(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】撮像光学レンズ
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20241224BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20241224BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
(21)【出願番号】P 2024094395
(22)【出願日】2024-06-11
【審査請求日】2024-07-04
(31)【優先権主張番号】202410173082.3
(32)【優先日】2024-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520357958
【氏名又は名称】ジョウシュウシ エーエーシー レイテック オプトロニクス カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】彭海潮
(72)【発明者】
【氏名】周順達
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/262553(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107037570(CN,A)
【文献】国際公開第2023/166851(WO,A1)
【文献】特開2023-170417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学レンズであって、合わせて合計6枚のレンズ
のみから構成され、6枚の前記レンズは、物体側から像側に向かって、順に、負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズ、及び正の屈折力を有する第6レンズであり、
ここで、前記第4レンズはプリズムであり、前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記撮像光学レンズの画角をFOV、前記撮像光学レンズの焦点距離をf、前記撮像光学レンズの全視野の像高をIHにしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
-4.00≦f2/f3≦-1.20
95.00≦(FOV×f)/IH≦101.632
【請求項2】
前記第1レンズの焦点距離をf1にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-2.50≦f1/f≦-1.50
【請求項3】
前記第2レンズのアッベ数をv2、前記第3レンズのアッベ数をv3にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
v3-v2≧30.00
【請求項4】
前記第5レンズの物体側の面の中心曲率半径をR9、前記第5レンズの像側の面の中心曲率半径をR10にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
2.00≦R9/R10≦5.00
【請求項5】
前記第6レンズの焦点距離をf6、前記第6レンズの軸上厚みをd11にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
20.00≦f6/d11≦60.00
【請求項6】
前記第1レンズの物体側の面の半口径がSD11にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
SD11/IH≦0.31
【請求項7】
前記第1レンズは、その像側の面が近軸において凹面に形成され、
前記第1レンズの物体側の面の中心曲率半径をR1、前記第1レンズの像側の面の中心曲率半径をR2、前記第1レンズの軸上厚みをd1、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
0.49≦(R1+R2)/(R1-R2)≦1.59
0.01≦d1/TTL≦0.05
【請求項8】
前記第2レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、
前記第2レンズの物体側の面の中心曲率半径をR3、前記第2レンズの像側の面の中心曲率半径をR4、前記第2レンズの軸上厚みをd3、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
-7.55≦f2/f≦-0.87
1.30≦(R3+R4)/(R3-R4)≦6.59
0.06≦d3/TTL≦0.24
【請求項9】
前記第3レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、
前記第3レンズの物体側の面の中心曲率半径をR5、前記第3レンズの像側の面の中心曲率半径をR6、前記第3レンズの軸上厚みをd5、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
0.48≦f3/f≦1.63
-3.38≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.93
0.04≦d5/TTL≦0.14
【請求項10】
前記第4レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、
前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第4レンズの物体側の面の中心曲率半径をR7、前記第4レンズの像側の面の中心曲率半径をR8、前記第4レンズの軸上厚みをd7、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学レンズ。
0.38≦f4/f≦1.38
0.50≦(R7+R8)/(R7-R8)≦1.50
0.18≦d7/TTL≦0.61
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズの分野に関し、特に、スマートフォン、デジタルカメラ等の携帯端末装置、モニター、PCレンズ等の撮像装置に適用される撮像光学レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、さまざまなスマートデバイスの登場に伴い、小型化の撮像光学レンズに対するニーズがますます高まってあり、感光素子の画素サイズが縮小されで、さらに、現在の電子製品は、優れた機能及び軽量化・薄型化・ポータブル化の外観への要求が高まっているので、良好な結像品質を有する小型化の撮像光学レンズは、現在の市場において既に主流となっている。優れた結像品質を得るために、レンズは、複数のレンズ構造を用いることが多い。また、技術の進化及びユーザの多様化ニーズの増加に伴い、感光素子の画素面積が縮小しつつあり、システムの結像品質に対する要求が高くなってきているなか、6枚式のレンズ構造徐々にレンズの設計に現れている。従って、優れた光学特性を有し、小さい体積を有し、収差が十分に補正される広角撮像レンズに対する要望が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、良好な光学性能を有すると共に、大絞り、極薄化、広角化の設計要件を満たすことができる撮像光学レンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明の技術案には、撮像光学レンズが提供され、前記撮像光学レンズは、合わせて合計6枚のレンズを含み、6枚の前記レンズは、物体側から像側に向かって、順に、負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズ、及び正の屈折力を有する第6レンズであり、ここで、前記第4レンズはプリズムであり、前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記撮像光学レンズの画角をFOV、前記撮像光学レンズの焦点距離をf、前記撮像光学レンズの全視野の像高をIHにしたときに、以下の関係式を満たす。
-4.00≦f2/f3≦-1.20
95.00≦(FOV×f)/IH≦101.632
【0005】
好ましくは、前記第1レンズの焦点距離をf1にしたときに、以下の関係式を満たす。
-2.50≦f1/f≦-1.50
【0006】
好ましくは、前記第2レンズのアッベ数をv2、前記第3レンズのアッベ数をv3にしたときに、以下の関係式を満たす。
v3-v2≧30.00
【0007】
好ましくは、前記第5レンズの物体側の面の中心曲率半径をR9、前記第5レンズの像側の面の中心曲率半径をR10にしたときに、以下の関係式を満たす。
2.00≦R9/R10≦5.00
【0008】
好ましくは、前記第6レンズの焦点距離をf6、前記第6レンズの軸上厚みをd11にしたときに、以下の関係式を満たす。
20.00≦f6/d11≦60.00
【0009】
好ましくは、前記第1レンズの物体側の面の半口径がSD11にしたときに、以下の関係式を満たす。
SD11/IH≦0.31
【0010】
好ましくは、前記第1レンズは、その像側の面が近軸において凹面に形成され、前記第1レンズの物体側の面の中心曲率半径をR1、前記第1レンズの像側の面の中心曲率半径をR2、前記第1レンズの軸上厚みをd1、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たす。
0.49≦(R1+R2)/(R1-R2)≦1.59
0.01≦d1/TTL≦0.05
【0011】
好ましくは、前記第2レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、前記第2レンズの物体側の面の中心曲率半径をR3、前記第2レンズの像側の面の中心曲率半径をR4、前記第2レンズの軸上厚みをd3、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たす。
-7.55≦f2/f≦-0.87
1.30≦(R3+R4)/(R3-R4)≦6.59
0.06≦d3/TTL≦0.24
【0012】
好ましくは、前記第3レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、前記第3レンズの物体側の面の中心曲率半径をR5、前記第3レンズの像側の面の中心曲率半径をR6、前記第3レンズの軸上厚みをd5、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たす。
0.48≦f3/f≦1.63
-3.38≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.93
0.04≦d5/TTL≦0.14
【0013】
好ましくは、前記第4レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第4レンズの物体側の面の中心曲率半径をR7、前記第4レンズの像側の面の中心曲率半径をR8、前記第4レンズの軸上厚みをd7、前記撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、以下の関係式を満たす。
0.38≦f4/f≦1.38
0.50≦(R7+R8)/(R7-R8)≦1.50
0.18≦d7/TTL≦0.61
【発明の効果】
【0014】
本発明の有益な効果は下記の通りである。本発明の撮像光学レンズは、優れた光学性能を有すると共に、大絞り、極薄化、広角化、小頭部の特性を有し、特に高画素用のCCD、CMOS等の撮像素子から構成される携帯電話の撮像レンズ部品とWEB撮像レンズに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施形態における技術考案をより明確に説明し、以下、実施形態の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下の図面の説明が、本発明のいくつかの実施形態のみを説明するためのものであり、当業者にとっては、創造的な努力を払わなくて、これらの図面からほかの図面も得られる。
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す撮像光学レンズの球面収差を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す図である。
【
図6】
図6は、
図5に示す撮像光学レンズの球面収差を示す図である。
【
図7】
図7は、
図5に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す図である。
【
図8】
図8は、
図5に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す図である。
【
図12】
図12は、
図9に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す図である。
【
図21】
図21は、本発明の比較実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の目的、技術考案及び利点をより明確にするために、以下に、図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳しく説明する。しかし、本発明の各実施形態において、本発明に対する理解を便宜にするために、多くの技術的細部まで記載されているが、これらの技術的細部及び以下の各実施形態に基づく種々の変化及び修正がなくても、本発明が保護しようとする技術考案を実現可能であることは、当業者にとっては自明なことである。
【0017】
図1~
図20を参照すると、本発明の技術考案には、撮像光学レンズ10、20、30、40、50が提供される。
図1、5、9、13、17には、本発明の撮像光学レンズ10、20、30、40、50を示しており、この撮像光学レンズ10、20、30、40、50は、合わせて合計6枚のレンズを含む。具体的に、上記の撮像光学レンズは、物体側から像側に向かって、順に、絞りS1、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6を備える。第6レンズL6と像面Siとの間には、光学フィルター(filter)GFなどの光学素子が設けられてもよい。
【0018】
第1レンズL1の材質がプラスチックで、第2レンズL2の材質がプラスチックで、第3レンズL3の材質がプラスチックで、第4レンズL4の材質がプラスチックで、第5レンズL5の材質がプラスチックで、第6レンズL6の材質がプラスチックである。各レンズは他の材質であってもよい。
【0019】
第4レンズL4は非球面プリズムであり、その上に反射面RSが設けられ、第3レンズL3の像側の面から出射された光線が第4レンズL4の反射面RSを介して反射屈折された後、第4レンズL4の像側の面から出射され、折り畳み光路の設計により、デバイスの厚みを小さくすることができる。
【0020】
第2レンズL2の焦点距離をf2、第3レンズL3の焦点距離をf3にしたときに、-4.00≦f2/f3≦-1.20の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあると、2つのレンズの焦点距離の値が近く、光線の緩やかな遷移に役立ち、像質を向上させる。
【0021】
上記の撮像光学レンズの画角をFOV、焦点距離をf、全視野の像高をIHにしたときに、95.00≦(FOV×f)/IH≦101.632の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあると、広い画角と望遠を両立し、中遠距離イメージングを保証できる。
【0022】
第1レンズL1の焦点距離をf1にしたときに、-2.50≦f1/f≦-1.50の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあると、第1レンズL1の焦点距離と撮像光学レンズの焦点距離との比を割り当てることにより、入光量の保証に役立つ。
【0023】
第2レンズL2のアッベ数をv2、第3レンズL3のアッベ数をv3にしたときに、v3-v2≧30.00の関係式が設立され、第2、第3の相隣するレンズの材料の分散係数の差が規定されている。この関係式の範囲内にあると、システムの色収差を有効的にバランスすることができ、色収差│LC│≦3.5μmとする。
【0024】
第5レンズL5の物体側の面の中心曲率半径をR9、第5レンズL5の像側の面の中心曲率半径をR10にしたときに、2.00≦R9/R10≦5.00の関係式が設立され、第5レンズL5の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあると、撮像光学レンズの非点収差と歪曲収差の補正に有利であり、歪曲収差|Distortion|≦2.2%とし、ケラレ(Vignetting)の発生を低減する。
【0025】
第6レンズL6の焦点距離をf6、第6レンズL6の軸上厚みをd11にしたときに、20.00≦f6/d11≦60.00の関係式が設立され、第6レンズL6の屈折力と軸上厚みとの比が規定されている。この関係式の範囲内にあると、第6レンズL6が十分な強度の正の屈折力を維持して像側端の軸外収差を補正することに寄与すると共に、光学全長を効果的に短縮して微型化の目的を達成することができ、さらに製品の応用範囲を拡大することができる。
【0026】
第1レンズL1の物体側の面の半口径がSD11にしたときに、SD11/IH≦0.31の関係式が設立され、撮像光学レンズの頭部寸法と像高の比が規定されている。この関係式の範囲内にあると、小頭部の設計を実現することができる。
【0027】
上記のいくつかの関係式を満たす場合、撮像光学レンズ10、20、30、40、50は良好な光学性能を有すると共に、広角化の設計要件を満たすことができる。当該撮像光学レンズ10、20、30、40、50の特性によれば、当該撮像光学レンズ10、20、30、40、50は特に高画素用のCCD、CMOS等の撮像素子から構成される携帯電話の撮像レンズ部品とWEB撮像レンズに適用することができる。
【0028】
上記の関係式及び実現可能な機能に基づいて、さらに各レンズの特徴を以下のように洗練する。
【0029】
第1レンズL1は、その物体側の面が近軸において凸面又は凹面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、負の屈折力を有する。第1レンズL1の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0030】
上記の第1レンズL1の物体側の面の中心曲率半径をR1、上記の第1レンズL1の像側の面の中心曲率半径をR2にしたときに、0.49≦(R1+R2)/(R1-R2)≦1.59の関係式が設立される。第1レンズL1の形状を合理的に制御することで、第1レンズL1はシステムの球面収差を効果的に補正することができる。また、0.78≦(R1+R2)/(R1-R2)≦1.27であることが好ましい。
【0031】
上記の第1レンズL1の軸上厚みをd1、撮像光学レンズ10の光学全長をTTLにしたときに、0.01≦d1/TTL≦0.05の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあると、小型化の実現に有利である。また、0.02≦d1/TTL≦0.04であることが好ましい。
【0032】
第2レンズL2は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、負の屈折力を有する。第2レンズL2の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0033】
上記の撮像光学レンズの焦点距離をf、上記の第2レンズL2の焦点距離をf2にしたときに、-7.55≦f2/f≦-0.87の関係式が設立される。第2レンズL2の負の屈折力を適切な範囲に制御することにより、光学システムの収差を補正することに有利である。また、-4.72≦f2/f≦-1.08であることが好ましい。
【0034】
上記の第2レンズL2の物体側の面の中心曲率半径をR3、上記の第2レンズL2の像側の面の中心曲率半径をR4にしたときに、1.30≦(R3+R4)/(R3-R4)≦6.59の関係式が設立され、第2レンズL2の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあると、極薄化、広角化が進むに従って、軸上色収差などの問題の補正に有利である。また、2.08≦(R3+R4)/(R3-R4)≦5.27であることが好ましい。
【0035】
上記の第2レンズL2の軸上厚みをd3、上記の撮像光学レンズ10の光学全長をTTLにしたときに、0.06≦d3/TTL≦0.24の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあると、小型化の実現に有利である。また、0.10≦d3/TTL≦0.20であることが好ましい。
【0036】
第3レンズL3は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、正の屈折力を有する。第3レンズL3の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0037】
上記の撮像光学レンズの焦点距離をf、上記の第3レンズL3の焦点距離をf3にしたときに、0.48≦f3/f≦1.63の関係式が設立される。屈折力を適切に配分することにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。また、0.76≦f3/f≦1.30であることが好ましい。
【0038】
上記の第3レンズL3の物体側の面の中心曲率半径をR5、第3レンズL3の像側の面の中心曲率半径をR6にしたときに、-3.38≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.93の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあると、第3レンズL3の形状を有効的に制御することができて、第3レンズL3の成型に有利であると共に、第3レンズL3の表面の曲率が大きすぎることによる成型不良及び応力の生成を回避することができる。また、-2.11≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-1.17であることが好ましい。
【0039】
上記の第3レンズL3の軸上厚みをd5、上記の撮像光学レンズ10の光学全長をTTLにしたときに、0.04≦d5/TTL≦0.14の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあると、小型化の実現に有利である。また、0.06≦d5/TTL≦0.11であることが好ましい。
【0040】
第4レンズL4は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、正の屈折力を有する。第4レンズL4の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0041】
上記の撮像光学レンズの焦点距離をf、上記の第4レンズL4の焦点距離をf4にしたときに、0.38≦f4/f≦1.38の関係式が設立される。屈折力を適切に配分することにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。また、0.61≦f4/f≦1.11であることが好ましい。
【0042】
上記の第4レンズL4の物体側の面の中心曲率半径をR7、第4レンズL4の像側の面の中心曲率半径をR8にしたときに、0.50≦(R7+R8)/(R7-R8)≦1.50の関係式が設立され、第4レンズL4の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあると、極薄化、広角化が進むに従って、軸外画角の収差等の問題の補正に有利である。また、0.80≦(R7+R8)/(R7-R8)≦1.20であることが好ましい。
【0043】
上記の第4レンズL4の軸上厚みをd7、上記の撮像光学レンズ10の光学全長をTTLにしたときに、0.18≦d7/TTL≦0.61の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあると、小型化の実現に有利である。また、0.28≦d7/TTL≦0.49であることが好ましい。
【0044】
第5レンズL5は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、負の屈折力を有する。第5レンズL5の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0045】
上記の撮像光学レンズの焦点距離をf、上記の第5レンズL5の焦点距離をf5にしたときに、-8.15≦f5/f≦-1.51の関係式が設立される。第5レンズL5を限定することで、撮像光学レンズ10の光線角度を緩やかにし、公差感度を低減させることができる。また、-5.09≦f5/f≦-1.89であることが好ましい。
【0046】
上記の第5レンズL5の物体側の面の中心曲率半径をR9、上記の第5レンズL5の像側の面の中心曲率半径をR10にしたときに、0.75≦(R9+R10)/(R9-R10)≦4.48の関係式が設立され、第5レンズL5の形状が規定される。この関係式の範囲内にあると、極薄化、広角化が進むに従って、軸外画角の収差等の問題の補正に有利である。また、1.20≦(R9+R10)/(R9-R10)≦3.58であることが好ましい。
【0047】
上記の第5レンズL5の軸上厚みをd9、上記の撮像光学レンズ10の光学全長をTTLにしたときに、0.01≦d9/TTL≦0.05の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあると、小型化の実現に有利である。また、0.02≦d9/TTL≦0.04であることが好ましい。
【0048】
第6レンズL6は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、正の屈折力を有する。第6レンズL6の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0049】
上記の撮像光学レンズの焦点距離をf、上記の第6レンズL6の焦点距離をf6にしたときに、1.26≦f6/f≦11.21の関係式が設立され、屈折力を合理的に配分することにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。また、2.02≦f6/f≦8.97であることが好ましい。
【0050】
上記の第6レンズL6の物体側の面の中心曲率半径をR11、上記の第6レンズL6の像側の面の中心曲率半径をR12にしたときに、-294.00≦(R11+R12)/(R11-R12)≦655.50の関係式が設立され、第6レンズL6の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあると、極薄化、広角化が進むに従って、軸外画角の収差等の問題の補正に有利である。また、-183.75≦(R11+R12)/(R11-R12)≦524.40あることが好ましい。
【0051】
上記の第6レンズL6の軸上厚みをd11、上記の撮像光学レンズ10の光学全長をTTLにしたときに、0.03≦d11/TTL≦0.10の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあると、小型化の実現に有利である。また、0.04≦d11/TTL≦0.08であることが好ましい。
【0052】
上記の撮像光学レンズの像高をIH、上記の撮像光学レンズの光学全長をTTLにしたときに、TTL/IH≦3.10の関係式が設立される。これにより、極薄化の実現に有利である。また、TTL/IH≦3.04であることが好ましい。
【0053】
上記の撮像光学レンズの画角FOVは66.00°以上である。これにより、広角化を実現できる。
【0054】
上記の撮像光学レンズの絞り値FNOは2.50以下である。これにより、大絞りを実現し、撮像光学レンズの結像性能が優れている。
【0055】
以下、実施例を用いて、本発明に係る撮像光学レンズを説明する。各実施例に記載の符号は以下の通りである。焦点距離、軸上距離、中心曲率半径、軸上厚み、変曲点位置、停留点位置の単位は、mmである。
【0056】
TTL:光学全長(第1レンズL1の物体側の面から像面Siまでの軸上距離)、単位はmmである。
【0057】
絞り値FNO:撮像光学レンズの有効焦点距離と入射瞳径の比。
【0058】
好ましくは、高品質な結像性能を得られるように、上記のレンズの物体側の面及び/又は像側の面に、変曲点及び/又は停留点がさらに設けられていてもよい。
【0059】
次に、5つの実施形態を用いて本発明の技術案を具体的に説明すると共に、比較実施形態を参照説明として提供する。上記関係式の範囲を超えた場合、本発明の技術的効果を実現することができない。
(第1実施形態)
【0060】
表1、表2は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10の設定データを示す。
【0061】
【0062】
ここで、各符号の意味は、以下の通りである。
S1 :絞り
R :光学面の中心の曲率半径
R1 :第1レンズL1の物体側の面の中心曲率半径
R2 :第1レンズL1の像側の面の中心曲率半径
R3 :第2レンズL2の物体側の面の中心曲率半径
R4 :第2レンズL2の像側の面の中心曲率半径
R5 :第3レンズL3の物体側の面の中心曲率半径
R6 :第3レンズL3の像側の面の中心曲率半径
R7 :第4レンズL4の物体側の面の中心曲率半径
R8 :第4レンズL4の像側の面の中心曲率半径
R9 :第5レンズL5の物体側の面の中心曲率半径
R10 :第5レンズL5の像側の面の中心曲率半径
R11 :第6レンズL6の物体側の面の中心曲率半径
R12 :第6レンズL6の像側の面の中心曲率半径
R13 :光学フィルターGFの物体側の面の中心曲率半径
R14 :光学フィルターGFの像側の面の中心曲率半径
d :レンズの軸上厚み、レンズ間の軸上距離
d0 :絞りS1から第1レンズL1の物体側の面までの軸上距離
d1 :第1レンズL1の軸上厚み
d2 :第1レンズL1の像側の面から第2レンズL2の物体側の面までの軸上距離
d3 :第2レンズL2の軸上厚み
d4 :第2レンズL2の像側の面から第3レンズL3の物体側の面までの軸上距離
d5 :第3レンズL3の軸上厚み
d6 :第3レンズL3の像側の面から第4レンズL4の物体側の面までの軸上距離
d7 :第4レンズL4の軸上厚み
d8 :第4レンズL4の像側の面から第5レンズL5の物体側の面までの軸上距離
d9 :第5レンズL5の軸上厚み
d10 :第5レンズL5の像側の面から第6レンズL6の物体側の面までの軸上距離
d11 :第6レンズL6の軸上厚み
d12 :第6レンズL6の像側の面から光学フィルターGFの物体側の面までの軸上距離
d13 :光学フィルターGFの軸上厚み
d14 :光学フィルターGFの像側の面から像面Siまでの軸上距離
nd :d線の屈折率(d線は波長550nmの緑色光である)
nd1 :第1レンズL1のd線の屈折率
nd2 :第2レンズL2のd線の屈折率
nd3 :第3レンズL3のd線の屈折率
nd4 :第4レンズL4のd線の屈折率
nd5 :第5レンズL5のd線の屈折率
nd6 :第6レンズL6のd線の屈折率
ndg :光学フィルターGFのd線の屈折率
vd :アッベ数
v1 :第1レンズL1のアッベ数
v2 :第2レンズL2のアッベ数
v3 :第3レンズL3のアッベ数
v4 :第4レンズL4のアッベ数
v5 :第5レンズL5のアッベ数
v6 :第6レンズL6のアッベ数
vg :光学フィルターGFのアッベ数
【0063】
表2は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10における各レンズの非球面のデータを示す。
【0064】
【0065】
各レンズ面の非球面は、便宜上、下記式(1)で表される非球面を使用しているが、本発明は、この式(1)の非球面多項式に限定されるものではない。
【0066】
z=(cr2)/{1+[1-(k+1)(c2r2)]1/2}+A4r4+A6r6+A8r8+A10r10+A12r12+A14r14+A16r16+A18r18+A20r20 (1)
【0067】
ここで、kは円錐係数であり、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、A18、A20は非球面係数であり、cは光学面の中心の曲率であり、rは非球面曲線上の点と光軸との垂直距離であり、zは非球面深さ(非球面における光軸から離れた距離がrである点と、非球面光軸上の頂点に接する接平面との垂直距離)である。
【0068】
表3、表4は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10における各レンズの変曲点及び停留点の設定データを示す。ここで、P1R1、P1R2は、それぞれ第1レンズL1の物体側の面と像側の面を示し、P2R1、P2R2は、それぞれ第2レンズL2の物体側の面と像側の面を示し、P3R1、P3R2は、それぞれ第3レンズL3の物体側の面と像側の面を示し、P4R1、P4R2は、それぞれ第4レンズL4の物体側の面と像側の面を示し、P5R1、P5R2は、それぞれ第5レンズL5の物体側の面と像側の面を示し、P6R1、P6R2は、それぞれ第6レンズL6の物体側の面と像側の面を示す。また、「変曲点位置」欄の対応するデータは、各レンズの表面に設けられた変曲点から撮像光学レンズ10の光軸までの垂直距離であり、「停留点位置」欄の対応するデータは、各レンズの表面に設けられた停留点から撮像光学レンズ10の光軸までの垂直距離である。
【0069】
【0070】
【0071】
図2、
図3は、それぞれ波長650nm、610nm、550nm、490nm、470nm、及び430nmの光が第1実施形態に係る撮像光学レンズ10を通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。
図4は、波長550nmの光が第1実施形態に係る撮像光学レンズ10を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図であり、
図4の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、子午方向の像面湾曲である。
【0072】
本実施形態において、上記の撮像光学レンズ10の入射瞳径ENPDが1.325mmであり、全視野の像高IHが2.300mmであり、対角線方向の画角FOVが70.00°である。上記の撮像光学レンズ10は、大絞り、極薄化、広角化、小頭部の設計要件を満たすことができ、その軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
(第2実施形態)
【0073】
第2実施形態は、符号の意味が第1実施形態と同様である。
【0074】
図5に示されたのは、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20である。
【0075】
表5、表6は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20の設定データを示す。
【0076】
【0077】
表6は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20における各レンズの非球面のデータを示す。
【0078】
【0079】
表7、表8は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20における各レンズの変曲点及び停留点の設定データを示す。
【0080】
【0081】
【0082】
図6、
図7は、それぞれ波長650nm、610nm、550nm、490nm、470nm、及び430nmの光が第2実施形態に係る撮像光学レンズ20を通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。
図8は、波長550nmの光が第2実施形態に係る撮像光学レンズ20を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
図8の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、子午方向の像面湾曲である。
【0083】
本実施形態において、上記の撮像光学レンズ20の入射瞳径ENPDが1.206mmであり、全視野の像高IHが2.300mmであり、対角線方向の画角FOVが72.85°である。上記の撮像光学レンズ20は、大絞り、極薄化、広角化、小頭部の設計要件を満たすことができ、その軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
(第3実施形態)
【0084】
第3実施形態は、符号の意味が第1実施形態と同様である。
【0085】
図9に示されたのは、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30である。
【0086】
表9、表10は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30の設定データを示す。
【0087】
【0088】
表10は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30における各レンズの非球面のデータを示す。
【0089】
【0090】
表11、表12は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30における各レンズの変曲点及び停留点の設定データを示す。
【0091】
【0092】
【0093】
図10、
図11は、それぞれ波長650nm、610nm、550nm、490nm、470nm、及び430nmの光が第3実施形態に係る撮像光学レンズ30を通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。
図12は、波長550nmの光が第3実施形態に係る撮像光学レンズ30を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
図12の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、子午方向の像面湾曲である。
【0094】
本実施形態において、上記の撮像光学レンズ30の入射瞳径ENPDが1.357mmであり、全視野の像高IHが2.300mmであり、対角線方向の画角FOVが69.16°である。上記の撮像光学レンズ30は、大絞り、極薄化、広角化、小頭部の設計要件を満たすことができ、その軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
(第4実施形態)
【0095】
第4実施形態は、符号の意味が第1実施形態と同様である。
【0096】
図13に示されたのは、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40である。
【0097】
表13、表14は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40の設定データを示す。
【0098】
【0099】
表14は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40における各レンズの非球面のデータを示す。
【0100】
【0101】
表15、表16は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40における各レンズの変曲点及び停留点の設定データを示す。
【0102】
【0103】
【0104】
図14、
図15は、それぞれ波長650nm、610nm、550nm、490nm、470nm、及び430nmの光が第4実施形態に係る撮像光学レンズ40を通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。
図16は、波長550nmの光が第4実施形態に係る撮像光学レンズ40を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
図16の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、子午方向の像面湾曲である。
【0105】
本実施形態において、上記の撮像光学レンズ40の入射瞳径ENPDが1.375mmであり、全視野の像高IHが2.300mmであり、対角線方向の画角FOVが66.13°である。上記の撮像光学レンズ40は、大絞り、極薄化、超広角、小頭部の設計要件を満たすことができ、その軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
(第5実施形態)
【0106】
第5実施形態は、符号の意味が第1実施形態と同様である。
【0107】
図17に示されたのは、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50である。
【0108】
表17、表18は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50の設定データを示す。
【0109】
【0110】
表18は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50における各レンズの非球面のデータを示す。
【0111】
【0112】
表19、表20は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50における各レンズの変曲点及び停留点の設定データを示す。
【0113】
【0114】
【0115】
図18、
図19は、それぞれ波長650nm、610nm、550nm、490nm、470nm、及び430nmの光が第5実施形態に係る撮像光学レンズ50を通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。
図20は、波長550nmの光が第5実施形態に係る撮像光学レンズ50を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
図20の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、子午方向の像面湾曲である。
【0116】
本実施形態において、上記の撮像光学レンズ50の入射瞳径ENPDが1.268mmであり、全視野の像高IHが2.300mmであり、対角線方向の画角FOVが70.55°である。上記の撮像光学レンズ50は、大絞り、極薄化、超広角、小頭部の設計要件を満たすことができ、その軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
【0117】
後記の表25には、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態の諸数値及び関係式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
(比較実施形態)
【0118】
比較実施形態は、符号の意味が第1実施形態と同様である。
【0119】
図21に示されたのは、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60である。
【0120】
表21、表22は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60の設定データを示す。
【0121】
【0122】
表22は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60における各レンズの非球面のデータを示す。
【0123】
【0124】
表23、表24は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60における各レンズの変曲点及び停留点の設定データを示す。
【0125】
【0126】
【0127】
図22、
図23は、それぞれ波長650nm、610nm、550nm、490nm、470nm、及び430nmの光が比較実施形態に係る撮像光学レンズ60を通った後の球面収差及び倍率色収差を示す図である。
図24は、波長550nmの光が比較実施形態に係る撮像光学レンズ60を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
図24の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、子午方向の像面湾曲である。
【0128】
以下、上記の関係式ごとに比較実施形態における各関係式に対応する数値を表25に示す。明らかに、比較実施形態の撮像光学レンズ60は、上述した関係式95.00≦(FOV×f)/IH≦101.632を満たさない。
【0129】
比較実施形態において、上記の撮像光学レンズ60の入射瞳径ENPDが1.372mmであり、全視野の像高IHが2.300mmであり、対角線方向の画角FOVが69.97°である。上記の撮像光学レンズ60は、大絞り、極薄化、超広角、小頭部の設計要件を満たさない。
【0130】
【0131】
上記の各実施形態は本発明を実現するための具体的な実施形態であるが、実際の応用において、本発明の主旨及び範囲から逸脱しない範囲での形式及び細部に対する各種の変更は、いずれも本発明の保護範囲に属することは、当業者であれば理解できるはずである。
【要約】
【課題】本発明は、光学レンズの分野に関し、撮像光学レンズを開示する。
【解決手段】撮像光学レンズは、合わせて合計6枚のレンズを含み、6枚のレンズは、物体側から像側に向かって、順に、負の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する第2レンズ、正の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、負の屈折力を有する第5レンズ、及び正の屈折力を有する第6レンズであり、
ここで、第4レンズはプリズムであり、第2レンズの焦点距離をf2、第3レンズの焦点距離をf3、撮像光学レンズの画角をFOV、撮像光学レンズの焦点距離をf、撮像光学レンズの全視野の像高をIHにしたときに、-4.00≦f2/f3≦-1.20、95.00≦(FOV×f)/IH≦101.632の関係式を満たす。
【選択図】
図1