(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】物品処理装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/29 20060101AFI20241225BHJP
B65G 47/74 20060101ALI20241225BHJP
B65G 54/02 20060101ALI20241225BHJP
B65G 43/08 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
B65G47/29 F
B65G47/29 L
B65G47/74 Z
B65G54/02
B65G43/08 D
(21)【出願番号】P 2021034731
(22)【出願日】2021-03-04
【審査請求日】2024-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】嘉屋 考時
(72)【発明者】
【氏名】村濱 政貴
(72)【発明者】
【氏名】奥畑 峻
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-183620(JP,U)
【文献】特開平05-051087(JP,A)
【文献】国際公開第2019/111963(WO,A1)
【文献】特開2018-172141(JP,A)
【文献】特開2018-127352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/29
B65G 47/74
B65G 54/02
B65G 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保持する複数の保持手段をリニアモーターによって個別に移動させる搬送手段と、当該搬送手段が上記物品を保持した複数の保持手段を停止させるグルーピング位置の近傍に設けられ、当該グルーピング位置に停止した保持手段から物品を取り出すとともに排出位置へと移載するグリッパを備えた物品移載手段と、上記保持手段が物品を保持しているか否かを検出する物品検出手段と、上記保持手段や上記物品移載手段の動作を制御する制御手段とを備え、
上記物品検出手段が上記グルーピング位置に位置する複数の保持手段のうち、物品が保持されていない空の保持手段を検出すると、
上記物品移載手段は上記空の保持手段以外の保持手段に対応するグリッパを用いて、当該空の保持手段以外の保持手段が保持する物品を把持して取り出し、
さらに、上記搬送手段は上記グルーピング位置に停止する全ての保持手段をグルーピング位置の下流側に移動させるとともに、物品を保持した保持手段を上記空の保持手段が位置していた位置へと移動させ、
その後、上記物品移載手段は上記物品を把持していないグリッパを用いて、上記保持手段が保持する物品を把持するとともに、上記物品を把持した全てのグリッパが上記物品を上記排出位置に移載することを特徴とする物品処理装置。
【請求項2】
上記保持手段は物品を収容する収容部が形成されたキャリアであることを特徴とする
請求項1に記載の物品処理装置。
【請求項3】
上記物品は袋状容器であり、上記搬送手段は上記袋状容器の両側部を搬送方向上流側および下流側に向けて搬送し、上記保持手段は上記袋状容器の上流側の端部を把持する上流側保持部と、下流側の端部を把持する下流側保持部とから構成されることを特徴とする
請求項1に記載の物品処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品処理装置に関し、詳しくは物品を保持可能な保持手段を移動させる搬送手段と、上記搬送手段上でグルーピングされた上記保持手段から複数の上記物品を取り出して別の排出位置へ移載する物品移載手段とを備えた物品処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器を保持する複数の保持手段を移動させる搬送手段と、上記保持手段に保持された容器に充填やキャッピングの処理を行った後に、複数の保持手段から複数の容器を取り出して別の位置に待機しているケース内に移載するケースパッカとを設けた物品処理装置が知られている(特許文献1)。
この特許文献1では、上記搬送手段は上記保持手段をリニアモーターによって個別に移動させるようになっており、また充填やキャッピングが終了した容器を検査手段によって検査して、上記保持手段に収容された容器に不良が検出されると、リジェクト手段が当該不良と検出された容器を上記保持手段ごと搬送経路の外へリジェクトしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように保持手段ごと物品を除去する場合、除去した保持手段を搬送する別の搬送手段や除去するための機構、ならびに除去したキャリアを再び元の搬送手段に復帰させるための機構が必要となり、設置スペースや設置コストが増大するという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は物品を保持していない空の保持手段が発生した場合であっても、物品移載手段において欠品を生じさせることなく所定数の物品を移載させることが可能な物品処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかる物品処理装置は、物品を保持する複数の保持手段をリニアモーターによって個別に移動させる搬送手段と、当該搬送手段が上記物品を保持した複数の保持手段を停止させるグルーピング位置の近傍に設けられ、当該グルーピング位置に停止した保持手段から物品を取り出すとともに排出位置へと移載するグリッパを備えた物品移載手段と、上記保持手段が物品を保持しているか否かを検出する物品検出手段と、上記保持手段や上記物品移載手段の動作を制御する制御手段とを備え、上記物品検出手段が上記グルーピング位置に位置する複数の保持手段のうち、物品が保持されていない空の保持手段を検出すると、
上記物品移載手段は上記空の保持手段以外の保持手段に対応するグリッパを用いて、当該空の保持手段以外の保持手段が保持する物品を把持して取り出し、
さらに、上記搬送手段は上記グルーピング位置に停止する全ての保持手段をグルーピング位置の下流側に移動させるとともに、物品を保持した保持手段を上記空の保持手段が位置していた位置へと移動させ、その後、上記物品移載手段は上記物品を把持していないグリッパを用いて、上記保持手段が保持する物品を把持するとともに、上記物品を把持した全てのグリッパが上記物品を上記排出位置に移載することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記請求項1の発明によれば、上記保持手段はリニアモーターによって個別に移動させることが可能となっているため、グルーピングされた保持手段の中に空の保持手段が発生した場合であっても、上記物品移載手段が当該空の保持手段以外の保持手段から物品を取り出した後、空の保持手段が位置していた位置に、物品を保持した保持手段を新たに移動させることができる。
これにより、上記物品移載手段がでは物品を保持していないグリッパが当該新たな保持手段から物品を取り出すことが可能となり、全てのグリッパが物品を保持することとなるため、物品移載手段は上記排出位置へと欠品なく物品を移載させることができる。
またこの動作において、上記保持手段を搬送経路から除去する必要はないため、除去した保持手段を保管するコンベヤや、当該除去された保持手段を再び搬送経路に復帰させるための機構は不要となっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】搬送手段およびリジェクト手段についての側面図
【
図3】第1実施例としてのケーシングロボットにおける動作を説明する図
【
図4】第2実施例としてのケーシングロボットにおける動作を説明する図
【
図10】第3実施例におけるケーシングロボットにおける動作を説明する図
【
図11】第4実施例としてのケーシングロボットにおける動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について説明すると、
図1は本発明にかかる物品処理装置としての容器処理装置1を示し、物品としての容器2に液体の充填やキャッピングを行うとともに、当該容器2を所定本数ずつ把持してケース3に収容する装置となっている。
容器処理装置1は、複数の容器2を収容可能なキャリア4(保持手段)を移動させる搬送手段5と、当該搬送手段5に沿って設けられた、容器2をキャリア4に供給する容器供給手段6と、容器2に液体を充填するフィラ7と、容器2にキャップを装着するキャッパ8と、容器2の検査を行う検査手段9と、検査結果に基づいて不良と判断された容器2をキャリア4から抜き取るリジェクト手段10と、複数個のキャリア4から複数の容器2を取り出してケース3に移載する物品移載手段としてのケーシングロボット17とによって構成され、これらは図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
上記容器2は樹脂製で断面楕円形を有しており、上記フィラ7では例えばシャンプーなどの液体が充填され、上記キャッパ8では容器2の上部にキャップが装着されるようになっている。
そして上記ケーシングロボット17の近傍には4つのキャリア4を停止させるグルーピング位置Gが設定されており、ケーシングロボット17は停止した4個のキャリア4から8本の容器2を把持してこれを取り出し、排出位置に載置された一つのケース3に移載するようになっている。
【0009】
上記搬送手段5は、無端状に設けられたレール12と、当該レール12に対して走行可能に設けられた複数の上記キャリア4とから構成され、上記キャリア4はリニアモーターにより上記レール12に沿って循環移動するようになっている。
図2に示すように、各キャリア4には容器2を収容可能な2つの収容部4aが形成され、これら収容部4aはキャリア4の移動方向に対して直交する方向に設けられている。
また各キャリア4には、その下部に磁石からなる可動子4bと、当該可動子4bの両端に設けられたローラ4cとが設けられ、これに対し上記レール12にはコイルからなる固定子12aと、固定子12aの両側に設けられて上記キャリア4のローラ4cと接触するローラ支持部12bとが設けられており、上記可動子4bと固定子12aによってリニアモーターが構成される。
リニアモーターの原理は従来公知であるため詳細な説明は省略するが、上記制御手段が上記レール12に設けられた各固定子12aへの電流を制御することにより、上記キャリア4に設けられた可動子4bとの間で電磁誘導を生じさせ、キャリア4を移動させるものとなっている。
そして制御手段は、レール12上の全てのキャリア4の位置を認識するとともに、各キャリア4を上記フィラ7やキャッパ8等に移動させるようになっており、これにより
図1に示すようにキャリア4とキャリア4とを密接させた状態で停止させたり、個別に停止させることが可能となっている。
【0010】
上記容器供給手段6は、空の容器2を供給する供給コンベヤ6aと、供給コンベヤ6aの上方に設けられたカメラ6bと、供給コンベヤ6a上の容器2を保持してこれを上記搬送手段5のキャリア4に移載する供給ロボット6cとを備えている。
上記供給コンベヤ6aは上記容器2を横転した状態で搬送し、このとき各容器2の向きはランダムな方向を向いた状態となっている。
上記カメラ6bは上記供給コンベヤ6a上を搬送される全ての容器2を撮影し、上記制御手段に設けられた画像認識手段によって各容器2の方向を認識するようになっている。
上記供給ロボット6cについては従来公知であるため、詳細な説明を省略するが、例えばアームの先端に吸着ヘッドを備えたロボットによって構成され、上記カメラ6bによる画像認識の結果に基づいて、横転した状態の容器2の側面を吸着保持すると、これを水平面内で回転させて所要の向きに向ける。
さらに、上記供給ロボット6cは横転状態の容器2を起立状態にすることが可能となっており、吸着した水平状態の容器2を起立状態にしてからキャリア4に形成されている凹部形状の収容部4aに収容するようになっている。
【0011】
上記フィラ7およびキャッパ8については、従来公知であるため詳細な説明については省略するが、本実施例のフィラ7は2列に整列した8つの充填ノズルを備え、またキャッパ8も2列に整列した8つのキャッピングヘッドを備えている。
一方上記搬送手段5は4つのキャリア4を密接させた状態で上記フィラ7およびキャッパ8に停止させるようになっており、このとき制御手段は各キャリア4の位置を制御することで、各キャリア4に収容された容器2をそれぞれ2列に整列した充填ノズルやキャッピングヘッドの下方に位置させるようになっている。
このようにしてキャリア4がフィラ7およびキャッパ8に停止すると、それぞれ上記充填ノズルおよびキャッピングヘッドによって液体の充填およびキャップの装着が行われる。
【0012】
上記検査手段9はカメラやセンサを備えており、上記キャリア4に収容されている容器2に充填された液体の充填量や、キャップの装着状態についての良否判定を行うものとなっている。
このとき搬送手段5はキャリア4を一つずつ検査手段9に隣接した所定の位置に停止させるようになっており、検査手段9は当該キャリア4に収容された2つの容器2についての良否判定を行うとともに、制御手段は各キャリア4毎に収容された容器2の良否判定の結果を記憶し、各キャリア4が容器2を保持しているか否かを検出する物品検出手段として機能するようになっている。
【0013】
図2に示すように、上記リジェクト手段10は搬送手段5に隣接して設けたリジェクトロボット13を備え、アーム13aの先端に上記容器2を把持するためのグリッパ13bを備えたものを使用することができる。
また
図1に示すように、上記リジェクトロボット13に隣接した位置には、上記検査手段9によって不良と判定された不良品を載置するためのリジェクトエリアRと、正常と判定された良品を載置するためのストックエリアSとが設けられている。
上記リジェクト手段10の詳細な動作は後述するが、上記搬送手段5は上記検査手段9による検査が終了したキャリア4を一つずつ上記リジェクトロボット13に隣接した位置に停止させる。
制御手段は当該キャリア4に収容されている容器2の判定結果を記憶しており、当該判定結果に基づいて上記リジェクトロボット13を制御し、キャリア4から不良品を取り出して上記リジェクトエリアRに移載したり、キャリア4から良品を取り出して上記ストックエリアSに移載したり、上記ストックエリアSに載置されている良品を上記キャリア4における空の収容部4aに収容する動作を行うようになっている。
【0014】
上記ケーシングロボット17は、上記搬送手段5によるキャリア4の搬送経路上に設定したグルーピング位置Gの近傍に設けられており、当該ケーシングロボット17に隣接した位置には、空のケース3を供給するケース供給コンベヤ14と、容器2を収容したケース3を排出するケース排出コンベヤ15と、上記ケース供給コンベヤ14からケース排出コンベヤ15にケース3を移動させるプッシャ16とが設けられている。
上記ケース供給コンベヤ14およびケース排出コンベヤ15は上記搬送手段5と平行に設けられており、搬送手段5はケース供給コンベヤ14の下流端の位置と平行するグルーピング位置Gに4つのキャリア4を密接した状態で停止させるようになっている。
上記プッシャ16は、上記ケース供給コンベヤ14の下流端に停止した空のケース3を上記ケース排出コンベヤ15へと押圧するようになっており、ケース供給コンベヤ14とケース排出コンベヤ15との間には移動中のケース3を下方から支持するためのプレート18が設けられている。
【0015】
上記ケーシングロボット17は従来公知であるため詳細な説明は省略するが、容器2を把持可能な8つのグリッパ17a(
図3参照)と、上記グリッパ17aを移動させる移動手段と、上記グリッパ17aの間隔を変更する間隔変更手段とを備えている。
上記搬送手段5が4つのキャリア4を上記グルーピング位置Gに停止させると、上記ケーシングロボット17は8つのグリッパ17aを4つのキャリア4の上方に位置させており、このとき上記間隔変更手段がグリッパ17aの間隔をキャリア4に収容されている8つの容器2の間隔に揃えるようになっている。
またケーシングロボット17は上記グリッパ17aを移動手段によって昇降させ、キャリア4に収容された容器2を把持して取り出すと、上記間隔変更手段によってグリッパ17aの間隔を変更し、把持した容器2の間隔を上記ケース3に収容可能な間隔に狭めるようになっている。
その後、グリッパ17aは移動手段によって上記ケース排出コンベヤ15の上流端(排出位置)に待機している空のケース3の上方に移動し、その後下降することで8つの容器2が空のケース3に収容されるようになっている。
【0016】
以下、上記構成を有する容器処理装置1の動作について説明する。
最初に上記容器供給手段6では、供給コンベヤ6aが横転した状態の容器2を搬送し、供給ロボット6cは上記供給コンベヤ6a上の横転状態の容器2を把持するとともに向きを変更し、さらに横転状態から起立状態にする。
一方、上記搬送手段5は上記容器供給手段6に隣接した位置に空のキャリア4を停止させており、上記供給ロボット6cは2つの容器2を上記空のキャリア4に形成された2つの収容部4aにそれぞれ収容する。
【0017】
続いて、搬送手段5は空の容器2を収容したキャリア4を上記フィラ7へと移動させ、その際4個のキャリア4を密接させた状態で上記フィラ7に停止させる。
上記フィラ7に4個のキャリア4が停止すると、当該4つのキャリア4に収容された8つの容器2の上方に上記充填ノズルが位置しており、充填ノズルによって各容器2への液体の充填が行われる。
続いて搬送手段5は4つのキャリア4をそのままキャッパ8へと移動させ、キャッパ8では8つのキャッピングヘッドによって4つのキャリア4に収容された8つの容器2にキャップを装着する。
このようにして容器2への液体の充填およびキャップの装着が終了すると、搬送手段5はキャリア4を一つずつ上記検査手段9へと移動させ、検査手段9において上記容器2への液体の充填量やキャップの装着状態について良否を判定する。
【0018】
このようにして容器2についての検査が終了すると、搬送手段5は当該容器2を収容したキャリア4を上記リジェクト手段10へと移動させるが、このとき上記キャリア4には、不良品が収容されていない場合と、不良品が収容されている場合とがある。
まず、キャリア4に不良品が収容されていない場合、キャリア4は良品である容器2が2本収容された実キャリア4であるため、搬送手段5は当該キャリア4についてはリジェクト手段10に停止させず、そのままグルーピング位置Gに移動させることができる。
【0019】
これに対し、キャリア4に少なくとも1本の不良品が収容されている場合、リジェクト手段10は以下の第1~第4の処理のいずれかの処理を行うことで、不良品を除去するようになっている。
第1の処理は、キャリア4に不良品が1本だけ収容され、かつ上記ストックエリアSに良品が載置されていない場合に行われる。
搬送手段5が不良品を1本収容したキャリア4をリジェクト手段10に停止させると、リジェクトロボット13は当該キャリア4から不良品を取り出して上記リジェクトエリアRに移載し、さらに当該キャリア4に収容されている良品も取り出して上記ストックエリアSに移載する。
これにより、当該キャリア4は2つの収容部4aから容器2が除去された空キャリア4となり、一方上記ストックエリアSには良品としての容器2が載置されることとなる。
【0020】
第2の処理は、キャリア4に不良品が2本収容されており、かつ上記ストックエリアSに良品が載置されていない場合に行われる。
搬送手段5が不良品を2本収容したキャリア4をリジェクト手段10に停止させると、リジェクトロボット13は当該キャリア4から2本の不良品を取り出して上記リジェクトエリアRに移載する。
これにより、当該キャリア4は2つの収容部4aから容器2が除去された空キャリア4となるが、第1の処理と異なり、上記ストックエリアSには良品としての容器2は載置されないこととなる。
【0021】
第3の処理は、キャリア4に不良品が1本収容されており、かつ上記ストックエリアSにキャリア4から取り出される不良品の本数以上、すなわち1本以上の良品が載置されている場合に行われる。
搬送手段5が不良品を1本収容したキャリア4をリジェクト手段10に停止させると、リジェクトロボット13は当該キャリア4から不良品を取り出して上記リジェクトエリアRに移載するとともに、ストックエリアSに載置されている良品を取り出して、不良品が取り出されて空となった収容部4aに移載する。
これにより、当該キャリア4では不良品が取り出されて空となった収容部4aに、リジェクト手段10によって新たな良品が収容されることから、当該キャリア4は2つの収容部4aのそれぞれに良品が収容された実キャリア4となる。
【0022】
第4の処理は、キャリア4に不良品が2本収容されており、かつ上記ストックエリアSにキャリア4から取り出される不良品の本数以上、すなわち2本以上の良品が載置されている場合に行われる。
搬送手段5が不良品を2本収容したキャリア4をリジェクト手段10に停止させると、リジェクトロボット13は当該キャリア4から2本の不良品を取り出して上記リジェクトエリアRに移載するとともに、ストックエリアSに載置されている2本の良品を取り出して、不良品が取り出されて空となった2つの収容部4aにそれぞれ移載する。
これにより、当該キャリア4には取り出した2本の不良品に代えて、リジェクト手段10によって2本の新たな良品が収容されることから、当該キャリア4は2つの収容部4aのそれぞれに良品が収容された実キャリア4となる。
【0023】
リジェクト手段10による処理が終了すると、搬送手段5は4個のキャリア4をグルーピング位置Gへと移動させ、グルーピング位置Gにおいて密接させた状態で停止させる。
ここでは、上記4個のキャリア4が全て2本の容器2が収容されている実キャリア4である場合の搬送手段5およびケーシングロボット17の動作を説明する。
これは4個のキャリア4の全てに対し、検査手段9がキャリア4に収容されている容器2を2本とも良品と判定した場合か、もしくは上記リジェクト手段10において上述した第3または第4の処理を行った場合となる。
搬送手段5によって4個のキャリア4がグルーピング位置Gに到達すると、ケーシングロボット17は、4個のキャリア4に収容された8つの容器2の上方に8つのグリッパ17aを位置させる。
これら8つのグリッパ17aにより8つの容器2を把持してキャリア4から取り出し、上記ケース排出コンベヤ15上の排出位置に待機している空のケース3に移載する。
これにより、空のケース3には欠品を生じさせることなく所定の本数である8本の容器2が収容されたこととなり、その後当該ケース3は上記ケース排出コンベヤ15によって排出されるとともに、上記プッシャ16が新たな空のケース3をケース供給コンベヤ14からケース排出コンベヤ15へと移動させるようになっている。
【0024】
次に、
図3を用いて、上記4個のキャリア4のうち、少なくともいずれか一つのキャリア4が空キャリア4である場合の搬送手段5およびケーシングロボット17の動作を説明する。これは上記いずれか一つのキャリア4に対し、上記リジェクト手段10が上述した第1または第2の処理を行った場合となる。
図3において、上記キャリア4は図示左方から右方に移動するようになっており、また以下の説明では、グルーピング位置Gに停止したキャリア4のうち、搬送方向下流端から順に1番目~4番目のキャリア4と命名し、これら1番目~4番目のキャリア4に対応するグリッパ17aを1番目~4番目のグリッパ17aと命名する。
【0025】
まず、搬送手段5は通常の処理と同様、不良品の除去された空のキャリア4を含む1番目~4番目のキャリア4を上記グルーピング位置Gに停止させる(
図3(a))。ここでは2番目のキャリア4が全ての容器2が取り出された空のキャリア4であり、制御手段は上記リジェクト手段10がリジェクトしたことの信号を受けて、2番目のキャリア4が空であることを認識している。
すると、ケーシングロボット17は上記空のキャリア4以外のキャリア4に対応するグリッパ17aを用いて、当該空のキャリア4以外のキャリア4の容器2を把持して取り出す(
図3(b))。
具体的には、1番目、3番目、4番目のキャリア4が容器2を保持した実キャリア4であることから、1番目、3番目、4番目のグリッパ17aが容器2を把持し、これに対し2番目のキャリア4は空のキャリア4であることから、2番目のグリッパ17aは容器2を把持することができない。
【0026】
次に、上記搬送手段5がグルーピング位置Gに停止している4つのキャリア4をグルーピング位置Gの下流側に移動させるとともに、容器2を保持した新たな実キャリア4を上記空のキャリア4が位置していた位置へと移動させる(
図3(c))。
具体的には、搬送手段5はグルーピング位置Gに停止していた1番目~4番目のキャリア4をすべてグルーピング位置Gの下流側へと移動させ、空のキャリア4であった2番目のキャリア4が停止していた位置に、グルーピング位置Gの上流側で待機していた実キャリア4を5番目のキャリア4としてグルーピング位置Gに移動させる。
【0027】
そして、ケーシングロボット17は上記容器2を把持していないグリッパ17aを用いて当該実キャリア4の容器2を把持して取り出す(
図3(d))。
具体的には、上記ケーシングロボット17は容器2を把持していない2番目のグリッパ17aを用いて、上記グルーピング位置Gに停止した5番目のキャリア4に収容されている2本の容器2を把持する。
これにより1番目~4番目のグリッパ17aの全てが容器2を把持した状態となる。このときケーシングロボット17は容器2を把持している1番目、3番目、4番目のグリッパ17aも下降させるが、これら1番目、3番目、4番目のグリッパ17aに把持された容器2がキャリア4に干渉することはない。
このようにして、1番目~4番目のグリッパ17aが容器2を把持すると、その後ケーシングロボット17はグリッパ17aを移動させ、さらに上記間隔変更手段によりグリッパ17aの間隔を変更してから、上記ケース排出コンベヤ15に位置している空のケース3に8つの容器2を移載する。
【0028】
このように、本実施例の容器処理装置1によれば、リジェクト手段10において空のキャリア4が発生した場合であっても、搬送手段5がリニアモーターによってキャリア4を個別に移動させて、空のキャリア4が位置していた位置に実キャリア4を移動させることから、全てのグリッパ17aによって容器2を把持することが可能となる。
その結果、欠品を生じさせることなく所定の本数である8本の容器2をケース3に移載することができ、また空のキャリア4を搬送手段5の外部に移動させる必要がないため、空のキャリア4の保管スペースや復帰させる機構が不要となる。
【0029】
図4は上記容器処理装置1による上記第1実施例とは異なる第2実施例としての動作を説明する図を示し、いずれかのキャリア4が空のキャリア4である場合のケーシングロボット17と搬送手段5との動作を説明する図となっている。なお容器処理装置1の構成は第1実施例に記載した構成となんら変わりはない。
まず、搬送手段5は空のキャリア4を含む4個のキャリア4を、上記グルーピング位置Gへと移動させる(
図4(a))。ここでは上記第1実施例と同様、2番目のキャリア4が空のキャリア4となっている。
【0030】
1番目~4番目のキャリア4がグルーピング位置Gに停止すると、ケーシングロボット17は上記空のキャリア4よりも搬送手段5の搬送方向下流側に位置するキャリア4に対応するグリッパ17aを用いて、当該下流側に位置するキャリア4の容器2を取り出す(
図4(b))。
具体的には、空のキャリア4である2番目のキャリア4に対し、搬送方向下流側には1番目のキャリア4が位置しており、ケーシングロボット17は当該1番目のキャリア4に対応する1番目のグリッパ17aを用いて、当該1番目のキャリア4に収容された2個の容器2を把持する。
この時、2番目~4番目のグリッパ17aは把持動作を行わず、これにより実キャリア4である3番目、4番目のキャリア4は容器2が収容された状態が維持されることとなる。
【0031】
次に、上記搬送手段5が上記空のキャリア4および上記下流側のキャリア4をグルーピング位置Gの下流側に移動させるとともに、容器2を保持した実キャリア4を、上記空のキャリア4および当該空のキャリア4よりも搬送方向上流側に位置していたキャリア4が位置していた位置に移動させる(
図4(c))。
具体的には、搬送手段5は、最初に空のキャリア4である2番目のキャリア4と、容器2が取り除かれた1番目のキャリア4とをグルーピング位置Gよりも下流側に移動させる。続いて、実キャリア4である3番目のキャリア4を、それまで2番目のキャリア4が停止していた位置に移動させる。
さらに、実キャリア4である4番目のキャリア4を、3番目のキャリア4が停止していた位置に移動させ、さらにケーシングロボット17の上流側に位置している実キャリア4を5番目のキャリア4として、4番目のキャリア4が停止していた位置に移動させる。
これにより、容器2を把持していない2番目~4番目のグリッパ17aの下方に、それぞれ実キャリア4としての3番目~5番目のキャリア4が位置することとなる。
【0032】
そして、ケーシングロボット17は、上記容器2を把持していないグリッパ17aを用いて実キャリア4の容器2を把持して取り出す(
図4(d))。
具体的には、上記ケーシングロボット17は容器2を保持していない2番目~4番目のグリッパ17aを用いて、それぞれ3番目~5番目のキャリア4に保持された容器2を把持する。このとき1番目のグリッパ17aに保持された容器2はキャリア4に干渉することはない。
このようにして、1番目~4番目のグリッパ17aの全てが容器2を把持すると、その後ケーシングロボット17はグリッパ17aを移動させて、上記ケース排出コンベヤ15に位置している空のケース3に8つの容器2を移載する。
【0033】
このように、第2実施例の容器処理装置1においても、リジェクト手段10において空キャリア4が発生した場合、最初は空キャリア4の上流側に位置するキャリア4の容器2を把持せず、その後空のキャリア4およびその上流側に位置していたキャリア4の位置に実キャリア4を移動させることで、全てのグリッパ17aが容器2を把持することが可能となる。
その結果、欠品を生じさせることなく所定の本数である8本の容器2を把持してケース3に移載することができ、また空のキャリア4を搬送手段5の外部に移動させる必要がないため、空のキャリア4の保管スペースや復帰させる機構が不要となる。
【0034】
図5は第3実施例にかかる容器処理装置101の平面図を示しており、本実施例では物品としていわゆるパウチと呼ばれる袋状容器102を処理するものとなっている。
本実施例の容器処理装置101は、上記袋状容器102を保持する保持手段104を移動させる搬送手段105と、当該搬送手段105に沿って設けられた、袋状容器102を供給する容器供給手段106と、袋状容器102に印字を行う印字手段107と、袋状容器102の上部を開口させる開口手段108と、上記袋状容器102に液体を充填する第1フィラ109Aおよび第2フィラ109Bと、上記袋状容器102を密閉するシール手段110と、上記袋状容器102の検査を行うとともに不良品としての袋状容器102を除去する検査・リジェクト手段111と、複数の袋状容器102をケース103に収容する移載手段としてのケーシングロボット124とによって構成され、これらは図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
上記袋状容器102は
図7に示すような樹脂製の2枚のシートの外周縁をヒートシールにより溶着して袋状とした構成を有し、上記容器供給手段106は上部が溶着されていない状態の空の袋状容器102を供給するようになっている。
また本実施例では、袋状容器102を搬送する際に、上記シートの外周縁の一方の端部を搬送方向下流側、他方の端部を搬送方向上流側に向けた状態で搬送するようになっている。
【0035】
上記搬送手段105は、無端状に設けられたレール113と、当該レール113に対して走行可能に設けられた複数の保持手段104とから構成され、各保持手段104はリニアモーターにより上記レール113に沿って循環移動するようになっている。
図6に示すように、上記レール113は無端状に設けられて循環経路を形成しており、外周側に向けて水平に突出して設けられたベース113aの上部および下部のそれぞれに設けられている。
本実施例の保持手段104は、
図7に示すように上記袋状容器102の搬送方向下流側の端部を保持する下流側保持部104Aと、搬送方向上流側の端部を保持する上流側保持部104Bとによって構成され、制御手段は下流側保持部104Aと上流側保持部104Bとをリニアモーターによって個別に移動させるようになっている。
また制御手段は上記下流側保持部104Aと上流側保持部104Bとをペアで移動させることで一つの保持手段104として移動させるようになっており、これらの間隔を袋状容器102の寸法に合わせた状態を維持させながら移動させるようになっている。
上記構成によれば、処理する袋状容器102の大きさを変更する場合には、制御手段が下流側保持部104Aおよび上流側保持部104Bの間隔を調整するだけでよく、型替えを迅速に行うことが可能となっている。
【0036】
図6は上記保持手段104の下流側保持部104Aを示しており、上記レール113に沿って移動可能に設けられた走行部114と、当該走行部114にブラケット115を介して固定された把持手段116と、当該把持手段116を開閉させる開閉手段117とから構成されている。なお上流側保持部104Bも同様の構成を有している。
上記走行部114は断面略コ字形を有する保持部材114aと、当該保持部材114aの内側中央に設けられた磁石からなる可動子114bと、当該可動子114bの上下に隣接して設けられた側方ローラ114cと、上記保持部材114aの内側上方および内側下方に設けられた2対の上方ローラ114dおよび下方ローラ114eとを備えている。
これに対し、上記レール113を保持する上記ベース113aの側部には、コイルからなる固定子113bが無端状に埋め込まれており、上記走行部114に設けられた可動子114bと相対することで、電磁誘導により下流側保持部104Aをリニア駆動させるようになっている。
上記ベース113aの上下には、それぞれ上記ベース113aよりも外周側に突出して設けられたガイドプレート113cが固定されており、上記走行部114に設けられた側方ローラ114cはそれぞれ上記ガイドプレート113cの間に位置することで、下流側保持部104Aの上下方向の位置を規定するようになっている。
また、上記走行部114に設けられた上方ローラ114dおよび下方ローラ114eはそれぞれ上記レール113を挟むように設けられ、これにより下流側保持部104Aの水平方向の位置を規定するようになっている。
【0037】
上記把持手段116はブラケット115を介して上記走行部114に保持されており、当該ブラケット115に固定された固定片116aと、当該固定片116aに対して移動可能に設けられた可動片116bとを備えている。
上記可動片116bの搬送経路内側には、上記固定片116aに対して摺動可能に保持されたロッド116cが設けられており、これにより可動片116bは上記固定片116aに対して水平方向に進退動可能となっている。
さらに、上記ロッド116cの先端にはカムフォロア116dが設けられ、上記カムフォロア116dと上記固定片116aとの間にはバネ116eが弾装されている。
このような構成により、上記バネ116eの付勢力によって常時固定片116aと可動片116bとが密着した閉鎖状態が維持され、袋状容器102が把持されるようになっている。
【0038】
上記開閉手段117は、上記レール113における所要の位置に設けられており、上記把持手段116のカムフォロア116dを押圧可能な高さに設けられた押圧部材117aと、当該押圧部材117aを水平方向に進退動させるエアシリンダ117bとによって構成され、上記エアシリンダ117bは制御手段によって制御されるようになっている。
上記押圧部材117aは、停止した下流側保持部104Aおよび上流側保持部104Bの間隔に合わせて設けられた棒状の部材となっており、上記エアシリンダ117bが上記押圧部材117aを前進させると、下流側保持部104Aおよび上流側保持部104Bの把持手段116を構成する上記カムフォロア116dを同時に押圧し、把持手段116を同時に開放させることが可能となっている。
【0039】
上記開閉手段117は
図5に示すように、上記容器供給手段106、上記検査・リジェクト手段111、上記ケーシングロボット124に隣接した位置に設けられている。
このうち上記容器供給手段106の位置に設けられた開閉手段117は、停止する2つの保持手段104の停止位置の長さに渡って設けられた上記押圧部材117aを備えており、当該一つの押圧部材17aを一つのエアシリンダ117bによって駆動させるものとなっている。
これにより、容器供給手段106では一つの開閉手段117によって2つの保持手段104の把持手段116を同時に開閉させることが可能となっている。
一方、上記検査・リジェクト手段111および上記ケーシングロボット124の位置に設けられた開閉手段117は、保持手段104の停止位置にそれぞれ個別に設けられており、停止している保持手段104の把持手段116を個別に開閉させることが可能となっている。
【0040】
上記容器供給手段106は、
図8に示すように、空の袋状容器102を供給する容器供給コンベヤ106aと、当該容器供給コンベヤ106a上の袋状容器102を保持して上記搬送手段105の保持手段104に受け渡す受け渡し手段106bとを備えている。
上述したように容器供給手段106には搬送手段105が2つの保持手段104を停止させるようになっている。そのため、上記受け渡し手段106bは2組設けられており、上記容器供給コンベヤ106a上を2列で供給されてくる袋状容器102を2つ同時に取り出し可能となっている。
上記容器供給コンベヤ106aは、搬送手段105の搬送方向に対して直交する方向から空の袋状容器102を供給し、このとき隣接する袋状容器102の上部と下部とが積層した状態で搬送するようになっている。
上記受け渡し手段106bは、アームの先端に設けられた吸着ヘッドにより、上記容器供給コンベヤ106a上の袋状容器102の側面を上方から吸着保持し、その後上記アームを旋回させることで袋状容器102を横転した状態から起立させるようになっている。
起立させた袋状容器102は、容器供給手段106に停止している上記保持手段104の下流側保持部104Aと上流側保持部104Bとの間に位置するようになっている。
この状態で容器供給手段106に設けた開閉手段117が作動することで、下流側保持部104Aおよび上流側保持部104Bの把持手段116が開閉し、袋状容器102が保持手段104に保持されるようになっている。
【0041】
上記印字手段107は従来公知であり、上記袋状容器102の表面に製造年月日等の印字を行うものとなっている。本実施例では搬送手段105が2つの保持手段104を印字手段107に停止させ、印字手段107は2つの袋状容器102に対して同時に印字を行うようになっている。
また印字手段107と上記検査・リジェクト手段111との間には、図示しないカメラが設けられており、当該カメラが撮影した画像に基づいて、制御手段が印字結果の判定を行い、不良が認められた袋状容器102は上記検査・リジェクト手段111によってリジェクトされるようになっている。
【0042】
上記開口手段108は、保持手段104が停止する位置を挟んで設けた一対の吸盤を備えており、当該吸盤によって上記袋状容器102の上部を吸着すると、吸盤同士を離隔させることで袋状容器102の上部に開口部を形成するものとなっている。
上記搬送手段105は、上記開口手段108の吸盤が離隔するタイミングに合わせて、上記保持手段104を構成する下流側保持部104Aと上流側保持部104Bとを接近させ、その後この間隔を維持することにより、袋状容器102に形成した開口部が維持されるようになっている。
そして本実施例では、搬送手段105は2つの保持手段104を開口手段108に停止させ、開口手段108は2つの袋状容器102に対して同時に開口部を形成することが可能となっている。
【0043】
上記第1、第2フィラ109A、109Bは同じ構成を有しており、それぞれ2つの充填ノズルを備えるとともに、当該充填ノズルを袋状容器102の開口部に挿入して液体の充填を行うようになっている。
本実施例では、上流側の第1フィラ109Aが袋状容器102の途中まで液体を充填し、その後下流側の第2フィラ109Bによって残りの容量を充填するようになっている。これにより各充填手段での保持手段104の停止時間を短くし、容器処理装置101の効率化を図っている。
また本実施例では搬送手段105は2つの保持手段104をそれぞれ第1、第2フィラ109A、109Bに停止させ、第1、第2フィラ109A、109Bにおいて2つの袋状容器102に対して同時に液体の充填を行うことが可能となっている。
【0044】
上記シール手段110は保持手段104が停止する位置を挟んで設けた一対のシール部を備えており、当該シール部によって上記袋状容器102の上部を挟持して加熱溶着することにより袋状容器102の開口部を封止するものとなっている。
上記搬送手段105は、上記シール部によって袋状容器102を挟持する前に、上記保持手段104の下流側保持部104Aと上流側保持部104Bとを離隔させ、これにより袋状容器102の開口部を閉鎖させる。そしてその後はこの間隔を維持して移動させるようになっている。
また搬送手段105は、2つの保持手段104をシール手段110に停止させ、シール手段110によって2つの袋状容器102を同時に封止するようになっている。
【0045】
上記検査・リジェクト手段111は本発明にかかる検査手段およびリジェクト手段を一体的に設けたものとなっており、本実施例の検査・リジェクト手段111では従来公知の検査機構により袋状容器102からの液体の漏れの有無を検査し、また不良品と判定された袋状容器102を排除するものとなっている。
また制御手段は、液体の漏れが検出された袋状容器102と、上記印字手段107による印字結果に不良が認められた袋状容器102とを、それぞれ不良品として判定するようになっており、袋状容器102の良否判定の結果を記憶するとともに、各保持手段104が袋状容器102を保持しているか否かを検出する物品検出手段として機能するようになっている。
また検査・リジェクト手段111は第1実施例と同様の構成を有する図示しないリジェクトロボットを備えており、不良品として判定された袋状容器102を、上記保持手段104から取り出し、隣接する図示しないリジェクトエリアに移載するようになっている。
なお、本実施例は第1、第2実施例と異なり、一つの保持手段104が一つの袋状容器102を保持する構成であることから、良品を載置するストックエリアは不要であり、また良品を保持手段104に戻す作業も不要となっている。
そして、搬送手段105は検査・リジェクト手段111に2つの保持手段104を停止させ、2つの保持手段104が停止する位置にはそれぞれ上記開閉手段117が設けられている。
このような構成により、検査・リジェクト手段111に停止した保持手段104のうち、一方のキャリア4が保持する袋所容器2が不良品であっても、当該保持手段104だけ上記開閉手段117によって開放状態とし、不良品をリジェクトすることが可能となっている。
【0046】
図5に示すように、検査・リジェクト手段111で良品と判定された袋状容器102は保持手段104に保持された状態で搬送され、容器供給手段106の上流に配置されたグルーピング位置Gで停止される。
グルーピング位置Gの隣接した位置には、空のケース103を供給するケース供給コンベヤ121と、袋状容器102を収容したケース103を排出するケース排出コンベヤ122と、上記ケース供給コンベヤ121からケース排出コンベヤ122に空のケース103を移動させるプッシャ123とが設けられている。
上記ケーシングロボット124は、搬送手段105によってグルーピング位置Gに停止した6つの上記保持手段104から袋状容器102を取り出し、上記ケース排出コンベヤ122の排出位置に載置された空のケース103に移載するようになっている。
本実施例では、一つのケース103に6個の袋状容器102を収容するようになっており、具体的には袋状容器102を搬送方向に3個整列させ、これを2列にした状態でケース103に収容するものとなっている。
また、ケース103に袋状容器102を収容する際、袋状容器102を平面視において回転させ、その状態で袋状容器102同士を密着させた状態でケース103に収容するものとなっている。
上記ケース供給コンベヤ121およびケース排出コンベヤ122は上記搬送手段105と平行に設けられ、上記プッシャ123は上記ケース供給コンベヤ121の下流端に停止した空のケース103を上記ケース排出コンベヤ122へと押圧するようになっている。
【0047】
上記ケーシングロボット124は、容器2を保持可能な6つのグリッパ124aと、上記グリッパ124aを保持するとともに移動させる下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cとを備えている。
上記グリッパ124aは上記袋状容器102の上部を保持するようになっており、また保持した袋状容器102を水平面内において回転させるための図示しない回転手段を備えている。
上記下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cはそれぞれ上記3つのグリッパ124aを保持手段104の搬送方向に整列する方向に保持しており、上記下流側ブロック124bは搬送方向下流側に位置する3つのグリッパ124aを、上流側ブロック124cは搬送方向上流側に位置する3つのグリッパ124aを保持するようになっている。
さらに下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cはそれぞれ3つのグリッパ124aの間隔を調整する図示しない間隔調整手段を有するとともに、下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124c自体もそれぞれ水平方向に移動可能に設けられている。
具体的には、上記搬送手段105の上方では、下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cは搬送方向に整列し、6個のグリッパ124aを上記グルーピング位置Gに停止した上記保持手段104の上方で直列に整列させるようになっている。
これに対し、上記ケース排出コンベヤ122の上方では、下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cは搬送方向に対して直交する方向に整列し、3個のグリッパ124aを2列に整列させた状態で上記排出位置に載置された上記ケース103の上方に位置させるようになっている。
【0048】
図9を参照して上記構成を有するケーシングロボット124の動作を説明すると、まず搬送手段105が6個の保持手段104を上記グルーピング位置Gに停止させると、上記ケーシングロボット124は6個のグリッパ124aを6個の保持手段104の上方に位置させる(
図9(a))。
この時、下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cは保持手段104の搬送方向に整列し、また下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cに設けられたグリッパ124aは、それぞれ停止している保持手段104の間隔に合わせて離隔している。
この状態から上記下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cが下降し、各グリッパ124aが袋状容器102を把持すると、ケーシングロボット124に隣接して設けられた6つの開閉手段117が作動して各保持手段104の把持手段116が開放状態となる。
その状態で上記下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cが保持手段104から離隔する方向に移動し、これによりグリッパ124aに保持された袋状容器102が各保持手段104から取り出されることとなる。
その後、下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cを上昇させるとともに、上記グリッパ124aに設けた回転手段により、保持した袋状容器102を水平面内において回転させる(
図9(b))。
次に、上記下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cはそれぞれ3つのグリッパ124aの間隔を狭め、さらにケース排出コンベヤ122に載置された空のケース103の上方に移動する。
これにより、6個のグリッパ124aは2列の状態で空のケース103の上方に位置することとなり、その後下流側ブロック124bおよび上流側ブロック124cが下降することにより、6個の袋状容器102がケース103に収容されることとなる(
図9(c))。
【0049】
以下、上記構成を有する容器処理装置101の動作について説明する。
最初に上記容器供給手段106では、供給コンベヤ106aが空の袋状容器102を2列で搬送し、受け渡し手段106bは上記供給コンベヤ106aから空の袋状容器102を吸着保持してこれを横転状態から起立状態にする。
一方、上記搬送手段105は上記容器供給手段106に2つの保持手段104を停止させており、上記受け渡し手段106bは2つの袋状容器102をそれぞれ保持手段104に保持させる。
【0050】
続いて、搬送手段105は袋状容器102を保持した保持手段104を印字手段107、開口手段108、第1、第2フィラ109A、109B、シール手段110へと順次移動させ、それぞれ袋状容器102に対し、印字、開口部の形成、液体の充填、開口部の封止を行う。
ここで、上記印字手段107による印字結果は、袋状容器102を保持した保持手段104が検査・リジェクト手段111に移動するまでの間に良否判定が行われるようになっている。
【0051】
そして搬送手段105は、袋状容器102を保持した2つの保持手段104を上記検査・リジェクト手段111へと移動させ、最初に押圧部材によって袋状容器102からの液体の漏れの有無を検査する。
制御手段は、液体の漏れが確認された袋状容器102と、上記印字結果が不良と判定された袋状容器102とを不良品として判定し、これを検査・リジェクト手段111のリジェクトロボットによってリジェクトする。
このとき、搬送手段105は上記検査・リジェクト手段111に停止した2つの保持手段104の位置にそれぞれ上記開閉手段117を備えているため、不良品を保持した保持手段104の把持手段116だけを開放状態として、リジェクトロボットにより当該不良品を除去することができる。
【0052】
このようにして検査・リジェクト手段111での処理が終了すると、搬送手段105は上記保持手段104を上記グルーピング位置Gに移動させる。本実施例では6個の保持手段104を集積させた状態でグルーピング位置Gに停止させる。
ここで、6個の保持手段104に保持された袋状容器102の全てが良品と判定されている場合、ケーシングロボット124は
図9を用いて説明した動作により、6個の保持手段104から袋状容器102が取り出し、これをケース103に収容するようになっている。
そして、6個の袋状容器102が収容されたケース103は、ケース排出コンベヤ122によって排出され、当該ケース排出コンベヤ122には上記プッシャ123によってケース供給コンベヤ121から新たな空のケース103が供給される。
【0053】
次に、6個の保持手段104のうち、いずれかの保持手段104について、上記検査・リジェクト手段111が袋状容器102を不良品として排除していた場合、当該不良品の排除された空の保持手段104が上記グルーピング位置Gに移動する場合がある。
図10を用いて説明すると、搬送手段105は通常の処理と同様、不良品の除去された空の保持手段104を含む6個の保持手段104を上記グルーピング位置Gに停止させる(
図10(a))。ここでは搬送方向下流側から3番目、5番目の保持手段104が空の保持手段104となっており、本図において保持手段104の搬送方向は図示右方から左方となっている。
6個の保持手段104がグルーピング位置Gに停止すると、上記ケーシングロボット124は空の保持手段104以外の保持手段104に対応するグリッパ124aを用いて、当該空の保持手段104以外の保持手段104に保持された袋所容器102を取り出す(
図10(b))。
具体的には、1番目、2番目、4番目、6番目の保持手段104は袋状容器102を保持している実保持手段104であるため、1番目、2番目、4番目、6番目のグリッパ124aが袋状容器102を把持し、3番目、5番目のグリッパ124aは袋状容器102を把持しないこととなる。
【0054】
次に、搬送手段105は上記グルーピング位置Gに停止していた保持手段104をグルーピング位置Gの下流側に移動させるとともに、袋状容器102を保持した新たな実保持手段104を上記空の保持手段104が位置していた位置に移動させる(
図10(c))。
具体的には、まず搬送手段105は1番目~6番目の保持手段104をグルーピング位置Gの下流側に移動させる。続いて、搬送手段105は、空の保持手段104であった3番目、5番目の保持手段104が停止していた位置に、グルーピング位置Gの上流側に位置している2つの保持手段104を7番目、8番目の保持手段104として移動させる。
【0055】
続いてケーシングロボット124は、袋状容器102を把持していないグリッパ124aを用いて上記実保持手段104の袋状容器102を取り出す(
図10(d))。
具体的には、袋状容器102を把持していない3番目、5番目のグリッパ124aが、それぞれ7番目、8番目の保持手段104に収容されている袋状容器102を把持する。このとき、1番目、2番目、4番目、6番目のグリッパ124aに把持された袋所容器102も移動するが、これらの袋状容器102は保持手段104に干渉することはない。
このようにして、1番目~6番目のグリッパ124aが袋状容器102を把持すると、その後ケーシングロボット124はグリッパ124aを移動させて、上記ケース排出コンベヤ122の排出位置に位置している空のケース103に6つの袋状容器102を収容する。
【0056】
このように、本実施例の容器処理装置101によれば、上記第1実施例の容器処理装置1と同様、検査・リジェクト手段111において空の保持手段104が発生した場合であっても、搬送手段105がリニアモーターによって保持手段104を個別に移動させて、空の保持手段104が位置していた位置に袋状容器102を保持した保持手段104を新たに移動させることから、全てのグリッパ124aによって袋状容器102を把持することが可能となる。
その結果、欠品を生じさせることなく容器102をケース103に収容することができ、また空の保持手段104を搬送手段105の外部に移動させる必要がないため、空の保持手段104の保管スペースや復帰させる機構が不要となる。
【0057】
次に、
図11は第4実施例にかかる容器処理装置101の動作を説明する図であり、上記ケーシングロボット124および搬送手段105における上記第3実施例とは異なる動作を説明する図となっている。
まず、搬送手段105は空の保持手段104を含む6個の保持手段104を、上記グルーピング位置Gに停止させる(
図11(a))。ここでは3番目の保持手段104が空の保持手段104となっている。
するとケーシングロボット124は上記空の保持手段104よりも搬送手段105の搬送方向下流側に位置する保持手段104に対応するグリッパ124aを用いて、当該下流側に位置する保持手段104の袋状容器102を取り出す(
図11(b))。
具体的には、空の保持手段104である3番目の保持手段104よりも搬送方向下流側に位置する1番目、2番目の保持手段104に対応する1番目、2番目のグリッパ124aを用いて、当該1番目、2番目の保持手段104の袋状容器102を把持する。
この時、3番目~6番目のグリッパ124aは把持動作を行わず、これにより実保持手段104である4番目~6番目の保持手段104は袋状容器102を保持した状態が維持されることとなる。
【0058】
次に、上記搬送手段105は上記空の保持手段104および当該空の保持手段104よりも下流側に位置する保持手段104をグルーピング位置Gの下流側へと移動させるとともに、袋状容器102を保持した保持手段104を、上記空の保持手段104および当該空の保持手段104よりも搬送方向上流側に位置していた保持手段104が位置していた位置へと移動させる(
図11(c))。
具体的には、搬送手段105は、最初に空の保持手段104である3番目の保持手段104と、袋状容器102が取り除かれた1番目、2番目の保持手段104を、グルーピング位置Gよりも下流側に移動させる。
次に搬送手段105は、実保持手段104である4番目~6番目の保持手段104を、それぞれ3番目~5番目の保持手段104が停止していた位置に移動させ、さらにグルーピング位置Gの上流側に位置している実保持手段104を7番目の保持手段104として、それまで6番目の保持手段104が停止していた位置に移動させる。
これにより、袋状容器102を保持していない3番目~6番目のグリッパ124aの下方に、それぞれ実保持手段104としての4番目~7番目の保持手段104が位置することとなる。
【0059】
そして、ケーシングロボット124は上記袋状容器102を把持していないグリッパ124aを用いて実保持手段104の袋状容器102を取り出す(
図11(d))。
具体的には、上記ケーシングロボット124は袋状容器102を把持していない3番目~6番目のグリッパ124aが、それぞれ4番目~7番目の保持手段104に保持された袋状容器102を保持することとなる。このとき1番目、2番目のグリッパ124aに把持された袋状容器102は保持手段104に干渉することはない。
このようにして、1番目~6番目のグリッパ124aが袋状容器102を把持すると、その後ケーシングロボット124はグリッパ124aを移動させて、上記ケース排出コンベヤ122に位置している空のケース103に6つの袋状容器102を収容させる。
【0060】
このように、第4実施例の容器処理装置101においても、検査・リジェクト手段111において袋状容器2を保持していない空の保持手段104が発生した場合、上記第2実施例と同様、最初は空の保持手段104の上流側に位置する保持手段104の袋状容器2を把持せず、その後、空の保持手段104およびその上流側に位置していた保持手段104の位置に袋状容器102を保持した実保持手段104を移動させることで、全てのグリッパ124aが袋状容器102を把持することが可能となる。
その結果、欠品を生じさせることなく容器102をケース103に収容することができ、また空の保持手段104を搬送手段105の外部に移動させる必要がないため、空の保持手段104の保管スペースや復帰させる機構が不要となる。
【0061】
なお、上記第3、第4実施例に記載した保持手段104は、袋状容器102の端部を保持する下流側保持部104Aと上流側保持部104Bとをリニアモーターによって個別に移動可能とした構成であるが、一つの走行部114に袋状容器102の両端部を把持するためのグリッパを設けた構成としてもよい。
【0062】
また上記第1ないし第4実施例では、上記リジェクト手段10や検査・リジェクト手段111が容器2や袋状容器102をリジェクトすると、制御手段がこれらのキャリア4や保持手段104を空のキャリア4や空の保持手段104として認識しており、物品を保持しているか否かを検出する物品検出手段を構成するようになっている。
これに対し、上記検査手段9や検査・リジェクト手段111に、物品検出手段としてのセンサ等を設けて、上記キャリア4や保持手段104が容器2や袋状容器102を保持しているか否かを直接検出するようにしてもよい。
これにより、上記容器供給手段6、106における容器2や袋状容器102による供給ミスを検出することが可能となる。また特に第3、第4実施例において、袋状容器102のリジェクトは人手によって行ってもよい。
さらに上記各実施例において、上記物品移載手段としてのケーシングロボット17、124はそれぞれグリッパ17a、124aによって把持した容器2や袋状容器102を、それぞれ排出位置に位置するケース3、103に収容するようになっているが、ケースへの収容を行わずに、直接コンベヤ上に設定した排出位置に移載するようにしてもよい。
したがって、上記実施例ではケーシングロボット17、124のグリッパ17a、124aの間隔を間隔調整手段等によって調整しているが、このような機構を用いずに移載するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1、101 容器処理装置(物品処理装置) 2 容器(物品)
3、103 ケース 4 キャリア(保持手段)
5、105 搬送手段 9 検査手段
10 リジェクト手段
17、124 ケーシングロボット(物品移載手段)
17a、124a グリッパ 102 袋状容器(物品)
104 保持手段
111 検査・リジェクト手段
G グルーピング位置