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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/20 20060101AFI20241224BHJP
   H02K 1/16 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
H02K1/20 D
H02K1/16 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023079987
(22)【出願日】2023-05-15
(65)【公開番号】P2024164483
(43)【公開日】2024-11-27
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000195959
【氏名又は名称】西芝電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】中根 優人
(72)【発明者】
【氏名】村田 智洋
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-018873(JP,U)
【文献】実開昭55-064856(JP,U)
【文献】特開平10-174320(JP,A)
【文献】特開2014-176177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/20
H02K 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の固定子鉄心と、当該固定子鉄心の内径側に当該固定子鉄心の周方向に間隔を空けて設けられたスロットに収められた固定子巻線とから構成される固定子と、
回転軸に固定された回転子鉄心と当該回転子鉄心に設けられた回転子巻線とから構成され前記固定子鉄心の内側に設けられた磁極と、前記回転軸に固定された遠心ファンとを有する回転子とを備え、
前記固定子鉄心に軸方向の隙間として通風ダクトが形成されていて、前記固定子と前記回転子にねじり振動が作用するエンジン駆動の回転電機において、
前記通風ダクトには、前記スロットに収められた前記固定子巻線と、当該固定子巻線間に配置された、前記通風ダクトとしての軸方向の隙間を保持するための間隔片とが設けられ、
前記固定子巻線と前記間隔片の断面二次モーメントを増加させて前記ねじり振動に対する強度が向上するように、前記固定子巻線と前記間隔片とを、前記固定子鉄心の半径方向に対して前記回転子の回転方向に傾斜させ
前記固定子巻線は、前記回転子の軸方向から見た外形が長方形状であり、前記間隔片と略垂直になるようにして、前記固定子鉄心の半径方向に対して前記回転子の回転方向に傾斜する
ことを特徴とする回転電機。
【請求項2】
前記固定子巻線に前記間隔片を隣接して設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記固定子巻線における、前記回転子の回転方向上流側に前記間隔片を隣接して設けた
ことを特徴とする請求項2に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機などの回転電機に係り、特に固定子鉄心に通風ダクトを設けた回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
直流機、同期機、誘導機などの回転電機は、固定子と回転子によって構成され、機能面では電磁誘導の原理を利用して電機エネルギーと機械エネルギー(回転エネルギー)の相互変換を行うものである。この回転電機は、銅損、鉄損により固定子、回転子には発熱が伴うことから、正常な運転を行うためには冷却が必要となる。このため、回転電機では、例えば、回転軸に遠心ファンを取り付け、回転子の回転により遠心ファンから生じる風で冷却するようになっている。
【0003】
また一方で、エンジン駆動の回転電機は、固定子と回転子にねじり振動が作用する。このため、固定子と回転子は、ねじり振動に耐え得る強度が必要であることが知られている。
【0004】
ここで、従来の回転電機の構成例を、図5及び図6を用いて説明する。図5は、従来の回転電機の構成を示す断面図であり、図6は、従来の回転電機の固定子鉄心に設けられた通風ダクト周辺部の断面図である。回転電機は、主に固定子1と、回転子2と、回転子2を支える軸受け5から構成される。
【0005】
図5に示すように、固定子1は、ドーナツ状(環状)の電磁鋼板を軸方向(図5の左右方向)に積層した固定子鉄心1aと、固定子鉄心1a内径側に設けられたスロット9(図6)に収められた固定子巻線1bから構成される。また固定子鉄心1aには、軸方向の隙間である通風ダクト10が軸方向に間隔を空けて複数設けられている。尚、固定子巻線1bは、通風ダクト10内に位置する部分が、スロット9から露出するようになっていて、通風ダクト10を通る冷却風により冷却されるようになっている。
【0006】
回転子2は、固定子1の内径面から半径方向に隙間をあけて配置されていて、固定子1に対して回転可能となっている。この回転子2は、回転軸3と磁極4とカップリング6側に設けられた遠心ファン7から構成され、軸受け5によって回転可能に支持されている。磁極4は、電磁鋼板を軸方向に積層した回転子鉄心4aに回転子巻線4bを巻装した構成となっている。
【0007】
図6に示すように、通風ダクト10には、スロット9に収められた固定子巻線1bと、間隔片8とが、固定子鉄心1aの周方向に間隔を空けて交互に配置されている。換言すると、通風ダクト10には、固定子巻線1bと間隔片8とが、固定子鉄心1aの軸心(つまり回転子2の回転中心)から半径方向に放射状に配置されている。間隔片8は、通風ダクト10としての軸方向の隙間を保持する為の部材であり、固定子鉄心1a内径側から外径側へと延びている。この間隔片8は、固定子巻線1b間(つまりスロット9間)の中央に配置されている。
【0008】
固定子鉄心の通風ダクトに関する発明としては、例えば下記の特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平10-174320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図6に加えて図4に示すように、通風ダクト10の入口部分に流れ込む冷却風の向きは、回転子2が回転することによる回転方向成分12と、遠心ファン7(図5)により流れている半径方向成分13の合成ベクトル14の方向となる。したがって、固定子鉄心1a内径側にある通風ダクト10の入口部分に流れ込む冷却風の向きは、固定子鉄心1aの半径方向に対して回転子2の回転方向に傾斜した方向となる。
【0011】
従来の回転電機では、スロット9と間隔片8とが、固定子鉄心1aの軸心から半径方向に放射状に配置されているため、図6に矢印11で示すように、通風ダクト10の入口部分へと流れ込んできた、半径方向に対して回転方向に傾斜した冷却風を、スロット9に収められた固定子巻線1bと間隔片8とによって無理矢理半径方向に曲げて流入させるようになっていた。このため、従来の回転電機では、通風ダクト10の入口部分での圧力損失が大きくなり、通風ダクト10への冷却風の流入を妨げてしまうという問題があった。
【0012】
また図6に示す間隔片8の1つを拡大した拡大図である図7に示すように、間隔片8には、ねじり振動15が回転電機の回転方向17及び逆回転方向18に向かって交互に作用する。ここで、次式(1)に、間隔片8の中心軸16に関する断面二次モーメントIの計算式を示す。尚、式(1)におけるbは、軸方向から見た断面が長方形の間隔片8の長手方向の長さであり、aは、軸方向から見た断面が長方形の間隔片8の短手方向の長さである。
【0013】
【数1】
【0014】
間隔片8は、ねじり振動15の向き(回転方向17及び逆回転方向18)に対して、短手方向の長さaの中心を通る中心軸16が垂直となるように取り付けられているため、中心軸16に関する断面二次モーメントが最も小さくなる。そのため、従来の回転電機では、間隔片8がねじり振動15により破損する恐れがあった。また間隔片8と同様、スロット9に収められた固定子巻線1bについてもねじり振動により破損する恐れがあった。
【0015】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、回転電機において、通風ダクトへの冷却風の流入量を増加させて効率良く固定子巻線を冷却すること、及び間隔片と固定子巻線の断面二次モーメントを増加させてねじり振動に対する強度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために本発明による回転電機は、環状の固定子鉄心と、当該固定子鉄心の内径側に当該固定子鉄心の周方向に間隔を空けて設けられたスロットに収められた固定子巻線とから構成される固定子と、回転軸に固定された回転子鉄心と当該回転子鉄心に設けられた回転子巻線とから構成され前記固定子鉄心の内側に設けられた磁極と、前記回転軸に固定された遠心ファンとを有する回転子とを備え、前記固定子鉄心に軸方向の隙間として通風ダクトが形成されていて、前記固定子と前記回転子にねじり振動が作用するエンジン駆動の回転電機であって、前記通風ダクトには、前記スロットに収められた前記固定子巻線と、当該固定子巻線間に配置された、前記通風ダクトとしての軸方向の隙間を保持するための間隔片とが設けられ、前記固定子巻線と前記間隔片の断面二次モーメントを増加させて前記ねじり振動に対する強度が向上するように、前記固定子巻線と前記間隔片とを、前記固定子鉄心の半径方向に対して前記回転子の回転方向に傾斜させ、前記固定子巻線は、前記回転子の軸方向から見た外形が長方形状であり、前記間隔片と略垂直になるようにして、前記固定子鉄心の半径方向に対して前記回転子の回転方向に傾斜する。
【0017】
このように、通風ダクト内の固定子巻線と間隔片とを、固定子鉄心の半径方向に対して前記回転子の回転方向に傾斜して設けたことにより、通風ダクトへの冷却風の流入量を増加させることができるとともに、固定子巻線と間隔片の断面二次モーメントを増加させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、回転電機において、通風ダクトへの冷却風の流入量を増加させて効率良く固定子巻線を冷却することができるとともに、間隔片と固定子巻線の断面二次モーメントを増加させてねじり振動に対する強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施の形態に係る回転電機に設けられた通風ダクト周辺部の断面図である。
図2】第2の実施の形態に係る回転電機に設けられた通風ダクト周辺部の断面図である。
図3】第1の実施の形態に係る回転電機に設けられた間隔片の拡大図である。
図4】通風ダクトの入口部分に流入する冷却風の向きを示す断面図である。
図5】従来の回転電機の構成を示す断面図である。
図6】従来の回転電機に設けられた通風ダクト周辺部の断面図である。
図7】従来の回転電機に設けられた間隔片の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明による実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
[1.第1の実施の形態]
まず本発明による第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る回転電機100の固定子鉄心1aに設けられた通風ダクト10周辺部の断面図である。尚、図1に示す部分以外の構成(すなわち固定子1、回転子2及び軸受け5)については、図5に示す従来の回転電機と同一のため、図及び説明は省略する。
【0022】
この図1に示すように、第1の実施の形態に係る回転電機100の固定子鉄心1aに設けられた通風ダクト10には、スロット109に収められた固定子巻線101bが、固定子鉄心1aの周方向に間隔を空けて配置されている。さらに通風ダクト10には、固定子巻線101b間(つまりスロット109間)の中央に、通風ダクト10としての軸方向の隙間を保持する為の部材である間隔片108が配置されている。
【0023】
スロット109は、固定子鉄心1aの内径側に設けられていて、固定子鉄心1aの内径側から外径側に向かう方向に延びる断面長方形状となっている。このスロット109には、スロット109の形状に合わせて固定子巻線101bが収められている。
【0024】
一方、間隔片108は、固定子鉄心1aの内径側から外径側まで延びていて、スロット109よりも細くて長い断面長方形状となっている。
【0025】
従来の回転電機では図6に示したように間隔片8とスロット9が固定子鉄心1aの半径方向に沿って設けられていたのに対して、第1の実施の形態の回転電機100では、図1に示すように間隔片108とスロット101が固定子鉄心1aの半径方向に対して回転子2の回転方向に傾斜して設けられている。
【0026】
より具体的には、通風ダクト10の入口部分に流れ込む冷却風の向きとなる合成ベクトル14の方向に沿うように、間隔片108とスロット109が固定子鉄心1aの半径方向に対して回転子2の回転方向に傾斜して設けられている。つまり、間隔片108とスロット109は、冷却風の半径方向成分13と合成ベクトル14とのなす角度の分だけ、固定子鉄心1aの半径方向に対して回転子2の回転方向に傾斜している。
【0027】
またこのようにスロット109を傾斜させたことにより、当該スロット109に収められた固定子巻線101bについても、冷却風の半径方向成分13と合成ベクトル14とのなす角度の分だけ、固定子鉄心1aの半径方向に対して回転子2の回転方向に傾斜している。第1の実施の形態に係る回転電機100の構成は、以上のようになっている。
【0028】
ここまで説明したように、第1の実施の形態では、環状の固定子鉄心1aと、当該固定子鉄心1aの内径側に当該固定子鉄心1aの周方向に間隔を空けて設けられたスロット109に収められた固定子巻線101bとから構成される固定子1と、回転軸3に固定された回転子鉄心4aと当該回転子鉄心4aに設けられた回転子巻線4bとから構成され前記固定子鉄心1aの内側に設けられた磁極4と、前記回転軸3に固定された遠心ファン7とを有する回転子2とを備え、前記固定子鉄心1aに軸方向の隙間として通風ダクト10が形成されている回転電機100において、前記通風ダクト10には、前記スロット109に収められた固定子巻線101bと、当該固定子巻線101b間(つまりスロット109間)に配置された、前記通風ダクト10としての軸方向の隙間を保持する為の間隔片108とが設けられ、前記固定子巻線101bと前記間隔片108とが、前記固定子鉄心1aの内径側から外径側に向かって延び、且つ通風ダクト10の入口部分に流れ込む冷却風の向き(つまり合成ベクトル14の方向)に沿うように、前記固定子鉄心1aの半径方向に対して前記回転子2の回転方向に傾斜して設けられているとした。
【0029】
このように、第1の実施の形態に係る回転電機100では、固定子巻線101bと間隔片108を、通風ダクト10の入口部分に流れ込む冷却風の向きに沿うように、固定子鉄心1aの半径方向に対して回転子2の回転方向に傾斜させるようにしたことにより、図1に矢印201で示すように、通風ダクト10の入口部分へと流れ込んできた冷却風を、そのままの向きで流入させることができ、通風ダクト10の入口部分での圧力損失を低減することができる。かくして、第1の実施の形態に係る回転電機100によれば、通風ダクト10への冷却風の流入量を増加させて効率良く固定子巻線101bを冷却することができる。
【0030】
さらに図1に示す間隔片108の1つを拡大した拡大図である図3に示すように、間隔片108には、ねじり振動15が回転電機100の回転方向17及び逆回転方向18に向かって交互に作用するが、第1の実施の形態に係る回転電機100では、間隔片108を、固定子鉄心1aの半径方向に対して回転子2の回転方向に傾斜させたことにより、間隔片108の中心軸16に関する断面二次モーメントを従来と比較して増加させることができる。
【0031】
具体的な例を挙げると、次式(2)に、間隔片108の中心軸16に関する断面二次モーメントIの計算式を示す。尚、式(2)におけるbは、軸方向から見た断面が長方形の間隔片108の長手方向の長さであり、aは、軸方向から見た断面が長方形の間隔片108の短手方向の長さである。またθは、間隔片108の傾斜角である。
【0032】
【数2】
【0033】
ここで一例として、式(2)におけるa=1mm、b=200mm、θ=1°として、第1の実施の形態に係る回転電機100の間隔片108の断面二次モーメントIを計算すると、I=1.87mmとなる。
【0034】
これに対して、式(1)におけるa=1mm、b=200mmとして、従来の回転電機の間隔片8の断面二次モーメントIを計算すると、I=1.67mmとなる。
【0035】
このように、第1の実施の形態に係る回転電機100では、間隔片108の中心軸16に関する断面二次モーメントを従来と比較して増加させることができる。かくして、本実施の形態に係る回転電機100によれば、間隔片108の断面二次モーメントを増加させてねじり振動15に対する強度を向上させることができる。
【0036】
また第1の実施の形態に係る回転電機100では、間隔片108と同様に、スロット109を傾斜させて、当該スロット109に収められた固定子巻線101bも傾斜させたことにより、当該固定子巻線101bについても、断面二次モーメントを増加させてねじり振動15に対する強度を向上させることができる。
【0037】
[2.第2の実施の形態]
次に本発明による第2の実施の形態について説明する。図2は、第2の実施の形態に係る回転電機200の固定子鉄心1aに設けられた通風ダクト10周辺部の断面図である。尚、図2に示す部分以外の構成(すなわち固定子1、回転子2及び軸受け5)については、図5に示す従来の回転電機と同一のため、図及び説明は省略する。
【0038】
この図2に示すように、第2の実施の形態に係る回転電機200は、第1の実施の形態の回転電機100と同様、固定子巻線101bと間隔片108が固定子鉄心1aの半径方向に対して回転子2の回転方向に傾斜して設けられている。一方で、第2の実施の形態に係る回転電機200が、第1の実施の形態の回転電機100と異なる点は、通風ダクト10内で、間隔片108を固定子巻線101bに隣接して設けた点である。
【0039】
具体的には、固定子巻線101bにおける、回転子2の回転方向下流側(図2中右側)に、間隔片108を隣接させるようにした。
【0040】
こうすることで、第2の実施の形態に係る回転電機200では、通風ダクト10の入口部分へと流れ込んできた冷却風の分岐損がなくなり、第1の実施の形態に係る回転電機100と比較して、さらに通風ダクト10の入口部分での圧力損失を低減することができる。
【0041】
[3.他の実施の形態]
次に本発明による他の実施の形態(変形例)について説明する。上述した第1の実施の形態では、間隔片108とスロット109の傾斜角度を、冷却風の半径方向成分13と合成ベクトル14とのなす角度とした。これに限らず、従来(つまり間隔片108とスロット109の傾斜角度が0°の場合)と比較して、通風ダクト10の入口部分での圧力損失を低減することができ、間隔片108の中心軸16に関する断面二次モーメントを増加させることができる範囲内で、間隔片108とスロット109の傾斜角度を、冷却風の半径方向成分13と合成ベクトル14とのなす角度からずらしてもよい。第2の実施の形態についても同様である。
【0042】
また上述した第2の実施の形態では、固定子巻線101bにおける、回転子2の回転方向下流側(図2中右側)に、間隔片108を隣接させるようにした。これに限らず、固定子巻線101bにおける、回転子2の回転方向上流側(図2中左側)に、間隔片108を隣接させるようにしてもよい。
【0043】
さらに上述した第1及び第2の実施の形態では、同期発電機の構成を有する回転電機に本発明を適用した。これに限らず、固定子鉄心に通風ダクトを備えた構成の回転電機であれば、上述した第1及び第2の実施の形態の構成とは一部が異なる構成の回転電機に本発明を適用してもよい。
【0044】
さらに本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した第1及び第2の実施の形態と他の実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、同期機発電機等の回転電機で広く利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1……固定子、1a……固定子鉄心、1b、101b……固定子巻線、2……回転子、3……回転軸、4……磁極、4a……回転子鉄心、4b……回転子巻線、5……軸受け、6……カップリング、7……遠心ファン、8、108……間隔片、9、109……スロット、10……通風ダクト、12……回転方向成分、13……半径方向成分、14……合成ベクトル、15……ねじり振動、16……中心軸、100、200……回転電機。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7