(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】車両制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20241225BHJP
B60W 50/08 20200101ALI20241225BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20241225BHJP
B60W 30/182 20200101ALI20241225BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W50/08
B60W50/14
B60W30/182
(21)【出願番号】P 2021041944
(22)【出願日】2021-03-16
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 拓也
(72)【発明者】
【氏名】持田 勤
(72)【発明者】
【氏名】高木 俊宏
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0288712(US,A1)
【文献】国際公開第2018/168512(WO,A1)
【文献】特開2010-215025(JP,A)
【文献】特開2013-43510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00
B60W 60/00
B60R 21/00
B62D 6/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周辺状況に関する情報である車両周辺情報を取得するセンサと、
表示装置と、
支援要求の発生に応じて、前記車両を当該車両の現在位置から目標位置へ移動させる駐車支援制御を実行するように構成された制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、前記車両が駐車された状況において前記支援要求が発生したとき、
前記車両周辺情報に基づいて、前記車両の走行路への出庫を行うための複数の出庫方法を決定し、
前記複数の出庫方法が表示され且つ前記複数の出庫方法のうちの一つが選択可能に構成されるとともに開始ボタンを含む画面を前記表示装置に表示し、
前記開始ボタンが押下されたとき前記画面上で選択されている前記出庫方法に従って前記駐車支援制御を実行する
ように構成され、
更に、前記制御ユニットは、
前記複数の出庫方法の中から、前記車両の運転者が望む可能性が高いと推定される出庫方法を特定出庫方法として選択し、
前記特定出庫方法が予め選択されている状態で前記画面を前記表示装置に表示する
ように構成された、
車両制御装
置において、
前記制御ユニットは、支援モードに従って前記駐車支援制御を実行するように構成され、
前記支援モードは、
前記車両の駐車を行うためのモードである複数の駐車モードと、
前記車両の前記出庫を行うためのモードである複数の出庫モードと、
を含み、
前記出庫方法は、前記出庫モード及び出庫方向によって定義され、
更に、
前記複数の駐車モードは、
前記車両を前進させて前記車両を並列駐車の形式で駐車するためのモードである第1駐車モードと、
前記車両を後進させて前記車両を前記並列駐車の形式で駐車するためのモードである第2駐車モードと、
前記車両を縦列駐車の形式で駐車するためのモードである第3駐車モードと、
を含み、
前記複数の出庫モードは、
前記第1駐車モードに対応するモードであって、前記並列駐車の形式で駐車されている前記車両を後進させて前記出庫を行うためのモードである第1出庫モードと、
前記第2駐車モードに対応するモードであって、前記並列駐車の形式で駐車されている前記車両を前進させて前記出庫を行うためのモードである第2出庫モードと、
前記第3駐車モードに対応するモードであって、前記縦列駐車の形式で駐車されている前記車両の前記出庫を行うためのモードである第3出庫モードと、
を含み、
前記出庫方向は、左方向及び右方向の何れか一方であり、
前記制御ユニットは、
前記車両が、前記駐車モードによる前記駐車支援制御を利用して駐車された場合、
前記特定出庫方法の前記出庫モードとして、前記車両が駐車された際に使用された前記駐車モードに対応する前記出庫モードを選択し、
前記特定出庫方法の前記出庫モード及び前記車両の操舵ハンドルの位置に基づいて、前記特定出庫方法の前記出庫方向として、前記左方向及び前記右方向の何れか一方を選択するように構成された、
車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援制御を実行する車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の周辺状況に応じて設定された目標位置に車両が移動するように駐車支援制御を実行するように構成された車両制御装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。駐車支援制御は、例えば、駐車モード及び出庫モードを含む。駐車モードは、車両の駐車を行うためのモードである。出庫モードは、駐車された車両の走行路への出庫(走行路への移動)を行うためのモードである。
【0003】
特許文献1に記載されている装置(以下、「従来装置」と称呼する。)は、出庫モードによる駐車支援制御を開始する際に、車両の出庫方向(移動方向)を表す複数の矢印マークを表示装置に表示する。運転者が複数の矢印マークのうちの1つを選択すると、従来装置は、当該選択された矢印マークが示す方向を、最終的な出庫方向として決定する。従来装置は、当該決定された出庫方向へ車両が移動するように、出庫モードによる駐車支援制御を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
従来装置においては、運転者が、表示装置上において矢印マークを選択する必要がある。車両の出庫方向を選択する手間がかかるので、運転者が煩わしさを感じる。
【0006】
本発明の目的の一つは、出庫モードによる駐車支援制御を開始する際に、従来装置に比べて運転者が煩わしさを感じる可能性を低減できる技術を提供することである。
【0007】
1つ以上の実施形態における車両制御装置は、
車両の周辺状況に関する情報である車両周辺情報を取得するセンサ(70)と、
表示装置(63)と、
支援要求の発生に応じて、前記車両を当該車両の現在位置から目標位置へ移動させる駐車支援制御を実行するように構成された制御ユニット(10)と、
を備える。
前記制御ユニットは、前記車両が駐車された状況において前記支援要求が発生したとき、
前記車両周辺情報に基づいて、前記車両の走行路への出庫を行うための複数の出庫方法を決定し、
前記複数の出庫方法が表示された画面(300)を前記表示装置に表示し、
前記画面上で選択された前記出庫方法に従って前記駐車支援制御を実行する
ように構成されている。
更に、前記制御ユニットは、
前記複数の出庫方法の中から、前記車両の運転者が望む可能性が高いと推定される出庫方法を特定出庫方法として選択し、
前記特定出庫方法が予め選択されている状態で前記画面を前記表示装置に表示する
ように構成されている。
【0008】
上記の構成によれば、車両制御装置は、特定出庫方法が予め選択されている状態で画面を表示する。特定出庫方法は、他の出庫方向に比べて運転者が望む可能性が相対的に高い出庫方法である。従って、多くのケースにおいて、運転者が出庫方法を選択する手間がなくなる。車両制御装置は、従来装置に比べて運転者が煩わしさを感じる可能性を低減できる。
【0009】
1つ以上の実施形態において、前記制御ユニットは、支援モードに従って前記駐車支援制御を実行するように構成されている。
前記支援モードは、
前記車両の駐車を行うためのモードである複数の駐車モードと、
前記車両の前記出庫を行うためのモードである複数の出庫モードと、
を含む。
前記出庫方法は、前記出庫モード及び出庫方向によって定義される。
前記制御ユニットは、
前記車両が、前記駐車モードによる前記駐車支援制御を利用して駐車された場合、
前記特定出庫方法の前記出庫モードとして、前記車両が駐車された際に使用された前記駐車モードに対応する前記出庫モードを選択する
ように構成されている。
【0010】
上記の構成によれば、車両制御装置は、車両が駐車された際に使用された駐車モードに従って、運転者が望む可能性が高い出庫モードを、特定出庫方法の出庫モードとして選択することができる。
【0011】
1つ以上の実施形態において、前記出庫方向は、左方向及び右方向を含む。前記制御ユニットは、前記特定出庫方法の前記出庫モード及び前記車両の操舵ハンドル(SW)の位置に基づいて、前記特定出庫方法の前記出庫方向として、前記左方向及び前記右方向の一方を選択するように構成されている。
【0012】
上記の構成によれば、車両制御装置は、運転者が望む可能性が高い出庫方向を、特定出庫方法の出庫方向として選択することができる。
【0013】
1つ以上の実施形態において、前記複数の駐車モードは、
前記車両を前進させて前記車両を並列駐車の形式で駐車するためのモードである第1駐車モード(PM1)と、
前記車両を後進させて前記車両を前記並列駐車の形式で駐車するためのモードである第2駐車モード(PM2)と、
前記車両を縦列駐車の形式で駐車するためのモードである第3駐車モード(PM3)と、
を含む。
前記複数の出庫モードは、
前記第1駐車モードに対応するモードであって、前記並列駐車の形式で駐車されている前記車両を後進させて前記出庫を行うためのモードである第1出庫モード(EM1)と、
前記第2駐車モードに対応するモードであって、前記並列駐車の形式で駐車されている前記車両を前進させて前記出庫を行うためのモードである第2出庫モード(EM2)と、
前記第3駐車モードに対応するモードであって、前記縦列駐車の形式で駐車されている前記車両の前記出庫を行うためのモードである第3出庫モード(EM3)と、
を含む。
【0014】
1つ以上の実施形態において、前記制御ユニットは、
前記車両が、前記駐車モードによる前記駐車支援制御を利用せずに駐車された場合、
前記車両が特定地域内に存在しているとき、前記特定出庫方法の前記出庫モードとして、前記第1出庫モード及び前記第2出庫モードの一方を前記第3出庫モードよりも優先して選択し、
前記車両が前記特定地域内に存在していないとき、前記特定出庫方法の前記出庫モードとして、前記第3出庫モードを前記第1出庫モード及び前記第2出庫モードよりも優先して選択する
ように構成されている。
【0015】
例えば、特定地域は、並列駐車が一般的に行われている地域である。上記の構成によれば、車両制御装置は、車両が存在している地域に従って、運転者が望む可能性が高い出庫モードを、特定出庫方法の出庫モードとして選択することができる。
【0016】
1つ以上の実施形態において、前記制御ユニットは、前記運転者によって予め設定された優先順位に従って、前記特定出庫方法を選択するように構成されている。
【0017】
一以上の実施形態において、上記の制御ユニットは、本明細書に記述される1以上の機能を実行するためにプログラムされたマイクロプロセッサにより実施されてもよい。一以上の実施形態において、上記の制御ユニットは、1以上のアプリケーションに特化された集積回路、即ち、ASIC等により構成されたハードウェアによって、全体的に或いは部分的に実施されてもよい。上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両制御装置の概略構成図である。
【
図2】ディスプレイに表示される支援モード画面の一例である。
【
図3】ディスプレイに表示される選択画面の一例である。
【
図4】「特定出庫方法の出庫モードを選択するためのルーチン」を示したフローチャートである。
【
図5】「特定出庫方法の出庫方向を選択するためのルーチン」を示したフローチャートである。
【
図6】出庫モードによる駐車支援制御が実行される状況の一例である。
【
図7】
図6の状況においてディスプレイに表示される選択画面の一例である。
【
図8】出庫モードによる駐車支援制御が実行される状況の一例である。
【
図9】
図8の状況においてディスプレイに表示される選択画面の一例である。
【
図10】「出庫モードによる駐車支援制御を実行するためのルーチン」を示したフローチャートである。
【
図11】出庫モードの優先順位及び出庫方向の優先順位を設定するための画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<構成>
図1に示したように、本実施形態に係る車両制御装置100は、車両VAに搭載(適用)される。車両制御装置100は、駐車支援ECU10、エンジンECU20、ブレーキECU30、SBW(Shift-by-Wire)・ECU40、電動パワーステアリングECU(以下、「EPS・ECU」と称呼する。)50、及び、ナビゲーションECU60を備えている。これらのECUは、CAN(Controller Area Network)90を介して互いにデータを送受信可能となるように接続されている。
【0020】
ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略称であり、CPU、ROM、RAM、インターフェース及び不揮発性メモリ等を含むマイクロコンピュータを主要構成部品として有する電子制御回路である。CPUはROMに格納されたインストラクション(ルーチン、プログラム)を実行することにより各種機能を実現する。例えば、駐車支援ECU10は、CPU10a、ROM10b、RAM10c、インターフェース(I/F)10d及び不揮発性メモリ10e等を含むマイクロコンピュータを備える。
【0021】
エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21に接続されている。エンジンアクチュエータ21は、内燃機関22のスロットル弁の開度を変更するスロットル弁アクチュエータを含む。エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21を駆動することによって、内燃機関22が発生するトルクを変更することができる。内燃機関22が発生するトルクは、トランスミッション23及び駆動力伝達機構を介して駆動輪に伝達される。従って、エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ21を制御することによって、車両VAの駆動力を制御することができる。
【0022】
なお、車両VAが、ハイブリッド車両である場合、エンジンECU20は、駆動源としての「内燃機関及び電動機」の何れか一方又は両方によって発生する駆動力を制御することができる。更に、車両VAが電気自動車である場合、エンジンECU20は、駆動源としての電動機によって発生する駆動力を制御することができる。
【0023】
ブレーキECU30は、ブレーキアクチュエータ31に接続されている。ブレーキアクチュエータ31は、公知の油圧回路を含む。油圧回路は、リザーバ、オイルポンプ及び種々の弁装置等を含む。ブレーキアクチュエータ31は、ブレーキECU30からの指示に応じてホイールシリンダ32に供給する油圧(即ち、制動圧)を調整する。制動圧に応じて車輪に発生する摩擦制動力が変化する。従って、ブレーキECU30は、ブレーキアクチュエータ31を制御することによって、車両VAの制動力を制御することができる。
【0024】
SBW・ECU40は、SBWアクチュエータ41に接続されている。SBW・ECU40は、図示しないシフトレバーの位置に基づいてSBWアクチュエータ41を制御するようになっている。SBWアクチュエータ41は、SBW・ECU40からの指示に応じてシフト切替機構42を制御して、トランスミッション23のシフト位置を、複数のシフト位置のうちの一つへと切り替える。
【0025】
本例において、シフト位置は、駆動輪に駆動力が伝達されず且つ車両VAが機械的に停止位置にロックされる位置である駐車位置、駆動輪に駆動力が伝達されず且つ車両VAが機械的に停止位置にロックされないニュートラル位置、駆動輪に車両VAを前進させる駆動力が伝達される位置である前進位置、及び、駆動輪に車両VAを後進させる駆動力が伝達される位置である後進位置を少なくとも含む。
【0026】
EPS・ECU50は、アシストモータ(M)51に接続されている。アシストモータ51は、ステアリング機構52に組み込まれている。ステアリング機構52は、操舵ハンドルSWの回転操作により操舵輪を転舵するための機構である。ステアリング機構52は、操舵ハンドルSW、操舵ハンドルSWに連結されたステアリングシャフトUS、及び、図示しない操舵用ギア機構等を含む。EPS・ECU50は、ステアリングシャフトUSに設けられた図示しない操舵トルクセンサによって、運転者が操舵ハンドルSWに入力した操舵トルクを検出し、この操舵トルクに基づいてアシストモータ51を駆動する。EPS・ECU50は、このアシストモータ51の駆動によってステアリング機構52に操舵トルク(操舵アシストトルク)を付与し、これにより、運転者の操舵操作をアシストすることができる。
【0027】
加えて、EPS・ECU50は、以降で説明する駐車支援制御の実行中に駐車支援ECU10から操舵指令を受信した場合には、操舵指令で特定される操舵トルクに基づいてアシストモータ51を駆動する。この操舵トルクは、上述した操舵アシストトルクとは異なり、運転者の操舵操作を必要とせずに、駐車支援ECU10からの操舵指令によってステアリング機構52に付与されるトルクを表す。このトルクにより、車両VAの操舵輪の舵角(即ち、操舵角)が変更される。
【0028】
ナビゲーションECU60は、GPS受信機61、地図記憶部62及びディスプレイ(表示装置)63に接続されている。GPS受信機61は、車両VAが位置している場所の「緯度及び経度」を検出するためのGPS信号を受信する。地図記憶部62は、地図情報を記憶している。ディスプレイ63は、タッチパネル式のディスプレイである。ナビゲーションECU60は、車両が位置している場所の緯度及び経度、並びに地図情報等に基づいて各種の演算処理を行い、ディスプレイ63に地図上での車両VAの位置を表示させる。以下では、ディスプレイ63に「地図上での車両の位置」が表示されているときの表示モードを「第1モード(ナビゲーションモード)」と称する。
【0029】
ディスプレイ63の表示モードには、第1モードの他に、第2モード(駐車支援モード)がある。第2モードは、駐車支援制御を行う場合の表示モードであり、後述するように車両VAの周辺状況を表す各種画像を表示する表示モードである。後述する支援要求が発生すると、表示モードが第1モードから第2モードに切り替えられる。
【0030】
駐車支援ECU10は、周囲センサ70に接続されている。周囲センサ70は、車両VAの周辺状況に関する情報(以下、「車両周辺情報」と称呼する。)を取得するようになっている。車両周辺情報は、車両VAの周囲に存在する物体についての情報、及び、車両VAの周囲の路面上の区画線についての情報を含む。物体は、例えば、自動車、歩行者及び自転車などの移動物、並びに、ガードレール及びフェンスなどの固定物を含む。例えば、周囲センサ70は、複数の超音波センサ71及び複数のカメラ72を含む。
【0031】
超音波センサ71は、超音波をパルス状に車両VAの周囲の所定の範囲に送信し、物体によって反射された反射波を受信する。超音波センサ71は、超音波の送信から受信までの時間に基づいて、「送信した超音波が反射された物体上の点である反射点」及び「超音波センサと物体との間の距離」等を検出することができる。
【0032】
カメラ72は、例えば、CCD(charge coupled device)或いはCIS(CMOS image sensor)の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。カメラ72は、車両VAの周辺状況(物体の位置及び形状、並びに、区画線の位置及び形状を含む。)の画像データを取得し、当該画像データを駐車支援ECU10に出力するようになっている。
【0033】
駐車支援ECU10は、所定時間dTが経過するたびに、周囲センサ70から車両周辺情報を受信する。駐車支援ECU10は、車両周辺情報に基づいて、車両VAの周囲の領域であって、「物体が存在しない領域」を検出する。駐車支援ECU10は、物体が存在しない領域が、車両VAが余裕をもって出庫(或いは駐車)することが可能な大きさ及び形状を有する領域である場合、その領域を「出庫可能領域(或いは駐車可能領域)」として決定する。
【0034】
更に、駐車支援ECU10は、駐車支援スイッチ80に接続されている。駐車支援スイッチ80は、運転者が駐車支援ECU10に対して駐車支援制御の実行を要求する際(後述する支援要求を発生させる際)に、運転者によって押下されるスイッチである。
【0035】
<画面表示>
次に、表示モードが第2モードである場合にディスプレイ63に表示される画面(以降、「支援モード画面」と称呼する。)について説明する。
図2に示すように、支援モード画面は、第1表示領域210と、第2表示領域220とを有する。
【0036】
駐車支援ECU10は、表示モードが第2モードである場合に、以下に述べる「視点画像及び進行方向画像」を支援モード画面に表示させる。以下、視点画像及び進行方向画像のそれぞれの生成方法について簡単に説明する。
【0037】
駐車支援ECU10は、カメラ72から取得された画像データ(前方画像データ、後方画像データ、右側方画像データ及び左側方画像データ)に基づいて、設定された仮想視点から車両VAと車両VAの周辺領域とを見た画像(視点画像)を生成する。このような視点画像を生成する方法は周知である(特開2012-217000号公報及び特開2013-021468号公報等を参照。)。例えば、視点画像は、車両VAの直上位置から車両VAを見下ろすような画像である。このような視点画像は「俯瞰画像」とも称呼される。
【0038】
駐車支援ECU10は、前方画像データ及び後方画像データに基づいて、車両VAの進行方向の領域を表示する画像(進行方向画像)を生成する。車両VAが前進する状況において、駐車支援ECU10は、前方画像データに基づいて、車両VAの前方領域を示す進行方向画像を生成する。一方、車両VAが後進する状況において、駐車支援ECU10は、後方画像データに基づいて、車両VAの後方領域を示す進行方向画像を生成する。
【0039】
駐車支援ECU10は、
図2に示すように、第1表示領域210に俯瞰画像211を表示させるとともに、第2表示領域220に進行方向画像221を表示させる。
【0040】
<駐車支援制御の支援モード>
駐車支援ECU10は、支援モードに従って駐車支援制御を実行するようになっている。支援モードは、駐車モード及び出庫モードを含む。駐車モードは、車両VAの駐車スペースへの駐車を行うためのモードである。出庫モードは、駐車された車両VAの駐車スペースから走行路への出庫を行うためのモードである。
【0041】
駐車モードは、第1駐車モードPM1、第2駐車モードPM2及び第3駐車モードPM3を含む。第1駐車モードPM1は、車両VAを前進させて車両VAを並列駐車の形式で駐車するためのモードである。並列駐車は、走行路の進行方向に対して直角方向に車両を駐車することを意味し、「Perpendicular Parking」とも称呼される。車両VAが第1駐車モードPM1を用いて駐車される場合、車両VAは、車体の後部が走行路に向いた状態で駐車される。第2駐車モードPM2は、車両VAを後進させて車両VAを並列駐車の形式で駐車するためのモードである。車両VAが第2駐車モードPM2を用いて駐車される場合、車両VAは、車体の前部が走行路に向いた状態で駐車される。第3駐車モードPM3は、車両VAを縦列駐車の形式で駐車するためのモードである。縦列駐車は、走行路の進行方向に対して車両が平行となるように車両を駐車することを意味し、「Parallel Parking」とも称呼される。
【0042】
出庫モードは、第1出庫モードEM1、第2出庫モードEM2及び第3出庫モードEM3を含む。第1出庫モードEM1は、第1駐車モードPM1に対応するモードであり、並列駐車の形式で駐車されている車両VAを後進させて出庫(走行路への移動)を行うためのモードである。第2出庫モードEM2は、第2駐車モードPM2に対応するモードであり、並列駐車の形式で駐車されている車両VAを前進させて出庫(走行路への移動)を行うためのモードである。第3出庫モードEM3は、第3駐車モードPM3に対応するモードであり、縦列駐車の形式で駐車されている車両VAの出庫(走行路への移動)を行うためのモードである。
【0043】
<駐車支援制御の内容>
本実施形態の特徴に関連する「出庫モードによる駐車支援制御」について説明する。駐車支援ECU10は、支援要求が発生すると、後述するように出庫方法を決定する。出庫方法は、出庫モード及び出庫方向によって定義される。出庫モードは、上述のように、第1出庫モードEM1、第2出庫モードEM2及び第3出庫モードEM3を含む。出庫方向は、左方向及び右方向を含む。
【0044】
駐車支援ECU10は、決定された出庫方法に従って、目標位置を設定する。目標位置は、車両VAの出庫が完了したときの車両VAの位置であり、車両VAの平面視における中心位置が到達すべき位置である。
【0045】
駐車支援ECU10は、車両VAを現在位置から目標位置にまで移動させる移動経路を演算する。移動経路は、車両VAの車体が物体(他車両、縁石及びガードレール等)に対して所定の間隔以上をあけながら車両VAが現在位置から目標位置まで移動することができる経路である。なお、駐車支援ECU10は、様々な既知の演算方法の一つ(例えば、特開2015-3565号公報に提案されている方法)に従って、移動経路を演算する。
【0046】
次に、駐車支援ECU10は、移動経路に沿って車両VAを移動させるための移動支援情報を決定する。移動支援情報は、車両VAの移動方向(具体的には、トランスミッション23のシフト位置)、舵角パターン、及び、速度パターンを含む。
【0047】
駐車支援ECU10は、決定されたシフト位置に応じて、CAN90を介してSBW・ECU40に対してシフト制御指令を送信する。SBW・ECU40は、駐車支援ECU10からシフト制御指令を受信した場合には、SBWアクチュエータ41を駆動して、トランスミッション23のシフト位置をシフト制御指令で特定される位置に変更する(即ち、シフト制御を実行する。)。
【0048】
舵角パターンは、移動経路上の車両VAの位置と操舵輪の舵角とを関連付けたデータであり、車両VAが移動経路を走行する際の舵角の変化を表す。駐車支援ECU10は、舵角パターンに従って、CAN90を介してEPS・ECU50に対して操舵指令(目標舵角を含む)を送信する。EPS・ECU50は、駐車支援ECU10から操舵指令を受信した場合には、操舵指令で特定される操舵トルクに基づいてアシストモータ51を駆動して実際の舵角を目標舵角に一致させる(即ち、舵角制御を実行する。)。
【0049】
速度パターンは、移動経路上の車両VAの位置と車両VAの目標速度とを関連付けたデータであり、車両VAが移動経路を走行する際の車両VAの速度の変化を表す。駐車支援ECU10は、速度パターンに従って、CAN90を介してエンジンECU20に対して駆動力制御指令を送信する。エンジンECU20は、駐車支援ECU10から駆動力制御指令を受信した場合には、駆動力制御指令に応じてエンジンアクチュエータ21を制御する(即ち、駆動力制御を実行する)。更に、駐車支援ECU10は、速度パターンに従って、CAN90を介してブレーキECU30に対して制動力制御指令を送信する。ブレーキECU30は、駐車支援ECU10から制動力制御指令を受信した場合には、制動力制御指令に応じてブレーキアクチュエータ31を制御する(即ち、制動力制御を実行する)。
【0050】
「駐車モードによる駐車支援制御」も同様である。駐車支援ECU10は、車両VAの駐車が完了した時の車両VAの位置である目標位置を設定する。駐車支援ECU10は、車両VAを現在位置から目標位置にまで移動させる移動経路を演算する。駐車支援ECU10は、移動経路に沿って車両VAを移動させるための移動支援情報を決定する。駐車支援ECU10は、移動支援情報に従って、シフト制御、舵角制御、駆動力制御及び制動力制御を実行する。
【0051】
<出庫方法の決定>
次に、出庫方法の決定方法について説明する。駐車支援ECU10は、車両VAが駐車された状況において支援要求が発生したとき、車両周辺情報(具体的には、車両周辺情報により検出された出庫可能領域)に基づいて、車両VAの走行路への出庫を行うための複数の出庫方法(即ち、現在の状況で実行可能な複数の出庫方法)を決定する。これら複数の出庫方法は、最終的に使用される出庫方法の候補であり、以降において、「出庫方法候補」と称呼される。
【0052】
駐車支援ECU10は、支援要求が発生すると、ディスプレイ63の表示モードを第2モードへ切り替える。
図3に示すように、駐車支援ECU10は、出庫方法候補を表す複数の矢印マーク(301L、301R、302L、302R、303L、303R)、並びに、開始ボタン310を俯瞰画像211上に表示する。このような画面は、出庫方法候補の中から最終的な出庫方法を選択する画面であり、以降において、「選択画面300」と称呼される。
【0053】
本例において、駐車支援ECU10は、最大で6つの矢印マーク(301L、301R、302L、302R、303L、303R)を出庫方法候補として選択画面300上に表示することができる。矢印マーク301Lは、出庫モードが第1出庫モードEM1であり且つ出庫方向が左方向であることを表す。矢印マーク301Rは、出庫モードが第1出庫モードEM1であり且つ出庫方向が右方向であることを表す。矢印マーク302Lは、出庫モードが第2出庫モードEM2であり且つ出庫方向が左方向であることを表す。矢印マーク302Rは、出庫モードが第2出庫モードEM2であり且つ出庫方向が右方向であることを表す。矢印マーク303Lは、出庫モードが第3出庫モードEM3であり且つ出庫方向が左方向であることを表す。矢印マーク303Rは、出庫モードが第3出庫モードEM3であり且つ出庫方向が右方向であることを表す。
【0054】
開始ボタン310は、出庫モードによる駐車支援制御を開始する際に運転者によって押下されるボタンである。
【0055】
運転者は、選択画面300上において、複数の矢印マーク(301L、301R、302L、302R、303L、303R)から1つを選択する。そして、運転者は、開始ボタン310を押下する。
図3の例において、矢印マーク301Rが選択されている。なお、選択された矢印マーク301Rは、他の矢印マークに比べて強調して表示される。この状態において運転者が開始ボタン310を押下すると、駐車支援ECU10は、選択画面300上で選択された矢印マーク301Rに対応する出庫方法に従って、駐車支援制御を実行する。即ち、駐車支援ECU10は、車両VAを後進させながら車両VAを右方向に出庫する。
【0056】
<作動の概要>
上述したように、従来装置においては、車両の出庫方向を選択する手間がかかるので、運転者が煩わしさを感じるという課題がある。
【0057】
そこで、駐車支援ECU10は、出庫方法候補の中から、車両VAの運転者が望む可能性が高いと推定される出庫方法を、「特定出庫方法」として選択する。駐車支援ECU10は、特定出庫方法に対応する矢印マークが予め選択された状態で選択画面300を表示する。
【0058】
特定出庫方法は、他の出庫方向に比べて運転者が望む可能性が相対的に高い出庫方法である。従って、多くのケースにおいて、運転者が矢印マーク(即ち、出庫方法)を選択する手間がなくなる。運転者は、選択画面300上で開始ボタン310を操作するだけで、出庫モードによる駐車支援制御を開始できる。このように、車両制御装置100は、従来装置に比べて運転者が煩わしさを感じる可能性を低減できる。
【0059】
<特定出庫方法の決定方法>
次に、特定出庫方法の決定方法について説明する。駐車支援ECU10のCPU10a(単に「CPU」と称呼する。)は、支援要求が発生すると、車両周辺情報により検出された出庫可能領域に基づいて、出庫方法候補を決定する。
【0060】
次に、CPUは、
図4のルーチン及び
図5のルーチンを順に実行して、出庫方法候補の中から、特定出庫方法を決定する。
図4のルーチンは、特定出庫方法の出庫モードを選択するためのルーチンであり、
図5のルーチンは、特定出庫方法の出庫方向を選択するためのルーチンである。
【0061】
CPUは、
図4のステップ400から処理を開始してステップ401に進み、車両VAが駐車モードによる駐車支援制御を利用して駐車されたか否かを判定する。CPUは、駐車モードに関する情報を不揮発性メモリ10eに記憶する。具体的には、CPUは、駐車モードによる駐車支援制御を実行したかどうかを表すフラグXAを不揮発性メモリ10eに記憶する。フラグXAの値が「1」である場合、これは、駐車モードによる駐車支援制御を利用して車両VAが駐車されたことを表す。フラグXAの値が「0」である場合、これは、駐車モードによる駐車支援制御を利用せずに車両VAが駐車されたことを表す。
【0062】
CPUは、駐車モードによる駐車支援制御を実行した場合、フラグXAの値を「1」に設定する。更に、CPUは、実行した駐車モードに関する情報(即ち、第1駐車モードPM1、第2駐車モードPM2及び第3駐車モードPM3の何れかを表す情報)も不揮発性メモリ10eに記憶する。なお、フラグXAの値は、車両VAの速度が所定の速度閾値Vth以上になった時点にて「0」に設定(リセット)される。
【0063】
CPUは、フラグXAを参照して、車両VAが駐車モードによる駐車支援制御を利用して駐車されたか否かを判定する。いま、フラグXAの値が「1」であると仮定する。この場合、CPUは、ステップ401にて「Yes」と判定してステップ402に進む。CPUは、ステップ402にて、出庫方法候補が、不揮発性メモリ10eに記憶された駐車モードに対応する出庫モードを用いた出庫方法を含むか否かを判定する。
【0064】
出庫方法候補が、不揮発性メモリ10eに記憶された駐車モードに対応する出庫モードを用いた出庫方法を含む場合、CPUは、ステップ402にて「Yes」と判定してステップ403に進む。そして、CPUは、不揮発性メモリ10eに記憶された駐車モード(即ち、車両VAが駐車された際に使用された駐車モード)に対応する出庫モードを、特定出庫方法の出庫モードとして選択する。その後、CPUは、ステップ495に進み、本ルーチンを終了する。
【0065】
例えば、車両VAが、第1駐車モードPM1による駐車支援制御を利用して駐車された後に、運転者が、出庫モードによる駐車支援制御を利用すると仮定する。この場合、運転者が、第1駐車モードPM1に対応する第1出庫モードEM1を希望する可能性が高い。出庫方法候補が、第1出庫モードEM1を用いた出庫方法を含む場合、CPUは、第1出庫モードEM1を特定出庫方法の出庫モードとして選択する。この構成によれば、運転者が望む可能性が高い出庫モードを特定出庫方法の出庫モードとして選択できる。
【0066】
一方で、出庫方法候補が、不揮発性メモリ10eに記憶された駐車モードに対応する出庫モードを用いた出庫方法を含まない場合、CPUは、ステップ402にて「No」と判定してステップ404に進む。ステップ404以降の処理については後述される。
【0067】
車両VAが、駐車モードによる駐車支援制御を利用せずに駐車されたと仮定する。この場合、フラグXAの値は「0」である。CPUは、ステップ401にて「No」と判定してステップ404に進む。CPUは、車両VAが特定地域内に存在しているかを判定する。本例において、特定地域は、並列駐車が一般的に行われている地域を意味し、例えば、日本及び中国等である。なお、特定地域以外の地域は、縦列駐車が一般的に行われている地域であり、例えば、欧州である。CPUは、ナビゲーションECU60からの情報に基づいて、車両VAが特定地域内に存在しているかを判定してもよい。
【0068】
車両VAが特定地域内に存在している場合、車両VAが、並列駐車の形式で駐車されている可能性が高い。従って、CPUは、特定出庫方法の出庫モードとして、第1出庫モードEM1及び第2出庫モードEM2の一方を第3出庫モードEM3よりも優先して選択する。
【0069】
具体的には、車両VAが特定地域内に存在している場合、CPUは、ステップ404にて「Yes」と判定してステップ405に進む。CPUは、出庫方法候補が、第1出庫モードEM1又は第2出庫モードEM2を利用した出庫方法を含むか否かを判定する。出庫方法候補が、第1出庫モードEM1又は第2出庫モードEM2を利用した出庫方法を含む場合、CPUは、ステップ405にて「Yes」と判定してステップ406に進む。
【0070】
CPUは、ステップ406にて、第1出庫モードEM1又は第2出庫モードEM2を、特定出庫方法の出庫モードとして選択する。出庫方法候補が、第1出庫モードEM1を利用した出庫方法を含み且つ第2出庫モードEM2を利用した出庫方法を含まない場合、CPUは、第1出庫モードEM1を特定出庫方法の出庫モードとして選択する。出庫方法候補が、第1出庫モードEM1を利用した出庫方法を含まず且つ第2出庫モードEM2を利用した出庫方法を含む場合、CPUは、第2出庫モードEM2を特定出庫方法の出庫モードとして選択する。出庫方法候補が、第1出庫モードEM1を利用した出庫方法及び第2出庫モードEM2を利用した出庫方法の両方を含む場合、CPUは、予め定められた優先順位に従って、第1出庫モードEM1又は第2出庫モードEM2を、特定出庫方法の出庫モードとして選択する。本例において、CPUは、第1出庫モードEM1を優先的に選択する。ステップ406の処理の後、CPUは、ステップ495に進み、本ルーチンを終了する。
【0071】
なお、出庫方法候補が、第1出庫モードEM1を利用した出庫方法及び第2出庫モードEM2を利用した出庫方法の何れも含まない場合、CPUは、ステップ405にて「No」と判定してステップ408に進み、第3出庫モードEM3を特定出庫方法の出庫モードとして選択する。その後、CPUは、ステップ495に進み、本ルーチンを終了する。
【0072】
一方、車両VAが特定地域内に存在していない場合、車両VAが、縦列駐車の形式で駐車されている可能性が高い。従って、CPUは、特定出庫方法の出庫モードとして、第3出庫モードEM3を第1出庫モードEM1及び第2出庫モードEM2よりも優先して選択する。
【0073】
具体的には、車両VAが特定地域内に存在していない場合、CPUは、ステップ404にて「No」と判定してステップ407に進む。CPUは、出庫方法候補が、第3出庫モードEM3を利用した出庫方法を含むか否かを判定する。出庫方法候補が、第3出庫モードEM3を利用した出庫方法を含む場合、CPUは、ステップ407にて「Yes」と判定してステップ408に進む。CPUは、第3出庫モードEM3を特定出庫方法の出庫モードとして選択する。その後、CPUは、ステップ495に進み、本ルーチンを終了する。
【0074】
出庫方法候補が、第3出庫モードEM3を利用した出庫方法を含まない場合、CPUは、ステップ407にて「No」と判定してステップ406に進み、上述のように、第1出庫モードEM1又は第2出庫モードEM2を特定出庫方法の出庫モードとして選択する。その後、CPUは、ステップ495に進み、本ルーチンを終了する。
【0075】
CPUは、
図4のルーチンを終了した後に、
図5のルーチンを開始する。CPUは、
図5のステップ500から処理を開始してステップ501に進む。CPUは、
図4のルーチンにおいて選択された特定出庫方法の出庫モードに関して、左方向及び右方向の2つの方向から出庫方向を選択できるかを判定する。具体的には、CPUは、出庫方法候補が以下の出庫方法Y1及びY2の両方を含むか否かを判定する。
(出庫方法Y1)
図4のルーチンにおいて選択された特定出庫方法の出庫モードを利用し、且つ、出庫方向が左方向である出庫方法
(出庫方法Y2)
図4のルーチンにおいて選択された特定出庫方法の出庫モードを利用し、且つ、出庫方向が右方向である出庫方法
【0076】
出庫方法候補が出庫方法Y1及びY2の一方しか含まない場合、これは、特定出庫方法の出庫モードに関して、選択できる出庫方向に制限があり、左方向及び右方向の一方しか選択できないことを意味する。従って、CPUは、ステップ501にて「No」と判定してステップ509に進み、選択可能な方向を特定出庫方法の出庫方向として選択する。
【0077】
一方で、出庫方法候補が出庫方法Y1及びY2の両方を含む場合、これは、特定出庫方法の出庫モードに関して、左方向及び右方向の2つの方向から出庫方向を選択できることを意味する。従って、CPUは、ステップ501にて「Yes」と判定してステップ502に進み、車両VAが右ハンドルであるかを判定する。
【0078】
車両VAが右ハンドルである場合、車両VAが左側通行の地域(国)の道路を走行する可能性が高い。従って、CPUは、以下のように特定出庫方法の出庫方向を選択する。
【0079】
具体的には、車両VAが右ハンドルである場合、CPUは、ステップ502にて「Yes」と判定してステップ503に進み、
図4のルーチンにおいて選択された特定出庫方法の出庫モードが第1出庫モードEM1又は第2出庫モードEM2であるかを判定する。特定出庫方法の出庫モードが第1出庫モードEM1又は第2出庫モードEM2である場合、CPUは、ステップ503にて「Yes」と判定してステップ504に進み、特定出庫方法の出庫方向として左方向を選択する。左側通行の地域において並列駐車の形式で駐車されている車両を出庫する場合、運転者は、車両を左方向に出庫させることが多い。この構成によれば、運転者が望む可能性が高い出庫方向を特定出庫方法の出庫方向として選択できる。
【0080】
一方で、特定出庫方法の出庫モードが第3出庫モードEM3である場合、CPUは、ステップ503にて「No」と判定してステップ505に進み、特定出庫方法の出庫方向として右方向を選択する。左側通行の地域において縦列駐車の形式で駐車されている車両を出庫する場合、運転者は、通常、車両を右方向に出庫させる。この構成によれば、運転者が望む可能性が高い出庫方向を特定出庫方法の出庫方向として選択できる。
【0081】
なお、車両VAが左ハンドルである場合、車両VAが右側通行の地域の道路を走行する可能性が高い。従って、CPUは、以下のように特定出庫方法の出庫方向を選択する。
【0082】
具体的には、車両VAが左ハンドルである場合、CPUは、ステップ502にて「No」と判定してステップ506に進み、
図4のルーチンにおいて選択された特定出庫方法の出庫モードが第1出庫モードEM1又は第2出庫モードEM2であるかを判定する。特定出庫方法の出庫モードが第1出庫モードEM1又は第2出庫モードEM2である場合、CPUは、ステップ506にて「Yes」と判定してステップ507に進み、特定出庫方法の出庫方向として右方向を選択する。右側通行の地域において並列駐車の形式で駐車されている車両を出庫する場合、運転者は、車両を右方向に出庫させることが多い。この構成によれば、運転者が望む可能性が高い出庫方向を特定出庫方法の出庫方向として選択できる。
【0083】
一方で、特定出庫方法の出庫モードが第3出庫モードEM3である場合、CPUは、ステップ506にて「No」と判定してステップ508に進み、特定出庫方法の出庫方向として左方向を選択する。右側通行の地域において縦列駐車の形式で駐車されている車両を出庫する場合、運転者は、通常、車両を左方向に出庫させる。この構成によれば、運転者が望む可能性が高い出庫方向を特定出庫方法の出庫方向として選択できる。
【0084】
以上のように、CPUは、特定出庫方法の出庫モード及び車両VAの操舵ハンドルSWの位置に基づいて、左方向及び右方向の一方を特定出庫方法の出庫方向として選択する。
【0085】
なお、出庫方法候補が1つの出庫方法しか含まない場合、CPUは、
図4のルーチン及び
図5のルーチンを実行することなく、その出庫方法を特定出庫方法として決定する。そして、CPUは、特定出庫方法に対応する矢印マークが予め選択されている状態で選択画面300を表示する。
【0086】
<作動例>
図6乃至
図9を用いて、特定出庫方法を決定する処理の例を説明する。
【0087】
(例1)
図6の例において、車両VAは、駐車場において並列駐車の形式で駐車されている。車両VAは、第1駐車モードPM1による駐車支援制御を利用して駐車されたと仮定する。更に、車両VAは、右ハンドルである。車両VAの運転者は、第1出庫モードEM1を用いて車両VAを左方向へ出庫(移動)させることを望んでいる。この状況において、CPUは、以下のように特定出庫方法を決定する。
【0088】
CPUは、車両周辺情報により検出された出庫可能領域601に基づいて、以下の出庫方法A1乃至出庫方法A3を出庫方法候補として決定する。
(出庫方法A1)出庫モードが第1出庫モードEM1であり、且つ、出庫方向が左方向である。
(出庫方法A2)出庫モードが第1出庫モードEM1であり、且つ、出庫方向が右方向である。
(出庫方法A3)出庫モードが第3出庫モードEM3であり、且つ、出庫方向が右方向である。
【0089】
CPUは、
図4のルーチンを実行する。出庫方法候補は、第1駐車モードPM1に対応する第1出庫モードEM1を用いた出庫方法(出庫方法A1及び出庫方法A2)を含む。従って、CPUは、ステップ401、ステップ402及びステップ403の処理を順に実行し、第1出庫モードEM1を特定出庫方法の出庫モードとして選択する。
【0090】
次に、CPUは、
図5のルーチンを実行する。特定出庫方法の出庫モード(第1出庫モードEM1)に関して、左方向及び右方向の2つの方向から出庫方向を選択できる。更に、車両VAは、右ハンドルである。従って、CPUは、ステップ501、ステップ502、ステップ503及びステップ504の処理を順に実行し、左方向を特定出庫方法の出庫方向として選択する。従って、CPUは、出庫方法候補の中から、出庫方法A1を特定出庫方法として決定する。
【0091】
図7に示すように、CPUは、出庫方法候補に対応する複数の矢印マーク(301L、301R及び303R)を選択画面300上に表示する。矢印マーク301Lは出庫方法A1に対応し、矢印マーク301Rは出庫方法A2に対応し、矢印マーク303Rは出庫方法A3に対応する。更に、CPUは、特定出庫方法に対応する矢印マーク301Lが予め選択されている状態で選択画面300を表示する。このように、運転者が望む出庫方法(矢印マーク301L)が予め選択されている状態で選択画面300が表示される。
【0092】
(例2)
図6の例において、車両VAは、駐車モードによる駐車支援制御を利用せずに、運転者の運転により駐車されたと仮定する。更に、車両VAは、特定地域(例えば、日本)内に存在している。車両VAは、右ハンドルである。車両VAの運転者は、第1出庫モードEM1を用いて車両VAを左方向へ出庫(移動)させることを望んでいる。この状況において、CPUは、以下のように特定出庫方法を決定する。
【0093】
CPUは、例1と同様に、出庫方法A1乃至出庫方法A3を出庫方法候補として決定する。
【0094】
CPUは、
図4のルーチンを実行する。CPUは、ステップ401、ステップ404、ステップ405及びステップ406の処理を順に実行し、第1出庫モードEM1を特定出庫方法の出庫モードとして選択する。次に、CPUは、
図5のルーチンを実行する。CPUは、例1と同様に、ステップ501、ステップ502、ステップ503及びステップ504の処理を順に実行し、左方向を特定出庫方法の出庫方向として選択する。以上から、CPUは、出庫方法候補の中から、出庫方法A1を特定出庫方法として決定する。
【0095】
図7に示すように、CPUは、特定出庫方法に対応する矢印マーク301Lが予め選択されている状態で選択画面300を表示する。このように、運転者が望む出庫方法(矢印マーク301L)が予め選択されている状態で選択画面300が表示される。
【0096】
(例3)
図8の例において、車両VAは、右側通行の道路において縦列駐車の形式で駐車されている。車両VAは、第3駐車モードPM3による駐車支援制御を利用して駐車されたと仮定する。更に、車両VAは、左ハンドルである。車両VAの運転者は、第3出庫モードEM3を用いて車両VAを左方向へ出庫(移動)させることを望んでいる。この状況において、CPUは、以下のように特定出庫方法を決定する。
【0097】
CPUは、車両周辺情報により検出された出庫可能領域801に基づいて、以下の出庫方法B1及び出庫方法B2を出庫方法候補として決定する。
(出庫方法B1)出庫モードが第1出庫モードEM1であり、且つ、出庫方向が左方向である。
(出庫方法B2)出庫モードが第3出庫モードEM3であり、且つ、出庫方向が左方向である。
【0098】
CPUは、
図4のルーチンを実行する。出庫方法候補は、第3駐車モードPM3に対応する第3出庫モードEM3を用いた出庫方法(出庫方法B2)を含む。従って、CPUは、ステップ401、ステップ402及びステップ403の処理を順に実行し、第3出庫モードEM3を特定出庫方法の出庫モードとして選択する。
【0099】
次に、CPUは、
図5のルーチンを実行する。特定出庫方法の出庫モード(第3出庫モードEM3)に関して、CPUは、左方向のみを出庫方向として選択できる。従って、CPUは、ステップ501及びステップ509の処理を順に実行し、左方向を特定出庫方法の出庫方向として選択する。従って、CPUは、出庫方法候補の中から、出庫方法B2を特定出庫方法として決定する。
【0100】
図9に示すように、CPUは、出庫方法候補に対応する矢印マーク(301L及び303L)を選択画面300上に表示する。矢印マーク301Lは出庫方法B1に対応し、矢印マーク303Lは出庫方法B2に対応する。更に、CPUは、特定出庫方法に対応する矢印マーク303Lが予め選択されている状態で選択画面300を表示する。このように、運転者が望む出庫方法(矢印マーク303L)が予め選択されている状態で選択画面300が表示される。
【0101】
(例4)
図8の例において、車両VAは、駐車モードによる駐車支援制御を利用せずに、運転者の運転により駐車されたと仮定する。更に、車両VAは、特定地域以外の地域(例えば、欧州)内に存在している。車両VAは、左ハンドルである。車両VAの運転者は、第3出庫モードEM3を用いて車両VAを左方向へ出庫(移動)させることを望んでいる。この状況において、CPUは、以下のように特定出庫方法を決定する。
【0102】
CPUは、例3と同様に、出庫方法B1及び出庫方法B2を出庫方法候補として決定する。
【0103】
CPUは、
図4のルーチンを実行する。CPUは、ステップ401、ステップ404、ステップ407及びステップ408の処理を順に実行し、第3出庫モードEM3を特定出庫方法の出庫モードとして選択する。次に、CPUは、
図5のルーチンを実行する。特定出庫方法の出庫モード(第3出庫モードEM3)に関して、CPUは、左方向のみを出庫方向として選択できる。従って、CPUは、ステップ501及びステップ509の処理を順に実行し、左方向を特定出庫方法の出庫方向として選択する。以上から、CPUは、出庫方法候補の中から、出庫方法B2を特定出庫方法として決定する。
【0104】
図9に示すように、CPUは、特定出庫方法に対応する矢印マーク303Lが予め選択されている状態で選択画面300を表示する。このように、運転者が望む出庫方法(矢印マーク303L)が予め選択されている状態で選択画面300が表示される。
【0105】
<作動>
次に、
図10を用いて、出庫モードによる駐車支援制御を実行する処理について説明する。CPUは、所定時間dTが経過する毎に、
図10のルーチンを実行するようになっている。
【0106】
なお、CPUは、図示しないルーチンを所定時間dTが経過する毎に実行することにより、周囲センサ70から車両周辺情報を取得している。
【0107】
所定のタイミングになると、CPUは、
図10のステップ1000から処理を開始してステップ401に進み、実行フラグXBの値が「0」であるか否かを判定する。実行フラグXBの値が「0」であるとき、これは、駐車支援制御が実行されていないことを示す。実行フラグXBの値が「1」であるとき、これは、駐車支援制御が実行されていることを示す。なお、実行フラグXBの値は、車両VAが駐車された後に図示しないイグニッションスイッチの状態がオン状態からオフ状態へと変更された時点にて、「0」に設定されている。
【0108】
いま、車両VAが駐車されており、実行フラグXBの値が「0」であると仮定する。CPUはステップ1001にて「Yes」と判定してステップ1002に進み、支援要求が発生したか否かを判定する。CPUは、以下の条件1乃至条件3の全てが成立すると、支援要求が発生したと判定する。なお、支援要求が発生するための条件として、他の条件が追加されてもよい。
(条件1)駐車支援スイッチ80が押下された。
(条件2)シフト位置が駐車位置である。
(条件3)CPUは、車両周辺情報に基づいて、車両VAが移動することができる出庫可能領域を検出している。
【0109】
支援要求が発生していない場合、CPUはステップ1002にて「No」と判定してステップ1095に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
【0110】
いま、支援要求が発生したと仮定すると、CPUはステップ1002にて「Yes」と判定して、以下に述べるステップ1003乃至ステップ1007の処理を順に実行する。その後、CPUは、ステップ1008に進む。
【0111】
ステップ1003:CPUは、実行フラグXBの値を「1」に設定する。
ステップ1004:CPUは、車両周辺情報に基づいて、出庫方法候補を決定する。
ステップ1005:CPUは、
図4のルーチンを実行して、特定出庫方法の出庫モードを選択する。
ステップ1006:CPUは、
図5のルーチンを実行して、特定出庫方法の出庫方向を選択する。
ステップ1007:CPUは、ディスプレイ63の表示モードを第1モードから第2モードに切り替える。そして、CPUは、選択画面300を表示する。具体的には、CPUは、出庫方法候補に対応する矢印マークを表示する。更に、CPUは、特定出庫方法に対応する矢印マークが予め選択されている状態で選択画面300を表示する。
【0112】
次に、CPUは、ステップ1008にて、開始ボタン310が押下されたか否かを判定する。CPUは、開始ボタン310が押下されるまでステップ1008の処理を繰り返し実行する。開始ボタン310が押下されると、CPUは、ステップ1008にて「Yes」と判定して、以下に述べるステップ1009乃至ステップ1011の処理を順に実行する。その後、CPUは、ステップ1095に進んで、本ルーチンを一旦終了する。
【0113】
ステップ1009:CPUは、選択画面300上で選択された出庫方法(出庫モード及び出庫方向)に基づいて、出庫可能領域に対して目標位置を設定する。そして、CPUは、車両VAを現在位置から目標位置まで移動させる移動経路を演算する。
ステップ1010:CPUは、移動経路に沿って車両VAを移動させるための移動支援情報(具体的には、トランスミッション23のシフト位置、舵角パターン及び速度パターン)を決定する。
ステップ1011:CPUは、出庫モードによる駐車支援制御を実行する。CPUは、移動支援情報に従って、シフト制御、舵角制御、駆動力制御及び制動力制御を実行する。
【0114】
CPUが、出庫モードによる駐車支援制御を開始した後に、
図10のルーチンを再び開始する。CPUがステップ1001に進むと、CPUは、「No」と判定してステップ1012に進む。CPUは、所定の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件は、車両VAが目標位置に到達したときに成立する。終了条件が成立しない場合、CPUは、ステップ1012にて「No」と判定して、ステップ1011の処理を前述のように実行する。即ち、CPUは、駐車支援制御を継続する。その後、CPUは、ステップ1095に進み、本ルーチンを一旦終了する。
【0115】
一方、CPUがステップ1012に進んだ時点にて終了条件が成立する場合、CPUは、ステップ1012にて「Yes」と判定してステップ1013に進み、実行フラグXBの値を「0」に設定する。その後、CPUはステップ1095に進み、本ルーチンを一旦終了する。これにより、出庫モードによる駐車支援制御が終了される。
【0116】
以上の構成を備える車両制御装置100は、特定出庫方法が予め選択されている状態で選択画面300を表示する。特定出庫方法は、「使用された駐車モード、車両VAが存在する地域、及び、車両VAの操舵ハンドルSWの位置等」に基づいて決定された出庫方法であり(
図4及び
図5を参照。)、運転者が望む可能性が高いと推定される出庫方法である。従って、多くのケースにおいて、運転者が出庫方法を選択する手間がなくなる。車両制御装置100は、従来装置に比べて運転者が煩わしさを感じる可能性を低減できる。
【0117】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【0118】
(変形例1)
CPUは、運転者によって予め設定された優先順位に従って、出庫方法候補の中から、特定出庫方法を決定してもよい。車両VAが停止又は駐車されている状況において運転者がディスプレイ63上において所定の操作を行った場合、CPUは、
図11に示す画面1100を第2表示領域220に表示してもよい。画面1100は、出庫モードの優先順位及び出庫方向の優先順位を設定するための画面である。画面1100は、第1出庫モードEM1を表す第1ボタン1101及び第2出庫モードEM2を表す第2ボタン1102を有する。運転者は、第1ボタン1101及び第2ボタン1102の何れかを選択することができる。画面1100は、更に、左方向を表す第3ボタン1103及び右方向を表す第4ボタン1104を有する。運転者は、第3ボタン1103及び第4ボタン1104の何れかを選択することができる。
【0119】
図11の例において、第2ボタン1102が選択され、且つ、第4ボタン1104が選択されている。この状態で運転者が決定ボタン1105を押下する。この場合、CPUは、特定出庫方法の出庫モードを選択する際に、第1出庫モードEM1よりも第2出庫モードEM2を優先的に選択する。CPUが
図4のルーチンのステップ406に進んだ場合、CPUは、第2出庫モードEM2を特定出庫方法の出庫モードとして選択する。
【0120】
更に、CPUは、特定出庫方法の出庫方向を選択する際に、左方向よりも右方向を優先的に選択する。この構成において、CPUは、
図5のルーチンのステップ502乃至ステップ508の処理を省略する。そして、CPUは、ステップ501にて「Yes」と判定した場合、右方向を特定出庫方法の出庫方向として選択する。
【0121】
(変形例2)
CPUは、運転者が選択画面300で選択した出庫方法(出庫モード及び出庫方向)の履歴を不揮発性メモリ10eに記録してもよい。CPUは、運転者が選択する回数が多い出庫モードを特定出庫方法の出庫モードとして選択してもよい。CPUは、運転者が選択する回数が多い出庫方向を特定出庫方法の出庫方向として選択してもよい。
【0122】
(変形例3)
上記の実施形態において、CPUは、3つの駐車モード(PM1、PM2及びPM3)並びに3つの出庫モード(EM1、EM2及びEM3)を実行可能に構成されるが、この構成に限定されない。例えば、駐車モードは、第2駐車モードPM2及び第3駐車モードPM3のみを含み、出庫モードは、第2出庫モードEM2及び第3出庫モードEM3のみを含んでもよい。即ち、CPUは、2つの駐車モード(PM2及びPM3)並びに2つの出庫モード(EM2及びEM3)を実行可能に構成されてもよい。
【0123】
(変形例4)
CPUは、車両VAを1回だけ後進させるだけでは車両VAを目標位置にまで移動させることができない場合、以下のように移動経路を演算してもよい。例えば、CPUは、車両VAの現在位置から進行方向切替位置(即ち、トランスミッション23のシフト位置を切替えるために車両VAが一時停止する位置)まで車両VAを前進又は後進させる第1経路と、進行方向切替位置から目標位置まで車両VAを前進又は後進させる第2経路と、を演算する。この場合、出庫方法の出庫方向は、第1経路が延びる方向を表す。
【符号の説明】
【0124】
10…駐車支援ECU、20…エンジンECU、30…ブレーキECU、40…SBW・ECU、50…EPS・ECU、60…ナビゲーションECU、70…周囲センサ、80…駐車支援スイッチ、100…車両制御装置。