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特許7610410副甲状腺ホルモンアナログの経口製剤および治療
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  • 特許-副甲状腺ホルモンアナログの経口製剤および治療 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】副甲状腺ホルモンアナログの経口製剤および治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/29 20060101AFI20241225BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20241225BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20241225BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20241225BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20241225BHJP
【FI】
A61K38/29
A61K47/02
A61K47/22
A61K47/26
A61K47/18
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020564221
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 IB2020051958
(87)【国際公開番号】W WO2020183318
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】201921009082
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519187414
【氏名又は名称】アニヤ バイオファーム インク.
(73)【特許権者】
【識別番号】519187425
【氏名又は名称】グシュリエッサー ジーグフリート
(73)【特許権者】
【識別番号】519187436
【氏名又は名称】デサイ ブシャン ドゥルブクマール
(74)【代理人】
【識別番号】100124431
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 順也
(74)【代理人】
【識別番号】100174160
【弁理士】
【氏名又は名称】水谷 馨也
(74)【代理人】
【識別番号】100175651
【弁理士】
【氏名又は名称】迫田 恭子
(72)【発明者】
【氏名】グシュリエッサー ジーグフリート
(72)【発明者】
【氏名】デサイ ブシャン ドゥルブクマール
【審査官】伊藤 基章
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-504444(JP,A)
【文献】特表2017-531665(JP,A)
【文献】国際公開第98/009645(WO,A1)
【文献】特表2006-519867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00
A61K 47/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療的有効量の、テリパラチドまたはアバロパラチドから選択された腸溶性コーティング形態の副甲状腺ホルモンアナログと、少なくとも1つの分解防止剤とを含み、
前記分解防止剤は、少なくとも1つの金属含有化合物と少なくとも1つの還元剤との組み合わせを含み、
記金属含有化合物は、硫酸バナジウム、ピコリン酸クロムおよびグルコン酸マンガンからなる群から選択され、
前記還元剤が、アスコルビン酸、還元型グルタチオン、α-トコフェロール、およびそれらの薬学的に許容される塩、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択され、
経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供する、経口医薬組成物。
【請求項2】
物理的に分離された形態で前記副甲状腺ホルモンアナログと前記少なくとも1つの分解防止剤を含む、請求項に記載の経口医薬組成物。
【請求項3】
少なくとも1つの吸収促進剤をさらに含む、請求項に記載の経口医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療的有効量の副甲状腺ホルモンアナログを含む経口医薬組成物の投与を包括する、疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供する。本発明は、さらに治療的有効量のPTHアナログおよび少なくとも1つの分解防止剤を含む経口医薬組成物の投与を包括する、疾患または障害を予防または治療する方法に関する。本発明は、さらに治療的有効量のPTHアナログおよび少なくとも1つの分解防止剤を含む経口医薬組成物に関し、前記PTHアナログおよび前記少なくとも1つの分解防止剤が物理的に分離した剤形で存在している。前記少なくとも1つの分解防止剤は、少なくとも1つの金属含有化合物と少なくとも1つの還元剤との組み合わせを含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択される。
【背景技術】
【0002】
ヒト副甲状腺ホルモンは、副甲状腺から分泌され、84 個のアミノ酸から成るポリペプチドホルモンであり、骨、腎臓および腸を標的器官が相互に作用することでカルシウム代謝調節因子である。
【0003】
PTHアナログは、PTHと少なくとも部分的に構造的に類似し、その作用がPTHと少なくとも部分的に類似する活性物質である。PTHアナログは、カルシウム吸収を増加し、新しい骨形成を刺激し、骨粗鬆症による骨折のリスクを軽減するためのアナボリックエージェントである。本発明のPTHアナログは、テリパラチドおよびアバロパラチドを含む。
【0004】
PTH(1-34)とも呼ばれるテリパラチドは、ヒト副甲状腺ホルモン(1-34)で、ヒト副甲状腺ホルモンの84個のアミノ酸内の34個のN末端アミノ酸と同じ配列を持ち、前記配列がPTHの生物学的活性領域である。現在、市販されているテリパラチドは、皮下投与の複数回投与プレフィルド式ペン型注射剤(フォルテオ(FORTEO)・イーライリリー社製)である。フォルテオは、組換えDNA技術によって調製されたテリパラチドが含まれる。テリパラチドは現在、以下の適応症の治療に承認されている(1日1用量あたり20mcgのテリパラチド)。
1.骨折のリスクが高い骨粗鬆症の閉経後女性の治療。
2.骨折のリスクが高い原発性または続発性性腺機能低下症の男性の骨量の増加。
3.骨折のリスクが高いグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の男性および女性の治療。
【0005】
アバロパラチドは、ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドPTHrP(1-34)のアナログであり、ヒト副甲状腺ホルモン1-34と41%、ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドと76%の相同性がある。アバロパラチドは現在、骨粗鬆症に罹って骨折のリスクが高い閉経後女性の治療薬として、1日1回80mcgの皮下投与が承認されている。現在皮下投与用の組み立て済みの個人用使い捨てペン型注射剤がある。
【0006】
テリパラチドとアバロパラチドは、どちらも毎日の皮下投与が可能である。皮下投与は、毎日の注射を必要とし、これは非常に痛みを伴い、患者の服薬コンプライアンスを低下させる可能性がある。経口経路は、簡単で便利であり、治療剤の投与の最も好ましい経路である。しかしながら、消化管におけるペプチドの分解は、その完全で実質的な吸収を妨げる。したがって、経口経路のバイオアベイラビリティが低いのは、主に消化管での酵素分解および上皮細胞を介した膜透過性が低いためである。
【0007】
特許文献1は、有効量のカルシウム含有化合物と有効量のPTHの組み合わせに関するものであり、PTHが徐放形態で投与される。特許文献1は、これまでうまく使用されていなかった従来の安定剤を開示している。
【0008】
特許文献2は、8-(N-2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾイル)-アミノカプリル酸(「4-MOAC」およびN-(5-クロロサリチロイル)-8-アミノカプリル酸(5-CNAC)などの送達剤を備えたPTH組成物の口腔粘膜送達に関するものである。
【0009】
特許文献3は、治療的有効量の治療剤および少なくとも1つの塩を備える医薬組成物に関する。その塩は、中鎖脂肪酸と疎水性媒体の塩(ヒマシ油、トリカプリリンまたはそれらの混合物)である。
【0010】
特許文献4は、薬学的に有効な量のペプチドをベースとした医薬品およびバイオアベイラビリティーエンハンサーを含む医薬組成物に関する。
【0011】
特許文献5は、ペプチドまたはタンパク質性医薬品と薬学的に許容される銅塩/銅錯体および/または薬学的に許容される亜鉛塩/亜鉛錯体および薬学的に許容される還元剤との組み合わせを含む医薬組成物に関する。ただし銅および亜鉛は、哺乳動物の多くの代謝経路に関連しているため、長期的な治療にこれらを使用すると、負の相互作用につながる可能性がある。
【0012】
特許文献6は、ペプチド医薬品と薬学的に許容される銅塩/銅錯体および/または薬学的に許容される亜鉛塩/亜鉛錯体および/または薬学的に許容される鉄塩/鉄錯体および薬学的に許容される錯化剤との組み合わせを含む医薬組成物に関する。ただし銅および亜鉛は、哺乳動物の多くの代謝経路に関連しているため、長期的な治療にこれらを使用すると、負の相互作用につながる可能性がある。
【0013】
特許文献7は、少なくとも二種透過コーティングおよび/またはマトリックスによって互いに結合された少なくとも2つの別個の単位剤形を含む医薬組成物マルチユニット剤形に関し、各前記単位剤形が治療活性剤および吸収促進剤を含む。
【0014】
特許文献8は、PTHまたはそのフラグメントのテリパラチド(PTH(1-34))およびデオキシコール酸誘導体によって形成される複合体に関する。
【0015】
特許文献9は、グルコース障害のためのクロムまたはバナジウムと抗糖尿病薬との組み合わせに関する。
【0016】
現在、市場には、PTHアナログの経口製剤がない。したがってバイオアベイラビリティを改善し、これにより患者のコンプライアンスを高めるPTHアナログの経口製剤を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】米国特許公開第US20070155664A1号
【文献】米国特許公告第US8110547B2号
【文献】米国特許公告第US9566246B2号
【文献】米国特許公開第US20110046059A1号
【文献】米国特許公開第US20170304195A1号
【文献】国際特許公開第WO2017060500A1号
【文献】国際特許公開第WO2018033927A1号
【文献】国際特許公開第WO2018043942A1号
【文献】米国特許公開第US20060252686A1号
【0018】
【文献】Laffleur Fら、Future Med Chem.2012、4(17):2205-16
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、疾患または障害を予防または治療する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%、0.5~10%、1~9%、2~8%、3~7%または4~6%の相対的バイオアベイラビリティを提供する。
【0021】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%、0.5~10%、1~9%、2~8%、3~7%または4~6%の相対的バイオアベイラビリティを提供する。
【0022】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%、0.5~10%、1~9%、2~8%、3~7%または4~6%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が45分~90分で最高血漿中濃度(Tmax)に到達する。
【0023】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%、0.5~10%、1~9%、2~8%、3~7%または4~6%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が45分~90分で最高血漿中濃度(Tmax)に到達する。
【0024】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの分解防止剤をさらに含む。
【0025】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの分解防止剤をさらに含む。
【0026】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの分解防止剤をさらに含み、前記少なくとも1つの分解防止剤が少なくとも1つの金属含有化合物と少なくとも1つの還元剤との組み合わせを含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態である。
【0027】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの分解防止剤をさらに含み、前記少なくとも1つの分解防止剤が少なくとも1つの金属含有化合物と少なくとも1つの還元剤との組み合わせを含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態である。
【0028】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのバナジウム含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのバナジウム含有化合物が酸化バナジウム(V)、バナジン酸ナトリウム、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、ビグアナイドバナジウム、ビス(マルトラート)オキサバナジウム(IV)、酢酸バナジウム、バナジル-ピコリン酸およびクエン酸バナジルからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0029】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのクロム含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのクロム含有化合物がピコリン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、ニコチン酸クロム、塩化クロムおよび酢酸クロムからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0030】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのマンガン含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのマンガン含有化合物がグルコン酸マンガン、硫酸マンガン、過マンガン酸カリウムおよび塩化マンガンからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0031】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのバナジウム含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのバナジウム含有化合物が酸化バナジウム(V)、バナジン酸ナトリウム、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、ビグアナイドバナジウム、ビス(マルトラート)オキサバナジウム(IV)、酢酸バナジウム、バナジル-ピコリン酸およびクエン酸バナジルからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0032】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのクロム含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのクロム含有化合物がピコリン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、ニコチン酸クロム、塩化クロムおよび酢酸クロムからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0033】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのマンガン含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのマンガン含有化合物がグルコン酸マンガン、硫酸マンガン、過マンガン酸カリウムおよび塩化マンガンからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0034】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物が硫酸バナジウム、ピコリン酸クロムおよびグルコン酸マンガンからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0035】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物が硫酸バナジウム、ピコリン酸クロムおよびグルコン酸マンガンからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0036】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記少なくとも1つの還元剤は、アスコルビン酸、還元型グルタチオン、システイン、尿酸、還元糖、グリセルアルデヒド、α-トコフェロール、ビタミンA、α-リポ酸、ジヒドロ-α-リポ酸、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、チオール含有化合物、チオマーおよびその薬学的に許容される塩のいずれかまたはそれらの組み合わせから選択される。
【0037】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記少なくとも1つの還元剤は、アスコルビン酸、還元型グルタチオン、システイン、尿酸、還元糖、グリセルアルデヒド、α-トコフェロール、ビタミンA、α-リポ酸、ジヒドロ-α-リポ酸、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、チオール含有化合物、チオマーおよびその薬学的に許容される塩のいずれかまたはそれらの組み合わせから選択される。
【0038】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および1種以上の吸収促進剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記吸収促進剤は、カプリロカプロイルマクロゴールグリセライド(商品名Labrasol(R) ALF)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(商品名Solutol HS 15)およびビタミンEからなる群から選択される。
【0039】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および1種以上の吸収促進剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記吸収促進剤は、カプリロカプロイルマクロゴールグリセライド、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルおよびビタミンEからなる群から選択される。
【0040】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および少なくとも1つのP-糖タンパク質排出機能阻害剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態である。
【0041】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはその塩またはその錯体を含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および少なくとも1つのP-糖タンパク質排出機能阻害剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態である。
【0042】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記PTHアナログと前記少なくとも1つの金属含有化合物(その塩、その錯体、またはその塩とその錯体の組み合わせの形態)は、物理的に分離された形態で前記医薬組成物中に存在する。
【0043】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記テリパラチドまたはその塩またはその錯体と前記少なくとも1つの金属含有化合物(その塩、その錯体、またはその塩とその錯体の組み合わせの形態)は、物理的に分離された形態で前記医薬組成物中に存在する。
【0044】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記PTHアナログと前記少なくとも1つの金属含有化合物(その塩、その錯体、またはその塩とその錯体の組み合わせの形態)は、物理的に分離された形態で前記医薬組成物中に存在し、前記PTHアナログが腸溶性コーティング剤形で含まれ、前記少なくとも1つの金属含有化合物および前記少なくとも1つの還元剤が腸溶性コーティング形態である。
【0045】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記テリパラチドまたはその塩またはその錯体と前記少なくとも1つの金属含有化合物(その塩、その錯体、またはその塩とその錯体の組み合わせの形態)は、物理的に分離された形態で前記医薬組成物中に存在し、前記PTHアナログが腸溶性コーティング剤形で含まれ、前記少なくとも1つの金属含有化合物および前記少なくとも1つの還元剤が腸溶性コーティング形態である。
【0046】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%、0.5~10%、1~9%、2~8%、3~7%または4~6%の相対的バイオアベイラビリティを提供する。
【0047】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%、0.5~10%、1~9%、2~8%、3~7%または4~6%の相対的バイオアベイラビリティを提供する。
【0048】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%、0.5~10%、1~9%、2~8%、3~7%または4~6%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が45分~90分で最高血漿中濃度に到達する。
【0049】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%、0.5~10%、1~9%、2~8%、3~7%または4~6%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が45分~90分で最高血漿中濃度に到達する。
【0050】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの分解防止剤をさらに含む。
【0051】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの分解防止剤をさらに含む。
【0052】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの分解防止剤をさらに含み、前記少なくとも1つの分解防止剤が少なくとも1つの金属含有化合物と少なくとも1つの還元剤との組み合わせを含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態である。
【0053】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの分解防止剤をさらに含み、前記少なくとも1つの分解防止剤が少なくとも1つの金属含有化合物と少なくとも1つの還元剤との組み合わせを含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態である。
【0054】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのバナジウム含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのバナジウム含有化合物が酸化バナジウム(V)、バナジン酸ナトリウム、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、ビグアナイドバナジウム、ビス(マルトラート)オキサバナジウム(IV)、酢酸バナジウム、バナジル-ピコリン酸およびクエン酸バナジルからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0055】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのクロム含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのクロム含有化合物がピコリン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、ニコチン酸クロム、塩化クロムおよび酢酸クロムからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0056】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのマンガン含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのマンガン含有化合物がグルコン酸マンガン、硫酸マンガン、過マンガン酸カリウムおよび塩化マンガンからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0057】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのバナジウム含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのバナジウム含有化合物が酸化バナジウム(V)、バナジン酸ナトリウム、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、ビグアナイドバナジウム、ビス(マルトラート)オキサバナジウム(IV)、酢酸バナジウム、バナジル-ピコリン酸およびクエン酸バナジルからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0058】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのクロム含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのクロム含有化合物がピコリン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、ニコチン酸クロム、塩化クロムおよび酢酸クロムからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0059】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つのマンガン含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つのマンガン含有化合物がグルコン酸マンガン、硫酸マンガン、過マンガン酸カリウムおよび塩化マンガンからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0060】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物が硫酸バナジウム、ピコリン酸クロムおよびグルコン酸マンガンからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0061】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物が硫酸バナジウム、ピコリン酸クロムおよびグルコン酸マンガンからなる群から選択され、その塩または錯体を含む任意の形態である。
【0062】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記少なくとも1つの還元剤は、アスコルビン酸、還元型グルタチオン、システイン、尿酸、還元糖、グリセルアルデヒド、α-トコフェロール、ビタミンA、α-リポ酸、ジヒドロ-α-リポ酸、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、チオール含有化合物、チオマーおよびその薬学的に許容される塩のいずれかまたはそれらの組み合わせから選択される。
【0063】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記少なくとも1つの還元剤は、アスコルビン酸、還元型グルタチオン、システイン、尿酸、還元糖、グリセルアルデヒド、α-トコフェロール、ビタミンA、α-リポ酸、ジヒドロ-α-リポ酸、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、チオール含有化合物、チオマーおよびその薬学的に許容される塩のいずれかまたはそれらの組み合わせから選択される。
【0064】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および1種以上の吸収促進剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記吸収促進剤は、カプリロカプロイルマクロゴールグリセライド、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルおよびビタミンEからなる群から選択される。
【0065】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および1種以上の吸収促進剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記吸収促進剤は、カプリロカプロイルマクロゴールグリセライド、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルおよびビタミンEからなる群から選択される。
【0066】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および少なくとも1つのP-糖タンパク質排出機能阻害剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態である。
【0067】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはその塩またはその錯体を含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物、少なくとも1つの還元剤および少なくとも1つのP-糖タンパク質排出機能阻害剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態である。
【0068】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記PTHアナログと前記少なくとも1つの金属含有化合物(その塩、その錯体、またはその塩とその錯体の組み合わせの形態)は、物理的に分離された形態で前記医薬組成物中に存在する。
【0069】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記テリパラチドまたはその塩またはその錯体と前記少なくとも1つの金属含有化合物(その塩、その錯体、またはその塩とその錯体の組み合わせの形態)は、物理的に分離された形態で前記医薬組成物中に存在する。
【0070】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記PTHアナログと前記少なくとも1つの金属含有化合物(その塩、その錯体、またはその塩とその錯体の組み合わせの形態)は、物理的に分離された形態で前記医薬組成物中に存在し、前記PTHアナログが腸溶性コーティング剤形で含まれ、前記少なくとも1つの金属含有化合物および前記少なくとも1つの還元剤が腸溶性コーティング形態である。
【0071】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの金属含有化合物および少なくとも1つの還元剤をさらに含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態であり;前記テリパラチドまたはその塩またはその錯体と前記少なくとも1つの金属含有化合物(その塩、その錯体、またはその塩とその錯体の組み合わせの形態)は、物理的に分離された形態で前記医薬組成物中に存在し、前記PTHアナログが腸溶性コーティング剤形で含まれ、前記少なくとも1つの金属含有化合物および前記少なくとも1つの還元剤が腸溶性コーティング形態である。
【0072】
一実施例において、本発明は、テリパラチドを含む経口医薬組成物を提供し、前記組成物は個体に投与された後、約2ng/ml~約10ng/mlのテリパラチドの最高血中濃度(maximum concentration, Cmax)を示す。
【0073】
一実施例において、本発明は、PTHアナログ、アスコルビン酸ナトリウムおよび硫酸バナジウムを含む経口医薬組成物を提供する。
【0074】
一実施例において、本発明は、PTHアナログ、アスコルビン酸ナトリウムおよび酸化バナジウムを含む経口医薬組成物を提供する。
【0075】
一実施例において、本発明は、PTHアナログ、尿酸およびバナジン酸ナトリウムを含む経口医薬組成物を提供する。
【0076】
一実施例において、本発明は、PTHアナログ、アスコルビン酸ナトリウムおよびグルコン酸マンガンを含む経口医薬組成物を提供する。
【0077】
一実施例において、本発明は、PTHアナログ、還元型グルタチオンおよびピコリン酸クロムを含む経口医薬組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】本発明の実施例の異なる製剤中のテリパラチド濃度(ng/ml)を経時的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0079】
「PTHアナログ」という用語は、PTHと少なくとも部分的に構造的に類似し、その作用がPTHと少なくとも部分的に類似する活性物質である。PTHアナログは、PTHアナログの遊離塩基、薬学的に許容される塩、薬理学的に活性な代謝物およびその薬学的に許容される塩、水和物、そのラセミ化合物、その鏡像異性体または錯体を含む。本発明のPTHアナログは、テリパラチドおよびアバロパラチドを含む。
【0080】
本明細書において使用される「テリパラチド」という用語は、テリパラチドの遊離塩基、薬学的に許容される塩、薬理学的に活性な代謝物およびその薬学的に許容される塩、水和物、そのラセミ化合物、その鏡像異性体または錯体を含む。使用されるテリパラチドまたはその塩あるいは錯体のテリパラチド含有量は、約0.5mg~約15mgのテリパラチド遊離塩基に相当する量である。
【0081】
特に他に定義がない限り、本明細書で使用される「アバロパラチド」という用語は、アバロパラチドの遊離塩基、薬学的に許容される塩、薬理学的に活性な代謝物およびその薬学的に許容される塩、水和物、その鏡像異性体またはそのラセミ化合物を含む。使用されるアバロパラチドまたはその塩あるいは錯体のアバロパラチド含有量は、約80mg~約8000mgのアバロパラチド遊離塩基に相当する量である。
【0082】
「治療的有効量」または「有効量」は、疾患を治療するため、患者に投与された場合に、前記疾患の予防または治療に影響を与えるのに十分な医薬活性剤の量を意味する。「治療有効量」は、疾患およびその重症度、ならびに治療対象となる患者の年齢、体重および他の状態によって決まる。
【0083】
本明細書において、用語「経口医薬組成物」とは、経口投与用のPTHアナログを含む任意の組成物を意味し、その剤形には即効型、遅延放出、持続放出およびパルス放出が含まれるが、これらに限定されない。
【0084】
相対的バイオアベイラビリティとは、下式によって測定されたバイオアベイラビリティを意味する。
【数1】
【0085】
式中、AUCは、薬物血中濃度-時間曲線下面積を意味する。
【0086】
「分解防止剤」という用語は、PTHアナログの酵素分解を防止する1つまたは複数の薬剤を意味する。
【0087】
用語「金属含有化合物」とは、少なくとも1つの金属イオンを含有する任意の物質、錯体、塩を意味する。用語「バナジウム含有化合物」とは、あらゆる形態のバナジウムを含有する物質、錯体、塩を意味する。用語「クロム含有化合物」とは、任意の形態のクロム含有物質、錯体、塩を意味する。用語「マンガン含有化合物」とは、任意の形態のマンガン含有物質、錯体、塩を意味する。
【0088】
用語「還元剤」とは、通常還元化学反応において電子を供与することによって化合物を還元する物質を意味する。
【0089】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供する。一つの類似の実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することに関する。
【0090】
別の実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記経口医薬組成物が45分~90分で最高血漿中濃度(Tmax)に到達する。一つの類似の実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することに関する。
【0091】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの分解防止剤をさらに含む。一つの類似の実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することに関する。別の実施例において、前記少なくとも1つの分解防止剤は、少なくとも1つの金属含有化合物と少なくとも1つの還元剤との組み合わせを含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態である。一つ以上の実施例において、前記経口医薬組成物は、任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含む。別の実施例において、前記PTHアナログおよび前記分解防止剤は、物理的に分離された形態で前記医薬組成物中に存在する。別の実施例において、前記PTHアナログおよび前記分解防止剤は、前記医薬組成物においていずれも腸溶性コーティング形態である。
【0092】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供する。一つの類似の実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供する。
【0093】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、前記経口医薬組成物が45分~90分で最高血漿中濃度に到達する。一つの類似の実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、前記経口医薬組成物が45分~90分で最高血漿中濃度に到達する。
【0094】
一実施例において、本発明は、治療的有効量のPTHアナログを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの分解防止剤をさらに含む。一つの類似の実施例において、本発明は、治療的有効量のテリパラチドまたはアバロパラチドを含む経口医薬組成物に関し、前記組成物が経口投与した時、皮下投与と比較して少なくとも0.5%の相対的バイオアベイラビリティを提供し、前記経口医薬組成物が少なくとも1つの分解防止剤をさらに含む。別の実施例において、前記少なくとも1つの分解防止剤は、少なくとも1つの金属含有化合物と少なくとも1つの還元剤との組み合わせを含み、前記少なくとも1つの金属含有化合物がバナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択され、前記金属含有化合物がその塩または錯体を含む任意の形態である。一つ以上の実施例において、前記経口医薬組成物は、任意に吸収促進剤およびP-糖タンパク質排出機能阻害剤からなる群から選択される1種以上をさらに含む。別の実施例において、前記PTHアナログおよび前記分解防止剤は、物理的に分離された形態で前記医薬組成物中に存在する。別の実施例において、前記PTHアナログおよび前記分解防止剤は、前記医薬組成物においていずれも腸溶性コーティング形態である。
【0095】
PTHアナログ
PTHアナログは、PTHと少なくとも部分的に構造的に類似し、その作用がPTHと少なくとも部分的に類似する活性物質である。PTHアナログは、カルシウム吸収を増加し、新しい骨形成を刺激し、骨粗鬆症による骨折のリスクを軽減するためのアナボリックエージェントである。本発明のPTHアナログは、テリパラチドおよびアバロパラチドを含む。
【0096】
PTH(1-34)とも呼ばれるテリパラチドは、ヒト副甲状腺ホルモン(1-34)で、ヒト副甲状腺ホルモンの84個のアミノ酸内の34個のN末端アミノ酸と同じ配列を持ち、前記配列がPTHの生物学的活性領域である。現在、市販されているテリパラチドは、皮下投与の複数回投与プレフィルド式ペン型注射剤(フォルテオ(FORTEO)・イーライリリー社製)である。フォルテオは、組換えDNA技術によって調製されたテリパラチドが含まれる。テリパラチドは現在、以下の適応症の治療に承認されている(1日1用量あたり20mcgのテリパラチド)。
a.骨折のリスクが高い骨粗鬆症の閉経後女性の治療。
b.骨折のリスクが高い原発性または続発性性腺機能低下症の男性の骨量の増加。
c.骨折のリスクが高いグルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の男性および女性の治療
【0097】
アバロパラチドは、ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドPTHrP(1-34)のアナログであり、ヒト副甲状腺ホルモン1-34と41%、ヒト副甲状腺ホルモン関連ペプチドと76%の相同性がある。アバロパラチドは現在、骨粗鬆症に罹って骨折のリスクが高い閉経後女性の治療薬として、1日1回80mcgの皮下投与が承認されている。現在皮下投与用の組み立て済みの個人用使い捨てペン型注射剤がある。
【0098】
使用されるPTHアナログまたはその塩あるいは錯体のPTHアナログ含有量は、約0.5mg~約15 mgのPTHアナログ遊離塩基に相当する量である。使用されるテリパラチドまたはその塩あるいは錯体のテリパラチド含有量は、約0.5mg~約15mgのテリパラチド遊離塩基に相当する量である。使用されるアバロパラチドまたはその塩あるいは錯体のアバロパラチド含有量は、約80mg~約800mgのアバロパラチド遊離塩基に相当する量である。
【0099】
相対的バイオアベイラビリティ
相対的バイオアベイラビリティとは、下式によって測定されたバイオアベイラビリティを意味する。
【0100】
【数2】
【0101】
一つ以上の実施例において、本発明は、PTHアナログの経口医薬組成物を、それを必要とする患者に投与されることを含む疾患または障害を予防または治療する方法に関し、前記組成物が皮下投与と比較して、少なくとも0.5%、0.5~10%、1~9%、2~8%、3~7%または4~6%の相対的バイオアベイラビリティを提供する。
【0102】
骨吸収抑制剤(antiresorptive agent)の同時投与
一実施例において、本発明は、少なくとも1つの骨吸収抑制剤の同時投与を含む。骨吸収抑制剤は、ビスホスホネート(イバンドロネート、パミドロネート、アレンドロネート、ゾレドロン酸、リセドロネート、チルドロネート、エチドロネート、ミノドロネートなど)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、オスペミフェン)、カルシトニン、ビタミンDまたはそれらの混合物から選択される化合物を含む。
【0103】
分解防止剤
分解防止剤は、タンパク質またはペプチドの酵素分解を防止する1種以上の薬剤をいう。1つ以上の実施例において、分解防止剤は、金属含有化合物と還元剤との組み合わせである。1つ以上の実施例において、分解防止剤は、バナジウム含有化合物、クロム含有化合物またはマンガン含有化合物と還元剤との組み合わせである。
【0104】
金属含有化合物
1つ以上の実施例において、金属含有化合物は、少なくとも1つの金属イオンを含む任意の物質、錯体、塩をいう。1つ以上の実施例において、金属含有化合物は、バナジウム含有化合物、クロム含有化合物およびマンガン含有化合物からなる群から選択される。
【0105】
バナジウム含有化合物
バナジウム含有化合物は、あらゆる形態のバナジウムを含有する物質、錯体、塩をいう。バナジウム含有化合物のバナジウム含有量は、0.5mg~15mgのバナジウムに相当する量である。1つ以上の実施例において、バナジウム含有化合物は、酸化バナジウム(V)、バナジン酸ナトリウム、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、ビグアナイドバナジウム、ビス(マルトラート)オキサバナジウム(IV)、酢酸バナジウム、バナジル-ピコリン酸およびクエン酸バナジルからなる群から選択される。1つ以上の実施例において、バナジウム含有化合物は、硫酸バナジウムである。
【0106】
クロム含有化合物
クロム含有化合物は、あらゆる形態のクロムを含有する物質、錯体、塩をいう。クロム含有化合物のクロム含有量は、0.1~3mgのクロムに相当する量である。1つ以上の実施例において、クロム含有化合物は、ピコリン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、ニコチン酸クロム、塩化クロムおよび酢酸クロムからなる群から選択される。1つ以上の実施例において、クロム含有化合物は、ピコリン酸クロムである。
【0107】
マンガン含有化合物は、あらゆる形態のマンガンを含有する物質、錯体、塩をいう。マンガン含有化合物のマンガン含有量は、0.5mg~5mgのマンガンに相当する量である。1つ以上の実施例において、マンガン含有化合物は、グルコン酸マンガン、硫酸マンガン、過マンガン酸カリウムおよび塩化マンガンからなる群から選択される。1つ以上の実施例において、マンガン含有化合物は、グルコン酸マンガンである。
【0108】
還元剤
還元剤は、通常還元化学反応において電子を供与することによって化合物を還元する物質をいう。一実施例において、還元剤は、アスコルビン酸、還元型グルタチオン、システイン、尿酸、還元糖、グリセルアルデヒド、α-トコフェロール、ビタミンA、α-リポ酸、ジヒドロ-α-リポ酸、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、チオール含有化合物、チオマーおよびその薬学的に許容される塩のいずれかまたはそれらの組み合わせから選択される。一実施例において、医薬組成物は、少なくとも1つの還元剤を含み、少なくとも1つの還元剤の単位用量が約1mg~約1000mgである。
【0109】
吸収促進剤
用語「吸収促進剤」および「浸透促進剤」は、同義語であり、本明細書において互換的に使用され、当業者に知られているかまたは理解される吸収促進剤および浸透促進剤をその意味内に包含する。一実施例において、少なくとも1つの吸収促進剤または浸透促進剤を投与して、胃腸管におけるPTHアナログの粘膜吸収を改善あるいは促進する。一実施例において、前記少なくとも1つの吸収促進剤または浸透促進剤は、双性イオン吸収促進剤および非イオン性吸収促進剤のいずれかあるいはそれらの組み合わせから選択される。一実施例において、前記少なくとも1つの吸収促進剤は、C8-20アルカノイルカルニチン(好ましくはラウロイルカルニチン、ミリストイルカルニチンまたはパルミトイルカルニチン;例えば、塩化ラウロイルカルニチン、塩化ミリストイルカルニチンまたは塩化パイミトイルカルニチン)、サリチル酸(好ましくはサリチル酸ナトリウムなどのサリチル酸塩)、サリチル酸誘導体(3-メトキシサリチル酸、5-メトキシサリチル酸またはホモバニリン酸など)、C8-20アルカン酸(好ましくはC8-20アルカノエート、より好ましくはカプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウムまたはステアリン酸ナトリウムなどのカプリン酸塩、カプリル酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩またはステアリン酸塩)、クエン酸(好ましくはクエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩)、ラウロイルアラニンナトリウム、N-ドデカノイル-L-アラニン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-アスパラギン酸、ラウロイルシステイン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-システイン、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-グルタミン酸、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-グルタミン、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-グリシン、ラウロイルヒスチジン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-ヒスチジン、ラウロイルイソロイシン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-イソロイシン、ラウロイルロイシン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-ロイシン、ラウロイルメチオニンナトリウム、N-ドデカノイル-L-メチオニン、ラウロイルフェニルアラニン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-フェニルアラニン、ラウロイルプロリン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-プロリン、ラウロイルセリン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-セリン、ラウロイルスレオニン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-スレオニン、ラウロイルトリプトファネートナトリウム、N-ドデカノイル-L-トリプトファン、ラウロイルチロシン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-チロシン、ラウロイルバリン酸ナトリウム、
N-ドデカノイル-L-バリン、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-サルコシン、カプリン酸アラニンナトリウム、N-デカノイル-L-アラニン、アスパラギン酸カプリン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン、アスパラギン酸カプリン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、カプリン酸システインナトリウム、N-デカノイル-L-システイン、カプリン酸グルタミン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-グルタミン酸、カプリン酸グルタミンナトリウム、N-デカノイル-L-グルタミン酸、グリシン酸カプリン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-グリシン酸、カプリン酸ヒスチジン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-ヒスチジン、カプリン酸イソロイシン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-イソロイシン酸、カプリン酸ロイシン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-ロイシン、カプリン酸メチオニンナトリウム、N-デカノイル-L-メチオニン、カプリン酸フェニルアラニン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-フェニルアラニン、カプリン酸プロリン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-プロリン酸、カプリン酸セリン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-セリン、トレオン酸カプリン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-スレオニン、トリプトファン酸カプリン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-トリプトファン、カプリン酸チロシン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-チロシン、カプリン酸バリン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-バリン、カプリン酸サルコシンナトリウム、N-デカノイル-L-サルコシン、オレオイルサルコシン酸ナトリウム、N-デシルロイシンナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム(商品名Amisoft HS-11P)、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム(s商品名Amisoft MS-11)、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム(商品名Amisoft LS-11)、ココイルグルタミン酸ナトリウム(商品名Amisoft CS-11)、ココイルグリシン酸ナトリウム(商品名Amilite GCS-11)、N-デシルロイシンナトリウム、ココイルグリシンナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウムおよびC8-20アルカノイルサルコシン酸塩(ラウロイルサルコシン酸ナトリウムなどのラウロイルサルコシン酸塩)などの上記化合物の薬学的に許容される塩または商品MULTITROPE- 1620-LQ-(MV)などの20種類のC8-20アシル化される標準的なタンパク質新生α-アミノ酸の1つ、アルキル糖(C8-10アルキル多糖などのC1-20アルキル糖)またはn-オクチル-ベータ-Dグルコピラノシド、あるいはn-ドデシル-ベータ-D-マルトシド)、シクロデキストリン(α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、またはスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)、N-[8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ]カプリル酸ナトリウム(SNAC)、チオマー(非特許文献1に開示されているチオマーを含む)、カルシウムキレート化合物(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、クエン酸ナトリウムまたはポリアクリル酸)、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル(cremophor EL;商品名KolliphorR EL;CAS no61791-12-6)、キトサン、N、N、N-トリメチルキトサン、塩化ベンザルコニウム、ベスタチン、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、C2-20アルカノール(例:エタノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール)、C8-20アルケノール(オレイルアルコールなど)、C8-20アルケン酸(オレイン酸など)、デキストラン硫酸、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(商品名TRANSCUTOLR)、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン(アゾン)、カプリル酸エチル、モノラウリン酸グリセリル、リゾホスファチジルコリン、メントール、C8-20アルキルアミン、C8-20アルケニルアミン(オレイルアミンなど)、ホスファチジルコリン、ポロキサマー、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレン、ポリプロピレングリコールモノラウレート、ポリソルベート(ポリソルベート80)、デオキシコール酸(デオキシコール酸ナトリウム)、グリココール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、タウロコール酸(タウロコール酸ナトリウムなど)、タウロデオキシコール酸(タウロデオキシコール酸ナトリウム)、ラウリン酸スクロース、スルホキシド(デシルメチルスルホキシドまたはジメチルスルホキシドなどなどの(C1-10アルキル)-(C1-10アルキル)-スルホキシド)、シクロペンタデカラクトン、8-(N-2-ヒドロキシ-5-クロロ-ベンゾイル)-アミノ-カプリル酸、ドデシル2-(N,N-ジメチルアミノ)プロピオン酸、D-α-トコフェリルポリエチレングリコール-1000コハク酸塩(TPGS)および上記化合物の薬学的に許容される塩などのいずれかまたはそれらの組み合わせから選択される。一実施例において、上記の吸収促進剤を含む、任意の2つ以上の吸収促進剤を組み合わせて使用することができる。しかしながら、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者に知られている、または理解される吸収促進剤のうち1種またはそれらの2種以上の組み合わせを、本明細書に記載される意図された目的に使用することができる。
【0110】
P-糖タンパク質排出機能阻害剤
P-糖タンパク質は、薬物分子を細胞質から腸管腔に輸送して排泄することができる排出トランスポーターである。これらのトランスポーターは、小腸上皮細胞の内腔側にある。それは、いくつかの経口医薬品のバイオアベイラビリティを制限する。1つ以上の実施例において、P-糖タンパク質排出機能阻害剤は、ナリンギン、ピペリン、ベルガモチン、ケルセチン、キニジン、キニーネ、レセルピン、リトナビル、タリキダールおよびベラパミルからなる群から選択される。
【0111】
医薬組成物
本明細書において、用語「経口医薬組成物」とは、経口投与用のPTHアナログを含む任意の組成物を意味し、その剤形には即効型、遅延放出、持続放出およびパルス放出が含まれるが、これらに限定されない。
【0112】
1つ以上の実施例において、医薬組成物に含まれる治療的有効量のPTHアナログおよび少なくとも1つの分解防止剤は、物理的に分離された形態で前記医薬組成物中に存在する。
【0113】
1つ以上の実施例において、医薬組成物は、治療的有効量の腸溶性コーティング形態のPTHアナログおよび腸溶性コーティング形態の金属含有化合物と還元剤との組み合わせを含む。
【0114】
経口医薬組成物は、乾式造粒、湿式造粒、溶融造粒、直接圧縮、押出球形化または圧縮性コーティングを含むがこれらに限定されない任意の従来技術によって調製することができる。
【0115】
一実施例において、経口医薬品の剤形は、錠剤(tablet)(コーティングまたは非コーティング錠剤)、カプセル(ソフトゼラチンカプセル、ハードゼラチンカプセル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose,HPMC)カプセルまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(hydroxypropyl methylcellulose phthalate,HPMCP)カプセル)、二重カプセル(capsule-in-capsule)、錠剤カプセル(tablet in capsule)、ロゼンジ(lozenge)、トローチ(troche)、軟カプセル(ovule)、溶液、乳濁液、懸濁液、シロップ、エリキシル剤、再構成粉末および顆粒、分散性粉末および顆粒、薬用ガム(medicated gum)、チュアブル錠(chewable tablet)、発泡錠、多粒子(multi-particulate)剤形などのいずれかまたはそれらの組み合わせから選択される。しかしながら、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者に知られている、または理解される任意または組み合わせの経口医薬品の剤形を、本明細書に記載される意図された目的に使用することができる。
【0116】
一実施例において、前記医薬組成物は、担体、希釈剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、着色剤、顔料、安定剤、防腐剤、抗酸化剤および/または溶解補助剤などであるがこれらに限定されない任意の1種以上の薬学的に許容される賦形剤のいずれかまたはそれらの組み合わせをさらに含む。一実施例において、前記医薬組成物は、任意選択でビタミンE、ヒスチジン、微結晶セルロース(microcrystalline cellulose, MCC)、マンニトール、デンプン、ソルビトールおよび/またはラクトースなどの任意選択の1種以上の薬学的に許容される添加剤をさらに含む。一実施例において、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者に知られている、または理解される任意の技術によって前記医薬組成物を調合して、本明細書に記載される意図された目的に使用することができる。
【0117】
一実施例において、前記少なくとも1つの溶解補助剤は、ポリエチレングリコール(分子量が約200~約5000Da範囲内のポリエチレングリコールを含む)、エチレングリコール、プロピレングリコール、非イオン性界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、マクロゴール-15-ヒドロキシステアレート、リン脂質、レシチン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、シクロデキストリン、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキシン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン、ジマルトシル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウムなどのうち1種またはそれらの組み合わせから選択される。
【0118】
本発明の任意の実施例の組成物は、任意の既知の方法を使用して腸溶コーティングされ得る。腸溶性ポリマーは、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸ビニルフタル酸塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートコハク酸塩、アルギン酸塩、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、シェラック、酢酸フタル酸セルロース、デンプングリコール酸、ポラクリリン、メチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート、酢酸セルローステレフタレート、酢酸セルロースイソフタレートおよびセルロースアセテートトリメリテートのうち1種以上が挙げられる。組成物は、腸溶性ポリマーで作られた既製のカプセルを使用して調製することもでき、前記組成物も腸溶性コーティング形態と見なされる。
【0119】
製剤T1
【表1】
【0120】
製剤T2
【表2】
【0121】
製剤T3
【表3】
【0122】
製剤T4
【表4】
【0123】
製剤T5
【表5】
【0124】
製剤T6
【表6】
【0125】
製剤T7
【表7】
【0126】
製剤T8
【表8】
【0127】
製剤T9
【表9】
【0128】
製剤T10
【表10】
[調製方法]
【0129】
造粒工程
A.バインダー溶液の調製:75.0mgのHPMC E5を25.0mLの脱イオン水に溶かして、0.3%W/VのHPMC E5溶液を調製した。
B.粉体ブレンドの調製:液体賦形剤を除くすべての成分を精密に量り、それらを5分間ビニール袋において混合した。
C.バインダーの添加:量られた液体賦形剤をペプチドと一緒にHPMC E5(0.3%)バインダー溶液中に加え、得られた混合物を滴下して湿式造粒を行った。
D.顆粒の乾燥:顆粒を真空デシケーターのシリカベッド上で一晩乾燥させた。
E.顆粒のふるい分け:乾燥顆粒を#40メッシュステンレス網に通させ、適切なガラス容器内に集めて、室温で保管した。
[研究ステップ]
【0130】
・各テリパラチド製剤をS.D.ラットの遠位側小腸(回腸)に投与した後、ELISAキットでラット血漿中のテリパラチドの量を定量化した。
・1個体あたり10mcgの用量により参照製剤を尾(個体数n=3)に投与した。次に試験製剤をそれぞれ個体数N=3に投与した。
・MIRAとラベル付けされたカプセル1個を乳鉢と乳棒で粉砕し、それをマイク ロ遠心チューブに移し、2ml/kgのTrisバッファーで混合し、カテーテルを介 して一匹の動物の回腸に投与した。5分後、ポリアミドとラベル付けされたカプセル1 個を乳鉢と乳棒で粉砕し、それをマイクロ遠心チューブに移し、2ml/kgのTri sバッファーで混合し、カテーテルを介して同じ動物の回腸に投与した。
・MIRAとラベル付けされたカプセル1個(アイスボックスに保存)を乳鉢と乳 棒で粉砕し、それをマイクロ遠心チューブに移し、2ml/kgのTrisバッファー で混合し、カテーテルを介して一匹の動物の回腸に投与した。
・5分後、活性医薬品成分とポリアミドのカプセル1個(アイスボックスに保存) を乳鉢と乳棒で粉砕し、それをマイクロ遠心チューブに移し、2ml/kgのTris バッファーで混合し、カテーテルを介して同じ動物の回腸に投与した。
・投与期間、投与後の0、5、10、15、20、30、60および120分など の時点に採血した。ガラス毛細管で眼窩静脈洞を穿刺して採血し、プレフィルド式Na -EDTAマイクロ遠心チューブに約100μlの血液を採取した。血液サンプルを5 000rpm、5分、4℃で遠心分離して血漿を得た。血漿サンプルを分析まで-80 ℃で保存した。
[研究結果]
【0131】
【表11】
【0132】
製剤T11
【表12】
【0133】
[製造工程]
I.インナーカプセル
1.No.2~6のすべての不活性成分を精密に量った。
2.微結晶セルロース、マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを#40メッシュでふるいにかけた。
3.造粒溶媒の調製:必要な量の純水をガラスビーカーに量り入れ、その後、透明な溶液が形成されるまでガラス棒で撹拌しながらKolliphore HS15を溶かした。
4.調製された溶液を工程2の混合液に滴下し、手動で混合して造粒の終点に到達させた。
5.得られた湿潤材料を50℃の熱風オーブンで乾燥させた
6.乾燥した顆粒を#40メッシュでふるいにかけた。
7.クロスカルメロースナトリウムを#40でふるいにかけ、ビニール袋において幾何学的混合法により工程6に添加した。
8.必要に応じて、粒状ブレンドを秤量して、必要な量の活性医薬品成分(テリパラチド)と混合し、40目篩網將活性医薬品成分とベース顆粒を#40メッシュでふるいにかけた。
9.得られたブレンドをビニール袋において手動で混ぜて内容物が均一になるようにし、その後#40メッシュでふるいにかけた。
10.カプセル(サイズ3)に目標重量130.0mgを充填した。
II.アウターカプセル
11.表のすべての成分(No.7~11)を精密に量り、#40メッシュでふるいにかけてからビニール袋中において混ぜた。
12.工程10で充填したサイズ3のカプセルをサイズ0の腸溶性カプセル内に入れた。
13.工程12の後、工程11で調製されたブレンドをサイズ0の腸溶性カプセルに入れ、正味充填量が150mgであった。
14.包装:カプセルをポリエチレン容器に詰め、容器を密閉する前に窒素を吹き込んだ。
[溶解試験]
【0134】
【表13】
【0135】
製剤T12
【表14】
【0136】
[製造工程]
I.インナーカプセル
1.No.2~6のすべての不活性成分を精密に量った。
2.微結晶セルロース、マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを#40メッシュでふるいにかけた。
3.造粒溶媒の調製:必要な量の純水をガラスビーカーに量り入れ、その後、透明な溶液が形成されるまでガラス棒で撹拌しながらKolliphore HS15を溶かした。
4.調製された溶液を工程2の混合液に滴下し、手動で混合して造粒の終点に到達させた。
5.得られた湿潤材料を50℃の熱風オーブンで乾燥させた
6.乾燥した顆粒を#40メッシュでふるいにかけた。
7.クロスカルメロースナトリウムを#40でふるいにかけ、ビニール袋において幾何学的混合法により工程6に添加した。
8.必要に応じて、粒状ブレンドを秤量して、必要な量の活性医薬品成分(テリパラチド)と混合し、40目篩網將活性医薬品成分とベース顆粒を#40メッシュでふるいにかけた。
9.得られたブレンドをビニール袋において手動で混ぜて内容物が均一になるようにし、その後#40メッシュでふるいにかけた。
10.カプセル(サイズ3)に目標重量130.0mgを充填した。
II.アウターカプセル
11.表のすべての成分(No.7~11)を精密に量り、#40メッシュでふるいにかけてからビニール袋中において混ぜた。
12.工程10で充填したサイズ3のカプセルをサイズ0の腸溶性カプセル内に入れた。
13.工程12の後、工程11で調製されたブレンドをサイズ0の腸溶性カプセルに入れ、正味充填量が150mgであった。
14.包装:カプセルをポリエチレン容器に詰め、容器を密閉する前に窒素を吹き込んだ。
[溶解試験]
【0137】
【表15】
図1