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特許7610697静電容量センサ、及び静電容量センサの製造方法
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  • 特許-静電容量センサ、及び静電容量センサの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】静電容量センサ、及び静電容量センサの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20241225BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20241225BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/041 470
G06F3/041 660
G06F3/02 F
H05K1/03 610N
H05K1/03 610H
H05K1/03 630E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023505485
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 JP2022009181
(87)【国際公開番号】W WO2022191036
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-08-15
(31)【優先権主張番号】P 2021037743
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】亀島 貴
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0279387(US,A1)
【文献】特開2020-123258(JP,A)
【文献】国際公開第2017/111039(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/147323(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K1/03
G06F3/02
G06F3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する基材フィルムと、
前記基材フィルムの一方の主面の一部に設けられ、前記基材フィルムより所定の導電性高分子との密着力が高い透光性を有するレジスト層と、
前記所定の導電性高分子を含む導電性材料から成り、少なくとも一部が前記レジスト層における前記基材フィルム側と反対側の面に設けられる透光性を有する電極と、
前記レジスト層を構成する樹脂と同じ樹脂から成り、前記電極を覆い透光性を有するオーバーレジスト層と、
を備え、
前記基材フィルムの厚み方向に沿って見る場合に、前記基材フィルムの前記一方の主面における前記レジスト層が非形成の領域が前記電極を囲う
ことを特徴とする静電容量センサ。
【請求項2】
前記領域に設けられるとともに前記電極と離隔するシールド層を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の静電容量センサ。
【請求項3】
前記シールド層は、前記電極より厚い
ことを特徴とする請求項2に記載の静電容量センサ。
【請求項4】
前記基材フィルムの前記一方の主面に沿う方向において、前記電極の少なくとも一部と前記シールド層の一部とが互いに重なる
ことを特徴とする請求項3に記載の静電容量センサ。
【請求項5】
前記基材フィルムは、前記レジスト層が設けられるメイン部と、前記メイン部に接続し、前記電極に電気的に接続される端子が設けられるテール部とを有し、
前記基材フィルムの前記テール部における前記一方の主面は、前記領域に含まれる
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の静電容量センサ。
【請求項6】
透光性を有する基材フィルムの一方の主面の一部に樹脂材料を塗布して前記基材フィルムより所定の導電性高分子との密着力が高い透光性を有するレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
少なくとも前記レジスト層における前記基材フィルム側と反対側の面の一部に前記所定の導電性高分子を含む導電性材料を塗布して透光性を有する電極を形成する電極形成工程と、
前記電極が形成された前記基材フィルムの前記一方の主面側に前記電極が覆われるように前記樹脂材料と同じ樹脂材料を塗布して透光性を有するオーバーレジスト層を形成するオーバーレジスト層形成工程と、
を備え、
前記レジスト層形成工程において、前記基材フィルムの厚み方向に沿って見る場合に前記基材フィルムの前記一方の主面における前記レジスト層が非形成の領域によって前記レジスト層が囲われるように、前記樹脂材料を塗布し、
前記電極形成工程において、前記基材フィルムの厚み方向に沿って見る場合に前記領域によって前記電極が囲われるように、前記導電性材料を塗布する
ことを特徴とする静電容量センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量センサ、及び静電容量センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル式ディスプレイ等に利用可能な静電容量センサが知られている。下記特許文献1には、透光性を有する基材フィルムに導電性高分子からなる透光性を有する電極が設けられた静電容量センサが開示されている。また、下記特許文献1には、基材フィルムと電極との間には、基材フィルムと導電性高分子との密着力を高める層を設けてもよいことが開示されている。
【0003】
【文献】特許第6167103号公報
【発明の概要】
【0004】
一般的に、密着力を高める層は基材フィルムの全面に設けられる傾向にある。このため、上記特許文献1の静電容量センサにおいて上記の層を設ける場合、当該層を設けない場合と比べて、静電容量センサの全体において厚みが増加し、静電容量センサの可撓性が低下する傾向がある。ところで、静電容量センサが取り付けられる部位が曲面である場合があり、取り付け性の観点から可撓性の低下を抑制したいとの要望がある。
【0005】
そこで、本発明は、電極の密着力を高めつつ可撓性の低下を抑制し得る静電容量センサ、及び静電容量センサの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的の達成のため、本発明の静電容量センサは、透光性を有する基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の主面の一部に設けられ、前記基材フィルムより所定の導電性高分子との密着力が高い透光性を有するレジスト層と、前記所定の導電性高分子を含む導電性材料から成り、少なくとも一部が前記レジスト層における前記基材フィルム側と反対側の面に設けられる透光性を有する電極と、を備え、前記基材フィルムの厚み方向に沿って見る場合に、前記基材フィルムの前記一方の主面における前記レジスト層が非形成の領域が前記電極を囲うことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の静電容量センサの製造方法は、透光性を有する基材フィルムの一方の主面の一部に樹脂材料を塗布して前記基材フィルムより所定の導電性高分子との密着力が高い透光性を有するレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、少なくとも前記レジスト層における前記基材フィルム側と反対側の面の一部に前記所定の導電性高分子を含む導電性材料を塗布して透光性を有する電極を形成する電極形成工程と、を備え、前記レジスト層形成工程において、前記基材フィルムの厚み方向に沿って見る場合に前記基材フィルムの前記一方の主面における前記レジスト層が非形成の領域によって前記レジスト層が囲われるように、前記樹脂材料を塗布し、前記電極形成工程において、前記基材フィルムの厚み方向に沿って見る場合に前記領域によって前記電極が囲われるように、前記導電性材料を塗布することを特徴とするものである。
【0008】
この静電容量センサ、及び静電容量センサの製造方法では、透光性を有する電極の少なくとも一部はレジスト層を介して基材フィルムに取り付けられる。この電極を構成する導電性材料に含まれる所定の導電性高分子とレジスト層との密着力は、所定の導電性高分子と基材フィルムとの密着力より高い。このため、基材フィルムにレジスト層が設けられない場合と比べて、電極と基材フィルムとの密着力を高め得る。また、この静電容量センサ、及び静電容量センサの製造方法では、基材フィルムの厚み方向に沿って見る場合に、基材フィルムの一方の主面におけるレジスト層が非形成の領域が電極を囲う。このため、この静電容量センサによれば、基材フィルムの一方の主面の全面にレジスト層が設けられる場合と比べて、少なくとも電極の周囲における可撓性の低下を抑制し得、装置等における曲面状の部位への取り付け性を向上し得る。また、この静電容量センサの製造方法によれば、電極の密着力を高めつつ可撓性の低下を抑制し得る静電容量センサを製造できる。
【0009】
上記の静電容量センサは、前記領域に設けられるとともに前記電極と離隔するシールド層を更に備えることとしてもよい。
【0010】
このような構成にすることで、静電容量センサがシールド層を備えない場合と比べて、外部の電磁場等の影響が電極に届くことを抑制し得る。
【0011】
この場合、前記シールド層は、前記電極より厚いこととしてもよい。
【0012】
このような構成にすることで、シールド層が電極より薄い場合と比べて、電極の厚み及びレジスト層の厚みの合計とシールド層の厚みとの差を小さくし得る。このため、シールド層が電極より薄い場合と比べて、静電容量センサにおける基材フィルムを基準とした電極側の面の凹凸量を少なくし得る。
【0013】
この場合、前記基材フィルムの前記一方の主面に沿う方向において、前記電極の少なくとも一部と前記シールド層の一部とが互いに重なることとしてもよい。
【0014】
このような構成によれば、基材フィルムの一方の主面に沿う方向において電極とシールド層とが互いに重ならない場合と比べて、基材フィルムの一方の主面に沿う方向からの電磁場等の影響が電極に届くことを抑制し得る。
【0015】
上記の静電容量センサでは、前記基材フィルムは、前記レジスト層が設けられるメイン部と、前記メイン部に接続し、前記電極に電気的に接続される端子が設けられるテール部とを有し、前記基材フィルムの前記テール部における前記一方の主面は、前記領域に含まれることとしてもよい。
【0016】
このような構成によれば、基材フィルムのテール部にはレジスト層が設けられないため、テール部にレジスト層が設けられる場合と比べて、静電容量センサにおけるテール部を含む部位の可撓性の低下を抑制し得、端子を所望の位置に配置させ易くし得る。
【0017】
上記の静電容量センサは、前記レジスト層を構成する樹脂と同じ樹脂から成り、前記電極を覆うオーバーレジスト層を更に備えることとしてもよい。
【0018】
このような構成によれば、オーバーレジスト層がレジスト層を構成する樹脂と異なる樹脂から成る場合と比べて、レジスト層の熱による伸縮量とオーバーレジスト層の熱による伸縮量との差を小さくし得、熱による伸縮に起因するクラックを抑制し得る。
【0019】
以上のように、本発明によれば、電極の密着力を高めつつ可撓性の低下を抑制し得る静電容量センサ、及び静電容量センサの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る静電容量センサを概略的に示す平面図である。
図2図1に示す静電容量センサを概略的に示す分解斜視図である。
図3図1のIII-III線に沿った静電容量センサの断面を概略的に示す図である。
図4】本実施形態に係る静電容量センサの製造方法の工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る静電容量センサ、及び静電容量センサの製造方法の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。
【0022】
図1は本実施形態に係る静電容量センサを概略的に示す平面図であり、図2図1に示す静電容量センサを概略的に示す分解斜視図であり、図3図1のIII-III線に沿った静電容量センサの断面を概略的に示す図である。図1から図3に示すように、本実施形態の静電容量センサ1は、基材フィルム10と、レジスト層20と、電極31~36と、端子41~47と、配線51~57と、シールド層60と、オーバーレジスト層70と、背面レジスト層80と、を備える。なお、図1において、配線51~57が太線で示される。
【0023】
基材フィルム10は、透光性、絶縁性、及び可撓性を有する樹脂製フィルムである。基材フィルム10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)等の樹脂から構成されるフィルムを挙げることができ、基材フィルム10は単層構造であっても多層構造であってもよい。基材フィルム10の厚みは、例えば、10μm以上200μm以下である。本実施形態では、基材フィルム10は、概ね長方形状のメイン部10Mと、メイン部10Mに接続され、メイン部10Mの短尺方向と概ね平行な方向に長尺な帯状のテール部10Tとから成る。メイン部10Mの一つの短辺とテール部10Tの一つの長辺とが同一直線上に位置している。なお、基材フィルム10の形状は特に制限されるものではない。
【0024】
レジスト層20は、基材フィルム10の一方の主面11の一部に設けられる樹脂層であり、透光性、絶縁性、及び可撓性を有する。なお、図2において、レジスト層20は主面11の一部に設けられた状態で示されている。また、レジスト層20と所定の導電性高分子との密着力は、基材フィルム10と所定の導電性高分子との密着力より高い。所定の導電性高分子としては、例えば、PEDOT-PSS(ポリ3-,4-エチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルホン酸)等が挙げられる。レジスト層20を構成する樹脂としては、例えば、基材フィルム10が単層のPETフィルムであり所定の導電性高分子がPEDOT-PSSである場合、ウレタン、ポリエステル、エポキシ、及びウレタンアクリレート等の熱硬化性樹脂、アクリレート等の紫外線硬化樹脂、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を挙げることができる。レジスト層20の厚みは、例えば、0.5μm以上5μm以下である。また、密着力の評価方法としては、特に制限されないが、例えば、クロスカット試験、スクラッチ試験等が挙げられる。また、所定の導電性高分子との密着力は、例えば、所定の導電性高分子を含み後述する電極31~36を構成する導電性材料との密着力と概ね同じあるとみなすことができる。
【0025】
本実施形態では、レジスト層20は、互いに離隔する6つの部位21~26から成り、それぞれの部位21~26の外形は概ね長方形状である。これら部位21~26は、メイン部10Mの短尺方向及び長尺方向に沿って並ぶようにマトリックス状に配置されている。また、それぞれの部位21~26は、基材フィルム10の外縁と離隔しており、基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に、基材フィルム10の主面11におけるレジスト層20が非形成の領域15によって囲われている。なお、部位21~26は領域15によって囲われていればよく、部位21~26の形状、数、及び配置は特に制限されるものではない。
【0026】
電極31~36は、上記の所定の導電性高分子を含む導電性材料から成り、透光性を有する。電極31~36のそれぞれの少なくとも一部は、レジスト層20における基材フィルム10側と反対側の面に設けられる。本実施形態では、電極31~36と部位21~26とは、一対一で対応しており、基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に、レジスト層20と電極31~36とが互いに重なっており、それぞれの電極31~36は領域15によって囲われている。そして、電極31~36は、部位21~26と同様に、メイン部10Mの短尺方向及び長尺方向に沿って並ぶようにマトリックス状に配置されている。また、電極31~36の外形は概ね長方形状であり、基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に、電極31~36のそれぞれの全体が当該電極31~36に対応する部位21~26における基材フィルム10側と反対側の面に設けられている。電極31~36を構成する導電性材料は、所定の導電性高分子及び当該所定の導電性高分子をバインドする樹脂を含み、当該樹脂としては、特に制限されないが、例えば、エポキシ、ウレタン、アクリル、ポリイミド等の樹脂が挙げられる。電極31~36の厚みは、例えば、0.1μm以上3μm以下である。なお、電極31~36は対応する部位21~26からはみ出していてもよく、電極31~36の一部がレジスト層20における基材フィルム10側と反対側の面に設けられ、電極31~36の他の一部が基材フィルム10の主面11に設けられていてもよい。また、電極31~36の形状、数、及び配置は特に制限されるものではなく、例えば、電極31~36の数は一つであってもよい。この場合、例えば、レジスト層20を構成する部位の数は一つとされ、当該部位における基材フィルム10側と反対側の面に電極の少なくとも一部が設けられる。
【0027】
基材フィルム10のテール部10Tには、端子41~47が設けられている。これら端子41~47が設けられる基材フィルム10の主面は、レジスト層20が設けられる主面11である。端子41と電極31とが配線51により電気的に接続され、端子42と電極32とが配線52により電気的に接続され、端子43と電極33とが配線53により電気的に接続され、端子44と電極34とが配線54により電気的に接続され、端子45と電極35とが配線55により電気的に接続され、端子46と電極36とが配線56により電気的に接続される。また、端子47と後述するシールド層60とが配線57により電気的に接続される。本実施形態では、図3に示すように、配線51は、接続する電極31の外周縁の全体及び当該電極31が重なる部位21の外周縁の全体を覆う。配線52~56のそれぞれは、配線51と同様に、接続する電極32~36の外周縁及び当該電極32~36が重なる部位22~26の外周縁を覆う。なお、配線51~56は、接続する電極31~36の外周縁及び当該電極31~36が重なる部位21~26の外周縁の少なくとも一方を覆わなくてもよい。
【0028】
シールド層60は、導電性材料から成り、基材フィルム10の主面11における領域15に設けられる層であり、電極31~36及び配線51~56と離隔している。シールド層60を構成する導電性材料としては、特に制限されないが、例えば、銀、銅等が挙げられる。本実施形態では、シールド層60は、基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に電極31~36のそれぞれの外周の大部分を囲っている。なお、シールド層60は、電極31~36の周囲の少なくとも一部に配置されていればよい。しかし、シールド層60は、隣接する電極間の少なくとも一部に配置されることが好ましく、電極31~36のそれぞれの外周のうち1/4以上の範囲を囲うことがより好ましい。シールド層60の厚みは、例えば、3μm以上20μm以下である。また、図1図3では、理解容易のため、シールド層60はシート状に記載されているが、本実施形態では、基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合のシールド層60の構造は、複数の線が網目状に重なったメッシュ構造とされている。しかし、シールド層60の構造は、特に制限されるものではなく、シート状であってもよい。
【0029】
オーバーレジスト層70は、電極31~36、配線51~57、及びシールド層60を覆う樹脂層であり、光透過性、絶縁性、及び可撓性を有する。本実施形態では、テール部10Tの一部がオーバーレジスト層70によって覆われず、端子41~47が露出している。オーバーレジスト層70を構成する樹脂としては、特に制限されないが、例えば、レジスト層20と同様の樹脂を挙げることができる。オーバーレジスト層70の厚みは、例えば、5μm以上20μm以下である。なお、オーバーレジスト層70を構成する樹脂は、レジスト層20を構成する樹脂と同じであることが好ましい。このような構成によれば、オーバーレジスト層70がレジスト層20を構成する樹脂と異なる樹脂から構成される場合と比べて、レジスト層20の熱による伸縮量とオーバーレジスト層70の熱による伸縮量との差を小さくし得、熱による伸縮に起因するクラックを抑制し得る。
【0030】
背面レジスト層80は、基材フィルム10におけるレジスト層20側と反対側の主面12の少なくとも一部を覆う樹脂層であり、光透過性、絶縁性、及び可撓性を有する。本実施形態では、背面レジスト層80は、この主面12の全体を覆う。背面レジスト層80を構成する樹脂としては、特に制限されないが、例えば、オーバーレジスト層70と同様の樹脂を挙げることができる。背面レジスト層80の厚みは、例えば、5μm以上20μm以下である。なお、背面レジスト層80を構成する樹脂は、レジスト層20を構成する樹脂と同じ材料であることが好ましい。このような構成によれば、背面レジスト層80がレジスト層20を構成する樹脂と異なる材料から構成される場合と比べて、レジスト層20の熱による伸縮量と背面レジスト層80の熱による伸縮量との差を小さくし得、熱による伸縮に起因するクラックを抑制し得る。
【0031】
このような構成の静電容量センサ1は、所謂自己容量方式の静電容量センサであり、例えば、図示しない検出装置とともに使用される。具体的には、端子41~47が検出装置に接続され、検出装置は、端子41~46に所定の電圧を印可し、端子47をグランドに接続する。このような状態において、例えば、オーバーレジスト層70側から電極31に指が近づくと、電極31と指とで疑似的なコンデンサが形成される。このコンデンサの静電容量は、電極31と指との距離で変化する。検出装置は、このような疑似的なコンデンサの静電容量の変化を、例えば端子41~46を流れる電流値から検出する。そして、検出装置は、例えば、この電流値が閾値を超えるか否に基づいて、指がオーバーレジスト層70における電極31~36と重なる部位に接触したか否かを判定し、当該判定結果を示す信号を他の装置に出力する。このような検出装置は、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置から成る。
【0032】
次に、本発明の実施形態に係る静電容量センサの製造方法について説明する。
【0033】
図4は、本実施形態に係る静電容量センサの製造方法の工程を示すフローチャートである。図4に示すように、本実施形態の静電容量センサ1の製造方法は、レジスト層形成工程P1と、電極形成工程P2と、導電性部材形成工程P3と、オーバーレジスト層形成工程P4と、背面レジスト層形成工程P5とを主な工程として備える。
【0034】
<レジスト層形成工程P1>
本工程は、透光性を有する基材フィルム10を準備し、当該基材フィルム10の一方の主面11の一部に流動性を有する樹脂材料を塗布して基材フィルム10より所定の導電性高分子との密着力が高い透光性を有するレジスト層20を形成する工程である。基材フィルム10の準備として、基材フィルム10を購入してもよく、基材フィルム10を製造してもよい。本工程では、基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に基材フィルム10の主面11におけるレジスト層20が非形成の領域15によってレジスト層20が囲われるように、樹脂材料を塗布する。樹脂材料としては、特に制限されないが、例えば、レジスト層20となる樹脂が溶融した溶融樹脂、レジスト層20となる樹脂と有機溶剤とを含む溶液、レジスト層20となる樹脂と水とを含む分散液等を挙げることができる。有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、イソホロン、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオール等が挙げられる。本実施形態では、樹脂材料はレジスト層20となる熱硬化性樹脂と有機溶剤とを含む溶液である。そして、準備した基材フィルム10にアニール処理を施した後に樹脂材料を基材フィルム10の一方の主面11の一部に塗布し、この樹脂材料が塗布された基材フィルム10を加熱する。このようにすることで、塗布された樹脂材料における熱硬化性樹脂が硬化して、レジスト層20が形成される。樹脂材料の塗布方法は、特に制限されないが、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷が挙げられる。なお、樹脂材料に含まれる有機溶剤の多くは時間の経過とともに揮発等してレジスト層20からなくなる。また、例えば、樹脂材料が溶融樹脂の場合、樹脂材料が塗布された基材フィルム10の加熱が省略される。なお、レジスト層20が紫外線硬化樹脂から成る場合、例えば、レジスト層20となる紫外線硬化樹脂と有機溶剤とを含む溶液である樹脂材料を、アニール処理を施した後の基材フィルム10の主面11の一部に塗布し、この樹脂材料に紫外線を照射する。また、レジスト層20が熱可塑性樹脂から成る場合、例えば、レジスト層20となる熱可塑性樹脂と有機溶剤とを含む溶液である樹脂材料を、アニール処理を施した後の基材フィルム10の主面11の一部に塗布し、この樹脂材料が塗布された基材フィルム10を冷却する。
【0035】
<電極形成工程P2>
本工程は、少なくともレジスト層20における基材フィルム10側と反対側の面の一部に所定の導電性高分子を含む導電性材料を塗布して透光性を有する電極31~36を形成する工程である。ここで、所定の導電性高分子とレジスト層20との密着力は、所定の導電性高分子と基材フィルム10との密着力より高い。本工程では、基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に領域15によって電極31~36が囲われるように、導電性材料を塗布する。本実施形態では、印刷によって導電性材料を塗布する。印刷方法としては、特に制限されないが、例えば、レジスト層形成工程P1において挙げた印刷方法が挙げられる。また、本実施形態では、導電性材料は所定の導電性高分子と有機溶剤とを含むインクとされる。有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、レジスト層形成工程P1において挙げた有機溶剤が挙げられる。なお、導電性材料は特に制限されるものではなく、例えば、所定の導電性高分子が水に分散されたインクであってもよい。
【0036】
ここで、一般的に基材フィルム10にアニール処理を施すと基材フィルム10の表面にオリゴマーが析出する傾向にある。このオリゴマーはレジスト層20に含まれる有機溶剤によって溶解する。仮にレジスト層20を形成せずに基材フィルム10の主面11に導電性材料を塗布すると、導電性材料に含まれる有機溶剤によってオリゴマーは溶解するが、オリゴマーが存在していたことに起因して、電極31~36における基材フィルム10側の面に凹凸が形成される。このような凹凸が形成されたり、オリゴマーが残存したりしている場合、凹凸で光が散乱したりオリゴマーで光が散乱したりして、静電容量センサにおける電極31~36と重なる部位におけるヘイズ値が高くなり当該部位の透明性が低くなることがある。このため、レジスト層20があることで、レジスト層20がない場合と比べて、電極31~36と重なる部位の透明性の低下を抑制できる。このような透明性の低下を抑制する観点では、レジスト層形成工程P1で基材フィルム10に塗布する樹脂材料が含む有機溶剤の割合、及び導電性材料が含む有機溶剤の割合は、塗布された樹脂材料の単位面積あたりに含まれる有機溶剤の量が塗布された導電性材料の単位面積あたりに含まれる溶剤の量より多くなるように、調節されることが好ましい。このようにすることで、レジスト層20を設けない場合と比べて、多くのオリゴマーを溶解させることができる。
【0037】
<導電性部材形成工程P3>
本工程は、電極31~36が形成された基材フィルム10に、導電性部材である端子41~47、配線51~57、及びシールド層60を形成する工程である。本実施形態では、印刷によって端子41~47、配線51~57、及びシールド層60を形成する。印刷に用いる導電性インクは、特に制限されないが、例えば、導電体として銀や銅を含むものが挙げられる。印刷方法は、特に制限されないが、例えば、電極形成工程P2において導電性材料を塗布する印刷方法と同様の印刷方法が挙げられる。
【0038】
<オーバーレジスト層形成工程P4>
本工程は、導電性部材である端子41~47、配線51~57、及びシールド層60が形成された基材フィルム10に、流動性を有する樹脂材料を塗布してオーバーレジスト層70を形成する工程である。樹脂材料としては、特に制限されないが、例えば、オーバーレジスト層70となる樹脂が溶融した溶融樹脂、オーバーレジスト層70となる樹脂と有機溶剤とを含む溶液、オーバーレジスト層70となる樹脂と水とを含む分散液等を挙げることができる。有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、レジスト層形成工程P1で挙げたものが挙げられる。本実施形態では、樹脂材料はオーバーレジスト層70となる熱硬化性樹脂が溶融した溶融樹脂であり、配線51~57及びシールド層60が覆われるように樹脂材料を塗布し、この樹脂材料が塗布された基材フィルム10を加熱する。このようにすることで、塗布された樹脂材料が硬化してオーバーレジスト層70が形成される。なお、オーバーレジスト層70の形成方法は、特に制限されるものでなく、例えば、レジスト層形成工程P1と同様に、印刷を用いてオーバーレジスト層70の形成してもよい。また、オーバーレジスト層70が紫外線硬化樹脂から成る場合、例えば、オーバーレジスト層70となる紫外線硬化樹脂が溶融した溶融樹脂である樹脂材料を、配線51~57及びシールド層60が覆われるように基材フィルム10に塗布し、この樹脂材料に紫外線を照射する。また、オーバーレジスト層70が熱可塑性樹脂から成る場合、例えば、オーバーレジスト層70となる熱可塑性樹脂が溶融した溶融樹脂である樹脂材料を、配線51~57及びシールド層60が覆われるように基材フィルム10に塗布し、この樹脂材料が塗布された基材フィルム10を冷却する。
【0039】
<背面レジスト層形成工程P5>
本工程は、オーバーレジスト層70が形成された基材フィルム10に、流動性を有する樹脂材料を塗布して背面レジスト層80を形成する工程である。樹脂材料としては、特に制限されないが、例えば、背面レジスト層80となる樹脂が溶融した溶融樹脂、背面レジスト層80となる樹脂と有機溶剤とを含む溶液、背面レジスト層80となる樹脂と水とを含む分散液等を挙げることができる。有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、レジスト層形成工程P1で挙げたものが挙げられる。本実施形態では、樹脂材料は背面レジスト層80となる熱硬化性樹脂が溶融した溶融樹脂であり、基材フィルム10におけるレジスト層20側と反対側の主面12に樹脂材料を塗布し、この樹脂材料が塗布された基材フィルム10を加熱する。このようにすることで、塗布された樹脂材料が硬化して背面レジスト層80が形成される。なお、背面レジスト層80の形成方法は、特に制限されるものでなく、例えば、レジスト層形成工程P1と同様に、印刷を用いて背面レジスト層80の形成してもよい。また、背面レジスト層80が紫外線硬化樹脂から成る場合、例えば、背面レジスト層80となる紫外線硬化樹脂が溶融した溶融樹脂である樹脂材料を、基材フィルム10の主面12に塗布し、この樹脂材料に紫外線を照射する。また、背面レジスト層80が熱可塑性樹脂から成る場合、例えば、背面レジスト層80となる熱可塑性樹脂が溶融した溶融樹脂である樹脂材料を、基材フィルム10の主面12に塗布し、この樹脂材料が塗布された基材フィルム10を冷却する。また、静電容量センサ1の製造方法のフローは、特に制限されるものではない。例えば、背面レジスト層形成工程P5の後にオーバーレジスト層形成工程P4を行ってもよい。
【0040】
以上説明したように、本実施形態の静電容量センサ1は、透光性を有する基材フィルム10と、透光性を有するレジスト層20と、透光性を有する電極31~36と、を備える。レジスト層20は基材フィルム10の一方の主面11の一部に設けられ、所定の導電性高分子とレジスト層20との密着力は、所定の導電性高分子と基材フィルム10との密着力より高い。電極31~36は、所定の導電性高分子を含む導電性材料からなり、電極31~36のそれぞれの少なくとも一部は、レジスト層20における基材フィルム10側と反対側の面に設けられる。基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に、基材フィルム10の主面11におけるレジスト層20が非形成の領域15がそれぞれの電極31~36を囲う。
【0041】
また、本実施形態の静電容量センサ1の製造方法は、レジスト層形成工程P1と、電極形成工程P2とを備える。レジスト層形成工程P1は、透光性を有する基材フィルム10の主面11の一部に樹脂材料を塗布して基材フィルム10より所定の導電性高分子との密着力が高い透光性を有するレジスト層20を形成する工程である。このレジスト層形成工程P1において、基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に基材フィルム10の主面11におけるレジスト層20が非形成の領域15によってレジスト層20が囲われるように、樹脂材料を塗布する。電極形成工程P2は、少なくともレジスト層20における基材フィルム10側と反対側の面の一部に所定の導電性高分子を含む導電性材料を塗布して透光性を有する電極31~36を形成する工程である。この電極形成工程P2において、基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に領域15によって電極31~36のそれぞれが囲われるように、導電性材料を塗布する。
【0042】
本実施形態の静電容量センサ1、及び静電容量センサ1の製造方法では、透光性を有する電極31~36のそれぞれの少なくとも一部はレジスト層20を介して基材フィルム10に取り付けられる。電極31~36を構成する導電性材料に含まれる所定の導電性高分子とレジスト層20との密着力は、所定の導電性高分子と基材フィルム10との密着力より高い。このため、基材フィルム10にレジスト層20が設けられない場合と比べて、電極31~36と基材フィルム10との密着力を高め得る。また、本実施形態の静電容量センサ1、及び静電容量センサ1の製造方法では、基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に、基材フィルム10の主面11におけるレジスト層20が非形成の領域15が電極31~36のそれぞれを囲う。このため、本実施形態の静電容量センサ1によれば、基材フィルム10の主面11の全面にレジスト層20が設けられる場合と比べて、少なくとも電極31~36のそれぞれの周囲における可撓性の低下を抑制し得、装置等における曲面状の部位への取り付け性を向上し得る。また、本実施形態の静電容量センサ1の製造方法によれば、電極31~36の密着力を高めつつ可撓性の低下を抑制し得る静電容量センサ1を製造できる。
【0043】
また、本実施形態の静電容量センサ1は、領域15に設けられるとともに電極31~36と離隔するシールド層60を更に備える。このため、静電容量センサ1がシールド層60を備えない場合と比べて、外部の電磁場等の影響が電極31~36に届くことを抑制し得る。
【0044】
また、本実施形態では、図3に示すように、シールド層60は、電極31~36より厚い。このため、シールド層60が電極31~36より薄い場合と比べて、電極31~36の厚み及びレジスト層20の厚みの合計とシールド層60の厚みとの差を小さくし得る。このため、シールド層60が電極31~36より薄い場合と比べて、静電容量センサ1における基材フィルム10を基準とした電極31~36側の面の凹凸量を少なくし得る。
【0045】
また、本実施形態では、基材フィルム10の主面11に沿う方向において、電極31~36のそれぞれの全体とシールド層60の一部とが互いに重なる。このため、主面11に沿う方向において電極31~36とシールド層60とが重ならない場合と比べて、主面11に沿う方向からの電磁場等の影響が電極31~36に届くことを抑制し得る。なお、主面11に沿う方向からの電磁場等の影響が電極31~36に届くことを抑制する観点では、この方向において、電極31~36のそれぞれの少なくとも一部とシールド層60の一部とが互いに重なっていればよい。また、本実施形態では、シールド層60の厚みは、レジスト層20の厚みと電極31~36の厚みとの合計より厚く、シールド層60の基材フィルム10側と反対側の面SSは、電極31~36のレジスト層20側と反対側の面ESを基準とした基材フィルム10側と反対側に位置している。このため、シールド層60の面SSが電極31~36の面ESを基準とした基材フィルム10側に位置している場合と比べて、上記の電磁場等の影響が電極31~36に届くことをより抑制し得る。また、このような構成にすることで、上記の場合と比べて、静電容量センサ1における基材フィルム10を基準とした電極31~36側の面のうち電極31~36と重なる部位が外方に向かって凸状に膨らむことを抑制でき、耐久性の低下を抑制し得る。
【0046】
また、本実施形態では、基材フィルム10は、レジスト層20が設けられるメイン部10Mと、メイン部10Mに接続し、電極31~36に電気的に接続される端子41~46が設けられるテール部10Tとを有する。また、基材フィルム10のテール部10Tにおける一方の主面は、領域15に含まれる。このため、テール部10Tにはレジスト層20が設けられない。従って、本実施形態の静電容量センサ1によれば、テール部10Tにレジスト層20が設けられる場合と比べて、静電容量センサ1におけるテール部10Tを含む部位の可撓性の低下を抑制し得、端子41~46を所望の位置に配置させ易くし得る。なお、基材フィルム10のテール部10Tの少なくとも一部にレジスト層20が設けられてもよい。
【0047】
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
例えば、上記実施形態では、シールド層60を備える静電容量センサ1を例に説明した。しかし、静電容量センサ1は、シールド層60を備えなくてもよい。また、シールド層60は、基材フィルム10におけるレジスト層20側と反対側の主面12に設けられてもよい。この場合、シールド層60は、この主面12のうち当該基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に領域15と重なる領域に設けられ、背面レジスト層80によって覆われる。また、シールド層60は、基材フィルム10の厚み方向に沿って見る場合に電極31~36と離隔する。
【0049】
また、上記実施形態では、電極31~36より厚いシールド層60を例に説明した。しかし、シールド層60は電極31~36より薄くされてもよく、基材フィルム10の主面11に沿う方向において、電極31~36とシールド層60とが互いに重ならなくてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、背面レジスト層80を備える静電容量センサ1を例に説明した。しかし、静電容量センサ1は、背面レジスト層80を備えなくてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、自己容量方式の静電容量センサ1を例に説明した。しかし、静電容量センサ1は、相互容量方式の静電容量センサであってもよい。このような静電容量センサとしては、例えば、電極31が二つに分割されて基材フィルム10の主面11に沿う方向に所定の間隔をあけて並ぶ第1電極及び第2電極が形成され、端子41に替わって第1電極に電気的に接続する端子と第2電極に電気的に接続する別の端子とを備える構成が挙げられる。
【0052】
以上説明したように、本発明によれば、電極の密着力を高めつつ可撓性の低下を抑制し得る静電容量センサ、及び静電容量センサの製造方法が提供され、車両用の操作スイッチ、タッチパネル式ディスプレイ等の分野において利用することができる。

図1
図2
図3
図4