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特許7610330情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20241225BHJP
   G06F 16/90 20190101ALI20241225BHJP
   H04L 51/02 20220101ALI20241225BHJP
【FI】
G06Q50/20
G06F16/90 100
H04L51/02
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2024560343
(86)(22)【出願日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 JP2024015615
【審査請求日】2024-10-10
(31)【優先権主張番号】P 2023068460
(32)【優先日】2023-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023086484
(32)【優先日】2023-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521370178
【氏名又は名称】アドネス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】三上 功太
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-21784(JP,A)
【文献】特開2017-21785(JP,A)
【文献】特開2021-73604(JP,A)
【文献】特開2019-144504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 16/90
H04L 51/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所定内容の目的を達成するために履修し得る講座にて当該ユーザに対して提供され得る提供情報を取得する提供情報取得手段と、
前記講座の履修を支援するための支援情報を指定する指定情報を取得する指定情報取得手段と、
前記指定情報に基づいて、前記支援情報に関連する関連情報を前記提供情報から生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成する第1プロンプト生成手段と、
前記第1プロンプトに基づいて、前記関連情報を生成する関連情報生成手段と、
前記指定情報及び前記関連情報に基づいて、前記支援情報を生成する処理を実行させる第2プロンプトを生成する第2プロンプト生成手段と、
前記第2プロンプトに基づいて、前記支援情報を生成する支援情報生成手段と、
ユーザが目的を達成するまでの道筋を示し、当該道筋上で行うべき行動を表す工程が複数、示されているステムルートを工程表の一部として生成するステム生成手段と、
前記ステムルートに沿った行動をとる前記ユーザにとっての難所となる難所工程を前記ステムルート上で特定する特定手段と、
前記難所工程を通過するための迂回路となり、1つ以上の工程が存在するブランチルートを前記工程表上に生成するブランチ生成手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記提供情報取得手段により取得された前記提供情報に基づいて、当該提供情報を構造化させた構造化提供情報を生成する処理を実行させる第3プロンプトを生成する第3プロンプト生成手段と、
前記第3プロンプトに基づいて、前記構造化提供情報を生成する構造化提供情報生成手段と、
を更に有し、
前記第1プロンプト生成手段は、前記構造化提供情報から前記関連情報を生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記関連情報生成手段は、取得されたプロンプト及び記憶された所定情報に基づいて、自然言語を用いた生成物を生成する処理を実行する情報処理装置に当該関連情報を生成させる、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記支援情報を前記ユーザに提供する支援情報提供手段、
を更に有する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記提供情報が、前記講座で使用される教材と、前記ユーザが目的を達成するまでの道筋及び当該道筋上で行うべき行動を表す工程表の枠組みと、前記ユーザがとるべき行動と、当該ユーザからの質問及び当該質問に対する回答と、当該ユーザが参加したチャットの流れとのうち1以上の情報を含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記目的が、早見表の作成と、早見表のブラッシュアップと、質問及び質問に対する回答と、ユーザがとるべき行動の作成と、ユーザに対するヒントの作成と、セルフチェックポイントの作成と、セルフチェックポイントのアドバイスの作成とのうち1以上である、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記ブランチ生成手段は、前記ステムルート上の前記難所工程に対する前記ブランチルートに複数の工程を配置させる、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記ブランチ生成手段は、前記難所工程で生じる不具合を想定し、想定する不具合が複数、存在する場合に、前記ブランチルートを複数、生成する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記ステム生成手段、及び前記ブランチ生成手段は、1つ以上の工程に、当該工程が示す行動を前記ユーザが行うまでの期間を表す時間情報を対応付けて生成する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記目的を達成した達成者による前記目的のためにとった前記行動の実績を示す行動実績情報を取得する実績情報取得手段、を更に有し、
前記特定手段は、前記行動実績情報を参照して、前記達成者毎に,前記達成者が前記目的を達成するまでにとったルートを特定し、特定したルートの相違に基づいて、前記難所工程を特定する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記目的を達成した達成者による前記目的のためにとった前記行動の実績を示す行動実績情報を取得する実績情報取得手段、を更に有し、
前記ステム生成手段は、前記行動実績情報を参照して、前記達成者毎に,前記達成者が前記目的を達成するまでにとったルートを特定し、特定したルートに基づいて、前記ステムルートを生成する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記ステム生成手段は、前記達成者毎に特定した前記ルートのうちで最短となる最短ルートを特定し、前記最短ルートに基づいて、前記ステムルートを生成する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記ステム生成手段は、前記達成者毎に特定した前記ルートから、各ルートに共通して含まれる共通工程を抽出して、抽出した前記共通工程を含むルートを共通ルートとして特定し、特定した前記共通ルートに基づいて、前記ステムルートを生成する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記ステム生成手段は、前記達成者毎に特定した前記ルートを用いて、前記ルートに含まれる工程間の移行割合を算出し、算出した前記移行割合に基づいて、前記ステムルートを生成する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記ステム生成手段は、前記移行割合が最大となる工程間を含む前記ステムルートを生成する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記ステム生成手段は、前記ステムルートの作成後、前記移行割合に基づく前記ステムルートの更新を行い、
前記ブランチ生成手段は、前記ステム生成手段による前記ステムルートの更新に合わせ、前記ブランチルートを更新する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記特定手段は、前記ルートの相違を生じさせる工程での該相違を生じさせる割合に基づいて、前記難所工程とすべき工程を特定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項18】
情報処理システムが実行する情報処理方法において、
ユーザが所定内容の目的を達成するために履修し得る講座にて当該ユーザに対して提供され得る提供情報を取得するステップと、
前記講座の履修を支援するための支援情報を指定する指定情報を取得するステップと、
前記指定情報に基づいて、前記支援情報に関連する関連情報を前記提供情報から生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成するステップと、
前記第1プロンプトに基づいて、前記関連情報を生成するステップと、
前記指定情報及び前記関連情報に基づいて、前記支援情報を生成する処理を実行させる第2プロンプトを生成するステップと、
前記第2プロンプトに基づいて、前記支援情報を生成するステップと、
ユーザが目的を達成するまでの道筋を示し、当該道筋上で行うべき行動を表す工程が複数、示されているステムルートを工程表の一部として生成するステム生成ステップと、
前記ステムルートに沿った行動をとる前記ユーザにとっての難所となる難所工程を前記ステムルート上で特定する特定ステップと、
前記難所工程を通過するための迂回路となり、1つ以上の工程が存在するブランチルートを前記工程表上に生成するブランチ生成ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項19】
情報処理システムに、
ユーザが所定内容の目的を達成するために履修し得る講座にて当該ユーザに対して提供され得る提供情報を取得させ、
前記講座の履修を支援するための支援情報を指定する指定情報を取得させ、
前記指定情報に基づいて、前記支援情報に関連する関連情報を前記提供情報から生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成させ、
前記第1プロンプトに基づいて、前記関連情報を生成させ、
前記指定情報及び前記関連情報に基づいて、前記支援情報を生成する処理を実行させる第2プロンプトを生成させ、
前記第2プロンプトに基づいて、前記支援情報を生成させ、
ユーザが目的を達成するまでの道筋を示し、当該道筋上で行うべき行動を表す工程が複数、示されているステムルートを工程表の一部として生成させと、
前記ステムルートに沿った行動をとる前記ユーザにとっての難所となる難所工程を前記ステムルート上で特定させ、
前記難所工程を通過するための迂回路となり、1つ以上の工程が存在するブランチルートを前記工程表上に生成させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理、システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが目的を達成するまでの道筋を表した工程表を出力できるようにする技術が知られている。従来技術としては、例えば、複数の作業工程における工期と進捗とに基づいて、工期の遅れを吸収するためのマイルストーンバッファの消費期間及び工期の進捗率を出力するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-058867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術で必要とする工程表は、入力されるものであり、工程表は作成しなければならない。適切な工程表を作成するには、知識と経験が必要である。そのため、多くの人にとって、工程表の作成は容易ではない。このことから、工程表の作成を支援することで、ユーザがより効率よく自身の目的を達成できるようにすることも重要と思われる。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザがより効率よく自身の目的を達成できるように支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、ユーザが所定内容の目的を達成するために履修し得る講座にて当該ユーザに対して提供され得る提供情報を取得する提供情報取得手段と、前記講座の履修を支援するための支援情報を指定する指定情報を取得する指定情報取得手段と、前記指定情報に基づいて、前記支援情報に関連する関連情報を前記提供情報から生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成する第1プロンプト生成手段と、前記第1プロンプトに基づいて、前記関連情報を生成する関連情報生成手段と、前記指定情報及び前記関連情報に基づいて、前記支援情報を生成する処理を実行させる第2プロンプトを生成する第2プロンプト生成手段と、前記第2プロンプトに基づいて、前記支援情報を生成する支援情報生成手段と、を有する情報処理システムである。
【0007】
本発明の一態様の上記情報処理システムに対応する情報処理方法、及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理システムに対応する情報処理方法、及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザがより効率よく自身の目的の達成できるよう、支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る情報処理システムS100の全体構成の一例を示す図である。
図2】第1実施形態に係る管理サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】管理サーバ1における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】ユーザ端末2及び指導者端末3における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】ステムルート生成処理の例を示すフローチャートである。
図6】他のステムルート生成処理の例を示すフローチャートである。
図7】ブランチルート生成処理の例を示すフローチャートである。
図8】ステムルートの具体例を示す図である。
図9】ブランチルートを含む早見表の具体例を示す図である。
図10】早見表に含まれるステムルートやブランチルートに対応付けられて表示される情報の具体例を示す図である。
図11】第2実施形態に係る情報処理システムS200の全体構成の一例を示す図である。
図12】管理サーバ31における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図13】生成AI処理装置6における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図14】支援情報生成処理の例を示すフローチャートである。
図15】情報処理システムS200を構成するが適用されるサービスを利用するユーザ端末2に表示される画面の具体例を示す図である。
図16】アップロードされる提供情報の具体例を示す図である。
図17】アップロードされる提供情報の具体例を示す図である。
図18】アップロードされる提供情報の具体例を示す図である。
図19】アップロードされる提供情報の具体例を示す図である。
図20】生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例を示す図である。
図21】生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例を示す図である。
図22】生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例を示す図である。
図23】生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例を示す図である。
図24】生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例を示す図である。
図25】生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例を示す図である。
図26】生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
<情報処理システム>
図1は、第1実施形態に係る情報処理システムS100の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システムS100は、ユーザの目的を少なくとも含むユーザ登録に必要となる情報(以下、「ユーザ情報」と呼ぶ。)に基づいて、ユーザの目的を達成するまでの道筋を示すルート(以下、「ステムルート」と呼ぶ。)を含む工程表を生成し、ユーザに提示する管理サーバ1を含む。管理サーバ1は、ステムルートに沿った行動をとるユーザにとっての難所工程(ノード)となる難所工程を特定し、その難所工程を通過するための迂回路を示すルート(以下、「ブランチルート」と呼ぶ)を1つ以上、工程表に加える。即ち、工程表は、ユーザにステムルートを歩ませ、ユーザが躓く難所工程を発見したときにブランチルートを追加することにより、ユーザが目的を達成するための最適なルートを示すものである。
【0011】
管理サーバ1から工程表が提示されたユーザは、工程表を用いて自身の目的を達成するべく、ステムルートに沿った行動を開始する。その後、ユーザが難所工程に辿りつき、その難所工程で示された行動が困難であっても、工程表のブランチルートに沿った行動をとることで、その難所工程を通過することができるようになる。これにより、ユーザは、工程表に沿った行動をとることにより、目的を達成することがより容易にできる。また、ブランチルートが提示されることでユーザの自助努力が支援される。そのため、ユーザを指導する立場にある者(以下、「指導者」と呼ぶ。)の負担が軽減される。
【0012】
情報処理システムS100は、上記管理サーバ1と、ユーザ端末2-1乃至2-n(nは1以上の整数値)と、指導者端末3-1乃至3-m(mは1以上の整数値)と、メールサーバ4と、チャットサーバ5とがネットワークNを介して接続されることで構成される。ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)等である。なお、ユーザ端末2-1乃至2-nの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめて「ユーザ端末2」と呼ぶ。また、指導者端末3-1乃至3-mの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめて「指導者端末3」と呼ぶ。
【0013】
(管理サーバ)
管理サーバ1は、ユーザ端末2、指導者端末3、メールサーバ4、チャットサーバ5、及び他の外部から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、管理サーバ1は、ユーザ端末2、指導者端末3、メールサーバ4、チャットサーバ5、及び他の外部に向けて各種の情報を送信する。
【0014】
例えば、管理サーバ1は、ユーザの目的を少なくとも含むユーザ情報を取得し、記憶して管理する。また、管理サーバ1は、ユーザによる工程表に沿った行動をした工程を特定し、記憶して管理する。
この管理サーバ1は、学校等とは別に、例えばビジネスを行う人材を育成する人材育成サービスを提供する人材育成サービス会社により設置されたものである。人材育成サービス会社は、例えば一般人を想定した1つ以上の講座を開設し、開設した講座に参加した一般人を対象者として、人材育成サービスを提供する。このことから、工程表は、講座を学ぶ受講者を想定したものである。その場合、工程表のスタートラインは、対応する講座で想定されたものとなる。以降、工程表は「早見表」と呼ぶことにする。なお、講座は特に限定されるものではない。
指導者は、ユーザの目的を達成した達成者である。管理サーバ1は、指導者がその目的を達成するためにとった一連の行動の実績を示す情報(以下、「行動実績情報」と呼ぶ)を取得し、記憶して管理する。行動実績情報は、指導者以外の達成者から取得するものであってもよい。指導者以外の達成者からも併せて取得するようにしてもよい。
【0015】
管理サーバ1は、行動実績情報等に基づいて、ステムルート、ブランチルートを含む早見表を生成する。管理サーバ1は、早見表を生成する際、時系列に沿って、到達、或いは通過に要する目安とする時間情報(以下、「マイルストーン」と呼ぶ)をステムルート中の1つ以上の工程に対応付ける。管理サーバ1は、生成した早見表をユーザに提示する。なお、管理サーバ1が早見表を生成する手法、及び管理サーバ1により生成された早見表の具体例については後述する。
【0016】
また、管理サーバ1は、ステムルートに沿った行動をとるユーザにとっての難所工程を特定する。管理サーバ1は、難所工程を特定すると、ステムルートを含む早見表に、その難所工程を通過できるようにするためのブランチルートを生成する。なお、ブランチルートが生成されている早見表の具体例については後述する。
【0017】
「難所工程」とは、ステムルートに沿った行動をとるうえでユーザがスムーズに行うことが比較的に困難と推定される工程のことをいう。難所工程には、大部分のユーザに共通すると考えられるものと、個々のユーザに特有のものとがある。具体的には、例えば、ある目的を達成するために必要となる能力の多くを備えているユーザは、難所工程がないか、或いは少ないと言える。しかし、その目的を達成するために必要となる能力の多くを備えていないユーザは、難所工程が多いことが想定される。このようなことから、難所工程は、それが難所工程となるユーザの割合に着目して大別することができる。
【0018】
また、管理サーバ1は、早見表に含まれるステムルートを予め定められたタイミングで更新する。ここで、「予め定められたタイミング」としては、例えば、ステムルートを含む早見表を生成してから所定期間が経過したタイミング、ユーザからの問い合わせの内容やその問い合わせに対する回答を早見表に反映させるタイミング、ステムルートよりもブランチルートの方がユーザの目的を達成するまでの道筋として好ましいと判断されたタイミングなどが挙げられる。現在の道筋が好ましくないと判断された場合、ステムルートの一部とブランチルートとを入れ替える操作が早見表に対して行われる場合がある。
また、管理サーバ1は、ステムルートを含む早見表が生成されるまでの経緯を示す情報(以下、「生成経緯情報」と呼ぶ。)を記憶して管理する。この生成経緯情報には、早見表の更新履歴を示す情報も含まれる。
【0019】
また、管理サーバ1は、早見表に沿った行動をとるユーザからの問い合わせの内容を示す情報(以下、「問い合わせ情報」と呼ぶ。)を取得し、記憶して管理する。問い合わせ情報は、問い合わせの内容を示すテキストデータ、音声データ、或いは動画データである。また、管理サーバ1は、取得した問い合わせ情報の内容に応じて、指導者端末3に向けて問い合わせ情報を送信する。そして、管理サーバ1は、問い合わせに対する指導者からの回答の内容を示す情報(以下、「回答情報」と呼ぶ。)を取得し、問い合わせ情報に対応付けて記憶して管理する。回答情報は、問い合わせに対する回答の内容を示すテキストデータ、音声データ、或いは動画データである。
【0020】
また、管理サーバ1は、問い合わせを行ったユーザにとっての難所工程を特定し、その問い合わせへの対応として、その難所工程を通過できるようにするブランチルートを早見表に必要に応じて追加する。なお、管理サーバ1の具体的な構成や処理の詳細については後述する。
【0021】
(ユーザ端末)
ユーザ端末2は、ユーザが操作する情報処理装置であり、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等で構成される。ユーザ端末2には、情報処理システムS100を利用可能にする専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「ネクストアクションアプリ」と呼ぶ。)がインストールされているものとする。ユーザ端末2は、ユーザの操作に基づいて、ネクストアクションアプリを起動させて、管理サーバ1、指導者端末3、及び他の外部から送信されてくる各種の情報や、ユーザの操作により入力された情報等に基づいて、各種の処理を行う。また、ユーザ端末2は、管理サーバ1、指導者端末3、メールサーバ4、チャットサーバ5、及び他の外部に向けて各種の情報を送信する。なお、ユーザ端末2にインストールさせる専用のアプリケーションソフトウェアは用意しなくともよい。
【0022】
例えば、ユーザ端末2は、ユーザ情報の入力を受け付けて、その入力情報を管理サーバ1に向けて送信する。また、ユーザ端末2は、管理サーバ1から送信されてきた早見表を受信して表示する。
【0023】
また、ユーザ端末2は、問い合わせ情報の入力を受け付けて、その入力情報を管理サーバ1に向けて送信する。また、ユーザ端末2は、管理サーバ1から送信されてきたブランチルートを含む早見表を取得して表示する。なお、ユーザ端末2の具体的な構成や処理の詳細については後述する。
【0024】
(指導者端末)
指導者端末3は、指導者が操作する情報処理装置であり、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、或いはスマートフォン等である。指導者端末3は、管理サーバ1、ユーザ端末2、及び他の外部から送信されてくる各種の情報や、指導者の操作により入力された情報に基づいて、各種の処理を行う。また、指導者端末3は、管理サーバ1、ユーザ端末2、メールサーバ4、チャットサーバ5、及び他の外部に向けて各種の情報を送信する。
【0025】
例えば、指導者端末3は、管理サーバ1から送信されてきた早見表を受信して表示する。また、指導者端末3は、管理サーバ1を介して送信されてきた問い合わせ情報を取得して表示する。また、指導者端末3は、ユーザからの問い合わせに対する回答として入力された回答情報を管理サーバ1に向けて送信する。回答情報のデータ形式は特に限定されず、例えば、テキストデータ、音声データ、動画データなどが挙げられる。なお、指導者端末3の具体的な構成や処理の詳細については後述する。
【0026】
メールサーバ4は、ユーザ端末2と指導者端末3との間の電子メール、ユーザ端末2と管理サーバ1との間の電子メール、ユーザ端末2間の電子メール、指導者端末3間の電子メール等の送受信を中継するために常時稼動している情報処理装置である。
【0027】
チャットサーバ5は、ネットワークNを介して複数のユーザ及び指導者の各々がテキストメッセージを送受信し会話を行えるようにするために常時稼動している情報処理装置である。チャットサーバ5は、ユーザ間、ユーザと管理サーバ1間、指導者間、ユーザと指導者間で送受信されるメッセージを中継する。
【0028】
情報処理システムS100を構成する管理サーバ1、ユーザ端末2、指導者端末3、メールサーバ4、及びチャットサーバ5の各々による上述の処理は一例であり、情報処理システムS100全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システムS100内で分担してもよいし協働してもよい。
【0029】
例えば、管理サーバ1の機能の一部または全部を、情報処理システムS100内の他の情報処理装置等の機能としてもよいし、情報処理システムS100内の他の情報処理装置等の機能の一部または全部を、管理サーバ1の機能としてもよい。これにより、情報処理システムS100全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0030】
<ハードウェア構成>
(管理サーバのハードウェア構成)
図2は、第1実施形態に係る管理サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
管理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0031】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、または、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12、及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0032】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種の情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成され、各種情報の入力を受け付ける。記憶部18は、ハードディスク、或いはSSD(Solid State Drive)等で構成され、各種データを記憶する。記憶される各種データには、情報処理装置を管理サーバ1として機能させるために開発したアプリケーション(以降「開発アプリ」)、及びOS(Operating System)が含まれる。そのアプリケーションは、OS上で動作する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間での通信を可能にする。
【0033】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
上記開発アプリは、リムーバブルメディア21に格納することで、管理サーバ1にインストール可能にしてもよい。ネットワークNを介して送受信するようにしてもよい。このことから、開発アプリは、他の外部の情報処理装置が直接的、或いは間接的にアクセス可能な記録媒体に格納してもよい。
【0034】
(ユーザ端末、指導者端末、メールサーバ、及びチャットサーバのハードウェア構成)
また、図示はしないが、ユーザ端末2、指導者端末3、メールサーバ4、及びチャットサーバ5は、図2に示すハードウェア構成をそれぞれ有していてもよい。即ち、ユーザ端末2、指導者端末3、メールサーバ4、及びチャットサーバ5の各々は、図2のCPU11、ROM12、RAM13、バス14、入出力インターフェース15、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20、及びリムーバブルメディア21の各々に対応するCPU、ROM、RAM、バス、入出力インターフェース、出力部、入力部、記憶部、通信部、ドライブ、及びリムーバブルメディアの各々を有していてもよい。ここでは、便宜的に、そのように想定する。
【0035】
<機能構成>
(管理サーバの機能構成)
図3は、管理サーバ1における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
管理サーバ1のCPU11においては、動作する際に、受信制御部111、認証部112、管理部113、ルート解析部114、ステム生成部115、特定部116、ブランチ生成部117、付加情報生成部118、早見表更新部119、画面生成部120、及び送信制御部121が機能する。また、管理サーバ1の記憶部18においては、ユーザ情報格納部181、設定情報格納部182、行動実績情報格納部183、早見表格納部184、問い合わせ情報格納部185、回答情報格納部186、解析結果格納部187が情報格納用に確保されている。
【0036】
受信制御部111は、通信部19により受信された各種情報を処理する。受信制御部111は、例えば受信された情報の種類を特定し、その特定結果に応じて、情報を渡すべき先を決定して渡す。それにより、ユーザ登録のために送信されたユーザ情報、問い合わせ情報、各種設定情報、行動実績情報、及び回答情報は管理部113に渡され、それぞれ、記憶部18に確保されたユーザ情報格納部181、問い合わせ情報格納部185、設定情報格納部182、行動実績情報格納部183、及び回答情報格納部186に格納される。それにより、管理部113は、主に情報管理を行うようになっている。ユーザ情報、ログイン情報、及び問い合わせ情報は、ユーザ端末2から、各種設定情報、行動実績情報、及び回答情報は、指導者端末3から送信される。
【0037】
ユーザ情報は、例えばユーザの識別情報(以下「ユーザID」)、参加している講座の識別情報(以下「講座ID」)、ユーザの個人情報、ログイン情報、講座の進捗情報等を含む情報群である。早見表の各工程(ノード)にも、識別情報(以下「工程ID」)が割り当てられている。それにより、進捗情報には、ユーザが直前に終えた、或いは現在、移行している工程の工程IDが含まれる。そのような工程は、例えば閲覧させるコンテンツを工程毎に設定することにより、ユーザが閲覧したコンテンツから特定することができる。なお、進捗情報は、ユーザが行動した工程、その工程に移行した日時、等の行動履歴を示すものであってもよい。
【0038】
問い合わせ情報は、例えばチャットサーバ5を介して送信される情報である。回答情報も、例えばチャットサーバ5を介して送信される情報である。それらは、管理サーバ1に直接的に送信するものであってもよい。その場合、管理サーバ1は、情報を中継することになる。
設定情報には、例えば早見表の更新契機情報、工程の分割例情報、工程の内容による不具合例を表す不具合情報、早見表の作成方法を指定する指定作成情報等がある。これらは全て、早見表の作成に係わる設定情報の例である。行動実績情報は、ユーザの目的、つまり講義の目的を達成するために指導者がとった一連の行動(ルート)を示す情報である。
【0039】
通信部19がログイン情報を受信した場合、そのログイン情報は、例えば受信制御部111から認証部112に渡される。認証部112は、渡されたログイン情報を用いてユーザ情報格納部181に格納されているユーザ情報を参照することにより、ログイン情報を送信させたユーザが登録者か否か確認する。その確認結果は、画面生成部120に通知される。それにより、画面生成部120は、確認結果に応じた画面を生成し、生成した画面を送信制御部121に渡す。この結果、ログイン情報を送信させたユーザ端末2に、画面生成部120が生成した画面が通信部19を介して送信される。このような認証により、登録者であるユーザと、そのユーザが使用しているユーザ端末2との間の対応関係が特定される。この結果、何らかの情報を送信させたユーザは、その情報を送信させたユーザ端末2から特定される。
【0040】
問い合わせ情報の送信は、例えばユーザが移行させた工程でその工程に係わる問い合わせ情報の送信を可能にするか、或いは問い合わせを望む工程を指定する情報(例えば工程ID、或いは工程名)を入力して行わせるようになっている。そのため、問い合わせ情報には、それを送信させたユーザID、講座ID、問い合わせのテキストデータ、及び問い合わせ情報に割り当てられた識別情報(以下「問い合わせID」)の他に、講座ID、工程IDが含まれる。管理部113は、受信された問い合わせ情報に対し、問い合わせIDを割り当て、問い合わせ情報格納部185に格納する。また、例えば画面生成部120、或いは送信制御部121に指示して、指導者端末3を使用する指導者に対し、回答すべき問い合わせ情報の存在を通知するための処理を行う。例えばチャットサーバ5を介して送信されるメッセージを送信制御部121に送信させるようにしてもよい。
【0041】
指導者は、指導者端末3により問い合わせ情報を確認し、回答メッセージを回答情報として送信させる。管理サーバ1によって受信された回答情報は、管理部113により、指導者の識別情報(以下「指導者ID」)が回答情報に割り当てられ、指導者IDとともに、回答情報格納部186に格納される。回答情報には、問い合わせ情報に割り当てられた問い合わせID等も含まれる。それにより、問い合わせ情報と回答情報の対応関係が特定可能となっている。
【0042】
ルート解析部114は、格納されている行動実績情報毎に、指導者が目的達成のために実際にとった一連の行動をルートとして特定し、特定したルートを解析して、ルート間の関係を特定する。ここでは、行動実績情報は指導者のものとしているが、上記のように、指導者以外の達成者のものであってもよく、指導者と指導者以外の達成者の両方のものが混在していてもよい。
例えばルート解析部114は、ルートのうちで工程数が最小の最短ルートの抽出、ルートの全てで共通する、或いは共通する割合が高い工程の抽出、分岐が発生する工程の抽出、工程間の移行割合(分岐する割合が含まれる)の算出等を行う。また、共通する割合が非常に高い工程は、他の工程と比較して重要であるとして、その工程を終える目安となるタイミングを表す時間情報をマイルストーンとして特定する。これらは、記憶部18に確保された解析結果格納部187に解析結果として格納される。
なお、行動実績情報が文章で各工程を説明するような文章であった場合、ルート解析部114は、AI機能により、その文章から各工程、及びその流れを抽出できるものであっても良い。
【0043】
ステム生成部115、特定部116、及びブランチ生成部117は、解析結果格納部187に格納された解析結果を参照し、それぞれステムルートの生成、難所工程の特定、及びブランチルートの生成を行う。これら、及びルート解析部114は、実際には設定情報として格納された指定生成情報の内容に沿って機能する。
【0044】
問い合わせ情報、及び回答情報は、早見表に沿って行動をする多くのユーザにとって有用な情報である。このことから、第1実施形態では、これらを他のユーザでも閲覧可能にさせている。このような情報の存在をより容易に視認できるように、工程表上でその存在を示すようにしている。
付加情報生成部118は、問い合わせ情報、及び回答情報の存在を表す情報を付加情報として生成し早見表に追加する。後述する図9では、問い合わせ情報、及び回答情報にアクセスするためのリンクボタンとして2つの付加情報FJ1、FJ2を早見表に追加した例を示している。
このようなリンクボタンを付加情報FJ1、FJ2として早見表に配置させる場合、問い合わせ情報、及び回答情報のデータ形式は特に限定されない。しかし、より短時間に、且つより正確に内容を確認できるように、閲覧はテキストデータで行えるようにするのが望ましい。問い合わせ情報、及び回答情報を閲覧可能にすることにより、同じような問い合わせがされることは回避される。そのため、指導者の負担は軽減されることとなる。
【0045】
問い合わせ情報が送信された工程は、その工程で質問を持つ、或いは理解し難い等と考えるユーザが存在することを意味する。このことから、第1実施形態では、問い合わせ情報が送信された工程を難所工程と見做し、その難所工程の内容、或いは問い合わせ内容等から、ブランチルートの生成、或いはその難所工程の分割、つまり細分化を行い、早見表を更新するようにしている。そのような早見表の更新は、管理部113の管理下で行われる。
【0046】
管理部113は、例えば回答情報の受信により、問い合わせ情報、及び回答情報の各内容を確認し、早見表の更新の必要性の有無を判定する。この判定は、AIを用いて行ってもよい。
早見表を更新する必要が有ると判定した場合、早見表更新部119に対し、難所工程を想定したブランチルートの生成、或いは難所工程の細分化等を指示する。それにより、早見表更新部119は、指示に従い、ブランチルートの生成、或いは難所工程の細分化等を行い、早見表を更新する。難所工程は、ステムルート上の工程だけでなく、既存のブランチルート上の工程となる場合もある。このような早見表の更新は、必要な設定情報を参照して行われる。
【0047】
各指導者が実際にとったルートの間には、細かい相違が存在することも多い。そのため、ブランチ生成部117によって生成されるブランチルートは、全てのルートを網羅していないのが普通である。このことに着目し、ブランチルートの生成、及び難所工程の細分化は、例えばルート解析部114によって特定されたルートのうちから有用なルートを抽出し、抽出したルートを参照して行うようにしてもよい。例えば他の工程表における類似の工程での対応方法を参照し、或いはその難所工程で必要とする知識の種類の特定により、ブランチルートの生成、或いは難所工程の細分化を行ってもよい。また、ブランチルートの生成、及び難所工程の細分化以外の方法で、早見表を更新可能にしてもよい。例えば参考資料、チェックリスト等を提示する情報の追加を行うようにしてもよい。
【0048】
例えば早見表がより大部分のユーザにとってより望ましいものにすることを重視する場合、ステムルートの一部をブランチルートと交換させる形で早見表を更新できるようにしてもよい。このような早見表の更新は、工程間の移行を監視し、工程間毎の移行割合を算出することで行うことができる。行動実績情報に指導者が参照した資料(本、或いは動画等)が示されていた場合、その資料を参考資料としてよい。参考資料は、予め用意した資料のうちから選択するようにしてもよい。
【0049】
早見表を作成することにより、作成表の作成に求められる知識、経験はより少なくともすむようになる。作成された早見表で望ましくない箇所の確認、必要な箇所の修正により、ユーザに提示する早見表を作成することができる。そのため、早見表を作成する負担は大きく軽減される。また、このような早見表の更新により、早見表はよりユーザフレンドリなものとなる。そのため、より多くのユーザは、より容易に早見表の工程に沿った行動をすることができるようになる。
【0050】
(ユーザ端末及び指導者端末の機能構成)
図4は、ユーザ端末2及び指導者端末3における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
〔ユーザ端末の機能構成〕
ユーザ端末2のCPUにおいては、動作する際に、取得部51と、表示制御部52と、送信制御部53とが機能する。
【0051】
取得部51は、各種の情報を取得する。例えば、取得部51は、入力部により受け付けられた入力情報を取得する。例えば、取得部51は、入力が受け付けられたユーザ情報を取得する。また、例えば、取得部51は、入力が受け付けられた問い合わせ情報を取得する。また、取得部51は、管理サーバ1、指導者端末3、メールサーバ4、チャットサーバ5、及び他の外部から送信されてきた各種の情報を取得する。例えば、取得部51は、管理サーバ1から送信されてきた早見表を取得する。そのようにして、取得部51は、入力部による情報入力、及び通信部による情報受信に対応する。
【0052】
表示制御部52は、各種の情報を出力部のディスプレイ等に表示させる制御を行う。例えば、表示制御部52は、早見表を出力部のディスプレイ等に表示させる制御を行う。また、例えば、表示制御部52は、回答情報を出力部のディスプレイ等に表示させる制御を行う。
【0053】
送信制御部53は、管理サーバ1、メールサーバ4、チャットサーバ5、及び他の外部に向けて、通信部を介して各種の情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部53は、行動実績情報を管理サーバ1に向けて送信する制御を行う。また、例えば、送信制御部53は、問い合わせ情報を管理サーバ1、メールサーバ4、またはチャットサーバ5に向けて送信する制御を行う。
【0054】
〔指導者端末の機能構成〕
指導者端末3のCPUにおいては、動作する際に、取得部61と、表示制御部62と、送信制御部63とが機能する。
【0055】
取得部61は、各種の情報を取得する。例えば、取得部61は、入力部により受け付けられた入力情報を取得する。例えば、取得部61は、入力が受け付けられた回答情報を取得する。また、取得部61は、管理サーバ1、ユーザ端末2、メールサーバ4、チャットサーバ5、及び他の外部から送信されてきた各種の情報を取得する。例えば、取得部61は、管理サーバ1から直接的に、或いは間接的に送信されてきた問い合わせ情報を取得する。そのようにして、取得部61は、入力部による情報入力、及び通信部による情報受信に対応する。
【0056】
表示制御部62は、各種の情報を出力部のディスプレイ等に表示させる制御を行う。例えば、表示制御部62は、早見表を出力部のディスプレイ等に表示させる制御を行う。また、例えば、表示制御部62は、問い合わせ情報を出力部のディスプレイ等に表示させる制御を行う。
【0057】
送信制御部63は、管理サーバ1、メールサーバ4、チャットサーバ5、及び他の外部に向けて、通信部を介して各種の情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部63は、行動実績情報を管理サーバ1に向けて送信する制御を行う。また、例えば、送信制御部63は、回答情報を管理サーバ1、メールサーバ4、またはチャットサーバ5に向けて送信する制御を行う。
【0058】
<処理の流れ>
(管理サーバの処理の流れ)
図5は、ステムルート生成処理の例を示すフローチャートである。この処理により、ルート解析部114、ステム生成部115が実現される。
管理サーバ1のCPU11は、行動実績情報格納部183に格納されている活動実績情報を参照し、指導者毎に、ルートを特定する(ステップS1)。
次にCPU11は、特定したルートのうちで最短となる最短スルーとを抽出する(ステップS2)。その後、CPU11は、最短ルートに沿ってステムルートを生成する(ステップS3)。ステムルートの生成後、ステムルート生成処理が終了する。
【0059】
図5に例を示すステムルート生成処理は、指定生成情報により、最短ルートに沿ってステムルートの生成が指定された場合のものである。指定生成情報による指定内容に応じて、ステムルート生成処理の内容は変化する。
図6は、他のステムルート生成処理の例を示すフローチャートである。
この生成処理は、分岐割合を算出し、算出した分岐割合に応じて、ステムルートを構成する工程の選択を行う場合のものである。分岐割合を算出することにより、より多くのユーザにとって望ましい内容のステムルートを生成することもできる。
【0060】
CPU11は、行動実績情報格納部183に格納されている活動実績情報を参照し、指導者毎に、ルートを特定する(ステップS11)。
次にCPU11は、特定したルートに含まれる工程毎に、分岐先毎の分岐割合を算出する(ステップS12)。
その次に、CPU11は、算出した分岐割合から、工程別に、移行先を決定する(ステップS13)。次にCPU11は、決定した工程を結ぶ形でステムルートを生成する(ステップS14)。ステムルートの生成後、ステムルート生成処理が終了する。
【0061】
図7は、ブランチルート生成処理の例を示すフローチャートである。
CPU11は、指導者毎に特定したルートを比較し、分岐が存在するステムルート上の工程を特定する(ステップS21)。次にCPU11は、例えば特定した工程から分岐するルートを参照し、参照したルートのうちから、特定した工程からステムルートに戻るルートを特定する(ステップS22)。その次にCPU11は、特定したルートに沿ってブランチルートを生成する(ステップS23)。なお、ブランチルートは、通常、分岐が存在すると特定した工程別に生成される。
【0062】
<具体例>
(早見表の具体例)
図8は、ステムルートの具体例を示す図である。
ユーザがユーザ端末2を操作して、例えば管理サーバ1から早見表をダウンロードすると、図8に示すように、ステムルートSRを含む早見表100が表示される。ステムルートSRには、ユーザが目的Gを達成するまでの幹となる道筋として、ユーザが行うべき行動を表す工程A1乃至A5が時系列に沿って繋がっている。また、ステムルートSRには、重要と位置づける工程毎に、時間的な通過目標となるマイルストーンM1乃至M3が対応付けられている。また、ステムルートSR上には、ユーザの現在位置を示すためのオブジェクトUが表示されている。ユーザは、表示されたオブジェクトUを視認するだけで、自身がこれまで歩んだ軌跡と、自身の現在位置と、自身が次に行うべき行動と、自身が今後歩むべき道筋とを容易に把握することができる。
【0063】
具体的には、工程A1には、「aを行いましょう」と表記されている。また、工程A2には、「bを行いましょう」と表記されている。また、工程A3には、「cを行いましょう」と表記されている。また、工程A4には、「dを行いましょう」と表記されている。また、工程A5には、「eを行いましょう」と表記されている。また、マイルストーンM1には、「〇〇達成」と表記されている。また、マイルストーンM2には、「△△達成」と表記されている。また、マイルストーンM3には、「□□達成」と表記されている。ユーザは、ステムルートSR上の各A3乃至A5に表記されているマイルストーンM1乃至M3を通過目標としつつ、工程A1乃至A5をその順番でこなしていくことで、自身の目的Gを達成することができる。
【0064】
(ブランチルートの具体例)
図9は、ブランチルートを含む早見表の具体例を示す図である。
上述のように、ユーザは、早見表に含まれるステムルートに沿った工程で行動することで、自身の目的を効率よく達成することができる。ただし、ユーザが難所工程を向かえた場合には、難所工程を通過できるようにするためのブランチルートが追加される。図9には、早見表100に含まれるステムルートSRに対応付けられた工程A1乃至A5のうち、工程A3がユーザにとって難所工程であると判断された例が示されている。このため、図9に示す早見表には、ユーザが工程A3を通過できるようにするためのブランチルートBRが追加されている。
また、問い合わせがあった工程A3では、付加情報FJ1、FJ2が配置されている。
【0065】
工程A3を通過するためのブランチルートBRには、工程A3を通過するためにユーザが行動をすべき工程A3-1乃至3-3が時系列で対応付けられている。具体的には、工程A3-1には、「c1を行いましょう」と表記されている。また、工程A3-2には、「c2を行いましょう」と表記されている。また、工程A3-3には、「c3を行いましょう」と表記されている。ユーザは、工程A3を通過するために細分化された工程A3-1乃至3-3をこなすことで、効率よく工程A3を通過することができる。即ち、ユーザは、ブランチルートBRからステムルートSRに戻り、それ以降の工程に移行することができる。その後、ユーザは、工程A4及びA5をこなすことで、自身の目的Gを達成することができる。
【0066】
ただし、ブランチルートBRに沿った工程をとるうえで、そのユーザにとっての難所工程を向かえることがある。このような場合、図示はしないが、ブランチルートBRが細分化されたブランチルートが生成される。また、ブランチルートBRを細分化したブランチルートに沿った工程をとるうえで、そのユーザにとっての難所工程を向かえることがある。このような場合、さらに細分化されたブランチルートが生成される。このような更新を行うことで、全て、或いは大部分のユーザが目的Gに辿り着ける早見表が最終的に作成されることとなる。
【0067】
(早見表に表示される情報の具体例)
図10(A)乃至(C)は、早見表に含まれるステムルートやブランチルートに対応付けられて表示される情報の具体例を示す図である。なお、ステムルートやブランチルートは、基本的に左から右に向けて進む。
上述の図8及び図9には、早見表に含まれるステムルートやブランチルートの機能の概要を説明するために表示態様を単純化させたな例を示したが、図10(A)乃至(C)に示すように、ステムルートやブランチルートには様々な態様の情報を対応付けて表示させることができる。
【0068】
例えば、選択肢によりステムルートやブランチルートを分岐させることができる。図10(A)には、「〇〇ですか?」という質問に対する選択肢としての「はい」と「いいえ」とによりステムルートまたはブランチルートを2つに分岐させた例が示されている。また、図10(B)には、「△△ですか?」という質問に対する選択肢としての「X」、「Y」、及び「Z」によりステムルートまたはブランチルートを3つに分岐させた例が示されている。
【0069】
また、例えば、ユーザが閲覧または視聴可能なデータ(例えば、テキストデータ、音声データ、及び動画データなど)をステムルート及びブランチルートの工程に対応付けて表示させることができる。ユーザが閲覧または視聴可能なデータは、ステムルート及びブランチルートに沿った工程をとるために参考となるデータとして管理サーバ1側に予め用意したものであってもよいし、ユーザからの問い合わせ情報、あるいは指導者またはシステム側からの回答情報であってもよい。なお、図10(C)には、「参考動画」という表記から枝分かれした5つの動画データD1乃至D5が、ダウンロードして視聴可能な態様でステムルート上、或いはブランチルート上の工程に対応付けられている。
【0070】
<第1実施形態の有利な効果>
第1実施形態によれば、ユーザは、早見表に含まれるステムルートに沿った行動をとるうえで難所工程に至ったとしても、生成されたブランチルートに沿った行動をとることで、迷うことなく効率よく難所工程を通過して自身の目的を達成することが可能となる。また、生成された早見表に含まれるステムルート及びブランチルートに、ユーザからの問い合わせの内容や、その問い合わせに対する回答の内容が反映されるので、ステムルート及びブランチルートがブラッシュアップされ、早見表の内容はより望ましいものとさせることができる。ブランチルートの追加、工程の細分化、参考資料、或いはチェックリスト等の情報の追記、ステムルートの一部とブランチルートとの交換等は何れも、早見表の内容をより望ましいものにさせるうえで有効である。
【0071】
[第2実施形態]
上述の第1実施形態に係る情報処理システムは、ユーザの目的を少なくとも含むユーザ登録に必要となるユーザ情報に基づいて、ユーザの目的を達成するまでの道筋を示すステムルートを含む早見表を作成し、その早見表をブラッシュアップすることで、ユーザの目的達成を支援するものである。これに対して、第2実施形態に係る情報処理システムは、所定のAIモデルと早見表とを活用することで、ユーザの目的達成をより好適に支援するものである。
【0072】
従来、生成AIは、所定のプロンプトにより情報の生成が指示されると、所定のデータベースから生成に必要と思われる情報を検索することができる。そして、生成AIは、検索された情報を正とし、その情報の範囲で回答する。このような生成AIの機能を利用したサービスは、多く存在する。
【0073】
生成AIは、プロンプトを用いて細かな指示を与えたとしても、複数の大きな工程を含むと、それぞれの工程の精度が低下し、用意された所定のデータベースの情報を正解の情報として最終的な情報を生成することがある。
【0074】
例えば、多くの情報をまとめられた情報にする工程と、まとめられた情報に基づいて回答を生成する工程をする指示を、細かな指示として与えたとしても、回答の精度が不十分となることがある。
具体的には例えば、プロンプトには、所定のデータベースから検索された情報を構造的に整理するための指示と、構造的に整理された情報に基づいてユーザの目的を達成するまでの道筋を示すステムルートを含む早見表を作成する指示が含まれる。
このような場合、生成AIは、所定のデータベースから検索された情報が構造化されたものではなく、検索された情報の一部を正解として採用し、最終的な情報を生成してしまうことがある。即ち、作成された早見表の精度が十分ではないこととなる。
【0075】
そこで、第2実施形態では、生成AIをより適切に活用することで、より精度の高い最終的な情報(後述する「支援情報」)の生成を可能にしている。
【0076】
なお、以下、第2実施形態では、所定のAIモデルとして、大規模言語モデル(Large Language Model(LLM))が採用された生成AIモデルが使用されているものとして説明する。生成AIモデルとは、コンピュータが学習したデータを元に、新しいデータや情報をアウトプットすることが可能な、AIモデルである。また、言語モデルは、自然言語を用いたプロンプト(文字列)が入力されると、入力されたプロンプトやこれまでに入出力されたプロンプトのコンテクスト等に基づいて、文字列の出力を行うことができる。特に、大規模言語モデルは、言語モデルのうち「計算量」「データ量」「モデルパラメータ数」等の要素を大規模化することで、回答の品質を示す回答の正確性や、質問者の要望に適切に応える精度等を向上させたものである。上述したように、第2実施形態では、大規模言語モデルが採用されるものとして説明するが、特にこれに限定されず、所定の自然言語を用いた言語モデルが採用されてもよい。
【0077】
また、大規模言語モデルを用いた処理において、より好適な出力の文字列を得たり、出力のフォーマットを規定したりするために、プロンプトエンジニアリングが行われる。即ち、質問文や依頼文等を単にそのままプロンプトとするのではなく、前提や制約、出力のフォーマットの規定等の情報を埋め込むプロンプトエンジニアリングにより、出力の文字列の内容がより好適なものとなる。
【0078】
<情報処理システム>
図11は、第2実施形態に係る情報処理システムS200の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システムS200は、上記管理サーバ31と、ユーザ端末2-1乃至2-nと、指導者端末3-1乃至3-mと、メールサーバ4と、チャットサーバ5と、生成AI処理装置6とがネットワークNを介して接続されることで構成される。以下、第1実施形態と異なる点として、管理サーバ31と生成AI処理装置6との各々の構成等について説明する。
【0079】
(管理サーバ)
管理サーバ31は、上述の管理サーバ1の機能に加え、以下の機能を有する。即ち、管理サーバ31は、ユーザが所定内容の目的を達成するために履修し得る講座にてユーザに対して提供され得る情報(以下、「提供情報」と呼ぶ。)を取得し、記憶して管理する。提供情報は、例えば、講座で使用される教材に関する情報、ユーザの現在の行動に関する情報、ユーザの過去の行動に関する情報、ユーザの背景に関する情報などである。具体的には、例えば、講座で使用される教材及び補足教材、現状の早見表の行動例、過去の質問とその回答、過去のチャットの内容などが提供情報として取得される。なお、提供情報の具体例については、図16乃至図19を参照して後述する。
【0080】
また、管理サーバ31は、講座の履修を支援するための情報(以下、「支援情報」と呼ぶ。)を指定する情報(以下、「指定情報」と呼ぶ。)を取得し、記憶して管理する。支援情報は、早見表、ブラッシュアップされた早見表、質問に対する回答、工程、ヒント、セルフチェックポイント、セルフチェックポイントのアドバイスなどである。指定情報は、早見表の生成、早見表のブラッシュアップ、質問に対する回答の生成、工程の生成、ヒントの生成、セルフチェックポイントの生成、セルフチェックポイントのアドバイスの生成などである。
【0081】
管理サーバ31は、取得した指定情報に基づいて、支援情報に関連する情報(以下、「関連情報」と呼ぶ。)を提供情報から生成する処理を実行させるプロンプト(以下、「第1プロンプト」と呼ぶ。)を生成する。また、管理サーバ31は、第1プロンプトに基づき関連情報を生成する処理を、生成AI処理装置6に実行させる。
【0082】
ここで、取得した指定情報に基づいて、関連情報を提供情報から生成する処理には、提供情報を構造化する処理が含まれる。第1プロンプトには、提供情報を構造化するために考慮すべき事項が含まれる。
構造化された情報には、網羅的に、重複が排除された情報が含まれる。即ち、構造化された関連情報となる。即ち、整理されていない、重複も多くある提供情報から、構造化された関連情報が生成される。
【0083】
また、管理サーバ31は、取得した指定情報と、生成された関連情報とに基づいて、支援情報を生成する処理を実行させるプロンプト(以下、「第2プロンプト」と呼ぶ。)を生成する。また、管理サーバ31は、第2プロンプトに基づき支援情報を生成する処理を、生成AI処理装置6に実行させる。また、管理サーバ31は、生成された支援情報を取得してユーザに提供する。即ち、第2実施形態では、従来の生成AIのように単に提供情報を参照して支援情報を生成するのではなく、支援情報に関連する関連情報が提供情報から生成され、その関連情報に基づいて支援情報を生成する。これにより、生成される支援情報の精度が向上するので、ユーザは効率よく自身の目的を達成できるようになる。
【0084】
また、管理サーバ31は、取得した提供情報に基づいて、提供情報を構造化させた情報(以下、「構造化提供情報」と呼ぶ。)を生成する処理を実行させるプロンプト(以下、「第3プロンプト」と呼ぶ。)を生成する。また、管理サーバ31は、第3プロンプトに基づき構造化提供情報を生成する処理を生成AI処理装置6に実行させる。また、管理サーバ31は、構造化提供情報から関連情報を生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成する。これにより、提供情報を構造化させた構造化提供情報が生成されるので、例えば、ユーザから頻繁に質問される内容やその回答といった重複した情報が提供情報から省かれる。その結果、第1プロンプトに基づいて生成される関連情報の精度がさらに向上する。なお、管理サーバ1の具体的な構成や処理の詳細については後述する。
【0085】
(生成AI処理装置)
生成AI処理装置6は、大規模言語モデルを有し、管理サーバ31からの指示であるプロンプトに基づいて、生成AI処理を行い、その成果物を管理サーバ31に向けて送信する。具体的には、生成AI処理装置6は、管理サーバ31から指示である第1プロンプトに基づいて、生成AI処理を行い、その成果物としての関連情報を生成して管理サーバ31に向けて送信する。また、生成AI処理装置6は、管理サーバ31から指示である第2プロンプトに基づいて、生成AI処理を行い、その成果物としての支援情報を生成して管理サーバ31に向けて送信する。また、生成AI処理装置6は、管理サーバ31から指示である第3プロンプトに基づいて、生成AI処理を行い、その成果物としての構造化提供情報を生成して管理サーバ31に向けて送信する。なお、生成AI処理装置6の具体的な構成や処理の詳細については後述する。
【0086】
<ハードウェア構成>
(管理サーバ及び生成AI処理装置のハードウェア構成)
図示はしないが、管理サーバ31及び生成AI処理装置6は、上述の図2に示すハードウェア構成をそれぞれ有していてもよい。即ち、管理サーバ31及び生成AI処理装置6の各々は、図2のCPU11、ROM12、RAM13、バス14、入出力インターフェース15、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20、及びリムーバブルメディア21の各々に対応するCPU、ROM、RAM、バス、入出力インターフェース、出力部、入力部、記憶部、通信部、ドライブ、及びリムーバブルメディアの各々を有していてもよい。第2実施形態では、便宜的に、そのように想定する。
【0087】
<機能構成>
(管理サーバの機能構成)
図12は、管理サーバ31における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
管理サーバ31のCPUにおいては、動作する際に、上述の図3に示す機能構成(受信制御部111、認証部112、管理部113、ルート解析部114、ステム生成部115、特定部116、ブランチ生成部117、付加情報生成部118、早見表更新部119、画面生成部120、及び送信制御部121)に加え、提供情報取得部122、記憶制御部123、指定情報取得部124、第1プロンプト生成部125、関連情報生成部126、第2プロンプト生成部127、支援情報生成部128、第3プロンプト生成部129、構造化提供情報生成部130、支援情報提供部131が機能する。
【0088】
また、管理サーバ31の記憶部においては、上述の図3に示す機能構成(ユーザ情報格納部181、設定情報格納部182、行動実績情報格納部183、早見表格納部184、問い合わせ情報格納部185、回答情報格納部186、解析結果格納部187)に加え、提供情報格納部188、指定情報格納部189、関連情報格納部190、支援情報格納部191、構造化提供情報格納部192が情報格納用に確保されている。
【0089】
提供情報取得部122は、提供情報を取得する。取得された提供情報は、管理部113に渡され、記憶部に確保された提供情報格納部188に格納され、管理される。
記憶制御部123は、取得された提供情報を生成AI処理装置6に記憶させる制御を実行する。例えば、記憶制御部123は、生成AI処理装置6に向けて提供情報を送信制御部121に送信させてもよい。
【0090】
指定情報取得部124は、指定情報を取得する。取得された指定情報は、管理部113に渡され、記憶部に確保された指定情報格納部189に格納され、管理される。
【0091】
第1プロンプト生成部125は、取得された指定情報に基づいて、第1プロンプトを生成する。また、第1プロンプト生成部125は、構造化提供情報から関連情報を生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成する。
関連情報生成部126は、関連情報を生成するための処理を行う。具体的には、関連情報生成部126では、生成処理実行制御手段としての生成処理実行部1261と、関連情報取得手段としての関連情報取得部1262とが機能する。生成処理実行部1261は、第1プロンプトに基づき関連情報を生成する処理を生成AI処理装置6に実行させる。例えば、生成処理実行部1261は、生成AI処理装置6に向けて第1プロンプトを送信制御部121に送信させてもよい。この場合、第1プロンプトは、チャットサーバ5を介して送信されてもよい。関連情報取得部1262は、生成AI処理装置6により生成された関連情報を取得する。取得された関連情報は、管理部113に渡され、記憶部に確保された関連情報格納部190に格納され、管理される。
【0092】
第2プロンプト生成部127は、取得された指定情報と、生成され取得された関連情報とに基づいて、第2プロンプトを生成する。
支援情報生成部128は、支援情報を生成さるための処理を行う。具体的には、支援情報生成部128では、生成処理実行制御手段としての生成処理実行部1281と、支援情報取得手段としての支援情報取得部1282とが機能する。生成処理実行部1281は、第2プロンプトに基づき支援情報を生成する処理を、生成AI処理装置6に実行させる。例えば、生成処理実行部1281は、生成AI処理装置6に向けて第2プロンプトを送信制御部121に送信させてもよい。この場合、第2プロンプトは、チャットサーバ5を介して送信されてもよい。支援情報取得部1282は、生成AI処理装置6により生成された支援情報を取得する。取得された支援情報は、管理部113に渡され、記憶部に確保された支援情報格納部191に格納され、管理される。
【0093】
第3プロンプト生成部129は、取得された提供情報に基づいて、第3プロンプトを生成する。
構造化提供情報生成部130は、生成AI処理装置6に構造化提供情報を生成さるための処理を実行する。具体的には、構造化提供情報生成部130では、生成処理実行制御手段としての生成処理実行部1301と、支援情報取得手段としての構造化提供情報取得部1302とが機能する。生成処理実行部1301は、第3プロンプトに基づき構造化提供情報を生成する処理を、生成AI処理装置6に実行させる。例えば、生成処理実行部1301は、生成AI処理装置6に向けて第3プロンプトを送信制御部121に送信させてもよい。この場合、第3プロンプトは、チャットサーバ5を介して送信されてもよい。構造化提供情報取得部1302は、生成AI処理装置6により生成された構造化提供情報を取得する。取得された構造化提供情報は、管理部113に渡され、記憶部に確保された構造化提供情報格納部192に格納され、管理される。
【0094】
支援情報提供部131は、生成された支援情報をユーザに提供するための処理を実行する。例えば、支援情報提供部131は、ユーザ端末2に向けて支援情報を送信制御部121に送信させてもよい。
【0095】
(生成AI処理装置の機能構成)
図13は、生成AI処理装置6における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
生成AI処理装置6のCPUにおいては、動作する際に、取得部71、生成処理部72、送信制御部73が機能する。また、生成AI処理装置6の記憶部においては、提供情報格納部81が情報格納用に確保されている。
【0096】
取得部71は、各種の情報を取得する。例えば、取得部71は、管理サーバ31及び他の外部から送信されてきた各種の情報を取得する。また、取得部71は、管理サーバ31から送信されてきた提供情報を取得する。取得された提供情報は、管理サーバ31の制御により、記憶部に確保された提供情報格納部81に格納され、管理される。また、取得部71は、管理サーバ31から送信されてきた第1プロンプトを取得する。また、取得部71は、管理サーバ31から送信されてきた第2プロンプトを取得する。また、取得部71は、管理サーバ31から送信されてきた第3プロンプトを取得する。そのようにして、取得部71は、通信部による情報受信に対応する。
【0097】
生成処理部72は、管理サーバ31からの指示であるプロンプトに基づいて、生成AI処理を行い、成果物となる各種の情報を生成する。例えば、生成処理部72は、管理サーバ31から送信されてきた第1プロンプトに基づいて、生成AI処理を行い、その成果物としての関連情報を生成する。また、例えば、生成処理部72は、管理サーバ31から送信されてきた第2プロンプトに基づいて、生成AI処理を行い、その成果物としての支援情報を生成する。また、例えば、生成処理部72は、管理サーバ31から送信されてきた第3プロンプトに基づいて、生成AI処理を行い、その成果物としての構造化提供情報を生成する。
【0098】
送信制御部73は、管理サーバ1及び他の外部に向けて、通信部を介して各種の情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部73は、関連情報を管理サーバ31に向けて送信する制御を行う。また、送信制御部73は、支援情報を管理サーバ31に向けて送信する制御を行う。また、送信制御部73は、構造化提供情報を管理サーバ31に向けて送信する制御を行う。
【0099】
<処理の流れ>
(管理サーバの処理の流れ)
図14は、支援情報生成処理の例を示すフローチャートである。この処理により、提供情報取得部122、記憶制御部123、指定情報取得部124、第1プロンプト生成部125、関連情報生成部126、第2プロンプト生成部127、及び支援情報生成部128が実現される。
【0100】
管理サーバ31のCPUは、提供情報を取得する(ステップS31)。その後、管理サーバ31のCPUは、取得した提供情報を生成AI処理装置6に記憶させる制御を実行する(ステップS32)。
【0101】
次に、管理サーバ31のCPUは、指定情報を取得する(ステップS33)。その後、管理サーバ31のCPUは、取得した指定情報に基づいて、第1プロンプトを生成する(ステップS34)。その後、管理サーバ31のCPUは、関連情報を生成するための処理を行う(ステップS35)。具体的には、管理サーバ31のCPUは、第1プロンプトに基づき関連情報を生成する処理を生成AI処理装置6に実行させ、生成された関連情報を取得する。
【0102】
次に、管理サーバ31のCPUは、指定情報と、生成され取得された関連情報とに基づいて、第2プロンプトを生成する(ステップS36)。その後、管理サーバ31のCPUは、支援情報を生成さるための処理を行う(ステップS37)。具体的には、管理サーバ31のCPUは、第2プロンプトに基づき支援情報を生成する処理を、生成AI処理装置6に実行させ、生成された支援情報を取得する。支援情報の取得後、支援情報生成処理が終了する。
【0103】
<具体例>
図15は、情報処理システムS200が適用されるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ。)を利用するユーザ端末2に表示される画面の具体例を示す図である。本サービスは、ユーザが所定内容の目的を達成するために履修し得る講座を提供するサービスである。
本サービスを利用するユーザは、ユーザ端末2から提供情報をアップロードする。提供情報のアップロード先は管理サーバ31である。図15には、ユーザが提供情報としての「学習教材データ」をアップロードする際にユーザ端末2に表示される画面の一例が示されている。
【0104】
図15に例示された画面には、学習教材データをアップロードする際のメニューとして、「スクールごと」の学習教材データをアップロードするのか、または「コースごと」の学習教材データをアップロードするのかを選択するためのボタンや、スクールやコース(図15の例ではスクール)を個別に選択するためのボタンなどが表示されている。
【0105】
図16乃至図19は、上述の図14の画面からアップロードされる提供情報の具体例を示す図である。図16には、提供情報の一例である早見表の枠組みが示されている。図17には、提供情報の一例である工程が示されている。図18(A)には、提供情報の一例である、ユーザからの質問が示されている。図18(B)には、提供情報の一例である、質問に対する回答が示されている。図19には、提供情報の一例であるチャットの流れが示されている。なお、図19に示すチャットの流れは、指導者端末3に表示される画面の一例である。
【0106】
図20乃至図26は、生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例を示す図である。
図20には、生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例として、早見表の一例が示されている。図20に示された早見表には、ユーザの目的やニーズに基づいて生成された工程の例が複数、示されている。
【0107】
図21には、生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例として、ブラッシュアップされた早見表の一例が示されている。図21に示された早見表には、工程が追加された例(破線の領域)が示されている。図22には、生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例として、質問に対する回答の一例が示されている。図23には、生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例として、複数の工程の一例が示されている。
【0108】
図24には、生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例として、ヒントの一例が示されている。図25には、生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例として、セルフチェックポイントの一例が示されている。図26には、生成AI処理装置6により生成された支援情報の具体例として、セルフチェックポイントのアドバイスの一例が示されている。
【0109】
<第2実施形態の有利な効果>
第2実施形態によれば、生成AIによる支援情報の生成として、早見表の枠組みや、早見表そのものの生成が可能である。また、ユーザからの質問に対して精度の高い回答が得られる。得られる回答には、工程の細分化が含まれる。このため、従来のように人手により工程を細分化する作業が不要となる。また、得られる回答は複数であってもよく、複数の回答の中からユーザが選択することもできる。また、工程の従属関係の自動判定が可能になる。その結果、自身の目的を達成するために講座を履修するユーザは、生成AIを用いて生成された支援情報を活用することで、より効率よく自身の目的を達成できる。
【0110】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0111】
例えば、上述の実施形態では、講座を履修するユーザが自身の目的を達成できるようにすることを支援するものであるが、これに限定されない。あらゆる事業や分野に適用できる。例えば、顧客となる企業を対象とする各種の研修にも適用できるので、収益に繋げることもできる。
【0112】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。
【0113】
また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、管理サーバ1の機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよいし、他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0114】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0115】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0116】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0117】
換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
(1-1)即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば、図11の情報処理システムS200)は、
ユーザが所定内容の目的を達成するために履修し得る講座にて当該ユーザに対して提供され得る提供情報を取得する提供情報取得手段(例えば、図12の提供情報取得部122)と、
前記講座の履修を支援するための支援情報を指定する指定情報を取得する指定情報取得手段(例えば、図12の指定情報取得部124)と、
前記指定情報に基づいて、前記支援情報に関連する関連情報を前記提供情報から生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成する第1プロンプト生成手段(例えば、図12の第1プロンプト生成部125)と、
前記第1プロンプトに基づいて、前記関連情報を生成する関連情報生成手段(例えば、図12の関連情報生成部126)と、
前記指定情報及び前記関連情報に基づいて、前記支援情報を生成する処理を実行させる第2プロンプトを生成する第2プロンプト生成手段(例えば、図12の第2プロンプト生成部127)と、
前記第2プロンプトに基づいて、前記支援情報を生成する支援情報生成手段(例えば、図12の支援情報生成部128)と、
を有すれば足りる。
【0118】
(1-2)また、前記提供情報取得手段により取得された前記提供情報に基づいて、当該提供情報を構造化させた構造化提供情報を生成する処理を実行させる第3プロンプトを生成する第3プロンプト生成手段(例えば、図12の第3プロンプト生成部129)と、
前記第3プロンプトに基づいて、前記構造化提供情報を生成する構造化提供情報生成手段(例えば、図12の構造化提供情報生成部130)と、
を更に有し、
前記第1プロンプト生成手段は、前記構造化提供情報から前記関連情報を生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成する、ことができる。
【0119】
(1-3)また、前記関連情報生成手段は、取得されたプロンプト及び記憶された所定情報(例えば、提供情報)に基づいて、自然言語を用いた生成物を生成する処理を実行する情報処理装置(例えば、図11の生成AI処理装置6)に当該関連情報を生成させる、ことができる。
【0120】
(1-4)また、前記支援情報を前記ユーザに提供する支援情報提供手段(例えば、図12の支援情報提供部131)、
を更に有する、ことができる。
【0121】
(1-5)また、前記提供情報が、前記講座で使用される教材と、前記ユーザが目的を達成するまでの道筋及び当該道筋上で行うべき行動を表す工程表の枠組みと、前記ユーザがとるべき行動と、当該ユーザからの質問及び当該質問に対する回答と、当該ユーザが参加したチャットの流れとのうち1以上の情報を含む、ことができる。
【0122】
(1-6)また、前記目的が、早見表の作成と、早見表のブラッシュアップと、質問及び質問に対する回答と、ユーザがとるべき行動の作成と、ユーザに対するヒントの作成と、セルフチェックポイントの作成と、セルフチェックポイントのアドバイスの作成とのうち1以上である、とすることができる。
【0123】
(1-7)また、ユーザが目的を達成するまでの道筋を示し、当該道筋上で行うべき行動を表す工程が複数、示されているステムルートを工程表の一部として生成するステム生成手段(例えば、図12のステム生成部115)と、
前記ステムルートに沿った行動をとる前記ユーザにとっての難所となる難所工程を前記ステムルート上で特定する特定手段(例えば、図12の特定部116)と、
前記難所工程を通過するための迂回路となり、1つ以上の工程が存在するブランチルートを前記工程表上に生成するブランチ生成手段(例えば、図12のブランチ生成部117)と、
を更に有する、ことができる。
【0124】
(1-8)また、前記ブランチ生成手段は、前記ステムルート上の前記難所工程に対する前記ブランチルートに複数の工程を配置させる、ことができる。
【0125】
(1-9)また、前記ブランチ生成手段は、前記難所工程で生じる不具合を想定し、想定する不具合が複数、存在する場合に、前記ブランチルートを複数、生成する、ことができる。
【0126】
(1-10)また、前記ステム生成手段、及び前記ブランチ生成手段は、1つ以上の工程に、当該工程が示す行動を前記ユーザが行うまでの期間を表す時間情報を対応付けて生成する、ことができる。
【0127】
(1-11)また、前記目的を達成した達成者による前記目的のためにとった前記行動の実績を示す行動実績情報を取得する実績情報取得手段(例えば、図12の受信制御部111)、を更に有し、
前記特定手段は、前記行動実績情報を参照して、前記達成者毎に,前記達成者が前記目的を達成するまでにとったルートを特定し、特定したルートの相違に基づいて、前記難所工程を特定する、ことができる。
【0128】
(1-12)また、前記目的を達成した達成者による前記目的のためにとった前記行動の実績を示す行動実績情報を取得する実績情報取得手段、を更に有し、
前記ステム生成手段は、前記行動実績情報を参照して、前記達成者毎に,前記達成者が前記目的を達成するまでにとったルートを特定し、特定したルートに基づいて、前記ステムルートを生成する、ことができる。
【0129】
(1-13)また、前記ステム生成手段は、前記達成者毎に特定した前記ルートのうちで最短となる最短ルートを特定し、前記最短ルートに基づいて、前記ステムルートを生成する、ことができる。
【0130】
(1-14)また、前記ステム生成手段は、前記達成者毎に特定した前記ルートから、各ルートに共通して含まれる共通工程を抽出して、抽出した前記共通工程を含むルートを共通ルートとして特定し、特定した前記共通ルートに基づいて、前記ステムルートを生成する、ことができる。
【0131】
(1-15)また、前記ステム生成手段は、前記達成者毎に特定した前記ルートを用いて、前記ルートに含まれる工程間の移行割合を算出し、算出した前記移行割合に基づいて、前記ステムルートを生成する、ことができる。
【0132】
(1-16)また、前記ステム生成手段は、前記移行割合が最大となる工程間を含む前記ステムルートを生成する、ことができる。
【0133】
(1-17)また、前記ステム生成手段は、前記ステムルートの作成後、前記移行割合に基づく前記ステムルートの更新を行い、
前記ブランチ生成手段は、前記ステム生成手段による前記ステムルートの更新に合わせ、前記ブランチルートを更新する、ことができる。
【0134】
(1-18)また、前記特定手段は、前記ルートの相違を生じさせる工程での該相違を生じさせる割合に基づいて、前記難所工程とすべき工程を特定する、ことができる。
【0135】
(1-19)情報処理システムが実行する情報処理方法において、
ユーザが所定内容の目的を達成するために履修し得る講座にて当該ユーザに対して提供され得る提供情報を取得するステップと、
前記講座の履修を支援するための支援情報を指定する指定情報を取得するステップと、
前記指定情報に基づいて、前記支援情報に関連する関連情報を前記提供情報から生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成するステップと、
前記第1プロンプトに基づいて、前記関連情報を生成するステップと、
前記指定情報及び前記関連情報に基づいて、前記支援情報を生成する処理を実行させる第2プロンプトを生成するステップと、
前記第2プロンプトに基づいて、前記支援情報を生成するステップと、
を含む情報処理方法とすることができる。
【0136】
(1-20)情報処理システムに、
ユーザが所定内容の目的を達成するために履修し得る講座にて当該ユーザに対して提供され得る提供情報を取得させ、
前記講座の履修を支援するための支援情報を指定する指定情報を取得させ、
前記指定情報に基づいて、前記支援情報に関連する関連情報を前記提供情報から生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成させ、
前記第1プロンプトに基づいて、前記関連情報を生成させ、
前記指定情報及び前記関連情報に基づいて、前記支援情報を生成する処理を実行させる第2プロンプトを生成させ、
前記第2プロンプトに基づいて、前記支援情報を生成させる、
処理を実行させるプログラムとすることができる。
【0137】
(2-1)また、本発明が適用される情報処理システム(例えば、図11の情報処理システムS200)は、
目的を達成するまでの道筋を示すステムルート、及び前記ステムルートから分岐し、前記ステムルートに戻るブランチルートを1つ以上、含む工程表に沿って行動をするユーザが操作するユーザ端末から送信される、前記ユーザによって作成された問い合わせのための第1のメッセージを受信する第1の受信手段(例えば、図12の受信制御部111)と、
前記第1のメッセージに基づいて、前記工程表を更新する工程表更新手段(例えば、図12の早見表更新部119)と、
を有すれば足りる。
【0138】
(2-2)また、前記工程表更新手段は、前記第1のメッセージによる問い合わせがされた前記工程表上の工程を特定し、特定した前記工程の分割、前記ブランチルートの追加、及び参考資料の追記のうちの何れかを行うことにより、前記工程表を更新する、ことができる。
【0139】
(2-3)また、担当者が操作する担当者端末から送信される、前記第1のメッセージへの回答として前記担当者により作成された第2のメッセージを受信する第2の受信手段(例えば、図12の受信制御部111)、を更に有し、
前記工程表更新手段は、前記第1のメッセージによる問い合わせがされた前記工程表上の工程を特定し、特定した前記工程に対応付け、前記第1のメッセージ、及び前記第2のメッセージの存在を視認可能に前記工程表を更新することができる。
【0140】
(2-4)また、前記第1の受信手段、及び前記第2の受信手段はそれぞれ、前記第1のメッセージ、及び前記第2のメッセージを音声データとして受信することが可能であり、
前記工程表更新手段は、前記音声データをテキストデータ化し、特定した前記工程に対応付ける、ことができる。
【0141】
(2-5)また、ユーザが所定内容の目的を達成するために履修し得る講座にて当該ユーザに対して提供され得る提供情報を取得する提供情報取得手段と、
前記講座の履修を支援するための支援情報を指定する指定情報を取得する指定情報取得手段と、
前記指定情報に基づいて、前記支援情報に関連する関連情報を前記提供情報から生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成する第1プロンプト生成手段と、
前記第1プロンプトに基づいて、前記関連情報を生成する関連情報生成手段と、
前記指定情報及び前記関連情報に基づいて、前記支援情報を生成する処理を実行させる第2プロンプトを生成する第2プロンプト生成手段と、
前記第2プロンプトに基づいて、前記支援情報を生成する支援情報生成手段と、
を更に有する、ことができる。
【0142】
(2-6)また、前記提供情報取得手段により取得された前記提供情報に基づいて、当該提供情報を構造化させた構造化提供情報を生成する処理を実行させる第3プロンプトを生成する第3プロンプト生成手段と、
前記第3プロンプトに基づいて、前記構造化提供情報を生成する構造化提供情報生成手段と、
を更に有し、
前記第1プロンプト生成手段は、前記構造化提供情報から前記関連情報を生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成する、ことができる。
【0143】
(2-7)また、前記関連情報生成手段は、取得されたプロンプト及び記憶された所定情報に基づいて、自然言語を用いた生成物を生成する処理を実行する情報処理装置に当該関連情報を生成させる、ことができる。
【0144】
(2-8)また、前記支援情報を前記ユーザに提供する支援情報提供手段、
を更に有する、ことができる。
【0145】
(2-9)また、前記提供情報が、前記講座で使用される教材と、前記ユーザが目的を達成するまでの道筋及び当該道筋上で行うべき行動を表す工程表の枠組みと、前記ユーザがとるべき行動と、当該ユーザからの質問及び当該質問に対する回答と、当該ユーザが参加したチャットの流れとのうち1以上の情報を含む、ことができる。
【0146】
(2-10)また、前記目的が、早見表の作成と、早見表のブラッシュアップと、質問及び質問に対する回答と、ユーザがとるべき行動の作成と、ユーザに対するヒントの作成と、セルフチェックポイントの作成と、セルフチェックポイントのアドバイスの作成とのうち1以上である、とすることができる。
【0147】
(2-11)情報処理システムが実行する情報処理方法において、
目的を達成するまでの道筋を示すステムルート、及び前記ステムルートから分岐し、前記ステムルートに戻るブランチルートを1つ以上、含む工程表に沿って行動をするユーザが操作するユーザ端末から送信される、前記ユーザによって作成された問い合わせのための第1のメッセージを受信するステップと、
前記第1のメッセージに基づいて、前記工程表を更新するステップと、
を含む情報処理方法とすることができる。
【0148】
(2-12)情報処理システムに、
目的を達成するまでの道筋を示すステムルート、及び前記ステムルートから分岐し、前記ステムルートに戻るブランチルートを1つ以上、含む工程表に沿って行動をするユーザが操作するユーザ端末から送信される、前記ユーザによって作成された問い合わせのための第1のメッセージを受信させ、
前記第1のメッセージに基づいて、前記工程表を更新させる、
処理を実行させるプログラムとすることができる。
【0149】
(3-1)また、本発明が適用される情報処理システム(例えば、図1の情報処理システムS100)は、
ユーザが目的を達成するまでの道筋を示し、当該道筋上で行うべき行動を表す工程が複数、示されているステムルートを工程表の一部として生成するステム生成手段(例えば、図3のステム生成部115)と、
前記ステムルートに沿った行動をとる前記ユーザにとっての難所となる難所工程を前記ステムルート上で特定する特定手段(例えば、図3の特定部116)と、
前記難所工程を通過するための迂回路となり、1つ以上の工程が存在するブランチルートを前記工程表上に生成するブランチ生成手段(例えば、図3のブランチ生成部117)と、
を有すれば足りる。
【0150】
(3-2)また、前記ブランチ生成手段は、前記ステムルート上の前記難所工程に対する前記ブランチルートに複数の工程を配置させる、ことができる。
【0151】
(3-3)また、前記ブランチ生成手段は、前記難所工程で生じる不具合を想定し、想定する不具合が複数、存在する場合に、前記ブランチルートを複数、生成する、ことができる。
【0152】
(3-4)また、前記ステム生成手段、及び前記ブランチ生成手段は、1つ以上の工程に、当該工程が示す行動を前記ユーザが行うまでの期間を表す時間情報を対応付けて生成する、ことができる。
【0153】
(3-5)また、前記目的を達成した達成者による前記目的のためにとった前記行動の実績を示す行動実績情報を取得する実績情報取得手段(例えば、図3の受信制御部111)、を更に有し、
前記特定手段は、前記行動実績情報を参照して、前記達成者毎に,前記達成者が前記目的を達成するまでにとったルートを特定し、特定したルートの相違に基づいて、前記難所工程を特定する、ことができる。
【0154】
(3-6)また、前記目的を達成した達成者による前記目的のためにとった前記行動の実績を示す行動実績情報を取得する実績情報取得手段、を更に有し、
前記ステム生成手段は、前記行動実績情報を参照して、前記達成者毎に,前記達成者が前記目的を達成するまでにとったルートを特定し、特定したルートに基づいて、前記ステムルートを生成する、ことができる。
【0155】
(3-7)また、前記ステム生成手段は、前記達成者毎に特定した前記ルートのうちで最短となる最短ルートを特定し、前記最短ルートに基づいて、前記ステムルートを生成する、ことができる。
【0156】
(3-8)また、前記ステム生成手段は、前記達成者毎に特定した前記ルートから、各ルートに共通して含まれる共通工程を抽出して、抽出した前記共通工程を含むルートを共通ルートとして特定し、特定した前記共通ルートに基づいて、前記ステムルートを生成する、ことができる。
【0157】
(3-9)また、前記ステム生成手段は、前記達成者毎に特定した前記ルートを用いて、前記ルートに含まれる工程間の移行割合を算出し、算出した前記移行割合に基づいて、前記ステムルートを生成する、ことができる。
【0158】
(3-10)また、前記ステム生成手段は、前記移行割合が最大となる工程間を含む前記ステムルートを生成する、ことができる。
【0159】
(3-11)また、前記ステム生成手段は、前記ステムルートの作成後、前記移行割合に基づく前記ステムルートの更新を行い、
前記ブランチ生成手段は、前記ステム生成手段による前記ステムルートの更新に合わせ、前記ブランチルートを更新する、ことができる。
【0160】
(3-12)また、前記特定手段は、前記ルートの相違を生じさせる工程での該相違を生じさせる割合に基づいて、前記難所工程とすべき工程を特定する、ことができる。
【0161】
(3-13)情報処理システムに、
ユーザが目的を達成するまでの道筋を示し、当該道筋上で行うべき行動を表す工程が複数、示されているステムルートを工程表の一部として生成させ、
前記ステムルートに沿った行動をとる前記ユーザにとっての難所となる難所工程を前記ステムルート上で特定させ、
前記難所工程を通過するための迂回路となり、1つ以上の工程が存在するブランチルートを前記工程表上に生成させる、
処理を実行させるプログラムとすることができる。
【0162】
(4-1)また、本発明が適用される情報処理システム(例えば、図1の情報処理システムS100)は、
目的を達成するまでの道筋を示すステムルート、及び前記ステムルートから分岐し、前記ステムルートに戻るブランチルートを1つ以上、含む工程表に沿って行動をするユーザが操作するユーザ端末から送信される、前記ユーザによって作成された問い合わせのための第1のメッセージを受信する第1の受信手段(例えば、図3の受信制御部111)と、
前記第1のメッセージに基づいて、前記工程表を更新する工程表更新手段(例えば、図3の早見表更新部119)と、
を有すれば足りる。
【0163】
(4-2)また、前記工程表更新手段は、前記第1のメッセージによる問い合わせがされた前記工程表上の工程を特定し、特定した前記工程の分割、前記ブランチルートの追加、及び参考資料の追記のうちの何れかを行うことにより、前記工程表を更新する、ことができる。
【0164】
(4-3)また、担当者が操作する担当者端末から送信される、前記第1のメッセージへの回答として前記担当者により作成された第2のメッセージを受信する第2の受信手段(例えば、図3の受信制御部111)、を更に有し、
前記工程表更新手段は、前記第1のメッセージによる問い合わせがされた前記工程表上の工程を特定し、特定した前記工程に対応付け、前記第1のメッセージ、及び前記第2のメッセージの存在を視認可能に前記工程表を更新する、ことができる。
【0165】
(4-4)また、前記第1の受信手段、及び前記第2の受信手段はそれぞれ、前記第1のメッセージ、及び前記第2のメッセージを音声データとして受信することが可能であり、
前記工程表更新手段は、前記音声データをテキストデータ化し、特定した前記工程に対応付ける、ことができる。
【0166】
(4-5)情報処理装置に、
目的を達成するまでの道筋を示すステムルート、及び前記ステムルートから分岐し、前記ステムルートに戻るブランチルートを1つ以上、含む工程表に沿って行動をするユーザが操作するユーザ端末から送信される、前記ユーザによって作成された問い合わせのための第1のメッセージを受信させ、
前記第1のメッセージに基づいて、前記工程表を更新させる、
処理を実行させるプログラムとすることができる。
【符号の説明】
【0167】
1,31:管理サーバ、2:ユーザ端末、3:指導者端末、4:メールサーバ、5:チャットサーバ、6:生成AI処理装置、11:CPU、16:出力部、17:入力部、18:記憶部、19:通信部、51:取得部、52:表示制御部、53:送信制御部、61:取得部、62:表示制御部、63:送信制御、71:取得部、72:生成処理部、73:送信制御部、111:受信制御部、112:認証部、113:管理部、114:ルート解析部、115:ステム生成部、116:特定部、117:ブランチ生成部、118:付加情報生成部、119:早見表更新部、120:画面生成部、121:送信制御部、122:提供情報取得部、123:記憶制御部、124:指定情報取得部、125:第1プロンプト生成部、126:関連情報生成部、127:第2プロンプト生成部、128:支援情報生成部、129:第3プロンプト生成部、130:構造化提供情報生成部、131:支援情報提供部、S:情報処理システム、N:ネットワーク。
【要約】
ユーザがより効率よく自身の目的を達成できるようにする。
管理サーバS200のCPUでは、提供情報取得部122が、ユーザが所定内容の目的を達成するために履修し得る講座にてユーザに対して提供され得る提供情報を取得し、指定情報取得部124が、講座の履修を支援するための支援情報を指定する指定情報を取得し、第1プロンプト生成部125が、指定情報に基づいて、支援情報に関連する関連情報を提供情報から生成する処理を実行させる第1プロンプトを生成し、関連情報生成部126が、第1プロンプトに基づいて、関連情報を生成し、第2プロンプト生成部127が、指定情報及び関連情報に基づいて、支援情報を生成する処理を実行させる第2プロンプトを生成し、支援情報生成部128が、第2プロンプトに基づいて、支援情報を生成する。

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