(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】築炉用耐火物充填装置
(51)【国際特許分類】
F27D 1/16 20060101AFI20241225BHJP
【FI】
F27D1/16 K
(21)【出願番号】P 2020136791
(22)【出願日】2020-08-13
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000220767
【氏名又は名称】東京窯業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】羽賀 大介
(72)【発明者】
【氏名】各務 健雄
(72)【発明者】
【氏名】古田 倫靖
(72)【発明者】
【氏名】岩元 孝史
【審査官】杉田 隼一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-114496(JP,U)
【文献】特開2003-314967(JP,A)
【文献】特開平07-159051(JP,A)
【文献】米国特許第04534730(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
築炉の際に円筒状の空間に粉末状の不定形耐火物を充填し、脱気・押圧するための充填装置であって、
炉体に固定するための固定枠と、
撹拌および/または押圧用の複数の工具を装着可能なフレームと、
そのフレームを上下動させるための振動発生手段とを
有しており、
前記振動発生手段および前記フレームの円板体が、円筒状のハウジング内に収納されているとともに、そのハウジングが前記固定枠に対して回転可能になっていることを特徴とする築炉用耐火物充填装置。
【請求項2】
前記フレームを前記固定枠に対して回転させるための回転駆動装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の築炉用耐火物充填装置。
【請求項3】
前記フレームが、円板体の中心から放射状に突出させた複数のアームの先端に前記工具を垂下状に装着し、かつ、前記円板体の上面を、前記振動発生手段の作動軸の下端に固着させたものであることを特徴とする請求項1、または2に記載の築炉用耐火物充填装置。
【請求項4】
前記円板体の下面に、前記振動発生手段による振動の衝撃を緩和するための弾性部材が設置されていることを特徴とする
請求項1~3のいずれかに記載の築炉用耐火物充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導炉等の築炉の際に、炉体とスリーブとの間に形成される円筒状の空間に粉末状の耐火物(バックライニング材)を充填するための充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気炉の一種として、電磁誘導による渦電流の発熱を利用する誘導炉が知られている。そのような誘導炉を形成する場合(築炉する場合)には、誘導炉の炉体の凹状部分(略円柱状の凹状部分)と円筒状のスリーブとの間の隙間(円筒状の空間)にバックライニング材(キャスタブル等の不定形耐火物)を充填した後に、そのバックライニング材を脱気(撹拌して内部の気泡を除去すること)・押圧する必要がある。従来、そのようなバックライニング材の脱気・押圧作業は、複数の作業者によって行われていたが、作業を効率的に行うために、特許文献1の如く、押圧工具を有するバイブレーターを3つに分岐したフレームの各先端に装着するとともに、当該フレームを、炉体に固定する架台に対して回転可能に設けた築炉装置が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の如き従来の築炉装置は、フレームに固着されたバイブレーターが別々にバックライニング材の脱気・押圧を行うため、斑なく(すなわち、場所による圧縮硬度等の差を生じさせることなく均一に)バックライニング材を脱気・押圧することが困難である。また、複数のバイブレーターが必要であるため、安価に製造することが難しい上、作業時の騒音が大きい、という不具合もある。加えて、引用文献1の築炉装置は、作業中に、バックライニング材の脱気・押圧位置を変更する際に、3つのバイブレータを設置したフレームをエアシリンダーによって引き上げて(手動により)回転させなければならず、作業が面倒であった。
【0005】
本発明の目的は、上記従来の築炉装置が有する問題点を解消すべく、築炉作業時に、円筒状の空間等に、バックライニング材(キャスタブル等の不定形耐火物)を、短時間の内に効率的に、かつ、手間を掛けることなく容易に充填する(すなわち、バックライニング材を脱気・押圧する)ことが可能な築炉用耐火物充填装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内、請求項1に記載された発明は、築炉の際に円筒状の空間に粉末状の不定形耐火物を充填し、脱気・押圧するための充填装置であって、炉体に固定するための固定枠と、撹拌および/または押圧用の複数の工具を装着可能なフレームと、そのフレームを上下動させるための振動発生手段とを有しており、前記振動発生手段および前記フレームの円板体が、円筒状のハウジング内に収納されているとともに、そのハウジングが前記固定枠に対して回転可能になっていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記フレームを前記固定枠に対して回転させるための回転駆動装置が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記フレームが、円板体の中心から放射状に突出させた複数のアームの先端に前記工具を垂下状に装着し、かつ、前記円板体の上面を、前記振動発生手段の作動軸の下端に固着させたものであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載された発明は、請求項1~3のいずれかに記載された発明において、前記円板体の下面に、前記振動発生手段による振動の衝撃を緩和するための弾性部材が設置されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の築炉用耐火物充填装置は、築炉作業時に、固定枠によって炉体に固定させ、フレームに装着された複数の攪拌・押圧用工具を、炉体に形成された円筒状の空間(たとえば、炉体の凹状部分と円筒状のスリーブとの間の隙間)に挿入させた状態で、振動発生手段によって一度に(同期させて一斉に)上下動させることによって、キャスタブル等のバックライニング材を、短時間の内に効率的に、かつ、手間を掛けることなく容易に脱気・押圧する(すなわち、充填する)ことができる。
また、請求項1に記載の築炉用耐火物充填装置は、振動発生手段およびフレームの中心部分を収納した円筒状のハウジングが固定枠に対して回転可能になっているため、フレームを上下にがたつかせることなく水平面内でスムーズに回転させることが可能である上、耐火物の充填作業中の騒音を低減させることができる。
【0012】
請求項2に記載の築炉用耐火物充填装置は、回転駆動装置によって、複数の攪拌・押圧用工具を装着したフレームを固定枠に対して回転(回動)させることによって、バックライニング材の脱気・押圧位置を変更することできるので、炉体-スリーブ間の隙間のバックライニング材をきわめて容易に脱気・押圧することができる。
【0013】
請求項3に記載の築炉用耐火物充填装置によれば、振動発生手段による振動をフレームの各アームに装着された各工具に等しく伝達することができるので、炉体-スリーブ間の隙間に、斑なく(すなわち、場所による圧縮硬度等の差を生じさせることなく均一に)バックライニング材を充填することができる。
【0015】
請求項4に記載の築炉用耐火物充填装置は、弾性部材によって振動発生手段による過度な振動の衝撃が緩和されるため、損傷しにくく長期間に亘って使用することができる上、炉体の壁面の破壊を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】築炉用耐火物充填装置を示す説明図(正面図)である。
【
図2】築炉用耐火物充填装置を示す説明図(平面図)である。
【
図3】築炉用耐火物充填装置を示す説明図(
図1におけるA-A線断面図)である。
【
図4】築炉用耐火物充填装置を示す説明図(
図2におけるB-B線断面図)である。
【
図5】築炉用耐火物充填装置の使用状態を示す説明図である。
【
図6】築炉用耐火物充填装置の使用状態を示す説明図である。
【
図7】築炉用耐火物充填装置の変更例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る築炉用耐火物充填装置(以下、単に充填装置という)の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
<充填装置の構造>
図1~4は、本発明に係る充填装置の一例を示したものであり、充填装置1は、炉体に固定させるための固定枠2、棒状の工具13,13・・を装着するためのフレーム5、フレーム5を上下動させるための振動発生手段(シリンダー)4、フレーム5および振動発生手段4を収納するためのハウジング3、ハウジング3を固定枠2に対して回転(回動)させるための回転駆動装置であるモータ6、ハウジング3を固定枠2に対して回転可能にするためのスラストベアリング(軸受)7、モータ6の回転力をハウジング3に伝達するためのVベルト11、振動発生手段4によるフレーム5の上下動の衝撃を緩和するための弾性部材であるコイルバネ12等を組み付けることによって構成されている。
【0019】
固定枠2は、略円柱状に形成された4本の支持アーム17,17・・の基端を円環状のスラストベアリング7に固着させた形状を有しており、各支持アーム17,17・・が、円環状のスラストベアリング7の中心から前後方向および左右方向に突出した状態になっている。また、各支持アーム17,17・・は、基端側が水平状に配置されており、先端側が鉛直方向に折れ曲がった状態になっている。そして、各支持アーム17,17・・の先端には、炉体に固定するための大径部25が設けられている。加えて、各支持アーム17,17・・の内の隣接した2本には、それぞれ、設置フレーム23,23が水平状に直交するように連結されており、それらの設置フレーム23,23を利用して、モータ6が取り付けられている。
【0020】
一方、ハウジング3は、円筒状部15の下側に、中空な円錐台状のテーパ部16を連設した形状を有しており、内部に、振動発生手段4、フレーム5の中心部分、および、コイルバネ12が収納されている。また、円筒状部15の上端際には、扁平な円柱状のプーリー(Vプーリー)10が固着されており。そして、当該プーリー10と、固定枠2に固着されたモータ6の回転軸の先端に固着された歯車14との間に、Vベルト11が懸架された状態になっている。
【0021】
また、ハウジング3の円筒状部15の上端には、天板27が固着されており、当該天板27には、充填装置1をホイスト式クレーン等で持ち上げるための矩形の平板状の係合片22が、上向きに突出するように設けられており、その係合片22の上部際には、ホイスト式クレーンのフック等に係合させるための係合孔が穿設されている。さらに、ハウジング3の円筒状部15の中央よりやや上方には、上側ロックナット8および下側ロックナット9が、それぞれ、ハウジング3の外周から外側へ突出するようにフランジ状に形成されており、それらの上側ロックナット8および下側ロックナット9が、固定枠2に固着されたスラストベアリング7を挟み込んだ状態になっている。加えて、ハウジング3の円筒状部15の下端際には、フレーム5の一部を外部に突出させるための3つの長孔24,24・・が、外周方向に等間隔(中心軸に対して120°間隔で)で穿設されている。一方、ハウジング3のテーパ部16の下端には、底板26が固着されている。
【0022】
また、フレーム5は、中央に位置した円板体18から3本の保持アーム20,20・・が放射方向に等間隔(120°間隔)で外向きに突出した状態になっている。そして、各保持アーム20,20・・の先端に、それぞれ、棒状の工具13,13・・が垂下状に装着されている(装着・脱着自在に装着されている)。各工具13,13・・は、所定の直径を有する円柱状のシャフトの先端に先端を尖らせたフォークを連設したものである。加えて、各保持アーム20,20・・の先端際の下側には、それぞれ、支持片21,21・・が固着されており、それらの支持片21,21・・が工具13,13・・を支持した状態になっている。
【0023】
当該フレーム5は、各保持アーム20,20・・の基端部分を、ハウジング3の円筒状部15の下端際に穿設された長孔24,24・・から突出させた状態で、ハウジング3内の振動発生手段4の下側に収納されている。そして、フレーム5の円板体18の中心が、振動発生手段4のピストン(作動軸)19に固着された状態になっており、円板体18の下面とハウジング3の底板26の上面との間に、コイルバネ12が介在した状態になっている。
【0024】
<充填装置の使用方法>
図5は、上記の如く構成された充填装置1の使用方法の一例を示したものである。作業者が充填装置1を用いて、誘導炉Iの炉体Bの凹状部分(略円柱状の凹状部分)Cと円筒状のスリーブSとの間の隙間Gにバックライニング材(キャスタブル等の不定形耐火物)Mを充填する際には、ホイストクレーンHのワイヤWの先端に固着されたフックFを、充填装置1の係合片22の係合孔に係合させて、その状態で、充填装置1をホイストクレーンHで吊り上げる。そして、そのように吊り上げた充填装置1を、炉体Bの上方に位置させて、ホイストクレーンHを降下させることによって、充填装置1の各工具13,13・・を、誘導炉Iの凹状部分CとスリーブSとの隙間G内に案内するとともに、ハウジング3の底板26をスリーブSの上部鉄板Tに当接させるようにして、ハウジング3をスリーブSの上部鉄板T上に載置する。そして、その状態で、固定枠2の各支持アーム17,17・・の先端の大径部25,25・・を炉体Bに固定する。
【0025】
上記の如く、炉体Bに固定枠2を固定させた後には、図示しないリード線を介して振動発生手段4に外部電源を供給することによって、振動発生手段4を振動させる。そのように振動発生手段4が振動を開始すると、その振動が、振動発生手段4のピストン19を介して、フレーム5の円板体18に伝達されて、
図6(a),(b)の如く、円板体18が上下動するとともに、3本の保持アーム20,20・・が、それぞれ、ハウジング3の下端の長孔24,24・・内で上下動する。そして、そのように保持アーム20,20・・が上下動すると、各保持アーム20,20・・の先端に設けられた工具13,13・・が上下動することによって、炉体B-スリーブS間の隙間Gに投入されたバックライニング材Mが脱気・押圧される。なお、振動発生手段4が振動する際には、円板体18が下方に移動すると、
図6(b)の如く、次第にコイルバネ12が圧縮されるため、フレーム5が過度な力で下方に打ち付けられる事態が回避される。
【0026】
また、上記の如く、炉体B-スリーブS間の隙間Gのバックライニング材Mの脱気・押圧を行う際には、モータ6を駆動させることによって、ハウジング3を固定枠2に対して回転(回動)させて、工具13,13・・によりバックライニング材Mの脱気・押圧を行う位置を自動で変更することができる。すなわち、モータ6に電源が供給されると、モータ6の回転軸の回転力がVベルト11を介してハウジング3の上部のプーリー10に伝達されて、プーリー10とともにハウジング3全体が固定枠2に対して回転(回動)する。そして、そのようにハウジング3が回動すると、フレーム5の各保持アーム20,20・・の先端に装着された工具13,13・・が周回動して、バックライニング材Mを脱気・押圧する位置が自動的に変更される。そのため、炉体B-スリーブS間の隙間G全体のバックライニング材Mを斑なく均一に脱気・押圧することが可能となる。そして、炉体B-スリーブS間の隙間Gを埋めるように充填したバックライニング材Mを十分に脱気・押圧した後には、ホイストクレーンHを用いて、充填装置1を吊り上げて、誘導炉Iの外部まで搬送して所定の場所に格納する。
【0027】
<築炉用耐火物充填装置の効果>
充填装置1は、上記の如く、炉体Bに固定するための固定枠2と、撹拌・押圧用の複数の工具13,13・・を装着可能なフレーム5と、フレーム5を上下動させるための振動発生手段4とを有しているため、築炉作業時に、固定枠2によって炉体Bに固定させ、フレーム5に装着された工具13,13・・を、炉体B-スリーブS間の隙間Gに挿入させた状態で、振動発生手段4によって一度に(同期させて一斉に)上下動させることによって、バックライニング材Mを、短時間の内に効率的に、かつ、手間を掛けることなく容易に脱気・押圧する(すなわち、充填する)ことができる。
【0028】
また、充填装置1は、フレーム5を固定枠2に対して回転させるための回転駆動装置であるモータ6が設けられており、当該モータ6によって、工具13,13・・を装着したフレーム5を固定枠2に対して回転(回動)させることによって、バックライニング材Mの脱気・押圧位置を自動で変更することができるので、炉体B-スリーブS間の隙間G内のバックライニング材Mを、きわめて効率的に、かつ、非常に容易に脱気・押圧する(すなわち、充填する)ことができる。
【0029】
さらに、充填装置1は、フレーム5が、円板体18の中心から放射状に突出させた複数の保持アーム20,20・・の先端に工具13,13・・を垂下状に装着し、かつ、円板体18の上面を、振動発生手段4のピストン19の下端に固着させたものであり、振動発生手段4による振動をフレーム5の各保持アーム20,20・・に装着された各工具13,13・・に等しく伝達することができるので、炉体B-スリーブS間の隙間Gに、斑なく(すなわち、場所による圧縮硬度等の差を生じさせることなく均一に)バックライニング材Mを充填することができる。
【0030】
加えて、充填装置1は、振動発生手段4およびフレーム5の円板体18が、円筒状のハウジング3内に収納されているとともに、そのハウジング3が固定枠2に対して回転可能になっているため、フレーム5を上下にがたつかせることなく水平面内でスムーズに回転させることが可能である上、バックライニング材Mの充填作業中の騒音を低減させることができる。
【0031】
また、充填装置1は、円板体18の下面に、振動発生手段4による振動の衝撃を緩和するためのコイルバネ(弾性部材)12が設置されており、弾性部材12によって振動発生手段4による過度な振動の衝撃が緩和されるため、損傷しにくく長期間に亘って使用することができる上、炉体Bの壁面の破壊を効果的に防止することができる。
【0032】
<充填装置の変更例>
本発明に係る充填装置は、上記した実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、固定枠、ハウジング、振動発生手段、フレーム、回転駆動装置、工具等の形状、構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0033】
たとえば、本発明に係る充填装置は、上記実施形態の如く、固定枠が4本の支持アームを有しているものに限定されず、固定枠が3本あるいは5本以上の支持アームを有しているものに変更することも可能である。また、本発明に係る充填装置は、上記実施形態の如く、フレームが工具を装着・保持するための3本の保持アームを有しているものに限定されず、フレームが2本あるいは4本以上の保持アームを有しているものに変更することも可能である。
【0034】
また、本発明に係る充填装置は、上記実施形態の如く、回転駆動装置の回転軸の回転力をVベルトによってハウジング(振動発生手段およびフレーム)に伝達するものに限定されず、回転駆動装置の回転軸の回転力を歯車やギアによってハウジング(振動発生手段およびフレーム)に伝達するもの等に変更することも可能である。さらに、本発明に係る充填装置は、上記実施形態の如く、ハウジングの外側に回転駆動装置が設けられたものに限定されず、回転駆動装置がハウジング内に収納されたものでも良い。加えて、フレームの保持アームの先端に装着される工具は、上記実施形態の如く、所定の直径を有する円柱状のシャフトの先端に先端を尖らせたフォークを連設したものに限定されず、円板状の押圧体をシャフトの先端に設けたもの(シャフトの軸と直交するように設けたもの)や、
図7の如く、下面に突起体を設けた円板状の押圧体をシャフトの先端に設けたもの等でも良い。一方、本発明に係る充填装置は、上記実施形態の如く、振動発生手段が外部電源から電源の供給を受けるものに限定されず、振動発生装置がハウジングに内蔵されたバッテリーから電源の供給を受けるもの等に変更することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る充填装置は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、築炉の際に、炉体の凹状部分と円筒状のスリーブとの間の隙間にバックライニング材を充填する(すなわち、バックライニング材を脱気・押圧する)工具として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0036】
1・・充填装置
2・・固定枠
3・・ハウジング
4・・振動発生手段
5・・フレーム
6・・モータ(回転駆動装置)
13,13’・・工具
I・・誘導炉
B・・炉体
C・・凹状部分
S・・スリーブ
G・・隙間
M・・バックライニング材