(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】半導体処理チャンバ、半導体処理機器及び気相エピタキシャル成長機器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20241225BHJP
C23C 16/46 20060101ALI20241225BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/46
C23C16/455
(21)【出願番号】P 2023179084
(22)【出願日】2023-10-17
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】520473236
【氏名又は名称】アドバンスド マイクロ-ファブリケーション エクウィップメント インコーポレイテッド チャイナ
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】ヘン,タオ
(72)【発明者】
【氏名】ユンリン,パン
(72)【発明者】
【氏名】ハイ,コン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン,ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド ジェ ヤオ イン
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-520514(JP,A)
【文献】特表2006-507680(JP,A)
【文献】国際公開第2022/080637(WO,A1)
【文献】特開2013-070058(JP,A)
【文献】特開2006-009073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
C23C 16/46
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するための半導体処理チャンバであって、
プロセスガスを導入するための吸気口と、排気口とを備え、片側に開口が設けられる中空のチャンバフレームと、
前記開口に嵌合され、且つ前記チャンバフレームに設けられ、前記チャンバフレームとともに、前記基板を収納して前記基板に対してプロセス処理を行うための処理空間を囲んで形成する、熱放射を透過できる上部カバーと、
前記上部カバーの上方に設けられ、且つ前記上部カバーと、少なくとも一部の前記チャンバフレームとともに密閉空間を囲んで形成する耐圧ハウジングと、
前記密閉空間の圧力を調整するための調圧装置と、を含み、
前記
半導体処理チャンバは、さらに下部カバーを含み、それは、前記チャンバフレームの他側に、前記上部カバーと対向して設置され、前記処理空間は、前記上部カバー、下部カバーおよびチャンバフレームによって囲まれ、前記下部カバーの下面は少なくとも部分的に大気環境にあ
り、
前記密閉空間には、放出した熱放射が前記上部カバーを透過して前記基板を加熱できる加熱ランプグループが設けられ、
前記調圧装置は、プロセス過程で、前記密閉空間内の圧力を、前記処理空間内の圧力よりも大きくかつ1気圧未満に保持するように調整する、
ことを特徴とする半導体処理チャンバ。
【請求項2】
前記耐圧ハウジングは締結部材を介して前記チャンバフレームの外側壁に気密に接続されることを特徴とする請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項3】
前記チャンバフレームは上部フレームと下部フレームを含み、前記開口が前記上部フレームに設けられることを特徴とする請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項4】
前記上部カバーは、前記上部カバーの中間部にある窓と、前記窓を囲む外縁を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項5】
前記
半導体処理チャンバは、金属材料の取り付けリングをさらに含み、前記上部カバーが前記取り付けリングに気密に取り付けられ、前記取り付けリングが前記開口に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項6】
前記窓は透明な石英材料であり、前記外縁は不透明または透明な石英材料であることを特徴とする請求項4に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項7】
前記外縁がシールリングを介して前記開口の周縁に気密に固着されることを特徴とする請求項4に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項8】
前記調圧装置は真空ポンプを含み、前記耐圧ハウジングは、前記真空ポンプに接続される吸気口を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項9】
前記調圧装置は、
前記処理空間および/または前記密閉空間の気体の圧力値を測るための監視モジュールと、
安全圧力差をプリセットし、且つ前記気体の圧力値に基づき、前記安全圧力差によって前記処理空間と密閉空間の圧力を調整するための制御モジュールと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項10】
前記耐圧ハウジングは熱交換システムを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項11】
前記熱交換システムは、前記密閉空間に導入される前記密閉空間のヘリウム源を含むことを特徴とする請求項10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項12】
前記チャンバフレームおよび/または前記耐圧ハウジングは金属材料であり、前記上部カバーは石英材料であることを特徴とする請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項13】
前記調圧装置は、プロセス過程で、前記密閉空間の圧力を0.5気圧未満に保持するように調整することに用いられることを特徴とする請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項14】
前記
半導体処理チャンバはさらに下部カバーを含み、それは、前記チャンバフレームの他側に、前記上部カバーと対向して設置され、前記処理空間は、前記上部カバー、下部カバーおよびチャンバフレームによって囲まれ、前記調圧装置は、プロセス過程で、前記上部カバーの外面に当たる気体の圧力を、前記処理空間の気体の圧力
よりも大きく、前記下部カバーの外面に当たる気体の圧力未満に保持するように、前記密閉空間内の圧力を調整することを特徴とする請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項15】
前記密閉空間が、調圧装置を介して大気環境と連通することを特徴とする請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項16】
前記窓の形状は、上向きに曲がるドーム型、平板型または下向きに湾曲する凹型であることを特徴とする請求項4に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項17】
前記窓の上面に環状補強リブが設けられ、前記環状補強リブは、窓を、前記環状補強リブの内部にある中央領域と、前記外縁と環状補強リブの間にある周縁領域とに分割し、前記環状補強リブには、複数の気体の流路がさらに設けられ、前記気体の流路は、前記中央領域と周縁領域の空間を連通させることに用いられることを特徴とする請求項1
6に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項18】
基板を処理するための半導体処理チャンバであって、
前記基板を収納して前記基板に対してプロセス処理を行う
密閉の処理空間を備え、熱放射を透過できる上部カバーを含むチャンバと、
前記チャンバの一部の領域に接続されて密閉空間を形成し、前記上部カバーは少なくとも一部の領域が前記密閉空間内にある耐圧ハウジングと、
前記密閉空間の圧力を調整するための調圧装置と、を含み、
前記チャンバは、前記上部カバーに対向して設置される、少なくとも一部の領域が大気環境にある下部カバーをさらに含
み、
前記密閉空間には、放出した熱放射が前記上部カバーを透過して前記基板を加熱できる加熱ランプグループが設けられ、
前記調圧装置は、プロセス過程で、前記密閉空間内の圧力を、前記処理空間内の圧力よりも大きくかつ1気圧未満に保持するように調整する、
ことを特徴とする半導体処理チャンバ。
【請求項19】
前記密閉空間が、調圧装置を介して大気環境と連通することを特徴とする請求項1
8に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項20】
前記上部カバーは、前記チャンバと一体化して設置されるか、或いは、前記チャンバに設けられる開口内に直接または間接的に設置されることを特徴とする請求項1
8に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項21】
前記耐圧ハウジングは上部カバーの周縁に接続されることを特徴とする請求項1
8に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項22】
前記チャンバは、前記密閉空間の外部に少なくとも部分的にあることを特徴とする請求項1
8に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項23】
前記耐圧ハウジングは金属材料であり、前記上部カバーは石英材料であることを特徴とする請求項1
8に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項24】
基板を処理するための半導体処理機器であって、
請求項1に記載の半導体処理チャンバと、
前記処理空間内にあり、前記基板を載置するための台座と、
を含むことを特徴とする半導体処理機器。
【請求項25】
前記調圧装置は、
前記処理空間および/または密閉空間の気体の圧力値を測るための監視モジュールと、
気体の圧力差をプリセットし、且つ前記気体の圧力値に基づき、前記気体の圧力差によって前記処理空間と密閉空間の圧力を調整するための制御モジュールと、を含むことを特徴とする請求項2
4に記載の半導体処理機器。
【請求項26】
前記チャンバフレームの側面に、基板搬送口が設けられることを特徴とする請求項2
4に記載の半導体処理機器。
【請求項27】
気相エピタキシャル成長機器であって、
基板の表面にシリコン含有成長層を形成するようにプロセスガスを導入するための吸気口と、排気口とを備え、片側に開口が設けられる中空のチャンバフレームと、
前記開口に嵌合され、且つ前記チャンバフレームに設けられ、前記チャンバフレームとともに、前記基板を収納して前記基板に対してプロセス処理を行うための処理空間を囲んで形成する、熱放射を透過できる上部カバーと、
前記上部カバーの上方に設けられ、且つ前記上部カバーと密閉空間を囲んで形成するか、或いは、前記上部カバーと、少なくとも一部の前記チャンバフレームとともに密閉空間を囲んで形成する耐圧ハウジングと、
調圧装置を介して大気環境に連通される前記密閉空間の圧力を調整するための調圧装置と、
前記密閉空間内にあり、放出した熱放射が前記上部カバーを透過して前記基板を加熱できる加熱ランプグループと、を含
み、
前記調圧装置は、プロセス過程で、前記密閉空間内の圧力を、前記処理空間内の圧力よりも大きくかつ1気圧未満に保持するように調整する、ことを特徴とする気相エピタキシャル成長機器。
【請求項28】
前記上部カバーは、前記上部カバーの中間部にある窓と、前記窓を囲む外縁を含み、
前記窓の形状は、上向きに曲がるドーム型、平板型または下向きに湾曲する凹型であることを特徴とする請求項
27に記載の気相エピタキシャル成長機器。
【請求項29】
前記窓の上面に環状補強リブが設けられ、前記環状補強リブは、窓を、前記環状補強リブの内部にある中央領域と、前記窓を囲む外縁と環状補強リブの間にある周縁領域とに分割し、前記環状補強リブには、複数の気体の流路がさらに設けられ、前記気体の流路は、前記中央領域と周縁領域の空間を連通させることに用いられることを特徴とする請求項
28に記載の気相エピタキシャル成長機器。
【請求項30】
前記チャンバフレームは、前記上部カバーと対向して設置される下部カバーをさらに含み、前記調圧装置は、プロセス過程で、前記上部カバーの外面に当たる気体の圧力を、前記処理空間の気体の圧力
よりも大きく、前記下部カバーの外面に当たる気体の圧力未満に保持するように、前記密閉空間内の圧力を調整することを特徴とする請求項
27に記載の気相エピタキシャル成長機器。
【請求項31】
前記調圧装置は、
前記処理空間および/または密閉空間の気体の圧力値を測るための監視モジュールと、
安全圧力差をプリセットし、且つ前記気体の圧力値に基づき、前記安全圧力差によって前記処理空間と密閉空間の圧力を調整するための制御モジュールと、を含むことを特徴とする請求項
27に記載の気相エピタキシャル成長機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の技術分野に関し、特に、半導体処理チャンバ、半導体処理機器及び気相エピタキシャル成長機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プラズマエッチング、物理蒸着(Chemical Vapor Deposition,略称CVD)、化学蒸着(Chemical Vapor Deposition,略称CVD)などのプロセス方式は、フレキシブルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、発光ダイオード、太陽電池等の製造のような、半導体プロセス部材や基板の微細処理によく利用される。微細処理製造には、さまざまなプロセスとステップが含まれ、その中で、最も広く利用されているのは化学蒸着プロセスであり、このプロセスは、広範囲の絶縁材料、ほとんどの金属材料および金属合金材料を含むさまざまな材料を蒸着することができ、このプロセスは、一般的に高真空反応チャンバ内で行われる。
【0003】
半導体デバイスのフィーチャーサイズが日増しに縮小することと、デバイスの集積度が高まることに伴い、化学蒸着による薄膜の均一性に対する要求はますます高まっている。化学蒸着装置は何度も更新され、性能は大幅に向上したが、薄膜蒸着の均一性にはまだ多くの欠点があり、特に、基板のサイズが日増しに大型化されることに伴い、従来の蒸着法や機器は、薄膜の均一性要件を満たすことが難しくなっている。
【0004】
薄膜蒸着プロセスにおいて、反応気体の流れの方向と分布状況、基板の加熱温度場、反応チャンバ内の圧力分布状況などのさまざまなプロセス条件が基板表面への薄膜蒸着の均一性に影響を与える。反応チャンバ内の反応領域のプロセス環境が完全に一致していない場合、基板の表面に蒸着した薄膜は、不均一な厚さ、不均一な組成、および不均一な物理的特性などの望ましくない現象を引き起こし、さらに基板製造の歩留まりを低下させる。そのため、基板薄膜蒸着の均一性を向上させるように、従来の化学気相エピタキシャル成長機器への改善が必要である。その他、シリコンまたはシリコンゲルマニウム材料のエピタキシャル成長プロセスにとって、これらの成長材料は通常、半導体デバイスの最下層であるため、限界寸法(CD)は非常に小さく、通常はわずか数ナノメートルであり、それに、長期間の高温に耐えることができず、そうでなければ半導体デバイスの損傷を引き起こすため、非常に短い時間以内に、基板を、シリコン材料のエピタキシャル成長に十分な温度、例えば、600~700度に加熱する必要がある。この厳しい温度上昇要件のため、シリコンエピタキシャル成長プロセスは通常、高出力加熱ランプを用いて、石英で構成される透明な反応チャンバを介して反応チャンバ内にある基板を加熱することである。反応チャンバ内の気体の圧力は石英反応チャンバ外の大気圧よりもはるかに低いため、反応チャンバ内外の大きな圧力差により反応チャンバの構造が変形したり壊れたりしないように維持するため、反応チャンバに耐圧構造を設計する必要がある。例えば、石英のチャンバの上下壁に平板型を呈する反応チャンバの周囲に複数の補強リブを配置するか、或いは、石英のチャンバの上下壁を、大気圧に耐えるように、ドーム型に設計する。これらの石英外壁は通常、大気圧に耐えるとともに、できるだけ多くの放射エネルギーが反応チャンバ内に透過できるように、6~8mmの壁厚を有する。これら2つの構造の設計は、方向が反対であり、且つ、両者の技術的効果が共存できず、基板処理への影響には長所と短所がそれぞれあり、平板型のチャンバは、チャンバ全体を通る気体の流れの安定した分布を保証できるが、上方にある数多くの補強リブ(10本を超える)は、加熱する放射光を遮断するため、温度分布が不均一になり、ドーム型の反応チャンバの場合、温度分布はより均一であるが、気体の流れがドーム型の反応領域に流入する時に大量の混沌とした乱流が発生し、気体の流れ分布の制御が困難になることをもたらす。
【発明の概要】
【0005】
上記技術的問題を解決するため、本発明は、良好な放射線透過率と均一な温度分布を有するとともに、均一で穏やかな気体の流れ分布も実現できる基板処理用の半導体処理チャンバを提供することを目的とする。
【0006】
本発明による半導体処理チャンバは、
プロセスガスを導入するための吸気口と、排気口とを備え、片側に開口が設けられる中空のチャンバフレームと、
前記開口に嵌合され、且つ前記チャンバフレームに設けられ、前記チャンバフレームとともに、前記基板を収納して前記基板に対してプロセス処理を行うための処理空間を囲んで形成する、熱放射を透過できる上部カバーと、
前記上部カバーの上方に設けられ、且つ前記上部カバーと、少なくとも一部の前記チャンバフレームとともに密閉空間を囲んで形成する耐圧ハウジングと、
前記密閉空間の圧力を調整するための調圧装置と、を含む。
【0007】
選択可能に、前記耐圧ハウジングは締結部材を介して前記チャンバフレームの外側壁に気密に接続される。
【0008】
選択可能に、前記チャンバフレームは上部フレームと下部フレームを含み、前記開口が前記上部フレームに設けられる。
【0009】
選択可能に、前記上部カバーは、前記上部カバーの中間部にある窓と、前記窓を囲む外縁を含む。
【0010】
選択可能に、前記処理キャビティは、金属材料の取り付けリングをさらに含み、前記上部カバーが前記取付けリングに気密に取り付けられ、前記取り付けリングが前記開口に取り付けられる。
【0011】
選択可能に、前記窓は透明な石英材料であり、前記外縁は不透明または透明な石英材料である。
【0012】
選択可能に、前記外縁がシールリングを介して前記開口の周縁に気密に固着される。
【0013】
選択可能に、前記調圧装置は真空ポンプを含み、前記耐圧ハウジングは、前記真空ポンプに接続される吸気口を含む。
【0014】
選択可能に、前記調圧装置は、
前記処理空間および/または前記密閉空間の気体の圧力値を測るための監視モジュールと、
安全圧力差をプリセットし、且つ前記気体の圧力値に基づき、前記安全圧力差によって前記処理空間と密閉空間の圧力を調整するための制御モジュールと、を含む。
【0015】
選択可能に、前記耐圧ハウジングは熱交換システムを含む。
【0016】
選択可能に、前記熱交換システムは、前記密閉空間に導入されるヘリウム源を含む。
【0017】
選択可能に、前記チャンバフレームおよび/または前記耐圧ハウジングは金属材料であり、前記上部カバーは石英材料である。
【0018】
選択可能に、前記調圧装置は、プロセス過程で、前記密閉空間の圧力を標準気圧未満に保持するように調整することに用いられる。
【0019】
選択可能に、前記調圧装置は、プロセス過程で、前記密閉空間の圧力を0.5気圧未満に保持するように調整することに用いられる。
【0020】
選択可能に、前記処理チャンバはさらに下部カバーを含み、それは、前記キャビティフレームの他側に、前記上部カバーと対向して設置され、前記処理空間は、前記上部カバー、下部カバーおよびチャンバフレームによって囲まれ、前記調圧装置は、プロセス過程で、前記上部カバーの外面に当たる気体の圧力を、前記処理空間の気体の圧力以上、前記下部カバーの外面に当たる気体の圧力未満に保持するように、前記密閉空間内の圧力を調整する。
【0021】
選択可能に、前記処理チャンバは、さらに下部カバーを含み、それは、前記チャンバフレームの他側に、前記上部カバーと対向して設置され、前記処理空間は、前記上部カバー、下部カバーおよびチャンバフレームによって囲まれ、前記密閉空間が調圧装置を介して大気環境に連通され、前記下部カバーの下面は大気環境にある。
【0022】
選択可能に、前記窓の形状は、上向きに曲がるドーム型、平板型または下向きに湾曲する凹型である。
【0023】
選択可能に、前記窓の上面に環状補強リブが設けられ、前記環状補強リブは、窓を、前記環状補強リブの内部にある中央領域と、前記外縁と環状補強リブの間にある周縁領域とに分割し、前記環状補強リブには、複数の気体の流路がさらに設けられ、前記気体の流路は、前記中央領域と周縁領域の空間を連通させることに用いられる。
【0024】
さらに、本発明は、基板を処理するための半導体処理チャンバを開示し、
前記基板を収納して前記基板に対してプロセス処理を行う密閉処理空間を備え、熱放射を透過できる上部カバーを含むチャンバと、
前記チャンバの一部の領域に接続されて密閉空間を形成し、前記上部カバーは少なくとも一部の領域が前記密閉空間内にある耐圧ハウジングと、
前記密閉空間の圧力を調整するための調圧装置と、を含む。
【0025】
選択可能に、前記チャンバは、前記上部カバーに対向して設置される、少なくとも一部の領域が大気環境にある下部カバーをさらに含み、前記密閉空間が調圧装置を介して大気環境に連通される。
【0026】
選択可能に、前記上部カバーは、前記チャンバと一体化して設置されるか、或いは、前記チャンバに設けられる開口内に直接または間接的に設置される。
【0027】
選択可能に、前記調圧装置は、プロセス過程で、前記密閉空間内の圧力を、前記処理空間内の圧力以上に保持するように調整することに用いられる。
【0028】
選択可能に、前記調圧装置は、プロセス過程で、前記密閉空間内圧力を1気圧未満に保持するように調整することに用いられる。
【0029】
選択可能に、前記耐圧ハウジングは前記上部カバーの周縁に接続される。
【0030】
選択可能に、前記チャンバの少なくとも一部の領域は、前記密閉空間の外部にある。
【0031】
選択可能に、前記耐圧ハウジングは金属材料であり、前記上部カバーは石英材料である。
【0032】
さらに、本発明は、基板を処理するための半導体処理機器を提供し、
上記のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバと、
前記処理空間内にあり、前記基板を載置するための台座と、
前記密閉空間内にあり、前記上部カバーを透過して前記基板に熱放射を提供するための加熱ランプグループと、を含む。
【0033】
選択可能に、前記調圧装置は、
前記処理空間および/または密閉空間の気体の圧力値を測るための監視モジュールと、
気体の圧力差をプリセットし、且つ前記気体の圧力値に基づき、前記気体の圧力差によって前記処理空間と密閉空間の圧力を調整するための制御モジュールと、を含む。
【0034】
選択可能に、前記チャンバフレームの側面に基板搬送口が設けられる。
【0035】
さらに、本発明は、気相エピタキシャル成長機器を提供し、
基板の表面にシリコン含有成長層を形成するようにプロセスガスを導入するための吸気口と、排気口とを備え、片側に開口が設けられる中空のチャンバフレームと、
前記開口に嵌合され、且つ前記チャンバフレームに設けられ、前記チャンバフレームとともに、前記基板を収納して前記基板に対してプロセス処理を行うための処理空間を囲んで形成する、熱放射を透過できる上部カバーと、
前記上部カバーの上方に設けられ、且つ前記上部カバーと密閉空間を囲んで形成するか、或いは、前記上部カバーと、少なくとも一部の前記キャビティフレームとともに密閉空間を囲んで形成する耐圧ハウジングと、
調圧装置を介して大気環境に連通される前記密閉空間の圧力を調整するための調圧装置と、
前記密閉空間内にあり、放出した熱放射が前記上部カバーを透過して前記基板を加熱できる加熱ランプグループと、を含む。
【0036】
選択可能に、前記調圧装置は、プロセス過程で、前記密閉空間内圧力を1気圧未満に保持するように調整することに用いられることを特徴とする。
【0037】
選択可能に、前記窓の形状は、上向きに曲がるドーム型、平板型または下向きに湾曲する凹型である。
【0038】
選択可能に、前記窓の上面に環状補強リブが設けられ、前記環状補強リブは、窓を、前記環状補強リブの内部にある中央領域と、前記外縁と環状補強リブの間にある周縁領域とに分割し、前記環状補強リブには、複数のガス流路がさらに設けられ、前記ガス流路は、前記中央領域と周縁領域の空間を連通させることに用いられる。
【0039】
選択可能に、前記チャンバは、前記上部カバーと対向して設置される下部カバーをさらに含み、前記調圧装置は、プロセス過程で、前記上部カバーの外面に当たる気体の圧力を、前記処理空間の気体の圧力以上、前記下部カバーの外面に当たる気体の圧力未満に保持するように、前記密閉空間内の圧力を調整する。
【0040】
選択可能に、前記調圧装置は、
前記処理空間および/または密閉空間の気体の圧力値を測るための監視モジュールと、
気体の圧力差をプリセットし、且つ前記安全圧力値に基づき、前記安全圧力差によって前記処理空間と密閉空間の圧力を調整するための制御モジュールと、を含む。
【0041】
本発明は下記のメリットがある。本発明は、1つのチャンバフレームを処理チャンバの主な構造とし、チャンバフレームの上下対向側に上部カバーと下部カバーを設置することにより、チャンバフレーム、上部カバーと下部カバーが1つの処理空間を囲んで形成することができ、チャンバフレームに、処理空間に接続されてプロセスガスを導入するための吸気口と排気口が開けられ、処理空間では、熱放射、特に赤外線が、上部カバーを介してその中に置かれた基板に対してプロセス処理することができる半導体処理チャンバを提供し、並びに、チャンバフレームに気密に接続される耐圧ハウジングを提供し、該耐圧ハウジングは、上部カバーおよびチャンバフレームの少なくとも一部とともに密閉空間を形成し、ほかの調圧装置を通して該密閉空間内の気圧を独自に制御できることにより、プロセス過程で、該上部カバーの内外面に当たる気体の圧力差は、密閉空間内の気体の圧力が大気圧になる時に比べて減り、赤外線の透過率を向上させるように上部カバーを薄くすることに役立ち、同時に、上部カバーを平らにして、気体の流れをスムーズにすることができ、それにより、基板表面に形成される化学蒸着膜はより均一である。特に、プロセス過程で、調圧装置を利用して、上部カバーの外面に当たる気体の圧力を、処理空間の気体の圧力以上、および下部カバーの外面に当たる気体の圧力未満に保持することができ、好ましい上部カバー構造を利用するとともにエネルギーを最大限に節約することができ、上部カバーの温度に対する正確な制御を確保することもでき、それに、上部カバーの反対側の下部カバーが元の形状と強度を維持し続けることができ、チャンバ全体の組み立てをより便利で柔軟にし、損傷されやすい上部カバーを個別に交換することがより便利になり、処理チャンバの全体的な交換に比べて、コストが削減され、さまざまなプロセス条件に対応できるため、機器のコストが大幅に削減される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明の実施例または従来の技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例または従来の技術の説明において利用する必要がある図面について簡単に説明する。明らかに、以下に説明する図面は、本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的労働を払わない前提で、これらの図面に従ってほかの図面が得られてもよい。
【
図9】
図9は、本発明の半導体処理機器の構造概略図である。
【
図10】
図10は、本発明のほかの実施例における上部カバーとチャンバフレームの接続概略図である。
【
図11】
図11は、本発明のエピタキシャル成長機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段およびメリットをより明確にするために、以下、本発明の実施例における図面と組み合わせて、本発明の実施例における技術的解決手段を明確、完全に説明し、明らかに、記載された実施例は、本発明の一部の実施例で、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的労働を払わない前提で、得られたほかのすべての実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0044】
本発明は、従来の技術における2つの技術的解決手段のメリットが両立できないという技術的問題に基づき、独創的な解決手段を提供し、従来の技術の不足を乗り越えるとともに、従来の技術的解決手段のメリットを考慮し、且つ設計が簡単で、高い赤外線透過率を確保するだけでなく、均一で穏やかな気体の流れ分布を実現でき、同時に利用コストを削減できる。
【0045】
本発明は、半導体処理チャンバを提供し、化学蒸着機器、原子層蒸着機器、プラズマ強化蒸着機器、物理蒸着機器などの半導体機器での基板処理に適用でき、具体的に、中空チャンバフレーム内の処理空間に基板を載置し、赤外線を透過できる上部カバーをチャンバフレームに組み立てて基板を加熱し、且つ、耐圧ハウジングの少なくとも一部を利用して上部カバーの赤外線透過領域を覆った後、気密の密閉空間を形成し、同時に調圧装置を用いて密閉空間内の気体の圧力を調整し、上部カバーの上面と下面に当たる気体の圧力差を調整できるようにすることを通して、高まっているプロセス要件に対応するように、小さい気体の圧力差におけるより平坦な、より高い赤外線透過率と、十分な機械的強度とを備えた上部カバー構造の設計を実現する。
【0046】
本発明は、半導体処理チャンバ用の上部カバーをさらに提供し、前記上部カバーが半導体処理チャンバとともに処理空間を形成し、前記上部カバーが耐圧ハウジングとともに密閉空間を形成し、前記上部カバーは、前記処理空間と密閉空間の間に設けられて、両者の気密の隔離を実現し、前記上部カバーには、前記処理空間に向かう下面と、前記密閉空間に向かう上面を備え、具体的に、前記上部カバーは、前記上部カバーの中間部にある窓と、前記窓を囲む外縁とを含み、前記窓は、熱放射を透過でき、前記窓は、その中央にある窓の中央領域と、窓の中央領域を囲む窓の周縁領域と、を含み、前記窓の周縁領域が前記外縁に接続され、前記窓の中央領域の下面と窓の周縁領域の下面との高さの差が28mm以下であり、前記上部カバーは、前記処理空間と密閉空間との間の圧力差に耐え、上部カバーは、チャンバ全体に気体の流れを安定して分布できることを確保するだけでなく、その上下面の圧力差に耐えることができ、且つ赤外線透過率が高い。
【0047】
上記発明のアイディアに基づき、種々の実施形態や変形があり得るが、以下は図面を合わせて詳しく説明する。
【0048】
【0049】
図1A~1Cは、本発明の半導体処理チャンバの側面図であり、チャンバフレーム110を含み、一部の実施例において、それは中空の皿状フレーム、中空の直方体フレーム、一体成型のフレームのどちらかであってもよく、或いは、複数の部分からなってもよい。チャンバフレームの対向両側に吸気口111と排気口112が設けられ、プロセスガスが、外部気体源によって吸気口111に導入され、排気口に気体抽出用ポンプを接続して、プロセスガスを抽出することができる。一部の実施例において、吸気口111と排気口112は
図1Aに示されるように、長方形のチャンバフレーム110の2つの対向側面に設けられ、ほかの一部の実施例において、ほかの位置に設置されてもよい。十分な機械的強度を提供するように、チャンバフレーム110の材料は金属であってもよい。
【0050】
チャンバフレーム110の対向両側に上部カバー120と下部カバー130が設けられ、本実施例において、長方形のチャンバフレーム110の上下両面に上部カバー120と下部カバー130のサイズに合致する開口が開けられ、上部カバー120と下部カバー130の形状によって、開口の形状とサイズも対応して調整できる。上部カバー120、下部カバー130とチャンバフレーム110が一体化して組み立てられた後、チャンバフレーム110の内側に1つの処理空間140を囲んで形成することができ、被処理基板Wが処理空間140の中に置かれてもよく、上部カバー120の下面が処理空間の中にあり、吸気口111と排気口112が処理空間140に連通されるため、プロセスガスは処理空間140で流れることができ、上部カバー120は赤外線熱放射を透過でき、一部の実施例において、上部カバー120は少なくとも部分的に、透明な石英のような透明な材料であり、ほかの実施例において、下部カバー130と上部カバー120の材料が同じである。熱放射を放出する装置は、上部カバーの外側に設置され、それにより、熱放射は、処理空間140内の基板Wに照射して、化学蒸着プロセスを行うことができる。ほかの実施例において、下部カバー130の外側にも熱放射を放出する装置が設けられる。ほかの実施例において、下部カバー130の外側にある熱放射装置を含まずに、上部カバー120で透過した赤外線のみで基板Wを照射して、蒸着反応を発生させてもよい。
【0051】
ほかの実施例において、チャンバフレーム110と上部カバー120は一体化構造であってもよく、上部カバー120には、より高い赤外線透過率があり、チャンバフレーム110には、より高い機械的強度およびより低い赤外線透過率がある。
【0052】
図1Aに示されるように、チャンバフレーム110の外側に耐圧ハウジング150が設けられ、その材料は金属であってもよく、開口を備える中空構造であり、耐圧ハウジング150の開口の周縁が締結部材を介してチャンバフレーム110の外側に気密に接続され、少なくとも一部のチャンバフレーム110の上面がその中空構造の内部に含まれ、締結部材は締結用のねじであってもよく、本実施例において、耐圧ハウジング150がチャンバフレーム110の上面に気密に接続され、上部カバー120の上面および一部のチャンバフレーム110の上面とともに密閉空間160を形成し、最小の耐圧ハウジングの体積で、上部カバー120の上面を覆うことを実現し、上部カバー120の上面が密閉空間160の中にあり、他の実施例において、耐圧ハウジング150は、チャンバフレーム110の側壁または底壁に気密に接続されてもよい。
【0053】
図1Dに示されるように、本発明のほかの一種の半導体処理チャンバの構造概略図であり、
図1Aに示される実施例と違って、耐圧ハウジング150が上部カバー120の周縁に接続され、具体的な接続方式は、取り付けリングまたは接続部材などを介して気密の接続を実現でき、密閉空間160は、耐圧ハウジング150と上部カバーの一部によって囲まれる。
【0054】
前記耐圧ハウジング150は、上部カバー120の周縁に接続され、前記耐圧ハウジング150と上部カバー120で構成された密閉空間160と外部の大気環境との圧力差が小さい状況に適用し、こうして、前記耐圧ハウジング150に当たる圧力が小さいため、耐圧ハウジング150の上部カバー120の周縁に与える圧力が小さく、それにより、上部カバー120の周縁が耐圧ハウジング150によって押しつぶされにくい。前記密閉空間160と外部の大気環境との圧力差が大きい場合には、前記耐圧ハウジング150を前記上部カバー120の周縁に直接配置することができず、前記耐圧ハウジング150と上部カバー120の周縁の間には、アダプタリング(図示せず)が設けられ、前記アダプタリングは、前記上部カバー120の周縁からチャンバフレーム110の上方まで延長し、主にチャンバフレーム110で圧力に耐え、前記上部カバー120の周縁に当たる圧力が小さいため、上部カバー120の周縁は容易に壊れない。
【0055】
プロセス過程中、処理空間140で蒸着反応を行うため、処理空間140に対する減圧操作が必要であり、この時、処理空間140中の上部カバー120の下面と密閉空間160にある上部カバー120の上面に大きい気体の圧力の差が存在し、通常、上部カバー120の下面の環境が真空に近い、上部カバー120の上面の気体の圧力が大気圧に近く、そのため、上部カバーは、圧力に耐えるのに十分な機械的強度を備える必要があり、従来の技術は、上部カバー120の厚さを増加させることによって機械的強度を高めることができるが、赤外線透過率を低下させ、電力の浪費をもたらす。また、上部カバー120の外側に補強リブを密に設けることもできるが、赤外線放射への遮断を引き起こし、補強リブのある位置と補強リブのない位置では、基板上の放射差が対応して発生し、不均一な蒸着をもたらす。或いは、上部カバー120は、大弧度のアーチ構造に造られるが、対応して処理空間140の気体の流れ分布が大きく変化し、その結果、気体の流れが不均一になり、これも不均一な蒸着をもたらす。そのため、本発明は耐圧ハウジング150の外側に調圧装置170(
図1Aに示される)を接続し、プロセス過程で、密閉空間160の中の気体の圧力を調整することを通して上部カバー120の上面と下面に当たる気体の圧力差を減少し、それにより、上部カバー120はより小さい厚さを備える石英で製造され、且つ、上部カバー120の基板Wに向かう側が平面にされても、内外気体の圧力差で損壊されない。本実施例において、耐圧ハウジング150で囲まれた密閉空間160は、上部カバー120の基板に対応する上面を囲み、且つ調圧装置170を用いてプロセス過程で密閉空間160の気圧を減少し、プロセス過程で密閉空間が常圧状態にある時の上部カバー120内の上面の気体の圧力差を低くし、上部カバー120の形状と構造の製造をより柔軟にし、さらに、プロセス過程での厳しい要件によって調整でき、基板Wの処理品質を高めることができる。
【0056】
一部の実施例において、調圧装置170は真空ポンプを含むことができ、耐圧ハウジング150には密閉空間160と真空ポンプを接続する密閉管があり、気圧計のフィードバックによって密閉空間160内の気体の圧力を調整する。一部の実施例において、プロセス過程を実行する時、基板Wの被処理面が主に上部カバー120を透過する赤外線によって加熱され、且つ、プロセス気体の流れは主に基板Wの被処理面を流れるため、下部カバー130の形状や厚みに対する要件は高くなく、即ち、下部カバー130は、厚さを増加したり、大弧度のアーチ形や補強リブを利用したりする機械的強度を高める方式を通して、その上面を大気環境の中に置き、密閉空間160の気圧を調整することを通して、プロセス過程で上部カバー120の上面に当たる気体の圧力を、処理空間140の気体の圧力以上、且つ下部カバー130の下面に当たる気体の圧力未満にし、例えば、密閉空間160の中の気体の圧力は0.5気圧であり、処理空間の中の気体の圧力が真空に近い、下部カバー130の下面が1気圧に耐え、このような設計は、プロセス過程で、処理空間を真空に近い状態にされる場合、本発明において、より薄く、より平坦な表面を備える上部カバーを用い、その材料の分子レベルでの結合力は、異なる気体の圧力によるその上下面の張力に耐えるのに十分であるため、作業過程で破損せず、より薄い上部カバー120の場合、赤外線透過率がもっと高く、基板Wで得られる放射線量が同じ状況で、放射源はより少ない電力を消費することができ、同時に、より平坦な表面は、処理空間内のプロセス気体の流れをより平坦で安定させ、局所的に渦流を発生させないため、基板Wの局所的な気体反応物の安定性に影響を与えず、そのため、異なる位置での基板Wの成膜均一性が得られる。そのほか、基板Wの上面は、熱放射や気体の流れの均一性に対する要求が高く、下面は主に台座を介して熱を伝達させ、且つ、基板を支持する台座の下方にブラケットを接続して下部カバーを貫通する伝動機構が必要であり、および、処理チャンバの外部にある動力機構なども下に配置されているため、厚さおよび形状の面では、下部カバーは上部カバーほど要求が厳しくなく、即ち、処理チャンバの下方で広範囲の改良を行う必要はなく、耐圧ハウジング150をチャンバフレームと組み合わせるだけで、技術的効果を得ることができ、好ましく、前記耐圧ハウジング150とチャンバフレーム110の上面とを組み合わせて、上部カバーの最適化された設計を実現することができる。また、密閉空間160内の一定の気体の流れの圧力を保持することにより、その中の気体の流れの熱交換効率を向上させることができ、真空環境では気体の含有量が少なく、上部カバー120の熱の移転によくないため、上部カバー120の温度を正確に制御できない。
【0057】
ほかの実施例において、調圧装置170は具体的には、密閉空間160と処理空間140の中にあり、所属環境の気圧信号をリアルタイムにフィードバックするための監視モジュールと、初期の密閉空間160と処理空間140の安全圧力差を、例えば、0.5気圧又は0気圧などに設定できる制御モジュールとを含み、該安全圧力差の下で、本発明で用いる一定厚さの上部カバーは安全に稼働することができ、監視モジュールからフィードバックされた気体の圧力信号は演算を通して、初期設定で設定された安全圧力差値との間にギャップがある場合、制御モジュールは、上部カバー120の上下面に当たる圧力差をプリセット値に維持するように、動的に調整することもできる。
【0058】
【0059】
図2Aと
図2Bに示されるように、上部カバー120は、その中間部にある窓221領域と、窓221を囲む外縁222領域を含み、窓221と外縁222の上面は必ずしも同じ平面内に位置するとは限らず、例えば、本実施例において、窓221は円形であり、外縁222は環状であり、窓221は
図2Bにおいて、外縁222より低く、窓221と外縁222は、垂直面によって接続され、実際に、前記窓221と外縁222との間にある接続部は必ずしも垂直面ではなく、例えば、斜面であり、さらに接続部は円弧面であってもよく、ここで限定されない。
【0060】
窓221の下面と外縁222の下面との高さの差は、チャンバフレーム110の構造で決められ、外縁222がチャンバフレーム110(
図1A、1Bと
図1Cに示される)に載置され、上部カバー120とチャンバフレーム110との間の封止を実現することに用いられ、前記上部カバー120の処理空間140に向かう面が下面であり、前記上部カバー120の密閉空間160に向かう面が上面であると定義し、本実施例において、前記外縁222の下面と上面はいずれも平面であり、外縁222の下面で、シールストリップを用いてチャンバフレーム110との間で圧着して封止し、および、外縁222の上面と耐圧ハウジング150との間で封止を実現することに役立つ。
【0061】
前記窓221は、基板Wに必要な赤外線を透過することに用いられ、窓221の下面と吸気口111の上部とほぼ同じ高さを有するため、プロセスガスの流れは、吸気口から反応チャンバに入り、排気口に到達するまで、窓221の下面をほぼ水平に流れ、プロセスガスの流れは移流に近く、これは基板Wの表面の膜層の均一性に役立つ。
【0062】
そのほか、前記窓221の厚さが薄いほど、窓221を通ることによる赤外線の損失量が少なくなり、且つ窓221の下面が、外縁222の下面から離れる方向へ凹み、即ち、窓221の下面から基板Wの表面までの距離が近いため、赤外線が窓221を通って基板に到達する過程中の赤外線の損失量も少なく、それにより、基板Wの表面に到達する赤外線が多いため、基板Wの表面をよく加熱することに役立つ。
【0063】
本発明は、上部カバー120の上方に、独自に圧力を調整できる密閉空間160を設置し、且つ、プロセス過程で、密閉空間160内の圧力を標準気圧未満に調整することにより、上部カバー120の上面と下面との気体の圧力差を減らす。それにより、処理チャンバの上部カバー120の窓221は、厚さが小さく、平坦度が高いため、窓の高透過率および処理チャンバ内の気体の流れの安定性を効果的に高め、且つ、窓221が気体の圧力によって損傷されることを回避できる。一部の実施例において、窓221は透明な石英であり、外縁222は不透明な石英であり、こうして、外縁222は、赤外線の直接照射からシールストリップを保護し、シールストリップの使用寿命を延長させることができ、ほかの実施例において、外縁222は透明な石英であってもよい。ほかの実施例において、窓221と外縁222は非平面構造であってもよく、具体的に、実際のプロセス要件によって柔軟に調整する。
【0064】
本実施例において、前記窓221は円形であり、前記窓221の面積が基板Wの面積より大きく、例えば、基板Wの直径は300ミリメートルであり、前記窓221の直径範囲は400ミリメートル~470ミリメートルであり、それにより、基板Wと、基板Wの周縁にある一部の部材とはすべて加熱され、基板Wのみを加熱すると、基板Wの表面の熱が基板Wのエ周縁を介して失われるという問題を防止し、しかしながら、前記窓221の水平方向に沿うサイズもあまり大きくされず、窓221は加熱のニーズを満たすとともに、反応チャンバの体積が大きすぎることを防止できる。
【0065】
本実施例において、前記窓221は、その中央にある窓の中央領域Mと、窓の中央領域Mを囲む窓の周縁領域Nとを含み、且つ、前記周縁領域Nが外縁222に接続され、前記窓の中央領域Mと窓の周縁領域Nとの高さの差はゼロであり、それにより、窓の周縁領域Nから窓の中央領域Mまで、さらに窓の周縁領域Nへのプロセスガスの流れる過程は比較的安定し、基板Wの表面に均一性を備える薄膜の形成に役立つ。
【0066】
ほかの実施例において、前記窓の中央領域Mと窓の周縁領域Nとの高さの差は、0ミリメートルより大きく、28ミリメートル以下である。
【0067】
【0068】
図3Aと
図3Bに示される上部カバーの実施例と、
図2Aと
図2Bに示される実施例との違いは、以下を含む。窓221の上面に補強リブ323が設けられ、本実施例において、前記補強リブ323は完全な環状構造であり、且つ完全な環状の補強リブ323は一周であり、実際には、環状補強リブ323は複数周に設置されてもよく、且つ、一周毎の環状の補強リブ323は、連続的な環状構造であってもよく、一周毎の補強リブ323は、複数の円弧部であってもよく、これらの複数の円弧部が一周の環状構造を構成する。前記補強リブ323が赤外線を遮断することを防止するように、基板Wの真向かいの窓221の領域に補強リブが設けられなくてもよい。
【0069】
本実施例において、前記補強リブ323は、前記上部カバー120の機械的強度を高めることができる原理は以下を含む。微視的な観点から見れば、前記窓221は、相互接続される複数の窓ユニットを含み、前記補強リブ323を増設した後、前記窓ユニットは、周辺のほかの窓ユニットに接続されるだけでなく、補強リブ323に接続され、それにより、窓221が上下の圧力差を受ける時、周囲の窓ユニットのみに接続された窓ユニットと比べて、より大きな支持力を有するため、前記補強リブ323を設置した後、上部カバー120の耐圧能力を高めることに役立ち、こうして、窓221の厚さをさらに減らし、上部カバーの損壊を防止するとともに、熱放射を透過する上部カバー120の能力を向上させることもできる。
【0070】
本実施例において、補強リブ323には、複数の気体の流路324がさらに均一に設置され、前記補強リブ323と外縁222は周縁領域を構成し、環状の前記補強リブ323の内部は中央領域になり、この中央領域は、上記窓の中央領域Mではなく、周縁領域は、上記窓の周縁領域Nではなく、前記気体の流路324は、中央領域と周縁領域を連通させることに用いられ、これは、冷却後の気体の流れと窓221との接触を改善し、上部カバー120全体に対する温度制御の精度を維持することに役立つ。気体の流路324は、貫通孔、通気溝又は開孔であってよく、気体の流路324の数及び位置は、補強リブ323の強度向上効果及び冷却後のガスの流れの効果を考慮に入れるべきである。
【0071】
本実施例において、前記窓221は、その中央にある窓の中央領域Mと、窓の中央領域Mを囲む窓の周縁領域Nとを含み、且つ、前記周縁領域Nが外縁222に接続され、前記窓の中央領域Mと窓の周縁領域Nとの高さの差はゼロであり、それにより、窓の周縁領域Nから窓の中央領域Mまで、さらに窓の周縁領域Nへのプロセスガスの流れる過程は比較的安定し、基板Wの表面に均一性を備える薄膜の形成に役立つ。
【0072】
ほかの実施例において、前記窓の中央領域Mと窓の周縁領域Nとの高さの差は、0ミリメートルより大きく、28ミリメートル以下である。
【0073】
【0074】
図4Aと
図4Bに示されるように、
図2Aと
図2Bに示される実施例との違いは、窓221は矩形の平面であり、外縁222は矩形環であり、吸気口から排気口までの気体の流れの方向に、本実施例の上部カバー120は、より長い窓221を備え、気体の流れが基板Wに到達する前に、層流を形成するのにより十分な時間を有することに役立つ。
【0075】
本実施例において、前記窓221は矩形であるため、前記矩形の内接円の面積は、基板Wの面積よりも大きいことが必要であり、前記矩形の窓は長辺と短辺を含み、前記短辺のサイズは400ミリメートル~470ミリメートルであり、前記長辺のサイズは400ミリメートル~650ミリメートルであり、それにより、基板W及び基板Wの周縁にある部材がいずれも加熱され、基板Wのみを加熱すると、前記基板Wの熱が基板Wの周縁にある部材を介して失われることを防止し、基板Wの表面の温度の均一性を改善し、基板Wの表面に形成する薄膜の均一性を高めることに役立つ。また、このように長辺と短辺の比率を設定することで、気体の流れの安定性を向上させ、基板Wの温度をもっと容易に制御できる。
【0076】
【0077】
図5Aと
図5Bに示されるように、
図4Aと
図4Bの実施例との違いは以下を含む。窓221は、窓221の機械的強度を高めるように、排気口と吸気口に近い位置には、気体の流れの方向Xに垂直なストリップ状の補強リブ523が設けられる。基板Wは、窓221の中央部の吸気口側の領域の下方に配置され、対応して、吸気口側の箇所に設けられた補強リブ523の数は、排気口側の箇所に設けられた数未満であり、基板Wの真向かいに位置する窓221には、赤外線を遮断しないように補強リブ523が設けられない。
【0078】
本実施例において、前記補強リブ523は、前記上部カバー120の機械的強度を高めることができる原理は以下を含む。微視的な観点から見れば、前記窓221は、相互接続される複数の窓ユニットを含み、前記補強リブ523を増設した後、前記窓ユニットは、周辺のほかの窓ユニットに接続されるだけでなく、補強リブ523に接続され、それにより、窓221が上下の圧力差を受ける時、周囲の窓ユニットのみに接続された窓ユニットと比べて、より大きな支持力を有するため、前記補強リブ523を設置した後、上部カバー120の耐圧能力を高めることに役立ち、こうして、窓221の機械的強度をさらに減らし、上部カバーの損壊を防止するとともに、熱放射を透過する上部カバー120の能力を向上させることもできる。
【0079】
本実施例において、前記窓221は、その中央にある窓の中央領域Mと、窓の中央領域Mを囲む窓の周縁領域Nとを含み、且つ、前記周縁領域Nが外縁222に接続され、前記窓の中央領域Mと窓の周縁領域Nとの高さの差はゼロであり、それにより、窓の周縁領域Nから窓の中央領域Mまで、さらに窓の周縁領域Nへのプロセスガスの流れる過程は比較的安定し、基板Wの表面に均一性を備える薄膜の形成に役立つ。
【0080】
ほかの実施例において、前記窓の中央領域Mと窓の周縁領域Nとの高さの差は、0ミリメートルより大きく、28ミリメートル以下である。
【0081】
図6A、6Bと
図6Cは、本発明のもう1つの上部カバーの構造概略図であり,ここで、
図6Bは、E-E線に沿う断面図であり、
図6Cは、F-F線に沿う断面図である。
【0082】
図6A、6Bと
図6Cに示されるように、前記窓221の下面が所属する平面は、外縁222の下面が所属する平面より高いため、上部カバー120全体は、上向きのアーチ型の形状を示し、同時に、窓221の平面構造を保持し、
図6Cは、気体の流れの方向に垂直なF-F線に沿う本実施利絵の上部カバー120の断面図であり、外縁222の内側面が接続部の第2斜面626を介して窓221に接続されるため、プロセスガスは、吸気口から処理空間に入る時、上向きの上昇の急激さを緩和させ、そこでの乱流を回避し、
図6Bは、気体の流れの方向E-Eに沿う断面図において、外縁の内側と窓との接続部に近づく箇所に第1斜面625が設けられ、窓221と外縁222との接続部の下方にある第1斜面625は、本実施例において気体の流れに対する調整を最適化できるとともに、外縁222の下面を同一平面に位置させ、これは、上部カバー120とチャンバフレーム110の封止にさらに役立ち、それは、起伏のある平面は、シールストリップの選択に対する要件がより高く、平面は一致する封止強度を達成しやすいからである。同時に、本実施例において、その機械的強度を高めるように、上部カバー120の上面に、窓221と外縁222を接続するためのストリップ状の補強リブ323が設けられてもよい。
【0083】
本実施例において、前記窓221は、その中央にある窓の中央領域Mと、窓の中央領域Mを囲む窓の周縁領域Nとを含み、且つ、前記周縁領域Nが外縁222に接続され、前記窓の中央領域Mと窓の周縁領域Nとの高さの差はゼロであり、それにより、窓の周縁領域Nから窓の中央領域Mまで、さらに窓の周縁領域Nへのプロセスガスの流れる過程は比較的安定し、基板Wの表面に均一性を備える薄膜の形成に役立つ。
【0084】
ほかの実施例において、前記窓の中央領域Mと窓の周縁領域Nとの高さの差は、0ミリメートルより大きく、28ミリメートル以下である。
【0085】
【0086】
本実施例において、前記外縁222は環状であり、前記窓221の下面が外縁222の下面に対して密閉空間の方向へ突出し、即ち、前記窓221はアーチ型である。前記窓221はアーチ型である場合、応力解析によれば、チャンバが受ける外部気体の圧力の一部は、前記窓221の接平面方向に沿う力に分解され、他の一部は、窓221の接平面に垂直な力に分解され、窓221は平面である場合、これら2つの力の和を負担する必要があり、前記窓221がアーチ構造に設けられた後、前記窓221は、窓221の接平面に垂直な力だけに耐える必要があるため、アーチ構造の窓221は、平板型の窓に比べて、より薄くされてもよく、窓221内外の圧力差に耐えることができる。同時に、窓221の厚さが小さいため、窓221の赤外線放射の透過率は非常に高く、したがって、基板の温度の制御にさらに役立つ。
【0087】
具体的に、前記窓221の厚さ範囲は4ミリメートル~12ミリメートルであり、実際に、前記窓221の厚さは、窓221内外の圧力差と、窓221のアーチ構造の高さとによって影響され、前記高さは、前記窓の中央領域Mと窓の周縁領域Nの下面の高さの差であり、窓221のアーチ構造の高さが変化せず、前記窓221内外の圧力差を減らす場合、前記窓221の厚さがより薄くされてもよく、当然ながら、前記窓221内外の圧力差を変化させず、窓221のアーチ高を増やす場合も、窓221の厚さをより薄くしてもよいが、アーチ高が大きすぎると、気体の流れの安定性に影響を与えるため、気体の流れの安定性、耐圧能力と熱透過性の要件を満たすように、プロセス要件によって、窓221のアーチ高、窓221内外の圧力差と窓221の厚さを総合的に調整することができる。
【0088】
本実施例において、前記窓221の厚さの範囲は4ミリメートル~12ミリメートルであり、前記窓221内外の圧力差は0.2気圧~0.8気圧になる場合、前記窓の中央領域Mと窓の周縁領域Nとの高さの差は0ミリメートルより大きく、25ミリメートル以下であり、即ち、前記窓の中央領域Mと、窓の周縁領域Nとの高さの差がより小さく、それにより、プロセスガスが吸気口から反応チャンバに入った後、窓の周縁領域Nから窓の中央領域Mまで、さらに窓の周縁領域Nへの流れる過程で、気体の流れはより滑らかで、急激に上へ向かないため、プロセスガスは全体的に穏やかで、基板Wの表面に形成する薄膜の均一性を高めることに役立つ。
【0089】
要約すると、アーチ構造の前記窓221は、より優れた耐圧能力を有し、且つ、より薄くすることができ、赤外線熱放射の透過能力が優れ、また、基板の表面に形成する薄膜の均一性を高めるように、アーチ構造の高さは大きすぎず、気体の流れの安定性の確保に役立つ。
【0090】
【0091】
図8Aと
図8Bに示されるように、本実施例において、前記外縁222は環状であり、前記窓221は、窓の中央領域Mと窓の周縁領域Nを含み、前記窓の中央領域Mは平板構造であり、前記窓の中央領域Mの中心線は、前記外縁222の下面と上面の間にあり、即ち、前記窓の中央領域Mの上面が、前記外縁222の上面より低く、前記窓の中央領域Mの下面が、前記外縁222の下面より高く、前記外縁222と前記窓の中央領域Mは、円弧面を備える窓の周縁領域Nを介して接続され、前記周縁領域Nと窓の中央領域Mとの高さの差は28ミリメートル以下であり、それにより、窓の周縁領域Nから窓の中央領域Mまで、さらに窓の周縁領域Nへのプロセスガスの流れる過程は比較的安定し、基板Wの表面に形成する薄膜の均一性を高めることに役立つ。
【0092】
本発明の上部カバーは、上部カバーの上下面が異なる圧力環境にある機器に適用され、前記機器の種類はここで限定されず、下記のように、前記上部カバーが半導体処理機器に適用されることを例として詳しく説明する。
【0093】
図9に示されるように、本発明の半導体処理機器の構造概略図であり、金属材料のチャンバフレーム110であって、半導体機器のほかの部材の組み立てに基礎を提供し、プロセスガスを導入するための吸気口111と排気口112がチャンバフレーム110の横の両側に対向して設置される金属材料のチャンバフレームと、熱放射を透過できる上部カバー120と下部カバー130であって、両者が対向してチャンバフレーム110の上下両側に設置され、チャンバフレーム110の上面に、開口915が対応して設けられ、上部カバー120が開口915の中に嵌め込まれ、且つシールストリップ919を介してチャンバフレーム110に気密に接続され、チャンバフレーム110、上部カバー120と下部カバー130は処理空間140を囲んで形成する上部カバー120と下部カバーと、処理空間140内にある台座990であって、その上面は基板Wを載置することに用いられ、下面はブラケットによって支持され、基板Wの被処理面が上部カバー120に対向し、ブラケットは台座990を回転させることができ、チャンバフレーム110の片側、吸気方向に垂直な方向に、基板搬送口916が吸気口と排気口の所属平面より低い箇所に設けられ、基板搬送口916はほかの位置にあってもよく、プロセス反応前後に基板Wを搬送する必要がある場合、ブラケットは、基板搬送口916の位置まで台座を降下させ、基板Wを取ったり搬送したりすることに便利である台座と、チャンバフレーム110に気密に接続され、且つ上部カバー120とチャンバフレーム110とともに密閉空間160を囲んで形成する金属材料の耐圧ハウジング150と、プロセス過程で、密閉空間160の気圧を調整して、密閉空間160が常圧である時に上部カバー120の上面と上部カバー120の下面が耐える気体の圧力の差を減らすことを通して、上部カバー120の形状と構造を、赤外線の透過と気体の流れの均一性に役立つようにするための調圧装置170とを含む。ほかの実施例において、半導体機器はさらに加熱ランプグループ980を含み、それは、密閉空間160の中にあり、上部カバー120と一定距離で隔離し、加熱ランプグループ980は、赤外線を外へ放出し、上部カバー120を貫通して基板Wを加熱し、それがプロセスガス環境で化学的蒸着反応を発生させる。同時に、下部カバー130の外側にも加熱ランプを設置してもよく、下部カバー130を貫通する赤外線を放出して、台座990を加熱し、基板Wの表面にある成膜反応を補助する。ほかの一部の実施例において、本発明の半導体機器は、吸気フランジ913と排気フランジ914をさらに含み、両者内部には、処理空間140内の蒸着反応をより均一にさせるように、外部気体源に繋がり、プロセスガスを調製できる通気管が設けられる。一部の実施例において、上部カバー120は、圧着リング921を介して、上部カバー120とチャンバフレーム110とのシールストリップ919の気密性を強化させる。
【0094】
本発明が開示する半導体処理機器において、上部カバー120は、上部カバーの中間部にある透明な石英材料の窓と、前記窓を囲む不透明な石英材料の外縁とを含み、窓は円形と矩形のどちらかであってもよく、外縁は、シールリングを介してチャンバフレームに気密に接続される。耐圧ハウジング150の内部には熱交換システムがさらに設けられ、上部カバー120の温度を制御するための気体の流れの調整システムを含み、気体の流れの調整システムは、密閉空間160が低圧状態の時に気体の循環のために密閉空間160にフラッシュし、上部カバーと耐圧ハウジングとの熱交換を促進し、上部カバーの温度の制御を実現するためのヘリウム源を含んでもよく、ヘリウム源は、より小さい気体の圧力下で、より大きい熱交換効率を実現できる。好ましく、調圧装置170は、プロセス過程で、上部カバー120の上面に当たる気体の圧力を、処理空間140の圧力以上、下部カバー130の下面に当たる圧力未満にする。
【0095】
図10に示されるように、一部の実施例において、取り付けリング1017と圧着リング921を介して上部カバー120を取り付けた後、上部カバー120と取り付けリング1017はともにチャンバフレーム110に取り付けられ、数回のプロセス過程が行われた後、処理チャンバのメンテナンスが必要な場合、上部カバー120と取り付けリング1017を全体として取り下ろしたり取り付けたりすることができる。2つのコンポーネントを頻繁に分解および組み立てると、2つの部材を頻繁に着脱するため、両者の接触箇所に取り付けエラーが発生し、封止効果に影響を与え、また、2つの部材は異なる材料である場合、重ね合わせるプロセス過程で、さまざまな熱膨張係数の影響により、この取り付けエラーを悪化させる。本実施例において、毎回着脱した部材の取り付けリング1017とチャンバフレームは同じ材料であり、熱膨張が発生する際の互換性がより高く、長いプロセス過程での良好な密閉性を保持できる。
【0096】
本発明に記載の半導体処理機器の種類は限定されず、例えば、前記半導体処理機器は化学蒸着機器であってもよく、前記化学蒸着機器はまた複数の種類に分けられ、ここで限定されず、下記のように、前記化学蒸着機器の中の成長機器を例として詳しく説明する。
【0097】
図11に示されるように、本発明の気相エピタキシャル成長機器の構造概略図であり、プロセスガスを導入するための吸気口111と排気口112を備え、基板の表面にシリコン含有成長層を形成させ、吸気口111と排気口112に吸気フランジ913と排気フランジ914が組み立てられ、吸気フランジ913には、それぞれ第1プロセスガス1116、第2プロセスガス1117とパージガス1118に接続される複数の気体の流路が設けられてもよいチャンバフレーム110と、上部カバー120と下部カバー130であって、両者が対向して前記チャンバフレーム110の両側に設置され、上部カバー120がチャンバフレーム110に開けられた開口915の中に嵌め込まれ、且つ圧着リング921とシールストリップ919を通して上部カバー120とチャンバフレーム110の気密の接続を強化し、チャンバフレーム110、上部カバー120と下部カバー130は処理空間140を囲んで形成する上部カバーと下部カバーと、基板Wを載置するための処理空間140内にある台座990と、チャンバフレーム110に気密に接続され、且つ上部カバー120とチャンバフレーム110とともに密閉空間160を囲んで形成する耐圧ハウジング150と、プロセス過程で、密閉空間160の気体の圧力を調整することにより、上部カバー120の上面に当たる気体の圧力を、処理空間140の気体の圧力以上、下部カバー130の下面に当たる気体の圧力未満にし、上部カバー120の上面と上部カバー120の下面に当たる気体の圧力差を減少させるための調圧装置170と、放出する熱放射が上部カバー120を貫通して基板Wを加熱することができ、密閉空間160内にある加熱ランプグループ980と、を含む。
【0098】
本発明が開示するほかの気相エピタキシャル成長機器において、さらに熱交換システム1151を備えてもよく、それは、調圧装置170が密閉空間160内の気体の圧力を安定させた後、密閉空間160内の気体の循環を促進し、上部カバー120の温度を制御して、プロセスガスが上部カバー120の下面に蒸着されることを防止するように、耐圧ハウジング150に接続される外部の気体の流れの調整システムであってもよく、熱交換システム1151は、その中の気体の循環を強化するように、密閉空間160の内部に設けられるファンを含んでもよい。熱交換システム1151は、耐圧ハウジング150に移転した余分な熱を取り除くように、耐圧ハウジング150の内部にある冷却流体循環システムを含んでもよい。
【0099】
本発明が開示する半導体処理チャンバであって、半導体処理機器および気相エピタキシャル成長機器は、熱放射を透過させるための上部カバーの上方に耐圧ハウジングを設置することを通して、上部カバーの窓の上面を密閉空間内に位置させ、調圧装置を通して前記密閉空間内の気体の圧力を外部の大気圧未満に調整し、プロセス過程における上部カバーに当たる気体の圧力差を減らし、それにより、窓の熱放射透過率と透過の均一性を高めるようにより小さい厚さを備える上部カバーを有する窓を設計するか、或いは、処理空間内におけるプロセスガスの流れの安定性を高めるように、より小さいアーチ高の上部カバーを備える窓を設計することができる。処理空間内のプロセスガスの安定した流れと熱による基板の均一で効率的な加熱は、基板に薄膜を均一且つ迅速に成長させることにとって第一位の要因であり、本発明は、上部カバーの上面を耐圧ハウジングによって形成される密閉空間内に置くことを通して、前記外部大気圧と前記内部処理空間内の気体の圧力との間の遷移として、前記密閉空間内の気体の圧力を調整することにより、上部カバーの上下面が耐える圧力差を減らし、熱放射透過と気体の流れの調整の面で上部カバーの性能を向上させ、基板処理の均一性と安定性をさらに向上させる。
【0100】
以上、本発明の内容を上記好ましい実施例により詳細に説明したが、上記の記載は本発明の限定を考慮すべきではないことを認識すべきである。当業者が上記内容を読んだ後、本発明の様々な修正および置換は明らかである。 したがって、本発明の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定されるべきである。
【要約】 (修正有)
【課題】半導体処理分野におけるプロセスガスの均一性、赤外線透過率及び耐圧能力を改善する半導体処理チャンバ、半導体処理機器及び気相エピタキシャル成長機器を提供する。
【解決手段】半導体処理チャンバにおいて、主に、半導体のプロセス過程での基板Wの表面に対するより高い均一性のより高質な処理を実現するために、上部カバー120に対してより広範な改善を行い、さらに最適化した処理空間140を取得するように、処理チャンバの上部カバーを耐圧ハウジング150で覆い、且つ、密閉空間160を形成し、調圧装置170を利用して、密閉空間の気体の圧力を調整する。さらに、半導体処理チャンバの上部カバーの上下面に当たる気体の圧力を調整することを通して、上部カバーの構造の設計を最適化する。
【選択図】
図1-1