(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】薄層を準備するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20241224BHJP
【FI】
H01L21/02 C
H01L21/02 B
(21)【出願番号】P 2022557659
(86)(22)【出願日】2021-01-19
(86)【国際出願番号】 FR2021050089
(87)【国際公開番号】W WO2021191513
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-11-07
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507088071
【氏名又は名称】ソイテック
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック マゼン
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ リュトール
(72)【発明者】
【氏名】マリアンヌ コイグ
(72)【発明者】
【氏名】ヘレン グランペクス
(72)【発明者】
【氏名】ディディエ ランドリュ
(72)【発明者】
【氏名】オレグ コノンチュク
(72)【発明者】
【氏名】ナディア ベン モハメッド
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-526646(JP,A)
【文献】特表2020-507916(JP,A)
【文献】特表2020-504439(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0196936(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0348319(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/324
H01L 21/265
H01L 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄層(1)を準備するためのプロセスであって、
- ドナー基板(2)の主要面(2a)を通る
軽い種の導入を含む脆弱化ステップ(S2)であって、前記ドナー基板(2)の前記主要面(2a)とともに前記薄層(1)を画定するために前記ドナー基板(2)の中央部分(2c)内で脆弱ゾーン(3)を形成することを目的とし、前記脆弱ゾーン(3)は前記ドナー基板(2)の周辺部分(2p)へと延びない、ステップと、
- 分割されることになるアセンブリを形成するために前記ドナー基板(2)の前記主要面(2a)をレシーバ基板(5)に接合するステップ(S3)であって、前記ドナー基板(2)の前記中央部分(2c)および前記主要面(2a)の前記周辺部分(2p)は前記レシーバ基板(5)の面と接触される、ステップと
を含むプロセスにおいて、
- 前記分割されることになるアセンブリを分離するステップ(S4)であって、その前記中央部分(2c)のみにおいて前記ドナー基板(2)から前記薄層(1)を劈開するために前記脆弱ゾーン内の分割波の開始および伝播をもたらす熱処理を含み、前記分割波は、前記周辺部分(2p)を通って完全に伝播するわけではなく、前記ドナー基板(2)および前記レシーバ基板(5)が前記ドナー基板(2)の前記周辺部分(2p)において互いに取り付けられたままである、分離するステップと、
- 前記分離するステップ(S4)とは異なり、このステップの後に適用される、取り外すステップ(S6)であって、前記ドナー基板(2)の前記周辺部分を前記レシーバ基板(5)から取り外し、したがって、前記薄層(1)を前記レシーバ基板(5)に移動するために、前記分割されることになるアセンブリの処理を含む、取り外すステップと
を備えたことを特徴とする薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項2】
仕上げるステップ(S5)であって、前記薄層(1)の前記劈開された表面を滑らかにするために、前記分離するステップ(S4)の前記熱処理の温度よりも高い温度にすることを目的とする熱処理を含む、ステップを備える請求項1に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項3】
前記仕上げるステップ(S5)は、前記分離するステップ(S4)と前記取り外すステップ(S6)との間に適用される請求項2に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項4】
前記仕上げるステップ(S5)は、1000℃よりも、950℃よりも、900℃よりも、または600℃よりも低い温度に前記ドナー基板(2)を露出させる熱処理を実施する請求項3に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項5】
前記分離するステップ(S4)および前記仕上げるステップ(S5)は同一の装置内で行われる請求項2乃至4のいずれか一項に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項6】
前記分離するステップ(S4)および前記仕上げるステップ(S5)は異なる装置内で行われる請求項2乃至4のいずれか一項に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項7】
前記仕上げるステップ(S5)は、前記取り外すステップ(S6)の後に適用される
請求項2に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項8】
前記ドナー基板(2)は円形のウェハであり、前記周辺部分(2p)は環状部分であり、前記
ドナー基板の縁からとられるその幅は1mmから5cmの間である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項9】
前記ドナー基板(2)は、その主要面(2a)側上に周辺面取り部(2b)を備え、前記周辺部分(2p)は、1mmから5cmの間の幅にわたって前記面取り部から延びる請求項1乃至7のいずれか一項に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項10】
前記
軽い種は、水素およびヘリウムから形成されたリストから選ばれる請求項1乃至9のいずれか一項に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項11】
前記ドナー基板(2)は単結晶シリコンから作製される請求項1乃至10のいずれか一項に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項12】
前記分離するステップ(S4)は、250℃から500℃の間の温度に前記ドナー基板(2)を露出させる熱処理を実施する請求項1乃至11のいずれか一項に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【請求項13】
前記取り外すステップは、化学エッチングによって、また
はキャリア基板(5)と前記ドナー基板(2)を分離するために機械的力を印加することによって実行される請求項1乃至12のいずれか一項に記載の薄層(1)を準備するためのプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Smart Cut(商標)技術の適用例を通してキャリア基板に移動される薄層を準備するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
Smart Cut(商標)技術のいくつかの実装形態では、薄層は、埋設された脆弱ゾーンを形成するために、ドナー基板の主要面を通る軽い種(especes legeres)を導入することによって準備される。このようにして、薄層は、このドナー基板内で、埋設された脆弱ゾーンと基板の主要面との間に画定される。次いで、ドナー基板は、「レシーバ」基板と呼ばれる第2の基板に接合され、薄層を劈開するために埋設された脆弱ゾーンにおける分割波の開始および伝播を起こすために、分離熱処理が、機械的応力によって潜在的に支援されて、このアセンブリに加えられ、これは、したがって、レシーバ基板に移動される。
【0003】
分離熱処理の効果は、マイクロキャビティの成長および加圧を促進することであり、マイクロキャビティの発達は、脆弱ゾーン内の軽い種の存在によるものである。この効果は、薄層の劈開をもたらす分割波の開始および伝播の源である。
【0004】
レシーバ基板に移動された薄層の露出された表面の状態は凹凸があり、このことは、一般に、完全に満足のゆくわけではない。したがって、Smart Cut技術を実施するプロセスは、一般に、これらの表面凹凸を減少させることを目指して、追加の仕上げステップを想定する。これは、薄層の露出された表面を、それを還元雰囲気または中性雰囲気に露出させながら、この仕上げ段階にわたって、化学機械研磨によって、または典型的には1100℃のオーダーの高温におけるアニーリングによって処理することを意味することがある。
【0005】
上記で述べられたように、Smart Cut技術を使用して準備された薄層を仕上げるためのプロセスが提唱されている(例えば、特許文献1参照。)。薄層がドナー基板から劈開された直後に、それに、還元雰囲気または中性雰囲気で950度よりも低い中程度の振幅の熱処理を加えることが提唱されている(特許文献1参照。)。薄層の劈開表面は、周囲雰囲気に露出されていないので、それは酸化されず、また、これを形成する原子は非常に移動性が高く、それら自体を再編成して表面を滑らかにする。したがって、この熱処理は、比較的低温時ですら、薄層の劈開された表面を滑らかにするために特に有効である。プロセス(たとえば、特許文献1で提示される)では、分割および平滑化処理は、2つのステップ間の周囲雰囲気との接触なしで、すなわち同じ装置内で、行われなければならないことが留意されるべきである。これは、装置内の熱容量および雰囲気の純度の制御に関する極度の制約を課す。
【0006】
薄層がドナー基板から劈開された直後に類似の熱処理が提供される(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
表面凹凸は、組み合わせた異なる性質のいくつかの現象の結果であることが示されている(例えば、特許文献3参照。)。これらの凹凸は、ドナー基板の分割につながったマイクロキャビティの痕跡に対応することがある。それらは、薄層の表面に起伏を形成することに寄与し、その振幅および波長は、nmまたは数十nmのオーダーである。
【0008】
凹凸は、分割の瞬間に分割されることになるアセンブリ内で遭遇される分割波と音響振動の伝播間の相互作用内でも生じることがある。これらの振動は、薄層の分割におけるエネルギーの突然の劈開によって引き起こされる。次いで、分割波は、それが動いている材料の応力の瞬間的状態に応じてその進行の平面から垂直に曲げられやすい。この仕組みの詳細な分析については、非特許文献1が参照されてよい。この現象によって引き起こされる凹凸は、サイズが比較的大きく、薄層の厚さにおける不均一性を構成し、その振幅はナノメートルのオーダーであってよく、その波長は、ミリメートル、またはセンチメートルのオーダーですらあってよい。
【0009】
加えて、文書化されているように(例えば、非特許文献2参照。)、分割中に引き起こされるエネルギーの突然の劈開、2つの基板の発振および打撃は、別個の表面の損傷ももたらすことがある。この損傷は特に、これらの2つの表面間の衝撃またはそれらの相対的運動によって引き起こされることがある。
【0010】
より一般に、脆弱化ステップ後およびこれらの2つのパートが互いから分離された後のドナー基板の薄層および残部を担持するキャリア基板の取り扱いは、薄層の劈開された表面上での損傷、例えばかき傷または粒子も引き起こすことがある。
【0011】
熱処理だけを使用して、薄層から表面凹凸を、起伏の形を除き、除去することは困難である。具体的には、これらの凹凸の寸法は、熱処理の影響下で、この表面を形成する原子の移動度の平均距離を超えることがある。これは特に、上記で引用された特許文献1によって提唱される平滑化プロセスの場合に当てはまる。
【0012】
したがって、従来技術のプロセスを使用して準備される薄層は、損傷したまたは不完全な表面状態を有することがあり、それから凹凸のすべてを除去することは可能でなかった。
【0013】
本発明は、上記で言及された従来技術の制限を少なくとも部分的に克服することを求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】仏国特許出願公開第3061988号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2876307号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2933828号明細書
【文献】仏国特許出願公開第3063176号明細書
【非特許文献】
【0015】
【文献】“Crack Front Interaction with Self-Emitted Acoustic Waves」、Physical Review Letters、” American Physical Society、2018、121.(19)、pp.195501
【文献】Massy, et al., “Fracture dynamics in implanted silicon、” Applied Physics Letters 107.9(2015)
【発明の概要】
【0016】
この目的を達成することを目指して、本発明の主題は、薄層を準備するためのプロセスであって、
- ドナー基板の主要面を通る軽い種の導入を含む脆弱化ステップであって、ドナー基板の主要面とともに薄層を画定するためにドナー基板の中央部分内で脆弱ゾーンを形成することを目的とし、この脆弱ゾーンはドナー基板の周辺部分へと延びない、ステップと、
- 分割されることになるアセンブリを形成するためにドナー基板の主要面をレシーバ基板に接合するステップであって、ドナー基板の中央部分および主要面の周辺部分はレシーバ基板の面と接触される、ステップと
を含むプロセスに関する。
【0017】
本発明によれば、プロセスは、
- 分割されることになるアセンブリを分離するステップであって、その中央部分のみにおいてドナー基板から薄層を劈開するために脆弱ゾーン内の分割波の開始および伝播をもたらす熱処理を含み、分割波はドナー基板およびレシーバ基板がドナー基板の周辺部分において互いに取り付けられたままであるように周辺部分を通って完全に伝播するわけではない、分離するステップと、
- 分離するステップとは異なり、このステップの後に適用される、取り外すステップであって、ドナー基板(2)の周辺部分をレシーバ基板(5)から取り外し、したがって、薄層(1)をレシーバ基板(5)に移動するために、分割されることになるアセンブリの処理を含む、取り外すステップと
も含む。
【0018】
脆弱ゾーンをドナー基板の中央部分のみに局所化することによって、ドナー基板およびレシーバ基板の完全な取り外しを引き起こすことなく薄層を劈開することが可能であり、このことによって、この薄層の表面状態を改善することが可能になる。
【0019】
単独でまたは任意の技術的に実現可能な組み合わせでとられる、本発明の他の有利で非限定的な特徴によれば、
- プロセスは、仕上げステップを含み、このステップは、薄層の劈開された面を滑らかにするために、分割されることになるアセンブリを、分離するステップの熱処理の温度よりも高い温度にすることを目的とした熱処理を含み、
- 仕上げるステップは、分離するステップ(S4)と取り外すステップとの間に適用され、
- 仕上げるステップは、1000℃よりも、950℃よりも、900℃よりも、または600℃よりも低い温度にドナー基板を露出させる熱処理を実施し、
- 分離するステップおよび仕上げるステップは、同一の装置内で行われ、
- 分離するステップおよび仕上げるステップは、異なる装置内で行われ、
- 仕上げるステップは、取り外すステップの後に適用され、
- ドナー基板は円形のウェハであり、周辺部分は環状部分であり、基板の縁からとられるその幅は1mmから5cmの間であり、
- ドナー基板は、その主要面側に周辺面取り部を備え、周辺部分は、1mmから5cmの間の幅にわたって面取り部から延び、
- 軽い種は、水素およびヘリウムから形成されるリストから選ばれ、
- ドナー基板は単結晶シリコンから作製され、
- 分離するステップは、250℃から500℃の間の温度にドナー基板を露出させる熱処理を実施し、
- 取り外すステップは、化学エッチングによって、またはキャリア基板とドナー基板を分離するために機械的力を印加することによって実行される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図を参照して、以下の本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1】本発明によるプロセスのステップを示す図である。
【
図2】ドナー基板の中央部分および周辺部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、ここで、本明細書による薄層1を準備するためのプロセスが提示される。
【0022】
このプロセスは、事前ステップS1において、ドナー基板2を用意することを含み、この基板は主要面2aを有する。ドナー基板2は、特に薄層を準備するためのプロセスがシリコンオンインシュレータ基板を生産することを目的とする場合に、単結晶シリコンのウェハからなってよい。このウェハは、酸化、エピタキシーによる表面層の形成、もしくは蒸着または他の任意の表面準備ステップなどの、前処理を受けた可能性がある。
【0023】
しかしながら、本発明は、シリコンウェハからなるドナー基板2に限定されるものでは決してなく、この基板の性質および形状は、目標適用例に応じて自由に選ばれてよい。したがって、それは、任意の単結晶半導体材料、例えば炭化ケイ素またはゲルマニウムを含む基板であってよい。それは、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムなどの、圧電材料などの絶縁材料であってもよい。ドナー基板は、したがって、数十ミリメートルから300mmまたは450mmまたはそれ以上の任意の直径の、円形ウェハの形状をとってよい。それは、正方形または長方形などの別の形状をとってもよい。上記で指定されたように、ドナー基板2は、研磨、蒸着、酸化などの前ステップを受けた可能性があり、したがって、異種層のスタックから形成されてよい。
【0024】
ドナー基板2は、取り扱い中のその削ぎを防止するために、半導体ウェハの分野における慣例であるように、面取りされた縁2bを有してよい。面取り部2bは、基板の周囲に数ミリメートルにわたって延びてよい。
【0025】
図2に示されるように、本明細書によるドナー基板2において、2つの部分すなわち中央部分2cおよび周辺部分2pの区別がなされる。これらの部分2c、2pは、基板の1つの面から他の面に延び、周辺部分2pが中央部分2cを完全に取り囲む限り、任意の形状をもつ基板の主要面2a上に投影される。中央部分2cは、したがって、
図2に示されるように、(本明細書では、円形ウェハの形状をした)ドナー基板2の主要面2aを中心とした円板を形成するようにこの面上と、中央部分2cを画定する円板と同心の環状表面を形成するように周辺部分2p上に投影され、基板2の縁まで延びてよい。中央部分2cおよび周辺部分2pは、2つの基板を互いに接合するように、レシーバ基板と接触されることを意図している。ドナー基板2が面取り部2bを有するとき、周辺部分2pは、したがって、この接触を可能にするために、基板の縁からその中央に向かって、この面取り部を越えて、径方向に延びる。
【0026】
例として、ドナー基板2の周辺部分2pは、この面取り部が存在するときは面取り部の縁から、またはそうでない場合は基板の縁からとられる、1mmから数センチメートル、例えば5cmの間の幅を有することがある。したがって、ドナー基板2が、その外縁において約1mmの幅をもつ面取り部を有する円形ウェハである、
図2に示される例の場合、周辺部分2pは、環状部分として画定され、面取り部の内縁からとられるその幅は、この周辺ゾーンが、少なくとも同じサイズを有するレシーバ基板と接触することがあるように、1mmから5cmの間である。環状部分内部に並べられた部分は、ドナー基板2の中央部分2cを形成する。
【0027】
図1の説明に従って、本明細書によるプロセスは、ドナー基板2の主要面2aを通る
軽い種の導入を含む脆弱化ステップS2を含む。このステップは、ドナー基板2内に埋設された脆弱ゾーン3を形成することを目的とする。脆弱ゾーン3は、この基板2の主要面2aと本質的に平行であるドナー基板2の平面内で延びる。脆弱ゾーン3は、ドナー基板2の主要面2aとともに、準備されることが求められる薄層1の少なくとも一部を画定する。それ自体知られているように、
軽い種は典型的には、水素およびヘリウムから形成されるリストから選ばれ、これは限定されない。これらの
軽い種は一般に、イオン注入によってドナー基板2に導入されるが、他の導入の方法も可能である(プラズマによって、拡散によって)。注入の場合、注入エネルギーは、イオンがドナー基板2の材料に貫入する深さ、したがって脆弱ゾーン3が配置される埋設された平面の深さを規定する。
【0028】
導入がイオン注入によって実行されるとき、この導入が、例えば単一分量の水素または単一分量のヘリウムを注入するために単一のステップで、または例えば分量水素に続いて別の分量のヘリウムを注入するために複数の連続したステップで、実行されることを想定することが可能である。種がドナー基板に導入される性質および手段がどのようなものであろうとも、「分量」という用語は、ドナー基板の単位面積に導入される種の総量、例えばcm^2あたり注入される軽い種の数を指す。
【0029】
本明細書の文脈では、脆弱化ステップS2は、このステップの完了時に、脆弱ゾーン3がドナー基板2の中央部分2cに局所化され、周辺部分2pへと延びないように、行われる。本明細書の残りで明らかにされるであろうように、脆弱ゾーンを中央部分2pのみに局所化することによって、ドナー基板およびドナー基板が接合されるレシーバ基板の完全な取り外しを引き起こすことなく薄層を劈開することが可能であり、これによって、この薄層の表面状態を改善することが可能になる。
【0030】
脆弱ゾーン3を中央部分2cのみに局所化するためのいくつかの手法が可能である。したがって、第1の手法によれば、脆弱化ステップS2は、中央部分2cに導入された分量を周辺部分2pに導入された分量と区別することによって行われる。この点に関して、特許文献4が参照されてよい。
【0031】
脆弱化ステップS2は、したがって、ドナー基板2の中央部分2cへの軽い種の第1の分量の導入と、この基板2の周辺部分2pへの、第1の分量よりも低い、軽い種の第2の分量の導入とを含んでよい。
【0032】
軽い種の第1の分量は、それが、後の分離のステップS4で、中央部分2c内に並べられた脆弱ゾーンにおいてドナー基板1から薄層1を劈開するのに十分であるように選ばれる。したがって、この分量は、中央ゾーン2c内での脆弱ゾーン3の形成をもたらす。次いで、周辺部分2pに導入される軽い種の第2の分量は、それが周辺部分2p内でのこの取り外しを可能にしないように選ばれる。したがって、この分量は、本明細書の意味での脆弱ゾーンの形成をもたらさない。完全に明らかにするために、ドナー基板2の周辺部分2pは、他の任意の手段で注入または導入された軽い種を含むことがあるが、これらの種は、本出願の意味で脆弱ゾーンを形成するのに十分な濃度でこの部分2p内に存在せず、それは、特に、この部分2pにおいてドナー基板2の分離を引き起こさないことがある。
【0033】
例として、
図1に示されるものである好ましい一実装形態によれば、
軽い種の第2の分量はゼロであってよく、この場合、
軽い種は、ドナー基板2の中央部分2cのみに導入され、周辺部分2pには導入されない。
【0034】
これを達成するために、これらの種の導入がイオン注入によって実行されるとき、軽い種の貫入に対するバリアを形成する遮蔽材料を使用して周辺部分2pをマスクすることが可能である。このマスクは、テフロンから、アルミニウムから、または炭素から作製されてよい。それは、少なくともドナー基板2の主要面2aの周辺部分2pに並べられた、樹脂から、硬い酸化物から、または窒化物から作製された犠牲マスク4から形成されてもよく、このマスクは、この脆弱化ステップS2の完了時に除去されることが理解される。
【0035】
脆弱化ステップS2が、水素およびヘリウムの同時注入と同様に、イオン注入の複数の連続したフェーズを想定するとき、マスクは、注入のフェーズのうちのいくつかの間にのみ存在することがある。
【0036】
この第1の手法の一変形態によれば、ドナー基板2への軽い種の導入は、ドナー基板2の主要面2a上でそのような軽い種を含むビームをスキャンすることによって実行されてよい。脆弱化ステップS2のそのような実装形態では、ビームの動きは、ドナー基板2の周辺部分2pが注入から除外されるように、またはこの部分2pに導入される種の分量が中央部分2cに導入される種の分量よりも少ないように、制御されてよい。したがって、この変形態では、マスクは省略されてよく、これは有利である。
【0037】
種の性質および中央部分2cおよび周辺部分2pに導入されるこれらの種の正確な分量は、ドナー基板の性質に従って、および後の分離のステップS4の特徴に従って、選ばれる。
【0038】
例として、ドナー基板2が単結晶シリコンから作製され、分離するステップが、250℃から500℃の間の温度にドナー基板2を露出させる熱処理を実施するとき、以下の条件が想定可能である。
【0039】
水素のみ
中央部分:4E16~1E17at/cm2
周辺部分:0~3E16at/cm2
水素およびヘリウム
中央部分:H:0.5E16~2E16at/cm2、He 0.5E16~2E16at/cm2
周辺部分:H:0~1E16at/cm2、He 0.5E16~2E16at/cm2
代替手法によれば、脆弱化ステップS2は、第1のサブステップ中の、ドナー基板2の中央部分2cおよびこの基板2の周辺部分2pへの同一分量の軽い種の導入を含んでよい。この従来の分量、例えば水素のcm^2あたり5E16のオーダーは、ドナー基板2がシリコンから作製されるとき、中央ゾーン2c内で周辺ゾーン2pへと延びる脆弱ゾーン3を形成するのに十分である。第2のサブステップでは、ドナー基板2の周辺部分2pは、周辺部分2pに導入される軽い種を無効にするように処理される。これは、例えばレーザを使用して、このゾーンに以前に導入された軽い種を拡散し、この周辺部分2pから脆弱ゾーン3を効果的に除去するために、この周辺部分を処理することを伴うことがある。あるいは、周辺部分は、例えばシリコン種などの比較的重い種を注入することによって、この部分内に存在する脆弱ゾーンを損傷させるために処理されてよい。この第2のサブステップで実行される処理の完了時、脆弱ゾーン3は、ドナー基板2の中央ゾーン2cのみに局所化され、もはや周辺ゾーン2pには延びない。
【0040】
この脆弱化ステップS2が実施されている手段がどのようなものであろうとも、それから生じるものは、ドナー基板2の中央部分2cに局所化された埋設された脆弱ゾーン3を備えるドナー基板2であり、脆弱ゾーン3は、ドナー基板2の主要面2aとともに、薄層1を画定し、脆弱ゾーン3は周辺部分2pへと延びない。
【0041】
本明細書によるプロセスのその後の接合するステップS3では、このように準備されたドナー基板は、ドナー基板2の主要面2aをレシーバ基板5の面と接触させることによってレシーバ基板5に接合される。レシーバ基板5は、それが、ドナー基板2の中央部分2cおよび周辺部分2pの少なくとも一部と接触されるのに十分なサイズの面を有する限り、必要とされる任意の性質および任意の形状であってよい。
【0042】
この接合動作は、接合されることになる面が、金属表面を有するようにあらかじめ準備されているとき、任意の方法によって、例えば、分子付着によって、接合されることになる面のうちの少なくとも1つに接着材料を塗布することによって、または共晶接合によって、実行されてよい。接合するステップS3は、この接合動作を容易にし、十分な接着エネルギーを用いて2つの基板を互いに対して固定するために、清掃、活動化、または他の任意の準備ステップによって、2つの基板の面を整えることも想定してよい。
【0043】
あるいは、接合動作は、中程度の温度で、ドナー基板2の主要面2a上に基板5の構成材料を蒸着させることによって、レシーバ基板5を徐々に形成する際に存在する。
【0044】
「分割されることになるアセンブリ」という用語は、このステップS3の完了時にドナー基板2およびレシーバ基板5から形成されるアセンブリを指すために、本明細書の残りで使用される。
【0045】
本明細書によるプロセスの次のステップでは、分割されることになるアセンブリは、分離するステップS4中に熱処理される。熱処理は、Smart Cut技術の実装形態において従来と同様に、マイクロキャビティの発達と、これらのマイクロキャビティが、利用可能な軽い種を介した数およびそれらの加圧に関して十分であるときはそれらの合体を引き起こす。先に言及されたように、埋設された脆弱ゾーン3は、しかしながら、ドナー基板2の範囲全体にわたって延びない。したがって、熱処理は、周辺ゾーン2pではなく、その中央ゾーン2cのみにおける、ドナー基板2からの薄層1の劈開につながる。
【0046】
ドナー基板2がシリコンから作製されるとき、典型的には200℃から500℃の間の、分離するステップS4の熱処理は、数分から数時間の間であってよい持続時間にわたって、分割されることになるアセンブリを従来のオーブンに置くことによって適用されてよい。実際には、生産性の理由で、多数の分割されることになるアセンブリは、典型的にはカセット内で並べられ、このカセットは、選ばれた温度で、選ばれた持続時間にわたって、分割されることになるアセンブリに熱処理をまとめて適用するために、高容量オーブンまたはストーブに置かれる。
【0047】
従来技術の分離するステップと同様に、この分離するステップS4で開始される分割波は、ドナー基板2の一端から他端に伝播せず、ドナー基板(すなわち、薄層がとられたドナー基板)の残部は、レシーバ基板から突然に劈開されない。特に、分割波は、ドナー基板2の周辺部分2pに完全に伝播するとは限らず、したがって、周辺部分2pは、この部分2pにおいてレシーバ基板5にしっかりと接合されたままである。
図1によって説明されるプロセスの文脈では、レシーバ基板5およびドナー基板2は、したがって、薄層1が効果的に劈開されている場合であっても、分離するステップS4の完了時に互いに接合されたままである。本明細書のプロセスでは、音波の生成、これらの基板の発振および打撃は、したがって、限定される。分割波と音波との不利な相互作用は、減少または消去され、基板の衝撃または摺動も防止され、これらは、従来技術のプロセスでは、熱処理を適用することだけによって減少することが困難である、薄層の表面における凹凸の作成または損傷につながる。 この場合、ドナー基板の残部をレシーバ基板から除去する、すなわち、それらを互いから分離することは可能でないので、分割波がドナー基板2の周辺部分2pに完全に伝播するわけではない(したがって、キャリア基板およびレシーバ基板が互いに接合されたままである)プロセスの特徴は、完全に証明可能であることが留意されるべきである。この特徴のこの完全に証明可能な性格は、当業者が、いくつかの簡単な実験を使用して、本明細書において提供される例とともに、プロセスのステップのパラメータ、特に周辺ゾーンの範囲、中央ゾーンおよび周辺ゾーンそれぞれに導入されることになる
軽い種の分量、分離するステップS4における熱処理の強度などを決定することを可能にする。
【0048】
薄層1の劈開された表面とドナー基板2の劈開された表面との間の空間6は、軽い種で満たされ、これは、薄層1の劈開につながる。分割はドナー基板2の周辺部分2pに伝播せず、したがって、レシーバ基板5にしっかりと接合されたままであるので、これらの種は、この囲まれ密封された空間6に限られる。この囲まれ密封された空間6はまた、したがって、ドナー基板2の周辺部分2pによって、取り巻く雰囲気から隔離される。したがって、滑らかにすることをより困難にする外部汚染物質、例えば酸素は、この空間6に貫入し、薄層1の劈開された表面を不活性化することが防止される。この点に関して、ドナー基板2の分割を可能にする脆弱化ステップS2中に導入される軽い種(典型的には、水素またはヘリウム)は非常に純度が高く、それらは、それを不活性化し、原子の表面移動性を限定するように薄層の劈開された表面を形成する原子と相互作用せず、このことは、熱的平滑化に特に適した雰囲気を生じさせることが留意されるべきである。
【0049】
分離するステップS4に続いて分割されることになるアセンブリのこの非常に特定の状態を活用するために、本明細書によるプロセスの好ましい一実装形態は、薄層1の劈開された表面を滑らかにするために、仕上げるステップS5の間に、分割されることになるアセンブリを分離するステップS4の熱処理の温度よりも高い温度にすることを目的とする熱処理を適用することを想定する。
【0050】
この好ましい実装形態では、熱処理は、分割されることになるアセンブリを、ドナー基板がシリコンから作製されるときの200℃から500℃の間の、分離するステップS4の、温度よりも高いプラトー温度に露出させる。有利には、この熱処理は、中程度の、1000℃よりも低い、または950℃よりも低い、または900℃もしくは600℃よりさえも低いままである。それは、選ばれるプラトー温度における数秒とこのプラトー温度における数時間の間の持続時間にわたって続くことがある。
【0051】
仕上げるステップS5のこの熱処理は、分割されることになるアセンブリを、薄層1の劈開された表面およびドナー基板2の劈開された表面によって境界が決められた囲まれた空間6に限られた軽い種を含めて、処理温度に至らせる。外部雰囲気からの反応種で汚染されていないこれらの表面は、例えば、温度上昇により非常に動きやすくされる原子から構成され、これは、非常に効果的な様式で、1000℃または950℃よりも低いまたはそれに等しい低温ですら表面、特に薄層1の劈開表面を滑らかにすることを可能にする。分割されることになるアセンブリのこの処理は、薄層10の表面の平滑化に寄与するのはこの雰囲気ではないので、任意の雰囲気を備える装置内で実施されてよいことが留意されるべきである。この装置、例えばストーブは、分割されることになるアセンブリの温度を上昇させることのみを目的とする。
【0052】
出願人によって行われた実験には、分割されることになるアセンブリを950℃に2分間露出することにある仕上げるステップS5の熱処理後に、起伏が1.6nm RMSのオーダーである表面を有するシリコンの薄層1を取得することが可能であることが示されている。仕上げるステップ、したがって分離するステップS4中に到達された温度よりも高い温度の熱処理の不在下で、薄層の起伏は、5.5nm RMSで測定された。説明されたばかりの仕上げるステップの有効性は、はっきりと明らかである。
【0053】
仕上げるステップS5は、分離するステップS4に使用されるそれと同じ装置、例えば同じオーブンまたは同じストーブ内で行われてよい。しかしながら、本出願の序論において要約された従来技術の解決策とは対照的に、分離するステップS4を行うために使用される装置とは異なる別の装置内で、仕上げるステップS5を実行することも可能である。具体的には、分割されることになるアセンブリを形成する2つの基板は依然として、互いに取り付けられ、それを格納するまたはそれを別の装置に動かすためにこのアセンブリの取り扱い中に薄層1を損傷するリスクが減少される。加えて、薄層1の劈開表面は完全に限られるので、それは、装置のこの変化中に周囲雰囲気に露出不可能である。したがって、それは酸化または不活性化されず、低温ですら、その平滑化の可能性のすべては、分離するステップにおいて使用されるそれ以外の環境内で仕上げるステップを行うときに保持される。そのうえ、先に言及されたように、この実装形態において仕上げるステップS5が行われる装置は非常に自由に、選ばれてよい。
【0054】
その後のステップでは、分割されることになるアセンブリは、ドナー基板2(または、より正確には、それから薄層1が除去された後の、このドナー基板2の残部)をレシーバ基板5から取り外し、したがって、レシーバ基板5への薄層1の移動を終えることを目的とする取り外すステップS6を受ける。この取り外すステップS6は、分離するステップS4とは明らかに異なることが留意されるべきである。実際、本明細書のプロセスの1つの非常に有利な特徴は、分離するステップS4において引き起こされ、薄層1の劈開をもたらす分割波の伝播を、ドナー基板がレシーバ基板から完全に取り外されることをもたらすこの取り外すステップS5から明確に区別することのそれである。従来技術の従来の分割するステップでは、分割波の伝播は、ドナー基板の平面を通って完全に伝播し、この単一のステップにおいてドナー基板をレシーバ基板から取り外す。
【0055】
ステップS6中に取り外しを取得するために実施された処理は、変化してよい。それは、2つの基板をそれらの接合境界面において取り外すために、分割されることになるアセンブリの縁を化学的にエッチングすること、例えばウェットエッチングを伴ってよい。このために、分割されることになるアセンブリは、その縁の一部分を、KOHもしくはTMAH(ドナー基板がシリコンから作製されるとき)の溶液に、または酸化シリコンの層がドナー基板2とレシーバ基板5との間の境界面に存在するときはHFを含む溶液に浸漬するために垂直に配されてよい。アセンブリを回転させることによって、それは、2つの基板を互いから取り外すために、全体にわたって連続して処理される。あるいは、
図1に概略的に示されるように、この処理は、接合境界面においてブレードを加えることと、アセンブリの分離を引き起こすために2つの基板の間にそれを挿入することとを含んでよい。より一般的には、それは、それらの接触面においてキャリア基板5およびドナー基板2の取り外しをもたらす任意の手段または任意の力を適用することを伴ってよい。
【0056】
いずれの場合も、この取り外すステップS6は、従来技術のプロセスの分割するステップとは異なり、薄層1を損傷するリスクが最小化され得るように、完全に制御されてよい。
【0057】
別の実装形態によれば、仕上げるステップは、分離するステップS4の直後に、このステップS4と取り外すステップS6との間では行われないが、取り外すステップS6の後に行われる。
【0058】
この実装形態の仕上げるステップS5は、従来の仕上げるステップ、例えば、薄層1の劈開された表面を、それがシリコンから作製されたとき、950または1000℃から1100℃の間の温度で還元雰囲気または中性雰囲気に露出させるステップであってよい。より一般的には、薄層の露出表面は、分離するステップの熱処理の温度よりも高い温度にされる還元雰囲気または中性雰囲気にさらされる。
【0059】
この実装形態では、大きなサイズの凹凸の不在もしくは軽微な存在または薄層1の表面における損傷の不在もしくは軽微な存在が活用される。この薄層1によって示される起伏は、上記で説明されたように、熱処理を介して効果的に滑らかにされてよい。
【0060】
これらの処理の完了時、選ばれた実装形態がどのようなものであろうとも、
図1の最終ステップS7によって示されるように、結果は、キャリア基板5に移動された薄層1である。薄層1は、従来技術のプロセスを使用した分割の直後に取得される薄層1に対して、改善された表面状態を示す。特に、それは、仕上げるステップS5の円滑化効果による比較的低い起伏を示す。それはまた、それらが分割波の伝播によって互いから完全に取り外されるときレシーバ基板5を通りドナー基板2を通って伝播する音波との分割波の相互作用による不均一性をほとんどまたはまったく示さない。2つの基板間の衝撃または互いの上でのそれらの相対的摺動によって引き起こされる薄層1の損傷も制限される。
【0061】
もちろん、本発明は、説明される実装形態に限定されず、その変形態は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に入ってよい。
【0062】
特に、説明されたそれらに加えて、他のステップが想定されてよい。特に、これらは、この層の品質を高めるためまたはその厚さを調整するために追加の仕上げ処理例えば犠牲酸化ステップまたは研磨を薄層に適用することを伴ってよい。
【0063】
提示される2つの実装形態を組み合わせ、第1のフェーズにおいて、分離するステップS4と取り外すステップS6との間に第1の熱処理を介して仕上げるステップS5を実行し、この処理を第2のフェーズ、例えば取り外すステップS6の後に薄層1に適用される第2の熱処理で補うことも可能である。