(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
B63H 1/36 20060101AFI20241225BHJP
B63H 23/26 20060101ALI20241225BHJP
B63B 79/10 20200101ALI20241225BHJP
【FI】
B63H1/36
B63H23/26
B63B79/10
(21)【出願番号】P 2023535009
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 CN2022129044
(87)【国際公開番号】W WO2023240895
(87)【国際公開日】2023-12-21
【審査請求日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202210670741.5
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521028338
【氏名又は名称】深▲セン▼▲職▼▲業▼技▲術▼学院
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】謝 鋒然
(72)【発明者】
【氏名】鄭 長鎮
(72)【発明者】
【氏名】董 兵兵
(72)【発明者】
【氏名】連 国云
(72)【発明者】
【氏名】戴 明
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105292425(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109515668(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106081036(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112896474(CN,A)
【文献】中国実用新案第2868840(CN,Y)
【文献】中国実用新案第212313843(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 1/36
B63H 23/26
B63B 79/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚体と当該魚体に連結されているテールフィンを含むインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚であって、前記テールフィンには
前記魚体の長手方向に順に連結されている複数の空気室が形成され、前記魚体はケースと
、当該ケース内に取り付けられるガスタンク
、空気吸引装置
、及び前記ガスタンク及び前記空気吸引装置に電気接続されている制御装置とを含み、前記ガスタンク、前記空気吸引装置及び前記複数の空気室はパイプにより空気循環可能に連結され、
前記制御装置が前記ガスタンク又は前記空気吸引装置を制御し、前記ガスタンクは前記空気室内に空気を注入することにより該空気室内の気圧を事前設定気圧値にし、前記空気吸引装置は前記空気室内の空気を吸引して前記ガスタンクに注入すること
で、前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を調節することを特徴とするインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚。
【請求項2】
前記空気室は、
前記魚体の長手方向に順に連結されている第一空気室、第二空気室及び第三空気室を含み、前記第二空気室が形成されない前記第一空気室の一側はテールフィンの空気入口とテールフィンの空気出口が形成され、前記テールフィンの空気入口はパイプにより前記ガスタンクの空気出口に連結され、前記テールフィンの空気出口はパイプにより前記空気吸引装置の空気入口に連結されることを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚。
【請求項3】
前記第一空気室と前記第二空気室との間には第一気圧作動型スイッチが取り付けられ、前記第二空気室と前記第三空気室との間には第二気圧作動型スイッチが取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚。
【請求項4】
前記ガスタンクと前記テールフィンの空気入口との間のパイプ上には第一電磁弁が取り付けられ、前記空気吸引装置と前記テールフィンの空気出口との間のパイプ上には第二電磁弁が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚。
【請求項5】
前記空気吸引装置と前記第二電磁弁との間のパイプ上には空気吸引パイプが取り付けられ、前記空気吸引装置から離れている前記空気吸引パイプの一端には前記ケースに向いている開口が形成され、前記空気吸引パイプ上には第三電磁弁が取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚。
【請求項6】
前記第一電磁弁と前記第一空気室との間のパイプ上には気圧センサーが取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚。
【請求項7】
前記空気吸引装置は空気圧縮機であることを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚。
【請求項8】
前記ケース内には密閉室が形成され、前記制御装置は前記密閉室内に取り付けられることを特徴とする請求項
1に記載のインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚。
【請求項9】
前記請求項1~
8のうちいずれか一項に記載のインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の制御方法において、前記制御方法は、
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の前記テールフィンのフラッピング周波数とテールフィンのフラッピング振幅を設定することを設定するステップと、
前記テールフィンのフラッピング周波数とテールフィンのフラッピング振幅により前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を確定するステップと、
前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比により前記ガスタンクの空気を前記空気室内に注入することにより前記空気室内の気圧を事前設定気圧値にし、それにより前記テールフィンの剛性を事前設定値に調節するステップと、
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動きに対する需要が変化するとき、前記空気室内の気圧及び/或いは前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を随時に調節することにより前記テールフィンの剛性を適当に調節するステップとを含むことを特徴とするインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオミメティックの技術分野に属し、特に、インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バイオミメティック・ロボット魚の推進方式が異なることによりバイオミメティック・ロボット魚は、魚体とテールフィンによる推進方法(BCF)を採用するロボット魚と、中央の2つのテールフィンによる推進方法(MPF)を採用するロボット魚に大別される。MPF型ロボット魚と比較してみると、BCF型ロボット魚は、推進効力が高く、起動速度が速く、水中で高速作業を長くすることができる特徴を有している。したがって、多くの発明者と研究者はBCF型ロボット魚に注目を集めている。従来のBCF型ロボット魚はテールフィンの剛性を自動に調節する能力を有していないので、環境が変わるときBCF型ロボット魚は最高の動作性能及び操作性能を発揮することができない。それにより、前進するときのエネルギーの消耗が増加し、操作のフレキシビリティーが低下し、いろいろな環境に対する適応性が低下するおそれがある。
【0003】
自然の魚の魚体の剛性は通常、魚体の前部から後部に向いて逓減している。その魚が水中で巡航するとき、尾部の筋肉のリラクセーションを制御することにより、魚体の剛性を変化させることができる。それによりその魚はいろいろな環境に適応することができる。テールフィンの剛性が均等に配置されているロボット魚の移動を研究してみると、テールフィンの剛性が増加することにより推進の効力を向上させることができるが、テールフィンの剛性が高いことによりロボット魚の移動のフレキシビリティーが大幅に低下するおそれがある。いろいろな材料で構成されるテールフィンである場合テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を調節することができる。剛性部と柔軟性部の結合比が変化しない場合と比較してみると、テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を適当に調節することによりロボット魚の推進力を大幅に向上させることができる。しかしながら、従来のロボット魚はいろいろな巡航状態によりテールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を自動に調節することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、従来の技術を改良する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来の技術の欠点を解決するため、本発明はインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚及びその制御方法を提供することにより、従来のロボット魚がテールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を自動に調節することができない問題を解決する。
【0006】
前記技術的事項を解決するため、本発明は下記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚を提供する。
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚は魚体と当該魚体に連結されているテールフィンを含み、前記テールフィンには順に連結されている複数の空気室が形成され、前記魚体はケースと当該ケース内に取り付けられるガスタンク及び空気吸引装置とを含み、前記ガスタンク、前記空気吸引装置及び前記複数の空気室はパイプにより空気循環可能に連結され、前記ガスタンクは前記空気室内に空気を注入することにより当該空気室内の気圧を事前設定気圧値にし、前記空気吸引装置は前記空気室内の空気を吸引して前記ガスタンクに注入する。
【0007】
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚において、前記空気室は、順に連結されている第一空気室、第二空気室及び第三空気室を含み、前記第二空気室が形成されない前記第一空気室の一側はテールフィンの空気入口とテールフィンの空気出口が形成され、前記テールフィンの空気入口はパイプにより前記ガスタンクの空気出口に連結され、前記テールフィンの空気出口はパイプにより前記空気吸引装置の空気入口に連結される。
【0008】
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚において、前記第一空気室と前記第二空気室との間には第一気圧作動型スイッチが取り付けられ、前記第二空気室と前記第三空気室との間には第二気圧作動型スイッチが取り付けられている。
【0009】
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚において、前記ガスタンクと前記テールフィンの空気入口との間のパイプ上には第一電磁弁が取り付けられ、前記空気吸引装置と前記テールフィンの空気出口との間のパイプ上には第二電磁弁が取り付けられている。
【0010】
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚において、前記空気吸引装置と前記第二電磁弁との間のパイプ上には空気吸引パイプが取り付けられ、前記空気吸引装置から離れている前記空気吸引パイプの一端には前記ケースに向いている開口が形成され、前記空気吸引パイプ上には第三電磁弁が取り付けられている。
【0011】
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚において、前記第一電磁弁と前記第一空気室との間のパイプ上には気圧センサーが取り付けられている。
【0012】
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚において、前記空気吸引装置は空気圧縮機である。
【0013】
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚において、前記ケース内には制御装置が更に取り付けられ、前記制御装置は前記空気吸引装置に電気接続されている。
【0014】
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚において、前記ケース内には密閉室が形成され、前記制御装置は前記密閉室内に取り付けられる。
【0015】
前記いずれか1つのインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の制御方法において、前記制御方法は、
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の前記テールフィンのフラッピング周波数とテールフィンのフラッピング振幅を設定することを設定するステップと、
前記テールフィンのフラッピング周波数とテールフィンのフラッピング振幅により前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を確定するステップと、
前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比により前記ガスタンクの空気を前記空気室内に注入することにより前記空気室内の気圧を事前設定気圧値にし、それにより前記テールフィンの剛性を事前設定値に調節するステップと、
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動きに対する需要が変化するとき、前記空気室内の気圧及び/或いは前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を随時に調節することにより前記テールフィンの剛性を適当に調節するステップとを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明のインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚により下記発明の効果を奏することができる。具体的に、前記ガスタンク内の空気を一部の前記空気室に注入しかつ前記空気室内の気圧を事前設定気圧値にすることにより、前記テールフィンの剛性を増加させ、前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を調節することができる。すなわち、いろいろな巡航状態により空気が注入される空気室の数量を確定し、それにより前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を自動に調節することができる。また、前記空気室内の気圧を調節することにより前記テールフィンの剛性を調節することができる。したがって、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚が水中で巡航するとき、推進の性能と操作のフレキシビリティーを同時確保し、エネルギーの消耗を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例に係るインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の構造を示す図である。
【
図2】本発明の実施例に係るインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の(魚体が透明状態にされている)構造を示す図である。
【
図3】本発明の実施例に係るインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の魚体の構造を示す図である。
【
図4】本発明の実施例に係るインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚のテールフィンの構造を示す図である。
【
図5】本発明の実施例に係るインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚のテールフィンの構造を示す他の観察角度下の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明においてインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚及びその制御方法を提供する。この発明の目的、技術的特徴及び発明の効果を詳細に明確に理解してもらうため、以下、図面によりこの発明の実施例をより詳細に説明する。下記具体的な実施例は、この発明を説明するものであり、この発明を限定するものでない。
【0019】
注意すべきことは、1つの部品が他の部品に「固定」されるか或いは「設置」されるとは1つの部品が他の部品に直接または間接的に固定されるか或いは設置されることを意味する。同様に、1つの部品が他の部品に「連結」されるとは1つの部品が他の部品に直接または間接的に連結されることを意味する。
【0020】
注意すべきことは、本発明の実施例に係る図面において同様または類似の符号で同様または類似の部品を表す。本発明の明細書において、「上」、「下」、「右」、「左」等の用語が定めた方向または位置は図面上の方向または位置を表すものである。それらは、本発明の事項を説明するものであり、装置または部品の特定の方向または位置を明示するか或いは暗示するものでない。図面上の位置を表す用語は、本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明を制限するものでない。この技術分野の技術者は具体的の状況により各用語の具体的な意味を適当に理解することができる。
【0021】
本発明の明細書において、「第一」、「第二」等の用語は、複数の事項を区分するものであり、各事項の重要性または各事項の数量を明示するか或いは暗示するものでない。「第一」、「第二」等がついている特徴はその特徴が1つまたは複数であることを明示するか或いは暗示する。本発明の明細書において、特別な説明がない限り、「複数」とは2つまたは2個以上を指す。
【0022】
以下、図面により本発明の実施例を説明することにより本発明の事項をより詳細に説明する。
【0023】
本発明の実施例においてインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚(Intelligent biomimetic robotic fish)及びその制御方法を提供する。
図1、
図2及び
図4に示すとおり、インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚は魚体(fish body)とテールフィン(tail fin)1を含み、前記魚体は前記テールフィン1に連結される。前記ロボット魚の魚体とテールフィンの形状は実際の魚の魚体とテールフィンの形状に類似している。前記テールフィン1には順に連結されている複数の空気室(air chamber)が形成され、複数の前記空気室の配列方向は前記魚体の長手方向に平行である。前記空気室内の気圧を調節することにより前記テールフィン1の剛性(stiffness)を調節することができる。前記魚体はケース2と当該ケース2内に取り付けられるガスタンク3及び空気吸引装置4とを含む。前記ガスタンク3、前記空気吸引装置4及び前記空気室はパイプにより空気循環可能に連結されている。前記空気吸引装置4は空気圧縮機(air compressor)であることができる。前記空気吸引装置4は外部の空気を前記ガスタンク3に注入するか或いは前記空気室内の空気を前記ガスタンク3に注入することにより前記ガスタンク3内の気圧を所定の気圧値にすることができる。前記ガスタンク3は一定の圧力を有している空気を貯蔵するか或いは前記ガスタンク3内の空気をパイプにより前記空気室内に注入することができる。前記ガスタンク3は前記空気室内に空気を注入しかつ前記空気室内の気圧を事前設定気圧値にすることにより、前記テールフィン1の剛性を増加させ、前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部が連結された構造(rigid-flexible coupling)を獲得することができる。前記空気吸引装置4は前記空気室内の空気を吸引して前記ガスタンク3に注入することにより前記テールフィン1の剛性を低減することができる。前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部が連結される構造とは、前記テールフィン1の各空気室において、一部の空気室に空気が注入されることによりその空気室は一定の剛性を有し(剛性部)、他の一部に空気が注入されないことによりその空気室は柔軟状態にされ(柔軟性部)、かつ前記剛性部と柔軟性部が連結される構造をいう。
【0024】
自然の魚の魚体の剛性は通常、魚体の前部から後部に向いて逓減している。その魚が水中で巡航(cruise)するとき、尾部の筋肉のリラクセーション(relaxation)を制御することにより、魚体の剛性を変化させ、推進力を適当に調節することができる。それによりその魚はいろいろな環境に適応することができる。本発明のインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚において、前記テールフィン1が完全な剛性状態にされているとき、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の推進の効率を向上させることができるが、操作のフレキシビリティー(flexibility)が大幅に低下するおそれがある。前記テールフィン1のすべての空気室に空気を注入することにより前記テールフィン1を完全な剛性状態にするか或いは、前記テールフィン1の任意のすべての空気室に空気を注入しないことにより前記テールフィン1を完全なフレキシブル状態にするとき、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の前進の効率と操作のフレキシビリティーを同時確保することができない。したがって、前記テールフィン1の所定の空気室に空気を注入することにより前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部された連結状態を確保する必要がある。前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部が連結状態にされているとき、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の推進の効率と操作のフレキシビリティーを同時向上させることができる。周知のように、魚体の剛性は魚体の前部から後部に向いて逓減する。そのため、本実施例において、一部の空気室に空気を注入するとき、まず、前記魚体にもっとも近づいている空気室に空気を注入する。その空気室に対する空気の注入を終わると、その空気室に隣接しているつぎの空気室に空気を注入する。
【0025】
本発明の実施例において、前記ガスタンク3内の空気を一部の前記空気室に注入しかつ前記空気室内の気圧を事前設定気圧値にすることにより、前記テールフィン1の剛性を増加させ、前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部の結合比を調節することができる。すなわち、いろいろな巡航状態により空気が注入される空気室の数量を確定し、それにより前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を自動に調節することができる。また、前記空気室内の気圧を調節することにより前記テールフィンの剛性を調節することができる。したがって、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚が水中で巡航するとき、推進の性能と操作のフレキシビリティーを同時確保し、エネルギーの消耗を低減することができる。
【0026】
本発明の実施例において、
図4に示すとおり、前記空気室の数量は3つであり、それらは順に連結されている第一空気室5、第二空気室6及び第三空気室7である。前記第一空気室5は前記魚体に近づいている位置に形成され、前記第三空気室7は前記魚体から離れている位置に形成されている。
図5に示すとおり、前記第二空気室6が形成されない前記第一空気室5の一側はテールフィンの空気入口8とテールフィンの空気出口9が形成され、前記テールフィンの空気入口8はパイプにより前記ガスタンク3の空気出口に連結され、前記テールフィンの空気出口9はパイプにより前記空気吸引装置4の空気入口に連結される。前記ガスタンク3内の空気を前記テールフィンの空気入口8により前記第一空気室5に注入することができる。前記空気吸引装置4が作動するとき、前記第一空気室5内の空気は前記テールフィンの空気出口9によりパイプ側に流動し、かつ前記ガスタンク3内に流入することができる。前記第一空気室5と前記第二空気室6との間及び、前記第二空気室6と前記第三空気室7との間にスイッチがそれぞれ取り付けられることにより空気通路の開閉を制御することができる。前記ガスタンク3内の空気を前記第一空気室5に注入するとき、前記第一空気室5内の気圧は増加し、前記第一空気室5に対応する位置の剛性も増加する。その場合、前記第一空気室5と前記第二空気室6との間のスイッチを開けると、前記第一空気室5の空気は前記第二空気室6内に流動することができる。それにより、前記第一空気室5内の気圧と前記第二空気室6内の気圧は同時増加し、前記テールフィン1の前記第一空気室5と前記第二空気室6にそれぞれ対応する位置の剛性も増加することができる。
【0027】
前記第一空気室5と前記第二空気室6との間には第一気圧作動型スイッチ12が取り付けられ、前記第二空気室6と前記第三空気室7との間には第二気圧作動型スイッチ13が取り付けられることができる。気圧が気圧臨界値に達するとき、第一気圧作動型スイッチ12と第二気圧作動型スイッチ13はいずれもオン状態にされることができる。前記第一空気室5内の気圧が前記第一気圧作動型スイッチ12の気圧臨界値に達すると、前記第一気圧作動型スイッチ12はオン状態にされ、前記第一空気室5の空気は前記第二空気室6内に流動することができる。前記第二空気室6内の気圧が前記第二気圧作動型スイッチ13の気圧臨界値に達すると、前記第二気圧作動型スイッチ13はオン状態にされ、前記第二空気室6の空気は前記第三空気室7内に流動することができる。前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚が水中で巡航するとき、前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部の結合比により前記第一気圧作動型スイッチ12と前記第二気圧作動型スイッチ13の開閉を制御することができる。例えば、前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部の結合比が1:2であるとき、前記第一気圧作動型スイッチ12と前記第二気圧作動型スイッチ13をオフ状態にし、前記第一空気室5の気圧のみを事前設定値に調節することができる。前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部の結合比が2:1であるとき、前記第一気圧作動型スイッチ12をオン状態にし、前記第二気圧作動型スイッチ13をオフ状態にすることにより、前記第一空気室5と前記第二空気室6の気圧を事前設定値に調節することができる。前記第一気圧作動型スイッチ12と前記第二気圧作動型スイッチ13の開閉は気圧臨界値を設定することと前記第一空気室5及び前記第二空気室6の気圧の事前設定値を制御することとにより制御することができる。例えば、前記第一気圧作動型スイッチ12を開ける必要がないとき、前記第一気圧作動型スイッチ12の気圧臨界値を前記第一空気室5の希望の気圧値より大きくすることができる。前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部の結合比及び気圧を調節することにより、前記テールフィン1の剛性を調節し、かつ前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の推進の効率と操作のフレキシビリティーを同時向上させることができる。
【0028】
図3に示すとおり、前記ガスタンク3と前記テールフィンの空気入口8との間のパイプ上には第一電磁弁(solenoid valve)14が取り付けられ、前記空気吸引装置4と前記テールフィンの空気出口9との間のパイプ上には第二電磁弁15が取り付けられている。最初の時、前記第一電磁弁14と前記第二電磁弁15はいずれもオフ状態にされている。前記ガスタンク3の空気を前記空気室に注入する必要があるとき、前記第一電磁弁14をオン状態にし、かつ前記第二電磁弁15のオフ状態を維持する。前記ガスタンク3の空気を前記空気室に注入する操作が終わると、前記第一電磁弁14をオフ状態にする必要がある。前記空気室内の気圧を減少させることにより前記テールフィン1の剛性を減少させる必要があるとき、前記第二電磁弁15をオン状態にし、かつ前記第一電磁弁14のオフ状態を維持する。その場合、前記空気吸引装置4は前記空気室内の空気を吸引して前記ガスタンク3に送入することができる。
【0029】
本発明の実施例において、前記空気吸引装置4と前記第二電磁弁15との間のパイプ上には空気吸引パイプ16が取り付けられ、前記空気吸引装置4から離れている前記空気吸引パイプ16の一端には前記ケース2に向いている開口が形成され、前記空気吸引パイプ16上には第三電磁弁17が取り付けられている。インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚を水に入れる前、前記第三電磁弁17をオン状態にし、かつ前記空気吸引装置4の作動を制御することにより外部の空気を前記ガスタンク3に送入する必要がある。外部の空気は前記空気吸引パイプ16により前記ガスタンク3に送入される。前記ガスタンク3内の空気の容量が所定の容量になると、前記第三電磁弁17をオフ状態にするとともに前記空気吸引装置4の作動を停止させる。
【0030】
前記第一電磁弁14と前記第一空気室5との間のパイプ上には気圧センサー18が取り付けられている。前記気圧センサー18は、前記空気室内の気圧を検出し、かつその検出結果により前記第一電磁弁14の開閉を制御する。例えば、前記ガスタンク3内の空気を前記第一空気室5を注入することにより前記第一空気室5の気圧が事前設定値に達し、かつ前記第二空気室6内に空気を更に注入する必要がない。その場合、前記第一電磁弁14をオフ状態にすることにより前記第二電磁弁15内の気圧を維持することができる。
【0031】
図2に示すとおり、前記ケース2内には制御装置19が更に取り付けられ、前記制御装置19は、前記空気吸引装置4、前記第一電磁弁14、前記第二電磁弁15、前記第三電磁弁17、前記第一気圧作動型スイッチ12、前記第二気圧作動型スイッチ13及び前記気圧センサー18に電気接続されている。前記制御装置19により、前記空気吸引装置4と前記気圧センサー18の作動(状態)を制御し、かつ前記第一電磁弁14、前記第二電磁弁15、前記第三電磁弁17、前記第一気圧作動型スイッチ12および前記第二気圧作動型スイッチ13の開閉を制御することができる。
【0032】
前記ケース2内には密閉室20が形成され、前記制御装置19は前記密閉室20内に取り付けられることができる。それにより、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚が水で泳ぐとき、前記制御装置19に進水することにより制御装置19が破損されることを防止することができる。前記密閉室20には密閉蓋23が取り付けられ、前記密閉蓋23は前記密閉室20の開口に取り付けられる。前記制御装置19の反対側に位置する前記密閉蓋23の一面と前記ケース2の外表面が平坦な表面を形成するように接続されることにより前記ケース2の外観の美観を確保することができる。
【0033】
前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部の結合比は前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動作パラメーター(Motion Parameters)により確定され、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動作パラメーターは前記制御装置19により設定されるか或いは調節される。例えば、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚が初めて水に入るとき、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の推進力を増加させることにより前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の起動と前進を確保する必要がある。そのとき、前記制御装置19により前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動作パラメーターを設定することができる。例えば、テールフィンのフラッピング周波数(flapping frequency)を2Hzに設定し、テールフィンのフラッピング振幅を30°に設定することができる。好適な推進効率を獲得するため、前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部の結合比を2:1に自動に調節することができる。前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部の結合比を2:1にするため、前記制御装置19は前記第一電磁弁14をオン状態にする。その場合、前記ガスタンク3内の空気は前記第一空気室5に流入することができる。前記第一空気室5と前記第二空気室6の開閉を制御する前記第一気圧作動型スイッチ12は常にオフ状態にされている。前記第一空気室5内の気圧が前記第一気圧作動型スイッチ12の気圧臨界値に達すると、前記第一気圧作動型スイッチ12はオン状態にされ、前記第一空気室5内の空気は前記第二空気室6に流入することができる。前記第二気圧作動型スイッチ13の気圧臨界値が前記第一気圧作動型スイッチ12の気圧臨界値より大きく設定されることにより、前記第二気圧作動型スイッチ13は常にオフ状態にされており、前記第二空気室6内の空気は前記第三空気室7内に流入することができない。パイプ上に取り付けられる気圧センサー18はパイプ内の気圧を検出するとともに検出された気圧値を制御装置19に送信する。前記気圧センサー18は、前記第一空気室5と前記第二空気室6内の気圧が事前設定値に達することが検出されると、前記空気吸引装置4がオフ状態にされるように制御する。それにより前記第一空気室5と前記第二空気室6内の気圧が一定の数値以上にされていることを確保することができる。そのとき、前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部の結合比は2:1にされ、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚は速く前進することができる。前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚は通常、迅速に起動した後正常の速度で巡航する。迅速に起動するときより、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚が正常の速度で巡航するとき、より高い操作のフレキシビリティーが求められる。前記制御装置19は、前記第二電磁弁15がオン状態にされることと、前記空気吸引装置4が前記第一空気室5と前記第二空気室6内の空気を吸引して前記ガスタンク3に注入することとを制御する。前記第一空気室5と前記第二空気室6内の気圧が設定値まで低下すると、前記第二電磁弁15と前記空気吸引装置4をオフ状態にすることにより、前記テールフィン1の剛性を所定の剛性まで低減して維持する。それにより前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚は高いフレキシビリティーにより水中で巡航することができる。前記テールフィン1の気圧を調節する前記方法により、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚はいろいろな動き状態により前記テールフィン1の気圧値を適当に調節することができる。前記テールフィン1の第一気圧作動型スイッチ12と第二気圧作動型スイッチ13で前記テールフィン1の剛性部と柔軟性部の結合比を制御することにより前記テールフィン1の剛性を調節することができる。それにより、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚は動きに対する需要により自身の推進の効率と操作のフレキシビリティーを随時に調節することができる。
【0034】
前記魚体はフレーム24を更に含み、前記フレーム24は前記ケース2に連結される。前記フレーム24は前記魚体を支持することにより前記魚体が所定の強度を有するようにする。前記ガスタンク3を前記フレーム24に取り付けることにより前記ガスタンク3を所定の位置に固定させることができる。前記フレーム24は横方向部品241と縦方向部品242を含み、前記縦方向部品242は前記魚体の長手方向に垂直である。前記縦方向部品242は前記テールフィン1に近づいている前記横方向部品241の一端に形成され、前記横方向部品241と前記縦方向部品242は垂直に連結され、前記横方向部品241は前記縦方向部品242の中央に連結される。前記ケース2は剛性ケース21と柔軟性ケース22を含む。例えば、前記柔軟性ケース22は珪酸ゲル(silica gel)で製造されるケースであり、前記剛性ケース21はステンレススチール(stainless steel)で製造されるケースであることができる。前記剛性ケース21と前記柔軟性ケース22はそれぞれ、前記縦方向部品242の両側に連結され、前記剛性ケース21、前記ガスタンク3及び前記空気吸引装置4はいずれも、前記縦方向部品242の同一側に取り付けられ、前記ガスタンク3、前記空気吸引装置4及び前記密閉室20はいずれも、前記剛性ケース21内に取り付けられる。
【0035】
前記柔軟性ケース22内にはラダー25が取り付けられ、前記ラダー25は前記縦方向部品242に連結される。前記ラダー25にはテールフィン駆動部26が連結され、前記テールフィン駆動部26は前記柔軟性ケース22内に位置する。前記ラダー25から離れている前記ラダー25の一側は前記テールフィン1に連結される。前記ラダー25は前記制御装置19に電気接続され、前記制御装置19は前記ラダー25の作動を制御することにより前記ラダー25が前記テールフィン駆動部26のフラッピングを駆動するようにする。それにより前記テールフィン1がフラッピングをするように駆動することができる。前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動作パラメーターはテールフィンのフラッピング周波数とテールフィンのフラッピング振幅を含む。前記テールフィンのフラッピング周波数と前記テールフィンのフラッピング振幅が設定されると、制御装置19は前記ラダー25が前記テールフィン1のフラッピングを駆動するように制御する。それにより前記テールフィンのフラッピング周波数と前記テールフィンのフラッピング振幅を設定値にすることができる。
【0036】
前記ガスタンク3とテールフィンの空気入口8との間のパイプは空気入力パイプ10であり、前記空気吸引装置4と前記テールフィンの空気出口9との間のパイプは空気出力パイプ11である。前記空気入力パイプ10と前記空気出力パイプ11はいずれも、前記剛性ケース21から前記縦方向部品242側に延伸し、かつ前記縦方向部品242を貫通することにより前記柔軟性ケース22内まで延伸する。前記空気入力パイプ10と前記空気出力パイプ11が前記ラダー25の両側に取り付けられることにより、前記魚体の各部品がきちんと配列されることを確保し、前記魚体のバランスをとることができる。
【0037】
本発明の実施例において前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の制御方法を更に公開する。前記制御方法は、
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の前記テールフィンのフラッピング周波数とテールフィンのフラッピング振幅を設定することを設定するステップS1と、
前記テールフィンのフラッピング周波数とテールフィンのフラッピング振幅により前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を確定するステップS2と、
前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比により前記ガスタンクの空気を前記空気室内に注入することにより前記空気室内の気圧を事前設定気圧値にし、それにより前記テールフィンの剛性を事前設定値に調節するステップS3と、
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動きに対する需要が変化するとき、前記空気室内の気圧及び/或いは前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を随時に調節することにより前記テールフィンの剛性を適当に調節するステップS4とを含む。
【0038】
具体的に、まず、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動きに対する需要によりテールフィンのフラッピング周波数とテールフィンのフラッピング振幅を設定する。つぎに、前記テールフィンのフラッピング周波数とテールフィンのフラッピング振幅により前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を確定する。つぎに、前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比により前記ガスタンクの空気を前記空気室内に注入することにより前記空気室内の気圧を事前設定気圧値にし、それにより前記テールフィンの剛性を事前設定値に調節する。本実施例において、前記空気室の数量は3つであり、前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比は2:1であることができる。前記ガスタンク内の空気を前記魚体に近づいている2つの空気室に注入することによりその2つの空気室に対応する位置の剛性を所定の剛性まで増加させ、前記魚体の最遠端に位置している空気室に注入しないことによりその空気室に対応する位置の柔軟性を維持する。それにより前記テールフィンの剛性部と柔軟性部が連結された構造を獲得することができる。前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動きに対する需要が変化するとき、例えば、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動きに対する需要が低速巡航(Slow Cruise)から高推力推進(High thrust propulsion)に変化するとき、前記空気室内の気圧及び/或いは前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を随時に調節することにより前記テールフィンの剛性を適当に調節することができる。前記テールフィンの剛性を調節するとき、空気室の気圧のみを変化させることによりテールフィンの剛性を調節するか或いは、前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を同時調節することができる。空気を注入する空気室の気圧を空気がもう注入された空気室の圧力と同一にするか或いは、前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比と空気室の気圧を同時調節することができるが、本発明はそれを限定しない。前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動きに対する需要が変化するとき、前記テールフィンの剛性を適当に調節することにより、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚の動きの性能を向上させ、エネルギーの消耗を低減することができる。
【0039】
前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚のテールフィンのフラッピング周波数とテールフィンのフラッピング振幅を設定する前に前記ガスタンクに空気を予め注入する必要がある。すなわち、動作パラメーターが設定されたインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚を水に入れる前に前記ガスタンクに空気を予め注入し、前記ガスタンクに予め注入された空気を前記テールフィン内に注入することによりテールフィンの剛性を調節することができる。具体的に、前記第三電磁弁をオン状態にし、前記空気吸引装置で外部の空気を吸引してガスタンクに注入する。前記ガスタンクに所定の量の空気が注入されると、前記空気吸引装置は自動に停止し、かつ前記第三電磁弁はオフ状態にされる。
【0040】
以上のとおり、本発明はインテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚及びその制御方法を提供する。前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚は魚体と当該魚体に連結されるテールフィンを含み、前記テールフィンには順に連結されている複数の空気室が形成され、前記魚体はケースと当該ケース内に取り付けられるガスタンク及び空気吸引装置とを含み、前記ガスタンク、前記空気吸引装置及び前記空気室はパイプにより空気循環可能に連結され、前記ガスタンクは前記空気室内に空気を注入することにより前記空気室内の気圧を事前設定気圧値にし、前記空気吸引装置は前記空気室内の空気を前記ガスタンクに注入する。本発明は、前記ガスタンク内の空気を一部の前記空気室に注入しかつ前記空気室内の気圧を事前設定気圧値にすることにより、前記テールフィンの剛性を増加させ、前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を調節することができる。すなわち、いろいろな巡航状態により空気が注入される空気室の数量を確定し、それにより前記テールフィンの剛性部と柔軟性部の結合比を自動に調節することができる。また、前記空気室内の気圧を調節することにより前記テールフィンの剛性を調節する。それにより、前記インテリジェント・バイオミメティック・ロボット魚が水中で巡航するとき、推進の性能と操作のフレキシビリティーを同時確保し、エネルギーの消耗を低減することができる。
【0041】
注意すべきことは、前記実施例は、本発明を説明するものであり、本発明を限定するものでない。以上、本発明の好適な実施例を説明してきたが、前記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は前記実施例にのみ限定されない。この技術分野の技術者は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において設計の変更、改良等をすることができ、そのような設計の変更、改良等があっても本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
1 テールフィン
2 ケース
21 剛性ケース
22 柔軟性ケース
3 ガスタンク
4 空気吸引装置
5 第一空気室
6 第二空気室
7 第三空気室
8 テールフィンの空気入口
9 テールフィンの空気出口
10 空気入力パイプ
11 空気出力パイプ
12 第一気圧作動型スイッチ
13 第二気圧作動型スイッチ
14 第一電磁弁
15 第二電磁弁
16 気吸引パイプ
17 第三電磁弁
18 気圧センサー
19 制御装置
20 密閉室
23 密閉蓋
24 フレーム
241 横方向部品
242 縦方向部品
25 ラダー
26 テールフィン駆動部