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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】多機能発音装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/06 20060101AFI20241225BHJP
   H04R 1/00 20060101ALN20241225BHJP
【FI】
H04R9/06 A
H04R1/00 310G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022576882
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(86)【国際出願番号】 CN2022121383
(87)【国際公開番号】W WO2024050886
(87)【国際公開日】2024-03-14
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】202211096706.3
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】湯贇
(72)【発明者】
【氏名】毛路斌
(72)【発明者】
【氏名】馬傑
(72)【発明者】
【氏名】李子昂
(72)【発明者】
【氏名】黄興志
(72)【発明者】
【氏名】宋威
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第217216884(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0207497(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113794975(CN,A)
【文献】特開2021-057993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 9/00- 9/06
H04R 1/00- 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容キャビティを有するハウジングと、前記収容キャビティ内に収容され、かつ前記ハウジングに固定接続された発音ユニットと、を含み、前記発音ユニットは、フレームと、前記フレーム内に設けられた振動システムと、前記振動システムを第1方向に沿って往復振動させて音を発生させるように駆動し、かつ磁気ギャップを有する磁気回路システムを含む多機能発音装置であって、
前記多機能発音装置は、前記収容キャビティ内に吊り下げられ、かつ前記磁気回路システムの前記振動システムから離れた側に位置するバイブレーターと、前記バイブレーターに組み付けられたコイルと、をさらに含み、前記磁気回路システムは前記コイルと相互作用して前記バイブレーターを第2方向と第3方向に沿って振動させるように駆動し、前記第2方向と前記第3方向とは互いに垂直であり、かついずれも前記第1方向に対して垂直であ
前記多機能発音装置は、前記バイブレーターと前記ハウジングにそれぞれ接続された弾性部材をさらに含み、前記弾性部材は、前記バイブレーターを担持するベアラ部と、前記ベアラ部に固定接続された弾性部と、を含み、前記弾性部は、2つが設けられかつ前記バイブレーターの対向する両端に分布し、前記バイブレーターが振動するときに前記弾性部には弾性変形が生じ、
前記弾性部は、前記ハウジングに固定接続された第1接続アームと、前記バイブレーターに固定接続された第2接続アームと、両端がそれぞれ前記第1接続アーム、前記第2接続アームに固定接続された第3接続アームと、を含み、前記第1接続アーム、前記第2接続アームと前記第3接続アームは前記バイブレーターの周囲を取り囲む、
ことを特徴とする多機能発音装置。
【請求項2】
前記弾性部には、逃げ穴が設けられ、前記バイブレーターには、前記逃げ穴に合わせる衝突部が設けられ、前記衝突部は、前記バイブレーターが振動するときに前記逃げ穴を通過することが可能である、
ことを特徴とする請求項に記載の多機能発音装置。
【請求項3】
前記ベアラ部に第1避退孔が開設され、前記バイブレーターには、前記第1避退孔に正対して設置された第2避退孔が開設され、前記ハウジングが前記バイブレーターに向かう方向において、支持部が隆起して形成され、前記支持部は前記第1避退孔と前記第2避退孔を順に貫通して前記磁気回路システムに固定される、
ことを特徴とする請求項に記載の多機能発音装置。
【請求項4】
前記多機能発音装置は、前記第2避退孔に収容された固定部材をさらに有し、前記支持部は前記固定部材を介して前記磁気回路システムに固定される、
ことを特徴とする請求項に記載の多機能発音装置。
【請求項5】
前記コイルは2つ設けられ、前記バイブレーターは、前記ベアラ部に組み付けられた本体部、前記本体部の対向する両端に固定された2つの側壁部、及び前記本体部に固定接続された2つの質量ブロックを含み、2つの前記質量ブロックは、2つの前記側壁部の間に間隔をおいて位置し、前記本体部には、前記第2避退孔の対向する両側に間隔をおいて設置された2つの取り付け溝が開設され、前記コイルは前記取り付け溝に1対1で対応しており、かつ、前記コイルは対応する前記取り付け溝内に装着される、
ことを特徴とする請求項に記載の多機能発音装置。
【請求項6】
前記コイルはトラック状のコイルであり、前記コイルの長辺の延在方向と前記第2方向および前記第3方向との間に夾角を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の多機能発音装置。
【請求項7】
前記第1方向に沿って、前記コイルは前記磁気ギャップに正対して間隔をおいて設置される、
ことを特徴とする請求項に記載の多機能発音装置。
【請求項8】
前記磁気回路システムは、主磁石鋼と、前記主磁石鋼と間隔をおいて設置されて前記磁気ギャップを形成する副磁石鋼とを含み、前記主磁石鋼は、同じ磁極が対向する上磁石鋼と下磁石鋼を含み、前記磁気回路システムは、両側が前記上磁石鋼と下磁石鋼の間にそれぞれ固定接続された主磁極芯、及び前記フレームと前記副磁石鋼にそれぞれ固定接続された副磁極芯をさらに含み、前記副磁石鋼の磁極方向は前記下磁石鋼の磁極方向と逆であり、前記副磁石鋼の磁極方向は前記上磁石鋼の磁極方向と同じである、
ことを特徴とする請求項に記載の多機能発音装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換分野に関し、特に、多機能発音装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンを中心としたコンシューマーエレクトロニクス産業の急速な発展に伴い、末端消費者は機器の使用体験に対してより多くのことを要求するようになっている。視覚だけでなく、聴覚や触覚の体験へのニーズも徐々に高まってきている。
【0003】
先行技術では、スピーカーモジュールやモーターの性能向上は、一般的に製品のサイズを大きくすることで実現されるが、電子機器内のスペースがますますコンパクトになるのに伴い、バッテリー、マザーボード、カメラなどがより多くのスペースを占め、そのためスピーカーモジュールや振動モーターのサイズを大きくできなく、さらには小さくしなければならないため、性能向上の要求と相反してしまう。その結果、携帯電話メーカーからは、スピーカーやモーターのスペースに対するより小さいサイズ、モーターの振動機能に対するより高い要求が続いている。
【0004】
そのため、スピーカーとモーターが占めたスペースはより小さく、またより強力な振動機能を備えた技術案を提供することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、占有スペースがより小さく、かつより高い振動機能を備えた多機能発音装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術案は、以下の通りである。
【0007】
収容キャビティを有するハウジングと、前記収容キャビティ内に収容され、かつ前記ハウジングに固定接続された発音ユニットと、を含み、前記発音ユニットは、フレームと、前記フレーム内に設けられた振動システムと、前記振動システムを第1方向に沿って往復振動させて音を発生させるように駆動し、かつ磁気ギャップを有する磁気回路システムを含む多機能発音装置であって、前記多機能発音装置は、前記収容キャビティ内に吊り下げられ、かつ前記磁気回路システムの前記振動システムから離れた側に位置するバイブレーターと、前記バイブレーターに組み付けられたコイルと、をさらに含み、前記磁気回路システムは前記コイルと相互作用して前記バイブレーターを第2方向と第3方向に沿って振動させるように駆動し、前記第2方向と前記第3方向とは互いに垂直であり、かついずれも第1方向に対して垂直である。
【0008】
好ましくは、前記多機能発音装置は、前記バイブレーターと前記ハウジングにそれぞれ接続された弾性部材をさらに含み、前記弾性部材は、前記バイブレーターを担持するベアラ部と、前記ベアラ部に固定接続された弾性部と、を含み、前記弾性部は、2つが設けられかつ前記バイブレーターの対向する両端に分布し、前記バイブレーターが振動するときに前記弾性部には弾性変形が生じる。
【0009】
好ましくは、前記弾性部は、前記ハウジングに固定接続された第1接続アームと、前記バイブレーターに固定接続された第2接続アームと、両端がそれぞれ前記第1接続アーム、前記第2接続アームに固定接続された第3接続アームと、を含み、前記第1接続アーム、前記第2接続アームと前記第3接続アームは前記バイブレーターの周囲を取り囲む。
【0010】
好ましくは、前記弾性部には、逃げ穴が設けられ、前記バイブレーターには、前記逃げ穴に合わせる衝突部が設けられ、前記衝突部は、前記バイブレーターが振動するときに前記逃げ穴を通過することが可能である。
【0011】
好ましくは、前記ベアラ部に第1避退孔が開設され、前記バイブレーターには、前記第1避退孔に正対して設置された第2避退孔321が開設され、前記ハウジングが前記バイブレーターに向かう方向において、支持部が隆起して形成され、前記支持部は前記第1避退孔と前記第2避退孔を順に貫通して前記磁気回路システムに固定される。
【0012】
好ましくは、前記多機能発音装置は、前記第2避退孔に収容された固定部材をさらに有し、前記支持部は前記固定部材を介して前記磁気回路システムに固定される。
【0013】
好ましくは、前記コイルは2つ設けられ、前記バイブレーターは、前記ベアラ部に組み付けられた本体部、前記本体部の対向する両端に固定された2つの側壁部、及び前記本体部に固定接続された2つの質量ブロックを含み、2つの前記質量ブロックは、2つの前記側壁部の間に間隔をおいて位置し、前記本体部には、前記第2避退孔の対向する両側に間隔をおいて設置された2つの取り付け溝が開設され、前記コイルは前記取り付け溝に1対1で対応しており、かつ、前記コイルは対応する前記取り付け溝内に装着される。
【0014】
好ましくは、前記コイルはトラック状のコイルであり、前記コイルの長辺の延在方向と前記第2方向および前記第3方向との間に夾角を有する。
【0015】
好ましくは、前記第1方向に沿って、前記コイルは前記磁気ギャップに正対して間隔をおいて設置される。
【0016】
好ましくは、前記磁気回路システムは、主磁石鋼と、前記主磁石鋼と間隔をおいて設置されて前記磁気ギャップを形成する副磁石鋼とを含み、前記主磁石鋼は、同じ磁極が対向する上磁石鋼と下磁石鋼を含み、前記磁気回路システムは、両側が前記上磁石鋼と下磁石鋼の間にそれぞれ固定接続された主磁極芯、及び前記フレームと前記副磁石鋼にそれぞれ固定接続された副磁極芯をさらに含み、前記副磁石鋼の磁極方向は前記下磁石鋼の磁極方向と逆であり、前記副磁石鋼の磁極方向は前記上磁石鋼の磁極方向と同じである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は、発音ユニットとバイブレーターを一つのハウジングに組み立てて、一つの磁気回路システムを共用することにより、スペースを節約し、スペースの占用を減少し、また、磁気回路システムがコイルと相互作用してバイブレーターを第2方向と第3方向に沿って振動させるように駆動することにより、振動効果を高めることができる、ことにある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施例に係る多機能発音装置の全体構成を示す図である。
図2図2は、図1のA―A線に沿った断面図である。
図3図3は、本発明の実施例に係る多機能発音装置の立体分解構成図である。
図4図4は、本発明の実施例に係る多機能発音装置の弾性部材、バイブレーター及びハウジングの組立図である。
図5図5は、本発明の実施例に係る多機能発音装置のバイブレーターの構成を示す図である。
図6図6は、本発明の実施例に係る多機能発音装置の弾性部材の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面及び実施形態と合わせて、本発明をさらに説明する。
【0020】
図1図6を参照すると、本発明の実施例は多機能発音装置を提供し、当該多機能発音装置は、収容キャビティ11を有するハウジング1と、収容キャビティ11内に収容され、かつハウジング1に固定接続された発音ユニット2と、を含み、発音ユニット2は、フレーム21と、フレーム21内に設けられた振動システム22と、振動システム22を第1方向に沿って往復振動させて音を発生させるように駆動する磁気回路システム23を含み、多機能発音装置は、収容キャビティ11内に吊り下げられ、かつ磁気回路システム23の振動システム22から離れた側に位置するバイブレーター3と、バイブレーター3に組み付けられたコイル4と、をさらに含み、磁気回路システム23はコイル4と相互作用してバイブレーター3を第2方向と第3方向に沿って振動させるように駆動し、第2方向と第3方向とは互いに垂直であり、かついずれも第1方向に対して垂直である。発音ユニット2とバイブレーター3を1つのハウジング1に組み付け、かつ1つの磁気回路システム23を共用することで、スペースを節約し、スペースの占用を減少し、磁気回路システム23がコイル4と相互作用してバイブレーター3を第2方向と第3方向に振動させるように駆動し、振動効果を高める。
【0021】
図2図4図6を参照すると、多機能発音装置は、バイブレーター3とハウジング1にそれぞれ接続された弾性部材5をさらに含み、弾性部材5は、バイブレーター3を担持するベアラ部51と、ベアラ部51に固定接続された弾性部52と、を含み、弾性部52は、2つが設けられかつバイブレーター3の対向する両端に分布し、バイブレーター3が振動するときに弾性部52には弾性変形が生じる。ここで、ベアラ部51がバイブレーター3を搭載してバイブレーター3をハウジング1内に吊り下げ、弾性部52は2つが設けられかつバイブレーター3の両端に対称的に設けられるため、バイブレーター3が第2方向と第3方向の両方に振動するときに弾性部52を弾性変形させ、2つの弾性部52は軸対称であってもよいし、中心対称であってもよく、好ましくは、2つの弾性部52はバイブレーター3の両端に中心対称に分布し、軸対称的に分布することに比べて弾性部材5の受けたねじり力を低減し、振動に対する抵抗力を低減することができる。実際のニーズに応じて、弾性部材5は圧縮バネや弾性シートなどであってもよい。
【0022】
図4図6を参照すると、一つの実施例では、弾性部52は、ハウジング1に固定接続された第1接続アーム521と、バイブレーター3に固定接続された第2接続アーム523と、両端がそれぞれ第1接続アーム521、第2接続アーム523に固定接続された第3接続アーム522と、を含み、第1接続アーム521、第2接続アーム523と第3接続アーム522はバイブレーター3の周囲を取り囲む。第3接続アーム522はバイブレーター3とハウジング1との隙間に斜めに配置される。
【0023】
図3図6を参照すると、さらに、弾性部52には、逃げ穴524が設けられ、バイブレーター3には、逃げ穴524に合わせる衝突部31が設けられ、衝突部31は逃げ穴524を通過することが可能である。具体的には、逃げ穴524は、第3接続アーム522、すなわち第3接続アーム522が第1接続アーム521に近い一端に設けられ、バイブレーター3の振幅が大きい場合、衝突部31は逃げ穴524を通過してハウジング1に衝突することで、バイブレーターの振幅制限を実現する。
【0024】
図2~5を参照すると、一つの実施例では、前記ベアラ部51に第1避退孔511が開設され、前記バイブレーター3には、前記第1避退孔511に正対して設置された第2避退孔321が開設され、前記磁気回路システム23は、前記振動システム22に接続された主磁石鋼231と、前記主磁石鋼231と間隔をおいて設置されて磁気ギャップ234を形成する副磁石鋼232とを含み、前記主磁石鋼231と前記副磁石鋼232の間に磁気ギャップ234を有する。
【0025】
前記ハウジング1が前記バイブレーター3に向かう方向において、支持部12が隆起して形成され、前記支持部12は第1避退孔511と第2避退孔321を順に貫通して磁気回路システム23に固定される。さらに、多機能発音装置は、第2避退孔321に収容された固定部材233を有し、前記支持部12は前記固定部材233を介して前記主磁石鋼231のバイブレーター3に近い側に固定され、これによって、磁気回路システム23はハウジング1に固定される。
【0026】
図4図5を参照すると、一つの実施例では、前記コイル4は2つ設けられ、前記バイブレーター3は、前記ベアラ部51に組み付けられた本体部32、前記本体部32の対向する両端に固定された2つの側壁部33、及び前記本体部32に固定接続された2つの質量ブロック34を含み、2つの前記質量ブロック34は、間隔をおいて設置されかつ2つの前記側壁部33の間に位置し、前記衝突部31は、前記本体部32の前記側壁部33に隣接する側辺に固定され、前記本体部32には、第2避退孔321の対向する両側に間隔をおいて設置された2つの取り付け溝322が開設され、前記コイル4は前記取り付け溝322に1対1で対応しており、かつ、前記コイル4は対応する前記取り付け溝322内に装着される。具体的には、本体部32は平板であってもよく、2つの質量ブロック34と2つの側壁部33は本体部32の中心軸を対称軸として対称的に設置することで、バイブレーター3の振動効果を高めることができ、質量ブロック34はバイブレーター3の運動慣性を高めて振動効果をより良くさせ、取り付け溝322は、コイル4が本体部32に対して動くことを制限し、バイブレーター3の占めたスペースを小さくすることができる。
【0027】
図2図3図4を参照すると、好ましくは、前記コイル4はトラック状のコイル4であり、前記コイル4の長辺の延在方向と前記第2方向および前記第3方向との間に夾角を有し、前記第1方向に沿って、コイル4は磁気ギャップ234に正対して間隔をおいて設置される。コイル4は斜めに設置され、これによって、磁気回路システム23と相互作用して前記バイブレーター3を第2方向と第3方向に沿って振動させるように駆動し、バイブレーター3の双方向振動を実現する。
【0028】
図2図3を参照すると、一つの実施例では、前記主磁石鋼231は、同じ磁極が対向する上磁石鋼2311と下磁石鋼2312を含み、前記磁気回路システム23は、両側が前記上磁石鋼2311と下磁石鋼2312の間にそれぞれ固定接続された主磁極芯235、及び前記フレーム21と前記副磁石鋼232にそれぞれ固定接続された副磁極芯236をさらに含み、前記副磁石鋼232の磁極方向は前記下磁石鋼2312の磁極方向と逆である。前記副磁石鋼232の磁極方向は前記上磁石鋼2311の磁極方向と同じである。具体的には、上磁石鋼2311は、上端がN極であり、下端がS極であり、下磁石鋼2312は、上端がS極であり、下端がN極であり、副磁石鋼232は、上端がS極であり、下端がN極であり、上磁石鋼2311と下磁石鋼2312は主磁極芯235によって固定接続され、下磁石鋼2312は固定部材233に固定接続され、副磁石鋼232は副磁極芯236に固定接続され、副磁極芯236はフレーム21に固定接続される。好ましくは、副磁石鋼232と下磁石鋼2312との高さは一致している。
【0029】
図1図2図3を参照すると、一つの実施例では、前記振動システム22は前記フレーム21に接続された振動板221、前記振動板221に接続されたドームボビン222、及び前記磁気ギャップ234に挿設されかつ前記ドームボビン222に接続されたボイスコイル223を含む。ここで、振動板221は、ドーム、ドームの内側に接続されかつ磁気回路システム23から離れた方向に折り曲げられた第1サラウンドと、ドームの外側に接続されかつ磁気回路システム23に近づいた方向に折り曲げられた第2サラウンドと、を含み、第1サラウンドと第2サラウンドはいずれも環状であり、第1サラウンドの内縁は主磁石鋼231に固定され、第2サラウンドの外縁はフレーム21に固定される。
【0030】
図1図2図3を参照すると、さらに、発音ユニット2は、フレーム21の磁気回路システム23から離れた側に設けられた上カバー24、及び両端がフレーム21とドームボビン222にそれぞれ固定接続されたフレキシブル回路基板224を含み、上カバー24はフレーム21に合わせており、第2サラウンドはフレーム21と上カバー24との間に設けられ、振動板221はフレーム21と上カバー24で挟持固定され、フレキシブル回路基板224はフレーム21の上カバー24から離れた側に設けられ、フレキシブル回路基板224は、2つ設けられ、かつ磁気回路システム23の両側に分布しており、これによって、振動システム22の対称的な設置を容易にし、振動システム22の振動効果を高めることができる。理解すべきであるが、ボイスコイル223とコイル4を位置させる回路は互いに独立して設置され、ボイスコイル223とコイル4は別々に、または同時に動作することができ、さまざまな適用シナリオにおいてコイル4とボイスコイル223が動作するかどうかに対する需要を容易に満たすことができる。
【0031】
以上は、本発明の実施形態に過ぎない。当業者にとって、本発明の創造思想から逸脱することなく、改良を行うこともできるが、これらの改良はいずれも本発明の保護範囲に含まれるとここで指摘すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6