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特許7609998付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法
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  • 特許-付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法 図1A
  • 特許-付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法 図1B
  • 特許-付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法 図1C
  • 特許-付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法 図2A
  • 特許-付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法 図2B
  • 特許-付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法 図3A
  • 特許-付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法 図3B
  • 特許-付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法 図4
  • 特許-付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法 図5
  • 特許-付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法 図6
  • 特許-付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】付勢レールを備えるカテーテル装置、および、瘻孔を形成するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20241224BHJP
   A61B 17/11 20060101ALN20241224BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B17/11
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023532694
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 US2020062556
(87)【国際公開番号】W WO2022115109
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】513114032
【氏名又は名称】ティーブイエー メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】アケレレ-アレ,オラディポ・ピーター
(72)【発明者】
【氏名】モル,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】パーマー,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】シンプソン,ブレアナ
(72)【発明者】
【氏名】パーマー,オリヴィア・ルース
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-500072(JP,A)
【文献】特表平11-512640(JP,A)
【文献】特表2019-503228(JP,A)
【文献】特表2002-541905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の血管と第2の血管の間に瘻孔を形成するための装置であって:
第1のカテーテル本体と、電極と、1つまたは複数の磁石アレイと、第1の複数の付勢レールと、を備える第1のカテーテル
を備え、
前記電極が、前記第1のカテーテルの作用部位から突出するようにおよび前記第1のカテーテル本体の活動側を画定するように構成され、
前記第1のカテーテル本体は、前記活動側とは反対の位置に配置される非活動側を有し、
前記1つまたは複数の磁石アレイが、前記第1のカテーテル本体に沿って長手方向に配置され、
前記第1の複数の付勢レールが、前記第1のカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、前記1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、前記1つまたは複数の磁石アレイのうちの前記少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と前記1つまたは複数の磁石アレイのうちの前記少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間で前記第1のカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成され、
前記第1の複数の付勢レールが、前記第1のカテーテル本体の前記非活動側から延びており、これにより、前記第1の複数の付勢レールが、前記第1の血管壁に対して前記作用部位および前記1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成され、
前記第1の複数の付勢レールが、前記近位点と前記遠位点との間の点において前記第1の複数の付勢レールの間を横方向に延びている接続レールにより、接続される、
装置。
【請求項2】
前記作用部位が、前記近位点と前記遠位点との間に長手方向に位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遠位点が、前記作用部位の前記非活動側に位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の複数の付勢レールが:
前記近位点から遠位方向に延びる第1のループと;
前記遠位点から近位方向に延びる第2のループと、
を備え、
前記第1のループおよび前記第2のループが、前記近位点と前記遠位点との間の交点で撚り合わされる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の複数の付勢レールが、前記近位点と前記遠位点との間の中間点で前記第1のカテーテル本体に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記中間点が、前記電極とは反対に位置する前記作用部位に沿って長手方向に位置決めされる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の複数の付勢レールが、前記近位点と前記遠位点との間で前記第1のカテーテル本体の周りに円周方向に延びる螺旋部を画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記遠位点が、前記第1のカテーテル本体の遠位先端部の近位に位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の複数の付勢レールが、接着剤またはポリマーによって前記第1のカテーテル本体に前記遠位点および前記近位点で固定的に結合される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記近位点および前記遠位点のうちの一方が前記第1のカテーテル本体内の内腔の中へのアクセス開口を画定し、前記複数の付勢レールが、前記第1のカテーテル本体の前記内腔内で延長位置と低プロファイル位置との間で摺動するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のカテーテルが、遠位に前進させられて前記第1の複数の付勢レールを前記第1のカテーテル本体に対して圧迫するように構成されたスリーブをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の複数の付勢レールが、ニチノール、ステンレス鋼、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、またはポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の複数の付勢レールが円形の断面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の複数の付勢レールが、実質的に矩形の断面を有する実質的に平坦なリボンを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
第2のカテーテルをさらに備え、前記第1のカテーテルが前記第1の血管内に位置決めされるように構成され、前記第2のカテーテルが前記第1の血管に隣接する前記第2の血管内に位置決めされるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第2のカテーテルが、第2のカテーテル本体と、前記第2のカテーテル本体の活動側を画定する凹状領域をさらに備え、前記凹状領域が、前記第1のカテーテルの前記電極を受け入れるように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第2のカテーテルが、前記第2のカテーテル本体に沿って長手方向に配置された1つまたは複数の磁石アレイをさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第2のカテーテルが:
第2の複数の付勢レール
をさらに備え、
前記第2の複数の付勢レールが、前記第2のカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、前記1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、前記第2のカテーテルの前記1つまたは複数の磁石アレイのうちの前記少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と前記第2のカテーテルの前記1つまたは複数の磁石アレイのうちの前記少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間で前記第2のカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成され、
前記第2の複数の付勢レールが、前記第2のカテーテル本体の前記活動側とは反対の位置に配置される、前記第2のカテーテル本体の非活動側から延びており、これにより、前記第2の複数の付勢レールが、前記第2血管の壁に対して前記第2のカテーテルの前記凹状領域および前記1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成され、
前記第2の複数の付勢レールが、前記近位点と前記遠位点との間の点において前記第2の複数の付勢レールの間を横方向に延びている接続レールにより、接続される、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記凹状領域が、前記近位点と前記遠位点との間に長手方向に位置決めされる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
第1の血管と第2の血管の間に瘻孔を形成するための装置であって:
カテーテル本体と、電極と、1つまたは複数の磁石アレイと、複数の付勢レールと、を備える第1のカテーテル
を備え、
前記電極が、前記第1のカテーテルの作用部位から突出するようにおよび前記カテーテル本体の活動側を画定するように構成され、
前記カテーテル本体は、前記活動側とは反対の位置に配置される非活動側を有し、
前記1つまたは複数の磁石アレイが、前記カテーテル本体に沿って長手方向に配置され、
前記複数の付勢レールが前記カテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、
前記複数の付勢レールが、前記1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、前記1つまたは複数の磁石アレイのうちの前記少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と前記1つまたは複数の磁石アレイのうちの前記少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間で前記カテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成され、
前記複数の付勢レールが前記カテーテル本体の前記非活動側から延びており、これにより、前記複数の付勢レールが、前記第1の血管壁に対して前記作用部位および前記1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成され、
前記複数の付勢レールが、前記近位点と前記遠位点との間の点において前記複数の付勢レールの間を横方向に延びている接続レールにより、接続され、
前記複数の付勢レールが、前記カテーテル本体の内腔を通って延びている近位部分を備え、
前記近位部分が、前記複数の付勢レールを延長構成まで遷移させるように前記内腔内を前進させられることができ、前記複数の付勢レールが、前記カテーテル本体から離れて径方向に弓形になり、
前記近位部分が、前記複数の付勢レールを低プロファイル構成まで遷移させるために前記内腔内で後退させられることができ、前記複数の付勢レールの径方向に撓む最大距離が、前記延長構成における前記複数の付勢レールの径方向に撓む最大距離より小さい、
装置。
【請求項21】
前記複数の付勢レールが前記低プロファイル構成から前記延長構成へ自然に付勢される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1のカテーテルが、遠位に前進させられて前記複数の付勢レールを前記低プロファイル構成で維持するように構成されたスリーブをさらに備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記複数の付勢レールが、前記低プロファイル構成時、前記カテーテル本体と実質的に同一平面であるかまたは前記カテーテル本体内にある、請求項20に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は瘻孔を形成するためのデバイスおよび方法に関し、より詳細には、瘻孔形成のために、脈管に接触させるようにデバイスを付勢するための一体化された付勢レールを用いるデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]瘻孔は、一般に、2つの内部器官の間に形成された通路である。2つの血管の間に瘻孔を形成することは1つまたは複数の有益な機能を有することができる。たとえば、動脈と静脈との間に瘻孔を形成することは、血液透析患者のための脈管構造にアクセスするのを実現することができる。具体的には、動脈と静脈との間に瘻孔を形成することは、毛細血管を迂回しながら脈管の間を血液が迅速に流れるのを可能にする。他の事例では、瘻孔は、静脈-静脈の瘻孔(veno-venous fistula)を形成するために2つの静脈の間に形成することができる。一般に、瘻孔形成は標的静脈の外科的切開を必要とし、さらには、外科的吻合のための静脈を横に切断して動脈まで動かすことを必要とする。したがって、2つの血管の間に瘻孔を形成するための低侵襲的で高い信頼性のデバイスおよび方法を見出すことが有益である可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]血管の間に瘻孔を形成することの最も困難な態様のうちの1つは、他の身体脈管も企図され可能ではあるが、瘻孔形成の前に隣接する血管内でカテーテルを適切に位置合わせして接合することである。したがって、カテーテルの位置合わせおよび接合を確実にする、瘻孔形成のための代替の装置、方法、およびカテーテルに対しての要求が存在する。本開示の実施形態は、カテーテルを適切なアライメントにするように付勢する付勢レールを提供することにより、上記の制限に対しての改善を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]一実施形態で、2つの血管の間に瘻孔を形成するための装置は、第1のカテーテル本体と、電極と、1つまたは複数の磁石アレイと、第1の複数の付勢レールと、を含む第1のカテーテルを含む。電極は、第1のカテーテルの作用部位から突出するようにおよび第1のカテーテルの活動側を画定するように構成する。1つまたは複数の磁石アレイは、第1のカテーテル本体に沿って長手方向に配置される。第1の複数の付勢レールは第1のカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間で第1のカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成する。第1の複数の付勢レールは第1のカテーテル本体の非活動側から延びており、これにより、第1の複数の付勢レールは、第1の血管壁に対して作用部位および1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成する。第1の複数の付勢レールは、近位点と遠位点との間の点において第1の複数の付勢レールの間を横方向に延びている接続レールにより、接続される。
【0005】
[0005]別の実施形態では、第1の血管と第2の血管との間に瘻孔を形成する方法は、第1のカテーテルを第1の血管の中まで前進させることを含む。第1のカテーテルは、第1のカテーテル本体と、電極と、1つまたは複数の磁石アレイと、第1の複数の付勢レールとを含む。電極は、第1のカテーテルの作用部位から突出するようにおよび第1のカテーテルの活動側を画定するように構成する。1つまたは複数の磁石アレイは、第1のカテーテル本体に沿って長手方向に配置される。第1の複数の付勢レールは第1のカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間で第1のカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成する。第1の複数の付勢レールは第1のカテーテル本体の非活動側から延びており、その結果、第1の複数の付勢レールは、第1の血管壁に対して作用部位および1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成する。本方法は、瘻孔を形成するために電極を用いて組織を焼灼することをさらに含む。
【0006】
[0006]別の実施形態では、2つの血管の間に瘻孔を形成するための装置は、第1のカテーテルを有する。第1のカテーテルは、カテーテル本体と、電極と、1つまたは複数の磁石アレイと、複数の付勢レールとを含む。電極は、第1のカテーテルの作用部位から突出するようにおよび第1のカテーテルの活動側を画定するように構成する。1つまたは複数の磁石アレイは、カテーテル本体に沿って長手方向に配置される。複数の付勢レールはカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びている。複数の付勢レールは、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間でカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成する。複数の付勢レールはカテーテル本体の非活動側から延びており、これにより、複数の付勢レールは、第1の血管壁に対して作用部位および1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成する。複数の付勢レールは、近位点と遠位点との間の点において複数の付勢レールの間を横方向に延びている接続レールにより、接続される。複数の付勢レールは、カテーテル本体の内腔を通って延びている近位部分を含む。近位部分は、複数の付勢レールを延長構成まで遷移させるように内腔内を前進させられることができ、複数の付勢レールはカテーテル本体から離れて径方向に弓形になり、近位部分は、複数の付勢レールを低プロファイル構成まで遷移させるために内腔内で後退させられることができ、複数の付勢レールの径方向に撓む最大距離は、延長構成における複数の付勢レールの径方向に撓む最大距離よい小さい。
【0007】
[0007]本明細書に記載する実施形態によって提供されるこれらおよびその追加の特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮するとより完全に理解されよう。
[0008]図面に示す実施形態は、本質的に説明的かつ例示的であり、特許請求の範囲によって画定される主題を限定することを意図したものではない。説明的な実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むと理解することができ、同様の構造は同様の参照番号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】[0009]本明細書に図示および記載する1つまたは複数の実施形態によるカテーテルを示す概略的な側面図である。
図1B】[0010]本明細書に図示および記載する1つまたは複数の実施形態による、図1Aのカテーテルを示す概略的な上面図である。
図1C】[0011]本明細書に図示および記載する1つまたは複数の実施形態による、図1Aのカテーテルを介して遠位に前進させられるシースを示す概略的な側面図である。
図2A】[0012]図2Aは、本明細書に図示および記載する1つまたは複数の実施形態による、低プロファイル送達構成における複数の付勢レールを備えるカテーテルを示す概略的な断面図である。
図2B】[0013]図2Bは、本明細書に図示および記載する1つまたは複数の実施形態による、延長構成における複数の付勢レールを備える図2Aのカテーテルを示す概略的な断面図である。
図3A】[0014]図3Aは、本明細書に図示および記載する1つまたは複数の実施形態による2つのカテーテル装置を示す概略図である。
図3B】[0015]図3Bは、本明細書に図示および記載する1つまたは複数の実施形態による2つのカテーテル装置を示す概略図である。
図4】[0016]本明細書に図示および記載する1つまたは複数の実施形態による別のカテーテルを示す概略的な側面図である。
図5】[0017]本明細書に図示および記載する1つまたは複数の実施形態による別のカテーテルを示す概略的な側面図である。
図6】[0018]本明細書に図示および記載する1つまたは複数の実施形態による別のカテーテルを示す概略的な側面図である。
図7】[0019]本明細書に図示および記載する1つまたは複数の実施形態による別のカテーテルを示す概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0020]本明細書に記載する実施形態は、瘻孔を形成するためのデバイスおよび方法を対象とする。いくつかの実施形態では、デバイスおよび方法は、2つの血管の間に瘻孔を形成するのに使用することができる。より詳細には、カテーテルは、カテーテルを用いて2つの隣接する血管の間に瘻孔を形成するための2つの隣接する血管の各々の中に配置することができる。
【0010】
[0021]瘻孔形成要素はカテーテルに取り付けることができ、次いでカテーテルが脈管の間に瘻孔を形成するのに使用することができる。しかし、カテーテルの可撓性、脈管の間隔、脈管壁の厚さ、および/または脈管の蛇行構造により、瘻孔形成のために十分な脈管間の接合および/または位置合わせを提供することが困難になる可能性がある。本明細書に記載する実施形態は、上述した1つまたは複数の制限に対処する。特に、本明細書に記載する瘻孔を形成するためのデバイスおよび方法は、カテーテル本体と、電極と、1つまたは複数の磁石アレイと、複数の付勢レールと、を有するカテーテルを含むことができる。電極は、カテーテルの作用部位から突出するようにおよびカテーテルの活動側を画定するように構成することができる。複数の付勢レールはカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と1つまたは複数の磁石のうちの少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間でのカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成する。複数の付勢レールは、近位点と遠位点との間の点において複数の付勢レールの間を横方向に延びている接続レールにより、接続されることができる。複数の付勢レールはカテーテル本体の非活動側から延びており、これにより、複数の付勢レールは、血管壁に対して作用部位ならびに/あるいは1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成する。したがって、複数の付勢レールは、カテーテルの1つまたは複数の磁石アレイと第2のカテーテルに取り付けられた1つまたは複数の磁石アレイとの間でのより良好な磁気引力を可能にするために血管壁に対して1つまたは複数の磁石アレイの位置決めを促進し、第2のカテーテルはこの血管に隣接する第2の血管内に位置決めすることができる。したがって、複数の付勢レールは、1つまたは複数の磁石アレイと併せて、隣接する血管の中で第1および第2のカテーテルを位置合わせして密に接近させることができ、それにより第1および第2の血管の間でのより高い信頼性の瘻孔形成を可能にする。次に、以下で、図を参照して様々な実施形態をより詳細に論じる。
【0011】
[0022]図1Aを次に参照すると、瘻孔を形成するための装置のカテーテル100(たとえば、第1のカテーテル)が描かれている。本明細書により詳細に記載するように、装置は第2のカテーテル400(図3A)をさらに含むことができる。第1のカテーテル100の構造について詳細に論じるが、第2のカテーテル400(図3A)の構造は、記載されている内容を除いて、第1のカテーテル100によく似たものとすることができることを理解されたい。カテーテル100は、概してカテーテル本体102を含み、カテーテル本体102は、カテーテル100が血管を通って前進することを支援するように特に構成された遠位先端部140を含むことができる。たとえば、遠位先端部140は、血管を通って前進するために、尖っているおよび/または傷つけないものとすることができる。カテーテル本体102は、血管内使用のために任意の望ましい断面形状および任意の好適な直径を有することができる。カテーテル100は、カテーテル本体102に沿ってまたはカテーテル本体102を通って少なくとも部分的に延びる1つまたは複数の内腔または他の通路をさらに含むことができる。たとえば、1つまたは複数の内腔は、図1Aの座標軸のx軸の方向に、カテーテル本体102を通って少なくとも部分的に長手方向に延びることができる。
【0012】
[0023]カテーテル100は、カテーテル本体102に沿って配置された作用部位135をさらに含むことができる。作用部位135は、本明細書に記載するように、カテーテル本体102に沿って配置されたカテーテル100のうち、血管を修正(たとえば、切断、焼灼など)するように構成された部分を指す。特に、本開示の実施形態では、カテーテル100は、第1の血管300(図3A)と第2の血管302(図3A)との間に1つまたは複数の瘻孔を形成するように構成された作用部位135を含むことができる。実施形態では、作用部位135は、カテーテル本体102に沿って遠位先端部140に対して近位の位置(たとえば、図1Aの座標軸の-x方向)に配置することができ、活動側134を画定することができる。作用部位135は、脈管を修正するために1つまたは複数の器具がカテーテル本体102内および/またはカテーテル本体102外へ通過することを可能にする1つまたは複数の開口を、作用部位135の活動側134に備えることができる。たとえば、作用部位135の活動側134は、作用部位135のうち、修正がなされるべき脈管の領域に当接または対向する部分である。たとえば、電極108は、作用部位135の活動側134から突出することができ、カテーテル100の長手方向中心線から離れる方へ径方向に延びて、血管300の壁に接触することができる(たとえば、図3B参照)。
【0013】
[0024]電極108は、組織を焼灼するために活動状態にすることができる露出された焼灼面と、焼灼面に取り付けられたリードワイヤまたは他の導体とを含むことができる。特に、活動状態にされたとき、瘻孔を形成するための組織の焼灼または蒸発を容易にするために、焼灼面を介して組織および流体へ電流を供給することができ、かつ/または組織および流体から電流を運ぶことができる。いくつかの実施形態では、電極108は、ばねワイヤまたは板ばね電極とすることができ、電極108がカテーテル100内に保持される後退構成と、電極108がカテーテル本体102の表面から突出する突出構成との間で可動とすることができる。電極108は、カテーテル本体102から突出するように自然に付勢されても付勢されなくてもよい。電極108が自然に付勢されてカテーテル本体102から突出するとき、スリーブ160などの構造を使用して、展開(換言すれば、配備)が所望されるまで、電極108を後退構成で保持または維持することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル本体102は、使用中に電極108によって生成される熱からカテーテル100およびその構成要素を遮蔽または他の方法で保護することができる1つまたは複数の絶縁材料(図示せず)を含むことができる。
【0014】
[0025]図1Aをさらに参照すると、カテーテル100は、作用部位135の活動側134とは反対の位置に配置された非活動側103または領域を含む。たとえば、非活動側103は、カテーテル100のうち切断および/または焼灼手段を含まない方を指す。カテーテル100の非活動側103は、カテーテル本体102および作用部位135にわたって延びる。言い換えれば、カテーテル本体102および作用部位135はどちらも、非活動側103を画定することができる。カテーテル本体102および作用部位135の非活動側103は、作用部位135の活動側134から正反対の位置にある。したがって、カテーテル本体102および作用部位135の非活動側103は、電極108とは反対の位置に配置される。言い換えれば、カテーテル本体102および作用部位135の非活動側103は、作用部位135の活動側134を介して血管300(図3A)内に形成される修正部に当接または対向しない。代わりに、カテーテル本体102の非活動側103は、電極108によって、カテーテル本体102の少なくとも一部分の直径または高さ(たとえば、図1Aの座標軸のz軸の方向)だけ、血管300(図3A)内に形成される修正部から離間して配置することができる。
【0015】
[0026]図1Aをさらに参照すると、カテーテル100は、カテーテル本体102に沿って長手方向に配置された1つまたは複数の磁石アレイを含むことができる。たとえば、カテーテル100は、第1の磁石アレイ104を含むことができ、第1の磁石アレイ104は、カテーテル本体102に沿って長手方向に延び、作用部位135に対して近位(たとえば、図1Aの座標軸の-x方向)に配置される。カテーテル100は、第2の磁石アレイ106を含むことができ、第2の磁石アレイ106は、カテーテル本体102に沿って長手方向に延び、作用部位135に対して遠位(たとえば、図1Aの座標軸の+x方向)に配置される。いくつかの実施形態では、第2の磁石アレイ106は、作用部位135とカテーテル本体102の遠位先端部140との間に長手方向(たとえば、図1Aの座標軸のx軸の方向)に配置することができる。実施形態では、カテーテル100は、作用部位135内で作用部位135の活動側134の後ろ(換言すれば、背面側)に配置された第3の磁石アレイ150を含むことができる。より詳細には、第3の磁石アレイ150は、作用部位135の非活動側103に沿って配置することができ、かつ/または作用部位135の非活動側103内に配置することができる。実施形態では、カテーテル100は、第1の磁石アレイ104、第2の磁石アレイ106、および第3の磁石アレイ150を個々にまたは任意の組合せで含むことができる。「磁石アレイ」という語句を本明細書で使用するが、磁石アレイ104、106、および150の各々を、カテーテル本体102および/または作用部位135に沿って単一の磁石として構成することもできることを理解されたい。
【0016】
[0027]本明細書に記載する磁石アレイ104、106、および150は、それだけに限定されるものではないが、希土類元素の合金(たとえば、サマリウム-コバルト磁石、またはN52磁石などのネオジム磁石)、またはアルニコなど、1つまたは複数の硬磁性材料を含む永久磁石とすることができる。いくつかの変形例では、磁石アレイ104、106、および150は、異方性磁石を含むことができ、他の変形例では、磁石アレイ104、106、および150は、等方性磁石を含むことができる。いくつかの変形例では、磁石アレイ104、106、および150は、圧縮粉末から形成することができる。いくつかの変形例では、磁石アレイ104、106、および150の一部分(たとえば、透明の裏打ち材)は、それだけに限定されるものではないが、鉄、コバルト、ニッケル、またはフェライトなど、1つまたは複数の軟磁性材料を含むことができる。2つのカテーテルを備える装置では、第1のカテーテル100または第2のカテーテル400(図3Aおよび図3B)が、強磁性元素(すなわち、永久磁場に引き付けられるが永久磁場を生成しない元素)を含むことができることを理解されたい。たとえば、いくつかの変形例では、第1のカテーテル100は、1つまたは複数の強磁性元素のみを含むことができ、第2のカテーテル400(図3Aおよび図3B)は、1つまたは複数の永久磁石を備えることができる。他の変形例では、第2のカテーテル400(図3Aおよび図3B)は、1つまたは複数の強磁性元素のみを含むことができ、第1のカテーテル100は、1つまたは複数の永久磁石を備えることができる。しかし、他の変形例では、第1のカテーテル100および第2のカテーテル400(図3Aおよび図3B)の一方または両方は、強磁性磁石、永久磁石、および/または他の好適な種類の磁石の任意の好適な組合せを含むことができる。
【0017】
[0028]概して、本明細書に記載する磁石アレイ104、106、および150の寸法は、磁石アレイ104、106、および150を保持するカテーテル100のサイズに基づいて選択することができ、カテーテル100のサイズは、カテーテル100を前進させることができる選択された血管の解剖学的寸法に基づいて選択することができる。たとえば、約3mmの内径を有する血管300(図3Aおよび図3B)を通ってカテーテル100を前進させる場合、カテーテル100の前進および操作中の脈管壁に対する負傷のリスクを低減させるために、いずれの磁石アレイ104、106、および150も断面が最も広い部分で約3mm未満になるように構成することが望ましい場合がある。各磁石アレイ104、106、および150は、任意の好適な長さ(たとえば、約5mm、約10mm、約15mm、約20mmなど)を有することができるが、いくつかの事例では、より長い磁石アレイは、脈管を通って操作するためのカテーテル100の柔軟性を制限する可能性があることを理解されたい。いくつかの変形例では、磁石アレイ104、106、および150は、複数の方形の磁石を含むことができる。他の実施形態では、磁石アレイ104、106、および150の各磁石は、カテーテルの内側または外側に配置するための任意の好適な形状を有することができる。磁石は、円筒形、半円筒形、管形、箱形などとすることができる。
【0018】
[0029]実施形態では、磁石アレイ104、106、および150の外面は、カテーテル本体102の外面と同一平面または一直線とすることができる。他の実施形態では、磁石104、106、および150は、カテーテル本体102内にカテーテル本体102の外面から離れるように径方向に配置することができる。他の実施形態では、磁石アレイ104、106、および150の外面は、カテーテル本体102の外面を越えて径方向に距離をあけて延びることができる。
【0019】
[0030]各磁石アレイ104、106、150は、カテーテル100内またはカテーテル100上に、任意の好適な方法によって固定することができる。たとえば、いくつかの変形例では、1つまたは複数の磁石アレイ104、106、および150は、カテーテル100に埋め込むことができ、カテーテル100に付着させることができ、またはカテーテル100に摩擦嵌めすることができる。
【0020】
[0031]図1Aをさらに参照すると、カテーテル100は1つまたは複数の付勢レールをさらに含むことができる。実施形態では、カテーテル100は複数の付勢レール120を含むことができ、複数の付勢レール120は第1の付勢レール122および第2の付勢レール124を含む。複数の付勢レール120を一対の付勢レール122、124として論じるが、複数の付勢レール120は任意の数の付勢レールを含むことができることを理解されたい。複数の付勢レール120は、カテーテル本体102の長さに沿って長手方向に延びることができる(たとえば、図1Aの座標軸のx軸の方向)。複数の付勢レール120は、カテーテル本体102の近位点130と遠位点132との間でカテーテル本体102から離れて径方向に弓形になることができる。近位点130は磁石アレイ104、106、150のうちの少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位(たとえば、図1Aの座標軸の-x方向)に位置決めすることができ、遠位点132は磁石アレイ104、106、150の少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位(たとえば、図1Aの座標軸の+x方向)に位置決めすることができる。したがって、複数の付勢レール120は、磁石アレイ104、105、150の少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように構成することができる。言い換えれば、第1の磁石アレイ104、第2の磁石アレイ106、および第3の磁石アレイ150のうちの少なくとも1つを、近位点130と遠位点132との間に長手方向(たとえば、図1Aの座標軸のx軸の方向)に配置することができる。実施形態では、図3Aおよび図3Bに関連してさらに詳細に論じるように、複数の付勢レール120は、1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150を血管壁に対して付勢するように配置することができる。
【0021】
[0032]実施形態では、複数の付勢レール120は、カテーテル100の非活動側103から径方向に延びることができる。言い換えれば、近位点130および遠位点132は、カテーテル本体102の非活動側103に沿って配置することができる。より詳細には、実施形態では、複数の付勢レール120の横方向中心点137(図1B)は、作用部位135の活動側134と正反対に位置することができる。横方向中心点137は、複数の付勢レール120の付勢レール(すなわち、第1の付勢レール122および第2の付勢レール124)の横方向(たとえば、図1Aの座標軸のy軸の方向)外縁部から等距離にある点とすることができる。実施形態では、作用部位135は、近位点130と遠位点132との間に長手方向(たとえば、図1Aの座標軸のx軸の方向)に配置することができる。実施形態では、図3Aおよび図3Bに関してさらに詳細に論じるように、複数の付勢レール120は、作用部位135、より具体的には作用部位135の活動側134を、血管壁に対して付勢するように構成することができる。
【0022】
[0033]実施形態では、複数の付勢レール120は近位の方に偏った非対称(skewed)のものとすることができる(たとえば、図1Aの座標軸の-x方向に偏っている)。言い換えれば、近位点130と複数の付勢レール120の頂点131との間の第1の距離L1(図1Aの座標軸のx軸の方向)は、遠位点132と複数の付勢レール120の頂点131との間の第2の距離L2(図1Aの座標軸のx軸の方向)より小さくすることができる。複数の付勢レール120の頂点131は、複数の付勢レールの延長(換言すれば、伸長)構成時にカテーテル本体102から最大高さMHつまり最大の径方向の撓みを呈する、複数の付勢レール120に長手方向に沿う(たとえば、図1Aの座標軸のx軸の方向)点とすることができる。したがって、実施形態では、複数の付勢レール120に沿う最大高さMHの点は遠位点132より近位点130に近い(たとえば、図1Aの座標軸のx軸の方向)。そのような実施形態では、複数の付勢レール120は、血管300(図3A)の壁に対して第1の磁石アレイ104および作用部位135を付勢するように特に構成する。
【0023】
[0034]カテーテル100の非活動側103を描いている図1Aを、図1Bと併せて、再び参照すると、複数の付勢レール120は1つまたは複数の接続レール126、126’、126”を含むことができる。1つまたは複数の接続レール126、126’、126”は、複数の付勢レール120の第1の付勢レール122と第2の付勢レール124の間を横方向に延びることができ、第1の付勢レール122および第2の付勢レール124を接続することができる。1つまたは複数の接続レール126、126’、126”は、近位点130と遠位点132との長手方向(たとえば、図1Aおよび1Bの座標軸のx軸の方向)の間の点において付勢レール122および124の間を延びることができる。1つまたは複数の接続レール126、126’、126”は、血管300(図3A)の壁に接触するときに第1の付勢レール122および第2の付勢レール124を互いから離れるようにまたは互いに向けて回転すること(つまり、カテーテル本体102の円周回りの互いに反対の方向に回転すること)を阻止することができる。
【0024】
[0035]上述したように、複数の付勢レール120は、近位点130と遠位点132との間で、カテーテル100のカテーテル本体102から離れて径方向に弓形になることができる。いくつかの実施形態では、複数の付勢レール120の付勢レール122、124は、近位点130および遠位点132でカテーテル本体102に固定して取り付けることができる。そのような実施形態では、付勢レール122、124は、好適なポリマーまたは糊などの接着剤、レーザ溶接、熱収縮プラスチックラップなどによって、近位点130および遠位点132でカテーテル本体102に固定することができる。実施形態では、近位点130は、カテーテル本体102に結合されたキャップ142内で収容することができ、遠位点132は、カテーテル本体102に連結されたキャップ144内で収容することができる。キャップ142、144は、金属、プラスチック、または複合材などとすることができ、近位点130および遠位点132を外部環境から遮蔽することができる。
【0025】
[0036]実施形態では、複数の付勢レール120の付勢レール122、124は、円形の断面を有することができる。実施形態では、複数の付勢レール120の付勢レール122、124は、実質的に矩形の断面を有する平坦なリボンとすることができる。いくつかの実施形態では、付勢レール122、124は、円形の断面を有する付勢レール122、124の第1の区間と実質的に矩形の断面を有する付勢レールの第2の区間との間で遷移することができる。たとえば、近位点130に隣接する付勢レール122、124の近位端は円形の断面を有することができ、遠位点132に隣接する付勢レール122、124の遠位端は円形の断面を有することができ、近位端と遠位端との間の付勢レール122、124の区間は矩形の断面を有することができる。実施形態では、複数の付勢レール120の付勢レール122、124は、金属、プラスチック、ポリマー、プラスチックで被覆された金属、上記材料のいずれかの複合物などから作ることができる。たとえば、付勢レール122、124は、ニチノール、ステンレス鋼、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミドなどとすることができる。付勢レール122、124は、形状記憶を呈し、設定または所望される形状に戻る材料とすることができる。実施形態では、1つまたは複数の接続レール126、126’、126”は、平坦なリボンまたは円形のリボンとすることができる。1つまたは複数の接続レール126、126’、126”は、金属、プラスチック、ポリマー、プラスチックで被覆された金属、上記材料のいずれかの複合物などとすることができる。1つまたは複数の接続レール12,126’、126”は、たとえば、接着剤、はんだ付け、または溶接などの、任意の結合技法を介して付勢レール122、124に結合することができる。
【0026】
[0037]いくつかの実施形態では、付勢レール120は、低プロファイル(換言すれば、輪郭)構成から、図1Aに描かれている延長構成へ拡張することができる。低プロファイル構成で、複数の付勢レール120は非接触状態に配置することができ、非接触状態では、複数の付勢レール120は、カテーテル100を血管300(図3A)内で横方向に付勢するための付勢力を血管300(図3A)の壁に印加しない。低プロファイル構成で、複数の付勢レール120は、カテーテル100のカテーテル本体102と実質的に同一平面で、またはカテーテル本体102内に維持することができる。したがって、複数の付勢レール120をカテーテル本体102から径方向に延ばすことなく、さらに、カテーテル100を血管300(図3A)内で横方向に付勢するための付勢力を血管300(図3A)の壁に印加することなく、カテーテル100を血管300(図3A)内の所望される位置へ前進させることができる。延長構成で、複数の付勢レール120の少なくとも一部分は、カテーテル本体102の外面から外方へ径方向に延びて接触状態になることができ、接触状態で、複数の付勢レール120の少なくとも一部分は、血管300(図3A)の壁に付勢力を印加する。したがって、延長構成にあるときに複数の付勢レール120がカテーテル本体102の外面から径方向に撓む最大距離は、低プロファイル構成にあるときに複数の付勢レール120がカテーテル本体102の外面から径方向に撓む最大距離より大きくすることができる。
【0027】
[0038]実施形態では、本明細書に記載する複数の付勢レール120は、延長構成の方へ付勢することができる。すなわち、複数の付勢レール120は、低プロファイル構成から延長構成へ自己拡張するように構成することができる。言い換えれば、複数の付勢レール120は、複数の付勢レール120の付勢レール122、124がカテーテル本体102の外面から離れて所定の距離だけ径方向に延びた延長構成で、自然の休止状態とすることができる。そのような実施形態では、複数の付勢レール120を低プロファイル構成で保持するための力が必要とされうる。たとえば、図1A図1Cを参照すると、複数の付勢レール120を低プロファイル構成で維持するために、シース160を遠位(たとえば、図1A図1Cの座標軸の+x方向)に前進させることができる。シース160は、図1Cに描かれているように、カテーテル100のカテーテル本体102および1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150より大きい直径を有する内腔を含むことができ、それによってカテーテル本体102および1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150上でシース160を遠位に前進させることを可能にすることができる。したがって、シース160がカテーテル本体102および1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150上で遠位に前進させられた状態で、シース160によって複数の付勢レール120をカテーテル本体102に対して圧迫することができる。言い換えれば、カテーテル本体102とシース160との間の空間内で複数の付勢レール120を圧迫し、低プロファイル構成で維持することができる。たとえば、シース160内のカテーテル100を血管300(図3A)内で望ましい位置へ前進させて、瘻孔を形成することができ、その時点で、シース160を近位方向(たとえば、図1A図1Cの座標軸の-x方向)に後退させ、それによって複数の付勢レール120を露出させることができる。シース160が複数の付勢レール120を低プロファイル構成で維持するための力を複数の付勢レール120に印加しなくなったとき、複数の付勢レール120の自然の付勢により、複数の付勢レール120は自然に拡張して、図1Aに示す延長構成になることができる。
【0028】
[0039]いくつかの実施形態では、複数の付勢レール120は、銅-アルミニウム-ニッケルおよびニッケル-チタンなど、温度などの環境要因によって形状を変化させる形状記憶合金から作ることができる。たとえば、複数の付勢レール120の活動状態の形状は、図1Aに描かれている延長構成とすることができる。形状記憶合金の遷移温度は、標準的な室温を上回ることができる。いくつかの実施形態では、形状記憶合金の遷移温度は、ほぼ体内温度とすることができる。したがって、患者の体外で標準的な室温において、複数の付勢レール120は低プロファイル構成に変形することができ、低プロファイル構成で複数の付勢レール120は非接触状態にあり、血管300(図3A)の壁に付勢力を印加するためにカテーテル本体102の外面から離れる方へ径方向には延びない。複数の付勢レール120の温度が増大するにつれて、複数の付勢レール120は低プロファイル構成から延長構成へ自然に遷移することができ、延長構成で複数の付勢レール120は接触状態になり、カテーテル本体102の外面から離れる方へ径方向に延び、カテーテル100を血管300(図3A)内で横方向に付勢するための付勢力を血管300(図3A)の壁に印加する。実施形態では、複数の付勢レール120は、30℃を上回る温度、32℃を上回る温度、35℃を上回る温度、および20℃の標準的な室温と37℃の体内温度との間の同様の温度で、低プロファイル構成から延長構成へ遷移することができる。
【0029】
[0040]いくつかの実施形態では、本明細書に記載する複数の付勢レール120は、複数の付勢レール120がカテーテル100のカテーテル本体102内で可動になるように、構成することができる。たとえば、カテーテル100の内部の断面図を描いている図2Aおよび2Bを参照すると、複数の付勢レール120は、カテーテル本体102の内腔802を通って延びることができる。複数の付勢レール120は内腔802を通って延びるものとして描かれており、電極108はカテーテル本体102の内腔804を通って延びているものとして描かれているが、いくつかの実施形態では、複数の付勢レール120および電極108は内腔804などの共通の内腔を通って延びることもできることを理解されたい。カテーテル本体102内の複数の付勢レール120および電極108の動きの間の物理的な干渉は、複数の付勢レール120が内腔802を通って延びて電極108が内腔804を通って延びるとき、低減することができる。実施形態では、複数の付勢レール120は、近位点130でカテーテル本体102の開口808を通って延びることができる。すなわち、近位点130は、カテーテル本体102内の内腔802に入る開口808を画定することができる。複数の付勢レール120は、内腔802を通る、カテーテル本体102の内部を通って近位(たとえば、図2Aおよび2Bの座標軸の-x方向)に延びることができる。したがって、複数の付勢レール120は、カテーテル本体102の内腔802内で可動とすることができる。低プロファイル構成で、図2Aに描かれているように、複数の付勢レール120の近位部分806は内腔802内に収容することができる。複数の付勢レール120は内腔802内を動くことができ、複数の付勢レール120の近位部分806が開口808から外方へ拡張する。近位部分806が開口808から外方へ拡張すると、複数の付勢レール120は近位点130と遠位点132との間でカテーテル本体102から離れて径方向に延びることができ、図2Bに描かれているように延長構成まで動くことができる。
【0030】
[0041]実施形態では、複数の付勢レール120を付勢して延長構成にすることができる。言い換えれば、複数の付勢レールの近位部分806を付勢して、開口808から外方に拡張させることができる。シース160(図1A~1C)は、複数の付勢レール120を低プロファイル構成で維持することができる。たとえば、カテーテル100上でシース160(図1A~1C)を遠位(たとえば、図2Aおよび図2Bの座標軸の+x方向)に前進させることができる。シース160(図1A~1C)は、内向きの力を複数の付勢レール120に印加して複数の付勢レール120を圧迫することができ、それによって複数の付勢レール120の近位部分806は、内腔802内を近位(たとえば、図2Aおよび図2Bの座標軸の-x方向)に摺動する。シース160(図1A~1C)は、近位部分806が開口808から遠位に拡張することをさらに防止することができる。したがって、近位部分806を、内腔802内で維持することができ、複数の付勢レール120を、低プロファイル構成で維持することができる。さらに、シース160(図1A~1C)を近位(たとえば、図2Aおよび図2Bの座標軸の-x方向)に取り除くことで、近位部分806の自然の付勢により、複数の付勢レール120の近位部分806が開口808から拡張することを可能にすることができる。したがって、複数の付勢レール120は、図2Bに描かれている延長構成をとることができる。
【0031】
[0042]実施形態では、複数の付勢レール120は、遠位点132でカテーテル本体102に固定することができ、近位点130でカテーテル本体102を通って内腔802の中まで延びることができることを理解されたい。他の実施形態では、複数の付勢レール120は、同様に、近位点130でカテーテル本体102に固定することができ、遠位点132でカテーテル本体102を通って内腔802の中まで延びることができる。したがって、遠位点132が内腔802の中へのアクセス開口を画定することができる。そのような実施形態では、複数の付勢レール120は、カテーテル本体102内の遠位点132のところの開口を通る複数の付勢レール120の拡張または圧迫に応じて、複数の付勢レール120が低プロファイル構成と延長構成との間を遷移することができることから、上述したように動作することができる。いくつかの実施形態では、複数の付勢レール120は、カテーテル本体102を通って近位点130および遠位点132の両方のところの内腔802の中まで延びることができる。そのような実施形態では、複数の付勢レール120の近位部分806および対応する遠位部分の両方が内腔802内で可動となりえる。
【0032】
[0043]図1~2Bを参照してこれまで論じた実施形態では、複数の付勢レール120の自然の付勢により、第1の状態において脈管構造を通って送達するための低プロファイル構成で複数の付勢レール120を保持し、第2の状態において複数の付勢レール120が付勢力を血管300(図3A)の壁に印加するための延長構成に入ることを可能にする使用者作動制御の必要をなくすことができる。複数の付勢レール120は、低プロファイル構成と延長構成との間で可動とすることができるが、この動きは、複数の付勢レール120の付勢と外力(シース160(図2A)または内腔802の内壁などから)とを組み合わせた自然の結果として発生することができ、複数の付勢レール120は、使用中ずっと単一の状態のままである。すなわち、脈管構造を介したカテーテル100の前進および組織の焼灼のどちらにおいても、カテーテル100は、複数の付勢レール120を圧迫する外力がなくても、複数の付勢レール120が延長構成をとることが可能になる状態にある。複数の付勢レール120の形状記憶および複数の付勢レール120の自然の付勢により、複数の付勢レール120は、設定された形状(たとえば、延長構成)に戻ることができる。したがって、延長構成における複数の付勢レール120のカテーテル本体102からの径方向延長の角度、形状、湾曲、および距離を特に選択することができる。複数の付勢レール120のカテーテル本体102からの径方向延長の距離は、カテーテル100のサイズおよびカテーテル100が前進させられる血管300(図3A)のサイズに基づいて、特に選択および/または構成することができる。たとえば、複数の付勢レール120の径方向延長の距離は、約2mmから約4mm、4mm超、6mm超、8mm超、約10mmなどの直径を有する血管内の血管壁に対してカテーテル100を付勢するように選択することができる。
【0033】
[0044]図2Aおよび図2Bを次に参照すると、いくつかの実施形態では、複数の付勢レール120は、低プロファイル構成から延長構成へ使用者が操作することができる。たとえば、複数の付勢レール120が内腔802を通って近位に(たとえば、図2Aおよび2Bの座標軸の-x方向)延びている実施形態では、複数の付勢レール120は、複数の付勢レール120に結合されたハンドコントロール(換言すれば、手動制御部材)、スイッチ、アクチュエータ、または他の使用者操作式デバイスまで、延びることができる。使用者操作式デバイスの作動によって、使用者は、複数の付勢レール120を内腔802を通して遠位(たとえば、図2Aおよび図2Bの座標軸の+x方向)に前進させることができ、かつ/または複数の付勢レール120を内腔を通して近位(たとえば、図2Aおよび図2Bの座標軸の-x方向)に後退させることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、複数の付勢レール120は遠位点132でカテーテル本体102に固定することができる。使用者が複数の付勢レール120および特には複数の付勢レール120の近位部分806を遠位に前進させることができ(たとえば、図2Aおよび2Bの座標軸の+x方向)、その結果、複数の付勢レール120の近位部分806が開口808から外方に拡張する。したがって、複数の付勢レール120は、図2Aに描かれている低プロファイル構成から図2Bに描かれている延長構成に遷移することができる。実施形態では、複数の付勢レール120は、開口808からの付勢レール120の拡張後に延長構成において所望の形状をとるように、構成することができる。実施形態では、延長構成における複数の付勢レール120の頂点131の高さ(たとえば、図2Aおよび2Bの座標軸の+z方向)が、内腔802を通る複数の付勢レール120の遠位の前進の大きさ(たとえば、図2Aおよび2Bの座標軸の+x方向)によって判定することができる。言い換えれば、使用者が内腔802を通して複数の付勢レール120をさらに前進させると、複数の付勢レール120がカテーテル本体102の外面から径方向にさらに延びることができる。
【0034】
[0045]他の実施形態では、複数の付勢レール120の遠位点132も内腔802内で可動とすることができる。言い換えれば、複数の付勢レール120は、開口808の近位(たとえば、図2Aおよび2Bの座標軸の-x方向)で内腔802内に完全に収容することができる。使用者は複数の付勢レール120を前進させることができ、その結果、複数の付勢レール120が開口808から延びる。複数の付勢レール120がキャップ144の下方のカテーテル本体102に接触するまで、使用者は引き続き複数の付勢レール120を遠位(たとえば、図2Aおよび2Bの座標軸の+x方向)に前進させることができる。複数の付勢レール120は、複数の付勢レール120の遠位部分の遠位(たとえば、図2Aおよび2Bの座標軸の+x方向)の前進時に複数の付勢レール120の遠位部分がキャップ144の方に動くように仕向けられることになるような、形状とすることができる。したがって、複数の付勢レール120は、上で論じたように、カテーテル本体102からの複数の付勢レール120の径方向延長を制御するために選択的に操作することができる。
【0035】
[0046]図3Aおよび図3Bを次に参照すると、第1のカテーテル100および第2のカテーテル400によって第1の血管300と第2の血管302との間に瘻孔を形成するための装置および方法について次に論じる。図3Aをまず参照すると、血管300の内腔で第1のカテーテル100を前進させることができる。血管300に隣接した血管302内に、第2のカテーテル400を配置することができる。第2のカテーテル400は、本明細書で論じる第1のカテーテル100に類似したものとすることができる。いくつかの実施形態では、第2のカテーテル400は電極108を含まなくてよい。第2のカテーテル400は、カテーテル本体402を含む。カテーテル本体402は、活動側434を有する作用部位435をさらに画定する。第2のカテーテル400は、カテーテル本体402および作用部位435によって画定される非活動側403をさらに含む。具体的には、作用部位435の活動側434は、第1のカテーテル100の電極108を受け取るように構成された凹部408を含むことができる。凹部408は特に、第1のカテーテル100の電極108を凹部408内に受け入れるような形状、サイズなどとすることができる。他の実施形態では、第2のカテーテル400は、カテーテル本体402から離れる方へ径方向に作用部位435から延びる電極を含むことができる。第2のカテーテル400の第2のカテーテル本体402は、1つまたは複数の磁石アレイをさらに含むことができる。たとえば、第2のカテーテル400は、作用部位435に対して近位(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸の-x方向)に配置された第1の磁石アレイ404、作用部位435に対して遠位(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸の+x方向)に配置された第2の磁石アレイ406、および/または作用部位435に沿って、特にいくつかの実施形態では作用部位435の非活動側403に沿って配置された第3の磁石アレイ450を含むことができる。実施形態では、第2のカテーテル400は、構造および動作に関して第1のカテーテル100の第1の複数の付勢レール120によく似ている第2の複数の付勢レール420を含むことができる。後述する実施形態では、第1のカテーテル100が第1の複数の付勢レール120を含み、第2のカテーテル400が第2の複数の付勢レール420を含むが、第1のカテーテル100および第2のカテーテル400のうちの1つのみが付勢レールを含むこともできることを理解されたい。
【0036】
[0047]第1のカテーテル100の1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150および第2のカテーテル400の1つまたは複数の磁石アレイ404、406、450は、カテーテル100および400の回転方向および軸方向の位置合わせを促進するように構成することができる。カテーテル100および400間の適切な軸方向および回転方向の位置合わせは、それぞれ第1および第2のカテーテル100、400の作用部位135、435など、1つまたは複数の瘻孔形成要素の位置合わせを容易にすることができる。より具体的には、第1のカテーテル100と第2のカテーテル400との間の適切な軸方向および回転方向の位置合わせは、凹部408に対する電極108の位置合わせを容易にすることができる。第1のカテーテル100の1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150は、1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150によって生成される磁界が、作用部位135の活動側134の方向(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸の-z方向)において、作用部位135の非活動側103の方向(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸の+z方向)より強くなるように配置することができる。同様に、第2のカテーテル400の1つまたは複数の磁石アレイ404、406、450は、1つまたは複数の磁石アレイ404、406、450によって生成される磁界が、作用部位435の活動側434の方向(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸の+z方向)において、作用部位435の非活動側403の方向(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸の-z方向)より強くなるように配置することができる。そのような実施形態では、それぞれ作用部位135、435の活動側134、434の方向における磁界の強度により、第1の血管300内の第1のカテーテル100の作用部位135の活動側134と、第2の血管302内の第2のカテーテル400の作用部位435の活動側434との間の回転方向の位置合わせを促進することができる。
【0037】
[0048]カテーテル100および400は、図3Aに描かれているように、軸方向に位置合わせがずれており、それによって図3Aおよび図3Bの座標軸のx方向において、第1のカテーテル100の電極108は第2のカテーテル400の凹部408と位置合わせされない。さらに、たとえば図3Aに描かれているように、第1のカテーテル100および第2のカテーテル400の接合は弱い。接合が弱いとき、第1のカテーテル100の作用部位135の活動側134および血管300の隣接する壁のうちの少なくとも1つと、第2のカテーテル400の作用部位435の活動側434および血管302の隣接する壁との間に、空間が残ることがある。したがって、接合が弱いとき、作用部位135の活動側134および作用部位435の活動側434は、互いに密に接近していない(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸のz軸の方向)。
【0038】
[0049]第2のカテーテル400の各磁石アレイ404、406、450は、第1のカテーテル100の対応する磁石アレイ104、106、150と対合するように構成することができ、また逆も同様であり、それによって第1のカテーテル100および第2のカテーテル400を位置合わせおよび接合することができる。本明細書で使用される「接合(coapted)」および/または「強い接合(coaptation)」という用語は、第1のカテーテル100および第2のカテーテル400が密に接近して(in close approximation)おり(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸のz軸の方向)、それによって第1のカテーテル100の電極108が第2のカテーテル400の凹部408に入ることができることを意味するものと理解されうる。本明細書で使用される「対合(mate)」という用語は、第1のカテーテル100の磁石アレイと第2のカテーテル400の磁石アレイとの間の相互引力を意味するものと理解されうる。たとえば、カテーテル100の作用部位135の近位(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸の-x方向)に配置された第1の磁石アレイ104は、第2のカテーテル400の作用部位435の近位(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸の-x方向)に配置された第1の磁石アレイ404と対合するように構成することができる。カテーテル100の作用部位135の遠位(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸の+x方向)に配置された第2の磁石アレイ106は、第2のカテーテル400の作用部位435の遠位(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸の+x方向)に配置された第2の磁石アレイ406と対合するように構成することができる。同様に、第1のカテーテル100の作用部位135の非活動側103に沿って配置された第3の磁石アレイ150は、第2のカテーテル400の作用部位435の非活動側403に沿って配置された第3の磁石アレイ450と対合するように構成することができる。第1のカテーテル100の第3の磁石アレイ150および第2のカテーテル400の第3の磁石アレイ450は、対合されたとき、作用部位135の活動側134と作用部位435の活動側434との間の接合が促進されるように構成および配置することができ、このとき、第3の磁石アレイ150および第3の磁石アレイ450が作用部位135、435によって分離(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸のz軸の方向)されたままになることができることを理解されたい。
【0039】
[0050]しかし、瘻孔形成処置中、第1のカテーテル100の1つまたは複数の磁石アレイ104、106、および150ならびに第2のカテーテル400の1つまたは複数の磁石アレイ404、406、および450は、それだけで第1のカテーテル100および第2のカテーテル400を位置合わせおよび接合するには不十分な可能性がある。たとえば、第1のカテーテル100の1つもしくは複数の磁石アレイ104、106、150および第2のカテーテル400の1つもしくは複数の磁石アレイ404、406、450の強度の制限、第1のカテーテル100および第2のカテーテル400の柔軟度の制限、脈管300および302間の距離、ならびに/または第1の血管300および/もしくは第2の血管302の蛇行した解剖学的構造により、第1のカテーテル100の1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150および第2のカテーテル400の1つまたは複数の磁石アレイ404、406、450が対合することができない可能性がある。したがって、図3Aに描かれているように、第1のカテーテル100および第2のカテーテル400は、軸方向に位置合わせがずれる可能性があり、かつ/または接合が弱くなる可能性がある。
【0040】
[0051]第1のカテーテル100の複数の付勢レール120および/または第2のカテーテル400の複数の付勢レール420は、第1のカテーテル100の1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150および第2のカテーテル400の1つまたは複数の磁石アレイ404、406、450が、第1のカテーテル100および第2のカテーテル400を位置合わせおよび接合することを支援することができる。たとえば、図3Aを参照すると、カテーテル100および400の遠位方向の前進(たとえば、図3Aおよび図3Bの座標軸の+x方向)を容易にするために、それぞれ低プロファイル構成の複数の付勢レール120および/または複数の付勢レール420と共に、第1のカテーテル100および第2のカテーテル400を血管300および302内に前進させることができる。第1のカテーテル100の複数の付勢レール120および/または第2のカテーテル400の複数の付勢レール420は、たとえば図1A図2Bに関連して上記で論じた方法のいずれかによって、低プロファイル構成で維持することができる。第1のカテーテル100の複数の付勢レール120および/または第2のカテーテル400の複数の付勢レール420が低プロファイル構成にある状態で、第1のカテーテル100および第2のカテーテル400をそれぞれ血管300および302内に前進させることができ、その後、第1のカテーテル100の作用部位135および第2のカテーテル400の作用部位435は、血管300および302間に瘻孔を形成するための所望される部位に概して配置される。しかし、上述しかつ図3Aに描くように、第1のカテーテル100の1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150および第2のカテーテル400の1つまたは複数の磁石アレイ404、406、450は、それだけでカテーテル100および400を位置合わせおよび接合することができない可能性がある。
【0041】
[0052]図3Bを次に参照すると、第1のカテーテル100と第2のカテーテル400との間の位置合わせおよび接合を促進するために、第1のカテーテル100の複数の付勢レール120および/または第2のカテーテル400の複数の付勢レール420を低プロファイル構成から延長構成へ遷移させることができる。いくつかの実施形態では、第1のカテーテル100と第2のカテーテル400との間の位置合わせおよび接合を促進するために、第1のカテーテル100の複数の付勢レール120のみを低プロファイル構成から延長構成へ遷移させることができる。いくつかの実施形態では、第1のカテーテル100と第2のカテーテル400との間の位置合わせおよび接合を促進するために、第2のカテーテル400の複数の付勢レール420のみを低プロファイル構成から延長構成へ遷移させることができる。実施形態では、複数の付勢レール120および/または複数の付勢レール420は、図1A図2Bを参照して論じる任意のデバイスまたは方法によって、低プロファイル構成から延長構成へ遷移することができる。
【0042】
[0053]複数の付勢レール120および420が低プロファイル構成から延長構成へ自然に付勢される実施形態では、複数の付勢レール120および420は、それぞれカテーテル本体102および402から離れる方へ径方向に延び始めることができる。たとえば、複数の付勢レール120は、複数の付勢レール120が血管300の壁に接触するまで、延長構成の最大高さMH(図1A)に向かって延びることができる。したがって、複数の付勢レール120は、血管300の壁に対する付勢力を印加することができ、その結果、付勢反力がカテーテル100に印加されて、活動側134および/または1つもしくは複数の磁気アレイを血管300の壁に押し付ける。より具体的には、複数の付勢レール120の横方向中心点137(図1B)が作用部位135の活動側134とは正反対の位置にあるため、付勢反力により、複数の付勢レール120の横方向中心点137(図1B)とは正反対の位置で、作用部位135の活動側134を血管300の壁に対して誘導することができる。
【0043】
[0054]同様に、第2のカテーテル400の複数の付勢レール420は、延長構成に遷移して、第2の血管302の壁に接触することができ、その結果、付勢反力が、第2のカテーテル400の作用部位435の活動側434を第2の血管302の壁に対して誘導する。たとえば、第2のカテーテル400の作用部位435の活動側434が第1のカテーテル3100の作用部位135の活動側134と実質的に位置合わせされたとき、第2のカテーテル400の付勢レール420を展開することができる。したがって、複数の付勢レール3120および420は、第1のカテーテル100と第2のカテーテル400との間の接合を強化することができる。たとえば、上述したように、第1のカテーテル100の複数の付勢レール120は、作用部位135の活動側134に加えて、1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150を第1の血管300の壁に対して付勢することができ、第2のカテーテル400の付勢レール420は、作用部位435の活動側434に加えて、1つまたは複数の磁石アレイ404、406、450を第2の血管302の壁に対して付勢することができ、それによって第1のカテーテルの1つまたは複数の磁石アレイ104、105、150と、1つまたは複数の磁石アレイ404、406、450との間の引力を、これらの間の距離を減少させることによって増大させる。たとえば、密に接近した後、第1のカテーテル100の1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150および第2のカテーテル400の1つまたは複数の磁石アレイ404、406、450は、磁石間の距離、カテーテル100、400の柔軟性、脈管300、302間の距離、第1の血管300および第2の血管302の蛇行した解剖学的構造などのあらゆる前述の障壁を乗り越えて、対合することができる。第1のカテーテル100の1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150および第2のカテーテル400の1つまたは複数の磁石アレイ404、406、450が対合することで、カテーテル100および400を接合および位置合わせすることができる。第1のカテーテル100および第2のカテーテル400が接合および位置合わせされた後、電極108を前進および励磁させて、第1の血管300の壁および第2の血管302の壁を焼灼し、第2のカテーテル400の凹部408内へ前進させて、それによって第1の血管300と第2の血管302との間に瘻孔を形成することができる。
【0044】
[0055]図4を次に参照すると、カテーテル200の側面図が描かれている。カテーテル200は、本明細書で論じたものを除くすべての態様において、図1A図3Bで論じたカテーテル100に類似したものとすることができる。たとえば、カテーテル100と同様に、カテーテル200は、作用部位135および1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150を画定するカテーテル本体102を含むことができる。作用部位135は、非活動側103とは正反対に位置する活動側134を含むことができる。カテーテル200は、近位点130と遠位点132との間でカテーテル本体102から離れて径方向に弓形になることができる複数の付勢レール120を含む。上記で論じたカテーテル100とは異なり、カテーテル200の遠位点132は、作用部位135の非活動側103に沿って配置することができる。そのような実施形態では、第1の磁石アレイ104は、近位点130と遠位点132との間に配置することができる。実施形態では、遠位点132は、第3の磁石アレイ150に沿って長手方向(たとえば、図4の座標軸のx軸の方向)に配置することができる。実施形態では、遠位点132の位置、ならびに/または第3の磁石アレイ150の位置および/もしくは長さは、第3の磁石アレイ150が近位点130と遠位点132との間(たとえば、図4の座標軸のx軸の方向)に配置されるように調整することができる。いくつかの実施形態では、近位点130は、作用部位135の非活動側103に沿って配置することができ、遠位点132は、第2の磁石アレイ106が近位点130と遠位点132との間に配置されるように、遠位先端部140の近位端(たとえば、図4の座標軸の-x方向)に位置することができる。そのような実施形態では、第3の磁石アレイ150は、近位点130と遠位点132との間に配置することができる。カテーテル100と同様に、カテーテル200の複数の付勢レール120は、近位点130でカテーテル本体102に結合することができ、またはカテーテル本体102の内腔内で可動とすることができ、複数の付勢レール120は、遠位点132でカテーテル本体102に結合することができ、またはカテーテル本体102の内腔内で可動とすることができる。
【0045】
[0056]図5を次に参照すると、カテーテル500の側面図が描かれている。カテーテル500は、本明細書で論じたものを除くすべての態様において、図1A図3Bで論じたカテーテル100に類似したものとすることができる。たとえば、カテーテル100と同様に、カテーテル500は、作用部位135および1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150を画定するカテーテル本体102を含むことができる。作用部位135は、非活動側103とは正反対に位置する活動側134を含むことができる。カテーテル500は複数の付勢レール120を含む。カテーテル100とは異なり、カテーテル500の複数の付勢レール120は第1のアーチ510および第2のアーチ520を画定することができる。第1のアーチ510は近位点130と中間点530との間でカテーテル本体102から離れて径方向に延びることができる。第2のアーチ520は中間点530と遠位点132との間でカテーテル本体102から離れて径方向の延びることができる。実施形態では、中間点530は作用部位135の非活動側103に沿うものとすることができるかまたは非活動側103内にあるものとすることができる。実施形態では、第1の複数の磁石104は近位点130と中間点530との間に配置することができる(たとえば、図5の座標軸のx軸の方向)。いくつかの実施形態では、第3の磁石アレイ150は近位点130と中間点530との間に配置することができる(たとえば、図5の座標軸のx軸の方向)。いくつかの実施形態では、中間点530は第3の磁石アレイ150に沿って長手方向に配置することができる(たとえば、図5の座標軸のx軸の方向)。実施形態では、第3の磁石アレイ150は中間点530と遠位点132との間に配置することができる(たとえば、図5の座標軸のx軸の方向)。実施形態では、第2の磁石アレイ106は中間点530と遠位点132との間に配置することができる。カテーテル100と同様に、カテーテル500の複数の付勢レール120は、近位点130でカテーテル本体102に結合することができ、またはカテーテル本体102の内腔内で可動とすることができ、複数の付勢レール120は、遠位点132でカテーテル本体102に結合することができ、またはカテーテル本体102の内腔内で可動とすることができる。実施形態では、複数の付勢レール120は中間点503で作用部位135の非活動側103に結合することができる。実施形態では、複数の付勢レール120は中間点530でカテーテル500の内腔を通ることができる。そのような実施形態では、複数の付勢レール120は中間点530でカテーテル500の内腔内で可動とすることができる。
【0046】
[0057]図6を次に参照すると、カテーテル600の側面図が描かれている。カテーテル600は、本明細書で論じたものを除くすべての態様において、図1A図3Bで論じたカテーテル100に類似したものとすることができる。たとえば、カテーテル100と同様に、カテーテル600は、作用部位135および1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150を画定するカテーテル本体102を含むことができる。作用部位135は、非活動側103とは正反対に位置する活動側134を含むことができる。カテーテル600は複数の付勢レール120を含む。カテーテル100とは異なり、カテーテル600の複数の付勢レール120は、第1のループ610の形態の第1の付勢レールおよび第2のループ620の形態の第2の付勢レールを画定することができる。第1のループ610は近位点130から遠位方向(たとえば、図6の座標軸の+x方向)に延びることができる。第2のループ620は遠位点132から近位方向(たとえば、図6の座標軸の-x方向)に延びることができる。第1のループ610は、近位点130でカテーテル本体102から延びて近位点130でカテーテル本体102に戻る付勢レール材料のストリップによって画定される。第2のループ620は、遠位点132でカテーテル本体102から延びて遠位点132でカテーテル本体102に戻る付勢レール材料のストリップによって画定される。第1のループ610は、交点630で第2のループ620に撚り合わせることができる。したがって、第1のループ610の一部分が第2のループ620内にあるものとすることができ、第2のループ620の一部分が第1のループ610内にあるものとすることができる。1つまたは複数の接続レール126は、近位点130と交点630との長手方向(たとえば、図6の座標軸のx軸の方向)の間の点において第1のループ610の間を横方向に延びることができる。1つまたは複数の接続レール126’は、交点630と遠位点132との長手方向の間の点において第2のループ620の間を横方向に延びることができる。カテーテル100と同様に、カテーテル600の複数の付勢レール120は、近位点130でカテーテル本体102に結合することができ、またはカテーテル本体102の内腔内で可動とすることができ、複数の付勢レール120は、遠位点132でカテーテル本体102に結合することができ、またはカテーテル本体102の内腔内で可動とすることができる。
【0047】
[0058]図7を次に参照すると、カテーテル700の側面図が描かれている。カテーテル700は、本明細書で論じたものを除くすべての態様において、図1A図3Bで論じたカテーテル100に類似したものとすることができる。たとえば、カテーテル100と同様に、カテーテル700は、作用部位135および1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150を画定するカテーテル本体102を含むことができる。作用部位135は、非活動側103とは正反対に位置する活動側134を含むことができる。カテーテル700は複数の付勢レール120を含む。カテーテル100とは異なり、カテーテル700の複数の付勢レール120は、近位点130と遠位点132との間でカテーテル本体102の周りに円周方向に巻き付けられる実質的な螺旋構造を画定することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル700は、カテーテル本体102の周りの螺旋部などの、付勢レール122または124などの単一の付勢レールを含むことができることを理解されたい。複数の付勢レール120は、近位点130および遠位点132でカテーテル本体102から離れて径方向に延びることができる。複数の付勢レール120は任意の所望の振幅を有することができる。複数の付勢レール120は任意の所望のピッチを有することができる。実施形態では、1つまたは複数の磁石アレイ104、106、150の任意のものまたはすべてが、近位点130と遠位点132との間にあるものとすることができる(たとえば、図7の座標軸のx軸の方向)。カテーテル100と同様に、カテーテル700の複数の付勢レール120は、近位点130でカテーテル本体102に結合することができ、またはカテーテル本体102の内腔内で可動とすることができ、複数の付勢レール120は、遠位点132でカテーテル本体102に結合することができ、またはカテーテル本体102の内腔内で可動とすることができる。
【0048】
[0059]いくつかの実施形態では、複数の付勢レール120は、カテーテル本体102と作用部位135の活動側134とは正反対に位置する複数の付勢レール120の頂点131との間の第1の距離H1を、カテーテル本体102と作用部位135の非活動側103とは正反対に位置する複数の付勢レール120の頂点702との間の第2の距離H2に実質的に等しくするように、配置することができる。他の実施形態では、カテーテル本体102と作用部位135の非活動側103とは正反対に位置する複数の付勢レール120の頂点702との間の第2の距離H2を最小にすることができる。そのような実施形態では、複数の付勢レール120の頂点702は、カテーテル本体102に当接することができる。したがって、複数の付勢レール120は、作用部位135の非活動側103とは正反対側でカテーテル本体102から径方向に延びなくてよい。そのような実施形態では、複数の付勢レール120の頂点131は、作用部位135の活動側134とは正反対側でカテーテル本体から任意の所望の第1の距離H1で径方向に延びることができる。そのような実施形態では、複数の付勢レール120の頂点131は、作用部位135の活動側134とは正反対に位置する点において血管300(図3A)の壁に接触することができる。したがって、複数の付勢レール120は、複数の付勢レール120の頂点131と血管300(図3A)の壁との間の接触点とは正反対に位置する血管300(図3A)の壁に対して、作用部位135の活動側134を付勢することができる。実施形態では、複数の付勢レール120は、近位点130および遠位点132でカテーテル本体102に固定することができる。そのような実施形態では、複数の付勢レール120が作用部位135の活動側134とは正反対に位置する点(たとえば、頂点131)において血管300(図3A)の壁に接触するとき、近位点130と遠位点132との間でカテーテル本体102を座屈させる(buckle)反対の向きの力を複数の付勢レール120によって生成することができ、それによりカテーテル700の非活動側103を破線103’によって描かれている位置まで動かすことができる。したがって、作用部位135および1つまたは複数の磁石アレイ104、106,150は、複数の付勢レール120の頂点131と血管300(図3A)の壁との間の接触点とは正反対に位置する血管300(図3A)の壁に対して、付勢することができる。
【0049】
[0060]以下の数字で表す項を参照して実施形態を記載することができる。
[0061]1.2つの血管の間に瘻孔を形成するための装置であって:第1のカテーテル本体と、電極と、1つまたは複数の磁石アレイと、第1の複数の付勢レールと、を備える第1のカテーテルを備え、電極が、第1のカテーテルの作用部位から突出するようにおよび第1のカテーテルの活動側を画定するように構成され、1つまたは複数の磁石アレイが、第1のカテーテル本体に沿って長手方向に配置され、第1の複数の付勢レールが、第1のカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間で第1のカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成され、第1の複数の付勢レールが、第1のカテーテル本体の非活動側から延びており、これにより、第1の複数の付勢レールが、第1の血管壁に対して作用部位および1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成され、第1の複数の付勢レールが、近位点と遠位点との間の点において第1の複数の付勢レールの間を横方向に延びている接続レールにより、接続される。
【0050】
[0062]2.項1の装置であって、作用部位が、近位点と遠位点との間に長手方向に位置決めされる。
[0063]3.任意の先行する項の装置であって、遠位点が、作用部位の非活動側に位置決めされる。
【0051】
[0064]4.任意の先行する項の装置であって、第1の複数の付勢レールが:近位点から遠位方向に延びる第1のループと;遠位点から近位方向に延びる第2のループと、を備え、第1のループおよび第2のループが、近位点と遠位点との間の交点で撚り合わされる。
【0052】
[0065]5.任意の先行する項の装置であって、第1の複数の付勢レールが、近位点と遠位点との間の中間点で第1のカテーテル本体に結合される。
[0066]6.任意の先行する項の装置であって、中間点が、電極とは反対に位置する作用部位に沿って長手方向に位置決めされる。
【0053】
[0067]7.任意の先行する項の装置であって、第1の複数の付勢レールが、近位点と遠位点との間で第1のカテーテル本体の周りに円周方向に延びる螺旋部を画定する。
[0068]8.任意の先行する項の装置であって、遠位点が、第1のカテーテル本体の遠位先端部の近位に位置決めされる。
【0054】
[0069]9.任意の先行する項の装置であって、第1の複数の付勢レールが、接着剤またはポリマーによって第1のカテーテル本体に遠位点および近位点で固定的に結合される。
[0070]10.任意の先行する項の装置であって、近位点および遠位点のうちの一方が第1のカテーテル本体内の内腔の中へのアクセス開口を画定し、複数の付勢レールが、第1のカテーテル本体の内腔内で延長位置と低プロファイル位置との間で摺動するように構成される。
【0055】
[0071]11.任意の先行する項の装置であって、第1のカテーテルが、遠位に前進させられて第1の複数の付勢レールを第1のカテーテル本体に対して圧迫するように構成されたスリーブをさらに備える。
【0056】
[0072]12.任意の先行する項の装置であって、第1の複数の付勢レールが、ニチノール、ステンレス鋼、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、またはポリテトラフルオロエチレンを含む。
【0057】
[0073]13.任意の先行する項の装置であって、第1の複数の付勢レールが円形の断面を含む。
[0074]14.任意の先行する項の装置であって、第1の複数の付勢レールが、実質的に矩形の断面を有する実質的に平坦なリボンを備える。
【0058】
[0075]15.任意の先行する項の装置であって、第2のカテーテルを備え、第1のカテーテルが第1の血管内に位置決めされるように構成され、第2のカテーテルが第1の血管に隣接する第2の血管内に位置決めされるように構成される。
【0059】
[0076]16.任意の先行する項の装置であって、第2のカテーテルが、第2のカテーテルの活動側を画定する凹状領域をさらに備え、凹状領域が、第1のカテーテルの電極を受け入れるように構成される。
【0060】
[0077]17.任意の先行する項の装置であって、第2のカテーテルが、第2のカテーテル本体と、第2のカテーテル本体に沿って長手方向に配置された1つまたは複数の磁石アレイとをさらに備える。
【0061】
[0078]18.任意の先行する項の装置であって、第2のカテーテルが:第2の複数の付勢レールをさらに備え、第2の複数の付勢レールが、第2のカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、第2のカテーテルの1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と第2のカテーテルの1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間で第2のカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成され、第2の複数の付勢レールが、第2のカテーテル本体の非活動側から延びており、これにより、第2の複数の付勢レールが、第2の血管壁に対して第2のカテーテルの凹状領域および1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成され、第2の複数の付勢レールが、近位点と遠位点との間の点において第2の複数の付勢レールの間を横方向に延びている接続レールにより、接続される。
【0062】
[0079]19.任意の先行する項の装置であって、凹状領域が、近位点と遠位点との間に長手方向に位置決めされる。
[0080]20.第1の血管と第2の血管との間に瘻孔を形成する方法であって:第1のカテーテルを第1の血管の中まで前進させることであって、第1のカテーテルが、第1のカテーテル本体、電極、1つまたは複数の磁石アレイ、および第1の複数の付勢レールを備え、電極が、第1のカテーテルの作用部位から突出するようにおよび第1のカテーテルの活動側を画定するように構成され、1つまたは複数の磁石アレイが、第1のカテーテル本体に沿って長手方向に配置され、第1の複数の付勢レールが、第1のカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間で第1のカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成され、第1の複数の付勢レールが、第1のカテーテル本体の非活動側から延びており、その結果、第1の複数の付勢レールが、第1の血管壁に対して作用部位および1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成される、瘻孔を形成することと;瘻孔を形成するために電極を用いて組織を焼灼することとを含む。
【0063】
[0081]21.項20の方法であって、作用部位が、近位点と遠位点との間に長手方向に位置決めされる。
[0082]22.任意の先行する項の方法であって、第2のカテーテルを第2の血管内へ前進させることと、第1のカテーテルの電極を第2のカテーテルと位置合わせすることとをさらに含む。
【0064】
[0083]23.任意の先行する項の方法であって、第2のカテーテルが凹部を備え、第1のカテーテルの電極を第2のカテーテルと位置合わせすることが、電極を凹部と位置合わせすることを含む。
【0065】
[0084]24.任意の先行する項の方法であって、第2のカテーテルが、第2のカテーテル本体と、第2のカテーテル本体に沿って長手方向に配置された1つまたは複数の磁石アレイとをさらに備え、第1のカテーテルの電極が、第1のカテーテルの1つまたは複数の磁石アレイおよび第2のカテーテルの1つまたは複数の磁石アレイを介して第2のカテーテルと位置合わせされる。
【0066】
[0085]25.任意の先行する項の方法であって、第2のカテーテルが:第2の複数の付勢レールをさらに備え、第2の複数の付勢レールが、第2のカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、第2のカテーテルの1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と第2のカテーテルの1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間で第2のカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成され、第2の複数の付勢レールが、第2のカテーテル本体の非活動側から延びており、その結果、第2の複数の付勢レールが、第2の血管壁に対して第2のカテーテルの凹部および1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成される。
【0067】
[0086]26.任意の先行する項の方法であって、凹部が、近位点と遠位点との間に長手方向に位置決めされる。
[0087]27.2つの血管の間に瘻孔を形成するための装置であって:カテーテル本体と、電極と、1つまたは複数の磁石アレイと、複数の付勢レールと、を備える第1のカテーテルを備え、電極が、第1のカテーテルの作用部位から突出するようにおよび第1のカテーテルの活動側を画定するように構成され、1つまたは複数の磁石アレイが、カテーテル本体に沿って長手方向に配置され、複数の付勢レールがカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、複数の付勢レールが、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイを長手方向に跨ぐように、1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第1の端部の近位に位置決めされた近位点と1つまたは複数の磁石アレイのうちの少なくとも1つのアレイの第2の端部の遠位に位置決めされた遠位点との間でカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成され、複数の付勢レールがカテーテル本体の非活動側から延びており、これにより、複数の付勢レールが、第1の血管壁に対して作用部位および1つまたは複数の磁石アレイを付勢するように構成され、複数の付勢レールが、近位点と遠位点との間の点において複数の付勢レールの間を横方向に延びている接続レールにより、接続され、複数の付勢レールが、カテーテル本体の内腔を通って延びている近位部分を備え、近位部分が、複数の付勢レールを延長構成まで遷移させるように内腔内を前進させることができ、複数の付勢レールが、カテーテル本体から離れて径方向に弓形になり、近位部分が、複数の付勢レールを低プロファイル構成まで遷移させるために内腔内で後退させられることができ、複数の付勢レールの径方向に撓む最大距離が、延長構成における複数の付勢レールの径方向に撓む最大距離より小さい。
【0068】
[0088]28.項27の装置であって、複数の付勢レールが低プロファイル構成から延長構成へ自然に付勢される。
[0089]29.任意の先行する項の装置であって、第1のカテーテルが、遠位に前進させられて第1の複数の付勢レールを低プロファイル構成で維持するように構成されたスリーブをさらに備える。
【0069】
[0090]30.任意の先行する項の装置であって、複数の付勢レールが、低プロファイル構成時、カテーテル本体と実質的に同一平面であるかまたはカテーテル本体内にある。
[0091]本開示の実施形態は、2つの血管の間に瘻孔を形成するためのデバイス、装置、および方法を対象とすることを、ここで理解されたい。たとえば、カテーテルは、カテーテル本体、電極、第1の磁石アレイ、および第1の複数の付勢レールを含むことができる。電極は、カテーテルの作用部位から突出するように構成される。第1の磁石アレイはカテーテル本体に沿って長手方向に配置される。第1の複数の付勢レールはカテーテル本体の長さに沿って長手方向に延びており、第1の複数の付勢レールの近位点と第1の複数の付勢レールの遠位点との間でカテーテル本体から離れて径方向に弓形になるように構成される。第1の複数の付勢レールは、第1の複数の付勢レールの近位点と第1の複数の付勢レールの遠位点との間の点において第1の複数の付勢レールの間を横方向に延びている接続レールにより、接続される。第1の複数の付勢レールは第1の磁石アレイに長手方向に及び、カテーテル本体の非活動側から延びており、その結果、第1の複数の付勢レールは、第1の血管壁に対して作用部位および第1の磁石アレイを付勢するように構成される。したがって、第1の複数の付勢レールは、瘻孔を形成するカテーテルの能力を向上させる。
【0070】
[0092]本明細書では、「実質的」および「約」という用語は、何らかの定量的な比較、値、測定、または他の表現に起因しうる本質的な不特定性を表すために利用することができることに留意されたい。本明細書では、これらの用語はまた、問題となっている主題の基本機能に変化を生じることなく定量的な表現が記載の基準から変動しうる程度を表すために利用される。
【0071】
[0093]特定の実施形態について本明細書に例示および説明したが、特許請求される主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および修正を加えることができることを理解されたい。さらに、特許請求される主題の様々な態様について本明細書に説明したが、そのような態様を組み合わせて利用する必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、特許請求される主題の範囲内に入るすべてのそのような変更および修正を包含することが意図される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7