(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置用の消耗品、消耗品を製造するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20241224BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20241224BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241224BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/465
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2022520275
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(86)【国際出願番号】 EP2020078657
(87)【国際公開番号】W WO2021074090
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2023-07-25
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ローガン,アンドリュー・ロバート・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ブルベニク,ルーボス
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/136165(WO,A1)
【文献】中国実用新案第206137197(CN,U)
【文献】特表2018-515115(JP,A)
【文献】特表2019-505197(JP,A)
【文献】国際公開第2019/030301(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/030360(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置用の消耗品であって、
エアロゾル生成基材の柱状部分と、
前記柱状部分に埋め込まれた加熱要素と
を含み、
前記加熱要素は、基部部分と、前記基部部分から前記柱状部分に沿って延びる複数の細長い部分とを含み、
前記加熱要素は、前記基部部分に加えられた力によって前記柱状部分に向けて駆動されるように適合され、
前記加熱要素は、前記基部部分と前記複数の細長い部分とを形成するように屈曲されたワイヤである、
消耗品。
【請求項2】
前記加熱要素は、誘導加熱要素である、請求項1に記載の消耗品。
【請求項3】
前記加熱要素は、U字形状を形成するように前記基部部分のそれぞれの端部に配置された2つの細長い部分を含む、請求項1又は2に記載の消耗品。
【請求項4】
前記加熱要素は、前記基部部分及び前記複数の細長い部分の全体にわたって実質的に同様の断面を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項5】
前記エアロゾル生成基材は、固体材料であるか、又は前記柱状部分の周囲の包装体によって保持されたばら材料であり、前記加熱要素は、前記エアロゾル生成基材に埋め込まれる、請求項1~4のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項6】
前記基部部分は、前記柱状部分の開放端部に配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の消耗品を製造するためのシステムであって、
柱状部分を含む消耗品を受け入れるように適合された保持手段と、
前記保持手段に面するように配置された加熱要素駆動部であって、前記加熱要素駆動部は、加熱要素を前記柱状部分の端部に向けて駆動するように構成される、前記加熱要素駆動部と
を含む、システム。
【請求項8】
ドラムの周囲のそれぞれの割出位置に配置された複数の前記保持手段を含む前記ドラムであって、各保持手段はそれぞれの消耗品を受け取るように適合され、前記ドラムは割出回転を行うように構成される、前記ドラムと、
前記ドラムの周囲の第1の割出位置に面するように配置された加熱要素駆動部であって、前記加熱要素駆動部は、前記第1の割出位置において前記保持手段内にある消耗品の柱状部分の端部に向けて加熱要素を駆動するように構成される、前記加熱要素駆動部と
を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
エアロゾル生成基材の複数の柱状部分を収容して、前記複数の柱状部分を前記ドラムの周囲の第2の割出位置に向けて供給するように配置されたホッパーを更に含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の割出位置と前記第2の割出位置とは、異なる位置である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ドラムは、略水平軸を中心に回転するように配置され、前記第2の割出位置は最上部位置である、請求項
9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記保持手段は、前記それぞれの柱状部分が前記第2の割出位置において前記保持手段内に配置されたときから前記ドラムが所定数の割出位置の分だけ回転した後に、前記それぞれの柱状部分を落下させるように適合される、請求項
9~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記加熱要素駆動部は、ステープル打ち機である、請求項7~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
請求項1~6のいずれか一項に記載の消耗品を製造するための方法であって、
加熱要素駆動部に面するようにエアロゾル生成基材の柱状部分の端部を配置することと、
前記加熱要素駆動部を使用して、加熱要素を前記柱状部分の前記端部に向けて駆動することと
を含む、方法。
【請求項15】
吸入可能なエアロゾルを生成する方法であって、
前記加熱要素を駆動するように構成された駆動要素を含む加熱チャンバに、請求項1~6のいずれか一項に記載の消耗品を挿入することと、
前記吸入可能なエアロゾルを生成するために、前記加熱要素を使用してエアロゾル生成基材の前記柱状部分を加熱することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル生成装置用の消耗品に関する。消耗品は、吸入用のエアロゾルを生成するために、燃やすのではなく加熱すべき、タバコ又は他の好適なエアロゾル基材材料を含み得る。
【背景技術】
【0002】
(気化器としても知られる)リスク低減装置又はリスク修正装置の人気及び使用は、紙巻きタバコ、葉巻、シガリロ、及び巻きタバコなどの従来のタバコ製品の喫煙を止めようと望む常習的喫煙者を支援するための手助けとして、ここ数年で急速に成長している。従来のタバコ製品においてタバコを燃焼させるのとは対照的に、エアロゾル化可能物質を加熱又は加温する様々な装置及びシステムが利用可能である。
【0003】
一般に利用可能なリスク低減装置又はリスク修正装置は、基材加熱式エアロゾル生成装置又は加熱非燃焼式装置である。このタイプの装置は、湿った葉タバコ又は他の好適なエアロゾル化可能材料を典型的に含むエアロゾル基材を、典型的には150℃~300℃の範囲の温度に加熱することによってエアロゾル又は蒸気を生成する。エアロゾル基材を燃焼させたり燃やしたりするのではなく加熱することによって、ユーザが求める成分は含むが、燃焼及び燃やすことによる毒性及び発癌性のある副生成物は含まないエアロゾルが放出される。更には、タバコ又は他のエアロゾル化可能材料を加熱することによって生成されるエアロゾルは、ユーザにとって不快となり得る、燃焼及び燃やすことに起因する焦げた味又は苦味を典型的には含まない。したがって、基材は、煙及び/又は蒸気をユーザにとってより口当たりの良いものにするためにそのような材料に典型的に添加される糖及び他の添加物を必要としない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
改善されたエネルギー効率でエアロゾルを生成でき及び簡単に製造できる消耗品を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本開示は、エアロゾル生成装置用の消耗品であって、エアロゾル生成基材の柱状部分と、柱状部分に埋め込まれた加熱要素とを含み、加熱要素は、基部部分と、基部部分から柱状部分に沿って延びる複数の細長い部分とを含み、加熱要素は、基部部分に加えられた力によって柱状部分に向けて駆動されるように適合される、消耗品を提供する。
【0006】
任意選択で、加熱要素は、誘導加熱要素である。
【0007】
任意選択で、加熱要素は、U字形状を形成するように基部部分のそれぞれの端部に配置された2つの細長い部分を含む。
【0008】
任意選択で、加熱要素は、基部部分及び複数の細長い部分の全体にわたって実質的に同様の断面を有する。
【0009】
任意選択で、加熱要素は、基部部分と複数の細長い部分とを形成するように屈曲されたワイヤである。
【0010】
任意選択で、エアロゾル生成基材は、固体材料であるか、又は柱状部分の周囲の包装体によって保持されたばら材料であり、加熱要素は、エアロゾル生成基材に埋め込まれる。
【0011】
任意選択で、基部部分は、柱状部分の開放端部に配置される。
【0012】
第2の態様によれば、本開示は、上記で説明したような消耗品を製造するためのシステムであって、柱状部分を含む消耗品を受け入れるように適合された保持手段と、保持手段に面するように配置された加熱要素駆動部であって、加熱要素駆動部は、加熱要素を柱状部分の端部に向けて駆動するように構成される、加熱要素駆動部とを含む、システムを提供する。
【0013】
任意選択で、システムは、ドラムの周囲のそれぞれの割出位置に配置された複数の保持手段を含むドラムであって、各保持手段はそれぞれの消耗品を受け取るように適合され、ドラムは割出回転を行うように構成される、ドラムと、ドラムの周囲の第1の割出位置に面するように配置された加熱要素駆動部であって、加熱要素駆動部は、第1の割出位置において保持手段内にある消耗品の柱状部分の端部に向けて加熱要素を駆動するように構成される、加熱要素駆動部とを含む。
【0014】
任意選択で、システムは、エアロゾル生成基材の複数の柱状部分を収容して、複数の柱状部分をドラムの周囲の第2の割出位置に向けて供給するように配置されたホッパーを更に含む。
【0015】
任意選択で、第1の割出位置と第2の割出位置とは、異なる位置である。
【0016】
任意選択で、ドラムは、略水平軸を中心に回転するように配置され、第2の割出位置は最上部位置である。
【0017】
任意選択で、保持手段は、それぞれの柱状部分が第2の割出位置において保持手段内に配置されたときからドラムが所定数の割出位置の分だけ回転した後に、それぞれの柱状部分を落下させるように適合される。
【0018】
任意選択で、加熱要素駆動部は、ステープル打ち機である。
【0019】
第3の態様によれば、本開示は、上記で説明したような消耗品を製造するための方法であって、加熱要素駆動部に面するようにエアロゾル生成基材の柱状部分の端部を配置することと、加熱要素駆動部を使用して、加熱要素を柱状部分の端部に向けて駆動することとを含む、方法を提供する。
【0020】
第4の態様によれば、本開示は、吸入可能なエアロゾルを生成する方法であって、加熱要素を駆動するように構成された駆動要素を含む加熱チャンバに、上記で説明したような消耗品を挿入することと、吸入可能なエアロゾルを生成するために、加熱要素を使用してエアロゾル生成基材の柱状部分を加熱することとを含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1D】加熱要素の異なる例における消耗品の端部の概略図である。
【
図1E】加熱要素の異なる例における消耗品の端部の概略図である。
【
図3】消耗品を製造するためのシステムの概略図である。
【
図4A】エアロゾル生成装置の例における使用時の消耗品の概略図である。
【
図4B】エアロゾル生成装置の例における使用時の消耗品の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1Aは、本発明の実施形態による消耗品を概略的に図示する。
【0023】
図1Aを参照すると、消耗品100は、エアロゾル生成基材の柱状部分110を含む。概して、エアロゾル生成装置の消耗品は、一方向(
図1Aではz方向と表示されている)に比較的長く、「長手」方向に対して垂直な比較的小さな断面を有する。かかる消耗品では、「柱状」部分は「長手」方向に沿って延びる部分を指す。このような消耗品についての言及は本発明を説明するのに便利であるが、本発明は、そのような「長手」方向が分からない消耗品にも等しく適用可能であり、その場合、「柱状」部分は、エアロゾル生成基材の任意の部分であり得る。
【0024】
柱状部分は、例えば、固体のエアロゾル基材材料、又は柱状部分の周囲の包装体によって保持されたばらのエアロゾル基材材料を含み得る。エアロゾル基材は、例えば、刻みタバコ及び粒状タバコなどの様々な形態のタバコ材料を含み得、並びに/又はタバコ材料は、タバコ葉及び/又は再構成タバコを含み得る。包装体は、例えば、紙及び/又は他の織物材料を含み得る。包装体はまた、様々な有機材料及び/又は無機材料を含み得る。
【0025】
加熱要素120は、柱状部分110に埋め込まれる。加熱要素120は、好ましくは、エアロゾル生成基材自体に埋め込まれるが、代替的に、エアロゾル生成基材に隣接していてもよい。例えば、加熱要素120は、エアロゾル生成基材と包装体との間に位置し得る。加熱要素120は、例えば、電磁誘導によってエネルギーを受け取り、受け取ったエネルギーを放散して加熱を行うように構成された誘導加熱要素(サセプタとも呼ばれる)であり得る。代替的に、加熱要素120は、電流によってエネルギーを受け取るように構成された導電性加熱要素であり得る。加熱要素は、典型的には、アルミニウム、鉄、合金鋼、銅などの金属材料、及び/又はグラファイト、炭化ケイ素などの非金属材料を含む、導電性材料を含み得る。
【0026】
図1Aに示すように、消耗品100は、フィルタ130と柱状部分110との間に管セクション140を更に含み得る。管セクションは、生成されたエアロゾルが消耗品の口側端部に達する前に冷却されることを可能にするために使用することができる。
【0027】
図1Bには、加熱要素120の第1の例の詳細が示されている。
【0028】
図1Bを参照すると、加熱要素120は、基部部分121と、基部部分120から延びる複数の細長い部分122a、122bとを含む。柱状部分110に埋め込まれたときに、細長い部分は、柱状部分に沿って延びるように配置される。すなわち、細長い部分は、柱状部分の「長手」方向に沿って延びるように配置される。
【0029】
このような細長い部分の配置では、誘導加熱要素は、柱状部分をソレノイドで取り囲むことによって簡便に電力供給され得る。かかる配置では、ソレノイドの磁界は、細長い部分に対して平行にすることができ、細長い部分の表面領域の周囲に電流を誘導する。更に、加熱要素が誘導加熱要素でないとしても、細長い部分を柱状部分に沿って配置することによって、エアロゾル基材の加熱の均一性が改善される。
【0030】
また、このような基部部分と複数の細長い部分との配置は、加熱要素が、(後に説明する、
図2に示すように)基部部分121に加えられた力によって柱状部分110に向けて駆動されるように適合されることを意味する。特に、基部部分121は、駆動のための表面を提供し、その一方で、細長い部分122a、122bは、基部部分121よりも低抵抗で柱状部分110を貫通するように配置される。
【0031】
図1Bの例では、加熱要素120は、2つの細長い部分122a、122bを有し、これらの細長い部分は、U字形状を形成するように基部部分121のそれぞれの端部に配置される。基部部分に沿ってできる限り離れる方向に広げられた少なくとも2つの細長い部分を使用することには、加熱要素120が柱状部分110に打ち込まれるときに加熱要素120を安定させる効果があり、細長い部分122の数が増加することによって、加熱要素120に必要な材料の量が増加する。それゆえ、U字形状によって、加熱要素を駆動するときの安定性の要件と、加熱要素に必要な材料の量を低減する要件とのバランスが保たれる。
【0032】
加熱要素120は、有利には、基部部分及び複数の細長い部分の全体にわたって実質的に同様の断面を有し得る。このことは、加熱要素を形成するために、実質的に均一な断面を有する長尺材料の使用を可能にすることによって、加熱要素120の製造を簡略化する。追加的に、基部部分及び細長い部分の実質的に同様の断面とは、電流が細長い部分の表面上で実質的に均一であり、加熱要素による熱分布の均一性が高まることを意味する。
【0033】
より好ましくは、加熱要素120は、基部部分と複数の細長い部分とを形成するように屈曲されたワイヤから形成され得る。例えば、
図1Cは、ワイヤから形成された3つの細長い部分を有する加熱要素120の第2の例を示す。ワイヤの端部は、中央の細長い部分122bを形成し、ワイヤの中央部分は、外側の細長い部分122a、122cと基部部分121とを形成するように屈曲される。ワイヤを屈曲することによって、基部部分及び細長い部分のいずれかを互いに取り付ける必要がなくなり、したがって、加熱要素120の製造が更に簡略化される。
【0034】
図1Dは、
図1Aのz方向がページ内に延びる端部から見た、
図1Aの消耗品を回転させた図である。
図1Dは、柱状部分110の端部を横切って延びる加熱要素の基部部分121を図示し、その一方で、細長い部分(図示せず)は、基部部分から柱状部分110内に延びる。
【0035】
図1Eは、加熱要素120の更なる例についての、
図1Dと同じ視点からの図である。この例では、基部部分121は十字形状を有し、細長い部分(図示せず)は、十字形状の4つの端部の各々から延びる。この例では、十字形状は、実質的に均一な断面を有する長尺材料を複数回屈曲させて細長い部分と基部部分とを形成することによって形成された十字形状を表すので、僅かに歪んでいる。2次元配置の細長い部分を支持できる基部部分を提供することによって、加熱要素が柱状部分に打ち込まれるときの加熱要素の安定性が改善され、柱状部分への熱供給の均一性が改善される。
【0036】
図1Aに戻ると、基部部分121は、好ましくは、柱状部分110の開放端部に配置される。一般的な消耗品設計では、消耗品は、消耗品の口側端部にフィルタ130を含む。かかる設計では、開放端部は、口側端部とは反対側にある。このような加熱要素120の配置は、加熱要素120がほぼ完全な消耗品に最後に追加され得ることを意味する。
【0037】
より具体的には、
図1Aでは、基部部分121は、柱状部分110の開放端部に近接しているが、実際には埋め込まれておらず、その一方で、細長い部分はほぼ完全に埋め込まれている。代替的に、加熱要素120は、エアロゾル生成基材への熱供給の効率を改善するために、柱状部分110に完全に埋め込まれ得る。
【0038】
また、フィルタ130などの消耗品の他の任意の要素の組み付け前に加熱要素120が柱状部分110に追加される場合には、基部部分121は、完全に製造された時点で最終的に消耗品の口側端部により近接する柱状部分110の端部に打ち込まれ、配置され得る。
【0039】
他の消耗品では、消耗品にフィルタは含まれず、「開放端部」は、柱状部分のいずれの端部であってもよい。
【0040】
図2は、上記で説明したような消耗品を製造するための方法を図示する。
【0041】
図2に示すように、(フィルタ130を含む既に消耗品の一部であり得る)柱状部分110は、端部が加熱要素駆動部200に面した状態で配置される。次いで、加熱要素駆動部200は、加熱要素120を柱状部分110の端部に向けて駆動するために使用される。
【0042】
加熱要素駆動部200は、上記で説明したように加熱要素120を保持し駆動するように適合された、従来のステープル打ち機又は釘打ち機と同様であり得る。
【0043】
柱状部分110は、加熱要素120が柱状部分に打ち込まれる間に加熱要素120を加熱要素駆動部200によって保持できるように、加熱要素駆動部200に直接隣接して配置され得る。代替的に、柱状部分110は、衝突時に加熱要素が柱状部分に打ち込まれるように基部部分121に加えられた十分な力で加熱要素120を発射することによって、加熱要素駆動部200が加熱要素120を柱状部分に向けて駆動するように、加熱要素駆動部200から距離をおいて配置され得る。
【0044】
簡単な実施形態では、この方法は、手持ち式の加熱要素駆動部200を使用することによって及び/又は加熱要素駆動部200に面するように柱状部分110を保持することによって手作業で行われ得る。
【0045】
代替的に、方法は、保持手段に面するように配置され及び柱状部分110又は柱状部分110を含む消耗品100を受け入れるように適合された保持手段に加えて、加熱要素駆動部200を含むシステムによって行われ得る。
図3には、かかるシステム例が概略的に示されている。
【0046】
図3の例では、システムはドラム300を含む。ドラムは、ドラムの周囲のそれぞれの割出位置に配置された複数の保持手段310a、310b、310cを有し、各保持手段は、(既に消耗品の一部であり得る)それぞれの柱状部分110を保持するように適合される。保持手段は、例えば、ドラムの外表面における窪み又は溝であり得る。この例では、柱状部分110の「長手」方向(
図1のz方向)の長さと少なくとも同じ長さの溝が設けられ、柱状部分110が溝に沿って保持される。保持手段は各々、任意選択で、柱状部分110を能動的に保持し解放するためのアクチュエータを有し得る。
【0047】
加熱要素駆動部200は、ドラム300の第1の割出位置に面するように静的に配置される。ドラム300は、ドラム300の各回転時に、新たな保持手段(したがって新たな柱状部分)が、加熱要素駆動部200に面する第1の位置に配置されるように、割出回転を行うように構成される。
【0048】
例えば、
図3に図示するドラム300は、等間隔に配置された12個の保持手段310a、310b、310cを有する。この例では、ドラムの各割出回転は、完全な回転の12分の1である。より一般的には、ドラムは任意の数の保持手段を有し得、ドラムの回転が保持手段の位置に応じて制御される限り、保持手段はドラムの周囲に等間隔に配置される必要はない。
【0049】
このシステムでは、本発明による複数の消耗品は、ドラム300が1つの位置の分だけ回転することと、加熱要素駆動部200が、現時点で第1の位置にある柱状部分110に向けて加熱要素120を駆動することとを繰り返すことによって製造することができる。
【0050】
加熱要素120の欠落した柱状部分110は、ホッパー400を使用してドラム300に追加することができる。より具体的には、ホッパー400は、複数の柱状部分110を収容して、複数の柱状部分110をドラム300の周囲の第2の割出位置に向けて供給するように配置され得る。この実施形態では、柱状部分110は、それぞれの各保持手段が、ホッパー400に隣接する第2の位置にあるときに、それぞれの保持手段310a、310b、310c内に1つずつ供給される。
【0051】
第2の位置は、加熱要素駆動部200に関連付けられた第1の位置と同じであり得る。しかしながら、第2の位置は、好ましくは、第1の位置と異なる。加熱要素駆動部200及びホッパー400を異なる割出位置に隣接して配置することによって、柱状部分110は、加熱要素120の適用前に、それぞれの保持手段310a、310b、310c内により長い時間留まる。これにより、ホッパー400の動作及び加熱要素駆動部200の動作のタイミングを制御するのに必要とされる精度が引き下げられる。
【0052】
各柱状部分110は、重力を利用してドラムに追加することができる。これは、略水平軸を中心に回転するようにドラム300を配置することによって、及びドラム300の周囲の最上部位置又はその近傍にある第2の位置に向けて柱状部分110を供給するようにホッパー400を配置することによって達成することができる。各柱状部分110は、第2の割出位置において保持手段の開口部からそれぞれの保持手段310内に入る。この例では、ホッパー400は、柱状部分110がそれぞれの保持手段310内に柱状部分110の「長手」方向(
図1のz方向)に対して垂直に入るように、各柱状部分110を供給するように配置される。
【0053】
各柱状部分110(又は完全な消耗品)は、加熱要素120の追加後に、重力を利用してドラム300から同じように取り出すことができる。これは、それぞれの柱状部分110が第2の割出位置において保持手段310内に配置されたときからドラム300が所定数の割出位置(すなわち、
図3の垂直方向から所定数の位置)の分だけ回転する間に、保持手段310が柱状部分110を支持し、その後、柱状部分が保持手段310から開口部を通って再び落下することを可能にするように、各保持手段310の開口部を適合させることによって達成することができる。例えば、保持手段は、柱状部分が垂直位置から120°回転するまで保持手段内に安定して保持されるように、及び保持手段がドラムの周囲の垂直方向から120°を超えると柱状部分が保持手段から落下するように、受動的に形成されるか又は能動的に制御され得る。
【0054】
別の例では、改良されたドラム300’は、略垂直軸を中心に回転するように配置され、重力下で供給され及び/又は空にされ得る。この例では、柱状部分110(又は完全な消耗品)は、柱状部分110の「長手」方向(
図1のz方向)に平行にドラム300’内に入り及び/又はドラム300’から出ることができる。例えば、改良された供給装置400’は、第2の割出位置の上方に位置決めされ、各柱状部分110が「長手」方向に平行にドラム300内に入るように柱状部分110を縦向きに供給するように構成され得る。同様に、ドラム300’は、第3の割出位置においてそれぞれの保持手段310から柱状部分110を解放するように適合され得る。これは、回転せず及び柱状部分110が重力下で保持手段310から落下することを可能にするために第3の割出位置に孔を有する、中実板をドラム300’の下に設けることによって達成され得る。
【0055】
システムは、加熱要素駆動部200、ドラム300及びホッパー400のうちの1つ又は複数を自動的に制御するように構成された電子コントローラを更に含み得る。システムは、例えば、柱状部分110が、現時点で第1の位置に配置されている保持手段内に存在するかどうかを検出するように、及び/又は保持手段内の柱状部分110が柱状部分110に埋め込まれた加熱要素120を既に有しているか否かを検出するように構成された、1つ又は複数のセンサを更に含み得る。システムは、代替的に、人間の操作者によって操作され得る。
【0056】
システムの他の実施形態では、ドラム300は、複数の保持手段を含むコンベアベルトに置き換えることができる。システムは、それ以外の点では、コンベアベルトに沿った第1の位置に面するように配置された加熱要素駆動部200と、柱状部分110をコンベアベルトに沿った第2の位置に向けて供給するように配置されたホッパー400とを備えた、同様のものとすることができる。
【0057】
更に、他の実施形態では、システムは、1つ又は複数の加熱要素駆動部200をドラム300(又はコンベアベルト)に取り付けることによって、段階的な動きなしに、連続して動作するように適合させることができる。
【0058】
図4A及び
図4Bは、エアロゾルを生成するための上記で説明したような消耗品の使用例を示す。
【0059】
図4Aは、エアロゾル生成装置500内の消耗品100を概略的に図示する。
【0060】
エアロゾル生成装置500は、消耗品100の加熱要素120を駆動するように構成された駆動要素520を含む加熱チャンバ510を含む。この例では、駆動要素520は、加熱チャンバ510内に磁界を生成するように配置されたソレノイドコイルである。磁界は、加熱要素120に電流を誘導して、エアロゾル基材110の柱状部分の加熱を行う。
【0061】
吸入可能なエアロゾルを生成するために、ユーザは、加熱チャンバ510に消耗品100を挿入し、吸入可能なエアロゾルを生成するために、加熱要素120を使用して柱状部分110を加熱し得る。
【0062】
この例では、消耗品100は、フィルタ130又は管セクション140を有しない。そのような簡単な消耗品は、例えば、エアロゾル生成装置自体が、マウスピース及びフィルタ(図示せず)であって、これらから、ユーザが、生成されたエアロゾルを得ることができる、マウスピース及びフィルタを有する場合に使用され得る。
【0063】
図4Bは、第2のエアロゾル生成装置600内の消耗品100を概略的に図示する。
【0064】
エアロゾル生成装置600はまた、加熱チャンバ610と駆動要素620とを含む。しかしながら、この例では、駆動要素620は、加熱要素に電流を流すために柱状部分110を貫通して加熱要素120に電気的に接触するように配置された穿刺要素を含む。駆動要素620は、消耗品を加熱チャンバ610に追加し及び消耗品を加熱チャンバ610から取り出すことを可能にするために格納可能であり得る。
【0065】
吸入可能なエアロゾルを生成するために、ユーザは、加熱チャンバ610に消耗品100を挿入し、吸入可能なエアロゾルを生成するために、加熱要素120を使用して柱状部分110を加熱し得る。