(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20241225BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241225BHJP
F21V 21/30 20060101ALI20241225BHJP
F21W 131/40 20060101ALN20241225BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241225BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20241225BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V23/00 120
F21V21/30 100
F21W131:40
F21Y115:10
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2021153142
(22)【出願日】2021-09-21
【審査請求日】2024-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】石川 健吾
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-057466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 23/00
F21V 21/30
F21W 131/40
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと;
前記ベースの下面側に配設される光源と;
前記ベースの上面側に配設され
る電源取付部を有し、平面視で前記ベースよりも小さい電源部と;
天井に取り付けられるアーム体と、前記アーム体から延びるアーム取付部と、を有しており、前記アーム取付部には下部側から折曲されたアーム固定部が設けられたアームと;
を備え
、
前記アーム固定部が前記ベースの上面側に配置される前記電源取付部の上面側に重ねて配置され、前記アーム固定部の上面側からねじにより前記アームと前記電源部と前記ベースとが一体に締結されている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記電源部は、平面視で長方形に設けられ、
前記アームは、前記電源部の長手方向の両側に連結されている
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば工場や倉庫、その他の施設の天井が高い空間の照明に用いられる高天井用の照明装置がある。この照明装置は、下面側に光源が配設されるベースにアームが連結され、このアームに電源部が取り付けられて構成されており、アームによって天井側に取り付けられる。アームは、ベースの両側部に取り付けられ、ベースの横幅と略同じ寸法に設けられている。
【0003】
このような照明装置では、高所での施工作業となるため、小形および軽量化が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、小形および軽量化できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、ベースと、光源と、電源部と、アームと、を備える。光源は、ベースの下面側に配設される。電源部は、ベースの上面側に配設される電源取付部を有し、平面視でベースよりも小さい。アームは、天井に取り付けられるアーム体と、アーム体から延びるアーム取付部と、を有しており、アーム取付部には下部側から折曲されたアーム固定部が設けられる。アーム固定部がベースの上面側に配置される電源取付部の上面側に重ねて配置され、アーム固定部の上面側からねじによりアームと電源部とベースとが一体に締結されている。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明装置によれば、小形および軽量化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態を示す照明装置の平面図である。
【
図6】第2の実施形態を示す照明装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、
図1ないし
図5を参照して説明する。
【0010】
図1ないし
図4に示すように、照明装置10は、例えば工場や倉庫、その他の施設の天井が高い空間の照明に用いられる高天井用照明装置である。
【0011】
照明装置10は、照明器具である灯体11と、この灯体11を支持して天井側に取り付けられるアーム12と、を備えている。
【0012】
灯体11は、器具本体および放熱器であるベース16と、このベース16の下面側に配設される光源17と、光源17を覆ってベース16に取り付けられるカバー18と、ベース16の上面側に配設される電源部19と、を備えている。
【0013】
ベース16は、金属板で形成されている。ベース16は、平板状で四角形であって例えば正方形のベース板部23を有し、このベース板部23の4辺に上方に向けて折曲された立上部24が設けられている。ベース板部23の一方の対向する2辺には、ベース16に取り付けられたカバー18が落下するのを防止する落下防止部25が設けられている。
図3および
図5に示すように、落下防止部25は、立上部24の幅方向中央から切り起されて、ベース板部23の下側に向けて略U字形に屈曲され、ベース板部23の下面側に所定の間隔を空けて対向配置されている。落下防止部25の先端側は円弧状に形成されている。また、ベース板部23の中央には、光源17と電源部19とを電気的に接続する電線が挿通される配線孔が設けられている。
【0014】
また、光源17には、発光モジュール29が用いられている。発光モジュール29は、四角形状の基板30と、この基板30の表面側に実装された複数の発光素子31と、を有している。発光素子31は、LEDや有機ELなどの半導体発光素子が用いられている。基板30は、裏面側がベース16のベース板部23の下面側に配置され、複数のねじでベース板部23に固定されている。基板30の中央には、ベース板部23の配線孔に連通され、光源17と電源部19とを電気的に接続する電線が挿通される配線孔が設けられている。なお、光源17には、発光モジュール29以外の例えばランプなどを用いてもよい。
【0015】
また、カバー18は、発光モジュール29を覆ってベース16の下面側に取り付けられる。カバー18は、下面部35と、この下面部35の周囲に設けられた側面部36と、側面部の上部側から周囲に突出されたフランジ部37とを有している。カバー18は、全体または少なくとも下面側に透光性を有している。
【0016】
側面部36は、四隅が円弧状に設けられ、各辺の幅方向中央に窪み部38が設けられている。
【0017】
フランジ部37の各辺には、ベース16の立上部24の外側面に係合して位置決めする係合部39が突設されている。一方の対向する両側のフランジ部37は、ベース16の両側の落下防止部25とベース板部23との間の隙間に差し込まれた状態に配置されている。一方のフランジ部37を落下防止部25とベース板部23との間の隙間に差し込んでカバー18を一方に寄せた状態で、他方のフランジ部37を落下防止部25とベース板部23との間の隙間に対向させ、カバー18を他方に寄せるように移動させることにより、両側のフランジ部37がベース16の両側の落下防止部25とベース板部23との間の隙間に差し込まれた状態に配置されている。ベース16の両側の落下防止部25に対してカバー18の側面部36に設けられた窪み部38が対向されることで、カバー18の一方または他方へ寄せる移動が可能となっている。また、フランジ部37の四隅は、ねじ40でベース板部23に取り付けられている。
【0018】
また、電源部19は、電源ボックスである電源ケース44と、この電源ケース44内に収容される端子台45および電源回路46とを有している。
【0019】
電源ケース44は、金属製で、ベース板部23の上面側の中央に、ねじなどによって取り付けられている。
【0020】
電源ケース44は、平面視で、ベース16よりも外形状が小さく、長方形に設けられている。電源ケース44は、平面視で、各辺がベース16の各辺と平行に対向され、長手方向の両側がベース16の落下防止部25が設けられた両側の辺に対向されて配置されている。
【0021】
電源ケース44は、上面部47と、側面部48とを有し、電源ケース44の下面側が開口されている。側面部48は、長手方向の両側の第1側面部48aと、短手方向の両側の第2側面部48bとを有している。電源ケース44の下面側の開口部は、ベース板部23への取り付けによってベース板部23で閉塞される。なお、電源ケース44は、下面側も閉塞された6面体で構成されていてもよい。
【0022】
端子台45は、電源ケース44の一方の第2側面部48bに設けられた開口に対向して電源ケース44に取り付けられている。端子台45には、商用交流電源などの外部電源からの外部電力を供給する電源線が電気的に接続される。
【0023】
電源回路46は、基板と、この基板に実装された電源回路部品とを有し、電源ケース44内で少なくとも基板が電源ケース44の上下方向の中間高さ位置よりも上方に寄った位置に取り付けられている。電源回路46は、端子台45を通じて供給される外部電力を所定の点灯電力に電力変換して発光モジュール29に供給し、発光素子31を点灯させる。
【0024】
また、アーム12は、金属製で、全体として略コ字形に構成され、電源部19に取り付けられている。アーム12は、電源部19に取り付けられる一対のアーム取付部52と、天井側に取り付けられるアーム体53と、アーム取付部52とアーム体53とを角度調整可能に連結する角度調整部54とを有している。
【0025】
一対のアーム取付部52は、電源部19の長手方向の両側の第1側面部48aでその幅方向中央位置に、複数のねじ55で取り付けられている。アーム取付部52の上端側は、電源部19よりも上方に突出するように配置されている。
【0026】
アーム体53は、天井側に取り付けられる長尺なアーム上面部56と、このアーム上面部56の長手方向の両端から折曲された一対のアームアーム側面部57とを有し、略コ字形に形成されている。アーム上面部56には、天井側に取り付けるための一対の取付孔58が設けられている。一対の取付孔58のピッチPは、天井側に取り付けるための予め決められた所定の取付ピッチPに配置されている。一方の取付孔58は丸孔であり、他方の取付孔58は長手方向に交差する幅方向に長い長孔である。アーム上面部56の中央で一対の取付孔58の間には電源線の挿通などに利用される孔部59が設けられている。
【0027】
角度調整部54は、アーム取付部52とこのアーム取付部52の外側に重なるように配置されたアーム体53のアーム側面部57とを角度調整可能に連結する。角度調整部54は、アーム取付部52およびアーム体53のアーム側面部57を貫通する回動軸ボルト60とこの回動軸ボルト60に螺合するナット61とを用いて回動可能に連結するとともに、アーム取付部52およびアーム体53のアーム側面部57を貫通する調整ボルト62とこの調整ボルト62に螺合するナット63となどを用いて角度調整可能に連結している。アーム体53のアーム側面部57には、回動軸ボルト60が挿通する孔を中心として円弧状の長孔64が設けられ、調整ボルト62が長孔64の長手方向の各端部に当接する範囲内で角度調整可能としている。
【0028】
そして、照明装置10の施工時には、アーム体53の一対の取付孔58を挿通するボルトなどにより、アーム体53を天井側の構造物に取り付ける。
【0029】
灯体11の光照射方向が直下方向となるように、角度調整部54を介してアーム取付部52とアーム体53との間の角度を調整し、その調整後、角度調整部54の回動軸ボルト60および調整ボルト62を締め付けてアーム取付部52とアーム体53とを回動不可に固定する。
【0030】
電源線を電源部19の端子台45に接続し、施工完了となる。
【0031】
そして、外部電力が電源部19に供給されると、電源部19から点灯電力を発光モジュール29に供給し、発光素子31が点灯する。
【0032】
点灯時において、発光素子31が発生する熱は、主にベース16に伝達され、このベース16から空気中に放熱される。電源回路46が発生する熱は、主に電源ケース44、およびこの電源ケース44からアーム12に伝達され、これら電源ケース44およびアーム12から放熱される。
【0033】
このように構成された照明装置10では、平面視でベース16よりも小さい外形状の電源部19にアーム12が連結されているため、アーム12がベース16の両側部に連結される場合に比べてアーム上面部56の長さを短くして、アーム12を小形および軽量化できる。そのため、照明装置10を小形および軽量化でき、高所で施工する際の施工性を向上できる。
【0034】
しかも、電源部19の小形および軽量化に対応して、電源部19が平面視で長方形に設けられる場合、この電源部19の長手方向の両側にアーム12を連結することにより、アーム12を天井側に取り付けるための取付寸法を確保することができ、つまり予め決められた所定の取付ピッチに配置される一対の取付孔58を設ける寸法を確保することができる。
【0035】
さらに、灯体11は、アーム12の両端が連結されている方向に対して交差する方向であって、角度調整可能な方向が、灯体11の振れが生じやすい方向となるが、その振れやすい方向には電源部19の短手方向を向けて配置されるため、電源部19の重心を中央に近付け、振れを抑制できる。
【0036】
また、ベース16の下面側にねじ40で取り付けられるカバー18のフランジ部37が、ベース板部23と落下防止部25との間に配置されている。そのため、仮に、ねじ40の締め付けで負荷のかかっているフランジ部37の部分が劣化して破損しても、落下防止部25でフランジ部37を支えることができ、カバー18の落下を防止することができる。
【0037】
【0038】
電源部19は、ベース16の上面側に配設される電源取付部70を有している。電源取付部70は、電源ケース44の側面部48であって長手方向の両側の第1側面部48aの下部側から外側方に向けて折曲されて設けられている。
【0039】
アーム取付部52には、アーム取付部52の下部側から外側方に向けて折曲されたアーム固定部71が設けられている。アーム固定部71は、ベース16の上面側に配置される電源取付部70の上面側に重ねて配置される。
【0040】
そして、アーム12が電源部19に連結されるように、アーム固定部71と電源取付部70とベース16とが締結具である複数のねじ72によって一体に締結されている。なお、発光モジュール29の基板30もねじ72で一体に締結されてもよい。
【0041】
この構成のように、ベース16と電源部19とアーム12とを一体に締結できることにより、各構成を個別に取り付ける構成に比べて、部品点数および組立工数を削減でき、製造性を向上できる。
【0042】
また、
図8に示す第3の実施形態のように、電源部19は、平面視でベース16よりも外形状が小さければ、平面視で正方形に設けられていてもよい。また、電源部19は、平面視でベース16よりも外形状が小さく、かつ、予め決められた所定の取付ピッチに配置される一対の取付孔58を設ける寸法を確保することができれば、電源部19のアームが連結される方向に対して交差する方向の長さが長い長方形であってもよい。
【0043】
なお、アーム12の角度調整部54は、電源部19の側部位置に配置されていてもよい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
10 照明装置
12 アーム
16 ベース
17 光源
19 電源部
52 アーム取付部
53 アーム体
71 アーム固定部
72 ねじ