(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法
(51)【国際特許分類】
B05D 1/26 20060101AFI20241225BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20241225BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
B05D1/26 Z
B05D3/00 D
B05D7/24 301M
(21)【出願番号】P 2023559956
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(86)【国際出願番号】 KR2021001776
(87)【国際公開番号】W WO2022131442
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0174488
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523225128
【氏名又は名称】ユニジェット カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソク スン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ヒ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】シム,セ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョン ギュン
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-188525(JP,A)
【文献】特開2007-260677(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0083203(US,A1)
【文献】特開2003-133691(JP,A)
【文献】特開2004-335849(JP,A)
【文献】特開2013-034002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00-7/26
B05C 5/00-21/00
B41J 2/01
2/165-2/20
2/21-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾着液滴が互いに重畳しないように、点パターン形成用ノズル群を利用して予め設定された対象物表面の位置にインクを吐出して点パターン弾着群をプリントする点パターンプリント工程と、
対象物の表面に弾着された隣り合う複数のパターンに対して同じ引力が作用するように、連結パターン形成用ノズル群を利用して隣り合う前記複数のパターンの間の位置にインクを吐出して連結パターン弾着群をプリントする連結パターンプリント工程と、
前記点パターンプリント工程及び前記連結パターンプリント工程においてすでに対象物の表面に弾着された複数の弾着液滴に対して同じ引力が作用するように、仕上げ用ノズル群を利用して隣り合う前記複数の弾着液滴を除いた領域にインクを吐出して前記対象物の表面にコーティングを形成する仕上げプリント工程と、を含
み、
前記点パターン形成用ノズル群、連結パターン形成用ノズル群、及び仕上げ用ノズル群は、ヘッドモジュール内で互いに異なるノズルで構成され、
前記点パターン形成用ノズル群を介して吐出される液滴のサイズ、連結パターン形成用ノズル群を介して吐出される液滴のサイズ、及び仕上げ用ノズル群を介して吐出される液滴のサイズは互いに同じである、薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法。
【請求項2】
前記点パターンプリント工程、連結パターンプリント工程、及び仕上げプリント工程のうち少なくともいずれか一つの工程において、
複数の液滴を重複して吐出することでコーティングの厚さを調節するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法。
【請求項3】
前記点パターンプリント工程、連結パターンプリント工程、及び仕上げプリント工程において、
弾着される液滴のドット密度を調節してコーティングの厚さを調節するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法。
【請求項4】
前記点パターンプリント工程によって弾着された液滴の直径Dと弾着された液滴の間のピッチP1の割合が
【数1】
で構成されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法。
【請求項5】
前記連結パターンプリント工程によって弾着された
隣り合う連結パターン
弾着群の間隔Gと弾着された
隣り合う連結パターン
弾着群の間のピッチP2の割合が
【数2】
で構成されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法。
【請求項6】
前記対象物の表面の上に隣り合う左上ピクセル、右上ピクセル、左下ピクセル、右下ピクセルからなる4つのピクセル群がグリッド配列されるように定義されるが、
前記点パターンプリント工程では4つのピクセルのうちいずれか一つの決められたピクセルに対応する位置にのみプリントするように構成され、
前記連結パターンプリント工程では残りの3つのピクセルのうちいずれか一つの決められたピクセルに対応する位置にのみプリントするように構成され、
前記仕上げプリント工程では残りの2つのピクセルのうちいずれか一つまたは2つの決められたピクセルに対応する位置にのみプリントするように構成されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法。
【請求項7】
前記連結パターンプリント工程は、
対象物の表面に弾着された隣り合う複数の点パターンに対して同じ引力が作用するように、第1連結
パターン形成用ノズル群を利用して隣り合う前記複数の点パターンの間にインクを吐出して第1連結
パターン弾着群をプリントする第1連結
パターンプリント工程と、
対象物の表面に弾着された隣り合う複数の第1連結パターンに対して同じ引力が作用するように、第2連結
パターン形成用ノズル群を利用して隣り合う前記複数の第1
連結パターンの間にインクを吐出して第2連結
パターン弾着群をプリントする第2連結
パターンプリント工程と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法。
【請求項8】
前記第1連結パターン形成用ノズル群及び第2連結パターン形成用ノズル群は、ヘッドモジュール内で互いに異なるノズルで構成されることを特徴とする請求項
7に記載の薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法。
【請求項9】
前記連結パターンプリント工程は、
対象物の表面に弾着された隣り合う複数の点パターンに対して同じ引力が作用するように、第1連結パターン形成用ノズル群を利用して隣り合う前記複数の点パターンの間にインクを吐出して第1連結パターン弾着群をプリントする第1連結パターンプリント工程と、
対象物の表面に弾着された隣り合う複数の第1連結パターンに対して同じ引力が作用するように、第2連結パターン形成用ノズル群を利用して隣り合う前記複数の第1連結パターンの間にインクを吐出して第2連結パターン弾着群をプリントする第2連結パターンプリント工程と、を含んで構成され、
直列に配置された複数のノズルを有するインクジェットヘッドモジュールを備え、前記点パターン形成用ノズル群、前記第1連結パターン形成用ノズル群、前記第2連結パターン形成用ノズル群及び前記仕上げ用ノズル群は、前記ヘッドモジュール内で所定個数のノズル間隔に当たる距離だけ長さ方向にシフトされて、一部が重複しながら互いに異なるノズルで構成され、前記点パターン形成用ノズル群、前記第1連結パターン形成用ノズル群、前記第2連結パターン形成用ノズル群及び前記仕上げ用ノズル群は、少なくとも2つ以上のノズルの位置がシフトされるように構成されている、請求項1に記載の薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法。
【請求項10】
前記点パターンプリント工程、連結パターンプリント工程、及び仕上げプリント工程が処理され
たことによって対象物の表面に形成されるコーティングが平坦化するように待機する平坦化工程
であって、前記点パターンプリント工程、前記連結パターンプリント工程、及び前記仕上げプリント工程が処理されたことによって前記対象物の表面に形成されて硬化されていないコーティングを安定化させる、前記平坦化工程と、
前記対象物の表面に形成されたコーティングを硬化する硬化工程と、を更に含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法に関し、より詳しくは、弾着されたインク滴が互いに引き寄せられて固まって異なる厚さを有するようになることを防止し、また、各ノズルのインク吐出特性のばらつきを克服し、コーティング薄膜の厚さのばらつきを最小化する薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
一般に、インクジェットプリンティング技術を利用してシリコン基板に形成されるマイクロOLEDディスプレイを製造する過程には、薄膜のコーティングを形成する工程が含まれる。
【0003】
例えば、
図1は一般的なマイクロOLEDディスプレイの断面構造であって、マイクロOLEDディスプレイを構成するOCR層、Organic層は薄膜のコーティング過程によって形成される。
【0004】
特に、マイクロOLEDディスプレイのピクセルのサイズが2.4μm以下で非常に小さいため、マイクロOLEDディスプレイの有機薄膜を0.5μmまで薄くコーティングしなければならない。
【0005】
もし、マイクロOLEDディスプレイの有機薄膜の厚さが過度に厚く形成されれば、
図2に示したように、マイクロOLEDから放出される斜線の光がと隣のピクセルと色干渉を引き起こしやすくなるという問題が発生する。
【0006】
上述した理由で、マイクロOLEDディスプレイの製造においては封止膜用の有機薄膜またはガラス接着のためのOCR層はいずれも0.5μm以下にコーティングする必要がある。
【0007】
一方、インクジェットヘッドモジュールを利用して0.5μm以下の厚さにコーティングする際、インクジェットヘッドモジュールのノズルの間の微細な吐出インク液滴の体積の差に起因するインク吐出特性のばらつき、吐出されたインク液滴が弾着された後、表面状態によって他のインク滴と引力によって固まる現象のため、
図3に示したようにコーティングされた薄膜の厚さが一定ではなく、むらが生じるというの問題がある。
【0008】
つまり、薄い厚さのコーティング部分は緑色で示され、厚い厚さは茶色で示されるように、厚さのばらつきによってむらが発生するのであるが、それを防止するためには全体面積の厚さを2%以下に均一に塗布すべきである。
【0009】
よって、上述した薄膜の厚さのばらつき問題を解決するために、インクジェットヘッドモジュールのノズル間の微細なインク吐出特性のばらつき、吐出されたインク液滴が弾着された後、表面状態によって他のインク滴と引力によって固まる現象のため正確な位置に弾着されないという問題を解決するための方案が求められている。
【0010】
〔先行技術文献〕
〔特許文献〕
〔特許文献1〕韓国公開特許 第10-2015-0130836号、2015年11月24日
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来技術による問題点を解決するための本発明の目的は、弾着されたインク滴が互いに引き寄せられて固まって異なる厚さを有するようになることを防止し、また、各ノズルのインク吐出特性のばらつきを克服し、コーティング薄膜の厚さのばらつきを最小化する薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法に関する。
【0011】
〔課題を解決するための手段〕
前記技術的課題を解決するための本発明の薄膜のコーティングのためのインクジェットプリント方法は、弾着液滴が互いに重畳しないように、点パターン形成用ノズル群を利用して予め設定された対象物表面の位置にインクを吐出して点パターン弾着群をプリントする点パターンプリント工程と、対象物の表面に弾着された隣り合う複数のパターンに対して同じ引力が作用するように、連結パターン形成用ノズル群を利用して隣り合う前記複数のパターンの間の位置にインクを吐出して連結パターン弾着群をプリントする連結パターンプリント工程と、対象物の表面に弾着された複数の弾着液滴に対して同じ引力が作用するように、仕上げ用ノズル群を利用して隣り合う前記複数の弾着液滴を除いた領域にインクを吐出して前記対象物の表面のコーティングを仕上げる仕上げプリント工程と、を含む。
【0012】
好ましくは、前記点パターン形成用ノズル群、連結パターン形成用ノズル群、及び仕上げ用ノズル群は、ヘッドモジュール内で互いに異なるノズルで構成される。
【0013】
好ましくは、前記点パターン形成用ノズル群を介して吐出される液滴のサイズ、連結パターン形成用ノズル群を介して吐出される液滴のサイズ、及び仕上げ用ノズル群を介して吐出される液滴のサイズは互いに同じであるか異なるように構成される。
【0014】
好ましくは、前記点パターンプリント工程、連結パターンプリント工程、及び仕上げプリント工程のうち少なくともいずれか一つの工程において、同じ位置に複数の液滴を重複して吐出することでコーティングの厚さを調節するように構成される。
【0015】
好ましくは、前記点パターンプリント工程、連結パターンプリント工程、及び仕上げプリント工程において、プリント方向に対する解像度を調節してコーティングの厚さを調節するように構成される。
【0016】
好ましくは、前記点パターンプリント工程によって弾着された液滴の直径Dと弾着された液滴の間のピッチP1の割合が
【0017】
【0018】
で構成される。
【0019】
好ましくは、前記連結パターンプリント工程によって弾着されたパターンの間隔Gと弾着されたパターンの間のピッチP2の割合が
【0020】
【0021】
で構成される。
【0022】
好ましくは、前記対象物の表面の上に隣り合う左上ピクセル、右上ピクセル、左下ピクセル、右下ピクセルからなる4つのピクセル群がグリッド配列されるように定義されるが、前記点パターンプリント工程では4つのピクセルのうちいずれか一つの決められたピクセルに対応する位置にのみプリントするように構成され、前記連結パターンプリント工程では残りの3つのピクセルのうちいずれか一つの決められたピクセルに対応する位置にのみプリントするように構成され、前記仕上げプリント工程では残りの2つのピクセルのうちいずれか一つまたは2つの決められたピクセルに対応する位置にのみプリントするように構成される。
【0023】
好ましくは、前記連結パターンプリント工程は、対象物の表面に弾着された隣り合う複数の点パターンに対して同じ引力が作用するように、第1連結パータン形成用ノズル群を利用して隣り合う前記複数の点パターンの間にインクを吐出して第1連結パータン弾着群をプリントする第1連結パータンプリント工程と、対象物の表面に弾着された隣り合う複数の第1連結パターンに対して同じ引力が作用するように、第2連結パータン形成用ノズル群を利用して隣り合う前記複数の第1パターンの間にインクを吐出して第2連結パータン弾着群をプリントする第2連結パータンプリント工程と、を含んで構成される。
【0024】
好ましくは、前記第1連結パターン形成用ノズル群及び第2連結パターン形成用ノズル群は、ヘッドモジュール内で互いに異なるノズルで構成される。
【0025】
好ましくは、前記点パターンプリント工程、連結パターンプリント工程、及び仕上げプリント工程が処理された対象物の表面に形成されるコーティングが平坦化するように待機する平坦化工程と、前記対象物の表面に形成されたコーティングを硬化する硬化工程と、を更に含んで構成される。
【0026】
〔発明の効果〕
前記のような本発明の目的は、弾着されたインク滴が互いに引き寄せられて固まって異なる厚さを有するようになることを防止し、また、各ノズルのインク吐出特性のばらつきを克服し、コーティング薄膜の厚さのばらつきを最小化するという利点がある。
【0027】
本発明の効果は前記で言及した効果に限らず、言及されていない他の効果は以下の記載から通常の技術者に明確に理解されるはずである。
【0028】
〔図面の簡単な説明〕
〔
図1〕一般的なマイクロOLEDディスプレイの断面構造を示す図である。
【0029】
〔
図2〕マイクロOLEDから放出される光の干渉を説明するための図である。
【0030】
〔
図3〕コーティングされた薄膜の厚さが一定ではないことで発生したむらを示す図である。
【0031】
〔
図4〕本発明の一実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の手順を示す順序図である。
【0032】
〔
図5〕本発明の一実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の細部プリント過程を示す図である。
【0033】
〔
図6〕本発明の一実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の液滴とパターンの細部形状を示す図である。
【0034】
〔
図7〕本発明の一実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の液滴とパターンの細部形状を示す図である。
【0035】
〔
図8〕本発明の一実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法でコーティングした状態を示す図である。
【0036】
〔
図9〕本発明の他の実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の手順を示す順序図である。
【0037】
〔
図10〕本発明の他の実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の細部プリント過程を示す図である。
【0038】
〔発明を実施するための形態〕
本発明はその技術的思想または主要な特性から逸脱せずに他の様々な形態で実施することができる。よって、本発明の実施例は全ての点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。
【0039】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。
【0040】
前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながらも第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、類似して第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。
【0041】
及び/またはという用語は、複数項目の組み合わせまたは複数項目のうちいずれかの項目を含む。
【0042】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及されれば、その他の構成要素に直接連結されているか、または接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在する可能性もあると理解すべきである。
【0043】
一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」されているか「直接接続」されていると言及されれば、その中間に他の構成要素が存在しないと理解すべきである。
【0044】
本出願で使用された用語は単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0045】
本出願において、「含む」または「備える」、「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0046】
異なるように定義されない限り、ここで使用される技術的か科学的な用語を含む全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0047】
一般的に使用される辞書に定義されているものと同じ用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有すると解析すべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的にまたは過度に形式的な意味で解析されない。
【0048】
以下、添付した図面を参照して本発明による好ましい実施例を詳細に説明するが、図面符号に関係なく同じであるか対応する構成要素は同じ参照番号を与えてそれに関する重複する説明は省略する。
【0049】
本発明を説明するに当たって、関連する公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明確する恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0050】
まず、薄膜コーティングのための対象物の表面のピクセルの定義について説明する。
【0051】
図5に示したように、前記対象物の表面は多数のピクセルがグリッド配列されたものと定義されるが、詳しくは、特定領域で隣り合ってグリッド配列される4つのピクセル(左上ピクセル、右上ピクセル、左下ピクセル、右下ピクセル)からなるピクセル群が横と縦方向に繰り返しグリッド配置されると定義される。
【0052】
例えば、
図5の(a1)に示したように、前記対象物の表面は複数のピクセルからなるが、最上端の左側端ピクセルを左上ピクセル(座標(1,1))と定義し、前記左上ピクセルの右側のピクセルを右上ピクセル(座標(1,2))と定義し、前記左上ピクセルの下側のピクセルを左下ピクセル(座標(2,1))と定義し、前記右上ピクセルの下側のピクセルを右下ピクセル(座標(2,2))と定義する。
【0053】
よって、(1,1)、(1,2)、(2,1)、(2,2)座標の4つのピクセルが集まって一つのピクセル群をなすようになるが、このようなピクセル群が横と縦方向に繰り返しグリッド配置されることで、前記対象物表面全体のピクセルが左上ピクセル、右上ピクセル、左下ピクセル、右下ピクセルのうちいずれか一つにそれぞれ定義される。
【0054】
つまり、(1,1)座標のピクセルから横方向には左上ピクセル、右上ピクセル、左上ピクセル、右上ピクセル、…、左上ピクセルが繰り返し配置され、(1,1)座標のピクセルから縦方向には左上ピクセル、左下ピクセル、左上ピクセル、左下ピクセル、…、左上ピクセルが繰り返し配置される。
【0055】
また、(2,1)座標のピクセルから横方向には左下ピクセル、右下ピクセル、左下ピクセル、右下ピクセル、…、左下ピクセルが繰り返し配置され、(1,2)座標のピクセルから縦方向には右上ピクセル、右下ピクセル、右上ピクセル、右下ピクセル、…、右上ピクセルが繰り返し配置される。
【0056】
上述したように、前記対象物の表面は左上ピクセル、右上ピクセル、左下ピクセル、右下ピクセルと定義されるピクセル群が繰り返しグリッド配置されると定義される。
【0057】
上述のように定義された対象物の表面に薄膜コーティングを行うための本発明の一実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法は、
図4に示したように、点パターンプリント工程S10と、第1連結パータンプリント工程S21と第2連結パターンプリント工程S22とからなる連結パターンプリント工程S20と、仕上げプリント工程S30と、平坦化工程S40と、硬化工程S50と、を含んでなる。
【0058】
一方、前記対象物の表面への薄膜コーティングに所要されるインクの総量を100重量と仮定すると、点パターンプリント工程S10によって吐出されるインクの量、連結パターンプリント工程S20によって吐出されるインクの量、仕上げプリント工程S30によって吐出されるインクの量を全て足した量が100重量部となる。
【0059】
例えば、
図4に示したように、点パターンプリント工程S10、第1連結パータンプリント工程S21、第2連結パータンプリント工程S22、仕上げプリント工程S30のように4つの工程でプリントが行われれば、総インク100重量部の25%程度に当たる25重量部のインクを各工程ごとに吐出して100重量部のインクがプリントされるように工程が行われるが、各工程別の吐出インクの量は適切に調節されて各工程別に互いに異なる量のインクが吐出されてもよく、全てのプリント工程が完了された場合にプリントされたインクの総量は100重量部となる。
【0060】
まず、点パターンプリント工程S10について説明する。
【0061】
点パターンプリント工程S10は、弾着されたインク液滴(以下、「液滴」)が互いに重畳しないように、点パターン形成用ノズル群を利用して予め設定された対象物表面の位置にインクを吐出して点パターン弾着群をプリントする工程である。
【0062】
例えば、
図5の(a1)に示したように、前記点パターンプリント工程S10において、液滴は左上ピクセルの位置にのみプリントする。つまり、左上ピクセルに当たる(1,1)、(1,3)、(1,5)、…、(3,1)、…、(5,1)、…のピクセル位置に対応して液滴が重畳しないようにプリントする。
【0063】
このように、左上ピクセルの位置にのみプリントを行ってそれぞれの弾着液滴が互いに重畳しないようにプリントすることで、隣り合う弾着液滴の間で引力が作用しない状態でプリントされるが、このような点パターンプリント工程S10によって点パターン弾着群を形成するようになる。
【0064】
ここで、弾着液滴の間の引力とは、複数液滴の界面が互いに密着または重畳して、複数の液滴が互いに引き寄せられて一つの液滴に合わさるように作用する力を意味する。
【0065】
一方、
図6に示したように、前記点パターンプリント工程S10によって弾着された滴滴の直径Dと弾着された液滴の間のピッチP1の割合が
【0066】
【0067】
で構成されることが好ましい。これは、目標とするコーティングの厚さによって液滴の間隔(Pitch)と弾着後の液滴の直径が資材の表面状態(表面張力、粗さなど)、次のプリント経路に弾着される液滴の直径、液滴のプリント精密度、弾着される際に液滴が形成される挙動特性、コーティング面の縁の均一性、そして表面における液滴の時間による広がり特性などを考慮して決定される。
【0068】
上述した点パターンプリント工程S10によって弾着液滴の間で引力が作用しない状態でプリントして点パターン弾着群を形成するようになるが、このように弾着液滴の間で引力が作用しない状態でプリントされることで、決められた位置に決められた量のインクを正確にプリントすることができるようになる。
【0069】
次に、連結パターンプリント工程S20について説明する。
【0070】
連結パターンプリント工程S20は、対象物の表面に弾着された隣り合う複数のパターンに対して同じ引力が作用するように、連結パターン形成用ノズル群を利用して隣り合う前記複数のパターンの間の位置にインクを吐出して連結パターン弾着群をプリントする工程である。
【0071】
例えば、前記連結パータンプリント工程S20は左右または上下に弾着された液滴に対して同じ引力が作用するようにプリントする工程である。
【0072】
前記連結パータンプリント工程S20は、第1連結パータンプリント工程S21と第2連結パターンプリント工程S22とからなる。
【0073】
前記第1連結パターンプリント工程S21は、対象物の表面に弾着された隣り合う複数の点パターンに対して同じ引力が作用するように、第1連結パターン形成用ノズル群を利用して隣り合う前記複数の点パターンの間にインクを吐出して第1連結パターン弾着群をプリントする工程である。
【0074】
例えば、
図5の(a2)に示したように、前記第1連結パターンプリント工程S21において、液滴は右上ピクセルの位置にのみプリントする。つまり、右上ピクセルに当たる(1,2)、(1,4)、(1,6)、…、(3,2)、…、(5,2)、…のピクセル位置に対応して液滴をプリントする。
【0075】
このように、右上ピクセルの位置にのみプリントを行うことで、それぞれの弾着液滴は両側の左上ピクセルに既に弾着されている液滴に対してそれぞれ同じ引力が作用する状態でプリントされることで、決められた位置に決められた量のインクを正確にプリントすることができるようになる。
【0076】
一方、上述した前記第1連結パータンプリント工程S21によって、
図7に示したように、線形の第1連結パータン弾着群を形成するようになる。
【0077】
この際、
図7に示したように、前記第1連結パータンプリント工程S21によって弾着されたパターンの間隔Gと弾着されたパターンの間のピッチP2の割合が
【0078】
【0079】
で構成されることが好ましい。これは、資材の表面状態(表面張力、粗さなど)、次のプリント経路に弾着される液滴の厚さ、液滴のプリント精密度、弾着される際に液滴が形成される挙動特性、コーティング面の縁の均一性、そして表面における液滴の時間による広がり特性、平坦化特性などを考慮して決定される。
【0080】
上述したように、両側の左上ピクセルに既に弾着されている液滴の間で同じ引力が作用する状態で第1連結パータンプリント工程S21が行われることで、決められた位置に決められた量のインクを正確にプリントすることができるようになる。
【0081】
前記第2連結パターンプリント工程S22は、対象物の表面に弾着された隣り合う複数の第1連結パータンに対して同じ引力が作用するように、第2連結パターン形成用ノズル群を利用して隣り合う前記複数の第1連結パータンの間にインクを吐出して第2連結パターン弾着群をプリントする工程である。
【0082】
例えば、
図5の(a3)に示したように、前記第2連結パターンプリント工程S22において、液滴は右下ピクセルの位置にのみプリントする。つまり、右下ピクセルに当たる(2,2)、(2,4)、(2,6)、…、(4,2)、…、(6,2)、…のピクセル位置に対応して液滴をプリントする。
【0083】
このように、右下ピクセルの位置にのみプリントを行うことで、それぞれの弾着液滴は両側の第1連結パータンに対してそれぞれ同じ引力が作用する状態でプリントされることで、決められた位置に決められた量のインクを正確にプリントすることができるようになるが、
図5の(a3)の黒色からなる形態の第2連結パータン弾着群を形成するようになる。
【0084】
次に、仕上げプリント工程S30について説明する。
【0085】
対象物の表面に弾着された複数の弾着液滴に対して同じ引力が作用するように、仕上げ用ノズル群を利用して隣り合う前記複数の弾着液滴を除いた領域にインクを吐出して前記対象物表面のコーティングを仕上げる工程である。
【0086】
例えば、
図5の(a4)に示したように、前記仕上げプリント工程S30において、液滴は左下ピクセルの位置にのみプリントする。つまり、左下ピクセルに当たる(2,1)、(2,3)、(2,5)、…、(4,1)、…、(6,1)、…のピクセル位置に対応して液滴をプリントする。
【0087】
このように、左下ピクセルの位置にのみプリントを行うことで、対象物表面の全体に液滴の弾着が完了される。
【0088】
このように、右下ピクセルの位置にのみプリントを行うことで、仕上げプリント工程で吐出されて弾着される液滴は以前の工程で既に弾着されている複数の液滴に対してそれぞれ同じ引力が作用する状態でプリントされることで、決められた位置に決められた量のインクを正確にプリントすることができるようになる。
【0089】
上述したように、前記点パターンプリント工程S10、第1連結パータンプリント工程S21、第2連結パータンプリント工程S22、仕上げプリント工程S30によって、前記対象物の表面全体にわたって決められた量のインクを決められた位置に正確にプリントすることができるようになる。
【0090】
一方、前記では点パターンプリント工程S10で左上ピクセル、第1連結パータンプリント工程S21で右上ピクセル、第2連結パータンプリント工程S22で右下ピクセル、仕上げプリント工程S30で左下ピクセルにそれぞれプリントすると説明したが、各工程でプリントされるピクセルの位置は互いに入れ替わって適用されてもよいことはもちろんである。
【0091】
つまり、点パターンプリント工程S10で左下ピクセル、第1連結パータンプリント工程S21で右下ピクセル、第2連結パータンプリント工程S22で右上ピクセル、仕上げプリント工程S30で左上ピクセルにそれぞれプリントするなど、一つの工程で一つの位置に対応するピクセルのみにプリントするのであれば多様に変更されてもよい。
【0092】
上述したような点パターンプリント工程S10、連結パータンプリント工程S20、仕上げプリント工程S30で液滴を吐出する点パターン形成用ノズル群、前記第1連結パターン形成用ノズル群、第2連結パータン形成用ノズル群、及び仕上げ用ノズル群の詳細構成及び関係について詳しく説明する。
【0093】
前記点パターン形成用ノズル群、前記第1導電パターン形成用ノズル群、第2連結パータン形成用ノズル群、及び仕上げ用ノズル群は、ヘッドモジュール内で互いに重ならない異なるノズルで構成されるが、
図5の(a1)乃至(a4)を参照して説明する。
【0094】
例えば、前記点パターン形成用ノズル群は、インクジェットヘッドモジュールに構成される複数のノズルのうちから選択されるa1、a2、a3、…anのノズルで構成される。
【0095】
一方、前記第1連結パータン形成用ノズル群は、インクジェットヘッドモジュールに構成される複数のノズルのうちから選択されるb1、b2、b3、…bnのノズルで構成される。
【0096】
そして、前記第2連結パータン形成用ノズル群形成用ノズル群は、インクジェットヘッドモジュールに構成される複数のノズルのうちから選択されるc1、c2、c3、…cnのノズルで構成される。
【0097】
最後に、前記仕上げ用ノズル群は、インクジェットヘッドモジュールに構成される複数のノズルのうちから選択されるd1、d2、d3、…dnのノズルで構成される。
【0098】
ここで、前記点パターン形成用ノズル群を構成する複数のノズルは、弾着された液滴の間のピッチP1と同じピッチを有するノズルで選択され、前記第1連結パターン形成用ノズル群の複数のノズル、前記第2連結パターン形成用ノズル群の複数のノズル、及び仕上げ用ノズル群の複数のノズルも前記ピッチP1と同じピッチを有するノズルで選択される。
【0099】
具体的な例として、インクジェットヘッドモジュールが総100個のノズルが前記ピッチP1を有しながら直列に配置されて形成される場合であれば、前記点パターン形成用ノズル群は1番~25番のノズルで構成され、前記第1連結パターン形成用ノズル群は26番~50番のノズルで構成され、前記第2連結パターン形成用ノズル群は51番~75番のノズルで構成され、前記仕上げ用ノズル群は76番~100番のノズルで構成される。
【0100】
他の例として、前記点パターン形成用ノズル群は1番~50番のノズルのうち奇数または偶数番号のノズルで構成され、前記第1連結パターン形成用ノズル群は20番~70番のノズルのうち奇数または偶数番号のノズルで構成され、前記第2連結パターン形成用ノズル群は40番~90番のノズルのうち奇数または偶数番号のノズルで構成され、前記仕上げ用ノズル群は50番~100番のノズルのうち奇数または偶数番号のノズルで構成されてもよい。つまり、前記ノズル群は一つまたは多数のノズルの間隔を有して構成される。
【0101】
つまり、前記点パターン形成用ノズル群、前記第1導電パターン形成用ノズル群、第2連結パータン形成用ノズル群、及び仕上げ用ノズル群は、ヘッドモジュール内で互いに全く異なるノズルで構成される。
【0102】
前記ヘッドモジュールはコーディングしようとする対象物の幅より長く形成されることが好ましいが、詳しくは、前記ヘッドモジュールが前記対象物の幅より長く形成される一つのヘッドで構成されるか、前記対象物の幅より短く形成される複数のヘッドが直列に連結されて構成される。
【0103】
他の例として、前記点パターン形成用ノズル群、前記第1導電パターン形成用ノズル群、第2連結パータン形成用ノズル群、及び仕上げ用ノズル群は、ヘッドモジュール内で一部が重畳しながら互いに異なるノズルで構成されてもよいが、
図5の(a5)乃至(a8)を参照して説明する。
【0104】
例えば、前記点パターン形成用ノズル群は、インクジェットヘッドモジュールに構成される複数のノズルのうちから選択されるa1+α、a2+α、a3+α、…an+αのノズルで構成される。
【0105】
一方、前記第1連結パータン形成用ノズル群は、インクジェットヘッドモジュールに構成される複数のノズルのうちから選択されるa1+β、a2+β、a3+β、…an+βのノズルで構成される。
【0106】
そして、前記第2連結パータン形成用ノズル群は、インクジェットヘッドモジュールに構成される複数のノズルのうちから選択されるa1+γ、a2+γ、a3+γ、…an+γのノズルで構成される。
【0107】
最後に、前記仕上げ用ノズル群は、インクジェットヘッドモジュールに構成される複数のノズルのうちから選択されるa1+δ、a2+δ、a3+δ、…an+δのノズルで構成される。
【0108】
ここで、前記点パターン形成用ノズル群を構成する複数のノズルは、弾着された液滴の間のピッチP1と同じピッチを有するノズルで選択され、前記第1連結パターン形成用ノズル群の複数のノズル、前記第2連結パターン形成用ノズル群の複数のノズル、及び仕上げ用ノズル群の複数のノズルも前記ピッチP1と同じピッチを有するノズルで選択される。
【0109】
具体的な例として、インクジェットヘッドモジュールが総55個のノズルが前記ピッチP1を有しながら直列に配置されて形成される場合であれば、前記点パターン形成用ノズル群は1番~25番のノズルで構成され、前記第1連結パターン形成用ノズル群は11番~35番のノズルで構成され、前記第2連結パターン形成用ノズル群は21番~45番のノズルで構成され、前記仕上げ用ノズル群は31番~55番のノズルで構成される。
【0110】
つまり、前記点パターン形成用ノズル群、前記第1導電パターン形成用ノズル群、第2連結パータン形成用ノズル群、及び仕上げ用ノズル群は、ヘッドモジュール内で所定個数のノズル間隔に当たる距離だけ長さ方向にシフトされて、一部が重畳しながら互いに異なるノズルで構成される。
【0111】
この際、前記点パターン形成用ノズル群、前記第1導電パターン形成用ノズル群、第2連結パータン形成用ノズル群、及び仕上げ用ノズル群は、少なくとも2つ以上のノズルの位置がシフトされるように構成されることが好ましい。
【0112】
つまり、前記点パターン形成用ノズル群が1番~25番のノズルで構成され、前記第1連結パターン形成用ノズル群が2番~35番のノズルで構成されれば、結果的に1番ノズルと2番ノズルがすぐに隣り合ってプリントされる結果になるが、このように各工程別にすぐに隣り合うノズルが使用されないようにすることが好ましい。
【0113】
一方、前記説明では前記点パターン形成用ノズル群、前記第1導電パターン形成用ノズル群、第2連結パータン形成用ノズル群、及び仕上げ用ノズル群のノズルがいずれも異なる場合について例示したが、一部の群は同じノズルを使用してもよいことを排除しない。
つまり、前記点パターン形成用ノズル群、仕上げ用ノズル群のノズルを同じノズルで使用し、第1導電パターン形成用ノズル群、第2連結パータン形成用ノズル群、及び仕上げ用ノズル群のノズルのみ異なるノズルで使用してもよい。
【0114】
一方、前記点パターン形成用ノズル群を介して吐出される液滴のサイズ、連結パターン形成用ノズル群を介して吐出される液滴のサイズ、及び仕上げ用ノズル群を介して吐出される液滴のサイズは互いに同じであるか異なるように構成される。
【0115】
また、前記点パターンプリント工程S10、連結パターンプリント工程S20、及び仕上げプリント工程S30のうち少なくともいずれか一つの工程において、同じ位置に複数の液滴を重複して吐出することでコーティングの厚さを調節するように構成されてもよい。
【0116】
つまり、同じ位置に液滴一つを吐出する場合より液滴2つを吐出する場合がより厚いコーディングの厚さを有するように調節する。
【0117】
また、前記点パターンプリント工程S10、連結パターンプリント工程S20、及び仕上げプリント工程S30において、プリント方向に対する解像度を調節してコーティングの厚さを調節するように構成される。
【0118】
つまり、プリント方向に対して400dpi(dot per inch)でプリントする場合より500dpiでプリントする場合が、弾着される液滴の密度が上がることでより厚いコーディング厚さを有するように調節される。
【0119】
上述したような点パターン形成用ノズル群、前記第1導電パターン形成用ノズル群、第2連結パータン形成用ノズル群、及び仕上げ用ノズル群の詳細構成及び関係によると、すぐに隣り合うピクセルにプリントすることに当たって、インクジェットヘッドモジュールのすぐに隣り合うノズルの使用が制限される。
【0120】
つまり、(1,1)、(1,2)、(1,3)、…、(1,n)座標のピクセルを基準に説明すると、(1,1)座標のピクセルに1番ノズルが使用され、(1,2)座標のピクセルに2番ノズルが使用され、(1,3)座標のピクセルに3番ノズルが使用され、(1,n)座標のピクセルにn番ノズルが使用されることを制限するようになるが、従来のように、ノズルの他の列(Row)またはノズル領域によって吐出される液滴の体積にばらつきが発生することで、
図3に示したように、多様な形態の液滴の体積のばらつきによって発生するむら現象を防止し、各ノズルのインク吐出特性のばらつきを克服し、コーティング薄膜の厚さのばらつきを最小化して、
図8に示したように良好な状態でコーティングすることができるようになる。
【0121】
本発明の最も重要な概念は、1次的にプリントが行われる点パターンプリント工程において、弾着された液滴が重ならないようにして互いに固まらないようにすることである。これは、インク滴が重なる際に発生する引力(互いに引き寄せる力)によって、一つの工程内でも非常に微細により速く落とされたインク滴によって後に落とされるインク滴が引き寄せられて固まるようになるが、このような現象を根本的に除去することである。
【0122】
一方、点パターンプリント工程の後、連結パターンプリント工程と仕上げプリント工程でノズルの位置が変更するように調節して、他の位置のノズルから吐出される液滴が以前の工程で既に弾着された液滴の間に弾着され、既に弾着された液滴から均一な引力が作用するようになって、全ての工程で液滴の弾着位置を正確に維持することができる。
【0123】
つまり、一つのピクセル群を構成する左上ピクセル、右上ピクセル、左下ピクセル、右下ピクセルにはインクジェットヘッドモジュールの同じノズルまたはすぐに隣接するノズルが使用されないように制限することで、一つのピクセルの左上ピクセル、右上ピクセル、左下ピクセル、右下ピクセルに少なくとも2つのノズル間隔以上離隔された位置のノズルがそれぞれ適用されるようにすることで、各ノズルのインク吐出特性のばらつきを克服するようにする。
【0124】
例えば、点パターンプリント工程S10、第1連結パターンプリント工程S21及び第2連結パータンプリント工程S22、仕上げプリント工程S30のようにプリント工程を4回に分割して行えば、全体のプリント画像を均一なピクセル間隔で4つの画像で作ることができる。
【0125】
それぞれの画像をコーティングする際、それぞれの区域に同じノズルまたはすぐに隣接するノズルが使用されずに他の位置のノズルを利用してプリントするため、それぞれのノズルで発生するインク滴の体積の差を補正することができる。
【0126】
また、上下または左右に弾着されたインク滴の引力を均一にするコーティング方法であるため、ヘッドモジュールの幅がコーティングしようとする面積の幅より小さければ、既に弾着されているインク滴の間に弾着する連結パターンプリント工程において、ヘッドモジュールのノズルが終わる点で不均一なインク滴の引力が発生して目に見える不連続線が発生することがある。このような場合、不連続が発生する線において、つまり、ヘッドモジュールを利用して次のプリント領域をプリントする際、ヘッドモジュールの位置、つまり、ノズルの位置を従来のピッチより更に従来のプリント方向に調節して不連続線が小さく見えるように調節する。しかし、基本的にこのような問題を改善するためには、コーティング画像の幅より十分に大きいヘッドモジュールの幅を設置してノズルを位置を混ぜて全体面積をプリントすることが容易であり、または不連続な境界が全く見えないようにプリントを行うようにする必要がある。
【0127】
次に、平坦化工程S40について説明する。
【0128】
前記平坦化工程S40は、前記点パターンプリント工程S10、連結パターンプリント工程S20、及び仕上げプリント工程S30が処理された対象物の表面に形成されたコーティングが平坦化するように待機する工程である。
【0129】
詳しくは、前記点パターンプリント工程S10、連結パターンプリント工程S20、及び仕上げプリント工程S30が処理された対象物の表面に形成されて硬化されていないコーティングを安定化することである。
【0130】
次に、硬化工程S50について説明する。
【0131】
前記硬化工程S50は、前記対象物の表面に形成されたコーティングを硬化する工程である。
【0132】
詳しくは、前記点パターンプリント工程S10、連結パターンプリント工程S20、及び仕上げプリント工程S30が処理された対象物の表面に形成されてから安定化したコーティングに紫外線を照射して硬化することである。
【0133】
図9は本発明の他の実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の手順を示す順序図であり、
図10は本発明の他の実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の細部プリント過程を示す図であるが、
図9及び
図10を参照して本発明の他の一実施例について説明する。
【0134】
図9及び
図10の実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法は、上述した実施例の第2連結パータンプリント工程S22と仕上げプリント工程S30を一時に一回で行うようにする。
【0135】
詳しくは、前記点パターンプリント工程S10で液滴は左上ピクセルの位置にのみプリントし、前記連結パータンプリント工程S20で液滴は右上ピクセルの位置にのみプリントし、前記仕上げプリント工程S30で液滴は右下ピクセルと左下ピクセルに同時にプリントする。
【0136】
具体的な例として、インクジェットヘッドモジュールが総100個のノズルが前記ピッチP1を有しながら直列に配置されて形成される場合であれば、前記点パターン形成用ノズル群は1番~25番のノズルで構成され、前記連結パターン形成用ノズル群は26番~50番のノズルで構成され、前記仕上げ用ノズル群は51番~100番のノズルで構成される。
【0137】
他の例として、前記点パターン形成用ノズル群は1番~50番のノズルのうち奇数または偶数番号のノズルで構成され、前記第1連結パターン形成用ノズル群は20番~70番のノズルのうち奇数または偶数番号のノズルで構成され、前記第2連結パターン形成用ノズル群は40番~90番のノズルのうち奇数または偶数番号のノズルで構成され、前記仕上げ用ノズル群は50番~100番のノズルのうち奇数または偶数番号のノズルで構成されてもよい。つまり、前記ノズル群は一つまたは多数のノズルの間隔を有して構成される。
【0138】
他の具体的な例として、インクジェットヘッドモジュールが総55個のノズルが前記ピッチP1を有しながら直列に配置されて形成される場合であれば、前記点パターン形成用ノズル群は1番~25番のノズルで構成され、前記連結パターン形成用ノズル群は11番~35番のノズルで構成され、前記仕上げ用ノズル群は21番~55番のノズルで構成される。
【0139】
上述したように、点パターンプリント工程S10、前記連結パータンプリント工程S20、前記仕上げプリント工程S30の3工程からなることで、上述した4工程の実施例より各ノズルのインク吐出特性のばらつきの解消が多少減る恐れがあるが、速い速度でコーティングすることができるようになる。
【0140】
本発明は添付した図面を参照して好ましい実施例を中心に記述したが、当業者であればこのような記載から本発明の範疇を逸脱することなく多くの多様で自明な変形が可能であることは明白である。よって、本発明の範疇はこのような多くの変形例を含むように記述された特許請求の範囲によって解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【
図1】一般的なマイクロOLEDディスプレイの断面構造を示す図である。
【
図2】マイクロOLEDから放出される光の干渉を説明するための図である。
【
図3】コーティングされた薄膜の厚さが一定ではないことで発生したむらを示す図である。
【
図4】本発明の一実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の手順を示す順序図である。
【
図5】本発明の一実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の細部プリント過程を示す図である。
【
図6】本発明の一実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の液滴とパターンの細部形状を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の液滴とパターンの細部形状を示す図である。
【
図8】本発明の一実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法でコーティングした状態を示す図である。
【
図9】本発明の他の実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の手順を示す順序図である。
【
図10】本発明の他の実施例による薄膜コーティングのためのインクジェットプリント方法の細部プリント過程を示す図である。