(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】半導体ウェハの表面欠陥検出方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20241224BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01N21/956 A
(21)【出願番号】P 2024522591
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2022103867
(87)【国際公開番号】W WO2023280153
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】202110767105.X
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524001307
【氏名又は名称】上海超硅半導体股▲フン▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】524001318
【氏名又は名称】重慶超硅半導体有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100195327
【氏名又は名称】森 博
(74)【代理人】
【識別番号】100229389
【氏名又は名称】香田 淳也
(72)【発明者】
【氏名】胡浩
(72)【発明者】
【氏名】張俊宝
(72)【発明者】
【氏名】宋洪偉
(72)【発明者】
【氏名】陳猛
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-211440(JP,A)
【文献】特開2011-237303(JP,A)
【文献】特開2012-32251(JP,A)
【文献】特開2010-14635(JP,A)
【文献】特開2017-67639(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101672801(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109949305(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0253912(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0192238(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0031838(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/84-21/958
H01L21/64-21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光発射システムと、第1光受光システム及び第2光受光システムを含む光受光システムとを含む光学的検出機器に基づいて検出を行うための半導体ウェハの表面欠陥検出方法であって、
割合が第1プリセット範囲内にある凹み欠陥を含む第1標準欠陥を含む第1標準ウェハが取得されたことに応答し、前記光発射システムから発射された出射光が前記第1標準ウェハの表面を介して反射された後、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第1標準比値を決定することと、
割合が第2プリセット範囲内にある凸起欠陥を含む第2標準欠陥を含む第2標準ウェハが取得されたことに応答し、前記光発射システムの発射された出射光が前記第2標準ウェハの表面を介して反射された後、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第2標準比値を決定することと、
前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を前記第1標準比値と前記第2標準比値との間に調整して、検出待ちウェハの表面欠陥を検出することと、を含む、
半導体ウェハの表面欠陥検出方法。
【請求項2】
第1標準欠陥を含む第1標準ウェハが取得されたことに応答し、前記光発射システムから発射された出射光が前記第1標準ウェハの表面を介して反射された後、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第1標準比値を決定することは、
前記第1標準ウェハの第1標準欠陥を取得することと、
前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との比値が第1比値である場合、前記光発射システムを、出射光を前記第1標準ウェハの表面に発射するように制御し、前記第1標準ウェハに対して欠陥検出を行い、前記第1標準ウェハの第1検出欠陥を取得することと、
前記第1検出欠陥と前記第1標準欠陥とがマッチするか否かを判断することと、
前記第1検出欠陥と前記第1標準欠陥とがマッチすることに応答し、前記第1比値を前記第1標準比値とすることと、
前記第1検出欠陥と前記第1標準欠陥とがマッチしないことに応答し、前記第1比値を調整し、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との比値が第1比値である場合、前記光発射システムを、出射光を前記第1標準ウェハの表面に発射するように制御し、前記第1標準ウェハに対して欠陥検出を行い、前記第1標準ウェハの第1検出欠陥を取得することに戻ることと、を含む、
請求項1に記載の半導体ウェハの表面欠陥検出方法。
【請求項3】
前記第1検出欠陥と前記第1標準欠陥とがマッチせず、且つ前記第1比値を調整する回数が第1プリセット回数を超えたことに応答し、前記第1標準ウェハに対する検出を停止することを更に含む、
請求項2に記載の半導体ウェハの表面欠陥検出方法。
【請求項4】
第2標準欠陥を含む第2標準ウェハが取得されたことに応答し、前記光発射システムの発射された出射光が前記第2標準ウェハの表面を介して反射された後、前記第1光受光システムの反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第2標準比値を決定することは、
前記第2標準ウェハの第2標準欠陥を取得することと、
前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との比値が第2比値である場合、前記光発射システムを、出射光を前記第2標準ウェハの表面に発射するように制御し、前記第2標準ウェハに対して欠陥検出を行い、前記第2標準ウェハの第2検出欠陥を取得することと、
前記第2検出欠陥と前記第2標準欠陥とがマッチするか否かを判断することと、
前記第2検出欠陥と前記第2標準欠陥とがマッチすることに応答し、前記第2比値を前記第2標準比値とすることと、
前記第2検出欠陥と前記第2標準欠陥とがマッチしないことに応答し、前記第2比値を調整し、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との比値が第2比値である場合、前記光発射システムを、出射光を前記第2標準ウェハの表面に発射するように制御し、前記第2標準ウェハに対して欠陥検出を行い、前記第2標準ウェハの第2検出欠陥を取得することに戻ることと、を含む、
請求項1に記載の半導体ウェハの表面欠陥検出方法。
【請求項5】
前記第2検出欠陥と前記第2標準欠陥とがマッチせず、且つ前記第2比値を調整する回数が第2プリセット回数を超えたことに応答し、前記第2標準ウェハに対する検出を停止することを更に含む、
請求項4に記載の半導体ウェハの表面欠陥検出方法。
【請求項6】
前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を前記第1標準比値と前記第2標準比値との間に調整して、検出待ちウェハの表面欠陥を検出することは、
前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の比値を、前記第1標準比値よりも大きいか又は等しく且つ前記第2標準比値よりも小さいか又は等しい検出比値に調整することと、
凹み欠陥又は凸起欠陥のうちの少なくとも1つを含む検出待ちウェハの検出待ち欠陥を取得することと、
前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の比値が前記検出比値である場合、前記検出待ちウェハに対して欠陥検出を行い、前記検出待ちウェハの第3検出欠陥を取得することと、
前記第3検出欠陥と前記検出待ち欠陥とがマッチするか否かを判断することと、
前記第3検出欠陥と前記検出待ち欠陥とがマッチすることに応答し、前記検出比値を、他の検出待ちウェハを検出する時の第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との比値とし、他の検出待ちウェハに対して欠陥検出を行うことと、
前記第3検出欠陥と前記検出待ち欠陥とがマッチしないことに応答し、前記検出比値を調整し、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の比値が前記検出比値である場合、前記検出待ちウェハに対して欠陥検出を行い、前記検出待ちウェハの第3検出欠陥を取得することの実行に戻ることと、を含む、
請求項1に記載の半導体ウェハの表面欠陥検出方法。
【請求項7】
前記第3検出欠陥と前記検出待ち欠陥とがマッチせず、且つ前記検出比値を調整する回数が第3プリセット回数を超えたことに応答し、前記検出待ちウェハに対する検出を停止することを更に含む、
請求項6に記載の半導体ウェハの表面欠陥検出方法。
【請求項8】
光発射システムと、第1光受光システム及び第2光受光システムを含む光受光システムとを含む光学的検出機器に基づいて検出を行うための半導体ウェハの表面欠陥検出装置であって、
割合が第1プリセット範囲内にある凹み欠陥を含む第1標準欠陥を含む第1標準ウェハが取得されたことに応答し、前記光発射システムの出射光が前記第1標準ウェハの表面を介して反射された後、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第1標準比値を決定するように構成される第1標準比値決定モジュールと、
割合が第2プリセット範囲内にある凸起欠陥を含む第2標準欠陥を含む第2標準ウェハが取得されたことに応答し、前記光発射システムの出射光が前記第2標準ウェハの表面を介して反射された後、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第2標準比値を決定するように構成される第2標準比値決定モジュールと、
前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を前記第1標準比値と前記第2標準比値との間に調整して、検出待ちウェハの表面欠陥を検出するように構成される光強度比値調整モジュールと、を備える、
半導体ウェハの表面欠陥検出装置。
【請求項9】
光発射システムと、
光受光システムと、
請求項1~7のいずれか1項に記載の半導体ウェハの表面欠陥検出方法を実行するように構成されるプロセッサとを備える、
光学的検出機器。
【請求項10】
プロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の半導体ウェハの表面欠陥検出方法を実現するコンピュータプログラムが記憶された、
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年07月07日に中国専利局に出願され、出願番号が202110767105.Xである中国特許出願の優先権を主張し、以上の出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、半導体ウェハ検出の技術分野に関し、例えば、半導体ウェハの表面欠陥検出方法及び検出装置、光学的検出機器、並びにコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
シリコン材料は、材料構造、機械的強度、化学及び電気的安定性の面での良好な性能により、半導体工業における最もよく使用される材料の1つとなっている。シリコン材料に対して欠陥の制御を良好に行うことは不可避的に必要であり、且つ、シリコンウェハの製造においては、良好な表面欠陥計量操作が必要であり、従って、表面欠陥の検出方式の簡素化は、半導体ウェハの製造業界にとって極めて重要な意義を持つ。
【発明の概要】
【0004】
第1側面において、本願の実施例は、
光発射システムと、第1光受光システム及び第2光受光システムを含む光受光システムとを含む光学的検出機器に基づいて検出を行うための半導体ウェハの表面欠陥検出方法であって、
割合が第1プリセット範囲内にある凹み欠陥を含む第1標準欠陥を含む第1標準ウェハが取得されたことに応答し、前記光発射システムの出射光が前記第1標準ウェハの表面を介して反射された後、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第1標準比値を決定することと、
割合が第2プリセット範囲内にある凸起欠陥を含む第2標準欠陥を含む第2標準ウェハが取得されたことに応答し、前記光発射システムの出射光が前記第2標準ウェハの表面を介して反射された後、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第2標準比値を決定することと、
前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を前記第1標準比値と前記第2標準比値との間に調整して、検出待ちウェハの表面欠陥を検出することと、を含む、
半導体ウェハの表面欠陥検出方法を提供する。
【0005】
第2側面において、本願の実施例は、
光発射システムと、第1光受光システム及び第2光受光システムを含む光受光システムとを含む光学的検出機器に基づいて検出を行うための半導体ウェハの表面欠陥検出装置であって、
割合が第1プリセット範囲内にある凹み欠陥を含む第1標準欠陥を含む第1標準ウェハが取得されたことに応答し、前記光発射システムの出射光が前記第1標準ウェハの表面を介して反射された後、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第1標準比値を決定するように構成される第1標準比値決定モジュールと、
割合が第2プリセット範囲内にある凸起欠陥を含む第2標準欠陥を含む第2標準ウェハが取得されたことに応答し、前記光発射システムの出射光が前記第2標準ウェハの表面を介して反射された後、前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第2標準比値を決定するように構成される第2標準比値決定モジュールと、
前記第1光受光システムで受光された反射光強度と前記第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を前記第1標準比値と前記第2標準比値との間に調整して、検出待ちウェハの表面欠陥を検出するように構成される光強度比値調整モジュールと、を備える、
半導体ウェハの表面欠陥検出装置を更に提供する。
【0006】
第3側面において、本願の実施例は、
光発射システムと、光受光システムと、上記の半導体ウェハの表面欠陥検出方法を実行するように構成されるプロセッサとを備える光学的検出機器を更に提供する。
【0007】
第4側面において、本願の実施例は、
プロセッサによって実行されると、上記の半導体ウェハの表面欠陥検出方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の図面に示された非制限的な実施例についての説明を閲読して参照することにより、本願の他の特徴、目的及び利点はより明らかになる。
【0009】
【
図1】本願の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出方法のフローの模式図である。
【
図2】本願の実施例に係る第1標準比値決定方法のフローの模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る第2標準比値決定方法のフローの模式図である。
【
図4】本願の実施例に係る検出待ちウェハを検出する時の光強度比値の決定の方法のフローの模式図である。
【
図5】本願の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出装置の構造模式図である。
【
図6】本願の実施例に係る光学的検出機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例における図面を参照しながら、具体的な実施形態により本願の技術案を完全に説明する。説明される実施例は、本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではないことは明らかであり、本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わない前提で得られるすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属している。
【0011】
図1は、本願の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出方法のフローの模式図であり、本願の実施例に係る表面欠陥検出方法は、半導体ウェハの表面欠陥を評価して分析することができ、該方法は光学的検出機器に基づいて検出を行い、光学的検出機器は光発射システム及び光受光システムを含み、光受光システムは第1光受光システム及び第2光受光システムを含む。
図1に示すように、本願の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出方法は、以下を含む。
【0012】
S101において、第1標準欠陥を含む第1標準ウェハが取得されると、光発射システムから発射された出射光が第1標準ウェハの表面を介して反射された後、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第1標準比値を決定する。
【0013】
ここで、第1標準欠陥は凹み欠陥を含み、且つ凹み欠陥の割合は第1プリセット範囲内にある。例示的には、凹み欠陥を含む1つの半導体ウェハを第1標準ウェハとして選出し、第1標準ウェハにおける欠陥は第1標準欠陥であり、第1標準欠陥のうち、凹み欠陥の占める割合は第1プリセット範囲内にある必要があり、第1プリセット範囲は80%~100%であってもよいし、90%~100%であってもよく、第1プリセット範囲における値が大きいほど、凹み欠陥の占める割合も大きくなり、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第1標準比値の精密さも高くなる。ここで、実際の精密さのニーズに応じて、90%~100%の精密さが80%~100%の精密さよりも高い第1プリセット範囲を適切に調整し、そして、第1プリセット範囲に基づいて対応する第1標準ウェハを選出し、第1標準ウェハの第1標準欠陥により第1標準比値を得ることができ、つまり、第1プリセット範囲は、実際の精密さのニーズに応じて決定可能であり、第1標準ウェハは、第1プリセット範囲で選出可能であり、第1標準比値は、第1標準ウェハの第1標準欠陥を検出することにより決定可能である。
【0014】
S102において、第2標準欠陥を含む第2標準ウェハが取得されると、光発射システムの発射された出射光が第2標準ウェハの表面を介して反射された後、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第2標準比値を決定する。
【0015】
ここで、第2標準欠陥は凸起欠陥を含み、且つ凸起欠陥の割合は第2プリセット範囲内にある。例示的には、凸起欠陥を含む1つの半導体ウェハを第2標準ウェハとして選出し、第2標準ウェハにおける欠陥は第2標準欠陥であり、第2標準欠陥のうち、凸起欠陥の占める割合は第2プリセット範囲内にあるはずであり、第2プリセット範囲は80%~100%であってもよいし、90%~100%であってもよく、ここで、第2プリセット範囲は第1プリセット範囲と同じであってもよいし、異なってもよく、本願の実施例は、第1プリセット範囲及び第2プリセット範囲を限定しない。第2プリセット範囲における値が大きいほど、凸起欠陥の占める割合も大きくなり、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第2標準比値の精密さも高くなる。ここで、実際の精密さのニーズに応じて、第2プリセット範囲を適切に調整し、そして、第2プリセット範囲に基づいて対応する第2標準ウェハを選出し、第2標準ウェハの第2標準欠陥により第2標準比値を得ることができ、つまり、第2プリセット範囲は、実際の精密さのニーズに応じて決定可能であり、第2標準ウェハは、第2プリセット範囲で選出可能であり、第2標準比値は、第2標準ウェハの第2標準欠陥を検出することにより決定可能である。
【0016】
S103において、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を第1標準比値と第2標準比値との間に調整して、検出待ちウェハの表面欠陥を検出する。
【0017】
例示的には、検出待ちウェハの表面欠陥は未知であり、検出待ちウェハは、凹み欠陥を含む可能性もあるし、凸起欠陥を含む可能性もあり、凹み欠陥及び凸起欠陥の占める割合も未知であり、凹み欠陥の占める割合が大きい第1標準ウェハ及び凸起欠陥の占める割合が大きい第2標準ウェハは、検出待ちウェハの2つの極端な状況であり、第1標準比値及び第2標準比値も、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値の2つの極端な状況であり、凹み欠陥も含み、凸起欠陥も含む一般的な半導体ウェハに対して、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を第1標準比値と第2標準比値との間に調整して、普通の欠陥が未知である半導体ウェハの表面欠陥の検出に更に適用させることができる。このように、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を第1標準比値と第2標準比値との間に調整すると、検出待ちウェハを検出し、該検出待ちウェハに含まれる欠陥及び欠陥の分布状況を得て、検出待ちウェハに含まれる欠陥及び欠陥の分布状況に基づき、半導体ウェハの調製プロセス過程を改善し、半導体ウェハの調製プロセスを最適化することができる。
【0018】
本願の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出方法は、光学的検出機器の光発射システム及び光受光システムで検出を行い、第1光受光システム及び第2光受光システムだけで欠陥を検出することができ、検出方法が簡単であり、同時に、表面欠陥が凹み欠陥である第1標準ウェハ及び表面欠陥が凸起欠陥である第2標準ウェハをそれぞれ検出し、第1標準ウェハの第1標準欠陥を検出する第1標準比値及び第2標準ウェハを検出する第2標準比値をそれぞれ得て、検出待ちウェハを検出する時、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を第1標準比値と第2標準比値との間に調整することにより、検出待ちウェハにおける凹み欠陥及び凸起欠陥を正確に検出し、更に欠陥検出の正確さを向上させ、より効率的で有効な方法で半導体ウェハの表面の欠陥を検出することができる。
【0019】
本願の実施例の半導体ウェハの表面欠陥検出方法は、表面欠陥の検出方式を簡素化し、表面欠陥のタイプ検出の正確さを向上させることができる。
【0020】
図2は、本願の実施例に係る第1標準比値決定方法のフローの模式図である。
図2に示すように、本願の実施例に係る第1標準比値決定方法は、以下を含む。
【0021】
S201において、第1標準ウェハの第1標準欠陥を取得する。
【0022】
例示的には、第1標準ウェハとは、それに含まれる凹み欠陥の占める割合が第1プリセット範囲内にある半導体ウェハであり、第1プリセット範囲は80%~100%であってもよいし、90%~100%であってもよく、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。第1標準ウェハにおける第1標準欠陥を取得する方式は、いくつかの電子顕微鏡機器の検出により得るものであってもよいし、他の高精密な機器により得るものであってもよく、本願の実施例は、第1標準ウェハの第1標準欠陥の取得方法を限定しない。
【0023】
一実施例において、第1標準ウェハの第1標準欠陥は、他の機器により予め取得されてもよい。
【0024】
S202において、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値が第1比値である場合、光発射システムを、出射光を前記第1標準ウェハの表面に発射するように制御し、第1標準ウェハに対して欠陥検出を行い、第1標準ウェハの第1検出欠陥を取得する。
【0025】
例示的には、ここでの第1比値は、経験に応じて設定されたものであり、一般的に、第1比値は、1.05よりも小さい数値に設定できる。第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を第1比値に設定した後、第1標準ウェハに対して初歩的な欠陥検出を行い、対応する検出結果を得ることができ、検出結果に基づき、第1標準ウェハの表面欠陥、即ち、第1検出欠陥を得ることができる。
【0026】
S203において、第1検出欠陥と第1標準欠陥とがマッチするか否かを判断する。第1検出欠陥と第1標準欠陥とがマッチすることに応答し、S204を実行し、第1検出欠陥と第1標準欠陥とがマッチしないことに応答し、S205を実行する。
【0027】
S204において、第1比値を第1標準比値とする。
【0028】
S205において、第1比値を調整し、S202に戻る。
【0029】
例示的には、第1標準欠陥は、他の機器により第1標準ウェハの表面欠陥を検出して得られた検出結果であり、即ち、他の機器により第1標準ウェハの欠陥のタイプ及び欠陥の分布を知る。第1標準ウェハの第1検出欠陥が得られた後、第1標準欠陥と第1検出欠陥とを比較することができ、第1検出欠陥と第1標準欠陥とがマッチし、即ち、検出された欠陥のタイプ及び欠陥の分布状況がいずれも他の機器により知られた欠陥のタイプ及び欠陥の分布状況と同じ又はほぼ同じであれば、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値が第1比値である時、第1標準ウェハの第1標準欠陥を検出できることを示すことができ、この時、第1標準比値が経験に応じて設定された第1比値であると決定でき、一方、第1検出欠陥と第1標準欠陥とがマッチせず、即ち、検出された欠陥のタイプ及び/又は欠陥の分布状況がいずれも他の機器により知られた欠陥のタイプ及び/又は欠陥の分布状況と大きく異なれば、第1標準ウェハの第1標準欠陥が未だ検出されていないことを示し、第1標準ウェハの第1標準欠陥が検出されるまで、更に、第1比値を調整してから、第1標準ウェハを検出することができる。ここでいう、第1比値を調整するとは、第1比値を大きく調整するか又は小さく調整するものであってもよく、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0030】
機器が正確に調整試験されていない場合、リアルな欠陥状況を正確に判断できない可能性があることを理解できる。従って、本実施例において、第1比値を継続的に調整して調整試験を行う。機器に対する継続的な調整試験により、第1標準比値の実際値を知る。
【0031】
光学的検出機器がより正確な検出行為を行うことを可能にするために、該光学的判断機器に1つの判断標準、例えば、1つの数値範囲を設定してもよく、これにより、光学的検出機器が凹み欠陥、凸起欠陥を弁別できることを理解できる。
【0032】
例示的には、検出された比値がある1つの標準比値よりも大きければ、凹み欠陥であると判断することができ、検出された比値が該ある1つの標準比値よりも小さいか又は等しければ、凸起欠陥であると判断することができる。しかし、判断方式はこれに限定されない。
【0033】
一実施例において、第1検出欠陥と第1標準欠陥とがマッチせず、且つ第1比値を調整する回数が第1プリセット回数を超えた場合、第1標準ウェハに対する検出を停止する。
【0034】
例示的には、第1プリセット回数は1つの大きい正整数であってもよく、第1比値が複数回調整された後、第1標準欠陥にマッチする第1検出欠陥が未だ検出できず、無限循環過程が形成されるため、検出過程に影響を及ぼすことを防止する。ここで、第1比値が複数回調整された後、第1標準欠陥にマッチする第1検出欠陥が未だ検出できなければ、第1標準ウェハを交換してから再検出することを考えてもよく、又は、検出装置の他のパラメータを検査して調整してもよい。
【0035】
以上のことから、本願の実施例に係る第1標準比値決定方法は、第1検出欠陥と第1標準欠陥とのマッチにより、比較的正確な第1標準比値を得ることができ、第1標準比値に対するキャリブレーションにより、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値の下限を決定することができ、該方法を採用して凹み欠陥が多い半導体ウェハを検出すると、より正確である。
【0036】
例示的には、比値の下限は0.95であってもよいが、これに限定されない。
【0037】
図3は、本願の実施例に係る第2標準比値決定方法のフローの模式図である。
図3に示すように、本願の実施例に係る第2標準比値決定方法は、以下を含む。
【0038】
S301において、第2標準ウェハの第2標準欠陥を取得する。
【0039】
例示的には、第2標準ウェハとは、それに含まれる凸起欠陥の占める割合が第2プリセット範囲内にある半導体ウェハであり、第2プリセット範囲は80%~100%であってもよいし、90%~100%であってもよく、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。第2標準ウェハにおける第2標準欠陥を取得する方式は、いくつかの電子顕微鏡機器の検出により得るものであってもよいし、他の高精密な機器により得るものであってもよく、本願の実施例は、第2標準ウェハの第2標準欠陥の取得方法を限定しない。
【0040】
S302において、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値が第2比値である場合、光発射システムを、出射光を前記第2標準ウェハの表面に発射するように制御し、第2標準ウェハに対して欠陥検出を行い、第2標準ウェハの第2検出欠陥を取得する。
【0041】
例示的には、ここでの第2比値は、経験に応じて設定されたものであり、一般的に、第2比値は、1.02よりも大きい数値に設定でき、第2比値を第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値に設定した後、第2標準ウェハに対して初歩的な欠陥検出を行い、対応する検出結果を得ることができ、検出結果に基づき、第2標準ウェハの表面欠陥、即ち、第2検出欠陥を得ることができる。
【0042】
S303において、第2検出欠陥と第2標準欠陥とがマッチするか否かを判断する。第2検出欠陥と第2標準欠陥とがマッチすることに応答し、S304を実行し、第2検出欠陥と第2標準欠陥とがマッチしないことに応答し、S305を実行する。
【0043】
S304において、第2比値を第2標準比値とする。
【0044】
S305において、第2比値を調整し、S302に戻る。
【0045】
例示的には、第2標準欠陥は、他の機器により第2標準ウェハの表面欠陥を検出して得られた検出結果であり、即ち、他の機器により第2標準ウェハの欠陥のタイプ及び欠陥の分布を知る。第2標準ウェハの第2検出欠陥が得られた後、第2標準欠陥と第2検出欠陥とを比較することができ、第2検出欠陥と第2標準欠陥とがマッチし、即ち、検出された欠陥のタイプ及び欠陥の分布状況がいずれも他の機器により知られた欠陥のタイプ及び欠陥の分布状況と同じ又はほぼ同じであれば、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値が第2比値である時、第2標準ウェハの第2標準欠陥を検出できることを示すことができ、この時、第2標準比値が経験に応じて設定された第2比値であると決定でき、一方、第2検出欠陥と第2標準欠陥とがマッチせず、即ち、検出された欠陥のタイプ及び/又は欠陥の分布状況がいずれも他の機器により知られた欠陥のタイプ及び/又は欠陥の分布状況と大きく異なれば、第2標準ウェハの第2標準欠陥が未だ検出されていないことを示し、第2標準ウェハの第2標準欠陥が検出されるまで、更に、第2比値を調整してから、第2標準ウェハを検出することができる。ここでいう、第2比値を調整するとは、第2比値を大きく調整するか又は小さく調整するものであってもよく、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0046】
一実施例において、第2検出欠陥と第2標準欠陥とがマッチせず、且つ第2比値を調整する回数が第2プリセット回数を超えた場合、第2標準ウェハに対する検出を停止する。
【0047】
例示的には、第2プリセット回数は1つの大きい正整数であってもよく、第2比値が複数回調整された後、第1標準欠陥にマッチする第1検出欠陥が未だ検出できず、無限循環過程が形成されるため、検出過程に影響を及ぼすことを防止する。ここで、第2比値が複数回調整された後、第1標準欠陥にマッチする第1検出欠陥が未だ検出できなければ、第2標準ウェハを交換してから再検出することを考えてもよく、又は、検出装置の他のパラメータを検査して調整してもよい。
【0048】
以上のことから、本願の実施例に係る第2標準比値決定方法は、第2検出欠陥と第2標準欠陥とのマッチにより、比較的正確な第2標準比値を得ることができ、第2標準比値に対するキャリブレーションにより、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値の上限を決定することができ、該方法を採用して凸起欠陥が多い半導体ウェハを検出する場合、より正確である。
【0049】
一実施例において、第1標準ウェハの第1標準欠陥及び第2標準ウェハの第2標準欠陥を検出した後、比較的正確な第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値の下限及び上限を得ることができる。それを基に、更に、検出待ちウェハを検出する前に、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との具体的な比値を決定してもよく、
図4は、本願の実施例に係る検出待ちウェハを検出する時の光強度比値の決定の方法のフローの模式図であり、
図4に示すように、本願の実施例に係る検出待ちウェハを検出する時の光強度比値の決定の方法は、以下を含む。
【0050】
S401において、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との間の比値を、第1標準比値よりも大きいか又は等しく且つ第2標準比値よりも小さいか又は等しい検出比値に調整する。
【0051】
例示的には、検出比値は、第1標準比値よりも大きいか又は等しく且つ第2標準比値よりも小さいか又は等しい1つの数値であってもよく、経験に応じて第1標準比値から第2標準比値までの範囲内の1つの数値に設定することができ、例えば、1.25であってもよい。
【0052】
S402において、凹み欠陥又は凸起欠陥のうちの少なくとも1つを含む検出待ちウェハの検出待ち欠陥を取得する。
【0053】
例示的には、検出待ちウェハも標準ウェハであり、凹み欠陥の占める割合が大きい第1標準ウェハ及び凸起欠陥の占める割合が大きい第2標準ウェハと異なる点は、検出待ちウェハが、凹み欠陥の占める割合が大きいものであってもよいし、凸起欠陥の占める割合が大きいものであってもよいし、凹み欠陥及び凸起欠陥の占める割合が同じであるものであってもよく、検出待ちウェハが、検出待ちの半導体ウェハのロットの中の1つであってもよい。検出待ち欠陥は、検出待ちウェハの表面欠陥であり、他の機器により検出待ちウェハの検出待ち欠陥を検出して得ることができる。
【0054】
S403において、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との間の比値が検出比値である場合、検出待ちウェハに対して欠陥検出を行い、検出待ちウェハの第3検出欠陥を取得する。
【0055】
例示的には、検出比値を、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値に設定し、そして、検出待ちウェハに対して初歩的な欠陥検出を行い、検出結果に基づき、検出待ちウェハの表面欠陥、即ち、第3検出欠陥を得ることができる。
【0056】
S404において、第3検出欠陥と検出待ち欠陥とがマッチするか否かを判断する。第3検出欠陥と検出待ち欠陥とがマッチすることに応答し、S405を実行し、第3検出欠陥と検出待ち欠陥とがマッチしないことに応答し、S406を実行する。
【0057】
S405において、検出比値を、他の検出待ちウェハを検出する時の第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値とし、他の検出待ちウェハに対して欠陥検出を行う。
【0058】
S406において、検出比値を調整し、S403の実行に戻る。
【0059】
例示的には、検出待ち欠陥は、他の機器により検出待ちウェハの表面欠陥を検出して得られた検出結果であり、即ち、他の機器により検出待ちウェハの欠陥のタイプ及び欠陥の分布を知る。第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値が検出比値である場合、検出待ちウェハの第3検出欠陥を得ることができ、該第3検出欠陥は、検出された検出待ちウェハの欠陥のタイプ及び分布状況を含み、検出待ち欠陥と第3検出待ち欠陥とを比較し、第3検出欠陥と検出待ち欠陥とがマッチし、即ち、検出された欠陥のタイプ及び欠陥の分布状況がいずれも他の機器により知られた欠陥のタイプ及び欠陥の分布状況と同じ又はほぼ同じであれば、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値が検出比値である時、検出待ちウェハの検出待ち欠陥を検出できることを示すことができ、この時、経験に応じて設定された検出比値を、他の検出待ちウェハを検出する時の第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値とすることができ、一方、第3検出欠陥と検出待ち欠陥とがマッチせず、即ち、検出された欠陥のタイプ及び/又は欠陥の分布状況がいずれも他の機器により知られた欠陥のタイプ及び/又は欠陥の分布状況と大きく異なれば、検出待ちウェハの検出待ち欠陥が未だ検出されていないことを示し、検出待ちウェハの検出待ち欠陥が検出されるまで、更に、検出比値を調整してから、検出待ちウェハを検出することができる。ここでいう、検出比値を調整するとは、検出比値を大きく調整するか又は小さく調整するものであってもよく、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0060】
一実施例において、第3検出欠陥と検出待ち欠陥とがマッチせず、且つ検出比値を調整する回数が第3プリセット回数を超えた場合、検出待ちウェハに対する検出を停止する。
【0061】
例示的には、第3プリセット回数は1つの大きい正整数であってもよく、検出比値が複数回調整された後、検出待ち欠陥にマッチする第3検出欠陥が未だ検出できず、無限循環過程が形成されるため、検出過程に影響を及ぼすことを防止する。ここで、検出比値が複数回調整された後、検出待ち欠陥にマッチする第3検出欠陥が未だ検出できなければ、検出待ちウェハを交換してから再検出することを考えてもよく、又は、検出装置の他のパラメータを検査して調整してもよい。
【0062】
以上のことから、本願の実施例に係る検出待ちウェハを検出する時の光強度比値の決定の方法は、第3検出欠陥と検出待ち欠陥とのマッチにより、比較的正確な検出比値を得ることができ、検出比値に対するキャリブレーションにより、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を決定することができ、該方法を採用して半導体ウェハを検出する場合、より正確である。
【0063】
同様な発明の構想に基づき、本願の実施例は、半導体ウェハの表面欠陥検出装置を更に提供し、
図5は、本願の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出装置の構造模式図であり、該装置は、本願の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出方法を採用することができ、それも光学的検出機器に基づいて検出しており、光学的検出機器は光発射システム及び光受光システムを含み、光受光システムは第1光受光システム及び第2光受光システムを含む。
図5に示すように、本願の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出装置は、第1標準比値決定モジュール501、第2標準比値決定モジュール502及び光強度比値調整モジュール503を備える。そのうち、
第1標準比値決定モジュール501は、割合が第1プリセット範囲内にある凹み欠陥を含む第1標準欠陥を含む第1標準ウェハが取得されたことに応答し、光発射システムの出射光が第1標準ウェハの表面を介して反射された後、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第1標準比値を決定するように構成され、
第2標準比値決定モジュール502は、割合が第2プリセット範囲内にある凸起欠陥を含む第2標準欠陥を含む第2標準ウェハが取得されたことに応答し、光発射システムの出射光が第2標準ウェハの表面を介して反射された後、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第2標準比値を決定するように構成され、
光強度比値調整モジュール503は、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を第1標準比値と第2標準比値との間に調整して、検出待ちウェハの表面欠陥を検出するように構成される。
【0064】
本願の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出装置は、本願の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出方法を採用し、対応する有益な効果を備え、ここでは繰り返し説明しない。
【0065】
同一の発明の構想に基づき、本願の実施例は、光学的検出機器を更に提供し、
図6は、本願の実施例に係る光学的検出機器の構造模式図である。
図6に示すように、該光学的検出機器は、光発射システム601、光受光システム602及びプロセッサ603を備え、ここで、プロセッサ603は、本願の任意の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出方法の実行のために使用可能である。
【0066】
同一の発明の構想に基づき、本願の実施例は、
コンピュータのプロセッサによって実行されると、
割合が第1プリセット範囲内にある凹み欠陥を含む第1標準欠陥を含む第1標準ウェハが取得されたことに応答し、光発射システムの出射光が第1標準ウェハの表面を介して反射された後、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第1標準比値を決定することと、
割合が第2プリセット範囲内にある凸起欠陥を含む第2標準欠陥を含む第2標準ウェハが取得されたことに応答し、光発射システムの出射光が第2標準ウェハの表面を介して反射された後、第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との間の第2標準比値を決定することと、
第1光受光システムで受光された反射光強度と第2光受光システムで受光された反射光強度との比値を第1標準比値と第2標準比値との間に調整して、検出待ちウェハの表面欠陥を検出することと、を含む、半導体ウェハの表面欠陥検出方法を実行するためのコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。
【0067】
本願の実施例に係るコンピュータ可読記憶媒体は、そのコンピュータプログラムが、以上のような方法、操作に限定されず、更に、本願の任意の実施例に係る半導体ウェハの表面欠陥検出方法における関連操作を実行することができる。
【0068】
記憶媒体は、非一時的(non-transitory)記憶媒体であってもよい。
【0069】
上記は、本願のいくつかの実施例及び運用される技術原理に過ぎないことは注意されたい。当業者は、本願がここでいう特定の実施例に限定されず、本願の各実施形態の特徴は、部分的に又は全て互いに結合する又は組み合わせることができ、且つ、様々な方式で互いに協働して技術上駆動可能であることを理解すべきである。当業者であれば、本願の保護範囲から逸脱することなく各種の明らかな変化、再調整、相互の結合及び置換を行うことができる。従って、以上の実施例により本願を説明したが、本願は、以上の実施例のみに限定されず、本願の構想から逸脱しない限り、他の均等な実施例をより多く含んでもよく、本願の範囲は添付された特許請求の範囲によって決められる。