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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】レドームのための電磁干渉保護
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20241225BHJP
   H01Q 1/42 20060101ALI20241225BHJP
   H01Q 15/22 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
G01S7/03 246
H01Q1/42
H01Q15/22
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2021538981
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 EP2020050580
(87)【国際公開番号】W WO2020144351
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102019100669.4
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2019/077800
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519331224
【氏名又は名称】マザーソン・イノベーションズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】カルソ,ディーン
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ,スコット
(72)【発明者】
【氏名】ベルチャー,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】フィメリ,ギャリー・ゴードン・レスリー
(72)【発明者】
【氏名】ストアー,バスティアン
(72)【発明者】
【氏名】フィールド,サイモン・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ホール,コリン
(72)【発明者】
【氏名】サイモンズ,ティム
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-216924(JP,A)
【文献】特開2005-343172(JP,A)
【文献】特開2000-049522(JP,A)
【文献】特表2017-508648(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0159207(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015217744(DE,A1)
【文献】特開2010-111010(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0119961(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0052810(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0194687(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/42
13/00 - 13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダ周波数である少なくとも1つの第1の周波数帯域において電磁放射線を放出するおよび/または検知する少なくとも1つのアンテナ(11、111、411)のためのカバー(1、101、301、401)において、前記カバー(1、101、301、401)が、前記アンテナ(11、111、411)に面する少なくとも1つの第1の表面、および前記アンテナ(11、111、411)から背けられた少なくとも1つの第2の表面を含み、前記カバー(1、101、301、401)は、前記第1の周波数帯域と可視光を含む第2の周波数帯域とである電磁放射線に対して透過性である少なくとも1つの基板(3、103、403)、および少なくとも1つの第1の領域(19、119)内の前記基板(3、103、403)を覆う少なくとも1つの第1のコーティング(7、107、407)を備え、前記第1のコーティング(7、107、407)が、少なくとも前記第1の周波数帯域の電磁放射線に対して透過性であり、前記第2の表面上へと当たり、前記第2の周波数帯域内の周波数を有する電磁放射線に対して反射性であり、前記第1のコーティング(7、107、407)が、周波数選択表面バンドパスフィルタとして動作し、前記第1の周波数帯域の電磁放射線が透過される一方、前記第2の周波数帯域の放射線が反射されるように調節され、前記カバーが、少なくとも1つのカバー層(425)であって、前記基板(403)から背けられて設置される前記第1のコーティング(407)の側に設置され、前記カバー層が、前記第2の周波数帯域に対して透明、少なくとも半透明である、少なくとも1つのカバー層(425)を含み、
前記第1のコーティング(7、107)が、前記基板(3、103)と前記アンテナ(11、111)との間に設置されるおよび/または前記基板(3、103)の前記第1の表面(5、105)の側に設置される、カバー。
【請求項2】
レーダ周波数である少なくとも1つの第1の周波数帯域において電磁放射線を放出するおよび/または検知する少なくとも1つのアンテナ(11、111、411)のためのカバー(1、101、301、401)において、前記カバー(1、101、301、401)が、前記アンテナ(11、111、411)に面する少なくとも1つの第1の表面、および前記アンテナ(11、111、411)から背けられた少なくとも1つの第2の表面を含み、前記カバー(1、101、301、401)は、前記第1の周波数帯域と可視光を含む第2の周波数帯域とである電磁放射線に対して透過性である少なくとも1つの基板(3、103、403)、および少なくとも1つの第1の領域(19、119)内の前記基板(3、103、403)を覆う少なくとも1つの第1のコーティング(7、107、407)を備え、前記第1のコーティング(7、107、407)が、少なくとも前記第1の周波数帯域の電磁放射線に対して透過性であり、前記第2の表面上へと当たり、前記第2の周波数帯域内の周波数を有する電磁放射線に対して反射性であり、前記第1のコーティング(7、107、407)が、周波数選択表面バンドパスフィルタとして動作し、前記第1の周波数帯域の電磁放射線が透過される一方、前記第2の周波数帯域の放射線が反射されるように調節され、前記カバーが、一方にある前記第1のコーティング(7、107)と、他方にある前記アンテナ(11、111)との間に少なくとも一部が設置された、少なくとも1つの第2のコーティング(9、109)であって、前記第2の周波数帯域において少なくとも一部が非透過性および/もしくは不透明である、少なくとも1つの第2のコーティング(9、109)を含み、
前記第1のコーティング(7、107)が、前記基板(3、103)と前記アンテナ(11、111)との間に設置されるおよび/または前記基板(3、103)の前記第1の表面(5、105)の側に設置される、カバー。
【請求項3】
レーダ周波数である少なくとも1つの第1の周波数帯域において電磁放射線を放出するおよび/または検知する少なくとも1つのアンテナ(11、111、411)のためのカバー(1、101、301、401)において、前記カバー(1、101、301、401)が、前記アンテナ(11、111、411)に面する少なくとも1つの第1の表面、および前記アンテナ(11、111、411)から背けられた少なくとも1つの第2の表面を含み、前記カバー(1、101、301、401)は、前記第1の周波数帯域と可視光を含む第2の周波数帯域とである電磁放射線に対して透過性である少なくとも1つの基板(3、103、403)、および少なくとも1つの第1の領域(19、119)内の前記基板(3、103、403)を覆う少なくとも1つの第1のコーティング(7、107、407)を備え、前記第1のコーティング(7、107、407)が、少なくとも前記第1の周波数帯域の電磁放射線に対して透過性であり、
前記第2の表面上へと当たり、前記第2の周波数帯域内の周波数を有する電磁放射線に対して反射性であり、前記第1のコーティング(7、107、407)が、周波数選択表面バンドパスフィルタとして動作し、前記第1の周波数帯域の電磁放射線が透過される一方、前記第2の周波数帯域の放射線が反射されるように調節され、前記カバーが、少なくとも1つのカバー層(425)であって、前記基板(403)から背けられて設置される前記第1のコーティング(407)の側に設置され、前記カバー層が、前記第2の周波数帯域に対して透明、少なくとも半透明である、少なくとも1つのカバー層(425)を含み、
前記第1のコーティング(407)が、前記基板(403)の前記第2の表面の側に設置され、少なくとも1つの応力制御層(423)が、前記基板(403)と前記第1のコーティング(407)との間に設置され
前記カバーは、前記第1の表面(5、105)上に、特に前記基板(3、103)と前記第1のコーティング(7、107)との間に設置された少なくとも1つの第3のコーティング(13、113)であって、前記第3のコーティング(13、113)が、特に電気的に絶縁性である、少なくとも1つの第3のコーティング(13、113)をさらに備える、カバー。
【請求項4】
レーダ周波数である少なくとも1つの第1の周波数帯域において電磁放射線を放出するおよび/または検知する少なくとも1つのアンテナ(11、111、411)のためのカバー(1、101、301、401)において、前記カバー(1、101、301、401)が、前記アンテナ(11、111、411)に面する少なくとも1つの第1の表面、および前記アンテナ(11、111、411)から背けられた少なくとも1つの第2の表面を含み、前記カバー(1、101、301、401)は、前記第1の周波数帯域と可視光を含む第2の周波数帯域とである電磁放射線に対して透過性である少なくとも1つの基板(3、103、403)、および少なくとも1つの第1の領域(19、119)内の前記基板(3、103、403)を覆う少なくとも1つの第1のコーティング(7、107、407)を備え、前記第1のコーティング(7、107、407)が、少なくとも前記第1の周波数帯域の電磁放射線に対して透過性であり、前記第2の表面上へと当たり、前記第2の周波数帯域内の周波数を有する電磁放射線に対して反射性であり、前記第1のコーティング(7、107、407)が、周波数選択表面バンドパスフィルタとして動作し、前記第1の周波数帯域の電磁放射線が透過される一方、前記第2の周波数帯域の放射線が反射されるように調節され、前記カバーが、一方にある前記第1のコーティング(7、107)と、他方にある前記アンテナ(11、111)との間に少なくとも一部が設置された、少なくとも1つの第2のコーティング(9、109)であって、前記第2の周波数帯域において少なくとも一部が非透過性および/もしくは不透明である、少なくとも1つの第2のコーティング(9、109)を含み、
前記第1のコーティング(407)が、前記基板(403)の前記第2の表面の側に設置され、少なくとも1つの応力制御層(423)が、前記基板(403)と前記第1のコーティング(407)との間に設置され
前記カバーは、前記第1の表面(5、105)上に、特に前記基板(3、103)と前記第1のコーティング(7、107)との間に設置された少なくとも1つの第3のコーティング(13、113)であって、前記第3のコーティング(13、113)が、特に電気的に絶縁性である、少なくとも1つの第3のコーティング(13、113)をさらに備える、カバー。
【請求項5】
前記第2のコーティング(9、109)が、一方にある前記基板(3、103)と、他方にある前記アンテナ(11、111)との間に少なくとも一部が設置されている、および/または、前記第2のコーティング(9、109)が、少なくとも1つの第4の周波数帯域、好ましくは第3の周波数帯域において少なくとも一部が非透過性および/もしくは不透明であり、ならびに/または前記第1の周波数帯域において透過性である
ことを特徴とする、請求項2または4に記載のカバー。
【請求項6】
前記第2のコーティング(9、109)が、少なくとも1つの熱可塑性物質、好ましくはポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルニトリルエチレンスチロール(AES)および/またはポリカーボネートアクリロニトリルブタジエンスチレン(PCABS)を含む
ことを特徴とする、請求項2,4,及び5の一項に記載のカバー。
【請求項7】
前記アンテナが、レーダアンテナ(11、111、411)である、ならびに/または前記第1の周波数帯域が、10GHzから130GHz、好ましくは20GHzから100GHz、より好ましくは20GHzから30GHz、70GHzから80GHzおよび/もしくは90GHzから100GHz、最も好ましくは24GHz、77GHzもしくは93GHzである
ことを特徴とする、請求項1から6の一項に記載のカバー。
【請求項8】
前記基板(3、103、403)が、少なくとも1つの第3の周波数帯域内の電磁放射線に対して透過性であり、好ましくは、前記第2の周波数帯域が、前記第3の周波数帯域と少なくとも一部が同一である
ことを特徴とする、請求項1からの一項に記載のカバー。
【請求項9】
前記第1のコーティング(7、107)および/または前記基板(3、103)を少なくとも一部が覆う少なくとも1つのマスキング層(23、123)であって、前記マスキング層(23、123)が、少なくとも1つの第5の周波数帯域、好ましくは前記第2の周波数帯域、前記第3の周波数帯域および/もしくは第4の周波数帯域において少なくとも一部が非透過性および/もしくは不透明であり、ならびに/または前記第1の周波数帯域において透過性である、少なくとも1つのマスキング層(23、123)
によって特徴付けられる、請求項に記載のカバー。
【請求項10】
前記第2の周波数帯域、前記第3の周波数帯域および/または前記第4の周波数帯域が、384THzから789THzおよび/または可視光を含む
ことを特徴とする、請求項に記載のカバー。
【請求項11】
前記第2の周波数帯域、前記第4の周波数帯域および/もしくは前記第5の周波数帯域が、384THzから789THzの領域をカバーする、ならびに/または前記第3の周波数帯域が、384THzから789THzの領域の一部分だけをカバーする
ことを特徴とする、請求項10に記載のカバー。
【請求項12】
前記カバー層(425)が、前記第3、第4および/または第5の周波数帯域に対して透明、少なくとも半透明である
ことを特徴とする、請求項から11の一項に記載のカバー。
【請求項13】
前記基板(3、103、403)は、少なくとも一部が少なくとも1つの熱可塑性材料、好ましくはポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリロニトリルエチレンスチレン、ポリアクリレートおよび/またはこれらの混合物を含む
ことを特徴とする、請求項1から12の一項に記載のカバー。
【請求項14】
前記第1のコーティング(7、107、407)が、少なくとも1つのメタリック材料、好ましくはクロム、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、金、ロジウム、コバルト、マンガン、モリブデン、タンタル、銀および/またはこれらの混合物を含む
ことを特徴とする、請求項1から13の一項に記載のカバー。
【請求項15】
前記第1のコーティング(7、107、407)が、少なくとも1つの繰返しパターン(213、513a、513b、513c)を含み、前記パターン(213、513a、513b、5135c)が、十字(201a、201b、201c、201d)、円(205a、205b)、正方形(207a、207b、515a)、星形(203a、203b、203c、203d)、長方形(207a、207b)、線(211)、六角形(209a、209b、515c)、楕円形、多角形、環状物、半円、円形のセクタ、トリクエトラ、三日月形、アルベロス、渦巻き、レムニスケート、三角形(515b)および/または卵形形状として形成される特に複数の素子(515a、515b、515c)を好ましくは含む
ことを特徴とする、請求項1から14の一項に記載のカバー。
【請求項16】
前記素子(201a、201b、201c、201d、203a、203b、203c、203d、205a、205b、207a、207b、209a、209b)が、前記第1のコーティング内部の、特に互いに分離された開口部および/またはギャップにより形成される
ことを特徴とする、請求項15に記載のカバー。
【請求項17】
前記素子(201a、201b、201c、201d、203a、203b、203c、203d、205a、205b、207a、207b、209a、209b、515a、515b、515c)が、前記第1のコーティングの、特に互いに分離されたおよび/または相互接続されていない領域により形成される
ことを特徴とする、請求項15または16に記載のカバー。
【請求項18】
前記第1のコーティング(7、107、407)が、前記カバーの前記第2の表面上で見たときに、少なくとも1つのロゴ、文字、数字、図形商標、商標、装飾的意匠および/または装飾的パターンを示す
ことを特徴とする、請求項1から17の一項に記載のカバー。
【請求項19】
前記マスキング層(123)が、前記第2の表面上で見たときに、前記第1のコーティング(107)の少なくとも第1の領域(119)だけが見えるように前記第1のコーティング(107)を覆い、前記第1の領域(119)が、少なくとも1つのロゴ、文字、数字、図形商標、商標、装飾的意匠および/または装飾的パターンの形態を有し、前記第1の領域(119)は、少なくとも一部が分離された基板と隣接し、または前記基板により形成される
ことを特徴とする、請求項9に記載のカバー。
【請求項20】
前記基板(403)と前記第1のコーティング(407)および/もしくは前記カバー層との間の前記基板(3、103、403)の前記第2の表面上におよび/もしくは前記第2の表面の側に好ましくは設置される、ならびに/または前記第1のコーティングの側におよび/もしくは前記基板から背けられた前記カバー層上に設置される少なくとも1つの第4のコーティング(15、115、415、427)であって、前記第4のコーティング(15、115、415、427)が、任意選択で光散乱粒子を含む、熱ハードコート(15、115、415、427)を特に形成する、少なくとも1つの第4のコーティング(15、115、415、427)
によって特徴付けられる、請求項1から19の一項に記載のカバー。
【請求項21】
前記第1のコーティング(7、107、407)が、50%よりも多く、好ましくは75%よりも多く、より好ましくは85%よりも多く、はるかに好ましくは90%よりも多く、最も好ましくは95%よりも多くを反射し、および/または前記第1のコーティング(7、107、407)が、少なくとも部分的に湾曲される少なくとも1つの端部を有し、および/または前記第1のコーティング(7、107、407)が、特に前記端部の領域内に、少なくとも1つの抵抗負荷を含む
ことを特徴とする、請求項1から20の一項に記載のカバー。
【請求項22】
レーダ周波数である少なくとも1つの第1の周波数帯域において電磁放射線を放出するおよび/または検知する少なくとも1つのアンテナ(11、111、411)のためのカバー(1、101、401)において、前記カバー(1、101、401)が、前記アンテナ(11、111、411)に面する少なくとも1つの第1の表面、および前記アンテナ(11、111、411)から背けられた少なくとも1つの第2の表面を含み、特に請求項1,2,及び5から21の一項に記載のカバー(1、101、401)を製造する方法であって、前記方法が、
前記第1の周波数帯域と可視光を含む第2の周波数帯域とである電磁放射線に対して透過性である少なくとも1つの基板(3、103、403)を用意するステップおよび/または製造するステップと、
少なくとも1つの第1のコーティング(7、107、407)を用いて前記基板(3、103、403)を覆うステップであって、前記第1のコーティング(7、107、407)が、前記第1の周波数帯域内の周波数を有する放射線に対して透過性である周波数選択表面バンドパスフィルタを形成する、前記基板を覆うステップと
を含み、
第1のコーティング(7、107、407)として、前記第2の周波数帯域内の周波数に対して高い反射性を有する材料が使用され、前記方法が、
i)前記基板(403)から背けられて設置される前記第1のコーティング(407)の側に少なくとも1つのカバー層(425)を設置するステップであって、前記カバー層が、前記第2の周波数帯域に対して透明、少なくとも半透明である、ステップ、
または、
ii)一方にある前記第1のコーティング(7、107)と、他方にある前記アンテナ(11、111)との間に、1つの第2のコーティング(9、109)の少なくとも一部を設置するステップであって、前記第2のコーティング(9、109)が、前記第2の周波数帯域において少なくとも一部が非透過性および/もしくは不透明である、ステップ
をさらに含み、
前記第1のコーティング(7、107)が、前記基板(3、103)と前記アンテナ(11、111)との間に設置されるおよび/または前記基板(3、103)の前記第1の表面(5、105)の側に設置される、方法。
【請求項23】
レーダ周波数である少なくとも1つの第1の周波数帯域において電磁放射線を放出するおよび/または検知する少なくとも1つのアンテナ(11、111、411)のためのカバー(1、101、401)において、前記カバー(1、101、401)が、前記アンテナ(11、111、411)に面する少なくとも1つの第1の表面、および前記アンテナ(11、111、411)から背けられた少なくとも1つの第2の表面を含み、特に請求項から21の一項に記載のカバー(1、101、401)を製造する方法であって、前記方法が、
前記第1の周波数帯域と可視光を含む第2の周波数帯域とである電磁放射線に対して透過性である少なくとも1つの基板(3、103、403)を用意するステップおよび/または製造するステップと、
少なくとも1つの第1のコーティング(7、107、407)を用いて前記基板(3、103、403)を覆うステップであって、前記第1のコーティング(7、107、407)が、前記第1の周波数帯域内の周波数を有する放射線に対して透過性である周波数選択表面バンドパスフィルタを形成する、前記基板を覆うステップと
を含み、
第1のコーティング(7、107、407)として、前記第2の周波数帯域内の周波数に対して高い反射性を有する材料が使用され、前記方法が、
i)前記基板(403)から背けられて設置される前記第1のコーティング(407)の側に少なくとも1つのカバー層(425)を設置するステップであって、前記カバー層が、前記第2の周波数帯域に対して透明、少なくとも半透明である、ステップ、
または、
ii)一方にある前記第1のコーティング(7、107)と、他方にある前記アンテナ(11、111)との間に、1つの第2のコーティング(9、109)の少なくとも一部を設置するステップであって、前記第2のコーティング(9、109)が、前記第2の周波数帯域において少なくとも一部が非透過性および/もしくは不透明である、ステップ
をさらに含み、
前記第1のコーティング(407)が、前記基板(403)の前記第2の表面の側に設置され、少なくとも1つの応力制御層(423)が、前記基板(403)と前記第1のコーティング(407)との間に設置され
前記カバーは、前記第1の表面(5、105)上に、特に前記基板(3、103)と前記第1のコーティング(7、107)との間に設置された少なくとも1つの第3のコーティング(13、113)であって、前記第3のコーティング(13、113)が、特に電気的に絶縁性である、少なくとも1つの第3のコーティング(13、113)をさらに備える、方法。
【請求項24】
前記第2の周波数帯域内の電磁放射線に対して非透過性である少なくとも1つのマスキング層(23、123)を用いて前記基板(3、103)を覆うステップであって、好ましくは、前記基板(3、103)が、前記第1のコーティング(7、107)を用いて前記基板(3、103)を覆うステップの前に、前記マスキング層(23、123)を用いて覆われ、特に、前記第1のコーティング(7、107)は、少なくとも一部が前記マスキング層(23、123)の上に設置される、前記基板を覆うステップ
によって特徴付けられる、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記周波数選択表面バンドパスフィルタが、前記基板(3、103、403)上への前記第1のコーティング(7、107、407)の堆積の後で、前記第1のコーティング(7、107、407)を構造化するステップによって、好ましくはレーザエッチングによって、製造される
ことを特徴とする、請求項22から24の一項に記載の方法。
【請求項26】
前記構造が、パターン(213、513a、513b、513c)を形成する複数の素子要素(201a、201b、201c、201d、203a、203b、203c、203d、205a、205b、207a、207b、209a、209b、515a、515b、515c)を形成するステップを含み、前記素子(201a、201b、201c、201d、203a、203b、203c、203d、205a、205b、207a、207b、209a、209b、515a、515b、515c)が、前記第1のコーティング内部の、好ましくは互いに分離された開口部および/もしくはギャップを特に含み、ならびに/または特に前記ギャップおよび/もしくは開口部(517a、517b、517c)によって分離された、好ましくは互いに分離された前記第1のコーティング(407)の領域を含む
ことを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のコーティング(7、107、407)が、スパッタリング、特にPVDマグネトロンスパッタリング堆積によって製造される
ことを特徴とする、請求項22から26の一項に記載の方法。
【請求項28】
前記方法が、前記基板(403)と前記第1のコーティング(407)との間に少なくとも一部が設置される、好ましくは少なくとも1つのハードコート(415)を形成する少なくとも1つの1番目の第4のコーティングおよび/または少なくとも1つの応力制御層(423)を形成するステップをさらに含む
ことを特徴とする、請求項22から27の一項に記載の方法。
【請求項29】
前記方法が、前記基板から背けられた前記第1のコーティングの側に少なくとも一部が設置される、少なくとも1つのハードコート(427)を形成する少なくとも1つの2番目の第4のコーティング、ならびに/または、可視光および/もしくは少なくとも一部が384THzから789THzを含む周波数帯域における電磁放射線に対して、特に透明、少なくとも半透明である少なくとも1つのカバー層を形成するステップをさらに含む
ことを特徴とする、請求項22から28の一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの第1の周波数帯域において電磁放射線を放出するおよび/または検知する少なくとも1つのアンテナのためのカバーに向けられ、カバーが、アンテナに面する少なくとも1つの第1の表面、およびアンテナから背けられた少なくとも1つの第2の表面を含み、カバーが、電磁放射線に対して透過性である少なくとも1つの基板、および少なくとも1つの第1の領域内の基板を覆う少なくとも1つの第1のコーティングを含み、第1のコーティングが、少なくとも第1の周波数帯域の電磁放射線に対して透過性である。
【背景技術】
【0002】
アンテナがレーダ波を放出するまたは受信するために使用されるケースではレドームと呼ばれる、このようなカバーは、先行技術から一般に知られている。例えば、米国特許第6,518,936(B1)号は、精密にエッジ成形されたレドーム(precision edged radome)を開示する。レドームが、周波数選択表面として機能するパターン形成された銅膜を含むことが提案されている。
【0003】
このようなレドームは、自動車産業においてさらにますます使用されている。ドライバ支援システムの数の増加とともに、安全性の向上および車両自律性必要条件により駆り立てられる車両内の電磁波放出および/または受信デバイスの発達がある。非常に頻繁に使用されるセンサは、車両の前部に設置される24GHzまたは77GHzの周波数を使用するレーダシステムである。これらのシステムは、自律走行制御などのさまざまな運転支援システムの制御のために使用される。
【0004】
車両の外観に悪影響を及ぼさないように、このようなシステムのアンテナは自動車の前部領域内の車両の構成部品の背後に設置されることが好ましい。特に、製造者の名前またはその商標を示している車両のエンブレムの領域内にこれらのアンテナを設置することが好ましい。
【0005】
この場所を用いると、アンテナの外観が一方では高められ、他方ではアンテナの優れた保護が可能である。したがって、車両上で使用されるレドームは、前に説明した技術的必要性を満たさなければならないが、他方で美的な外見を与えなければならない。後者は、カバーがそれぞれのエンブレムを示すようにメタリック仕上げまたはメタリックグラフィックスを要求することを必要にさせる。これはしかしながら、外観および視的な効果のために要求されるメタル仕上げがレーダを減衰させ、レーダの適正な機能を妨げるという理由で問題を作り出す。
【0006】
特に、個別の電磁波長信号帯域幅の妨害のない伝送は、ドライバ支援システムが周囲の環境からの情報を集めるために前に説明したドライバ支援システムを装備するデバイスにとって重要である。通常このようなシステムでは、レーダユニットは、典型的には同じ素子内に送信機および受信機の両方を有する2in1デバイスである。このようなシステムは、自動車のバンパ領域内に設置されることがあるが、レーダユニットが緊急ブレーキアシスト(EBA)およびアダプティブクルーズコントロール(ACC)を制御するために使用される大部分のケースでは、システムがレドームとして作用する製造者エンブレムの背後に位置することが好ましい。
【0007】
過去には、レーダが影響を受けにくくなるようにインジウム、スズ、または物理気相堆積を使用して堆積されることがあるメタロイドのような材料を使用することが提案された。しかしながら、これらの材料および方法は、望まれる外観を与えず、レーダアンテナへの悪影響を回避できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、従来技術で知られる欠点を克服するために、知られているカバーをさらに発展させること、特に、一方では、アンテナの機能に悪影響を及ぼさず、他方では、美的な外観を提供するカバーを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、第1のコーティングが、第2の表面上へと当たり、少なくとも1つの第2の周波数帯域内の周波数を有する電磁放射線に対して反射性である特許請求されている発明に従って実現される。
【0010】
アンテナが、レーダアンテナであること、ならびに/または第1の周波数帯域が、レーダ周波数、特に10GHzから130GHz、好ましくは20GHzから100GHz、より好ましくは20GHzから30GHz、70GHzから80GHzおよび/もしくは90GHzから100GHz、最も好ましくは24GHz、77GHzもしくは93GHzであることが特に好ましい。
【0011】
前述した実施形態に関して、本発明は、基板が第1の周波数帯域においておよび/または少なくとも1つの第3の周波数帯域において電磁放射線に対して透過性であり、好ましくは第2の周波数帯域が第3の周波数帯域と少なくとも一部が同一である、ことを提案する。
【0012】
第1のコーティングが、基板とアンテナとの間に設置されるおよび/または基板の第1の表面の側に設置されることもまた好ましい。
さらに、第1のコーティングが、基板の第2の表面の側に設置されることが提案される。
【0013】
前に説明した実施形態では、少なくとも1つの応力制御層が、基板と第1のコーティングとの間に設置されることが好ましい。
本発明のカバーは、一方では、基板および/または第1のコーティングと、他方では、アンテナとの間に、好ましくは少なくとも一部が設置された少なくとも1つの第2のコーティングであって、第2のコーティングが、少なくとも1つの第4の周波数帯域、好ましくは第2の周波数帯域および/もしくは第3の周波数帯域において少なくとも一部が非透過性および/もしくは不透明であり、ならびに/または第1の周波数帯域において透過性である、少なくとも1つの第2のコーティングによって特徴付けられ得る。
【0014】
また、カバーは、第1のコーティングおよび/または基板を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つのマスキング層であって、メーキング層が少なくとも1つの第5の周波数帯域、好ましくは第2の周波数帯域、第3の周波数帯域および/もしくは第4の周波数帯域において少なくとも一部が非透過性および/もしくは不透明であり、ならびに/または第1の周波数帯域において透過性である、少なくとも1つのマスキング層によって特徴付けられ得る。
【0015】
カバーの有利な実施形態は、第2の周波数帯域、第3の周波数帯域および/または第4の周波数帯域が、384THzから789THzおよび/または可視光を含むことで特徴付けられ得る。
【0016】
前に説明した実施形態では、第2の周波数帯域、第4の周波数帯域および/または第5の周波数帯域が、384THzから789THzの領域をカバーする、および/または第3の周波数帯域が、384THzから789THzの領域の一部分だけをカバーすることが特に好ましい。
【0017】
本発明は、少なくとも1つのカバー層が、基板から背けられて設置される第1のコーティングの側に設置され、カバー層が、第2、第3、第4および/または第5の周波数帯域に対して透明、少なくとも半透明であることをさらに提案する。
【0018】
さらに、基板は、少なくとも一部が少なくとも1つの熱可塑性材料、好ましくはポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリロニトリルエチレンスチレン、ポリアクリレートおよび/またはこれらの混合物を含むことが提案される。
【0019】
本発明のカバーに関して、第1のコーティングが、少なくとも1つのメタリック材料、好ましくはクロム、アルミニウム、銀、亜鉛、銅、ニッケル、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、金、ロジウム、コバルト、マンガン、モリブデン、タンタル、銀および/またはこれらの混合物を含むことが好ましい。
【0020】
さらに有利な実施形態は、第1のコーティングが、周波数選択表面バンドパスフィルタとして動作し、および/または少なくとも1つの繰返しパターンを含み、パターンが、十字、円形、正方形、星形、長方形、直線、六角形、楕円形、多角形、環状物、半円形、円形のセクタ、トリクエトラ(triquetra)、三日月形、アルベロス、渦巻き、レムニスケート、三角形および/または卵形形状として形成される特に複数の素子を好ましくは含むことで特徴付けられ得る。
【0021】
前に説明した実施形態では、素子が、第1のコーティング内部の、特に互いに分離された開口部および/またはギャップにより形成されることが好ましい。
また、素子が、第1のコーティングの、特に互いに分離されたおよび/または相互接続されていない領域により形成されることが提案される。
【0022】
第2のコーティングおよび/またはマスク層が、少なくとも1つの熱可塑性物質、好ましくはポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルニトリルエチレンスチロール(AES)および/またはポリカーボネートアクリロニトリルブタジエンスチレン(PCABS)を含むこともまた提案される。
【0023】
本発明は、第1のコーティングが、カバーの第2の表面上で見たときに、少なくとも1つのロゴ、文字、数字、図形商標、商標、装飾的意匠および/または装飾的パターンを示すことでさらに特徴付けられ得る。
【0024】
あるいは、マスキング層は、第2の表面上で見たときに、第1のコーティングの少なくとも第1の領域だけが見えるように第1のコーティングを覆い、第1の領域が少なくとも1つのロゴ、文字、数字、図形商標、商標、装飾的意匠および/または装飾的パターンの形状を有し、第1の領域が少なくとも部分的に分離された基板と隣接し、または基板により形成されることを計画されることがある。
【0025】
本発明のカバーは、第1の表面上に、特に基板と第1のコーティングとの間に設置される少なくとも1つの第3のコーティングであって、第3のコーティングが特に電気的に絶縁性である、少なくとも1つの第3のコーティングによって特徴付けられ得る。
【0026】
加えてまたは代わりに、カバーは、基板と第1のコーティングおよび/もしくはカバー層との間の基板の第2の表面上におよび/もしくは第2の表面の側に好ましくは設置される、ならびに/または第1のコーティングの側におよび/もしくは基板から背けられたカバー層上に設置される少なくとも1つの第4のコーティングであって、第4のコーティングが、任意選択で光散乱粒子を含む熱ハードコートを特に形成する、少なくとも1つの第4のコーティングによって特徴付けられ得る。
【0027】
さらに、第1のコーティングが、50%よりも多く、好ましくは75%よりも多く、より好ましくは85%よりも多く、はるかに好ましくは90%よりも多く、最も好ましくは95%よりも多くを反射する、および/または第1のコーティングが、少なくとも部分的に湾曲される少なくとも1つの端部を有する、および/または第1のコーティングが、特に端部の領域内に少なくとも1つの抵抗負荷を含むことが好ましい。
【0028】
本発明は、少なくとも1つの第1の周波数帯域において電磁放射線を放出するおよび/または検知する少なくとも1つのアンテナのためのカバーを製造する方法であって、特にカバーが発明に記載され、方法が、少なくとも1つの基板を用意するおよび/または製造するステップと、少なくとも1つの第1のコーティングを用いて基板を覆うステップであり、第1のコーティングが第1の周波数帯域内の周波数を有する放射線に対して透過性である周波数選択表面バンドパスフィルタを形成する、基板を覆うステップとを含む、カバーを製造する方法において、さらに、第1のコーティングとして、第2の周波数帯域内の周波数に対して高い反射性を有する材料が使用される、方法をさらに提供する。
【0029】
本発明は、さらに、方法が、第2の周波数帯域内の電磁放射線に対して非透過性である少なくとも1つのマスキング層を用いて基板を覆うステップであって、好ましくは基板が、第1のコーティングを用いて基板を覆うステップの前にマスキング層を用いて覆われ、特に第1のコーティングは少なくとも一部がマスキング層の上に設置される、基板を覆うステップによって特徴付けられる方法を提案する。
【0030】
また、周波数選択表面バンドパスフィルタが、基板上への第1のコーティングの堆積の後で、第1のコーティングを構造化するステップによって、好ましくはレーザエッチングによって製造されることが好ましい。
【0031】
方法は、構造が、パターンを形成する複数の素子を形成するステップを含み、素子が、第1のコーティング内部の、好ましくは互いに分離された開口部および/もしくはギャップを特に含む、ならびに/または特にギャップおよび/もしくは開口部によって分離された、好ましくは互いに分離された第1のコーティングの領域を含むことで特徴付けられ得る。
【0032】
また、本発明の方法は、第1のコーティングが、スパッタリング、特にPVDマグネトロンスパッタリング堆積によって製造されることで特徴付けられ得る。
さらに、方法が、基板と第1のコーティングとの間に少なくとも一部が設置される、好ましくは少なくとも1つのハードコートを形成する少なくとも1つの1番目の第4のコーティングおよび/または少なくとも1つの応力制御層を形成するステップをさらに含むことが提案される。
【0033】
最後に、方法が、基板から背けられた第1のコーティングの側に少なくとも一部が設置される、少なくとも1つのハードコートを形成する少なくとも1つの2番目の第4のコーティング、ならびに/または、可視光および/もしくは少なくとも一部が384THzから789THzを含む周波数帯域内の電磁放射線に対して、特に透明、少なくとも半透明である少なくとも1つのカバー層を形成するステップをさらに含むことが好ましい。
【0034】
このように、本発明は、アルミニウムまたはクロムのような可視光に対して非常に高い反射性を有する材料を使用することによって、カバーの美的外観が、カバーにより覆われたアンテナの機能に悪影響を及ぼさずに高められることがあり、カバーでは、第1のコーティングが周波数選択表面バンドパスフィルタとして同時に形成され、アンテナにより放出され、受信される電磁放射線の悪影響を受けない伝送を可能にするという驚くべき発見に基づく。
【0035】
パターンメタリックコーティングを設けることにより、カバーの表面上に高い反射性の領域を設けることが可能であり、これが、観察者に閉じられた反射性表面の印象を与え、望まれるロゴまたはエンブレムを提示することを可能にする。他方で、パターンが27または77GHzなどの第1の周波数帯域内の電磁放射線に対するパスフィルタとして機能し、アンテナが何らかの悪影響なしに機能することを可能にするように、パターンが設計される。
【0036】
周波数選択表面は、周期的に繰り返される素子を使用するパターンによって形成されることがある。パターンは、例えば、エッチングによって一般に閉じられたメタリックコーティングで開口部を形成することによって形成されることがある。言い換えると、メタリック領域内の開口部は、素子を形成し、メタリック領域は、少なくとも一部が互いに接続されたままである。
【0037】
代替の実施形態では、パターンは、メタリック「アイランド」のパターンが形成されるようにメタリック領域同士の間にギャップを生成することによって形成され、好ましくは、メタリック領域は、特に互いに接続されない素子を形成する。典型的には、これらの素子が観察者によって容易には見ることができないことを確実にするために、これらの素子は、50μmよりも小さいサイズを有する。さらに、完全に周期的なパターンから、形状形成および寸法決定に対する補正ならびに臨時の装飾的な素子が3次元表面上の幾何学的な効果を可能にするように設けられる領域へとパターンを変更することが可能である。
【0038】
第1のコーティングがプラスチック基板またはポリカーボネート基板のような基板上に堆積されることが好ましい。堆積は、基板上に導電性アルミニウムまたはクロムコーティングを堆積するためにPVDマグネトロンスパッタリングのようなスパッタリングプロセスによって実行されることがある。第1のコーティングの堆積の後で、構造がコーティング内部に形成され、特にCNCフェムト秒レーザの使用が第1のコーティングへのパターンのレーザエッチングを可能にする。これが、バンドパスフィルタの特質または特性を有する第1のコーティングを設けることを可能にする。それぞれのロゴまたはエンブレムの構造を形成するために、第1のコーティングが基板の一部分だけを覆うことが可能である。基板とは反対の側の第1のコーティング上に設置される第2のコーティングを用いると、検査者がアンテナを見られないことが達せられることがある。この理由のために、第2のコーティングは、可視光に対して透過性ではなく、ポリカーボネート、ABS、AESまたはPCABSで作られる第2の成型品によって製造されることがある。第2のコーティングは、カバーの裏側を封入するため、外の影響から第1のコーティングを保護するために特に使用されることがある。
【0039】
代替の実施形態では、第1のコーティングは、最終的に望まれるロゴまたはエンブレムとは無関係に、広い面積にわたる閉じられた表面を提示できる。特に、第1のコーティングは、全体の基板を覆うことができる。次いで、基板上に第1のコーティングを堆積する前にロゴおよびエンブレムの外観を生成するために、マスキング層が基板上に堆積されることがある。マスキング層を用いて、最終的なカバーにおいて反射性であってはならない領域が区切られ、そのため第1のコーティングの残りの部分だけが反射性の外観を生成できる。
【0040】
この第2の実施形態は、第1のコーティングの端部のところに何も境界条件が存在しないという利点を有する。しかしながら、このような効果は、端部の回折が減少するように第1のコーティングを形成することによって第1の実施形態において低減されることがある。第1のコーティングの境界のところで生成されるいずれの放射性表面波も、少なくとも湾曲した外側端部を形成することによって、または第1のコーティングの構造の単一の素子に小さな抵抗負荷を加えることによって減少させることができる。さらに、境界領域の表面積は、アンテナの全体の視野の非常に小さな割合である。このように、有限な表面の境界条件により課せられる効果は、驚くべきことにほぼ無視でき、そのためアンテナの性能は、著しくは悪影響されない。
【0041】
第1のコーティングで使用される構造の例は、500μmの幅を有し、間に10μmのギャップをともなう一方向性の直線であるはずである。あるいは、6.5μmのギャップをともなう328μmの幅の直線が使用されることがある。また、間に5μmのギャップをともなう200μm幅の直線、または間に10μmのギャップをともなう500μmの金属セグメントを有する双方向性の直線、すなわち格子パターンを使用することが可能である。
【0042】
カバーの効率をさらに高めるために、絶縁されたコーティングが、第1のコーティング、マスキング層および/または第2のコーティングの間に堆積されることがある。第1のコーティングの反対に位置する基板の側の上に、熱ハードコートの形態の第4のコーティングが、外の影響に対してカバーを保護するために設けられることがある。
【0043】
本発明のさらなる利点が、下記の図の助けを借りて好ましい実施形態の下記の記述で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】第1の実施形態による本発明のカバーの模式的断面図である。
図2】本発明のカバーの第2の実施形態の模式的断面図である。
図3a】周波数選択表面バンドパスフィルタを設けるためのパターンの例示的な素子の第1のセットの図である。
図3b】パターンの例示的な素子のさらなる第2のセットの図である。
図3c】パターンの例示的な素子のさらなる第3のセットの図である。
図3d】パターンの例示的な素子の第4のセットの図である。
図3e】周波数選択表面バンドパスフィルタを設けるための例示的な第1のパターンの図である。
図4】本発明によるカバーについての図である。
図5】本発明のカバーの第3の実施形態の模式的断面図である。
図6a】周波数選択表面バンドパスフィルタを設けるための例示的な第2のパターンの図である。
図6b】周波数選択表面バンドパスフィルタを設けるための例示的な第3のパターンの図である。
図6c】周波数選択表面バンドパスフィルタを設けるための例示的な第4のパターンの図である。
図7】76から77GHzの電磁相関に関する、パターン内部の素子のサイズと減衰との間の相関を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、本発明によるカバー1についての模式的断面図を示す。
カバー1は、例えば、成型した透明ポリカーボネートを含む基板3を含む。
基板3の第1の表面5の側には、反射性のパターンを形成したメタリックコーティングの形態の第1のコーティング7が設けられる。基板3に対して反対である第1のコーティング7の側には、好ましくは成型したダークポリカーボネート材料を含む第2のコーティング9が設けられる。カバー1によって、レーダユニット11の形態のアンテナが覆われる。第1の実施形態では、第1のコーティング7と基板3との間に、絶縁性コーティングの形態の第3のコーティング13が設けられる。最後に、第1のコーティング7および第3のコーティング13に対して反対である基板3の側には、熱ハードコート15の形態の第4のコーティングが設けられる。
【0046】
カバー1は、最初に基板3を用意するステップ、次いで第1のコーティング7を堆積するステップの前に、例えばPVDマグネトロンスパッタリングによって基板3の上へと第3のコーティング13を堆積するステップにより生成されることがある。第1のコーティング7は、クロムまたはアルミニウムのような高反射性金属材料を含む。第2のコーティング9が第1のコーティング7上に堆積される前に、第1のコーティング7は、例えばCNCフェムト秒レーザにより構造化される。レーザは、第1のコーティング7への、周波数選択表面バンドパスフィルタを形成するパターンをレーザエッチングすることを可能にする。構造は、後で図3aから図3eの助けを借りてより詳細に説明される。
【0047】
このことは、第1のコーティング7が第1の周波数帯域の、特にレーダユニット11により放出される電磁放射線に対して透過性であることを可能にする。しかしながら、第1のコーティング7は、第2の周波数帯域の電磁放射線、特に第1のコーティング上へと当たる可視電磁放射線に対して高反射性である。
【0048】
第1の周波数帯域の放射線、同様に第2の周波数帯域の放射線、特に可視光、ならびにレーダユニット11より生成される電磁放射線に対して透過性である基板3を用いると、カバー1は、レーダユニット11の機能に悪影響を及ぼさないだけでなく、カバー1の美的な視覚的外観を与えることを可能にする。
【0049】
この目的に達するために、第2のコーティング9は、第1の周波数帯域の放射線に対して透過性であり、そのためレーダユニット11の放射線が通過できるが、第3の周波数帯域の放射線に対して透過性ではない、換言すれば、好ましくは第2の周波数帯域と同一であり、そのため可視波長内の放射線が遮られる。したがって、ある方向17からカバーを見ている人物16は、高反射性である領域19および多少の黒色領域21を見て、いずれかの可視光からレーダユニット11を遮蔽し、そのため、ユーザ16は、レーダユニット11を見ることができないが、第1のコーティング7により与えられる構造またはロゴを見るだけである。特に領域21は、黒く見え、ところが領域19は、光沢のある外見を有する。
【0050】
図2には、特許請求したカバー100の第2の実施形態が示される。カバー1のそれぞれの要素と同じ機能を有するカバー100の要素は、同じ参照符号を有するが、100だけ大きい。カバー1と比較して、カバー101では、第1のコーティング107がそれぞれの領域に制限されないだけでなく、全部の基板103をほぼ覆う。
【0051】
望まれるロゴまたはエンブレムの外観を生成するために、追加のマスキング層123が使用される。マスキング層123は、基板103と第1のコーティング107との間に設けられる。マスキング層123は、第2のコーティング9または109と同様に、第5の周波数帯域、特に第2の周波数帯域の放射線に対して非透過性であるが、第1の周波数帯域の放射線に対して透過性である。このように、マスキング層123は、方向117からカバー101を見るユーザ16に対して黒色領域を与える。
【0052】
このように、カバー1と同様に、領域119は、光沢のある外見を与え、ところが領域121は、ユーザ116に対して黒としての外見を与える。再び、マスキング層123は、マスキング層がレーダユニット111により与えられる電磁放射線に対して透過性であり、ところが可視スペクトル内のすべての電磁放射線に対して非透過性であるように選択される。
【0053】
基板103上へと当たるすべての光がそれぞれコーティング107およびマスキング層123によって反射されるまたは遮られるので、他の第2のコーティング109が使用されることがある。第2のコーティング109は、完全に省略されてもよい、またはレーダユニット11により使用される第1の周波数帯域内の放射線に対して透過性である限り、可視範囲内の放射線に対して非透過性である必要性なしにコーティング107に対する保護を与えてもよい。
【0054】
前に説明したように、第1のコーティング7、107は、周波数選択表面バンドパスフィルタを形成する。このようなフィルタは、電磁場の異なる周波数に基づいて電磁場を反射する、透過するまたは吸収するように設計された薄い繰返し表面である。本発明のカバー1、101では、周波数選択表面は、(ユニット11、111により使用される)第1の周波数帯域の電磁放射線が透過され、ところが第2の周波数帯域の放射線、特に可視光が反射されるように調節される。この狙いは、クロムまたはアルミニウムのような高反射性材料から作られる高反射性コーティングを設けることにより達せられる。このコーティングの中へと、構造またはパターンが、第1の周波数帯域に対する透過性を与えるために、形成、特にエッチングされる。
【0055】
このようなパターンは、極めて簡単には見られないように50μmより小さいサイズの寸法を有する素子から構成される。好ましくは、素子は、50μmよりも大きい寸法を有し、数μmの距離を有する。
【0056】
素子は、十字201a、201bの形態を有してもよく、素子201bのように完全に埋められるまたは素子201aのように空のままの中心部を有する。また星形素子203a、203bまたは203cが使用されてもよい。再び、これらの素子203a、203b、203c、203dは、素子203a、203dのように空のまま残された中心であってもよい、または素子203b、203cのように中が詰まっていてもよい。パターンに繰返し形成される素子のさらなる例は、中の詰まったもしくは空のままの円形素子205a、205b、長方形もしくは四角形(quadratic form)素子207a、207bおよびまたは六角形に形成された素子209a、209bならびに線状素子211を含んでもよい。
【0057】
図3aには、バンドパスフィルタを形成するためにコーティング7、107に形成されるパターン213の模式的な詳細が示される。パターン213は、素子215、ここでは十字素子が繰り返しの形態で形成される繰返し構造を含む。
【0058】
図4には、本発明のカバー301上への斜視図が示される。図3に見られるように、領域321は、黒くなるように現れ、ところが領域319は第1のコーティング307上への視界を可能にし、光沢のある外見を与える。このようにして、視覚的外見は、星形ロゴが設けられるので高められ、同時に図4には示されていないレーダユニットが覆われ、観察者に対しては見えない。
【0059】
図5には、本発明のカバー401の第3の実施形態上への模式的断面図が示される。前に説明したような図1および図2に示した実施形態とは対照的に、例えば暗いもの、すなわち、可視光に対して不透明なABS、AES、PCABSまたはポリカーボネートから作られた成形された部分の形態の基板403が、レーダユニット411に面するカバー401の側に設置される。
【0060】
これは順に、第1のコーティング407がレーダユニット411から背けられた基板403の側に設置されることを意味する。
基板403と第1のコーティング407との間に、ハードコート415の形態で任意選択の1番目の第4のコーティングが設置される。さらに、応力制御層423もまた、基板403と第1のコーティング407との間に設置されることがある。応力制御層423によって、基板403および第1のコーティング407および/またはハードコート415のそれぞれの異なる機械的特性が補償される。例えば、基板403および/またはハードコート415は、異なる熱膨張を有することがある。層423によって、クラックの形成または基板および/もしくはハードコート415からの第1のコーティング407の分離が避けられるように、異なる熱膨張が補償される。
【0061】
第1のコーティング407は、可視範囲内の電磁放射線に対して透明または半透明であるカバー層425によって覆われる。カバー層427は、任意選択で光散乱粒子を含むハードコート427の形態の2番目の第4のコーティングによって覆われてもよい。光散乱粒子を用いると、観察者にとっての3次元印象が高められ、第1のコーティング407内部のパターンによって形成されたエンブレムが広い視野角にわたって見えるので、カバー401の総合的な視覚的印象は、高められる。
【0062】
図6aから図6cには、上に説明したような第1のコーティング7、107または407に形成された代わりのパターン513a、513b、513cが示される。図6aに示したパターン513aは、開口部またはギャップ517aにより互いに分離されたメタリック「アイランド」を形成する複数の素子515aによって形成される。
【0063】
パターン513a、513bおよび513cは、図6aでは素子515aが正方形の形状を有するのに対して、パターン513bの素子515bが三角形の形状を有し、ところがパターン513cの素子515cが五角形の形状を有することで互いに異なる。レーザエッチングによってメタリックコーティングに形成されている開口部517b、515cは、開口部517aと比較してそれぞれ異なる形状を有する。パターン513a、513bおよび513cによって形成された周波数バンドパスフィルタの有効性が、図6aから図6cに白い色で示されたメタリック素子515a、515bおよび515cの分離のために高められることが本発明者らによって見出されている。素子515a、515bおよび515cを互いに分離するそれぞれのギャップは、図6aから図6cでは黒い色で示される。
【0064】
図7に示したように、本発明者らは、76から77GHzの周波数領域内の電磁放射線についての減衰に関する素子のそれぞれの寸法を比較した。結果が図7に示される。図7から分かるように、素子515a、515bおよび515cのサイズは、<400μm、もっと良くは<100μmであるべきである。本発明者らは、これらの寸法によって、メタリック膜素子の電気的な切り離しがさらに効率的であることを推測する。言い換えると、素子は、1600μmよりも小さい、もっと良くは1000μmよりも小さい面積を有するべきである。
【0065】
さらに、開口部517a、517bおよび517cが特に8μmよりも小さい、もっと良くは5μmよりも小さい寸法を有するべきであることが見出されてきている。このようにして、好ましくはアブレーションによって形成された開口部517a、517bおよび517cは、ユーザによって容易に見られることができず、したがって総合的な視覚的印象は悪影響を受けない。
【0066】
図7に示したように、約3dbの減衰を有する500μmの素子のサイズに関する減衰は、素子のサイズを100μmよりも小さくまで縮小すると0.3dbまで低下されることがある。したがって、この減衰をポリカーボネートハードコートおよび/またはハードコートしたポリカーボネートの減衰と比較すると、減衰は金属コーティングを用いずにこの減衰に近くなることが見られることがある。
【0067】
パターン513a、513bおよび513cは、ハードコートしたポリカーボネート基板へのPVDマグネトロンスパッタリング堆積を使用して、電導性クロムコーティングを付けることによって形成されてもよい。それぞれの開口部517a、517bおよび517cは、CNCフェムト秒レーザシステム上にコーティングした基板を置くことによって形成されることがある。レーザシステムによって、パターンは、コーティングへとレーザでエッジ形成され、パターンがレドームとして作用することを可能にする。
【0068】
例は、図6aに示したような、間に500μmの金属正方形をともなう10μmのギャップを形成する双方向性の直線であってもよい。任意選択で、ギャップは、8μm、好ましくは6μm、最も好ましくは3μmの幅を有することがあり、ところが、素子515aは、200μm、好ましくは100μm、最も好ましくは30μmよりも小さい辺の長さを有することがある。特に、図5に示した構造を手に入れるために、コーティングした基板は、次いで成型装置に設置され、記章の後部分が形成され、第1のコーティングを封入し、カバー401の形態のレドームを完成する。
【0069】
明細書、特許請求の範囲、ならびに図に開示した特徴は、本発明の様々な実施形態を別々に取ってもまたは組み合わせてもその両方で特許請求した発明に関して本質的であり得る。
(項目1)
少なくとも1つの第1の周波数帯域において電磁放射線を放出するおよび/または検知する少なくとも1つのアンテナ(11、111、411)のためのカバー(1、101、301、401)であって、前記カバー(1、101、301、401)が、前記アンテナ(11、111、411)に面する少なくとも1つの第1の表面、および前記アンテナ(11、111、411)から背けられた少なくとも1つの第2の表面を含み、前記カバー(1、101、301、401)、電磁放射線に対して透過性である少なくとも1つの基板(3、103、403)、および少なくとも1つの第1の領域(19、119)内の前記基板(3、103、403)を覆う少なくとも1つの第1のコーティング(7、107、407)を備え、前記第1のコーティング(7、107、407)が、少なくとも前記第1の周波数帯域の電磁放射線に対して透過性である、カバー(1、101、301、401)において、
前記第1のコーティング(7、107、407)が、前記第2の表面上へと当たり、少なくとも1つの第2の周波数帯域内の周波数を有する電磁放射線に対して反射性である
ことを特徴とする、カバー。
(項目2)
前記アンテナが、レーダアンテナ(11、111、411)である、ならびに/または前記第1の周波数帯域が、レーダ周波数、特に、10GHzから130GHz、好ましくは20GHzから100GHz、より好ましくは20GHzから30GHz、70GHzから80GHzおよび/もしくは90GHzから100GHz、最も好ましくは24GHz、77GHzもしくは93GHzである
ことを特徴とする、項目1に記載のカバー。
(項目3)
前記基板(3、103、403)が、前記第1の周波数帯域内のおよび/または少なくとも1つの第3の周波数帯域内の電磁放射線に対して透過性であり、好ましくは、前記第2の周波数帯域が、前記第3の周波数帯域と少なくとも一部が同一である
ことを特徴とする、項目1または2に記載のカバー。
(項目4)
前記第1のコーティング(7、107)が、前記基板(3、103)と前記アンテナ(11、111)との間に設置されるおよび/または前記基板(3、103)の前記第1の表面(5、105)の側に設置される
ことを特徴とする、項目1から3の一項に記載のカバー。
(項目5)
前記第1のコーティング(407)が、前記基板(403)の前記第2の表面の側に設置される
ことを特徴とする、項目1から3の一項に記載のカバー。
(項目6)
少なくとも1つの応力制御層(423)が、前記基板(403)と前記第1のコーティング(407)との間に設置される
ことを特徴とする、項目5に記載のカバー。
(項目7)
一方では、前記基板(3、103)および/または前記第1のコーティング(7、107)と、他方では、前記アンテナ(11、111)との間に、好ましくは少なくとも一部が設置された少なくとも1つの第2のコーティング(9、109)であって、前記第2のコーティング(9、109)が、少なくとも1つの第4の周波数帯域、好ましくは前記第2の周波数帯域および/もしくは前記第3の周波数帯域において少なくとも一部が非透過性および/もしくは不透明であり、ならびに/または前記第1の周波数帯域において透過性である、少なくとも1つの第2のコーティング(9、109)
によって特徴付けられる、項目1から6の一項に記載のカバー。
(項目8)
前記第1のコーティング(7、107)および/または前記基板(3、103)を少なくとも一部が覆う少なくとも1つのマスキング層(23、123)であって、前記マスキング層(23、123)が、少なくとも1つの第5の周波数帯域、好ましくは前記第2の周波数帯域、前記第3の周波数帯域および/もしくは前記第4の周波数帯域において少なくとも一部が非透過性および/もしくは不透明であり、ならびに/または前記第1の周波数帯域において透過性である、少なくとも1つのマスキング層(23、123)
によって特徴付けられる、項目1から7の一項に記載のカバー。
(項目9)
前記第2の周波数帯域、前記第3の周波数帯域および/または前記第4の周波数帯域が、384THzから789THzおよび/または可視光を含む
ことを特徴とする、項目1から8の一項に記載のカバー。
(項目10)
前記第2の周波数帯域、前記第4の周波数帯域および/もしくは前記第5の周波数帯域が、384THzから789THzの領域をカバーする、ならびに/または前記第3の周波数帯域が、384THzから789THzの領域の一部分だけをカバーする
ことを特徴とする、項目9に記載のカバー。
(項目11)
少なくとも1つのカバー層(425)が、前記基板(403)から背けられて設置される前記第1のコーティング(407)の側に設置され、前記カバー層(425)が、前記第2、第3、第4および/または第5の周波数帯域に対して透明、少なくとも半透明である
ことを特徴とする、項目5から10の一項に記載のカバー。
(項目12)
前記基板(3、103、403)は、少なくとも一部が少なくとも1つの熱可塑性材料、好ましくはポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリロニトリルエチレンスチレン、ポリアクリレートおよび/またはこれらの混合物を含む
ことを特徴とする、項目1から11の一項に記載のカバー。
(項目13)
前記第1のコーティング(7、107、407)が、少なくとも1つのメタリック材料、好ましくはクロム、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、金、ロジウム、コバルト、マンガン、モリブデン、タンタル、銀および/またはこれらの混合物を含む
ことを特徴とする、項目1から12の一項に記載のカバー。
(項目14)
前記第1のコーティング(7、107、407)が、周波数選択表面バンドパスフィルタとして動作し、および/または少なくとも1つの繰返しパターン(213、513a、513b、513c)を含み、前記パターン(213、513a、513b、5135c)が、十字(201a、201b、201c、201d)、円(205a、205b)、正方形(207a、207b、515a)、星形(203a、203b、203c、203d)、長方形(207a、207b)、線(211)、六角形(209a、209b、515c)、楕円形、多角形、環状物、半円、円形のセクタ、トリクエトラ、三日月形、アルベロス、渦巻き、レムニスケート、三角形(515b)および/または卵形形状として形成される特に複数の素子(515a、515b、515c)を好ましくは含む
ことを特徴とする、項目1から13の一項に記載のカバー。
(項目15)
前記素子(201a、201b、201c、201d、203a、203b、203c、203d、205a、205b、207a、207b、209a、209b)が、前記第1のコーティング内部の、特に互いに分離された開口部および/またはギャップにより形成される
ことを特徴とする、項目14に記載のカバー。
(項目16)
前記素子(201a、201b、201c、201d、203a、203b、203c、203d、205a、205b、207a、207b、209a、209b、515a、515b、515c)が、前記第1のコーティングの、特に互いに分離されたおよび/または相互接続されていない領域により形成される
ことを特徴とする、項目14または15に記載のカバー。
(項目17)
前記第2のコーティング(9、109)および/または前記マスク層(23、123)が、少なくとも1つの熱可塑性物質、好ましくはポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルニトリルエチレンスチロール(AES)および/またはポリカーボネートアクリロニトリルブタジエンスチレン(PCABS)を含む
ことを特徴とする、項目1から16の一項に記載のカバー。
(項目18)
前記第1のコーティング(7、107、407)が、前記カバーの前記第2の表面上で見たときに、少なくとも1つのロゴ、文字、数字、図形商標、商標、装飾的意匠および/または装飾的パターンを示す
ことを特徴とする、項目1から17の一項に記載のカバー。
(項目19)
前記マスキング層(123)が、前記第2の表面上で見たときに、前記第1のコーティング(107)の少なくとも第1の領域(119)だけが見えるように前記第1のコーティング(107)を覆い、前記第1の領域(119)が、少なくとも1つのロゴ、文字、数字、図形商標、商標、装飾的意匠および/または装飾的パターンの形態を有し、前記第1の領域(119)は、少なくとも一部が分離された基板と隣接し、または前記基板により形成される
ことを特徴とする、項目1から16の一項に記載のカバー。
(項目20)
前記第1の表面(13、113)上に、特に前記基板(3、103)と前記第1のコーティング(7、107)との間に設置された少なくとも1つの第3のコーティング(13、113)であって、前記第3のコーティング(13、113)が、特に電気的に絶縁性である、少なくとも1つの第3のコーティング(13、113)
によって特徴付けられる、項目1から19の一項に記載のカバー。
(項目21)
前記基板(403)と前記第1のコーティング(407)および/もしくは前記カバー層との間の前記基板(3、103、403)の前記第2の表面上におよび/もしくは前記第2の表面の側に好ましくは設置される、ならびに/または前記第1のコーティングの側におよび/もしくは前記基板から背けられた前記カバー層上に設置される少なくとも1つの第4のコーティング(15、115、415、427)であって、前記第4のコーティング(15、115、415、427)が、任意選択で光散乱粒子を含む、熱ハードコート(15、115、415、427)を特に形成する、少なくとも1つの第4のコーティング(15、115、415、427)
によって特徴付けられる、項目1から20の一項に記載のカバー。
(項目22)
前記第1のコーティング(7、107、407)が、50%よりも多く、好ましくは75%よりも多く、より好ましくは85%よりも多く、はるかに好ましくは90%よりも多く、最も好ましくは95%よりも多くを反射し、および/または前記第1のコーティング(7、107、407)が、少なくとも部分的に湾曲される少なくとも1つの端部を有し、および/または前記第1のコーティング(7、107、407)が、特に前記端部の領域内に、少なくとも1つの抵抗負荷を含む
ことを特徴とする、項目1から21の一項に記載のカバー。
(項目23)
少なくとも1つの第1の周波数帯域において電磁放射線を放出するおよび/または検知する少なくとも1つのアンテナ(11、111、411)のためのカバー(1、101、401)、特に項目1から22の一項に記載のカバー(1、101、401)を製造する方法であって、前記方法が、
少なくとも1つの基板(3、103、403)を用意するステップおよび/または製造するステップと、
少なくとも1つの第1のコーティング(7、107、407)を用いて前記基板(3、103、403)を覆うステップであって、前記第1のコーティング(7、107、407)が、前記第1の周波数帯域内の周波数を有する放射線に対して透過性である周波数選択表面バンドパスフィルタを形成する、前記基板を覆うステップと
を含む、方法において、
第1のコーティング(7、107、407)として、第2の周波数帯域内の周波数に対して高い反射性を有する材料が使用される
ことを特徴とする、方法。
(項目24)
前記第2の周波数帯域内の電磁放射線に対して非透過性である少なくとも1つのマスキング層(23、123)を用いて前記基板(3、103)を覆うステップであって、好ましくは、前記基板(3、103)が、前記第1のコーティング(7、107)を用いて前記基板(3、103)を覆うステップの前に、前記マスク層(23、123)を用いて覆われ、特に、前記第1のコーティング(7、107)は、少なくとも一部が前記マスキング層(23、123)の上に設置される、前記基板を覆うステップ
によって特徴付けられる、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記周波数選択表面バンドパスフィルタが、前記基板(3、103、403)上への前記第1のコーティング(7、107、407)の堆積の後で、前記第1のコーティング(7、107、407)を構造化するステップによって、好ましくはレーザエッチングによって、製造される
ことを特徴とする、項目13または14に記載の方法。
(項目26)
前記構造が、パターン(213、513a、513b、513c)を形成する複数の素子要素(201a、201b、201c、201d、203a、203b、203c、203d、205a、205b、207a、207b、209a、209b、515a、515b、515c)を形成するステップを含み、前記素子(201a、201b、201c、201d、203a、203b、203c、203d、205a、205b、207a、207b、209a、209b、515a、515b、515c)が、前記第1のコーティング内部の、好ましくは互いに分離された開口部および/もしくはギャップを特に含み、ならびに/または特に前記ギャップおよび/もしくは開口部(517a、517b、517c)によって分離された、好ましくは互いに分離された前記第1のコーティング(407)の領域を含む
ことを特徴とする、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記第1のコーティング(7、107、407)が、スパッタリング、特にPVDマグネトロンスパッタリング堆積によって製造される
ことを特徴とする、項目23から26の一項に記載の方法。
(項目28)
前記方法が、前記基板(403)と前記第1のコーティング(407)との間に少なくとも一部が設置される、好ましくは少なくとも1つのハードコート(415)を形成する少なくとも1つの1番目の第4のコーティングおよび/または少なくとも1つの応力制御層(423)を形成するステップをさらに含む
ことを特徴とする、項目23から27の一項に記載の方法。
(項目29)
前記方法が、前記基板から背けられた前記第1のコーティングの側に少なくとも一部が設置される、少なくとも1つのハードコート(427)を形成する少なくとも1つの2番目の第4のコーティング、ならびに/または、可視光および/もしくは少なくとも一部が384THzから789THzを含む周波数帯域における電磁放射線に対して、特に透明、少なくとも半透明である少なくとも1つのカバー層を形成するステップをさらに含む
ことを特徴とする、項目23から28の一項に記載の方法。
【符号の説明】
【0070】
1 カバー
3 基板
5 表面
7 第1のコーティング
9 第2のコーティング
11 レーダユニット
13 第3のコーティング
15 熱ハードコート
16 人物
17 方向
19 領域
21 領域
101 カバー
103 基板
105 表面
107 第1のコーティング
109 第2のコーティング
111 レーダユニット
113 第3のコーティング
115 熱ハードコート
116 人物
117 方向
119 領域
121 領域
123 マスキング層
201a、201b、201c、201d 十字素子
203a、203b、203c、203d 星形素子
205a、205b 円形素子
207a、207b 長方形素子
209a、209b 六角形素子
211 線状素子
213 パターン
301 カバー
303 基板
308 コーティング
319 領域
321 領域
401 カバー
403 基板
407 第1のコーティング
411 レーダユニット
415 ハードコート
423 応力制御層
425 カバー層
427 ハードコート
513a、513b、513c パターン
515a、515b、515c 素子
517a、517b、517c 開口部
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7