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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】部屋構造
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/02 20060101AFI20241225BHJP
   A47B 87/00 20060101ALI20241225BHJP
   A47B 91/02 20060101ALI20241225BHJP
   A47B 91/06 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
E04H1/02
A47B87/00
A47B91/02
A47B91/06
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021060815
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022156893
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】竹中 宣雄
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-195486(JP,A)
【文献】特開2019-97622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/02
A47B 87/00
A47B 91/02
A47B 91/06
A47B 85/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床と、壁と、天井と、を備えて部屋空間が形成され、かつ、前記床上にユニット家具が据え置かれて設けられる部屋構造において、
前記ユニット家具は、前記床の一部の上方に配置される床ユニットと、前記床ユニットを支持する複数の脚ユニットと、を備えて、前記床ユニットと前記床との間に下側空間が形成されるとともに、前記床ユニットと前記天井との間に上側空間が形成されており、
前記部屋空間には、当該部屋空間を有する階とその上階とを接続する踊り場付きの階段が設けられた階段室が隣接して配設され、
前記ユニット家具は、前記階段の前記踊り場と、仕切壁を介して隣り合って配置されており、
前記仕切壁は、
前記踊り場に面して形成されて前記ユニット家具の前記上側空間と前記階段室とを連通する出入り用開口部と、
前記出入り用開口部を閉塞し、前記仕切壁に対して着脱可能な閉塞部材と、を備えることを特徴とする部屋構造。
【請求項2】
請求項に記載の部屋構造において、
前記閉塞部材は、互いに間隔を空けて並設された複数の縦格子材を有することを特徴とする部屋構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニット家具が据え置かれて設けられる部屋構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物躯体を構成する床の上に据え置かれて用いられる大型のユニット家具について知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のユニット家具は、天井ユニットと、天井ユニットの下面に対して立った状態に取り付けられた複数の柱ユニット及び複数の壁面ユニットと、建物の床と天井ユニットとの間を昇降可能とする昇降手段と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-195486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユニット家具における床ユニット(特許文献1の場合、天井ユニット)の下側空間及び上側空間は、それぞれ人の立ち入りや起居が可能となっている。そのため、例えばリビングルームのように人の目がある部屋に据え置かれると、プライバシーを確保しにくい場合がある。また、ユニット家具は、下側空間及び上側空間への立ち入りや起居を可能としているため、使い勝手の良さも求められている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、ユニット家具の使用時におけるプライバシーを確保し、使い勝手の良さを向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項に記載の発明は、例えば図21図23に示すように、床2と、壁3,4,5と、天井6と、を備えて部屋空間RSが形成され、かつ、前記床2上にユニット家具10が据え置かれて設けられる部屋1構造において、
前記ユニット家具10は、前記床2の一部の上方に配置される床ユニット11と、前記床ユニット11を支持する複数の脚ユニット12,13と、を備えて、前記床ユニット11と前記床2との間に下側空間10aが形成されるとともに、前記床ユニット11と前記天井6との間に上側空間10bが形成されており、
前記部屋空間RSには、当該部屋空間RSを有する階とその上階とを接続する踊り場52付きの階段51が設けられた階段室50が隣接して配設され、
前記ユニット家具10は、前記階段51の前記踊り場52と、仕切壁53を介して隣り合って配置されており、
前記仕切壁53は、
前記踊り場52に面して形成されて前記ユニット家具10の前記上側空間10bと前記階段室50とを連通する出入り用開口部54と、
前記出入り用開口部54を閉塞し、前記仕切壁53に対して着脱可能な閉塞部材55と、を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項に記載の発明によれば、ユニット家具10が、階段51の踊り場52と、仕切壁53を介して隣り合って配置されており、仕切壁53は、踊り場52に面して形成されてユニット家具10の上側空間10bと階段室50とを連通する出入り用開口部54と、出入り用開口部54を閉塞し、仕切壁53に対して着脱可能な閉塞部材55と、を備えるので、閉塞部材55を仕切壁53に取り付けたままの状態にすれば、階段室50からユニット家具10の上側空間10bへの視線を遮りやすく、プライバシーの確保に貢献できる。
さらに、閉塞部材55を仕切壁53から取り外すことで、出入り用開口部54を開放させることができる。これにより、階段室50からユニット家具10の上側空間10bを使用できるので使い勝手がよい。
なお、閉塞部材55の強度や当該閉塞部材55の固定強度は、人の落下を防ぐ安全性能を維持した強度となっている。
【0020】
請求項に記載の発明は、例えば図21図23に示すように、請求項に記載の部屋1構造において、
前記閉塞部材55は、互いに間隔を空けて並設された複数の縦格子材55aを有することを特徴とする。
【0021】
請求項に記載の発明によれば、閉塞部材55は、互いに間隔を空けて並設された複数の縦格子材55aを有するので、階段室50からユニット家具10の上側空間10bへの視線を通すことができる。これにより、階段室50からユニット家具10の上側空間10bの様子を窺うことができて使い勝手が良い。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、ユニット家具の使用時におけるプライバシーを確保し、使い勝手の良さを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】ユニット家具を示す斜視図である。
図2】部屋に据え置かれたユニット家具を示す斜視図である。
図3】ユニット家具を示す正面図である。
図4】ユニット家具を示す右側面図である。
図5】ユニット家具を示す平面図である。
図6】ユニット家具を示す底面図である。
図7図3におけるA-A線断面図である。
図8図3におけるB-B線断面図である。
図9図3におけるC-C線断面図である。
図10図3におけるD-D線断面図である。
図11図4におけるE-E線断面図である。
図12図4におけるF-F線断面図である。
図13】手摺ユニットの使用例を示す図である。
図14】支持ユニットを説明する図である。
図15】脚ユニットと天板と床体との接触部分の構造を説明する図である。
図16】ユニット家具が設けられた部屋の一例を示す断面図である。
図17】ユニット家具が設けられた部屋の一例を示す断面図である。
図18】ユニット家具が設けられた部屋の一例を示す断面図である。
図19】ユニット家具が設けられた部屋の一例を示す断面図である。
図20】ユニット家具が設けられた部屋の一例を示す断面図である。
図21】ユニット家具が設けられた部屋と階段室を示す平断面図である。
図22図21におけるG-G線断面図である。
図23図21におけるH-H線断面図である。
図24】キャスター付きのユニット家具の一例を示す断面図である。
図25】キャスター付きのユニット家具の他の一例を示す断面図である。
図26】高さ調整手段を備えたユニット家具を示す断面図である。
図27】昇降口が形成された床ユニットの構成を示す図である。
図28】昇降口が形成されたユニット家具の一例を示す断面図である。
図29】昇降口が形成されたユニット家具の他の一例を示す斜視図である。
図30】階段状に形成された脚ユニットを備えるユニット家具を示す図である。
図31】複数のユニット家具を積層した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の実施形態及び図示例における方向は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。
【0039】
図2において符号1は、部屋を示す。この部屋1は、住宅等の建物の内部に配設されたものであり、床面2(床2)と、互いに対向する一対の壁面3,4(壁3、壁4)と、を少なくとも備えている。また、本実施形態においては、一対の壁面3,4に直交する他の壁面5(壁5)と、天井6と、を備えている。そして、これら床2と、壁3,4(5)と、天井6によって囲まれたスペースが、部屋1の部屋空間RSとされている。
このような部屋1の床2上に対して、図1に示すようなユニット家具10が据え置かれて設けられている。
【0040】
なお、一対の壁面3,4のうち一方の壁面3は、ユニット家具10を前側(正面側)から見た場合において左側に位置し、他方の壁面4は右側に位置している。また、他の壁面5は、ユニット家具10の後側(背面側)に位置している。そのため、以下の説明では、左側に位置する壁面3を左側壁面3と称し、右側に位置する壁面4を右側壁面4と称し、後側に位置する他の壁面5を後側壁面5と称する。
【0041】
なお、各壁面3,4,5には、壁クロス(図示省略)や巾木40、廻り縁(図示省略)等の仕上げが予め施されており、また、床面2にも、フローリング材やマット等の仕上げが予め施されている。そして、このような各壁面3,4,5及び床面2を備えた部屋1に対してユニット家具10が据え置かれて設けられるようになっている。そのため、ユニット家具10を部屋1内に設ける際は、このような各仕上げに傷がつかないように作業を行う必要がある。
【0042】
ユニット家具10は、部屋1に据え置かれて設けられる置き家具であり、建物躯体に対して固定されていない状態となっている。すなわち、このユニット家具10は、建物躯体との機械的接合(ビス等の固定具や接着剤、各種金具等による接合)が一切無く、建物躯体に対して造り付けられてもいない状態となっている。要するに、ユニット家具10は、部屋1の床面や壁面に接してはいるものの、単に、部屋1に据え置かれた家具であり、いわゆる戸建て住宅や、マンション・アパート等の集合住宅、事務所・オフィスビル等の商業用建物を始めとする様々な建物の部屋に対して配置することができる。
ユニット家具10は、建物躯体に対して接合されないため、ユニット家具10が据え置かれる建物の構造も特に限定されない。すなわち、建物躯体は、木造でもよいし、鉄骨造、RC造、SRC造でもよく、その工法の分類(軸組工法、壁式工法、ラーメン工法等)も特に限定されるものではない。要するに、ユニット家具10と建物躯体とを接合する必要がないため、ユニット家具10と建物躯体とを接合する際の相性を考慮する必要がない。
【0043】
ユニット家具10自体は、現場で組み立てられる組立型家具であり、家具を構成する部材同士の接合には、ビス等の固定具や接着剤、各種金具等が適宜使用されているものとする。
具体的には、ユニット家具10は、図1図15に示すように、基本構成として、床ユニット11と、床ユニット11を支持する脚ユニット12,13(第一脚ユニット12、第二脚ユニット13)と、を備えている。そして、床ユニット11を境にして上下に空間10a,10bが形成されるようになっている。本実施形態において、下側空間10aは、部屋1内から使用できる低天井収納スペースとして使用され、上側空間10bは、居室として十分な天井高を有する一つの部屋として使用することが可能となっている。また、脚ユニット12,13の高さ寸法によっては、下側空間10aを低天井収納スペース、上側空間10bを一つの部屋として使用する場合もあるし、下側空間10a及び上側空間10bの双方を、一つの部屋又は低天井収納スペースとして使用することが可能となっている。
また、本実施形態におけるユニット家具10は、上記基本構成に加えて、天板14と、手摺ユニット15と、昇降手段16と、を備えている。
【0044】
床ユニット11は、建築用構造躯体によって構成されており、ユニット家具10が据え置かれる建物の躯体と遜色ない構造的強度を有している。そのため、床ユニット11は、上面に人が乗るのは勿論のこと、上面に重量物を置くことも可能となっている。
本実施形態における床ユニット11の建築用構造躯体は、いわゆる木質パネル接着工法に用いられる木質の建築用パネルによって構成されている。
建築用パネルとは、縦横の框材が矩形状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に、面材が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。さらに、その内部中空な部分には、通常、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填される。
【0045】
床ユニット11は、床体(床用の建築用パネル11a,11b)によって構成されるとともに床面2の一部の上方に設けられ、左側壁面3と右側壁面4との間の間隔よりも若干短い幅寸法に設定されている。
床用の建築用パネル11a,11b(以下、建築用床パネル11a,11b)は、複数用いられており、部屋1の床面2の全体ではなく、一部の上方に、所定の高さで設けられている。本実施形態においては、下側空間10aの天井高が、0.8~1.4メートルになる高さ位置に、複数の建築用床パネル11a,11bが設けられている。
なお、この0.8m~1.4mの天井高とは、人が下側空間10aに入り、腰を屈めるなどして何とか作業ができる最低限の高さを確保するための高さ範囲である。ただし、これに限られるものではなく、天井高については任意に設定してもよい。すなわち、下側空間10aの天井高を、人が立った姿勢で歩行・作業ができるような寸法にするとともに、上側空間10bの天井高を、人が腰を屈めた状態で歩行・作業できるような寸法にして、上側空間10bをロフトのように使用できるようにしてもよい。また、例えば部屋1に吹き抜けがあり、部屋1の天井高が高い場合は、下側空間10aと上側空間10bの双方の天井高を、人が立った姿勢で歩行・作業ができるような寸法にしてもよい。また逆に、下側空間10aと上側空間10bの双方の天井高を、人が腰を屈めた状態で歩行・作業できるような寸法にしてもよい。要するに、ユニット家具10は、あくまでも家具であるため、下側空間10a及び上側空間10bにおける上下方向の高さについては特に制限されるものではなく、任意に設定可能となっている。
建築用床パネル11a,11b同士は、ビス、ボルト・ナット等の道具を用いて連結され、これにより、床ユニット11を構成している。
【0046】
第一脚ユニット12は、背板121と、左右の側板122,123と、底板124と、棚板125と、を有しており、収納家具として使用できるようになっている。第一脚ユニット12は、床ユニット11における前端部(正面側端部)の下方に、2つ並んで立った状態にして設けられている。すなわち、ユニット家具10は、左右に並ぶ一対の第一脚ユニット12,12を備えている。なお、以下の説明では、左右の側板122,123のうち、内側(ユニット家具10の中央側)に位置する側板122を内側側板122と称し、外側に位置する側板123を外側側板123と称する。
第一脚ユニット12は、下側空間10aの天井高が、本実施形態においては、0.8~1.4メートルになる高さ寸法に設定されている。
【0047】
第一脚ユニット12を構成する板121~125は、ビス、ボルト・ナット等の道具を用いて連結され、これにより、第一脚ユニット12を構成している。背板121及び側板122,123は、平面視略コ字状をなしている。また、底板124と背板121及び側板122,123とは、底板124の下面と、背板121及び側板122,123の下端面と、が略面一な状態で連結されている。また、棚板125と背板121とは、棚板125の後端面と、背板121の前面と、が接した状態で連結されている。また、棚板125と側板122,123とは、棚板125の左端面及び右端面と、側板122,123の対向面(側板122,123の互いに対向する面)と、が接した状態で連結されている。
なお、棚板125の数は1枚に限定されず、複数枚であってもよい。また、棚板125は可動棚であってもよい。
第一脚ユニット12を構成する板121~125は、例えば、MDF(Medium density fiberboard:中密度繊維板、JISA5905)やパーティクルボード(JISA5908)等のボード材であってもよいし、あるいは、これらのボード材を用いてフラッシュ構造としたものやベタ芯構造としたもの等であってもよく、適宜選択可能である。
【0048】
第二脚ユニット13は、背板131と、左右の側板132,133と、を有している。第二脚ユニット13は、床ユニット11における後端部(背面側端部)の下方に、2つ並んで立った状態にして設けられている。すなわち、ユニット家具10は、左右に並ぶ一対の第二脚ユニット13,13を備えている。なお、以下の説明では、左右の側板132,133のうち、内側(ユニット家具10の中央側)に位置する側板132を内側側板132と称し、外側に位置する側板133を外側側板133と称する。
第二脚ユニット13は、下側空間10aの天井高が、本実施形態においては、0.8~1.4メートルになる高さ寸法に設定されている。すなわち、第一脚ユニット12と等しい高さ寸法に設定されている。
【0049】
第二脚ユニット13を構成する板131~133は、ビス、ボルト・ナット等の道具を用いて連結され、これにより、第二脚ユニット13を構成している。背板131及び側板132,133は、平面視略コ字状をなしている。
第二脚ユニット13を構成する板131~133は、第一脚ユニット12を構成する板121~125と同様に、MDFやパーティクルボード等のボード材であってもよいし、あるいは、これらのボード材を用いてフラッシュ構造としたものやベタ芯構造としたもの等であってもよく、適宜選択可能である。
なお、本実施形態における第二脚ユニット13は、平面視略コ字状をなす最低限の要素によって構成された状態となっているが、底板や棚板を備えて第一脚ユニット12と同様に構成されてもよいものとする。
【0050】
図14に示すように、ユニット家具10は、2枚の天板14,14を備えており、一対の第一脚ユニット12,12のうち左側の第一脚ユニット12と、一対の第二脚ユニット13,13のうち左側の第二脚ユニット13と、は一方の天板14(左側の天板14)を共有した状態となっている。また、一対の第一脚ユニット12,12のうち右側の第一脚ユニット12と、一対の第二脚ユニット13,13のうち右側の第二脚ユニット13と、は他方の天板14(右側の天板14)を共有した状態となっている。すなわち、天板14は、当該天板14の長さ寸法(前後方向の寸法)が床ユニット11の奥行き寸法(前後方向の寸法)と略等しい寸法に設定されており、第一脚ユニット12の上端面と第二脚ユニット13の上端面との間に架け渡されて固定されている。
【0051】
そして、天板14のうち中央側に位置する天板14の中央側縁部は中央側に突出している。
具体的には、左側の天板14の右縁部は、左側の第一脚ユニット12の内側側板122及び左側の第二脚ユニット13の内側側板132よりも、右方に突出している。すなわち、左側の天板14は右側(ユニット家具10の中央側)に跳ね出している。
また、右側の天板14の左縁部は、右側の第一脚ユニット12の内側側板122及び右側の第二脚ユニット13の内側側板132よりも、左方に突出している。すなわち、右側の天板14は左側(ユニット家具10の中央側)に跳ね出している。
【0052】
天板14は、第一化粧パネル141と、第一化粧パネル141よりも高強度の第二化粧パネル142と、により構成されており、第二化粧パネル142は、第一化粧パネル141よりも内側(ユニット家具10の中央側)に配されている。すなわち、より強度の高い第二化粧パネル142が、脚ユニット12,13の内側側板122,132よりも側方に突出している。
第一化粧パネル141は、例えば、MDFやパーティクルボード等のボード材であってもよいし、あるいは、これらのボード材を用いてフラッシュ構造としたものやベタ芯構造としたもの等であってもよく、適宜選択可能である。
また、第二化粧パネル142は、例えば、MDF(JISA5905)やパーティクルボード(JISA5908)等のボード材であってもよいし、あるいは、これらのボード材を用いてフラッシュ構造としたものやベタ芯構造としたもの等であってもよく、適宜選択可能である。
さらに、第一化粧パネル141と第二化粧パネル142は、強度の異なる板材を選択してもよく、その場合、第二化粧パネル142を、第一化粧パネル141よりも高強度の板材とする。
【0053】
脚ユニット12,13と天板14(第一化粧パネル141、第二化粧パネル142)との接合は、ビス、ボルト・ナット等の道具を用いて行われている。例えば本実施形態においては、天板14が、ビスBによって脚ユニット12,13に固定されている。そして、床ユニット11は、左右に並ぶ一対の天板14,14の上に載せられた状態となっている。
すなわち、第一脚ユニット12と、第二脚ユニット13と、当該第一脚ユニット12と当該第2脚ユニット13との間に架け渡された天板14と、によって、床ユニット11を支持する支持ユニットUを構成している
【0054】
図10に示すように、床ユニット11は、左右に並ぶ一対の第一建築用床パネル11a,11aと、これら一対の第一建築用床パネル11a,11aの間において前後に並ぶ一対の第二建築用床パネル11b,11bと、を有する。
第一建築用床パネル11aは、補助桟材112が前後方向に配置される状態で、第一脚ユニット12と第二脚ユニット13との間に架け渡された天板14の上面に固定されている。また、第二建築用床パネル11bは、補助桟材112が左右方向に配置される状態で、一方の天板14の上面と他方の天板14の上面との間に架け渡されて固定されている。より詳細には、第二建築用床パネル11bは、その左右の端部が、左右の天板14,14における中央側縁部の上面に架け渡されて固定されている。
【0055】
天板14,14と床ユニット11との接合は、ビス、ボルト・ナット等の道具を用いて行われている。例えば本実施形態においては、床ユニット11(建築用床パネル11a,11b)が、ビスBによって天板14に固定されている。
具体的には、図15に示すように、天板14の下面から、第一建築用床パネル11aの框材110(前後方向に配置される框材110)や補助桟材112に向けてビスB(例えば長さ75mmのビス)を打つことで、天板14と第一建築用床パネル11aとを連結している。
また、天板14の下面から、第二建築用床パネル11bの框材110(左右方向に配置される框材110)や補助桟材112に向けてビスB(例えば長さ75mmのビス)を打つことで、天板14と第二建築用床パネル11bとを連結している。
さらに、第二建築用床パネル11bの上面から、脚ユニット12,13の内側側板122,132に向けてビスB(例えば長さ150mmのビス)を打つことで、第二建築用床パネル11bと天板14と脚ユニット12,13とを連結している。
また、第二建築用床パネル11bの框材110(前後方向に配置される框材110)から、第一建築用床パネル11aの框材110(前後方向に配置される框材110)に向けてビスB(例えば長さ50mmのビス)を打つことで、第一建築用床パネル11aと第二建築用床パネル11bとを連結している。
また、図示は省略するが、第一建築用床パネル11aの上面から、脚ユニット12,13の外側側板123,133や背板121,131に向けてビスB(例えば長さ150mmのビス)を打つことで、第一建築用床パネル11aと脚ユニット12,13とを連結している。
【0056】
そして、本実施形態において、天板14の突出長さ(内側側板122,132よりも側方に突出した部分の左右方向の長さ寸法)は、25mm~30mmに設定されている。突出長さが25mmよりも短いと、第二建築用床パネル11bにおける天板14と接する部分が狭くなる(第二建築用床パネル11bと天板14との係合が弱まる)ので、十分な脱落防止効果を得ることができなくなる。また、突出長さが30mmよりも長いと、第二建築用床パネル11bの框材110(前後方向に配置される框材110)から、第一建築用床パネル11aの框材110(前後方向に配置される框材110)に向けてビスBを打つ作業が困難となる。
【0057】
このように、本実施形態では、天板14が内側側板122,132よりも側方に突出しているので、左側の脚ユニット12,13と右側の脚ユニット12,13との間の距離(すなわち下側空間10aに出入りするための開口部の幅寸法)として下側空間10aに出入りしやすい長さを確保しつつ、左右の支持ユニットUの間に架け渡された床体(以下「中央床体」という)の脱落を防止することが可能となっている。
すなわち、本実施形態のユニット家具10においては、天板14が脚ユニット12,13の内側側板122,132よりも側方に突出しているので、例えば、左右の脚ユニット12,13の間の距離を短くしたり、左右方向に長い中央床体を用意したりしなくても、中央床体における天板14と接する部分が広くなり、中央床体が、天板14に脱落しない程度に係合された状態となる。したがって、下側空間10aに出入りしやすい幅寸法の開口部を確保しつつ、中央床体(第二建築用床パネル11b)の脱落を防止することが可能となる。
さらに、本実施形態では、図15に示すように、中央床体(第二建築用床パネル11b)を、ビスBによって天板14に固定するだけでなく、ビスBによって脚ユニット12,13の内側側板122,132にも固定しているので、第二建築用床パネル11bの脱落を確実に防止することが可能である。
【0058】
また、本実施形態では、図15に示すように、第一建築用床パネル11aと第二建築用床パネル11bとの接触面が、内側側板122,132の上方に位置している(図15の二点鎖線参照)。すなわち、第一建築用床パネル11aと第二建築用床パネル11b双方の接触端部(互いに接触する端部)を側板によって支持しているので、天板14の歪みや撓みを防ぐことができ、床ユニット11の安定性が向上する。
【0059】
また、本実施形態では、図15に示すように、第二建築用床パネル11bの枠体構成部材(框材110及び補助桟材112)のうち、前後方向に配置される枠体構成部材だけでなく、左右方向に配置される枠体構成部材の端部も、天板14上に載っている。
さらに、本実施形態では、第二建築用床パネル11bの枠体構成部材(框材110及び補助桟材112)のうち、前後方向に配置される枠体構成部材だけでなく、左右方向に配置される枠体構成部材も、ビスBを用いて天板14に固定されている。
なお、第二建築用床パネル11bにおいて、前後方向に配置される枠体構成部材と左右方向に配置される枠体構成部材との接合は、ビス等の固定具を用いて行うことに加えて、接着剤を用いて行うことが好ましい。
【0060】
手摺ユニット15は、床ユニット11の上面(上側空間10b)にいる人が机として使用できる机型のユニットである。また、手摺ユニット15のうち右側部分の前面側は、複数の棚板156を有する収納棚になっており、床面2にいる人(ユニット家具10の正面側にいる人)が収納家具として使用できるようになっている。
本実施形態のユニット家具10においては、昇降手段16が右側壁面4側に設置されている。したがって、床ユニット11の上面の前端部においては、右側部分に上がり框材19aや昇降手段16を固定するための固定金具(図示省略)が設けられており、それ以外の部分(中央部分及び左側部分)に手摺ユニット15が設けられている。
なお、昇降手段16を設置する箇所は、右側壁面4側ではなく、左側壁面3側であってもよく、その場合、床ユニット11の上面の前端部において、左側部分に上がり框材19aや昇降手段16を固定するための固定金具(図示省略)が取り付けられて、それ以外の部分(中央部分及び右側部分)に手摺ユニット15が設けられることとなる。
また、昇降手段16を設置する箇所は、中央部であってもよく、その場合、その場合、床ユニット11の上面の前端部において、中央部分に上がり框材19aや昇降手段16を固定するための固定金具(図示省略)が取り付けられて、それ以外の部分(左側部分及び右側部分)に手摺ユニット15,15が設けられることとなる。
床ユニット11と手摺ユニット15との接合は、ビス、ボルト・ナット等の道具を用いて行われている。
【0061】
手摺ユニット15は、2枚の背板151と、2枚の側板152と、2枚の側板152の間を左右に仕切る仕切板153と、天板154と、天板154の前端面から起立する起立板155と、2枚の棚板156と、底板157と、を有している。左側の背板151は、仕切板153及び左側の側板152の前端部同士の間に設けられているのに対し、右側の背板151は、仕切板153と右側の側板152との間を前後に仕切る位置に設けられており、その前側空間に棚板156と底板157とが設けられている。
なお、棚板156の数は2枚に限定されず、1枚であってもよいし、3枚以上であってもよい。また、棚板156は可動棚であってもよい。
手摺ユニット15を構成する板151~157は、ビス、ボルト・ナット等の道具を用いて連結され、これにより、手摺ユニット15を構成している。
【0062】
なお、本実施形態における手摺ユニット15は、上記のように机型とされているが、これに限られるものではなく、例えば、収納家具として使用できる収納家具型の手摺ユニットでもよい。具体的には、手摺ユニットは、2枚の側板と、2枚の側板の間を左右に仕切る仕切板と、天板と、複数枚の棚板と、底板と、を有している。すなわち、手摺ユニットは、背板を有しておらず、前後方向に視線が抜ける状態となっている。
また、その他にも、単に手摺壁(図19の手摺ユニット231参照)が設けられるだけでもよいし、柵状の手摺ユニットが設けられるものとしてもよい。
【0063】
昇降手段16は、本実施形態においては床ユニット11の上面に上るための梯子である。昇降手段16(梯子)は、床ユニット11に着脱自在に取り付けられている。
また、昇降手段16は、部屋1の床面2に対し、非固定状態で接している。一方で、この昇降手段16は、部屋1の各壁面3,4,5には接していない状態となっている。
なお、昇降手段16が、梯子ではなく、部屋1の床面2とユニット家具10の上面とを接続する階段やスロープ等であった場合も部屋1の床面2に対して非固定状態で接した状態であって、かつ部屋1の各壁面3,4,5には接していない状態で設けられる。
【0064】
床ユニット11の上面には、フローリング材やマット等の床面材17が設けられている。当該床面材17のうち手摺ユニット15を避けた前縁部は、上がり框材19aに納められている。
また、左側の天板14と右側の天板14との間には、天井材18が配置されている。当該天井材18は、天板14と等しい厚みの化粧パネルであり、第二建築用床パネル11b,11bの下面に固定されている。
また、床ユニット11の前端面には幕板19bが設けられている。当該幕板19bは、床ユニット11と、天板14と、天井材18と、の前端面を被覆している。
【0065】
ユニット家具10は、部屋1の床面2上に据え置かれて設けられている。ユニット家具10は、左右方向の寸法が、左側壁面3と右側壁面4との間の距離よりも若干短い程度であり、部屋1の床面2及び壁面3,4,5に対し、非固定状態で接している。つまり、ユニット家具10は、建物躯体に固定されてはいないが、部屋1の一角にぴったりと嵌まる(納まる)ように接して設けられている。その際、ユニット家具10と、部屋1の床面2及び壁面3,4,5との間には、例えば、ウレタンフォーム等のような振動抑制可能な樹脂(発泡性樹脂材料)や、エチレンプロピレンゴムであるEPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)からなる振動抑制手段が介在しており、ユニット家具10と建物躯体との間の振動の伝達を抑制したり、施工誤差を吸収したりできるようになっている。
【0066】
ユニット家具10の組み立て作業は、作業員によって現場で適宜判断されて進められていくため、詳細な説明は省略するが、通常の建築用構造躯体と同様に、基本的には下方から順次組み上げられていくことになる。
すなわち、まずは脚ユニット12,13の組み立て及び設置が行われる。続いて、天板14が、脚ユニット12,13の上端面に設けられて支持ユニットUが形成される。続いて、建築用床パネル11a,11bが天板14の上面に設けられて床ユニット11が形成される。続いて、床ユニット11の上面に床面材17が設けられるとともに、当該上面における前端部に手摺ユニット15と上がり框材19aと昇降手段16を固定するための固定金具(図示省略)とが設けられる。続いて、床ユニット11の下面の中央部に天井材18が設けられて、床ユニット11の前端面に幕板19bが設けられ、最後に昇降手段16が設けられて、ユニット家具10が形成される。
【0067】
なお、床ユニット11を構成する建築用パネル(各建築用床パネル)は、予め工場で製造され、現場に納品される。予め工場で製造されていれば、輸送しやすく、現場では加工等を行わずに、すぐに組み立て作業を行うことができるという利点がある。
【0068】
また、図2に示す例においては、左側の第一脚ユニット12と右側の脚ユニット12との間、すなわち下側空間10aに出入りするための開口部に、可動式の収納ワゴンWが配置されている。収納ワゴンWを開口部に配置することで、下側空間10a内を目隠しできるとともに、開口部を収納スペースとして使用することが可能となる。また、収納ワゴンWは可動式であるので、下側空間10aに出入りする際には、容易に移動させることができ、使い勝手がよい。
【0069】
ユニット家具10は、以上のように構成されているが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。同様に、ユニット家具10が据え置かれて設けられる部屋1についても、以上のような構成に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下に、部屋1の構造(部屋構造)及びユニット家具10の構成例について説明する。以下に挙げる構成例は可能な限り組み合わせてもよい。また、各構成例において、上述の説明と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
【0070】
〔構成例1〕
図16は、ユニット家具10が設けられた部屋1の一例を示す断面図である。
ユニット家具10は、床2の一部の上方に配置される床ユニット11と、床ユニット11を支持する複数の脚ユニット12,13と、を備えて、床ユニット11と床2との間に下側空間10aが形成されるとともに、床ユニット11と天井6との間に上側空間10bが形成されている。
なお、本構成例における複数の脚ユニット12,13の下端面には、複数のキャスターCAが設けられており、ユニット家具10を移動できるようになっている。
【0071】
そして、天井6には、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切るための仕切り体200が設けられている。
仕切り体200は、伸縮式の仕切壁であり、天井6から上側空間10bと部屋空間RSとを仕切る方向(上から下に向かう方向)に展開可能に構成されている。また、反対に、仕切り体200を収縮させる場合は、下から上に向かう方向に収縮させる。
仕切り体200である仕切壁の幅寸法は、床ユニット11の幅寸法と同等としてもよいし、床ユニット11の幅寸法よりも短くして、仕切壁で上側空間10bと部屋空間RSとを仕切ったまま、部屋空間RSと上側空間10bとの行き来を行うスペースを形成してもよい。
【0072】
伸縮式の仕切壁である仕切り体200は、いわゆる入れ子構造となっており、上下方向に貫通する角筒状の第一壁201と、上下方向に貫通する角筒状の第二壁202と、上下方向に貫通する角筒状の第三壁203と、第四壁204と、を有する。
【0073】
なお、天井6には、仕切り体200を収納するための収納部6aが設けられている。具体的には、部屋空間RSに向かって開口する収納凹部である。収納部6aである収納凹部は、例えば下面が開口した箱体によって構成されてもよいし、天井6の天井材に開口部を形成し、天井6の内部構造(梁や桁、野縁、野縁受け等)によって第一壁201を支持する構造を指してもよい。
【0074】
第一壁201は、仕切り体200のうち最も上方(上から1番目)に位置しており、上記の収納部6aに収納されて固定されている。
【0075】
第二壁202は、展開した状態の仕切り体200のうち上から2番目に位置しており、仕切り体200が収縮した状態においては、図16(b)に示すように、第一壁201の内部に収納される。つまり、第二壁202は、第一壁201の内部に沿って移動可能な状態で第一壁201に連結されている。
【0076】
第三壁203は、展開した状態の仕切り体200のうち上から3番目に位置しており、仕切り体200が収縮した状態においては、第二壁202の内部に収納される。すなわち、第三壁203は、第二壁202の内部に沿って移動可能な状態で第二壁202に連結されている。
【0077】
第四壁204は、展開した状態の仕切り体200のうち最も下方に位置しており、仕切り体200が収縮した状態においては、第三壁203の内部に収納される。すなわち、第四壁204は、第三壁203の内部に沿って移動可能な状態で第三壁203に連結されている。
【0078】
第四壁204の下端部には、例えばアイボルトのようにフック等を引っ掛けることが可能な引掛部205が取り付けられている。これにより、例えば先端にフックが取り付けられた棒材を使って、床ユニット11上から、又は床2上から、仕切り体200を展開させることができる。すなわち、棒材先端のフックを引掛部205に引っ掛けて下方に引っ張るようにする。
引掛部205をフック付き棒材で引っ張る方式に代えて、例えば第四壁204の下端部に引っ張り用の紐を取り付けてもよい。
【0079】
なお、伸縮式の仕切壁である仕切り体200を構成する各壁201~204は、収縮した状態を維持するため、各壁201~204同士の間にストッパー(図示省略)が設けられているものとする。
【0080】
以上のような構造の部屋1に据え置かれて設けられるユニット家具10は、仕切り体200の展開方向に沿って配置されている。すなわち、仕切り体200は、上記のように、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切るものであるため、仕切り体200の展開方向の先にユニット家具10が配置されていないと、仕切り体200が仕切り体として機能しなくなる。そのため、仕切り体200の展開方向のその先にはユニット家具10が配置されている。
【0081】
また、ユニット家具10は、仕切り体200の展開方向側端部が係合する被係合部206を備える。本構成例における被係合部206は、第四壁204の下端部及び引掛部205が収容される凹溝を有する。このような被係合部206としては、例えばランナー材のように断面溝型に形成された部材が用いられている。そして、このような被係合部206は、床ユニット11の上面における正面側縁部に取り付けられている。
なお、本構成例において、仕切り体200の展開方向側端部が被係合部206に係合することとは、被係合部206の凹溝に第四壁204の下端部及び引掛部205が収容されることを指している。ただし、これに限られるものではなく、例えば引掛部205に引っ掛けることが可能なフックがユニット家具10に備えられてもよい。
【0082】
床ユニット11は中空状に形成されており、脚ユニット12,13も、各板121~124,131,133によってコ字状に形成したり中空状に形成したりすることが可能となっている。そのため、電力線を、外部に露出しないように配線することができる。これにより、ユニット家具10の床ユニット11や脚ユニット12,13、手摺ユニット15に対してコンセントを取り付けて電気配線を行うことができる。
図示はしないが、配線の先端部側にコンセントが設けられ、基端部側にプラグが設けられ、コンセントとプラグ部分の配線は露出するものの、その途中の線は、床ユニット11や脚ユニット12,13の内部に配線されて外部から見えないようになっている。
なお、プラグは、床2、壁3,4,5、天井6のいずれかに設けられた部屋1側のコンセントに差し込まれて電力を取得できるようになっている。部屋1側のコンセントは、上側空間10bから使用できるように、床ユニット11よりも上方に設置されている。なお、下側空間10aから使用する場合は、床ユニット11よりも下方に設置されているものとする。
【0083】
〔構成例2〕
図17は、ユニット家具10が設けられた部屋1の一例を示す断面図である。
本構成例における部屋1の天井6には、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切るための仕切り体210が設けられている。
ユニット家具10は、床2の一部の上方に配置される床ユニット11と、床ユニット11を支持する複数の脚ユニット12,13と、を備えて、床ユニット11と床2との間に下側空間10aが形成されるとともに、床ユニット11と天井6との間に上側空間10bが形成されている。
なお、本構成例における床ユニット11の上面における前端部には手摺ユニット15が設けられている。
【0084】
そして、天井6には、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切るための仕切り体210が設けられている。
仕切り体210は、膜体(シート状部材、スクリーン状部材)であり、本構成例においては、図17(a)に示すロールスクリーン210R、又は図17(b)に示す吸音機能のある吸音カーテン210Cが採用されている。
これらロールスクリーン210R及び吸音カーテン210Cは、仕切り体として継続的な使用が可能であることはもちろんのこと、展開・収縮が極めて容易であるため、一時的な仕切り体として好適に利用することができる。
また、ロールスクリーン210Rと吸音カーテン210Cとを同時に採用してもよい。この場合、ロールスクリーン210Rにはない吸音性能を補完する他、一方だけだと生じる隙間を他方の仕切り体によって閉塞することができる。
【0085】
(ロールスクリーンについて)
ロールスクリーン210Rは、スクリーン本体211と、スクリーン本体211の下端部(先端部)に設けられたウェイトバー212と、天井6に取り付けられてスクリーン本体211を巻取可能な巻取部213と、を備える。
仕切り体210であるロールスクリーン210Rの幅寸法は、床ユニット11の幅寸法と同等としてもよいし、床ユニット11の幅寸法よりも短くして、ロールスクリーン210Rで上側空間10bと部屋空間RSとを仕切ったまま、部屋空間RSと上側空間10bとの行き来を行うスペースを形成してもよい。
【0086】
巻取部213は、天井6に固定される固定部213aと、固定部213aの左右端部間に、軸回りに回転可能に支持された巻取シャフト213bと、巻取シャフト213bを回転操作するための操作部(図示省略)と、を有する。
スクリーン本体211の上端部(基端部)は巻取シャフト213bに係合しており、巻取シャフト213bの回転に応じて展開したり巻き取ったりすることができる。したがって、本構成例においては、巻取部213が、スクリーン本体211を収納するための収納部として機能することになる。
操作部は、チェーン式やプルコード式、ワンタッチ式などがあるが、いずれを採用してもよい。
【0087】
ロールスクリーン210Rは、スクリーン本体211を天井6から上側空間10bと部屋空間RSとを仕切る方向(上から下に向かう方向)に展開可能に構成されている。反対に、ロールスクリーン210Rを収縮させる場合は、スクリーン本体211を、下から上に向かう方向に巻き取る構成となっている。
【0088】
また、ユニット家具10は、仕切り体210であるロールスクリーン210Rの展開方向側端部が係合する被係合部214を備える。
より詳細に説明すると、本構成例における被係合部214は、手摺ユニット15における前端面の上端部に取り付けられた桟材214であり、ロールスクリーン210Rのウェイトバー212と同等の長さ・断面形状とされている。そして、ウェイトバー212が、被係合部214である桟材214に係合する。係合の方式は、例えばマグネットによるものでもよいし、面ファスナーによるものでもよい。
また、本構成例においては、被係合部214として桟材214を採用したが、ウェイトバー212を引っ掛けることが可能なフック等を採用してもよい。
【0089】
なお、ロールスクリーン210Rは、スクリーン本体211を天井6から上側空間10bと部屋空間RSとを仕切る方向(上から下に向かう方向)に展開させる構成となっているが、これに限られるものではない。
例えば、スクリーン本体211を、天井6から上側空間10b及び下側空間10aと、部屋空間RSとを仕切る方向(上から下に向かう方向)に展開させる構成となっていてもよい。すなわち、スクリーン本体211を床2まで届く長さとする。
また、ユニット家具10における床ユニット11の縁部にロールスクリーン210Rを取り付けて、スクリーン本体211を、床ユニット11から天井6に向かって展開させ、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切る構成としてもよい。あるいは、スクリーン本体211を、床ユニット11から床2に向かって展開させ、下側空間10aと部屋空間RSとを仕切る構成としてもよい。
【0090】
(吸音カーテンについて)
吸音カーテン210Cは、吸音性素材によって製作されたものであり、音環境の改善を図ることができ、吸音カーテン210Cの開閉によってその調整が可能となる。一つの使い方として例を挙げると、例えばユニット家具10の上側空間10bをテレワーク室として用いる場合に、ウェブ会議時や電話時において吸音カーテン210Cを閉めて吸音を図るようにすると、上側空間10bと部屋空間RSとの間での音の伝播を抑制でき、音環境における快適性の向上を図ることができる。そのため、上述のロールスクリーン210Rとの併用と同様に、他の構成例での仕切り体と同時に採用し、吸音性能の補完として用いてもよい。
このような吸音カーテン210Cは、カーテンボックス215に設けられたカーテンレール(図示省略)に吊り下げられており、カーテンボックス215及びカーテンレールの長さ方向に沿って展開・収縮が可能となっている。
カーテンボックス215は、天井6に取り付けられている。そのため、吸音カーテン210Cは、天井6から下方に向かって吊り下げられた状態となっている。
また、吸音カーテン210Cは、手摺ユニット15の内側(上側空間10b側)に配置されている。
なお、カーテンボックス215及びカーテンレールは、左側の壁3から右側の壁4に亘って設けられているが、それより短く設定されてもよいし、あるいは、ユニット家具10の複数の辺に沿って吸音カーテン210Cを取りまわせるようにカーブ部のある形状となっていてもよい。
【0091】
吸音カーテン210Cの上端部は、逆凹型断面のカーテンボックス215に収納された状態となっている。すなわち、本構成例においては、カーテンボックス215が、吸音カーテン210Cを収納するための収納部として機能することになる。
【0092】
本構成例における吸音カーテン210Cは、横スライド式のものが採用されるが、これに限られるものではなく、上方にプルアップして収縮させる方式の吸音カーテン210Cを採用してもよい。その場合、吸音カーテン210Cは下方に向かって展開する。
【0093】
また、吸音カーテン210Cは、本構成例においては、天井6に取り付けられたカーテンボックス215及びカーテンレールから、ユニット家具10における床ユニット11までの上下寸法となっている。すなわち、吸音カーテン210Cによって、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切る構成となっている。
ただし、これに限られるものではなく、吸音カーテン210Cは、天井6に取り付けられたカーテンボックス215及びカーテンレールから床2までの上下寸法となっていてもよい。すなわち、吸音カーテン210Cによって、下側空間10a及び上側空間10bと部屋空間RSとを仕切る構成となっていてもよい。
【0094】
さらに、吸音カーテン210Cは、下端部を床ユニット11の上面に係合させるようにしてもよい。すなわち、吸音カーテン210Cの下端部と床ユニット11の上面に面ファスナーを取り付けて係合できるようにしてもよい。あるいは、吸音カーテン210Cの下端部と床ユニット11の上面にマグネットシートを取り付けて係合できるようにしてもよい。この場合、床ユニット11の上面に、吸音カーテン210C側のマグネットシートが付く金属板を埋め込んでもよい。
また、吸音カーテン210Cの側端部と壁3,4,5との間にも、下端部と同様の係合手段を設けるようにしてもよい。
【0095】
以上のような構造の部屋1に据え置かれて設けられるユニット家具10は、仕切り体210の展開方向に沿って配置されている。
すなわち、仕切り体210は、上記のように、上側空間10b(下側空間10aを含む場合もある)と部屋空間RSとを仕切るものであるため、仕切り体210の展開方向に沿ってユニット家具10が配置されていないと、仕切り体210が仕切り体として機能しなくなる。そのため、仕切り体210の展開方向のその先にはユニット家具10が配置されている。
【0096】
〔構成例3〕
図18は、ユニット家具10が設けられた部屋1の一例を示す断面図である。
本構成例における部屋1の天井6には、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切るための仕切り体210が設けられている。
ユニット家具10は、床2の一部の上方に配置される床ユニット11と、床ユニット11を支持する複数の脚ユニット12,13と、を備えて、床ユニット11と床2との間に下側空間10aが形成されるとともに、床ユニット11と天井6との間に上側空間10bが形成されている。
【0097】
そして、天井6には、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切るための仕切り体220が設けられている。
仕切り体220は、複数の片引き吊戸221,222,223を連動させた連動片引き吊戸220であり、壁3から上側空間10bと部屋空間RSとを仕切る方向(左から右、又は右から左に向かう方向)に展開可能に構成されている。仕切り体220を収縮させる場合は、展開方向と逆向きに収縮させる。
【0098】
複数の片引き吊戸221,222,223は、それぞれ上端部に複数のスライダー(図示省略)を有しており、これらスライダーが吊レール224に摺動可能に係合されることで、複数の片引き吊戸221,222,223が吊レール224に吊り下げられている。
吊レール224は、天井6に取り付けられている。そのため、連動片引き吊戸220は、天井6から下方に向かって吊り下げられた状態となっている。換言すれば、連動片引き吊戸220は、このように吊り下げられているため、下方に向かって展開している状態となっているとも言える。
【0099】
複数の片引き吊戸221,222,223は、展開方向先端部側(最も右)の第一吊戸221と、真ん中の第二吊戸222と、展開方向基端側(最も左)の第三吊戸223と、を有する。収縮状態において、これら複数の片引き吊戸221,222,223は、前後方向に重なり合って正対する。
そして、第一吊戸221と第二吊戸222との間、第二吊戸222と第三吊戸223との間のそれぞれには、図示しない連動機構が設けられている。
第一吊戸221の側端部における表裏面には、指掛かり221aが設けられている。
【0100】
連動片引き吊戸220を展開させるとき、連動機構は以下のように機能する。
すなわち、第一吊戸221を展開方向(右方)に引いて、第一吊戸221の左側端部が第二吊戸222の右側端部の位置に達するまで移動させ、更に展開方向に引くと、第二吊戸222も第一吊戸221と共に展開方向に移動する。そして、第一吊戸221及び第二吊戸222を展開方向に引いて、第二吊戸222の左側端部が第三吊戸223の右側端部の位置に達するまで移動させ、更に展開方向に引くと、第三吊戸223も第一吊戸221及び第二吊戸222と共に展開方向に移動する。
【0101】
一方、連動片引き吊戸220を収縮させるとき、連動機構は以下のように機能する。
すなわち、第一吊戸221を収縮方向(左方)に引いて、第一吊戸221の左側端部が第二吊戸222の左側端部の位置に達するまで移動させ、更に収縮方向に引くと、第二吊戸222も第一吊戸221と共に収縮方向に移動する。そして、第一吊戸221及び第二吊戸22を展開方向に引いて、第二吊戸222の左側端部が第三吊戸223の左側端部の位置に達するまで移動させ、更に収縮方向に引くと、第三吊戸223も第一吊戸221及び第二吊戸222と共に収縮方向に移動する。
【0102】
連動片引き吊戸220を最大まで展開させ、ユニット家具10における上側空間10bと部屋空間RSとを仕切った状態とした場合に、第一吊戸221は、上側空間10bと部屋空間RSとの間の出入口を開閉する建具として機能する。
すなわち、第二吊戸222は、第一吊戸221と前後方向に重なり合って正対した状態から、第一吊戸221を更に左方に移動させなければ移動しない。換言すれば、第一吊戸221は、壁4側まで移動させた位置から、第二吊戸222と前後方向に重なり合って正対する状態までの間においては、第二吊戸222を動かさずに左右にスライド移動することができる。つまり、第一吊戸221だけを動かすことができるので、建具のように使うことができる。
【0103】
なお、壁3には、仕切り体220を収納するための収納部3aが設けられている。具体的には、部屋空間RSに向かって開口する戸袋である。収納部3aである戸袋は、例えば側面が開口した箱体によって構成されてもよい。
吊レール224は、天井6から収納部3aである戸袋の天井面にかけて取り付けられている。これにより、複数の片引き吊戸221,222,223を、収納部3aである戸袋に引き込んで収納することができる。
【0104】
以上のような構造の部屋1に据え置かれて設けられるユニット家具10は、仕切り体220の展開方向に沿って配置されている。
すなわち、仕切り体220は、上記のように、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切るものであるため、仕切り体220の展開方向に沿ってユニット家具10が配置されていないと、仕切り体220が仕切り体として機能しなくなる。そのため、仕切り体220の展開方向に沿ってユニット家具10が配置されている。
【0105】
〔構成例4〕
図19は、ユニット家具10が設けられた部屋1の一例を示す断面図である。
本構成例における部屋1の天井6には、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切るための仕切り体230が設けられている。
ユニット家具10は、床2の一部の上方に配置される床ユニット11と、床ユニット11を支持する複数の脚ユニット12,13と、を備えて、床ユニット11と床2との間に下側空間10aが形成されるとともに、床ユニット11と天井6との間に上側空間10bが形成されている。
なお、本構成例における床ユニット11の上面における前端部には手摺ユニット231が設けられている。この手摺ユニット231は、机や棚として利用されるものではなく、手摺壁として機能するものである。また、この手摺ユニット231の幅寸法は、床ユニット11の幅寸法よりも短く設定されており、手摺ユニット231の脇を通って、部屋1の床2と床ユニット11との間を行き来できる。
【0106】
また、部屋1の壁5には、部屋空間RSとその外部とを連通する開口部5a,5bが形成されており、ユニット家具10は、下側空間10aと上側空間10bのうち少なくとも一方が開口部5a,5bと隣接して配置されている。
本構成例においては、壁5の下端部に、開口部5aである地窓5aが形成されており、ユニット家具10における下側空間10aが、この地窓5aに隣接している。また、壁5の上端部には、開口部である高窓5bが形成されており、ユニット家具10における上側空間10bが、この高窓5bに隣接している。
【0107】
なお、以上のような地窓5aや高窓5bに限られず、天井6に、屋根と連通する天窓が形成され、ユニット家具10における上側空間10bが、この天窓に隣接して配置されるものとしてもよい。
また、ユニット家具10における下側空間10a及び上側空間10bが、腰高窓や掃き出し窓に隣接して配置されてもよい。
【0108】
また、床2には、開口部2aが形成されている。開口部2aは、蓋部材2bによって開閉できるようになっており、蓋部材2bを開けると、上方に開口する箱状の床下収納部2cが設けられている。ユニット家具10における下側空間10aが、この床2の開口部2aに隣接している。
【0109】
そして、天井6には、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切るための仕切り体230が設けられている。
仕切り体230は、天井6に設けられた垂壁232と、垂壁232の下端部に設けられる遮蔽体233と、を備える。
【0110】
垂壁232は、手摺ユニット15の上方に位置しており、左右の壁3,4間に亘って設けられている。したがって、垂壁232の幅寸法は、手摺ユニット231の幅寸法よりも長く設定されている。
【0111】
遮蔽体233は、手摺ユニット231の上端部と、垂壁232の下端部との間に架け渡された状態に設けられている。この遮蔽体233は、例えば、透光性を有する板材によって構成されているが、透光性のない板材によって構成されてもよい。また、透明な板材によって構成されてもよい。
すなわち、本構成例における仕切り体230は、ユニット家具10側の手摺ユニット231と、部屋1側の垂壁232と、これらの間に設けられる遮蔽体233と、からなる複合的な構成の仕切壁となっている。
【0112】
また、遮蔽体233は、下端部が、手摺ユニット231の上端面に設けられた断面凹型の下レール233aに差し込まれ、上端部が、垂壁232の下端面に設けられた断面凹型の上レール233bに差し込まれて、手摺ユニット231と垂壁232との間に保持されている。
【0113】
下レール233aは、手摺ユニット231の上端面に設けられるため、長さ寸法が、手摺ユニット231の幅寸法と略等しい。
また、手摺ユニット231の脇を通って、部屋1の床2と床ユニット11との間を行き来するため、下レール233aの端部には、遮蔽体233が突出しないようにする端部キャップ(図示省略)が設けられるものとする。
なお、上レール233bの長さ寸法は、下レール233aと同等に設定されているが、垂壁232の幅寸法に合わせて長尺に設定されてもよい。下レール233aと同等に設定される場合は、下レール233aと同様に端部キャップ(図示省略)が設けられる。
また、端部キャップは、下レール233a及び上レール233bに対して着脱自在とされており、遮蔽体233をいつでも取り外せるようになっている。
【0114】
下レール233aは、仕切り体230のうち最も下方に位置する遮蔽体233の下端部が係合する被係合部として機能する。
なお、本構成例において、仕切り体230の展開方向側端部が被係合部233aに係合することとは、被係合部233aの凹溝に遮蔽体233の下端部が収容されることを指している。
【0115】
以上のような構造の部屋1に据え置かれて設けられるユニット家具10は、仕切り体230の延在方向(上下方向及び左右方向)に沿って配置されている。
すなわち、仕切り体230は、上記のように、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切るものであるため、仕切り体230の延在方向に沿ってユニット家具10が配置されていないと、仕切り体230が仕切り体として機能しなくなる。そのため、仕切り体230の延在方向に沿ってユニット家具10が配置されている。
【0116】
〔構成例5〕
図20は、ユニット家具10が設けられた部屋1の一例を示す断面図である。
本構成例における部屋1には、下側空間10a又は上側空間10bと、部屋空間RSとを仕切るための仕切り体が設けられておらず、ユニット家具10に対して仕切り体240が設けられている。
なお、ユニット家具10は、床2の一部の上方に配置される床ユニット11と、床ユニット11を支持する複数の脚ユニット12,13と、を備えて、床ユニット11と床2との間に下側空間10aが形成されるとともに、床ユニット11と天井6との間に上側空間10bが形成されている。
【0117】
仕切り体240は、壁板材241と、この壁板材241を、自身の長さ方向に沿って移動可能に支持する左右一対の支持レール242と、を備える。
【0118】
壁板材241は、仕切り体240の本体部分であり、幅寸法が、床ユニット11の幅寸法よりも短く設定されている。したがって、壁板材241の脇を通って、部屋1の床2と床ユニット11との間を行き来できる。
また、壁板材241の上下寸法は、ユニット家具10の上下寸法よりも長く(高く)形成されている。したがって、壁板材241による仕切り範囲を上下方向に長くすることができる。
ただし、これに限られるものではなく、壁板材241の幅寸法は、床ユニット11の幅寸法と同等であってもよい。また、壁板材241の幅寸法が、床ユニット11の幅寸法と同等である場合は、部屋1の床2と床ユニット11との間の行き来を考慮して、壁板材241の上下寸法は、ユニット家具10の上下寸法と同等か、それ以下にすることが好ましい。
なお、壁板材241の左右側端面には、支持レール242におけるスリットに係合する係合突部241aが設けられている。
【0119】
支持レール242は、床ユニット11の正面側端面に固定されるとともに、必要に応じて脚ユニット12,13の正面に固定されてもよい。
このような支持レール242は、長さ方向に沿ってスリットが形成されており、このスリットには、壁板材241の左右側端面に設けられた係合突部241aが係合している。したがって、壁板材241は、左右一対の支持レール242のスリットに沿って移動可能となっている。換言すれば、壁板材241は、床ユニット11から、床2及び天井6の双方に向かって展開可能となっている。
【0120】
また、左右一対の支持レール242は、ユニット家具10の下端部から上端部までの長さに近い長さに設定されている。そのため、壁板材241の移動距離も、ニット家具10の下端部から上端部までの長さに近い長さに設定されている。
【0121】
さらに、本構成例においては、壁板材241を、左右一対の支持レール242に沿って移動させることで、ユニット家具10の下側空間10aと部屋空間RSとを仕切る状態から、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切る状態に移行することができる。
したがって、下側空間10aと部屋空間RSとを仕切っている状態のときは、上側空間10bと部屋空間RSは仕切られていない。また、上側空間10bと部屋空間RSとを仕切っている状態のときは、下側空間10aと部屋空間RSは仕切られていない。
【0122】
なお、図示はしないが、ユニット家具10は、仕切り体240の位置を固定するストッパー部を更に備えるものとする。ストッパー部は、壁板材241と支持レール242との間に設けられてもよいし、壁板材241と床ユニット11又は脚ユニット12,13との間に設けられてもよい。
【0123】
〔構成例6〕
図21図23は、ユニット家具10が設けられた部屋1と階段室50を示す断面図である。
階段室50は、部屋1の部屋空間RSに隣接して配設され、当該部屋空間RSと一体となっている。また、この階段室50には、部屋空間RSを有する階とその上階とを接続する踊り場52付きの階段51が設けられている。
階段室50は、右側の壁4と、後側の壁5と、右側の壁4と対向するとともに後側の壁5と直交して配置された仕切壁53と、によって囲まれた位置に形成されている。
階段51の種類は、踊り場52を有するものであれば特に限定されるものではないが、本構成例においては折り返し階段とされている。
【0124】
そして、ユニット家具10は、階段51の踊り場52と、仕切壁53を介して隣り合って配置されている。
また、ユニット家具10は、階段室50を構成する後側の壁5と仕切壁53の近傍に寄せられた状態で配置されている。
【0125】
仕切壁53は、踊り場52に面して形成されてユニット家具10の上側空間10bと階段室50とを連通する出入り用開口部54と、出入り用開口部54を閉塞し、仕切壁53に対して着脱可能な閉塞部材55と、を備える。
【0126】
出入り用開口部54は、仕切壁53のうち踊り場52の上面の高さ位置から天井6までの上下寸法に設定されており、幅寸法は、踊り場52の幅寸法(前後方向の寸法)と同等に設定されている。
【0127】
閉塞部材55は、互いに間隔を空けて並設された複数の縦格子材55aと、これら複数の縦格子材55aにおける上端部同士及び下端部同士を連結する上下の連結部材55bと、を有する。
上側の連結部材55bは、天井6に着脱可能に固定され、下側の連結部材55bは、仕切壁53に形成された出入り用開口部54の下端縁部に固定されている。これら連結部材55bの固定方法は、例えば天井6及び仕切壁53に埋設された長ナットに対してボルト止めする方法や、引き抜き可能なビスによって固定する方法が採用される。すなわち、閉塞部材55の固定を乾式の方法で行うことができるので、着脱がしやすい。なお、閉塞部材55の強度や当該閉塞部材55の固定強度は、人の落下を防ぐ安全性能を維持した強度となっている。
すなわち、閉塞部材55は、仕切壁53に対して着脱可能に取り付けられるとは言っても、出入り用開口部54を閉塞している状態においては容易に取り外せない状態となっている。そのため、閉塞部材55を仕切壁53に取り付けたままの状態にすれば、出入り用開口部54を閉塞できるので、人や物が出入り用開口部54から落下しにくくなる。
なお、本構成例においては、閉塞部材55として、複数の縦格子材55aと、上下の連結部材55bと、を有するものを採用したが、これに限られるものではない。すなわち、閉塞部材55によって出入り用開口部54を閉塞できればよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0128】
閉塞部材55を、仕切壁53から取り外した状態にすると、出入り用開口部54が開放されるので、踊り場52からユニット家具10の上側空間10bの間が連通されることとなって行き来が可能となる。
【0129】
〔構成例7〕
図24は、キャスター付きのユニット家具10の一例を示す断面図である。
本構成例のユニット家具10においては、脚ユニット12,13が、ユニット本体と、キャスターCAと、付勢手段と、を備えている。
【0130】
正面側の第一脚ユニット12におけるユニット本体は、少なくとも底板124と、底板124の両側端部に、下端部が当該底板124よりも下方に突出して設けられて床2の上面に接地する側板122,123と、を有するものとし、本構成例においては背板121も有する。天板14(141,142)を有してもよい。
背面側の第二脚ユニット13におけるユニット本体は、上記第一脚ユニット12と同様に構成されているものとする。そのため、以下の説明では、正面側の第一脚ユニット12を挙げて説明し、背面側の第二脚ユニット13の説明については省略する。
【0131】
キャスターCAは、第一脚ユニット12及び第二脚ユニット13のユニット本体における底板124の下端部に複数設けられている。これにより、第一脚ユニット12及び第二脚ユニット13を、ひいてはユニット家具10を移動させることができる。
【0132】
付勢手段は、図示はしないが、例えばサスペンション装置のように、ユニット本体とキャスターとの間に設けられて、キャスターCAに対してユニット本体を上方に付勢し、ユニット本体の側板122,123を床2の上面との間に隙間を形成するように配置することができる。
【0133】
付勢手段による付勢力は、床ユニット11の荷重よりも小さく設定されている。すなわち、床ユニット11を複数の脚ユニット12,13から取り外すことでユニット本体の側板122,123が床2の上面から離間し、複数の脚ユニット12,13をキャスターCAによって移動させることができる。
反対に、複数の脚ユニット12,13に床ユニット11を載せれば、付勢手段の付勢力は、床ユニット11の荷重に負けて、ユニット本体の側板122,123が床2の上面に接地して、第一脚ユニット12及び第二脚ユニット13ひいてはユニット家具10の位置固定が可能となる。
【0134】
〔構成例8〕
図25は、キャスター付きのユニット家具10の他の一例を示す断面図である。
本構成例のユニット家具10においては、脚ユニット12,13が、キャスターCAと、高さ調整手段300と、を備えている。
高さ調整手段300は、床2に対する脚ユニット12,13の下端部の高さ位置を調整するものであり、本構成例においてはジャッキ装置300が採用されている。
【0135】
ジャッキ装置300は、脚ユニット12,13の下端面に取り付けられており、ジャッキ装置を上下方向に伸長させることにより、床2に対する脚ユニット12,13の下端部の高さ位置を調整することができる。
ジャッキ装置300を収縮させると、このジャッキ装置300の下端面と床2との間には隙間(図示省略)を形成することができ、これにより、キャスターCAによる移動が可能となる。
【0136】
〔構成例9〕
図26は、高さ調整手段を備えたユニット家具10を示す断面図である。
本構成例のユニット家具10においては、脚ユニット12,13が、高さ調整手段301,302を備えている。
本構成例における高さ調整手段は、単純に脚ユニット12,13の高さを調整するものであり、ジャッキ装置301と、高さ調整部材302と、が挙げられる。
【0137】
(ジャッキ装置について)
高さ調整手段301であるジャッキ装置301は、床2に対する脚ユニット12,13の下端部の高さ位置を調整し、床2に対する床ユニット11の高さ位置を調整するものである。
このジャッキ装置301が採用される場合、脚ユニット12,13は、底板124を備えず、上記の側板122,123と、背板121と、図示しない正面板と、を備えて角筒状に形成されている。
【0138】
そして、ジャッキ装置301は、角筒状の脚ユニット12,13の内部に設けられており、外部から見えない位置で、脚ユニット12,13の高さ調整を行えるようになっている。より詳細に説明すると、ジャッキ装置301の上端部と下端部には、角筒状の脚ユニット12,13の内部に差し込まれる緩衝部301aが一体的に取り付けられている。
【0139】
上側の緩衝部301aは、角筒状の脚ユニット12,13の上端部に一体的に取り付けられている。
また、下側の緩衝部301aの下端面には、緩衝部301aの下端面よりも面積の広いベース部301bが設けられている。
【0140】
すなわち、ジャッキ装置301は、上下に緩衝部301aを備えるとともに、下端面にベース部301bを備えた中子を構成しており、角筒状の脚ユニット12,13の内部に差し込まれる。そして、角筒状の脚ユニット12,13の内部でジャッキ装置301を伸縮させると、上側の緩衝部301aに取り付けられた脚ユニット12,13は上方に移動する。反対に、ジャッキ装置301を収縮させると、上側の緩衝部301aに取り付けられた脚ユニット12,13は下方に移動する。
【0141】
(高さ調整部材について)
高さ調整手段302である高さ調整部材302は、脚ユニット12,13の上端面に載せられるものであり、脚ユニット12,13の高さを調整することで、脚ユニット12,13に対する床ユニット11の高さ位置を調整できるようになっている。
本構成例における高さ調整部材302は、床ユニット11と同様の建築用パネルによって構成されているが、これに限られるものではなく、床ユニット11とその上に載せられるものの荷重によって圧壊しない強度を有するものであればよい。
このような高さ調整部材302は、複数個積層して配置されてもよい。
【0142】
〔構成例10〕
図27は、昇降口310が形成された床ユニット11の構成を示す図である。
本構成例における床ユニット11には、下側空間10aと上側空間10bとを連通する昇降口310が形成されている。
本構成例における床ユニット11は、上記のように、左右に並ぶ一対の第一建築用床パネル11a,11aと、これら一対の第一建築用床パネル11a,11aの間において前後に並ぶ一対の第二建築用床パネル11b,11bと、を有する。
第一建築用床パネル11a及び第二建築用床パネル11bは、複数の框材110と、複数の補助桟材112と、が組み合わせられてなる枠体の上面に面材が固定されて構成されるが、昇降口310を形成する場合は、複数の框材110と、複数の補助桟材112を、図27に示すように適宜組み合わせて形成する。
【0143】
図28は、昇降口310が形成されたユニット家具10の一例を示す断面図である。
本構成例のユニット家具10においては、床ユニット11が、昇降口310を開閉する蓋部材311と、蓋部材311に付属し、昇降口310の開放時において蓋部材311と共に組み立てられて折りたたみ机を構成する机構成部312と、を備える。
【0144】
蓋部材311は、一端部が回転軸によって回転可能な状態で昇降口310の縁部に取り付けられた上蓋(ハッチ)である。
この蓋部材311は、昇降口310の閉塞時において下側空間10aを照明し、折りたたみ机の組立状態において上側空間10bを照明可能に構成された照明部311aを有する。この照明部311aは、蓋部材311の裏面(昇降口310閉塞時の下面)に埋め込まれた状態に設けられている。なお、照明部311aは、外部に露出しないように配線された上記の電力線が接続されるものとしてもよいし、電池式であってもよい。
【0145】
机構成部312は、蓋部材311と共に組み立てられて折りたたみ机を構成するものであって、天板部313と、脚部314と、を備える。
また、この机構成部312は、折りたたんだ状態で蓋部材311の下面側に位置するようにして昇降口310内に収納されている。すなわち、昇降口310は、図示のように縁部が段状に形成されており、上側の段に蓋部材311が収納され、下側の段に机構成部312が収納される。下側の段には複数の支持アングル材310aが設けられており、複数の支持アングル材310a間に机構成部312を架け渡して収納できる。
【0146】
天板部313は、折りたたみ机における天板を構成するものであり、本構成例においては透光性を有する板材、もしくは透光性部分を有する板材が用いられている。そのため、蓋部材311によって昇降口310を閉塞している場合であっても、照明部311aによって下側空間10aを照明することができる。
天板部313は、折りたたみ机の組立状態において、この天板部313を蓋部材311の裏面に接続するための接続部材313aを有する。この接続部材313aは、例えば天板部313の端面から突出するように進退操作可能な留め具とされているが、これに限られるものではなく、適宜変更可能である。
【0147】
脚部314は、天板部313の下面に対し、回転軸を介して回転自在に取り付けられている。そして、脚部314を下方に回転させることで、折りたたみ机の脚として使用できる。また、この脚部314は、折りたたみ状態においては天板部313の下面に沿った状態を維持できるようになっている。
【0148】
折りたたみ机を組み立てるには、まず、蓋部材311を上げて昇降口310を開放し、机構成部312を取り出す。続いて、机構成部312の脚部314を回転させて天板部313に対して垂直とする。その後、脚部314を昇降口310に配置するとともに、天板部313と蓋部材311とを接続部材313aによって接続する。
折りたたみ机の使用者は、あたかも掘り炬燵のように足を下側空間10aに投げ出した状態で床ユニット11上に座り、折りたたみ机を使用することができる。また、照明部311aを手元灯として使用することができる。
【0149】
〔構成例11〕
図29は、昇降口320が形成されたユニット家具10の一例を示す斜視図である。
本構成例における床ユニット11には、下側空間10aと上側空間10bとを連通する昇降口320が形成されている。本構成例の昇降口320は、床ユニット11の縁部が切り欠かれて形成されている。より具体的には、床ユニット11を構成する建築用床パネル11a,11bのうち、前後に並ぶ一対の第二建築用床パネル11b,11bの一枚を使用しないことで形成することができる。
【0150】
昇降口320には、箱型に形成された階段321が設けられており、部屋1の床2と床ユニット11との間を行き来できるようになっている。
なお、階段321は、床ユニット11の厚さ寸法を考慮し、床ユニット11の下面に接する上端部321aの高さを短く設定している。つまり、当該上端部321aの高さと床ユニット11の厚みを足し合わせた寸法と、階段一段の蹴込の高さが略等しくなるように設定されている。
【0151】
例えば、仕切り体(図示例ではロールスクリーン210R)を天井6から床ユニット11の縁部間に設けた場合、仕切り体によって床ユニット11の縁部が見えにくくなることがある。そこで、本構成例のような昇降口320を形成し、階段321を使って行き来をすれば、安全性の向上を図る上で好ましい。
なお、昇降口320の縁部には、手摺ユニットを設けて、安全性のより一層の向上を図るようにしてもよい。
【0152】
〔構成例12〕
図30は、階段状に形成された脚ユニット330を備えるユニット家具10を示す図である。
本構成例のユニット家具10においては、複数の脚ユニット12,13,330のうち、いずれかの脚ユニット330は、部屋1の床2と床ユニット11とを接続する階段状に形成されている。部屋1の床2と床ユニット11との間を行き来する際は、この階段状の脚ユニット330を使用する。
【0153】
階段状の脚ユニット330は、底板、側板、蹴込み板、段板、天板等を備えて箱型に形成されており、他の脚ユニット12,13と同様に床ユニット11を支持できる構造となっている。
また、当該脚ユニット330は、床ユニット11の厚さ寸法を考慮し、床ユニット11の下面に接する上端部330aの高さを短く設定している。
なお、この脚ユニット330は、背板を備えない構成とし、内部を、下側空間10a側から使える収納部としてもよい。
【0154】
〔構成例13〕
図31は、複数のユニット家具10,340を積層した状態を示す断面図である。
すなわち、ユニット家具10の床ユニット11上面に、ユニット家具10よりも小型のユニット家具340が配置されている。なお、当該小型ユニット家具340の各部は、サイズは異なるものの、下方のユニット家具10のものと同様に構成されている。
【0155】
小型ユニット家具340は、床ユニット341と、複数の脚ユニット342,343と、を備えており、床ユニット341の下方は下側空間340aとされ、床ユニット341の上方は上側空間340bとされている。
床ユニット341は、下方のユニット家具10における床ユニット11の一部の上方に配置される。本構成例においては、後側の壁5に寄せた位置に配置されている。
複数の脚ユニット342,343は、下方のユニット家具10における床ユニット11上に設置される。そして、床ユニット341を支持している。
【0156】
下方のユニット家具10における下側空間10a及び上側空間10bは、部屋1の部屋空間RSと一体となり、小型ユニット家具340における下側空間340a及び上側空間340bは、下方のユニット家具10における上側空間10bと一体となる。
【0157】
なお、小型ユニット家具340は、複数の脚ユニット342,343のうち少なくとも一つの脚ユニットが、下方のユニット家具10における複数の脚ユニット12,13のうち少なくとも一つの脚ユニットの上方に配置されることが好ましい。
また、小型ユニット家具340は、一つの正面側の第一脚ユニット342と、一つの第二脚ユニット343と、これらに支持される床ユニット341と、を備えた構成としてもよい。
【0158】
〔構成例14〕
図示はしないが、以上に挙げた構成例の他にも、様々な部屋構造のパターンやユニット家具10のパターンが採用されてもよい。
例えば、ユニット家具10の床ユニット11と天井6との間、もしくは左右の壁3,4間に、着脱可能な複数本の突っ張り棒を架け渡し、更にこれらの突っ張り棒間に、膜体や板材による仕切り体を架け渡して設けてもよい。さらに、これら突っ張り棒間にワイヤーネットを架け渡して設け、このワイヤーネットに観葉植物や様々な物品をハンギングして装飾するなどしてもよい。
また、屋外で使用するよりも簡易な構成のシャッター装置を天井6に設けて仕切り体としてもよい。
また、ユニット家具10の床ユニット11に対し、当該床ユニット11から左右の壁3,4に向かって扇状に展開する仕切り体が設けられてもよい。
【0159】
以上のような各構成例を含む本実施形態によれば、以下のように優れた効果を奏する。
すなわち、部屋空間RSを形成する床2、壁3,4,5、天井6のうち少なくとも一つに、下側空間10aと上側空間10bの少なくとも一方と部屋空間RSとを仕切るための仕切り体200,210,220,230が設けられているので、下側空間10aと上側空間10bの少なくとも一方の空間の使用時に、当該空間を、仕切り体200,210,220,230によって、部屋空間RSに対して遮蔽することができる。これにより、例えばユニット家具10がリビングルームのように人の目がある部屋1に据え置かれて設けられても、プライバシーを確保しやすい。
さらに、仕切り体200,210,220,230によって、下側空間10aと上側空間10bの少なくとも一方と部屋空間RSとを仕切るだけで、ユニット家具10における下側空間10aと上側空間10bの少なくとも一方を、一時的又は継続的に部屋空間RSから仕切られた部屋として使用できるので、下側空間10a及び上側空間10bへの立ち入りや起居を行う場合に使い勝手が良い。
【0160】
また、仕切り体200,210,220,230は、床2、壁3,4,5、天井6のうち少なくとも一つから、下側空間10aと上側空間10bの少なくとも一方と部屋空間RSとを仕切る方向に向かって展開可能に構成されているので、仕切り体200,210,220,230によって、下側空間10aと上側空間10bの少なくとも一方を、部屋空間RSに対して確実に遮蔽することができる。
【0161】
また、床2、壁3,4,5、天井6のうち少なくとも一つに、仕切り体200,210,220を収納するための収納部6a,213,215,3aが設けられているので、下側空間10aと上側空間10bを使用しない時に仕切り体200,210,220を収納部6a,213,215,3aに収納でき、部屋空間RSの邪魔にならない。
【0162】
また、ユニット家具10は、仕切り体200,210,230の展開方向に沿って配置されているので、仕切り体200,210,230を、床2、壁3,4,5、天井6のうち少なくとも一つとユニット家具10との間に配置させて、仕切り体として確実に機能させることができる。
さらに、ユニット家具10は、仕切り体200,210,230の展開方向側端部が係合する被係合部206,214,233bを備えるので、仕切り体200,210,230の展開方向側端部を、ユニット家具10の被係合部206,214,233bに係合させることで、仕切り体200,210,230によって、下側空間10aと上側空間10bの少なくとも一方を、部屋空間RSに対して確実に遮蔽しやすくなる。
【0163】
また、ユニット家具10に、下側空間10aと上側空間10bの少なくとも一方と部屋空間RSとを仕切るための仕切り体240が設けられているので、下側空間10aと上側空間10bのうち少なくとも一方の空間の使用時に、当該少なくとも一方の空間を、仕切り体240によって、部屋空間RSに対して遮蔽することができる。これにより、例えばユニット家具10がリビングルームのように人の目がある部屋1に据え置かれて設けられても、プライバシーを確保しやすい。
さらに、仕切り体240によって、下側空間10aと上側空間10bの少なくとも一方と部屋空間RSとを仕切るだけで、ユニット家具10における下側空間10aと上側空間10bの少なくとも一方を、一時的又は継続的に部屋空間RSから仕切られた部屋として使用できるので、下側空間10a及び上側空間10bへの立ち入りや起居を行う場合に使い勝手が良い。
【0164】
また、仕切り体240は、床ユニット11から、床2、壁3,4,5、天井6のうち少なくとも一つに向かって展開可能に構成されているので、下側空間10aと上側空間10bの少なくとも一方を、仕切り体240によって、部屋空間RSに対して確実に遮蔽することができる。
【0165】
また、ユニット家具10が、階段51の踊り場52と、仕切壁53を介して隣り合って配置されており、仕切壁53は、踊り場52に面して形成されてユニット家具10の上側空間10bと階段室50とを連通する出入り用開口部54と、出入り用開口部54を閉塞し、仕切壁53に対して着脱可能な閉塞部材55と、を備えるので、閉塞部材55を仕切壁53に取り付けたままの状態にすれば、階段室50からユニット家具10の上側空間10bへの視線を遮りやすく、プライバシーの確保に貢献できる。しかも、閉塞部材55を仕切壁53に取り付けたままの状態にすれば、出入り用開口部54を閉塞できるので、人や物が出入り用開口部54から落下しにくくなる。
さらに、閉塞部材55を仕切壁53から取り外すことで、出入り用開口部54を開放させることができる。これにより、階段室50からユニット家具10の上側空間10bを使用できるので使い勝手がよい。
なお、閉塞部材55の強度や当該閉塞部材55の固定強度は、人の落下を防ぐ安全性能を維持した強度となっている。
【0166】
また、閉塞部材55は、互いに間隔を空けて並設された複数の縦格子材55aを有するので、階段室50からユニット家具10の上側空間10bへの視線を通すことができる。これにより、階段室50からユニット家具10の上側空間10bの様子を窺うことができて使い勝手が良い。
【0167】
また、床2、壁3,4,5、天井6のうち少なくとも一つに、部屋空間RSとその外部とを連通する開口部2a,5a,5bが形成されており、ユニット家具10は、下側空間10aと上側空間10bのうち少なくとも一方が開口部2a,5a,5bと隣接して配置されているので、開口部2a,5a,5bから通風や採光を行ったり、外部との行き来を行ったり、物品の移動を行ったりすることができて使い勝手が良い。
【0168】
また、床ユニット11を支持する脚ユニット12,13が、少なくとも底板124と、底板124の両側端部に、下端部が当該底板124よりも下方に突出して設けられて床2の上面に接地する側板122,123と、を有するユニット本体と、ユニット本体における底板124の下端部に設けられるキャスターCAと、ユニット本体とキャスターCAとの間に設けられて、キャスターCAに対してユニット本体を上方に付勢し、ユニット本体の側板122,123を床2の上面との間に隙間を形成するように配置する付勢手段と、を備え、付勢手段による付勢力は、床ユニット11の荷重よりも小さく設定されているので、床ユニット11を複数の脚ユニット12,13から取り外すことでユニット本体の側板122,123が床2の上面から離間し、複数の脚ユニット12,13をキャスターCAによって移動させることができる。反対に、複数の脚ユニット12,13に床ユニット11を載せれば、ユニット本体の側板122,123が床2の上面に接地するので、複数の脚ユニット12,13をキャスターCAによって移動しないようにすることができる。これにより、ユニット家具10の位置変更を容易に行うことができるので使い勝手が良い。
【0169】
また、床ユニット11を支持する脚ユニット12,13が、脚ユニット12,13の下端部に設けられるキャスターCAと、床2に対する脚ユニット12,13の下端部の高さ位置を調整する高さ調整手段300と、を備えるので、キャスターCAによってユニット家具10の位置変更を容易に行うことができるとともに、高さ調整手段300によって、ユニット家具10における床ユニット11の高さ調整を容易に行うことができるので使い勝手が良い。
【0170】
また、複数の脚ユニット12,13によって支持されて床2の一部の上方に配置される床ユニット11に、下側空間10aと上側空間10bとを連通する昇降口310,320が形成されているので、部屋1側の部屋空間RSを経由せずに、下側空間10aと上側空間10bとの間を行き来することができて使い勝手が良い。
【0171】
また、床ユニット11が、昇降口310を開閉する蓋部材311と、蓋部材311に付属し、昇降口310の開放時において蓋部材311と共に組み立てられて折りたたみ机を構成する机構成部312と、を備えるので、蓋部材311によって昇降口310を閉塞できるとともに、昇降口310の開放時には、蓋部材311及び机構成部312によって折りたたみ机を組み立てて床ユニット11上で使用することができて使い勝手が良い。
さらに、蓋部材311は、昇降口310の閉塞時において下側空間10aを照明し、折りたたみ机の組立状態において上側空間10bを照明可能に構成された照明部311aを有するので、照明部311aによって下側空間10aを照らしたり上側空間10bを照らしたりできて使い勝手が良い。
【0172】
また、床ユニット11を支持する複数の脚ユニット12,13,330のうち、いずれかの脚ユニット330は、部屋1の床2と床ユニット11とを接続する階段状に形成されているので、当該階段状に形成された脚ユニット330を通じて部屋1の床2と床ユニット11との間を容易に行き来できて使い勝手が良い。
【0173】
また、ユニット家具10が、床ユニット11の上端部における縁部に設けられる手摺ユニット15,231を更に備えるので、ユニット家具10の床ユニット11上から部屋1の床2への物品等の落下を防ぐことができ、安全性の向上に貢献できる。
【符号の説明】
【0174】
1 部屋
2 床(床面)
3 壁(壁面)
4 壁(壁面)
5 壁(壁面)
6 天井
10 ユニット家具
10a 下側空間
10b 上側空間
11 床ユニット
11a 第一建築用床パネル
11b 第二建築用床パネル
12 第一脚ユニット
13 第二脚ユニット
14 天板
15 手摺ユニット
50 階段室
52 踊り場
53 仕切壁
54 出入り用開口部
55 閉塞部材
200 仕切り体
210 仕切り体
210R ロールスクリーン
210C 吸音カーテン
220 仕切り体
230 仕切り体
240 仕切り体
300 高さ調整手段
301 高さ調整手段
302 高さ調整部材
310 昇降口
311 蓋部材
312 机構成部
320 昇降口
321 階段
330 階段状脚ユニット
340 小型ユニット家具
RS 部屋空間
CA キャスター
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