(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】プログラム可能なトイレ水洗起動、監視及び管理システム並びにその方法
(51)【国際特許分類】
A47K 17/02 20060101AFI20241225BHJP
E03D 5/10 20060101ALI20241225BHJP
E03D 11/00 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
A47K17/02 Z
E03D5/10
E03D11/00 Z
(21)【出願番号】P 2022538901
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 US2020013866
(87)【国際公開番号】W WO2021145879
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】520272330
【氏名又は名称】ハイドレーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グローディー,チャールズ ディラン
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-529866(JP,A)
【文献】国際公開第2019/143879(WO,A1)
【文献】特開2014-214594(JP,A)
【文献】特開2012-022367(JP,A)
【文献】特開2019-141306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-17/02
E03D 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ個室におけるトイレ水洗を管理するためのシステムであって、
(i)
ドアロックチャンバと、
第1の位置から第2の位置まで平行移動可能なスライダであって、前記スライダは、第1端部及び前記第1端部の反対側の第2端部を含み、前記第1の位置にある前記スライダ
の前記第1端部が前記ドアロックチャンバ内に挿入され、前記第2の位置にある前記スライダ
の前記第1端部が前記ドアロックチャンバから解放される、スライダと、
ドアロック部材と関連付けられた信号エミッタであって、前記信号エミッタは、前記スライダが前記第2の位置にあるとき水洗信号受信器にワイヤレス信号を送るように構成される、信号エミッタと、
前記スライダが前記第2の位置にあるとき前記スライダを感知するために構成されたセンサであって、前記センサは前記信号エミッタに作動的に接続される、センサと、
を含む、ドアハウジング制御装置と、
(ii) 前記水洗信号受信器に作動的に結合されたトイレ水洗制御装置と、
(iii) 前記トイレ水洗制御装置によって制御されるトイレ水洗作動装置であって、前記信号エミッタは、前記スライダが前記第2の位置に平行移動したことを感知すると前記水洗信号受信器に信号を送信するように構成され、前記トイレ水洗制御装置は、ドアがロック解除されたときに単一のトイレ水洗を起動するように前記トイレ水洗作動装置を制御するように構成される、トイレ水洗作動装置と、
(iv) 前記トイレ水洗制御装置及び前記ドアハウジング制御装置と通信し、さらに、1つ以上の指示を受信し、かつ、1つ以上の指示を分析、記録及び/又は提供するシステム制御装置と、
を含み、
前記システム制御装置は、前記トイレ水洗制御装置及び前記ドアハウジング制御装置から受信した対応する信号パターンに応答して特定の障害通知を出力するように構成され、
前記システム制御装置は、対応する信号パターンに応答してシステムによって識別可能な異なるタイプのシステム障害に対応する1つ又は複数の選択されたタイプの障害通知を前記システムに出力させるように認可利用者によって構成可能であり、
前記システム制御装置は、水洗情報の頻度を複数のタイムバケットに分類するように構成される、システム。
【請求項2】
前記特定の障害通知は、前記対応する信号パターンが前記システム制御装置によって受信された時刻を識別するタイムスタンプを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システム制御装置は、
1つ又は複数の追加センサに関連付けられたシーケンスにおいて、当該1つ又は複数の追加センサから予想される信号を受信する
ことなく、1つ又は複数の前記センサから信号を受信することに応答して、誤動作している構成要素の障害通知を出力するように構成される、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システム制御装置は、前記タイムバケットの各タイムバケット内の水洗の頻度を計算し、前記計算された頻度を前記対応するバケットの履歴頻度と比較するように構成される、請求項
1に記載のシステム。
【請求項5】
1つ又は複数のバケットに対する水洗の前記頻度が所定の頻度範囲外であると決定することをさらに含む、請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
水洗の前記頻度が前記所定の頻度範囲外にあることを示す通知を出力することをさらに含む、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
トイレ個室におけるトイレ水洗を管理するための方法であって、
トイレ水洗システムによって、前記トイレ水洗システムのトイレ水洗制御装置及びドアハウジング制御装置から受信した対応する信号パターンに応答して特定の障害通知を出力することを含み、前記トイレ水洗システムは、
(i)
ドアロックチャンバと、
第1の位置から第2の位置まで平行移動可能なスライダであって、前記スライダは、第1端部及び前記第1端部の反対側の第2端部を含み、前記第1の位置にある前記スライダの
前記第1端部が前記ドアロックチャンバ内に挿入され、前記第2の位置にある前記スライダ
の前記第1端部が前記ドアロックチャンバから解放される、スライダと、
ドアロック部材と関連付けられた信号エミッタであって、前記信号エミッタは、前記スライダが前記第2の位置にあるとき水洗信号受信器にワイヤレス信号を送るように構成される、信号エミッタと、
前記スライダが前記第2の位置にあるとき前記スライダを感知するために構成されたセンサであって、前記センサは前記信号エミッタに作動的に接続される、センサと、
を含む、前記ドアハウジング制御装置と、
(ii) 前記水洗信号受信器に作動的に結合された前記トイレ水洗制御装置と、
(iii) 前記トイレ水洗制御装置によって制御されるトイレ水洗作動装置であって、
前記信号エミッタは、前記スライダが前記第2の位置に平行移動したことを感知すると前記水洗信号受信器に信号を送信するように構成され、前記トイレ水洗制御装置は、ドアがロック解除されたときに単一のトイレ水洗を起動するように前記トイレ水洗作動装置を制御するように構成される、トイレ水洗作動装置と、
(iv) 前記トイレ水洗制御装置及び前記ドアハウジング制御装置と通信し、さらに、1つ以上の指示を受信し、かつ、1つ以上の指示を分析、記録及び/又は提供するシステム制御装置と、
を含
み、
前記システム制御装置は、対応する信号パターンに応答してシステムによって識別可能な異なるタイプのシステム障害に対応する1つ又は複数の選択されたタイプの障害通知を前記システムに出力させるように認可利用者によって構成可能であり、
前記システム制御装置は、水洗情報の頻度を複数のタイムバケットに分類するように構成される、
方法。
【請求項8】
前記特定の障害通知は、前記対応する信号パターンが前記システム制御装置によって受信された時刻を識別するタイムスタンプを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記システム制御装置は、
1つ又は複数の追加センサに関連付けられたシーケンスにおいて、当該1つ又は複数の追加センサから予想される信号を受信する
ことなく、1つ又は複数の前記センサから信号を受信することに応答して、誤動作している構成要素の障害通知を出力するように構成される、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記システム制御装置は、前記タイムバケットの各タイムバケット内の水洗の頻度を計算し、前記計算された頻度を前記対応するバケットの履歴頻度と比較するように構成される、請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
1つ又は複数のバケットに対する水洗の前記頻度が所定の頻度範囲外であると決定することをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
水洗の前記頻度が前記所定の頻度範囲外にあることを示す通知を出力することをさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
[0001] 本発明は、空港、大学キャンパスの建物、公共建物、スポーツアリーナ、及び娯楽イベントなどであるがこれに限定されない、多数の人々を収容する場所で通常見られるトイレ、例えばトイレ個室内のトイレにおいてトイレ水洗を管理し廃水消費を監視するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 例えば、オフィス、学校、空港、及び公園で見られるものなどの公衆トイレでは、利用者のプライバシーを維持するためにトイレが個室内に配置されている。利用者は、通常、入室後に個室ドアをロックし、退室時に個室ドアをロック解除する。
【0003】
[0003] 多数の人々にサービスを提供するように設計されたトイレでは、トイレ水洗機構の2つの標準型、すなわち、トイレハンドル、レバー、又はボタンなどの手動水洗、並びにセンサ及び自動水洗機構によって起動される自動水洗がある。
【0004】
[0004] 手動水洗で、トイレは、手動で作動され、作動されたときにトイレを水洗する水洗機構に操作可能に結合された、ハンドル、レバー、又はボタンを有する。この方法は、利用者が意図的にトイレを水洗させることに完全に頼っており、それは高い公衆衛生基準が必要とされる場所にとって問題を含む可能性がある。例えば、水洗は、利用者にとって個人的には重要でない結果を生むために、余分な時間と労力を必要とするか、又は利用者が汚染される危険があるので、利用者は、トイレを水洗する気持ちにならないことが多い。
【0005】
[0005] 利用者が水洗しそこなう問題を軽減するために、多くの施設が自動水洗トイレを設置した。自動水洗トイレは、通常、利用者とトイレとの距離を検出する赤外線又は超音波センサを有する。利用者が個室に入り、次にトイレから遠ざかって去るとき、センサが利用者とトイレとの所定の距離が満たされたことを検出し、センサは水洗するようにトイレをトリガする。
【0006】
[0006] 自動トイレ水洗システムは、非常に人気があり、場所によっては必要とされてもいる。これらのシステムは、トイレを清潔に保ち、病原菌移行の発生率及び伝染病の伝染の可能性を低減させる。不利なことに、自動水洗トイレは、ときどき十分に水洗せず、又は、より一般的には、頻繁に水洗しすぎる。コートを掛ける、バックパックを下に置く、又はシートにトイレットペーパーを敷くなどの行動が原因で、利用者が自動トイレ水洗シーケンスを意図せず又は不必要にトリガする可能性がある。特に1日に数百回、さらには数千回使用される可能性がある公衆トイレのトイレの場合、余分な水洗が時間とともに著しく蓄積し、大量の水の浪費を引き起こすことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
[0007] 本発明の第1の利点は、現在存在する自動トイレ水洗システムと比較して、トイレをいつ水洗すべきか、及びトイレが使用された頻度を著しくより正確に決定することによる節水である。従来技術のシステムは、トイレからの利用者の距離を測定するが、それは、利用者が実際にトイレを使用したか、又は上記で論じたような何らかの無関係な挙動に関与しているかを決定する際のエラーに起因して、利用者がトイレをいつ使用したか、及び使用したかどうかについての効果的な予測因子ではない。トイレ使用及び水消費の最良の指標は、利用者が個室を出ることができるように、ドアを開くためにトイレ個室ドアをロック解除することである。本発明は、トイレが使用されたことを示す唯一の指標として、利用者が個室ドアをロック解除する信頼性に基づいているので、本発明は、個室ドアのロック解除行動を使用してトイレをいつ水洗すべきかを決定する。したがって、他の利用者挙動が意図的でない水洗を起動しないので、トイレ使用ごとに、必要に応じてトイレが水洗し、一度だけ水洗することになる可能性が改善される。既存のシステムと比較してトイレの衛生レベルが改善されるだけでなく、過剰で望ましくない水の無駄使いをもたらす不必要な水洗の回数が顕著に限定される。
【0008】
[0008] 本発明の第2の重要な利点は、水洗が利用者に不便をかける必要がないことである。利用者は、ほとんど常に、プライバシーを維持するために個室ドアをロック及びロック解除するので、ロック-ロック解除ステップをトイレの水洗をトリガするように修正することによって、トイレは、利用者側に何も追加の労力なしで、利用者がトイレ個室を去るときに水洗することになる。
【0009】
[0009] 任意選択として、個室ドアがロック解除されたときトイレが自動的に水洗するように装備されていることを利用者に知らせる標識を個室ドアの内部又は外部に追加し、それによって、利用者による不用意な手動水洗を回避又は低減することができる。
【0010】
[0010] 本発明の第3の重要な利点は、それがセンサベースの自動トイレ水洗システムと関連付けられた同じ衛生的利益を含むことである。
【0011】
[0011] 1つの態様によれば、本発明は、トイレ個室におけるトイレ水洗を管理するためのシステムに関する。システムは、ドアロック部材、トイレ水洗制御装置及びトイレ水洗作動装置を含む。
【0012】
[0012] 本発明の1つの実施形態では、システムのドアロック部材は、通常、個室支柱に取り付けられる、ドアロックチャンバと、通常、個室ドアに取り付けられ、ドアロックチャンバと整列される、スライダと、ドアロック部材と関連付けられた信号エミッタを封入するハウジングとを含み、信号エミッタは、トイレ水洗制御装置及びトイレ水洗作動装置を含むトイレ水洗機構と関連付けられた水洗信号受信器にワイヤレス信号を送るように構成される。ロック部材は、スライダの位置を感知するためのセンサと、センサからの入力を受信して、信号エミッタによる水洗信号受信器への信号の送信を起動するためのドアハウジング制御装置と、通常カバーを有するハウジングに封入された1つ若しくは複数のバッテリ及びSDカードとをさらに含む。ドアハウジング制御装置は、さらに、任意選択としてバッテリ及びSDカードの機能を調整することができる。SDカードは、任意選択としてセンサ入力及び信号エミッタ出力を含むがこれに限定されない、ドアハウジング制御装置から受信したデータを保存することができる。
【0013】
[0013] スライダは、第1の位置から第2の位置まで平行移動可能であり、第1端部、又は基端部、及び反対側の第2端部、又は先端部を含む。スライダ第1の位置で、スライダ第1端部は、ドアロックチャンバに挿入され、第2の位置で、スライダ第1端部は、ドアロックチャンバの外に位置決めされ、すなわち、ドアロックチャンバから解放される。スライダが第2の位置にない限り、個室ドアは開くことができない。センサは、スライダが第2の位置にあるときスライダを感知するために構成され、信号エミッタに作動的に接続され、スライダの検出された位置をドアハウジング制御装置に伝達する。ドアハウジング制御装置は、信号を水洗信号受信器に送るように、信号エミッタをトリガする。トイレ水洗制御装置は、水洗信号受信器に作動的に結合される。
【0014】
[0014] トイレ水洗作動装置は、トイレ水洗制御装置によって制御される。
【0015】
[0015] 信号エミッタは、スライダが第2の位置に平行移動したことをセンサが検出したという、センサからドアハウジング制御装置に送られた信号を感知すると、水洗信号受信器に信号、例えば、Bluetooth(登録商標)又は無線周波数信号を送信するように構成され、トイレ水洗制御装置は、個室ドアがロック解除されたときに単一の水洗を起動するように水洗作動装置を制御するように構成される。
【0016】
[0016] 1つの実施形態では、システムは、水洗を作動させることができる5秒~240秒の間の時間間隔を設定するように構成されたシステム制御装置をさらに含む。システム制御装置は、ワイヤレスで、又は有線接続を通して、ドアハウジング制御装置及びトイレ水洗制御装置の両方と通信することが可能である。システム制御装置は、化粧室内のすべてのトイレの水洗間隔の持続時間及び/又は建物内のすべてのトイレの水洗間隔の持続時間を設定可能であり、どのトイレでも前回の水洗後5~240秒の期間水洗することを防ぐように構成され得る。
【0017】
[0017] 本発明による別の実施形態では、システムは、トイレを手動で水洗するためのトイレハンドル、レバー、又はボタン、及び/又はセンサ、ドアハウジング制御装置、信号エミッタ、水洗信号受信器、トイレ水洗制御装置、及びトイレ水洗作動装置のうちの1つ又は複数にエネルギーを与えるための1つ又は複数の太陽電池又はバッテリをさらに含む。
【0018】
[0018] 別の態様によれば、本発明は、トイレ個室におけるトイレ水洗を管理するための方法に関する。1つの実施形態では、方法は、個室ドアラッチ内の信号エミッタからワイヤレス信号を受信することと、ワイヤレス信号が個室ドアロック部材内のスライダの引き戻しを示すことと、ワイヤレス信号を受信することに応答して、トイレの水洗を起動するように水洗作動装置をトリガすることとを含む。
【0019】
[0019] 別の実施形態では、トイレ個室内のトイレ水洗を管理するための方法は、センサによって個室ラッチスライダの引き戻しを感知することと、スライダによる引き戻しを感知することに応答して信号エミッタによってワイヤレス信号を発することとを含み、ワイヤレス信号は、水洗信号受信器にマッチしている。この方法は、水洗信号受信器によってワイヤレス信号を受信することと、水洗信号受信器によるワイヤレス信号の受信に応答して、水洗信号受信器と通信するトイレ水洗制御装置によって水洗作動装置をトリガすることとをさらに含み得る。
【0020】
[0020] なお別の実施形態では、トイレ個室におけるトイレ水洗を管理するための方法は、第1端部及び第1端部の反対側の第2端部を有するスライダ、信号エミッタ、及びセンサを含むドアロック部材と、水洗信号受信器と、トイレ水洗制御装置と、トイレ水洗作動装置とを含む装置を提供することを含む。加えて、方法は、センサによるスライダの第2端部の位置の検出時に、信号を水洗信号受信器に信号エミッタによって送信することと、トイレ水洗制御装置によってトイレ水洗作動装置を制御することと、スライダ第2端部の位置がセンサによって検出されたときにトイレ水洗作動装置による単一のトイレ水洗をトイレ水洗制御装置によって起動することと、任意選択として、ドアハウジング制御装置によってスライダ動作の頻度をSDカード上に記録することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面の説明
【
図1A】[0021]本発明による自動トイレ水洗システムの一実施形態を例示する。
【
図1B】[0022]本発明による
図1に例示された個室ドアロック機構の1つの実施形態の例示的な等角図である。
【
図1C】[0023]
図1Bに例示された装置の分解組立図である。
【
図1D】[0024]
図1Bに例示されたロック機構の電子部品を封入する代表的なハウジングの開放正面図である。
【
図2A】[0025]本発明による
図1Bに例示されたトイレ水洗システムの実施形態の閉(第1の)位置にある個室ドアスライダロックの一実施形態を例示する。
【
図2B】[0026]
図1Bに例示されたトイレ水洗システムの実施形態の開(第2の)位置にある個室ドアスライダロックの一実施形態を例示する。
【
図3】[0027]本発明による
図1Bに例示されたロック機構の実施形態のハウジングの側面図を例示する。
【
図4】[0028]
図1Bに例示されたロック機構の実施形態のスライダの側面図を例示する。
【
図5】[0029]本開示の一態様による管理方法を示すプロセスフロー図である。
【
図6】[0030]本開示の一態様による施設トイレ水洗を管理するための情報を提供する方法を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の説明
[0031] 定義
[0032] 次表は、本明細書全体を通して使用される、ある特定の用語の代表的な非限定的な定義を含む。
【0023】
【0024】
[0033] コンピュータ:施設管理者がシステム制御装置からの信号を見るとともに、システム制御装置に信号を送ってある特定の行動を起動することができる、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、又はスマートデバイス。
【0025】
[0034] システム制御装置:ドアハウジング制御装置、トイレ水洗制御装置、及びコンピュータから信号を受信し、同様に、ドアハウジング制御装置及びトイレ水洗制御装置に信号を送って、水洗作動を行い、1つのトイレ、化粧室内のすべてのトイレ、又は建物全体のトイレの水洗間の時間遅延を調整することができる、全体的なシステムの中心的構成要素。システム制御装置は、同様に、水洗水量を決定及び変更するために使用することができる。システム制御装置は、独立したモジュールとすることができ、又はハードウェア若しくはソフトウェアを通してコンピュータに統合することができる。
【0026】
[0035] フィードバックループ:ドアハウジング制御装置及びトイレ水洗制御装置が、行動が完了したというシステム制御装置への信号を発し、完了した行動(すなわちトイレが水洗した)に対する指標とともに、日付、時間、及びバッテリ寿命が記録される事象。
【0027】
[0036] 利用サイクル:個室に入り、トイレを使用し、次に個室を去る、利用者のプロセス。このサイクル中に起こり得ることの複数の可能性があるが(すなわち、利用者が手動水洗をするか、又はラッチロック解除が水洗の原因となる)。各利用は、これらの3つのステップをこの正確な順序で有するべきである。これは、システム制御装置が、使用するたびに、最初にフィードバックループ1、次にフィードバックループ2、次にフィードバックループ3から、その正確な順序で情報を受信することを予期すべきであるという意味である。受信した情報が順不同のフィードバックからである場合、又は1つ若しくは複数のループからの情報が欠如している場合、それは、構成要素が誤動作していることを示している可能性がある。
【0028】
[0037] タイムバケット:1時間から1日、1週間、1か月、1年、複数年の範囲に及び得る時間間隔。タイムバケットは、任意の時間ブロック、又は設定された時間間の間隔とすることができる。
【0029】
[0038] 「X」及び「Y」:システムにプログラムすることができる値を示すプレースホルダ又は変数。
【0030】
[0039] オプトアウトボタン:自動水洗を防ぐために利用者が押すことができる、ドアロック部材への追加の構成要素(例えば、利用者が服を着替えるために個室を使用するだけであり、トイレを水洗する必要がなかった場合)。
【0031】
[0040] 距離センサ:自動トイレからの利用者の距離に基づいて水洗を作動させるために使用されるセンサ。これは、既存技術を用いた自動水洗のための第1の方法であり、赤外線技術を使用することが多い。本出願では、それは、いつ水洗すべきかを決定する任意選択で追加の方法である。
【0032】
[0041] 本ソリューションは、現行のトイレ水洗機構に特徴的な、水洗が少なすぎる又は多すぎるなどの欠点に、利用者の機能性又は利便性を犠牲にすることなく対処する。本ソリューションは、トイレ個室ドアのロック解除によってトイレ水洗シーケンスを起動する装置及びその方法である。
【0033】
[0042] 本明細書で使用するとき、個室は、屋根又は天井の有無にかかわらず、典型的なトイレ利用者にその使用を促すのに十分なプライバシーを提供することになる、ドア及び任意の数の側面を有する、任意の壁付きの囲いとすることができ、長方形、ピラミッド形、円筒形、及び台形を含むがこれに限定されない任意の形状とすることができる。
【0034】
[0043] 本明細書に開示される発明は、トイレ水洗管理システム、及びトイレの手動水洗を必要としない自動化されたトイレ水洗システムを対象とする。トイレの手動水洗は、本発明とともに含まれ得る任意選択機能である。
【0035】
[0044]
図1A~
図1Dは、トイレ水洗管理システムを例示する。トイレ水洗管理システム10の全体的な方式は、
図1Aに例示されている。システム10は、トイレ7を収容する個室(以下トイレ個室)のドア100に装着された個室ドアロック部材110を含む。
【0036】
[0045] システム10は、水洗信号受信器3と、水洗作動装置5と、トイレ7による水洗を起動するためのトイレ水洗作動装置5と関連付けられたトイレ水洗制御装置16と含む、トイレ水洗機構112をさらに含む。
【0037】
[0046]
図1B~
図1Dを参照すると、ロック部材110は、スライダ12と、スライダ位置を感知するためのセンサ4を封入するハウジング19と、トイレ水洗機構112と関連付けられた水洗信号受信器3に信号を送信するための信号エミッタ1と、ドアハウジング制御装置27と、1つ又は複数のバッテリ25を封入するバッテリコンパートメント26と、SDカード28と、カバー22とを含む。ロック部材110は、個室支柱8上に位置決めされた、ロックチャンバ6をさらに含む。ロックチャンバ6は、スライダ12と整列される。
【0038】
[0047]
図2A及び
図2Bを参照すると、スライダ12は、第1の(閉)位置と第2の(開)位置との間で手動の往復運動が可能である。
図2Aに例示される第1の位置で、スライダ12の基端部15は、個室ドア100が閉じられロックされているとき、ロックチャンバ6に挿入されている。スライダ12の基端部15は、個室ドア100が閉じられない限り、ロックチャンバ6に挿入することができない。
【0039】
[0048]
図2Bに例示される第2の位置で、
図1Aに例示されたチャンバ6に挿入されていたスライダ12の基端部15は、ロックチャンバ6外に位置決めされ、すなわち、ロックチャンバ6から解放される。第2の位置で、スライダ基端部15と反対側のスライダ12の先端部17が、センサ4と接触し、及び/又はセンサ4によって感知され、個室ドア100が開いているときに、ハウジング19(
図1D)内に封入された信号エミッタ1からの信号を起動して、トイレ又は関連トイレ配管上に位置決めされた水洗信号受信器3に送信される信号を発する。
【0040】
[0049] スライダ12の基端部15がロックチャンバ6内に位置決めされる第1の位置から、スライダ12の基端部15がチャンバ6から解放される第2の位置までスライダ12を動かすことによって個室ドアがロック解除されるたびに、スライダ12の反対側の先端部17は、センサ4と接触し、及び/又はセンサ4によって感知される。センサ4は、スライダ12の先端部17と接触すると、及び/又はこれを感知すると、無線周波数若しくはBluetooth(登録商標)信号などのワイヤレス信号又は有線信号を水洗信号受信器3に送って、水洗を起動するように、トイレ7上の水洗作動装置5に作動的に結合されたトイレ水洗制御装置16をトリガするように、信号エミッタ1をトリガする。
【0041】
[0050] センサ4は、さまざまな異なるセンサ又はセンサの組み合わせとすることができる。可能なセンサの実施例は、接触センサ、磁気近接センサ、振動センサ、赤外線センサ、又は超音波センサを含むがこれに限定されない。
【0042】
[0051] 本発明の1つの実施形態では、接触センサ4は、スライダ12が第1の位置から第2の位置に移動するたびにスライダ12がセンサ4と物理的に接触するように、ハウジング19の中若しくは上、又は個室ドア100上に位置決めされる。そのような接触は、水洗作動を信号で知らせる。
【0043】
[0052] 別の実施形態では、ハウジング19の中若しくは上、又は個室ドア100上に位置決めされた磁気近接センサ4を使用して、スライダ12に装着された磁石又は磁化材料、例えば金属片14a、bの存在を検出する。スライダ12が第2の位置に移動すると、磁石又は磁化金属片14a、bは、磁気近接センサ4をトリガして、水洗作動を信号で知らせる。磁石又は磁化材料の数は、例示されたものに限定されない。
【0044】
[0053] なお別の実施形態では、接触センサに類似した振動センサ4が、スライダ12が第1の位置から第2の位置に移動するたびにスライダ12がセンサ4と物理的に接触するように、ハウジング19の中若しくは上、又は個室ドア100上に位置決めされる。振動センサ4は、スライダ12の衝撃を検出し、水洗作動を信号で知らせる。
【0045】
[0054] さらに別の実施形態では、赤外線センサ4が、ハウジング19の中若しくは上、又は個室ドア100上に装着される。赤外線センサ4は、赤外線信号を発して、近傍の物体の距離を検出する。赤外線センサは、第1の位置から第2の位置へのスライダ12の運動の際に水洗作動をトリガするように、センサからのスライダ12の距離を検出するように調整されている。
【0046】
[0055] さらに別の実施形態では、超音波センサ4が、ハウジング19の中若しくは上、又は個室ドア100上に装着される。センサ4は、近傍の物体によって反射されて帰来する音波を検出し、それによって、センサが距離を記録することを可能にする。例えば、センサ4は、センサ4からのスライダ12の距離に応じて、スライダ12によって反射されて帰来する音波を検出する。スライダ12とセンサ4との所定の距離に基づいて、第1の位置から第2の位置へのスライダ12の平行移動に続いて水洗作動が起動されることになる。
【0047】
[0056] 各ロック部材の信号エミッタ1は、対応するトイレ水洗信号受信器3にマッチしており、他の近傍のシステム10、例えば、同じ化粧室内の他のシステム10内の信号エミッタ1及び水洗信号受信器3の他のものと異なる固有の信号を使用する。固有の信号の適用によって、1つの信号エミッタ1が他のトイレの水洗システムを作動させて水洗することを防ぐ。
【0048】
[0057] 本発明の1つの実施形態では、システム10は、トイレ7で発生するように水洗を起動するトイレ水洗作動装置5をさらに含む。本明細書に記載のシステム10は、アタッチメントとして現行のトイレ及び化粧室の個室に追加導入するか、又は新しいトイレに直接製造し、化粧室のトイレ個室若しくはプレハブ化粧室のトイレ個室に適用することができる。1つの実装形態で、トイレ水洗作動装置5は、手動の別の例示的実施形態の上に嵌合するように設計されてもよく、トイレ水洗作動装置5は、既存のトイレ配管の上に外付けするために設計され、既存の手動水洗機構を作動させるように構成されてもよい。この実装形態は、システムに対して水を遮断することを必要とせず、流れる水と直接的に相互作用しないので、電子機器が水にさらされる信頼性リスクが低くなる。トイレ水洗作動装置のこの実施形態は、既存の手動水洗機構の上に容易に設置できるので配管工を必要とせず、既存のトイレ設備に設置するのが比較的容易で安価である。
【0049】
[0058] トイレ水洗制御装置5の外部実装を使用する実施形態は、給水流に直接接続されていないので、例えば、水の流れと相互作用することによって、又は他の実施形態で使用される水洗作動装置ソレノイドからの信号に基づいて、連続的な水洗を検出することができない。しかしながら、例示的な一実施形態では、水洗制御装置の外部実装は、連続的な水洗をそれらの音響パターンに基づいて検出するために音響センサ及び/又は超音波センサを含み得る。音響センサ及び/又は超音波センサは、他の流れセンサに加えて、又はその代わりに、開示されたシステムの他の水洗制御実施形態で同様に実施され得る。
【0050】
[0059]
図3は、スライダ12の挿入可能な端部15と反対側のスライダ12の端部17に面しているハウジング19の部分上の磁石又は磁化可能なプレート18の場所を例示する。形状は、長方形、円形、三角形、台形又は別の形状であり得るので、プレートの形状は、例示した形状に限定されない。磁化可能な材料は、鉄、ニッケル、コバルト、希土類金属、及び天然磁石を含むがこれに限定されない。ハウジング19上の磁石又は磁化可能な材料の場所及び磁石又は磁化可能な材料の数は、例示したものに限定されない。
【0051】
[0060] ここで
図4を参照すると、スライダ12の側面図が例示されている。スライダ12の端部17上のスライダ磁石又は磁化可能な材料14a及び14bの場所は、ハウジング19上の磁性又は磁化可能なプレート18と磁気的に相互作用するように位置決めされる。スライダ磁石又は磁化可能な材料14a及び14bは、ハウジング19の磁性又は磁化可能なプレート18と整列されて、(i)スライダ12がセンサ4と整列されるように、スライダ12とハウジング19との間で適切な接触がなされることを確実にし、(ii)個室ドアの開閉の際にスライダ12が往復方向に跳ねることを防ぎ、(iii)利用者がスライダ12をハウジング19に向かって十分に摺動しない場合にスライダ12をハウジング19に引き付ける。
【0052】
[0061] 磁石又は磁化可能な材料の強度は、ロック解除するとすぐにハウジング19に接続するようにスライダ12を引き付けるのに十分であるが、スライダ12がその拡張ロック位置に到達することを磁石又は磁化可能な材料が防ぐほど強力ではない。ハウジング19及びロックスライダ12は、ロック解除するとすぐに、すなわち、スライダ12を
図2Aに例示された第1の位置から
図2Bに例示された第2の位置まで動かすとすぐに、スライダ12の磁石又は磁化可能な材料14a及び14bがハウジング19の磁石又は磁化可能な材料18と接触するように、互いから離れて所定の又は調節可能な距離にある。これにより、利用者が個室ドア100をロック解除したときに、スライダ12が第2の位置に最後まで動かず、信号エミッタ1が水洗信号受信器3によって受信される信号を発して水洗につながるイベントを起動するプロセスをスライダ12が起動することができなくなる可能性が回避される。換言すれば、磁石を用いて確実にされる、第2の位置に完全に到達することによって、センサ4は、使用されているセンサ、例えば上記に開示したセンサなどのタイプにかかわらず、水洗信号が信号エミッタ1によって水洗信号受信器3に発せられるように、第2の位置におけるスライダ12の存在を適切に感知する。
【0053】
[0062] ハウジング19の内部の電子部品用の電子回路には、例えば、1つ若しくは複数の太陽電池23によって、又はハウジング19内に収容された1つ若しくは複数のバッテリ25によって、電力供給することができる。水洗信号受信器3、トイレ水洗制御装置16、及びトイレ水洗作動装置5を含む水洗機構112用の電子回路には、1つ若しくは複数の太陽電池によって、又は1つ若しくは複数のバッテリによって電力供給することができる。
【0054】
[0063] 本発明の1つの実施形態では、トイレ水洗制御装置16及び/又はドアハウジング制御装置27は、好ましくは、1~5秒、1~10秒、5~25秒、5~50秒、25~50秒、50~100秒、100~200秒、150~250秒、好ましくは、5~240秒の範囲にわたるがこれに限定されない、水洗間の最小間隔を設定するように導入されたプログラム可能な時間遅延を実施するように構成される。水洗間の最小間隔を設定するプログラム可能な時間遅延は、同様に、5秒未満又は240秒を超えるように設定することができる。プログラム可能な時間遅延は、手動でプログラムすることができ、又は最適な時間間隔を決定するための機械学習若しくは深層学習技術を使用するアルゴリズムを通して決定することができる。プログラム可能な時間遅延は、利用者が、ロックされた位置(第1の位置)とロック解除された位置(第2の位置)との間で個室ロック部材110のスライダ12を往復方向に繰り返し切り替えることによって、短い時間間隔でトイレを繰り返し水洗することを防ぐ。化粧室の管理者は、システム制御装置114、例えば、コンピュータ、モバイルアプリケーション、又はさまざまな電子機器及び/又はコンピュータベースの技術の組み合わせを用いて、彼らの裁量において時間遅延範囲を操作することができるようになる。
【0055】
[0064] 1つの実施形態では、システム制御装置114は、1つのトイレに特化してもよく、代わりに同じ化粧室内のすべてのトイレに特化してもよく、又は建物全体のすべてのトイレの中心となってもよいが、それぞれの又はあらゆる個々のトイレにおける時間遅延を調整する能力を備えている。
【0056】
[0065] 特定の一実施形態では、ハンディキャップトイレは非ハンディキャップトイレとは異なる方法で使用される場合があるので、通常のトイレと対照的にハンディキャップトイレには異なる時間遅延が適切な場合がある。システム制御装置114は、トイレが水洗する回数を測定して、施設管理者がデータを収集し、水の効率性を最大化するように設定を調節することを可能にする。システム制御装置114は、例えば、Bluetooth(登録商標)又は無線周波数を介して、ワイヤレスで水洗信号受信器にデータを送る。同様に、トイレを清潔に保つために、使用されなかったトイレのために必要とされる毎日の水洗をシステム10にプログラムすることができる。システム制御装置114は、スライダ動作の頻度を記録し、任意選択として、例えば、システムの任意の行動又はシステムによって生成された信号に関する追加の機能データ及びタイムスタンプを記録及び保存することができる。
【0057】
[0066] 本開示の一実施形態による水洗作動システムを使用してトイレ水洗を自動的に作動させるための方法について
図5を参照して説明する。本開示の一態様によれば、システムは、個室ドアのラッチ解除が、水洗を起動するようにトイレ水洗作動装置をトリガするトイレ水洗制御装置にワイヤレス信号を送るように、プログラム及び/又は構成され得る。開示されたシステム及び方法の例示的な一実施形態では、利用者がトイレ個室504に入ったときに普通の利用サイクル502が始まり、次に利用者はドアをロックし506、次に利用者はトイレを使用し508、次に利用者はドアをロック解除し510、次に利用者は個室を去る。普通の利用サイクル中に、利用者による個室ドアのロック解除510は、トイレの水洗512をトリガする。普通のサイクルは、実質的な節水技術として効果的である。
【0058】
[0067] 本開示の別の態様によれば、開示されたシステム及び方法は、普通の利用サイクルを含まないトイレ個室使用を許容し、及び/又は受け入れるように、プログラム及び/又は構成することができる。例えば、場合によっては、利用者は、トイレを使用せず、服を着替えるためにトイレ個室を使用するだけである。その他の場合に、男性利用者が、例えば、トイレをそれが小便器であるかのように使用するために個室ドアのラッチを控えることを選択する可能性がある。その他の場合に、個室ドアラッチが水洗を起動することに気付いていない可能性がある利用者が、意図的に手動水洗をトリガする可能性がある。その他の場合に、例えば、保守作業者が、トイレを清潔にするために手動水洗をトリガする可能性がある。
【0059】
[0068] この例示的な実施形態で、水洗作動システムは、普通の利用サイクルを含まないトイレ個室使用を認識し及び/又は受け入れるように構成されたプログラマブル論理回路と通信する距離センサを含む。普通の利用サイクルシステム及び方法へのこの適応は、節水を大幅に改善し、管理技術の改善を促進する。例示的な一実施形態では、距離センサ及びプログラマブル論理回路の機能適応は、例えば、施設管理者が有効又は無効にすることができる。
【0060】
[0069] 本発明の態様によれば、ある特定のイベントの認識時に、フィードバックループによってタイムスタンプが記録され得る。発生したイベントのタイプの識別情報が、対応するタイムスタンプとともにフィードバックループによって記録され得る。
【0061】
[0070] フィードバックループ1中に発生するイベントのカテゴリに分類される、「利用者が個室ドアをロックしない」などのいくつかのイベントは、必ずしもフィードバックループ1によって記録されない。しかしながら、そのようなイベントは、例えば、後続のフィードバックループ2及び3からのフィードバックの発生などの、通常後に続くイベントの発生時に、それらの欠如によって認識可能であり得る。そのような場合、イベントは、システムによって遡及的に記録され得る。これがこのイベントの頻繁な発生である場合、施設管理者は、例えば、それがフィードバックループ1からのフィードバックを一貫して受信していないという事実について警告され得る。
【0062】
[0071] 同様に、「トイレが水洗しない」イベントが、フィードバックループ3における信号の送信を積極的にトリガし得ないとしても、「利用者がオプトアウトボタンを押す」イベント後の予期される「トイレが水洗する」イベントの欠如は、例えば、一定期間の後に指摘され得る。
【0063】
[0072] 本開示の別の態様によれば、普通の利用サイクルは、さまざまなシステム障害を受け入れるように補足又は適合され得る。本開示の一態様によるシステム障害処理の第1の実施例では、システムの1つ又は複数の構成要素が機能停止したとき、システム障害が発生し得る。この状況で、システム制御装置は、例えば、それがフィードバックループ2及びフィードバックループ3からのみ情報を受信し、フィードバックループ1からは情報を受信していないことを検出し得る。コンピュータは、それがすべてのフィードバックループから信号を受信していないときこれを認識し、それに応答して、施設管理者がデータを見るユーザインタフェースを有するプラットフォームに警告を送るように構成され得る。警告は、推測される障害タイプの識別情報及び障害認識のタイムスタンプを含み得る。
【0064】
[0073] 本開示の一態様によるシステム障害処理の第2の実施例では、システムのすべての構成要素が故障したとき、システム障害が発生し得る。例示的な一実施形態では、コンピュータは、データがフィードバックループから受信されるときデータを連続的に保存する。コンピュータ上で実行されるアルゴリズムは、水洗データの頻度を示すデータを複数のタイムバケットに分類する。タイムバケットは、例えば、時間、日、週、月、及び年を含み得る。例示的な実施形態で、コンピュータは、次に、各バケット内の新しい水洗の頻度を計算し、計算された頻度を同じタイムバケットの履歴データと比較することができる。例えば、コンピュータは、現在の頻度が、履歴値のパーセンテージ範囲の範囲内か、より高いか、又は低いかどうかを計算し得る。本開示の一態様によれば、パーセンテージ範囲は、施設管理者によって選択可能である。システムは、例えば、現在の頻度が選択された範囲外であるとき、施設管理者に通知する。
【0065】
[0074] フィードバックループのいずれも信号を提供しないとき、コンピュータは、水洗の頻度が0%であると決定する。この頻度が所定の時間間隔の間に一貫している場合、その間、履歴データは水洗の頻度がはるかに高いはずであることを示しており、施設管理者に自動的に通知される。この障害処理システム及び方法によって、施設管理者は、対応する個室内の装置に対して適時の検査を行うことができる。例示的な一実施形態で、施設管理者は、頻度決定及び障害解析が発生することになるタイムバケットを変更するようにシステムをプログラム及び/又は構成することができ、又はコンピュータは、例えば、このプロセスを自動的に完了するようにプログラムされ得る。
【0066】
[0075] 本開示の一態様によるシステム障害処理の第3の実施例では、1つの構成要素が予期されるよりも頻繁に信号を送ったとき、システム障害が認識され得る。本開示の一態様によれば、システム制御装置は、ありとあらゆるフィードバックループから指定されたタイムバケット内に受信した信号の頻度を履歴データと比較することができる。1回の利用者のロック及びロック解除シーケンスのみに対して記録された多数のトイレ水洗などの、予期された結果からの著しい相違が認識されたとき、システム制御装置は、関係するデータを捕捉し、それをコンピュータに送る。コンピュータは、次に、適切な特定の障害警告を施設管理者に伝達する。
【0067】
[0076] 本開示の一態様によるシステム障害処理の第4の実施例では、1つの構成要素が予期せず信号を送ったとき、システム障害が発生し得る。利用者がドアをロック又はロック解除する前のトイレ水洗など、システム制御装置が順不同で信号を受信するとき、システムは、コンピュータに信号を送って施設管理者に警告することができる。これは、施設管理者が連続的に水洗して大量の水を浪費しているトイレを素早く認識して修理するために特に有用な情報であり得る。本開示の一態様によれば、そのような連続的な水洗は、システム制御装置に送られる一定のフィードバック信号に基づいて素早く認識される。
【0068】
[0077] 本開示の一態様によれば、さまざまな警告が任意選択として施設管理者に伝達され得る。警告は、システム構成要素のリアルタイム及び履歴機能並びに全体的な化粧室利用に関する広範な洞察を提供した。警告は、システム制御装置、又はシステム制御装置と通信するプラットフォームのユーザインタフェース上で施設管理者が管理することができる。
【0069】
[0078] 本開示の別の態様によれば、施設管理者は、例えば、毎日、毎週、毎月、毎年又は複数年の期間のトイレ水洗記録を見て、トイレ水洗を最も良く管理するためのパターンを決定することができる。この情報は、トイレが履歴上水洗されていなかった時間、例えば、施設が閉鎖されている時間を識別するために有用であり得る。そのような場合、施設管理者は、利用者が居るときにセンチネルフラッシュが起こらないことを確実にするように、センチネルフラッシュがそのとき発生するように予定することができる。「センチネルフラッシュ」は、トイレを清潔に保つために発生するようにプログラムされた自動水洗を意味する業界標準用語である。
【0070】
[0079] そのようなデータが有用であり得る別の実施例では、データにより、施設管理者が、水洗機構が固形廃棄物を除去するのに十分強力でなかったときを認識できるようになる可能性がある。そのような場合、データは、複数の利用者がトイレを使用する前に手動で水洗しており、彼らが去るとき再び水洗することを示し得る。このパターンが時間とともに持続又は増加する場合、施設管理者は、水洗機構に関する問題が存在することを認識することができ、次に、例えば水洗機構の適時の交換又は調節を行うことができる。
【0071】
[0080] 別の例示的な実施形態では、普通のシステム動作中、施設管理者は、フィードバックループ1~3からの信号が記録されるリアルタイム又は履歴頻度を表示するようにシステムを構成することができる。頻度は、例えば、数値的又はグラフィック的に表示することができ、建物、化粧室、又は特定のトイレ/個室によって分類することができる。それらは、同様に、リアルタイム記録と履歴記録との間で分類することができる。
【0072】
[0081] 別の例示的な実施形態では、普通のシステム動作中、施設管理者は、利用頻度が他の期間よりも高い又は低い期間の通知を提供するようにシステムを構成することができる。
【0073】
[0082] 別の例示的な実施形態では、普通のシステム動作中、施設管理者は、システム構成要素のいずれかのバッテリ寿命が少なくなったという通知を表示するようにシステムを構成することができ、又はシステムは、これを自動的に表示するように構成され得る。例えば、システムは、任意の構成要素についてバッテリ寿命が少ないこと、その構成要素が特定の日数で交換されなければならないこと、そのバッテリが切れていることを示し得るため、構成要素を再充電するか、又はバッテリを適切な時に交換することができる。
【0074】
[0083] 別の例示的な実施形態では、普通のシステム動作中、施設管理者は、予期しない信号又は信号シーケンスの通知を表示するようにシステムを構成することができ、又はシステムは、これを自動的に表示するように構成され得る。例えば、システムは、システム制御装置が順にフィードバックループ1、2及び3を受信しないとき、通知を提供することができる。別の実施例では、システム制御装置は、単一の利用サイクル内でフィードバックループ1、2又は3から複数の信号を受信したとき、通知を提供し得る。別の実施例では、システムは、システム制御装置がフィードバックループのいずれか又はすべてから信号を一貫して受信していないとき、通知を提供し得る。予期しない信号又は信号シーケンスの発生を記録することができ、そのような発生の頻度を例えば施設管理者に表示することができる。
【0075】
[0084] 本開示の態様によれば、施設管理者は、ある特定の警告に遠隔で応答することが可能である。そのような遠隔応答は、応答時間を短縮し、技術のいずれかから発生する破滅的な問題の可能性を限定することができる。例えば、本開示の一態様によれば、施設管理者は、例えば、システム制御装置と通信するコンピュータを介して、システム制御装置をプログラムして、システムパラメータを設定し、システム機能を制御することができる。本開示の態様による施設管理者のいくつかのプログラミング機能は、例えば、水洗の防止、水洗の遅延、水洗の作動、水洗量の低減、個室の利用の防止、及び/又は警告の制御を含む。
【0076】
[0085] 施設管理者という用語は、本出願全体を通して、開示されたシステムを運用及び管理する責任を負う主体を説明するために使用されるが、そのような主体は、必ずしも施設管理者という肩書又は機能を有するとは限らないことを理解すべきである。当業者は、開示されたシステムのいくつかの実装形態で、事実上任意の認可利用者を含む、施設管理者以外の人物がシステムを運用し得ることを認めるべきである。認可利用者は、例えば、施設従業員又は遠隔サービスプロバイダであり得る。
【0077】
[0086] 例示的な一実施形態では、施設管理者は、トイレ水洗作動装置に信号を送って水洗を作動させることを停止するようにトイレ水洗制御装置をプログラムすることによって、水洗を防ぐようにシステムをプログラムすることができる。代わりに、又は加えて、施設管理者は、同様に、信号エミッタに信号を送って水洗信号受信器への信号を発することを停止するようにドアハウジング制御装置をプログラムすることによって、水洗を防ぐようにシステムをプログラムすることができる。本開示の一態様によれば、水洗の防止は、事実上いつでも、手動で実施することができ、又は、施設管理者は、例えば、これが発生する時間を定期的に設定し得る。水洗を防ぐこのプログラム可能な機能を使用して、トイレが水洗すべきでないときの長期の間隔を設定することができ、例えば、建物が夜間に閉鎖されているとき、施設管理者は、その時間中に水洗機能を遮断したい場合がある。施設管理者は、同様に、特定のフィードバックループからの信号の欠如などであるがこれに限定されない、特定のタイプのフィードバックの後にこれが発生するように設定することができる。
【0078】
[0087] 例示的な一実施形態では、施設管理者は、トイレ水洗制御装置がトイレ水洗作動装置に信号を送って水洗を作動させるように、システムをプログラムすることができる。代わりに、又は加えて、施設管理者は、ドアハウジング制御装置が信号エミッタに信号を送って、水洗信号受信器への信号を発して水洗を作動させるように、システム制御装置をプログラムし得る。本開示の一態様によれば、水洗の作動は、いつでも手動で行うことができ、又は、施設管理者は、例えば、これが発生する時間を定期的に設定し得る。
【0079】
[0088] 例示的な一実施形態では、施設管理者は、普通の動作用の既定の水洗量を設定し、特定の水洗量及びトイレがその量で水洗すべき期間を設定するようにシステムをプログラムすることができる。
【0080】
[0089] 例示的な一実施形態では、システムは、例えば、施設管理者が個室ラッチスライダの位置を遠隔で操作して、そのロック又はロック解除を防ぐことを可能にするように構成され得る。この機能は、施設管理者が通常でない活動に気付いたが、問題にすぐに退所する時間がないときに実施され得る。この実施形態では、システム制御装置は、例えば、スライダがロック位置に到達することを防ぐように、ドアロックチャンバに命令し得る。これによって、利用者が個室をロックしてプライバシーを獲得することができなくなり、したがって、彼らに個室の使用を微妙に思いとどまらせることになる。
【0081】
[0090] 代わりに、システムは、例えば、ハウジングにスライダ移動を妨害させ、それによって、スライダがロック解除位置に到達することを防ぐようにプログラムされ得る。
【0082】
[0091] 別の例示的な実施形態では、システム制御装置は、水洗の事例の後に始まる選択された時間間隔を設定することによって、水洗を遅延させるようにプログラムされ得、その間、システムは、例えば、その時間間隔が過ぎるまで別の水洗が発生することを防ぐ。さらに別の例示的な実施形態では、施設管理者は、例えば、タイムバケット内で特定のパーセンテージ閾値の予期された、又は予期されない、水洗が発生したときに通知を受信するように設定することができる。
【0083】
[0092] いくつかの状況で、トイレは、正規の量で水洗する必要がない。これらの状況で、正規の水洗量で水洗すると、相当な量の水を浪費する。本開示の例示的な実施形態は、水洗量を低減させるための積極的な方法を含む。この実施形態によれば、システムは、便器の水洗量が最初は必要以上に少なくなるように構成される。システムは、次に、利用者活動に基づいて水洗量を調節するように反応する。1つの実施例では、この機能は、小便器のオーバーフローにより個室のトイレが小便器として使用されることが多いスポーツのハーフタイム中などの、施設利用が多いときに有用である。本開示の一態様によれば、施設管理者は、各トイレの水洗量を一時的に下げて水を節約し、次に、ハーフタイム後に水洗量を普通のレベルに戻すために、そのような事例でシステム制御装置をプログラムすることができる。本開示の別の態様によれば、施設管理者は、同様に、例えばハーフタイムの終わりに、すべてのトイレの水洗を同時に起動するように、管理システムを通してシステム制御装置をプログラムし得る。
【0084】
[0093] 本開示の別の例示的な実施形態では、トイレは、利用者が個室をロックしない限り、常に低減された水洗量で動作するように設定することができる。個室をロックする場合、利用者は、排尿する代わりに排便するためにトイレを使用する可能性がより高いからである。例示的な実施形態では、信号エミッタが、スライダがロック位置にあるか又はロケット位置に移行していることを検出したとき、信号エミッタは、元の受信器に送信し、それによって、トイレ水洗制御装置に水洗量を普通のレベルに戻して増加させるように命じる。
【0085】
[0094] 本開示の一態様によれば、施設管理者は、任意選択として、単一の事例、選択された時間間隔の間、通常の時間間隔で、又は例えば利用者行動に基づいて自動的になど、選択された時間又は時間の範囲で、低減された量の水洗をトリガすることができる。特定の時間又は条件に対して広範囲の水洗量をトリガすることができる。例示的な一実施形態では、水洗量は、例えば、0ガロン~5ガロンの水に設定され得る。代わりに、水洗量は、便器に入ることが許される水の量、及び/又は水洗に使用される水の量に基づいて制御することができる。水洗量は、同様に、例えばフィードバックループ中に記録することができる。