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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-24
(45)【発行日】2025-01-08
(54)【発明の名称】情報出力装置及び情報出力方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/0968 20060101AFI20241225BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
G08G1/0968
G01C21/26 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023575047
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(86)【国際出願番号】 JP2022029774
(87)【国際公開番号】W WO2023139817
(87)【国際公開日】2023-07-27
【審査請求日】2024-04-11
(31)【優先権主張番号】P 2022008751
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(72)【発明者】
【氏名】安井 百合江
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-26537(JP,A)
【文献】特開2004-163179(JP,A)
【文献】特開2012-26813(JP,A)
【文献】特開2019-87037(JP,A)
【文献】特開2017-133954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/0968
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データ、テキストデータ及び音声データの少なくともいずれか1つを出力する出力装置と、
所定の条件を満たす場合、前記出力装置に移動体を移動させる動力源の補充を促す補充提案情報を出力させる制御装置とを備え、
前記条件は、前記移動体の目的地として第1目的地と前記第1目的地に到着した前記移動体が目指す第2目的地とが設定されていることと、前記移動体が前記第1目的地から第1所定距離の位置まで近づいたことと、前記第1目的地が前記移動体に前記動力源の補充を行える補充可能施設ではないことと、前記移動体が前記動力源の残量で走行を継続できると推測される航続可能距離が前記移動体の現在地から前記第2目的地までのルート距離よりも短い、又は、前記航続可能距離が前記ルート距離よりも長く、かつ前記航続可能距離と前記ルート距離との差が第3所定距離以下であることと、を含み、
前記制御装置は、
前記移動体が前記第1目的地から前記第1所定距離の位置まで近づいた場合、前記動力源の残量を示す残量データを取得して前記航続可能距離を算出し、前記移動体の前記現在地を示す位置データを取得して前記ルート距離を算出し、
前記航続可能距離が前記ルート距離よりも長く、その差が前記第3所定距離以上である場合に前記補充提案情報の出力を行わない
ことを特徴とする情報出力装置。
【請求項2】
前記条件は、前記第1目的地から前記第2目的地までのルート沿いにある前記補充可能施設が所定数よりも少ないことを更に含み、
前記制御装置は、
前記移動体が前記第1目的地から前記第1所定距離の位置まで近づいた場合、前記第1目的地から前記第2目的地までの前記ルート沿いにある前記補充可能施設に関する補充施設情報を取得し、
前記補充可能施設が前記所定数よりも多い場合に前記補充提案情報の出力を行わないことを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項3】
前記条件は、前記移動体の前記現在地又は前記現在地よりも先の前記ルート沿いに荒天の予報がでていることを更に含み、
前記制御装置は、
前記移動体が前記第1目的地に前記第1所定距離の位置まで近づいた場合、天気情報を取得し、
現時点から所定の期間内に前記移動体の前記現在地又は前記現在地よりも先の前記ルート沿いが荒天の予報でない場合、前記補充提案情報の出力を行わないことを特徴とする請求項2に記載の情報出力装置。
【請求項4】
画像データ、テキストデータ及び音声データの少なくともいずれか1つを出力する出力装置に、移動体を移動させる動力源の補充を促す補充提案情報を出力させる制御装置の情報出力制御方法において、
前記移動体の目的地として第1目的地と、前記第1目的地に到着した前記移動体が目指す第2目的地との設定を受け付けるステップと、
前記移動体の現在地を示す位置データを取得するステップと、
前記移動体が前記第1目的地から第1所定距離の位置まで近づいた場合、前記動力源の残量を示す残量データを取得するステップと、
前記移動体が前記動力源の残量で走行を継続できると推測される航続可能距離を算出するステップと、
取得した前記位置データに基づいて、前記現在地から前記第2目的地までのルート距離を算出するステップと、
所定の条件を満たす場合、前記出力装置に移動体を移動させる動力源の補充を促す補充提案情報を出力させるステップと、を含み、
前記条件は、前記第1目的地と、前記第2目的地とが設定されていることと、前記移動体が前記第1目的地に第1所定距離まで近づいたことと、前記第1目的地が前記移動体に前記動力源の補充を行える補充可能施設ではないことと、前記航続可能距離が前記移動体の現在地から前記第2目的地までのルート距離よりも短い、又は、前記航続可能距離が前記ルート距離よりも長く、かつ前記航続可能距離と前記ルート距離との差が第3所定距離以下であることと、を含む、
情報出力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体が移動するための動力源の補充を促す情報を出力させる情報出力装置と、この情報を情報出力装置に出力させるための情報出力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両通知情報に基いて、充電のための経路を算出する充電設備案内装置を開示する。車両通知情報は、電動車両の識別情報と電動車両の位置データと電動車両の充電状態を示す情報と、電動車両が往復する所定の出発地と所定の目的地との間の往復経路情報とを含む。特許文献1によれば、充電設備案内装置は、電動車両が定期的に往復を繰り返す経路の途中又は経路の近くにある充電設備の案内を、適切な残充電量のときに電動車両において行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-148472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1に開示の充電設備案内装置は、次の目的地へ向けて出発する場合にすぐに充電が必要になる可能性があり、次のアクティビティへの移行をスムーズに行えないおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、次のアクティビティへの移行をスムーズに行える情報出力装置及び情報出力制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一態様に係る情報出力装置は、出力装置と、制御装置とを備える。出力装置は、画像データ、テキストデータ及び音声データの少なくともいずれか1つを出力する。制御装置は、所定の条件を満たす場合、出力装置に補充提案情報を出力する。補充提案情報は、動力源の補充を促す情報である。動力源は、移動体を移動させる。所定の条件は、移動体の目的地として第1目的地と第2目的地とが設定されていることを含む。第2目的地は、第1目的地に到着した移動体が目指す目的地である。所定の条件は、移動体が第1目的地に所定距離まで近づいたことを含む。
【0007】
第一態様の情報出力装置は、1つ目の目的地から2つ目の目的地へ向けて移動体をスムーズに出発させることができる適切なタイミングで、補充提案情報を出力装置に出力させることができる。
【0008】
本開示の第一態様に係る情報出力装置において、所定の条件は、第1目的地が補充可能施設ではないことを更に含む。補充可能施設は、移動体に動力源の補充を行える。制御装置は、目的地情報を取得する。目的地情報は、設定されている目的地に関する情報である。制御装置は、第1目的地が補充可能施設の場合に補充提案情報の出力を行わない。
【0009】
第一態様の情報出力装置は、動力源の補充が必要ない場合に補充提案情報が出力されることを防止できる。
【0010】
本開示の第一態様に係る情報出力装置において、所定の条件は、航続可能距離がルート距離よりも短い、又は、航続可能距離とルート距離との差が所定距離以下であることを更に含む。航続可能距離は、移動体が動力源の残量で走行を継続できると推測される距離である。ルート距離は、移動体の現在地から第2目的地までの距離である。制御装置は、移動体が第1目的地に所定距離まで近づいた場合、残量データを取得して航続可能距離を算出する。残量データは、動力源の残量を示す。制御装置は、移動体が第1目的地に所定距離まで近づいた場合、位置データを取得してルート距離を算出する。位置データは、移動体の現在地を示す。制御装置は、航続可能距離がルート距離よりも所定距離を超えて長い場合に補充提案情報の出力を行わない。
【0011】
第一態様の情報出力装置は、動力源の補充が必要ない場合に補充提案情報が出力される可能性を下げることができる。
【0012】
本開示の第一態様に係る情報出力装置において、所定の条件は、補充可能施設が所定数よりも少ないことを更に含む。この補充可能施設は、第1目的地から第2目的地までの探索ルート沿いにある補充可能施設である。制御装置は、移動体が第1目的地に所定距離まで近づいた場合、補充施設情報を取得する。補充施設情報は、第1目的地から前記第2目的地までの探索ルート沿いにある補充可能施設に関する情報である。制御装置は、補充可能施設が所定数よりも多い場合に補充提案情報の出力を行わない。
【0013】
第一態様の情報出力装置は、動力源の補充が必要ない場合に補充提案情報が出力される可能性を下げることができる。
【0014】
本開示の第一態様に係る情報出力装置において、所定の条件は、移動体の現在地又は現在地よりも先の探索ルート沿いに荒天の予報がでていることを更に含む。制御装置は、移動体が第1目的地に所定距離まで近づいた場合、天気情報を取得する。制御装置は、現時点から所定の期間内に移動体の現在地又は現在地よりも先の探索ルート沿いが荒天の予報でない場合に補充提案情報の出力を行わない。
【0015】
第一態様の情報出力装置は、荒天の中で動力源の補充が行わなければならない状況になることを防止できる。
【0016】
本開示の第一態様に係る情報出力方法は、画像データ、テキストデータ及び音声データの少なくともいずれか1つを出力する出力装置に、移動体を移動させる動力源の補充を促す補充提案情報を出力させる制御方法において、移動体の目的地として第1目的地と第1目的地に到着した移動体が目指す第2目的地とが設定されていて、移動体が第1目的地に所定距離まで近づいた場合に、補充提案情報を出力させるステップを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、次のアクティビティへ移行する前に、動力源の補充の要否を提案するので、次のアクティビディへの移行をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る情報出力装置の概略構成図である。
図2】補充提案情報の一例を示す図である。
図3】2つの目的地が設定された状態のイメージ図である。
図4】補充可能施設までのルートを示す画面の一例である。
図5】補充提案処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように、本発明の一実施形態である情報出力装置1は、入力装置11と、出力装置12と、記憶装置13と、制御装置14とを備える。制御装置14は、第1通信制御部15と、第2通信制御部16と、ナビゲーション部17と、提案部18と、出力制御部19とを備える。情報出力装置1は、移動体2に搭載される。情報出力装置1は、例えば、カーナビゲーション装置、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。本実施形態において、情報出力装置1は、カーナビゲーション装置である。
【0020】
移動体2は、例えば、自動車などの車両又はバイク等の二輪車である。本実施形態の移動体2は、電気自動車である。電気自動車は、電気を動力源にして移動する。本実施形態において、移動体2は、位置センサ21と、動力源部22と、通信装置23と、補充部24とを備える。なお、搭載は、情報出力装置1が移動体2とともに移動する状態になることを意味する。搭載は、情報出力装置1が移動体2に組み込まれていることと、情報出力装置1がユーザによって移動体2内に持ち込まれることとを含む。
【0021】
出力制御部19は、所定の条件を満たす場合、図2に示すように、補充提案情報38を出力装置12に出力させる。補充提案情報38は、動力源の補充をユーザに促すための情報である。所定の条件は、複数あってもよい。例えば、所定の条件のうちの1つである条件1は、図3にイメージを示すように、目的地が2つ設定されていることである。
【0022】
ゴールアイコン36は、それぞれ2つの目的地に対応する。ゴールアイコン36は、例えば旗の図形である。図3に示されるように、現在地マーク35は、移動体2の現在地に対応する。ルート図形37は、移動体2の現在地と、2つの目的地との間のルートに対応する。
【0023】
目的地が2つ設定されていることは、ナビゲーション部17がこれらの目的地に向けて移動体2にルートを案内していることを意味する。すなわち条件1は、現在案内中の目的地以降の目的地が設定され、ルート案内中であることである。第1目的地は、2つの目的地のうち、移動体2がスタート地点から目指す1つ目の目的地である。第2目的地は、2つの目的地のうち、第1目的地の次の目的地である。第2目的地は、移動体2が第1目的地から目指す2つ目の目的地である。第1目的地及び第2目的地は、入力装置11を介してユーザによって設定してもよいし、予め記憶部に記憶していた第1目的地及び第2目的地を設定してもよい。
【0024】
条件2は、移動体2が第1目的地に所定距離まで近づいたことである、としてもよい。所定距離は、例えば、第1目的地を中心とする所定半径の範囲42である。提案部18は、移動体2が第1目的地に所定距離まで近づくと、条件2を満たすと判断する。以下、条件2に関する所定距離は、「第1所定距離」とも記載される。
【0025】
出力制御部19は、少なくとも条件1及び条件2を含む所定の条件が満たされた場合、図2に示すように、補充提案情報38を出力装置12に出力する。そのため、情報出力装置1は、目的地が2つ設定されている場合に、1つ目の目的地から2つ目の目的地へ向けて移動体2がスムーズに出発できる適切なタイミングで、動力源の補充の提案を行うことができる。すなわち出力制御部19は、移動体2が第1目的地に所定距離まで近づいたタイミングで、補充提案情報38を出力装置12に出力できる。このように本実施形態の情報出力装置1を搭載する移動体2は、第1目的地に到着後、動力源の補充を行うことなく次のアクティビティへの移行をスムーズに行える。
【0026】
≪各構成要素の詳細≫
図1に示す位置センサ21は、所定の時間間隔で、移動体2の位置データを取得する。位置データは、それが取得された時点での移動体2の現在地を示す。位置センサ21は、例えばGPS(Global Positioning System)センサである。GPSセンサは、上空に配置された複数のGPS衛星からそれぞれ送信される電波を受信することで、各GPS衛星との距離を算出し、現在地を示す位置データを算出する。位置データは、例えば緯度データ及び経度データを含む。位置センサ21は、位置データを第1通信制御部15に出力できる。
【0027】
動力源部22は、収容部22aと動力源センサ22bとを有する。収容部22aは、動力源を収容する。動力源は、例えば、電気、ガソリン又は水素である。収容部22aは、動力源が電気の場合、走行用のバッテリである。収容部22aは、動力源がガソリン又は水素の場合、動力源を収容できる容器である。
【0028】
動力源センサ22bは、例えば、電流センサ、電圧センサ、及び温度センサ等の少なくともいずれか1つを備える。動力源センサ22bは、収容部22aに収容されている動力源の残量を制御装置14が算出するためのデータを取得する。動力源センサ22bは、動力源が電気の場合、例えば、バッテリの電流値と電圧値と温度とを検出する。動力源センサ22bは、第1通信制御部15を介して、取得したデータを提案部18に出力できる。
【0029】
通信装置23は、移動体2の外に設けられた外部装置と通信する。外部装置は、例えばサーバである。サーバは、例えば気象サーバ4が挙げられる。気象サーバ4は、天気情報を配信する。通信装置23は、天気情報を気象サーバ4から取得できる。通信装置23は、例えばTCU(Telematics Control Unit)である。TCUは、モバイルネットワークを使って外部装置との双方向通信を行う。
【0030】
補充部24は、動力源を収容部22aに補充するために使用される。補充部24は、移動体2の外に向けて設けられている。補充部24は、ケーブル又は管等を介して収容部22aに接続される。本実施形態において、補充部24は、充電ケーブルを介して、充電スタンドと接続できるように構成されている。
【0031】
充電スタンドは、動力源である電気を収容部22aに補充できる。充電スタンドは、2以上の種類がある。充電スタンドの種類は、例えば、急速充電か普通充電かによって異なる。充電スタンドの種類は、例えば、充電ケーブルの有無によって異なる。充電スタンドは、充電ステーションに設置されている。充電スタンドは、ユーザの自宅に設置していてもよい。充電ステーションは、補充可能施設に相当する。補充可能施設は、他に、例えば、ガソリンスタンド又は水素ステーションを含んでもよい。
【0032】
入力装置11は、例えば、出力装置12と一体的に構成されたタッチパネル、音声でテキストデータを入力できる音声入力装置、又は、物理キーで構成されていてもよい。本実施形態において、入力装置11は、タッチパネルである。入力装置11は、ユーザによって操作される。
【0033】
出力装置12は、例えば、入力装置11と一体的に構成されたタッチパネル、音声出力のスピーカ、又は、HUD(Head-Up Display)であってもよい。本実施形態において、出力装置12はタッチパネルである。このような出力装置12は、画像データ、テキストデータ及び音声データの少なくともいずれか1つを出力できる。
【0034】
出力装置12は、補充提案情報38を出力する。出力装置12は、補充提案情報38を、画像データ、テキストデータ又は音声データで出力する。本実施形態において、出力装置12は、補充提案情報38をテキストデータで出力する。
【0035】
記憶装置13は、電源が切られれば情報が消える揮発性記憶装置と、電源が切られても情報が消えない不揮発性記憶装置とを有するものであってもよい。例えば、揮発性記憶装置は、制御装置14により処理される情報を一時的に記憶することができる。揮発性記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)として用いても良い。不揮発性記憶装置は、各種の情報処理プログラム及び各種の情報が記憶可能なストレージである。
【0036】
各種の情報は、例えば地図31を出力装置12に表示させるための地図データである。不揮発性記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)として用いても良い。ROMは、例えば、フラッシュメモリ、若しくはHDD(Hard Disk
Drive)で構成してもよい。
【0037】
地図データは、道路情報を含む。道路情報が示す道路は、ノードとリンクの組み合わせで表される。ノードは、交差点や道路の末端等に対応する。リンクは、隣り合うノードをつなぐ位置に対応する。地図データは、POI(Point of Interest)データを含む。POIデータは、POIに関するデータである。POIは、地図31に示される特定の地点である。POIデータは、例えば、POIの位置データと、POIの名称と、POIの種類と、画像データとを含む。
【0038】
画像データは、例えば、地図31が示すアイコンの画像データである。本実施形態において、POIは、補充可能施設を含む。すなわち、POIデータは、補充可能施設の位置データ、補充可能施設の名称、及び補充可能施設の種類等を示す。以下、補充可能施設に関するPOIデータは「補充施設情報」とも記載される。補充可能施設の種類は、例えばケーブルありのポール型普通充電器、ケーブルなしのポール型普通充電器、又は、急速充電器が挙げられる。
【0039】
制御装置14は、位置センサ21と、動力源部22と、通信装置23と、入力装置11と、出力装置12と、記憶装置13とにそれぞれ電気的に接続されている。制御装置14は、例えば、記憶装置13に記憶されている各種のプログラムを実行することで、各種機能部を実現する。制御装置14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又は、MPU(Micro Processing Unit)で構成される。
【0040】
第1通信制御部15は、位置センサ21から、移動体2の現在地を示す位置データを取得する。第1通信制御部15は、動力源部22から、動力源の残量を示す残量データを取得する。第1通信制御部15は、例えばCAN(CONTROLLER AREA NETWORK)通信を利用して位置データ及び残量データを取得する。
【0041】
本実施形態において、第2通信制御部16は、通信装置23を介して、気象サーバ4から天気情報を取得する。第2通信制御部16は、天気情報を取得するため、例えば、移動体2の現在地を示す位置データを気象サーバ4に送信する。第2通信制御部16は、通信装置23を介して、所定の地域の天気情報を気象サーバ4から受信する。所定の地域は、移動体2の現在地を含む地域である。所定の地域は、設定されているルートを含む地域である。所定の地域は、第1目的地及び第2目的地を含む地域である。
【0042】
ナビゲーション部17は、移動体2の出発地から第1目的地に移動体2を案内するための情報をユーザに提供する。ナビゲーション部17は、移動体2が第1目的地に到着すると、続いて、第1目的地から第2目的地に移動体2を案内するための情報をユーザに提供する。
【0043】
ナビゲーション部17は、移動体2の現在地と第1目的地と第2目的地とに基き、ルートを設定する機能を有する。ナビゲーション部17は、ルートを設定するため、移動体2の現在地を示す位置データを位置センサ21から取得する。ナビゲーション部17は、ルートを設定するため、目的地情報を取得する。
【0044】
目的地情報は、ユーザによって入力装置11を介して設定された第1目的地及び第2目的地を示す情報である。目的地情報は、例えば、前述の揮発性記憶媒体に記憶される。ナビゲーション部17は、設定したルートに沿って、音声及び表示の少なくともいずれか一方でユーザを案内する。ナビゲーション部17は、設定したルートから移動体2が外れた場合、リルート(再探索)を行うこともできる。
【0045】
ナビゲーション部17は、補充可能施設の検索処理を行う。ナビゲーション部17は、補充提案情報38が出力されてユーザが動力源の補充を決定した場合に、補充可能施設の検索処理を行う。補充可能施設の検索処理は、例えば、移動体2の現在地と第1目的地とに基き、好適な補充可能施設を検索する処理である。補充可能施設の検索処理は、例えば、移動体2の周囲にあり、かつ、補充部24に対応する種類の補充可能施設を検索する処理である。
【0046】
ナビゲーション部17は、補充可能施設の検索処理により、移動体2の現在地から補充可能施設を経て、第1目的地に向かうルートを求める。ナビゲーション部17は、補充可能施設の検索処理により、移動体2の出発時に設定されたルートと異なるルートを新たに設定できる。本実施形態において、出力装置12は、補充可能施設の検索処理が行われた場合、図4に示すように、移動体2の現在地から補充可能施設を経由して第1目的地に到達するルートをルート図形37aで示す。
【0047】
提案部18は、補充提案処理を行う。補充提案処理は、補充提案情報38を出力するための処理である。本実施形態において、提案部18は、上記2つの条件に加えて、更に、以下の条件3又は条件4を満たす場合、補充提案処理を行う、としてもよい。
【0048】
条件1:第1目的地及び第2目的地が設定されており、ルート案内中である。
条件2:移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいた。
条件3:第1目的地がユーザの自宅又は自宅周辺、あるいは補充可能施設ではない。
条件4:出発地から所定距離以上、離れた地点が第1目的地である。
【0049】
提案部18は、条件1を満たすか否か判断するため、目的地情報を取得する。目的地情報が示す目的地の位置データは、例えば緯度データ及び経度データである。提案部18は、例えば、目的地情報に2以上の異なる地点の位置データが含まれる場合、第1目的地及び第2目的地が設定されていると判断する。
【0050】
提案部18は、条件2を満たすか否か判断するため、移動体2の現在地を示す位置データを所定の時間間隔で取得する。提案部18は、第1通信制御部15を介して、位置センサ21から位置データを取得する。提案部18は、移動体2の現在地を示す位置データと、目的地情報に含まれる第1目的地の位置データとに基き、ルートに沿って移動する移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいたか否か判断する。なお、もし移動体2が案内に従わずにルートを外れたとしても、ナビゲーション部17は、リルートを行うことですぐにルート案内中の状態に戻すことができる。
【0051】
第1所定距離は、移動体2の現在地から第1目的地を経由した第2目的地までの全体のルート長とのバランスを取って設定されることが好ましい。第1所定距離は、移動体2が第1目的地に近づいてもナビゲーション部17がリルートを行わなくなる距離より少し長めになる程度であってもよい。第1所定距離は、全体のルート長に応じた可変値であってもよい。例えば、第1所定距離は、0.5km以上5km以下が好ましい。
【0052】
提案部18は、条件3を満たすか否か判断するため、目的地情報と地図データとユーザの自宅の位置データとに基き、第1目的地がユーザの自宅又は自宅周辺か否か判断する。ユーザの自宅の位置データは、例えば前述の不揮発性記憶装置に記憶されている。本実施形態において、提案部18は、条件3を満たすか否か判断するため、目的地情報が示す第1目的地と補充施設情報とに基き、第1目的地が補充可能施設か否か判断する。提案部18は、条件3に基くことで、補充提案情報38が不必要なタイミングで出力装置12に出力されることを防止できる。
【0053】
提案部18は、条件4を満たすか否か判断するため、移動体2の出発地から第1目的地までの距離を算出する。提案部18は、例えば、出発時の移動体2の現在地を示す位置データと、目的地情報と、地図データとに基き、この距離を算出する。なお、この距離は、ナビゲーション部17で算出してもよい。提案部18は、この距離が所定距離を超える場合、条件4を満たすと判断する。
【0054】
以下、条件4に関する所定距離は、「第2所定距離」とも記載される。第2所定距離は、50km以上200km以下が好ましい。ここで、情報出力装置1は、移動体2の出発時、移動体2の現在地から第1目的地までの距離に基いて「目的地に到着できない可能性がある」という内容のメッセージを出力できる構成であってもよい。この場合、第2所定距離は、そのメッセージが出力される距離よりも大きい値であってもよい。提案部18は、条件4に基くことで、移動体2の動力源の消費が少ないときに動力源の補充が提案されることを防止できる。
【0055】
提案部18は、上記4つの条件に加えて、更に以下の条件5及び条件6を満たす場合、補充提案処理を行う構成であってもよい。
【0056】
条件5:移動体2の動力源の残量が所定割合以下。
条件6:収容部22aがバッテリの場合、バッテリの状態が充電に適している。
【0057】
提案部18は、条件5を満たすか否か判断するため、第1通信制御部15を介して、動力源センサ22bから残量データを取得する。提案部18は、残量データに基き、動力源の残量が所定割合以下か否か判断する。所定割合は、収容部22aが動力源を収容できる最大量に対する、動力源の残量の割合である。所定割合は、例えば6割である。所定割合は、5割がより好ましい。なお提案部18は、動力源の残量の割合で条件5を満たすか否か判断する構成に限定されない。例えば提案部18は、動力源の残量が所定値以下の場合に条件5を満たすと判断する構成であってもよい。
【0058】
提案部18は、条件6を満たすか否か判断するため、図示しない温度検知部から温度データを取得する。温度データは、移動体2の外の温度を示す。提案部18は、温度データに基き、移動体2の外の温度が所定の温度範囲内か否か判断する。提案部18は、移動体2の外の温度が所定の温度範囲内の場合、条件6を満たすと判断する。提案部18は、条件6に基くことで、バッテリを効率的に充電できる。なお、温度データは、更にバッテリの温度を示してもよい。この場合、提案部18は、移動体2の外の温度及びバッテリの温度がそれぞれ所定の温度範囲内の場合、条件6を満たすと判断する。これにより、充電に適した温度でバッテリを充電でき、バッテリの劣化及び充電時間の増大を抑制できる。
【0059】
提案部18は、上記6つの条件に加えて、更に以下の条件7、条件8、条件9又は条件10を満たす場合、補充提案処理を行う構成であってもよい。
【0060】
条件7:現在の動力源の残量に基く航続可能距離が不十分。
条件8:第1目的地から第2目的地までのルート沿いにある補充可能施設が所定数未満。
条件9:移動体2の現在地の周辺で天候が今後悪化する予報が出ている。
条件10:移動体2の現在地の周辺にユーザがよく使う種類の補充可能施設がある。
【0061】
提案部18は、条件7を満たすか否か判断するため、例えば、移動体2の現在地から第2目的地までの距離に対して航続可能距離が不十分か否か判断する。具体的に、提案部18は、航続可能距離がルート距離よりも短いかどうか、又は、航続可能距離がルート距離よりも長くかつ航続可能距離とルート距離との差が所定距離以下かどうか判断する。航続可能距離は、動力源を補充することなく、移動体2が走行を継続できると推測される距離である。
【0062】
航続可能距離は、動力源の残量に基いて算出される。ルート距離は、移動体2の現在地から第1目的地を経由した第2目的地までの距離である。航続可能距離が十分であること、すなわち航続可能距離がルート距離よりも長く、航続可能距離とルート距離との差が所定距離を超えることは、移動体2が動力源の残量に余裕を持って第2目的地に到達できることを意味する。以下、条件7に関する所定距離は、「第3所定距離」とも記載される。
【0063】
提案部18は、例えば、ルート距離が航続可能距離の75%以上の場合、条件7を満たすと判断してもよい。提案部18は、動力源の残量データと、移動体2の現在地を示す位置データと、目的地情報と、地図データとに基き、航続可能距離及びルート距離を算出する。なお、航続可能距離及びルート距離は、ナビゲーション部17で算出されてよい。提案部18は、移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいた場合、条件7を満たすか否か判断する。提案部18は、条件7に基くことで、不必要なタイミングで補充提案情報38が出力されることを抑制できる。
【0064】
提案部18は、条件8を満たすか否か判断するため、地図データから補充施設情報を取得する。本実施形態において、提案部18は、移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいた場合、補充施設情報を取得する。提案部18は、補充施設情報と、移動体2の現在地を示す位置データと、目的地情報とに基き、ルート沿いにある補充可能施設の数を求める。
【0065】
ルート沿いとは、例えば、設定されたルートに面した範囲である。ルート沿いとは、例えば、設定されているルートを中心として道路の幅方向に50m以上500m以下の範囲である。もし情報出力装置1がルート沿いにある施設を検索できる公知の検索機能を備えている場合、提案部18は、その検索機能の動作に従って、補充可能施設の数を求めてもよい。
【0066】
提案部18は、情報出力装置1が上記公知の検索機能を備えている場合であっても、その検索機能よりも検索範囲を広げて、ルート沿いの補充可能施設の数を求めてもよい。提案部18は、上記公知の検索機能を情報出力装置1が備えない場合、移動体2の現在地を中心とする範囲をルート沿いとして、補充可能施設の数を求めてもよい。この範囲は、例えば、移動体2の現在地を中心とする半径500mの範囲である。所定数は、例えば、1以上50以下である。
【0067】
提案部18は、条件9を満たすか否か判断するため、例えば、所定時間内において、移動体2の現在地周辺又は現在地よりも先のルート沿いに荒天となる予報が出ているか否か判断する。所定時間は、例えば、現在時刻から1時間以上24時間以下経過した時間である。荒天とは、降雨、豪雨、降雪、豪雪、突風、台風等、晴天や曇りではなく、天気が悪い状態である。
【0068】
提案部18は、移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいた場合、第2通信制御部16を介して、気象サーバ4から天気情報を取得する。提案部18は、天気情報に基き、移動体2の現在地の周辺で天候が今後悪化する予報が出ているか否か判断する。
【0069】
提案部18は、条件10を満たすか否か判断するため、移動体2の現在地の周辺にある1又は2以上の補充可能施設に関する補充施設情報を地図データから取得する。提案部18は、動力源が電気の場合、補充施設情報に基き、移動体2の現在地の周辺にユーザがよく使用する種類の充電施設があるか否か判断する。これまでに使用された充電施設の種を示す情報は、例えば前述の不揮発性記憶装置に蓄積される。提案部18は、このような蓄積された情報に基き、ユーザによる充電施設の使用頻度を種類ごとに判断する。
【0070】
なお、使用頻度にばらつきがある場合、提案部18は、全ての種類の充電施設を対象にしてもよい。充電施設の種類は、例えば、充電器の最大出力及び設置施設の種類に基いて判断される。設置施設は、例えば、コンビニ、公共施設、ディーラー、サービスエリア及びパーキングエリアが挙げられる。また、ユーザが充電施設の検索機能を日頃からよく使い、充電施設の絞り込み条件を設定しているような場合には、その条件に従う動作にするのが望ましい。この条件に関する情報は、例えば前述の不揮発性記憶装置に記憶される。提案部18は、移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいた場合、条件10を満たすか否か判断する。
【0071】
以上のように、提案部18は、以下の組み合わせで各条件が満たされる場合に補充提案処理を行う、としてもよい。
【0072】
・条件1 and 条件2 and 条件3
・条件1 and 条件2 and 条件4
・条件1 and 条件2 and 条件3 and条件5 and 条件6 and 条件7
・条件1 and 条件2 and 条件4 and条件5 and 条件6 and 条件7
・条件1 and 条件2 and 条件3 and条件5 and 条件6 and 条件8
・条件1 and 条件2 and 条件4 and条件5 and 条件6 and 条件8
・条件1 and 条件2 and 条件3 and条件5 and 条件6 and 条件9
・条件1 and 条件2 and 条件4 and条件5 and 条件6 and 条件9
・条件1 and 条件2 and 条件3 and条件5 and 条件6 and 条件10
・条件1 and 条件2 and 条件4 and条件5 and 条件6 and 条件10
【0073】
なお、提案部18は、上記以外の場合に補充提案処理を行うとしてもよいし、例えば、提案部18は、条件1から条件10の全てを満たす場合にのみ補充提案処理を行う、としてもよい。
【0074】
出力制御部19は、補充提案情報38を出力装置12に出力する。出力制御部19は、提案部18が所定の条件を満たすと判断した場合、補充提案情報38を出力装置12に出力する。本実施形態において、補充提案情報38に関する画面34は、図2に示すように、地図エリア32と提案情報エリア33とを含む。地図エリア32は、地図31を表示する。
【0075】
図31は、現在地マーク35によって、移動体2の現在地を示す。地図31は、ゴールアイコン36によって、第1目的地及び第2目的地をそれぞれ示す。地図31は、各種のアイコンによってPOIを示す。具体的に、地図31は、補充可能施設マーク39によって、補充可能施設の位置を示す。地図31は、ルート図形37によって、ナビゲーション部17によって設定されたルートを示す。ルート図形37は、地図31が示す道路に沿って配置される細長い図形である。ルート図形37は、地図31が示す道路とは異なる色である。
【0076】
本実施形態において、補充提案情報38は、動力源の補充を提案するテキストデータを含む。補充提案情報38は、補充を勧める理由を示すテキストデータを含んでもよい。補充提案情報38は、移動体2の現在地から第1目的地までのルートに沿った距離を示すテキストデータを含んでもよい。
【0077】
補充提案情報38は、お勧めの補充可能施設を出力装置12に表示するか否かをユーザに確認するためのテキストデータを含んでもよい。この確認のためのテキストデータが補充提案情報38に含まれる場合、画面34は、補充提案情報38に対してユーザが応答するためのボタン40を含む。ボタン40は、例えば、「はい」又は「いいえ」の文字をそれぞれ示す。
【0078】
本実施形態において、補充提案情報38は、例えば、以下の内容を示す。
【0079】
「およそ〇〇km先、目的地です。####ですので、次の移動をスムーズにするために到着前の充電をお勧めします。お勧めの補充可能施設を表示しますか?」
【0080】
なお、上記の例示における「目的地」は、第1目的地のことである。「〇〇」は、移動体2の現在地から第1目的地までのルートに沿った距離を示す。「####」は、第1目的地に到着する前に充電が推奨される理由を示す。理由は、例えば、天候悪化が予想されるため、次の目的地までの距離が長いため、又は、次の目的地までのルート周辺に補充可能施設が少ないため、等が挙げられる。
【0081】
出力制御部19は、お勧めの補充可能施設の検索を行うか否かの確認を、テキストデータだけではなく、音声データを出力して行う構成であってもよい。又は、出力制御部19は、この確認をテキストデータ及び音声データを出力して行う構成であってもよい。
【0082】
出力制御部19は、お勧めの補充可能施設の検索をユーザが望んだ場合、例えば、図示しない補充可能施設リストを出力装置12に表示してもよい。補充可能施設リストは、移動体2の現在地の周辺にある1又は2以上の補充可能施設に関する情報の一覧である。この情報は、例えば、補充可能施設の名称、場所、充電器の種類、及び営業時間等を示す情報であってもよい。
【0083】
補充可能施設リストが示す補充可能施設は、条件10を満たすか否か判断するときに提案部18が把握した補充可能施設である。出力制御部19は、ユーザによって補充可能施設リストから補充可能施設が選択された場合、図4のように、その補充可能施設を経由して第1目的地に到達するルートを示す地図31を出力装置12に表示する。出力制御部19は、補充可能施設の検索をユーザが望まなかった場合、設定されたルートを変更することなく、第1目的地までの案内を続行する。出力制御部19は、一定時間にわたって入力装置11に対する操作がない場合にも、第1目的地までの案内を続行する。
【0084】
上記のような情報出力装置1は、コンピュータである。本実施形態において、第1通信制御部15と第2通信制御部16とナビゲーション部17と提案部18と出力制御部19は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶装置13に格納されたソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。
【0085】
また、情報出力装置1の構成要素の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific
Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing
Unit)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0086】
ソフトウェアプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置13に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されていてもよい。これらの記憶媒体が情報出力装置1に装着されることで、ソフトウェアプログラムが情報出力装置1にインストールされるようにしてもよい。
【0087】
≪補充提案処理≫
提案部18は、図5のフローチャートに示す動作で補充提案処理を行う。補充提案処理は、第1目的地が設定されることで開始される。
【0088】
ステップS1で、提案部18は、ナビゲーション部17が移動体2をルートに沿って案内中に、移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいたか否か判断する。提案部18は、ルート案内中に移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいた場合(S1:Yes)、補充提案処理をステップS2に進める。提案部18は、ルート案内中ではない、又は、移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいた状態ではない場合(S1:No)、ステップS5に進む。
【0089】
ステップS2で、提案部18は、第1目的地が補充可能施設又は自宅か否か判断する。提案部18は、第1目的地が補充可能施設又は自宅である場合(S2:Yes)、ステップS5に進む。提案部18は、第1目的地が補充可能施設又は自宅ではない場合(S2:No)、ステップS3に進む。
【0090】
ステップS3で、提案部18は、第2目的地が設定されているか否か判断する。提案部18は、第2目的地が設定されている場合(S3:Yes)、ステップS5に進む。提案部18は、第2目的地が設定されていない場合(S3:No)、ステップS4に進む。
【0091】
ステップS4で、提案部18は、移動体2の出発地又は自宅から第1目的地までの距離が第2所定距離以上か否か判断する。提案部18は、この距離が第2所定距離以上の場合(S4:Yes)、ステップS5に進む。提案部18は、この距離が第2所定距離未満の場合(S4:No)、補充提案情報を出力することなく補充提案処理を終了する。
【0092】
ステップS5で、提案部18は、動力源の残量が所定割合以下かどうか判断する。提案部18は、動力源の残量が所定割合以下の場合(S5:Yes)、ステップS9に進む。提案部18は、動力源の残量が所定割合を超える場合(S5:No)、ステップS6に進む。
【0093】
ステップS6で、提案部18は、移動体2の現在地から第2目的地までの距離に対して、動力源の残量に基く航続可能距離が不十分か否か判断する。提案部18は、航続可能距離が不十分の場合(S6:Yes)、ステップS9に進む。提案部18は、航続可能距離が十分な場合(S6:No)、ステップS7に進む。
【0094】
ステップS7で、提案部18は、第2目的地又は出発地までのルート沿いの補充可能施設が所定数未満か否か判断する。提案部18は、補充可能施設が所定数未満の場合(S7:Yes)、ステップS9に進む。提案部18は、補充可能施設が所定数以上の場合(S7:No)、ステップS8に進む。
【0095】
ステップS8で、提案部18は、現在時刻から所定時間内に移動体2の現在地の周辺、及び、現在地から第2目的地までのルート沿いに荒天予想がでているか否か判断する。提案部18は、荒天予想がでている場合(S8:Yes)、ステップS9に進む。提案部18は、荒天予想がでていない場合(S8:No)、補充提案情報を出力することなく補充提案処理を終了する。
【0096】
ステップS9で、出力制御部19は、補充提案情報38を出力装置12に出力し、ステップS10に進む。
【0097】
ステップS10で、提案部18は、ユーザによる補充可能施設の検索の指示があるか否か判断する。ナビゲーション部17は、指示があった場合(S10:Yes)、ステップS11で補充可能施設の検索処理を行い、補充提案処理を終了する。ナビゲーション部17は、補充可能施設の検索指示がなかった場合(S10:No)、補充提案情報を出力することなく補充提案処理を終了する。なお、上記フローチャートに示す動作は一例である。例えば、補充提案処理は、前述の条件6及び条件10の少なくともいずれか一方に基く動作を更に含んでもよい。
【0098】
以上のように本実施形態の情報出力装置1は、出力装置12と、制御装置14とを備える。出力装置12は、画像データ、テキストデータ又は音声データの少なくともいずれか1つを出力する。制御装置14は、所定の条件を満たす場合、出力装置12に補充提案情報38を出力させる。補充提案情報38は、動力源の補充を促す情報である。
【0099】
動力源は、移動体2を移動させる。条件は、条件1と条件2とを含む。条件1は、移動体2の目的地として第1目的地と第2目的地とが設定されていることである。第2目的地は、第1目的地に到着した移動体2が目指す目的地である。条件2は、移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいたことである。
【0100】
また本実施形態において、所定の条件は、条件3を更に含む。条件3は、第1目的地が補充可能施設ではないことである。補充可能施設は、移動体2に動力源の補充を行える施設である。制御装置14は、目的地情報を取得する。目的地情報は、設定されている目的地を示す。制御装置14は、第1目的地が補充可能施設の場合に補充提案情報38の出力を行わないように構成される。
【0101】
また本実施形態において、所定の条件は、条件7を更に含む。条件7は、航続可能距離がルート距離よりも短い、又は、航続可能距離とルート距離との差が所定距離以下であることである。航続可能距離は、移動体2が動力源の残量で走行を継続できると推測される距離である。ルート距離は、移動体2の現在地から第2目的地までの距離である。制御装置14は、移動体2が第1目的地に所定距離まで近づいた場合、残量データを取得して航続可能距離を算出する。
【0102】
また制御装置14は、移動体2が第1目的地に所定距離まで近づいた場合、位置データを取得してルート距離を算出する。残量データは、動力源の残量を示す。位置データは、移動体2の現在地を示す。制御装置14は、航続可能距離がルー距離よりも所定距離を超えて長い場合に補充提案情報38の出力を行わないように構成される。
【0103】
また本実施形態において、所定の条件は、条件8を更に含む。条件8は、第1目的地から第2目的地までのルート沿いにある補充可能施設が所定数未満であることである。制御装置14は、移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいた場合、補充施設情報を取得する。補充施設情報は、第1目的地から前記第2目的地までのルート沿いにある補充可能施設に関する。制御装置14は、このような補充可能施設が所定数以上の場合に補充提案処理を行わない。
【0104】
更に本実施形態において、所定の条件は、条件9を更に含む。条件9は、移動体2の現在地又は現在地よりも先のルート沿いに荒天の予報がでていることである。制御装置14は、移動体2が第1目的地に第1所定距離まで近づいた場合、天気情報を取得する。制御装置14は、所定時間内に移動体2の現在地の周辺又は現在地よりも先のルート沿いが荒天の予報でない場合に補充提案情報38の出力を行わないように構成される。
【0105】
一方で、比較例として、目的地設定時に、航続可能距離に応じた充電の提案や充電施設の立ち寄りの自動設定をする機能を搭載するEV(Electric Vehicle)向けナビゲーションシステムがある。しかし、以下のような問題が解決できず、使われなくなってしまう。
【0106】
・次の目的地に向けて早く出発したいのに、バッテリの残量が足りないために充電が必要で煩わしい。
・行きたくない充電施設に案内されてしまう。
・ナビゲーション装置の案内通りに走っても充電施設までたどり着けるか不安。
・暑いので、途中でバッテリを充電すると時間がかかって困る。
・冬の朝の時間帯は寒いので、走行して温まっている状態で効率よく充電したい。
【0107】
また比較例として、「次回のエコ走行を目的として」自宅到着時に充電を促す音声案内を行う機能を備えたナビゲーションシステムがあるが、以下のような問題がある。
【0108】
・自宅到着時にだけ充電の案内をされても困る。
・エコ走行ではなく、エネルギー補充が目的である。すなわち、充電しないと走行できない。
【0109】
これに対して、本実施形態の情報出力装置1は、現在案内中の中間目的地、すなわち経由地である第1目的地に到着する直前で、その第1目的地の周辺での補充可能施設の提案を行うことができる。すなわち、情報出力装置1は、第1目的地から第2目的地への案内を開始するより前に、事前に動力源を補充できる所を提案できる。
【0110】
また情報出力装置1は、動力源の残量だけではなく、動力源部22の温度を含む状態、外気温、天候、現在時刻、及び目的地の種類などの少なくともいずれか1つから、補充可能施設の提案をするかしないかを判定し、到着する前の補充をお勧めしたい場合に限り、動力源の補充を推奨する案内を行い、補充可能施設リストを提供できる。すなわち、情報出力装置1は、「動力源を今補充しておくほうがいい」場合のみ推奨し、「動力源を今補充しないほうがいい」場合、及び、「途中でした方がいい」場合には補充提案処理を抑止できる。
【0111】
情報出力装置1は、例えば、温泉旅館に向かって、その翌日観光地へ向かうという計画で事前にルートを引いておき、動力源の残量は温泉旅館までは余裕、翌日の観光地へは少し足りないかもしれないという状況で利用できる。情報出力装置1は、温泉旅館に近づいたときに、下記のいずれかの状況であり、特に温度を含むバッテリの状態や天候によってお勧めの補充可能施設があれば、補充を促す音声案内及び施設リストを出力装置12に出力し、動力源の補充を促す。
【0112】
・その旅館の補充可能施設が使える。
・近くに急速で補充ができる補充可能施設がある
【0113】
このような本実施形態の情報出力装置1は、例えば、第1目的地そのもので動力源を補充できない場合や近くに補充可能施設が無い場合に、わざわざ第1目的地の周辺で補充を促すことはせず、移動体2の次のアクティビティへの移行をスムーズにできる。例えば、旅行に出かけて宿泊地周辺で当日中にバッテリを充電しておき、翌日は早く観光に出かけたい場合に利便性が向上する。
【0114】
以上のような情報出力装置1は、以下の目的の達成や課題の解決を行える。
【0115】
・比較例の技術では、「立ち寄り地点到着後、次の目的地に向けてスムーズに出発し、早く到着したい」というニーズに応えきれない。
・「次のアクティビティ」への移行をスムーズにする。例えば、旅行に出かけて宿泊地周辺で当日中に充電しておき、翌日は早く観光に出かけたい場合など。遊びに限らず出張などでも有効。
・立ち寄り地点に補充可能施設がある場合、使えるならば使いたい。
・状況に応じて、動力源の効率の良い補充ができるよう提案をする。移動体2の状態、天候、気温などによっては動力源の補充の提案を行わない。そのため、情報出力装置1は、比較的安価な、バッテリの温度管理を積極的に行わない電気自動車に対しても、効率良く充電を行うことができる。
・翌日の天気予報に応じ、翌日が雨の予報なら、今のうちに充電しておくことで雨の中充電しなくても済むような提案を行う。
【0116】
以上、本発明の実施形態について説明したが、装置構成や制御方法等は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0117】
例えば、本実施形態において出力装置12は補充提案情報38をテキストデータで出力するが、この構成に限定されない。情報出力装置1は、補充提案情報38を音声で出力する構成であってもよい。
【0118】
本実施形態の情報出力装置1は入力装置11と出力装置12と記憶装置13と制御装置14とを備えるが、この構成に限定されない。例えば、情報出力装置1は、入力装置11及び記憶装置13の少なくともいずれか一方を備えない構成であってもよい。この場合、情報出力装置1は、例えば、図示しないサーバから補充提案情報38を取得して出力装置12に出力する構成である。また制御装置14は、第1通信制御部15、第2通信制御部16、ナビゲーション部17及び提案部18の少なくともいずれか1つを備えない構成であってもよい。
【0119】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。例えば、上記実施形態および変形例の構成の一部または全部を組み合わせたものも本発明に含まれる。例えば、本発明は、コンピュータを、画像データ、テキストデータ又は音声データの少なくともいずれか1つを出力する出力装置と、所定の条件を満たす場合、前記出力装置に移動体を移動させる動力源の補充を促す提案情報を出力させる制御装置と、として機能させ、前記条件は、移動体の目的地として第1目的地と前記第1目的地に到着した前記移動体が目指す第2目的地とが設定されていること、及び、前記移動体が前記第1目的地に所定距離まで近づいたことを含むことを特徴とするプログラム、であってもよいし、そのプログラムを記録した記録媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 情報出力装置
2 移動体
12 出力装置
14 制御装置
38 補充提案情報
図1
図2
図3
図4
図5