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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】小児発達評価自動化ツール
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20241225BHJP
【FI】
A61B5/11 230
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024545238
(86)(22)【出願日】2023-05-13
(86)【国際出願番号】 MY2023050036
(87)【国際公開番号】W WO2023219489
(87)【国際公開日】2023-11-16
【審査請求日】2024-07-26
(31)【優先権主張番号】PI2022002503
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】MY
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524283372
【氏名又は名称】トイボックスクリエーションズアンドテクノロジー エスディーエヌ ビーエイチディー
(74)【代理人】
【識別番号】100159547
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴谷 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100154357
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 晃弘
(74)【代理人】
【識別番号】100223365
【弁理士】
【氏名又は名称】大町 真義
(72)【発明者】
【氏名】石橋正樹
(72)【発明者】
【氏名】松坂俊
(72)【発明者】
【氏名】石川康子
(72)【発明者】
【氏名】村口舞香
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸島敏弘
(72)【発明者】
【氏名】上野秀樹
(72)【発明者】
【氏名】赤間康弘
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0329025(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108921907(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111341444(CN,A)
【文献】特表2008-513840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06-5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小児の発達を評価するためのコンピュータ実装された装置の動作方法であって、
グラフィカルユーザインタフェースを含むように構成されたマイクロプロセッサを備えた評価デバイスを有するシステムであって、前記評価デバイスはスマートデバイスであり、前記スマートデバイスはカメラ、マイクロフォン、およびタッチ対応画面を有するステム
前記小児が操作しやすいように前記評価デバイスを安定した位置に保持するためのプラットフォームと
前記プラットフォームに物理的に結合されたアクティビティパッドであって、前記アクティビティパッドは実行されるアクティビティのための境界を有し、前記境界は前記カメラの視野内に収まるように適合されている、前記アクティビティパッドとが準備されており
前記タッチ対応画面を介して前記小児に一連の評価課題を提示する工程であって、前記評価課題は前記アクティビティパッドの前記境界内で実行されるものである、提示する工程と、
前記アクティビティパッド上で実行された前記評価課題のビデオ録画をキャプチャするように前記カメラを適合させる工程と、
人工知能を用いて前記ビデオ録画の画像を処理して、前記小児の微細運動能力を表すパフォーマンス特性を識別する工程であって、前記パフォーマンス特性は小児の微細運動能力のデータセットの分布に基づく、識別する工程と
を含む、方法。
【請求項2】
前記小児に一連の評価課題を提示する工程が、一連の描画課題を用いて行われ、絵の画像が、前記小児の微細運動能力を決定するために処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記小児に一連の評価課題を提示する工程が、一連の積み木課題を用いて行われ、重ねた積み木の画像が、前記小児の微細運動能力を決定するために処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
発話促進を含む一連の評価課題を前記小児に提示する工程と、前記発話促進に応答する前記小児の前記ビデオ録画をキャプチャする工程と、前記発話促進に応答する前記小児の前記ビデオ録画の音声を人工知能を用いて処理する工程であって、前記音声の処理が、前記小児の言語能力を表すパフォーマンス特性を識別するためのものであり、前記パフォーマンス特性が、小児の言語能力のデータセットの分布に基づく、処理する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記タッチ対応画面上の口頭質問と多肢択一式回答を含む一連の評価課題を前記小児に提示する工程と、前記タッチ対応画面上の前記小児のタッチ選択をキャプチャする工程と、前記口頭質問に応答する前記小児のタッチ選択を人工知能を用いて処理する工程であって、前記タッチ選択の処理は、前記小児の言語能力を表すパフォーマンス特性を識別するためのものであり、前記パフォーマンス特性は、小児の言語能力のデータセットの分布に基づく、処理する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記タッチ対応画面上に表示されたオブジェクトと多肢択一式回答を含む一連の評価課題を前記小児に提示する工程と、前記タッチ対応画面上の前記小児のタッチ選択をキャプチャする工程と、表示された前記オブジェクトに応答する前記小児のタッチ選択を人工知能を用いて処理する工程であって、前記タッチ選択の処理は、前記小児の認知能力を表すパフォーマンス特性を識別するためのものであり、前記パフォーマンス特性は、小児の認知能力のデータセットの分布に基づく、処理する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
小児の発達を評価するためのコンピュータシステムであって、
スマートデバイスである評価装置であって、前記スマートデバイスは、グラフィカルユーザインタフェースを含むように構成されたマイクロプロセッサと、カメラと、マイクロフォンと、タッチ対応画面とを含む評価装置と、
プラットフォームであって、小児が操作しやすいように前記評価装置を安定した位置に保持するように適合されたプラットフォームと、
前記プラットフォームに物理的に結合されたアクティビティパッドであって、実行されるアクティビティのための境界を有し、前記境界は前記カメラの視野内に収まるように適合されている、アクティビティパッドと、
記コンピュータシステムに動作を実行させる命令を集合的に格納する非一時的なコンピュータ可読媒体と、
を有し、
前記マイクロプロセッサによって前記命令が実行されると、前記動作は、
前記タッチ対応画面を介して前記小児に一連の評価課題を提示する工程と、
前記アクティビティパッド上の前記評価課題のキャプチャされたビデオ録画を、前記カメラから取得る工程と、
人工知能を用いて前記ビデオ録画の画像を処理して、前記小児の微細運動能力を表すパフォーマンス特性を識別する工程であって、前記パフォーマンス特性は小児の微細運動能力のデータセットの分布に基づく、識別する工程と
を含む、コンピュータシステム。
【請求項8】
前記小児に一連の評価課題を提示する動作が、一連の描画課題を用いて行われ、絵の画像が、前記小児の微細運動能力を決定するために処理される、請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記小児に一連の評価課題を提示する動作が、一連の積み木課題を用いて行われ、重ねた積み木の画像が、前記小児の微細運動能力を決定するために処理される、請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記小児に一連の評価課題を提示する動作が、発話促進をさらに含み、前記発話促進に応答する前記小児の前記ビデオ録画をキャプチャする工程と、前記発話促進に応答する前記小児の前記ビデオ録画の音声を人工知能を用いて処理する工程であって、前記音声の処理が、前記小児の言語能力を表すパフォーマンス特性を識別するためのものであり、前記パフォーマンス特性が、小児の言語能力のデータセットの分布に基づく、処理する工程とを含む、請求項7に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して小児発達評価ツールに関し、より具体的には、小児の言語能力、認知能力、および微細運動能力を評価するツールに関する。
【背景技術】
【0002】
教師、専門家、および小児科医は、小児の発達、特に言語能力、認知能力、および微細運動能力を評価するために、小児と一定時間過ごす必要がある。それぞれの小児は、これらの各領域において異なる発達レベルを有している。教師、専門家、および小児科医が生徒のグループを評価するには、ある程度の時間がかかる。それぞれの小児を個別に評価する必要がある。
【0003】
特定のスキルセットをテストするために、テストやアンケートが開発されている。小児は質問に答えるように促される。教師、専門家、および小児科医は、そのようなテストやアンケートの結果を評価するために、ある程度の時間をかける必要がある。
【0004】
より多くの小児に届くように、デジタルデバイスやテストが開発されている。特許文献1には、小児発達のための自動学習ツールが開示されている。玩具、ゲーム、および書籍などの製品が分析され、製品を使用するために必要な個人的特性に関するデータがコンピュータシステムに入力される。小児の感覚学習の好み、趣味、興味、学業成績、病状、社会的習慣、情緒的態度、および栄養習慣に関する情報が、コンピュータシステムに入力される。このシステムは、小児のデータと製品のデータを照合し、保護者は小児に適切な学習ツールを選択することができる。
【0005】
特許文献2には、生徒のニーズに合わせたレッスンの適応システムが記載されている。このシステムは、各生徒のデータ、すなわち生徒と教育システムとの相互作用に関するデータを生成し、そのデータを分析して数学モデルに従ってクラスタを識別し、識別されたクラスタに基づいて特定の生徒にカスタマイズされた学習体験を提供するように教育システムを適応させる。
【0006】
特許文献3には、認知能力、微細運動能力、および記憶能力の自動評価が開示されている。自動評価には、幾何学的ブロックに統合されたセンサを使用する。ブロックは、ブロックの加速度、組み立て完了段階の時間、クイズの完了時間、および組み立て手順の正確性を含む、各インタラクティブセッション中にリアルタイムで監視される。
さまざまな評価ツールが存在する。既存の携帯電話の機能を用いて小児発達を評価するツールを考案することが望ましい。本発明の目的は、携帯電話の複数の機能を用いて小児発達を評価することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第5,122,952号明細書
【文献】米国特許第10,347,148号明細書
【文献】米国特許第11,183,075号明細書
【発明の概要】
【0008】
小児発達を評価するための、コンピュータ実装された新しいツールについて説明する。このツールは、グラフィカルユーザインタフェースを含むように構成されたマイクロプロセッサを備えた評価デバイスを有するシステムを含む。評価デバイスは、カメラ、マイクロフォン、およびタッチ対応画面を有するスマートデバイスである。
【0009】
プラットフォームは、小児が操作しやすいように、評価装置を安定した位置に保持するために使用される。アクティビティパッドには、アクティビティを実行するための境界が設けられている。境界は、カメラの視野内に収まるように調整されている。
【0010】
タッチ対応画面を介して、小児に一連の評価課題が提示される。評価課題は、アクティビティパッドの境界内で実行されるものである。実行された評価課題のビデオ録画がキャプチャされる。評価課題は、描画活動、積み木、発話促進、聴解およびオブジェクトの識別に限定されない。
【0011】
ビデオ録画の画像は、小児のパフォーマンス特性を識別するために処理される。パフォーマンス特性は、小児の微細運動能力、言語能力、および認知能力のデータセットの分布に基づく。
【0012】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、例としてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明に係る評価装置とプラットフォームの概略図である。
【0014】
図2図2は、評価装置とアクティビティパッドの概略図である。
【0015】
図3A図3Aは、描画課題の概略図である。
図3B図3Bは、描画課題の概略図である。
【0016】
図4図4は、積み木課題の概略図である。
【0017】
図5A図5Aは、発話促進の概略図である。
図5B図5Bは、発話促進の概略図である。
【0018】
図6A図6Aは、口頭質問と多肢択一式回答の概略図である。
図6B図6Bは、口頭質問と多肢択一式回答の概略図である。
【0019】
図7A図7Aは、提示されたオブジェクトと多肢択一式回答の概略図である。
図7B図7Bは、提示されたオブジェクトと多肢択一式回答の概略図である。
【0020】
図8A図8Aは、提示されたオブジェクトと多肢択一式回答の概略図である。
図8B図8Bは、提示されたオブジェクトと多肢択一式回答の概略図である。
【0021】
図9図9は、評価デバイスの動作のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
自動化ツールの設定方法と評価への使用方法について、例示的に説明する。自動化ツールは、3歳から5歳までの小児を対象としている。評価ツールは、他の年齢層の小児や学習障害のある小児を対象とするように適応させることができる。
【0023】
まず、図1および図2を参照して、ツールの1つの実施形態のハードウェアについて説明する。ツールの心臓部は、グラフィカルユーザインタフェースを含むように構成されたマイクロプロセッサを含む評価デバイス10にあり、前記評価デバイスはスマートデバイスであり、前記スマートデバイスはカメラ、マイクロフォン、およびタッチ対応画面56を有する。
【0024】
評価デバイスは、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレット、ゲーム機、または組み立てられたコンピュータの形態とすることができる。評価の実施に必要なハードウェアを備えているため、スマートフォンを例として使用する。
【0025】
プラットフォーム12は、評価デバイス10を保持し、タッチ対応画面56が小児の操作に適した安定した位置になるようにする。評価デバイスは、操作しやすいように垂直に保持される。プラットフォーム12は、特定の評価デバイス10に適合するように適合されている。プラットフォーム12は、猫などの動物のように見えるように設計することができ、したがって、子供が親しみやすいように猫の耳のデザイン要素を取り付けている。
【0026】
プラットフォームの隣には、傾斜部14が取り付けられている。アクティビティパッド16は、傾斜部14から展開することができる。アクティビティパッド16には、アクティビティを実行するための境界18が設けられている。境界18は、カメラの視野内に収まるように調整されている。
【0027】
評価課題の一部として、画用紙20、ペン22、および立方体の積み木24が使用される。画用紙20とペン22は、カメラの視野内で子供が操作するものとする。また、12個の立方体の積み木24も用意されている。画用紙と立方体の積み木の使用については、後述する。
【0028】
次に、評価課題の例について説明する。最初の評価は、画用紙に絵を描くことである。
【0029】
小児には、一連の評価課題、特に描画課題が提示される。小児には、画用紙20が提示される。評価デバイスは、垂直な直線を描くように指示する。その後、小児はペン22を使用して、画用紙20の指定された場所に垂直な直線を描く必要がある。次に、小児は水平な直線、および続けて円を描くように指示される。
【0030】
評価者は、小児に他の形を描くように要求することができる。図3Aは正方形を描くように指示したものであり、図3Bは図示のように人を描くように指示したものである。カメラは、描画のビデオ録画をキャプチャする。
【0031】
2番目のタイプの評価は、積み木課題である。図4に示すように、小児は6つの積み木24を積み重ねるように指示される。積み木24は、点線ガイド26に積み重ねることで、重ねた積み木がカメラの視野内に収まるようにする。カメラは、重ねた積み木24のビデオ録画をキャプチャする。
【0032】
3番目のタイプの評価は、発話促進を使用するものである。例えば、図5Aに示すように、評価者は小児に風船の色を尋ねる。小児は応答するように促される。また、評価者は、図5Bに示すように、「男性は大きく、赤ちゃんは?」と尋ねることもできる。口頭での応答をキャプチャするために、ビデオ録画が行われる。
【0033】
4番目のタイプの評価は、口頭質問と多肢択一式回答を使用するものである。例えば、図6Aに示すように、評価者は、車、ボール、鉛筆、猫の4つの多肢択一式回答28をタッチ対応画面に表示しながら、小児に猫を特定するように求めることができる。また、図6Bに示すように、評価者は、文字i、文字g、文字p、文字z、および文字aの4つの多肢択一式回答28をタッチ対応画面に表示しながら、小児に文字「z」を特定するように求めることができる。小児がタッチした選択肢が記録される。
【0034】
5番目のタイプの評価は、オブジェクト30の提示とマッチングを使用するものである。評価者は、表示されたオブジェクトと多肢択一式回答28を照合するように小児に求めることができる。図7Aに示すように、小児に円を表示し、3つの多肢択一式のオブジェクトの中から円を特定するように求めることができる。次に、図7Bに示すように、小児に星印(*)を表示し、4つの多肢択一式のオブジェクトの中から星印を特定するように求めることができる。
【0035】
6番目のタイプの評価は、記憶を使用するものである。図8Aに示すように、評価者は、猫、リンゴ、テディベアの3つのオブジェクト30を見るように小児に求めることができる。次に、画面上に多肢択一式回答28として8つのオブジェクトが表示される。評価者は、小児に先に示された3つのオブジェクト30を指摘するように求める。図8Bに示すように、猫、リンゴ、椅子、猫、カップの5つのオブジェクト30が表示される、別のタイプの記憶が示されている。小児は、オブジェクトとその位置を記憶するように求められる。次に、オブジェクトを反転させて、オブジェクトを多肢択一式回答28として非表示にする。小児は、例えば猫などのオブジェクトを特定するように求められる。
【0036】
評価課題の実施と採点について、図9を参照しながら説明する。
【0037】
最初の評価は画用紙を使用するものであり、絵32はビデオ録画36の形式でカメラ34によってキャプチャされる。絵の画像は、人工知能38を介して処理される。小児の微細運動能力を表すパフォーマンス特性は、小児の微細運動能力のデータセット40の分布に基づいて決定される。ペンの持ち方も分析される場合がある。
【0038】
2番目の評価は積み木を使用するものであり、重ねた積み木24はビデオ録画42の形式でカメラ34によってキャプチャされる。重ねた積み木の画像は、人工知能44を介して処理される。小児の微細運動能力を表すパフォーマンス特性は、小児の微細運動能力のデータセット40の分布に基づいて決定される。積み木の重ね方、すなわち一度に1つずつ積み重ねるか、一度に2つずつ積み重ねるかについても評価される。
【0039】
3番目の評価は発話促進を使用するものであり、発話はビデオ録画48の形式でカメラ34とマイクロフォン46によってキャプチャされる。発話の音声は、人工知能50を介して処理される。小児の言語能力を表すパフォーマンス特性は、小児の言語能力のデータセット52の分布に基づいて決定される。
【0040】
4番目の評価は、タッチ対応画面56上の多肢択一式回答54を用いた聴解および識別を使用するものである。タッチの選択は、人工知能を介して処理される。小児の言語能力を表すパフォーマンス特性は、小児の言語能力のデータセット52の分布に基づいて決定される。
【0041】
5番目の評価は、タッチ対応画面56上の多肢択一式回答58を用いた視覚およびマッチングを使用するものである。タッチの選択は、人工知能を介して処理される。小児の認知能力を表すパフォーマンス特性は、小児の認知能力のデータセット60の分布に基づいて決定される。
【0042】
6番目の評価は、タッチ対応画面56上の多肢択一式回答62を用いた記憶および識別を使用するものである。タッチの選択は、人工知能を介して処理される。小児の認知能力を表すパフォーマンス特性は、小児の認知能力のデータセット60の分布に基づいて決定される。
【0043】
小児の微細運動能力、言語能力、および認知スコアのデータセットの分布は、描画、積み木、語彙、発話、視覚、および記憶のルートを含む調査で収集された。データは、多数の小児を対象とした調査から得られたものである。当業者は、他のスキルを評価の一部として適応させることができる。
【0044】
画像と音声の処理には、アイコンタクト、集中力、感情、姿勢、および声質の分析が含まれる。各タスクの完了にかかる時間も評価される。
【0045】
このツールは、発達の強みを認識し、小児の学習体験を向上させるための個別学習コンテンツを提案することができる。また、発達の懸念事項を特定し、介入が必要な場合にさらなる評価が必要な領域を提案することもできる。このツールは、開発途上国における評価のアクセスと費用の問題に対処することができる。
【0046】
したがって、本発明は、小児発達を評価するためのツールを開示する。上記の説明は多くの具体性を含んでいるが、これらは実施形態の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、単に現在好ましい実施形態のいくつかを例示するものとして解釈されるべきである。

【要約】
小児発達を評価するための新規ツールについて説明する。このツールは、マイクロプロセッサ、カメラ(34)、マイクロフォン(46)、およびタッチ対応画面(56)を含む評価デバイス(10)を有する。プラットフォーム(12)は、タッチ対応画面(56)を垂直位置に保持する。アクティビティパッド(16)は、実行されるアクティビティのための境界(18)を有し、前記境界(18)はカメラ(34)の視野内に収まるように適合されている。一連の評価課題は、タッチ対応画面(56)を介して提示される。カメラ(34)は、アクティビティパッド上で実行された評価課題のビデオ録画をキャプチャする。ビデオ録画の画像は、小児のパフォーマンス特性を識別するために処理される。


図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9