(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】半導体構造及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20241225BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20241225BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20241225BHJP
H01L 23/532 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
H10B12/00 601
H01L21/88 Q
(21)【出願番号】P 2022554946
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(86)【国際出願番号】 CN2022100923
(87)【国際公開番号】W WO2023240673
(87)【国際公開日】2023-12-21
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】202210664897.2
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】邵 光速
(72)【発明者】
【氏名】肖 徳元
(72)【発明者】
【氏名】邱 雲松
【審査官】渡邊 佑紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-229175(JP,A)
【文献】特開2011-077185(JP,A)
【文献】特開2011-097001(JP,A)
【文献】特開2011-187927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 23/532
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
基板と、
前記基板に間隔を置いて配列された活性層と、
複数のビットラインと、を備え、複数の前記ビットラインは第1方向に沿って間隔を置いて配列され、前記ビットラインは第2方向に沿って延在し、各前記ビットラインの第1部分は、前記活性層の側面を被覆し、各前記ビットラインの第2部分は、前記活性層内に配置され、前記第1方向及び前記第2方向は両方とも前記基板の表面に平行であり、且つ前記第1方向は前記第2方向と交差
し、
前記第1部分は、前記第1方向に沿って間隔を置いて設けられた、前記第2方向に沿って延在する2つの第1導電構造を含み、前記第2部分は、前記第2方向に沿って間隔を置いて設けられた複数の第2導電構造を含み、複数の前記第2導電構造は前記活性層内に配置され、複数の前記第2導電構造は少なくとも、2つの前記第1導電構造の間に配置され、且つ各前記第2導電構造はすべて、2つの前記第1導電構造に接触して電気的に接続されている、半導体構造。
【請求項2】
前記第2導電構造の材料は金属ケイ化物を含み、前記第1導電構造の材料は導電金属を含む、
請求項
1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記第1方向において、前記第1導電構造の厚さは1nm~3nmである、
請求項
1に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記基板に垂直な平面において、前記第2導電構造の投影と前記第1導電構造の投影との重なり部分の高さは、前記第2導電構造の投影の高さの0.5~1倍である、
請求項
1に記載の半導体構造。
【請求項5】
半導体構造の製作方法であって、
ベースを提供し、前記ベースに、第1方向に沿って間隔を置いて配列される活性層を形成することと、
前記第1方向に沿って間隔を置いて配列される複数のビットラインを形成することと、を含み、前記ビットラインは、第2方向に沿って延在し、各前記ビットラインの第1部分は、前記活性層の側面を被覆し、各前記ビットラインの第2部分は、前記活性層内に配置され、前記第1方向及び前記第2方向は両方とも前記ベースの表面に平行であり、且つ前記第1方向は前記第2方向と交差
し、前記第1部分は、2つの第1導電構造を含み、前記第2部分は、複数の第2導電構造を含み、
複数の前記ビットラインを形成することは、
前記第1方向に沿って間隔を置いて設けられた、前記第2方向に沿って延在する複数の前記第1導電構造を形成することであって、前記活性層の前記第1方向における対向する両側に位置する2つの前記第1導電構造は、前記ビットラインの第1部分となる、ことと、
前記第2方向に沿って間隔を置いて設けられた複数の前記第2導電構造を形成することであって、複数の前記第2導電構造は、前記活性層内に配置され、前記第2導電構造は少なくとも、2つの前記第1導電構造の間に配置され且つ2つの前記第1導電構造に接触して電気的に接続される、ことと、を含む、半導体構造の製作方法。
【請求項6】
前記第1導電構造を形成することは、
前記ベースを提供することと、
前記ベースをパターニングすることにより、前記第1方向に沿って間隔を置いて分布される前記活性層を形成することと、
第1分離層を形成することであって、前記第1分離層は、隣接する前記活性層の間に配置され、且つ前記第1分離層の上面は前記活性層の上面より低いことと、
前記第1分離層の上に前記第1導電構造を形成することと、を含む、
請求項
5に記載の半導体構造の製作方法。
【請求項7】
前記第1分離層を形成することは、
前記ベースの表面に第1マスク層を形成し、前記第1マスク層及び前記ベースをエッチングして、前記第2方向に沿って延在する複数の第1トレンチを形成することであって、前記第1トレンチは、隣接する前記活性層の間に配置されることと、
前記第1トレンチに絶縁材料を充填し、前記絶縁材料の一部を除去することにより、前記第1トレンチに前記第1分離層を形成することと、を含む、
請求項
6に記載の半導体構造の製作方法。
【請求項8】
前記第1分離層の上に前記第1導電構造を形成することは、
第2マスク層を形成することであって、前記第2マスク層は、前記第1分離層の上に配置され、且つ前記第2マスク層は、前記活性層の側壁を被覆することと、
前記第1分離層の一部及び前記第2マスク層の下の前記活性層の側壁の一部を除去して、第1溝を形成することと、
前記第1溝に第1導電材料を堆積し、前記第1導電材料をパターニングして、間隔を置いて配列される第1導電構造を形成することと、を含む、
請求項
7に記載の半導体構造の製作方法。
【請求項9】
前記第2導電構造を形成することは、
前記活性層をエッチングして、前記第1方向に沿って延在する複数の第2トレンチを形成することであって、前記第2トレンチの底面は、前記第1導電構造の上面より高いことと、
前記第2トレンチに第3マスク層を形成することであって、前記第3マスク層は、前記第2トレンチの側壁を被覆することと、
前記第2トレンチの底部に第2導電材料を堆積し、急速熱処理によって前記第2導電構造を形成することと、を含む、
請求項
8に記載の半導体構造の製作方法。
【請求項10】
前記第2導電材料は金属材料を含み、急速熱処理過程において、前記金属材料は前記活性層に拡散して金属ケイ化物を形成し、前記金属ケイ化物は少なくとも、2つの前記第1導電構造間に配置されて、前記第2導電構造を形成する、
請求項
9に記載の半導体構造の製作方法。
【請求項11】
前記急速熱処理の温度は400℃~800℃である、
請求項
9に記載の半導体構造の製作方法。
【請求項12】
2つの前記第1導電構造の間に配置される複数の前記第2導電構造は、互いに接続され且つ前記第2方向に沿って前記活性層を貫通する、
請求項
5に記載の半導体構造の製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本願は、2022年06月13日に中国特許局に提出された、出願番号が202210664897.2であり、発明の名称が「半導体構造及びその製作方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本願に援用される。
【0002】
本発明の実施例は、半導体技術分野に関し、特に、半導体構造及びその製作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
メモリは、プログラムや各種データ情報を記憶するための記憶部品である。通常のコンピュータシステムに使用されるランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)及びスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random-Access Memory)の2種類に分けられ、ダイナミックランダムアクセスメモリは、コンピュータに一般的に使用される半導体メモリデバイスであり、たくさんの重複するメモリセルで構成される。
【0004】
メモリセルは通常、コンデンサ及びトランジスタを備え、トランジスタのドレイン電極はビットラインに接続され、ソース電極はコンデンサに接続され、コンデンサは、容量性接触構造及びキャパシタを含み、メモリセルのワードラインは、トランジスタのチャネルエリアのオン/オフを制御することができ、これにより、ビットラインを介してコンデンサに記憶されたデータ情報を読み取るか、ビットラインを介してデータ情報をコンデンサに書き込んで記憶することができる。
【0005】
しかし、現在には、線状に接続するビットラインを形成することが困難であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施例は、少なくとも、線状に接続するビットラインを形成する難易度を低下させることができる、半導体構造及びその製作方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のいくつかの実施例によれば、本発明の実施例の一側面は、半導体構造を提供し、基板と、前記基板に間隔を置いて配列された活性層と、複数のビットラインと、を備え、前記ビットラインは第1方向に沿って間隔を置いて配列され、前記ビットラインは第2方向に沿って延在し、各前記ビットラインの第1部分は前記活性層の側面を被覆し、各前記ビットラインの第2部分は、前記活性層内に配置され、前記第1方向及び前記第2方向は両方とも前記基板の表面に平行であり、且つ前記第1方向は前記第2方向と交差する。
【0008】
いくつかの実施例において、前記第1部分は、間隔を置いて設けられた、前記第2方向に沿って延在する2つの第1導電構造を含み、前記第2部分は複数の第2導電構造を含み、複数の前記第2導電構造は、前記活性層内に配置され、複数の前記第2導電構造は少なくとも、2つの前記第1導電構造の間に配置され、且つ各前記第2導電構造はすべて、前記第1導電構造に接触して電気的に接続される。
【0009】
いくつかの実施例において、複数の前記第2導電構造は、前記ビットラインの延在方向に沿って一体に接続され、前記活性層を貫通する。
【0010】
いくつかの実施例において、前記第2導電構造の材料は金属ケイ化物を含み、前記第1導電構造の材料は導電金属を含む。
【0011】
いくつかの実施例において、前記第1方向において、前記第1導電構造の厚さは1nm~3nmである。
【0012】
いくつかの実施例において、前記基板に垂直な平面において、前記第2導電構造の投影と前記第1導電構造の投影との重なり部分の高さは、前記第2導電構造の投影の高さの0.5~1倍である。
【0013】
本発明のいくつかの実施例によれば、本発明の実施例の別の側面は、半導体構造の製作方法を更に提供し、前記方法は、ベースを提供し、前記ベースに、第1方向に沿って間隔を置いて配列される活性層を形成することと、前記第1方向に沿って間隔を置いて配列される複数のビットラインを形成することと、を含み、前記ビットラインは第2方向に沿って延在し、各前記ビットラインの第1部分は前記活性層の側面を被覆し、各前記ビットラインの第2部分は、前記活性層内に配置され、前記第1方向及び前記第2方向は両方とも前記ベースの表面に平行であり、且つ前記第1方向は前記第2方向と交差する。
【0014】
いくつかの実施例において、複数の前記ビットラインを形成することは、前記第2方向に沿って延在する複数の第1導電構造を形成することであって、前記第1導電構造は、前記第1方向に沿って離間した前記活性層の側面に配置されることと、複数の第2導電構造を形成することと、を含み、複数の前記第2導電構造は、前記活性層内に配置され、前記第2導電構造は少なくとも、2つの前記第1導電構造の間に配置され且つ前記第1導電構造に接触して電気的に接続される。
【0015】
いくつかの実施例において、前記第1導電構造を形成することは、前記ベースを提供することと、前記ベースをパターニングすることにより、前記第1方向に沿って間隔を置いて分布される前記活性層を形成することと、第1分離層を形成することであって、前記第1分離層は、隣接する前記活性層の間に配置され、且つ前記第1分離層の上面は前記活性層の上面より低いことと、前記第1分離層の上に前記第1導電構造を形成することと、を含む。
【0016】
いくつかの実施例において、前記第1分離層を形成することは、前記ベースの表面に第1マスク層を形成し、前記第1マスク層及び前記ベースをエッチングして、前記第2方向に沿って延在する複数の第1トレンチを形成することであって、前記第1トレンチは、隣接する前記活性層の間に配置されることと、前記第1トレンチに絶縁材料を充填し、前記絶縁材料の一部を除去することにより、前記第1トレンチに前記第1分離層を形成することと、を含む。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第1分離層の上に前記第1導電構造を形成することは、第2マスク層を形成することであって、前記第2マスク層は、前記第1分離層の上に配置され、且つ前記第2マスク層は、前記活性層の側壁を被覆することと、前記第1分離層の一部及び前記第2マスク層の下の前記活性層の側壁の一部を除去して、第1溝を形成することと、前記第1溝に第1導電材料を堆積し、前記第1導電材料をパターニングして、間隔を置いて配列される第1導電構造を形成することと、を含む。
【0018】
いくつかの実施例において、前記第2導電構造を形成することは、前記活性層をエッチングして、前記第1方向に沿って延在する複数の第2トレンチを形成することであって、前記第2トレンチの底面は、前記第1導電構造の上面より高いことと、前記第2トレンチに第3マスク層を形成することであって、前記第3マスク層は、前記第2トレンチの側壁を被覆することと、前記第2トレンチの底部に第2導電材料を堆積し、急速熱処理によって前記第2導電構造を形成することと、を含む。
【0019】
いくつかの実施例において、前記第2導電材料は金属材料を含み、急速熱処理過程において、前記金属材料は前記活性層に拡散して金属ケイ化物を形成することを含み、前記金属ケイ化物は少なくとも、2つの前記第1導電構造の間に配置されて、前記第2導電構造を形成する。
【0020】
いくつかの実施例において、前記急速熱処理の温度は400℃~800℃である。
【0021】
いくつかの実施例において、2つの前記第1導電構造の間に配置される複数の前記第2導電構造は、互いに接続され且つ前記第2方向に沿って前記活性層を貫通する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施例による技術的解決策は、少なくとも以下の利点を有する。活性層側面を被覆するビットラインの第1部分と、活性層に配置されたビットラインの第2部分とを設けることにより、ビットラインが第2方向で一線に接続されるようにすることができ、それにより、ビットラインの読み書き機能を実現することができ、ビットラインを形成する難易度を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施例による半導体構造の上面図である。
【
図2】本発明の一実施例による半導体構造の断面図である。
【
図3】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図4】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図5】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図6】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図7】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図8】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図9】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図10】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図11】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図12】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図13】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図14】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図15】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図16】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【
図17】本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法の各ステップに対応する構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1つ又は複数の実施例は、それに対応する図面を参照して例示的に説明され、これらの例示的な説明は、実施例に対する限定を構成するものではなく、特に明記しない限り、図面における図は、縮尺への制限を構成するものではない。本発明の実施例又は従来の技術における技術的解決策をより明確に説明するために、実施例で必要とされる図面について以上で簡単に紹介した。明らかに、上記の図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力なしに、これらの図面に従って他の図面を得ることもできる。
【0025】
本発明の実施例は半導体構造を提供し、活性層の側面にビットラインの第1部分を設け、活性層内にビットラインの第2部分を設けることにより、ビットラインが第2方向で一線に接続されるようにし、第1部分及び第2部分の接続により、半導体構造の信頼性を向上させることができ、ビットラインの伝送機能を保証することができる。
【0026】
以下では、図面を参照して本発明の各実施例について詳細に説明する。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明の各実施例では、読者に本発明をより良く理解させるために、多くの技術的詳細が提供されているが、これらの技術的詳細及び以下の各実施例に基づく様々な変更及び修正なしにも、本発明で主張される技術的解決策を実現することができる。
【0027】
図1及び
図2を参照すると、
図1は、本発明の一実施例による半導体構造の上面図であり、
図2は、本発明の一実施例による、
図1の破線方向に沿った断面図である。
【0028】
図1を参照すると、半導体構造は、基板100と、基板100に間隔を置いて配列された活性層110と、複数のビットライン120と、複数のワードライン130と、誘電体層140と、を備え、複数のビットライン120は第1方向Xに沿って間隔を置いて配列され、ビットライン120は第2方向Yに沿って延在し、ワードライン130は第1方向Xに沿って延在し、第2方向Yに沿って間隔を置いて配列され、誘電体層140は、活性層110の側壁に配置され、ワードライン130と活性層110との直接接触を回避するために使用され、第1方向X及び第2方向Yは両方とも基板100の表面に平行であり、且つ第1方向Xは第2方向Yと交差する。
【0029】
いくつかの実施例において、基板100の材料はシリコン、ゲルマニウム又はシリコンゲルマニウムなどの材料であり得、基板100の材料にドープすることができ、基板100の材料がシリコンであることを例として、基板100に、ボロン、インジウム、ガリウム又はアルミニウムなどの微量の三価元素をドープすることによって、P型のベースを形成することができる。同様に、基板100に、リン、アンチモン、砒素などの微量の五価元素をドープすることによって、N型のベースを形成することができ、基板100のドーピング元素の選択は、実際の必要及び製品性能などを考慮して決定することができ、本発明は、基板100の材料及びドープされる元素に対して限定しない。
【0030】
いくつかの実施例において、ワードライン130は、例えば、ポリシリコン層、金属層及び保護層を含む多層スタック構造であり得、ポリシリコン層を設けることにより、ベース材料の電気信号がワードライン130の金属層に直接伝達される際に発生する異常を回避でき、金属層を設けることにより、ワードライン130の信号伝達速度を向上させることができ、保護層を設けることにより、外界との接触によるワードライン130の金属層の酸化を回避し、金属層の一部の酸化に起因するワードライン130の導電能力の低下を回避することができる。
【0031】
いくつかの実施例において、誘電体層140の材料は、酸化シリコン又は窒化シリコンなどの絶縁材料であり、それにより、ワードライン130と活性層110との直接接触による半導体構造の異常を回避することができる。
【0032】
図2を参照すると、いくつかの実施例において、各ビットライン120の第1部分は活性層110の側面を被覆し、各ビットライン120の第2部分は活性層110内に配置され、第1部分が活性層110の側面を被覆するように設け、第2部分が活性層110内に配置されるように設けることにより、ビットライン120が連続した全体となり、それにより、ビットライン120の信号伝達の連続性を保証し、半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0033】
いくつかの実施例において、第1部分は、間隔を置いて設けられた、第2方向Yに沿って延在する2つの第1導電構造121を含み、第2部分は、複数の第2導電構造122を含み、複数の第2導電構造122は活性層110内に配置され、複数の第2導電構造122は少なくとも、2つの第1導電構造121の間に配置され、且つ各第2導電構造122はすべて、第1導電構造121に接触して電気的に接続されている。
【0034】
第1導電構造121が第2導電構造122に接触して電気的に接続されるように設けることにより、ビットライン120が連続した全体とすることができ、第1方向Xに沿って離間した活性層110の両側の側壁に第1導電構造121を設けることにより、第1導電構造121及び第2導電構造122が、第1方向Xに沿って離間した活性層110の両側壁で接続するようにし、ことにより、ビットライン120の導通の信頼性を向上させることができる。
【0035】
いくつかの実施例において、複数の第2導電構造122は、ビットライン120の延在方向に沿って一体に接続され、活性層110を貫通し、理解できるように、第2導電構造122を形成する工程(例えば、金属ケイ化物工程)の効果が十分に良好であり、それによって、第2導電構造122をビットライン120の延在方向に沿って活性層110を貫通させることができる場合、第2導電構造122により、ビットライン120が1つの連続した全体を形成することができ、この場合、第1導電構造121は、ビットライン120の導電性能を向上させ、且つビットライン120の接続の信頼性を向上させるという作用を発揮することができる。
【0036】
留意されたいこととして、金属ケイ化物工程により、ビットライン120の延在方向に沿って活性層110を貫通する第2導電構造122を形成することは困難であるため、第1導電構造121を形成することにより、第2方向に沿って間隔を置いて配列された第2導電構造122を接続させて、連続したビットライン120を形成し、それにより、半導体構造の信頼性を向上させる。
【0037】
いくつかの実施例において、第2導電構造122の材料は、金属ケイ化物を含み得、第1導電構造121の材料は、窒化チタン、タングステン又はモリブデンなどの導電金属を含む。第2導電構造122の材料を金属ケイ化物とすることにより、第2導電構造122と活性層110との接触抵抗を低減することができ、第1導電構造121の材料を金属材料とすることにより、第1導電構造121の伝送レートを向上させることができる。
【0038】
いくつかの実施例において、第1方向Xにおいて、第1導電構造121の厚さは1nm~3nmであり、例えば、第1導電構造121の厚さは1.5nm又は2nmなどである。第1導電構造121の厚さが1nmより小さい場合、第1導電構造121の抵抗は比較的大きく、これにより、ビットライン120の導電性に影響を及ぼす可能性があり、第1導電構造121の厚さが3nmより大きい場合、隣接するビットライン120間の接続、又は隣接するビットライン120間の相互干渉を引き起こす可能性がある。別のいくつかの実施例において、第1導電構造の厚さは他のサイズであり得、実際の必要に応じて第1導電構造の厚さを調整することができる。
【0039】
いくつかの実施例において、基板100に垂直な平面において、第2導電構造122の投影と第1導電構造121の投影との重なり部分の高さは、第2導電構造122の投影の高さの0.5~1倍である。理解できるように、第2導電構造122の投影と第1導電構造121の投影との重なり部分の高さは、第2導電構造122の投影の高さの0.5倍より低い場合、第1導電構造121と第2導電構造122との界面接触抵抗は比較的高く、第2導電構造122の投影と第1導電構造121の投影との重なり部分の高さを、第2導電構造122の投影の高さの0.5~1倍に設定することにより、第1導電構造121と第2導電構造122との界面接触抵抗を低減することができる。別のいくつかの実施例において、第2導電構造の投影と第1導電構造の投影との重なり部分の高さは、第1導電構造の投影の高さの0.5~1倍である。
【0040】
理解できるように、基板100に垂直な方向において、第2導電構造122の高さが第1導電構造121の高さ以下であり、第2導電構造122の投影が第1導電構造121の投影内に位置する場合、第2導電構造122の投影と第1導電構造121の投影との重なり部分の高さは、第2導電構造122の投影の高さの1倍である。基板100に垂直な方向において、第2導電構造122の高さが第1導電構造121の高さ以上であり、第1導電構造121の投影が第2導電構造122の投影内に位置する場合、第2導電構造122の投影と第1導電構造121の投影との重なり部分の高さは、第1導電構造121の投影の高さの1倍である。
【0041】
いくつかの実施例において、半導体構造は、更に、第1分離層170と、第2分離層200と、第3分離層240と、第4分離層250と、を備え、前記第1分離層170は、基板100の表面に配置され且つ活性層110の間に配置され、前記第2分離層200は第1分離層170の上面に配置され、前記第3分離層240は、第2導電構造122の上面に配置され、第3分離層240の上面は、活性層110の上面より低い且つ第1導電構造121の上面より高いか第1導電構造121の上面と面一であり、前記第4分離層250は、第3分離層240の上面に配置され、前記第4分離層250は、隣接するワードライン130の間に配置され、且つ活性層110及びワードライン130の上面にも配置される。
【0042】
本発明の実施例による半導体構造では、ビットライン120の第1部分が活性層110の側面を被覆するように設け、ビットライン120の第2部分が活性層110内に配置されるように設け、第1部分と第2部分とが電気的に接続されるように設けることにより、ビットライン120が、第2方向において1つの連続した全体となり、それにより、ビットライン120の伝送信号の安定性を向上させ、更に、半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0043】
本発明の別の実施例は更に、半導体構造の製作方法を提供し、当該半導体構造の製作方法は、上記の半導体構造を形成するために使用されることができ、以下では、図面を参照して、本発明の別の実施例による半導体構造の製作方法について説明し、留意されたいこととして、前述の実施例と同じ又は対応する部分については、前述の実施例の対応する説明を参照でき、以下では繰り返して説明しない。
【0044】
図3及び
図4を参照すると、ベース101を提供し、ベース101に第1方向Xに沿って間隔を置いて配列される活性層110を形成する。
【0045】
留意されたいこととして、ベース101をパターニングした後の、活性層110の底部にあるベース101の部分は、基板100と呼ばれる。
【0046】
いくつかの実施例において、活性層110を形成することは、ベース101の表面に第1マスク層150を形成し、第1マスク層150及びベース101をエッチングして、第2方向Yに沿って延在する複数の第1トレンチ160を形成することを含み得、第1トレンチ160は、隣接する活性層110の間に配置される。即ち、第1トレンチ160及び活性層110は、同一工程で形成された、パターニング及び除去されたベース101の一部であり、残りのベース101は、第1トレンチ160を取り囲み、ベース101の一部を活性層110として使用する。第1トレンチ160の形成は、後続の第1導電構造の形成に工程基盤を提供する。
【0047】
いくつかの実施例において、自己整合二重パターニング(SADP:Self-aligned Double Patterning )工程によって活性層110を形成することができ、別のいくつかの実施例において、自己整合四重パターニング(SAQP:Selfaligned Quadruple Patterning)工程によって活性層110を形成することもできる。SADP又はSAQP技術により、形成される活性層110のパターンをより精密にすることができる。
【0048】
いくつかの実施例において、活性層110を形成した後、第1マスク層150を残し、第1マスク層150を残すことにより、形成された活性層110の上面を保護することができ、それにより、活性層110の上面の汚染を回避することができ、半導体構造の安定性を向上させることができる。別のいくつかの実施例において、活性層を形成した後、前記半導体構造の製作方法は、第1マスク層を除去することを更に含み得る。
【0049】
図5及び
図6を参照すると、第1分離層170を形成し、第1分離層170は、隣接する活性層110の間に配置され、且つ第1分離層170の上面は活性層110の上面より低い。
【0050】
具体的には、
図5を参照すると、第1トレンチ160に絶縁材料を充填することにより、第1初期分離層171を形成する。いくつかの実施例において、第1初期分離層171の上面は、活性層110の上面よりも高く、パターニングにより、第1初期分離層171の一部を除去することにより、第1初期分離層171の上面が活性層110の上面と面一になるようにすることができる。留意されたいこととして、ここでの面一とは、第1初期分離層171の上面が活性層110の上面と完全に面一であることを指す。或いは、第1初期分離層171の上面と活性層110の上面との高度差が許容範囲内にあることも、第1初期分離層171の上面が活性層110の上面と面一であると見なすことができる。
【0051】
いくつかの実施例において、絶縁材料は、酸化シリコン又は窒化シリコンなどであり得る。絶縁材料が酸化シリコンであることを例にとると、酸化シリコンの材料は柔らかく、充填及びエッチングに便利である。酸化シリコンを充填することにより第1初期分離層171を形成することは、更に、後続の第1初期分離層171のパターニングを容易にすることができる。
【0052】
図6を参照すると、絶縁材料の一部を除去することにより、第1トレンチ160に第1分離層170を形成し、第1トレンチ160を充填した後に除去する方式により、形成される第1分離層170の厚さを制御することができ、それにより、より精密な第1分離層170を形成することができる。
【0053】
いくつかの実施例において、ウェットエッチングにより、第1初期分離層171をエッチングすることにより、第1分離層170を形成し、エッチング試薬の濃度及びエッチング時間を制御することにより、エッチングによって除去される第1初期分離層171の厚さを制御することができる。
【0054】
図7ないし
図16を参照すると、第1方向Xに沿って間隔を置いて配列される複数のビットライン120を形成し、ビットライン120は第2方向Yに沿って延在し、各ビットライン120の第1部分は、活性層110の側面を被覆し、各ビットライン120の第2部分は、活性層110内に配置され、第1方向X及び第2方向Yは両方ともベース101の表面に平行であり、且つ第1方向Xは第2方向Yと交差する。第1部分が活性層110の側面を被覆し、第2部分が活性層110内に配置される、ビットライン120を形成することにより、ビットライン120が1つの連続した全体となるようにし、それにより、ビットライン120の信号伝達の連続性を保証し、半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0055】
図7ないし
図10を参照すると、第2方向Yに沿って延在する複数の第1導電構造121を形成し、第1導電構造121は、第1方向に沿って離間した活性層110側面に配置され、複数の第1導電構造121は、ビットライン120の第1部分を構成する。第1導電構造121の形成は、後続で第2導電構造を接続することによって連続したビットライン120を形成するに基盤を提供することができ、これにより、半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0056】
具体的には、
図7を参照すると、第2初期マスク層181を形成し、第2初期マスク層181は第1分離層170上部に配置され、且つ第2初期マスク層181は、活性層110の側壁を被覆する。いくつかの実施例において、原子層堆積により、活性層110の側壁、第1分離層170の上面、第1マスク層150の側壁及び第1マスク層150の上面に、第2初期マスク層181を形成することができ、第2初期マスク層181は、後続で第1分離層170をエッチングするためのマスク層として使用することができ、原子層堆積によって形成された第2初期マスク層181は、比較的均一であり、形成される第2初期マスク層181の厚さを制御することに便利である。
【0057】
いくつかの実施例において、第2初期マスク層181の材料は、炭素又は炭素含有有機物などであり得、炭素又は炭素含有有機物の材料は比較的柔らかく、エッチング速度が速く、マスクとして使用されるパターンが比較的精密であり、それにより、後続で形成される第1導電構造の精度を向上させることができる。
【0058】
図8を参照すると、第2初期マスク層181をパターニングし(
図7を参照)、第1マスク層150の上面及び第1分離層170の一部の表面上の第2初期マスク層181を除去することにより(
図7を参照)、第1方向で間隔を置いて配列された第2マスク層180を形成し、第2マスク層180は、第1分離層170の上に配置され、且つ第2マスク層180は、活性層110の側壁を被覆する。第2マスク層180を形成することにより、後続で離間した第1導電構造を形成するためのマスクとして使用することができる。
【0059】
図9を参照すると、第1分離層170の一部と、第2マスク層180の下に配置される活性層110の側壁の一部を除去して、第1溝190を形成し、留意されたいこととして、第1分離層170をエッチングする過程において、エッチング試薬が活性層110に接触することは避けられないので、エッチング試薬は、活性層110の一部もエッチングする。別のいくつかの実施例において、第1分離層170の一部のみをエッチングすることもできる。第1溝190の形成は、後続の第1導電構造の形成に工程基盤を提供する。活性層110の一部をエッチングすることにより、後続で形成される第1導電構造に、より大きな空間を提供することができ、それにより、第1導電構造の幅を増加させ、第1導電構造の抵抗を低下させることができる。
【0060】
図10を参照すると、第1溝190に第1導電材料を堆積することにより、第1初期導電構造を形成し、第1導電材料をパターニングして、間隔を置いて配列される第1導電構造121を形成する。いくつかの実施例において、第1溝190に第1導電材料を充填し、第2マスク層180をマスクとして第1初期導電構造をパターニングすることにより、間隔を置いて配列された第1導電構造121を形成することができる。別のいくつかの実施例において、選択的原子層堆積により、第2マスク層の底面に第1導電構造121を形成することもできる。第1導電構造121の形成は、後続で第1方向に線状に接続するビットラインの形成に基盤を提供する。
【0061】
理解できるように、第1初期導電構造をパターニングすることによって形成された、間隔を置いて配列された第1導電構造121は、異なるビットラインの第1導電構造121であり、言い換えると、同一活性層110の両側に配置された第1導電構造121は、同一ビットラインの第1部分である。
【0062】
図11ないし
図15を参照すると、複数の第2導電構造122を形成し、複数の第2導電構造122は、活性層110内に配置され、第2導電構造122は少なくとも、2つの第1導電構造121の間に配置され且つ第1導電構造121に接触して電気的に接続される。第1導電構造121と電気的に接続された第2導電構造122を形成することによって、連続したビットライン120を形成し、それにより、ビットライン120が全体として一体化され、それによって半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0063】
具体的には、
図11を参照すると、第1マスク層150及び第2マスク層180を除去することにより、活性層110及び第1分離層170の上面を露出させる。
【0064】
図12を参照すると、第2分離層200を形成し、第2分離層200は、第1分離層170の上面に配置され、且つ第2分離層200は、活性層110の間に配置され、第2分離層200を設けることにより、第1導電構造121を保護し、後続で形成されるワードラインが第1導電構造121と接触するのを回避することもできる。
【0065】
いくつかの実施例において、第2分離層200を形成することは、第2初期分離層を形成し、第2初期分離層は、活性層110の上面を被覆し、活性層110の上面が露出するまで第2初期分離層をパターニングし、残りの第2初期分離層を第2分離層200として使用することを含み得る。
【0066】
図13を参照すると、活性層110をエッチングして、第1方向Xに沿って延在する複数の第2トレンチ210を形成し、第2トレンチ210の底面は、第1導電構造121の上面より高く、第2トレンチ210は、後続で第3マスク層を形成するために使用され、第2トレンチ210を形成することにより、後続の第2導電構造の形成に工程基盤を提供する。
【0067】
いくつかの実施例において、前記半導体構造の製作方法は、第2分離層200の一部をエッチングすることを更に含む。
【0068】
いくつかの実施例において、活性層110の上面に第4マスク層230を形成し、第4マスク層230をマスクとして活性層110をパターニングすることにより、第2トレンチ210を形成することができ、第4マスク層230を形成する方式により、パターンがより精確である第2トレンチ210を形成することができる。別のいくつかの実施例では、他の方式を採用して第2トレンチを形成することもできる。
【0069】
いくつかの実施例において、第2トレンチ210を形成した後、第4マスク層230を残し、第4マスク層230を残すことにより、活性層110が後続の工程で汚染されないように保護することができ、それにより、半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0070】
いくつかの実施例において、第4マスク層230の材料は、第1マスク層150の材料と同じであってもよく、両方とも窒化シリコンなどの材料であってもよい。
【0071】
図14を参照すると、第2トレンチ210に第3マスク層220を形成し、第3マスク層220は、第2トレンチ210の側壁を被覆する。第3マスク層220を形成することにより、後続の金属ケイ化物工程で第2導電構造を形成する際に活性層110を保護することができ、それにより、第2トレンチ210の内壁の汚染を回避し、第3マスク層220を形成することにより、半導体構造の信頼性を向上させる。
【0072】
いくつかの実施例において、第3マスク層220を形成することは、第3初期マスク層を形成することと、第3初期マスク層をパターニングすることにより、分離された第3マスク層220を形成することと、を含み得、第3初期マスク層は更に、第4マスク層230の上面及び活性層110の表面を被覆する。第3初期マスク層をパターニングする過程において、第4マスク層230は、第3初期マスク層をエッチングするためのエッチング停止層として使用することができ、第4マスク層230は、エッチング試薬と活性層110の上面との直接接触を回避することができ、それにより、活性層110の上面の汚染を回避することができ、半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0073】
いくつかの実施例において、第3マスク層220の材料は、第2マスク層180の材料と同じであってもよく、両方とも炭素又は炭素含有有機物などであってもよい。
【0074】
図15を参照すると、第2トレンチ210の底部に第2導電材料を堆積し、急速熱処理より第2導電構造122を形成する。いくつかの実施例において、第2導電材料は金属材料を含み得、急速熱処理過程において、金属材料は活性層110に拡散して金属ケイ化物を形成することができ、金属ケイ化物は少なくとも、2つの第1導電構造121の間に配置されて、第2導電構造122を形成することができ、即ち、金属ケイ化物工程を採用して第2導電構造122を形成することにより、第2導電構造122を形成する際の抵抗を低減し、更に半導体構造の性能を向上させることができる。第2導電構造122を形成した後、前記半導体構造の製作方法は、第2導電材料を除去することにより第2導電構造122の上面を露出させることを更に含む。
【0075】
いくつかの実施例において、急速熱処理は急速熱アニーリング(RTA:rapid thermal annealing)であり得、いくつかの実施例において、2回の急速熱アニーリング工程により、第2導電構造122の過成長による短絡を回避することができる。
【0076】
具体的には、第2導電構造122を形成することは、次のステップを含み得る。第2トレンチ210の底部に第2導電材料を堆積し、第2導電材料がチタンであり、活性層の材料が単結晶シリコンであることを例にとると、第2導電材料を堆積した後、チタンの表面に窒化チタン薄膜が堆積され、窒化チタン薄膜は、急速熱アニーリング処理中にチタンが流動するのを防止することができる。最初の急速熱アニーリング処理を実行し、チタンは活性層110の単結晶シリコンと反応して、高抵抗金属ケイ化物を形成する。選択的ウェットエッチングにより、チタン及び窒化チタン薄膜を除去することができる。2回目の急速熱アニーリング処理を実行し、2回目の急速熱アニーリング処理により、高抵抗金属ケイ化物を低抵抗金属ケイ化物に変換することができる。低抵抗金属ケイ化物は、即ち第2導電構造である。理解できるように、上記の窒化チタン薄膜、チタン及び単結晶シリコン材料は、説明の便宜のための例に過ぎず、第2導電材料、第2導電材料上の薄膜及び活性層110の材料を限定するものではなく、実際の状況に応じて調整することができる。
【0077】
いくつかの実施例において、急速熱処理の温度は400℃~800℃であり得、急速熱処理の温度が400℃より小さい場合、第2導電構造122の形成中の形成速度が比較的に遅く、且つ形成された第2導電構造122の形態が良好ではない。急速熱処理の温度が800℃より大きい場合、第2導電構造122の形成中に第1導電構造121に影響を及ぼす可能性があり、第1導電構造121の異常を引き起こす可能性があり、したがって、急速熱処理の温度を400℃~800℃に設定することにより、第2導電構造122の形成速度と形態を確保しながら、半導体構造の他の構造への影響を回避することができる。
【0078】
いくつかの実施例において、急速熱処理の回数は2回であり、且つ後者の急速熱処理の温度は前者の急速熱処理の温度より高くてもよい。
【0079】
いくつかの実施例において、2つの第1導電構造121の間に配置される複数の第2導電構造122は互いに接続され、第2方向Yに沿って活性層110を貫通する。互いに接続される複数の第2導電構造122を形成することにより、形成されたビットライン120が1つの連続した全体となり、それにより、ビットライン120の信号伝送の安定性を向上させ、更に半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0080】
留意されたいこととして、金属ケイ化物工程により、金属イオンが拡散した後、活性層110内に1つの連続した全体を形成することを確保できないため、第1導電構造121を先に形成してから金属ケイ化物工程を実行する方式により、金属ケイ化物工程によって活性層110内に1つの連続した全体が形成されなくても、第1導電構造121と第2導電構造122との相互接続により、ビットライン120が1つの連続した全体になるようにし、それにより、ビットライン120の信号伝送の安定性を保証し、更に半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0081】
図16を参照すると、第3マスク層220及び第4マスク層230を除去することにより、活性層110及び第2導電構造122の上面を露出させる。
【0082】
図17を参照すると、ワードライン130を形成し、いくつかの実施例において、ワードライン130を形成することは、第2トレンチ210に第3分離層240を形成することであって、第3分離層240の上面は、活性層110の上面より低い且つ第1導電構造の上面より高いか第1導電構造121の上面と面一であることと、誘電体層140を形成することであって、誘電体層140は活性層110の側壁に配置されることと、ワードライン130を形成することであって、ワードライン130は誘電体層140の側壁に配置され、隣接するワードライン130は第2方向Yに離間していることと、第4分離層250を形成することであって、第4分離層250は、第2トレンチ210を充填し且つワードライン130及び活性層110の上面を被覆することと、を含み得る。
【0083】
いくつかの実施例において、第3分離層240を形成することは、第3初期分離層を形成することであって、第3初期分離層の上面は、活性層110の上面と面一であることと、第3初期分離層をパターニングし、残りの第3初期分離層を第3分離層240として使用することと、を含み得る。第3初期分離層をエッチングする際のエッチング試薬の濃度及びエッチング時間を制御することにより、形成された第3分離層240の基板100に垂直な方向における高さを制御することができる。第3分離層240を形成することにより、ワードライン130と第1導電構造121との接触を回避し、半導体構造の異常を回避し、半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0084】
いくつかの実施例において、誘電体層140を形成することは、熱酸化により誘電体層140を形成することを含み得、熱酸化によって形成された誘電体層140の密度は比較的高く、形成された誘電体層140の性能は比較的良好である。別のいくつかの実施例において、堆積してからマスクエッチングする方法により、誘電体層140を形成することもでき、堆積してからマスクエッチングする方法は、形成された誘電体層140の幅をよりよく制御することができる。誘電体層140を形成することにより、活性層110とワードライン130との直接接触による半導体構造の異常を回避することができ、半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0085】
いくつかの実施例において、第4分離層250を形成することは、半導体構造の全面に絶縁材料を堆積し、その後、化学机械研磨によって表面の凹凸を除去して、第4分離層250を形成することを含み得る。いくつかの実施例において、第3分離層240及び第4分離層250の材料は、第1分離層170の材料と同じであってもよく、いずれも酸化シリコン又は窒化シリコン材料であってもよい。第4分離層250を形成することにより、隣接するワードライン130を離間させ、それにより、隣接するワードライン130間の信号干渉を回避することができ、ワードライン130と外界との直接接触を回避するためのワードライン130の保護層として使用することもできる。
【0086】
本発明の実施例では、ビットライン120を形成するとき、まず第1導電構造121を形成し、その後、第2導電構造122を形成することにより、第2導電構造122が形成過程において連続した構造に接続されなくても、第1導電構造121と第2導電構造122との電気的接続により、ビットライン120が1つの連続した全体となるようにし、それにより、ビットライン120の信号伝送の安定性を向上させ、更に、半導体構造の信頼性を向上させることができる。
【0087】
当業者なら理解できるように、上記の各実施形態は、本発明を実現するための特定の実施例であり、実際の応用では、本発明の実施例の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その形式と詳細に種々な変更を加えることができる。当業者であれば、本発明の実施例の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変形及び修正を行うことができ、したがって、本発明の実施例の保護範囲は、特許請求の範囲に従うものとする。