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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】車載光源ユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/19 20180101AFI20241225BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20241225BHJP
【FI】
F21S41/19
F21W102:00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022569947
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 JP2021045520
(87)【国際公開番号】W WO2022131155
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2024-10-01
(31)【優先権主張番号】P 2020207575
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】野末 修平
(72)【発明者】
【氏名】生田 龍治郎
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/176869(WO,A1)
【文献】特開2016-60060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/19
F21W 102/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のリブを有する保持部材と、
前記保持部材上に配置され、それぞれの前記リブが嵌る一対の嵌合部を含み光源が実装される基板と、
を備え、
それぞれの前記リブの高さ方向に沿って見る場合に、それぞれの前記リブは、
一対の前記リブの並列方向と異なる方向に延在し、両端面が平面状の延在部と、
前記延在部の延在方向と異なる方向において前記延在部の一部から一対の前記リブの互いに近づく側或いは互いに遠ざかる側に突出し、端面が前記延在部の前記両端面と異なる面内方向を有する平面状の突出部と、
を含み、
それぞれの前記嵌合部は、
前記延在部の前記両端面と対向する一対の第1対面部と、
前記突出部の前記端面と対向する第2対面部と、
を含む
ことを特徴とする車載光源ユニット。
【請求項2】
それぞれの前記リブの高さ方向に沿って見る場合に、前記延在方向における前記突出部の前記端面の位置が前記延在部の前記両端面の間である
ことを特徴とする請求項1に車載光源ユニット。
【請求項3】
それぞれの前記リブの高さ方向に沿って見る場合に、前記突出部は、前記延在部の前記延在方向における中央部から前記延在方向に垂直な方向に延在する
ことを特徴とする請求項2に記載の車載光源ユニット。
【請求項4】
それぞれの前記リブの前記突出部は前記延在部の一部から一対の前記リブの互いに近づく側に突出する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車載光源ユニット。
【請求項5】
それぞれの前記リブの前記突出部が突出する方向は左右方向に平行であり、
前記延在部の前記端面と前記第1対面部との当接面積は、前記突出部の前記端面と前記第2対面部との当接面積よりも大きい
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車載光源ユニット。
【請求項6】
それぞれの前記リブの前記突出部が突出する方向は左右方向に平行であり、
前記延在部の前記延在方向に沿った長さは、前記突出部の突出する方向に沿った長さよりも長い
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車載光源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載光源ユニットに関し、具体的には、光源が実装される基板と当該基板を保持する保持部材とを備える車載光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような車載光源ユニットとして、例えば下記特許文献1に記載された車載光源ユニットが知られている。この特許文献1に記載された車載光源ユニットは、光源が実装される基板と、当該基板を保持する保持部材としてのヒートシンクとを備えており、ヒートシンクには基板側に突出するリブが左右に1つずつ設けられている。この特許文献1に記載された車載光源ユニットでは、これらのリブが上記基板に形成された切り欠きに挿入されることで基板がヒートシンクに保持される。
【0003】
この特許文献1に記載された車載光源ユニットでは、リブの高さ方向に沿って見る場合にリブは矩形状であり、このリブの高さ方向に垂直な上端から下端までの長さが上記切り欠きの上下方向に沿った全長とほぼ等しい。したがって、この特許文献1に記載された車載光源ユニットでは、基板とヒートシンクとの上下方向における相対移動が規制され、基板のヒートシンクに対する上下方向における位置決めがなされる。
【0004】
なお、特許文献1に記載された車載光源ユニットでは、リブの左右方向における側部と切り欠きを規定する基板の側壁との間に隙間が存在している。
【0005】
【文献】国際公開第2019/176869号
【発明の概要】
【0006】
上記特許文献1に記載された車載光源ユニットでは、上記のように、リブの左右方向における側部と基板の側壁と間に隙間が存在するため、当該リブのみによっては基板とヒートシンクとの左右方向における位置決めを精度よく行うことが難しい。そのため、上記特許文献1では、基板に貫通孔を形成するとともに、ヒートシンクにピンを立設して、当該ピンを上記貫通孔に挿入することによって左右方向の位置決めを図っている。
【0007】
しかし、上記特許文献1のようにリブに加えてピンをヒートシンクに設ける場合、ヒートシンクの形状が複雑になり、製造コストの増大を招く。そのため、上記のようなピンを設けずに、上下方向及び左右方向の位置決めを図りたいとの要請がある。
【0008】
この要請に応える方法として、例えば、上述の矩形状のリブの左右方向の幅を広げることによって矩形状の2つのリブの側部を基板の側壁に当接させて、2つのリブによって基板を挟み込むことが考えられる。しかし、この場合、リブの上端の概ね全長、下端の概ね全長、及び側部の概ね全長が基板の側壁と当接するため、基板とリブとの当接部の面積が増大する。基板に実装された光源から出射する光を所望の方向に出射するためには、上記当接部における面加工の精度を高めて、当該当接部における基板とヒートシンクとの間のがたつきを抑制する必要がある。しかし、当接部の面積が大きい場合、広い範囲に亘って面加工の精度を高める必要があり、このような広範囲に亘って面加工を精度よく行うことは困難である。したがって、上記のように矩形状のリブの左右方向の幅を広げる方法では、面加工の精度の影響を受け易く、光軸ずれを招くおそれがある。
【0009】
そこで、上下方向及び左右方向においてリブを基板の側壁に当接させつつ当接部の面積を小さくする方法として、例えば、矩形状のリブを小さくすることが考えられる。しかし、この場合、リブの剛性が弱くなってリブが変形するおそれがある。このようにリブが変形すると位置決め精度の低下を招き得る。或いは、上下方向及び左右方向においてリブを基板の側壁に当接させつつ当接部の面積を小さくする他の方法として、例えば円柱状のリブを基板の側壁に当接させることが考えられる。しかし、この場合、リブと基板の側壁との当接部が線接触になるため、当接部への応力集中を招く。このような応力集中は、当接部を起点とするリブや基板の変形の原因となり得、リブや基板が変形することで位置決め精度の低下を招き得る。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光源が実装される基板と当該基板を保持する保持部材との間の位置決め精度の低下が抑制され得るとともに光軸ずれが抑制され得る車載光源ユニットを提供することを目的とする。
【0011】
上記目的の達成のため、本発明の車載光源ユニットは、一対のリブを有する保持部材と、前記保持部材上に配置され、それぞれの前記リブが嵌る一対の嵌合部を含み光源が実装される基板と、を備え、それぞれの前記リブの高さ方向に沿って見る場合に、それぞれの前記リブは、一対の前記リブの並列方向と異なる方向に延在し、両端面が平面状の延在部と、前記延在部の延在方向と異なる方向において前記延在部の一部から一対の前記リブの互いに近づく側或いは互いに遠ざかる側に突出し、端面が前記延在部の前記両端面と異なる面内方向を有する平面状の突出部と、を含み、それぞれの前記嵌合部は、前記延在部の前記両端面と対向する一対の第1対面部と、前記突出部の前記端面と対向する第2対面部と、を含むことを特徴とするものである。
【0012】
この車載光源ユニットによれば、それぞれのリブの高さ方向に沿って見る場合に、それぞれのリブは、所定の方向において一対のリブの互いに近づく側或いは互いに遠ざかる側に突出する突出部を含んでおり、一対の嵌合部のそれぞれは、上記突出部の端面に対向する第2対面部を含んでいる。したがって、基板が保持部材に対して上記所定の方向に沿って移動しようとするときは、一方のリブにおける突出部の端面とこのリブが嵌る一方の嵌合部における第2対面部との当接、又は、他方のリブにおける突出部の端面とこのリブが嵌る他方の嵌合部における第2対面部との当接によって、基板が保持部材に対して上記所定の方向に沿って移動することが規制され、この所定の方向において基板が保持部材に対して位置決めされる。
【0013】
また、この車載光源ユニットによれば、それぞれのリブの高さ方向に沿って見る場合に、それぞれのリブは、上記所定の方向と異なる方向に延在する延在部を含んでおり、一対の嵌合部のそれぞれは、上記延在部の両端面に対向する一対の第1対面部を含んでいる。また、延在部の両端面の面内方向は突出部の端面の面内方向と異なる。したがって、上記所定の方向及び上記高さ方向の双方に垂直な方向に沿って基板が保持部材に対して移動しようとするときは、延在部の両端面の一方と嵌合部の一対の第1対面部の一方との当接、又は、延在部の両端面の他方と嵌合部の一対の第1対面部の他方との当接によって、基板が保持部材に対して上記所定の方向及び上記高さ方向の双方に垂直な方向に沿って移動することが規制され、上記所定の方向及び上記高さ方向の双方に垂直な方向において基板が保持部材に対して位置決めされる。
【0014】
また、この車載光源ユニットによれば、延在部の平面状の両端面は嵌合部の第1対面部と対向するため、延在部の両端面は第1対面部と概ね面接触する。また、突出部の平面状の端面は嵌合部の第2対面部と対向するため、突出部の端面は第2対面部と概ね面接触する。したがって、例えばリブが円柱である場合と異なり、リブと嵌合部とが線接触になることが抑制され、当接部への応力集中を抑制することができる。したがって、当接部を起点とするリブや基板の変形が抑制され得、基板と保持部材との間の位置決め精度の低下が抑制され得る。
【0015】
また、この車載光源ユニットによれば、リブは延在部に突出部が付加された構成を有する。このため、リブによって上記所定の方向及び当該所定の方向に垂直な方向の双方の方向における位置決めをするために、例えば矩形状のリブを全体的に縮小して、リブの側面全体を嵌合部に当接させる場合に比べて、リブを大きくすることができ、リブの剛性を確保することできる。よって、リブの変形を抑制することができ、位置決めの精度の低下を抑制することができる。
【0016】
また、この車載光源ユニットによれば、延在部の両端が基板の嵌合部と当接するため、延在部の延在方向におけるリブの端面全体が嵌合部と当接する場合に比べて、当該延在方向におけるリブと嵌合部との当接面積を小さくすることができる。また、この車載光源ユニットによれば、延在部の一部から突出する突出部の端面が保持部材の嵌合部と当接するため、突出部が突出する方向におけるリブの側面全体が嵌合部と当接する場合に比べて、突出部が突出する方向におけるリブと嵌合部との当接面積を小さくすることができる。このように、この車載光源ユニットによれば、リブと嵌合部との当接面積を小さくすることができるため、面加工の精度の影響を受け難く、光源から出射する光の光軸ずれを抑制することができる。
【0017】
このように、この車載光源ユニットによれば、基板と保持部材との間の位置決め精度の低下が抑制され得るとともに光軸ずれが抑制され得る。
【0018】
また、それぞれの前記リブの高さ方向に沿って見る場合に、前記延在方向における前記突出部の前記端面の位置が前記延在部の前記両端面の間であることが好ましい。
【0019】
上記嵌合部は、例えば、基板に形成された貫通孔や切り欠きであってもよい。嵌合部を貫通孔や切り欠きとする場合、基板に貫通孔や切り欠きを形成する際に、貫通孔や切り欠きの上記延在方向における隅にRが形成される場合がある。このような場合でも、リブの高さ方向に沿って見る場合に、上記延在方向における突出部の先端の位置が延在部の両端面の間であれば、突出部の端面が上記Rに当接することを回避し得、突出部の端面と嵌合部とを面接触させ易くなり得る。
【0020】
なお、上記延在方向における突出部の先端の位置が延在部の両端面の間である場合、前記リブの高さ方向に沿って見る場合に、前記突出部は、前記延在部の前記延在方向における中央部から前記延在方向に垂直な方向に延在してもよい。
【0021】
このように、延在部の延在方向における中央部から当該延在方向に垂直な方向に突出部を突出させることで、嵌合部としての上記貫通孔や上記切り欠きの上記延在方向における隅に形成されるRに突出部が当接することをより効果的に回避することができる。
【0022】
また、それぞれの前記リブの前記突出部は前記延在部の一部から一対の前記リブの互いに近づく側に突出することが好ましい。
【0023】
光源が搭載される基板の中央部には、光源に接続される配線などが多く形成される傾向にある。そのため、この配線などを避けるために、上記一対の嵌合部のそれぞれは基板の端に近い側に形成することが好ましい。嵌合部のそれぞれが基板の端に近い側に形成される場合、一方の嵌合部から他方の嵌合部までの基板の内側領域の長さの方が、それぞれの嵌合部から基板の外縁までの基板の外側領域の長さよりも長くなり易い。このため、基板の内側領域の方が基板の外側領域よりも剛性が強くなり易い。それぞれのリブの突出部を一対のリブの互いに近づく側に突出させれば、それぞれの突出部の先端を剛性の強い基板の内側領域に当接させることができる。したがって、それぞれのリブの突出部を一対のリブの互いに遠ざかる側に突出させる場合に比べて、基板の変形などを抑制することができる。
【0024】
また、それぞれの前記リブの前記突出部が突出する方向は左右方向に平行であり、前記延在部の前記端面と前記第1対面部との当接面積は、前記突出部の前記端面と前記第2対面部との当接面積よりも大きくてもよい。
【0025】
車両の走行時における上下方向の振動は左右方向の振動よりも大きい傾向にあるため、車両の走行時において、リブは、上下方向に平行な方向により強い力を受け易い。車載光源ユニットが車両に搭載された状態において、リブの突出部が突出する方向が左右方向に平行である場合、延在部の延在方向は上下方向と概ね平行な方向と考え得る。延在部の端面と第1対面部との当接面積を突出部の端面と第2対面部との当接面積よりも大きくすれば、上下方向の振動による力が主に印加される延在部の端面の剛性を、左右方向の振動による力が主に印加される突出部の端面の剛性よりも強くし得る。よって、車両走行時におけるリブの変形をより効果的に抑制することができる。
【0026】
また、それぞれの前記リブの前記突出部が突出する方向は左右方向に平行であり、前記延在部の前記延在方向に沿った長さは、前記突出部の突出する方向に沿った長さよりも長くてもよい。
【0027】
このように延在部の延在方向に沿った長さを長くすることで、延在部の剛性を高めることができる。このため、車両走行時において上下方向に強い力がリブに印加された場合でも、リブの変形をより効果的に抑制することができる。
【0028】
以上のように、本発明によれば、光源が実装される基板と当該基板を保持する保持部材とが精度よく位置決めされ得、かつ、光軸ずれが抑制され得る車載光源ユニットが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施形態に係る車載光源ユニットを備える車両用灯具を示す図である。
図2図1に示す車載光源ユニットを示す分解斜視図である。
図3】車載光源ユニットのヒートシンクをリブの高さ方向に沿って見る正面図である。
図4】ヒートシンクに設けられる第1リブを概略的に示す斜視図である。
図5】基板がヒートシンクに保持されている状態をリブの高さ方向に沿って見る正面図である。
図6図5に示すリブ及びその近傍の様子を拡大して概略的に示す正面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る車載光源ユニットの一部を図6と同様の視点で示す図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る車載光源ユニットの一部を図6と同様の視点で示す図である。
図9】本発明の第4実施形態に係る車載光源ユニットの一部を図6と同様の視点で示す図である。
図10】本発明の第5実施形態に係る車載光源ユニットの一部を図6と同様の視点で示す図である。
図11】本発明の一変形例に係る車載光源ユニットの一部を図6と同様の視点で示す図である。
図12】本発明の他の変形例に係る車載光源ユニットの一部を図6と同様の視点で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る車載光源ユニットを実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。また、本明細書では、理解を容易にするために、各部材の寸法が誇張して示されている場合がある。
【0031】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る車載光源ユニットを備える車両用灯具を示す図である。本実施形態では、この車両用灯具は車両用前照灯1として構成される。車両用前照灯は、一般的に車両の前方の左側及び右側のそれぞれに備えられるものであり、これら車両用前照灯は左側及び右側に取り付けられる点を除いて概ね同様の構成を有する。従って、以下、左側及び右側のうち一方側の車両用前照灯についてのみ説明する。
【0032】
図1に示すように、本実施形態の車両用前照灯1は、筐体2と、灯具ユニット3と、支持ユニット4と、を主な構成として備える。なお、図1は車両用前照灯1の側面図であり、図1では、理解容易のために筐体2を断面で示している。
【0033】
筐体2は、ランプハウジング11、フロントカバー12、及びバックカバー13を主な構成として備える。ランプハウジング11の前方側には開口が形成されており、この前方側の開口は、ランプハウジング11に固定された透光性のフロントカバー12によって塞がれている。ランプハウジング11の後方側には前方側の開口よりも小さな開口が形成されている。この後方側の開口は、ランプハウジング11に固定されたバックカバー13によって塞がれている。
【0034】
ランプハウジング11、フロントカバー12、及びバックカバー13によって形成される空間は灯室Rである。この灯室R内に灯具ユニット3及び支持ユニット4が収容されている。
【0035】
支持ユニット4は、灯具ユニット3の後方側から灯具ユニット3に取り付けられて、灯具ユニット3を支持している。この支持ユニット4は、不図示の構成により筐体2に固定されている。したがって、灯具ユニット3は、この支持ユニット4を介して筐体2に固定される。
【0036】
図2は、図1に示す灯具ユニット3の分解斜視図である。図2に示すように、本実施形態の灯具ユニット3は、投影レンズ20と、レンズホルダ25と、車載光源ユニットLUとを主な構成として備える。
【0037】
本実施形態の車載光源ユニットLUは、サポートプレート30と、リフレクタユニット40と、基板50と、ヒートシンク80とを主な構成として備える。
【0038】
ヒートシンク80は、放熱性に優れた材料から形成され、例えば金属から形成される。図3は、後述するリブの高さ方向に沿って見るヒートシンク80の正面図であり、ヒートシンク80を前方側から見た様子を示している。図3に示すように、本実施形態のヒートシンク80は、正面視において概ね正方形に形成されており、ヒートシンク80の上下方向の中央よりもやや上方に位置する通風部82と、通風部82の下側に位置する基板搭載部83とを含んでいる。
【0039】
図2及び図3に示すように、通風部82には前後方向に貫通する複数の通風孔82Hが形成されている。ヒートシンク80よりも後方側には不図示のファンが搭載されており、ファンによって空気がこの通風孔82Hを介してヒートシンク80の前面側に送風される。
【0040】
また、通風部82の上縁の左端付近及び右端付近のそれぞれには、前方に延在するボス87が立設されている。
【0041】
基板搭載部83の前面83fは、上方から下方に行くに従って前方に張り出す傾斜面とされる。基板搭載部83の上縁は通風部82の下縁に接続されている。本実施形態では、基板搭載部83の前面83fには、ボス88、ボス89、台座95、一対のリブである第1リブ94L及び第2リブ94Rなどが設けられている。
【0042】
ボス88は、基板搭載部83の上縁の左端付近及び右端付近のそれぞれに設けられており、これらボス88は前方に延在している。また、ボス89は、それぞれのボス88の概ね直下に設けられており、前方に延在している。
【0043】
台座95は、基板搭載部83の前面83fから前方に突出する部位であり、ヒートシンク80の左右方向における中央を通り上下方向に沿って延びる線に対して概ね線対称の外形を有している。台座95の前面95fは基板搭載部83の前面83fと概ね平行である。この台座95の前面95fに、基板50の少なくとも一部が載置される。
【0044】
第1リブ94L及び第2リブ94Rは、基板搭載部83の前面83fから前方側に突出している。なお、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの高さ方向は左右方向に垂直である。第1リブ94Lは、ヒートシンク80の左右方向における中央を通り上下方向に沿って延びる線を基準として一方側である左側に設けられており、第2リブ94Rは、上記線を基準として他方側である右側に設けられている。本実施形態では、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、上下方向における同じ位置に設けられている。このように、本実施形態では、第1リブ94L及び第2リブ94Rは、左右方向に沿って並列されている。また、第1リブ94L及び第2リブ94Rは、上下方向において上述のボス88とボス89との間に位置している。また、第1リブ94Lは上述の1対のボス87のうち左側のボス87の概ね直下に位置しており、第2リブ94Rは右側のボス87の概ね直下に位置している。
【0045】
図4は、図2に示す第1リブ94Lを拡大して示す斜視図である。図4に示すように、第1リブ94Lは、延在部94Eと突出部94Pとを有しており、延在部94E及び突出部94Pは基板搭載部83の前面83fから前方側に突出しており、この突出方向が第1リブ94Lの高さ方向である。延在部94Eは、リブの高さ方向及び左右方向の双方に垂直な方向に沿って延在している。したがって、リブの高さ方向に沿って見る場合に、延在部94Eは、第1リブ94L及び第2リブ94Rが並列される方向と異なる方向に延在している。本実施形態において、この延在部94Eの延在方向は概ね上下方向に平行である。なお、延在部94Eの延在方向の長さは延在部94Eの左右方向の長さよりも長い。突出部94Pは、リブの高さ方向に沿って見る場合に、延在部94Eの延在方向における中央部から右側に突出しており、本実施形態において、突出部94Pが突出する方向の長さは突出部94Pの上記延在方向に沿った長さよりも短い。ただし、突出部94Pが突出する方向の長さは突出部94Pの上記延在方向に沿った長さと同じであってもよいし、短くてもよい。
【0046】
延在部94Eの延在方向における中央は第1リブ94Lの頂面94Tであり、この頂面94Tが第1リブ94Lのうち最も前方に位置する面である。延在部94Eは、この頂面94Tと、第1傾斜面94ES1と、第2傾斜面94ES2と、上端面94EUと、下端面94EDとを含んでいる。第1傾斜面94ES1は、頂面94Tの上端から上方側に行くに従って次第に後方に傾斜する面である。第2傾斜面94ES2は、頂面94Tの下端から下方側に行くに従って次第に後方に傾斜する面である。上端面94EUは、第1傾斜面94ES1の上端に接続し、リブの高さ方向及び左右方向の双方に平行な平面状の面である。下端面94EDは、第2傾斜面94ES2の下端に接続し、リブの高さ方向及び左右方向の双方に平行な平面状の面である。なお、平面状の面とは、平面とともに製造上生じ得る程度に湾曲した面を含むものである。
【0047】
突出部94Pは、傾斜面94PSと端面94PTとを含んでいる。傾斜面94PSは、頂面94Tの右端から右側に行くに従って後方に傾斜する面である。端面94PTは、傾斜面94PSの右端に接続し、リブの高さ方向及び延在部94Eの延在方向の双方に平行な平面状の面である。したがって、突出部94Pの端面94PTは、延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDとは異なる面内方向を有する。
【0048】
なお、第2リブ94Rは、突出部94Pが左側に突出することを除いて第1リブ94Lと同様の構成を有する。
【0049】
図2に示すように、基板50は、例えば金属からなる板状部材である。基板50は、基板50の左右方向における中央を通り上下方向に沿って延びる線に対して概ね線対称の外形を有する。基板50には、基板50を貫通する第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rが形成されている。
【0050】
本実施形態において、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rは、同じ寸法及び概ね正方形の同じ外形を有しており、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれの四隅には、基板50に孔加工を施す際に形成されるRが存在する。第1貫通孔51Lは、基板50の左右方向における中央を通り上下方向に沿って延びる線を基準として一方側である左側の縁部近傍に位置しており、第2貫通孔51Rは、上記線を基準として他方側である右側の縁部近傍に位置している。本実施形態では、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれは、上下方向における同じ位置に設けられている。
【0051】
本実施形態において、第1貫通孔51Lに第1リブ94Lが挿入されることによって、第1貫通孔51Lを規定する基板50の内壁52に第1リブ94Lの一部が当接する。こうして、第1貫通孔51Lに第1リブ94Lが嵌る。また、第2貫通孔51Rに第2リブ94Rが挿入されることによって、第2貫通孔51Rを規定する基板50の内壁52に第2リブ94Rの一部が当接する。こうして、第2貫通孔51Rに第2リブ94Rが嵌る。その結果、基板50がヒートシンク80上に配置された状態で、基板50がヒートシンク80に保持される。このように、本実施形態において、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rはリブが嵌る嵌合部として機能し、ヒートシンク80は基板50を保持する保持部材として機能する。なお、本実施形態において、基板50の内壁52の面内方向は第1リブ94L及び第2リブ94Rの高さ方向と概ね平行である。
【0052】
図5は、基板50がヒートシンク80上に配置されてヒートシンク80に保持されている状態をリブの高さ方向に沿って見る正面図である。図5に示すように、基板50の前面50fには、複数の光源63aと複数の光源63bとが搭載されている。これらの光源63a,63bは、例えばLED(Light Emitting Diode)であってもよい。複数の光源63a,63bは、左右方向における第1貫通孔51Lと第2貫通孔51Rとの間の領域に、左右方向に沿って上下2段に並列されている。光源63aは、上段に並列されており、例えばロービームを形成する光を出射する。一方、光源63bは、下段に並列されており、例えばハイビームを形成する光を出射する。また、基板50の前面50fのうち複数の光源63a,63bの直下には、外部電力に接続されるコネクタ64が搭載されており、このコネクタ64と複数の光源63a,63bとは給電回路65を介して電気的に接続されている。したがって、コネクタ64に電力が供給されることによって、複数の光源63a,63bが発光する。なお、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの延在部94Eの延在方向において、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pは、光源63aの列と光源63bの列との間に位置している。
【0053】
図2に示すように、リフレクタユニット40は、ヒートシンク80との間で基板50を挟み込んだ状態で、例えばネジなどを介してヒートシンク80に固定される。リフレクタユニット40は、複数の光源63a,63bから出射する光を反射させて投影レンズ20に導光するリフレクタやシェードなどが搭載されている。複数の光源63a,63bから出射する光は、これらのリフレクタやシェード、及び投影レンズ20を介して、例えばロービームやハイビームを形成する光となる。
【0054】
サポートプレート30は、弾性を有する金属製の板状部材が曲げ加工されてなる部材である。このサポートプレート30は、ヒートシンク80に固定された状態で、基板50に搭載された上述のコネクタ64などを覆っている。したがって、車両用前照灯1が太陽光に晒された場合でも、サポートプレート30によってコネクタ64などが遮光され、コネクタ64などが太陽光によってダメージを受けることが抑制される。
【0055】
レンズホルダ25は、前後方向に延在する概ね円筒状の部材である。レンズホルダ25は、ヒートシンク80との間で基板50、リフレクタユニット40、及びサポートプレート30などを挟み込むようにヒートシンク80に固定される。レンズホルダ25の前方端には、投影レンズ20が固定されており、この投影レンズ20によってレンズホルダ25の前方側の開口が塞がれている。
【0056】
次に、上述のヒートシンク80の第1リブ94L及び第2リブ94Rと、上述の基板50の第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rとの関係について詳細に説明する。
【0057】
図6は、図5に示すリブ及びその近傍の様子をリブの高さ方向に沿って見る正面図であり、リブとその近傍を拡大して概略的に示している。図6に示すように、第1貫通孔51Lを規定する基板50の内壁52及び第2貫通孔51Rを規定する基板50の内壁52のそれぞれは、四隅に形成されるR部52Rと、上述の延在部94Eの延在方向における上側の直線部52Uと、当該延在方向における下側の直線部52Dと、左側の直線部52Lと、右側の直線部52Iと、を含んでいる。直線部52U,52Dのそれぞれは左右方向に沿って延在しており、直線部52L,52Iのそれぞれは上述の延在部94Eの延在方向に沿って延在している。
【0058】
また、図6に示すように、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、これらのリブの高さ方向に沿って見る場合に、T字状の外形を有しており、同じ寸法を有している。また、延在部94Eにおける当該延在部94Eの延在方向の両端面である上端面94EU及び下端面94EDと突出部94Pの端面94PTとを通りリブの高さ方向と垂直な面における第1リブ94L及び第2リブ94Rの断面形状は、リブの高さ方向において同じである。また、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの延在部94E及び突出部94Pは、リブの高さ方向に沿って見る場合に矩形状である。
【0059】
第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの延在方向に沿った長さVL1は、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれの上記延在方向に沿った全長VL2とほぼ同じ長さである。例えば、延在部94Eの延在方向に沿った長さVL1は、貫通孔51L,51Rの全長VL2よりも5/100以下程度短い長さであってもよい。また、延在部94Eの左右方向に沿った長さHL1aは、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれの左右方向に沿った長さHL2よりも短い。本実施形態において、延在部94Eの左右方向に沿った長さHL1aは、内壁52の直線部52U,52Dのそれぞれの左右方向に沿った長さに概ね等しい。このため、本実施形態では、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの上端面94EUは、内壁52の直線部52Uに対向して左右方向に沿って直線部52Uに概ね面接触し、かつ、内壁52のR部52Rには当接しない。また、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの下端面94EDは、内壁52の直線部52Dに対向する。このように、嵌合部である第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを規定する内壁52は、延在部94Eの両端面に対向する一対の第1対面部としての直線部52U,52Dを含む。
【0060】
第1リブ94Lの突出部94Pは第1リブ94Lの延在部94Eを基準として右側に突出しており、第2リブ94Rの突出部94Pは第2リブ94Rの延在部94Eを基準として左側に突出している。このように、本実施形態では、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pは第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出している。本実施形態において、リブの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの延在方向における突出部94Pの中央と、当該延在方向における延在部94Eの中央とは左右方向に沿って延びる同一線上に位置している。また、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、突出部94Pの左右方向に沿った長さHL1bは、内壁52のR部52Rの半径と概ね等しい長さである。
【0061】
第1リブ94Lにおいて、延在部94Eの延在方向に沿った突出部94Pの長さVL1bは、上記延在方向に沿った内壁52の直線部52Iの長さと概ね等しい。本実施形態では、第1リブ94Lの突出部94Pの端面94PTは、内壁52の直線部52Iに対向して延在部94Eの延在方向に沿って概ね面接触し、かつ、内壁52のR部52Rには当接しない。このように、嵌合部である第1貫通孔51Lを規定する内壁52は、第1リブ94Lの突出部94Pの端面94PTに対向する第2対面部としての直線部52Iを含む。また、リブの高さ方向に沿って見る場合に、延在部94Eの延在方向において、突出部94Pの端面94PTの位置は延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDの間である。
【0062】
第2リブ94Rにおいて、上記延在方向に沿った突出部94Pの長さVL1bは、上記延在方向に沿った内壁52の直線部52Lの長さと概ね等しい。本実施形態では、第2リブ94Rの端面94PTは、内壁52の直線部52Lに対向して延在部94Eの延在方向に沿って直線部52Lに概ね面接触し、かつ、内壁52のR部52Rには当接しない。このように、嵌合部である第2貫通孔51Rを規定する内壁52は、第2リブ94Rの突出部94Pの端面94PTに対向する第2対面部としての直線部52Lを含む。また、リブの高さ方向に沿って見る場合に、延在部94Eの延在方向において、突出部94Pの端面94PTの位置は延在部94Eの上端面94EUと下端面94EDとの間である。
【0063】
図6に示すように、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの左右方向に沿った全長HL1は、延在部94Eの左右方向に沿った長さHL1aと突出部94Pの左右方向に沿った長さHL1bとの和である。したがって、延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDの左右方向に沿った長さHL1aは、リブの左右方向に沿った長さHL1よりも短い。また、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの上記延在方向に沿った全長は、延在部94Eの上記延在方向に沿った長さVL1と等しい。したがって、突出部94Pにおける端面94PTの上記延在方向に沿った長さVL1bは、リブの上記延在方向に沿った長さよりも短い。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の車載光源ユニットLUは、一対のリブである第1リブ94L及び第2リブ94Rを有する保持部材としてのヒートシンク80と、ヒートシンク80上に配置され、第1リブ94L及び第2リブ94Rが嵌る一対の嵌合部としての第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを含み光源63a,63bが実装される基板50と、を備える。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、延在部94Eと突出部94Pとを含む。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの延在部94Eは、第1リブ94L及び第2リブ94Rの並列方向と異なる方向に延在し、延在方向の両端面である上端面94EU及び下端面94EDが平面状である。また、上記のように見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの突出部94Pは、延在部94Eの延在方向と異なる方向において延在部94Eの一部から第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出し、突出方向の端面94PTが延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと異なる面内方向を有する平面状である。また、嵌合部として第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれは、延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと対向する一対の第1対面部と、突出部94Pの端面94PTと対向する第2対面部と、を含む。
【0065】
本実施形態の車載光源ユニットLUによれば、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、左右方向において第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出する突出部94Pを含んでおり、嵌合部である第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを規定する内壁52のそれぞれは、突出部94Pの端面94PTに対向する第2対面部を含んでいる。したがって、基板50がヒートシンク80に対して左側に移動しようとするときは、第1リブ94Lにおける突出部94Pの端面94PTと、第1貫通孔51Lを規定する内壁52の第2対面部としての直線部52Iとの当接によって、基板50がヒートシンク80に対して左側に移動することが規制される。一方、基板50がヒートシンク80に対して右側に移動しようとするときは、第2リブ94Rにおける突出部94Pの端面94PTと、第2貫通孔51Rを規定する内壁52の第2対面部としての直線部52Lとの当接によって、基板50がヒートシンク80に対して右側に移動することが規制される。こうして、左右方向において基板50がヒートシンク80に対して位置決めされる。
【0066】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUによれば、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、左右方向と異なる方向に延在する延在部94Eを含んでおり、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを規定する内壁52のそれぞれは、延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDに対向する一対の第1対面部としての直線部52U,52Dを含んでいる。また、延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDのそれぞれの面内方向は、左右方向及びリブの高さ方向の双方に平行であるため、延在部94Eの延在方向及びリブの高さ方向の双方に平行な突出部94Pの端面94PTの面内方向と異なる。したがって、左右方向及びリブの高さ方向の双方に垂直な上記延在方向に沿って基板50がヒートシンク80に対して移動しようとするときは、延在部94Eの上端面94EUと直線部52Uとの当接、又は、延在部94Eの下端面94EDと直線部52Iとの当接によって、基板50がヒートシンク80に対して左右方向及びリブの高さ方向の双方に垂直な方向に沿って移動することが規制される。こうして、左右方向及びリブの高さ方向の双方に垂直な方向において基板50がヒートシンク80に対して位置決めされる。なお、本実施形態において、左右方向及びリブの高さ方向の双方に垂直な方向は概ね上下方向と平行である。したがって、この車載光源ユニットLUによれば、延在部94Eの上端面94EUと直線部52Uとの当接、又は、延在部94Eの下端面94EDと直線部52Iとの当接によって、基板50がヒートシンク80に対して上下方向に移動することが規制され、上下方向において基板50がヒートシンク80に対して位置決めされる。
【0067】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUによれば、延在部94Eの上端面94EUは内壁52の直線部52Uと、延在部94Eの下端面94EDは内壁52の直線部52Dと、突出部94Pの端面94PTは内壁52の直線部52I,52Lと、それぞれ概ね面接触する。したがって、例えばリブが円柱である場合と異なり、リブと嵌合部とが線接触になることが抑制され、当接部への応力集中を抑制することができる。したがって、当接部を起点とするリブや基板50の変形が抑制され得、基板50と保持部材としてのヒートシンク80との間の位置決め精度の低下が抑制され得る。
【0068】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUによれば、リブは延在部94Eに突出部94Pが付加された構成を有する。このため、リブによって左右方向及び左右方向に垂直な方向の双方の方向における位置決めをするために、例えば矩形状のリブを全体的に縮小して、貫通孔に当接させる場合に比べて、リブを大きくすることができ、リブの剛性を確保することできる。よって、リブの変形を抑制することができ、位置決めの精度の低下を抑制することができる。
【0069】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUによれば、延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDが基板50の内壁52と当接するため、延在部94Eの延在方向におけるリブの端面全体が内壁52と当接する場合に比べて、当該延在方向におけるリブと内壁52との当接面積を小さくすることができる。さらに、この車載光源ユニットLUによれば、延在部94Eの一部から突出する突出部94Pの端面94PTが内壁52と当接するため、左右方向におけるリブの側面全体が内壁52と当接する場合に比べて、左右方向におけるリブと内壁52との当接面積を小さくすることができる。このように、この車載光源ユニットLUによれば、リブと内壁52の当接面積を左右方向におけるリブの側面全体が内壁52と当接する場合に比べて小さくすることができるため、面加工の精度の影響を受け難く、光源63a,63bから出射する光の光軸ずれを抑制することができる。
【0070】
このように、本実施形態の車載光源ユニットLUによれば、基板50とヒートシンク80との間の位置決め精度の低下が抑制され得るとともに光軸ずれが抑制され得る。
【0071】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUでは、上述のように、リブの高さ方向に沿って見る場合に、延在部94Eの延在方向における突出部94Pの端面94PTの位置が延在部94Eの上端面94EUと下端面94EDとの間である。このような構成によれば、基板50に貫通孔を形成する工程によって基板50の内壁52の隅にR部52Rが形成される場合でも、突出部94Pの端面94PTがこのR部52Rに当接することを回避し得、突出部94Pの端面94PTを基板50の内壁52に当接させ易くなる。
【0072】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUでは、上述のように、リブの高さ方向に沿って見る場合に、突出部94Pは、延在部94Eの延在方向における中央部から当該延在方向に垂直な左右方向に延在する。このように、延在部94Eの延在方向における中央部から延在方向に垂直な方向に突出部94Pを突出させることで、嵌合部としての貫通孔の上記延在方向における隅に形成されるR部52Rに突出部94Pが当接することをより効果的に回避することができる。
【0073】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUでは、上述のように、リブの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94Lの突出部94P及び第2リブ94Rの突出部94Pが延在部94Eの一部から第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出する。図5に示すように、基板50の中央部には、光源63a,63bに接続される給電回路65のような配線等が多く形成される傾向にある。そのため、この配線などを避けるために、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rは基板50の端に近い側に形成することが好ましい。第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rが基板50の端に近い側に形成される場合、第1貫通孔51Lから第2貫通孔51Rまでの基板50の内側領域の長さの方が、貫通孔51L,51Rから基板50の外縁までの基板50の外側領域の長さよりも長くなり易い。このため、基板50の内側領域の方が基板50の外側領域よりも剛性が強くなり易い。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pを第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出させれば、それぞれの突出部94Pの端面94PTを剛性の強い基板50の内側領域に当接させることができる。したがって、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pを第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに遠ざかる側に突出させる場合に比べて、基板50の変形などを抑制することができる。
【0074】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
【0075】
本実施形態の車両用前照灯は、車載光源ユニットLUにおける第1リブ及び第2リブのそれぞれの形状が第1実施形態における第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの形状と異なる点を除いて、第1実施形態における車両用前照灯1と同様の構成を有する。そのため、以下、本実施形態における第1リブ及び第2リブと、基板の第1貫通孔及び第2貫通孔との関係についてのみ説明する。
【0076】
図7は、本実施形態に係る車載光源ユニットLUの一部を図6と同様の視点で示す図である。図7に示すように、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、リブの高さ方向に沿って見る場合に、互いに対称な外形を有しており、同じ寸法を有している。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは延在部94Eと突出部94Pとを含んでいる。延在部94Eは、概ね上下方向に平行な方向に沿って延在する矩形状の部位である。
【0077】
第1リブ94Lの突出部94Pは、延在部94Eの一部から右側に突出する台形状の部位である。第1リブ94Lの突出部94Pにおける下底と第1リブ94Lの延在部94Eにおける右側部とは一致しており、図7において上記下底と上記右側部とが破線で示されている。第2リブ94Rの突出部94Pは、延在部94Eの一部から左側に突出する台形状の部位である。第2リブ94Rの突出部94Pにおける下底と第2リブ94Rの延在部94Eにおける左側部とは一致しており、図7において上記下底と上記左側部とが破線で示されている。このように、本実施形態では、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pは、第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出している。
【0078】
図7に示すように、本実施形態では、第1リブ94Lの突出部94Pにおける上底である端面94PTは、基板50の第1貫通孔51Lを規定する内壁52のうち右側の直線部52Iと対向して延在部94Eの延在方向に沿って直線部52Iに概ね面接触し、かつ、当該内壁52のR部52Rには当接しない。このため、上記延在方向における突出部94Pの端面94PTの位置は延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDの間である。また、第2リブ94Rにおける上底である端面94PTは、基板50の第2貫通孔51Rを規定する内壁52のうち左側の直線部52Lと対向して延在部94Eの延在方向に沿って直線部52Lに概ね面接触し、かつ、内壁52のR部52Rには当接しない。このため、上記延在方向における突出部94Pの端面94PTの位置は延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDの間である。このように、本実施形態では、嵌合部である第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを規定する内壁52は、突出部94Pの端面94PTに対向する第2対面部としての直線部52I,52Lを含む。
【0079】
なお、本実施形態において、延在部94Eは、第1実施形態と同様の構成を有している。したがって、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの延在方向に沿った長さは、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれの上記延在方向に沿った全長とほぼ同じ長さである。また、延在部94Eの左右方向に沿った長さは、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれの左右方向に沿った長さよりも短い。本実施形態では、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの上端面94EUは、内壁52の直線部52Uに対向して左右方向に沿って直線部52Uに概ね面接触し、かつ、内壁52のR部52Rには当接しない。また、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの下端面94EDは、内壁52の直線部52Dに対向する。このように、本実施形態では、嵌合部である第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを規定する内壁52は、延在部94Eの両端面である上端面94EU及び下端面94EDに対向する一対の第1対面部としての直線部52U,52Dを含む。
【0080】
以上説明したように、本実施形態の車載光源ユニットLUは、一対のリブである第1リブ94L及び第2リブ94Rを有する保持部材としてのヒートシンク80と、ヒートシンク80上に配置され、第1リブ94L及び第2リブ94Rが嵌る一対の嵌合部として第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを含み光源63a,63bが実装される基板50と、を備える。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、延在部94Eと突出部94Pとを含む。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの延在部94Eは、第1リブ94L及び第2リブ94Rの並列方向と異なる方向に延在し、延在方向の両端面である上端面94EU及び下端面94EDが平面状である。また、上記のように見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの突出部94Pは、延在部94Eの延在方向と異なる方向において延在部94Eの一部から第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出し、突出方向の端面94PTが延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと異なる面内方向を有する平面状である。また、嵌合部としての第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれは、延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと対向する一対の第1対面部と、突出部94Pの端面94PTと対向する第2対面部と、を含む。
【0081】
したがって、本実施形態の車載光源ユニットLUによれば、第1実施形態と同様に、基板50とヒートシンク80との間の位置決め精度の低下が抑制され得るとともに光軸ずれが抑制され得る。
【0082】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUでは、上述のように、延在部94Eの延在方向における突出部94Pの端面94PTの位置が延在部94Eの上端面94EUと下端面94EDとの間である。したがって、突出部94Pの端面94PTが内壁52のR部52Rに当接することを回避し得、突出部94Pの端面94PTを内壁52に当接させ易くなる。
【0083】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUでは、上述のように、第1リブ94Lの突出部94P及び第2リブ94Rの突出部94Pが第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出する。このため、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pを第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに遠ざかる側に突出させる場合に比べて、基板50の変形などを抑制することができる。
【0084】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
【0085】
本実施形態の車両用前照灯は、車載光源ユニットLUにおける第1リブ及び第2リブのそれぞれの形状が第1実施形態における第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの形状と異なる点を除いて、第1実施形態における車両用前照灯1と同様の構成を有する。そのため、以下、本実施形態における第1リブ及び第2リブと、基板の第1貫通孔及び第2貫通孔との関係についてのみ説明する。
【0086】
図8は、本実施形態に係る車載光源ユニットLUの一部を図6と同様の視点で示す図である。図8に示すように、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、リブの高さ方向に沿って見る場合に、互いに対称な外形を有しており、同じ寸法を有している。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは延在部94Eと突出部94Pとを含んでいる。延在部94Eは、概ね上下方向に平行な方向に沿って延在する矩形状の部位である。
【0087】
第1リブ94Lの突出部94Pは、延在部94Eの下半分側から当該延在部94Eを基準として右側かつ上方に突出する平行四辺形状に形成されている。本実施形態において、第1リブ94Lの突出部94Pは延在部94Eの延在方向に沿って延びる線に対して0°より大きく90°よりも小さい角度で傾いており、例えば、この角度は45°とされる。また、第2リブ94Rの突出部94Pは、第2リブ94Rの延在部94Eから当該延在部94Eを基準として左側かつ上方に突出する平行四辺形状に形成されている。本実施形態において、第2リブ94Rの突出部94Pは延在部94Eの延在方向に沿って延びる線に対して0°より大きく90°よりも小さい角度で傾いており、例えば、この角度は45°とされる。このように、本実施形態では、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pは、左右方向において第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出している。
【0088】
図8に示すように、本実施形態では、リブの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94Lの突出部94Pにおける端面94PTは、基板50の第1貫通孔51Lを規定する内壁52のうち右側の直線部52Iと対向して延在部94Eの延在方向に沿って直線部52Iに概ね面接触し、かつ、当該内壁52のR部52Rには当接しない。このため、上記延在方向における突出部94Pの端面94PTの位置は延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDの間である。また、リブの高さ方向に沿って見る場合に、第2リブ94Rにおける端面94PTは、基板50の第2貫通孔51Rを規定する内壁52のうち左側の直線部52Lと対向して延在部94Eの延在方向に沿って直線部52Lと概ね面接触し、かつ、当該内壁52のR部52Rには当接しない。このため、上記延在方向における突出部94Pの端面94PTの位置は延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDの間である。このように、本実施形態では、嵌合部である第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを規定する内壁52は、突出部94Pの端面94PTに対向する第2対面部としての直線部52I,52Lを含む。
【0089】
なお、本実施形態において、延在部94Eは、第1実施形態と同様の構成を有している。したがって、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの延在方向に沿った長さは、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれの上記延在方向に沿った全長とほぼ同じ長さである。また、延在部94Eの左右方向に沿った長さは、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれの左右方向に沿った長さよりも短い。本実施形態では、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの上端面94EUは、内壁52の直線部52Uに対向して左右方向に沿って直線部52Uに概ね面接触し、かつ、内壁52のR部52Rには当接しない。また、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの下端面94EDは、内壁52の直線部52Dに対向する。このように、本実施形態では、嵌合部である第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを規定する内壁52は、延在部94Eの両端面に対向する一対の第1対面部としての直線部52U,52Dを含む。
【0090】
以上説明したように、本実施形態の車載光源ユニットLUは、一対のリブである第1リブ94L及び第2リブ94Rを有する保持部材としてのヒートシンク80と、ヒートシンク80上に配置され、第1リブ94L及び第2リブ94Rが嵌る一対の嵌合部として第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを含み光源63a,63bが実装される基板50と、を備える。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、延在部94Eと突出部94Pとを含む。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの延在部94Eは、第1リブ94L及び第2リブ94Rの並列方向と異なる方向に延在し、延在方向の両端面である上端面94EU及び下端面94EDが平面状である。また、上記のように見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの突出部94Pは、延在部94Eの延在方向と異なる方向において延在部94Eの一部から第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出し、突出方向の端面94PTが延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと異なる面内方向を有する平面状である。また、嵌合部として第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれは、延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと対向する一対の第1対面部と、突出部94Pの端面94PTと対向する第2対面部と、を含む。
【0091】
したがって、本実施形態の車載光源ユニットLUによれば、第1実施形態と同様に、基板50とヒートシンク80との間の位置決め精度の低下が抑制され得るとともに光軸ずれが抑制され得る。
【0092】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUでは、上述のように、延在部94Eの延在方向における突出部94Pの端面94PTの位置が延在部94Eの上端面94EUと下端面94EDとの間である。したがって、突出部94Pの端面94PTが内壁52のR部52Rに当接することを回避し得、突出部94Pの端面94PTを内壁52に当接させ易くなる。
【0093】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUでは、上述のように、第1リブ94Lの突出部94P及び第2リブ94Rの突出部94Pが第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出する。このため、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pを第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに遠ざかる側に突出させる場合に比べて、基板50の変形などを抑制することができる。
【0094】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
【0095】
本実施形態の車両用前照灯は、車載光源ユニットLUにおける第1リブ及び第2リブのそれぞれの形状が第1実施形態における第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの形状と異なる点を除いて、第1実施形態における車両用前照灯1と同様の構成を有する。そのため、以下、本実施形態における第1リブ及び第2リブと、基板の第1貫通孔及び第2貫通孔との関係についてのみ説明する。
【0096】
本実施形態の車載光源ユニットLUは、突出部94Pが突出する方向が異なる点についてのみ第1実施形態の車載光源ユニットLUと相違する。図9は、本実施形態に係る車載光源ユニットLUの一部を図6と同様の視点で示す図である。図9に示すように、本実施形態の第1リブ94Lの突出部94Pは、リブの高さ方向に沿って場合に、第1リブ94Lの延在部94Eから当該延在部94Eを基準として左側に突出する矩形状に形成されている。また、本実施形態において、第2リブ94Rの突出部94Pは、リブの高さ方向に沿って見る場合に、第2リブ94Rの延在部94Eから当該延在部94Eを基準として右側に突出する矩形状に形成されている。このように、本実施形態では、リブの高さ方向に垂直で延在部94Eの延在方向と異なる左右方向において、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pは、第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに遠ざかる側に突出している。
【0097】
このように第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pが第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに遠ざかる側に突出する場合、ヒートシンク80に対して基板50が右側に移動しようとするときは、第1リブ94Lの突出部94Pの端面94PTと基板50の内壁52における直線部52Lとの当接によって、右側への基板50の移動が規制される。また、ヒートシンク80に対して基板50が左側に移動しようとするときは、第2リブ94Rの突出部94Pの端面94PTと基板50の内壁52における直線部52Iとの当接によって、左側への基板50の移動が規制される。こうして、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pによって、基板50が左右方向において位置決めされる。
【0098】
以上説明したように、本実施形態の車載光源ユニットLUは、一対のリブである第1リブ94L及び第2リブ94Rを有する保持部材としてのヒートシンク80と、ヒートシンク80上に配置され、第1リブ94L及び第2リブ94Rが嵌る一対の嵌合部として第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを含み光源63a,63bが実装される基板50と、を備える。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、延在部94Eと突出部94Pとを含む。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの延在部94Eは、第1リブ94L及び第2リブ94Rの並列方向と異なる方向に延在し、延在方向の両端面である上端面94EU及び下端面94EDが平面状である。また、上記のように見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの突出部94Pは、延在部94Eの延在方向と異なる方向において延在部94Eの一部から第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに遠ざかる側に突出し、突出方向の端面94PTが延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと異なる面内方向を有する平面状である。また、嵌合部として第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれは、延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと対向する一対の第1対面部と、突出部94Pの端面94PTと対向する第2対面部と、を含む。
【0099】
したがって、本実施形態の車載光源ユニットLUによれば、第1実施形態と同様に、基板50とヒートシンク80との間の位置決め精度の低下が抑制され得るとともに光軸ずれが抑制され得る。
【0100】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUでは、上述のように、延在部94Eの延在方向における突出部94Pの端面94PTの位置が延在部94Eの上端面94EUと下端面94EDとの間である。したがって、突出部94Pの端面94PTが内壁52のR部52Rに当接することを回避し得、突出部94Pの端面94PTを内壁52に当接させ易くなる。
【0101】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
【0102】
本実施形態の車両用前照灯は、車載光源ユニットLUにおける第1リブ及び第2リブのそれぞれの形状が第1実施形態における第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの形状と異なる点、及び、第1貫通孔及び第2貫通孔のそれぞれの形状が第1実施形態における第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれの形状と異なる点を除いて、第1実施形態における車両用前照灯1と同様の構成を有する。そのため、以下、本実施形態における第1リブ及び第2リブと、基板の第1貫通孔及び第2貫通孔との関係についてのみ説明する。
【0103】
図10は、本実施形態に係る車載光源ユニットLUの一部を図6と同様の視点で示す図である。図10に示すように、本実施形態の第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれは、同様の外形及び寸法を有している。第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれは、リブの高さ方向に沿って見る場合に、概ね正方形に形成されており、第1実施形態の第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rと異なり、4隅のR部は視認できない程度に小さい。したがって、本実施形態では、内壁52の4隅にはR部が存在しないと見做し得る。
【0104】
図10に示すように、本実施形態において、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、リブの高さ方向に沿って見る場合に、互いに対称な外形を有しており、同じ寸法を有している。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは延在部94Eと突出部94Pとを含んでいる。延在部94Eは、概ね上下方向に平行な方向に沿って延在する矩形状の部位である。
【0105】
第1リブ94Lの突出部94Pは、第1リブ94Lの延在部94Eの下半分側から右側に突出する矩形状の部位である。このため、本実施形態の第1リブ94Lは、全体としてL字状に形成されている。また、リブの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94Lの突出部94Pにおける端面94PTは、第1貫通孔51Lを規定する基板50の内壁52のうち右側の直線部52Iの概ね下半分に対向して延在部94Eの延在方向に沿って当該直線部52Iの概ね下半分と概ね面接触し、かつ、当該内壁52の直線部52Iの概ね上半分には当接しない。また、第2リブ94Rの突出部94Pは、第2リブ94Rの延在部94Eの下半分側から左側に突出する矩形状の部位である。したがって、本実施形態の第2リブ94Rは、全体として逆L字状に形成されている。また、リブの高さ方向に沿って見る場合に、第2リブ94Rの突出部94Pにおける端面94PTは、第2貫通孔51Rを規定する基板50の内壁52のうち左側の直線部52Lの概ね下半分に対向して延在部94Eの延在方向に沿って当該直線部52Lの概ね下半分と概ね面接触し、かつ、当該内壁52の直線部52Lの概ね上半分には当接しない。このように、本実施形態では、嵌合部である第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを規定する内壁52は、突出部94Pの端面94PTに対向する第2対面部としての直線部52I,52Lを含む。
【0106】
なお、本実施形態において、延在部94Eは、第1実施形態と同様の構成を有している。したがって、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの延在方向に沿った長さは、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれの上記延在方向に沿った全長とほぼ同じ長さである。また、延在部94Eの左右方向に沿った長さは、第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれの左右方向に沿った長さよりも短い。本実施形態では、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの延在方向の上端面94EUは、内壁52の直線部52Uと対向して左右方向に沿って直線部52Uと概ね面接触し、かつ、内壁52の隅及びその近傍には当接しない。また、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの下端面94EDは、内壁52の直線部52Dに対向する。このように、本実施形態では、嵌合部である第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを規定する内壁52は、延在部94Eの両端面に対向する一対の第1対面部としての直線部52U,52Dを含む。
【0107】
以上説明したように、本実施形態の車載光源ユニットLUは、一対のリブである第1リブ94L及び第2リブ94Rを有する保持部材としてのヒートシンク80と、ヒートシンク80上に配置され、第1リブ94L及び第2リブ94Rが嵌る一対の嵌合部として第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを含み光源63a,63bが実装される基板50と、を備える。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、延在部94Eと突出部94Pとを含む。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの延在部94Eは、第1リブ94L及び第2リブ94Rの並列方向と異なる方向に延在し、延在方向の両端面である上端面94EU及び下端面94EDが平面状である。また、上記のように見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの突出部94Pは、延在部94Eの延在方向と異なる方向において延在部94Eの一部から第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出し、突出方向の端面94PTが延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと異なる面内方向を有する平面状である。また、嵌合部として第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれは、延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと対向する一対の第1対面部と、突出部94Pの端面94PTと対向する第2対面部と、を含む。
【0108】
したがって、本実施形態の車載光源ユニットLUによれば、第1実施形態と同様に、基板50とヒートシンク80との間の位置決め精度の低下が抑制され得るとともに光軸ずれが抑制され得る。
【0109】
また、本実施形態の車載光源ユニットLUでは、上述のように、第1リブ94Lの突出部94P及び第2リブ94Rの突出部94Pが第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出する。このため、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pを第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに遠ざかる側に突出させる場合に比べて、基板50の変形などを抑制することができる。
【0110】
以上、本発明について上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0111】
例えば、延在部94Eの端面と第1対面部との当接面積は、突出部94Pの端面94PTと第2対面部との当接面積と同じでもよく、前者が後者よりも大きくてもよく、前者が後者よりも小さくてもよい。ただし、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pが突出する方向が左右方向に平行である場合、延在部94Eの端面と第1対面部との当接面積が突出部94Pの端面94PTと第2対面部との当接面積よりも大きい方が好ましい場合がある。車両の走行時における上下方向の振動は左右方向の振動よりも大きい傾向にあるため、車両の走行時において、リブは、上下方向に平行な方向により強い力を受け易い。車載光源ユニットLUが車両に搭載された状態において、突出部94Pが突出する方向が左右方向に平行である場合、上記延在方向は上下方向と概ね平行な方向と考え得る。延在部94Eにおける内壁52に当接する上端面94EUの左右方向に沿った長さHL1aを突出部94Pの端面94PTの上記延在方向に沿った長さVL1bよりも長くすることで、上下方向の振動による力が主に印加される延在部94Eの上端面94EUの剛性を左右方向の振動による力が主に印加される突出部94Pの端面94PTの剛性よりも強くし得る。よって、車両走行時におけるリブの変形をより効果的に抑制することができる。
【0112】
また、延在部94Eの延在方向に沿った長さは、突出部94Pの突出する方向に沿った長さと同じでもよく、前者が後者よりも長くてもよく、前者が後者よりも短くてもよい。ただし、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pが突出する方向が左右方向に平行である場合、延在部94Eの延在方向に沿った長さが、突出部94Pの突出する方向に沿った長さよりも長い方が好ましい場合がある。上記のように、車両の走行時における上下方向の振動は左右方向の振動よりも大きい傾向にあるため、車両の走行時において、リブは上下方向に平行な方向により強い力を受け易い。そこで、延在部94Eの延在方向に沿った長さを上記のように長くすることで、延在部94Eの剛性を高めることができる。このため、車両走行時において上下方向に強い力がリブに印加された場合でも、リブの変形をより効果的に抑制することができる。
【0113】
また、上記実施形態では、基板50が有する一対の嵌合部のそれぞれが貫通孔である例を説明したが、これら嵌合部の少なくとも一方が貫通孔である必要はない。例えば、図11に示すように、嵌合部を切り欠きとしてもよい。この変形例では、基板50には、左端から右側に切り欠かれてなる第1切り欠き部151Lと、右端から左側に切り欠かれてなる第2切り欠き部151Rとが形成されている。第1切り欠き部151L及び第2切り欠き部151Rは同じ形状及び寸法を有しており、左右方向に並列されている。延在部94Eの延在方向における第1切り欠き部151L及び第2切り欠き部151Rの長さは、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの延在部94Eの延在方向の長さよりも僅かに長い。また、延在部94Eの上端面94EUは、第1切り欠き部151L及び第2切り欠き部151Rのそれぞれを規定する基板50の内壁52の上縁に対向して左右方向に沿って内壁52に概ね面接触する。また、延在部94Eの下端面94EDは、第1切り欠き部151L及び第2切り欠き部151Rのそれぞれの内壁52の下縁に対向する。また、第1リブ94Lの突出部94Pの端面94PTは、第1切り欠き部151Lを規定する内壁52の右端に対向して延在部94Eの延在方向に沿って内壁52に概ね面接触する。また、第2リブ94Rの突出部94Pの端面94PTは、第2切り欠き部151Rを規定する内壁52の左端に対向して延在部94Eの延在方向に沿って内壁52に概ね面接触する。こうして、第1リブ94L及び第2リブ94Rが第1切り欠き部151L及び第2切り欠き部151Rに嵌って、基板50がヒートシンク80に対して左右方向及び上下方向に位置決めされる。
【0114】
また、上記実施形態では、一対のリブの並列方向が左右方向に平行である例を説明したが、この並列方向は左右方向に対して傾いていてもよい。また、上記実施形態では、リブの延在部94Eの延在方向がリブの高さ方向及び左右方向に垂直である例を説明した。しかし、リブの高さ方向に沿って見る場合に、延在部94Eの延在方向が一対のリブの並列方向と異なる方向であればよい。図12は、車載光源ユニットLUの他の変形例を図6と同様の視点で示す図である。
【0115】
図12に示すように、この変形例では、第1リブ94L及び第2リブ94Rの上下方向の位置がずれており、第1リブ94Lが第2リブ94Rよりも上側に設けられている。したがって、第1リブ94L及び第2リブ94Rの並列方向は左右方向に対して傾いている。また、第1リブ94Lの延在部94E及び第2リブ94Rの延在部94Eのそれぞれの延在方向は、上下方向に対して傾いており、一対のリブの並列方向と異なる方向である。この変形例では、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの上端面94EUは、内壁52の上側の直線部に対向して当該直線部と左右方向に沿って概ね面接触している。また、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれにおいて、延在部94Eの下端面94EDは、内壁52の下側の直線部に対向している。また、この変形例において、第1リブ94Lの突出部94Pは、延在部94Eの延在方向における中央部から右側に突出している。また、第2リブ94Rの突出部94Pは、延在部94Eの延在方向における中央部から左側に突出している。このように、この変形例では、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pは、リブの高さ方向に垂直で延在部94Eの延在方向と異なる左右方向において第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出している。なお、この変形例において、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pは、リブの高さ方向に垂直で延在部94Eの延在方向と異なる左右方向において第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに遠ざかる側に突出してもよい。また、この変形例において、第1リブ94Lの突出部94Pの端面94PTは、第1貫通孔51Lを規定する内壁52の右側の直線部に対向して当該直線部と上下方向に沿って概ね面接触している。また、第2リブ94Rの突出部94Pの端面94PTは、第2貫通孔51Rを規定する内壁52の左側の直線部に対向して当該直線部と上下方向に沿って概ね面接触している。したがって、この変形例では、突出部94Pの端面94PTは延在部94Eの両端面と異なる面内方向を有している。
【0116】
以上のように、この変形例に係る車載光源ユニットLUは、一対のリブである第1リブ94L及び第2リブ94Rを有する保持部材としてのヒートシンク80と、ヒートシンク80上に配置され、第1リブ94L及び第2リブ94Rが嵌る一対の嵌合部として第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rを含み光源63a,63bが実装される基板50と、を備える。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれは、延在部94Eと突出部94Pとを含む。第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの高さ方向に沿って見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの延在部94Eは、第1リブ94L及び第2リブ94Rの並列方向と異なる方向に延在し、延在方向の両端面である上端面94EU及び下端面94EDが平面状である。また、上記のように見る場合に、第1リブ94L及び第2リブ94Rの突出部94Pは、延在部94Eの延在方向と異なる方向において延在部94Eの一部から第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側に突出し、突出方向の端面94PTが延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと異なる面内方向を有する平面状である。また、嵌合部として第1貫通孔51L及び第2貫通孔51Rのそれぞれは、延在部94Eの上端面94EU及び下端面94EDと対向する一対の第1対面部と、突出部94Pの端面94PTと対向する第2対面部と、を含む。
【0117】
したがって、上記実施形態と同様に、一方のリブにおける突出部94Pの端面94PTとこのリブが嵌る一方の嵌合部における第2対面部との当接、又は、他方のリブにおける突出部94Pの端面94PTとこのリブが嵌る他方の嵌合部における第2対面部との当接によって、基板50がヒートシンク80に対して左右方向に沿って移動することが規制され、左右方向において基板50がヒートシンク80に対して位置決めされる。また、一対のリブのそれぞれは、リブの高さ方向及び左右方向と異なる方向に延在する延在部94Eを含んでおり、一対の嵌合部のそれぞれは、延在部94Eの両端面に対向する一対の第1対面部を含んでいる。また、延在部94Eの両端面の面内方向は突出部94Pの端面94PTの面内方向と異なる。したがって、左右方向及びリブの高さ方向に垂直な方向に沿って基板50がヒートシンク80に対して移動しようとするときは、延在部94Eの両端面の一方と嵌合部の一対の第1対面部の一方との当接、又は、延在部94Eの両端面の他方と嵌合部の一対の第1対面部の他方との当接によって、基板50がヒートシンク80に対して左右方向及びリブの高さ方向の双方に垂直な方向に沿って移動することが規制され、左右方向及びリブの高さ方向の双方に垂直な方向において基板50がヒートシンク80に対して位置決めされる。また、この変形例では、上記実施形態と同様に、延在部94Eの両端面は嵌合部の第1対面部と、突出部94Pの端面94PTは嵌合部の第2対面部と、それぞれ面接触する。したがって、当接部への応力集中を抑制されて基板50とヒートシンク80との間の位置決め精度の低下が抑制され得る。また、この変形例では、上記実施形態と同様に、リブは延在部94Eに突出部94Pが付加された構成を有するため、リブの剛性を確保してリブの変形を抑制することができ、位置決めの精度の低下を抑制することができる。また、この変形例では、延在部94Eの両端が基板50の嵌合部と当接するため、延在部94Eの延在方向におけるリブと嵌合部との当接面積を小さくすることができる。また、この変形例では、延在部94Eの一部から突出する突出部94Pの端面が基板50の嵌合部と当接するため、突出部94Pが突出する方向におけるリブと嵌合部との当接面積を小さくすることができる。このように、この変形例によれば、リブと嵌合部との当接面積を小さくすることができるため、面加工の精度の影響を受け難く、光源から出射する光の光軸ずれを抑制することができる。
【0118】
また、上記実施形態では、車載光源ユニットLUが搭載される車両用灯具が車両用前照灯1である例を説明した。しかし、車載光源ユニットLUが搭載される車両用灯具は、例えば、車両のうち後方の部位に搭載される灯具であってもよいし、側方の部位に搭載される灯具であってもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pが左右方向において第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側又は互いに遠ざかる側に突出する例を説明した。しかし、延在部94Eの延在方向と異なる方向であれば、第1リブ94L及び第2リブ94Rのそれぞれの突出部94Pが左右方向と異なる方向において第1リブ94L及び第2リブ94Rの互いに近づく側又は互いに遠ざかる側に突出してもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、保持部材がヒートシンク80である例を説明したが、保持部材はヒートシンク80に限定されるものではない。
【0121】
本発明によれば、光源が実装される基板と当該基板を保持する保持部材とが精度よく位置決めされ得、かつ、光軸ずれが抑制され得る車載光源ユニットが提供され、自動車などの分野において利用可能である。
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図12