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特許7610530デジタルワークフォースの知的調整のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】デジタルワークフォースの知的調整のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20241225BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021567942
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-20
(86)【国際出願番号】 GB2020051200
(87)【国際公開番号】W WO2020229843
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-02-15
(31)【優先権主張番号】16/413,679
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516005083
【氏名又は名称】ブルー プリズム リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メジャー,ダニー
(72)【発明者】
【氏名】ワルビー,テリー
(72)【発明者】
【氏名】ブラックバーン,トム
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0044829(US,A1)
【文献】特開2018-041296(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0332876(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0306779(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルワークフォースの知的調整のための、コンピュータで実装される方法であって、
タスクキューイングシステムおいて第1タスクを受信することと、
調整ハードウェアを介して、第1ロボット処理自動化ボットを管理することと、を含み、
前記第1ロボット処理自動化ボットを管理することは、アプリケーション予測モデルおよびタスク予測モデルに基づき、前記第1ロボット処理自動化ボットが前記受信した第1タスクを実行すべきか否か決定することを含み、
前記アプリケーション予測モデルは、所与の時間スパン内でキューされた前記第1タスクに関連して、前記第1ロボット処理自動化ボットの将来期待される性能を決定し、
前記タスク予測モデルは、時間のセグメント上で、前記タスクキューイングシステムに追加されるべき将来タスクを決定し、
前記方法は、さらに、前記第1ロボット処理自動化ボットが前記受信した第1タスクを実行すべきであるとの決定に応答して、前記第1ロボット処理自動化ボットを介して、前記第1タスクを実行するように動作することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記方法は、前記第1ロボット処理自動化ボットが前記第1タスクを実行するためのアクションを実行することに応じ、第2ロボット処理自動化ボットに対して前記第1タスクの実行を委任および前記第1タスクの実行の委任を解除することをさらに含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記タスクキューイングシステムに追加されたタスクの履歴に基づき、前記タスクキューイングシステムに追加されるべき前記将来タスクを決定することをさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1タスクを実行するためのアクションを実行する前記第1ロボット処理自動化ボットの性能計量に基づき、メタデータを生成することをさらに含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1タスクは、前記第1ロボット処理自動化ボットによって自動化されるクライアント計算デバイスに関連付けられた、規定されたキーストロークの操作指示書によって定義される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1タスクはビジネス計量を含み、
前記ビジネス計量には、優先度に基づいて数値が割り当てられる、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
第2タスクを受信することと、
前記アプリケーション予測モデルおよび前記タスク予測モデルに基づき、前記第2タスクが前記タスクキューイングシステム内にある間は前記第1ロボット処理自動化ボットをアイドルにすることと、
前記第1ロボット処理自動化ボットをアイドルにすることにより、計算資源を節約することと、
をさらに含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記第2タスクは前記タスクキューイングシステム内の唯一のタスクである、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
時間の前記セグメント上ですべての受信したタスクを完了するのに必要な計算資源の量を決定することをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
2時間的期間に比べて第1時間的期間において前記第1タスクに関連付けられる計算資源の前記将来期待される性能は、前記第1ロボット処理自動化ボットが前記第1時間的期間および前記第2時間的期間において前記第1タスクを実行するのに必要な計算資源のパーセンテージに基づく、方法。
【請求項11】
コンピュータによって実行された場合に、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法を前記コンピュータに実行させる、命令を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法を実行するための手段を備えるサーバ。
【請求項13】
請求項12に記載のサーバであって、
タスクキューイングシステムと、
前記第1ロボット処理自動化ボットと、
を備えるサーバ。
【請求項14】
請求項12に記載のサーバと、
タスクキューイングシステムと、
前記第1ロボット処理自動化ボットと、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例はデジタルワークフォースの知的調整のためのシステムおよび方法に関する。具体的には、実施形態はロボティックプロセス自動化(RPA)ボットによってタスクの実行を管理、優先順位付けおよび命令することに関する。
【背景技術】
【0002】
RPAは、ソフトウェアロボットまたは人工知能(AI)ワーカー(以下では、個別にまたは集合的に「ボット」と称する)を利用するビジネスプロセス自動化技術の近年出現した形態である。従来のワークフロー自動化ツールでは、ソフトウェア開発者は、内部アプリケーションプログラムインタフェースを用いてタスクを自動化するためのアクションのリストを生成する。これに対し、RPAシステムは、ユーザがアプリケーションのグラフィカルユーザーインターフェースにおいてタスクを実行するのを見ることによってアクションリストを開発し、その後、そのグラフィカルユーザーインターフェース上でそれらのタスクを直接的に繰り返すことによって自動化を実行する。
【0003】
従来、デジタルワーカーは、ユーザのデジタルワークを置換するまたは移転するためのコスト効率的な方法であると見られている。しかしながら、しばしば、様々な要因により、ボットが十分に活用できない結果となる。さらに、デジタルワークフォースがサイズ的に大きくなると、ボットが企業のために望ましいタスクを実行しているのかの判定が困難になる。
【0004】
現在のシステムは、様々な、非効率的な、または最適でない方法(ファーストインファーストアウト技法、どのタスクを実行すべきかを決定するための手作業による干渉、様々なレベルの優先度を有するキューを持つタスクのグループ化、およびスケジューリングを含む)でボットを利用する。しかしながら、これらの技術は手順的なものであり、セットアップに時間がかかるが、タスクレベルのビジネス優先度および/またはサービスアグリーメント、動的変数、ワークの尤度および生成される対応タスクを予測するトレンドを考慮していない。
【0005】
したがって、より短い時間でタスクを完了させつつ、システム資源を節約するために調整層を活用することによりRPAボットを管理および割り当てるための、より効率的かつ効果的なシステムおよび方法についてのニーズが存在する。
【0006】
[サマリー]
本明細書に記載される実施形態は、RPAボットを管理し、委任し、命令することによってワークフローを優先順位付け、命令するためのシステムおよび方法に向けられる。実施形態により、RPAボットはユーザタスクをエミュレートできるようになり、RPAボットのアウトプットは、供給されるアプリケーションランドスケープをRPAボットがより認識するようになるにつれて増大する。実施形態は、ビジネス優先度、サービスレベルアグリーメント、および他の要因に基づき、ワークおよびタスクが管理できるように構成されたタスクキューイングシステムを利用してもよい。実施形態は、ワークが生成される一連のチャネルについてRPAボットを管理するよう構成された調整層を含んでもよい。
【0007】
実施形態は、チャネル、APIハードウェア、タスクキューイングハードウェア、アプリケーション予測モデルハードウェア、タスクプロファイル予測モデルハードウェア、調整層ハードウェア、およびRPAボットを含んでもよい。
【0008】
チャネルは、タスクキューイングハードウェアのために作成されたタスクまたはワーク(以下、個別にまたは集合的に「タスク」と称する)であってもよい。タスクは、セルフサービスウェブフォーム、OCRエンジンによって処理されるPDF、チャットボット、電子メールまたはSMS、ビジネスシステムまたはアプリケーションの既存ライン、から受信されてもよく、または、APIを介してトリガされてもよく、計算処理を要する任意の他のタスクであってもよい。タスクは、ユーザがアプリケーションのグラフィカルユーザーインターフェースにおいてタスクを実行可能である任意の計算資源に関連付けて構成されてもよい。
【0009】
APIハードウェアは、タスクキューイングハードウェアにおいてタスクのキューイングをトリガするためのエンタープライズスイート内で開始されてもよい。APIハードウェアは、様々なシステムについて、タスクのタイプ、優先度、等を決定するよう構成されてもよい。ワークの優先度は、完了すべきタスクの優先順位付けを命令するユーザアクションによってまたはAIによって決定されてもよい。
【0010】
タスクキューイングハードウェアは、APIハードウェアを介してチャネルからタスクを受信し、いかなる順序でいつ各タスクを完了すべきかを決定し、キューされたタスクに関連してRPAボットを管理するよう構成されてもよい。
【0011】
調整ハードウェアは、RPAボットが利用可能になるとRPAボットにワークを配分するコントローラとなるよう構成されてもよい。調整ハードウェアは、完了すべきタスクの現在のキューを決定し、アプリケーション予測モデルハードウェアおよびタスクプロファイル予測モデルハードウェアの入力に基づき、どのタスクを処理すべきかを決定するよう構成されてもよい。モデルハードウェアからの入力に基づき、調整ハードウェアは、固定規則の必要なく、タスクおよびアプリケーショントレンドについて、様々なワーク時間の常に変化するランドスケープを動的に決定してもよい。
【0012】
アプリケーション予測モデルハードウェアは、所与の時間スパン内でキューされたタスクに関連するRPAボットの将来期待される性能を決定するために予測分析を決定するよう構成されてもよい。これにより、所与の時間スパン内でRPAボットが実行できるタスクの数におけるスループットの増大が可能となる。RPAボットの効率は、他のシステム要件、RPAボットがタスクを実行するのにかかる時間の長さ、および/または組み合わせに基づき、ある時点でタスクを実行するのに要求される時間の長さに関連付けられてもよい。
【0013】
タスクプロファイル予測モデルハードウェアは、タスクキューイングハードウェアにある特定のタイプのタスクがいつキューされるか、および、任意のタスクについていかなる優先度レベルが割り当てられるかを決定するよう構成されてもよい。タスクプロファイル予測モデルによる、受信すべきタスクの量およびタイプの決定に基づき、タスクキューイングハードウェアは、RPAボットをすべての現在のタスクに割り当てずともよく、より高い優先度のタスクが受信されそうになるまで少なくとも1つのRPAボットを一時停止してもよい。
【0014】
本発明の、これらおよび他の態様は、以下の説明および添付図面とともに考慮された場合によりよく認識され理解される。以下の説明は、本発明の様々な実施形態およびそれらのいくつかの具体的な詳細を示すが、限定ではなく例示によって与えられる。多くの置換、変更、追加または並び替えが本発明の範囲内で可能であり、本発明は、そのような置換、変更、追加または並び替えをすべて含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
各実施形態の非限定的かつ非網羅的な実施形態は、添付図面を参照して説明され、とくに断らない限り、様々な視点において、同様の参照番号は同様の部分を示す。
図1】一実施形態による、デジタルワークフォースの知的調整のための1つのトポロジーを示す。
図2】一実施形態によるサーバの実施形態を示す。
図3】一実施形態による、キューされたタスクを完了するためにRPAボットがアクションを実行するための方法を示す。
図4】一実施形態によるRPAボットを示す。
図5】一実施形態によるタスクキューイングシステムを示す。
図6】一実施形態による、デジタルワークフォースの知的調整のための1つのトポロジーを示す。
【0016】
図中のいくつかの視点を通して、対応する参照符号は対応する構成要素を示す。当業者は、図中の要素は簡明のため例示されており、必ずしも寸法が正確でないということを理解する。たとえば、本開示の様々な実施形態の理解を向上させることを支援するために、図中のいくつかの要素の寸法が、他の要素に対して誇張される。また、本開示のこれら様々な実施形態の視点をよりはっきりさせるのを容易にするために、商業的に実施可能な実施形態において有益または必要な、一般的であるがよく理解されている要素は、しばしば示されない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明において、本発明の徹底した理解を提供するために、多くの具体的な詳細が提供される。しかしながら、当業者には、本発明を実施するのにそのような具体的な詳細を採用する必要はないということが明白である。他の場合には、本発明を不明確にするのを避けるために、周知の材料または方法は記載されていない。
【0018】
図1を参照して、図1は、デジタルワークフォースの知的調整のための1つのトポロジーを示す。実施形態は、RPAボットの効果的かつ効率的な利用を駆動するよう構成されてもよく、これにより、より短い時間フレーム内でより多くのワークを完了できる。トポロジー100は、ワーク/タスク作成のためのクライアント計算デバイス105と、ネットワーク110上で通信可能に結合されるよう構成されるサーバ120とを含んでもよい。
【0019】
ネットワーク110は、有線または無線のネットワーク(インターネット、イントラネット、LAN、WAN、NFCネットワーク、ブルートゥース(登録商標)、赤外線、無線周波数、セルラーネットワーク、または他のタイプのネットワーク)であってもよい。ネットワーク110は、結果としてキュー内にタスクが作成される様々な種類の有線または無線のネットワークの組み合わせであってもよいということが理解される。
【0020】
クライアント計算デバイス105は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、コンピュータ、携帯情報端末、または命令を処理してネットワーク130の一部(一箇所または複数箇所)に接続するよう構成されるハードウェアプロセッサを有する任意の他のタイプのモバイルデバイスであってもよい。クライアント計算デバイス105は、ワークを作成するためにユーザがクライアント計算デバイス105のプロセッサと相互作用できるように構成されたグラフィカルユーザーインターフェースを有してもよい。実施形態では、ワークおよび対応するタスクは、ネットワーク110上でサーバ120まで送信されるよう構成される。ワークおよびタスクは、セルフサービスウェブフォーム、OCRエンジンによって処理されるPDF、チャットボット、電子メールまたはSMS、ビジネスシステムまたはアプリケーションの既存ライン、に関連付けられてもよく、または、API等を介してトリガされてもよい。実施形態では、各タスクには、キーストローク、グラフィカルユーザーインターフェース上の入力、またはユーザが実行し得る他のアクションが関連付けられてもよい。これらのタスクは、タスクに関連付けられたメタデータ(グラフィカルユーザーインターフェース上で要求されるキーストローク等)に基づき、ユーザの代わりにアクションを実行するRPAボット140によって完了してもよい。たとえば、クライアント計算デバイス105によって生成されたタスクは、ネットワーク上でユーザについてワークプロファイルおよび特権をポピュレートすることに関連付けられてもよい。
【0021】
サーバ120は、クライアント計算デバイス105によって生成されたタスクを実行するためのRPAボット140を、リモートで提供し、割り当て、管理し、かつ制御するよう構成される計算資源であってもよい。サーバ120は、エントリポイントAPIを介してビジネス計量を設定しタスクを開始するよう構成されてもよい。サーバ120のエントリポイントAPIは、企業内で様々な方法で、クライアント計算デバイス105のいずれかを介して、自動的にトリガされ、または組み合わせで、開始可能である。サーバ120は、RPAボット140によって最初に完了されるよう異なる優先度を有する異なるタスクを組織が有することができるように構成されてもよい。ビジネス計量は、プロセスまたはタスクレベルに関連付け可能な重み付け(組織優先度、サービスレベルアグリーメント、および動作レベルアグリーメント)であってもよい。異なるタスクに関連付けられるビジネス計量は、サーバ120によって自律的に作成されてもよく、および/または、人間のユーザによって設定されてもよい。
【0022】
サーバ120は、特定の場所に存在する物理的な計算デバイスを含んでもよく、クラウドコンピューティングネットワーク環境内に配備されてもよい。本記載において、「クラウドコンピューティング」とは、仮想化を介して急速に提供され最小限の管理努力またはサービスプロバイダ干渉でリリースされ、その後適宜スケーリング可能な、設定可能な計算資源(たとえば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、およびサービス)の共用プールへの、ユビキタスで便利なオンデマンドネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして定義されてもよい。クラウドモデルは、様々な特徴(たとえばオンデマンドセルフサービス、ブロードネットワークアクセス、資源プーリング、急速弾力性、測定されたサービス、等)、サービスモデル(たとえばソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)、プラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)、インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(IaaS)、等)、および配備モデル(たとえば、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、等)から構成され得る。サーバ120は、1つ以上のコンピュータ可用媒体またはコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを含んでもよい。たとえば、サーバ120は、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス、読み出し専用メモリ(ROM)デバイス、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)デバイス、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)、光記憶デバイス、および磁気記憶デバイスの1以上を含むコンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0023】
本記載において、「クラウドコンピューティング」とは、仮想化を介して急速に提供され最小限の管理努力またはサービスプロバイダ干渉でリリースされ、その後適宜スケーリング可能な、設定可能な計算資源(たとえば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、およびサービス)の共用プールへの、ユビキタスで便利なオンデマンドネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして定義されてもよい。クラウドモデルは、様々な特徴(たとえばオンデマンドセルフサービス、ブロードネットワークアクセス、資源プーリング、急速弾力性、測定されたサービス、等)、サービスモデル(たとえばソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)、プラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)、インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(IaaS)、等)、および配備モデル(たとえば、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、等)から構成され得る。実施形態では、サーバ120は、サービスレベルアグリーメント、キューされたタスク、および/または組み合わせに基づき、RPAボットに委任し委任解除するよう構成されてもよい。たとえば、サーバ120は、現在キューされているタスクおよび予測される将来のタスクを完了するための計算資源に基づき、RPAボット140の数を増加させるよう計算資源を割り当てるよう構成されてもよい。たとえば、サーバ120は、単一のRPAボット140によって現在のタスクの組を完了するのに必要な時間フレームを決定するよう構成されてもよい。決定された時間フレームが時間閾値より大きい場合には、サーバ120は、ある数のRPAボット140によって現在のタスクの組を完了するのに必要な第2時間フレーム(第2時間フレームは前記時間閾値未満である)を決定してもよい。この決定は、RPAボット140がタスクを完了することに関連付けられる更新されたモデルに基づいて、与えられたタスクをRPAボット140が完了するたびに、動的に行われてもよい。
【0024】
サーバ120は、タスクキューイングハードウェア、調整ハードウェア130、およびRPAボット140を含んでもよい。
【0025】
タスクキューイングハードウェアは、RPAボット140によって実行されるべきタスクをクライアント計算デバイス105から受信するよう構成されてもよい。タスクキューイングハードウェアは、どのRPAボット140がどのタスクをいつ(現時刻または将来の時刻であってもよい)実行するかを決定するよう構成されてもよい。クライアント計算デバイス105からチャネル上で完了すべきタスクまたはワークをタスクキューイングハードウェアが受信することに応じて、タスクキューイングハードウェアは、タスクにビジネスまたは計量重み付けを割り当ててもよい。この重み付けと、サービスレベルアグリーメントと、予測モデルと、等に基づき、タスクキューイングハードウェアは、キュー内のタスクを実行するためまたはタスクを管理するための計算資源(RPAボット140等)を提供してもよい。実施形態では、タスクは、RPAボット140が他のタスクを完了するまでタスクキューイングハードウェア内に残留してもよい。タスクキューイングハードウェアは、タスクに関連付けられるタスク設計図のレポジトリを記憶するよう構成されてもよい。タスク設計図は、タスクに関連付けられたRPAボット140によって入力(エンター)されるべき入力(インプット)を含んでもよい。
【0026】
調整ハードウェア130は、RPAボット140にワークを配分するためのコントローラとなるよう構成されるハードウェア計算デバイスであってもよい。調整ハードウェア130は、タスクキューイングハードウェアにおいてキューされる完了されるべきタスクを決定し、機械学習を介して、アプリケーション予測モデルおよびタスクプロファイル予測モデルに基づき、RPAボット140にどのアイテムを割り当てるかを決定してもよい。これら2つのモデルは、調整ハードウェア130が固定規則を必要とせずに動的に決定を行えるように構成されてもよい。調整ハードウェア130は、RPAボット140がタスクを完了するたびに、現在および予測される将来のタスクについて、RPAボット140の最も効果的かつ効率的な使用を決定するための再帰的および連続的アルゴリズムを利用してもよい。
【0027】
RPAボット140は、人間のユーザの相互作用をエミュレートし、ビジネスシステムおよびアプリケーションのラインに対してRPAボット140が完了した規定されたキーストロークの操作指示書によってタスクを実行するよう構成されたソフトウェアであってもよい。RPAボット140は、専用のオペレーティングシステム上に配置されるソフトウェアとして構成され、割り当てられたタスクを自動的に実行してもよい。RPAボット140は、タスクを完了することに応じてデータを生成するよう構成されてもよい。RPAボット140によって生成されるデータは、特定のタスクを完了するための所与の時間的期間、特定のタスクを完了するための計算資源、等を含んでもよい。
【0028】
図2は、サーバ120の一実施形態を示す。当業者は、サーバ120に関連する特定の要素は、クライアント計算デバイス105においてローカルに記憶されてもよいということを理解する。したがって、以下に記載する要素は、クライアント計算デバイス105に記憶されてもよい。
【0029】
サーバ120は、処理デバイス205と、通信デバイス210と、メモリデバイス215と、調整ハードウェアデバイス220と、ボット実行メタデータ230と、アプリケーションデータソースモジュール235と、アプリケーション予測モデル240と、タスクプロファイルデータソースモジュール245と、タスクプロファイル予測モデル250と、RPA可用性ハードウェア155とを含んでもよい。
【0030】
処理デバイス205は、プロセッサ実行可能命令を記憶するメモリ(たとえば読み出し専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM))と、プロセッサ実行可能命令を実行する1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。処理デバイス205が2以上のプロセッサを含む実施形態では、各プロセッサは並列または分散方式で動作してもよい。処理デバイス205は、サーバ120のオペレーティングシステムまたはサーバ120の他の要素に関連付けられたソフトウェアを実行してもよい。
【0031】
通信デバイス210は、サーバ120がネットワーク130上で他のデバイスと通信可能となるようにするデバイスであってもよい。通信デバイス210は、ネットワーク110上で無線通信を実行するための1つ以上の有線/無線送受信機を含んでもよい。通信デバイス210は、クライアント計算デバイス105からタスクを受信し、RPAボット140に関連付けられた完了したタスクに関連付けられたデータをクライアント計算デバイス105に送信するよう構成されてもよい。
【0032】
メモリデバイス215は、サーバ110によって生成または受信されたデータを記憶するデバイスであってもよい。メモリデバイス215は、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、および/またはフラッシュメモリドライブを含んでもよいが、これらに限定されない。実施形態では、メモリデバイス215は、クライアント計算デバイス105から受信した情報(ビジネス計量、規則、等)を記憶するよう構成されてもよい。メモリデバイス215は、また、タスクに関連付けられたメタデータ、予測モデルに関連付けられたデータ、およびRPAボット140に関連付けられたデータを記憶するよう構成されてもよい。
【0033】
調整ハードウェアデバイス220は、ハードウェア処理デバイスであってもよく、所与の時間フレーム内でどのタスクが実行を要する可能性が高いかの予測モデルを分析して、タスクキューイングシステム内にどのような完了すべきタスク(各タスクに重み付けが関連付けられている)が記憶されているかを決定し、RPAボット140によって完了されるべきタスクに関連付けられたソフトウェアアプリケーションを分析し、RPAボット140がタスクを完了するための時間の長さおよび計算資源を決定するよう構成されてもよい。このように、調整ハードウェアデバイス220は、現在タスクキューイングハードウェア内にあるタスクおよびタスクキューイングハードウェア内に存在することになると予測されるタスクについてRPAボット140を管理するよう構成され、現在および予測的将来のタスクならびにRPAボット効率に基づいて、RPAボット140を委任および委任解除するために計算資源を管理するよう構成されてもよい。
【0034】
ボット実行メタデータ230は、具体的なタスクを完了するRPAボットに関連付けられたメタデータを決定するよう構成されるハードウェア処理デバイスであってもよい。メタデータは、RPAボット140がタスクを完了するのに必要な計算資源、タスクを完了するのに必要なオペレーティングシステム、タスクを完了するのに必要なファイル、所与のタスクを完了するのに必要なインターネットプロトコル、を含んでもよい。このメタデータは、メモリデバイス215内に記憶され、同様のタスクを完了するために後続のRPAボット140によって使用されてもよい。このように、複数のRPAボット140が、タスクを完了するためのファイルレポジトリ内に記憶されたメタデータを利用し、この結果として、タスクを実行するのに必要な計算資源を限定しつつ、RPAボット140がより効率的となり得る。ボット実行メタデータ230は、タスクを完了するためにクライアントデバイス上でRPAがアクションを実行している場合に、タスクを完了するのに必要な手順的ステップを含んでもよい。実施形態では、手順的ステップは、RPAボット140がタスクを実行する前にユーザによって設定されてもよいし、ユーザがタスクを実行することに応じてボット実行メタデータ230によって自律的に記録されてもよい。
【0035】
アプリケーションデータソース325モジュールは、ソフトウェアプログラムについてタスクを完了するRPAボットの性能計量に基づいてメタデータを生成するよう構成されるハードウェア処理デバイスであってもよい。たとえば、性能計量は、単位時間あたりのアプリケーション性能を含んでもよい。RPAボット140は自動化された処理相互作用を実行するにつれ、性能計量が決定されてもよい。たとえば、性能計量は、ソフトウェアアプリケーションがRPAボットによって開始される際に、RPAボットがアプリケーションにログインする際に、および、RPAボットが異なるページを介してナビゲートする際に、収集されてもよい。収集されるメタデータは、処理についての個人的データとは異なり、アプリケーション性能に関連する。
【0036】
アプリケーション予測モデル240は、所与の時間スパン内でソフトウェアアプリケーションの将来期待される性能を制御するために予測分析を決定するよう構成されるハードウェア処理デバイスであってもよい。たとえば、利用可能なデータセットに基づき、アプリケーション予測モデルは、第1ソフトウェアアプリケーションが10:54に使用された場合の23%の性能増加に対して、第1ソフトウェアアプリケーションは09:23には15%だけ遅く実行されると決定してもよい。予測分析は、複数のRPAボットが異なるタスクを実行するために異なる時間的期間においてサーバ120によって要求される平均的な計算資源に基づいてもよい。予測分析の結果として、異なる時刻において異なるソフトウェアアプリケーションの性能に基づいて所与の日内に1つのRPAボット140が実行可能なタスクの数におけるスループットが増加してもよい。実施形態では、予測分析およびモデルは、提供される所望のビジネス計量内で動作してもよい。
【0037】
タスクプロファイルデータソースモジュール245は、タスクがタスクキューイングシステム内にキューされる前または後にビジネスまたはビジネスユニット内のタスクのプロファイルに基づいてメタデータを生成するよう構成されるハードウェア処理デバイスであってもよい。クライアント計算デバイスからタスクを受信することに応じて、ボット実行メタデータ235は、タスクのプロパティを決定してもよい。プロパティは、データ(たとえば、要求者、関連付けられたビジネスプロセス、時間、および共通タスクタイプのビューを構築するために追跡される他の値)を含んでもよい。プロパティ値は、タスクのプロファイルを決定するために、モデルによって利用されてもよい。
【0038】
プロファイル予測モデル250は、タスクキューイングハードウェアによって特定のタイプのタスクがいつ受信されるかを決定するよう構成されるハードウェアデバイスであってもよい。タスクプロファイル予測モデル250は、履歴データに基づき、いかなるタイプのタスクがいつ受信され得るかを決定するよう構成されてもよい。RPAボット140がアイドルに/一時停止に維持され得るように、閾値を超える優先度レベルを有するタスクについて、それらのタスクがいつ受信されるか閾値を超える確率を決定してもよい。これにより、RPAボット140がタスクを受信することに応じてタスクを実行するためにアクションを実行することができる。予測された窓内で予測されたタスクが生成されない場合には、その代わりにRPAボット140によって他のタスクが実行される。
【0039】
RPAボット可用性ハードウェア255は、調整ハードウェア120がタスクキューシステム内の現在のタスクおよび予測的な将来のタスクを完了するために配備された十分なRPAを有するか否かを、対応するアプリケーションの効率に関して決定するよう構成される。RPAボット140がタスクを完了することに応じて、RPAボット可用性ハードウェア255は、現在の量の提供されたRPAボットがキュー内の各タスクおよび所与の時間的期間内にキュー内に生じることになる各予測的タスクを完了するために必要な時間の予測される量を決定してもよい。予測される時間の量が所与の時間的期間より小さい場合には、RPAボット可用性ハードウェア255は、計算資源を節約するために、提供されるRPAボットの数を減少させてもよい。予測される時間の量が所与の時間的期間より大きい場合には、RPAボット可用性ハードウェア255は、効率のために、提供されるRPAボットの数を増加させてもよい。RPAボット140がタスクを完了することに応じて、予測される時間の量を決定することにより、計算資源を最適化するために、予測される時間の量が動的かつ連続的に変化し得る。
【0040】
図3は、一実施形態による、キューされたタスクを完了するためにRPAボットがアクションを実行するための方法300を示す。以下に提示される方法300の動作は、例示的であることを意図される。いくつかの実施形態では、方法300は、記載されない1以上の追加の動作をもって、および/または、説明される動作の1以上を省略して、達成されてもよい。加えて、方法300の動作が図3に示され以下に説明される順序は、限定的であることを意図するものではない。
【0041】
いくつかの実施形態では、方法300は、1以上の処理デバイス(たとえば、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するために設計されたデジタル回路、情報を処理するために設計されたアナログ回路、状態機械、および/または情報を電子的に処理するための他の機構)において実装されてもよい。1つ以上の処理デバイスは、電子的記憶媒体上に電子的に記憶される命令に応じて方法300の動作の一部または全部を実行する1つ以上のデバイスを含んでもよい。1つ以上の処理デバイスは、方法300の動作のうち1つ以上の実行のために具体的に設計されるハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアを介して構成される1つ以上のデバイスを含んでもよい。
【0042】
動作310において、完了すべきタスクが受信されてもよい。実施形態では、受信したタスクに優先度重み付けおよびプロパティが割り当てられてもよい。プロパティは、タスクの名称、タスクが受信されたデータおよび時刻、タスクが完了されるべきデータおよび時刻、要求者に関連付けられた固有の識別子、を含んでもよい。タスクは、ビジネスシステムおよびソフトウェアアプリケーションのラインに対してRPAボットによって完了すべき規定されたキーストロークの操作指示書によって定義されてもよく、これが人間のユーザの相互作用をエミュレートしてもよい。
【0043】
動作320において、タスクキューイングシステムは、キュー内のすべてのタスクをリアルタイムで処理するための計算資源を決定してもよい。さらに、アプリケーション予測モデルは、第1時間スパン内でタスクに関連付けられたアプリケーションの将来の期待される性能を決定してもよく、タスクプロファイル予測モデルは、第2時間スパン内で受信されるタスクの予測を決定してもよい。実施形態では、第1時間スパンおよび第2時間スパンは、同じ時間的期間であっても異なる時間的期間であってもよく、重複があってもなくてもよい。
【0044】
動作330において、調整ハードウェアシステムは、ボットの可用性、タスクに関連付けられた優先度、受信したタスクに関連付けられたメタデータ、プロファイル予測モデル、およびアプリケーション予測モデルに部分的に基づいて、受信したタスクを実行するためにRPAボットが利用可能であるか否かを決定してもよい。
【0045】
動作340において、調整ハードウェアシステムは、RPAボットが受信したタスクを実行すべきか、またはキュー内の別のタスクを実行すべきか、またはアイドルのままでいるべきかを決定してもよい。
【0046】
動作350において、RPAボットは、タスクを完了するためにアクションを実行してもよい。
【0047】
動作360において、タスク予測モデルおよびアプリケーション予測モデルは、タスクを完了するためにアクションを実行するRPAボットに基づいて更新されてもよい。予測モデルは、ボットがタスクを完了しRPAボットが利用可能となることに応じて更新されてもよい。このように、RPA予測モデルは、RPAボットが第1タスクおよび第2タスクを実行するのにかかる時間の間に更新されてもよい。
【0048】
図4は、一実施形態によるRPAボット140を示す。図4に示す要素は、上述のものであり、簡明のためここでは繰り返し説明はしない。
【0049】
図4に示すように、RPAボット140は、実行すべきタスクの対応するアクションリストを有してもよい(ユーザがアクションリストを入力することによって、または、アプリケーションのグラフィカルユーザーインターフェースにおいて同じタスクについてユーザが実行したアクションをコピーすることによって生成されてもよい)。RPAボット140は、その後、ユーザの支援なしで、GUI上で直接的にそのアクションリストを自律的に実行できるようになってもよい。RPAボットは、関連付けられたオペレーティングシステム410、ローカルアプリケーション420、リモートファイル共用430、Citrix受信機440、およびブラウザ450を含んでもよい。
【0050】
オペレーティングシステム410により、RPAボット140はRPAボット140にインストールされたソフトウェアを実行できるようになってもよい。実行されるソフトウェアにより、RPAボット140は、受信機440およびブラウザ450を介して、リモートファイル共用430に記憶されるデータを利用し、ローカルアプリケーション420を制御できてもよい。
【0051】
図5は、一実施形態によるタスクキューイングシステム500を示す。図5に示す要素は、上述のものであり、簡明のためここでは繰り返し説明はしない。
【0052】
サーバ120がタスクを受信することに応じて、タスクキューイングシステム500は、キュー510にタスクを追加するよう構成されてもよい。RPAボットがタスクを完了することに応じて、タスクがキュー510から除去されてもよい。キューに追加される各タスクは、対応するメタデータ(固有の識別子、ステータス、名称、関連するアプリケーション、作成されたデータ、開始されたデータ、終了されたデータ、キュー上の数、およびビジネス計量、等)を有してもよい。実施形態では、ビジネス計量は、ビジネス優先度、ビジネスサービスレベルアグリーメント、優先度値、および時間値を含んでもよい。
【0053】
ビジネス優先度は、重要度の数値に関連付けられてもよく、より高い値はより高いレベルの重要度を示してもよい。数値は、タスクの識別に基づいて、ユーザ相互作用によって設定されてもよい。時間値は、タスクが時間内に実行される必要があるその時間の期間であってもよい。ビジネスサービスレベルアグリーメントは、所与のタスクキューイングシステムに割り当て可能なRPAボットの最小数および/または最大数を示してもよく、ビジネスサービスレベルアグリーメントに基づいてタスクより多くのRPAボットが存在する場合にはアイドルなRPAボットが存在してもよい。
【0054】
図6は、一実施形態による、デジタルワークフォースの知的調整のための1つのトポロジーを示す。図6に示す要素は、上述のものであってもよく、簡明のためここでは繰り返し説明はしない。
【0055】
図6に示すように、ワークまたはタスクは、様々なチャネル105を介して、ワーキング環境またはエントリポイントAPI630に入力されてもよい。エントリポイントAPI630は、ビジネス計量620(プロセスまたはタスクレベルに関連付けることができる、組織優先度、サービスレベルアグリーメント、動作レベルアグリーメント、等)を受信してもよい。
【0056】
エントリポイントAPI630は、タスクキューイングシステム610と通信してもよい。タスクキューイングシステム610は、タスクまたはワークの優先状況に関連付けられたデータをユーザが入力できるようにするビジネス計量オーバーライド640を受信してもよい。タスクキューイングシステム610は、ビジネスプロセス615(タスクを完了するためにRPAボット140によって実行されるべきタスク設計図またはデータのレポジトリであってもよい)を受信してもよい。
【0057】
調整ハードウェア130は、ワークをタスクキューイングシステム610からRPAボット140に配分し、RPAボット140がタスクを完了したことを示すデータをタスクキューイングシステム610に伝達するコントローラとして構成されてもよい。調整ハードウェア130は、タスクプロファイル予測モデル250からのデータに基づいて、タスクをボットに配分するよう構成されてもよい。
【0058】
ボット実行メタデータ230は、RPAボット140がタスクを完了することに応じて収集されるデータに関連付けられたデータを含んでもよい。この収集されるデータは、アプリケーションデータソースモジュール235およびタスクプロファイルデータソースモジュール245に同時に送信されてもよい。このデータは、その後、タスクがRPAボット140によって完了されることに応じて、調整ハードウェア130を更新するために、アプリケーション予測モデル240およびタスクプロファイル予測モデル250によって同時に使用されてもよい。
【0059】
最も現実的かつ好適な実装と現時点で考えられるものに基づいて、例示目的で本技術を詳細に説明したが、そのような詳細は専らその目的のためのものであり、本技術は開示された実装に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内の変更および均等構成をカバーするよう意図される。たとえば、本技術は、可能な程度において、任意の実装における1以上の特徴が、他の任意の実装における1以上の特徴と組み合わせ可能であることを想定する。
【0060】
本明細書を通して、「一実施形態」、「実施形態」、「一例」または「例」への参照は、当該実施形態または例に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれるということを意味する。したがって、本明細書の様々な箇所における「一実施形態では」、「実施形態では」、「一例」または「例」という語句の出現は、必ずしもすべてが同一の実施形態または例を参照するわけではない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1以上の実施形態または例において、任意の適切なコンビネーションおよび/またはサブコンビネーションで組み合わせることができる。加えて、添付図面は当業者に対する説明目的のためのものであり、各図の寸法は必ずしも正確ではない。
【0061】
本発明による実施形態は、装置、方法、またはコンピュータプログラム製品として実施可能である。したがって、本実施形態は、全体がハードウェアの実施形態、全体がソフトウェアの実施形態(ファームウェア、レジデントソフトウェア、マイクロコード、等)、または本明細書において概して「モジュール」または「システム」として参照されるソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせた実施形態の形態をとってもよい。さらに、本発明は、コンピュータ可用プログラムコードを内部に実装した任意の触知可能な表現の媒体におけるコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。
【0062】
1つ以上のコンピュータ可用媒体またはコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用可能である。たとえば、コンピュータ可読媒体は、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス、読み出し専用メモリ(ROM)デバイス、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)デバイス、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)、光記憶デバイス、および磁気記憶デバイスの1以上を含んでもよい。本発明の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。
【0063】
フロー図におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性および動作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、特定された論理的機能(複数可)を実装するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を表してもよい。また、ブロック図および/またはフローチャート例示ならびにブロック図および/またはフローチャート例示の組み合わせの各ブロックは、特定された機能またはアクト、または特定目的ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実行する特定目的ハードウェアベースシステムによって実装可能である。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令がフローチャートおよび/またはブロック図において特定される機能/アクトを実装する命令手段を含む製造物品を製造するように、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置を特定の態様で向けることができるコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。
【0064】
以下は、特許請求の範囲となる可能性のある実施形態のリストである。
【0065】
1.デジタルワークフォースの知的調整のためのシステムであって、
第1タスクを受信するよう構成されるタスクキューイングシステムと、
前記第1タスクを実行するためのアクションを実行するよう構成される第1ロボット処理自動化ボットと、
アプリケーション予測モデルおよびタスク予測モデルに基づき、前記第1ロボット処理自動化ボットが前記第1タスクを実行するための前記アクションを実行するように管理するよう構成される調整ハードウェアと、
のシステムであって、
前記アプリケーション予測モデルは、第2時間的期間に比べて第1時間的期間において前記第1タスクに関連付けられる計算資源の例外的性能を決定するよう構成され、
前記タスク予測モデルは、時間のセグメント上で、前記タスクキューイングシステムに追加されるべき将来タスクを決定するよう構成される、
システム。
【0066】
2.実施形態1のシステムであって、
前記調整ハードウェアは、前記第1ロボット処理自動化ボットが前記第1タスクを実行するためのアクションを実行することに応じ、前記ロボット処理自動化ボットに応じ、第2ロボット処理自動化ボットを委任および委任解除するよう構成される、システム。
【0067】
3.実施形態1のシステムであって、
前記タスク予測モデルは、前記タスクキューイングシステムに追加されたタスクの履歴に基づき、前記タスクキューイングシステムに追加されるべき前記将来タスクを決定するよう構成される、システム。
【0068】
4.実施形態1のシステムであって、
前記第1ロボット処理自動化ボットは、前記第1タスクを実行するためのアクションを実行する前記第1ロボット処理自動化ボットの性能計量に基づき、メタデータを生成するよう構成される、システム。
【0069】
5.実施形態1のシステムであって、
前記第1タスクは、前記第1ロボット処理自動化ボットによって自動化されるクライアント計算デバイスに関連付けられた、規定されたキーストロークの操作指示書を含む、システム。
【0070】
6.実施形態1のシステムであって、
前記第1タスクはビジネス計量を含み、
前記ビジネス計量には、優先度に基づいて数値が割り当てられる、システム。
【0071】
7.実施形態1のシステムであって、
前記タスクキューイングシステムは第2タスクを受信し、
前記調整ハードウェアは、前記計算資源を節約するために、前記アプリケーション予測モデルおよび前記タスク予測モデルに基づき、前記第2タスクが前記タスクキューイングシステム内にある間は前記第1ロボット処理自動化ボットをアイドルにする、システム。
【0072】
8.実施形態7のシステムであって、
前記第2タスクは前記タスクキューイングシステム内の唯一のタスクである、システム。
【0073】
9.実施形態1のシステムであって、
前記タスクキューイングシステムは、時間の前記セグメント上ですべての受信したタスクを完了するために必要な前記計算資源の量を決定するよう構成される、システム。
【0074】
10.実施形態1のシステムであって、
前記第2時間的期間に比べて前記第1時間的期間において前記第1タスクに関連付けられる計算資源の前記例外的性能は、前記第1ロボット処理自動化ボットが前記第1時間的期間および前記第2時間的期間において前記第1タスクを実行するのに必要な計算資源のパーセンテージに基づく、システム。
【0075】
11.デジタルワークフォースの知的調整のための、コンピュータで実装される方法であって、
第1タスクを受信することと、
前記第1タスクを実行するためのアクションを、第1ロボット処理自動化ボットを介して実行することと、
アプリケーション予測モデルおよびタスク予測モデルに基づき、前記第1ロボット処理自動化ボットが前記第1タスクを実行するための前記アクションを実行するよう、調整ハードウェアを介して管理することと、
第2時間的期間に比べて第1時間的期間において前記第1タスクに関連付けられる計算資源の例外的性能を決定することと、
時間のセグメント上で、前記タスクキューイングシステムに追加されるべき将来タスクを決定することと、
を備える、方法。
【0076】
12.実施形態11の方法であって、
前記方法は、前記第1ロボット処理自動化ボットが前記第1タスクを実行するためのアクションを実行することに応じ、前記ロボット処理自動化ボットに応じ、第2ロボット処理自動化ボットを委任および委任解除することをさらに備える、方法。
【0077】
13.実施形態11の方法であって、
前記タスクキューイングシステムに追加されたタスクの履歴に基づき、前記タスクキューイングシステムに追加されるべき前記将来タスクを決定することをさらに備える、方法。
【0078】
14.実施形態11の方法であって、
前記第1タスクを実行するためのアクションを実行する前記第1ロボット処理自動化ボットの性能計量に基づき、メタデータを生成することをさらに備える、方法。
【0079】
15.実施形態11の方法であって、
前記第1タスクは、前記第1ロボット処理自動化ボットによって自動化されるクライアント計算デバイスに関連付けられた、規定されたキーストロークの操作指示書を含む、方法。
【0080】
16.実施形態11の方法であって、
前記第1タスクはビジネス計量を含み、
前記ビジネス計量には、優先度に基づいて数値が割り当てられる、方法。
【0081】
17.実施形態11の方法であって、
第2タスクを受信することと、
前記アプリケーション予測モデルおよび前記タスク予測モデルに基づき、前記第2タスクが前記タスクキューイングシステム内にある間は前記第1ロボット処理自動化ボットをアイドルにすることと、
前記第1ロボット処理自動化ボットをアイドルにすることにより、前記計算資源を節約することと、
をさらに備える、方法。
【0082】
18.実施形態17の方法であって、
前記第2タスクは前記タスクキューイングシステム内の唯一のタスクである、方法。
【0083】
19.実施形態11の方法であって、
時間の前記セグメント上ですべての受信したタスクを完了するのに必要な前記計算資源の量を決定することをさらに備える、方法。
【0084】
20.実施形態11の方法であって、
前記第2時間的期間に比べて前記第1時間的期間において前記第1タスクに関連付けられる計算資源の前記例外的性能は、前記第1ロボット処理自動化ボットが前記第1時間的期間および前記第2時間的期間において前記第1タスクを実行するのに必要な計算資源のパーセンテージに基づく、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6