩、トリス(1-クロロ-3-ブロモイソプロピル)リン酸塩、ビス(1-クロロ-3-ブロモイソプロピル)-1-クロロ-3-ブロモイソプロピルホスホナート、ポリアミノトリアジンリン酸塩、メラミンリン酸塩、またはグアニル尿素リン酸塩のうちの少なくとも1つ;有機リン酸エステル;またはリン含有無機化合物を含むことができ、
前記リン含有無機化合物は、リン酸、亜リン酸、亜リン酸塩、リン酸尿素、またはリン酸アンモニウムであり、
前記炭素源が、デキストリン、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ペンタエリトリトール(例えば、それらの二量体または三量体)、またはポリマー(例えば、ポリアミド6またはポリウレタン発泡体)のうちの少なくとも1つを含む、膨張性電池パッド。
【請求項2】
前記膨張性電池パッドが、1~5ミリメートルの厚さを有する、請求項1に記載の膨張性電池パッド。
【請求項3】
前記ポリウレタン発泡体が、
ASTM D3574-17に従って決定された25%たわみでそれぞれ5~500kPaまたは5~80kPaの圧縮力たわみ;
ASTM D3574-17に従って決定された75%たわみでそれぞれ100~500kPaまたは200~300kPaの圧縮力たわみ;
23℃または70℃でのASTM D3574-95、試験Dに従って決定された0~15%または0~5%の50%たわみでの圧縮セット;または、
65%での圧縮力たわみを25%での圧縮力たわみで割ったことによって定義される3以下のSAGファクター;
のうちの少なくとも1つを有する、請求項1または2に記載の膨張性電池パッド。
【請求項4】
前記発泡剤が、ジシアンジアミド、アゾジカルボンアミド、メラミン、グアニジン、グリシン、尿
素、尿素-ホルムアルデヒド樹脂
、メチロール化グアニル尿素リン
酸、またはハロゲン化有機材料(例えば、塩素化パラフィン)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載の膨張性電池パッド。
【請求項5】
前記発泡剤が、120℃以上または130~200℃の温度で分解する、請求項1から
4のいずれか一項に記載の膨張性電池パッド。
【請求項6】
前記膨張性材料が、相乗剤または結合剤のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の膨張性電池パッド。
【請求項7】
前記膨張性材料が、前記膨張性電池パッドのすべての表面に配置される、請求項1から
6のいずれか一項に記載の膨張性電池パッド。
【請求項8】
少なくとも2つの電池セルと;
前記少なくとも2つの電池セルの間に配置された請求項1から
7のいずれか一項に記載の膨張性電池パッドと;
を備える電池。
【請求項9】
前記電池がリチウムイオン電池である、請求項
8に記載の電池。
【請求項10】
反応性混合物を含む泡状組成物を剥離ライナー上にコーティングするステップと;
前記反応性混合物を硬化させて前記ポリウレタン発泡体を形成するステップと;
を含み、
前記泡状組成物が、前記膨張性材料を含むか、または本方法が、前記ポリウレタン発泡体の少なくとも1つの表面上に前記膨張性材料を堆積させて前記膨張性電池パッドを形成するステップをさらに含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載の膨張性電池パッドを作製する方法。
【請求項11】
前記泡状組成物をコーティングするステップが、前記泡状組成物を前記剥離ライナー上の堆積位置に堆積させるステップを含み;前記反応性混合物を硬化させるステップが、泡状組成物および前記剥離ライナーを加熱ゾーンを通して移動させて前記反応性混合物を硬化させ、前記ポリウレタン発泡体を形成するステップを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記膨張性材料を堆積させるステップが、前記加熱ゾーンから膨張性材料堆積ゾーンに前記ポリウレタン発泡体を移動させ、前記ポリウレタン発泡体上に前記膨張性材料を堆積させるステップを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記膨張性材料を堆積させるステップが、前記加熱ゾーンから膨張性材料浸漬ゾーンに前記ポリウレタン発泡体を移動させて、前記ポリウレタン発泡体上に前記膨張性材料を提供するステップを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
前記泡状組成物が、前記膨張性材料を含む、請求項
10~
13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記膨張性材料を前記ポリウレタン発泡体上に堆積させるステップを含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載の膨張性電池パッドを作製する方法。
【請求項16】
前記堆積させるステップが、ディップコーティング、フローコーティング、またはスプレーコーティングを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
電池アセンブリであって、
少なくとも2つの電池セルと、
前記少なくとも2つの電池セルの間に、または前記電池アセンブリに近接する表面に沿って配置された請求項1~
7のいずれか一項に記載の膨張性電池パッドと
を備え;
前記膨張性電池パッドが、ポリウレタン発泡体と、前記ポリウレタン発泡体上の膨張性材料層とを含む、電池アセンブリ。
【請求項18】
前記膨張性材料層が、前記ポリウレタン発泡体のすべての外側表面上に配置される、請求項
17に記載の電池アセンブリ。
【請求項19】
前記ポリウレタン発泡体が、1~5ミリメートルの厚さを有する、請求項
17または18のいずれか一項に記載の電池アセンブリ。
【請求項20】
前記ポリウレタン発泡体が、1~5ミリメートルの厚さを
有する、請求項
17~
19のいずれか一項に記載の電池アセンブリ。
【請求項21】
前記膨張性材料層の厚さが、前記ポリウレタン
発泡体の厚さ未満で
ある、請求項
17~
20のいずれか一項に記載の電池アセンブリ。
【請求項22】
前記膨張性電池パッドと、前記電池セルのうちの少なくとも1つとが、それぞれ同じ周囲形状を有する、請求項
17~
21のいずれか一項に記載の電池アセンブリ。
【請求項23】
前記膨張性電池パッドと、少なくとも2つの電池セルとが、それぞれ同じ周囲形状および周囲サイズを有する、請求項
17~
22のいずれか一項に記載の電池アセンブリ。
【請求項24】
前記膨張性電池パッドと、前記電池セルのうちの少なくとも1つとが、前記膨張性電池パッドの周囲の少なくとも一部に沿って異なる周囲形状を有する、請求項
17~
23のいずれか一項に記載の電池アセンブリ。
【請求項25】
前記電池アセンブリが、2~100個または10~50個の電池セルのスタックを含み、前記膨張性電池パッドが、前記スタック内の各電池セルの間に配置される、請求項
17~
24のいずれか一項に記載の電池アセンブリ。
【請求項26】
請求項
17~
25のいずれか一項に記載の電池アセンブリを含む電池。
【請求項27】
前記電池アセンブリが、ハウジング内に配置され;発泡体層が、前記ハウジング内の前記電池アセンブリの第1の側上に配置され、熱管理アセンブリが、前記電池アセンブリの第2の側上に配置され;
前記熱管理アセンブリが、熱界面層および冷却板を含む、請求項
26に記載の電池。
【請求項28】
前記電池が、リチウムイオン電池である、請求項
26または
27に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術的に関連する出願への相互参照
本出願は、2019年6月10日に出願された米国仮特許出願第62/859,230号の利益を主張する。関連する出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0001] 本出願は膨張性電池パッド、電池アセンブリに関し、特にリチウムイオン電池に使用することができる膨張性電池パッドを含む電池アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
[0002] リチウムイオン電池のような電気化学的エネルギー貯蔵デバイスに対する需要は、電気自動車およびグリッドエネルギー貯蔵システムのような用途、ならびに電動自転車、無停電電源電池システムおよび鉛酸代替電池のような他のマルチセル電池用途の成長により増加している。グリッド貯蔵や電気自動車などの大規模なフォーマットの用途では、直列および並列アレイに接続された複数のセルがしばしば使用される。そのようなセルは大きくてもよい(例えば、少なくとも10アンペア時間(Ah)を有する)。熱暴走に入るセルで放出されるエネルギーは、セル内に存在し、熱暴走の間にアクセス可能である電解質および活物質の量に比例するので、大型セルについて進行中の問題は安全性である。言い換えれば、大きなセルは多量の電解質および活物質を含有するので、熱暴走はより激しい火災をもたらす可能性がある。加えて、大きなセルが熱暴走モードになると、セルによって生成された熱は、隣接するセル内で熱暴走伝播反応を誘発し、パック全体に点火するカスケード効果を引き起こし、パックおよび周囲の設備の破壊、ならびにユーザにとって潜在的に危険な状態を生じさせる。
【0004】
[0003] そのような電池の可燃性を低減する試みが検討されてきたが、それらには欠点がないわけではない。例えば、難燃添加剤を添加することによって、または本質的に不燃性の電解質を使用することによって電解質を改質することが考慮されてきたが、これらの試みは、リチウムイオン電池セルの電気化学的性能に悪影響を及ぼし得る。カスケード熱暴走を防止するための他のアプローチは、熱事象中の熱伝熱量を低減するために、セルまたはセルのクラスタ間の絶縁量を増大させることを含む。これらのアプローチは、達成可能なエネルギー密度の上限を制限し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0004] エネルギー密度の高い電池に対する需要が増大するにつれて、火炎の発生および伝播のリスクが増大している。したがって、当技術分野では、現在の火炎安全基準を満たすかまたはそれを超えることができる電池が必要とされている。電池が所望のより高いエネルギーでも機能することができれば、さらなる利点となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0005] ASTM D3574-17に従って決定された25%のたわみで5~1,035キロパスカルの圧縮力たわみを有するポリウレタン発泡体と;酸源、炭素源および発泡剤を含む膨張性材料とを含み、膨張性電池パッドが1ミリメートルの厚さでUL-V0等級を有する、リチウムイオン電池用の膨張性電池パッドが開示される。
【0007】
[0006] また、反応性混合物を含む泡状組成物を剥離ライナー上にコーティングするステップと;前記反応性混合物を硬化させて前記ポリウレタン発泡体を形成するステップと;を含み、前記泡状組成物が、前記膨張性材料を含むか、または本方法が、前記ポリウレタン発泡体の少なくとも1つの表面上に前記膨張性材料を堆積させて前記膨張性電池パッドを形成するステップをさらに含む、膨張性電池パッドを作製する方法が開示される。
【0008】
[0007] 前記膨張性材料を前記ポリウレタン発泡体上に堆積させるステップを含む、膨張性電池パッドを作製する方法がさらに開示される。
【0009】
[0008] また、少なくとも2つの電池セルと、前記少なくとも2つの電池セルの間に、または前記電池アセンブリに近接する表面に沿って配置された膨張性電池パッドとを備え;前記膨張性電池パッドが、ポリウレタン発泡体と、前記ポリウレタン発泡体上の膨張性材料層とを含む、電池アセンブリが本明細書で開示される。
【0010】
[0009] さらに、前記膨張性電池パッドを含む電池アセンブリおよび電池が開示される。
【0011】
[0010] 上記及び他の特徴は、以下の図、詳細な説明、及び特許請求の範囲によって例示される。
【0012】
[0011] 以下の図は例示的な実施形態であり、本開示を説明するために提供される。実施例を説明する図は、本開示に従って製造されるデバイスを本明細書に記載される材料、条件、またはプロセスパラメータに限定することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0012]2つの電池セルの間に配置された膨張性電池パッドを含む電池アセンブリの一態様を示す図である。
【
図2】[0013]2つの電池セルの間に配置された膨張性電池パッドを含む電池アセンブリの別の態様を示す図である。
【
図3】[0014]電池セルのアレイの間に配置された膨張性電池パッドを含む電池アセンブリの一態様を示す図である。
【
図4】[0015]電池セルのアレイ内の電池セル間に配置された膨張性電池パッドを含む電池アセンブリの一態様を示す図である。
【
図5】[0016]電池セルのアレイを含む電池の一態様を示す図である。
【
図6】[0017]膨張性材料を形成する一態様を示す図である。
【
図7】[0018]実施例1の膨張性電池パッドの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0019] 複数のセルを含む電池における熱暴走の問題は、難しい問題である。なぜなら、熱暴走を経験しているセルに隣接するセルは、その事象から十分なエネルギーを吸収して、それらのセルも熱暴走に入るようにトリガさせることができるからである。熱暴走事象の開始のこの伝播は、連鎖反応を生じさせることができ、この連鎖反応では、貯蔵デバイスは、セルが隣接するセルに点火するときに、一連のカスケード状の熱暴走に入る。
【0015】
[0020] このようなカスケード熱暴走事象の発生を防止するために、少なくとも2つの電池セルと膨張性電池パッドとを含む電池アセンブリが開発された。膨張性電池パッドは、ポリウレタン発泡体と膨張性材料とを含む。膨張性材料は、酸源、炭素源および発泡剤を含む。膨張性材料は、ポリウレタン発泡体中に分散させることができ、またはポリウレタン発泡体の少なくとも1つの表面に存在させることができる。膨張性電池パッドが電池パックに成功裏に使用され得るという事実は、チャー(char)事象中の膨張性材料の固有の膨張が電池バックに使用するにはあまりにも重要であると考えられたので、驚くべきことであった。さらに、コーティングの添加はポリウレタン発泡体の圧縮力たわみまたは圧縮セットのような特性に悪影響を及ぼすことが予想されたので、ポリウレタンの所望の発泡体特性を維持しながら膨張性材料を膨張性電池パッド上に首尾よくコーティングすることができたことは驚くべきことであった。
【0016】
[0021] 上述したように、電池アセンブリは、少なくとも2つの電池セルと膨張性電池パッドとを含み、これらは、少なくとも2つの電池セルの間に配置することができるか、または電池アセンブリに近接する表面に沿って配置することができる。電池セルは、リチウムイオン電池セルであり得る。セルおよび膨張性電池パッドの特定の形状は、セルの所望のサイズまたは形状、セルを収容するケースまたは他の構造のサイズまたは配置、製造コスト、様々な形状の製造の容易さ、および同様の考慮事項に依存して、広範囲に変化させることができるが、熱遮蔽における有効性は主要な考慮事項であり得る。例えば、電池セルは、円形、正方形、長方形、卵形、台形、または他の形状の周囲を有することができ、膨張性電池パッドは、対応する円形、正方形、長方形、卵形、台形、または他の形状の周囲を有することができる。代替的に、電池セルの少なくとも1つの周囲の形状は、パッドの周囲とは異なる周囲とすることができる。例えば、円形周囲を有するセルは、長方形周囲を有する膨張性電池パッドと共に使用することができる。
【0017】
[0022]
図1~
図4は、電池アセンブリの例示的な実施形態を示す。
図1は、膨張性電池パッド4が第1の電池セル2と第2の電池セル6との間に配置された電池アセンブリ10を示す。
図1の挿入図は、膨張性電池パッド4が、膨張性層104と直接物理的に接触するポリウレタン層204を含むことができることを示している。
図1はさらに、膨張性電池パッド4が、特に電池セルの幅および高さにわたって、電池セルとほぼ同じサイズであり得ることを示す。例えば、
図1に示すように、x方向の幅とy方向の高さとを同一にすることができる。他の態様において、膨張性電池パッド4の幅および高さは、電池セルのうちの少なくとも1つ、好ましくは両方の幅および高さの±0.2%、または±0.5%、または±1%、または±2%、または±3%、または±5%、または±10%以内とすることができる。異なるサイズの電池セルが使用される場合、膨張性電池パッドの幅および高さは、電池セルのうちの1つと同じであってもよく、または電池セルのうちの1つの幅および高さの±0.2%、±0.5%、または±1%、または±2%、または±3%、または±5%、または±10%以内であってもよい。一態様において、特に円形または他の非正方形の形状を有するアセンブリの場合、周囲(長さとして測定される)は、電池セルのうちの少なくとも1つ、好ましくは両方の周囲の±0.2%、±0.5%、または±1%、または±2%、または±3%、または±5%、または±10%以内であり得る。
【0018】
[0023] しかしながら、膨張性電池パッドのサイズの変動は、これらの量に限定されない。x方向の幅およびy方向の高さのうちの少なくとも一方を変化させることができる。
図2は、膨張性電池パッド4が少なくとも一方向においてそれぞれの電池セルよりも小さくすることができる電池アセンブリ20を示している。
図2に示すように、膨張性電池パッド4のx方向の幅は電池セル2,6の幅と同じであるが、膨張性電池パッド4のy方向の高さは電池セル2,6の高さよりも著しく低い。他の態様では、幅および高さの両方が、電池セル2、6とは異なっていてもよい。
【0019】
[0024] 膨張性電池パッドは、1つまたは複数の電池セルの周囲の一部に沿ってのみ変化することも可能である。この態様において、電池パッドの周囲は、少なくとも1つの電池セルのすべてのエッジと一様ではない(境界を共有しない)。例えば、
図3に示すように、電池アセンブリ40は、同じサイズの周囲を有する電池セル2、6を含む。膨張性電池パッド4は、電池セル2,6の間に配置されている。セル2、6のエッジ2b、6bにおいて、電池パッド4は、エッジ2b、6bと一様である(境界を共有する)。しかし、膨張性電池パッド4の一部8は、パッドにノッチを残すように切り取られる。ノッチは、例えば、電池の別の構成要素を容易に挿入するために使用することができる。セル2、6のエッジ2a、6aにおいて、電池パッド4のエッジ10は、エッジ2a、6aを越えて延び、タブまたはフラップを形成する。この追加の材料は、例えば、電池セルの追加の被覆のために、または電池セルと電池内の他の構造、例えば電池のケーシングとの間の空間を充填するために使用することができる。上述の特徴の任意の1つまたは組合せを電池アセンブリに存在させることができる。
【0020】
[0025]
図4は、スタックに配置された電池セルのアレイを含む電池アセンブリ40を示す。電池アセンブリ40は、複数の膨張性電池パッド4がそれぞれの電池セルの間に配置された複数の電池セル2、6を含むことができる。電池アセンブリは、2~100個または10~50個の電池セルのスタックを含むことができ、膨張性電池パッド4は、少なくとも2つの電池セルの間に配置される。膨張性電池パッド4は、スタック内の各電池セルの間に配置されることが好ましい。
【0021】
[0026]
図5は、電池アセンブリ40を含む電池を示す。電池は、上部ケーシング100および底部ケーシング150を含むことができる。上部ケーシング100および底部ケーシング150は、電池アセンブリを取り囲むハウジングを形成することができる。上部ケーシング100および底部ケーシング150は、ガスケット110の存在によって強化され得る緊密なシールを形成することができる。ハウジングは図に限定されず、様々な他の構成が考慮されることに留意されたい。発泡体層120は、電池アセンブリ40の1つまたは複数の側面に配置することができる。発泡体層120は、本明細書に開示されるような膨張性電池パッドであり得る。発泡体層120は、電池アセンブリ40に近接した表面に沿って配置することができる。発泡体層120の主軸は、電池セル2および6の主軸に垂直であってもよい。例えば、発泡体層120の平面は、x-z平面内にあることができ、電池セル2、6の平面は、x-y平面内にあることができる。電池は、例えば、熱界面層130及び冷却板140を含む熱管理アセンブリを含むことができる。
【0022】
[0027] 膨張性材料は、酸源、発泡剤、および炭素源を含む。これらの成分の各々は、別個の層として、または混合物として、好ましくは親密な混合物として存在することができる。例えば、膨張性材料は、ポリリン酸酸源、発泡剤およびペンタエリトリトール炭素源を含むことができる。理論に束縛されるものではないが、膨張性材料は、チャーを形成し、次いでチャーを膨張させることを含む2つのエネルギー吸収機構を使用して、火炎の広がりを低減することができると考えられる。例えば、温度が例えば200~280℃の値に達すると、酸性種(例えば、ポリリン酸酸)は炭素源(例えば、ペンタエリトリトール)と反応してチャーを形成することができる。温度が例えば280~350℃に上昇するにつれて、発泡剤は分解してチャーを膨張させるガス状生成物を生成することができる。
【0023】
[0028] 酸源は、有機もしくは無機リン化合物または有機もしくは無機硫酸塩(例えば、硫酸アンモニウム)または他の化合物のうちの少なくとも1つを含むことができる。有機または無機リン化合物は、有機リン酸塩または有機ホスホナート(例えば、トリス(2,3-ジブロモプロピル)リン酸塩、トリス(2-クロロエチル)リン酸塩、トリス(2,3-ジクロロプロピル)リン酸塩、トリス(1-クロロ-3-ブロモイソプロピル)リン酸塩、ビス(1-クロロ-3-ブロモイソプロピル)-1-クロロ-3-ブロモイソプロピルホスホナート、ポリアミノトリアジンリン酸塩、メラミンリン酸塩、リン酸トリフェニル、またはグアニル尿素リン酸塩);有機リン酸エステル(例えば、亜リン酸トリメチルまたは亜リン酸トリフェニル);ホスファゼン(例えば、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン)、リン含有無機化合物(例えば、リン酸、亜リン酸、亜リン酸塩、リン酸尿素、またはリン酸アンモニウム(例えば、リン酸一水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、またはポリリン酸アンモニウム))のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0024】
[0029] 発泡剤は、120℃以上、例えば120~200℃または130~200℃の温度で(例えば、アンモニアまたは二酸化炭素などのより小さな化合物に)分解する剤を含むことができる。発泡剤は、ジシアンジアミド、アゾジカルボンアミド、メラミン、グアニジン、グリシン、尿素(例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂もしくはメチロール化グアニル尿素リン酸)、またはハロゲン化有機材料(例えば、塩素化パラフィン)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0025】
[0030] 膨張性材料は炭素源を含むことができ、ここで、ポリウレタン発泡体自体が炭素源として機能することができることに留意されたい。炭素源は、デキストリン、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ペンタエリトリトール(例えば、その二量体もしくは三量体)、粘土、またはポリマー(例えば、ポリアミド6、アミノ-ポリ(イミダゾリン-アミド)、もしくはポリウレタン)のうちの少なくとも1つを含むことができる。アミノ-ポリ(イミダゾリン-アミド)は、繰り返しアミド結合およびイミダゾリン基を含むことができる。
【0026】
[0031] 膨張性材料は、任意に、膨張性材料の難燃性をさらに改善するための相乗的化合物を含むことができる。相乗的化合物は、ホウ素化合物(例えば、ホウ酸亜鉛、リン酸ホウ素、もしくは酸化ホウ素)、ケイ素化合物、アルミノシリケート、金属酸化物(例えば、酸化マグネシウム、酸化鉄、もしくは酸化アルミニウム水和物(ベーマイト))、または金属塩(例えば、有機スルホン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、またはアルカリ土類金属炭酸塩)のうちの少なくとも1つを含むことができる。好ましい相乗的組合せとしては、上記の少なくとも1つを有するリン含有化合物が挙げられる。
【0027】
[0032] 膨張性材料は、必要に応じて結合剤をさらに含むことができる。結合剤は、エポキシ、ポリスルフィド、ポリシロキサン、ポリシラリレン(polysilarylene)のうちの少なくとも1つを含むことができる。結合剤は、膨張性材料の総重量に基づいて、50重量%以下、または5~50重量%、または35~45重量%の量で膨張性材料中に存在することができる。結合剤は、膨張性材料の総重量に基づいて、5~95重量%または40~60重量%の量で膨張性材料中に存在することができる。
【0028】
[0033] 膨張性電池パッドは、ポリウレタン発泡体を含む。一般に、ポリウレタン発泡体は、活性水素含有成分と反応する有機イソシアネート成分、界面活性剤、および触媒を含む反応性組成物から形成される。ポリウレタン発泡体の製造に使用される有機イソシアネート成分は、一般式:Q(NCO)iを有するポリイソシアネートをふくみ、ここで、iは2以上の平均値を有する整数であり、Qはiの価数を有する有機ラジカルである。Qは、置換または非置換の基(例えば、適切な価数のアルカンまたは芳香族基)であり得る。Qは、式Q1-Z-Q1(式中、Q1はアルキレンまたはアリーレン基であり、Zは-O-、-O-Q1-S-、-CO-、-S-、-S-Q1-S-、-SO-または-SO2-である)を有する基であり得る。Qは、iの価数を有するポリウレタンラジカルを表すことができる。
【0029】
[0034] 好適なイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8-ジイソシアナト-p-メタン、キシリルジイソシアネート、ジイソシアナトシクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネートを含むトリレンジイソシアネート、および粗トリレンジイソシアネート、ビス(4-イソシアナトフェニル)メタン、クロロフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネート(4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネートまたはMDIとしても知られる)およびその付加物、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4′,4″-トリイソシアネート、イソプロピルベンゼン-α-4-ジイソシアネート、またはポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどのポリマーイソシアネートが挙げられる。
【0030】
[0035] 活性水素含有成分は、ポリオール(例えば、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールのうちの少なくとも1つ)を含むことができる。適切なポリエステルポリオールには、ポリオールとジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体(例えば、無水物、エステルおよびハロゲン化物)との重縮合生成物、ポリオールの存在下でのラクトンの開環重合によって得られるポリラクトンポリオール、カーボネートジエステルとポリオールとの反応によって得られるポリカーボネートポリオール、またはヒマシ油ポリオールが含まれる。重縮合ポリエステルポリオールを製造するのに有用である適当なジカルボン酸およびジカルボン酸の誘導体は、脂肪族または脂環式ジカルボン酸、例えばグルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸またはマレイン酸;二量体酸;芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸;三塩基性またはより官能基の多いポリカルボン酸、例えばピロメリット酸;ならびに無水物または第二のアルキルエステル、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸またはテレフタル酸ジメチルである。
【0031】
[0036] ポリオールは、広い範囲にわたって変化するヒドロキシル価を有することができる。一般に、他の架橋添加剤を含むポリオールのヒドロキシル価は、使用される場合、28~1,000、または100~800であり得る。ヒドロキシル価は、1グラムのポリオールまたは他の架橋添加剤を含むまたは含まないポリオールの混合物から調製された完全アセチル化誘導体の加水分解生成物の完全な中和に必要な水酸化カリウムのミリグラム数として定義される。
【0032】
[0037] 発泡体の製造方法は一般に知られている。発泡体は、機械的に泡状にすることができ、物理的または化学的に吹き付けることができ、あるいはその両方が可能である。ポリウレタン発泡体は、機械的に泡状にした組成物を鋳造することによって作製することができる。特に、ポリウレタンの反応性前駆体を混合し、機械的に泡状にし、次いで鋳造して層を形成し、硬化させることができる。
【0033】
[0038] 物理的発泡剤は、単独で、または互いとの混合物として、または1つ以上の化学的発泡剤とともに使用することができる。物理的発泡剤は、炭化水素、エーテル、エステルおよび部分的にハロゲン化された炭化水素、エーテルおよびエステルなどを含む広範囲の材料から選択することができる。典型的な物理的発泡剤は、-50~100℃、または-50~50℃の沸点を有する。例示的な物理的発泡剤としては、CFC’s(クロロフルオロカーボン)(例えば、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン、1,1-ジクロロ-2,2,2-トリフルオロ-エタン、モノクロロジフルオロメタン、または1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン);FC’s(フルオロカーボン)(例えば、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2,4,4-テトラフルオロブタン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メチルプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,4-ヘキサフルオロブタン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン、1,1,1,4,4-ペンタフルオロブタン、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,1-ジフルオロエタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタンまたはペンタフルオロエタン);FE’s(フルオロエーテル)(例えば、メチル-1,1,1-トリフルオロエチルエーテル、ジフルオロメチル-1,1,1-トリフルオロエチルエーテル);または炭化水素(例えば、n-ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン);などが挙げられる。物理的発泡剤は、二酸化炭素、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ブタジエン、アセトン、塩化メチレン、任意のクロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、またはハイドロフルオロカーボンのうちの少なくとも1つを含むことができる。化学的発泡剤と同様に、物理的発泡剤は、得られた発泡体に所望の嵩密度を与えるのに十分な量で使用することができる。典型的には、物理的発泡剤は、反応性組成物の総重量に基づいて5~50重量%または10~30重量%の量で使用される。
【0034】
[0039] 化学的発泡剤が使用される場合、それは、水、アゾ化合物(例えば、アゾイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド(すなわち、アゾ-ビス-ホルムアミド)、またはアゾジカルボン酸バリウム);置換ヒドラジン(例えば、ジフェニルスルホン-3,3’-ジスルホヒドラジド、4,4’-ヒドロキシ-ビス(ベンゼンスルホヒドラジド)、トリヒドラジノトリアジン、またはアリール-ビス(スルホヒドラジド));セミカルバジド(例えば、p-トリレンスルホニルセミカルバジド、または4,4’-ヒドロキシ-ビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド));トリアゾール(例えば、5-モルホリニル-1,2,3,4-チアトリアゾール);N-ニトロソ化合物(例えば、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミンまたはN,N-ジメチル-N,N’-ジニトロソフタルミド);ベンゾキサジン(例えば、イサト酸無水物);または混合物(例えば、炭酸ナトリウム/クエン酸混合物)のうちの少なくとも1つを含むことができる。化学的発泡剤は水を含むことができる。発泡剤は、アンモニウム塩、リン酸塩、ポリリン酸塩、ホウ酸塩、ポリホウ酸塩、硫酸塩、尿素、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、ジシアンジアミド、またはメラミンのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0035】
[0040] 上述の化学的発泡剤の量は、剤および所望の発泡体密度に応じて変化し、当業者によって容易に決定することができる。一般に、これらの化学的発泡剤は、反応性組成物の総重量に対して0.1~10重量%の量で使用される。分解プロセスの間に形成される分解生成物は、生理学的に安全であり得、そしてそれは発泡ポリウレタンシートの熱安定性または機械的特性に著しい悪影響を与え得ない。
【0036】
[0041] 多くの触媒を使用して、イソシアネート成分と活性水素含有成分との反応を触媒することができる。そのような触媒には、ビスマス、鉛、スズ、鉄、アンチモン、ウラン、カドミウム、コバルト、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、銅、マンガン、またはジルコニウムの有機および無機酸塩または有機金属誘導体、ならびにホスフィンまたは第三級有機アミンが含まれる。そのような触媒の例は、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジ酢酸ジブチルスズ、オクトエート第一スズ、オクトエート鉛、ナフテン酸コバルト、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、N,N,N’N’-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N,N’ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、1,3,5-トリス(N,N-ジメチルアミノプロピル)-s-ヘキサヒドロトリアジン、o-およびp-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、1,4-ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン、N-ヒドロキシルアルキル第四級アンモニウムカルボキシレートおよびギ酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラメチルアンモニウムまたはテトラメチルアンモニウム2-エチルヘキサン酸塩である。
【0037】
[0042] 触媒は、アルミニウム、バリウム、カドミウム、カルシウム、セリウム(III)、クロム(III)、コバルト(II)、コバルト(III)、銅(II)、インジウム、鉄(II)、ランタン、鉛(II)、マンガン(II)、マンガン(II)、マンガン(III)、ネオジム、ニッケル(II)、パラジウム(II)、カリウム、サマリウム、ナトリウム、テルビウム、チタン、バナジウム、イットリウム、亜鉛またはジルコニウムのような金属に基づく金属アセチルアセトネートを含むことができる。触媒は、ビス(2,4-ペンタンジオナート)ニッケル(II)(ニッケルアセチルアセトネートまたはジアセチルアセトネートニッケルとしても知られている)またはその誘導体、例えばジアセトニトリルジアセチルアセトナートニッケル、ジフェニルニトリルジアセチルアセトナートニッケル、またはビス(トリフェニルホスフィン)ジアセチルアセチルアセトナートニッケルを含むことができる。触媒は、鉄アセチルアセトネート(FeAA)を含むことができる。
【0038】
[0043] 反応性組成物中に存在する触媒の量は、活性水素含有成分の総重量に基づいて、0.03~3重量%であり得る。反応性組成物は、必要とされる混合、鋳造および他の手順のための時間を可能にして、熱潜伏(latency)を提供することができるアセチルアセトン(2,4-ペンタンジオン)を含むことができ、低温処理中の有害な早期硬化を回避するのに役立つことができる。一般に、触媒対アセチルアセトンの重量比は3:1~1:1とすることができる。
【0039】
[0044] 反応性組成物は、硬化する前に反応性組成物を安定化させることができる界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、有機シリコーン界面活性剤を含むことができる。この有機シリコーンは、SiO2(ケイ酸塩)単位および(CH3)3SiO0.5(トリメチルシロキシ)単位を含むまたはそれらから本質的になる共重合体を、ケイ酸塩対トリメチルシロキシ単位のモル比が0.8:1~2.2:1または1:1~2.0:1で含むことができる。有機シリコーンは、部分的に架橋されたシロキサン-ポリオキシアルキレンブロック共重合体を含むことができ、ここで、シロキサンブロックおよびポリオキシアルキレンブロックは、ケイ素によって炭素に、またはケイ素によって酸素によって炭素に結合されている。界面活性剤は、活性水素成分の総重量に基づいて、0.5~10重量%または1~6重量%の量で存在することができる。
【0040】
[0045] 他の任意の添加剤を反応性組成物に添加することができる。例えば、添加剤は、充填材(例えば、アルミナ三水和物、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、または粘土)、染料、顔料(例えば、二酸化チタンまたは酸化鉄)、酸化防止剤、抗オゾン剤、UV安定剤、導電性充填材、または導電性ポリマーを含むことができる。
【0041】
[0046] ポリウレタン発泡体は、反応性組成物(例えば、イソシアネート成分、活性水素含有成分、泡安定化界面活性剤、触媒、および他の任意の添加剤を含む)を泡形成ガスと機械的に混合することによって製造することができる。
図6に示すように、泡状混合物10は、ユニット12から、例えば導管14を介して剥離ライナー16上に連続的に供給することができる。剥離ライナーは供給ロール18から再生可能であり、ロール20および22によって右に引っ張られてシステム内の様々なステーションを通過することができ、巻き取りロール24に巻き戻されることができる。剥離ライナー16が、その上に堆積された泡状混合物10と共に右に移動されるとき、泡状混合物10は、ドクターブレード26または他の適切な塗布デバイスによって所望の厚さの層に広げられる。ドクターブレード26は、泡状混合物10を所望の厚さ、例えば0.1~15ミリメートルに広げて、ゲージ化層を形成する。
【0042】
[0047] 次いで、泡状混合物のゲージ化層を、1つ以上の加熱ゾーン、例えば、赤外線ヒータ46を含む第1の加熱ゾーン、または加熱プラテン28および30を含む第2の加熱ゾーンに送達することができる。プラテン28および30は、平行であってもよく、それらの長さに沿ってそれらの間に等距離の間隔を有することができ、またはそれらは入口32から出口34に発散することができる。加熱プラテン30に直接対向する発泡体の上層が剥離ライナーの別の層で覆われていない場合、プラテン28と30との間の間隔は、発泡体材料および剥離支持体16の層の細工した厚さを超えることができ、これにより、発泡体の露出されていない上面が加熱プラテン30に接触しないようにする。各加熱ゾーンの温度は、それぞれ独立に90~250℃とすることができる。加熱ゾーンの後、形成されたポリウレタン層は冷却ゾーンに送られ、そこでファン38のような任意の適切な冷却デバイスによって冷却され得る。次いで、形成されたポリウレタン層は、任意に、剥離ライナー16を除去した後に、ロール40上に取り上げることができる。
【0043】
[0048] 膨張性電池パッドは、ポリウレタン発泡体と膨張性材料とを含む。膨張性材料は、ポリウレタン発泡体中に分散させることができ、またはポリウレタン発泡体の少なくとも1つの表面に存在させることができる。膨張性材料がポリウレタン発泡体中に存在する場合、膨張性材料は、ポリウレタン発泡体を形成する前に、ポリウレタン前駆体組成物を含む反応性組成物中に存在することができ、または膨張性材料は、例えば、膨張性材料を含む液体組成物でポリウレタン発泡体を飽和させることによって、発泡体に後処理で添加することができる。この態様では、膨張性材料はポリウレタン材料自体に浸透することができる。
【0044】
[0049] あるいは、またはそれに加えて、膨張性材料を含む液体組成物は、ポリウレタン材料の細孔に浸透し、便宜上、本明細書では「内側表面」と呼ばれる細孔の表面の少なくとも一部をコーティングまたは充填することができる。この態様において、コーティングまたは充填は、発泡体の所望の特性、例えば、発泡体の圧縮力たわみまたは圧縮セットに実質的に悪影響を及ぼさないように行われる。
【0045】
[0050] 膨張性材料がポリウレタン発泡体の少なくとも1つの表面上に存在する別の態様において、膨張性材料はポリウレタン発泡体の少なくとも1つの外側表面上に存在する。この態様において、膨張性材料は、少なくとも発泡体の外側表面上に存在し、かつ発泡体の細孔に浸透して内側表面をコーティングすることができるかまたはできないコーティング層として添加することができる。コーティングは、例えば、スプレーコーティング、ディップコーティング、フローコーティング、ロールコーティングなどによって行うことができる。発泡体の少なくとも外側表面上のコーティング層は、3ミリメートルに対して5マイクロメートル、または25~250マイクロメートルの厚さを有することができる。上述したように、驚くべきことに、コーティング層は、発泡体の所望の特性、例えば、発泡体の圧縮力たわみまたは圧縮セットに実質的に悪影響を及ぼさないことが見出された。
【0046】
[0051] 膨張性材料は、ポリウレタン発泡体を形成する前に、ポリウレタン前駆体組成物を含む反応性組成物中に、例えば、泡状混合物10中に存在することができる。逆に、膨張性材料は、形成されたポリウレタン発泡体上に層として添加することができる。例えば、ポリウレタン発泡体上に膨張性組成物54を連続的に供給することによって、加熱ゾーンの後に膨張性材料を添加することができる。膨張性組成物54は、ドクターブレード56またはその他の適切な塗布デバイスによって所望の厚さの層に広げることができる。逆に、(図示せず)本方法は、剥離ライナーがロール40に巻き付けられる前に膨張性組成物54を含む浴を通して除去された後に、ポリウレタン発泡体を横断することを含むことができる。
【0047】
[0052] ポリウレタン発泡体が電池パッドの所望の形状に形成された後、ポリウレタン発泡体に膨張性材料を添加することができる。この方法において、膨張性組成物は、スプレーコーティング、ディップコーティング、塗装、フローコーティングなどのうちの少なくとも1つによって、ポリウレタン発泡体の少なくとも1つの表面上に堆積され得る。膨張性組成物がディップコーティングのような液浸法によって堆積される場合、膨張性組成物の増加された量は、表面だけでなく、場合によっては発泡体内にも存在し得ることに留意されたい。
【0048】
[0053] 膨張性電池パッドは、0.1~26mm、または0.1~15mm、または0.3~10mm、または1~5mm、または5~6mmの厚さを有することができる。ポリウレタン発泡体は、0.1~26mm、または0.1~15mm、または0.3~10mm、または1~5mm、または5~6mmの厚さを有することができる。厚さは、
図1に示すz方向とすることができる。
【0049】
[0054] 膨張性電池パッドは、100~1,040kg/m3、または100~500、または300~400kg/m3の密度を有することができる。密度は、ASTM D3574-95、試験Aに従って決定することができる。
【0050】
[0055] 膨張性電池パッドは、25%たわみにおける圧縮力たわみを5~1,035キロパスカル(kPa)、または5~500kPa、または100~250kPa、または25~80kPaとすることができる。25%での圧縮力たわみは、ポリウレタン発泡体を物理的に25%圧縮するのに必要な荷重を意味することに留意されたい。膨張性電池パッドは、75%たわみで、50~1,050kPa、100~500kPa、または200~300kPaの圧縮力たわみを有することができる。本明細書で使用される圧縮力のたわみは、ASTM D3574-17に従って決定することができる。膨張性電池パッドは、65%での圧縮力たわみを25%での圧縮力たわみで割ったことで定義される3以下のSAGファクターを有することができる。
【0051】
[0056] 膨張性電池パッドは、23℃または70℃でのASTM D3574-95、試験Dに従って決定されるように、0~15%または0~5%の50%たわみでの圧縮セットを有することができる。
【0052】
[0057] 特にリチウムイオン電池に使用するための膨張性電池パッドは、ASTM D3574-17に従って決定された25%たわみで5~1,035kPaの圧縮力たわみを有するポリウレタン発泡体と;酸源、炭素源および発泡剤を含む膨張性材料と;を含むことができ、膨張性電池パッドは1mmでUL-V0等級を有する。電池パッドは1~5mmの厚さを有することができる。圧縮力たわみは、25%たわみで5から500kPa、または5から80kPaとすることができる。ポリウレタンは、ASTM D3574-17に従って決定された75%たわみで100から500kPa、または200から300kPaの圧縮力たわみを有することができる。ポリウレタンは、23℃または70℃でのASTM D3574-95、試験Dに従って決定されるように、0~15%または0~5%の50%たわみでの圧縮セットを有することができる。ポリウレタンは、65%での圧縮力たわみを25%での圧縮力たわみで割ったことで定義される3以下のSAGファクターを有することができる。酸源は、有機または無機のリンまたは硫酸塩のうちの少なくとも1つを含むことができる。有機または無機リン化合物は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)リン酸塩、トリス(2-クロロエチル)リン酸塩、トリス(2,3-ジクロロプロピル)リン酸塩、トリス(1-クロロ-3-ブロモイソプロピル)リン酸塩、ビス(1-クロロ-3-ブロモイソプロピル)-1-クロロ-3-ブロモイソプロピルホスホナート、ポリアミノトリアジンリン酸塩、メラミンリン酸塩、またはグアニル尿素リン酸塩のうちの少なくとも1つ;有機リン酸エステル;またはリン含有無機化合物を含むことができる。炭素源は、デキストリン、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ペンタエリトリトール、粘土、またはポリマーのうちの少なくとも1つを含むことができる。炭素源はポリウレタン発泡体を含むことができる。発泡剤は、ジシアンジアミド、アゾジカルボンアミド、メラミン、グアニジン、グリシン、尿素、またはハロゲン化有機材料のうちの少なくとも1つを含むことができる。発泡剤は、120℃以上、または130~200℃の温度で分解することができる。膨張性材料は、相乗剤または結合剤のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。膨張性材料は、ポリウレタン発泡体の少なくとも1つの表面に存在することができる。膨張性材料は、ポリウレタン発泡体中に分散させることができる。膨張性材料は、膨張性電池パッドのすべての表面に配置することができる。
【0053】
[0058] 電池アセンブリは、少なくとも2つの電池セルと;少なくとも2つの電池セルの間に配置された膨張性電池パッドと;を含むことができる。電池はリチウムイオン電池とすることができる。
【0054】
[0059] 膨張性電池パッドは、反応性混合物を含む泡状組成物を剥離ライナー上にコーティングし、反応性混合物を硬化させてポリウレタン発泡体を形成することによって形成することができる。泡状組成物は膨張性材料を含むことができ、および/または本方法はさらに、膨張性材料をポリウレタン発泡体の少なくとも1つの表面上に堆積させて膨張性電池パッドを形成することを含むことができる。泡状組成物のコーティングは、泡状組成物を堆積位置で剥離ライナー上に堆積させることを含むことができ;反応性混合物を硬化させることは、泡状組成物および剥離ライナーを加熱ゾーンを通して移動させて反応性混合物を硬化させ、それによってポリウレタン発泡体を形成することを含む。膨張性材料を堆積させることは、加熱ゾーンから膨張性材料堆積ゾーンにポリウレタン発泡体を移動させ、ポリウレタン発泡体上に膨張性材料を堆積させることを含むことができる。膨張性材料を堆積させることは、加熱ゾーンから膨張性材料浸漬ゾーンにポリウレタン発泡体を移動させ、ポリウレタン発泡体上に膨張性材料を提供することを含むことができる。泡状組成物は膨張性材料を含むことができる。
【0055】
[0060] 膨張性電池パッドは、ポリウレタン発泡体上に膨張性材料コーティングを堆積させることによって形成することができる。堆積は、ディップコーティング、フローコーティング、またはスプレーコーティングを含むことができる。
【0056】
[0061] 以下の実施例は、本開示を説明するために提供される。実施例は単なる例示であり、本開示に従って作製されるデバイスを本明細書に記載される材料、条件、又はプロセスパラメータに限定することを意図しない。
【0057】
実施例
実施例1
[0062] 7つのPORONブランドのポリウレタン発泡体を3mmの厚さを有するストリップに切断した。膨張性塗料を3つのポリウレタン発泡体の広い表面上に広げて、3つのポリウレタン発泡体を膨張性塗料に浸漬コーティングした。第7のポリウレタン発泡体は膨張性塗料を含まなかった。
【0058】
[0063] 次いで、サンプルを、1ミリメートルの厚さで、Underwriters’s Laboratory(UL)-94可燃性試験に従って試験した。
図7は可燃性試験後のサンプルであり、左側の3つのポリウレタン発泡体はペイントされ、右側の3つのポリウレタン発泡体はディップコーティングされた。ディップコーティングされたポリウレタン発泡体はUL-94 V0等級を達成し、発泡体の上部で比較的少量のチャーを示す。ペイントされたポリウレタン発泡体は、UL-94 V1等級を達成し、ここで、
図7は、いくつかの炭化(charring)を、特に発泡体の上部に向かって示す。ディップコーティングされた発泡体に比べて炭化が増加したのは、発泡体のエッジが塗料でコーティングされていなかったためである。膨張性塗料でコーティングされなかった第7のポリウレタン発泡体は完全に燃焼した。
【0059】
[0064] 以下に記載するのは、本開示の様々な非限定的態様である。
【0060】
[0065] 態様1:ASTM D3574-17に従って決定された25%たわみでの5~1,035キロパスカルの圧縮力たわみを有するポリウレタン発泡体と;酸源、炭素源および発泡剤を含む膨張性材料と;を含むリチウムイオン電池用の膨張性電池パッドであって、前記膨張性電池パッドが1ミリメートルの厚さでUL-V0等級を有する、膨張性電池パッド。
【0061】
[0066] 態様2:前記膨張性電池パッドが、1~5mmの厚さを有する、態様1の膨張性電池パッド。
【0062】
[0067] 態様3:前記ポリウレタン発泡体が、ASTM D3574-17に従って決定された25%たわみでそれぞれ5~500kPaまたは5~80kPaの圧縮力たわみ;ASTM D3574-17に従って決定された75%たわみでそれぞれ100~500kPaまたは200~300kPaの圧縮力たわみ;23℃または70℃でのASTM D3574-95、試験Dに従って決定された0~15%または0~5%の50%たわみでの圧縮セット;または、65%での圧縮力たわみを25%での圧縮力たわみで割ったことによって定義される3以下のSAGファクター;のうちの少なくとも1つを有する、先行する態様のうちのいずれか1つ以上の膨張性電池パッド。
【0063】
[0068] 態様4:前記酸源が、有機もしくは無機リンまたは硫酸塩(例えば、硫酸アンモニウム)のうちの少なくとも1つを含み;前記有機または無機リン化合物が、トリス(2,3-ジブロモプロピル)リン酸塩、トリス(2-クロロエチル)リン酸塩、トリス(2,3-ジクロロプロピル)リン酸塩、トリス(1-クロロ-3-ブロモイソプロピル)リン酸塩、ビス(1-クロロ-3-ブロモイソプロピル)-1-クロロ-3-ブロモイソプロピルホスホナート、ポリアミノトリアジンリン酸塩、メラミンリン酸塩、またはグアニル尿素リン酸塩のうちの少なくとも1つ;有機リン酸エステル;またはリン含有無機化合物を含むことができる、先行する態様のうちのいずれか1つ以上の膨張性電池パッド。
【0064】
[0069] 態様5:前記炭素源が、デキストリン、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ペンタエリトリトール(例えば、それらの二量体または三量体)、粘土、またはポリマー(例えば、ポリアミド6またはポリウレタン発泡体)のうちの少なくとも1つを含む、先行する態様のいずれか1つ以上の膨張性電池パッド。
【0065】
[0070] 態様6:前記発泡剤が、ジシアンジアミド、アゾジカルボンアミド、メラミン、グアニジン、グリシン、尿素(例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂またはメチロール化グアニル尿素リン酸)、またはハロゲン化有機材料(例えば、塩素化パラフィン)のうちの少なくとも1つを含む、先行する態様のいずれか1つ以上の膨張性電池パッド。
【0066】
[0071] 態様7:前記発泡剤が、120℃以上、または130~200℃の温度で分解する、先行する態様のいずれか1つ以上の膨張性電池パッド。
【0067】
[0072] 態様8:前記膨張性材料が、相乗剤または結合剤のうちの少なくとも1つをさらに含む、先行する態様のいずれか1つ以上の膨張性電池パッド。
【0068】
[0073] 態様9:前記膨張性材料が、前記ポリウレタン発泡体の少なくとも1つの表面に存在する、先行する態様のいずれか1つ以上の膨張性電池パッド。
【0069】
[0074] 態様10:前記膨張性材料が、前記ポリウレタン発泡体中に分散されている、先行する態様のいずれか1つ以上の膨張性電池パッド。
【0070】
[0075] 態様11:前記膨張性材料が、前記膨張性電池パッドのすべての表面に配置される、先行する態様のいずれか1つ以上の膨張性電池パッド。
【0071】
[0076] 態様12:少なくとも2つの電池セルと;前記少なくとも2つの電池セルの間に配置された先行する態様のいずれか1つ以上の膨張性電池パッドと;を備える電池。
【0072】
[0077] 態様13:前記電池がリチウムイオン電池である、態様12の電池。
【0073】
[0078] 態様14:反応性混合物を含む泡状組成物を剥離ライナー上にコーティングするステップと;前記反応性混合物を硬化させて前記ポリウレタン発泡体を形成するステップと;を含み、前記泡状組成物が、前記膨張性材料を含むか、または本方法が、前記ポリウレタン発泡体の少なくとも1つの表面上に前記膨張性材料を堆積させて前記膨張性電池パッドを形成するステップをさらに含む、(例えば、態様1~11のいずれか1つ以上の)膨張性電池パッドを作製する方法。
【0074】
[0079] 態様15:前記泡状組成物をコーティングするステップが、前記泡状組成物を前記剥離ライナー上の堆積位置に堆積させるステップを含み;前記反応性混合物を硬化させるステップが、泡状組成物および前記剥離ライナーを加熱ゾーンを通して移動させて前記反応性混合物を硬化させ、前記ポリウレタン発泡体を形成するステップを含む、態様14の方法。
【0075】
[0080] 態様16:前記膨張性材料を堆積させるステップが、前記加熱ゾーンから膨張性材料堆積ゾーンに前記ポリウレタン発泡体を移動させ、前記ポリウレタン発泡体上に前記膨張性材料を堆積させるステップを含む、態様15の方法。
【0076】
[0081] 態様17:前記膨張性材料を堆積させるステップが、前記加熱ゾーンから膨張性材料浸漬ゾーンに前記ポリウレタン発泡体を移動させて、前記ポリウレタン発泡体上に前記膨張性材料を提供するステップを含む、態様15の方法。
【0077】
[0082] 態様18:前記泡状組成物が、前記膨張性材料を含む、態様14~17のいずれか1つ以上の方法。
【0078】
[0083] 態様19:前記膨張性材料を前記ポリウレタン発泡体上に堆積させるステップを含む、(例えば、態様1~11のいずれか1つ以上の)膨張性電池パッドを作製する方法。
【0079】
[0084] 態様20:前記堆積させるステップが、ディップコーティング、フローコーティング、またはスプレーコーティングを含む、態様19の方法。
【0080】
[0085] 態様21:少なくとも2つの電池セルと、前記少なくとも2つの電池セルの間に、または前記電池アセンブリに近接する表面に沿って配置された(例えば、態様1~11のいずれかの)膨張性電池パッドとを備え;前記膨張性電池パッドが、ポリウレタン発泡体と、前記ポリウレタン発泡体上の膨張性材料層とを含む、電池アセンブリ。
【0081】
[0086] 態様22:前記膨張性材料層が、前記ポリウレタン発泡体のすべての外側表面上に配置される、態様21の電池アセンブリ。
【0082】
[0087] 態様23:前記膨張性材料層が、前記ポリウレタン発泡体の少なくとも1つの外側表面上に存在する、態様21~22のいずれかの電池アセンブリ。
【0083】
[0088] 態様24:前記ポリウレタン発泡体が、1~5ミリメートルの厚さを有する、態様21~23のいずれかの電池アセンブリ。
【0084】
[0089] 態様25:前記ポリウレタン発泡体が、1~5ミリメートルの厚さを有し;前記膨張性材料層が、25~250マイクロメートルの厚さを有する、態様21~24のいずれかの電池アセンブリ。
【0085】
[0090] 態様26:前記膨張性材料層の厚さが、前記ポリウレタン層の厚さ未満であり;前記膨張性材料層が、3ミリメートルに関して5マイクロメートルの厚さを有する、態様21~25のいずれかの電池アセンブリ。
【0086】
[0091] 態様27:前記膨張性電池パッドと、電池セルのうちの少なくとも1つとが、それぞれ同じ周囲形状を有する、態様21~26のいずれかの電池アセンブリ。
【0087】
[0092] 態様28:前記膨張性電池パッドと、少なくとも2つの電池セルとが、それぞれ同じ周囲形状および周囲サイズを有する、態様21~27のいずれかの電池アセンブリ。
【0088】
[0093] 態様29:前記膨張性電池パッドと、電池セルのうちの少なくとも1つとが、前記膨張性電池パッドの前記周囲の少なくとも一部に沿って異なる周囲形状を有する、態様21~28のいずれかの電池アセンブリ。
【0089】
[0094] 態様30:前記電池アセンブリが、2~100個または10~50個の電池セルのスタックを含み、前記膨張性電池パッドが、前記スタック内の各電池セルの間に配置される、態様21~29のいずれかの電池アセンブリ。
【0090】
[0095] 態様31:態様21~30のいずれかの電池アセンブリを含む電池。
【0091】
[0096] 態様32:前記電池アセンブリが、ハウジング内に配置され;発泡体層が、前記ハウジング内の前記電池アセンブリの第1の側上に配置され、熱管理アセンブリが、前記電池アセンブリの第2の側上に配置され;前記熱管理アセンブリが、熱界面層および冷却板を含む、態様31の電池。
【0092】
[0097] 態様33:前記電池が、リチウムイオン電池である、態様31または32の電池。
【0093】
[0098] 組成物、方法及び物品は、代替的に、本明細書に開示された任意の適切な材料、ステップ又は成分を含むか、これらからなるか、又はこれらから本質的になることができる。組成物、方法及び物品は、追加的に、又は代替的に、組成物、方法及び物品の機能又は目的を達成するために必要でない任意の材料(又は種)、ステップ、又は成分を欠くか、又は実質的に含まないように処方され得る。
【0094】
[0099] 用語「a」および「an」は、量の制限を示すのではなく、むしろ、参照される項目の少なくとも1つの存在を示す。「又は」という用語は、文脈により他に明確に示されない限り、「及び/又は」を意味する。本明細書全体を通じて「一態様」、「一実施形態」、「別の実施形態」、「いくつかの実施形態」などに言及することは、本実施形態に関連して記載される特定の要素(例えば、特徴、構造、ステップ、または特性)が本明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、他の実施形態に存在してもしなくてもよいことを意味する。さらに、説明した要素は、様々な実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができることを理解すべきである。
【0095】
[0100] 層、膜、領域、または基板のような要素が別の要素上にあると呼ばれる場合、それは別の要素上に直接存在することができ、または介在する要素も存在することができる。対照的に、ある要素が別の要素の「上に直接ある」と呼ばれる場合、介在する要素は存在しない。
【0096】
[0101] 本明細書に別段の記載がない限り、すべての試験基準は、本出願の出願日時点で有効な最新の基準であるか、又は、優先権が主張される場合は、当該試験基準が現れる最も早い優先出願の出願日である。
【0097】
[0102] 同じ構成要素又は特性に向けられたすべての範囲の端点は、端点を含み、独立して結合可能であり、すべての中間点及び範囲を含む。例えば、「25重量%まで、又は5~20重量%まで」の範囲は、10~23重量%などの「5~25重量%」の範囲の終点及びすべての中間値を含む。本明細書中で使用される用語「第1」、「第2」など、「第1の」、「第2の」などは、いかなる順序、量、または重要性も示さず、むしろ1つの要素を別の要素から区別するために使用される。「前記の少なくとも1つを含む組合せ」または「少なくとも1つ」という用語は、リストが各要素を個別に含むこと、ならびにリストの2つ以上の要素の組合せ、およびリストの少なくとも1つの要素と命名されていない同様の要素との組合せを含むことを意味する。また、「組合せ」という用語は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などを含む。
【0098】
[0103] 他に定義されない限り、本明細書で使用される技術的及び科学的用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0099】
[0104] 化合物は標準的な命名法を用いて記載される。例えば、示されたいずれの基によっても置換されていないいずれの位置も、示された結合又は水素原子によって充填されたその原子価を有すると理解される。2つの文字又は記号の間にないダッシュ(“-”)は、置換基の結合点を示すために使用される。たとえば、-CHOはカルボニル基の炭素を介して結合する。
【0100】
[0105] 引用されたすべての特許、特許出願、及び他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、本出願における用語が、組み込まれる参考文献における用語と矛盾するか又は対立する場合、本出願からの用語は、組み込まれる参考文献からの対立する用語よりも優先される。
【0101】
[0106] 特定の実施形態を説明してきたが、現時点では予測できない、又は予測できない可能性のある代替、修正、変形、改良、及び実質的同等物が、出願人又は他の当業者に生じ得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、出願時及び補正時に、そのようなすべての代替、修正、変形、改良、及び実質的等価物を包含することが意図される。