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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/38 20200101AFI20241225BHJP
   D06F 34/26 20200101ALI20241225BHJP
【FI】
D06F58/38
D06F34/26
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023211777
(22)【出願日】2023-12-15
(62)【分割の表示】P 2022098884の分割
【原出願日】2022-06-20
(65)【公開番号】P2024015520
(43)【公開日】2024-02-02
【審査請求日】2023-12-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】内山 具典
(72)【発明者】
【氏名】神沢 和則
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 啓太
(72)【発明者】
【氏名】磯永 賢
(72)【発明者】
【氏名】濱野 風海
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-86422(JP,A)
【文献】特開2013-126493(JP,A)
【文献】特開2004-350984(JP,A)
【文献】特許第7407866(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F58/00-58/52
D06F34/00-34/34
D06F33/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
排気口及び給気口を有し、前記本体の内部に設けられ衣類が収容される収容槽と、
前記排気口と前記給気口とを繋ぐ循環風路と、
前記循環風路を流れる空気を加熱して温風を生成する加熱装置と、
前記循環風路と前記循環風路の外部とを連通する外気導入路と、
前記本体が設置されている雰囲気温度を検出する温度検出部と、
前記加熱装置を駆動させて前記収容槽内の衣類を乾燥させる乾燥運転を実行可能な制御装置と、
前記循環風路内を除湿する除湿機構と、を備え、
前記循環風路内を流れる空気の少なくとも一部は、前記本体の内部に排出されるように構成されており、
前記制御装置は、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が第2閾値未満である場合に前記除湿機構による除湿を行わず、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が前記第2閾値以上である場合に前記除湿機構による除湿を行う、
衣類処理装置。
【請求項2】
本体と、
排気口及び給気口を有し、前記本体の内部に設けられ衣類が収容される収容槽と、
前記排気口と前記給気口とを繋ぐ循環風路と、
前記循環風路を流れる空気を加熱して温風を生成する加熱装置と、
前記循環風路と前記循環風路の外部とを連通する外気導入路と、
前記本体が設置されている雰囲気温度を検出する温度検出部と、
前記加熱装置を駆動させて前記収容槽内の衣類を乾燥させる乾燥運転を実行可能な制御装置と、
前記加熱装置によって生成された温風を前記収容槽に送風する送風装置と、を備え、
前記循環風路内を流れる空気の少なくとも一部は、前記本体の内部に排出されるように構成されており、
前記制御装置は、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が第1閾値未満である場合に、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が前記第1閾値以上である場合よりも前記送風装置の入力を小さくして前記送風装置からの送風量を低下させる、
衣類処理装置。
【請求項3】
本体と、
排気口及び給気口を有し、前記本体の内部に設けられ衣類が収容される収容槽と、
前記排気口と前記給気口とを繋ぐ循環風路と、
前記循環風路を流れる空気を加熱して温風を生成する加熱装置と、
前記循環風路と前記循環風路の外部とを連通する外気導入路と、
前記本体が設置されている雰囲気温度を検出する温度検出部と、
前記加熱装置を駆動させて前記収容槽内の衣類を乾燥させる乾燥運転を実行可能な制御装置と、を備え、
前記循環風路内を流れる空気の少なくとも一部は、前記本体の内部に排出されるように構成されており、
前記制御装置は、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が第1閾値未満である場合に、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が前記第1閾値以上である場合よりも前記加熱装置の入力を小さくして前記加熱装置によって生成される前記温風の温度を低下させる、
衣類処理装置。
【請求項4】
前記外気導入路を開閉する開閉装置と、を更に備え、
前記制御装置は、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が前記第2閾値より高い1閾値未満である場合に前記外気導入路を開放する期間を、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が前記第1閾値以上である場合に前記外気導入路を開放する期間よりも長くする、
請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記外気導入路を開閉する開閉装置と、を更に備え、
前記制御装置は、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が前記第1閾値未満である場合に前記外気導入路を開放する期間を、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が前記第1閾値以上である場合に前記外気導入路を開放する期間よりも長くする、
請求項2又は3に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衣類処理装置の一例である洗濯乾燥機においては、乾燥工程において、ヒータと機体外に通じた乾燥用送風機とを通電して、機体外から機体内に取り込んだ空気を温風にして内槽に供給する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-305293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来構成では、乾燥運転において、外気を機内に取り入れる期間を長くすることで、機内外の温度差を最小限にして、例えば洗濯乾燥機が設置された室内の結露の発生を抑えることができる。一方、外気を機内に取り入れる期間を長くすると、温風の加熱効率が低下し、衣類の乾燥効率が低下する結果、乾燥時間が長くなってしまう。
【0005】
そこで、乾燥運転における乾燥効率と結露の発生の抑制の両立を図った衣類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の衣類処理装置は、本体と、排気口及び給気口を有し、前記本体の内部に設けられ衣類が収容される収容槽と、前記排気口と前記給気口を繋ぐ循環風路と、前記循環風路を流れる空気を加熱して温風を生成する加熱装置と、前記本体が設置されている雰囲気温度を検出する温度検出部と、前記加熱装置及び前記開閉装置を駆動させて前記収容槽内の衣類を乾燥させる乾燥運転を実行可能な制御装置と、前記循環風路内を除湿する除湿機構と、を備え、前記制御装置は、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が第2閾値未満である場合に、前記除湿機構による除湿を行わず、前記温度検出部が検出した前記加熱装置を駆動させる前の前記雰囲気温度が前記第2閾値以上である場合に、前記除湿機構による除湿を行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による洗濯乾燥機の概略構成の一例を示すもので、開閉装置が動作していない状態を示す図
図2】第1実施形態による洗濯乾燥機の概略構成の一例を示すもので、開閉装置が動作している状態を示す図
図3】第1実施形態による洗濯乾燥機の電気的構成の一例を示すブロック図
図4】第1実施形態による室温センサが検出した温度が第1閾値以上である場合の制御内容の一例を示すフローチャート
図5】第1実施形態による室温センサが検出した温度が第1閾値未満である場合の制御内容の一例を示すフローチャート
図6】第2実施形態による室温センサが検出した温度が第1閾値未満である場合の制御内容の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、複数の実施形態による衣類処理装置について、図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、以下の実施形態において、構成要素等に付された第1、第2、・・・との語句は、類似した構成要素を単に区別するためのものであり、構成要素間の優劣や時間的要素を意味するものではない。
【0009】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
図1に示す洗濯乾燥機10は、衣類に対して洗い、すすぎ、脱水、乾燥等の処理を施すことができる衣類処理装置の一例である。また、洗濯乾燥機10は、回転槽の回転中心軸が鉛直方向に向いた、いわゆる縦軸型の洗濯乾燥機である。なお、詳細は図示しないが、本実施形態の衣類処理装置は、例えば横軸又は斜め軸型のドラム式の洗濯乾燥機にも適用できる。また、本実施形態の衣類処理装置は、洗濯機能を備えていない乾燥専用の乾燥機にも適用できる。
【0010】
図1に示す洗濯乾燥機10は、本体11、外槽12、回転槽13、モータ14、排水機構15、及び循環風路20を備えている。なお、図1において、洗濯乾燥機10の設置面側つまり鉛直下側を洗濯乾燥機10の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を洗濯乾燥機10の上側とする。本体11は、例えばステンレス鋼板等の金属又は樹脂材等の組合せによって中空箱状に形成されており、洗濯乾燥機10の外郭を構成している。本体11は、その内部に外槽12、回転槽13、モータ14、排水機構15、室温センサ61、外槽温度センサ62、及び循環風路20を収容する。
【0011】
外槽12及び回転槽13は、上側が開口した有底円筒状に形成されている。外槽12は、内部に水を貯留可能である。この場合、外槽12は、水槽として機能する。外槽12は、図1に示すように、排気口121及び給気口122を有している。排気口121及び給気口122は、外槽12の内部と外部とを連通している。排気口121は、例えば外槽12の筒状部を構成する周壁の底部寄りの位置に設けられている。給気口122は、例えば外槽12の上部に設けられている。
【0012】
回転槽13は、外槽12の内部に回転可能に配置されておりモータ14によって回転駆動される。回転槽13は、内部に衣類を収容可能である。外槽12及び回転槽13は、衣類を収容可能な収容槽として機能する。この場合、収容槽を構成する外槽12及び回転槽13は、衣類の洗濯を行う洗濯運転時には洗濯槽として機能し、衣類の乾燥を行う乾燥運転時には乾燥室として機能する。モータ14は、例えば外槽12の底部外側に設けられている。モータ14は、例えばアウタロータ型のDCブラシレスモータで構成されている。モータ14は、回転槽13に接続されており、回転槽13を外槽12に対して相対的に回転駆動させる機能を有する。
【0013】
また、回転槽13は、図1に示すように、複数の孔131及び撹拌翼132を有している。孔131は、回転槽13の内部と外部とを連通している。孔は、洗濯運転時には、主に水が出入りする通水孔として機能し、乾燥運転時には主に空気が出入りする通風孔として機能する。撹拌翼132は、回転槽13の内底部に鉛直軸まわりに回転可能に設けられている。撹拌翼132は、モータ14と接続されておりモータ14によって回転駆動される。また、撹拌翼132は、裏側に水をかき上げる羽根部材を有しており、回転槽13と外槽12との間に設けられた図示しない循環水路を通して外槽12内の水を循環させる機能を有する。
【0014】
排水機構15は、外槽12内に貯留されている水を洗濯乾燥機10の機外へ排出する機能を有する。排水機構15は、図1に示すように、排水弁151及び排水管152を有している。排水弁151は、電磁的に開閉動作が可能な液体用の開閉弁である。排水管152は、例えば可撓性を有するホースで構成されており、一方の端部が排水弁151に接続され、他方の端部が洗濯乾燥機10の機外に引き出されている。排水弁151が開放されると、外槽12内に貯留されていた水は、排水管152を通して洗濯乾燥機10の機外へ排出される。また、洗濯乾燥機10は、詳細は図示しないが、給水機構を備えている。給水機構は、例えば水道等の外部の水源に接続されて、外部の水源から供給された水を外槽12内へ供給する機能を有する。図3に示すように、給水機構は、例えば給水弁16や図示しない注水ケース等を含んで構成されている。
【0015】
循環風路20は、収容槽である外槽12及び回転槽13の外部に設けられており、外槽12及び回転槽13から流出した空気の少なくとも一部を循環可能に構成されている。循環風路20は、図1等に示すように、排気口121と給気口122とを繋いでいる。以下の説明では、循環風路20のうち排気口121を循環風路20の最上流部とし、循環風路20のうち給気口122を循環風路20の最下流部として説明する。この場合、排気口121は、循環風路20の入口を意味し、給気口122は、循環風路20の出口を意味する。
【0016】
図1等に示すように、本実施形態では、循環風路20は、その途中で本体11内に開放されている。この場合、循環風路20は、排気ダクト21、収容室22、及び給気ダクト23を含んで構成されている。排気ダクト21は、例えば外槽12の外周面に設けられており、上下方向に延びている。排気ダクト21は、一方の端部つまり上流側が外槽12の排気口121に接続されており、他方の端部つまり下流側が本体11内に開放されている。
【0017】
収容室22は、内部に空間を有する形状に形成されている。収容室22は、図1及び図2に示すように、複数この場合3つの入口部221、222、223及び出口部224を有している。入口部221、222、223及び出口部224は、例えば収容室22を厚み方向に貫通して形成されており、収容室22の内部と外部とを連通する。入口部221、222、223は、収容室22外部から収容室22内部への空気の入口となり、一方、出口部224は、収容室22内部から収容室22外部への空気の出口となる。
【0018】
この場合、収容室22の上流側に位置する複数の入口部221、222、223のうち少なくとも一部の入口部221は、排気ダクト21の他方の端部の近傍に位置している。つまり、排気ダクト21と収容室22とは、物理的に接続しておらず、互いに離れている。また、収容室22の下流側に位置する出口部224は、給気ダクト23に接続されている。そして、給気ダクト23は、一方の端部つまり上流側が収容室22の出口部224に接続されており、他方の端部つまり下流側が外槽12に接続されている。つまり、給気ダクト23は、収容室22と外槽12とを接続している。以下の説明において、入口部221を第1入口部221と称し、入口部222を第2入口部222と称し、入口部223を第3入口部223と称する場合がある。
【0019】
洗濯乾燥機10は、フィルタ装置31、送風装置32、加熱装置33、外気導入路40、及び開閉装置41を備えている。フィルタ装置31、送風装置32、及び加熱装置33は、循環風路20内に設けられている。フィルタ装置31は、循環風路20内を流れる空気に含まれるほこりやゴミ等の異物を捕集する。フィルタ装置31は、例えば第1フィルタ部材311及び第2フィルタ部材312を有している。図1等に示すように、第1フィルタ部材311は、例えば排気ダクト21の内部であって、排気ダクト21の下流端部付近に設けられている。第2フィルタ部材312は、例えば収容室22の内部であって、各入口部221、222、223の下流側に設けられている。第1フィルタ部材311は、外槽12から排出された空気に含まれる異物を捕集する。第2フィルタ部材312は、収容室22に進入した空気に含まれる異物を捕集する。
【0020】
送風装置32及び加熱装置33は、収容室22内部に設けられている。送風装置32は、例えばシロッコファンやターボファン等によって構成されている。送風装置32は、各入口部221、222、223を通して収容室22内部に空気を吸い込んで、その吸い込んだ空気を給気ダクト23側へ送る。加熱装置33は、送風装置32の下流側に位置しており、循環風路20を流れる空気を加熱して温風にする機能を有する。加熱装置33は、例えば電気ヒータの一例であるPTCヒータによって構成されている。
【0021】
外気導入路40は、循環風路20の途中に設けられており、循環風路20と本体11の外部とを連通する。外気導入路40は、収容室22の第3入口部223に接続されている。外気導入路40は、本体11の外部の空気つまり外気を循環風路20内に導くためのものである。すなわち、外気は、外気導入路40から循環風路20内に供給される。
【0022】
開閉装置41は、外気導入路40を開閉可能に構成されている。開閉装置41は、例えば開閉部材411及び駆動部412を有している。開閉部材411は、例えばダンパで構成されている。開閉部材411は、駆動部412によって回動される。駆動部412は、例えば電気的なアクチュエータの一例であるモータやソレノイドで構成されている。図1に示すように、開閉部材411が閉じた状態では、外気導入路40は閉鎖される。一方、図2に示すように、開閉部材411が開いた状態では、外気導入路40は開放される。つまり、開閉部材411が開いた状態において、循環風路20内に外気が導入される。
【0023】
本実施形態では、開閉部材411は、第2入口部222と第3入口部223との間に設けられている。図1に示すように、開閉部材411が閉じた状態つまり回動角度が約0°の状態では、第2入口部222が開放されかつ第3入口部223が閉鎖される。一方、図2に示すように、開閉部材411が開いた状態つまり回動角度が約90°の状態では、第2入口部222が閉鎖されかつ第3入口部223が開放される。第2入口部222及び第3入口部223からの空気の導入量は、開閉部材411の回動角度を調整することで、任意に設定することができる。このように、第2入口部222及び第3入口部223からの空気の導入量は、開閉部材411の開閉に応じて変化するが、第1入口部221は、常時開放しており、第1入口部221からは、常に空気の導入が可能となっている。
【0024】
このような構成において、洗濯乾燥機10は、送風装置32及び加熱装置33を駆動させて乾燥運転を実行可能である。送風装置32及び加熱装置33が駆動すると、送風装置32から加熱装置33側へ供給された空気は、加熱装置33を通過する際に加熱されて温風となり、給気ダクト23を通って外槽12及び回転槽13内へ供給される。温風の供給によって外槽12内部の圧力が高まると、外槽12内の空気の一部が排気口121から排気ダクト21内に流れ出る。そして、排気ダクト21を流れる空気は、排気ダクト21の下流端部から本体11内部に排出される。
【0025】
排気ダクト21から排出された空気の一部は、送風装置32によって収容室22の第1入口部221から収容室22内に吸い込まれる。そのため、第1入口部221から吸い込まれる空気は、主に外槽12内から排出された空気である。そして、第1入口部221は、上述したように常時開放しているため、排気ダクト21から排出された空気の一部は、常に第1入口部221から収容室22内に吸い込まれる。また、第2入口部222が開放した状態では、送風装置32の送風作用によって、収容室22の第2入口部222からも収容室22内に空気が吸い込まれる。第2入口部222から吸い込まれる空気は、主に外槽12外であってかつ本体11内つまり機内の空気である。そして、第1入口部221及び第2入口部222から収容室22に吸い込まれた空気は、再び加熱装置33を通過して温風となり外槽12及び回転槽13内に供給される。
【0026】
開閉装置41が駆動されて外気導入路40が開放すると、収容室22の第3入口部223から収容室22に本体11外部の空気が吸い込まれる。このように、乾燥運転は、外槽12から流出した空気、外槽12外かつ本体11内の空気、及び本体11外の空気を用いて行われる。また、乾燥運転において、第3入口部223から外部の空気を取り込むことによって、洗濯乾燥機10内外の温度差を抑えることができる。
【0027】
洗濯乾燥機10は、除湿機構50を備えている。除湿機構50は、循環風路20内に水を供給することで、循環風路20内の空気を冷却して除湿する機能を有する。この場合、除湿機構50は、排気ダクト21内に水を流すことで、当該水と接触する排気ダクト21内の空気を冷却して除湿する。
【0028】
除湿機構50は、例えば給水部51及び開閉弁52を有して構成することができる。給水部51は、例えば排気ダクト21の下流側寄りの位置に設けられている。開閉弁52は、電磁的に開閉動作が可能な液体用の開閉弁である。開閉弁52の流入側は図示しない給水ホース等を介して外部の水源に接続され、吐出側は給水部51に接続されている。開閉弁52が開放されると、給水部51から排気ダクト21内に外部の水源からの水が供給される。乾燥運転において、回転槽13内の衣類からの水蒸気を含んだ温風は、排気ダクト21内で給水部51から供給される水と接触して冷却して除湿される。そして、排気ダクト21を流れた水は、排水機構15を介して機外に排出される。
【0029】
また、洗濯乾燥機10は、図1及び図3にも示すように、温度検出部としての室温センサ61、外槽温度センサ62、及び制御装置70を備えている。室温センサ61は、本体11内部の空間に設けられている。室温センサ61は、本体11内の雰囲気温度である室温を検出可能である。外槽温度センサ62は、例えば外槽12の外面に設けられている。外槽温度センサ62は、外槽12の外面の温度を検出する。この場合、外槽温度センサ62が検出する外槽12の外面の温度は、外槽12内の温度に相関する。
【0030】
制御装置70は、例えばCPU701や、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリなどの記憶領域702、及び時間を計測可能なタイマ703を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御装置70は、洗濯乾燥機10の動作の制御や各種の処理を実行する。モータ14、排水弁151、給水弁16、送風装置32、加熱装置33、駆動部412、開閉弁52、室温センサ61、及び外槽温度センサ62は、制御装置70に電気的に接続されており、これらは制御装置70からの制御に基づいて動作する。
【0031】
制御装置70は、乾燥運転を実行可能である。乾燥運転は、送風装置32及び加熱装置33を駆動させて、外槽12及び回転槽13内の衣類の乾燥を行う運転である。また、制御装置70は、室温センサ61の検出結果に基づいて、乾燥運転中に開閉装置41の動作を制御することができる。この場合、制御装置70は、乾燥運転中に、室温センサ61の計測値に基づいて、外気を循環風路20へ選択的に取り入れることができる。制御装置70は、循環風路20内へ外気を導入する場合、開閉装置41を動作させて外気導入路を開く。
【0032】
ここで、乾燥運転において、外気を機内に取り入れる期間を長くすることで、機内外の温度差を最小限にして、洗濯乾燥機10が設置された室内の結露の発生を抑えることができる。一方、外気を機内に取り入れる期間を長くすると、温風の加熱効率が低下し、衣類の乾燥効率が低下する結果、乾燥時間が長くなってしまう。
【0033】
そこで、本実施形態の場合、制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1未満である場合に開閉装置41を開放する期間を、温度tが第1閾値T1以上である場合に開閉装置41を開放する期間よりも長くすることができる。第1閾値T1は、例えば17℃に設定することができる。これにより、結露が発生しやすい例えば17℃未満の低温環境では、外気を機内に積極的に取り入れることで、機内外の温度差を最小限にすることができる。一方、室温が例えば17℃以上の常温又は高温環境では、例えば機内に外気を取り入れないようにして、温風の加熱効率を向上させることで、結露の抑制と乾燥効率の両立を図ることができる。
【0034】
また、制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1よりも低い第2閾値T2未満である場合に、除湿機構50による除湿を行わないことができる。すなわち、制御装置70は、乾燥運転中に、室温センサ61の検出結果に基づいて、除湿機構50の動作を制御することができる。第2閾値T2は、例えば12℃に設定することができる。更に、制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1未満である場合に、温度tが第1閾値T1以上である場合よりも送風装置32の入力を小さくすることができる。
【0035】
次に、図4及び図5も参照して、乾燥運転が実行される場合において制御装置70で実行される制御内容の一例を説明する。制御装置70は、乾燥運転が開始されると(図4のスタート)、ステップS11において、室温センサ61が検出した温度tを取得する。次に、制御装置70は、ステップS12において、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1例えば17℃以上であるか否かを判断する。制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1以上である場合(ステップS12でYES)、ステップS13に処理を移行させる。そして、制御装置70は、ステップS13において、送風装置32及び加熱装置33を駆動させる。
【0036】
次に、制御装置70は、ステップS14において、送風装置32を回転数S1例えば4300rpmで回転させる。そして、制御装置70は、ステップS15において、例えば外槽温度センサ62が検出した結果に基づいて、第1期間P1が経過したか否かを判断する。第1期間P1は、いわゆる加熱期間であり、乾燥運転が開始されて送風装置32及び加熱装置33を駆動してから外槽12の温度が増加傾向で推移する期間である。
【0037】
制御装置70は、第1期間P1が経過した場合(ステップS15でYES)、ステップS16に処理を移行させて、開閉弁52を開放させて給水部51から排気ダクト21内に水を供給する。このように、乾燥工程における中期段階つまり外槽12及び回転槽13内が温まってきた段階に、排気ダクト21内に水を供給することで、衣類から取り除いた水分を多く含む空気を効率良く冷却して除湿することができる。
【0038】
次に、制御装置70は、ステップS17において、例えば外槽温度センサ62が検出した結果に基づいて、第2期間P2が経過したか否かを判断する。第2期間P2は、いわゆる恒率期間であり、外槽12の温度が一定傾向で推移し、衣類の含水量が時間の経過とともに直線的に減少する期間である。制御装置70は、第2期間P2が経過した場合(ステップS17でYES)、ステップS18に処理を移行させて、開閉弁52を閉鎖させて給水部51から排気ダクト21内への水の供給を停止する。
【0039】
その後、制御装置70は、ステップS19において、開閉装置41を動作させて外気導入路40を開放して、循環風路20内に外気を導入する。このように、乾燥運転における中期又は終期段階に、循環風路20内に外気を導入することで、外槽12及び回転槽13の温度の上がりすぎを抑えて衣類の傷みを抑えることができる。そして、制御装置70は、ステップS20において、所定期間を経過したか否かを判断する。所定期間には、例えば、いわゆる減率期間や冷却期間を含んでおり、外槽12の温度が減少傾向で推移する期間が含まれる。所定期間が経過した場合(ステップS20でYES)、制御装置70は、送風装置32及び加熱装置33を停止させて、一連の制御を終了する(エンド)。
【0040】
一方、制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1未満である場合(ステップS12でNO)、図5に示すステップA11に処理を移行させる。制御装置70は、ステップA11において、室温センサ61が検出した温度tが第2閾値T2例えば12℃以上であるか否かを判断する。制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第2閾値T2以上である場合(ステップA11でYES)、ステップA12に処理を移行させる。そして、制御装置70は、ステップA12において、送風装置32及び加熱装置33を駆動させる。
【0041】
制御装置70は、ステップA13において、送風装置32を回転数S2例えば4000rpmで回転させる。送風装置32の回転数S2は、回転数S1よりも小さい回転数で設定される。すなわち、制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1未満である場合に、温度tが第1閾値T1以上である場合よりも送風装置32の入力を低下させる。
【0042】
次に、制御装置70は、ステップA14において、開閉装置41を動作させて外気導入路40を開放して、循環風路20内に外気を導入する。制御装置70は、ステップA15において、第1期間P1が経過したか否かを判断する。制御装置70は、第1期間P1が経過した場合(ステップA15でYES)、ステップA16に処理を移行させる。すなわち、制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1未満である場合、乾燥運転における初期段階である第1期間P1が経過する前から、循環風路20内に外気を導入させる。この場合、制御装置70は、乾燥運転が開始されて第1期間P1が経過する前から乾燥運転が終了するまでの期間において、常に開閉装置41を動作させて外気導入路40を開放した状態を維持することができる。
【0043】
制御装置70は、ステップA16において、開閉弁52を開放させて給水部51から排気ダクト21内に水を供給する。つまり、制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1未満でかつ第2閾値以上である場合、第1期間P1の経過後に、排気ダクト21内の空気を冷却して除湿させる。次に、制御装置70は、ステップA17において、第2期間P2が経過したか否かを判断する。制御装置70は、第2期間P2が経過した場合(ステップA17でYES)、ステップA18に処理を移行させて、開閉弁52を閉鎖させて給水部51から排気ダクト21内への水の供給を停止する。その後、制御装置70は、ステップS20に処理を移行させる。
【0044】
一方、温度tが第2閾値T2未満である場合(ステップA11でNO)、制御装置70は、ステップA19において、送風装置32及び加熱装置33を駆動させる。次に、制御装置70は、ステップA20において、送風装置32を回転数S2で回転させる。次に、制御装置70は、ステップA21において、開閉装置41を動作させて外気導入路40を開放して、循環風路20内に外気を導入する。制御装置70は、ステップA22において、第1期間P1が経過したか否かを判断する。制御装置70は、第1期間P1が経過した場合(ステップA22でYES)、ステップA23に処理を移行させる。
【0045】
制御装置70は、ステップA23において、第2期間P2が経過したか否かを判断する。制御装置70は、第2期間P2が経過されたと判断した場合(ステップA23でYES)、ステップS20に処理を移行させる。したがって、室温センサ61が検出した温度tが第2閾値T2未満である場合には、乾燥運転において、排気ダクト21内への水の供給が行われることがない。
【0046】
以上説明した実施形態によれば、衣類処理装置の一例である洗濯乾燥機10は、本体11と、外槽12及び回転槽13と、循環風路20と、加熱装置33と、外気導入路40と、開閉装置41と、室温センサ61と、制御装置70と、を備える。外槽12及び回転槽13は、本体11の内部に設けられ衣類が収容される。循環風路20は、外槽12及び回転槽13から流出した空気の少なくとも一部を外槽12及び回転槽に戻す。加熱装置33は、循環風路20を流れる空気を加熱して温風を生成する。外気導入路40は、循環風路20と本体11の外部とを連通し、循環風路20内に本体11の外部の空気を導入する。開閉装置41は、外気導入路40を開閉する。室温センサ61は、本体11内の温度を検出する。制御装置70は、加熱装置33を駆動させて、外槽12及び回転槽13内の衣類を乾燥させる乾燥運転を実行可能である。そして、制御装置70は、室温センサ61の検出結果に基づいて、乾燥運転中に開閉装置41の動作を制御する。
【0047】
これによれば、乾燥運転中に室温センサ61の検出結果に基づいて、開閉装置41の動作を制御することで、温度環境に応じて本体11の外部の空気である外気を循環風路20内へ選択的に取り入れることができる。これにより、例えば結露が生じにくい常温環境又は高温環境では、開閉装置41を閉じて外気導入路40から循環風路20への外気を取り入れないようにして、乾燥効率を高めることができる。一方、例えば結露が生じやすい低温環境では、開閉装置41を動作させて外気導入路40から循環風路20へ外気を取り入れることで、洗濯乾燥機10内外の温度差を最小限にして、室内の結露や洗濯乾燥機10内の結露つまり例えば本体11の内壁やダクト21、23等における表面結露の発生を抑制することができる。このようにして、乾燥運転における乾燥効率と結露の抑制との両立を図ることができる。
【0048】
また、制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1未満である場合に開閉装置41を開放する期間を、温度tが第1閾値T1以上である場合に開閉装置41を開放する期間よりも長くすることができる。これによれば、例えば低温環境の場合に開閉装置41を開放する期間を長くすることで、循環風路20内への外気を取り込む期間を長くすることができる。これにより、低温環境下における結露の発生を効率良く抑制することができる。
【0049】
洗濯乾燥機10は、除湿機構50を更に備える。除湿機構50は、循環風路20内に水を供給することで循環風路20内の空気を冷却して除湿する。そして、制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1よりも低い第2閾値T2未満である場合に、除湿機構50による除湿を行わない。
【0050】
これによれば、温度tが第1閾値T1よりも低い第2閾値T2未満つまり結露がより生じやすい温度環境において、循環風路20内に水を供給しないようにして、例えば循環風路20を構成する部材の外側の面に表面結露が発生することを抑制することができる。これにより、当該表面結露によって生成された結露水が洗濯乾燥機10の設置面に接触するといった不具合を抑えることができる。
【0051】
また、洗濯乾燥機10は、送風装置32を更に備える。送風装置32は、加熱装置33によって生成された温風を外槽12及び回転槽13に送風する。そして、制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1未満である場合に、温度tが第1閾値T1以上である場合よりも送風装置32の入力を小さくする。これによれば、例えば低温環境の場合には、送風装置32の出力を小さくして送風装置32からの送風量を低下させることで、衣類の水分の蒸発量を抑えることができる。これにより、外槽12及び回転槽13から流出した空気に含まれる水蒸気の量を少なくして、結露の発生を抑制することができる。
【0052】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図6を参照して説明する。この第2実施形態では、制御装置70は、乾燥運転において、図5に示す制御内容に代えて、図6に示す制御内容を実行する。具体的には、本実施形態の場合、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1未満である場合に制御装置70が行う制御内容が、上記第1実施形態と異なる。図6に示す制御内容は、図5に示すステップA13及びA20に代えて、それぞれステップB11及びB12の処理が追加されたものである。この場合、制御装置70は、室温センサ61が検出した温度tが第1閾値T1未満である場合に、温度tが第1閾値T1以上である場合よりも加熱装置33の入力を小さくする。加熱装置33の入力値としては、特に限定はしないが、通常例えば1000Wの約半分例えば500Wの低い値に設定することができる。
【0053】
このような第2実施形態によれば、例えば低温環境の場合には、加熱装置33の入力を小さくして加熱装置33によって生成される温風の温度を低下させることで、衣類の水分の蒸発量を抑えることができる。これにより、外槽12及び回転槽13から流出した空気に含まれる水蒸気の量を少なくして、結露の発生を抑制することができる。
【0054】
なお、上記した各実施形態では、室温センサが検出する温度、送風装置の回転数、加熱装置の入力値等について、具体的な数値を挙げながら説明したが、それら具体的な数値は一例を示したに過ぎず、適宜変更が可能であることは勿論である。また、上記各実施形態は、相互に組み合わせることができる。
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
10…洗濯乾燥機(衣類処理装置)、12…外槽(収容槽)、13…回転槽(収容槽)、20…循環風路、33…加熱装置、40…外気導入路、41…開閉装置、61…室温センサ(温度検出部)、70…制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6