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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】植物育成用圧力容器
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20241225BHJP
   F16J 13/18 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
A01G7/00 604Z
A01G7/00 601Z
F16J13/18
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021041953
(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公開番号】P2022142004
(43)【公開日】2022-09-30
【審査請求日】2024-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】515278802
【氏名又は名称】三好造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121773
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 正
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 智文
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-293698(JP,A)
【文献】国際公開第2013/035816(WO,A1)
【文献】特開2013-162747(JP,A)
【文献】特開2011-064254(JP,A)
【文献】特開2007-040501(JP,A)
【文献】実開昭56-023750(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00
A01G 9/24
F16J 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧よりも高圧下で植物を育成するための植物育成用圧力容器において、
内部に前記植物を育成する空間である栽培室を有する容器本体と、
前記容器本体に作業者が出入りするための出入口扉と、を備え
前記出入口扉は、前記容器本体の出入口用開口に設置される筒型補強枠と、
前記筒型補強枠の開口を開閉する開閉扉と、を備え、
前記開閉扉は、前記筒型補強枠の内側端部に押し付けられて前記開口を密閉する内開き扉であり、
前記内開き扉は、閉動作時に前記筒型補強枠に設置されたくさび状凸部と接触することで、前記内開き扉を外側に押して前記筒型補強枠の内側端部に押し付ける密閉レバーを複数備えることを特徴とする植物育成用圧力容器。
【請求項2】
前記筒型補強枠の外側端部に設置される引き締め台と、
前記内開き扉の外側面と前記引き締め台とを連結し、ねじ送りにより前記内開き扉と前記引き締め台とを引っ張って引き締める引き締め棒と、
を有する扉引き締め部材をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の植物育成用圧力容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の圧力下で植物を育成するための圧力容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定の圧力下で植物を育成するために、圧力容器内で植物を育成することが行われており、例えば、下記特許文献1~3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-65763号公報
【文献】特開2013-162747号公報
【文献】国際公開第2013/035816号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
植物の育成のためには、圧力容器内に出入りするための出入口扉を設置する必要がある。ここで、圧力容器は、容器内外の圧力差に耐える必要があるため、円筒形状や球形状等が採用されることが多く、特に、大型の圧力容器の場合には、その傾向が顕著である。
【0005】
したがって、植物育成用の圧力容器においては、曲面部分に出入口扉を設置する場合も想定されるが、平面部分に出入口扉を設置する場合に比べて、曲面部分に出入口扉を設置する場合には高い密閉度を確保するのが難しい。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、曲面部分に出入口扉を設置する場合であっても高い密閉度を実現できる植物育成用圧力容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明に係る植物育成用圧力容器は、大気圧よりも高圧下で植物を育成するための植物育成用圧力容器において、内部に前記植物を育成する空間である栽培室を有する容器本体と、前記容器本体に作業者が出入りするための出入口扉と、を備え、前記出入口扉は、前記容器本体の出入口用開口に設置される筒型補強枠と、前記筒型補強枠の開口を開閉する開閉扉と、を備え、前記開閉扉は、前記筒型補強枠の内側端部に押し付けられて前記開口を密閉する内開き扉であり、前記内開き扉は、閉動作時に前記筒型補強枠に設置されたくさび状凸部と接触することで、前記内開き扉を外側に押して前記筒型補強枠の内側端部に押し付ける密閉レバーを複数備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る植物育成用圧力容器によれば、容器本体の出入口開口に筒型補強枠を設置し、筒型補強枠の開口を開閉扉で開閉することで、曲面部分に出入口扉を設置する場合であっても、高い密閉度を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る植物育成用圧力容器の正面図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る植物育成用圧力容器の平面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る植物育成用圧力容器の側面図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る植物育成用圧力容器の容器内を示す断面図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る出入口扉の正面図である。
図6図6は、図5のA-A線による断面図である。
図7図7は、図5のB-B線による断面図である。
図8図8は、図7において出入口扉を開いた状態を示す断面図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る内開き扉の構成を示す図である。
図10図10は、図7の内開き扉の部分を拡大して示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る引き締め台の構成を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る引き締め台支持部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。植物育成用圧力容器1は、容器本体10と、採光窓30と、出入口扉50と、照明装置60と、空気調節システム70とを備えている。容器本体10は、鋼鉄製の横置きの円筒形容器であり、左右両端は外側に凸の半球形状である。なお、図1図3においては、採光窓30の一部及び照明装置60を省略して描いている。
【0011】
容器本体10は、内部が垂直の仕切壁11によって仕切られており、植物が栽培される栽培室15と、栽培室15に循環供給する空気を調節する空調室17とを備えており、固定脚10aに支持されて地面に設置される。
【0012】
また、容器本体10は、床板19を備え、栽培室15及び空調室17の床下には、床下空気循環路20を備えている。なお、容器本体10の内壁面は、光の反射率を上げて室内を明るくするように、白色に着色されている。
【0013】
採光窓30は、円形の窓であり、栽培室15内に容器外から光を取り入れるために、容器本体10の上部の所定の位置に複数設置されている。本実施形態では、容器本体10の長手方向に平行に3列、合計16個の採光窓30が規則的に配列されて設置されている。
【0014】
採光窓30は、容器本体10に固定される保持台31と、保持台31に固定保持される紫外線・赤外線カットガラス35及び耐圧ガラス37とを備えている。保持台31は、略円筒形状であり、容器本体10に溶接固定される土台32を備えており、図1図3においては、土台32のみが描かれている。
【0015】
保持台31は、室内側から外側(下方から上方)に向けて、耐圧ガラス37、紫外線・赤外線カットガラス35を順次保持しており、外側端部である上端部に照明装置60が設置される。
【0016】
出入口扉50は、作業者が栽培室15内に出入りするために設置されており、容器本体10の端部の半球部に設置されている。出入口扉50は、筒型補強枠51と、筒型補強枠51の開口を開閉する開閉扉である内開き扉53と、扉引き締め部材90とを備えている。
【0017】
ここで、図5図7は、内開き扉53及び扉引き締め部材90を閉じた状態、すなわち、出入口扉50を閉じて容器本体10を密閉した状態を示しており、図8は内開き扉53及び扉引き締め部材90を開いた状態、すなわち、容器本体10に出入り自由な状態を示している。
【0018】
図9は、内開き扉53の構成を示しており、図9(a)は、内開き扉53の外側面の正面、図9(b)は、内開き扉53の内側面の背面を示している。図11は、引き締め台91の構成を示しており、図11(a)は平面図、図11(b)は、外側から見た正面図、図11(c)は、内側から見た背面図である。図12は、引き締め台支持部94の構成を示す図であり、図12(a)は平面図、図12(b)は、外側から見た正面図、図12(c)は底面図である。
【0019】
筒型補強枠51は、容器本体10の半球部に出入口を確保するために、容器本体10の出入口用開口に固定設置される枠であり、枠内を人が通ることのできる長円形状(陸上競技のトラック形状)の筒型の枠である。
【0020】
内開き扉53は、板状の長円形状であり、筒型補強枠51の内側(室内側)の端部開口を閉じるように、筒型補強枠51に対して室内側に開く内開き構造で内側開口を開閉自在に構成されている。
【0021】
内開き扉53は、扉ヒンジ部材55により、筒型補強枠51に対して軸支されている。扉ヒンジ部材55は、筒型補強枠51に固定されたヒンジ支持軸55aと、内開き扉53に固定されたヒンジ55bとから構成されており、ヒンジ55bには、ヒンジ支持軸55aの軸が挿通する長円形状のヒンジ穴55cが形成されている。
【0022】
内開き扉53は、内側面に格子状に形成された補強凸条53dを備えている。内開き扉53は、外側面の上部及び下部の2箇所に設置された、後述する引き締め棒96と連結するための引き締め棒連結部53eを備える。
【0023】
また、内開き扉53は、その外側面の周縁に周回するパッキン溝53aが形成されており、このパッキン溝53a内に周回設置されている長円形枠形状のパッキン53bを備えている。
【0024】
本実施形態では、植物の栽培時に容器本体10内が大気圧よりも高圧状態となるため、内開き扉53を採用することで、閉じた状態では室内圧力により内開き扉53が筒型補強枠51の内側端部に押し付けられる。このとき、筒型補強枠51の内側端部が内開き扉53のパッキン53bに押し付けられるので、容器本体10内を確実に密封することができる。
【0025】
内開き扉53は、筒型補強枠51の内側端部に内開き扉53を押し付けながら閉じるための密閉レバー54を備えている。密閉レバー54は、内開き扉53の外側面に垂直で水平な回動軸であるシャフト54aと、ハンドル54bと、閉動作時に滑りながら筒型補強枠51と接触する摺接部54cとを備えており、内開き扉53の外側面の周縁部に8箇所設置されている。
【0026】
筒型補強枠51は、密閉レバー54にそれぞれ対向する位置(8箇所)に、内開き扉53の閉動作時に摺接部54cとテーパ面が接触して密閉レバー54及び内開き扉53を外側に押すように機能するくさび状凸部(ウェッジ部)51aが設置されている。
【0027】
よって、内開き扉53を閉じる際に、8つの密閉レバー54を閉じることで、内開き扉53が筒型補強枠51の内側端部に強く押し付けられ、より確実に容器本体10内を密封することができる。
【0028】
本実施形態では、容器本体10の出入口開口に設置される筒型補強枠51と、筒型補強枠51の内側端部に押し付けられて開口を開閉する内開き扉53とから出入口扉50を構成しており、筒型補強枠51の内側端部の接触面と、平板状の内開き扉53の接触面(パッキン53b)とが平面となり、平面同士の接触となるため、出入口扉50を隙間なく密閉することができる。
【0029】
扉引き締め部材90は、引き締め台91と、引き締め台ヒンジ部材93と、引き締め棒96とを備えている。引き締め台91は、横長の棒状部材であり、筒型補強枠51の外側端部において、上側と下側に2本平行に設置されている。
【0030】
引き締め台91は、筒型補強枠51の外側端部に設置された引き締め台ヒンジ部材93により軸支され、筒型補強枠51の外側開口に対して、外側開口を塞ぐ閉位置と、開放する開位置との間で開閉自在である。引き締め台91の中央部分には、引き締め棒96を通すための引き締め棒挿通穴91aが形成されている。
【0031】
引き締め台ヒンジ部材93は、筒型補強枠51の外側端部の外面に固定された引き締め台支持部94を備えており、引き締め台91には、引き締め台支持部94のヒンジ支持軸94aが挿通する長円形状のヒンジ穴93cが形成されている。
【0032】
上側の引き締め台支持部94には、仮固定穴94bが形成されており、引き締め台91を開位置に位置させた状態で、図示しない仮固定ピンを仮固定穴94bに挿すことで、引き締め台91を開位置にロックすることもできる。
【0033】
引き締め棒96は、一端に形成された扉連結部97と、他端に形成された雄ネジ部98と、この雄ネジ部98に取り付けられる引き締めナット99とを備える。扉連結部97には、扉連結穴が形成されており、内開き扉53の引き締め棒連結部53eの鉛直支持軸がこの扉連結穴に通されることで、引き締め棒96は、水平方向に揺動可能に内開き扉53と連結される。
【0034】
引き締め棒96の他端は、引き締め台91の引き締め棒挿通穴91aを通って引き締め台91の外側に雄ネジ部98が露出しており、この露出した雄ネジ部98に引き締めナット99がねじ留めされている。
【0035】
この引き締めナット99を締める方向に回転させることで、引き締めナット99が引き締め台91の外側面に接触し、さらに引き締めナット99を締めて内側に向けてねじ送りすることで、筒型補強枠51に対して扉連結部97に連結された内開き扉53を外側に引っ張ることができ、内開き扉53をより密閉することができる。
【0036】
照明装置60は、メタルハライドランプ61と、ソケット62と、強化ガラス63とを備えており、各採光窓30の傍に1つずつ設置されている。空気調整システム70は、空調室17内の空気の調整を行うシステムであり、調整された空気が上述した床下空気循環路20を通って、栽培室15へと供給される。空気調整システム70は、空調室17内の室温を調節するエアコンディショナー71と、空調室17内の気圧及び気体の成分濃度を調節する気体成分・圧力調節装置80と、を備えている。
【0037】
気体成分・圧力調製装置80は、圧縮空気を供給する圧縮空気供給路81と、酸素を供給する酸素供給路82と、二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給路83と、窒素を供給する窒素供給路84とを備えており、各供給路81~84に設置されたバルブの開閉及び開度を調節することで、これらの気体を所定の混合比率で空調室17内に供給可能である。
【0038】
気体成分・圧力調整装置80は、圧縮空気供給路81から供給される圧縮空気の供給量を調整することで、空調室17内の気圧を調整、すなわち、栽培室15内の気圧を所定の大気圧よりも高圧に調整することができる。
【0039】
以上、植物育成用圧力容器1の構成について説明したが、続いて、植物育成用圧力容器1の使用態様について説明する。植物の育成にあたっては、作業者が出入口扉50を通って、所定の植物を容器本体10内の栽培室15内に運び込んで設置する。
【0040】
出入口扉50を閉じる際には、引き締め台91を開いた状態のまま、まず、内開き扉53を閉じる。具体的には、内開き扉53を筒型補強枠51の内側(室内側)端部に押し当てるように外側から引っ張って閉じた状態で、まず、内開き扉53の外側面に設置されている全ての密閉レバー54を閉じる。
【0041】
ハンドル54bを回して密閉レバー54を閉じる際には、ハンドル54bの回転に伴って摺接部54cが筒型補強枠51に設置されたくさび状凸部51aのテーパ面に接触することで、内開き扉53が外側に押される。
【0042】
したがって、8つの全ての密閉レバー54を閉じると、内開き扉53は筒型補強枠51の内側端部に強く押し付けられ、内開き扉53のパッキン53bと筒型補強枠51の内側端部の圧接により密封される。
【0043】
続いて、扉引き締め部材90による内開き扉53のさらなる引き締めを行う。まず、引き締め棒96の扉連結部97を内開き扉53の引き締め棒連結部53eに連結する。具体的には、引き締め棒連結部53eの連結軸を引き締め棒96の扉連結穴に通して連結する。
【0044】
その後、引き締めナット99を外した状態の引き締め棒96を内開き扉53に対して垂直な水平状態に保ちながら、引き締め棒96の雄ネジ部98が引き締め棒挿通穴91aを通るように、引き締め台91を閉じる。そして、引き締め台91から外側に飛び出した引き締め棒96の雄ネジ部98の先端に引き締めナット99を取り付け、ねじ締めを行う。
【0045】
ねじ締めにより引き締めナット99が引き締め台91に接触してから、さらに締め増しを行うことで、内開き扉53が引き締め台91に近付く方向に引っ張られる。このように、扉引き締め部材90のねじ送りにより、内開き扉53を外側に引っ張って引き締めることで、内開き扉53と筒型補強枠51との密着度をより高めることができる。
【0046】
出入口扉50を閉じて、容器本体10内を密封した後、照明装置60及び空気調節システム70の駆動制御を行うことで、所定の気圧、所定の成分濃度の気体雰囲気、所定の照射時間及び所定の照度の下で植物の育成を行うことができる。例えば、圧縮空気供給路81からの圧縮空気の供給量を調整することで、栽培室15内を2気圧に調整し、2気圧の高圧下で植物の栽培を行うことができる。
【0047】
ここで、気体成分・圧力調整装置80により、容器本体10内の圧力を大気圧よりも上げると、容器本体10の内外圧力差により、内開き扉53が外側に向けて押され、筒型補強枠51の内側端部により強力に押し付けられ、密着度がさらに高められる。
【0048】
以上、出入口扉50を閉じる際の作業について説明したが、続いて、出入口扉50を開く際の作業について説明する。開作業にあたっては、まず、気体成分・圧力調整装置80を操作して、容器本体10内の圧力を大気圧程度に下げ、扉引き締め部材90を外して開く。具体的には、引き締めナット99を外してから、引き締め台91を開き、仮固定ピンにより引き締め台91を開状態に仮固定する。
【0049】
続いて、引き締め棒96を邪魔にならない位置に退去させるか、引き締め棒96の扉連結部97を内開き扉53から外した上で、全ての密閉レバー54を開くと、内開き扉53が内側へ開くことができる状態となる。この状態で、内開き扉53を外側から室内側に押すと、内開き扉53を開くことができ、出入口扉50から容器本体10内に出入りできるようになる。
【0050】
以上、本実施形態について説明したが、本実施形態によれば、容器本体10の出入口開口部分に筒型補強枠51を設置し、この筒型補強枠の内側開口を内開き扉53で密閉するように構成しているので、容器本体10の半球部分に出入口扉50が設置されている場合でも高い密閉度を実現することができる。
【0051】
また、本実施形態では、閉動作に応じて内開き扉53を出入口補強枠51の内側端部に押し付ける密閉レバー54を、内開き扉53の周縁部に複数設置しており、出入口扉50の密閉度をより向上させることができる。また、本実施形態では、閉状態の内開き扉53をねじ送りにより外側に引っ張るための扉引き締め部材90をさらに備えているので、出入口扉50の密閉度をより高めることができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、植物育成用圧力容器を構成する部材の形状やサイズ、素材等は適宜変更可能である。
【0053】
また、上記実施形態では、筒型補強枠の内側開口を内開き扉により開閉するようにしたが、筒型補強枠の外側開口や筒型補強枠の枠内の途中部分の開口を開閉扉により開閉するように構成しても良い。但し、圧力容器内の高圧により扉を筒型補強枠の開口部分に押し付けて密閉度を高めるためには、内開き構造の扉を採用するのが望ましい。
【0054】
また、上記実施形態では、内開き扉の外側面と引き締め台とを連結する引き締め棒は、引き締め台の外側面に接触する引き締めナットを内側へねじ送りすることで、内開き扉と引き締め台とを相対的に引っ張って引き締めているが、引き締め棒の長さをねじ送りにより可変に構成し、引き締め棒自体の長さを短くすることで引き締めるように構成しても良い。
【符号の説明】
【0055】
1 植物育成用圧力容器
10 容器本体
10a 固定脚
11 仕切壁
15 栽培室
17 空調室
19 床板
20 床下空気循環路
30 採光窓
31 保持台
32 土台
35 紫外線・赤外線カットガラス
37 耐圧ガラス
50 出入口扉
51 筒型補強枠
51a くさび状凸部
53 内開き扉
53a パッキン溝
53b パッキン
53d 補強凸条
53e 引き締め棒連結部
54 密閉レバー
54a シャフト
54b ハンドル
54c 摺接部
55 扉ヒンジ部材
55a ヒンジ支持軸
55b ヒンジ
55c ヒンジ穴
90 扉引き締め部材
91 引き締め台
91a 引き締め棒挿通穴
93 引き締め台ヒンジ部材
93c ヒンジ穴
94 引き締め台支持部
94a ヒンジ支持軸
94b 仮固定穴
96 引き締め棒
97 扉連結部
98 雄ネジ部
99 引き締めナット
60 照明装置
61 メタルハライドランプ
62 ソケット
63 強化ガラス
70 空気調節システム
71 エアコンディショナー
80 気体成分・圧力調節装置
81 圧縮空気供給路
82 酸素供給路
83 二酸化炭素供給路
84 窒素供給路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12