(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】撮影装置及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20241224BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20241224BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20241224BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20241224BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/04 E
G03B30/00
H04N23/57
(21)【出願番号】P 2024056649
(22)【出願日】2024-03-29
【審査請求日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】202323218707.3
(32)【優先日】2023-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520357958
【氏名又は名称】ジョウシュウシ エーエーシー レイテック オプトロニクス カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】徐同明
(72)【発明者】
【氏名】韋鎖和
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-151169(JP,A)
【文献】特表2022-513607(JP,A)
【文献】特開2013-044924(JP,A)
【文献】特表2022-546986(JP,A)
【文献】特表2023-543867(JP,A)
【文献】特表2022-551888(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0309282(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G02B 7/02- 7/08
G03B 30/00
H04N 23/50-23/51
H04N 23/57
H04N 23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置であって、
前記撮影装置は、順に一体に固定されるレンズモジュールと、フォーカス駆動モジュールと、ブレ防止駆動モジュールと、を含み、
前記フォーカス駆動モジュールは、前記レンズモジュールを固定する鏡筒と、前記鏡筒を収容する第1ブラケットと、対応して設けられるフォーカスコイル及びフォーカス磁性鋼と、第1回路基板とを含み、
前記第1回路基板は、前記フォーカスコイルに電気的に接続され、フォーカスコイル及びフォーカス磁性鋼の相互作用により前記鏡筒を前記第1ブラケット内において前記レンズモジュールの光軸方向に沿って運動するように駆動し、
前記ブレ防止駆動モジュールは、画像センサと、対応して設けられるブレ防止コイル及びブレ防止磁性鋼と、平面状の第2回路基板とを含み、
前記第2回路基板は、それぞれ前記画像センサ及びブレ防止コイルに電気的に接続され、ブレ防止コイル及びブレ防止磁性鋼の相互作用により前記画像センサを前記レンズモジュールに対して光軸周りに運動するか、または光軸に垂直な方向に沿って運動するように駆動し、
前記ブレ防止駆動モジュールは、更に、スプリング板と、前記画像センサ、ブレ防止コイル、ブレ防止磁性鋼、第2回路基板及びスプリング板を収容する第1ハウジングとを含み、
前記スプリング板は、スプリング板本体を含み、
前記スプリング板本体には、スプリング板本体の表面よりも低い沈下面が形成され、
前記沈下面は、前記スプリング板本体の表面に対してハーフエッチング処理を行うことで形成され、
前記画像センサは、前記スプリング板本体の沈下面に貼り合わせられる、ことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記スプリング板
は、前記スプリング板本体の外側に弾性接続されるスプリング板固定部を
さらに含み、
前記第2回路基板は、回路基板本体と、前記回路基板本体の外側に弾性接続される回路基板固定部とを含み、
前記回路基板固定部及びスプリング板固定部は、ともに前記第1ハウジングに固定され、
前記回路基板本体には、前記画像センサに対応する沈下貫通孔が設けられ、
前記画像センサは、前記沈下貫通孔内に接続され、且つ前記スプリング板本体に貼り合わせられ、
前記ブレ防止コイル及びブレ防止磁性鋼は、それぞれ前記回路基板本体及び前記第1ハウジングに固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記ブレ防止駆動モジュールは、更に、前記第1ハウジング内に収容される第2ブラケットを含み、
前記第2ブラケットの光軸方向に沿う一端は前記回路基板本体に固定され、他端と前記第1ハウジングとの間には隙間を有し、
前記第2ブラケットには、前記ブレ防止コイルを収容するための第1位置限定溝が設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記第1ハウジングには、取付孔が設けられ、
前記取付孔の周縁には、複数の前記第2ブラケットの方向に折り曲げられる折曲部が対称に形成され、前記第2ブラケットには、前記折曲部に一対一でそれぞれ対応するドッキング溝が設けられ、
前記ドッキング溝内には、前記折曲部を少なくとも一部を覆う第1制振接着剤が充填される、ことを特徴とする請求項3に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記第2ブラケットの前記第1ハウジングに対向する表面には、衝突防止凸部が形成され、前記衝突防止凸部は、前記第2ブラケットが第1ハウジングに衝突することを防止する、ことを特徴とする請求項3に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記フォーカスコイルは、前記鏡筒の外側に巻かれており、
前記フォーカス磁性鋼は、前記第1ブラケット内に固定され、
前記フォーカス駆動モジュールは、更に、それぞれ前記鏡筒の光軸方向に沿った両端に支持される2つの弾性シートを含み、
各前記弾性シートは、それぞれ前記鏡筒に接続される弾性シート本体と、それぞれ前記弾性シート本体から外側に湾曲して延伸される第1接続部、第2接続部及び第3接続部とを含み、
2つの前記弾性シートの第1接続部は、それぞれ前記第1ブラケットの光軸方向に沿った両端に接続され、2つの前記弾性シートの第2接続部及び第3接続部は、それぞれ前記フォーカスコイル及び前記第1回路基板に接続されて回路を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項7】
前記フォーカス駆動モジュールは、更に、前記鏡筒、第1ブラケット、フォーカスコイル、フォーカス磁性鋼及び第1回路基板を収容する第2ハウジングを含み、
前記第1ブラケットの光軸方向に沿う一端には、前記第2ハウジングに対向して設けられる第2限位槽が設けられ、
前記第2限位槽内には、第2制振接着剤が充填され、
前記鏡筒は、鏡筒から外側に延伸される位置限定部を有し、
前記位置限定部は、前記第2限位槽に一対一で対応し且つ前記第2ハウジングと対応する前記第2限位槽との間に制限され、
各前記位置限定部には、それぞれ前記第2制振接着剤を回避する段差構造が設けられ、各前記位置限定部の光軸方向に沿った両端端面には、それぞれ衝突防止面として構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項8】
前記第1回路基板は、前記第2回路基板に電気的に接続され、
前記フォーカス駆動モジュールは、更に、互いに協働して鏡筒の位置を検出する駆動チップ及びチップ磁性鋼を含み、
前記駆動チップは、前記第1回路基板に電気的に接続され、
前記チップ磁性鋼は、前記鏡筒に固定され、且つ前記駆動チップに対向して設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項9】
電子デバイスであって、
デバイス本体と、請求項1~8のいずれかの1項に記載の撮影装置とを含み、
前記撮影装置は、前記デバイス本体に設けられる、ことを特徴とする電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置分野に関し、特に、撮影装置及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話など、市場で一般的に見られるポータブル光学製品の光学システムは、光学レンズモジュールとカメラ駆動モジュールで構成されている。カメラ駆動モジュールは、フォーカス機能に加えて、ポータブル光学製品のフォーカスや撮影過程において外力によるブレが発生しやすいため、例えば手持ち、車両走行中、外部環境要因等による装置のブレ(揺れ)によって、鮮明な画像が得られない問題や画像がぼやける等の問題をもたらすため、カメラ駆動モジュールは、ブレ防止機能を有することが多い。しかし、様々な機能が統合されているため、カメラ駆動モジュールの構造も比較的複雑であり、多くの部品から組み立てられるため、カメラ駆動モジュールの組立工程も比較的複雑であり、ちょっとした不注意によって製品の歩留まりに影響を与え、ポータブル光学製品の不適格な組み立てにつながることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明的の目的は、従来技術にいて撮影装置の組み立てが困難であり、製品の歩留まりが低いという問題を解決するための撮影装置及び電子デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術的手段は、以下の通りである。本発明は、撮影装置であって、前記撮影装置は、順に一体に固定されるレンズモジュールと、フォーカス駆動モジュールと、ブレ防止駆動モジュールと、を含み、前記フォーカス駆動モジュールは、前記レンズモジュールを固定する鏡筒と、前記鏡筒を収容する第1ブラケットと、対応して設けられるフォーカスコイル及びフォーカス磁性鋼と、第1回路基板とを含み、前記第1回路基板は、前記フォーカスコイルに電気的に接続され、フォーカスコイル及びフォーカス磁性鋼の相互作用により前記鏡筒を前記第1ブラケット内において前記レンズモジュールの光軸方向に沿って運動するように駆動し、前記ブレ防止駆動モジュールは、画像センサと、対応して設けられるブレ防止コイル及びブレ防止磁性鋼と、平面状の第2回路基板とを含み、前記第2回路基板は、それぞれ前記画像センサ及びブレ防止コイルに電気的に接続され、ブレ防止コイル及びブレ防止磁性鋼の相互作用により前記画像センサを前記レンズモジュールに対して光軸周りに運動するか、または光軸に垂直する方向に沿って運動するように駆動する、ことを特徴とする撮影装置。
【0005】
好ましくは、前記ブレ防止駆動モジュールは、更に、スプリング板と、前記画像センサ、ブレ防止コイル、ブレ防止磁性鋼、第2回路基板及びスプリング板を収容する第1ハウジングとを含み、前記スプリング板は、スプリング板本体と、前記スプリング板本体の外側に弾性接続されるスプリング板固定部とを含み、前記第2回路基板は、回路基板本体と、前記回路基板本体の外側に弾性接続される回路基板固定部とを含み、前記回路基板固定部及びスプリング板固定部は、ともに前記第1ハウジングに固定され、前記回路基板本体には、前記画像センサに対応する沈下貫通孔が設けられ、前記画像センサは、前記沈下貫通孔内に接続され、且つ前記スプリング板本体に貼り合わせられ、前記ブレ防止コイル及びブレ防止磁性鋼は、それぞれ前記回路基板本体及び前記第1ハウジングに固定される。
【0006】
好ましくは、前記スプリング板本体には、スプリング板本体の表面よりも低い沈下面が形成され、前記沈下面は、前記スプリング板本体の表面に対してハーフエッチング処理を行うことで形成され、前記画像センサは、前記スプリング板本体の沈下面に貼り合わせられる。
【0007】
好ましくは、前記ブレ防止駆動モジュールは、更に、前記第1ハウジング内に収容される第2ブラケットを含み、前記第2ブラケットの光軸方向に沿う一端は前記回路基板本体に固定され、他端と前記第1ハウジングとの間には隙間を有し、前記第2ブラケットには、前記ブレ防止コイルを収容するための第1位置限定溝が設けられる。
【0008】
好ましくは、前記第1ハウジングには、前記画像センサが貫通するのに適した取付孔が設けられ、前記取付孔の周縁には、複数の前記第2ブラケットの方向に折り曲げられる折曲部が対称に形成され、前記第2ブラケットには、前記折曲部に一対一でそれぞれ対応するドッキング溝が設けられ、前記ドッキング溝内には、前記折曲部を少なくとも一部を覆う第1制振接着剤が充填される。
【0009】
好ましくは、前記第2ブラケットの前記第1ハウジングに対向する表面には、衝突防止凸部が形成される。
【0010】
好ましくは、前記フォーカスコイルは、前記鏡筒の外側に巻かれており、前記フォーカス磁性鋼は、前記第1ブラケット内に固定され、前記フォーカス駆動モジュールは、更に、それぞれ前記鏡筒の光軸方向に沿った両端に支持される2つの弾性シートを含み、各前記弾性シートは、それぞれ前記鏡筒に接続される弾性シート本体と、それぞれ前記弾性シート本体から外側に湾曲して延伸される第1接続部、第2接続部及び第3接続部とを含み、2つの前記弾性シートの第1接続部は、それぞれ前記第1ブラケットの光軸方向に沿った両端に接続され、2つの前記弾性シートの第2接続部及び第3接続部は、それぞれ前記フォーカスコイル及び前記第1回路基板に接続されて回路を形成する。
【0011】
好ましくは、前記フォーカス駆動モジュールは、更に、前記鏡筒、第1ブラケット、フォーカスコイル、フォーカス磁性鋼及び第1回路基板を収容する第2ハウジングを含み、前記第1ブラケットの光軸方向に沿う一端には、前記第2ハウジングに対向して設けられる第2限位槽が設けられ、前記第2限位槽内には、第2制振接着剤が充填され、前記鏡筒は、鏡筒から外側に延伸される位置限定部を有し、前記位置限定部は、前記第2限位槽に一対一で対応し且つ前記第2ハウジングと対応する前記第2限位槽との間に制限され、各前記位置限定部には、それぞれ前記第2制振接着剤を回避する段差構造が設けられ、各前記位置限定部の光軸方向に沿った両端端面には、それぞれ衝突防止面として構成される。
【0012】
好ましくは、前記第1回路基板は、前記第2回路基板に電気的に接続され、前記フォーカス駆動モジュールは、更に、互いに協働して鏡筒の位置を検出する駆動チップ及びチップ磁性鋼 を含み、前記駆動チップは、前記第1回路基板に電気的に接続され、前記チップ磁性鋼は、前記鏡筒に固定され、且つ前記駆動チップに対向して設けられる。
【0013】
電子デバイスであって、デバイス本体と、請求項1~9のいずれかの1項に記載の撮影装置とを含み、前記撮影装置は、前記デバイス本体に設けられる電子デバイスを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の有利な効果は、以下の通りである。本発明の撮影装置及び電子デバイスは、順に一体に固定されるレンズモジュールと、フォーカス駆動モジュールと、ブレ防止駆動モジュールとを含む。フォーカス駆動モジュールは、レンズモジュールを固定する鏡筒と、鏡筒収容する第1ブラケットと、対応して設けられるフォーカスコイル及びフォーカス磁性鋼と、と第1回路基板を含み、第1回路基板はフォーカスコイルに電気的に接続され、フォーカスコイル及びフォーカス磁性鋼の相互作用により、鏡筒を第1ブラケット内おいてレンズモジュールの光軸方向に沿って運動するように駆動する。ブレ防止駆動モジュールは、画像センサと、対応して設けられるブレ防止コイル及びブレ防止磁性鋼と、平面状の第2回路基板とを含み、第2回路基板は、それぞれ画像センサ及びブレ防止コイルに電気的に接続され、ブレ防止コイル及びブレ防止磁性鋼の相互作用により、画像センサをレンズモジュールの光軸周りに運動するか、または光軸に垂直する方向に運動するように駆動する。上記のような形態により、レンズモジュール、フォーカス駆動モジュール及びブレ防止駆動モジュールは、3つの互いに独立のモジュールであり、組み立てる際に、各モジュールをそれぞれ組み立て、その後、3つのモジュールを組み合わせるため、組み立てが容易になり、製品の歩留まり率を有効に向上させることができる。また。フォーカス駆動モジュールは、鏡筒を第1ブラケット内においてレンズモジュールの光軸方向に沿って運動するように駆動可能であることで、フォーカス効果を実現し、ブレ防止駆動モジュールは、画像センサをレンズモジュールに対して光軸周りに運動するか、または光軸に垂直する方向に運動するように駆動可能であることで、ブレ防止効果を実現し、撮影品質を有効に保証することができる。また、第2回路基板は、平面状であり、ブレ防止駆動モジュール及び撮影装置の厚さを有効に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図5】本発明の撮影装置におけるフォーカス駆動モジュールの分解図である。
【
図6】本発明の撮影装置におけるフォーカス駆動モジュールの第2ハウジングを取り外した時の平面図である。
【
図9】本発明の撮影装置におけるフォーカス駆動モジュールの第2ハウジングを取り外した時の斜視図である。
【
図10】本発明の撮影装置におけるフォーカス駆動モジュールの第2ハウジングを取り外した時の斜視図である。
【
図11】本発明の撮影装置におけるフォーカス駆動モジュールの第2ハウジング及び第1ブラケットを取り外した時の斜視図である。
【
図12】本発明の撮影装置におけるフォーカス駆動モジュールの第2ハウジング及び第1ブラケットを取り外した時の斜視図である。
【
図13】本発明の撮影装置におけるブレ(揺れ)防止駆動モジュールの斜視図である。
【
図14】本発明の撮影装置におけるブレ防止駆動モジュールの分解図である。
【
図15】本発明の撮影装置におけるブレ防止駆動モジュールの第1ハウジング、ブレ防止磁性鋼、フィルタ及びフィルタ支持枠を取り外し時の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面及び実施形態に基づいて本発明を具体的説明する。
なお、本発明の明細書、実用新案登録請求の範囲、及び図面における「第1」、「第2」及び「第3」等の用語は、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序を説明するためものではない。また、「含む」という用語及びそのような変形は、非排他的な包含を意図している。例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、列挙されたステップまたはユニットに限定されず、選択的に列挙されていないステップまたはユニットも含むか、または選択的にこれらのプロセス、方法、製品、またはデバイスに固有のその他のステップまたはユニットを更に含んでもよい。
【0017】
本発明の実施例において、全ての方向性指示(上、下、左、右、前、後、内、外、頂部、底・・・等)は、特定の姿勢における構成要素間の相対的な位置関係等を説明するために用いられるに過ぎず、その特定の姿勢が変化すれば、当該方向表示もそれに応じて変化する。要素が他の要素に「固定され」または「設けられる」場合、当該要素は、他の要素上に直接存在する場合も、介在要素を介して存在する場合もある。要素が他の要素に「接続される」場合、その要素は他の要素に直接接続される場合も、介在要素を介して存在する場合もある。
【0018】
本発明の実施例により提供される撮影装置100は、レンズモジュール10、フォーカス駆動モジュール20及びブレ防止駆動モジュール30を含む。
図1~
図15に示すように、レンズモジュール10、フォーカス駆動モジュール20及びブレ防止駆動モジュール30は、光軸方向に沿って順に設けられ、且つ一体に固定される。フォーカス駆動モジュール20は、鏡筒21、第1ブラケット22、フォーカスコイル(Focus coil)23、フォーカス磁性鋼24及び第1回路基板25を含む。鏡筒21はレンズモジュール10を固定するために使用され、第1ブラケット22は鏡筒21を収容するために使用され、フォーカスコイル23とフォーカス磁性鋼24とは対応して設けられ、第1回路基板25とフォーカスコイル23とは電気的に接続され、フォーカスコイル23が通電されると、フォーカスコイル23とフォーカス磁性鋼24との間で発生する磁力によって、鏡筒21を第1ブラケット22内においてレンズモジュール10の光軸方向に沿って運動するように駆動する。ブレ防止駆動モジュール30は、画像センサ31、ブレ防止コイル32、ブレ防止磁性鋼33及び第2回路基板34を含み、ブレ防止コイル32とブレ防止磁性鋼33とは対応して設けられ、第2回路基板34は平面状であり、第2回路基板34とブレ防止コイル32とは電気的に接続され、第2回路基板34は更に画像センサ31に電気的に接続される。ブレ防止コイル32が通電されると、ブレ防止コイル32とブレ防止磁性鋼33との間で発生する磁力によって、画像センサ31をレンズモジュール10に対して光軸周りに運動するように駆動するか、または画像センサ31を駆動してレンズモジュール10に対して光軸に垂直する方向に運動するように駆動する。
【0019】
本実施例において、
図1及び
図4に示すように、レンズモジュール10、フォーカス駆動モジュール20及びブレ防止駆動モジュール30は、3つの互いに独立のモジュールである。組み立てる際に、各モジュールをそれぞれ組み立て、その後、3つのモジュールを組み合わせるため、組み立てが容易になり、製品の歩留まり率を有効に向上させることができる。また、フォーカス駆動モジュール20は、鏡筒21を第1ブラケット22内においてレンズモジュール10の光軸方向沿って運動するように駆動することで、フォーカス効果を実現することができる。ブレ防止駆動モジュール30は、画像センサ31をレンズモジュール10に対して光軸周りに運動するか、または光軸に垂直する方向に運動するように駆動することで、ブレ防止効果実現するとともに、撮影品質を有効に保証することができる。また、第2回路基板34は、平面状であり、ブレ防止駆動モジュール30及び撮影装置100的の厚さを有効に減少させることができる。
【0020】
いくつの実施例において、第1回路基板25は、FPC(Flexible Printed Circuit、フレキシブルプリント基板)であってもよく、これにより組み立てが容易になる。
【0021】
いくつの実施例において、第2回路基板34は、FPCであってもよく、これにより組み立てが容易になる。
【0022】
いくつの好ましい実施形態において、
図13~
図15に示すように、ブレ防止駆動モジュール30は、更にスプリング板35及び第1ハウジング36を含み、第1ハウジング36は、画像センサ31、ブレ防止コイル32、ブレ防止磁性鋼33、第2回路基板34及びスプリング板35を収容するために使用され、スプリング板35は、画像センサ31を支持及び固定するために使用される。スプリング板35は、スプリング板本体351及びスプリング板固定部352を含み、スプリング板固定部352は、スプリング板本体351の外側に弾性接続される。第2回路基板34は、回路基板本体341及び回路基板固定部342を含み、回路基板固定部342は、回路基板本体341の外側に弾性接続され、回路基板固定部342及びスプリング板固定部352は、いずれも第1ハウジング36に固定される。回路基板本体341には、下沈下貫通孔3411が設けられ、沈下貫通孔3411と画像センサ31は対応する。画像センサ31は、沈下貫通孔3411内に接続されてスプリング板本体351と貼り合わせられる。ブレ防止コイル32は回路基板本体341に固定され、ブレ防止磁性鋼33は第1ハウジング36に固定される。
【0023】
本実施形態において、画像センサ31は後付けされ且つスプリング板本体351に貼り合わせられる。画像センサ31の後付けを容易にするために、回路基板本体341には沈下貫通孔3411が設けられ、回路基板本体341を中空構造とすることで、画像センサ31を可能な限り沈下させることができる。一例において、スプリング板本体351には沈下面3511が形成され、スプリング板本体351の沈下面3511はスプリング板本体351の表面よりも低い。沈下面3511は、スプリング板本体351の表面に対してハーフエッチング処理を行うことで形成され、画像センサ31は、スプリング板本体351の沈下面3511上に貼り合わせられる。
【0024】
本実施形態において、ブレ防止駆動モジュール30は平板状であり、第2回路基板34とスプリング板35とが組み合わせられる構造であることで、ブレ防止駆動モジュール30の厚さを有効に減少させ、且つ画像センサ31を有効に支持することができ、体積が小さく且つ構造が安定的である。
【0025】
いくつかの好ましい実施形態において、
図13~
図15に示すように、ブレ防止駆動モジュール30は、更に、第2ブラケット37を含み、第2ブラケット37は、第1ハウジング36内に収容される。第2ブラケット37の光軸方向に沿う一端は、回路基板本体341に固定され、第2ブラケット37の光軸方向に沿う他端と第1ハウジング36との間には隙間を有する。第2ブラケット37には、ブレ防止コイル32を回避、収容するための第1位置限定溝371が設けられる。
【0026】
いくつかの例において、
図13~
図15に示すように、第1ハウジング36には取付孔361が設けられ、取付孔361は画像センサ31が貫通するのに適しており、取付孔361の周縁には複数の折曲部362が対称に設けられ、各折曲部362はそれぞれ第2ブラケット37の方向に折り曲げられる。第2ブラケット37には複数のドッキング溝372が設けられ、ドッキング溝372は折曲部362に一対一でそれぞれ対応する。ドッキング溝372内には、第1制振接着剤が充填され、第1制振接着剤は、その少なくとも一部が折曲部362を覆う。第1制振接着剤は、折曲部362に減衰作用を与えることで、第1ハウジング36と第2ブラケット37との間の相対変位を緩衝することができる。いくつかの例において、ブレ防止駆動モジュール30の構造をより安定させるために、取付孔361の周縁には4つの折曲部362が設けられ、これに対応して第2ブラケット37には4つのドッキング溝372が設けられる。
【0027】
いくつかの例において、
図14及び
図15に示すように、第2ブラケット37の第1ハウジング36に向かう表面には衝突防止凸部373が形成される。第2ブラケット37がブレ防止コイル32の作用を受けて移動して第1ハウジング36に衝突すると、衝突防止凸部373のみが第1ハウジング36に衝突する。いくつかの例において、
図14及び
図15に示すように、衝突防止凸部373は複数設けられ、且つ第2ブラケット37の角部に分布され、衝突防止の機能を有するとともに回転を停止する機能を有する。
【0028】
いくつかのより好ましい実施形態において、
図14及び
図15に示すように、ブレ防止駆動モジュール30は、更に、第1ハウジング36に対応する蓋体38を含む。蓋体38は第1ハウジング36に固定接続される。蓋体38は、画像センサ31、ブレ防止コイル32、ブレ防止磁性鋼33、第2ブラケット37、第2回路基板34及びスプリング板35を第1ハウジング36内に制限する。
【0029】
いくつかの例において、蓋体38がスプリング板本体351の移動を干渉することを回避するために、
図14に示すように、ブレ防止駆動モジュール30は、更にガスケット381を含む。ガスケット381も第1ハウジング36内に収容され、且つガスケット381は蓋体38に固定され、ガスケット381は更にスプリング板固定部352に固定される。
【0030】
いくつかの好ましい実施形態において、
図13及び
図14に示すように、ブレ防止駆動モジュール30は、更に固定接続されるフィルタ39及びフィルタ支持枠391を含み、フィルタ支持枠391は、更に回路基板本体341に固定される。
【0031】
いくつかの好ましい実施形態において、
図3、
図5、
図7、
図8、
図11及び
図12に示すように、フォーカスコイル23は鏡筒21の外側に巻かれており、フォーカス磁性鋼24は第1ブラケット22内に固定される。フォーカス駆動モジュール20は、更に弾性シート26a及び弾性シート26bを含み、弾性シート26a及び弾性シート26bはそれぞれ鏡筒21の光軸方向に沿った両端に支持される。弾性シート26aは、弾性シート本体261、第1接続部262、第2接続部263及び第3接続部264を含み、弾性シート本体261と鏡筒21とが接続され、第1接続部262、第2接続部263及び第3接続部264はそれぞれ弾性シート本体261から外側に湾曲して延伸される。第1接続部262はそれぞれ第1ブラケット22の光軸方向に沿った両端に接続され、第2接続部263はコイルに接続され、第3接続部264は第1回路基板25に接続される。弾性シート26bは、弾性シート本体261、第1接続部262、第2接続部263及び第3接続部264を含み、弾性シート本体261は鏡筒21に接続され、第1接続部262、第2接続部263及び第3接続部264はそれぞれ弾性シート本体261から外側に湾曲して延伸され、第1接続部262はそれぞれ第1ブラケット22の光軸方向に沿った両端に接続され、第2接続部263はフォーカスコイル23に接続され、第3接続部264は第1回路基板25に接続される。弾性シート26a、フォーカスコイル23、弾性シート26b及び第1回路基板25は電気的に接続されて回路を形成し、AFクローズドループ制御を実現する。いくつかの例において、鏡筒21のより安定した移動を可能にするために、弾性シート26aは3つの第1接続部262を含み、且つ第3接続部264は、1回路基板25に加えて、第1ブラケット22にも同時に接続される。弾性シート26aと第1ブラケット22との接続、及び弾性シート26bと第1ブラケット22との接続を容易にするために、第1ブラケット22には複数の第1位置決めポスト222が形成され、第1接続部262及び第3接続部264には第1位置決めポスト222に一対一で対応して挿入されて嵌合する第1位置決め孔265が形成され、第1位置決め孔265はそれぞれ第1接続部262及び第3接続部264に接続される。同様に、鏡筒21には複数の第2位置決めポスト212が形成され、弾性シート本体261には第2位置決めポスト212に一対一で対応して挿入されて嵌合する第2位置決め孔266が形成される。
【0032】
いくつかのより好ましい実施形態において、
図3、
図5、
図7、
図8、
図11及び
図12に示すように、フォーカス駆動モジュール20は、更に複数組の磁気伝導シート27を含む。1組の磁気伝導シート27は、1つのフォーカス磁性鋼24に対応して設けられ、各組の磁気伝導シート27は2つの磁気伝導シート27を含み、2つの磁気伝導シート27はそれぞれ対応するフォーカス磁性鋼24の光軸方向に沿った両端に設けられ、フォーカス磁性鋼24の磁力線の漏れを防止し、これにより、フォーカス磁性鋼24の駆動性能を向上させる。
【0033】
いくつかの好ましい実施形態において、
図1~
図5に示すように、フォーカス駆動モジュール20は、更に第2ハウジング28を含み、第2ハウジング28は、鏡筒21、第1ブラケット22、フォーカスコイル23、フォーカス磁性鋼24及び第1回路基板25を収容する。第1ブラケット22の光軸方向の沿う一端には少なくとも1つの第2限位槽221が設けられ、第2限位槽221は第2ハウジング28に対向して設けられる。各第2限位槽221内には第2制振接着剤が充填され、鏡筒21は鏡筒21から外側に延伸する少なくとも1つの位置限定部211を有し、位置限定部211と第2限位槽221は一対一で対応する。各位置限定部211は、第2ハウジング28と対応する第2限位槽221との間に制限される。第2制振接着剤は、位置限定部211に制振効果を提供することで、鏡筒21と第1ブラケット22との間の相対変位に対する緩衝効果を提供する。
【0034】
いくつかの好ましい実施形態において、
図7及び
図8に示すように、各位置限定部211の光軸方向に沿った端面は第2ハウジング28に対応する衝突防止面2111として構成されており、各位置限定部211の光軸方向に沿った端面は第1ブラケット22に対応する衝突防止面2112として構成されている。具体的に、衝突防止面2112と第2限位槽221の槽底面2211は対応する。
【0035】
いくつかの例において、
図5、
図7及び
図8に示すように、各位置限定部211にはそれぞれ段差構造2113が設けられ、段差構造2113は第2制振接着剤を回避して設けられ、衝撃を受けた時に第2制振接着剤が影響を受けることを防止する。
【0036】
いくつかの好ましい実施形態において、第1回路基板25と第2回路基板34とが電気的に接続され、即ち、弾性シート26a、フォーカスコイル23及び弾性シート26bは更に第1回路基板25により第2回路基板34に電気的に接続される。
【0037】
いくつかの好ましい実施形態において、
図12に示すように、フォーカス駆動モジュール20は、更に駆動チップ251及びチップ磁性鋼29を含み、駆動チップ251及びチップ磁性鋼29は互いに協働して鏡筒21位置を検出する。駆動チップ251と第1回路基板25とは電気的に接続され、チップ磁性鋼29は鏡筒21に固定され且つ駆動チップ251に対向して設けられる。駆動チップ251はチップ磁性鋼29の位置変化を取得すると同時にフォーカスコイル23の電流を制御することができる。いくつかの例において、駆動チップ251の型番はAK7316であってもよい。
【0038】
本発明の実施例は、更にデバイス本体及び前記いずれかの撮影装置100を含む電子デバイスを提供し、撮影装置100はデバイス本体に設けられる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、当業者であれば本発明の思想から逸脱することなく改良可能であるが、いずれも本発明の範囲に含まれるものとする。
【要約】 (修正有)
【課題】撮影装置の組み立てが困難であり、製品の歩留まりが低いという問題を解決するための撮影装置及び電子デバイスを提供する。
【解決手段】本発明の撮影装置は、レンズモジュールと、フォーカス駆動モジュールと、ブレ防止駆動モジュールとを含み、レンズモジュール、フォーカス駆動モジュール及びブレ防止駆動モジュールは、3つの互いに独立のモジュールであり、フォーカス駆動モジュールは、レンズモジュールを固定する鏡筒と、鏡筒を収容する第1ブラケットと、対応して設けられるフォーカスコイル及びフォーカス磁性鋼と、第1回路基板とを含み、第1回路基板は、フォーカスコイルに電気的に接続される。ブレ防止駆動モジュールは、画像センサと、対応して設けられるブレ防止コイル及びブレ防止磁性鋼と、平面状の第2回路基板とを含み、第2回路基板は、平面状であり、ブレ防止駆動モジュール及び撮影装置の厚さを有効に減少させることができる。
【選択図】
図4