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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】撃発初速を維持できる玩具銃
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/18 20060101AFI20241225BHJP
【FI】
A63H33/18 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023163081
(22)【出願日】2023-09-26
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】509302515
【氏名又は名称】弘龍工業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】黄宏銘
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101680385(CN,A)
【文献】米国特許第05778868(US,A)
【文献】米国特許第05726377(US,A)
【文献】韓国登録特許第10-2072644(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0192745(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1997752(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0238339(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102288070(CN,A)
【文献】中国実用新案第202066415(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0112073(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0247186(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0167958(US,A1)
【文献】米国特許第06360736(US,B1)
【文献】特開昭55-089700(JP,A)
【文献】米国特許第4447975(US,A)
【文献】米国特許第5551412(US,A)
【文献】鉄砲刀剣類所持等取締法施行規則,e-Gov 法令検索,令和4年5月31日 施行,<URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/333M50000002016/20220513_504M60000002034>,Law RevisionID: 333M550000002016_20220513_504M60000002034
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41A 1/00-F41F 7/00
A63H 33/18
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撃発初速を維持できる玩具銃であって、
銃本体と、
前記銃本体内に設けられ、中空を呈するボルト本体と、該ボルト本体内に設けられ、該ボルト本体に対して回転することで直線状に移動でき、環状に並ぶ複数の凹溝を有する調節アセンブリと、位置決め部材及び弾性ユニットを含み、該弾性ユニットが該ボルト本体の固定位置に設けられ、該位置決め部材を該調節アセンブリの1つの凹溝に押し当てて該調節アセンブリの該ボルト本体に対する回転を制限する位置決めアセンブリと、を含むボルトアセンブリと、を含み、
前記ボルト本体は、ボルトヘッド及びボルトベースを含み、
該ボルトヘッドは、該ボルトヘッドの軸方向に沿って該ボルトヘッドの先端から内部に伸びる撃発孔と、該ボルトヘッドの底部から内部に伸びる空気取り入れ孔と、を含み、
前記ボルトベースは、該ボルトヘッドと固定結合され、
前記ボルト本体は、該ボルト本体内に形成され、該ボルトヘッドの軸方向に沿って画定され、該撃発孔及び該空気取り入れ孔と連通する中央通路を含み、
前記ボルトベースは、該中央通路内に固定結合され、
前記調節アセンブリは、該ボルトヘッドの該中央通路に設置され、該ボルトベースに螺合され、該ボルトヘッドに対して回転でき、該中央通路に沿って直線的に移動することにより、該撃発孔と該空気取り入れ孔との間の通路断面積を調節し、該撃発孔に向かって流れる気流の量を調整可能であることを特徴とする、
撃発初速を維持できる玩具銃。
【請求項2】
前述ボルト本体には位置決め孔が貫通して設けられ、該位置決めアセンブリが該位置決め孔に結合される結合部材を含み、前記弾性ユニットが該結合部材と前記位置決め部材との間に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の撃発初速を維持できる玩具銃。
【請求項3】
前記結合部材が前記位置決め孔に螺合されることを特徴とする、請求項2に記載の撃発初速を維持できる玩具銃。
【請求項4】
前記結合部材に、弾性ユニットが収容される収容溝が設けられ、前記位置決め部材が該収容溝の溝口に設けられることを特徴とする、請求項2に記載の撃発初速を維持できる玩具銃。
【請求項5】
前記弾性ユニットが前記ボルト本体の径方向に沿って前記位置決め部材を前記凹溝内に押し当てることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の撃発初速を維持できる玩具銃。
【請求項6】
前記調節アセンブリが調節部材及び調節ベースを含み、該調節ベースが前記ボルトベースに螺合され、該ボルトアセンブリが弾性部材を含み、該調節部材が該弾性部材と該調節ベースとの間に位置決めされ、該調節ベースを従動的に回転させることにより、該調節ベースとともに直線移動でき、前記複数の凹溝が該調節ベース上に設けられることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の、撃発初速を維持できる玩具銃。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具銃に関し、特に撃発初速を維持できる玩具銃に関するものである。
【背景技術】
【0002】
玩具銃の種類は沢山あるが、よく見られる玩具銃は空気圧を動力源として利用して弾を発射するものである。図10及び図11に示すのは、玩具銃の従来の調整可能なボルト80である。ボルト80は、ボルトヘッド81、ボルトベース82、調節部材83、調節ベース84及び弾性部材85を含む。該ボルトヘッド81の一端には、空気取り入れ口812と連通する撃発孔811が設けられ、該ボルトベース82は、該ボルトヘッド81に入れ子式に入れ込まれ、調節部材83、調節ベース84及び弾性部材85は、ボルトヘッド81内に設けられ、調節ベース84はボルトベース82に螺合され、調節部材83は、撃発孔811と空気取り入れ口812との間に位置しする。調節ベース84を従動的にボルトベース82に対して回転させることができ、調節ベース84と弾性部材85は、両側から調節部材83を押圧して調節部材83を位置決めする。撃発初速を調節したいときに、レンチWを撃発孔811に挿入して調節部材83と嵌合してから回し、調節ベース84は、調節部材83に従動してボルトベース82に対してねじ込んだり、緩めたりすることで、調節部材83をボルトヘッド81内において移動かつ位置決めし、調節部材83の、撃発孔811と空気取り入れ口812との間における位置を変えることにより、空気取り入れ口812から撃発孔811へ流れる気流の量を調節し、撃発初速を調整できる効果を達成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この構成では、弾を発射すると、その反動で調節ベース84がボルトベース82に対して回転するように振動し、調節部材83が調節後の位置からずれかねない。このため、従来の調整可能なボルト80には更に、位置決めリング86が設けられている。位置決めリング86は、調節ベース84とボルトベース82との螺合位置に設けられ、摩擦力により調節ベース84が反動によってボルトベース82に対して回転することを防止するためのものであるが、スムーズな調節を保証するため、位置決めリング86による作用に限界があることから、調節部材83と調節ベース84は依然としてボルトヘッド81内において振動し、調節ベース84がボルトベース82に対して回転してしまうので、撃発初速は調節後にも間断なく変化し、調節の際に設定された数値を維持できない。
【0004】
本発明は、玩具銃の従来の調整可能なボルトの撃発初速が調節後に位置決めの不安定により間断なく変化し、調節時に設定された数値に維持できない問題を解決するために、撃発初速を維持できる玩具銃を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために提供される、本発明の撃発初速を維持できる玩具銃は、銃本体と、前記銃本体内に設けられ、中空を呈するボルト本体と、該ボルト本体内に設けられ、該ボルト本体に対して回転してリニア移動でき、環状に並ぶ複数の凹溝を有する調節アセンブリと、位置決め部材及び弾性ユニットを含み、該弾性ユニットが該ボルト本体の固定位置に設けられ、該位置決め部材を該調節アセンブリの1つの凹溝に押し当てて該調節アセンブリの該ボルト本体に対する回転を制限する位置決めアセンブリと、を含むボルトアセンブリと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明の技術手段が奏する効果は以下の通りである。
調節ベースとボルトベースとの螺合位置に位置決めを行うための位置決めリングを設置する従来の調節可能なボルトにおいて、反動の影響で撃発初速が調節後に設定値からずれやすい問題を有するのに対し、本発明は調節の際に、一定値を超えるトルクを加えることで該調節アセンブリを回すことにより、位置決め部材が弾性ユニットを従動的に弾性変形させることにより、該複数の凹溝の間で移動でき、調節後、該弾性ユニットが該位置決め部材を1つの前記凹溝内に押し当てるので、反動を受ける際に、該調節アセンブリがボルト本体に対して回転するように振動する事態を有効に防止し、該調節アセンブリが変位することを避け、これにより、撃発初速を維持できる玩具銃を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の実施例のボルトアセンブリの斜視外観図である。
図2図2は、本発明の実施例のボルトアセンブリの調整時の側面断面図である。
図3図3は、図2のA-A線断面図である。
図4図4は、図3の一部拡大図である。
図5図5は、図4のB-B線断面図である。
図6図6は、本発明の実施例のボルトアセンブリからボルトスリーブを省略した状態を示す部品分解図である。
図7図7は、本発明の実施例のボルトアセンブリからボルトスリーブを省略した状態を示す部品分解図である。
図8図8は、本発明の実施例のボルトアセンブリの取り付け模式図である。
図9図9は、図8の状態から弾を撃発した後の作動図である。
図10図10は、従来の調整可能なボルトの斜視外観図である。
図11図11は、従来の調整可能なボルトの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の技術特徴及び実用的な効果を詳細に理解し、発明の内容に基づいて実現できるようにするために、以下にて、図面に示されるような実施例を参照して詳細に説明する。
【0009】
本発明の実施例の撃発初速を維持できる玩具銃は、銃本体と、ボルトアセンブリとを含み、図1図2及び図5に示すように、該ボルトアセンブリは、ボルト本体及び調節アセンブリを含み、該ボルト本体は中空を呈すると共に、ボルトヘッド10及びボルトベース20を含み、該調節アセンブリは、調節部材30及び調節ベース40を含み、該調節アセンブリはさらに、弾性部材50及び位置決めアセンブリ60を含み、該調節部材30、該調節ベース40及び該弾性部材50は、該ボルト本体の軸方向に沿って該ボルト本体内に設けられ、且つ該ボルトヘッド10と該ボルトベース20との間に位置し、該位置決めアセンブリ60は該ボルト本体に設けられ、該調節アセンブリの位置決めに用いられる。
【0010】
図2図4に示すように、該ボルトヘッド10内に空間を有し、撃発孔11、空気取り入れ孔12、凹溝13、及び位置決め孔14が設けられ、該撃発孔11は、該ボルトヘッド10の軸方向に沿って該ボルトヘッド10の先端(図2左側)から内部に伸び、該凹溝13は、該ボルトヘッド10の内部に位置するとともに、該ボルトヘッド10の軸方向に沿って設置され、該凹溝13の内部は、該空気取り入れ孔12と連通し、該撃発孔11は、該凹溝13にまで伸び、該凹溝13の内部を介して該空気取り入れ孔12と連通し、該位置決め孔14は、該ボルトヘッド10の径方向に沿って貫通して設置され、該ボルトヘッド10の側辺から内側へ伸びる。
【0011】
図2及び図3に示すように、該ボルトベース20は、該ボルトヘッド10の後端(図2右側)から該ボルトヘッド10内に挿入されるとともに、該ボルトヘッド10と固定結合される。具体的に、図5及び図6に示すように、前記ボルトヘッド10の底部に、直線的に対向する両第1結合孔16が設けられ、該ボルトベース20に第2結合孔22が設けられ、該両第1結合孔16及び該第2結合孔22に結合ロッド200が貫設されることで、該ボルトヘッド10と該ボルトベース20とを固定結合し、該ボルトベース20にはねじ穴21が設けられている。
【0012】
図2及び図3に示すように、該調節アセンブリの調節部材30は、回転することにより、該ボルトヘッド10の軸方向に沿って該空気取り入れ孔12と該撃発孔11との間をリニア移動でき、また、該調節アセンブリの調節ベース40が、該ボルトベース20と螺合されて、図2の右側から左側に向かって該調節部材30を押し当て、該弾性部材50が、図2の左側から右側に向かって該調節部材30に押圧されることにより、該調節部材30が該調節ベース40と該弾性部材50との間に位置決めされる。
【0013】
具体的に、図5及び図6に示すように、調節部材30は、相対する両端にそれぞれ位置する、1つの調節部31及び複数の第1当接爪32を含み、該調節部31は、六角形を呈するとともに、該撃発孔11に向かって該凹溝13に伸び、更に、該調節ベース40に、相対する両端にそれぞれ位置する、1つの螺合部41及び複数の第2当接爪42が設けられ、そのうち該螺合部41は、該ボルトベース20のねじ穴21に螺合され、前記第2当接爪42は、前記第1当接爪32と互いにフィットし合い、該弾性部材50は圧縮ばねであり、該凹溝13内に設けられるとともに、該調節部31を囲み、該弾性部材50の一端は、該凹溝13の溝底に押圧し、該弾性部材50の他端は、該調節部31と該複数の第1当接爪32との連接箇所に押圧する。
【0014】
図1図3に示すように、弾の射撃時の初速(すなわち、撃発初速)を調節する時、レンチWを撃発孔11からボルトヘッド10内に挿入して、該六角レンチであるレンチWを該調節部31と嵌め合わせ、該調節部材30を従動的に回転させ、前記第1当接爪32を前記第2当接爪42に押し当てて該調節ベース40を従動的に回転させ、該螺合部41を該ボルトベース20のねじ穴21に対してねじ込ませたり、緩めたりすることで、該調節ベース40の動きに従動して該調節部材30を該空気取り入れ孔12と該撃発孔11との間をリニア移動させて、該空気取り入れ孔12と該撃発孔11との間の通路断面積を変更し、該撃発孔11に向かって流れる気流の量を調整することにより、撃発初速を調節する効果を達成する。そして、該弾性部材50が該調節部材30のリニア移動に伴い弾性変形して該調節部材30に当て続けているので、調節完成後に位置決めを維持する効果を奏する。
【0015】
図5図7に示すように、該調節ベース40はさらに複数の凹溝43を含み、該複数の凹溝43は、該螺合部41と該第2当接爪42との間に位置し、ボルトヘッド10の軸方向周りに環状に並べられ、該位置決めアセンブリ60は結合部材61、位置決め部材62、弾性ユニット63を含み、図3及び図5に示すように、該位置決めアセンブリ60は、ボルト本体の径方向に沿って設置され、具体的に、該結合部材61は該ボルトヘッド10の位置決め孔14に結合され、該位置決め部材62は、該結合部材61と該調節ベース40との間に設けられ、該弾性ユニット63は圧縮ばねであり、該弾性ユニット63の一端は、該結合部材61の固定位置に結合され、該弾性ユニット63の他端は、該位置決め部材62を1つの凹溝43に押し当てて、該調節ベース40の該ボルトヘッド10に対する回転を制限する。
【0016】
撃発初速を調節する時は、操作者がレンチWで一定値を超えるトルクを加えて、該調節部材30及び該調節ベース40が該ボルト本体に対して回転できるようにし、これにより、該位置決め部材62が該弾性ユニット63を圧縮し、該位置決め部材62を元の前記凹溝43から離脱させて該複数の凹溝43の間で移動させ、そして、該位置決め部材62がある前記凹溝43に移動すると、撃発初速の調節が完了する。操作者は、該調節部材30を回すためにトルクを加えなく、該弾性ユニット63は、該位置決め部材62を前記凹溝43内に押し当てることにより、該調節アセンブリを再度位置決めし、該調節アセンブリの回転を制限する。
【0017】
図1図3及び図8に示すように、ボルトアセンブリはさらにボルトスリーブ71を含み、調節完了後、該ボルトアセンブリは、該ボルトスリーブ71を介して該玩具銃の銃本体90中に取り付けられ、該ボルトスリーブ71内に第1空間711と第2空間712が形成され、該ボルトアセンブリは該第1空間711内に設けられ、該ボルトスリーブ71には、該第2空間712及びボルトスリーブ71の外部と連通するための、相対する両開口713が設けられ、該引張ばね714は該第1空間711と第2空間712との間を閉塞して上記両者を隔てる。該ボルトアセンブリはさらに、弾性を有する緩衝部材72を含み、本発明の実施例において、該緩衝部材72として引張ばねを採用しており、ボルトベース20の内部に引張ばねピン23が設けられ、反動に対応するために、該緩衝部材72の相対する両端は夫々該引張ばねピン23と該引張ばね714に設けられる。
【0018】
使用の際に、弾が気体によって該撃発孔11から撃発されるときに、図9に示すように、該ボルトスリーブ71は、反動の影響で該ボルトアセンブリに対して図9の右側に向かって移動し、該緩衝部材72を引き離して復帰ばね91を圧縮する。このとき、該ボルトアセンブリは、該ボルトスリーブ71によって囲まれる部分が減少するため、ボルト本体内部における撃発用の気体の発散に寄与するとともに、反動も該ボルト本体及びその内部の部材に作用し、また、該位置決め部材62が前記凹溝43内に押し当てられることになることから、該調節アセンブリが反動によって該ボルト本体に対して回転するように振動する事態を回避し、該調節アセンブリが調節済みの位置から移動するのを防止できるので、該調節アセンブリは調節後の位置に安定に位置し、撃発初速は、弾を撃発した後でも調節の際に設定された値に維持できる。
【0019】
調節ベース84とボルトベース82との螺合位置に位置決めを行うための位置決めリング86を設置する従来の玩具銃の調整可能なボルト80において、反動の影響で撃発初速が調節後に設定値からずれやすい問題を有するのに対し、本発明は調節の際に、一定値を超えるトルクを加えることで該調節アセンブリを回すことにより、該位置決め部材62が該弾性ユニット63を従動的に弾性変形させて該複数の凹溝43の間で移動でき、調節後、該弾性ユニット63が該位置決め部材62を1つの前記凹溝43内に押し当てるので、該調節アセンブリの該ボルト本体に対する回転を制限し、該調節アセンブリを位置決めし、反動を受ける際に、該調節アセンブリが該ボルト本体に対して回転するように振動する事態を有効に防止し、該調節アセンブリが変位することが避けられる。これにより、撃発初速を維持できる玩具銃を提供する。
【0020】
図2に示すように、本発明の実施例においては、ボルトアセンブリがさらに位置規制部材73を含み、該位置規制部材73は、螺着方式で該ボルトスリーブ71上に固定され、ボルトヘッド10の外周に止め段差15が形成される。図9に示すように、ボルトスリーブ71が反動によって該ボルトヘッド10に対して移動するストロークの限界は、該位置規制部材73が該止め段差15に押し当てられるまでに設定され、そして、該ボルトスリーブ71は、該ボルトヘッド10を引っ張ってさらに後(図9右側)に向かって僅かに移動し、反動の影響が終わってから、該復帰ばね91及び該緩衝部材72は、該ボルトスリーブ71、該ボルトヘッド10、及び該ボルトベース20を本来の位置に復帰させると、1回の射撃動作を完成する。
【0021】
本発明の実施例において、該位置決めアセンブリ60は該結合部材61を含み、圧縮ばねを採用する該弾性ユニット63は、該結合部材61に押し当てて該ボルトヘッド10の位置決め孔14の中に固定設置されているが、他の実施例においては、該結合部材61及び該位置決め孔14を省略して、該ボルトヘッド10の内側面に凹設される孔溝に直接に該弾性ユニット63を設置してもよいし、該弾性ユニット63として他の弾性を有する部材を採用し、直接に該ボルト本体に結合してもよい。つまり、該弾性ユニット63を該ボルト本体の固定位置に設置して位置決め部材62を前記凹溝43内に押し当てて、本発明の位置決め効果を達成できるものであれば、該位置決め部材62及び該弾性ユニット63の設置方式は如何なるものでもよい。
【0022】
本発明の実施例において、調節アセンブリは、調節部材30及び調節ベース40を含み、該調節ベース40は、ボルトベース20に螺合されるとともに、該弾性部材50と協働することによって、リニア移動による調節及び位置決めが行える効果を達成するものであるが、他の実施例においては、該調節アセンブリ及び該弾性部材50に従来の玩具銃のボルトの調節構造を採用してもよく、即ち、該調節アセンブリに複数の前記凹溝43が設けられ、該位置決め部材62が弾性ユニット63によって前記凹溝43内に押し当てられることにより該調節アセンブリと該ボルト本体とを位置決めできるとともに、一定値を超えるトルクを加えるときに、該弾性ユニット63を弾性変形させて該位置決め部材62を複数の前記凹溝43の間で移動させられるものであれば、該調節アセンブリの形式は、本発明の実施例に限らない。
【0023】
本発明の実施例においては、位置決め部材62として位置決め用ボールを採用しており、前記凹溝43の底面は円弧形を呈するが、他の実施例においては、該位置決め部材62が、円弧形の端部が前記凹溝43と接触する細長い部材であってもよく、前記凹溝43の底面が両斜面に接続する平面であってもよく、これにより、該調節ベース40が回転するときに、該位置決め部材62は、いずれかの斜面に沿って他の前記凹溝43に移動できる。なお、該位置決め部材62と前記凹溝43の形式は本発明の実施例に限らない。
【0024】
図3図5に示すように、本発明の実施例においては、該結合部材61が該位置決め孔14に螺合されているので、該結合部材61、該位置決め部材62及び該弾性ユニット63の取り出しが容易になるだけでなく、該弾性ユニット63が弾性疲労で位置決めの作用が低下したときに、再び該結合部材61をさらに該ボルトヘッド10内にねじ込むことにより、該位置決め部材62を安定して前記凹溝43中に押し当てることができ、確実な位置決め効果を奏する。さらに、図4及び図5に示すように、該結合部材61にはさらに収容溝611が設けられ、弾性ユニット63が該収容溝611内に収容され、該収容溝611により、該弾性ユニット63が弾性変形の過程においてずれることが発生しないように、該弾性ユニット63を制限できる。
【0025】
また、レンチWで前記調節部材30を回して撃発初速を調節するときに、該位置決め部材62が該弾性ユニット63によって前記凹溝43内に押し当てられる度に生じる音及びスナップフィット感を、操作者に現時点で調節された距離を知らせるための注意喚起とすることができ、そして図5に示すように、本発明の実施例において、該調節ベース40の複数の凹溝43は等角に分布するように並び、該位置決め部材62が先の前記凹溝43から次の前記凹溝43に移動するたびに、該調節ベース40が該調節部材30とともに該ボルトヘッド10の軸方向に沿って固定の距離を移動したことを意味するので、撃発初速を安定して調整することに寄与し、撃発初速の調節を明確に数値化しやすく、玩具銃の使用をより便利にする。
【符号の説明】
【0026】
10 ボルトヘッド
11 撃発孔
12 空気取り入れ孔
13 凹溝
14 位置決め孔
15 止め段差
16 第1結合孔
20 ボルトベース
200 結合ロッド
21 ねじ穴
22 第2結合孔
23 引張ばねピン
30 調節部材
31 調節部
32 第1当接爪
40 調節ベース
41 螺合部
42 第2当接爪
43 凹溝
50 弾性部材
60 位置決めアセンブリ
611 収容溝
62 位置決め部材
63 弾性ユニット
71 ボルトスリーブ
711 第1空間
712 第2空間
713 開口
714 引張ばね
72 緩衝部材
73 位置規制部材
80 調整可能なボルト
81 ボルトヘッド
811 撃発孔
812 空気取り入れ口
82 ボルトベース
83 調節部材
84 調節ベース
85 弾性部材
86 位置決めリング
90 銃本体
91 復帰ばね
W レンチ
【要約】      (修正有)
【課題】撃発初速を維持できる玩具銃を提供する。
【解決手段】玩具銃は、銃本体と、ボルトアセンブリと、を含み、ボルトアセンブリは銃本体内に設けられ、ボルト本体と、調節アセンブリと、位置決めアセンブリと、を含み、調節アセンブリはボルト本体内に設けられ、撃発初速を調節するようにボルト本体に対して回転してリニア移動でき、調節アセンブリは環状に並ぶ複数の凹溝が設けられ、位置決めアセンブリは位置決め部材及び弾性ユニットを含み、調節の際に、一定値を超えるトルクを加えることにより、位置決め部材が弾性ユニットを従動的に弾性変形させるように調節アセンブリを回し、位置決めの際に、弾性ユニットは位置決め部材を凹溝内に押し当てることにより、反動により調節アセンブリが振動してボルト本体に対して回転する事態を回避し、調節アセンブリが調節済みの位置からずれることを防止し、これにより、調節後の撃発初速を維持できる。
【選択図】図1
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