(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20241225BHJP
【FI】
F25D23/00 301R
F25D23/00 301Q
F25D23/00 301G
(21)【出願番号】P 2021113464
(22)【出願日】2021-07-08
【審査請求日】2024-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】松山 健一
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-509118(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0003486(US,A1)
【文献】特開2019-144833(JP,A)
【文献】特開2019-002606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00 - 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫本体と、
外部機器と通信可能な通信部と、
前記冷蔵庫本体に関する報知を音にて出力可能であるとともに、前記通信部を介して前記外部機器から取得されるデータに基づく音である外部由来音を出力可能な音出力部と、 前記音出力部から前記外部由来音が出力されていないまたは前記外部由来音の出力が抑制されている第1状態と、前記音出力部から前記外部由来音が出力されている第2状態とで、前記冷蔵庫本体に関する報知の制御を異ならせる制御部と、
を備
え、
前記制御部は、
前記冷蔵庫本体に関する第1報知を行う場合、前記第1状態では前記音出力部から前記第1報知を行い、前記第2状態では前記外部機器からの要求を伴わずに前記外部機器に通知が届く第1態様で前記第1報知を行い、
前記冷蔵庫本体に関する前記第1報知よりも重要度が低い第2報知を行う場合、前記第1状態では前記音出力部から前記第2報知を行い、前記第2状態では前記外部機器からの要求に応じて前記外部機器に通知が届く第2態様で前記第2報知を行う、
冷蔵庫。
【請求項2】
冷蔵庫本体と、
外部機器と通信可能な通信部と、
前記冷蔵庫本体に関する報知を音にて出力可能であるとともに、前記通信部を介して前記外部機器から取得されるデータに基づく音である外部由来音を出力可能な音出力部と、
前記音出力部から前記外部由来音が出力されていないまたは前記外部由来音の出力が抑制されている第1状態と、前記音出力部から前記外部由来音が出力されている第2状態とで、前記冷蔵庫本体に関する報知の制御を異ならせる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記冷蔵庫本体に関する所定の報知を行う場合、
前記第1状態では、前記音出力部から前記所定の報知を行い、
前記第2状態では、前記音出力部とは異なる報知部により前記所定の報知を行い、前記報知部による前記所定の報知に対して反応がない場合に、前記外部由来音の出力を一時停止させてまたは前記外部由来音の音量を下げて前記音出力部から前記所定の報知を行う、
冷蔵庫。
【請求項3】
前記報知部は、前記外部機器に含まれる表示装置である、
請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記報知部は、前記冷蔵庫本体に含まれる報知器または表示装置である、
請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
冷蔵庫本体と、
外部機器と通信可能な通信部と、
前記冷蔵庫本体に関する報知を音にて出力可能であるとともに、前記通信部を介して前記外部機器から取得されるデータに基づく音である外部由来音を出力可能な音出力部と、
前記音出力部から前記外部由来音が出力されていないまたは前記外部由来音の出力が抑制されている第1状態と、前記音出力部から前記外部由来音が出力されている第2状態とで、前記冷蔵庫本体に関する報知の制御を異ならせる制御部と、
前記データを記憶可能な記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記冷蔵庫本体に関する所定の報知を行う場合、
前記第1状態では、前記音出力部から前記所定の報知を行い、
前記第2状態では、前記外部由来音の出力を一時停止させて前記音出力部から前記所定の報知を行うとともに、前記外部由来音の出力が一時停止されている間も前記外部機器からの前記データの取得を継続して前記記憶部に記憶させ、前記外部由来音の出力の再開時に前記記憶部に記憶された前記データに基づき前記外部由来音を出力させる、
冷蔵庫。
【請求項6】
前記第1状態は、前記外部機器と前記通信部とが通信可能に接続されており前記音出力部から前記外部由来音が出力されていないまたは前記外部由来音の出力が抑制されている待機状態を含み、
前記制御部は、前記待機状態と、前記第2状態とで、前記冷蔵庫本体に関する報知の制御を異ならせる、
請求項1
から請求項5のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記第1状態は、前記外部機器と前記通信部とが通信可能に接続される前である接続前状態と、前記外部機器と前記通信部とが通信可能に接続されており前記音出力部から前記外部由来音が出力されていないまたは前記外部由来音の出力が抑制されている待機状態とを含み、
前記制御部は、前記接続前状態と、前記待機状態とで、前記冷蔵庫本体に関する報知の制御を異ならせる、
請求項1
から請求項6のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
効果音および音楽を出力可能な音声出力部を有した冷蔵庫が知られている。ところで、冷蔵庫は、利便性のさらなる向上が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができる冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、通信部と、音出力部と、制御部とを備える。前記通信部は、外部機器と通信可能である。前記音出力部は、前記冷蔵庫本体に関する報知を音にて出力可能であるとともに、前記通信部を介して前記外部機器から取得されるデータに基づく音である外部由来音を出力可能である。前記制御部は、前記音出力部から前記外部由来音が出力されていないまたは前記外部由来音の出力が抑制されている第1状態と、前記音出力部から前記外部由来音が出力されている第2状態とで、前記冷蔵庫本体に関する報知の制御を異ならせる。前記制御部は、前記冷蔵庫本体に関する第1報知を行う場合、前記第1状態では前記音出力部から前記第1報知を行い、前記第2状態では前記外部機器からの要求を伴わずに前記外部機器に通知が届く第1態様で前記第1報知を行い、前記冷蔵庫本体に関する前記第1報知よりも重要度が低い第2報知を行う場合、前記第1状態では前記音出力部から前記第2報知を行い、前記第2状態では前記外部機器からの要求に応じて前記外部機器に通知が届く第2態様で前記第2報知を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】
図2中に示された冷蔵庫のF3-F3線に沿う断面図。
【
図4】実施形態の冷蔵庫のシステム構成の一部を示すブロック図。
【
図5】実施形態の報知態様情報の内容の一例を示す図。
【
図6】実施形態の重要度設定情報の内容の一例を示す図。
【
図7】実施形態の外部機器検出履歴情報の内容の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
(実施形態)
<1.冷蔵庫システム>
まず、冷蔵庫100を含む冷蔵庫システム1について説明する。
図1は、冷蔵庫システム1の構成を示す図である。冷蔵庫システム1は、例えば、冷蔵庫100と、家電機器150と、サーバ200と、端末装置300とを含む。後述するネットワークNWは、インターネット、セルラー網、Wi-Fi(登録商標)網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などのうち1つ以上を含み得る。
【0009】
冷蔵庫100は、ユーザUの住居に配置される。冷蔵庫100は、例えば、ユーザUの住居に配置された無線ルータRを介してネットワークNWと接続され、ネットワークNWを介してサーバ200と通信可能である。これにより、冷蔵庫100は、サーバ200を介してユーザUの端末装置300と通信可能である。本実施形態では、冷蔵庫100は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって端末装置300と直接に通信可能である。冷蔵庫100については、詳しく後述する。
【0010】
家電機器150は、冷蔵庫100とは異なる家電機器であり、ユーザUの住居に配置される。家電機器150は、例えば、別の冷蔵庫、洗濯機、掃除機、空気調和機、オーブンレンジ、炊飯器、アイロンなどであるが、これらに限定されない。
図1では、空気調和機である家電機器150を例示している。家電機器150は、例えば、ユーザUの住居内に配置された無線ルータRを介してネットワークNWと接続され、ネットワークNWを介してサーバ200と通信可能である。これにより、家電機器150は、サーバ200を介してユーザUの端末装置300と通信可能である。家電機器150は、例えばサーバ200を介して端末装置300により設定や操作が可能である。
【0011】
サーバ200は、冷蔵庫100および家電機器150の設定や操作などに関するサービスを提供する。サーバ200は、例えば、ネットワークNWに接続された1台以上のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)で構成される。サーバ200は、ネットワークNWを介して、冷蔵庫100、家電機器150、および端末装置300と通信可能である。なお、サーバ200は、クラウドサーバに限定されず、ユーザUの住居にあるコンピュータ、または家庭内ルータ(例えば無線ルータR)などでもよい。
【0012】
端末装置300は、ユーザUが利用する端末装置であり、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末装置のような携帯端末装置である。ただし、端末装置300は、携帯端末装置に限定されず、パーソナルコンピュータや、テレビジョン受像機、ラジオ受信機、音楽プレイヤー、その他各種のオーディオ機器などでもよい。端末装置300は、音楽や動画などを再生可能な装置である。端末装置300は、Bluetoothなどの近距離無線通信によって、端末装置300が再生する音楽や動画などの音データを外部に出力可能である。端末装置300は、「外部機器」の一例である。
【0013】
本実施形態では、端末装置300は、種々の情報を表示可能な表示画面を含む表示装置301と、ユーザUの入力(音声入力を含む)を受け付け可能な入力受付部302とを含む。表示装置301は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。入力受付部302は、例えば、表示装置301の表示画面に重ねて設けられたタッチセンサや、ユーザUの音声を収音するマイクなどである。端末装置300には、冷蔵庫100の設定変更や操作、管理を行うためのアプリケーションプログラムPがインストールされ、以下に説明する機能がサポートされる。
【0014】
<2.冷蔵庫>
次に、冷蔵庫100について説明する。
図2は、冷蔵庫100を示す正面図である。冷蔵庫100は、冷蔵庫の基本構成を含む冷蔵庫本体MBを有する。冷蔵庫本体MBは、例えば、筐体10、複数の扉31、複数の扉開閉検知スイッチ33、近接センサ34、および操作パネル部35を有する。
【0015】
筐体10は、上壁11、下壁12、左右の側壁13,14、および後壁15(
図3参照)を有し、前面が開放された箱状に形成されている。筐体10は、例えば、筐体10の内面を形成する内箱と、筐体10の外面を形成する外箱と、内箱と外箱との間に設けられた発泡断熱材とを含み、断熱性を有する。筐体10の内部には、筐体10の内部を後述する複数の貯蔵室21に仕切る複数の仕切部16,17(
図3参照)が設けられている。
【0016】
筐体10は、複数の貯蔵室21を含む。複数の貯蔵室21は、例えば、冷蔵室21A、チルド室21AA、野菜室21B、製氷室21C、小冷凍室21D、および主冷凍室21Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室21Aが配置され、冷蔵室21Aの下方に野菜室21Bが配置され、野菜室21Bの下方に製氷室21Cおよび小冷凍室21Dが配置され、製氷室21Cおよび小冷凍室21Dの下方に主冷凍室21Eが配置されている。チルド室21AAは、冷蔵室21Aの内部に設けられ、冷蔵室21Aの他領域に対して棚や蓋などにより少なくとも部分的に区画されている。
【0017】
複数の貯蔵室21の開口は、複数の扉31によって開閉可能に閉じられる。複数の扉31は、冷蔵室21Aの開口を閉じる左右の冷蔵室扉31Aa,31Ab、野菜室21Bの開口を閉じる野菜室扉31B、製氷室21Cの開口を閉じる製氷室扉31C、小冷凍室21Dの開口を閉じる小冷凍室扉31D、および主冷凍室21Eの開口を閉じる主冷凍室扉31Eを含む。扉開閉検知スイッチ33は、各扉31に対応する位置に設けられ、各扉31の開閉を検知する。
【0018】
近接センサ34は、筐体10または扉31に設けられている。近接センサ34は、例えば静電容量式のセンサである。近接センサ34は、当該近接センサ34に対して所定の範囲内に近付くユーザUの存在を検知する。
【0019】
操作パネル部35は、筐体10または扉31に設けられている。操作パネル部35は、各貯蔵室21に関する設定変更や操作を指示するユーザUの操作を受け付ける複数の操作部35a(例えば複数の操作ボタン)と、各貯蔵室21に関する設定内容や実行中の制御モードなどをユーザUに報知する複数の報知部35bとを含む。各報知部35bは、例えば、LED(Light Emitting Diode)により実現される発光部を含む。なお、操作パネル部35に代えて/加えて、扉31には表示装置36および入力受付部37が設けられてもよい。表示装置36は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである。入力受付部37は、例えば、表示装置36の表示画面に重ねて設けられたタッチセンサである。報知部35bは、「報知器」の一例である。
【0020】
図3は、
図2中に示された冷蔵庫100のF3-F3線に沿う断面図である。冷蔵庫本体MBは、例えば、複数の棚41、複数の容器42、第1ダクト部品51、第2ダクト部品52、および冷却部Mを備えている。
【0021】
複数の棚41は、冷蔵室21Aに配置されている。複数の棚41は、鉛直方向に間隔を空けて並べられている。複数の容器42は、チルド室21AA、野菜室21B、製氷室21C、小冷凍室21D、および主冷凍室21Eに分かれて配置されている。
【0022】
第1ダクト部品51は、筐体10の後壁15に沿って設けられ、鉛直方向に延びている。第1ダクト部品51は、例えば、野菜室21Bの下端部の後方から冷蔵室21Aの上端部の後方まで延びている。第1ダクト部品51と筐体10の後壁15との間には、冷気(空気)が流れる通路である第1ダクト空間D1が形成されている。第1ダクト部品51は、複数の冷蔵室冷気吹出口51aと、チルド室冷気吹出口51bと、冷気戻り口51cとを有する。複数の冷蔵室冷気吹出口51aは、冷蔵室21Aに開口している。チルド室冷気吹出口51bは、チルド室21AAに開口している。冷気戻り口51cは、野菜室21Bに開口している。
【0023】
第2ダクト部品52は、筐体10の後壁15に沿って設けられ、鉛直方向に延びている。第2ダクト部品52は、例えば、主冷凍室21Eの後方から製氷室21Cおよび小冷凍室21Dの上端部の後方まで延びている。第2ダクト部品52と筐体10の後壁15との間には、冷気(空気)が流れる通路である第2ダクト空間D2が形成されている。第2ダクト部品52は、冷気吹出口52aと、冷気戻り口52bとを有する。冷気吹出口52aは、製氷室21Cおよび小冷凍室21Dに開口している。冷気戻り口52bは、主冷凍室21Eに開口している。
【0024】
冷却部Mは、例えば、冷蔵用冷却器61、冷蔵用送風機62、冷凍用冷却器63、冷凍用送風機64、圧縮機65、および不図示の冷凍サイクル装置を含む。
【0025】
冷蔵用冷却器61は、第1ダクト空間D1に配置されている。冷蔵用冷却器61は、圧縮機65により圧縮された冷媒が供給され、第1ダクト空間D1を流れる冷気を冷却する。冷蔵用送風機62は、例えば第1ダクト空間D1に配置されている。冷蔵用送風機62が駆動されると、第1ダクト空間D1内の空気は、第1ダクト空間D1内を上方に向けて流れ、冷蔵用冷却器61によって冷却される。冷蔵用冷却器61によって冷却された冷気は、複数の冷蔵室冷気吹出口51aから冷蔵室21Aに吹き出され、チルド室冷気吹出口51bからチルド室21AAに吹き出される。冷蔵室21Aおよびチルド室21AAに吹き出された冷気は、冷蔵室21Aおよびチルド室21AAをそれぞれ流れた後、例えば野菜室21Bを経由して、冷気戻り口51cから第1ダクト空間D1に戻る。これにより、冷蔵室21A、チルド室21AA、および野菜室21Bの冷却が行われる。
【0026】
冷凍用冷却器63は、第2ダクト空間D2に配置されている。冷凍用冷却器63は、圧縮機65により圧縮された冷媒が供給され、第2ダクト空間D2を流れる冷気を冷却する。冷凍用送風機64は、例えば第2ダクト空間D2に配置されている。冷凍用送風機64が駆動されると、第2ダクト空間D2内の空気は、第2ダクト空間D2内を上方に向けて流れ、冷凍用冷却器63によって冷却される。冷凍用冷却器63によって冷却された冷気は、冷気吹出口52aから製氷室21Cおよび小冷凍室21Dに流入する。製氷室21Cおよび小冷凍室21Dに流入した冷気は、製氷室21Cおよび小冷凍室21Dをそれぞれ流れた後、主冷凍室21Eを経由して、冷気戻り口52bから第2ダクト空間D2に戻る。これにより、製氷室21C、小冷凍室21D、および主冷凍室21Eの冷却が行われる。
【0027】
圧縮機65は、例えば、冷蔵庫100の底部の機械室に設けられている。圧縮機65は、各貯蔵室21の冷却に用いられる冷媒ガスを圧縮する。圧縮機65により圧縮された冷媒ガスは、冷凍サイクル装置に含まれる凝縮器などを介して冷蔵用冷却器61および冷凍用冷却器63に送られる。
【0028】
図2に示すように、冷蔵庫100は、冷蔵庫本体MBに加え、第1通信部81、第2通信部82、スピーカ83、ブザー84、および制御基板85を備えている。
【0029】
第1通信部81は、ユーザUの住居の内部に位置する端末装置300と通信可能な近距離通信モジュールである。本出願で「近距離」とは、ユーザUの住居の内部を意味する。第1通信部81は、ユーザUの端末装置300と直接に通信可能である。第1通信部81は、例えば、Bluetoothなどの無線通信モジュールである。ただし、第1通信部81は、無線通信モジュールに限定されず、冷蔵庫100と端末装置300とを接続するケーブルを介して端末装置300と通信可能でもよい。第1通信部81は、「通信部」の一例である。
【0030】
第1通信部81は、当該第1通信部81と端末装置300とが通信可能に接続された状態で、音楽や動画などの音データを端末装置300から受信可能である。本出願で「音データ」とは、音楽、ラジオ配信の音声、テレビジョン放送の音声、各種の動画(動画配信サイトから配信される動画を含む)の音声、オーディオブックのような音声コンテンツの音声、音声SNS(Social Networking Service)の音声などのうち1つ以上であるが、通信により受け渡し可能な音データであればよく、上記例に限定されない。
【0031】
第2通信部82は、例えば無線ルータRを介してユーザUの住居の外部に位置する装置と通信可能な遠距離通信モジュールである。本出願で「遠距離」とは、ユーザUの住居の外部を意味する。第2通信部82は、例えば無線ルータRおよびネットワークNWを介して、外部のサーバ200と通信可能である。第2通信部82は、例えば、Wi-Fi(登録商標)のような無線LAN用の無線通信モジュールである。ただし、第2通信部82は、無線通信モジュールに限定されず、冷蔵庫100に接続されたケーブルを介してネットワークNWに接続されてもよい。
【0032】
スピーカ83は、後述する制御部91の制御に基づき、冷蔵庫本体MBに関する報知を音(例えば音声)にて出力可能である。なお、音による報知は、音声に限定されず、ブザー音(ブザーによる効果音を模した音)などでもよい。このため以下の説明における「音声」とは「音」と読み替え可能である。冷蔵庫本体MBに関する報知の詳細については後述する。本実施形態では、スピーカ83は、第1通信部81と端末装置300とが通信可能に接続された状態で、第1通信部81を介して端末装置300から取得される音データに基づく音(以下では「外部由来音」と称する)を出力可能である。例えば、スピーカ83は、端末装置300の外部スピーカとして機能し、端末装置300上で音楽や動画など(以下ではこれらを総称して「音源コンテンツ」と称する)が再生されることに応じてそれら音楽や動画の音声を出力可能である。言い換えると、冷蔵庫100は、端末装置300にスピーカ83を使用させる(端末装置300にスピーカ83を貸す)ことが可能である。この場合、外部由来音の操作(再生や停止など)は、端末装置300に対するユーザUの操作により行われる。本実施形態では、第1通信部81とスピーカ83とは、1つのスピーカユニットSUとして一体に設けられている。これに代えて、第1通信部81と、スピーカ83とは別々に設けられてもよい。スピーカ83は、「音出力部」の一例である。
【0033】
ブザー84は、操作音(効果音)を出力する装置である。ブザー84は、例えば、操作パネル部35の操作部35aがユーザUによって押された場合に、操作部35aが押されたことを示す操作音(例えばプッシュ音)を出力する。
【0034】
図4は、冷蔵庫100のシステム構成の一部を示すブロック図である。制御基板85は、マイコンやタイマなどを有した制御回路部と、電源部品を有した電源回路部とを含む。制御基板85は、例えば、制御部91と、第1記憶部95と、第2記憶部96とを含む。
【0035】
制御部91は、例えば上記マイコンに含まれるCPU(Central Processing Unit)のような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、制御部91の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0036】
第1記憶部95および第2記憶部96の各々は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drove)、またはこれらのうち複数の組み合わせにより実現される。本実施形態では説明の便宜上、第1記憶部95と第2記憶部96とを分けて説明するが、第1記憶部95と第2記憶部96とは一体に設けられてもよい。第1記憶部95には、例えば、報知態様情報S1、重要度設定情報S2、および外部機器検出履歴情報S3が記憶される。
【0037】
<3.制御>
<3.1 冷蔵庫の状態区分>
上述したように、本実施形態の冷蔵庫100は、端末装置300と通信可能に接続され、端末装置300にスピーカ83を使用させることが可能である。これに関連して、冷蔵庫100の状態は、「第1状態」と「第2状態」とに区分されるとともに、「接続前状態」、「待機状態」、および「出力中状態」に区分される。以下では、第1通信部81と端末装置300とがBluetoothである無線通信によって接続される場合を例に説明する。
【0038】
「第1状態」は、外部由来音がスピーカ83から出力されていない、または外部由来音の出力が抑制されている状態である。本出願で「抑制されている」とは、例えば、第2状態と比べて小さな音量で外部由来音が出力されている場合も含む。「第1状態」は、例えば、「接続前状態」と、「待機状態」とを含む。
【0039】
「接続前状態」は、端末装置300と第1通信部81とが通信可能に接続される前の状態である。例えば、「接続前状態」は、端末装置300と第1通信部81と間の認証が確立していない状態や、第1通信部81の接続先が特定されていない状態である。例えば、「接続前状態」の一例は、Bluetoothの規格で「ペアリング」が完了していない状態である。
【0040】
「待機状態」は、端末装置300と第1通信部81とが通信可能に接続されているが、外部由来音がスピーカ83から出力されていない、または外部由来音の出力が抑制されている状態である。例えば、「待機状態」は、端末装置300と第1通信部81との間の認証が確立して端末装置300と第1通信部81とが接続されているが、端末装置300から冷蔵庫100へ音データが送信されていない状態(例えば、端末装置300で音楽や動画が再生されていない状態)である。例えば、「待機状態」の一例は、Bluetoothの規格で「ペアリング」が完了している状態を意味する。
【0041】
「第2状態」は、外部由来音がスピーカ83から出力されている状態である。例えば、「第2状態」は、端末装置300と第1通信部81と間の認証が確立して端末装置300と第1通信部81とが通信可能に接続されており、端末装置300から冷蔵庫100へ音データが継続的に送信されている状態(例えば、端末装置300上で音楽や動画が再生されている状態)である。本実施形態では、「第2状態」と「出力中状態」とは同じ状態である。
【0042】
<3.2 状態区分に応じた報知制御の設定>
本実施形態では、制御部91は、上述した第1状態と第2状態とで、冷蔵庫本体MBに関する報知の制御を異ならせる。さらに言えば、制御部91は、上述した待機状態と第2状態(出力中状態)とで、冷蔵庫本体MBに関する報知の制御を異ならせる。さらに言えば、制御部91は、上述した接続前状態と待機状態とで、冷蔵庫本体MBに関する報知の制御を異ならせる。「報知の制御を異ならせる」とは、例えば、報知の態様(例えば、音声により報知するか/表示により報知するか)、報知の内容、または報知の時機のうち1つ以上が異なることを意味する。
【0043】
図5は、報知態様情報S1の内容の一例を示す図である。報知態様情報S1では、報知に関する複数の重要度と、各重要度における「接続前状態」、「待機状態」、および「出力中状態」での報知制御の内容とが対応付けられて登録されている。制御部91は、報知態様情報S1で登録されている内容に基づき、「接続前状態」、「待機状態」および「出力中状態」での報知制御を異ならせる。なお、「接続前状態」、「待機状態」および「出力中状態」のうち2つ以上で同じ報知制御が登録されており、各状態で登録内容に従う結果として、「接続前状態」、「待機状態」および「出力中状態」のうち2つ以上で同じ報知制御が行われることもあり得る。
【0044】
本実施形態では、制御部91は、最も重要度が高い「重要度7」の内容の報知を行う場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、外部由来音の出力を一時停止させて(すなわち外部由来音の出力を中断させて)、スピーカ83から音声にて報知を行う。この場合、制御部91は、スピーカ83から音声にて行う報知の終了に応じて、一時停止させていた外部由来音の出力を再開する。
【0045】
本実施形態では、制御部91は、次に重要度が高い「重要度6」の内容の報知を行う場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、外部由来音の音量を一時的に下げて(すなわち相対的に小さい音で外部由来音の出力を継続しながら)、スピーカ83から音声にて報知を行う。この場合、制御部91は、スピーカ83から音声にて行う報知の終了に応じて、一時的に下げていた外部由来音の音量を元に戻し、外部由来音の出力を継続する。
【0046】
本実施形態では、制御部91は、次に重要度が高い「重要度5」の内容の報知を行う場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、外部由来音の出力が終了することを待って、スピーカ83から音声にて報知を行う。「外部由来音の出力が終了する」とは、例えば、端末装置300から冷蔵庫100へ音データの送信が終了されることを意味する。例えば、「外部由来音の出力が終了する」とは、端末装置300上で音源コンテンツ(音楽や動画など)の再生が終了されることを意味する。「外部由来音の出力が終了することを待つ」とは、例えば、1つの再生単位(端末装置300上で停止操作がされない限り継続して再生される範囲)の音源コンテンツが最後まで再生されることまで待つことを意味する。例えば、「外部由来音の出力が終了することを待つ」とは、複数の曲の音楽が連続して再生される設定がされている場合、端末装置300上でユーザUの停止操作によって音楽の再生が停止されるまで待つことを意味する。
【0047】
本実施形態では、制御部91は、次に重要度が高い「重要度4」の内容の報知を行う場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、スピーカ83から外部由来音の出力を維持しつつ、別の報知部である端末装置300の表示装置301により報知を行う。この場合は、「接続前状態」または「待機状態」でスピーカ83から音声にて報知される内容と同じまたは簡略化された内容を示す表示が表示装置301に表示されることで報知が行われる。なお、「スピーカとは異なる報知部」は、端末装置300に限定されず、冷蔵庫100の操作パネル部35の報知部35bまたは表示装置36などでもよい。操作パネル部35の報知部35bにより報知が行われる場合は、複数の報知部35bのなかで1つ以上の所定の報知部35bが予め設定された態様で点灯または点滅することで報知が行われる。表示装置36により報知が行われる場合は、「接続前状態」または「待機状態」でスピーカ83から音声にて報知される内容と同じまたは簡略化された内容を示す表示が表示装置36に表示されることで報知が行われる。これらの定義は以下でも同様である。本実施形態では、制御部91は、「重要度4」の内容の報知を行う場合であって「出力中状態」である場合、端末装置300からの要求を伴わずに端末装置300に通知が届く第1態様(例えばプッシュ通知)で報知を行う。
【0048】
本実施形態では、制御部91は、次に重要度が高い「重要度3」の内容の報知を行う場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、スピーカ83から外部由来音の出力を維持しつつ、別の報知部である端末装置300により報知を行う。なお、「スピーカとは異なる報知部」は、端末装置300に限定されず、冷蔵庫100の操作パネル部35の報知部35bまたは表示装置36などでもよい。端末装置300、報知部35b、または表示装置36により報知が行われる場合の例は、「重要度4」で説明した内容と同じである。本実施形態では、制御部91は、「重要度3」の内容の報知を行う場合であって「出力中状態」である場合、端末装置300からの要求に応じて端末装置300に通知が届く第2態様(例えばフェッチ通知)で報知を行う。
【0049】
本実施形態では、制御部91は、次に重要度が高い「重要度2」の内容の報知を行う場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、スピーカ83から外部由来音の出力を維持しつつ、報知を行わない。
【0050】
本実施形態では、制御部91は、最も重要度が低い「重要度1」の内容の報知を行う場合、「接続前状態」ではスピーカ83から音声にて報知を行い、「待機状態」および「出力中状態」では、スピーカ83から外部由来音の出力を維持しつつ、報知を行わない。
【0051】
なお、制御部91は、ユーザUによる操作に基づき、報知態様情報S1の登録内容(すなわち、各重要度における「接続前状態」、「待機状態」および「出力中状態」での報知制御の内容)を変更可能である。制御部91は、操作パネル部35の操作部35aに対するユーザUの操作、入力受付部37に対するユーザUの操作、または、端末装置300に対するユーザUの操作に基づき、報知態様情報S1の登録内容の変更を受け付ける。これにより、ユーザUは、各重要度における「接続前状態」、「待機状態」および「出力中状態」での報知制御の内容を任意に変更可能である。
【0052】
<3.3 報知の対象>
次に、冷蔵庫本体MBに関する報知の対象について説明する。本実施形態では、スピーカ83は、冷蔵庫本体MBに関する報知を音声にて出力可能である。冷蔵庫本体MBに関する報知は、例えば、「設定変更」、「状態変更」、および「異常」を含む。
【0053】
「設定変更」は、ユーザUの操作に基づいて冷蔵庫本体MBの設定内容が変更されることである。「設定変更」は、例えば、各貯蔵室21に対する冷却能力の設定(例えば「強設定」や「弱設定」)、特定の貯蔵室21に対する特定制御の設定(例えば、主冷凍室21Eに対する急速冷凍の設定や、チルド室21AAに対する解凍制御の設定、製氷室21Cに対する製氷制御の設定)、または通信接続に関する設定などが変更されることである。制御部91は、「設定変更」に関する報知を行う場合、「冷蔵室の温度設定を強設定に変更しました」、「急速冷凍を開始します」、「製氷モードを一気製氷(特別製氷)に設定しました」、または「Bluetoothのペアリングを開始します」などの音声をスピーカ83から出力させる。
【0054】
「状態変更」は、ユーザUの操作に起因せず、冷蔵庫本体MBの状態が変更されることである。「状態変更」は、例えば、温度や時間などに関する所定の条件が満たされることに応じて冷蔵庫本体MBで実行中だった制御が終了されることである。「状態変更」は、例えば、特定の貯蔵室21に対する特定制御の設定(チルド室21AAに対する解凍制御や、製氷室21Cに対する特別製氷制御の設定など)が終了されることである。「特別製氷制御」は、通常の運転時よりも急速に製氷を行う制御であり、「一気製氷」とも称される。制御部91は、「状態変更」に関する報知を行う場合、「解凍が完了しました」、「一気製氷が完了しました」、「Bluetoothのペアリングが解除されました」などの音声をスピーカ83から出力させる。
【0055】
「異常」は、冷蔵庫本体MBで検知されるエラーである。「異常」は、「扉開放エラー」、「給水タンクエラー」、「通信エラー」、「インターフェースエラー」などである。「扉開放エラー」は、扉31の開状態が一定時間(例えば1分)以上に亘り続いている状態を示すエラーであり、扉開放検知センサ33によって検知される。「給水タンクエラー」は、製氷用の給水タンクの水が所定量以下である状態を示すエラーであり、例えば給水タンクの近傍に設けられた水位センサによって検知される。「通信エラー」は、例えば、冷蔵庫100とサーバ200との間の通信で異常が生じたことを示すエラーであり、第2通信部82の通信状態に基づいて検知される。「インターフェースエラー」は、操作パネル部35や表示装置36、入力受付部37などのインターフェースで不具合が生じたことを示すエラーであり、インターフェースと制御基板85との間の信号の送受信状態などに基づいて検知される。制御部91は、「状態変更」に関する報知を行う場合、「冷蔵庫の扉が開いています」、「給水タンクの水が少なくなっています」、「Wi-Fi通信部にエラーが発生しています」などの音声をスピーカ83から出力させる。
【0056】
<3.4 報知の対象と重要度との関係>
図6は、重要度設定情報S2の内容の一例を示す図である。重要度設定情報S2では、複数の報知内容と、各報知内容に対する重要度とが対応付けられて設定されている。制御部91は、冷蔵庫本体BMに関する報知を行う場合、重要度設定情報S2を参照することで実施予定の報知に対応する重要度を取得する。そして、制御部91は、先に説明した報知態様情報S1を参照することで、取得した重要度に対応する報知制御の内容を取得し、取得した報知制御の内容に基づき報知を行う。
【0057】
本実施形態では、冷蔵庫本体BMに関する報知として、例えば、「扉開放エラー」、「給水タンクエラー(ユーザが設定した制御に関係する場合)」、「給水タンクエラー(ユーザが設定した制御に関係しない場合)」、「操作パネル部エラー」、「状態変更(ユーザが設定した制御に関係する場合)」、「状態変更(ユーザが設定した制御に関係しない場合)」、「設定変更」、「伝言メッセージの再生」、「食材管理に関する音声案内(ユーザの指示に応じたもの)」、「食材管理に関する音声案内(ユーザの指示に応じていないもの)」、「本日の運転状況の読み上げ」が登録されている。
【0058】
「扉開放エラー」は、上述したように扉31の開状態が一定時間以上に亘り続いている状態を示すエラーである。「扉開放エラー」は、冷蔵庫100内の温度に大きな影響を与えるため、最も高い重要度(重要度7)に設定されている。このため、制御部91は、「扉開放エラー」を報知する場合、「接続前状態」および「待機状態」ではスピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、外部由来音の出力を一時停止させてスピーカ83から音声にて報知を行う。
【0059】
「給水タンクエラー(ユーザUが設定した制御に関係する場合)」は、製氷用給水タンクの製氷用の給水タンクの水が所定量以下である状態を示すエラーであって、ユーザUによって特別製氷制御が設定されている状態で生じるエラーである。ユーザUによって特別製氷制御が設定されている状態は、ユーザUが氷を早急に所望している状態と推測される。このため、「給水タンクエラー(ユーザUが設定した制御に関係するもの)」は、重要度6に設定されている。このため、制御部91は、「給水タンクエラー(ユーザUが設定した制御に関係するもの)」を報知する場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、外部由来音の音量を下げて、スピーカ83から音声にて報知を行う。なお、「給水タンクエラー(ユーザUが設定した制御に関係するもの)」は、例えば、重要度7に設定されてもよい。
【0060】
「給水タンクエラー(ユーザUが設定した制御に関係しない場合)」は、製氷用給水タンクの水が所定量以下である状態を示すエラーであって、ユーザUによって特別製氷制御が設定されていない状態で生じるエラーである。ユーザUによって特別製氷制御が設定されていない状態は、ユーザUが氷を早急に所望していない状態と推測される。このため、「給水タンクエラー(ユーザUが設定した制御に関係しないもの)」は、重要度5に設定されている。このため、制御部91は、「給水タンクエラー(ユーザUが設定した制御に関係しないもの)」を報知する場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、外部由来音の出力が終了することを待って、スピーカ83から音声にて報知を行う。なお、「給水タンクエラー(ユーザUが設定した制御に関係しないもの)」は、例えば、重要度0~4のいずれかに設定されてもよい。
【0061】
「操作パネル部エラー」は、操作パネル部35で不具合が生じたことを示すエラーである。「操作パネル部エラー」は、「扉開放エラー」と比べて重要度(緊急度)が低いエラーの一例である。「操作パネル部エラー」は、重要度5に設定されている。「扉開放エラー」と比べて重要度(緊急度)が低いエラーは、この他に、上述した他のインターフェースエラー、通信エラーなどである。言い換えると、冷蔵庫100において冷却機能に直接関係しないエラーは、冷蔵庫100の冷却機能に関するエラーと比べて重要度が低い。制御部91は、「操作パネル部エラー」を報知する場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、外部由来音の出力が終了することを待って、スピーカ83から音声にて報知を行う。なお、「給水タンクエラー(ユーザUが設定した制御に関係しないもの)」は、例えば、重要度0~4のいずれかに設定されてもよい。
【0062】
「状態変更(ユーザが設定した制御に関係する場合)」は、冷蔵庫本体MBの状態変更であって、ユーザUが設定した制御に関係する状態変更を示す報知である。例えば、ユーザUの操作によって解凍制御が開始された場合における解凍完了を示す報知や、ユーザUの操作によって特別製氷制御が開始された場合における製氷完了を示す報知などである。これらは、ユーザUが特定の状態変化を待っている状態と推測される。このため、「状態変更(ユーザが設定した制御に関係する場合)」は、重要度6に設定されている。このため、制御部91は、「状態変更(ユーザが設定した制御に関係する場合)」を報知する場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、外部由来音の音量を下げて、スピーカ83から音声にて報知を行う。なお、「状態変更(ユーザが設定した制御に関係する場合)」は、例えば、重要度7に設定されてもよい。
【0063】
「状態変更(ユーザが設定した制御に関係しない場合)」は、冷蔵庫本体MBの状態変更であって、ユーザUが設定していない制御に関係する状態変更を示す報知である。例えば、貯蔵室21の温度変化に応じて節電モードが自動で開始された場合における節電モード開始を示す報知や、製氷室21Cの氷の残量に応じて製氷が自動で開始された場合における製氷完了を示す報知などである。これらは、ユーザUが特定の状態変化を待っていない状態と推測される。このため、「状態変更(ユーザが設定した制御に関係しない場合)」は、重要度5に設定されている。このため、制御部91は、「状態変更(ユーザが設定した制御に関係しない場合)」を報知する場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、外部由来音が終了することを待って、スピーカ83から音声にて報知を行う。なお、「状態変更(ユーザが設定した制御に関係しない場合)」は、例えば、重要度0~4のいずれかに設定されてもよい。
【0064】
「設定変更」は、例えばユーザUの操作に基づき冷蔵庫本体MBの設定内容が変更される場合における変更完了を知らせる報知である。設定変更は、ユーザUの操作の直後に報知されるため、比較的重要度が低い報知である。このため、「設定変更」は、重要度3に設定されている。このため、制御部91は、「設定変更」を報知する場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、端末装置300からの要求に応じて端末装置300に通知が届く態様で報知を行う。
【0065】
「伝言メッセージの再生」は、相対的に重要度が高いため、重要度6に設定されている。このため、制御部91は、報知として「伝言メッセージの再生」を行う場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知(すなわち伝言メッセージの再生)を行い、「出力中状態」では、外部由来音の音量を下げて、スピーカ83から音声にて報知(すなわち伝言メッセージの再生)を行う。
【0066】
「食材管理に関する音声案内(ユーザの指示に応じたもの)」は、例えばユーザUの指示に基づき在庫食材の追加や削除などが行われる場合の在庫食材の登録内容の変更完了を知らせる報知である。これらは、登録内容が正確に変更されたか否かをユーザUが確認したい状態と推測される。このため、「食材管理に関する音声案内(ユーザの指示に応じたもの)」は、相対的に重要度が高いため、重要度6に設定されている。このため、制御部91は、報知として「食材管理に関する音声案内(ユーザの指示に応じたもの)」を行う場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、外部由来音の音量を下げて、スピーカ83から音声にて報知を行う。なお、「食材管理に関する音声案内(ユーザの指示に応じたもの)」は、例えば、重要度7に設定されてもよく、重要度5に設定されてもよい。
【0067】
「食材管理に関する音声案内(ユーザの指示に応じたものでないもの)」は、例えば摂取期限(賞味期限または消費期限)に基づき在庫食材の削除や注意喚起などが行われる場合における在庫食材の削除や注意喚起を知らせる報知である。これらは、「食材管理に関する音声案内(ユーザの指示に応じたもの)」と比べて重要度が低いため、重要度4に設定されている。このため、制御部91は、報知として「食材管理に関する音声案内(ユーザの指示に応じたものでないもの)」を行う場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、端末装置300からの要求を伴わずに端末装置300に通知が届く態様(例えばプッシュ通知)で報知を行う。
【0068】
「本日の運転状況の読み上げ」は、相対的に重要度が低いため、重要度1に設定されている。このため、制御部91は、報知として本日の運転状況の読み上げを行う場合、「接続前状態」および「待機状態」では、スピーカ83から音声にて報知を行い、「出力中状態」では、報知を行わない。
【0069】
本実施形態では、制御部91は、ユーザUによる操作に基づき、重要度設定情報S2の内容(すなわち、報知内容と重要度との対応関係)を変更可能である。制御部91は、操作パネル部35の操作部35aに対する操作、入力受付部37に対する操作、または、端末装置300に対する操作に基づき、重要度設定情報S2の内容の変更を受け付ける。これにより、ユーザUは、所望する報知に対して高い重要度を設定することで、外部由来音が出力中の場合でも所望する報知を知り損ねることを抑制することができる。一方で、所望しない報知に関して低い重要度を設定することで、出力中の外部由来音を優先することができる。
【0070】
<3.5 外部由来音の出力を一時停止する場合の態様>
次に、外部由来音の出力を一時停止させてスピーカ83から報知が行われる場合について説明する。本実施形態では、重要度7に対応する報知が行われる場合、外部由来音を一時停止させてスピーカ83から報知が行われる。この場合、外部由来音を一時停止させる手法として以下の3つの態様がある。
【0071】
第1態様では、制御部91は、外部由来音を無音状態(ミュート)にすることで、外部由来音の出力を一時停止させる。この場合、外部由来音の再生自体は続けられている。この場合、スピーカ83から音声にて行う報知の終了に応じて一時停止させていた外部由来音の出力を再開させる場合、スピーカ83から出力される外部由来音は、一時停止前の外部由来音に対して不連続な位置から再開される。
【0072】
第2態様では、制御部91は、外部由来音の出力を一時停止させる場合でも、端末装置300から音データを取得することは続ける。そして、制御部91は、端末装置300から取得する音データを第2記憶部96に順次記憶させる。この場合、制御部91は、スピーカ83から音声にて行う報知の終了に応じて一時停止させていた外部由来音の出力を再開させる場合、第2記憶部96に記憶されている音データを再生することで外部由来音の出力を再開させる。この場合、再開される外部由来音は、一時停止前の外部由来音に対して連続する位置から再開される。再開される外部由来音は、端末装置300から順次取得する音データに対して、一時停止していた時間に対応するタイムラグを有して出力される。なお、第2記憶部96は、冷蔵庫100に代えて、サーバ200に設けられてもよい。
【0073】
第3態様では、制御部91は、外部由来音の出力を一時停止させる場合、端末装置300に対して音データの送信を一時停止させるための要求(例えば、端末装置300上での音源コンテンツの再生を一時停止させるための要求)を送信する。この場合、制御部91は、端末装置300から冷蔵庫100に対する音データの送信が一時停止されることで、外部由来音の出力を一時停止させる。そして、制御部91は、スピーカ83から音声にて行う報知の終了に応じて、端末装置300に対して音データの送信を再開させるための要求(例えば、端末装置300上での音源コンテンツの再生を再開させるための要求)を送信する。この場合、制御部91は、端末装置300から冷蔵庫100に対する音データの送信が再開されることで、外部由来音の出力を再開させる。
【0074】
<3.6 端末装置に報知内容を知らせる通知が届く場合の態様>
次に、端末装置300に報知内容を知らせる通知が届く場合について説明する。本実施形態では、重要度4に対応する報知が行われる場合、スピーカ83とは別の報知部である端末装置300または表示装置36に報知内容を知らせる通知(例えばプッシュ通知)が届くことで報知が行われることがある。
【0075】
ここで、報知内容を知らせる通知が届く端末装置300は、冷蔵庫100に音データを送信している端末装置300(第1通信部81と接続中の端末装置300)に限らず、別の端末装置300(例えば、第2通信部82を介して情報送信が可能な端末装置300)でもよい。すなわち、報知内容を知らせる通知は、例えば、第1通信部81を介して端末装置300に直接送信されてもよく(この場合、音データと報知内容を知らせる通知とが同時に送受信されてもよく)、第2通信部82およびサーバ200を介して端末装置300に送信されてもよい。
【0076】
報知内容を知らせる通知が届く端末装置300は、例えば、報知通知の送信先としてサーバ200または冷蔵庫100に登録されている端末装置300である。報知通知の送信先として登録されている端末装置300は、例えば、ユーザUおよびユーザUの家族が使用する端末装置300である。
【0077】
これに代えて、報知内容を知らせる通知が届く端末装置300は、所定時間内に冷蔵庫100に対して近接を検知された端末装置300でもよい。これは、所定時間内に冷蔵庫100に対して近接を検知された端末装置300のユーザUは、自宅にいると推測されるためである。「所定時間内に冷蔵庫100に対して近接を検知された端末装置300」とは、例えば、所定時間内に第1通信部81と接続された端末装置300である。
【0078】
さらに上記例に代えて、報知内容を知らせる通知が届く端末装置300は、所定時間内に別の家電機器150の設定変更や操作(状態確認含む)を行った端末装置300でもよい。これは、所定時間内に別の家電機器150の操作(状態確認含む)を行ったユーザUは、自宅にいる可能性が高いと推測されるためである。以下、この態様の一例について詳しく説明する。
【0079】
図7は、外部機器検出履歴情報S3の内容の一例を示す図である。外部機器検出履歴情報S3は、冷蔵庫100または家電機器150の設定変更や操作、状態確認が行われたユーザUの端末装置300の検出履歴を示す情報である。このような検出は、冷蔵庫100または家電機器150の設定変更や操作、状態確認が行われた場合に、それら操作などがサーバ200または冷蔵庫100によって検出され、外部機器検出履歴情報S3に検出履歴として登録される。外部機器検出履歴情報S3に含まれる端末装置300は、例えば、父親の端末装置300(外部機器A)、母親の端末装置300(外部機器B)、および子供の端末装置300(外部機器C)など、複数の端末装置300が該当し得る。
【0080】
外部機器検出履歴情報S3は、冷蔵庫100の第1記憶部95に記憶されてもよく、サーバ200の記憶部に記憶されてもよい。外部機器検出履歴情報S3が冷蔵庫100の第1記憶部95に記憶される場合、制御部91は、外部機器検出履歴情報S3を参照することで、その時点の直前の所定時間内に検出された端末装置300を特定し、特定した端末装置300に報知内容を知らせる通知を送信する。外部機器検出履歴情報S3がサーバ200に記憶される場合、サーバ200は、外部機器検出履歴情報S3を参照することで、その時点の直前の所定時間内に検出された端末装置300を特定し、冷蔵庫100からサーバ200が受け取る通知を、特定した端末装置300に送信する。
【0081】
なお、報知内容を知らせる通知が届く端末装置300は、報知内容(言い換えると、報知の重要度)に応じて異なってもよい。例えば、ある報知内容を知らせる通知は、冷蔵庫100に音データを送信している端末装置300(第1通信部81と接続中の端末装置300)のみに送信されてもよい。一方で、別の報知内容を知らせる通知は、ユーザUおよびユーザUの家族の端末装置300に一斉送信されてもよい。
【0082】
<3.7 報知制御の流れの一例>
次に、制御部91による報知制御の流れの一例について説明する。
図8は、報知制御の流れの一例を示す図である。
図8は、冷蔵庫100の近くにユーザUがいない場合における制御の流れの一例を示す。前提として、
図8中の(a)に示すように、冷蔵庫100の近くにユーザUがいない状態で、スピーカ83から冷蔵庫本体MBに関する報知が行われたものとする。この場合、
図8中の(b)に示すように、制御部91は、報知を1回だけ行い、報知を停止する。
【0083】
次に、
図8中の(c)に示すように、制御部91は、冷蔵庫100の近くにユーザUがいることが近接センサ34によって検知された場合、スピーカ83から冷蔵庫本体MBに関する報知を再度行う。これに代えて、
図8中の(d)に示すように、制御部91は、冷蔵庫100の扉31をユーザUが開くことが扉開閉検知センサ33によって検知された場合、スピーカ83から冷蔵庫本体MBに関する報知を再度行ってもよい。
【0084】
<3.8 出力の優先順位>
次に、出力の優先順位(すなわちスピーカ83からの出力順)について説明する。ここで、「音楽」、「設定変更」の報知、「状態変更」の報知、「異常」の報知の4つ出力の優先順位について説明する。これら4つの出力は、互いに出力タイミングが重なることがあり得る。この場合、制御部91は、音楽<設定変更<状態変更<異常の順である優先順位に従ってスピーカ83から出力(報知)を行う。すなわち、これら4つのうち2つ以上の出力のタイミングが重なる場合、優先順位が最も高い出力(例えば「異常」に関する報知)をまず行い、その後、上位順に下位の報知を行う。これにより、重要な情報を優先的にユーザUに伝えることができる。本実施形態では、スピーカ83から「音楽」が出力されている最中に「設定変更」、「状態変更」、または「異常」に関する報知が行われても、上位順に1回ずつ行われればそれら報知は終了し、音楽の出力が再開される。
【0085】
また本実施形態では、操作パネル部35の操作部35aを操作した場合の操作音(例えばプッシュ音)は、ブザー84により出力される。ブザー84による報知(操作音の出力)は、上述したスピーカ83からの4つの出力の優先順位の対象外となる。すなわち、操作パネル部35の操作部35aがユーザUによって操作された場合、スピーカ83から出力されている報知の内容に関わらず、スピーカ83から出力されている音と同時にブザー84から操作音が出力される。これにより、どんな状態でもユーザUは操作部35aを操作できたか否かを容易に認識することができる。
【0086】
<3.9 スピーカから出力される音の音量に関する制御>
次に、スピーカ83から出力される音の音量に関する制御について説明する。
まず、1つの制御態様について説明する。本実施形態では、制御部91は、扉開閉検知センサ33によって扉31が開かれたことが検知された場合、扉31が閉じられている状態と比べて、スピーカ83から出力される音の音量を小さくする。音量を小さくする対象は、外部由来音と、冷蔵庫本体MBに関する報知の音声とのうち、外部由来音だけでもよいし、外部由来音および報知の音声の両方でもよい。扉31が開かれる場合、スピーカ83の近くにユーザUがいることが想定されるため、通常と比べて音量を小さくする。一方で、扉開閉検知センサ33によって扉31が開かれたことが検知された場合でも、ブザー84の音量は変更されなくてもよい。
【0087】
次に、別の制御態様について説明する。本実施形態では、制御部91は、一日24時間のなかで特定の時間帯(例えば夜に対応する時間帯)において、それ以外の時間帯と比べて、スピーカ83から出力される音の音量を小さくする。音量を小さくする対象は、外部由来音と、冷蔵庫本体MBに関する報知の音声とのうち、外部由来音だけでもよいし、外部由来音および報知の音声の両方でもよい。なお、制御部91は、相対的に重要度が高い一部の報知(例えば「異常」に関する報知)をスピーカ83から場合、上記特定の時間帯でも、音量を小さくしない。これにより、ユーザUは、冷蔵庫100の異常をより確実に知ることができる。なお、スピーカ83から出力される音の音量を小さくする上記特定の時間帯は、ユーザUによって設定可能(変更可能)であってもよい。
【0088】
<3.10 冷蔵庫と端末装置との接続が切れた場合の制御>
ここではまず、第1通信部81と端末装置300との接続が意図せず切れた場合の制御について説明する。この場合、まず、制御部91は、スピーカ83からの外部由来音の出力を中断する。その結果、外部由来音は、端末装置300のスピーカから出力される。次に、制御部91は、第1通信部81と端末装置300との接続が解除されたことを示す解除アナウンスをスピーカ83から出力する。この場合、端末装置300も独自で、同様の解除アナウンスを表示または音声にて報知する。
【0089】
次に、第1通信部81と端末装置300との接続が意図せず切れた後に、第1通信部81と端末装置300とが再接続された場合の制御について説明する。この場合、まず、制御部91は、第1通信部81と端末装置300とが再接続されたことを示す接続アナウンスをスピーカ83から出力する。そして、制御部91は、スピーカ83からの外部由来音の出力を再開する。外部由来音の再開場所は、端末装置300の制御内容に依存する。例えば、第1通信部81と端末装置300との接続が意図せず切れた後、端末装置300のスピーカから外部由来音が出力される場合、外部由来音の再開場所は、端末装置300のスピーカから出力された外部由来音の続きの場所からとなる。
【0090】
<4.利点>
【0091】
本実施形態では、制御部91は、スピーカ83から外部由来音が出力されていないまたは外部由来音の出力が抑制されている第1状態(例えば、端末装置300にスピーカ83を貸していないとき)と、スピーカ83から外部由来音が出力されている第2状態(例えば、端末装置300にスピーカ83を貸している)とで、冷蔵庫本体MBに関する報知の制御を異ならせる。このような構成によれば、スピーカ83が使用されていない状態では報知の出力を優先するとともに、スピーカ83が使用されている第2状態では、ユーザUが再生中の音源コンテンツの出力を場合に応じて優先し得る。これにより、ユーザUは、より快適に冷蔵庫100のスピーカ83を利用できるようになる。その結果、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0092】
本実施形態では、第1状態は、端末装置300と第2通信部82とが通信可能に接続されておりスピーカ83から外部由来音が出力されていないまたは外部由来音の出力が抑制されている待機状態を含む。制御部91は、第2状態と、待機状態とで、冷蔵庫本体MBに関する報知の制御を異ならせる。このような構成によれば、上記待機状態であれば、報知の出力を優先することで、より確実に報知をユーザに知らせることができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0093】
本実施形態では、制御部91は、冷蔵庫本体MBに関する所定の報知(例えば重要度7の報知)を行う場合、第1状態ではスピーカ83から所定の報知を行い、第2状態では外部由来音の出力を一時停止させてスピーカ300部から所定の報知を行う。このような構成によれば、外部由来音の出力を一時停止させて報知が行われるため、ユーザUは、報知の内容をより確実に知ることができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0094】
本実施形態では、制御部91は、冷蔵庫本体MBに関する所定の報知(例えば重要度6の報知)を行う場合、第1状態ではスピーカ83から所定の報知を行い、第2状態では外部由来音の音量を下げてスピーカ83から所定の報知を行う。このような構成によれば、このような構成によれば、外部由来音の音量を下げて報知が行われるため、ユーザUは、報知の内容を比較的確実に知ることができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0095】
本実施形態では、制御部91は、冷蔵庫本体MBに関する所定の報知(例えば重要度5)の報知を行う場合、第1状態ではスピーカ83から所定の報知を行い、第2状態では外部由来音の出力が終了することを待ってスピーカ83から報知を行う。このような構成によれば、急ぎでない報知については、ユーザUが楽しんでいる音源コンテンツの再生を優先し、その後の音声にて報知を行うことができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0096】
本実施形態では、制御部91は、冷蔵庫本体MBに関する所定の報知(例えば重要度3,4の報知)を行う場合、第1状態ではスピーカ83から所定の報知を行い、第2状態ではスピーカ83とは異なる報知部により所定の報知を行う。このような構成によれば、ユーザUが楽しんでいる音源コンテンツの再生を邪魔することを抑制しつつ、報知内容をユーザUに知らせることができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0097】
本実施形態では、制御部91は、冷蔵庫本体MBに関する所定の報知を行う場合、第1状態ではスピーカ83から所定の報知を行い、第2状態では所定の報知を行わない。このような構成によれば、ユーザUが楽しんでいる音源コンテンツの再生を邪魔することをより高いレベルで抑制することができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0098】
本実施形態では、制御部91は、冷蔵庫本体MBに関する第1報知を行う場合、第1状態ではスピーカ83から第1報知を行い、第2状態では端末装置300からの要求を伴わずに端末装置300に通知が届く第1態様で第1報知を行う。一方で、制御部91は、冷蔵庫本体MBに関する第1報知よりも重要度が低い第2報知を行う場合、第1状態ではスピーカ83から第2報知を行い、第2状態では端末装置300からの要求に応じて端末装置300に通知が届く第2態様で第2報知を行う。このような構成によれば、報知のレベルに応じて、音源コンテンツの再生を邪魔するレベルを変更することができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0099】
本実施形態では、制御部91は、冷蔵庫本体MBに関する所定の報知を行う場合であって、当該所定の報知がユーザUによって設定された制御と関係する場合、第1状態ではスピーカ83から所定の報知を行い、第2状態では、外部由来音の出力を一時停止させてまたは外部由来音の音量を一時的に下げて、スピーカ83から所定の報知を行う。一方で、制御部91は、冷蔵庫本体MBに関する所定の報知を行う場合であって、当該所定の報知がユーザによって設定された制御と関係しない場合、第1状態ではスピーカ83から所定の報知を行い、第2状態では、外部由来音の出力が終了することを待ってスピーカ83から所定の報知を行う、スピーカ83とは異なる報知部により所定の報知を出力する、または、所定の報知を出力しない。このような構成によれば、ユーザUが完了を気にしている制御の完了に関してはユーザUが気付きやすい態様で報知し、ユーザUが完了をあまり気にしていない制御に関してはユーザUの気付きやすさよりも音源コンテンツの再生を優先することができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0100】
<5.変形例>
上述した実施形態では、例えば重要度7または重要度6の報知を行う場合、第2状態では、外部由来音を一時停止させて、または外部由来音の音量を下げて、スピーカ83から報知が行われる。これに代えて、制御部91は、外部由来音を一時停止させるまたは外部由来音の音量を下げることを伴う報知を行う場合、先に、報知内容を知らせる通知(例えばプッシュ通知)を端末装置300または表示装置36に送信し、端末装置300または表示装置36で報知内容を知らせる通知を表示させてもよい。そして、上記通知に対する反応(例えば上記通知に対する確認処理)が行われない場合に、制御部91は、外部由来音を一時停止させて、または外部由来音の音量を下げて、スピーカ83から報知を行ってもよい。このような構成によれば、音源コンテンツの再生を邪魔することをよりレベルで回避しつつ、報知内容をユーザUに知らせることができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0101】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷蔵庫は、音出力部から外部由来音が出力されていないまたは外部由来音の出力が抑制されている第1状態と、音出力部から外部由来音が出力されている第2状態とで、冷蔵庫本体に関する報知の制御を異ならせる制御部を持つ。このような構成によれば、利便性の向上を図ることができる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0103】
100…冷蔵庫、MB…冷蔵庫本体、81…第1通信部(通信部)、82…第2通信部、83…スピーカ(音出力部)、84…ブザー、91…制御部、200…サーバ、300…端末装置(外部装置)。