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特許7610692逆型地下駅の換気排煙システム、及びその換気排煙方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】逆型地下駅の換気排煙システム、及びその換気排煙方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/33 20180101AFI20241225BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20241225BHJP
   E21F 1/00 20060101ALI20241225BHJP
   B61B 1/00 20060101ALI20241225BHJP
   A62C 2/10 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
F24F11/33
F24F7/06 D
E21F1/00 Z
B61B1/00 Z
A62C2/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023208615
(22)【出願日】2023-12-11
(65)【公開番号】P2024087788
(43)【公開日】2024-07-01
【審査請求日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】202211635299.9
(32)【優先日】2022-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520463123
【氏名又は名称】中国安全生▲産▼科学研究院
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 建
(72)【発明者】
【氏名】史 聡霊
(72)【発明者】
【氏名】劉 国林
(72)【発明者】
【氏名】任 飛
(72)【発明者】
【氏名】何 理
(72)【発明者】
【氏名】銭 小東
(72)【発明者】
【氏名】胥 旋
(72)【発明者】
【氏名】石 杰紅
(72)【発明者】
【氏名】趙 晨
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-275607(JP,A)
【文献】特開平01-186467(JP,A)
【文献】実開平06-063700(JP,U)
【文献】特開2012-021753(JP,A)
【文献】米国特許第05834713(US,A)
【文献】特開2003-199839(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第114198128(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112983527(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112253207(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110295939(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108049905(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 - 11/89
F24F 7/00
F24F 7/04 - 7/06
E21F 1/00
B61B 1/00
A62C 2/10
A62B 13/00
A62C 2/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆型地下駅の換気排煙システムであって、
公共エリア用送風排煙サブシステムと放熱送風両用排煙サブシステムを含み、
前記公共エリア用送風排煙サブシステムは、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトと、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトと、第1送風排煙装置と、を含み、前記第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクト及び前記第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトは、それぞれ前記第1送風排煙装置に連通し、
前記放熱送風両用排煙サブシステムは、列車トップ排煙ベントダクトと、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトと、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトと、第2送風排煙装置と、を含み、前記列車トップ排煙ベントダクト、前記第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクト、及び前記第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトは、それぞれ前記第2送風排煙装置に連通する、
ことを特徴とする逆型地下駅の換気排煙システム。
【請求項2】
出入口通路用送風排煙サブシステムをさらに含み、
前記出入口通路用送風排煙サブシステムは、出入口通路用送風排煙ダクトと第3送風排煙装置を含み、前記出入口通路用送風排煙ダクトは前記第3送風排煙装置に連通する、
ことを特徴とする請求項1に記載の逆型地下駅の換気排煙システム。
【請求項3】
トンネル用送風排煙サブシステムをさらに含み、
前記トンネル用送風排煙サブシステムは、トンネル用送風排煙吹出口と第4送風排煙装置を含み、前記トンネル用送風排煙吹出口は前記第4送風排煙装置に連通する、
ことを特徴とする請求項1に記載の逆型地下駅の換気排煙システム。
【請求項4】
前記逆型地下駅の駅舎階に設けられ、絞り状態と展開状態を有する遮煙巻上カーテンをさらに含み、
火災が発生しない前記逆型地下駅では、前記遮煙巻上カーテンは絞り状態にあり、火災が発生した前記逆型地下駅では、前記遮煙巻上カーテンは展開状態にあり、前記遮煙巻上カーテンはエスカレータの左側、右側、及び後側を取り囲んで設けられ、前記エスカレータの前側のエスカレータ入口を露出させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の逆型地下駅の換気排煙システム。
【請求項5】
第1火災探知機と、第2火災探知機と、第3火災探知機と、をさらに含み、前記第1火災探知機は駅舎公共エリアに設けられ、前記第2火災探知機はホーム公共エリアに設けられ、前記第3火災探知機は駅舎トンネルに設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の逆型地下駅の換気排煙システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の逆型地下駅の換気排煙システムの排煙方法であって、
駅舎の公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアからの排煙を行い、出入口通路用送風排煙ダクトによって排煙を支援し、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアへの送風を行い、トンネル用送風排煙吹出口から駅舎トンネルへ送風し、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にする、又は
駅舎の公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアからの排煙を行い、出入口通路用送風排煙ダクトによって排煙を支援し、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアへの送風を行い、トンネル用送風排煙吹出口から駅舎トンネルへ送風し、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む、
ことを特徴とする逆型地下駅の換気排煙システムの排煙方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の逆型地下駅の換気排煙システムの排煙方法であって、
ホーム公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアへの送風を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にする、又は
ホーム公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアへの送風を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む、
ことを特徴とする逆型地下駅の換気排煙システムの排煙方法。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の逆型地下駅の換気排煙システムの排煙方法であって、
駅舎トンネルで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、列車トップ排煙ベントダクトを介して排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にする、又は
駅舎トンネルで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、列車トップ排煙ベントダクトを介して排煙を行い、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアへの送風を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む、
ことを特徴とする逆型地下駅の換気排煙システムの排煙方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道交通の技術分野に関し、特に逆型地下駅の換気排煙システム、及びその換気排煙方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地下駅は、駅舎階とホーム階を備えており、駅舎階は地下1階、ホーム階は地下2階にある。このうち、駅舎階は、乗客が室外から駅に入ることに用いられ、改札などの機能を実現し、ホーム階は、乗客のための待合エリアを提供し、駅トンネルはホームの両側に分布している。
【0003】
上記のような地下駅について、ホームで火災が発生した場合、駅公共エリアの排煙システムを起動させ、ホーム公共エリアからの排煙を行い、トンネル排煙システムを起動させて、ホームドアを開き、排煙を支援することが換気排煙と安全避難の設計原則である。人員の避難経路は、地下2階のホームから地下1階の駅舎、出入口を経て、駅外(地上)までとなる。人員の安全な避難を確保するため、ホームからの煙が駅舎に広がってはならないように、現行規格である『地下鉄設計規范』GB 50157-2013では、ホームで火災が発生した場合、ホームからの煙が駅舎に燃え広がるのを防ぐことのために、駅舎からホームに至るエスカレータの空気流速を1.5m/s以下にしてはならないことが明記されている。これにより、駅舎内で火災が発生した場合、ホームの換気排煙が停止され、駅公共エリアの排煙システムが起動され、駅公共エリアからの排煙が行われ、出入口から空気が自然に供給される。人員の避難経路は、地下2階のホームから地下1階の駅舎、駅外(地上)となる。駅舎内で火災が発生した場合の避難経路はホームで火災が発生した場合の避難経路と一致しているが、火災が駅舎で発生しているため、駅舎からホームまでのエスカレータの空気流速には1.5m/sという要件がない。
【0004】
実用化においては、上記の換気排煙方式は通常の地下駅の排煙にも適用可能であり、高い換気排煙効率を達成することができるが、地下鉄建設規模の急速な拡大に伴い、各種の特殊な駅形式が登場している。逆型地下駅はその中の1つである。逆型地下駅は、ホーム階と、駅舎階と、ホーム階に位置する駅トンネルとを含み、ホーム階は、駅舎階の上に位置し、ホーム階と駅舎階との間にエスカレータが設けられ、駅トンネルとホーム階のホームとの間にホームドアが設けられ、駅舎階には、地上に直接アクセスする出入口が設けられている。倒立式地下駅の安全な避難経路は従来の地下駅とは異なり、地下1階のホームから地下2階の駅舎、そして長い通路を通って駅外(地上)に至るようになるため、このような駅の換気排煙設計の要件は以下のように従来の駅と一致しない。具体的には、以下に示す。
駅舎で火災が発生した場合、駅舎公共エリアからの煙が上方のホームに広がることを防止するため、駅舎から駅舎のエスカレータまでの下向きの空気流速は1.5m/sを下回ってはならないが、駅舎には、通常、公共エリア用の排煙ファンしか設置されておらず、ホームには換気口がなく、駅舎の公共エリア用排煙ファンの吸引だけではエスカレータの下向きの風速である1.5m/sを確保することが困難である。
【0005】
ホームで火災が発生した場合、『地下鉄設計規范』GB 50157-2013によると、ホーム火災期間中、駅舎からホームまでのエスカレータの空気流速は1.5m/sを下回ってはならないが、駅舎の出入口が深く(地下2階に位置する)ため、空気供給が困難であるため、駅舎からホームまでのエスカレータの風速が1.5m/s以上であるという条件を満たすことが難しく、煙がホームから駅舎に広がる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の逆型地下駅では、火災が発生した場合に換気排煙が困難であるという課題を解決するために、逆型地下駅の換気排煙システム、及びその換気排煙方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、公共エリア用送風排煙サブシステムと放熱送風両用排煙サブシステムを含み、
前記公共エリア用送風排煙サブシステムは、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトと、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトと、第1送風排煙装置と、を含み、前記第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクト及び前記第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトは、それぞれ前記第1送風排煙装置に連通し、前記放熱送風両用排煙サブシステムは、列車トップ排煙ベントダクトと、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトと、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトと、第2送風排煙装置と、を含み、前記列車トップ排煙ベントダクト、前記第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクト、及び前記第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトは、それぞれ前記第2送風排煙装置に連通する、逆型地下駅の換気排煙システムを提供する。
【0008】
本発明による逆型地下駅の換気排煙システムによれば、出入口通路用送風排煙サブシステムをさらに含み、前記出入口通路用送風排煙サブシステムは、出入口通路用送風排煙ダクトと第3送風排煙装置を含み、前記出入口通路用送風排煙ダクトは前記第3送風排煙装置に連通する。
【0009】
本発明による逆型地下駅の換気排煙システムによれば、トンネル用送風排煙サブシステムをさらに含み、前記トンネル用送風排煙サブシステムはトンネル用送風排煙吹出口と第4送風排煙装置を含み、前記トンネル用送風排煙吹出口は前記第4送風排煙装置に連通する。
【0010】
本発明による逆型地下駅の換気排煙システムによれば、前記地下駅の駅舎階に設けられ、絞り状態と展開状態を有する遮煙巻上カーテンをさらに含み、
火災が発生しない前記逆型地下駅では、前記遮煙巻上カーテンは絞り状態にあり、火災が発生した前記逆型地下駅では、前記遮煙巻上カーテンは展開状態にあり、前記遮煙巻上カーテンは、エスカレータの左側、右側、及び後側を取り囲んで設けられ、前記エスカレータの前側のエスカレータ入口を露出させる。
【0011】
本発明による逆型地下駅の換気排煙システムによれば、第1火災探知機と、第2火災探知機と、第3火災探知機と、をさらに含み、前記第1火災探知機は駅舎公共エリアに設けられ、前記第2火災探知機はホーム公共エリアに設けられ、前記第3火災探知機は駅舎トンネルに設けられる。
【0012】
本発明はまた、
駅舎の公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアからの排煙を行い、出入口通路用送風排煙ダクトによって排煙を支援し、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアへの送風を行い、トンネル用送風排煙吹出口から駅舎トンネルへ送風し、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にする、又は、
駅舎の公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアからの排煙を行い、出入口通路用送風排煙ダクトによって排煙を支援し、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアへの送風を行い、トンネル用送風排煙吹出口から駅舎トンネルへ送風し、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む、上記のいずれか1項に記載の逆型地下駅の換気排煙システムの排煙方法を提供する。
【0013】
本発明はまた、
ホーム公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアへの送風を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にする、又は、
ホーム公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアへの送風を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む、上記のいずれか1項に記載の逆型地下駅の換気排煙システムの排煙方法を提供する。
【0014】
本発明はまた、
駅舎トンネルで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、列車トップ排煙ベントダクトを介して排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にする、又は
駅舎トンネルで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、列車トップ排煙ベントダクトを介して排煙を行い、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアへの送風を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む、上記のいずれか1項に記載の逆型地下駅の換気排煙システムの排煙方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明による逆型地下駅の換気排煙システム、及び方法では、逆型地下駅の具体的な構造に基づいて、公共エリア用送風排煙サブシステム及び放熱送風両用排煙サブシステムを配置することによって、換気排煙システムの設計を集約化し、また、駅舎公共エリアで火災が発生した場合、駅舎公共エリアからの排煙、ホーム公共エリアへの送風を選択的に行うことで、ホーム公共エリア、駅舎公共エリアから地上までの気流を安定して形成し、また、ホーム公共エリアで火災が発生した場合、駅舎公共エリアへの送風、ホーム公共エリアからの排煙を選択的に行うことで、地上、駅舎公共エリア、ホーム公共エリアから駅舎の外部環境までの気流を安定して形成することができ、それによって、逆型地下駅の火災時の換気排煙や駅舎内にいる人員の避難を容易にし、換気排煙パターンの多様化を図り、換気排煙効率を高く確保することができる。
本発明又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施例又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明する。以下の説明に記載された図面は本発明の一部の実施例であり、当業者にとっては、創造的な労力を払うことなく、これらの図面から他の図面を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による逆型地下駅の換気排煙システムの模式図である。
図2】本発明による駅舎階の上面模式図である。
図3】本発明による遮煙巻上カーテンが絞り状態にあるときの逆型地下駅の断面模式図である。
図4】本発明による遮煙巻上カーテンが展開状態にあるときの逆型地下駅の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下では、本発明の技術的解決手段について、本発明の図面を参照して明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わずに取得した他のすべての実施例は本発明の保護範囲に属する。
【0018】
以下、図1図4を参照して、本発明の逆型地下駅の換気排煙システム、及びその換気排煙方法について説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施例に示す逆型地下駅は、ホーム階2と、駅舎階1と、ホーム階2に位置する駅舎トンネル31及び駅舎トンネル32と、を含む。
【0020】
駅舎トンネル31及び駅舎トンネル32は、ホームの両側に設けられ、ホーム階2は駅舎階1の上側に位置し、ホーム階2と駅舎階1との間にエスカレータ51及びエスカレータ52が設けられ、駅舎トンネル31、駅舎トンネル32、及びホーム階2のホームのいずれの間にもホームドアが設けられ、駅舎階1には、地上に直接アクセスする出入口通路41、出入口通路42、出入口通路43、及び出入口通路44が設けられる。
【0021】
逆型地下駅で火災が発生した場合、人員の避難経路は、ホーム階2から駅舎階1、そして駅舎階1に連通する出入口通路を経て駅外や地上となる。
【0022】
上記の逆型地下駅の換気排煙及び安全な避難に関しては、本実施例の逆型地下駅の換気排煙システムは、公共エリア用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、及びトンネル用送風排煙サブシステムが設けられている。
【0023】
換気排煙機能を達成させるために、サブシステムごとに、送風排煙装置が装備されており、送風排煙装置は、送風排煙風路に設けられたサイレンサと、送風排煙ファンと、インターロックダンパーと、クタワと、を含み、サイレンサ、送風排煙ファン、インターロックダンパー、及びクタワは、送風排煙風路の延伸方向に順次設けられる。
【0024】
送風排煙ファンは、排煙のための正転と送風のための反転が可能であり、逆の場合も同様である。送風排煙ファンはインターロックダンパーと電気的にインターロックされる。つまり、送風排煙ファンが作動を停止すると、インターロックダンパーは閉じられ、送風排煙ファンが作動すると、インターロックダンパーは開かれる。
【0025】
なお、サブシステムによる機能によっては、送風排煙ファンは、共エリア用送風排煙ファン、放熱送風両用排煙ファン、トンネル用送風排煙ファン、及び出入口通路用送風排煙ファンを含んでもよい。
【0026】
このため、公共エリア用送風排煙ファンに配設されたインターロックダンパーは第1インターロックダンパー、放熱送風両用排煙ファンに配設されたインターロックダンパーは第2インターロックダンパー、トンネル用送風排煙ファンに配設されたインターロックダンパーは第3インターロックダンパー、出入口通路用送風排煙ファンに配設されたインターロックダンパーは第4インターロックダンパーである。
【0027】
また、本実施例に記載の換気排煙システムには、第1火災探知機、第2火災探知機、及び第3火災探知機がさらに設けられ、第1火災探知機は駅舎公共エリアに設けられ、第2火災探知機はホーム公共エリアに設けられ、第3火災探知機は駅舎トンネルに設けられ、第1火災探知機、第2火災探知機及び第3火災探知機はいずれも複数設けられてもよい。
【0028】
火災早期警告や換気排煙の制御の自動化を達成させるために、本実施例では、第1火災探知機、第2火災探知機、及び第3火災探知機は、それぞれ制御装置に接続されて、制御装置は、それぞれ、公共エリア用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、及びトンネル用送風排煙サブシステムに接続されてもよい。
【0029】
以下、図1図4を参照して、本実施例に示す公共エリア用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、及びトンネル用送風排煙サブシステムの逆型地下駅における配置構造について具体的に説明する。
【0030】
一例では、公共エリア用送風排煙サブシステムは、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトと、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトと、第1送風排煙装置と、を含み、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクト及び第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトは、それぞれ第1送風排煙装置に連通する。
【0031】
ここで、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトはホーム公共エリアのトップに設けられ、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトは駅舎公共エリアのトップに設けられる。
【0032】
図1に示すように、換気排煙効果を確保するために、公共エリア用送風排煙サブシステムは、第1公共エリア用送風排煙サブシステムと、第2公共エリア用送風排煙サブシステムと、を含み、この2つの公共エリア用送風排煙サブシステムは、それぞれ駅舎の両端に設けられる。
【0033】
第1公共エリア用送風排煙サブシステムは、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE7及びE8、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE1及びE2、並びに1番目の第1送風排煙装置を含む。第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE7及びE8は、ホーム公共エリアに近い第1端に設けられ、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE1及びE2は、駅舎公共エリアに近い第1端に設けられる。
【0034】
1番目の第1送風排煙装置は、送風排煙風路に設けられたサイレンサB1、公共エリア用送風排煙ファンA1、第1インターロックダンパーD1、及びクタワC1を含み、サイレンサB1、公共エリア用送風排煙ファンA1、第1インターロックダンパーD1、及びクタワC1は、送風排煙風路の延伸方向に順次設けられる。
【0035】
第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE7及びE8は、第3制御ダンパD17によって1番目の第1送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE1及びE2は、第1制御ダンパD13によって1番目の第1送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。
【0036】
第2公共エリア用送風排煙サブシステムは、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE9及びE10、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE3及びE4、並びに2番目の第1送風排煙装置を含む。第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE9及びE10は、ホーム公共エリアに近い第2端に設けられ、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE3及びE4は、駅舎公共エリアに近い第2端に設けられる。
【0037】
2番目の第1送風排煙装置は、送風排煙風路に設けられたサイレンサB2、公共エリア用送風排煙ファンA2、第1インターロックダンパーD2、及びクタワC2を含み、サイレンサB2、公共エリア用送風排煙ファンA2、第1インターロックダンパーD2、及びクタワC2は、送風排煙風路の延伸方向に順次設けられる。
【0038】
第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE9及びE10は、第3制御ダンパD18によって2番目の第1送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE3及びE4は、第1制御ダンパD14によって1番目の第1送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。
【0039】
一例では、放熱送風両用排煙サブシステムは、列車トップ排煙ベントダクト、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクト、及び第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクト、及び第2送風排煙装置を含み、列車トップ排煙ベントダクト、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクト、及び第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトは、それぞれ第2送風排煙装置に連通する。
【0040】
ここで、列車トップ排煙ベントダクトは、駅舎トンネルのトップに設けられ、列車トップ排煙ベントダクトは、主に列車が駅に接近する際に発生する熱を除去し、火災時にホームの排煙を行うのを支援するために使用される。第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトは、ホーム公共エリアのトップに設けられ、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトは、駅舎公共エリアのトップに設けられる。
【0041】
図1に示すように、換気排煙効果を確保するために、放熱送風両用排煙サブシステムは、第1放熱送風両用排煙サブシステムと第2放熱送風両用排煙サブシステムを含み、この2つの放熱送風両用排煙サブシステムは、それぞれ駅舎の両端に設けられる。
【0042】
通常ホームの両側に2つの駅舎トンネルが設けられるので、本実施例の第1放熱送風両用排煙サブシステムは、列車トップ排煙ベントダクトE13及びE15、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE11、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE5、及び1番目の第2送風排煙装置を含む。列車トップ排煙ベントダクトE15は、駅舎トンネル31に設けられ、ホーム公共エリアに近い第1端の位置に対向し、列車トップ排煙ベントダクトE13は、駅舎トンネル32に設けられ、ホーム公共エリアに近い第1端の位置に対向する。第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE11は、ホーム公共エリアに近い第1端に設けられ、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE5は、駅舎公共エリアに近い第1端に設けられる。
【0043】
1番目の第2送風排煙装置は、送風排煙風路に設けられたサイレンサB3、放熱送風両用排煙ファンA3、第2インターロックダンパーD3、及びクタワC3を含み、サイレンサB3、放熱送風両用排煙ファンA3、第2インターロックダンパーD3、及びクタワC3は、送風排煙風路の延伸方向に順次設けられる。
【0044】
列車トップ排煙ベントダクトE15は、第5制御ダンパD21によって1番目の第2送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。列車トップ排煙ベントダクトE13は、第5制御ダンパD23によって1番目の第2送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE11は、第4制御ダンパD19によって1番目の第2送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE5は、第2制御ダンパD15によって1番目の第2送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。
【0045】
このため、第2放熱送風両用排煙サブシステムは、列車トップ排煙ベントダクトE14及びE16、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE12、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE6、並びに2番目の第2送風排煙装置を含む。列車トップ排煙ベントダクトE16は、駅舎トンネル31に設けられ、ホーム公共エリアに近い第2端の位置に対向し、列車トップ排煙ベントダクトE14は、駅舎トンネル32に設けられ、ホーム公共エリアに近い第2端の位置に対向する。第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE12は、ホーム公共エリアに近い第2端に設けられ、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE6は、駅舎公共エリアに近い第2端に設けられる。
【0046】
2番目の第2送風排煙装置は、送風排煙風路に設けられたサイレンサB4、放熱送風両用排煙ファンA4、第2インターロックダンパーD4、及びクタワC4を含み、サイレンサB4、放熱送風両用排煙ファンA4、第2インターロックダンパーD4、及びクタワC4は、送風排煙風路の延伸方向に順次設けられる。
【0047】
列車トップ排煙ベントダクトE16は、第5制御ダンパD22によって2番目の第2送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。列車トップ排煙ベントダクトE14は、第5制御ダンパD24によって2番目の第2送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE12は、第4制御ダンパD20によって2番目の第2送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE6は、第2制御ダンパD16によって2番目の第2送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。
【0048】
一例では、出入口通路用送風排煙サブシステムは、出入口通路用送風排煙ダクトと第3送風排煙装置を含み、出入口通路用送風排煙ダクトは第3送風排煙装置に連通する。駅舎には、地上に直接アクセスする少なくとも2つの出入口通路が配置され、出入口通路ごとに、1つの出入口通路用送風排煙サブシステムが配置されている。
【0049】
図1に示すように、本実施例の駅舎には、地上に直接アクセスする4つの出入口通路が配設され、それによって、4つの出入口通路用送風排煙サブシステムは4つの出入口通路に1対1で対応して配設される。
【0050】
例えば、本実施例では、出入口通路41には、第1出入口通路用送風排煙サブシステムが配設され、第1出入口通路用送風排煙サブシステムは、出入口通路用送風排煙ダクトE17と1番目の第3送風排煙装置を含む。
【0051】
1番目の第3送風排煙装置は、送風排煙風路に設けられたサイレンサB9、出入口通路用送風排煙ファンA9、第4インターロックダンパーD9、及びクタワC9を含む。サイレンサB9、出入口通路用送風排煙ファンA9、第4インターロックダンパーD9、及びクタワC9は、送風排煙風路の延伸方向に順次配置される。
【0052】
出入口通路用送風排煙ダクトE17は、出入口通路41のトップに設けられ、出入口通路41の延伸方向に設けられる。出入口通路用送風排煙ダクトE17は、第6制御ダンパD25によって1番目の第3送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。
【0053】
また、本実施例では、出入口通路42には、第2出入口通路用送風排煙サブシステムが配設され、第2出入口通路用送風排煙サブシステムは、出入口通路42に沿って配置された出入口通路用送風排煙ダクトE18を含み、出入口通路用送風排煙ダクトE18は第6制御ダンパD26によって2番目の第3送風排煙装置に連通する。2番目の第3送風排煙装置は、送風排煙風路に設けられたサイレンサB10、出入口通路用送風排煙ファンA10、第4インターロックダンパーD10、及びクタワC10を含む。
【0054】
本実施例では、出入口通路43には、第3出入口通路用送風排煙サブシステムが配設され、第3出入口通路用送風排煙サブシステムは、出入口通路43に沿って配置された出入口通路用送風排煙ダクトE19を含み、出入口通路用送風排煙ダクトE19は、第6制御ダンパD27によって3番目の第3送風排煙装置に連通する。3番目の第3送風排煙装置は、送風排煙風路に設けられたサイレンサB11、出入口通路用送風排煙ファンA11、第4インターロックダンパーD11、及びクタワC11を含む。
【0055】
本実施例では、出入口通路44には、第4出入口通路用送風排煙サブシステムが配設され、第4出入口通路用送風排煙サブシステムは、出入口通路44に沿って配置された出入口通路用送風排煙ダクトE20を含み、出入口通路用送風排煙ダクトE20は第6制御ダンパD28によって4番目の第3送風排煙装置に連通する。4番目の第3送風排煙装置は、送風排煙風路に設けられたサイレンサB12、出入口通路用送風排煙ファンA12、第4インターロックダンパーD12、及びクタワC12を含む。
【0056】
一例では、トンネル用送風排煙サブシステムは、トンネル用送風排煙吹出口と第4送風排煙装置を含み、トンネル用送風排煙吹出口は第4送風排煙装置に連通する。
【0057】
図1に示すように、第1トンネル用送風排煙サブシステムの第4送風排煙装置は、トンネル用送風排煙吹出口F1と第4送風排煙装置を含み、トンネル用送風排煙吹出口F1は第4送風排煙装置に連通する。
【0058】
ここで、第4送風排煙装置は、送風排煙風路に設けられたサイレンサB5、トンネル用送風排煙ファンA5、第3インターロックダンパーD5、及びクタワC5を含み、サイレンサB5、トンネル用送風排煙ファンA5、第3インターロックダンパーD5、及びクタワC5は、送風排煙風路の延伸方向に順次設けられ、トンネル用送風排煙吹出口F1は第4送風排煙装置の送風排煙風路に連通する。
【0059】
ホームの両側に駅舎トンネル31及び駅舎トンネル32が設けられるので、本実施例では、この2つの駅舎トンネルについては、4つのトンネル用送風排煙サブシステムが設けられ、第1トンネル用送風排煙サブシステムのトンネル用送風排煙吹出口F1は駅舎トンネル31の第1端に設けられるようにしてもよい。
【0060】
このため、本実施例では、第2トンネル用送風排煙サブシステムのトンネル用送風排煙吹出口F2は駅舎トンネル31の第2端に設けられる。第2トンネル用送風排煙サブシステムは、送風排煙風路に沿って順次設けられた、トンネル用送風排煙吹出口F2、サイレンサB7、トンネル用送風排煙ファンA7、第3インターロックダンパーD7、及びクタワC7を含む。
【0061】
このため、本実施例では、第3トンネル用送風排煙サブシステムのトンネル用送風排煙吹出口F3は駅舎トンネル32の第1端に設けられる。第3トンネル用送風排煙サブシステムは、送風排煙風路に沿って順次設けられたトンネル用送風排煙吹出口F3、サイレンサB6、トンネル用送風排煙ファンA6、第3インターロックダンパーD6、及びクタワC6を含む。
【0062】
このため、本実施例では、第4トンネル用送風排煙サブシステムのトンネル用送風排煙吹出口F4は、駅舎トンネル32の第2端に設けられる。第4トンネル用送風排煙サブシステムは、送風排煙風路に沿って順次設けられたトンネル用送風排煙吹出口F4、サイレンサB8、トンネル用送風排煙ファンA8、第3インターロックダンパーD8、及びクタワC8を含む。
【0063】
いくつかの例では、本実施例の換気排煙システムには、地下駅の駅舎階に設けられ、かつエスカレータの近くに配置された遮煙巻上カーテンがさらに設けられる。
【0064】
図2図4に示すように、駅舎とホームの間にエスカレータ51及びエスカレータ52が設けられた場合、エスカレータ51の左側、右側、及び後側のそれぞれに遮煙巻上カーテン61、遮煙巻上カーテン62、及び遮煙巻上カーテン63が設けられる。エスカレータ52の左側、右側、及び後側のそれぞれに遮煙巻上カーテン64、遮煙巻上カーテン65、及び遮煙巻上カーテン66が設けられる。
【0065】
ここで、遮煙巻上カーテンは絞り状態と展開状態を有する。火災が発生しない逆型地下駅では、遮煙巻上カーテンは絞り状態にあり、駅舎階のトップに位置する。
【0066】
火災が発生した逆型地下駅では、遮煙巻上カーテンは展開状態にあり、遮煙巻上カーテンの上端は駅舎階のトップに位置し、遮煙巻上カーテンの下端は駅舎階の底部まで落ち、遮煙巻上カーテンの下端が駅舎階の底部に対応する地上に接触するように構成してもよく、それによって、遮煙巻上カーテンは、エスカレータの左側、右側、及び後側を取り囲んで、エスカレータの前側のエスカレータ入口を露出させ、それによって、駅舎内の気流がエスカレータに沿って流れるときの流速を確保し、ホームにいる人員がエスカレータを利用して駅舎へ迅速に避難するのに寄与する。
【0067】
以上から、本発明では、公共エリア用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、及びトンネル用送風排煙サブシステムが設けられ、これらのサブシステムがそれぞれ協力することによって、逆型地下駅の駅舎の公共エリアで火災が発生した場合、駅舎内の気流の流動方向を駅舎トンネル→ホーム公共エリア→駅舎公共エリア→出入口通路→地上のようにし、ホームから駅舎のエスカレータまで流速を1.5m/sよりも大きくすることができ、ホーム公共エリアで火災が発生した場合、駅舎内の気流の流動方向を地上→出入口通路→駅舎公共エリア→ホーム公共エリア→駅舎トンネルにし、ホームから駅舎のエスカレータまでの上向きの流速を1.5m/sよりも大きくすることができ、駅内にいる人員の安全な避難を確実にする。
【0068】
さらに、本発明は、駅舎の換気排煙システムの設計を集約化し、また、逆型地下駅で火災が発生した場合の換気排煙を容易にし、換気排煙パターンの多様化を図り、換気排煙効率を高く確保する。
【0069】
上記の実施例に示す逆型地下駅の換気排煙システムによれば、駅舎公共エリアで火災が発生した場合、本実施例では、駅舎公共エリアからの排煙、出入口通路の排煙、ホーム公共エリアへの送風、及び駅舎トンネルへの送風を行い、それによって、駅舎内の気流の流動方向を、駅舎トンネル→ホーム公共エリア→駅舎公共エリア→出入口通路→地上にすることができ、ホームから駅舎のエスカレータまでの気流の下向きの流速を1.5m/sよりも大きくする。
【0070】
第1例では、本実施例における駅舎公共エリア火災の排煙方法は、
駅舎の公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアからの排煙を行い、出入口通路用送風排煙ダクトによって排煙を支援し、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアへの送風を行い、トンネル用送風排煙吹出口から駅舎トンネルへ送風し、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む。
【0071】
図1に示すように、第1火災探知機によって探知した結果、駅舎公共エリアで火災が発生した場合、本実施例では、具体的には、以下のような排煙方法を採用してもよい。
【0072】
連動方式によって、公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2、並びに公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2に1対1で対応する第1インターロックダンパーD1及びD2を自動的に起動させ、第1制御ダンパD13及びD14を開いて、駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE1~E4を介して駅舎公共エリアからの排煙を行う。
【0073】
連動方式によって、出入口通路用送風排煙ファンA9~A12、及び出入口通路用送風排煙ファンA9~A12に1対1で対応する第4インターロックダンパーD9~D12のすべてを自動的に起動させ、第6制御ダンパD25~D28を開いて、出入口通路用送風排煙ダクトE17~E20を介して排煙を支援する。
【0074】
連動方式によって、放熱送風両用排煙ファンA3及びA4、並びに放熱送風両用排煙ファンA3及びA4に1対1で対応する第2インターロックダンパーD3及びD4を自動的に起動させ、第4制御ダンパD19及びD20を開いて、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE11及びE12を介してホーム公共エリアへの送風を行う。
【0075】
連動方式によって、トンネル用送風排煙ファンA5~A8、及びトンネル用送風排煙ファンA5~A8に1対1で対応する第3インターロックダンパーD5~D8を自動的に起動させ、トンネル用送風排煙ファン吹出口F1~F4を介して駅舎トンネルへの送風を行い、駅舎トンネル内の空気がホームドアの間の隙間を介してホーム公共エリアに入るようにし、それによって、ホーム公共エリアの気圧を正圧状態に確保する。
【0076】
連動方式によって、第2制御ダンパD15及びD16、第3制御ダンパD17及びD18、第5制御ダンパD21~D24を自動的に閉じる。
【0077】
連動方式によって、遮煙巻上カーテン61~66が展開状態になるように自動的に制御し、エスカレータ51及びエスカレータ52のうち前側にあるエスカレータ入口だけを露出させ、それによって、ホーム公共エリア内の空気がエスカレータ51及びエスカレータ52の延伸方向に沿って下向きに駅舎公共エリアに流動することを確保し、流速が1.5m/sを上回る気流の流れ場が安定的に形成される。
【0078】
第2例では、本実施例の駅舎公共エリア火災の排煙方法は、
駅舎の公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアからの排煙を行い、出入口通路用送風排煙ダクトによって排煙を支援し、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアへの送風を行い、トンネル用送風排煙吹出口から駅舎トンネルへ送風し、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む。
【0079】
図1に示すように、第1火災探知機によって探知した結果、駅舎公共エリアで火災が発生した場合、本実施例では、具体的には、以下の排煙方法を採用してもよい。
【0080】
連動方式によって、放熱送風両用排煙ファンA3及びA4、並びに放熱送風両用排煙ファンA3及びA4に1対1で対応する第2インターロックダンパーD3及びD4を自動的に起動させ、第2制御ダンパD15及びD16を開いて、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE5及びE6を介して駅舎公共エリアからの排煙を行う。
【0081】
連動方式によって、出入口通路用送風排煙ファンA9~A12、及び出入口通路用送風排煙ファンA9~A12に1対1で対応する第4インターロックダンパーD9~D12のすべてを自動的に起動させ、第6制御ダンパD25~D28を開いて、出入口通路用送風排煙ダクトE17~E20を介して排煙を支援する。
【0082】
連動方式によって、公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2、並びに公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2に1対1で対応する第1インターロックダンパーD1及びD2を自動的に起動させ、第3制御ダンパD17及びD18を開いて、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE7~E10を介してホーム公共エリアへの送風を行う。
【0083】
連動方式によって、トンネル用送風排煙ファンA5~A8、及びトンネル用送風排煙ファンA5~A8に1対1で対応する第3インターロックダンパーD5~D8を自動的に起動させ、トンネル用送風排煙ファン吹出口F1~F4を介して駅舎トンネルへの送風を行い、駅舎トンネル内の空気がホームドアの間の隙間を介してホーム公共エリアに入るようにし、それによって、ホーム公共エリアの気圧を正圧状態に確保する。
【0084】
連動方式によって、第1制御ダンパD13及びD14、第4制御ダンパD19及びD20、第5制御ダンパD21~D24を自動的に閉じる。
【0085】
連動方式によって、遮煙巻上カーテン61~66が展開状態になるように自動的に制御し、エスカレータ51及びエスカレータ52のうち前側にあるエスカレータ入口だけを露出させ、それによって、ホーム公共エリア内の空気がエスカレータ51及びエスカレータ52の延伸方向に沿って下向きに駅舎公共エリアに流動することを確保し、流速が1.5m/sを上回る気流の流れ場が安定的に形成される。
【0086】
上記の実施例に示す逆型地下駅の換気排煙システムによれば、ホーム公共エリアで火災が発生した場合、本実施例では、ホーム公共エリアからの排煙、駅舎公共エリアへの送風、出入口通路への送風、及び駅舎トンネルからの排煙を行い、駅舎内の気流の流動方向を、地上→出入口通路→駅舎公共エリア→ホーム公共エリア→駅舎トンネルにすることができ、駅舎からホームのエスカレータまでの気流の上向きの流速を1.5m/sよりも大きくすることができる。
【0087】
第1例では、本実施例のホーム公共エリア火災の排煙方法は、
ホーム公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアへの送風を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む。
【0088】
図1に示すように、第2火災探知機によって探知した結果、ホーム公共エリアで火災が発生した場合、本実施例では、具体的には、以下の排煙方法を採用してもよい。
【0089】
連動方式によって、放熱送風両用排煙ファンA3及びA4、並びに放熱送風両用排煙ファンA3及びA4に1対1で対応する第2インターロックダンパーを自動的に起動させ、第4制御ダンパD19及びD20を開いて、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE11及びE12を介してホーム公共エリアからの排煙を行う。
【0090】
連動方式によって、トンネル用送風排煙ファンA5~A8、及びトンネル用送風排煙ファンA5~A8に1対1で対応する第3インターロックダンパーD5~D8を自動的に起動させ、トンネル用送風排煙ファン吹出口F1~F4を介して排煙を支援し、それによって、ホーム公共エリア内の煙がホームドアの間の隙間を介して駅舎トンネル内に入ってから、トンネル用送風排煙ファンA5~A8の作用により駅舎トンネルの外に排出される。
【0091】
連動方式によって、公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2、並びに公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2に1対1で対応する第1インターロックダンパーD1及びD2を自動的に起動させ、第1制御ダンパD13及びD14を開いて、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE1~E4を介して駅舎公共エリアへの送風を行う。
【0092】
連動方式によって、出入口通路用送風排煙ファンA9~A12、及び出入口通路用送風排煙ファンA9~A12に1対1で対応する第4インターロックダンパーD9~D12のすべてを自動的に起動させ、第6制御ダンパD25~D28を開いて、出入口通路用送風排煙ダクトE17~E20を介して空気供給を行う。
【0093】
連動方式によって、第3制御ダンパD17及びD18、第2制御ダンパD15及びD16、第5制御ダンパD21~D24を自動的に閉じる。
【0094】
連動方式によって、遮煙巻上カーテン61~66が展開状態になるように自動的に制御し、エスカレータ51及びエスカレータ52のうち前側にあるエスカレータ入口だけを露出させ、それによって、駅舎公共エリア内の空気がエスカレータ51及びエスカレータ52の延伸方向に沿って上向きにホーム公共エリアに流動することを確保し、流速が1.5m/sを上回る気流の流れ場が安定的に形成される。
【0095】
第2例では、本実施例のホーム公共エリア火災の排煙方法は、
ホーム公共エリアで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアへの送風を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む。
【0096】
図1に示すように、第2火災探知機によって探知した結果、ホーム公共エリアで火災が発生した場合、本実施例では、具体的には、以下の排煙方法を採用してもよい。
【0097】
連動方式によって、公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2、並びに公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2に1対1で対応する第1インターロックダンパーD1及びD2を自動的に起動させ、第3制御ダンパD17及びD18を開いて、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE7~E10を介してホーム公共エリアからの排煙を行う。
【0098】
連動方式によって、トンネル用送風排煙ファンA5~A8、及びトンネル用送風排煙ファンA5~A8に1対1で対応する第3インターロックダンパーD5~D8を自動的に起動させ、トンネル用送風排煙ファン吹出口F1~F4を介して排煙を支援し、それによって、ホーム公共エリア内の煙がホームドアの間の隙間を介して駅舎トンネル内に入ってから、トンネル用送風排煙ファンA5~A8の作用により駅舎トンネルの外に排出される。
【0099】
連動方式によって、放熱送風両用排煙ファンA3及びA4、並びに放熱送風両用排煙ファンA3及びA4に1対1で対応する第2インターロックダンパーD3及びD4を自動的に起動させ、第2制御ダンパD15及びD16を開いて、第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE5及びE6を介して駅舎公共エリアへの送風を行う。
【0100】
連動方式によって、出入口通路用送風排煙ファンA9~A12、及び出入口通路用送風排煙ファンA9~A12に1対1で対応する第4インターロックダンパーD9~D12のすべてを自動的に起動させ、第6制御ダンパD25~D28を開いて、出入口通路用送風排煙ダクトE17~E20を介して空気供給を行う。
【0101】
連動方式によって、第1制御ダンパD13及びD14、第4制御ダンパD19及びD20、第5制御ダンパD21~D24を自動的に閉じる。
【0102】
連動方式によって、遮煙巻上カーテン61~66が展開状態になるように制御し、エスカレータ51及びエスカレータ52のうち前側にあるエスカレータ入口だけを露出させ、それによって、駅舎公共エリア内の空気がエスカレータ51及びエスカレータ52の延伸方向に沿って上向きにホーム公共エリアに流動することを確保し、流速が1.5m/sを上回る気流の流れ場が安定的に形成される。
【0103】
上記の実施例に示す逆型地下駅の換気排煙システムによれば、駅舎トンネルで火災が発生した場合、本実施例では、駅舎トンネルからの排煙、ホーム公共エリアからの排煙、駅舎公共エリアへの送風、及び出入口通路への送風を行い、駅舎内の気流の流動方向を地上→出入口通路→駅舎公共エリア→ホーム公共エリア→駅舎トンネルにすることができる。
【0104】
このような作業条件では、一般的には、ホームから駅舎のエスカレータまでの気流の上向きの流速が1.5m/sを上回ることが必ず要求されるものではない。
【0105】
第1例では、本実施例の駅舎トンネル火災の排煙方法は、
駅舎トンネルで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、列車トップ排煙ベントダクトを介して排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む。
【0106】
図1に示すように、第3火災探知機によって探知した結果、駅舎トンネル31で火災が発生した場合、本実施例では、具体的には、以下の排煙方法を採用してもよい。
【0107】
連動方式によって、放熱送風両用排煙ファンA3及びA4、並びに放熱送風両用排煙ファンA3及びA4に1対1で対応する第2インターロックダンパーD3及びD4を自動的に起動させ、第5制御ダンパD21及びD22を開いて、列車トップ排煙ベントダクトE15及びE16を介して排煙を行う。
【0108】
連動方式によって、トンネル用送風排煙ファンA5及びA7、並びにトンネル用送風排煙ファンA5及びA7に1対1で対応するD5及びD7を自動的に起動させ、トンネル用送風排煙吹出口F1及びF2によって排煙を支援する。
【0109】
ここでは、乘客の避難のためにホームドアを開いて、煙が駅舎トンネルからホーム公共エリアに広がる可能性を考慮して、連動方式によって、公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2、並びに公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2に1対1で対応する第1インターロックダンパーD1及びD2を自動的に起動させ、第3制御ダンパD17及びD18を開いて、第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE7~E10を介してホーム公共エリアからの排煙を行う。
【0110】
連動方式によって、出入口通路用送風排煙ファンA9~A12、及び出入口通路用送風排煙ファンA9~A12に1対1で対応する第4インターロックダンパーD9~D12のすべてを自動的に起動させ、第6制御ダンパD25~D28を開いて、出入口通路用送風排煙ダクトE17~E20を介して空気供給を行う。
【0111】
連動方式によって、トンネル用送風排煙ファンA6及びA8、並びにトンネル用送風排煙ファンA6及びA8に1対1で対応する第3インターロックダンパーD6及びD8を自動的に閉じる。
【0112】
連動方式によって、第1制御ダンパD13及びD14、第4制御ダンパD19及びD20、第2制御ダンパD15及びD16、第5制御ダンパD23~D24を自動的に閉じる。
【0113】
連動方式によって、遮煙巻上カーテン61~66が展開状態になるように制御し、エスカレータ51及びエスカレータ52のうち前側にあるエスカレータ入口だけを露出させ、それによって、駅舎公共エリア内の空気がエスカレータ51及びエスカレータ52の延伸方向に沿って上向きにホーム公共エリアに流動することを確保し、駅舎内にいる人員の避難を容易にする。
【0114】
第2例では、本実施例の駅舎トンネル火災の排煙方法は、
駅舎トンネルで火災が発生した場合、公共エリア用送風排煙サブシステム、出入口通路用送風排煙サブシステム、放熱送風両用排煙サブシステム及びトンネル用送風排煙サブシステムを制御して起動させ、列車トップ排煙ベントダクトを介して排煙を行い、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトを介してホーム公共エリアからの排煙を行い、トンネル用送風排煙吹出口によって排煙を支援し、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトを介して駅舎公共エリアへの送風を行い、出入口通路用送風排煙ダクトを介して空気供給を行い、また、遮煙巻上カーテンを展開状態にすることを含む。
【0115】
図1に示すように、第3火災探知機によって探知した結果、駅舎トンネル31で火災が発生した場合、本実施例では、具体的には、以下の排煙方法を採用してもよい。
【0116】
連動方式によって、放熱送風両用排煙ファンA3及びA4、並びに放熱送風両用排煙ファンA3及びA4に1対1で対応する第2インターロックダンパーD3及びD4を自動的に起動させ、第5制御ダンパD21及びD22を開いて、列車トップ排煙ベントダクトE15及びE16を介して排煙を行い、第4制御ダンパD19及びD20を開いて、第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクトE11及びE12を介してホーム公共エリアからの排煙を行う。
【0117】
連動方式によって、トンネル用送風排煙ファンA5及びA7、並びにトンネル用送風排煙ファンA5及びA7に1対1で対応する第3インターロックダンパーD5及びD7を自動的に起動させ、トンネル用送風排煙吹出口F1及びF2によって排煙を支援する。
【0118】
連動方式によって、公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2、並びに公共エリア用送風排煙ファンA1及びA2に1対1で対応する第1インターロックダンパーD1及びD2を自動的に起動させ、第1制御ダンパD13及びD14を開いて、第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクトE1~E4を介して駅舎公共エリアへの送風を行う。
【0119】
連動方式によって、出入口通路用送風排煙ファンA9~A12、及び出入口通路用送風排煙ファンA9~A12に1対1で対応する第4インターロックダンパーD9~D12のすべてを自動的に起動させ、第6制御ダンパD25~D28を開いて、出入口通路用送風排煙ダクトE17~E20を介して空気供給を行う。
【0120】
連動方式によって、トンネル用送風排煙ファンA6及びA8、並びにトンネル用送風排煙ファンA6及びA8に1対1で対応する第3インターロックダンパーD6及びD8を自動的に閉じる。
【0121】
連動方式によって、第3制御ダンパD17及びD18、第2制御ダンパD15及びD16、第5制御ダンパD23~D24を自動的に閉じる。
【0122】
連動方式によって、遮煙巻上カーテン61~66が展開状態になるように自動的に制御し、エスカレータ51及びエスカレータ52のうち前側にあるエスカレータ入口だけを露出させ、それによって、駅舎公共エリア内の空気がエスカレータ51及びエスカレータ52の延伸方向に沿って上向きにホーム公共エリアに流動することを確保し、駅舎内にいる人員の避難を容易にする。
【0123】
なお、上記の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためにのみ使用され、それを限定するものではない。前述の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、前述の各実施例に記載された技術的解決手段を修正したり、その一部の技術的特徴を同等に置き換えたりすることができることを理解すべきである。これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0124】
1 駅舎階
2 ホーム階
31~32 駅舎トンネル
41~44 出入口通路
51~52 エスカレータ
61~66 遮煙巻上カーテン
A1~A2 公共エリア用送風排煙ファン
A3~A4 放熱送風両用排煙ファン
A5~A8 トンネル用送風排煙ファン
A9~A12 出入口通路用送風排煙ファン
B1~B12 サイレンサ
C1~C12 クタワ
D1~D2 第1インターロックダンパー
D3~D4 第2インターロックダンパー
D5~D8 第3インターロックダンパー
D9~D12 第4インターロックダンパー
D13~D14 第1制御ダンパ
D15~D16 第2制御ダンパ
D17~D18 第3制御ダンパ
D19~D20 第4制御ダンパ
D21~D24 第5制御ダンパ
D25~D28 第6制御ダンパ
E1~E4 第1駅舎公共エリア用送風排煙ダクト
E5~E6 第2駅舎公共エリア用送風排煙ダクト
E7~E10 第1ホーム公共エリア用送風排煙ダクト
E11~E12 第2ホーム公共エリア用送風排煙ダクト
E13~E16 列車トップ排煙ベントダクト
E17~E20 出入口通路用送風排煙ダクト
F1~F4 トンネル用送風排煙吹出口
図1
図2
図3
図4