(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】非水二次電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 4/139 20100101AFI20241224BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20241224BHJP
H01M 10/0566 20100101ALI20241224BHJP
H01M 10/0587 20100101ALI20241224BHJP
H01M 10/0525 20100101ALN20241224BHJP
【FI】
H01M4/139
H01M4/62 Z
H01M10/0566
H01M10/0587
H01M10/0525
(21)【出願番号】P 2022088739
(22)【出願日】2022-05-31
【審査請求日】2023-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】トヨタバッテリー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】菱井 順也
(72)【発明者】
【氏名】池田 博昭
【審査官】窪田 陸人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/090680(WO,A1)
【文献】特開平09-237623(JP,A)
【文献】特開2002-252038(JP,A)
【文献】特開2016-126908(JP,A)
【文献】国際公開第2022/186083(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/05-10/0587
H01M 4/00-4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極板、正極板、及び、前記負極板と前記正極板との間に設けられるセパレータを有する電極体と、非水電解液と、前記電極体及び前記非水電解液を収容する電池ケースと、を備えた非水二次電池の製造方法であって、
少なくとも正極活物質及び有機溶媒を含む正極合材ペーストを正極基材に塗工することと、
前記正極合材ペーストを乾燥させることにより前記有機溶媒が残留するように正極合材層を形成することと、
前記正極板と前記負極板と前記セパレータとが積層方向に積層された状態で前記積層方向と交わる長さ方向に前記電極体を捲回することと、
前記電池ケースに前記電極体及び前記非水電解液が収容された状態で充電を行うことと、を含
み、
前記正極合材層を形成することは、前記積層方向及び前記長さ方向と交わる幅方向における端部領域において、前記幅方向における中央領域よりも多くの分量の前記有機溶媒が残留するように前記正極合材層を形成することを含み、
前記端部領域は、前記正極合材層の前記幅方向における端部から、前記非水二次電池の充電が行われるときに前記有機溶媒が気化することにより形成される気泡の半径以下の距離だけ離れた領域である、
非水二次電池の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の非水二次電池において、
前記有機溶媒は、Nメチルピロリドンである、
非水二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水二次電池、非水二次電池用電極板及び非水二次電池の製造方法に係り、詳しくは、性能劣化を抑制することができる非水二次電池、非水二次電池用電極板及び非水二次電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より非水二次電池においては、例えば特許文献1のように、負極板、正極板及びセパレータが積層方向に積層された状態で、捲回方向に捲回される電極体を有するものが開示されている。電極体は、捲回された状態で非水電解液とともに電池ケースに収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、非水二次電池の充放電を繰り返し行うことにより、電極体における直流内部抵抗が高くなることに起因して、例えばハイレート特性の劣化などの性能劣化が生じてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する非水二次電池は、負極板、正極板、及び、前記負極板と前記正極板との間に設けられるセパレータを有する電極体と、非水電解液と、前記電極体及び前記非水電解液を収容する電池ケースと、を備え、前記正極板は、正極基材と、前記正極基材に設けられる正極合材層とを有し、前記正極合材層は、少なくとも正極活物質及び有機溶媒を含む正極合材ペーストが前記正極基材に塗工された状態で前記正極合材ペーストを乾燥させることにより、前記有機溶媒が残留するように形成され、前記電池ケースに前記電極体及び前記非水電解液が収容された状態で充電が行われる。
【0006】
この構成によれば、少なくとも正極活物質及び有機溶媒を含む正極合材ペーストを乾燥させることにより、有機溶媒が残留するように正極合材層が形成される。そして、電池ケースに電極体及び非水電解液が収容された状態で充電が行われることにより、正極合材層として残留していた有機溶媒が気化する。このように、意図して有機溶媒が残留するように正極合材ペーストを乾燥させることで、正極合材層に残留していた有機溶媒を充電時において電池ケースの内部で気化させることができる。これにより、電池ケースの内部の圧力を向上させることができる。このため、電極体の内部における非水電解液が、電極体の外部に押し出され難くなる。したがって、電極体における直流内部抵抗が高くなることに起因するハイレート特性の劣化を抑制することができる。
【0007】
また、前記電極体は、前記正極板と前記負極板と前記セパレータとが積層方向に積層された状態で前記積層方向と交わる長さ方向に捲回されており、前記正極合材層は、前記積層方向及び前記長さ方向と交わる幅方向における端部領域において、前記幅方向における中央領域よりも多くの分量の前記有機溶媒が残留するように形成されてもよい。
【0008】
この構成によれば、電池ケースに電極体及び非水電解液が収容された状態で充電が行われることにより、正極合材層の幅方向における端部領域において、正極合材層の幅方向における中央領域よりも多くの分量の有機溶媒が気化する。このため、正極合材層の幅方向における中央領域では、正極合材層の幅方向における端部領域よりも、有機溶媒の気化により気泡が形成され難い。これにより、電極体の内部において気泡が残留し難い。このように、有機溶媒の気化に伴って形成される気泡の残留を起因として正極板と負極板との距離を過剰に広げることを抑制することができる。したがって、非水二次電池の性能劣化、具体的には抵抗の増加を抑制することができる。
【0009】
また、前記非水二次電池の充電が行われるときに、前記有機溶媒が気化することにより気泡が形成され、前記端部領域は、前記正極合材層の前記幅方向における端部から、前記気泡の半径以下の距離だけ離れた領域であるように構成されてもよい。
【0010】
この構成によれば、有機溶媒の気化に伴って気泡が形成され易い端部領域は、正極合材層の幅方向における端部から気泡の半径以下の距離だけ離れている。これにより、端部領域において有機溶媒の気化に伴って形成された気泡は、電極体の内部に残留せずに、電極体の外部に排出され易い。このように、有機溶媒の気化に伴って形成される気泡の残留を起因として正極板と負極板との距離を過剰に広げることを抑制することができる。したがって、非水二次電池の性能劣化を抑制することができる。
【0011】
また、前記有機溶媒は、Nメチルピロリドンであってもよい。
上記課題を解決する非水二次電池用電極板は、電極基材と、前記電極基材に設けられる合材層と、を備え、前記合材層は、少なくとも活物質及び有機溶媒を含む合材ペーストが前記電極基材に塗工された状態で前記合材ペーストを乾燥させることにより、前記有機溶媒が残留するように形成される。
【0012】
また、前記合材層は、幅方向における端部領域において、前記幅方向における中央領域よりも多くの分量の前記有機溶媒が残留するように形成されてもよい。
上記課題を解決する非水二次電池の製造方法は、負極板、正極板、及び、前記負極板と前記正極板との間に設けられるセパレータを有する電極体と、非水電解液と、前記電極体及び前記非水電解液を収容する電池ケースと、を備えた非水二次電池の製造方法であって、少なくとも正極活物質及び有機溶媒を含む正極合材ペーストを正極基材に塗工することと、前記正極合材ペーストを乾燥させることにより前記有機溶媒が残留するように正極合材層を形成することと、前記電池ケースに前記電極体及び前記非水電解液が収容された状態で充電を行うことと、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、性能劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態のリチウムイオン二次電池の斜視図である。
【
図2】リチウムイオン二次電池の電極体の積層体の構成を示す模式図である。
【
図3】リチウムイオン二次電池の製造工程を示すフローチャートである。
【
図4】乾燥工程において長さ方向Zから見た正極板を示す模式図である。
【
図5】スリット工程において長さ方向Zから見た正極板を示す模式図である。
【
図6】電池ケースの内部の圧力と充放電のサイクル数と直流内部抵抗の増加率との関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、二次電池の一実施形態について説明する。
<リチウムイオン二次電池10>
本実施形態のリチウムイオン二次電池の構成を説明する。
【0016】
図1に示すように、リチウムイオン二次電池10は、セル電池として構成される。リチウムイオン二次電池10は、電池ケース11を備える。電池ケース11は、蓋体12を備える。電池ケース11は、上側に図示しない開口部を備える。蓋体12は、開口部を封止する。電池ケース11は、アルミニウム合金等の金属で構成されている。蓋体12は、電力の充放電に用いられる負極外部端子13及び正極外部端子14を備える。負極外部端子13及び正極外部端子14は、任意の形状であればよい。
【0017】
リチウムイオン二次電池10は、電極体15を備える。リチウムイオン二次電池10は、負極集電体16と、正極集電体17と、を備える。負極集電体16は、電極体15の負極と負極外部端子13とを接続する。正極集電体17は、電極体15の正極と正極外部端子14とを接続する。電極体15は、電池ケース11の内部に収容される。
【0018】
リチウムイオン二次電池10は、非水電解液18を備える。非水電解液18は、電池ケース11内には図示しない注液孔から注入される。リチウムイオン二次電池10は、電池ケース11において開口部に蓋体12を取り付けることで密閉された電槽が構成される。このように、電池ケース11は、電極体15及び非水電解液18を収容する。
【0019】
<非水電解液18>
非水電解液18は、非水溶媒に支持塩が含有された組成物である。本実施形態では、非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)を用いることができる。非水溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等からなる群から選択された一種または二種以上の材料でもよい。
【0020】
また、支持塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiI等を用いることができる。またこれらから選択される一種または二種以上のリチウム化合物(リチウム塩)を用いることができる。このように、非水電解液18は、リチウム化合物を含む。
【0021】
<電極体15>
図2に示すように、電極体15は、負極板20と、正極板30と、セパレータ40と、を備える。電極体15の長手の方向を「長さ方向Z」という。電極体15の厚さの方向を「厚み方向D」という。電極体15の長さ方向Z及び厚み方向Dに交わる方向を「幅方向W」という。幅方向Wのうち一方の方向を「第1幅方向W1」といい、幅方向Wのうち他方の方向を「第2幅方向W2」という。つまり、第2幅方向W2は、第1幅方向W1の反対の方向である。
【0022】
電極体15は、負極板20と、正極板30と、セパレータ40とが厚み方向Dに積層される。電極体15は、負極板20と正極板30との間にセパレータ40が積層される。詳しくは、電極体15は、セパレータ40、正極板30、セパレータ40、負極板20の順に積層される。
【0023】
電極体15は、負極板20と、正極板30と、セパレータ40とが厚み方向Dに積層された状態で長さ方向Zに捲回される。電極体15は、長さ方向Zの中央において厚み方向Dに扁平形状である。
【0024】
このように、負極板20と、正極板30と、セパレータ40とが積層される厚み方向Dは、積層方向ともいえる。また、負極板20と、正極板30と、セパレータ40とが捲回される長さ方向Zは、捲回方向ともいえる。
【0025】
<負極板20>
負極板20は、リチウムイオン二次電池10の負極の一例として機能する。負極板20は、負極基材21と、負極合材層22とを備える。負極合材層22は、負極基材21の両面に設けられる。
【0026】
負極基材21は、負極接続部23を備える。負極接続部23は、負極基材21の両面に負極合材層22が設けられていない領域である。負極接続部23は、電極体15の第1幅方向W1における端部に設けられる。負極接続部23は、第1幅方向W1においてセパレータ40から露出する。
【0027】
本実施形態では、負極基材21は、Cu箔から構成されている。負極基材21は、負極合材層22の骨材としてのベースとなる。負極基材21は、負極合材層22から電気を集電する集電部材の機能を有している。
【0028】
負極合材層22は負極活物質を有する。本実施形態では負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料であり、黒鉛(グラファイト)等からなる粉末状の炭素材料を用いる。
【0029】
負極板20は、例えば、負極活物質と、溶媒と、結着剤(バインダー)とを混練し、混練後の負極合材ペーストを負極基材21に塗布した状態で乾燥させることで作製される。言い換えると、負極合材層22は、少なくとも負極活物質及び溶媒を含む負極合材ペーストが負極基材21に塗工された状態で負極合材ペーストを乾燥させることにより形成される。負極合材層22の溶媒としては、例えば水が用いられるが、これに限らず、有機溶媒(非水溶媒)が用いられてもよい。
【0030】
<正極板30>
正極板30は、リチウムイオン二次電池10の正極の一例として機能する。正極板30は、正極基材31と、正極合材層32とを備える。正極合材層32は、正極基材31の両面に設けられる。
【0031】
正極基材31は、正極接続部33を備える。正極接続部33は、正極基材31の両面に正極合材層32が設けられていない領域である。正極接続部33は、電極体15の第2幅方向W2における端部に設けられる。正極接続部33は、第2幅方向W2においてセパレータ40から露出する。
【0032】
本実施形態では、正極基材31は、Al箔やAl合金箔から構成されている。正極基材31は、正極合材層32の骨材としてのベースとなる。正極基材31は、正極合材層32から電気を集電する集電部材の機能を有している。
【0033】
正極合材層32は、正極活物質を有する。正極活物質は、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であり、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)等を用いることができる。また、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2を任意の割合で混合した材料を用いてもよい。正極合材層32は、導電材を含む。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛(グラファイト)を用いることができる。
【0034】
正極板30は、例えば、正極活物質と、導電材と、溶媒と、結着剤(バインダー)とを混練し、混練後の正極合材ペーストを正極基材31に塗布した状態で乾燥することで作製される。言い換えると、正極合材層32は、少なくとも正極活物質及び非水溶媒を含む正極合材ペーストが正極基材31に塗工された状態で正極合材ペーストを乾燥させることにより形成される。正極合材層32の溶媒としては、例えばN-メチル-2-ピロリドンなどのNメチルピロリドン(NMP)が用いられるが、別の有機溶媒(非水溶媒)が用いられてもよい。
【0035】
<セパレータ40>
セパレータ40は、負極板20と正極板30との間に設けられる。セパレータ40は、非水電解液18を保持する。セパレータ40は、多孔性樹脂であるポリプロピレン製等の不織布である。セパレータ40としては、多孔性ポリエチレン膜、多孔性ポリオレフィン膜、および多孔性ポリ塩化ビニル膜等の多孔性ポリマー膜、又は、リチウムイオンもしくはイオン導電性ポリマー電解質膜を、単独、又は組み合わせて使用することもできる。非水電解液18に電極体15に浸漬させるとセパレータ40の端部から中央部に向けて非水電解液18が浸透する。
【0036】
<リチウムイオン二次電池10の製造工程>
ここで、
図3を参照して、本実施形態のリチウムイオン二次電池10の製造工程について説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池10の製造工程は、ステップS10~S18の工程を含む。つまり、本実施形態のリチウムイオン二次電池10の製造方法は、ステップS10~S18の工程を含む。
【0037】
図3に示すように、本実施形態では、ステップS10において、源泉工程が行われる。源泉工程は、リチウムイオン二次電池10の電池要素の作製の工程である。具体的に、源泉工程は、リチウムイオン二次電池10の電池要素を構成する負極板20及び正極板30をそれぞれ作製する工程である。
【0038】
詳しくは、源泉工程は、混練工程と、塗工工程と、乾燥工程と、プレス工程と、スリット工程とを含む。源泉工程では、初めに、ステップS11において、混練工程が行われる。混練工程は、正極合材ペーストを混練する工程と、負極合材ペーストを混練する工程とを含む。
【0039】
混練工程が終了すると、ステップS12において、塗工工程が行われる。塗工工程は、負極基材21の両面において、幅方向Wの両端に負極接続部23を構成するように負極合材ペーストを塗工する。塗工工程は、正極基材31の両面において、幅方向Wの両端に正極接続部33を構成するように正極合材ペーストを塗工する。
【0040】
塗工工程が終了すると、ステップS13において、乾燥工程が行われる。乾燥工程は、負極基材21に塗工された負極合材ペーストを乾燥させて負極合材層22を形成する。乾燥工程は、正極基材31に塗工された正極合材ペーストを乾燥させて正極合材層32を形成する。
【0041】
乾燥工程が終了すると、ステップS14において、プレス工程が行われる。プレス工程は、負極基材21の両面に形成された負極合材層22を押圧することで、負極合材層22の厚みを調整する。プレス工程は、正極基材31の両面に形成された正極合材層32を押圧することで、正極合材層32の厚みを調整する。
【0042】
プレス工程が終了すると、ステップS15において、スリット工程が行われる。スリット工程は、負極板20を幅方向Wの中央で切断する。以上の工程によって、一度に2条の負極板20が製造される。スリット工程は、正極板30を幅方向Wの中央で切断する。以上の工程によって、一度に2条の正極板30が製造される。
【0043】
源泉工程が終了すると、ステップS16において、組立工程が行われる。組立工程は、リチウムイオン二次電池10を組み立てる組立工程である。組立工程では、初めに電極体15を製造する。具体的に、まず、正極板30と負極板20とをセパレータ40を介して積層した後、捲回し、さらに、偏平に押圧する。その後、負極接続部23を圧接するとともに、正極接続部33を圧接する。以上の手順により、電極体15が製造される。
【0044】
次いで、電極体15を電池ケース11内に収容する。このとき、正極接続部33は、正極集電体17を介して正極外部端子14と電気的に接続される。負極接続部23は、負極集電体16を介して負極外部端子13と電気的に接続される。電池ケース11において開口部が蓋体12によって塞がれる。そして、電池ケース11内に非水電解液18が注入される。電池ケース11内への非水電解液18の注入が完了したら、電池ケース11を密封する。以上の手順により、リチウムイオン二次電池10が組み立てられる。
【0045】
組立工程が終了すると、ステップS17において、充電工程が行われる。充電工程は、組立工程によって組み立てられたリチウムイオン二次電池10を充電する工程である。充電工程で行われる充電は、一例として、組立工程において組み立てられたリチウムイオン二次電池10に対する初回の充電である。
【0046】
充電工程が終了すると、ステップS18において、エージング工程が行われる。エージング工程は、充電工程、及び判定工程を経たリチウムイオン二次電池10を高温下で一定期間静置する。エージング工程によって、リチウムイオン二次電池10のなかの金属異物を溶解させるとともにSEI被膜を安定化させる。
【0047】
<リチウムイオン二次電池10の乾燥工程>
ここで、
図4及び
図5を参照して、本実施形態のリチウムイオン二次電池10の乾燥工程について説明する。
図4及び
図5では、発明の理解を容易とするために、正極基材31の一方の面に正極合材ペースト34が塗工された状態について表す。
【0048】
図4に示すように、乾燥工程において、正極基材31に塗工された正極合材ペースト34が乾燥装置50によって乾燥される。乾燥装置50は、正極基材31に塗工された正極合材ペースト34を乾燥させる。
【0049】
乾燥装置50は、本体部51と、乾燥ノズル52とを備える。乾燥ノズル52は、本体部51に設けられる。乾燥ノズル52は、正極基材31に塗工された正極合材ペーストを乾燥させるためのノズルである。
【0050】
乾燥ノズル52は、第1乾燥ノズル53を備える。第1乾燥ノズル53は、第1乾燥ノズル面54を備える。第1乾燥ノズル面54は、正極基材31に塗工された正極合材ペースト34に向かうように設けられる。第1乾燥ノズル面54は、正極基材31に塗工された正極合材ペースト34を乾燥させるために正極板30に向かって熱風を送風する。
【0051】
第1乾燥ノズル面54は、第1幅方向W1における第1端部54Aと、第2幅方向W2における第2端部54Bとを備える。第1乾燥ノズル面54は、幅方向Wにおいて距離D1の幅を有する。つまり、第1乾燥ノズル面54は、幅方向Wにおいて第1端部54Aと第2端部54Bとが距離D1だけ離れるように構成される。
【0052】
第1乾燥ノズル面54は、厚み方向Dにおいて、第1端部54Aと第1位置34Aとが向かい合うように設けられる。第1位置34Aは、正極合材ペースト34における第1幅方向W1の端部34Bを基準として第2幅方向W2に距離D2だけ離れた位置である。距離D1は、距離D2よりも約13倍の長さであるが、これに限らない。具体的な一例をあげると、距離D1は、40mmであり、距離D2は、3mmであってもよい。
【0053】
乾燥ノズル52は、第2乾燥ノズル55を備える。第2乾燥ノズル55は、第2乾燥ノズル面56を備える。第2乾燥ノズル面56は、正極基材31に塗工された正極合材ペースト34に向かうように設けられる。第2乾燥ノズル面56は、正極基材31に塗工された正極合材ペースト34を乾燥させるために正極板30に向かって熱風を送風する。
【0054】
第2乾燥ノズル面56は、第2幅方向W2における第1端部56Aと、第1幅方向W1における第2端部56Bとを備える。第2乾燥ノズル面56は、幅方向Wにおいて距離D1の幅を有する。つまり、第2乾燥ノズル面56は、幅方向Wにおいて第1端部56Aと第2端部56Bとが距離D1だけ離れるように構成される。
【0055】
第2乾燥ノズル面56は、厚み方向Dにおいて、第1端部56Aと第2位置34Cとが向かい合うように設けられる。第2位置34Cは、正極合材ペースト34における第2幅方向W2の端部34Dを基準として第1幅方向W1に距離D2だけ離れた位置である。
【0056】
第1乾燥ノズル53と第2乾燥ノズル55とは、正極板30の幅方向Wに並ぶように設けられる。第1乾燥ノズル53は、第2乾燥ノズル55よりも第1幅方向W1に設けられる。第1乾燥ノズル面54と第2乾燥ノズル面56とは、距離D3だけ離れる。つまり、第1乾燥ノズル面54の第2端部54Bと第2乾燥ノズル面56の第2端部56Bとは、距離D3だけ離れる。
【0057】
距離D3は、例えば距離D2の2倍に相当する。具体的な一例をあげると、距離D3は、6mmであってもよい。このため、第1乾燥ノズル面54の第2端部54Bは、厚み方向Dにおいて、正極合材ペースト34における中心位置34Eから第1幅方向W1に距離D2だけ離れた位置と向かい合う。第2乾燥ノズル面56の第2端部56Bは、厚み方向Dにおいて、正極合材ペースト34における中心位置34Eから第2幅方向W2に距離D2だけ離れた位置と向かい合う。
【0058】
つまり、第1乾燥ノズル面54は、厚み方向Dにおいて、第2端部54Bと第3位置34Fとが向かい合うように設けられる。第3位置34Fは、正極合材ペースト34における中心位置34Eから第1幅方向W1に距離D2だけ離れた位置である。
【0059】
また、第2乾燥ノズル面56は、厚み方向Dにおいて、第2端部56Bと第4位置34Gとが向かい合うように設けられる。第4位置34Gは、正極合材ペースト34における中心位置34Eから第2幅方向W2に距離D2だけ離れた位置である。
【0060】
このように、正極合材ペースト34は、乾燥ノズル52からの送風により乾燥される。特に、正極合材ペースト34は、乾燥ノズル52と向かい合わない第2領域R2では、厚み方向Dにおいて乾燥ノズル52と向かい合う第1領域R1よりも加熱されない。このため、第2領域R2では、第1領域R1よりも、正極合材ペースト34に含まれる有機溶媒が加熱され難い。したがって、第2領域R2では、第1領域R1よりも、正極合材ペースト34に含まれる有機溶媒が気化されずに、正極合材層32として残留する有機溶媒の分量が多くなる。
【0061】
具体的な一例をあげると、第2領域R2においては、正極合材層32として残留する有機溶媒の分量が1000~1200ppmとなる。第1領域R1においては、正極合材層32として残留する有機溶媒の分量が450ppm以下となる。これにより、第1領域R1及び第2領域R2においては、正極合材層32として残留する有機溶媒の分量が平均550ppm以下となる。
【0062】
なお、本実施形態においては、負極板20の乾燥方法は、正極板30とは乾燥方法とは異なる。詳しくは、負極基材21に塗工された負極合材ペーストを乾燥させるために負極板20に向かって全領域で均等に熱風が送風される。
【0063】
図5に示すように、正極合材層32は、正極合材ペースト34を乾燥させることにより形成される。
図5においては、正極合材ペースト34における各符号34A~34Gを、正極合材層32における各符号32A~32Gとして示している。また、第1領域R1及び第2領域R2は、正極合材ペースト34と正極合材層32とで同じ領域を示している。
【0064】
正極板30は、スリット工程において正極合材層32の中心位置32Eで切断される。このため、2条の正極板30のそれぞれは、幅方向Wの中央部に第1領域R1が位置し、かつ、幅方向Wの両端部に第2領域R2が位置する。
【0065】
詳しくは、2条の正極板30のそれぞれにおいて、第1領域R1は、正極合材層32の幅方向Wにおける中央領域である。また、2条の正極板30のそれぞれにおいて、第2領域R2は、正極合材層32の幅方向Wにおける端部領域である。特に、2条の正極板30のそれぞれにおいて、第2領域R2は、幅方向Wの両端から距離D1離れた端部領域である。
【0066】
つまり、スリット工程において切断された正極板30は、正極合材層32の幅方向Wにおける端部領域において、正極合材層32の幅方向Wにおける中央領域よりも残留する有機溶媒の分量が多くなる。言い換えると、スリット工程において切断された正極板30は、正極合材層32の幅方向Wにおける中央領域において、正極合材層32の幅方向Wにおける端部領域よりも残留する有機溶媒の分量が少なくなる。
【0067】
このように製造された正極板30は、電極体15に用いられる。電極体15は、電池ケース11内に収容される。電池ケース11は、非水電解液18が注入された状態で密封される。このように製造されたリチウムイオン二次電池10は、充電工程において充電される。充電工程において、正極合材層32として残留していた有機溶媒は、例えば化学分解及び加熱等に応じて気化する。このように、電池ケース11の内部で正極合材層32として残留していた有機溶媒が気化することにより、電池ケース11の内部の圧力が高くなる。
【0068】
特に、第2領域R2は、正極合材層32の端部領域である。このため、正極合材層32において有機溶媒が気化する際に形成される気泡は、電極体15の内部に残留せずに、電極体15の端部から電極体15の外部へと排出され易い。
【0069】
また、距離D2は、有機溶媒が気化する際に形成される気泡の半径以下であることが好ましい。具体的な一例をあげると、気泡の半径が6mmである場合、距離D2は、3mm以下であることが好ましい。これにより、正極合材層32において有機溶媒が気化する際に形成される気泡は、電極体15の内部に残留せずに、電極体15の端部から電極体15の外部へと排出され易い。
【0070】
<実施例>
ここで、
図6を参照して、本実施形態のリチウムイオン二次電池10の実施例について説明する。この実施例としては、電池ケース11の内部の圧力と充放電のサイクル数と直流内部抵抗の増加率との関係について説明する。
【0071】
図6に示すように、グラフ60において、直流内部抵抗の増加率が縦軸に、充放電のサイクル数が横軸にそれぞれ割り当てられている。グラフ60において、第1曲線61と、第2曲線62とを示す。第2曲線62は、第1曲線61よりも、電池ケース11の内部の圧力が高いときの曲線である。
【0072】
このように、電池ケース11の内部の圧力が高いときには、電池ケース11の内部の圧力が低いときよりも、充放電のサイクル数が増加するにつれて、直流内部抵抗の増加率が大きくなり難い傾向がある。また、第1曲線61及び第2曲線62は、充放電のサイクル数の想定の範囲内であれば、充放電のサイクル数と直流内部抵抗の増加率とが概ね比例する。
【0073】
具体的な一例をあげると、電池ケース11の内部の圧力が2倍となった場合、サイクル数が400となったときを基準として、直流内部抵抗の増加率が15%減少する。言い換えると、電池ケース11の内部の圧力が2倍となった場合、直流内部抵抗が5%上昇するサイクル数は、サイクル数が200回から400回となる。
【0074】
また、本実施形態においては、従来技術と比較して、電池ケース11の内部の圧力が1.2倍となる。これにより、サイクル数が400となったときを基準として、直流内部抵抗の増加率が1.5%減少する。言い換えると、本実施形態においては、従来技術と比較して、電池ケース11の内部の圧力が1.2倍となり、直流内部抵抗が5%上昇するサイクル数も、1.2倍となる。
【0075】
<本実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
図4に示すように、源泉工程では、混練された正極合材ペースト34が正極基材31の両面に塗工される。そして、正極合材ペースト34は、第2領域R2においては、第1領域R1よりも加熱されないように乾燥される。これにより、第2領域R2においては、第1領域R1と比較して、有機溶媒が気化せずに、有機溶媒が残留するように正極合材層32が形成される。
【0076】
このように製造された正極板30は、電極体15として、非水電解液18とともに電池ケース11内に収容される。そして、リチウムイオン二次電池10の充電に伴って、正極合材層32として残留していた有機溶媒が気化することにより、電池ケース11の内部の圧力が高くなる。
【0077】
従来においては、リチウムイオン二次電池10の放電に伴って、非水電解液18における支持塩の濃度は、正極板30側のほうが負極板20側よりも濃くなる。つまり、電極体15の厚み方向Dに対して支持塩の濃度に偏りが生じる。特に、ハイレート充放電が行われる場合には、顕著な傾向が表れる。
【0078】
そして、リチウムイオン二次電池10の充放電が繰り返し行われると、電極体15が膨張と収縮とを繰り返すことにより、支持塩の濃度の薄い非水電解液18が電極体15の外部に押し出されてしまう。これにより、電極体15において、幅方向Wにおける中央部と両端部とでは、支持塩の濃度に偏りが生じる。このため、電極体15における直流内部抵抗が高くなる。したがって、例えばハイレート特性の劣化など、リチウムイオン二次電池10の性能劣化が生じてしまうおそれがあった。
【0079】
このような技術課題を解決すべく、意図して有機溶媒が残留するように正極合材層32を形成することにより、充電時において正極合材層32として残留していた有機溶媒が気化することにより、電池ケース11の内部の圧力を高くすることができる。これにより、支持塩の濃度の薄い非水電解液18が電極体15の外部に押し出されることを抑制することができる。これにより、電極体15において、幅方向Wにおける中央部と両端部とでの支持塩の濃度の偏りが生じ難くなる。このため、電極体15における直流内部抵抗が高くなり難く、例えばハイレート特性の劣化など、リチウムイオン二次電池10の性能劣化を抑制することができる。
【0080】
また、これに加えて、正極合材層32の端部領域である第2領域R2においては、正極合材層32の中央領域である第1領域R1よりも、有機溶媒が残留する分量が多い。このため、第2領域R2においては、第1領域R1よりも、リチウムイオン二次電池10の充電に伴って気化する有機溶媒の分量が多くなる。このため、リチウムイオン二次電池10の充電に伴って、有機溶媒が気化する際に形成される気泡は、電極体15の内部に残留せずに、電極体15の端部から電極体15の外部へと排出され易い。
【0081】
更には、第2領域R2は、正極合材層32の両端から距離D2までの領域である。距離D2は、有機溶媒が気化する際に形成される気泡の半径以下である。これにより、正極板30において有機溶媒が気化する際に形成される気泡は、電極体15の内部に残留せずに、電極体15の端部から電極体15の外部へと排出され易い。
【0082】
<本実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態のリチウムイオン二次電池10によれば、少なくとも正極活物質及び有機溶媒を含む正極合材ペースト34を乾燥させることにより、有機溶媒が残留するように正極合材層32が形成される。そして、電池ケース11に電極体15及び非水電解液18が収容された状態で充電が行われることにより、正極合材層32として残留していた有機溶媒が気化する。このように、意図して有機溶媒が残留するように正極合材ペースト34を乾燥させることで、正極合材層32に残留していた有機溶媒を充電時において電池ケース11の内部で気化させることができる。これにより、電池ケース11の内部の圧力を向上させることができる。このため、電極体15の内部における非水電解液18が、電極体15の外部に押し出され難くなる。したがって、電極体15における直流内部抵抗が高くなることに起因するリチウムイオン二次電池10のハイレート特性の劣化を抑制することができる。
【0083】
(2)電池ケース11に電極体15及び非水電解液18が収容された状態で充電が行われる。これにより、正極合材層32の幅方向Wにおける端部である第2領域R2において、正極合材層32の幅方向Wにおける中央部である第1領域R1よりも多くの分量の有機溶媒が気化する。このため、第1領域R1では、第2領域R2よりも、有機溶媒の気化により気泡が形成され難い。これにより、電極体15の内部において気泡が残留し難い。このように、有機溶媒の気化に伴って形成される気泡の残留を起因として正極板30と負極板20との距離を過剰に広げることを抑制することができる。したがって、リチウムイオン二次電池10の性能劣化を抑制することができる。
【0084】
(3)有機溶媒の気化に伴って気泡が形成され易い第2領域R2は、正極合材層32の幅方向Wにおける各端部から気泡の半径以下の距離D2だけ離れている。これにより、第2領域R2において有機溶媒の気化に伴って形成された気泡は、電極体15の内部に残留せずに、電極体15の外部に排出され易い。このように、有機溶媒の気化に伴って形成される気泡の残留を起因として正極板30と負極板20との距離を過剰に広げることを抑制することができる。したがって、リチウムイオン二次電池10の性能劣化を抑制することができる。
【0085】
(4)また、第1領域R1及び第2領域R2において正極合材層32として残留する有機溶媒の分量の平均値が予め定められた値以下となるように正極合材層32が形成される。これにより、正極合材層として有機溶媒を意図して残留させつつも、有機溶媒が過剰に残留することを抑制することができる。これにより、有機溶媒が過剰に残留することを抑制することにより、過剰に残留した有機溶媒が正極基材31と化学反応することを抑制することができる。したがって、リチウムイオン二次電池10の性能劣化を抑制することができる。
【0086】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0087】
○本実施形態において、例えば、正極合材ペースト34の第2領域R2と第1領域R1とが適切な領域に割り当てられれば、乾燥ノズル52のサイズについては任意でよい。
○本実施形態において、有機溶媒の乾燥は、熱風の送風に限らず、例えば、自然乾燥や、低湿風の送風による乾燥、真空下に配置する乾燥、赤外線や遠赤外線を照射する乾燥であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0088】
○本実施形態において、例えば、正極板30と同じように負極板20を製造してもよい。詳しくは、少なくとも負極活物質及び有機溶媒を含む負極合材ペーストを乾燥させることにより、有機溶媒が残留するように負極合材層22が形成されてもよい。このように、電極基材と、電極基材に設けられる合材層と、を備えた非水二次電池用電極板に本発明が採用されてもよい。これにより、非水二次電池用電極板は、少なくとも活物質及び有機溶媒を含む合材ペーストを乾燥させることにより、有機溶媒が残留するように合材層が形成される。
【0089】
○本実施形態において、リチウムイオン二次電池10を例に本発明を説明したが、他の二次電池にも適用できる。
○本実施形態において、車載用の薄板状のリチウムイオン二次電池10を例示したが、円柱形の電池などにも適用できる。また、車載用に限らず、船舶用、航空機用、さらに定置用の電池にも適用できる。
【0090】
○本発明は、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲で、当業者によりその構成を付加し削除し変更し、順序を変えて実施することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0091】
D…厚み方向
R1…第1領域
R2…第2領域
W…幅方向
Z…長さ方向
10…リチウムイオン二次電池
11…電池ケース
12…蓋体
13…負極外部端子
14…正極外部端子
15…電極体
16…負極集電体
17…正極集電体
18…非水電解液
20…負極板
21…負極基材
22…負極合材層
23…負極接続部
30…正極板
31…正極基材
32…正極合材層
33…正極接続部
34…正極合材ペースト
40…セパレータ