IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライフスタイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-衣類乾燥機 図1
  • 特許-衣類乾燥機 図2
  • 特許-衣類乾燥機 図3
  • 特許-衣類乾燥機 図4
  • 特許-衣類乾燥機 図5
  • 特許-衣類乾燥機 図6
  • 特許-衣類乾燥機 図7
  • 特許-衣類乾燥機 図8
  • 特許-衣類乾燥機 図9
  • 特許-衣類乾燥機 図10
  • 特許-衣類乾燥機 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】衣類乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20241225BHJP
【FI】
D06F58/02 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021138960
(22)【出願日】2021-08-27
(65)【公開番号】P2023032681
(43)【公開日】2023-03-09
【審査請求日】2024-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】濱野 風海
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-200513(JP,A)
【文献】特公昭49-036180(JP,B1)
【文献】特開2021-101785(JP,A)
【文献】特開平02-169920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 58/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を収容可能な乾燥室と、
前記乾燥室の外部に設けられ前記乾燥室内の空気を循環可能に構成された循環風路と、
前記循環風路内の空気を加熱する加熱装置と、
前記循環風路の途中に設けられて前記循環風路内を流れる空気の一部を前記循環風路の外部に排気可能な排気部と、
回動により前記排気部を開閉可能な開閉部材と、前記開閉部材の回動の支点となる回動軸部と、前記回動軸部を支点に前記開閉部材を回動させる駆動部と、を有する開閉機構と、を備え、
前記排気部は、前記開閉部材が閉じた場合に前記開閉部材が前記循環風路の外面に対向する領域である対向領域のうち、前記回動軸部側の端部である基端部と前記回動軸部とは反対側の端部である先端部との中心よりも前記基端部側に設けられており、かつ、前記先端部側に設けられておらず、
前記駆動部は、前記回動軸部の一方の端部側に設けられ、
前記排気部は、前記対向領域のうち前記回動軸部の軸方向において前記駆動部とは反対側の端部から所定範囲内には設けられていない、
衣類乾燥機。
【請求項2】
衣類を収容可能な乾燥室と、
前記乾燥室の外部に設けられ前記乾燥室内の空気を循環可能に構成された循環風路と、
前記循環風路内の空気を加熱する加熱装置と、
前記循環風路の途中に設けられて前記循環風路内を流れる空気の一部を前記循環風路の外部に排気可能な排気部と、
回動により前記排気部を開閉可能な開閉部材と、前記開閉部材の回動の支点となる回動軸部と、前記回動軸部を支点に前記開閉部材を回動させる駆動部と、を有する開閉機構と、を備え、
前記排気部は、前記開閉部材が閉じた場合に前記開閉部材が前記循環風路の外面に対向する領域である対向領域のうち、前記回動軸部側の端部である基端部と前記回動軸部とは反対側の端部である先端部との中心よりも前記基端部側に設けられており、かつ、前記先端部側に設けられておらず、
前記排気部を構成する複数の穴が、前記回動軸部に沿った方向において、両端側に位置する前記穴と前記対向領域の端部との距離が当該方向における各前記穴の寸法よりも小さくなるように前記対向領域に設けられている、
衣類乾燥機。
【請求項3】
前記排気部は、前記対向領域のうち前記基端部側から前記先端部側へ向かって1/3の範囲内に設けられている、
請求項1または2に記載の衣類乾燥機。
【請求項4】
衣類を収容可能な乾燥室と、
前記乾燥室の外部に設けられ前記乾燥室内の空気を循環可能に構成された循環風路と、
前記循環風路内の空気を加熱する加熱装置と、
前記循環風路の途中に設けられて前記循環風路内を流れる空気の一部を前記循環風路の外部に排気可能な排気部と、
回動により前記排気部を開閉可能な開閉部材と、前記開閉部材の回動の支点となる回動軸部と、前記回動軸部を支点に前記開閉部材を回動させる駆動部と、を有する開閉機構と、を備え、
前記排気部は、前記開閉部材が閉じた場合に前記開閉部材が前記循環風路の外面に対向する領域である対向領域のうち、前記回動軸部側の端部である基端部から前記回動軸部とは反対側の端部である先端部側へ向かって当該排気部の面積が小さくなる、
衣類乾燥機。
【請求項5】
毎分5m^3以上の風量の空気を送風可能に構成されて前記循環風路の空気を送風する送風装置を更に備えている、
請求項1からのいずれか一項に記載の衣類乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、衣類乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乾燥室内の空気を循環風路内に設けた加熱装置によって加熱し、加熱によって生成された温風を再び乾燥室内に戻して循環させることで、乾燥室の衣類を乾燥させる衣類乾燥機がある。このような構成において、循環風路内の空気の一部を能動的に排気させる開閉機構を備えることで、加熱装置の立ち上がりの促進を図る構成がある。開閉機構は、例えば循環風路の内部と外部とを連通する排気部や、この排気部を能動的に開閉可能なダンパ、及びダンパを駆動するモータ等を有して構成される。
【0003】
ここで、乾燥の効率を更に上げて運転時間を更に短縮するためには、乾燥室へ供給する温風の風量を増大させることが有効である。しかし、風量を増大させると、ダンパに加わる風圧が大きくなり、その風圧によってダンパが開いて隙間が生じるおそれがある。すると、その隙間から循環風路内の温風が意図せず逃げてしまい、その結果、循環風路内の空気の温度が下がって乾燥効率が低下してしまうことになる。そのため、従来、風量を増大させるためには、ダンパやモータを大型化等して、増大した風圧に対抗してダンパが意図せず開かないようにダンパをより大きな力で押さえる必要があった。したがって、従来構成では、風量を増大させようとすると、ダンパやモータが大型化してしまい、ひいては衣類乾燥機全体の大型化等を招いてしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-10959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、開閉機構の大型化を抑制しつつ循環風路から排気される空気の風量を確保することができる衣類乾燥機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の衣類乾燥機は、衣類を収容可能な乾燥室と、前記乾燥室の外部に設けられ前記乾燥室内の空気を循環可能に構成された循環風路と、前記循環風路内の空気を加熱する加熱装置と、前記循環風路の途中に設けられて前記循環風路内を流れる空気の一部を前記循環風路の外部に排気可能な排気部と、回動により前記排気部を開閉可能な開閉部材と、前記開閉部材の回動の支点となる回動軸部と、前記回動軸部を支点に前記開閉部材を回動させる駆動部と、を有する開閉機構と、を備える。
【0007】
前記排気部は、前記開閉部材が閉じた場合に前記開閉部材が前記循環風路の外面に対向する領域である対向領域のうち、前記回動軸部側の端部である基端部と前記回動軸部とは反対側の端部である先端部との中心よりも前記基端部側に設けられており、かつ、前記先端部側に設けられていない。
【0008】
又は、前記排気部は、前記開閉部材が閉じた場合に前記開閉部材が前記循環風路の外面に対向する領域である対向領域のうち、前記回動軸部側の端部である基端部から前記回動軸部とは反対側の端部である先端部側へ向かって当該排気部の面積が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態による衣類乾燥機の構成の一例を概略的に示す縦断面図
図2】第1実施形態による衣類乾燥機について循環風路周辺の構成の一例を概略的に示す図
図3】第1実施形態による衣類乾燥機について排気部周辺の構成の一例を概略的に示す縦断面図
図4】第1実施形態による衣類乾燥機について排気部周辺の構成の一例を概略的に示す平面図
図5】第2実施形態による衣類乾燥機について排気部周辺の構成の一例を概略的に示す平面図
図6】第3実施形態による衣類乾燥機について排気部周辺の構成の第1の例を概略的に示す平面図
図7】第3実施形態による衣類乾燥機について排気部周辺の構成の第2の例を概略的に示す平面図
図8】第3実施形態による衣類乾燥機について排気部周辺の構成の第3の例を概略的に示す平面図
図9】第3実施形態による衣類乾燥機について排気部周辺の構成の第4の例を概略的に示す平面図
図10】第4実施形態による衣類乾燥機について排気部周辺の構成の第1の例を概略的に示す平面図
図11】第4実施形態による衣類乾燥機について排気部周辺の構成の第2の例を概略的に示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、複数の実施形態による衣類乾燥機について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
まず、図1から図4を参照して第1実施形態について説明する。図1及び図2に示す洗濯乾燥機10は、本実施形態の衣類乾燥機の適用例である。図1及び図2に示す洗濯乾燥機10は、洗濯機能及び乾燥機能を備えた横軸または斜め軸型のドラム式洗濯機である。なお、本実施形態の衣類乾燥機は、洗濯機能及び乾燥機能を備えた縦軸型のいわゆる全自動洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態の衣類乾燥機は、洗濯機能を有さない例えば乾燥専用の構成にも適用することができる。
【0012】
図1及び図2に示すように、洗濯乾燥機10は、外箱11、扉12、外槽13、回転槽14、モータ15、排水機構16、送風装置17、循環風路20、及び加熱装置30を備えている。なお、本実施形態において、外箱11に対して扉12側つまり図1の紙面左側を洗濯乾燥機10の前側とする。外箱11は、例えばステンレス鋼板等によって矩形の中空箱状を形成しており、洗濯乾燥機10の外郭を構成している。外箱11は、前側部分に外箱11の内部と外部とを連通する衣類出入口111を有している。
【0013】
扉12は、外箱11の前部に設けられており、衣類出入口111を開閉可能に構成されている。ユーザは、扉12を開いた状態で、衣類出入口111を通じて衣類を回転槽14に投入し、又は取り出すことができる。
【0014】
外槽13は、前側が開口した有底円筒状に形成されている。本実施形態の場合、外槽13は、内部に水を貯留することができ、この場合、水槽として機能する。外槽13は、循環出口131及び循環入口132を有している。循環出口131は、例えば外槽13の筒状部分を構成する周壁の上部前寄り部分にあって、外槽13の左右方向の中心つまり外槽13の筒状の外周面の最頂部から左右方向へ離れた位置に設けられている。循環入口132は、例えば外槽13の底部において底部の上下方向の中心よりやや上寄り部分に設けられている。循環出口131及び循環入口132は、外槽13の内部と外部とを連通している。
【0015】
回転槽14は、衣類を収容可能な有底円筒状に形成されており、外槽13の内部に回転可能に収容されている。回転槽14の回転軸は、外槽13の中心軸に重なっている。回転槽14は、複数の連通孔141を有している。連通孔141は、回転槽14の内部と外部とを連通している。連通孔141は、回転槽14の円筒状の筒状部分を構成する周壁及び回転槽14の底部の全域に形成されている。連通孔141は、洗濯運転時及び脱水運転時には、主に水が出入りする通水孔として機能し、乾燥運転時には空気が出入りする通風孔として機能する。回転槽14は、外槽13と共に、乾燥運転時に内部に衣類を収容して衣類の乾燥を行う乾燥室を構成する。
【0016】
モータ15は、例えば外槽13の底部外側に設けられている。モータ15の回転軸151の先端側は、外槽13の内部に突出して回転槽14に接続されている。モータ15は、例えばアウタロータ型のダイレクトドライブモータを用いることができる。モータ15は、外槽13に対して回転槽14を相対的に回転させる。この場合、モータ15の回転軸151、外槽13の中心軸、及び回転槽14の回転軸は、それぞれ一致している。
【0017】
排水機構16は、外槽13の内部に貯留された水を、洗濯乾燥機10の機外へ排出する機能を有する。排水機構16は、排水弁161と排水管162とを含んで構成されている。排水弁161は、電磁駆動式の液体用の開閉弁である。排水弁161は、外槽13内から排水機構16を介して機外に至る排水経路を開閉する。なお、洗濯乾燥機10は、詳細は図示しないが、給水機構も備える。図示しない給水機構は、例えば水道等の外部の給水源に接続されて、外部の給水源から供給された水を外槽13内へ供給する機能を有する。
【0018】
循環風路20は、乾燥室である外槽13及び回転槽14の外部に設けられており、外槽13及び回転槽14内の空気を循環可能に構成されている。循環風路20は、循環出口131と循環入口132とを繋いでいる。循環風路20は、外槽13内の空気を循環出口131から循環風路20内に取り込み、取り込んだ空気を加熱装置30の作用により温風にした後、その温風を循環入口132から外槽13内へ供給する機能を有する。
【0019】
循環風路20は、例えば排気ダクト21、フィルタ箱体22、接続ダクト23、熱交換部24、及び給気ダクト25を含んで構成することができる。排気ダクト21、フィルタ箱体22、接続ダクト23、熱交換部24、及び給気ダクト25は、循環風路20を流れる空気の流れに沿って順に配置されている。
【0020】
排気ダクト21は、外槽13の循環出口131とフィルタ箱体22とを繋ぐダクトである。排気ダクト21は、例えば可撓性を有するホース等で構成することができる。フィルタ箱体22は、図3にも示すように、例えば樹脂製であって一方向、例えば前後方向に長く、剛性を有する容器状の部材で構成することができる。フィルタ箱体22の内部には、例えば目の粗さが異なる2つのフィルタ部材261、262が着脱可能に設けられる。2つのフィルタ部材261、262は、循環風路20内を流れる空気に含まれるリントや異物を捕集する。この場合、2つのフィルタ部材261、262のうち上流側を第1フィルタ部材261とし、下流側を第2フィルタ部材262とすると、下流側の第2フィルタ部材262は、上流側の第1フィルタ部材261よりも目が細かい。
【0021】
フィルタ箱体22は、例えば2つのフィルタ部材261、262がフィルタ箱体22に出し入れ可能となるように、箱状の上面の一部が開口している。この場合、外箱11には、着脱口部112が形成されている。着脱口部112は、外箱11を貫いて形成されており、フィルタ箱体22の内部に連通している。2つのフィルタ部材261、262は、着脱口部112を通してフィルタ箱体22に出し入れされる。
【0022】
この場合、洗濯乾燥機10は、蓋体18を更に備える構成とすることができる。蓋体18には、第1フィルタ部材261が取り付けられており、第1フィルタ部材261と共にフィルタ箱体22に着脱可能に構成されている。蓋体18は、フィルタ箱体22に取り付けられた場合に着脱口部112を閉塞するとともに、外箱11の上面のうち蓋体18の周囲の面と同一面上に配置されて、外箱11の上面つまり洗濯乾燥機10の上面を構成する。
【0023】
接続ダクト23は、フィルタ箱体22と熱交換部24とを繋ぐダクトである。熱交換部24は、外箱11の内側下部でかつ外槽13及び回転槽14の下方に設けられている。外槽13から循環風路20に取り込まれた空気は、熱交換部24を通過する際に除湿及び加熱されて乾燥した温風となる。給気ダクト25は、熱交換部24と外槽13の循環入口132とを繋ぐダクトである。
【0024】
加熱装置30は、循環風路20内の空気を除湿及び加熱して温風を生成する機能を有する。本実施形態の場合、加熱装置30は、冷凍サイクルを備えるヒートポンプユニットで構成することができる。なお、本実施形態では、加熱装置30をヒートポンプユニット30と称することがある。ヒートポンプユニット30は、ヒータ式に比べて低温となる約60℃~70℃程度の温風を生成可能である。
【0025】
図2等に示すように、ヒートポンプユニット30は、蒸発器31、凝縮器32、圧縮機33、及び膨張弁34等を有している。蒸発器31及び凝縮器32は、熱交換部24内に設けられている。蒸発器31は、乾燥運転時における熱交換部24内の空気の流れに対して、凝縮器32よりも上流側に設けられている。蒸発器31及び凝縮器32は、熱交換部24の外側に設けられた圧縮機33とともに、ヒートポンプ機構すなわち冷凍サイクルを構成する。熱交換部24内を通る空気は、蒸発器31によって冷却され、これにより除湿される。蒸発器31によって除湿された空気は、その後、凝縮器32によって加熱されて温風になる。
【0026】
熱交換部24の下流側は、給気ダクト25によって外槽13の循環入口132に接続されている。送風装置17は、例えば熱交換部24と給気ダクト25との接続部分に設けることができる。本実施形態の場合、送風装置17は、凝縮器32の下流側でかつ循環入口132の上流側に設けられている。送風装置17は、例えばシロッコファンなどで構成することができる。送風装置17は、熱交換部24内の空気を吸い込み、給気ダクト25側へ吐出する。これにより、熱交換部24で除湿及び加熱された温風は、送風装置17の送風作用によって、循環入口132から外槽13、さらには回転槽14内へ供給される。
【0027】
送風装置17は、例えば毎分5m^3以上の風量の空気を送風可能な構成とすることができる。この場合、洗濯乾燥機10は、例えば少なくともヒートポンプユニット30の立ち上がりが終わった後に毎分5m^3以上の風量の空気を送風する期間を有する乾燥運転を実行可能である。
【0028】
図2から図4にも示すように、洗濯乾燥機10は、排気部41、及び開閉機構50を更に備えている。排気部41は、循環風路20の途中に設けられており、循環風路20内を流れる空気の一部を循環風路20の外部に排気する機能を有する。なお、各図において、循環風路20内を循環する空気の流れの一例を白抜き矢印で示し、排気部41から循環風路20の外部に排出される空気の流れの一例を実線矢印で示している。
【0029】
外箱11には、開口部113が設けられている。開口部113は、外箱11のうち排気部41に対応する部分、例えば外箱11のうち排気部41に最も近い箇所を貫いて形成されており、外箱11の内部と外部とを連通している。排気部41から循環風路20の外部に排気された空気は、開口部113から機外すなわち外箱11の外部に排気される。
【0030】
排気部41は、例えばフィルタ箱体22に設けることができる。排気部41は、例えばフィルタ箱体22の上面の平坦面部分を貫いて形成されており、フィルタ箱体22の内部と外部とを連通している。すなわち、排気部41の周囲の面は、平坦面に形成されている。
【0031】
開閉機構50は、排気部41を能動的に開閉する機能を有する。開閉機構50は、例えばフィルタ箱体22に設けることができる。開閉機構50は、図3及び図4に示すように、開閉部材51、回動軸部52、及び駆動部53を有して構成することができる。開閉部材51は、例えば剛性を有する樹脂製であって矩形の平坦な板状の部材で構成することができる。開閉部材51は、排気部41側へ回動することにより、排気部41の全体を覆って排気部41全体を閉じることできる。また、開閉部材51は、排気部41から離れる方向へ回動することにより、排気部41の全体を開放することができる。
【0032】
開閉部材51は、例えばフィルタ箱体22の外側面に設けて、外開きの構成とすることができる。この場合、開閉部材51は、フィルタ箱体22から離れる方向へ回動することにより、排気部41を開く。また、開閉部材51は、フィルタ箱体22に近づく方向へ回動しフィルタ箱体22の外面に接することで排気部41を閉じる。開閉部材51は、詳細は図示しないが、排気部41を閉じた際にフィルタ箱体22と接触する部分に柔軟性を有するゴム材やクッション材等を設ける構成としても良い。これにより、開閉部材51が閉じた際にフィルタ箱体22との密着性を向上させることができる。
【0033】
回動軸部52は、開閉部材51の回動の支点となる部分であり、例えば開閉部材51の一つの端部、すなわち例えば矩形状の開閉部材51の一つの辺部に沿って設けられている。なお、以下の説明において、開閉部材51のうち回動軸部52側の端部つまり回動軸部52が設けられている側の端部を基端部P1と称し、回動軸部52とは反対側の端部つまり回動軸部52が設けられていない側の端部を先端部P2と称することがある。また、開閉部材51において回動軸部52の軸方向を開閉部材51の幅方向と称し、開閉部材51において回動軸部52の軸方向に対する直角方向を開閉部材51の長さ方向と称することがある。
【0034】
回動軸部52は、開閉部材51と一体に構成することもできるし、別体に構成することもできる。回動軸部52と開閉部材51とを一体に構成する場合、回動軸部52は、例えば開閉部材51の両端部から外側へ突出した部分で構成することができる。また、回動軸部52と開閉部材51とを別部材で構成する場合、回動軸部52は、例えば円柱状の部材で構成することができる。回動軸部52の両端部分は、例えばフィルタ箱体22に取り付けられる。これにより、回動軸部52は、フィルタ箱体22に対して開閉部材51を回動可能に接続している。
【0035】
回動軸部52は、図4に示すように、例えば循環風路20内の空気が流れる方向、この場合、フィルタ箱体22内の空気が流れる方向に対して、直角方向へ延びるように配置することができる。すなわち、この場合、回動軸部52の軸方向は、フィルタ箱体22内の空気が流れる方向に対して直角方向へ延びている。また、回動軸部52は、開閉部材51のうち回動軸部52とは反対側の端部に対して、上流側に配置することができる。すなわち、本実施形態の場合、開閉部材51の基端部P1は、開閉部材51の先端部P2に対して上流側に配置されている。
【0036】
駆動部53は、回動軸部52を支点に開閉部材51を回動させる機能を有する。駆動部53は、電気駆動式のアクチュエータであり、例えばモータやソレノイド等で構成することができる。駆動部53は、例えば回動軸部52の一方の端部に接続されており、回動軸部52を介して開閉部材51を回動させる。駆動部53は、例えば洗濯乾燥機10が備える図示しない制御装置から制御を受けて駆動する。
【0037】
次に、排気部41の具体的形状について図4を参照して説明する。なお、図4においては、排気部41の領域と、排気部41以外の領域とを区別し易いように、排気部41の領域内に斜線を付して示している。また、開閉部材51が閉じた場合に開閉部材51が循環風路20の外面に対向する領域つまり開閉部材51が覆う領域を、対向領域Aと称する。そして、対向領域Aは、例えば図4の二点鎖線で示す内側の領域となる。また、開閉部材51の長さ方向の寸法、すなわち対向領域Aにおける基端部P1から先端部P2までの寸法をLとする。対向領域Aの長さ方向及び幅方向は、開閉部材51を閉じた状態における長さ方向及び幅方向に一致する。
【0038】
本実施形態の場合、排気部41は、基端部P1と先端部P2との中心Oよりも基端部P1側の領域内に設けられている。すなわち、排気部41は、対向領域Aにおける基端部P1側から先端部P2側へ向かってL/2の領域内に設けられている。換言すれば、排気部41は、対向領域Aの長さ方向の中心Oよりも基端部P1側に設けられており、先端部P2側には設けられていない。
【0039】
排気部41は、空気の流れ方向に沿って延びる、すなわち対向領域Aの長さ方向に沿って延びる複数の矩形又は長円の穴411つまりスリット411で構成することができる。この場合、各穴411の長さ寸法は、L/2以下に設定されている。また、対向領域Aの幅方向について見ると、各穴411は、対向領域Aの幅方向の端部の近傍まで設けられている。なお、本明細書において対向領域Aの幅方向の端部の近傍とは、各穴411の幅方向における両端側の穴411と対向領域Aの幅方向の端部との間の距離が各穴411の幅方向の寸法よりも小さいことを意味する。
【0040】
以上説明した実施形態によれば、洗濯乾燥機10は、外槽13及び回転槽14と、循環風路20と、加熱装置30と、排気部41と、開閉機構50と、を備える。外槽13及び回転槽14は、衣類を収容可能な乾燥室を構成する。循環風路20は、乾燥室である外槽13及び回転槽14の外部に設けられており、外槽13及び回転槽14内の空気を循環可能に構成されている。加熱装置30は、循環風路20内の空気を加熱する機能を有する。
【0041】
開閉機構50は、開閉部材51と、回動軸部52と、駆動部53と、を有している。開閉部材51は、回動により排気部41を開閉可能に構成されている。回動軸部52は、開閉部材51の回動の支点として機能する。駆動部53は、回動軸部52を支点に開閉部材51を回動させる機能を有する。
【0042】
そして、排気部41は、対向領域Aのうち、回動軸部52側の端部である基端部P1と、回動軸部52とは反対側の端部である先端部P2との中心Oよりも基端部P1側に設けられており、かつ、先端部P2側に設けられていない。
【0043】
これによれば、循環風路20内の空気の一部が排出される排気部41を、対向領域Aにおいて先端部P2側には設けずに、基端部P1側つまり回動軸部52側に集約して設けることで、開閉部材51の先端部P2側に風圧が作用することを抑制できる。これにより、排気部41から排出される空気の風圧に対抗するため、つまり開閉部材51が浮き上がってしまうことを防止するために、開閉部材51を重くしたり、駆動部53の出力を増大させたりする必要がなくなる。その結果、開閉機構50の大型化を抑制しつつ循環風路20から排気される空気の風量を確保することができる。
【0044】
また、排気部41を、複数の小さな穴411で構成することにより、例えば洗濯乾燥機10の上面に置いてあったヘアピン等の小物が誤って開口部113から外箱11内に落下してしまったとしても、その小物が排気部41から循環風路20内に入り込んでしまうことを抑制できる。
【0045】
そして、本実施形態で説明した排気部41及び開閉機構50の構成は、温風の生成方式としてヒートポンプ方式を採用した衣類乾燥機により好適である。すなわち、衣類乾燥機における乾燥用の温風の生成方式としては、ヒートポンプユニットを用いたヒートポンプ方式と、ヒータを用いたヒータ方式と、がある。本実施形態のようなヒートポンプ方式の衣類乾燥機10は、外槽13及び回転槽14内の空気を、循環風路20内に設けた蒸発器31及び凝縮器32に通して循環させることで、外槽13及び回転槽14内の空気を除湿及び加熱して温風を生成する。そして、生成された温風が外槽13及び回転槽14内の衣類を温めて衣類から湿気を奪うことで、衣類の乾燥が行われる。
【0046】
このようなヒートポンプ方式は、ヒータ式に比べて立ち上がりが遅く、空気の温度上昇が緩やかである。そのため、循環風路20内の空気の一部を排気可能な排気部42や、この排気部42を能動的に開閉可能な開閉機構50を備えることで、ヒートポンプユニット30の立ち上がりの促進をより効果的に図ることができる。
【0047】
すなわち、本実施形態における衣類乾燥機10は、乾燥運転の初期つまりヒートポンプユニット30の立ち上がりの時期においては排気部42を開いて循環風路20内の空気の一部を外部に排出する。これにより、乾燥運転の初期においては、衣類から湿気を多く奪った空気が排気部42から外部へ排出されて、ヒートポンプユニット30の立ち上がりが促進される。そして、乾燥運転の中期以降つまりヒートポンプユニット30が立ち上がった後は、排気部42を閉じて外槽13及び回転槽14内の空気のほぼ全てを循環させる。これにより、乾燥運転の中期以降においては、高温となって循環風路20を循環する空気が外部へ排出されることなく凝縮器32で加熱されるため、空気の温度が維持されるとともに温度上昇が促進される。
【0048】
ここで、ヒートポンプ方式によって生成される温風は60℃~70℃程度であり、ヒータ方式に見られるような100℃を超えるものではないことから、ヒートポンプユニット30で生成される温風は、ヒータで生成される温風に比べて単位容量当たりの水分の取り込み量が少ない。このため、本実施形態のようなヒートポンプ方式の衣類乾燥機10において、乾燥の効率を更に上げて運転時間を更に短縮するためには、風量を増大させることが有効である。
【0049】
しかし、風量を増大させると、開閉部材51に加わる風圧が大きくなる。この場合、排気部42が従来構成のものだと、その風圧によって開閉部材51が浮き開いて隙間が生じるおそれがある。すると、その隙間から循環風路20内の温風が意図せず逃げてしまい、その結果、循環風路20内の空気の温度が下がって乾燥効率が低下してしまうことになる。この場合、増大した風圧による開閉部材51の浮きを抑制するためには、開閉部材51や駆動部53を大型化等して、増大した風圧に対抗して開閉部材51をより大きな力で押さえることが一般的である。しかしながら、この場合、開閉機構50が大型化してしまい、ひいては衣類乾燥機10全体の大型化等を招いてしまうおそれがある。
【0050】
これに対し、本実施形態によれば、上述したように、排気部42の形状を工夫することにより、開閉部材51を重くしたり、駆動部53の出力を増大させたりすることなく、排気部41から排出される空気の風圧に対抗する、つまり開閉部材51が浮き上がってしまうことを抑制できる。このような理由から、本実施形態で説明した排気部41及び開閉機構50の構成は、温風の生成方式としてヒートポンプ方式を採用した衣類乾燥機により好適である。
【0051】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図5を参照して説明する。本実施形態において、洗濯乾燥機10は、上記第1実施形態の排気部41に代えて排気部42を有しており、その他の構成は第1実施形態と共通している。また、図5においても、排気部42の領域と、排気部42以外の領域とを区別し易いように、排気部42の領域内に斜線を付して示している。
【0052】
本実施形態の排気部42は、対向領域Aのうち基端部P1側から先端部P2側へ向かってL/3の範囲内に設けられている。この場合、排気部42は、排気部41と同様に、対向領域Aの長さ方向に沿って延びる複数の矩形又は長円の穴421つまりスリット421を有する構成とすることができる。そして、各穴421の長さ寸法は、L/3以下に設定されている。また、対向領域Aの幅方向について見ると、各穴421は、上記第1実施形態の穴421と同様に、対向領域Aの幅方向の端部の近傍まで設けられている。
【0053】
これによっても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
更に本実施形態の排気部42は、対向領域Aのうち基端部P1側から先端部P2側へ向かってL/3の範囲内に設けられている。つまり、排気部42は、対向領域Aのうち先端部P2側から基端部P1側へ向かって2L/3の範囲内には設けられていない。このため、開閉部材51の先端部P2側に、排気部42から排気される空気の風圧が作用することを確実に抑制できるため、開閉部材51が浮き上がってしまうことをより確実に抑制できる。その結果、更に確実に開閉機構50の大型化を抑制しつつ循環風路20から排気される空気の風量を確保することができる。
【0054】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図6から図9を参照して説明する。本実施形態において、洗濯乾燥機10は、上記各実施形態の排気部41、42に代えて例えば排気部43、44、45、46のいずれか1つを有しており、その他の構成は各実施形態と共通している。なお、図6から図9においても、排気部43、44、45、46の領域と、排気部43、44、45、46以外の領域とを区別し易いように、排気部43、44、45、46の領域内に斜線を付して示している。
【0055】
本実施形態の排気部43、44、45、46は、上記第1実施形態及び第2実施形態と異なり、対向領域Aの略全体に亘って設けられている。この場合、排気部43、44、45、46は、対向領域Aのうち基端部P1から先端部P2側へ向かって段階的に又は連続的に面積が小さくなるように設定されている。例えば中心Oに対して先端部P2側に設けられた排気部43、44、45、46の面積の合計が、基端部P1側に設けられた排気部43、44、45、46の面積の合計よりも小さく設定されている。
【0056】
図6に示す例は、排気部43を、いわゆる櫛歯形状の穴431、432で構成したものである。この場合、排気部43は、例えば1つの根元部431と複数の歯部432とを有している。根元部431は、歯部432に対して基端部P1側に設けられており、例えば対向領域Aの幅方向に長い長方形状又は長穴形状に形成することができる。歯部432は、根元部431に対して先端部P2側に設けられており、例えば対向領域Aの長さ方向に長い長方形状又は長穴形状に形成することができる。各歯部432は、対向領域Aの幅方向、この場合、根元部431の長手方向に沿って所定の間隔で配置されている。根元部431と歯部432とは、相互に連通している。
【0057】
図7に示す例は、図6の排気部43の歯部432の幅寸法を大きくして歯部432の数を減らし、かつ各歯部432を台形形状にした構成である。すなわち、図7に示す例は、排気部44を、台形状の穴441で構成したものである。排気部44は、複数の台形歯部441を有している。各台形歯部441は、対向領域Aの基端部P1側から先端部P2側へ向かって狭まる形状に形成されている。各台形歯部441は、対向領域Aの幅方向に沿って所定間隔で配置されており、台形歯部441の下底側つまり基端部P1側で相互に連通している。
【0058】
図8に示す例は、排気部45を複数の円形の穴451で構成した例である。各穴451の径は等しい値に設定することができる。この場合、対向領域A内の場所により穴451の配置の密度が異なる。すなわち、対向領域Aにおいて、中心Oよりも基端部P1側には複数の穴451が密の態様で設けられており、中心Oよりも先端部P2側には複数の穴451が疎の態様で設けられている。すなわち、対向領域Aにおいて中心Oよりも先端部P2側に設けられた穴451の数は、基端部P1側に設けられた穴451の数よりも少ない。
【0059】
図9に示す例は、排気部46を径の異なる複数の穴461、462で構成した例である。この場合、排気部46は、内径の異なる2つの穴461、462を含んで構成されている。2つの穴461、462のうち、内径の大きい穴を大径穴461と称し、内径の小さい穴を小径穴462と称する。対向領域Aにおいて中心Oよりも基端部P1側には複数の大径穴461が設けられており、先端部P2側には複数の小径穴462が設けられている。
【0060】
これらの構成においても、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態の排気部43、44、45、46は、対向領域Aのうち基端部P1から先端部P2側へ向かって面積が小さくなるように設定されている。このため、開閉部材51の先端部P2側に、排気部42から排気される空気の風圧が作用することを抑制でき、したがって、開閉部材51が浮き上がってしまうことを抑制できる。その結果、開閉機構50の大型化を抑制しつつ循環風路20から排気される空気の風量を確保することができる。
【0061】
また、本実施形態の場合、排気部43、44、45、46は、対向領域Aの中心Oよりも先端部P2側、又は先端部P2側から基端部P1側へ向かって2L/3の領域内にも設けられている。このため、開閉部材51の先端部P2側への風圧の作用を極力低減しつつ、排気部43、44、45、46の面積を極力大きく確保することができる。
【0062】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図10及び図11を参照して説明する。本実施形態において、洗濯乾燥機10は、上記各実施形態の排気部41、42、43、44、45、46に代えて、例えば図10に示す排気部47又は図11に示す排気部48を有しており、その他の構成は各実施形態と共通している。
【0063】
ここで、各実施形態の駆動部53は、回動軸部52の一方の端部側に設けられている。そして、本実施形態の排気部47、48は、対向領域Aのうち回動軸部52の軸方向において駆動部53側とは反対側の端部から所定範囲W内には設けられていない。排気部47、48は、第1実施形態の穴411又は第2実施形態の穴421と同様に、空気の流れ方向に沿って延びる、すなわち対向領域Aの長さ方向に沿って延びる複数の矩形又は長円の穴471、481つまりスリット471、481を有する構成とすることができる。この場合、所定範囲Wは、2つ以上のスリット471、481を配置可能な寸法に設定されている。
【0064】
図10に示す例は、穴471の形状を、第1実施形態の穴411と同形状にした例である。すなわち、排気部47を構成する各穴471の長さ寸法は、第1実施形態の穴411と同様にL/2以下に設定される。この場合、各穴471は、第1実施形態と同様に対向領域Aのうち中心Oよりも基端部P1側に設けられており、中心Oよりも先端部P2側に設けられていない。
【0065】
また、図11に示す例は、穴481の形状を、第2実施形態の穴421と同形状にした例である。すなわち、排気部48を構成する各穴481の長さ寸法は、第2実施形態の穴421と同様にL/3以下に設定される。この場合、各穴481は、第2実施形態と同様に、対向領域Aのうち基端部P1側から先端部P2側へ向かってL/3の範囲内に設けられており、先端部P2側から基端部P1側へ向かって2L/3の範囲内には設けられていない。
【0066】
これらの構成によっても、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。
ここで、循環風路20から排出される空気の風圧によって開閉部材51が浮き上がろうとする際、回動軸部52の駆動部53側と、回動軸部52の駆動部53とは反対側とで、作用する力が異なる。すなわち、回動軸部52における駆動部53側には、例えば駆動部53の保持力や静トルク等が作用するため、回動軸部52及び開閉部材51の回動を規制する力が大きい。一方、回動軸部52における駆動部53とは反対側は、駆動部53の保持力や静トルク等が作用しない又は作用しても小さいため、回動軸部52及び開閉部材51の回動を規制する力が小さい。すると、開閉部材51には、駆動部53側と逆側とでねじり方向の力が作用する。そして、ねじり方向の力が開閉部材51や回動軸部52に繰り返し作用すると、開閉部材51や回動軸部52が変形してしまうおそれがある。
【0067】
これに対し、本実施形態の排気部47、48は、対向領域Aのうち回動軸部52の軸方向において駆動部53側の端部から所定範囲W内には設けられていない。このため、開閉部材51及び回動軸部52において駆動部53とは反対側に対して、風圧によって浮き上がろうとする力が作用することを抑制できる。これにより、開閉部材51や回動軸部52にねじり方向の力が作用することを抑制でき、その結果、開閉部材51や回動軸部52が変形することを抑制することができる。
【0068】
なお、各実施形態は、相互に組み合わせて適用することもできる。
また、各実施形態の排気部41、42、43、44、45、46、47、48の大きさや具体的形状は、循環風路20内を流れる風量や循環風路20内からの排気量等によって適宜設定することができる。
また、上記各実施形態では、循環風路20内の空気を加熱して温風を生成するための加熱装置30の一態様としてヒートポンプユニットを例にして説明したが、加熱装置30は、例えばヒータ式であっても良い。
【0069】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
10…洗濯乾燥機、衣類乾燥機、13…外槽、乾燥室、14…回転槽、乾燥室、17…送風装置、20…循環風路、30…ヒートポンプユニット、31…蒸発器、32…凝縮器、33…圧縮機、41、42、43、44、45、46、47、48…排気部、50…開閉機構、51…開閉部材、52…回動軸部、53…駆動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11