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特許7609876手持ち工作機械を案内するためのガイドレール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】手持ち工作機械を案内するためのガイドレール
(51)【国際特許分類】
   B27B 9/04 20060101AFI20241224BHJP
   B27G 19/02 20060101ALI20241224BHJP
   B23D 45/16 20060101ALI20241224BHJP
   B23D 47/00 20060101ALI20241224BHJP
   B27B 9/00 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
B27B9/04
B27G19/02 C
B23D45/16
B23D47/00 C
B23D47/00 Z
B27B9/00 A
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022539156
(86)(22)【出願日】2021-01-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 EP2021050092
(87)【国際公開番号】W WO2021144167
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2023-12-06
(31)【優先権主張番号】102020100574.1
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518361790
【氏名又は名称】フェスツール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ヘルダーレ、ルディガー
(72)【発明者】
【氏名】シェアラウス、ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】コバーチ、オンドジェイ
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-196853(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2974824(EP,A2)
【文献】特開2009-178943(JP,A)
【文献】実開昭54-147893(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第101352768(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27B 9/04
B27G 19/02
B23D 45/16
B23D 47/00
B27B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち工作機械(20)、特に鋸引き機(21)を案内するためのガイドレールであって、前記手持ち工作機械(20)が駆動モータ(23)と、前記駆動モータ(23)によって駆動される作業工具(25)と、前記作業工具(25)、特に鋸刃(26)を解放する開位置(O)と、前記作業工具(25)を少なくとも部分的に覆うカバー位置(A)との間で調節可能な、前記作業工具(25)のための保護カバー(30)と、を有し、前記ガイドレール(60)のレール体(61)が、中心平面(MI)に対して互いに反対側に、土台、特にワークピース(W)上に載せるための載置面(62)、及び前記手持ち工作機械(20)を案内するために設けられたガイド面(63)を有し、前記ガイド面に、前記手持ち工作機械(20)をガイド軸(F)に沿って案内するためのガイド輪郭(50)が配置され、それにより前記手持ち工作機械(20)の前記作業工具(25)が、前記ガイド軸(F)に対して平行に案内され、前記レール体(61)の長手方向細幅面(65)の隣で作業方向(AR)に前記ワークピース(W)に切り込むことができ、前記ガイドレール(60)が、前記ガイド軸(F)に沿って前記手持ち工作機械(20)が移動する場合に、前記保護カバー(30)を前記開位置(O)に調節するための、少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)を含むストッパアセンブリ(80)を有する、ガイドレールにおいて、前記少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)を、前記レール体(61)において前記保護カバー(30)を前記開位置(O)の方向に操作するように設けられた停止位置(AS)と、前記カバー位置(A)の方向に調節するために前記保護カバー(30)を解放するように設けられた解放位置(FS)との間で調節可能であり、前記開口ストッパ(81、91)は、前記停止位置(AS)にあるときに、前記レール体(61)の前記中心平面(MI)に対して平行の方向成分で、前記解放位置(FS)にあるときよりも大きく前記レール体(61)の前記長手方向細幅面(65)の前に突出することを特徴とする、ガイドレール。
【請求項2】
前記少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)が、前記停止位置(AS)と前記解放位置(FS)との間で変位可能であり、及び/又は少なくとも1つの旋回軸(SQ、SF)を中心に前記レール体(61)に対して旋回運動可能であり、前記旋回軸(SQ、SF)は、前記ガイド軸(F)に対して平行であるか、あるいは前記ガイド軸(F)に対して斜め又は横向き、特に直角に横向きに延びる、請求項1に記載のガイドレール。
【請求項3】
前記ストッパアセンブリ(80)が、少なくとも2つの開口ストッパ(81、91)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガイドレール。
【請求項4】
前記少なくとも2つの開口ストッパ(81、91)は、前記解放位置(FS)と前記停止位置(AS)との間で調節するために、前記レール体(61)に対して同じ運動自由度又は異なる運動自由度で前記レール体(61)に支承される、ならびに/あるいは前記レール体(61)に対して変形可能であることを特徴とする、請求項2に記載のガイドレール。
【請求項5】
前記少なくとも2つの開口ストッパ(81、91)が、前記ガイド軸(F)に対して列配置で相前後して前記レール体(61)に配置されていることを特徴とする、請求項2、3、又は4のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項6】
前記開口ストッパ(81、91)が互いに固定接続されているか、又は運動結合されていることを特徴とする、請求項5に記載のガイドレール。
【請求項7】
前記少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)は、旋回軸受(83、93)を用いて前記ガイド軸(F)に対して平行の旋回軸(SF)を中心に前記停止位置(AS)と前記解放位置(FS)との間で旋回可能であるか、あるいは前記ガイド軸(F)に対して平行の旋回軸(SF)を中心に前記停止位置(AS)と前記解放位置(FS)との間で旋回可能又は変形可能な旋回区分(92B1)を有する開口ストッパ(81、91)を備えるか、あるいは開口ストッパ(81、91)によってなることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項8】
前記解放位置(FS)と前記停止位置(AS)との間の旋回調節又は変形するために、前記少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)が、長手方向凹部、特に溝、及び/又はフィルムヒンジ(94E)を有する、ならびに/あるいは可撓性であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項9】
前記ストッパアセンブリ(80)は、前記手持ち工作機械(20)が前記ガイドレール(60)で案内される場合に、前記手持ち工作機械によって前記停止位置(AS)から前記解放位置(FS)に調節可能な少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)を有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項10】
前記少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)は、特に前記手持ち工作機械(20)によって操作するため、及び/又は前記保護カバー(30)を操作するための操作傾斜(86A、86E)を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項11】
前記ストッパアセンブリ(80)が、ばねアセンブリ(87、97)によって前記停止位置(AS)の方向にばね負荷される少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項12】
前記開口ストッパ(81、91)の前記ばねアセンブリ(87、97)のばね力は、前記開口ストッパ(81、91)を前記解放位置(FS)に調節するという意味で作用する、前記ガイドレールとともに動作するように設けられている前記手持ち工作機械(20)の前記保護カバー(30)の力、特にばね力及び/又は重量の力よりも小さいことを特徴とする、請求項11に記載のガイドレール。
【請求項13】
前記少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)は、前記ガイドレール(60)が前記ワークピース(W)上に載る場合に、前記ワークピース(W)によって前記開口ストッパ(81、91)を前記停止位置(AS)の方向に操作するための操作面(98)を有することを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項14】
前記少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)が、前記ガイドレール(60)の前記長手方向細幅面(65)に沿って延在する細長いストッパ体(82、92)、及び/又は前記ガイドレール(60)の前記長手方向細幅面(65)に沿って配置された複数のストッパ体(82、92)の列配置を備えることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項15】
前記ストッパ体(82、92)が、弾性及び/又は可撓性の材料、特にゴム又はプラスチックからなる、ならびに/あるいはヒンジ区分、特にフィルムヒンジ(94E)を有することを特徴とする、請求項14に記載のガイドレール。
【請求項16】
前記ストッパアセンブリ(80)が、前記ガイド軸(F)に対して相前後して配置された剛性の異なる区分を有する開口ストッパ(81、91)、及び/又は前記ガイド軸(F)に対して少なくとも2つの相前後して配置された剛性の異なる開口ストッパ(81、91)を有することを特徴とする、請求項1~15のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項17】
前記ストッパアセンブリ(80)は、前記ガイド軸(F)に対して平行に延在する剛性の支持区分(89E)を含む開口ストッパ(81、91)を有し、前記開口ストッパの、作業方向(AR)で前の長手方向端が、前記支持区分(89E)の前長手方向端が前記ワークピース(W)上に載る場合に、前記ワークピース(W)の前に自由に突出する、かつ前記ワークピース(W)によって支持されない前記支持区分(89E)の後長手方向端が、前記停止位置(AS)に保持するために支持されるように、前記ワークピース(W)上に載るように設けられていることを特徴とする、請求項1~16のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項18】
前記少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)は、前記作業工具(25)によって前記ワークピース(W)に導入された切断縁に、前記ワークピース(W)上に載せるため、及び前記ワークピース(W)の引き裂きを阻止するための引き裂き防止エッジを有することを特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項19】
前記少なくとも1つの開口ストッパ(81、91)は、前記作業工具(25)によって切り取るように設けられた刃区分(96S)を有し、前記刃区分は、前記ガイドレール(60)の最初の使用時に、前記作業工具(25)が前記ガイドレール(60)に沿いに前記ガイド軸(F)に沿って案内される場合に、前記作業工具(25)によって切り取られることを特徴とする、請求項1~18のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項20】
前記保護カバー(30)を操作する物体が前記レール体(61)の長手方向細幅面(65)の前に突出しない当接領域(66B)を有し、それにより前記保護カバー(30)は、前記手持ち工作機械(20)が前記当接領域(66B)に配置された場合に、前記解放位置(FS)と前記カバー位置(A)との間を自由に可動であることを特徴とする、請求項1~19のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項21】
前記手持ち工作機械(20)の後方係合相手輪郭(52)に係合するための少なくとも1つの後方係合輪郭(72)を有し、それにより前記手持ち工作機械(20)が、前記ガイドレール(60)の前記中心平面(MI)に対して法線方向(N)に前記ガイドレール(60)に保持されること、ならびに/あるいは、前記作業方向(AR)又は前記作業方向(AR)とは逆の移動の場合に、前記手持ち工作機械(20)が打ち当たるための、前記ガイド軸(F)に対して少なくとも1つの長手方向端ストッパ(78A、78B)を有すること、を特徴とする請求項1~20のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項22】
前記ガイドレール(60)の、作業方向(AR)で後の長手方向端領域の方向に前記手持ち工作機械(20)を調節するための、ばね負荷された戻し装置(75)を有することを特徴とする、請求項1~21のいずれか1項に記載のガイドレール。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか1項に記載のガイドレールと、手持ち工作機械(20)、特に振り子フード鋸とを備える、システム。
【請求項24】
保護カバー(30)がそのカバー位置(A)の方向に保護カバーばねアセンブリ(36)によってばね負荷されていることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち工作機械を案内するためのガイドレールに関し、手持ち工作機械が駆動モータと、駆動モータによって駆動される作業工具と、作業工具を解放する開位置と、作業工具を少なくとも部分的に覆うカバー位置との間で調節可能な、作業工具のための保護カバーと、を有し、ガイドレールのレール体が、中心平面に対して互いに反対側に、土台、特にワークピース上に載せるための載置面、及び手持ち工作機械を案内するために設けられたガイド面を有し、ガイド面に、手持ち工作機械をガイド軸に沿って案内するためのガイド輪郭が配置され、それにより手持ち工作機械の作業工具が、ガイド軸に対して平行に案内され、レール体の長手方向細幅面の隣で作業方向にワークピースに切り込むことができ、ガイドレールは、ガイド軸に沿って手持ち工作機械が移動する場合に、保護カバーを開位置に調節するための、少なくとも1つの開口ストッパを含むストッパアセンブリを有する。
【背景技術】
【0002】
このようなガイドレールは、例えば独国特許出願公開第102014010486号明細書に記載されている。実際には、システムは、例えばいわゆるクロスカットレールとして形成されている。手持ち工作機械は、例えば、保護カバーとしての振り子フード付きの振り子フード鋸である。手持ち工作機械をガイドレールに沿って、すなわちガイド軸に沿って作業方向に前方に移動させた場合、開口ストッパは、作業工具、例えば鋸刃がワークピースに切り込むことができる程度にまで保護カバーを開く。開口ストッパは、例えばワークピース及び/又はゴムリップによって形成され、ワークピースに切り込む際に鋸刃がその傍らを移動し、その場合、同時に保護カバーを開くか、又は開状態に保持するという意味で、保護カバーがゴムリップに打ち当たる。手持ち工作機械が作業方向とは逆に後方に動かされると、保護カバーは、ガイドレールの一部にしか延在しないゴムリップとの係合から外れ、それにより保護カバーが再び閉じる。ガイドレールと手持ち工作機械との間のばねアセンブリは、ゴムリップのないガイドレールの領域に向かって作業方向とは逆に移動するという意味で、手持ち工作機械とガイドレールに負荷をかけ、その場合、保護カバーは再びカバー位置に達することができる。それによって操作者が保護される。
【0003】
しかし、実際には、ガイドレールと手持ち工作機械とからなるシステムは、開口ストッパが保護カバーを開いたままにしなくなる出発位置の方向に十分に迅速に到達しないという問題が生じ得る。その場合、作業工具が覆われない状態となり、操作者を負傷させる可能性がある状況が生じ得る。
【0004】
独国特許出願公開第10220363号明細書から、ガイドレールに当接された加工機械を旋回させることができるようにするために、部分的にフレキシブルに、又は薄く形成されているガイドレールが知られている。
【0005】
特開2009-178943号公報は、ワークピースに取り付けることができるガイドレール及び電動鋸に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】独国特許出願公開第102014010486号明細書
【文献】独国特許出願公開第10220363号明細書
【文献】特開2009-178943号公報
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の課題は、改良されたガイドレールを提供することである。
【0008】
上記課題を解決するために、冒頭で述べた種類のガイドレールにおいて、少なくとも1つの開口ストッパを、レール体において保護カバーを開位置の方向に操作するように設けられた停止位置と、カバー位置の方向に調節するために保護カバーを解放するように設けられた解放位置との間で調節可能であり、開口ストッパは、停止位置にあるときに、レール体の中心平面に対して平行の方向成分で、解放位置にあるときよりも大きくレール体の長手方向細幅面の前に突出することが企図されている。
【0009】
作業工具は、例えば鋸刃、切断ディスク、又はその他の切断工具、又はそれに類するものである。レール体は、殊に金属、特にアルミニウムからなる。ガイドレールのレール体は、殊に押出成形部品として形成されている。
【0010】
開口ストッパは、解放位置と停止位置との間で調節可能にレール体に配置又は支承されている。
【0011】
すなわち開口ストッパは、停止位置ではガイド面又は載置面に対して平行の平面、中心平面上でガイド軸に対して横向きに長手方向細幅面の前に突出する。例えば、開口ストッパを、細幅のストッパ突出部、フック、細長いストッパ、特に細長いストッパ面、又はそれに類するもののように形成することができる。保護カバーは、例えば手持ち工作機械をガイドレールに沿って作業方向に動かした場合にストッパに打ち当たる。
【0012】
少なくとも1つの開口ストッパが停止位置と解放位置との間でレール体に対して少なくとも1つの旋回軸を中心に旋回可能である場合が有利である。旋回軸は、殊にガイド軸に対して平行であるか、又はガイド軸に対して横向き、特に直角に横向きである。旋回軸が、ガイド軸に対して平らな、及び斜めの角度で延びることも問題なく可能である。複数の開口ストッパが設けられている場合、これらが互いに異なる旋回軸を中心に、例えばある開口ストッパは、ガイド軸に対して平行の旋回軸を中心に、別の開口ストッパは、ガイド軸に対して横向き、例えば直角に横向きに延びる旋回軸を中心に旋回できることも可能である。
【0013】
開口ストッパが長手方向細幅面に沿って延在する、及び/又は細長い形態を有する場合、ガイド軸に対して平行の旋回軸が特に有利である。その場合、開口ストッパは、例えば停止位置から解放位置の方向にガイドレールの載置面に向かって、それらの長手方向細幅面からいわば離れる方向に旋回することができる。ガイドレールの典型的な使用位置では、この開口ストッパは下に向かって旋回する。
【0014】
ガイド軸に対して横向き、例えば直角に横向きの旋回軸は、特に、手持ち工作機械が作業方向でのガイドレールに沿う変位運動の開始時に、いわば保護カバーを初めて開くため、すなわちその開位置に調節するために開口ストッパが設けられている場合に有利である。
【0015】
しかしこれに代えて、少なくとも1つの開口ストッパが、停止位置と解放位置との間でレール体に対して変位可能、又は旋回変位可能な開口ストッパを備えることも可能である。開口ストッパは、例えば直線的に変位可能である。停止位置と解放位置との間で開口ストッパを調節するために旋回・スライド運動の重畳を提供することもできる。開口ストッパを、例えばスライダのようにレール体に支承することができ、これは、停止位置では、レール体の長手方向細幅面(Laengs-Schmalseite)の前に突出し、解放位置では、レール体の長手方向細幅面の方向に戻され、特にレール体の空洞に入り込む。
【0016】
少なくとも1つの開口ストッパ又はストッパアセンブリが2つ以上の開口ストッパを備えることもできる。
【0017】
殊に、同じ運動自由度の開口ストッパが設けられる。
【0018】
例えば、2つの開口ストッパを設けることができ、これらは両方ともガイド軸に対して平行の旋回軸を中心に、解放位置と開位置との間で旋回可能又は変形可能である。開口ストッパの旋回軸は、互いに同軸又は平行であり得る。例えばガイドレールの長手方向細幅面に沿う複数のこのような開口ストッパの配置は、ガイドレールのガイド軸又は長手軸で、ガイド軸に対して平行の旋回軸を中心に互いに独立してレール体に支承されている複数の、例えば2つの開口ストッパが設けられている場合に有利である。
【0019】
しかし、ストッパアセンブリが、停止位置と解放位置との間での調節のために、レール体に対して異なった運動自由度を有する2つ以上の開口ストッパを有することも企図され得る。2つの開口ストッパが設けられ、それらがレール体に相対して変形可能又は旋回可能である旋回軸が互いに角度をなし、特に直角である場合が特に有利である。例えば、一方の開口ストッパが、ガイド軸に対して平行の旋回軸を中心に旋回可能又は変形可能であり得るのに対して、もう一方の開口ストッパがガイド軸に対して角度をなす、特に直角の旋回軸を中心に旋回可能又は変形可能である。
【0020】
レール体に対して開口ストッパを旋回可能に支承するために、例えば軸受収容部又は軸受収容部に支承される軸受シャフトを有する旋回軸受が問題なく可能である。旋回軸受を、例えばピアノヒンジのように形成することもできる。
【0021】
さらに、開口ストッパが複数の旋回軸受、特にその旋回軸が互いに平行であるものを有することもできる。例えば、開口ストッパの区分は、例えばピアノヒンジのように互いに係合する軸受区分を有することができる。
【0022】
フィルムヒンジ又は可撓性(biegeflexibel)の、旋回軸に対して変形可能な接続体も、旋回軸受としてレール体に対して開口ストッパを旋回可能に支承することができる。
【0023】
しかし開口ストッパが、ガイド軸に対して平行の旋回軸を中心に停止位置と解放位置との間で旋回可能又は変形可能である旋回区分を有することもできる。
【0024】
解放位置と停止位置との間の旋回調節又は変形のために、少なくとも1つの開口ストッパが少なくとも1つの長手方向凹部、特に溝を有することが有利である。少なくとも1つの長手方向凹部は、殊にガイド軸に対して平行に延びる。複数の長手方向凹部、殊に互いに平行に延びる長手方向凹部が設けられていることが好ましい。長手方向凹部は、例えば長手方向溝、切欠き、又はそれに類するものとして形成されている。
【0025】
少なくとも1つの開口ストッパが、停止位置と解放位置との間の調節のために可撓性であるか、又は可撓性区分を有する場合も有利である。可撓性区分の材料又は開口ストッパの可撓性(Biegeflexibilitaet)は、全体として、例えばゴム、可撓性プラスチック、又はそれに類するものであり得る。特に、可撓性区分はフィルムヒンジとして形成されているか、又はフィルムヒンジを有する。
【0026】
ストッパアセンブリが、手持ち工作機械がガイドレールに沿って案内されている場合に、手持ち工作機械によって特に作業方向とは逆に停止位置から解放位置へ調節可能である少なくとも1つの開口ストッパを有する場合が有利である。この開口ストッパは、殊にレール体の中心平面に対して横向き、特に直角に横向きに延びる旋回軸を中心に旋回可能にレール体に、又はレール体に対して支承されている。特に、開口ストッパは、係止爪のように形成されている。しかし、手持ち工作機械が作業方向にガイドレールに沿って動く場合、又は手持ち工作機械がガイドレールに対して動かない場合も、開口ストッパが手持ち工作機械、特にその保護カバーの力の作用に抗するように支持されない、例えばワークピースによって支持されない場合に、手持ち工作機械によって停止位置から解放位置へ調節可能な少なくとも1つの開口ストッパが設けられている場合が有利である。
【0027】
さらに、少なくとも1つの開口ストッパが操作傾斜を有する場合が有利である。操作傾斜は、例えば、開口ストッパを、例えば手持ち工作機械によって停止位置から解放位置へ操作するために設けられている。さらに、開口ストッパの操作傾斜は、保護カバーを開位置の方向に操作するように設けることもできる。
【0028】
好ましい一実施形態は、ストッパアセンブリ又は少なくとも1つの開口ストッパが、ガイド軸に対して列配置でレール体に配置されている少なくとも2つの開口ストッパを有することを企図する。開口ストッパは、ガイド軸に対して相前後して配置されている。
【0029】
手持ち工作機械の保護カバーを開くための第1の開口ストッパと、作業方向で第1の開口ストッパの後に配置された、保護カバーを開位置に保持するための少なくとも1つの第2の開口ストッパが設けられていることが有利である。手持ち工作機械がガイドレールに沿って案内される場合に、第1の開口ストッパが保護カバーを開き、その場合、これが作業方向で次に作用する第2の開口ストッパで開状態に保持される。その場合、2つの開口ストッパは停止位置にある。当然のことながら、開口ストッパは、レール体において解放位置の方向に可動に支持されている。ここで、保護カバーを開位置に保持するために、複数の第2の開口ストッパ、すなわちガイド軸に対して平行の列方向に相前後して配置される複数の開口ストッパを設けることもできるということをさらに述べておきたい。少なくとも1つの第2の開口ストッパが解放位置に調節される場合、保護カバーはこれに打ち当たらなくなり、したがってカバー位置の方向に可動である。
【0030】
2つ以上の開口ストッパが列方向に相前後して配置されている場合、これらが互いに固定接続されるか、又は運動結合されている場合が有利である。それによって、第1の開口ストッパを解放位置又は停止位置に調節した場合に、第1の開口ストッパが第2の開口ストッパを解放位置の方向又は停止位置の方向に連行することが実現される。
【0031】
さらに、ストッパアセンブリの少なくとも1つの開口ストッパがばねアセンブリによって停止位置の方向にばね負荷されることが有利である。すなわち、それによってばねアセンブリが停止位置の方向に作用し、それにより開口ストッパは、基本的に保護カバーを操作するために停止位置にある。しかし開口ストッパを、ばねアセンブリのばね力に抗して、例えば手動で、又は手持ち工作機械によって、特にこれを作業方向とは逆に移動させた場合に、解放位置の方向に偏向させることができる。その場合、ストッパアセンブリが、ばねアセンブリによって停止位置の方向にばね負荷され、かつ第2の開口ストッパと固定接続されるか、又は運動結合されている第1の開口ストッパを有する場合が有利である。それによって、第1の開口ストッパのばねアセンブリによって第2の開口ストッパを停止位置の方向にばね負荷することができる。
【0032】
ばねアセンブリのばね力が、開口ストッパを解放位置に調節するという意味で作用する、ガイドレールとともに動作するように設けられている手持ち工作機械の保護カバーの力、特にばね力及び/又は重力の力よりも小さいことが企図されていることが有利である。すなわち、例えば保護カバーがカバー位置の方向にばね負荷されている、及び/又はその重量が開口ストッパにかかる場合、開口ストッパのばねアセンブリのばね力は、開口ストッパが、手持ち工作機械の保護カバーの荷重下で解放位置の方向に撓む(nachgeben)ように量定されている。
【0033】
ばねアセンブリの形態には様々な可能性がある。
【0034】
例えば、ばねアセンブリは、金属のばね、特にねじりばねを備えることができる。ねじりばねは、殊に、ばねアセンブリによって負荷される開口ストッパを停止位置と解放位置との間で調節可能な軸受要素、特に軸受の軸受ピンによって貫通される。
【0035】
弾力のある(federnd)特性又は弾力のある配置を提供するために、開口ストッパは弾性(Elastizitaet)も有し得る。例えば、ストッパアセンブリは、ばね弾性的区分を有するか、又はばね弾性的材料からなり、かつ停止位置にその通常位置を有し、解放位置へ弾性的に撓んで変形可能である開口ストッパを備える。
【0036】
ストッパアセンブリが、別々のばねアセンブリによって停止位置に負荷される2つ以上の開口ストッパを有することが問題なく可能である。ばねアセンブリは、同じ構造であってもよいし、互いに異なってもよい。例えば、一方のばねアセンブリが金属ばねを備えることができるのに対して、もう一方のばねアセンブリは開口ストッパの弾性によって形成される。
【0037】
少なくとも1つの開口ストッパを固定装置によって停止位置及び/又は解放位置に固定可能であることを企図することができる。固定装置は、例えばクランプねじ、保持爪、又はそれに類するものを備えることができる。特に、開口ストッパを、例えばガイドレールの輸送のため、特定の動作のため、又はそれに類することのために固定装置を用いて解放位置に恒久的に保持することが可能である。しかし、停止位置に固定することも有利であり得、すなわち、使用時に開口ストッパを定期的に利用できる。固定装置は、特に係止アセンブリを備えることができる。当然のことながら、停止位置又は解放位置への開口ストッパのばね負荷と、追加的な固定装置との組み合わせも問題なく可能である。
【0038】
さらに、ストッパアセンブリが、解放位置から停止位置への調節時、及び/又は保護カバーにより力をかけた場合に開口ストッパが打ち当たる相手ストッパが割り当てられた少なくとも1つの開口ストッパを有する場合が有利である。相手ストッパは、いわば当たり受け(Widerlager)である。例えば、保護カバーが、そのカバー位置から開位置への調節時に開口ストッパに打ち当たる場合に、相手ストッパが開口ストッパを支える。この開口ストッパが上記のばねアセンブリによって停止位置の方向にばね負荷されていることが有利である。
【0039】
開口ストッパの形態には多くの可能性があり、以下に、そのうちのいくつかについて説明する。
【0040】
有利には、例えば、開口ストッパがストッパフィンガ又はストッパロッド、係止爪、又はそれに類するもののように形成されることを企図することができる。開口ストッパは、例えば板状の形態を有することができる。
【0041】
有利なコンセプトは、少なくとも1つの開口ストッパ又は複数の開口ストッパが、ガイドレールがワークピース上に載る場合にワークピースによって開口ストッパを停止位置の方向に操作するための操作面を有することを企図する。例えば、ワークピースが開口ストッパをガイドレールの中心平面の方向に操作し、それによりこれが停止位置に達する。ガイドレールがワークピースから引き離されると、ワークピースが開口ストッパを停止位置に操作しなくなり、それにより開口ストッパが解放位置に達することができ、特に開口ストッパが自動的に解放位置にある。この実施形態は、特に、ガイド軸に対して平行の旋回軸を中心に解放位置と停止位置との間で旋回可能又は変形可能である開口ストッパの場合に有利である。操作面は、例えばガイドレールの載置面の隣に配置される。操作面は、開口ストッパが停止位置にある場合に、殊にガイドレールの載置面と同じ平面上に位置する。
【0042】
しかし、上記開口ストッパ又は開口ストッパを手動で停止位置及び/又は解放位置に操作することも企図され得ること、すなわちこの開口ストッパを手動で停止位置に調節できるということに言及しておく。開口ストッパが手動でのみ停止位置に調節できることも企図され得る。すなわち、操作者は、例えばワークピースに対するガイドレールの位置とは無関係に、開口ストッパを停止位置と解放位置との間で的確に調節することができる。
【0043】
さらに、少なくとも1つの開口ストッパに対して解放位置の方向に力がかけられ、例えばばねアセンブリによってばね負荷され、及び/又は、特に開口ストッパの自重によって生ぜしめられる重量の力によって負荷されることが有利である。この配置は、ガイドレールがその載置面で下に向く場合に、停止位置から解放位置に調節するという意味で重量の力が開口ストッパに作用するというように行われる。
【0044】
少なくとも1つの開口ストッパがガイドレールの長手方向細幅面に沿って延在する細長いストッパ体を備える場合が有利である。ストッパ体は、殊に弾性及び/又は可撓性の材料、例えばゴム、弾性プラスチック、又はそれに類するものからなるか、あるいはこのような材料を有する。特に、弾性又は可撓性の材料が旋回軸受区分の領域、又はストッパ体の旋回区分、ならびに/あるいはレール体の前に自由に突出する自由サイドエッジ又は細幅面の領域に設けられている場合が有利である。しかしストッパ体は、金属又は曲げに強い材料からなるか、又はこのような区分を有することもできる。
【0045】
さらに、ヒンジ区分、例えばフィルムヒンジを有するストッパ体が有利である。特に、弾性又は可撓性の材料からなる上記のストッパ体はヒンジ区分又はフィルムヒンジを有することができる。
【0046】
さらに、ガイドレールの長手方向細幅面に沿って配置された複数のストッパ体の列配置が開口ストッパとして設けられている実施形態が有利である。すなわち、ガイドレールの長手方向細幅面に沿って配置された少なくとも2つの開口ストッパを有する列配置が有利である。開口ストッパは、同じ材料又は異なる材料を有することができる。例えば、一方の開口ストッパが金属からなり、もう一方の開口ストッパがプラスチック又は可撓性材料からなり得る。開口ストッパは、列方向に重なり合うことができる。例えば、作業方向で第1の開口ストッパが、ガイド軸に対して、作業方向で第2の開口ストッパに覆い領域又は重なり領域で覆うか、又は重なることが可能である。覆い領域又は重なり領域において、2つの開口ストッパは、殊に互いに固定接続されている。しかし、ガイド軸に対して相前後して配置された開口ストッパが互いに完全に別々に、及び/又は互いに独立して可動にレール体に支承されていることも可能である。
【0047】
長手方向細幅面に沿って延在するストッパ体を有するガイドレールの実施形態は、複数のストッパ体、例えば少なくとも2つのストッパ体の列配置としての実施形態でも、有利には、ストッパ体が板状であることを企図する。
【0048】
ストッパアセンブリが、ガイド軸に対して異なった剛性(Biegesteifigkeit)を有するか、又はガイド軸に対して相前後して配置された、かつ異なった剛性を有する区分を有する開口ストッパを有する場合が有利である。例えば、開口ストッパは、ガイド軸に対して異なった材料から、例えば金属及びプラスチックからなる。さらに、開口ストッパがガイド軸に対して相前後して補強された区分と補強されない区分を有する場合が有利である。例えば、開口ストッパは、可撓性プラスチック又はゴムからなり、例えばより固いプラスチック材料、金属、又はそれに類するものによって補強された区分を有する。
【0049】
さらに、開口ストッパがガイド軸に対して少なくとも2つの相前後して配置された、異なる剛性を有する開口ストッパを有することが可能である。異なった剛性を有する開口ストッパが互いに固定接続又は結合されている場合が好ましい。
【0050】
ストッパアセンブリが、ガイド軸に対して平行に延在する剛性の支持区分を有する開口ストッパを備える場合が有利であり、支持区分の、作業方向で前の長手方向端は、支持区分の前長手方向端がワークピース上に載る場合に、ワークピースの前に自由に突出する、かつワークピースによって支持されない支持区分の後長手方向端が、停止位置で保持するために支持されるようにワークピース上に載るように設けられている。したがって、ワークピースによって支持されない後長手方向区分は、手持ち工作機械の保護カバーを開位置に付勢されるか、又は開位置に保持することができる。特に、この構成は、ガイドレールが、ワークピースの作業方向で後のワークピース面に対して斜めに当たるように設けられる場合が有利であり、この場合、後ワークピース面の長手方向軸とガイド軸とは直角でない。
【0051】
すなわち、その場合、開口ストッパが、作業方向に対して後方へ自由になり、すなわちワークピースによって停止位置の方向に支持されないが、それでも保護カバーを開くために停止位置にとどまるべきであるということになり得る。支持区分は、手持ち工作機械の保護カバーによって加えられる力に耐え、これを開位置に保持する。
【0052】
支持区分が、ガイドレールとともに使用するように企図された手持ち工作機械の保護カバーの、ガイド軸に対して長手方向の長さの少なくとも約50%、殊に長手方向長さの少なくとも約75%、殊に少なくとも約80%又は90%を有する場合が好ましい。
【0053】
支持区分は、例えば開口ストッパのストッパ体の金属補強によって形成されるか、又はこのような補強を有する。作業方向で支持区分の前に、支持区分に対して解放位置の方向に撓むストッパアセンブリ又は開口ストッパの区分が設けられている場合が好ましく、この区分は、手持ち工作機械の保護カバーによって力が加えられた場合に撓み、この撓んだ区分がワークピース上に載り、したがってワークピースによって停止位置に支持される。
【0054】
細長いストッパ体がガイドレールの長手方向細幅面に沿って延在する場合、以下に説明される引き裂き防止エッジが有利である。
【0055】
少なくとも1つの開口ストッパが、ワークピースに載せるため、及び作業工具によってワークピースに設けられた切断縁でワークピースが引き裂かれるのを阻止するための引き裂き防止エッジを有する場合が有利である。引き裂き防止エッジ、及び/又は引き裂き防止エッジを有する開口ストッパの区分が、ガイドレールの作業動作時にワークピース上に載り、いわばその上面に負荷をかけ、そのことが切断縁でのワークピースの引き裂きを防止する。
【0056】
引き裂き防止エッジは、ガイドレールの最初の使用時に、手持ち工作機械及びその作業工具との関連で作製されることが好ましい。有利には、少なくとも1つの開口ストッパが、作業工具によって切り取るために設けられた、ガイドレールの最初の使用時に作業工具がガイド軸に沿ってガイドレールに沿いに案内される場合に作業工具によって切り取られる刃区分(Schneideabschnitt)を有することが企図される。すなわち、例えば刃区分がプラスチック又はそれに類する他の競合する(streitbar)材料からなる場合に、作業工具、例えば鋸刃が、引き裂き防止エッジを作製するためにこの刃先区分を短くすることができる。
【0057】
さらに、ガイドレールが当接領域又は開始区分を有する場合が有利である。当接領域は、例えばワークピースにガイドレールを当接させるために用いられる。手持ち工作機械がガイドレールの当接領域又は開始区分に配置される場合、これはいわば鋸カット(Saegeschnitt)を実行するために準備されるか、又は開始ポジションにおかれる。当接領域又は開始区分において、保護カバーを操作する物体がレール体の長手方向細幅面の前に突出しない場合が好ましく、それにより保護カバーは、手持ち工作機械が当接領域又は開始区分に配置されている場合に、解放位置とカバー位置との間で自由に可動であり、例えば保護カバーばねアセンブリによってカバー位置へ調節可能である。開始区分又は当接区分には殊にストッパアセンブリの要素が配置されない。すなわち、それによりストッパアセンブリが、殊に当接領域又は開始区分とは異なる、ガイドレールのガイド軸に対して長手方向の区分にわたって延在する。ストッパアセンブリがガイドレールに沿って、当接領域又は開始領域を除いて、ワークピースに鋸カットを導入するのに適当なガイドレールの長さ全体にわたって、特にガイドレールの作業方向で前の長手方向端まで延在する場合が有利である。
【0058】
ガイドレールにおいて、手持ち工作機械の後方係合相手輪郭(Hintergreif-Gegenkontur)に係合するための1つ又は複数の後方係合輪郭(Hintergreif-Kontur)が設けられていることが有利である。後方係合輪郭及び後方係合相手輪郭は、互いに相補的である。これらは、互いに形状結合的に嵌合するが、互いに係合した状態で、ガイド軸に対して運動遊びを有する。後方係合輪郭が手持ち工作機械の後方係合相手輪郭に係合する場合、これらはガイドレールの中心平面に対して法線方向にガイドレールに保持される。すなわち、それにより手持ち工作機械がガイドレールにおいてガイド軸に沿って可動のままである。それでもガイドレールは、いわば離脱不可能に手持ち工作機械に保持されている。手持ち工作機械には後方係合輪郭に適合する後方係合相手輪郭が設けられている。例えば、後方係合輪郭と後方係合相手輪郭はT字形、V字形の形態を有し、ダブテール輪郭又はそれに類するものとして形成されている。すなわちそれにより、ガイドレールと手持ち工作機械のこのような構成を用いて非常にフレキシブルな動作が可能である。ガイドレールは、例えばいわゆるチョップレール(Kapp-Schiene)を形成する。本発明のこの実施形態では、ガイドレールが殊に短い。ガイド軸に対するガイドレールの長手方向長さは、手持ち工作機械の長手方向長さの例えば3倍又は4倍の大きさである。
【0059】
さらに、ガイドレールが、作業方向又は作業方向とは逆に移動する場合に手持ち工作機械が打ち当たるための少なくとも1つの長手方向端ストッパを有する場合が有利である。したがって、手持ち工作機械を、例えば作業方向で前方に、及び/又は作業方向の逆に後方に、ガイドレールを越えて移動させることができる。手持ち工作機械と接続可能な、ガイドレールに案内されたガイドレールのキャリッジのために1つの長手方向端ストッパ又は複数の長手方向端ストッパを設けることができる。手持ち工作機械がキャリッジと接続されている場合、これはそれぞれの長手方向端ストッパに打ち当たり、したがって、ガイドレールに対する手持ち工作機械の変位経路を制限する。
【0060】
ガイドレールが、手持ち工作機械を作業方向でガイドレールの後の長手方向端領域の方向に調節するためのばね負荷された戻し装置を有することが有利である。手持ち工作機械には、戻し装置の、調整器、例えば可撓性調整器、特にロープのための取付装置が設けられている。作業動作時に、手持ち工作機械は、戻し装置の力に抗して後長手方向端領域から作業方向で前のガイドレールの長手方向端領域へ操作される。操作者及び/又はワークピースがシステムに対してガイドレール及び手持ち工作機械から作業方向で前方に調整力をかけない場合、戻し装置が、ガイドレールと手持ち工作機械とからなるシステムを、手持ち工作機械がガイドレールの後長手方向端領域に配置される、いわば出発ポジションに再び戻す。すなわち、例えば手持ち工作機械がガイドレールとともにワークピースから離され、操作者が手持ち工作機械をそのハンドグリップで保持する場合に、ガイドレールがワークピースから自由になり、それにより戻し装置がガイドレールを手持ち工作機械に相対して調節することができ、作業方向で後のガイドレールの長手方向端領域が、いわば手持ち工作機械の下に達する。
【0061】
本発明は、さらに上記の種類のガイドレール及び手持ち工作機械を備えるシステムに関する。特に、このシステムの手持ち工作機械、又は振り子フード鋸としてガイドレールを使用するように形成されている。手持ち工作機械は、殊に振り子フード鋸である。
【0062】
手持ち工作機械の保護カバーは、殊に保護カバーばねアセンブリによってそのカバー位置の方向にばね負荷されている。1つ又は複数の開口ストッパによって、保護カバー、例えば振り子フードをカバー位置から開位置へ調節することができる。有利には、システムにおいて、保護カバーが開位置で少なくとも1つの開口ストッパに作用するための保護カバーの操作力は、開口ストッパが自由に、及び/又は支持されずに、及び/又は支持を有さずにレール体の前に突出する場合に、停止位置の方向の少なくとも1つの開口ストッパの保持力よりも大きいことが企図されている。保持力は、例えば開口ストッパのストッパ体のばね弾性によって、及び/又は開口ストッパを停止位置へ負荷するばねアセンブリによって提供される。操作力は、例えば保護カバーの重量の力及び/又は保護カバーばねアセンブリのばね力を含む。
【0063】
以下、図面を用いて本発明の一実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1図1は、ワークピースへの切り込み前の手持ち工作機械を有するガイドレールの斜視図である。
図2図2は、手持ち工作機械の工具がワークピースにすでに切り込む、図1によるアセンブリの図である。
図3図3は、ワークピースから取り外し中の手持ち工作機械及びガイドレールの斜視図である。
図4図4は、先行する図によるガイドレール及び工作機械の下面図である。
図4a図4aは、図4の細部D1の拡大図である。
図5図5は、先行する図による手持ち工作機械及びガイドレールの上からの斜視図である。
図6図6は、第1の変形形態による開口ストッパを有するガイドレールを変更した前方詳細図である。
図7図7は、図6に類似であるが、第2の変形形態によるガイドレール及び開口ストッパを含む詳細図である。
図8図8は、図6及び図7に類似であるが、第3の変形形態による開口ストッパを有するガイドレールの詳細図である。
図9図9は、別のガイドレールの上からの斜視図である。
図10図10は、図9によるガイドレールの斜め下からの図である。
図11図11は、ガイドレールのストッパアセンブリを拡大した図10の細部D2の図である。
図12図12は、図9図11によるガイドレールの、図9のほぼ矢印P1の方向の前からの正面図である。
図13図13は、図12による細部D3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
手持ち工作機械20は、例えば鋸引き機21として形成されている。手持ち工作機械20は、駆動モータ23を有する駆動組立体22を備える。駆動モータ23は、作業工具25、例えば鋸刃26が着脱可能に取り付けられている工具収容部24を直接、又は図に示されていない伝動装置を介して駆動する。工具収容部24は、回転軸Dを中心に回転する。
【0066】
手持ち工作機械20にエネルギーを供給するために、例えばエネルギー貯蔵器28、特にバッテリパック、又はそれに類するものを含み得るエネルギー供給装置27が使用される。しかしながら、電源網、例えば交流電圧網に接続するための電源ケーブル29も問題なく可能であり、これは図2による変形形態で示されている。手持ち工作機械20は、移動式エネルギー貯蔵器を介してのみならず、電源網でも動作させることができるハイブリッド機械であることも可能である。いずれにしても、特に電源ケーブル29が必要でない場合に、手持ち工作機械の高いモビリティが有利であり、これをワークピースWに容易に近づけ、これから遠ざけることができる。
【0067】
作業工具25は、例えば鋸刃である。手持ち工作機械20は、例えば丸鋸、プランジ鋸、又はそれに類するものである。手持ち工作機械20が振り子フードソーである場合が特に有利である。鋸刃26の代わりに、それ以外の切断工具、例えば切断ディスク又はそれに類するものであってもよい。
【0068】
作業工具25がワークピースWに切り込むために使用されない場合、作業工具25が保護カバー30によって覆われることが有利である。すなわち、その場合でも、駆動モータ23が作動し、したがって作業工具25を駆動することができ、その結果、その外周に配置された歯又はそれに類する他の切断手段が利用者を負傷させる可能性がある。
【0069】
駆動組立体22はガイドプレート40に配置され、これを直接ワークピースW上で案内することができるが、ガイドレール60上でも可能である。駆動組立体22がガイドプレート40の上面41に配置される一方で、上面41の反対側の下面42は、ワークピースW又はガイドレール60に沿って案内されるように設けられている。作業工具25は、手持ち工作機械20の作業動作時、すなわちワークピースWに切り込むために、ガイドプレート40の長手方向側面(Laengsseite)43の前に、下面42の方へ突出し、それによりそこでワークピースWに切り込むことができる。これに対して、駆動組立体22は、長手方向側面44から、これの反対側の長手方向側面44まで延在するが、有利にもこの長手方向側面44の前には突出しない。
【0070】
上面41から離反した手持ち工作機械の領域には、ガイドプレート40の上面41の前に突出する工具25の区分が収容される固定の上フード34が設けられている。フード34には、殊に、吸引ホース、集塵バッグ、又はそれに類するものを接続するための吸引接続部35が配置される。
【0071】
場合によって下面42の前に突出する工具25の区分を、可動の保護カバー30によって覆うことができる。保護カバー30は、作業工具25を覆うカバー位置A(図1)と、作業工具25を完全に又は部分的に解放する開位置O(図2)との間で調節可能であり、それに対応して、固定の上フード又は固定の上保護カバーに対して調節可能に可動に支承されている。保護カバー30を、工具収容部24の回転軸Dに対して平行又は同軸の旋回軸DHを中心に、すなわちカバー位置Aと開位置Oとの間で旋回させることができる。
【0072】
保護カバー30は、例えばフード、特に振り子フードとして形成されている。作業方向ARで、すなわちガイドプレート40の前横方向側面(vordere Querseite)46への方位でフード31の前領域に、フード31若しくは保護カバー30にストッパ32が配置されている。このストッパ32には、又はストッパ32として、作業工具25によってワークピースWに鋸で切り込まれる鋸スリット又は鋸カットSに食い込むことができる薪割りくさび(Spaltkeil)33があることが有利である。
【0073】
保護カバー30は、保護カバーばねアセンブリ36によってそのカバー位置Aへ負荷されている。図面に模式的に示されるにすぎない保護カバーばねアセンブリ36は、保護カバー30又は振り子フード31を開位置からカバー位置へ操作するために、例えば1つ又は複数のばね、1つ又は複数の操作アーム、操作ジョイント、又はそれに類するものを備える。
【0074】
手持ち工作機械20は、ガイドプレート40から離反した領域に、操作者によって把持されるハンドグリップ38を有する。ハンドグリップ38には、駆動モータ23をオン及びオフするための、殊にその回転数を調節するためでもあるスイッチ39、例えば押しボタンスイッチが配置されている。
【0075】
駆動組立体22は、ガイドプレート40に対して深さ調整可能である。例えば、駆動組立体22は、深さ調整軸受37によって旋回可能にガイドプレート40に支承されている。深さ調整軸受37は、深さ調整軸Tを中心とした駆動組立体22の旋回を可能にする。深さ調整軸受37が作業方向で前、すなわちガイドプレート40の前横方向側面46の近くに配置されていることが好ましく、この場合、手持ち工作機械は、典型的な振り子フード鋸である。しかしながら、本発明は、深さ調整軸受が、例えば作業方向で後に配置される鋸、又は駆動組立体又は鋸組立体がガイドプレートに対して直線的に案内される鋸の場合も問題なく実現可能である。
【0076】
さらに、駆動組立体22は、斜め切り軸受47を用いて斜め切り軸Gを中心に旋回可能である。図面に示される典型的な作業動作では、作業工具25は、下面42の前に直角に突出する。しかし、斜め切り軸受47を用いて、例えば45°又は47°までの斜め切り角度の調整も可能である。後の斜め切り軸受47は、ガイドプレートの後横方向側面(hintere Querseite)45の領域に配置され、前の斜め切り軸受は、駆動組立体22の下でガイドプレートの前横方向側面46により近いところに配置されている。
【0077】
ガイドレール60は、ワークピースWに正確で直線的な鋸カットSを作成するために使用される。手持ち工作機械20及びガイドレール60は、作業動作中、恒久的に互いに結合された状態であり得、システム10を形成する。
【0078】
ガイドレール60は、金属又は硬質プラスチックからなる実質的に剛性のレール体61を有し、これを載置面62により土台、例えばワークピースWのワークピース上面WOに載せることができる。載置面62とガイド面63とは、レール体61の中心平面MIに対して互いに反対側に位置する。
【0079】
ガイド面63は、手持ち工作機械20を案内するために用いられる。ガイド面63には、手持ち工作機械20のガイド相手輪郭50に係合するように形成され、かつ設けられているガイド輪郭70が設けられている。ガイド輪郭70は、例えばガイド軸Fに沿ってレール体61の長手方向細幅面64、65に対して平行に延在する長手方向リブを備える。作業動作中、手持ち工作機械20がガイド面63上に載る場合、ガイド輪郭70は、例えばガイドプレート40の長手方向に延在するU字形の溝として形成されているガイド相手輪郭50に係合する。それにより作業工具25が、レール体61、したがってガイドレール60の長手方向細幅面64の傍らを通過して載置面62の前に突出することができ、ワークピースWに切り込み、ガイド軸Fに対して平行に延びる鋸カットSを作成することができる。
【0080】
手持ち工作機械20は、ガイドレール60若しくはレール体61の後横方向細幅面66と前横方向細幅面67との間で往復案内され得る。
【0081】
システム10がワークピースWから持ち上げられる場合もガイドレール60と手持ち工作機械20とを互いに接続されたままにするために、それについては例えば図3を参照、ガイドレール60に後方係合輪郭72が設けられ、手持ち工作機械、例えばガイドプレート40に、ガイドレール60の後方係合輪郭72と係合するための後方係合相手輪郭52が設けられている。後方係合輪郭72は、ガイド突出部71に設けられている。ガイド突出部71は、ガイド軸Fに対してガイドレール60の長手方向長さにわたって延在する。
【0082】
後方係合輪郭72は、ガイド面63の前に突出する長手方向脚部73を備え、ここから横方向脚部74が突き出す。長手方向脚部73及び横方向脚部74は、手持ち工作機械20の後方係合相手輪郭52を提供するT字形のガイド収容部51と相補的に適合するT字形の構成を形成する。後方係合相手輪郭52は、長手方向脚部73のための長手方向脚部53と、後方係合輪郭72の横方向脚部74が係合できる側方収容部54又は横方向脚部を有する。後方係合輪郭72と後方係合相手輪郭52とが互いに係合している場合、手持ち工作機械20は、ガイド面63又は中心平面MIの法線方向Nでガイドレール60に保持される。すなわちワークピースWから手持ち工作機械20が持ち上げられる場合に、これがガイドレール60を連行する。
【0083】
後横方向細幅面66と長手方向細幅面65との間に、例えばワークピースWへの視界を開く傾斜66Aが延びる。
【0084】
システム10の操作者は、手持ち工作機械20を手動で、例えば作業方向ARにガイド軸Fに沿って前方に案内し、その際、ガイドレール60は、ワークピースWに、例えばストッパ68、69を用いて支持される。
【0085】
逆の方向、すなわち作業方向ARとは逆の方向に戻し装置75が作用する。戻し装置75は、手持ち工作機械20、特にガイドレール60に負荷がかかっていない、すなわち例えばワークピースWから持ち上げられている場合に、手持ち工作機械20を当接領域(Ansatzbereich)66Bへと調節するように、手持ち工作機械20とガイドレール60との相対ポジションを調節するように形成されている。戻し装置75は、ガイドレール60に定置に取り付けられ、キャリッジ77と接続された、例えばベルトなどのフレキシブルな引張要素76を有する。キャリッジ77は、ガイドレール60のガイド78、例えばガイドリブ、ガイド溝、又はそれに類するものにおいてガイド軸Fに沿って案内される。引張要素76は、作業方向ARで後の横方向側面又は横方向細幅面66の方向にキャリッジ77を付勢するようにばね79によって負荷されている。
【0086】
手持ち工作機械20は、例えばキャリッジ77との接続のために、鋸テーブル又はガイドプレート40に保持輪郭48を有する。キャリッジ77は、保持輪郭48と係合可能な、例えば係止収容部又はそれに類するものを備えている。ガイドレール60に対する手持ち工作機械20の移動経路を制限するために、例えばガイド78の長手方向端領域に前及び後の横方向細幅面67、66の領域にキャリッジ77のためのストッパ78A、78Bが設けられている。
【0087】
ガイドレール60を、様々な角度位置でワークピースWに当接させることができる。それぞれの角度位置を調節するために、載置面62の前に突出するストッパ68、69が設けられている。ストッパ68は、長手方向細幅面65の領域において定置に配置されている。長手方向ストッパ69は、向かい側に位置する長手方向細幅面64において、ガイド軸Fに対して複数の長手方向ポジション間で調節可能に配置されている。ストッパ68、69は、例えば載置面62の前に突出するストッパ体として形成され、それによりワークピース上面WOに対して側方の面にストッパ68、69を接触させて、ガイドレール60を当接させることができる。
【0088】
ストッパ68、69がガイド軸Fに対して同じ長手方向ポジションを有する場合、例えば後ワークピース面WHに対して直交する鋸カットSをワークピースWに鋸で切り込むことができる。その場合、ガイドレール60は、例えば角度ポジションWP1をとる。
【0089】
しかしながら、他の角度ポジション、例えば角度ポジションWP2及びWP3にも調整可能である。そのために、ストッパ69を長手方向細幅面64に相対して、例えばポジションP1、P2及びP3に調節可能である。例えば、長手方向ストッパ69のための複数の保持収容部を設けることができる。しかし殊に、ガイド69Aが設けられ、ここで長手方向ストッパ69が変位可能である。クランプねじ69Bを用いて、長手方向ストッパ69を、例えばガイド69Aに対して定置に固定することができ、特にここで締付け可能である。ガイド69Aは、例えば保持溝又は収容溝として形成されている。
【0090】
角度ポジションWP1は、例えば図4に示された角度ポジションWP3間に位置する。角度ポジションWP1~WP3の各々において、当接領域66Bが後ワークピース面WHの前に自由に突出するのに対して、ガイドレール60の前区分67Bはワークピース表面WOに支持される。
【0091】
後当接領域66Bにおいて、保護カバー30は、殊に閉じた、すなわちそのカバー位置Aをとる、これについては例えば図1又は図4を参照。その場合、作業工具25が上フード34及び振り子フード31によって覆われ、操作者が負傷から保護される。しかし鋸カットSを実行すべき場合、操作者は、手持ち工作機械を作業方向ARでガイドレール60の前区分67Bの方向に案内し、保護カバー30がカバー位置Aから開位置Oへ調節される。例えば、保護カバー30のストッパ32が後ワークピース面WHに打ち当たることができ、それによって振り子フード31又は保護カバー30がカバー位置Aから開位置Oの方向に操作され、開く方向に旋回し、手持ち工作機械20の作業方向ARのさらなる移動中、開位置Oに保持される。
【0092】
保護カバー30を開く及び/又は開位置Oで開状態に保持するために、全く一般にストッパアセンブリ80とも呼ばれるストッパアセンブリ80A、80B、80C、80D、80Eが設けられている。ストッパアセンブリ80は、区別するためにそれぞれストッパアセンブリ80A~80Eに対応して付加的文字A~Eが付された開口ストッパ81、91を備えている。開口ストッパ81、91は、保護カバー30を開く、又は開位置Oに保持するために設けられた停止位置ASと、保護カバー30が開位置からカバー位置Aに達するか、又はカバー位置Aにとどまり得る解放位置FSとの間で調節可能である。
【0093】
ストッパアセンブリ80Aは、開口ストッパ81A及び91Aを備えている。
【0094】
開口ストッパ81Aは、開口ストッパ91Aと当接領域66Bとの間に配置され、いわば保護カバー30を開くために用いられる。開口ストッパ81Aは、それがレール体61の中心平面MIに対して平行にレール体61の長手方向細幅面65の前に突出する停止位置ASと、それが保護カバー30、特にそのストッパ32と係合できなくなるまで長手方向細幅面65に向かって調節されるか、又はそれの後方に戻される解放位置FSとの間で調節可能である。解放位置FSは、図4aに破線で示されている。
【0095】
開口ストッパ81Aは、旋回軸SQを中心に旋回可能に旋回軸受83Aに支承されているストッパ体82Aを備えている。旋回軸受83Aは、例えばストッパ体82が旋回可能に支承されている軸受体84Aを備えている。軸受体84A、例えば軸受軸部材は、軸受ハウジング85Aに保持又は収容され、当接領域66Bの方に向いたその長手方向端が長手方向ストッパ68を提供する。軸受ハウジング85Aは、例えばレール体61とねじ締結、これに貼着などされている。
【0096】
ストッパ体82Aは、例えば爪のように形成されている。ストッパ体82Aは操作傾斜86Aを有し、これは手持ち工作機械20によって作業方向ARとは逆に動かされた場合にストッパ体82Aを偏向させるように、したがって開口ストッパ81Aを解放位置FSの方向に操作するように設けられている。開口ストッパ81Aは、ばねアセンブリ87Aによってその停止位置ASの方向に付勢されている。すなわち開口ストッパ81Aが外からの影響を受けていない場合、ばねアセンブリ87Aがストッパ体82Aを、ストッパ体が、例えば軸受ハウジング85Aの相手ストッパ89Aに打ち当たる停止位置ASの方向に調節する。この位置において、保護カバー30のストッパ32は、いずれにしても、操作傾斜86Aの反対側のストッパ体82Aの操作面88Aに打ち当たることができ、それによりこれがカバー位置Aから開位置Oの方向に調節される。
【0097】
ストッパ体82Aは、例えば金属から、又はいずれにしても開口ストッパ91Aのストッパ体92Aよりも硬い材料でできている。ストッパ体92Aは、例えばゴム、プラスチック、又はそれに類する他の軟質の材料からなる。ストッパ体92Aは、例えば平らで板状の物体又は板体として形成されている。
【0098】
開口ストッパ91Aは、長手方向細幅面65に沿って開口ストッパ81Aと前横方向細幅面67、又は作業方向ARでガイドレール60の前長手方向端との間に延在する。保護カバー30若しくはそのストッパ32は、開口ストッパ81との間の移動経路上で、ワークピースW上に載る開口ストッパ91の上面95Aに沿って摺動する。その場合、作業工具25、すなわち鋸刃26は、作業動作中にガイドレール60のいわば自由なサイドエッジである開口ストッパ91Aのサイドエッジ96Aの傍らを移動する。例えば、サイドエッジ96Aがワークピース表面WO上に載り、それに加えてさらに保護カバー30によってワークピース表面WOの方向に力が加えられ、それにより板体又はストッパ体92Aがワークピース表面WO上に平らに載ることにより、このサイドエッジを引き裂き防止として用いることができる。
【0099】
開口ストッパ91Aは、ガイド軸Fに対して平行に延びる旋回軸SFを中心に旋回可能にレール体61に配置され、したがって板体又はストッパ体92Aがレール体61と実質的に一直線に並び、すなわちレール体61の長手方向細幅面65の前に大きく突出する停止位置ASと、ストッパ体92Aが例えばガイドレール60の下面又は載置面62に向かって旋回され、それにより例えばその上面95Aがガイド面63に対して角度をなし、特にほぼ直角に向けられる解放位置FSとの間で調節可能である。ストッパ体92Aを旋回可能に支承するために、ガイド軸Fに対して平行の列方向に相前後して配置された複数の軸受要素94Aを備える旋回軸受93が設けられている。軸受要素94Aは、例えばレール体61と、例えばねじ94Sを用いてねじ締結又はリベット締結される。軸受要素94Aは、例えばストッパ体92Aの可撓性突出部によって提供され得る。
【0100】
ストッパ体92の上面95Aの反対側の下面98Aを、開口ストッパ91Aを解放位置FSから停止位置ASへ操作するための操作面98として用いることができる。すなわち、下面97Aがワークピース表面WO上に載る場合、開口ストッパ91Aは、停止位置ASで支持され、保護カバー30によって加えられる解放位置FSの方向の力を回避できない。
【0101】
しかしガイドレール60がワークピース表面WOから持ち上げられる場合、ワークピースWによる開口ストッパ91Aのこの支持が失われ、すなわちストッパ体92は、旋回軸SFを中心に停止位置ASから解放位置FSへ旋回する。それによって、振り子フード91又は保護カバー30がその開位置Oで支持されなくなり、それにより保護カバー30の自重と保護カバーばねアセンブリ36とが保護カバー30をカバー位置Aの方向に自動的に調節する。それにより操作者は負傷から保護される。
【0102】
軸受要素94Aがばね弾性的特性を有することが可能であり、それによりこれらは、例えばストッパ体92Aを基本的に停止位置ASの方向に付勢するか、又は少なくとも特定の力で停止位置ASの方向に作用するばねアセンブリ97Aである。しかし、この力は、ストッパ体92がその操作面98又は下面98Aで支持されない場合、保護カバー30により上面95Aに及ぼされる力よりも小さい。
【0103】
ストッパアセンブリ80Bの場合、それよりいくらか簡単なコンセプトが選択される。ストッパアセンブリ80Bは、単一の開口ストッパ91Bのみを有し、これは開口ストッパ91Aに似ていて、これと同様に、長手方向細幅面65が自由に突出する当接領域66Bと、ガイドレール60の作業方向ARで前の長手方向端との間で、すなわち前横方向細幅面67に向かって、ガイドレール60の実質的に全長にわたって延在する細長いストッパ体92Bを有する。
【0104】
開口ストッパ91Bは、旋回軸受93Bを用いて、ストッパ体92Bがレール体61の面62、63と実質的に一直線に並ぶ停止位置ASと、板体又はストッパ体92Bがその自由なサイドエッジ96Bで、レール体61の長手方向細幅面65の前にそれほど大きく突出せず、それにより手持ち工作機械20の保護カバー30が開口ストッパ91Aの傍らを通ってその開位置Oからカバー位置Aに到達できるか、又はカバー位置Aにとどまることができる解放位置FSとの間で旋回可能に支承される。
【0105】
ストッパ体92Bは、その下面98Bに操作面98を有し、これはワークピース表面WOに載るように設けられ、かつワークピース表面WOによって支持され、それにより開口ストッパ91Bが停止位置ASで支持され、この位置にとどまることをもたらす。
【0106】
旋回軸受93Bは、ストッパ体92Bの上面95B及び下面97Bにおける凹部94Bによって形成される。凹部94Bは、例えばガイド軸Fに対して平行に延びる長手方向溝のように形成されている。
【0107】
凹部94Bは、解放位置FSと停止位置ASとの間で旋回可能なストッパ体92Bの旋回区分92B1と、レール体61に取り付けるための取付区分99Bとの間に配置されている。
【0108】
ストッパ体92Bの取付区分99Bは、レール体61の収容部65Bに収容されている。収容部65Bは、例えば長手方向細幅面65に沿って延在する収容溝として形成されている。収容溝又は収容部65Bは、殊に横断面でほぼ鍵穴の形である。いずれにしても、ストッパ体92Bが収容部65Bにおいて中心平面MIに対して平行に、力成分K1で形状結合的に保持されている場合が好ましい。
【0109】
例えば、収容部65Bの開口65Cは、横断面で長手方向細幅面65に向かって、そこから離反した底領域又は、例えば取付区分99Bの隆起状の後方係合区分99B1が係合する収容部65Bの収容領域65Dよりも幅が狭い。すなわち取付区分99Bを、横方向細幅面66又は67から収容部65Bへ、ガイド軸Fに対して平行の差込み軸に沿って差し込むことができるが、この差込み軸に対して横向きに形状結合的及び/又は離脱不可能に収容部65Bに保持される。しかしストッパ体92Bを収容部65Bに、例えば物質結合的に保持するために、接着、溶接、又はそれに類する他の取付措置を問題なく提供することができる。特に面62又は63のうちの一方から収容部65Bの方向にねじ込まれるか、又は導入される1つ又は複数のクランプ体、ねじ、又はそれに類するもので締め付けることも問題なく可能である。
【0110】
ストッパ体92Bは、殊に作業工具25又は鋸刃26によって切断可能な材料、例えばプラスチック、ゴム、又はそれに類するものからなる。したがって、例えば、手持ち工作機械20がガイドレール60に沿って案内される場合に、鋸での最初の切り込み時に、作業工具25がストッパ体92Bから刃区分96Sを切り取り、それによってサイドエッジ96Bを形成することが可能である。その場合、このサイドエッジは後の鋸動作のために、ガイド軸Fに対して横向きに最適な長さを有し、それによりこれは例えば常に作業工具25の横隣に、及びその近くに延び、鋸カットSの領域におけるワークピースWの引き裂きを回避し、又はいずれにしても格段に少なくする引き裂き防止をなす。
【0111】
保護カバー30のための開口ストッパ91Cとして用いられるストッパアセンブリ80Cのストッパ体92Cは、実質的にストッパ体92Bに相当し、すなわち、例えば凹部94Bに相当する旋回軸受93Cを提供するための凹部94Cと、引き裂き防止として用いることができるサイドエッジ96Cとを有する。ストッパ体92Cは、長手方向細幅面65に沿って、殊に当接領域66Bまで延在する。さらに、すなわち凹部94Cを備えるストッパ体の区分がばね弾性的特性を有し、したがってばねアセンブリ97Cであることにより、停止位置ASは、ストッパ体92Cのいわば通常位置である。
【0112】
レール体61にストッパ体92Cを取り付けるために、旋回軸受93Cを用いてストッパ体92Cの旋回区分92C1と接続される接続区分99Cが用いられる。接続区分99Cは、長手方向溝のように長手方向細幅面65に沿って延在するレール体61のもみの木構造を有する収容部65Eに係合する。収容部65Eは、接続区分99Cの横断面がもみの木状の細長い接続ピン99C1が係合する収容区分65Fを有する。収容部65Eは、長手方向細幅面65に向かって貫通開口を有し、これの前に、収容部65Eの狭小部の意味で互いに向かい側に位置する後方係合突出部65Gが突出し、これは、例えば溝状の、ガイド軸Fに対して平行に延在する接続区分99Cの後方係合収容部99C2に係合する。
【0113】
ストッパアセンブリ80Dの開口ストッパ91Dは、長手方向細幅面65に沿って当接領域66Bまで延在するストッパ体92Dを有する。開口ストッパ91Dは、レール体61に形状結合的に、すなわちその収容部65Bに保持され、かつストッパ体92Bとの関連で説明した、収容部65Bに係合する接続区分99Bを有する。さらに、ストッパ体92Dも互いに向かい側に位置する凹部94Dを有し、これらは凹部94B、94Cに相当し、したがって旋回軸受93Dを形成し、これを用いて開口ストッパ91Dがガイド軸Fに対して平行の旋回軸SFを中心に停止位置ASと解放位置FSとの間で旋回可能である。凹部94Dの領域で、ストッパ体92Dは、その通常位置が停止位置ASであるという点で弾性であり、それにより旋回軸受93Dがばねアセンブリ97Dを形成する。長手方向リブ99Dを有するストッパ体92Dの区分は、解放位置FSと停止位置ASとの間で旋回可能な旋回区分92D1を形成する。
【0114】
操作面98を形成する下面98Dが支持されていない場合、例えばガイドレール60がワークピースWから持ち上げられる場合、保護カバー30によって、開口ストッパ91Dを停止位置ASから解放位置FSの方向に調節することができる。ストッパ体92Dは、ガイド軸Fに対して平行、又はレール体61の長手方向細幅面65に対して平行に延びる複数の長手方向リブ99Dを有する。それによって、ストッパ体92Dは、ガイド軸Fに対して平行に、より大きい剛性を有する。しかし、長手方向リブ99D間の溝状の中間空間が、ストッパ体92Dが複数の旋回可能な区分を有し、それらの旋回軸SF1、SF2、SF3がガイド軸Fに対して平行に延び、長手方向リブ99D間に中間空間又は長手方向溝が形成されることを可能にするということも可能である。
【0115】
しかし本発明によるストッパアセンブリでは、複数の開口ストッパが、列配置で並んでガイド軸に対して平行に配置され、かつ開口ストッパの各々が個別に可動であり、及び/又は直接隣接する開口ストッパに相対して可動に支承されることも可能である。例えば、単一ピース又はワンピースのストッパ体92Dの代わりに、複数のストッパ体92D1、92D2、92D3の列配置、ならびに任意的にさらなる、図8の部分図には見て取れないストッパ体を設けることもでき、すでに開口ストッパ91Dとの関連で説明されたように、これらはそれぞれが開口ストッパを形成し、解放位置FSと停止位置ASとの間で個別に調節可能である。すなわち保護カバー30は、それぞれのストッパ体がその操作面98で土台、例えばワークピース表面WOで支持されていない場合に、ストッパ体92D1、92D2、92D3の各々を停止位置ASから解放位置FSへ押し動かすことができる。
【0116】
ストッパアセンブリ80Eは、ガイド軸F又は長手方向細幅面65に対して平行の列軸に対して列配置で相前後して前後に配置されている開口ストッパ81E、91Eを有する。ストッパ体92D1、92D2、92D3とは異なり、開口ストッパ81E、91Eのストッパ体82E、92Eは、互いに固定接続され、それによりガイド軸Fに対して平行である同軸の旋回軸SFを有するそれぞれの旋回軸受83E、93Eを用いて同時に停止位置ASと解放位置FSとの間で旋回可能である。
【0117】
開口ストッパ81Eは、旋回軸受83Eの軸受体84Eに旋回可能に支承されている。軸受体84Eは、例えば軸受ハウジング85Aと同様にレール体61の載置面62に取り付けられる、例えばねじ締結、接着などがされる軸受ハウジング85Eに保持されている。軸受体84Eを軸受ハウジング85Eに旋回可能に、又は固定配置することができる。
【0118】
例えば板状であるストッパ体82Eから、例えばスリーブ状の、又は管状の軸受収容部84E1を有する突出部が突出し、軸受収容部は軸受体84Eによって貫通される。軸受体84Eは、例えば軸受ピン又は軸受シャフトとして形成されている。
【0119】
ストッパ体92Eは、接続区分99Eでレール体61と接続されている。接続区分99Eは、例えば粘着テープの粘着層99E1、又はそれに類するものを用いてレール体61に貼着されている。ねじ締結又はそれに類する他の取付けが問題なく可能である。旋回軸受93Eはフィルムヒンジ94Eを備え、それによりストッパ体92Eの旋回区分92E1が停止位置ASと解放位置FSとの間で旋回可能である、これについては図12を参照。
【0120】
ストッパアセンブリ80Eが、ワークピースW、特にそのワークピース表面WO上に載る場合、レール体61の載置面62に向いた面、特にストッパ体82Eの下面に配置されている操作面88Eは、開口ストッパ81Eを停止位置の方向に操作する。
【0121】
さらに、ストッパ体92Eの下面98Eに設けられた、又はこの下面によって形成された操作面98も、これがワークピースW上に載る場合に、停止位置ASでの開口ストッパ91Eの調節又は保持という意味で作用する。
【0122】
それに加えて、ストッパ体82E、したがって開口ストッパ81Eは、停止位置ASの方向にばねアセンブリ87Eによって力が加えられる。開口ストッパ91E及び81Eは互いに固定接続されているので、ばねアセンブリ87Eは、ストッパ体92E又は開口ストッパ91Eにも停止位置ASの方向に作用する。
【0123】
ばねアセンブリ87Eは、例えば一方でレール体61、例えば軸受ハウジング85Eに、他方でストッパ体82Eに支持されるねじりばね87E1を備える。ばねアセンブリ87Eは、さらに、ストッパ体92E若しくは開口ストッパ91Eを停止位置ASに操作するように設けられている。すなわち、ストッパ体82Eは、支持区分89Eでストッパ体92Eの方向に突出し、支持区分89Eの領域においてストッパ体92Eと接続され、例えば接着され、及び/又はリベット又はそれに類する他の接続89E1により接続されている。
【0124】
ストッパ体92Eは、例えばゴム又はプラスチックなどの殊に軟質材料からなる。例えば、第1の鋸カットによって、引き裂き防止として用いられるサイドエッジ96Eを形成することができる。
【0125】
ストッパ体92Eは、ストッパ体82Eによって支持区分89Eの領域で補強され、いずれにしても、開口ストッパ91Eが支持区分89Eの領域で手持ち工作機械20の保護カバー30によって変形され得ないような剛性である。すなわち、図10に示されるように、前長手方向端領域89E2がワークピースWで支持される場合、それによって開口ストッパ81E、91Eの組み合わせが停止位置ASで支持される。ガイドレール60がその開始領域でワークピースWの前に(例えばワークピース面WHの前に)自由に突出するこの状況において、手持ち工作機械20がガイドレール60の当接領域66Bから作業方向ARで前方に動かされる場合に、開口ストッパ81Eだけでなく、開口ストッパ91Eも停止位置ASにとどまる。その場合、作業工具25は、支持区分89Eの領域においてもストッパ体92Eのサイドエッジ96Eに沿って動き、したがってこれは引き裂き防止であり得る。
【0126】
しかしシステム10がワークピースWから持ち上げられる場合、開口ストッパ81E及び91Eを解放位置FSの方向に調節するのに、保護カバー30によって開口ストッパ91Eの上面95Eに作用する、例えば振り子フード31の重量の力、及び/又は保護カバーばねアセンブリ36の力によって加えられる力FOで十分である。すなわち力FOは、ばねアセンブリ87Eの力よりも大きい。
【0127】
開口ストッパ81Eの操作傾斜86Eは、保護カバー30を開位置Oの方向に調節することを容易にする。操作傾斜86Eは、例えばフランジを付けた、又は変形成形されたストッパ体82Eの区分によってなる。操作傾斜86Eは、当接領域66Bの方に向いている。
【0128】
ここで、ストッパ体82Eが殊に金属からなるということを述べておきたい。ストッパ体82Eは、殊に打抜き曲げ加工部品として形成されている。
【0129】
ストッパアセンブリの開口ストッパのスライド運動可能又は直線運動可能な支承も可能である。例えば、ストッパアセンブリ80Fが、スライド軸受83Fにおいて、破線で示された解放位置FSと実線で示された停止位置ASとの間で直線的に変位可能にレール体61に支承されている開口ストッパ81F、例えばスライダ又はストッパ体82Fを有する。ストッパ体82Fが、止め具、又はそれに類する他の固定装置89Fを用いて停止位置AS及び/又は解放位置FSで固定可能、特にロック可能であることが可能である。図示されないばねアセンブリは、開口ストッパ81Fを、例えば停止位置ASに調節することができる。
図1
図2
図3
図4
図4a
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13